WO2006064556A1

WO2006064556A1 - 複数のムーブメントレイアウトを実現できる多機能時計

Info

Publication number: WO2006064556A1
Application number: PCT/JP2004/018727
Authority: WO
Inventors: Takeshi Tokoro; Kei Hirano; Mamoru Watanabe
Original assignee: Seiko Instruments Inc.
Priority date: 2004-12-15
Filing date: 2004-12-15
Publication date: 2006-06-22
Also published as: CN101080681A; EP1898277B1; EP1898277A4; JP4737637B2; JPWO2006064556A1; US7609588B2; EP1898277A1; US20070291593A1

Abstract

　ムーブメントの部品の寸法形状を変更することなしに、部品の組み込み位置を変えるだけで複数のムーブメントレイアウトを形成できるように構成した小針付き多機能時計を実現する。　多機能時計のムーブメント２０１は、第１の輪列回転中心と、第２の輪列回転中心とを備える。第１の輪列回転中心、第２の輪列回転中心は、地板２０２の地板中心２０２ｃと地板２０２の地板外形部との間の位置に配置される。第１の輪列回転中心、第２の輪列回転中心には、それぞれ、輪列部材を回転可能に案内するための輪列案内部が設けられる。時刻情報又は暦情報を表示するための輪列が、第１の輪列回転中心、第２の輪列回転中心のうちの一方に対して回転可能なように配置される。

Description

明細書

複数のムーブメントレイアウトを実現できる多機能時計

技術分野

[0001] 本発明は、 1つ又は複数の小針を備えた多機能時計に関する。特に、本発明は、ムーブメントの部品の寸法形状を変更することなしに、部品の組み込み位置を変えるだけで複数のムーブメントレイアウトを実現できるように構成した、種々の表示を行う小針を備えたアナログ多機能時計に関する。

背景技術

[0002] (1)用語の説明：

一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。ムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうちで、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち、文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」又は「ガラス側」又は「文字板側」と称する。地板の両側のうちで、時計ケースの裏蓋のある方の側、すなわち、文字板と反対の側をムーブメントの「表側」又は「裏蓋側」と称する。ムーブメントの「表側」に組み込まれる輪列を「表輪列」と称する。ムーブメントの「裏側」に組み込まれる輪列を「裏輪列」と称する。一般に、「12時側」とは、アナログ式時計において、文字板の 12時に対応する目盛が配置されている方の側を示す。「12時方向」とは、アナログ式時計において、地板の中心或いは時針などの指針の回転中心（以下、「地板中心」という）から「12時側」に向力方向を示す。また、「2時側」とは、アナログ式時計において、文字板の 2時に対応する目盛が配置されている方の側を示す。「2時方向」とは、アナログ式時計において、地板中心から「2時側」に向かう方向を示す。

[0003] また、「3時側」とは、アナログ式時計において、文字板の 3時に対応する目盛が配置されている方の側を示す。「3時方向」とは、アナログ式時計において、地板中心から「3時側」に向力方向を示す。また、「6時側」とは、アナログ式時計において、文字板の 6時に対応する目盛が配置されている方の側を示す。「6時方向」とは、アナログ式時計において、地板中心から「6時側」に向かう方向を示す。また、「9時側」とは、アナログ式時計において、文字板の 9時に対応する目盛が配置されている方の側を示す。「9時方向」とは、アナログ式時計において、地板中心から「9時側」に向かう方向を示す。また、「10時側」とは、アナログ式時計において、文字板の 10時に対応する目盛が配置されている方の側を示す。「10時方向」とは、アナログ式時計において、地板中心から「10時側」に向力、う方向を示す。さらに、「4時方向」、「4時側」のように、その他の文字板の目盛が配置されている方の側を示すことがある。

[0004] さらに、本明細書においては、地板中心から「3時側」に向かう直線を、単に「3時方向」ということがある。同様に、地板中心から「12時側」に向力直線を、単に「12時方向」といい、地板中心から「4時側」に向力直線を、単に「4時方向」といい、地板中心力、ら「6時側」に向力、う直線を、単に「6時方向」といい、地板中心力「9時側」に向力直線を、単に「9時方向」ということがある。また更に、本明細書においては、「3時方向」と「4時方向」との間の領域を「3-4時領域」という。同様に、「12時方向」と「3時方向」との間の領域を「12— 3時領域」といい、「3時方向」と「6時方向」との間の領域を「3— 6時領域」とレ、い、「6時方向」と「9時方向」との間の領域を「6— 9時領域」といい、「 9時方向」と「 12時方向」との間の領域を「9-12時領域」ということがある。

[0005] (2)従来の小針付き多機能時計：

(2 · 1)第 1タイプの多機能時計：

従来の第 1タイプの小針を備えた多機能時計では、日星車と小曜車を時計中心に対して概略対称な位置に配置している。小針の一種である小日針が日星車に取り付けられる。また、小針の一種である小曜針が小曜車に取り付けられる。（例えば、特許文献 1参照）。

[0006] (2 · 2)第 2タイプの多機能時計：

従来の第 2タイプの小針を備えた多機能時計では、日星車と小曜車を時計中心に対して概略対称な位置に配置し、日回し車、曜回し車が、それぞれ日送り爪、曜日送り爪の両方を有している（例えば、特許文献 2参照）。

[0007] (2 · 3)第 3タイプの多機能時計：

従来の第 3タイプの多機能時計では、地板は、「センタークロノグラフ時計」を製造するときに用いられるロータおよび輪列の輪列回転中心と、「サイドクロノグラフ時計」を製造するときに用いられるロータおよび輪列の輪列回転中心とを備えており、受部材は、「センタークロノグラフ時計」を製造するときに用いられるロータおよび輪列の輪列回転中心と、「サイドクロノグラフ時計」を製造するときに用いられるロータおよび輪列の輪列回転中心とを備えており、小針の一種であるクロノグラフ針を備えた「サイドクロノグラフ時計」を製造するときに用いられるロータおよび輪列は、前記地板の前記輪列回転中心と、前記受部材の前記輪列回転中心とに対して回転可能なように組み込まれる（例えば、特許文献 3参照）。

[0008] (2 · 4)第 4タイプの多機能時計：

従来の第 4タイプの小針を備えた多機能時計では、「12時側」に 360度回転する小針が配置され、「3時側」と「9時側」に扇形運針する小針がそれぞれ配置され、「6時側」に月齢を表示する円盤が配置されている。扇形運針する小針は、ひげぜんまいを設けた表示車に取り付けられている（例えば、特許文献 4参照）。

[0009] 特許文献 1 :実開昭 63— 187089号公報 (第 1図）

特許文献 2：実開昭 63-187090号公報 (第 1図）

特許文献 3 :特開 2004— 20421号公報（第 9一 20頁、図 1一図 8)

特許文献 4：スイス国特許第 CH666591G A3号 (第 1図）

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0010] しかし、従来の小針を備えた多機能時計では、ムーブメントにおいて、日星車、小曜車、クロノグラフ車などの小針 (小表示針)を取り付ける歯車の回転中心の位置を変更する場合、関連する複数の部品を変更しなければならなかった。したがって、小針を備える複数のムーブメントレイアウトを形成する場合、それぞれのムーブメントを別個に設計して、それぞれのムーブメントの構成部品を加工するための加工機械、金型などを多数用意する必要があった。このため、従来の小針を備えた多機能時計の製造においては、部品加工作業の切換に多くの時間を必要とし、また、部品製造工数が多くなる課題があった。

[0011] 本発明の目的は、小針を取り付ける歯車の回転中心の位置を変更する場合、ムーブメントの部品の寸法形状を変更することなしに、部品の組み込み位置を変えるだけで複数のムーブメントレイアウトを形成できるように構成した、小針を備えたアナログ多機能時計を実現することにある。

また、本発明の他の目的は、部品加工作業の切換に多くの時間を必要とせず、部品製造工数が少ない、小針を備えたアナログ多機能時計を実現することにある。課題を解決するための手段

[0012] 本発明は、ムーブメントの基板を構成する地板と、表示を修正するための卷真と、前記卷真の位置を切り換えるための切換機構と、時刻情報を表示するための文字板と、時刻情報又は暦情報を表示するための小針とを備えた多機能時計でにおいて、前記ムーブメントは、前記ムーブメントを用いて第 1のタイプの小針の配置を有する第 1のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 1の輪列回転中心と、前記ムーブメントを用いて第 2のタイプの小針の配置を有する第 2のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 2の輪列回転中心とを備えるように構成した。この多機能時計では、前記第 1の輪列回転中心は、前記地板の地板中心と前記地板の地板外形部との間の位置に配置され、前記第 2の輪列回転中心は、前記地板の地板中心と前記地板の地板外形部との間の位置に配置される。前記第 1の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための輪列案内部が設けられ、前記第 2の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための輪列案内部が設けられる。時刻情報又は暦情報を表示するための輪列が、前記第 1の輪列回転中心、前記第 2の輪列回転中心のうちの一方に対して回転可能なように配置される。この多機能時計では、前記地板中心と前記地板の外形部との間の位置を回転中心として回転する小針により、時刻情報又は暦情報を表示するように構成される。この構成により、複数のムーブメントレイアウトを実現することが出来る多機能時計を得ることができる。

[0013] 本発明の多機能時計において、前記第 1の輪列回転中心を前記ムーブメントの 3 時方向に配置し、前記第 2の輪列回転中心を前記ムーブメントの 2時方向に配置すること力 Sできる。或いは、前記第 1の輪列回転中心を前記ムーブメントの 9時方向に配置し、前記第 2の輪列回転中心を前記ムーブメントの 10時方向に配置することができる。また、本発明の多機能時計において、前記ムーブメントは、更なる小針の配置を有する多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 3の輪列回転中心を備えることができる。この構成では、前記第 3の輪列回転中心は、前記地板の地板中心と前記地板の地板外形部との間の位置に配置され、前記第 3の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための輪列案内部が設けられる。そして、時刻情報又は暦情報を表示するための輪列が、前記第 3の輪列回転中心に対して回転可能なように配置され、前記更なる小針により、時刻情報又は暦情報を表示するように構成される。この構成により、更なる小針により時刻情報又は暦情報を表示することが出来る多機能時計を得ることができる。

