明 細 書
タンタル窒化物膜の形成方法
技術分野
[0001] 本発明は、タンタル窒化物膜の形成方法に関し、特に、 CVD法に従って配線膜用 のノ リア膜として有用なタンタル窒化物膜を形成する方法に関する。
背景技術
[0002] 近年、半導体分野の薄膜製造技術において微細加工の要求が加速しており、それ に伴レ、様々な問題が生じてレ、る。
[0003] 半導体デバイスにおける薄膜配線力卩ェを例にあげれば、配線材料としては、抵抗 率が小さい等の理由力 銅の使用が主流化している。しかし、銅は、エッチングが困 難であり、下地層の絶縁膜中に拡散しやすいという性質があるため、デバイスの信頼 性が低下するとレ、う問題が生じてレ、る。
[0004] この問題を解決するために、従来、多層配線構造における多層間接続孔の内壁表 面に CVD法等で金属薄膜げなわち、導電性のバリア膜)を形成し、その上に銅薄膜 を形成して配線層とすることにより、銅薄膜と下地層のシリコン酸化膜等の絶縁膜とが 直接接触しないようにして、銅の拡散を防いでいた (例えば、特許文献 1参照)。
[0005] この場合、上記多層配線化やパターンの微細化に伴レ、、アスペクト比の高い微細 なコンタクトホールやトレンチ等を、薄いバリア膜で、ステップカバレッジ良く坦め込む ことが要求されている。
特許文献 1:特開 2002 _ 26124号公報 (特許請求の範囲等)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 上記従来技術の場合、 Cu配線膜との密着性を確保しながらバリア膜として有用な 低抵抗のタンタル窒化物 (TaN)膜を CVD法により形成することは困難であるという問 題がある。この問題を解決するためには、原料ガス中のアルキル基等の有機基を切 断除去して C含有量を減らし、かつ、 Taと Nとの結合を切断して TaZN組成比を高く することの可能な成膜プロセスを開発することが必要になる。
[0007] そこで、本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、 CVD法 に従って、 C、 N含有量が低ぐ Ta/N組成比が高ぐまた、配線膜 (例えば、 Cu配線 膜)との密着性が確保されたノ リア膜として有用な低抵抗タンタル窒化物膜を形成す る方法を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明のタンタル窒化物膜の形成方法は、 CVD法に従って、成膜室内に、タンタ ル元素 (Ta)の周りに N = (1,1 及ひ 'は、炭素原子数 1〜6個のアルキル基を示 し、それぞれが同じ基であっても異なった基であってもよい)が配位した配位化合物 力 なる原料ガス及びハロゲンガスを同時に導入して、基板上で TaN (Hal) (R,R')
x y z 化合物 (式中、 Halは、ハロゲン原子を表す)からなるハロゲン化化合物膜を形成し、 次いで H原子含有ガスを導入して前記ハロゲン化化合物膜中の Taに結合した Nを 切断削除し、かつ、 Nに結合したハロゲン原子や R(R')基を切断除去し、タンタルリツ チのタンタル窒化物膜を形成することを特徴とする。上記配位化合物中の炭素原子 数力 ¾を超えると、炭素が膜中に多く残存するという問題がある。
[0009] 前記 H原子含有ガスは、成膜室内で、熱又はプラズマによりラジカルに変換され、 このラジカルとハロゲン化化合物膜とを反応させてタンタルリッチのタンタル窒化物膜 を形成することを特徴とする。
[0010] 前記構成によれば、得られた膜中の C、 N含有量が減少し、 TaZN組成比が増大 し、また、配線膜 (例えば、 Cu配線膜)との密着性が確保されたバリア膜として有用な 低抵抗タンタル窒化物膜を形成することができる。
[0011] 前記原料ガスは、ペンタジメチルァミノタンタル(PDMAT)、 tert-アミルイミドトリス( ジメチルアミド)タンタル(TAIMATA)、ペンタジェチルァミノタンタル(PEMAT)、 te rt-ブチルイミドトリス(ジメチルアミド)タンタノレ(TBTDET)、 tert-ブチルイミドトリス(ェ チルメチルアミド)タンタル(TBTEMT)、 Ta(N(CH ) ) (NCH CH ) (DEMAT)、
3 2 3 3 2 2
TaX (X:塩素、臭素及びヨウ素から選ばれたハロゲン原子)から選ばれた少なくとも
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一種の配位化合物のガスであることが望ましレ、。
[0012] 前記ハロゲンガス力 S、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれた少なくとも一種のガス であることが望ましレ、。このようなハロゲンガスを用いれば、上記 TaN (Hal) (R,R')
x y z
化合物を生成することができる。
[0013] 前記 H原子含有ガスは、 H、 NH、 SiH力 選ばれた少なくとも一種のガスである
2 3 4
ことが望ましい。
[0014] 前記タンタル窒化物膜の形成方法によれば、膜中のタンタルと窒素との組成比が T a/N≥2. 0を満足するタンタルリッチの低抵抗の薄膜が得られる。
[0015] 本発明のタンタル窒化物膜の形成方法はまた、上記形成方法により得られたタンタ ル窒化物膜に対して、タンタルを主構成成分とするターゲットを用いるスパッタリング により、タンタル粒子を入射させることを特徴とする。これにより、さらにタンタルリッチ な、 Ta/N≥2. 0を十分に満足するタンタル窒化物膜が形成され得る。
[0016] 前記スパッタリングは、 DCパワーと RFパワーとを調整して、 DCパワーが低ぐかつ 、 RFパワーが高くなるようにして行われることが望ましい。
発明の効果
[0017] 本発明によれば、 CVD法に従って、低い C、 N含有量、かつ、高い Ta/N組成比 を有し、配線膜 (例えば、 Cu配線膜)との密着性が確保されたバリア膜として有用な低 抵抗のタンタルリッチのタンタル窒化物膜を形成することができるという効果を奏する
[0018] また、本発明によれば、上記 CVD法により得られたタンタル窒化物膜に対して、ス パッタ法等の PVD法によりタンタルを打ち込むことにより、さらにタンタルリッチのタン タル窒化物膜を形成することができるという効果を奏する。
[0019] さらに、本発明によれば、上記バリア膜上に、優れた密着性と平滑性とを併せ持つ て、配線膜を形成できという効果を奏する。
発明を実施するための最良の形態
[0020] 本発明によれば、低い C、 N含有量、高い Ta/N組成比を有する低抵抗のタンタ ル窒化物膜は、熱 CVD法やプラズマ CVD法等の CVD法に従って、成膜室である 真空チャンバ内に載置された基板上で、上記タンタル含有配位化合物からなる原料 ガスとハロゲンガスとを反応させることにより、 TaN (Hal) (R,R')化合物膜を形成させ
、次いでこのハロゲン化ィヒ合物膜と、真空チャンバ内へ導入された H原子含有ガスを 熱やプラズマにより活性化して生成された Hガス又は HNガス由来の Hラジカル、 N
Hガス由来の NHラジカル等のラジカルとを反応させて形成される。
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[0021] 原料ガス、ハロゲンガス及び H原子含有ガスとしては、上記したものをそのまま導入 しても、 Nガスや Arガス等の不活性ガスと共に導入してもよい。これらの反応体の量
2
に関しては、ハロゲンガスは、原料ガスに対して、例えば、原料ガス 5sccmに対して 5 sccm程度以下の流量で用い、また、 H原子含有化合物ガスは、原料ガスに対してハ ロゲンガスに比べて多量、例えば、原料ガス 5sccmに対して 100〜1000sccm(H