[0014] また、本発明の多機能時計において、前記第 3の輪列回転中心を前記ムーブメントの 6時方向に配置することができる。また、本発明の多機能時計において、前記第 3 の輪列回転中心は、前記ムーブメントの 12時方向に配置することができる。この構成により、種々のムーブメントレイアウトを実現することが出来る多機能時計を得ることができる。また、本発明の多機能時計において、前記第 1の輪列回転中心は、前記ムーブメントの 3時方向に配置され、日表示を行うための日星車が、前記第 1の輪列回転中心を回転中心として回転可能なように配置され、日星車の表示を修正するための修正車が、前記日星車の回転中心を回転中心として回転可能なように配置されること力 Sできる。この構成により、日星車を確実に修正することが可能な機構を設けた多機能時計を実現することができる。

[0015] また、本発明の多機能時計において、前記ムーブメントは、前記第 1の輪列回転中心に日表示を行うための日星車を配置したときに当該日星車の表示を修正するための修正車を組み込むための第 1の輪列案内部と、前記第 2の輪列回転中心に日表示を行うための日星車を配置したときに当該日星車の表示を修正するための修正車を組み込むための第 2の輪列案内部とを備えるように構成することができる。この構成により、複数の位置に配置された日星車を確実に修正することが可能なように構成された多機能時計を実現することができる。また、本発明の多機能時計において、前記ムーブメントは、前記第 1の輪列回転中心に日表示を行うための日星車を配置したときに当該日星車の表示を修正するための修正車を加圧するための第 1の修正ばね部と、前記第 2の輪列回転中心に日表示を行うための日星車を配置したときに当該日星車の表示を修正するための修正車を加圧するための第 2の修正ばね部とを備えるように構成することができる。この構成により、複数の位置に配置された修正車を確実に加圧することが可能なように構成された多機能時計を実現することができる。

[0016] また、本発明の多機能時計において、前記ムーブメントは、前記第 1の輪列回転中心に日表示を行うための日星車を配置したときに当該日星車の回転を規正するための第 1の日ジヤンパと、前記第 2の輪列回転中心に日表示を行うための日星車を配置したときに当該日星車の回転を規正するための第 2の日ジヤンパとを備えるように構成すること力 Sできる。この構成により、複数の位置に配置された日星車を確実に規正することが可能なように構成された多機能時計を実現することができる。

[0017] また、本発明の多機能時計において、前記ムーブメントは、前記第 1の輪列回転中心に曜表示を行うための小曜車を配置したときに当該小曜車の回転を規正するための第 1の曜ジヤンパと、前記第 2の輪列回転中心に曜表示を行うための小曜車を配置したときに当該小曜車の回転を規正するための第 2の曜ジヤンパとを備えるように構成すること力 Sできる。この構成により、複数の位置に配置された小曜車を確実に規正することが可能なように構成された多機能時計を実現することができる。

[0018] また、本発明の多機能時計において、前記ムーブメントは、筒車の回転に基づいて回転する曜回し車を備え、前記曜回し車は、前記第 1の輪列回転中心に曜表示を行うための小曜車を配置したときに当該小曜車を回転させることができるように構成され、かつ、前記第 2の輪列回転中心に曜表示を行うための小曜車を配置したときに当該小曜車を回転させることができるように構成することができる。この構成により、小曜車に取り付けた小針によって「曜」を表示する多機能時計を実現することができる。また、本発明の多機能時計において、前記曜回し車は、さらに、時を表示するための時車を回転させることができるように備えるように構成することができる。この構成により、時車に取り付けた小針によって「時」を表示する多機能時計を実現することができる。

発明の効果

[0019] 本発明は、小針を有する多機能時計において、小針を取り付ける歯車の回転中心の位置を変更する場合、ムーブメントの部品の寸法形状を変更することなしに、部品の組み込み位置を変えるだけで複数のムーブメントレイアウトを形成することができる。また、本発明の多機能時計は、部品加工作業の切換に多くの時間を必要とせず、したがって、多機能時計の部品製造工数を少なくすることができる。

発明を実施するための最良の形態

[0020] 以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

(1)第 1の実施の形態：

最初に、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態を説明する。

(1 · 1)ムーブメントの全体の構造：

図 1一図 6を参照すると、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態は、ムーブメントがアナログ電子時計で構成される。さらに詳細には、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態は、「3時方向」、「6時方向」、「9時方向」、「12時方向」のうちの少なくとも 1箇所に小針を備えたアナログ式時計 (電気時計、電子時計、機械式時計)で構成される。すなわち、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態においては、回転中心が地板の中心である時針によって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板の中心である分針によって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「12時方向」に配置された 24時 ^"によって、 24時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日針によって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された小秒針によって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置された曜針によって、「曜」に関する暦情報を表示するように構成することができる。

[0021] 本発明の多機能時計の第 1の実施の形態において、ムーブメント 201は、地板 202 を備える。電源部、回路部、転換機 (ステップモータ）、表輪歹 lj、切換機構などが、地板 202の裏蓋側（表側）に配置される。裏輪列、カレンダ輪列、日修正機構などが、地板 202の裏側に配置される。文字板 204が、地板 202のガラス側に配置される。卷真 210が地板 202の 3時側に回転可能なように配置される。

[0022] (1 · 2)電源部、回路部の構造：

図 3を参照すると、多機能時計の動力源を構成する電池 220が、地板 202の裏蓋側に配置される。時計の源振を構成する水晶ユニット 222が地板 202の裏蓋側に配置される。例えば、 32, 768ヘルツで発振する水晶振動子力水晶ユニット 222に収容されている。水晶ユニット 222のリード部は、回路基板 224に固定される。電池ブラス端子 226が、電池 220の陽極と、回路基板 224のプラスパターンとを導通させるように配置される。電池マイナス端子 228が、電池 220の陽極と、回路基板 224のマイナスパターンとを導通させるように配置される。本発明の多機能時計は、水晶ユニット以外の基準信号発生源 (源振)を有する時計で構成することもできる。

[0023] 水晶振動子の振動に基づいて基準信号を出力する発振部 (オシレータ）と、発振部の出力信号を分周する分周部（デバイダ）と、分周部の出力信号に基づいてステップモータを駆動するモータ駆動信号を出力する駆動部（ドライバ）とが、集積回路 (IC) 230に内蔵される。集積回路（IC) 230は、例えば、 C—MOS又は PLAで構成される。集積回路 (IC) 230を C一 M〇Sで構成した場合には、発振部と、分周部と、駆動部とは、集積回路 230に内蔵される。集積回路 (IC) 230を PLAで構成した場合には、発振部と、分周部と、駆動部とは、 PLAに記憶されているプログラムにより動作するように構成される。集積回路 230は回路基板 224に固定される。回路基板 224と、水晶ユニット 222と、集積回路 230とが回路ブロックを構成する。

[0024] (1 · 3)ステップモータの構造：

図 3および図 4を参照すると、磁心に卷いたコイルワイヤを含むコイルブロック 232と、コイルブロック 232の磁心の両端部分と接触するように配置されたステータ 234と、ステータ 234のロータ穴に配置されたロータ磁石を含むロータ 236と力地板 202の裏蓋側に配置される。コイルブロック 232と、ステータ 234と、ロータ 236と力ステツプモータを構成する。

[0025] (1 · 4)表輪列の構造：

ロータ 236の回転に基づいて回転する五番車 238が、地板 202の裏蓋側に配置される。五番車 238は、五番歯車 238bと、五番上力、な 238cと、五番下力、な 238dとを含む。ロータかなは五番歯車 238bと嚙み合うように構成される。五番車 238の回転に基づいて回転する四番車 240が、地板 202の裏蓋側に配置される。五番かなは四番歯車と嚙み合うように構成される。四番車 240の回転に基づいて回転する三番車 2 42力地板 202の裏蓋側に配置される。四番かなは三番歯車と嚙み合うように構成される。三番車 242の回転に基づいて回転する二番車 244が、地板 202の裏蓋側に配置される。二番車 244は二番歯車 244bと、二番かな 244cとを含む。三番かなは二番歯車 244bと嚙み合うように構成される。スリップ機構力二番歯車 244bと、二番力、な 244cとの間に設けられる。スリップ機構を設けることより、針合わせをするときに、表輪列の回転を停止させた状態で、卷真 210を回転させて、分針及び時針を回転させること力 Sできる。分 +244hが二番車 244に取り付けられている。

[0026] 卷真 210を 2段目に引き出して針合わせをするときに、四番車 240を規正するために、規正レバー 250が地板 202の裏蓋側に配置される。卷真 210を 2段目に引き出して針合わせをするときに、集積回路 230の動作をリセットするために、リセットレバー 252が地板 202の裏蓋側に配置される。輪列受 256力 S、ロータ 236の上軸部、五番車 238の上軸部、四番車 240の上軸部、三番車 242の上軸部、二番車 244の上軸部を、それぞれ回転可能なように支持する。地板 202は、ロータ 236の下軸部、五番車 238の下軸部、四番車 240の下軸部、三番車 242の下軸部を、それぞれ回転可能なように支持する。中心パイプ 202bが、地板 202の地板中心 202cに配置される。二番車 244のそろばん玉部は、中心パイプ 202bの中心穴の内径部に回転可能なように支持される。二番車 244の回転中心は地板中心 202cに配置される。

[0027] 二番車 244は 1時間に 1回転するように構成される。二番車 244の回転に基づいて回転する日の裏車 260力地板 202の裏蓋側に配置される。二番かな 244cは日の裏歯車と嚙み合うように構成される。筒車 262が、日の裏車 260の回転に基づいて回転するように構成される。筒車 262は、地板 202の文字板側に配置される。筒車 262 は、筒歯車 262bと、日回しかな 262cとを含む。筒車 262の中心穴は、中心パイプ 2 02bの筒部の外周部に対して回転可能なように配置される。日の裏かなは筒車 262 の筒歯車 262bと嚙み合うように構成される。筒車 262は 12時間に 1回転するように構成される。時針 262hが筒車 262に取り付けられる。筒車 262の回転中心は地板中心 202cに配置される。時針 262hによって、 1周が 12時間となるような形式（「12時制」という）で「時」に関する時刻情報を表示することができ、分針 244hによって「分」に関する時刻情報を表示することができるように構成される。変形例として、公知の中三針輪列機構を用いることによって、地板中心 202cに回転中心を有する中三針用秒車 (図示せず)を設けることもできる。中三針輪列機構を用いた変形例の場合、中三針用秒車は 1分間に 1回転するように構成される。中三針用秒車に取り付けられる秒針（図示せず）によって、「秒」に関する時刻情報を表示することができる。