2 換算)の流量で用レ、ることが望ましレ、。
[0022] 上記二つの反応の温度は、反応が生じる温度であればよぐ例えば、原料ガスとハ ロゲンガスとのハロゲン化反応では、一般に 300°C以下、好ましくは 150〜300°C、 また、このハロゲンィ匕反応の生成物とラジカルとの反応では、一般に 300°C以下、好 ましくは 150〜300°Cである。真空チャンバ内の圧力は最初のハロゲン化反応の場 合 l〜10Pa、次の成膜反応の場合 1〜: !OOPaであることが望ましい。
[0023] 配位化合物は、上記したように、タンタル元素 (Ta)の周りに N = (R,R')(R及び R'は 、炭素原子数:!〜 6個のアルキル基を示し、それぞれが同じ基であっても異なった基 であってもよレ、)が配位したものである。このアルキル基は、例えばメチル、ェチル、プ 口ピル、ブチル、ペンチル、へキシル基であり、直鎖でも分岐したものでもよレ、。この 配位化合物は、通常、 Taの周りに 4つから 5つの N— (R,R')が配位した化合物である
[0024] 上記本発明の方法は、 CVD法に従って、成膜室である真空チャンバ内において、 例えば、原料ガスとハロゲンガスとを導入してハロゲン化反応を行って TaN (Hal) (R
x y
,R')化合物膜を基板上に形成し、次いで水素原子含有化合物ガスを導入して、熱 z
又はプラズマにより生成されたラジカルと上記ハロゲン化生成物とを反応せしめて、タ ンタル窒化物膜を形成してもよいし、また、その後このプロセスを所望の回数繰り返し てもよいし、或いはまた、上記ハロゲン化反応を所望の回数繰り返した後、ラジカノレと の反応を行ってもよい。
[0025] 本発明のタンタル窒化物の形成方法は、いわゆる CVD法を実施できる成膜装置で あれば特に制約なく実施できる。例えば、図 1に示すプラズマ CVD成膜装置を使用 して本発明方法を実施する場合の一実施の形態について、以下説明する。
[0026] 図 1に示すプラズマ CVD装置は、成膜室である真空チャンバ 1からなり、この真空 チャンバの側壁には真空排気系 2が接続されており、真空チャンバの上方部には真 空チャンバと絶縁した状態で電極 3が配置されている。この電極 3に接続された高周 波電源 4が真空チャンバ 1の外部に配置されており、電極に高周波電力を印加し、真 空チャンバ内にプラズマを発生させることができるように構成されてレ、る。真空チャン バ 1内には、その下方部にヒータ等の加熱手段 5を内蔵する基板載置用ステージ 6が 、その基板載置面を電極面と互いに平行して対向するように配設されている。
[0027] 電極 3の内部には、ガス室 7が設けられ、電極の基板載置用ステージ 6に対向する 面にはシャワーノズルとして機能する複数の孔 8が開口され、この孔からガスを真空 チャンバ内へ導入し、基板表面へ供給できるように構成されており、この電極はシャ ワープレートとして機能する。
[0028] ガス室 7には、ガス導入系 9の一端が接続され、このガス導入系の他端には原料ガ スゃハロゲンガスや H原子含有ガス等がそれぞれ充填された複数のガスボンベ (図示 せず)が接続されている。この場合、ガス室 7にガス導入系 9が複数接続され、それぞ れ力 別個のガスボンベに接続されていてもよレ、。図示していないが、マスフローコン トローラで各ガス流量を制御できるようになつている。
[0029] 原料ガスは、原料ガス充填ガスボンベを用いて導入することもできる力 その他に、 上記タンタル含有有機金属化合物を加熱保温された容器内に収容し、パブリングガ スとしての Ar等の不活性ガスをマスフローコントローラ一等を介して容器内に供給し て原料を昇華させ、このパブリングガスと共に原料ガスを真空チャンバ内へ導入する ようにしてもよいし、気化器等を介して気化された原料ガスを真空チャンバ内へ導入 してもよい。
[0030] 図 1に示すプラズマ CVD成膜装置を用レ、、本発明のタンタル窒化物形成方法を実 施するプロセスの一実施の形態は、以下の通りである。
[0031] まず、真空排気系 2により、真空チャンバ一 1内を所定の圧力 (例えば、 10 10_ 5pa)まで真空排気し、基板載置用ステージ 6上に基板 Sを載置した後、加熱手段 5に 通電して基板を所定の温度 (例えば、 150〜300°C)に加熱する。次いで、ガス導入 系 9からガス室 7へ原料ガスとハロゲンガスとを導入し、孔 8から基板 S表面に向かつ
て供給する。この基板 Sとしては、特に制限はなレ、が、例えば、公知の下地密着層が 絶縁層上に設けられたものであって、その表面が脱ガス等の前処理をしてあるもので あってもよい。
[0032] 真空チャンバ 1内の圧力が所定の圧力で安定した後、高周波電源 4から、周波数 2 7. 12MHz,電力密度 0. 2WZ cm2の高周波交流電圧を出力させる。この高周波電 源からの交流電圧が電極 3に印加されると、力ソードとして機能するように構成されて レ、る電極 3とアノードとして機能するように構成されている基板ホルダー 6上に載置さ れた基板 S表面との間に原料ガスとハロゲンガスとのプラズマが発生する。このプラズ マ中で原料ガス及びハロゲンガスのラジカルが生成され、基板 S表面上でハロゲン化 反応が起こり、 TaN (Hal) R化合物膜が形成される。所定の膜厚を有するハロゲン 化化合物膜が形成された後、高周波電源 4の動作を停止し、原料ガスとハロゲンガス との導入を停止する。
[0033] 次いで、真空チャンバ一 1内へガス導入系 9を介して H原子含有ガスを導入して活 性化する。すなわち、上記したようにして、チャンバ一内にプラズマを発生せしめ、こ のプラズマ中で発生したラジカルを、上記したようにして形成したハロゲン化化合物 膜の表面に入射して反応せしめ、このハロゲン化化合物膜を分解し、膜中の Taに結 合した Nを切断除去し、かつ、残っている Nに結合した R(R')基を切断除去し、タンタ ノレリッチのタンタル窒化物膜を形成する。所定の膜厚を有するタンタル窒化物膜が形 成されたら、高周波電源 4の動作を停止し、 H原子含有ガスの導入を停止し、基板 S を真空チャンバ一 1外へ搬出する。
[0034] 上記したようにして形成されたタンタル窒化物膜について、 AESによって分析した ところ、 C2%以下、 N33〜35%、 Ta/N= l . 9〜2. 0であり、比抵抗は 450 μ Ω - c m以下であった。
[0035] 上記したように、プラズマ CVD法では、 NHガスや H原子含有ガス等の反応ガスが
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プラズマ中で活性化されるので、比較的低温でも薄膜を形成することができる。また、 熱 CVD法によっても、公知のプロセス条件で上記と同じようにしてタンタルリッチのタ ンタル窒化物膜を形成することができる。
[0036] 上記したようにして所望の膜厚を有するタンタル窒化物膜が形成された基板に対し
て、例えば、公知のスパッタ成膜法に従って、 Ar等のスパッタリングガスを用い、ター ゲットに電圧を印加してプラズマを発生させ、ターゲットをスパッタリングして上記タン タル窒化物膜の表面に金属薄膜、すなわち配線膜側密着層 (バリア膜側下地層)を 形成させてもよい。
[0037] 以上の工程を経て基板 S上に積層膜が形成され、次いで、上記配線膜側密着層の 上に、公知の方法により配線膜 (例えば、 Cu配線膜)を形成する。