[0028] (1 · 5)切換機構の構造：

次に、切換機構の構造について説明する。本発明の多機能時計では、切換機構は、地板 202の裏蓋側に配置される。切換機構は、「3_6時領域」に配置される。変形例として、切換機構は、地板 202の文字板側に配置することもできる。切換機構、時刻合わせ機構、カレンダ修正機構は、卷真 210を引き出した状態で卷真 210を回転させることによって、時計の時刻を合わせ、カレンダ表示を修正するために設けられる。図 3、図 4一図 6を参照すると、切換機構は、おしどり 270、かんぬき 272を含むように構成される。おしどり 270、かんぬき 272は、地板 202に対して作動可能なように支持される。この構成では、かんぬき 272は、一方の尾部に、かんぬきばね部を含むように構成される。おしどり 270と、かんぬき 272の接触によって、おしどりの回転方向の位置を決めることができる。

[0029] 時刻合わせ機構は、卷真 210と、つづみ車 274とを含む。卷真 210は、先端部から外方部に向かって順番に形成された、先端軸部、角軸部、第 1日修正伝え車案内部、おしどり内壁部、おしどり受け入れ部、おしどり外壁部、外側軸部などを含む。卷真 210の先端軸部は、地板 202の卷真先端案内穴に対して回転可能に支持される。卷真 210のおしどり外壁部の外側部分は地板 202の卷真外側軸案内穴に対して回転可能に支持される。或いは、切換機構は、おしどり、かんぬき、かんぬき押さえ（図示せず）を含むように構成してもよい。この構成では、切換ばね部をかんぬき押さえに設け、切換ピン部をおしどりに設け、切換ばね部の先端に山形部を設け、弾性力を有する山形部を切換ピン部に接触させて、おしどりの回転方向の位置を決めることができる。

[0030] つづみ車 274の角穴部は卷真 210の角軸部に組み込まれる。おしどり 270の卷真接触部は、卷真 210のおしどり内壁部と、おしどり外壁部との間に位置する。卷真 21 0の中心軸線にそう方向における卷真 210の位置は、おしどり 270と、かんぬき 272 により定められる。卷真 210の中心軸線にそう方向におけるつづみ車 274の位置は、力んぬき 272により定められる。つづみ車 274は、ムーブメント 201の中心部に近い方に位置する甲歯 274aを備える。第 1日修正伝え車 351の中心穴部は、卷真の第 1 日修正伝え車案内部に対して回転可能なように組み込まれる。第 1日修正伝え車 35 1は、第 2日修正伝え車 352と嚙合うことが出来るように構成される。小鉄車 278が、地板 202の裏蓋側に配置される。小鉄車 278は、地板 202の小鉄車ピンに対して回転可能に支持される。小鉄車 278が回転することによって、日の裏車 260が回転するように構成される。

[0031] 卷真 210が 0段目にある状態では、卷真 210を回転させても、第 1日修正伝え車 32 0は回転することが出来ず、小鉄車 278も回転することが出来ないように構成される。卷真 210を 1段目に引き出した状態で、第 1日修正伝え車 351の中心穴部は、卷真 2 10の角軸部に嵌り合うように構成される。卷真 210を 1段目に引き出した状態で、卷真 210を回転させることによって、第 1日修正伝え車 351は回転することが出来るように構成される。卷真 210を 2段目に引き出した状態で、つづみ車 274の甲歯 274aは小鉄車 278と嚙合うことが出来るように構成される。卷真 210を 2段目に引き出した状態で、卷真 210を回転させることによって、つづみ車 274の回転を介して、小鉄車 27 8は回転することが出来るように構成される。小鉄車 278が回転することによって、日の裏車 260の回転を介して、二番車 244の二番かなと、筒車 262が回転するように構成される。卷真 210を 2段目に引き出した状態で針合わせを行うとき、二番車 244の二番かなは、二番車 244の二番歯車に対してスリップすることができるように構成される。

[0032] (1 · 6)日表示機構の構造：

次に、日表示機構の構造について説明する。図 1、図 2、図 4一図 6を参照すると、筒車 262の回転に基づいて日車送り機構が作動するように構成される。日表示機構は、日回し車 310と、日星車 312とを含む。筒車 262の回転により、日回し車 310力 S 回転するように構成される。日回し車 310は、地板 202に設けられた日回し車ピンに対して回転可能に支持される。日回し車 310の回転中心は、「5時方向」と「6時方向」との間の領域 (すなわち、「5— 6時領域」）に配置されるのが好ましい。 [0033] 日回し車 310は、日回し歯 310bと、日送りつめ 310fとを含む。筒車 262の日回し力な 262cは、日回し車 310の日回し歯 310bと D歯合うように構成される。日回し車 31 0に設けられた日送りつめ 310fにより、日星車 312を 1日に 1度、（1/31)回転させるように構成される。日星車 312は 31日間で 1回転するように構成される。日星車 31 2の歯車部は、 31個の歯を備える。日星車 312の回転方向の位置は、裏物押さえ 31 6に設けられた日ジヤンパ 316bにより規正される。日ジヤンパ 316bのばね部の先端に設けられた規正部は、「2時方向」と「3時方向」との間の領域 (すなわち、「2-3時領域」）に配置されるのが好ましレ、。

[0034] 日星車 312の回転中心は、「3時方向」に配置される。したがって、日星車 312の回転中心は、卷真 210の中心軸線上に配置される。日星車 312の下軸部は、地板 202 に対して回転可能に支持される。日星車 312の下方に位置した日修正伝え車押さえ 314の一部は、地板 202の裏面に向かって円形に絞られる。日修正伝え車押さえ 31 4の円形絞り部の中心に設けられた穴が、日星車案内穴の周囲に設けられた日修正伝え車押さえ案内軸部に嵌め込まれるのが好ましい。日針 312hが日星車 312の上軸部に取り付けられる。日星車 312の歯車部は、地板 202の文字板側に位置した日修正伝え車押さえ 314と、裏物押さえ 316との間に配置される。日を表示するための文字、数字、略字などが文字板 204に設けられる。日針 312hと文字、数字、略字などによって、暦情報の 1つである「日」に関する情報を表示することができるように構成される。

[0035] (1 · 7)曜表示機構の構造：

次に、曜表示機構の構造について説明する。図 1、図 2、図 4および図 5を参照すると、筒車 262の回転に基づいて曜車送り機構が作動するように構成される。曜表示機構は、 B翟回し車 320と、 /Jヽ曜車 322とを含む。筒車 262の回転により、 B翟回し車 320 が回転するように構成される。曜回し車 320は、地板 202に設けられた曜回し車ピンに対して回転可能に支持される。曜回し車 320の回転中心は、「10時方向」と「11時方向」との間の領域 (すなわち、「10—11時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0036] 曜回し車 320は、曜回し歯 320bと、曜送りつめ 320fとを含む。筒車 262の日回し力、な 262cは、曜回し車 320の曜回し歯 320bと嚙合うように構成される。曜回し車 32 0に設けられた曜送りつめ 320fにより、小曜車 322を 1日に 1度、（1/7)回転させるように構成される。小曜車 322の歯車部は、 7個の歯を備える。小曜車 322は 7日間で 1回転するように構成される。小曜車 322の回転方向の位置は、裏物押さえ 316に設けられた曜ジヤンパ 316cにより規正される。曜ジヤンパ 316cのばね部の先端に設けられた規正部は、「8時方向」と「9時方向」との間の領域 (すなわち、「8—9時領域」 )に配置されるのが好ましい。

[0037] 小曜車 322の回転中心は、「9時方向」に配置される。したがって、小曜車 322の回転中心は、卷真 210の中心軸線の延長線上に配置される。小曜車 322の下軸部は、地板 202に対して回転可能に支持される。曜針 322hが小曜車 322の上軸部に取り付けられる。小曜車 322の歯車部は、地板 202と、裏物押さえ 316との間に配置される。曜を表示するための曜文字、数字、略字などが文字板 204に設けられる。曜針 322hと文字、数字、略字などによって、暦情報の 1つである「曜」に関する情報を表示すること力 Sできるように構成される。

[0038] (1 · 8) 24時表示機構の構造：

次に、 24時表示機構の構造について説明する。図 1を参照すると、曜回し車 320の回転に基づいて 24時表示機構が作動するように構成される。 24時表示機構は、時車 330を含む。筒車 262の回転により、曜回し車 320の回転を介して、時車 330が回転するように構成される。時車 330に設けられた下軸部は、地板 202に設けられた時車案内穴に対して回転可能に支持される。時車 330の回転中心は、「12時方向」に配置されるのが好ましい。曜回し車 320に設けられた曜回し歯 320bは、時車 330の歯部 330bと嚙み合うように構成される。時車 330は 24時間で 1回転するように構成される。

[0039] 時車 330の歯車部は、地板 202と、裏物押さえ 316との間に配置される。 24時針（図示せず：後述する）が時車 330の上軸部に取り付けられる。 1周が 24時間となるような形式（「24時制」という）で「時」を表示するための文字、数字、略字などが文字板 2 04に設けられる。 24時針と数字などによって、時刻情報である「時」に関する情報を表示すること力 Sできるように構成される。

[0040] (1 · 9)秒表示機構の構造：次に、秒表示機構の構造について説明する。図 1および図 4を参照すると、五番車 238の回転に基づいて秒表示機構が作動するように構成される。秒表示機構は、秒車 340を含む。秒車 340の歯車部は、五番下かな 238dと嚙み合うように構成される。ロータ 236の回転により、五番車 238の回転を介して、秒車 340が回転するように構成される。秒車 340の下軸部は、地板 202に対して回転可能に支持される。秒車 3 40の上軸部は、秒車受 342に対して回転可能に支持される。秒車受 342は、日回し車 310と重ならないように配置されるのが好ましい。秒車 340の回転中心は、「6時方向」に配置されるのが好ましい。秒車 340は 1分間で 1回転するように構成される。

[0041] 秒車 340の歯車部は、地板 202と、秒車受 342との間に配置される。小秒針（図示せず：後述する）が秒車 340の上軸部の先端部に取り付けられる。「秒」を表示するための文字、数字、略字などが文字板 204に設けられる。小秒針と数字などによって、時刻情報である「秒」に関する情報を表示することができるように構成される。以上説明したように、本発明の第 1の実施形態は、回転中心が「3時方向」に配置された日星車 312と、回転中心が「9時方向」に配置された小曜車 322と、回転中心が「6時方向」に配置された秒車 340と、回転中心が「12時方向」に配置された時車 330とを備える。

[0042] (1 · 10)日修正機構の構造：

次に、日修正機構の構造について説明する。図 1、図 2、図 4一図 6を参照すると、ムーブメント 201の裏側には、日星車 312による日の表示を修正するための日修正機構が設けられる。日修正機構は、第 1修正伝え車 351と、第 2修正伝え車 352と、第 3修正伝え車 353と、第 4修正伝え車 354と、日修正車 355とにより構成される。卷真 210を 1段目にした状態で、第 1修正伝え車 351は、卷真 210の第 1修正伝え車案内部に対して回転可能に支持される。すなわち、第 1修正伝え車 351と卷真 210は、互いに同軸になるように配置される。第 2修正伝え車 352は、地板 202に対して回転可能に支持される。第 2修正伝え車 352の歯車部は、地板 202と、日修正伝え車押さえ 314との間に配置される。第 2修正伝え車 352の回転中心は、「3時方向」に配置される。したがって、第 2修正伝え車 352の回転中心は、卷真 210の中心軸線上に配置される。第 2修正伝え車 352の回転中心は、日星車 312の回転中心と同じ位置に配置されるのが好ましい。

[0043] 第 3修正伝え車 353は、地板 202に対して回転可能に支持される。第 3修正伝え車 353の歯車部は、地板 202と、日修正伝え車押さえ 314との間に配置される。第 3修正伝え車 353の回転中心は、「2時方向」、或いは、「2時方向」と「3時方向」との間の領域 (すなわち、「2— 3時領域」）に配置されるのが好ましい。第 4修正伝え車 354の下軸は、地板 202に設けられた第 4修正伝え車案内長穴に対して移動可能かつ回転可能に支持される。第 4修正伝え車 354の歯車部は、地板 202と、日修正伝え車押さえ 314との間に配置される。第 4修正伝え車 354の下軸を案内する第 4修正伝え車案内長穴は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域 (すなわち、「1—2時領域」）に配置されるのが好ましい。第 4修正伝え車 354を地板 202に向かって加圧するための修正ばね部 314bが日修正伝え車押さえ 314に設けられる。第 2修正伝え車 352 の中心穴は、地板 202に設けた第 2修正伝え車案内軸部に対して回転可能に支持される。第 2修正伝え車案内軸部の内側に日星車 312のための日星車案内穴が設けられる。日星車案内穴の中心軸線と、第 2修正伝え車案内軸部の中心軸線とは一致するように構成することができる。第 3修正伝え車 353は、地板 202に設けたリング状の第 3修正伝え車案内軸部に対して回転可能に支持される。

[0044] 日修正車 355は地板 202に設けた日修正車ピンに対して回転可能に支持される。

日修正車 355の歯車部は、地板 202と、裏物押さえ 316との間に配置される。日修正車 355の歯車部は、日星車 312の歯車部と嚙み合うように構成される。日星車 31 2の歯車部は、日修正伝え車押さえ 314と、裏物押さえ 316との間に配置される。日修正車 355の回転中心は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域（すなわち、「1-2 時領域」）に配置されるのが好ましい。卷真 210を 1つの方向に回転させて、第 1修正伝え車 351、第 2修正伝え車 352、第 3修正伝え車 353の回転を介して、第 4修正伝え車 354が日修正車 355に近づく方向に移動すると、第 4修正伝え車 354の歯車部は、日修正車 355の歯車部と嚙み合うことができるように構成される。卷真 210を他の方向に回転させて、第 1修正伝え車 351、第 2修正伝え車 352、第 3修正伝え車 353 の回転を介して、第 4修正伝え車 354が日修正車 355から遠ざかる方向に移動すると、第 4修正伝え車 354の歯車部は、日修正車 355の歯車部と嚙み合わないように構成される。

[0045] (I ' l l)地板の構造：

次に、地板 202の構造について説明する。図 7を参照すると、本発明の実施の形態では、地板 202の外形形状は、地板中心 202cを中心として、ほぼ円形に形成される。なお、地板 202の外形形状は四角形、多角形、長円形等の他の形状であってもよレ、。地板 202は、ポリカーボネート、ポリサルホン等のエンジニアリングプラスチックで形成してもよいし、或いは、黄銅などの金属で形成してもよい。二番車 244の回転中心と、筒車 262の回転中心は、地板中心 202cに配置される。中心パイプ 202bの中心軸線は地板中心 202cに配置される。

[0046] 地板 202は、ロータ 236の回転中心 202RT、五番車 238の回転中心 202FW、四番車 240の回転中心（図示せず）、三番車 242の回転中心（図示せず）、日の裏車 2 60の回転中心 202HW、小鉄車 278の回転中心（図示せず）、日回し車 310の回転中、 202DW、日星車 312の回転中、 202DS、 B翟回し車 320の回転中、 202WT 、小曜車 322の回転中心 202SW、時車 330の回転中心 202HG、秒車 340の回転中心 202BW、第 3修正伝え車 353の回転中心 202SA、日修正車 355の回転中心 202SB等の回転部材の回転中心を備える。第 2修正伝え車 352の回転中心は、日星車 312の回転中心 202DSと同じ位置に配置されるのが好ましい。さらに、地板 20 2は、第 4修正伝え車 354の下軸を移動可能なように案内するための第 4修正伝え車案内長穴 202SLを備える。

[0047] 上記のそれぞれの回転中心には、当該回転中心を中心として回転する回転部材を回転可能なように支持するために、当該回転部材の中心穴を案内するための案内軸部が形成され、或いは、当該回転部材の軸部を案内するための案内穴が形成される。案内軸部、案内穴は、回転部材を回転可能なように案内するための案内部を構成する。後述するように、地板 202は、さらに、本発明の他の実施形態で用いられるそれぞれの回転部材を回転可能なように支持するための回転中心を備える。

[0048] 以上説明したように、ムーブメント 201は、第 1のタイプの小針の配置を有する第 1 のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 1の輪列回転中心を備える。前記第 1の輪列回転中心は、地板 202の地板中心 202cと地板 202の地板外形部との間の位置に配置される。前記第 1の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための案内穴又は案内軸受が設けられている。さらに、後述するように、ムーブメント 201は、ムーブメント 201を用いて第 2のタイプの小針の配置を有する第 2のタイプの多機能時計を製造するときに用レ、られる輪列のための第 2の輪列回転中心を備える。前記第 2の輪列回転中心は、地板 202の地板中心 202cと地板 202の地板外形部との間の位置に配置される。前記第 2の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための輪列案内部 (案内穴、案内軸受、案内軸、案内ピンなど）が設けられている。

[0049] (1 · 12)日修正伝え車押さえの構造：

次に、日修正伝え車押さえ 314の構造について説明する。図 8を参照すると、日修正伝え車押さえ 314は、「12—3時領域」および「3—6時領域」に配置される。日修正伝え車押さえ 314は、ステンレス鋼、りん青銅などの弾性材料で形成された板状部材である。第 4修正伝え車 354を地板 202に向かって加圧するための修正ばね部 314 bが日修正伝え車押さえ 314に設けられる。修正ばね部 314bは、「12時方向」と「3 時方向」との間の領域 (すなわち、「12— 3時領域」）に配置されるのが好ましい。修正ばね部 314bが第 4修正伝え車 354と接触する先端部分は、「12時方向」と「1時方向」との間の領域 (すなわち、「12-1時領域」）に配置されるのが好ましい。さらに、日星車 312の下方に位置する日修正伝え車押さえ 314の一部は、地板 202の裏面に向かって円形に絞られ、この円形絞り部の中心に設けられた穴が、日星車案内穴の周囲に設けられた日修正伝え車押さえ案内軸部に嵌め込まれるように構成されるのが好ましい。日修正伝え車押さえ 314は、さらに、本発明の他の実施形態で用いる更なる修正ばね部 314b2を備えている。

[0050] (1 · 13)裏物押さえの構造：

次に、裏物押さえ 316の構造について説明する。図 9を参照すると、裏物押さえ 31 6は、ステンレス鋼、りん青銅などの弾性材料で形成された板状部材である。日星車 3 12の回転方向の位置を規正するための日ジヤンパ 316bが、裏物押さえ 316に設けられる。日ジヤンパ 316bのばね部は、「12時方向」と「3時方向」との間の領域（すなわち、「12-3時領域」）に配置されるのが好ましレ、。日ジヤンパ 316bのばね部の先端に設けられた規正部は、「2時方向」と「3時方向」との間の領域 (すなわち、「2-3 時領域」）に配置されるのが好ましい。小曜車 322の回転方向の位置を規正するための曜ジヤンパ 316cが、裏物押さえ 316に設けられる。曜ジヤンパ 316cのばね部は、「 6時方向」と「 9時方向」との間の領域（すなわち、「 6_9時領域」）に配置されるのが好ましレ、。曜ジヤンパ 316cのばね部の先端に設けられた規正部は、「8時方向」と「9 時方向」との間の領域 (すなわち、「8_9時領域」）に配置されるのが好ましい。裏物押さえ 316は、さらに、本発明の他の実施形態で用いる更なる日ジヤンパ 316b2と、更なる曜ジヤンパ 316c2とを備えている。

[0051] (1 · 14)ステップモータ、輪歹 lj、日送り機構、曜送り機構等の作用：

以下に、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態の作用について説明する。図 1 、図 4、図 5を参照すると、ムーブメント 201において、水晶ユニット 222に収容された水晶振動子が、例えば、 32， 768ヘルツで発振する。この水晶振動子の振動に基づいて、集積回路 230に内蔵されている発振部が基準信号を出力し、分周部が発振部の出力信号を分周する。駆動部が分周部の出力信号に基づいて、ステップモータを駆動するモータ駆動信号を出力する。コイルブロック 232がモータ駆動信号を入力すると、ステータ 234が磁化して、ロータ 236を回転させる。ロータ 236は、例えば、 1 秒ごとに 180度回転する。ロータ 236の回転に基づいて、五番車 238の回転を介して四番車 240が回転する。また、ロータ 236の回転に基づいて、五番車 238の回転を介して秒車 340が 1分間に 1回転する。三番車 242が四番車 240の回転に基づいて回転する。