[0038] ところで、本発明のタンタル窒化物形成方法では、このバリア膜が形成される前に、 基板 S表面に吸着しているガス等の不純物を除去する公知の脱ガス処理を行うこと が必要であり、また、この基板上にバリア膜を形成した後に、最終的に例えば Cuから なる配線膜が形成される。そのため、この成膜装置を、真空排気可能な搬送室を介 して、少なくとも脱ガス室及び配線膜形成室に接続して、基板が搬送用ロボットによつ て搬送室から成膜装置と脱ガス室と配線膜形成室との間を搬送できるように構成され た複合型配線膜形成装置とすれば、前処理から配線膜形成までの一連の工程をこ の装置で実施できる。
[0039] 上記したようにして形成されたタンタル窒化物膜に対して、スパッタリング法等の PV D法によりタンタル粒子を打ち込んで、さらにタンタルリッチのタンタル窒化物膜を形 成することもできる。例えば、真空チャンバの上方で、基板ホルダーに対向する位置 にターゲットが設置されている公知のスパッタリング装置を用いて実施できる。
[0040] このようなスパッタリング装置の場合、ターゲットには、その表面をスパッタリングし、 ターゲット構成物質の粒子を放出させるプラズマを発生させるための電圧印加装置 が接続されている。ここで用いるターゲットは、上記原料ガスに含まれる金属の構成 元素 (Ta)を主成分とするもので構成されており、また、電圧印加装置は、高周波発生 装置と、ターゲットに接続された電極とから構成されている。スパッタリングガスは、公 知の不活性ガス、例えばアルゴンガス、キセノンガス等であればよい。
[0041] 上記のようにして得られたタンタル窒化物膜であるバリア膜の形成された基板 Sをス パッタ室内に載置した後に、スパッタ室内へ Ar等の不活性ガスを導入して放電させ、 原料ガスの構成成分であるタンタルを主構成成分とするターゲットをスパッタリングし 、基板上に形成された薄膜中にスパッタリング粒子であるタンタル粒子を入射させる
ようする。このように、スパッタリングによって、ターゲットから基板表面の薄膜中にタン タルを入射させることができるので、バリア膜中のタンタルの含有率をさらに増加せし めることができ、所望の低抵抗のタンタルリッチのタンタル窒化物膜を得ることができ る。なお、原料ガスが有機タンタルイ匕合物であるので、上記スパッタリングによって構 成元素 (タンタル)が基板の表面に入射することにより、分解が促進されて Cや N等の 不純物がバリア膜からはじき出されて、不純物の少ない低抵抗のバリア膜を得ること ができる。
[0042] このスパッタリングは、タンタル粒子をタンタル窒化物膜中に打ち込んで、 Cや Nを スパッタ除去し、この膜の改質を行うために行われるのであって、タンタル膜を積層す るのではないので、タンタル膜が形成されない条件、すなわちタンタル粒子によるェ ツチングができる条件で行うことが必要である。そのため、例えば、 DCパワーと RFパ ヮ一とを調整して、 DCパワーが低ぐかつ、 RFパワーが高くなるようにする必要があ る。例えば、 DCパワーを 5kW以下に設定し、 RFパワーを高ぐ例えば 400〜800W とすることで、タンタル膜が形成されない条件が達成できる。 RFパワーは DCパワー に依存するので、 DCパワーと RFパワーを適宜調整することにより、膜の改質程度を 調整できる。また、スパッタリング温度は、通常のスパッタリング温度でよぐ例えばタ ンタル窒化物膜の形成温度と同一温度でよい。
[0043] 上記したようにして所望の膜厚を有するバリア膜が形成された基板 Sに対して、例え ば、公知のスパッタ成膜法に従って、 Ar等のスパッタリングガスを導入し、電圧印加 装置からターゲットに電圧を印加してプラズマを発生させ、ターゲットをスパッタリング して上記バリア膜の表面に金属薄膜、すなわち配線膜側密着層 (バリア膜側下地層) を形成させてもよい。
[0044] 以上の工程を経て基板 S上に積層膜が形成され、次いで、上記配線膜側密着層の 上に、公知の方法で配線膜を形成する。
[0045] 図 2は、図 1に示す成膜装置を備えた複合型配線膜形成装置の構成図を模式的に 示す。