[0052] 図 1一図 6を参照すると、二番車 244が三番車 242の回転に基づいて、 1時間に 1 回転する。日の裏車 260が二番車 244の回転に基づいて回転する。筒車 262力 S日の裏車 260の回転に基づいて回転する。筒車 262は 12時間に 1回転する。筒車 26 2の回転により、日回し車 310が回転する。日回し車 310に設けられた日送りつめ 31 Ofにより、日星車 312を 1日に 1度、（1/31)回転させる。日星車 312は 31日間で 1 回転するように構成される。筒車 262の回転により、曜回し車 320が回転する。曜回し車 320に設けられた、曜送りつめ 320fにより、小曜車 322を 1日に 1度、（1 7)回転させる。したがって、小曜車 322は 7日間で 1回転する。また、曜回し車 320の回転により、時車 330が回転する。時車 330は 24時間に 1回転する。

[0053] (1 · 15)日修正機構の作動：

以下に、日修正機構の作動について説明する。

図 1、図 2、図 4一図 6を参照すると、卷真 210を 0段目から 1段目に引き出した状態で、卷真 210を 1つの方向に回転させると、第 1修正伝え車 351、第 2修正伝え車 352、第 3修正伝え車 353の回転を介して、第 4修正伝え車 354が日修正車 355に近づく方向に移動すると、第 4修正伝え車 354の歯車部は、日修正車 355の歯車部と嚙み合うことができる。したがって、卷真 210を 1段目に引き出した状態で、卷真 210を 1 つの方向に回転させて、日星車 312を回転させて、日修正を行うことができる。

[0054] 卷真 210を 1段目に引き出した状態で、卷真 210を他の方向に回転させると、第 1 修正伝え車 351、第 2修正伝え車 352、第 3修正伝え車 353の回転を介して、第 4修正伝え車 354が日修正車 355から遠ざ力る方向に移動する。この状態では、第 4修正伝え車 354の歯車部は、日修正車 355の歯車部と嚙み合わない。したがって、卷真 210を 1段目に引き出した状態で、卷真 210を他の方向に回転させても、日星車 3 12を回転させることはできず、日修正を行うことはできない。

[0055] (1 · 16)針合わせの作動：

以下に、針合わせの作動について説明する。図 4を参照すると、卷真 210を 2段目に引き出した状態で、つづみ車 274の甲歯 274aは小鉄車 278と嚙合う。卷真 210を 2段目に引き出すと、規正レバー 250のばね部が回転して、リセットレバー 252に接触する。これにより、規正レバー 250のばね部は、リセットレバー 252を介して回路基板 224のリセットパターンと導通して、集積回路 230の動作をリセットし、同時に、規正レバー 250が四番車 240を規正する。卷真 210を 2段目に引き出した状態で、卷真 2 10を回転させることによって、つづみ車 274の回転を介して、小鉄車 278は回転する。小鉄車 278が回転することによって、日の裏車 260の回転を介して、二番車 244の二番かなと、筒車 262が回転する。卷真 210を 2段目に引き出した状態で針合わせを行うとき、二番車 244の二番かなは、二番車 244の二番歯車に対してスリップすること力 Sできる。卷真 210を回転させることによって、二番かなが回転することによって、分針 244hが回転し、筒車 262が回転することによって、時針 262hが回転するので、時刻表示（「時」および「分」の表示）を修正することができる。

[0056] (1 · 17)針位置および針仕様の説明：

図 10を参照すると、本発明の実施形態において、一例として、 8種類（第 1種一第 8 種）の針位置および針仕様を実現することができる。なお、本発明は、図 10に示す 8 種類の針位置および針仕様に限定するものではない。図 10および図 11を参照すると、本発明の実施形態の第 1種において、回転中心が地板中心 202cである筒車 26 2に取り付けた時針 262hによって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板中心 202cである二番車 244に取り付けた分針 244hによって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された秒車 340に取り付けた小秒針 340hによって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「12時方向」に配置された時車 330に取り付けた 24時針 330hによって、 24時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日星車 312に取り付けた日針 312hによって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置された小曜車 322に取り付けた曜針 322hによって、「曜」に関する暦情報を表示することができる。地板中心 202cから日針 312hの回転中心までの距離と、地板中心 202c 力小秒針 340hの回転中心までの距離と、地板中心 202cから曜針 322hの回転中心までの距離と、地板中心 202cから 24時針 330hの回転中心までの距離とは、等しくなるように構成するのが好ましい。し力ながら、上記の中心間距離は、等しくないように構成することちできる。

[0057] それぞれの時刻情報、暦情報を表示するための文字、数字、略字などが文字板 20 4に設けられる。例えば、 24時間制の「時」に関する時刻情報を表示するために、「6」、「12」、「18」、「24」の数字力文字板 204の 24時針 330hに対応する位置に円周上にそって設けられる。例えば、「日」に関する暦情報を表示するために、「10」、「20 」、「31」の数字が、文字板 204の日針 312hに対応する位置に円周上にそって設けられる。例えば、「秒」に関する時刻情報を表示するために、「10」、「20」、「30」、「4 0」、「50」、「60」の数字力文字板 204の小秒針 340hに対応する位置に円周上にそって設けられる。例えば、「曜」に関する暦情報を表示するために、「Sun」、「Mon 」、「Tue」、「Wed」、「Thu」、「Fri」、「Sat」の英語文字力文字板 204の曜針 322h に対応する位置に円周上にそって設けられる。或いは、「曜」に関する暦情報を表示するために、数字、日本語文字、外国語文字、ローマ数字、記号などを用いることもできる。

[0058] 図 10および図 12を参照すると、本発明の実施形態の第 2種において、時車 330、

24時針 330hを省略して、時針 262hによって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、分針 244hによって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された秒車 340に取り付けた小秒針 340hによって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日星車 312に取り付けた日針 312 hによって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置された小曜車 322に取り付けた曜針 322hによって、「曜」に関する暦情報を表示することができる。

[0059] 図 10および図 13を参照すると、本発明の実施形態の第 3種において、日星車 312 、日 †312h、小曜車 322、曜針 322hを省略して、時†262hによって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、分針 244hによって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された秒車 340に取り付けた小秒針 340hによって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「12時方向」に配置された時車 330 に取り付けた 24時針 330hによって、 24時間制の「時」に関する時刻情報を表示すること力 Sできる。

[0060] 図 10および図 14を参照すると、本発明の実施形態の第 4種において、秒車 340、小秒 †340h、時車 330、 24時針 330hを省略して、時†262hによって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、分針 244hによって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日星車 312に取り付けた日針 312hによつて、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置された小曜車 322 に取り付けた曜針 322hによって、「曜」に関する暦情報を表示することができる。

[0061] 図 10および図 15を参照すると、本発明の実施形態の第 5種において、時車 330、

24時針 330h、日星車 312、日針 312h、小曜車 322、曜針 322hを省略して、時針 2 62hによって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、分針 244hによって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された秒車 340に取り付けた小秒針 340hによって、「秒」に関する時刻情報を表示することができる。なお、図 10に記載されている本発明の実施形態の第 6種一第 8種は後述する。

[0062] (1 · 18)機械式時計の実施形態：

以上で、本発明の多機能時計の実施形態をアナログ電子時計のムーブメントに関して説明したけれども、本発明は、いずれの実施形態に関しても、ムーブメントを機械式時計で構成することもできる。変形例として、図 16—図 18を参照すると、本発明の多機能時計の機械式時計の実施形態において、ムーブメント 20は、ムーブメント 20 の基板を構成する地板 22を備える。本発明の実施の形態では、香箱車、二番車、三番車、四番車等の表輪列、回転錘、つめレバー等の自動卷機構、おしどり、かんぬき等の切換機構は、それぞれムーブメント 20の表側に組み込まれる。機械式時計の実施形態において、ムーブメントの裏側の構造は、図 1および図 2に示すアナログ電子時計のムーブメントの裏側の構造と同様に構成することができる。

[0063] 以下に、輪列の構造について説明する。二番車 24が地板 22のほぼ中心に回転可能に組み込まれる。二番車 24は地板 22と二番受 26との間に組み込まれる。筒かな 2 8が二番車 24の針取付け部に近い方の先端に隣接した外周部分にスリップ可能に、地板 22の文字板側に組み込まれる。筒かな 28は二番車 24と一体に回転する。香箱車 30が地板 22と一番受 32との間に回転可能に組み込まれる。香箱車 30の香箱歯車は二番車 24の二番かなに嚙み合う。三番車 34が地板 22と一番受 32との間に回転可能に組み込まれる。二番車 24の二番歯車は三番かなに嚙み合うように構成されている。四番車 40が二番受 26と一番受 32との間に回転可能に組み込まれる。三番車 34の三番歯車は四番車 40の四番かなに嚙み合うように構成されている。がんぎ車 50が地板 22と一番受 32との間に回転可能に組み込まれる。四番車 40の四番歯車は、がんぎ車 50のがんぎかなに嚙み合うように構成されている。ここで、輪列の数は上記のものだけに制限されず、更に、 1つ以上の伝達車を追加してもよい。

[0064] 次に、脱進調速機構の構造について説明する。図 16—図 18を参照すると、アンクノレ 60が地板 22とアンクル受 62との間に揺動可能に組み込まれる。アンクル 60は 2 つの爪石 63及びけん先 64を有する。がんぎ車 50のがんぎ歯車は爪石 63と係合する。てんぷ 70が地板 22とてんぷ受 72との間に回転可能に組み込まれる。図 18を参照すると、てんぷ 70は、てん真 71と、ひげぜんまい 74と、振り石 76と、ひげ玉 78と、てん輪 79とを含む。アンクル 60のけん先 64は振り石 76と係合するように構成される。てん輪 79の中心部は、てん真 71に固定される。ひげぜんまい 74の内端部は、てん真 71に固定されたひげ玉 78に固定される。ひげぜんまい 74の外周部 74gは、ひげ持 72bに取り付けられる。ひげ持 72bは、ひげ持受 72aに取り付けられる。ひげ持受 72aは、てんぷ受 72に取り付けられる。