[0046] この複合型配線膜形成装置 100は、前処理部 101と成膜処理部 103とこれらをつ なぐ中継部 102とから構成されている。いずれも、処理を行う前には、内部を真空雰
囲気にしておく。
[0047] まず、前処理部 101では、搬入室 101aに配置された処理前基板を前処理部側搬 出入口ボット 101bによって脱ガス室 101cに搬入する。この脱ガス室 101cで処理前 基板を加熱し、表面の水分等を蒸発させて脱ガス処理を行う。次に、この脱ガス処理 された基板を搬出入口ボット 101bによって還元処理室 101dに搬入する。この還元 処理室 101d内では、上記基板を加熱して水素ガス等の還元性ガスによって下層配 線のメタル酸化物を除去するァニール処理を行う。
[0048] ァニール処理の終了後、搬出入口ボット 101bによって還元処理室 101dから上記 基板を取り出し、中継部 102に搬入する。搬入された基板は、中継部 102で成膜処 理部 103の成膜処理部側搬出入口ボット 103aに受け渡される。
[0049] 受け渡された上記基板は、搬出入口ボット 103aによって成膜室 103bに搬入される 。この成膜室 103bは、上記成膜装置 1に相当する。成膜室 103bでバリア膜及び密 着層が形成された積層膜は、搬出入口ボット 103aによって成膜室 103bから搬出さ れ、配線膜室 103cに搬入される。ここで、上記バリア膜 (バリア膜上に密着層が形成 されている場合は、密着層)の上に配線膜が形成される。配線膜が形成された後、こ の基板を搬出入口ボット 103aによって配線膜室 103cから搬出室 103dに移動し、搬 出する。
[0050] 以上の通り、上記バリア膜形成の前後の工程、すなわち、脱ガス工程と配線膜形成 工程とを一連で行う上記複合型配線膜形成装置 100の構成をとれば、作業効率が 向上する。
[0051] なお、上記複合型配線膜形成装置 100の構成は、前処理部 101に脱ガス室 101c と還元処理室 101dとを各々 1室ずつ設け、成膜処理部 103に成膜室 103bと配線膜 室 103cとを各々 1室ずつ設けたが、この構成に限定されるものではない。
[0052] 従って、例えば、前処理部 101及び成膜処理部 103の形状を多角形状にし、各々 の面に上記脱ガス室 101 c及び還元処理室 101、並びに成膜室 103b及び配線膜室 103cを複数個設ければ、さらに処理能力は向上する。
実施例 1
[0053] 本実施例では、図 1に示す成膜装置 1を用い、原料ガスとしてペンタジメチルァミノ
タンタル (MO)ガス、ハロゲンガスとしてフッ素ガス及び反応ガスとして NHガスを用
3 レ、てタンタル窒化物膜を形成した。
[0054] 公知の方法に従って、 SiO絶縁膜を有する基板 Sの表面の脱ガス前処理工程を
2
実施した後、真空排気系 2によって 10_5Pa以下に真空排気された真空チャンバ 1内 に基板 Sを搬入した。この基板としては、特に制限はないが、例えば、通常のスパッタ 成膜法に従って、 Arスパッタリングガスを用レ、、 Taを主構成成分として有するターグ ットに電圧を印加してプラズマを発生させ、ターゲットをスパッタリングして表面に基板 側密着層を形成させた基板を用レ、てもよい。
[0055] 真空チャンバ 1内に基板 Sを搬入し、基板載置用ステージ 6上に基板 Sを載置した 後、この基板をヒーター 5で 250°Cに加熱し、ガス導入系 9からガス室 7へ上記原料ガ スを 5sccm、上記ハロゲンガスを 5sccm導入し、孔 8から基板 S表面に向かって供給 した。