[0065] 次に、裏輪列の構造について説明する。図 17、図 20を参照すると、筒車 80が地板 22の文字板 82のある側に回転可能に組み込まれる。日の裏車 90が地板 22の文字板 82のある側に回転可能に組み込まれる。日の裏車 90の日の裏歯車が筒かな 28 に嚙み合う。日の裏車 90の日の裏かなが筒車 80に嚙み合うように構成されている。さらに、筒車 80が回転することによって、日回し車 310 (図 1参照）が回転するように構成すること力できる。また、筒車 80が回転することによって、曜回し車 320 (図 1参照）が回転するように構成することができる。

[0066] 図 16—図 18を参照すると、回転錘 100がー番受 32に回転可能に組み込まれる。

回転錘 100はボールベアリング（図示せず）を介して一番受 32に組み込まれる。一番伝え車（図示せず）が回転錘 100のかな（図示せず）に嚙み合うように回転可能に組み込まれる。つめレバー（図示せず）が、一番伝え車の偏心カム部分（図示せず）に回転可能に組み込まれる。二番伝え車（図示せず）がつめレバーにつめ部分（図示せず）に係合するように回転可能に組み込まれる。二番伝え車のラチエツト歯（図示せず）がつめレバーのつめ部分に係合するように構成されている。回転錘 100の回転に基づレ、て一番伝え車（図示せず）が回転し、つめレバーの作動に基づレ、て、二番伝え車は所定の方向にのみ回転するように構成される。二番卷伝え車（図示せず）の回転に基づレ、て、ぜんまレ、を卷くように構成されてレ、る。

[0067] 図 16、図 19一図 21を参照すると、かんぬき押さえ 140は弾性変形可能な材料で製造され、例えば、ステンレス鋼で製造されるのが好ましい。かんぬき 130は弾性変形可能な材料で製造され、例えば、ステンレス鋼で製造されるのが好ましい。かんぬき 130のばね部分 132は、直線状の形状、湾曲形状、 U字形状等のいずれの形状であってもよい。かんぬき押さえ 140の山形部分 142が、おしどり 120の位置きめピン 122に係合して、おしどり 120の位置を決め、かつ、卷真 110の切換重さを設定する。本発明の機械式時計では、卷真 110を 1段目、及び、 2段目に引き出すことができるように、かんぬき押さえ 140の山形部分 142を構成している。かんぬき 130のばね部分 132のばね力により、かんぬき 130の案内谷部 138が、おしどり 120の先端部分の側面に押しつけられる。

[0068] 次に、本発明の機械式時計の作動について説明する。図 16 図 18を参照すると、ぜんまレ、（図示せず）の力により、香箱車 30が回転する。香箱車 30の回転により二番車 24が回転する。二番車 24の回転により三番車 34が回転する。三番車 34の回転により四番車 40が回転する。また、二番車 24の回転により筒かな 28が同時に回転する。筒かな 28の回転により日の裏車 90が回転する。日の裏車 90の回転により筒車 80が回転する。これらの各輪列の回転速度は、てんぷ 70、アンクル 60及びがんぎ車 50の動作により制御される。その結果、四番車 40は 1分間に 1回転する。筒かな 2 8及び二番車 24は 1時間に 1回転する。筒車 80は 12時間に 1回転する。

[0069] 四番車 40に取り付けた秒針 40hで「秒」を表示する。筒かな 28に取り付けた分針 2 8hで「分」を表示する。筒車 80に取り付けた時針 80hで「時」を表示する。すなわち、四番車 40、筒かな 28及び二番車 24、筒車 80は、時刻情報を表示するための表示車を構成する。時針 80h、分針 28h、秒針 40hと、文字板 82の目盛等により、時刻を読み取ることができる。次に、自動卷機構によるぜんまい卷きについて説明する。機械式時計を腕に携帯して腕を前後に振る。回転錘 100の回転に基づいてつめレバ一が偏心カムの作動のように作動し、ラチエツト歯を有する自動卷伝え車（図示せず）等の回転によりぜんまいを卷くことができる。

[0070] 次に、切換機構の作動について説明する。図 16、図 19一図 21を参照すると、通常、機械式時計を腕に携帯しているとき、卷真 110は 0段目にある。次に、カレンダの修正を行うとき、卷真 110を引き出して 1段目にする。このとき、おしどり 120は回転する。かんぬき 130は、かんぬきのばね力により回転して、つづみ車 162の乙歯 162bを第 1修正伝え車 170とかみ合わせる。この状態で卷真 110を回転させると、つづみ車 162が回転し、第 1修正伝え車 170の回転により、第 2修正伝え車 352、第 3修正伝え車 353の回転を介して、第 4修正伝え車 354が日修正車 355に近づく方向に移動すると、第 4修正伝え車 354の歯車部は、日修正車 355の歯車部と嚙み合うことができる。したがって、卷真 210を 1段目に引き出した状態で、卷真 110を 1つの方向に回転させて、日星車 312を回転させて、日修正を行うことができる。

[0071] 次に、時刻の修正を行うとき、卷真 110を更に引き出して 2段目にする。このとき、おしどり 120は更に回転する。かんぬき 130は、かんぬきのばね力により、上記の回転とは逆方向に回転して、つづみ車 162の甲歯 162aを日の裏車 90とかみ合わせる。この状態で卷真 110を回転させると、つづみ車 162が回転し、日の裏車 90の回転により筒かな 28及び筒車 80を回転させて時刻表示を修正することができる。

[0072] 図 1一図 6、図 16 図 20を参照すると、筒車 80が日の裏車 90の回転に基づいて回転する。筒車 80は 12時間に 1回転する。筒車 80の回転により、日回し車 310が回転する。日回し車 310に設けられた日送りつめ 310fにより、日星車 312を 1日に 1度、（1/31)回転させる。日星車 312は 31日間で 1回転するように構成される。筒車 26 2の回転により、曜回し車 320が回転する。日回し車 320に設けられた、曜送りつめ 3 20fにより、 /Jヽ曜車 322を 1曰に 1度、 (1/7)回転させる。 /Jヽ B翟車 322は 7曰間で 1回転する。また、曜回し車 320の回転により、時車 330が回転する。時車 330は 24時間に 1回転する。四番車 40に取り付けた秒針 40hで「秒」を表示する構成では、秒車 34 0、小秒針 340hを省略することができる。或いは、小秒針 340hにより「秒」を表示する構成では、秒針 40hを省略することができる。

[0073] (2)第 2の実施の形態：

次に、本発明の多機能時計の第 2の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明の多機能時計の第 2の実施形態が本発明の多機能時計の第 1の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明の多機能時計の第 1の実施形態についての説明をここに準用する。

[0074] (2 · 1)ムーブメントの全体の構造：

図 22—図 24を参照すると、本発明の多機能時計の第 2の実施の形態は、アナログ電子時計で構成される。さらに詳細には、本発明の多機能時計の第 2の実施の形態は、「2時方向」、「6時方向」、「10時方向」のうちの少なくとも 1箇所に小針を備えたアナログ式時計 (電気時計、電子時計、機械式時計)で構成される。本発明の多機能時計の第 2の実施の形態においては、回転中心が地板の中心である時針によって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板の中心である分針によって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された小秒針によって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「2時方向」に配置された日針によって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「10時方向」に配置された曜針によって、「曜」に関する暦情報を表示するように構成することができる。

[0075] 本発明の第 2の実施の形態の変形例として、本発明の多機能時計は、ムーブメントを機械式時計で構成することもできる。更なる変形例として、本発明の多機能時計の第 2の実施の形態は、ムーブメントをアナログ電子時計又は機械式時計で構成し、回転中心が地板の中心である秒針によって、「秒」に関する時刻情報を表示するように構成することもできる。この更なる変形例では、小秒針を省略することができる。

[0076] 本発明の多機能時計の第 2の実施の形態において、ムーブメント 201Bは、地板 20 2を備える。電源部、回路部、転換機 (ステップモータ）、表輪歹 1J、切換機構などが、地板 202の裏蓋側（表側）に配置される。裏輪列、カレンダ輪列、日修正機構などが、地板 202の裏側に配置される。文字板 204Bが、地板 202のガラス側に配置される。卷真 210が地板 202の 3時側に回転可能なように配置される。本発明の多機能時計の第 2の実施の形態が本発明の多機能時計の第 1の実施の形態と異なる点は、日表示機構が「2時方向」に配置されてレ、ることと、曜表示機構が「10時方向」に配置されていることと、 24時表示機構が設けられていないことである。本発明の多機能時計の第 2の実施の形態に用いられるムーブメント部品は、全てが、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態に用いられるムーブメント部品と同じものである。本発明の多機能時計の第 2の実施の形態に用いられる文字板 204Bは、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態に用いられる文字板 204と異なる。

[0077] (2 · 2)日表示機構の構造：

次に、日表示機構の構造について説明する。図 22—図 24を参照すると、ムーブメント 201Bにおいて、筒車 262の回転に基づいて日車送り機構が作動するように構成される。日表示機構は、日回し車 310と、日星車 312とを含む。筒車 262の回転により、日回し車 310が回転するように構成される。日回し車 310は、地板 202に設けられた第 2日回し車ピンに対して回転可能に支持される。日回し車 310の回転中心は、「4時方向」と「5時方向」との間の領域 (すなわち、「4-5時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0078] 図 6を参照すると、日星車 312の下方に位置した日修正伝え車押さえ 314の一部は、地板 202の裏面に向かって円形に絞られる。日修正伝え車押さえ 314の円形絞り部の中心に設けられた穴が、日星車案内穴の周囲に設けられた日修正伝え車押さえ案内軸部に嵌め込まれるのが好ましい。日星車 312の回転方向の位置は、裏物押さえ 316に設けられた第 2曰ジヤンパ 316b2により規正される。第 2曰ジヤンパ 316b 2のばね部の先端に設けられた規正部は、「12時方向」と「1時方向」との間の領域（すなわち、「12—1時領域」）に配置されるのが好ましい。日星車 312の回転中心は、「2時方向」に配置される。日星車 312の下軸部は、地板 202に対して回転可能に支持される。日針 312hが日星車 312の上軸部に取り付けられる（図 6において、二点鎖線で記載している）。