[0056] 真空チャンバ 1内の圧力が所定の圧力で安定した後、高周波電源 4から、周波数 2 7. 12MHz,電力密度 0. 2W/ cm2の高周波交流電圧を出力させ、電極 3と基板 S 表面との間に原料ガスとハロゲンガスとのプラズマを発生させた。このプラズマ中で原 料ガス及びハロゲンガスのラジカルを生成させ、基板 S表面上でのハロゲン化反応に よって、 TaN (Hal) R化合物膜を形成した。所定の膜厚を有するハロゲン化化合物 膜を形成した後、高周波電源 4の動作を停止し、原料ガスとハロゲンガスとの導入を 停止した。
[0057] 次いで、真空チャンバ一 1内へガス導入系 9を介して上記 H原子含有ガスを導入し 、上記したようにして、チャンバ一内にプラズマを発生せしめ、このプラズマ中で発生 したラジカルを、上記したようにして形成したハロゲン化化合物膜の表面に入射して 反応せしめた。この反応により、このハロゲン化化合物膜中の Ta_N結合が切断さ れ Nが除去され、かつ、 Nに結合した R(R')基が切断除去された。その結果、タンタノレ リッチのタンタル窒化物膜が形成された。所定の膜厚を有するタンタル窒化物膜を形 成した後、高周波電源 4の動作を停止し、 H原子含有ガスの導入を停止し、基板 Sを 真空チャンバ一 1外へ搬出した。
[0058] 力べして得られたバリア膜の組成は、 TaZN= l . 9であり、 C含有量は 2%以下であ
り、 N含有量は 33%であった。
[0059] なお、比較のために、上記原料ガス (MOガス)とハロゲンガス (フッ素ガス)とを用いた 場合、及び上記原料ガスと反応ガス(H :但し、反応ガス由来の Hラジカル照射によ
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る処理時間を、 3秒、 5秒、 10秒として行った)とを用いた場合について、上記方法に 準じて成膜した。
[0060] 上記方法で得られたそれぞれの薄膜について、比抵抗 μ Ω ' cm)を算出した。
この比抵抗は、 4探針プローブ法でシート抵抗 (Rs)を測定し、 SEMで膜厚 (T)を測定 して、式: p =Rs 'Tに基づいて算出したものである。
[0061] 原料ガス (M〇ガス)をフッ素ガスで変換 (ノヽロゲン化)した後に反応ガス (Hラジカルを 10秒間照射して成膜した場合には、 MOガスとフッ素ガスとを用いて成膜した場合 (1 0 Ω - cm), M〇ガスとフッ素ガスと反応ガス (Hラジカルを 3秒間照射)とを用いて成 膜した場合 (3 X 105 μ Ω - cm),及び MOガスとフッ素ガスと反応ガス (Hラジカルを 5 秒間照射)とを用いて成膜した場合 (4800 / Ω · cm)よりも低い比抵抗 (450 / Ω - cm) が得られた。
[0062] このこと力ら、 MOガスとハロゲンガスとの成膜で得られる膜はハロゲンを含むため、 高抵抗の膜が生成され、この膜を Hラジカルで処理していくと、その処理時間に応じ て比抵抗が変化し、処理時間が長くなるに従い比抵抗が下がっていくことが分かる。 この結果から、 Hラジカル処理を好ましくは 10秒以上で行うことで、効果的にハロゲン 、 R,R'基及び Nが除去されることが分かる。
[0063] 上記したように、 MOガスとハロゲンガスと H原子含有ガス (ラジ力ノレ)とを用いた成膜 では、ハロゲンにより原料ガスの Ta— N— (R,R')結合の Nと Rとの結合が一部切断さ れて選択的に Rが除去される力 次いで Hラジカルの照射により高抵抗のハロゲンィ匕 Ta系化合物における Taと Nとの結合、 Nとハロゲン原子との結合及び残っている Nと R,R'基 (アルキル基)との結合が切断されて、ハロゲン原子、 C及び Nが除去されるこ とにより、 C、 Nの含有割合が減少し、その結果、形成された膜組成がタンタルリッチと なり、膜の比抵抗が下がったことを示しているものと考えられる。
[0064] 上記したようにして所望の膜厚を有するバリア膜が得られた基板に対し、例えば、 公知のスパッタ成膜方法に従って、 Arスパッタリングガスを用レ、、ターゲットに電圧を
印加してプラズマを発生させ、ターゲットをスパッタリングして上記バリア膜の表面に 金属薄膜、すなわち下地層としての配線膜側密着層を形成させてもよい。
[0065] 以上の工程を経て積層膜が形成された基板 S上に、すなわち上記バリア膜側密着 層の上に、公知のプロセス条件に従って Cu配線膜を形成した。各膜同士の接着性 は優れてレ、ることが確認された。
実施例 2
[0066] 本実施例では、実施例 1で得られたタンタル窒化物膜に対して、公知のスパッタ装 置を用いて、スパッタリングによりタンタル粒子を打ち込んで、さらにタンタルリッチの タンタル窒化物膜を形成した。
[0067] スパッタ装置内に Arスパッタリングガスを導入し、電圧印加装置からターゲットに電 圧を印加して放電させて、プラズマを発生させ、タンタルを主構成成分とするターゲッ トをスパッタリングし、基板 S上に形成された薄膜中にスパッタリング粒子であるタンタ ル粒子を入射させるようにした。このスパッタリング条件は、 DCパワー: 5kW、 RFパヮ 一: 600Wとした。また、スパッタリング温度は、 30〜150°Cで行った。
[0068] 上記タンタル粒子を打ち込むスパッタリングにより、バリア膜中のタンタルの含有率 をさらに増加せしめることができ、所望の低抵抗のタンタルリッチのタンタル窒化物膜 を得ることができた。なお、タンタルが基板 Sの表面薄膜中に入射することにより、薄 膜の分解が促進されて Cや N等の不純物が膜からはじき出されて、不純物の少ない 低抵抗のバリア膜を得ることができた。力、くして得られた薄膜は、 Ta/N = 3. 4、 C及 び Nの含有量: C = 0. 1%以下、 N = 23%、及び得られた薄膜の比抵抗: 250 μ Ω · cmであった。
[0069] 上記のようにして所望の膜厚の改質タンタル窒化物膜を形成した後、例えば、 Arス パッタリングガスを導入し、公知のスパッタ成膜プロセス条件に従って電圧印加装置 力 ターゲットに電圧を印加してプラズマを発生させ、ターゲットをスパッタリングして 上記バリア膜の表面に金属薄膜、すなわち下地層としての配線膜側密着層を形成さ せてもよい。
[0070] 以上の工程を経て積層膜が形成された基板 S上に、すなわち上記配線膜側密着 層の上に、公知のプロセス条件に従って Cu配線膜を形成した。各膜同士の接着性
は優れてレ、ることが確認された。
実施例 3
[0071] 原料ガスとして、ペンタジメチルァミノタンタルの代わりに tert-アミルイミドトリス (ジメ チルァミノ)タンタルを用いたこと以外は、実施例 1に準じて成膜プロセスを実施したと ころ、タンタルリッチの低抵抗のタンタル窒化物膜が得られた。得られた膜において、 Ta/N= l . 8、 C含有量 3%、 N含有量 35. 7%、比抵抗 550 μ Ω ' cmであった。 実施例 4
[0072] ハロゲンガスとして、フッ素ガスの代わりに塩素ガス、臭素ガス又はヨウ素ガスを用 いたこと、また、 Hラジカルを生成するガスとして、 Hガスを用いたこと以外は、実施
2
例 1に準じて成膜プロセスを実施したところ、実施例 1と同様な結果が得られた。 産業上の利用可能性
[0073] 本発明によれば、 CVD法に従って、 C、 N含有量が低ぐ Ta/N組成比が高ぐ C u膜との密着性が確保されるバリア膜として有用な低抵抗のタンタル窒化物膜を形成 すること力 Sできる。そのため、本発明は、半導体デバイス分野の薄膜形成プロセスに 適用可能である。
図面の簡単な説明
[0074] [図 1]本発明の成膜方法を実施するための成膜装置の一例を模式的に示す構成図
[図 2]本発明の成膜方法を実施するための成膜装置を組み込んだ複合型配線膜形 成装置の模式的構成図。
符号の説明
[0075] 2 真空排気系
3 電極 4 高周波電源
5 加熱手段 6 基板載置用ステージ
7 ガス室 8 孔
9 ガス導入系 S 基板