[0079] (2 · 3)曜表示機構の構造：

次に、曜表示機構の構造について説明する。図 22—図 24を参照すると、ムーブメント 201Bにおいて、筒車 262の回転に基づいて曜車送り機構が作動するように構成される。曜表示機構は、曜回し車 320と、小曜車 322とを含む。筒車 262の回転により、曜回し車 320が回転するように構成される。曜回し車 320は、地板 202に設けられた第 2曜回し車ピンに対して回転可能に支持される。曜回し車 320の回転中心は、「8時方向」と「9時方向」との間の領域 (すなわち、「8-9時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0080] 小曜車 322の回転方向の位置は、裏物押さえ 316に設けられた第 2曜ジヤンパ 31 6c2により規正される。第 2曜ジヤンパ 316c2のばね部の先端に設けられた規正部は、「9時方向」と「10時方向」との間の領域 (すなわち、「9—10時領域」）に配置されるのが好ましい。小曜車 322の回転中心は、「10時方向」に配置される。小曜車 322の下軸部は、地板 202に対して回転可能に支持される。曜針 322hが小曜車 322の上軸部に取り付けられる。 [0081] (2 ·4)日修正機構の構造：

次に、日修正機構の構造について説明する。図 22—図 24を参照すると、ムーブメント 201Bの裏側には、日星車 312による日の表示を修正するための日修正機構が設けられる。日修正機構は、第 1修正伝え車 351と、第 2修正伝え車 352と、第 3修正伝え車 353と、第 4修正伝え車 354と、日修正車 355とにより構成される。第 2修正伝え車 352の回転中心は、「3時方向」に配置される。本発明の多機能時計の第 2の実施の形態における第 2修正伝え車 352の回転中心は、本発明の多機能時計の第 1 の実施の形態における第 2修正伝え車 352の回転中心と同じ配置である。

[0082] 第 3修正伝え車 353は、地板 202に対して回転可能に支持される。第 3修正伝え車 353の回転中心は、「2時方向」、或いは、「2時方向」と「3時方向」との間の領域（すなわち、「2-3時領域」）に配置されるのが好ましい。本発明の多機能時計の第 2の実施の形態における第 3修正伝え車 353の回転中心は、本発明の多機能時計の第 1 の実施の形態における第 3修正伝え車 353の回転中心と同じ配置である。第 4修正伝え車 354の下軸は、地板 202に設けられた第 2の第 4修正伝え車案内長穴に対して移動可能かつ回転可能に支持される。第 4修正伝え車 354の下軸を案内する第 2 の第 4修正伝え車案内長穴は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域 (すなわち、「1 一 2時領域」）に配置されるのが好ましい。本発明の多機能時計の第 2の実施の形態における第 2の第 4修正伝え車案内長穴は、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態における第 4修正伝え車案内長穴よりも地板 202の外形部に近い位置に配置される。第 4修正伝え車 354を地板 202に向かって加圧するための第 2修正ばね部 314b 2が日修正伝え車押さえ 314に設けられる。日修正車 355の回転中心は、「12時方向」と「 1時方向」との間の領域 (すなわち、「 12— 1時領域」）に配置されるのが好ましレ、。

[0083] (2 · 5)地板の構造：

次に、地板 202の構造について、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態において前述した説明に追加する説明を行う。図 7を参照すると、地板 202は、さらに、第 2 の実施の形態における日回し車 310の回転中心 202DW2、第 2の実施の形態における日星車 312の回転中心 202DS2、第 2の実施の形態における曜回し車 320の回転中心 202WT2、第 2の実施の形態における小曜車 322の回転中心 202SW2、第 2の実施の形態における日修正車 355の回転中心 202SB2の回転部材の回転中心を備える。

[0084] さらに、地板 202は、第 2の実施の形態における第 4修正伝え車 354の下軸を移動可能なように案内するための第 2の第 4修正伝え車案内長穴 202SL2を備える。上記のそれぞれの回転中心には、当該回転中心を中心として回転する回転部材を回転可能なように支持するために、当該回転部材の中心穴を案内するための案内軸部が形成され、或いは、当該回転部材の軸部を案内するための案内穴が形成される。すなわち、輪列案内部は、回転部材を回転可能なように案内するための案内穴、案内軸受、案内軸、案内ピンなどによって構成することができる。

[0085] 以上説明したように、地板 202は、地板中心 202cに配置された中心パイプ 202bと、ロータ 236の下軸受と、五番車 238の下軸受と、四番車 240の下軸受と、三番車 2 42の下軸受と、日の裏車 260の下軸受と j、鉄車 278の案内ピンと、日回し車 310 の案内ピンと、日星車 312の案内ピンと、曜回し車 320の案内ピンと、 /Jヽ曜車 322の下軸受と、時車 330の下軸受と、秒車 340の下軸受と、第 3修正伝え車 353の案内ピンと、日修正車 355の案内ピンとを備える。例えば、上記軸受は、穴石、ほぞ枠、貫通穴、盲ら穴等で構成することができる。例えば、案内ピンは、地板 202と一体に形成することもできるし、或いは、地板 202と別個に形成したピンを地板 202に固定することもできる。或いは、上記軸受の代わりに、ピン等の案内部材を用いることもできる。或いは、上記案内ピンの代わりに、穴石、ほぞ枠、貫通穴、盲ら穴等の案内部材を用レ、ることちでさる。

[0086] ムーブメント 201およびムーブメント 201Bは、第 1のタイプの小針の配置を有する第 1のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 1の輪列回転中心と、第 2のタイプの小針の配置を有する第 2のタイプの多機能時計を製造するときに用レ、られる輪列のための第 2の輪列回転中心とを備える。前記第 1の輪列回転中心、前記第 2の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための輪列案内部 (案内穴、案内軸受、案内軸、案内ピンなど）が設けられている。前記第 1の輪列回転中心、前記第 2の輪列回転中心は、地板 202 の地板中心 202cと地板 202の地板外形部との間の位置に配置される。以上説明したように、本発明の第 1の実施の形態、第 2の実施の形態では、地板 202は、ムーブメント 201に使用することができるし、また、ムーブメント 201Bに使用することもできる

[0087] (2 · 6)日修正伝え車押さえの構造：

次に、日修正伝え車押さえ 314の構造について、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態において前述した説明に追加する説明を行う。図 8を参照すると、第 2の実施の形態における第 4修正伝え車 354を地板 202に向かって加圧するための第 2修正ばね部 314b2が日修正伝え車押さえ 314に設けられる。修正ばね部 314b2は、「 1時方向」と「2時方向」との間の領域 (すなわち、「1—2時領域」）に配置されるのが好ましレ、。第 2修正ばね部 314b2が第 4修正伝え車 354と接触する先端部分は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域 (すなわち、「1—2時領域」）に配置されるのが好ましレ、。さらに、日星車 312の下方に位置する日修正伝え車押さえ 314の一部は、地板 2 02の裏面に向かって円形に絞られ、この円形絞り部の中心に設けられた穴が、日星車案内穴の周囲に設けられた日修正伝え車押さえ案内軸部に嵌め込まれるように構成されるのが好ましい。以上説明したように、本発明の第 1の実施の形態、第 2の実施の形態では、日修正伝え車押さえ 314は、ムーブメント 201に使用することができるし、また、ムーブメント 201Bに使用することもできる。

[0088] (2 · 7)裏物押さえの構造：

次に、裏物押さえ 316の構造について、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態において前述した説明に追加する説明を行う。図 9を参照すると、第 2の実施の形態における日星車 312の回転方向の位置を規正するための第 2日ジヤンパ 316b2力裏物押さえ 316に設けられる。第 2日ジヤンパ 316bのばね部は、「1時方向」と「5時方向」との間の領域 (すなわち、「1—5時領域」）に配置されるのが好ましい。第 2日ジヤンパ 316bのばね部の先端に設けられた規正部は、「12時方向」と「1時方向」との間の領域 (すなわち、「12— 1時領域」）に配置されるのが好ましい。第 2の実施の形態における小曜車 322の回転方向の位置を規正するための第 2曜ジヤンパ 316c2 力裏物押さえ 316に設けられる。第 2曜ジヤンパ 316c2のばね部は、「7時方向」と「 10時方向」との間の領域 (すなわち、「7-10時領域」）に配置されるのが好ましい。第 2曜ジヤンパ 316 c 2のばね部の先端に設けられた規正部は、「 9時方向」と「 10時方向」との間の領域 (すなわち、「9-10時領域」）に配置されるのが好ましい。以上説明したように、本発明の第 1の実施の形態、第 2の実施の形態では、裏物押さえ 316は、ムーブメント 201に使用することができるし、また、ムーブメント 201Bに使用することあでさる。

[0089] (2 - 8)針位置および針仕様の説明：

図 10を参照すると、図 10および図 25を参照すると、本発明の実施形態の第 5種において、回転中心が地板中心 202cである筒車 262に取り付けた時針 262hによって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板中心 202cである二番車 244に取り付けた分針 244hによって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された秒車 340に取り付けた小秒針 340hによって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「2時方向」に配置された日星車 312に取り付けた日針 312hによって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「10時方向」に配置された小曜車 322に取り付けた曜針 322hによって、「曜」に関する暦情報を表示すること力 Sできる。

[0090] それぞれの時刻情報、暦情報を表示するための文字、数字、略字などが文字板 20 4Bに設けられる。例えば、「日」に関する暦情報を表示するために、「10」、「20」、「3 1」の数字がが、文字板 204の日針 312hに対応する位置に円周上にそって設けられる。例えば、「秒」に関する時刻情報を表示するために、「10」、「20」、「30」、「40」、「50」、「60」の数字が、文字板 204の小秒針 340hに対応する位置に円周上にそつて設けられる。例えば、「曜」に関する暦情報を表示するために、「Sun」、「Mon」、「 Tue」、「Wed」、「Thu」、「Fri」、「Sat」の文字力文字板 204の曜針 322hに対応する位置に円周上にそって設けられる。

[0091] (3)第 3の実施の形態：

次に、本発明の多機能時計の第 3の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明の多機能時計の第 3の実施形態が本発明の多機能時計の第 1の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明の多機能時計の第 1の実施形態についての説明をここに準用する。

[0092] (3 · 1)ムーブメントの全体の構造：

図 26—図 28を参照すると、本発明の多機能時計の第 3の実施の形態は、ムーブメントがアナログ電子時計で構成される。さらに詳細には、本発明の多機能時計の第 3 の実施の形態は、「3時方向」、「6時方向」、「9時方向」、「12時方向」のうちの少なくとも 1箇所に小針を備えたアナログ式時計 (電気時計、電子時計、機械式時計)で構成される。すなわち、本発明の多機能時計の第 3の実施の形態においては、前述した第 1の実施の形態と同様に、回転中心が地板の中心である時針によって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板の中心である分 ^"によって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「12時方向」に配置された 24時針によつて、 24時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日針によって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された小秒針によって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置された曜針によって、「曜」に関する暦情報を表示するように構成することができる。

[0093] 本発明の多機能時計の第 1の実施の形態の変形例と同様に、第 3の実施の形態の変形例として、本発明の多機能時計の第 3の実施の形態は、ムーブメントを機械式時計で構成することもできる。更なる変形例として、本発明の多機能時計の第 3の実施の形態は、ムーブメントをアナログ電子時計又は機械式時計で構成し、回転中心が地板の中心である秒針によって、「秒」に関する時刻情報を表示するように構成することもできる。この更なる変形例では、小秒針を省略することができる。

[0094] 本発明の多機能時計の第 3の実施の形態において、ムーブメント 401は、地板 402 を備える。電源部、回路部、転換機 (ステップモータ）、表輪歹 ij、切換機構などが、地板 402の裏蓋側（表側）に配置される。裏輪列、カレンダ輪列、日修正機構などが、地板 402の裏側に配置される。文字板 204が、地板 402のガラス側に配置される。卷真 210が地板 402の 3時側に回転可能なように配置される。本発明の多機能時計の第 3の実施の形態が本発明の多機能時計の第 1の実施の形態と異なる点は、地板、日修正伝え車押さえ、裏物押さえの構造と、日修正機構の構造および配置である。本発明の多機能時計の第 3の実施の形態に用いられる他のムーブメント部品は、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態に用いられるムーブメント部品と同じ寸法形状を有するもので構成することができる。本発明の多機能時計の第 3の実施の形態に用いられる文字板 204は、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態に用いられる文字板 204と同じ寸法形状を有するもので構成することができる。

[0095] (3 · 2)日表示機構の構造：

次に、日表示機構の構造について説明する。図 26—図 28を参照すると、ムーブメント 401において、筒車 262の回転に基づいて日車送り機構が作動するように構成される。日表示機構は、日回し車 310と、日星車 312とを含む。筒車 262の回転により、日回し車 310が回転するように構成される。日回し車 310は、地板 402に設けられた日回し車ピンに対して回転可能に支持される。日回し車 310の回転中心は、「5時方向」と「6時方向」との間の領域 (すなわち、「5-6時領域」）に配置されるのが好ましレ、。

[0096] 日星車 312の回転方向の位置は、裏物押さえ 416に設けられた日ジヤンパ 416b により規正される。日ジヤンパ 416bのばね部の先端に設けられた規正部は、「1時方向」と「 2時方向」との間の領域 (すなわち、「 1-2時領域」）に配置されるのが好ましレ、。日星車 312の回転中心は、「3時方向」に配置される。日星車 312の下軸部は、地板 402に対して回転可能に支持される。日針 312hが日星車 312の上軸部に取り付けられる。

[0097] (3 · 3)曜表示機構の構造：

次に、曜表示機構の構造について説明する。図 26—図 28を参照すると、ムーブメント 401において、筒車 262の回転に基づいて曜車送り機構が作動するように構成される。曜表示機構は、曜回し車 320と、小曜車 322とを含む。筒車 262の回転により、曜回し車 320が回転するように構成される。曜回し車 320は、地板 402に設けられた曜回し車ピンに対して回転可能に支持される。曜回し車 320の回転中心は、「10 時方向」と「 11時方向」との間の領域 (すなわち、「 10—11時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0098] 小曜車 322の回転方向の位置は、裏物押さえ 416に設けられた曜ジヤンパ 416c により規正される。曜ジヤンパ 416cのばね部の先端に設けられた規正部は、「8時方向」と「 9時方向」との間の領域 (すなわち、「 8-9時領域」）に配置されるのが好ましレ、。小曜車 322の回転中心は、「9時方向」に配置される。小曜車 322の下軸部は、地板 402に対して回転可能に支持される。曜針 322hが小曜車 322の上軸部に取り付けられる。

[0099] (3 · 4)日修正機構の構造：

次に、日修正機構の構造について説明する。図 26—図 28を参照すると、ムーブメント 401の裏側には、日星車 312による日の表示を修正するための日修正機構が設けられる。日修正機構は、第 1修正伝え車 451と、第 2修正伝え車 452と、第 3修正伝え車 453と、第 4修正伝え車 454と、日修正車 455とにより構成される。第 2修正伝え車 452の回転中心は、「3時方向」に配置される。

[0100] 本発明の多機能時計の第 3の実施の形態における第 1修正伝え車 451の寸法形状は、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態における第 1修正伝え車 351の寸法形状と同じものとすることができる。本発明の多機能時計の第 3の実施の形態における第 2修正伝え車 452の寸法形状は、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態における第 2修正伝え車 352の寸法形状と同じものとすることができる。本発明の多機能時計の第 3の実施の形態における第 2修正伝え車 452の回転中心は、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態における第 2修正伝え車 352の回転中心と同じ位置に配置することができる。本発明の多機能時計の第 3の実施の形態における第 4 修正伝え車 454の寸法形状は、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態における第 4修正伝え車 354の寸法形状と同じものとすることができる。本発明の多機能時計の第 3の実施の形態における日修正車 455の寸法形状は、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態における日修正車 355の寸法形状と同じものとすることができる。

[0101] 第 3修正伝え車 453は、地板 402に対して回転可能に支持される。第 3修正伝え車 453の回転中心は、「3時方向」と「4時方向」との間の領域（すなわち、「3-4時領域」 )に配置されるのが好ましい。第 4修正伝え車 454の下軸は、地板 402に設けられた第 4修正伝え車案内長穴に対して移動可能かつ回転可能に支持される。第 4修正伝え車 454の下軸を案内する第 4修正伝え車案内長穴は、「4時方向」と「5時方向」との間の領域 (すなわち、「4一 5時領域」）に配置されるのが好ましい。第 4修正伝え車 454を地板 402に向かって加圧するための修正ばね部 414bが日修正伝え車押さえ 414に設けられる。日修正車 355の回転中心は、「4時方向」，或いは、「3時方向」と「4時方向」との間の領域 (すなわち、「3-4時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0102] (3 · 5)地板の構造：

次に、地板 402の構造について説明する。図 29を参照すると、二番車 244の回転中心と、筒車 262の回転中心は、地板中心 402cに配置される。中心パイプ 202bの中心軸線は地板中心 402cに配置される。

[0103] 地板 402は、ロータ 236の回転中心 402RT、五番車 238の回転中心 402FW、四番車 240の回転中心（図示せず）、三番車 242の回転中心（図示せず）、日の裏車 2 60の回転中心 402HW、小鉄車 278の回転中心（図示せず）、日回し車 310の回転中、 402DW、日星車 312の回転中、 402DS、 B翟回し車 320の回転中、 402WT 、小曜車 322の回転中心 402SW、時車 330の回転中心 402HG、秒車 340の回転中心 402BW、第 3修正伝え車 353の回転中心 402SA、日修正車 355の回転中心 402SB等の回転部材の回転中心を備える。第 2修正伝え車 352の回転中心は、日星車 312の回転中心 402DSと同じ位置に配置されるのが好ましい。

[0104] さらに、地板 202は、第 4修正伝え車 354の下軸を移動可能なように案内するための第 4修正伝え車案内長穴 402SLを備える。上記のそれぞれの回転中心には、当該回転中心を中心として回転する回転部材を回転可能なように支持するために、当該回転部材の中心穴を案内するための案内軸部が形成され、或いは、当該回転部材の軸部を案内するための案内穴が形成される。すなわち、回転部材を回転可能なように案内するための輪列案内部は、案内穴、案内軸受、案内軸、案内ピンなどで構成すること力 Sできる。後述するように、地板 402は、さらに、本発明の他の実施形態で用いられるそれぞれの回転部材を回転可能なように支持するための回転中心を備る。

[0105] 以上説明したように、ムーブメント 401は、第 1のタイプの小針の配置を有する第 1 のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 1の輪列回転中心を備える。前記第 1の輪列回転中心は、地板 402の地板中心 402cと地板 402の地板外形部との間の位置に配置される。前記第 1の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための案内穴又は案内軸受が設けられている。さらに、後述するように、ムーブメント 401は、ムーブメント 401を用いて第 2のタイプの小針の配置を有する第 2のタイプの多機能時計を製造するときに用レ、られる輪列のための第 2の輪列回転中心を備える。前記第 2の輪列回転中心は、地板 402の地板中心 402cと地板 402の地板外形部との間の位置に配置される。前記第 2の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための案内部（案内穴、案内軸受、案内軸、案内ピンなど）が設けられている。

[0106] (3 · 6)日修正伝え車押さえの構造：

次に、日修正伝え車押さえ 414の構造について説明する。図 30を参照すると、日修正伝え車押さえ 314は、「12—3時領域」および「3—6時領域」に配置される。第 4 修正伝え車 454を地板 402に向かって加圧するための修正ばね部 414bが日修正伝え車押さえ 314に設けられる。修正ばね部 314bは、「4時方向」と「5時方向」との間の領域（すなわち、「4 5時領域」）に配置されるのが好ましい。修正ばね部 414b が第 4修正伝え車 454と接触する先端部分は、「4時方向」と「5時方向」との間の領域（すなわち、「4 5時領域」）に配置されるのが好ましい。日修正伝え車押さえ 414 は、さらに、本発明の他の実施形態で用いる更なる修正ばね部 414b2を備えている

[0107] (3 · 7)裏物押さえの構造：

次に、裏物押さえ 416の構造について説明する。図 31を参照すると、日星車 312 の回転方向の位置を規正するための日ジヤンパ 416bが、裏物押さえ 416に設けられる。日ジヤンパ 416bのばね部は、「12時方向」と「2時方向」との間の領域（すなわち、「12—2時領域」）に配置されるのが好ましい。日ジヤンパ 416bのばね部の先端に設けられた規正部は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域 (すなわち、「1-2時領域」）に配置されるのが好ましレ、。

[0108] 小曜車 322の回転方向の位置を規正するための曜ジヤンパ 416cが、裏物押さえ 4 16に設けられる。曜ジヤンパ 416cのばね部は、「7時方向」と「9時方向」との間の領域（すなわち、「7—9時領域」）に配置されるのが好ましレ、。曜ジヤンパ 416cのばね部の先端に設けられた規正部は、「8時方向」と「9時方向」との間の領域 (すなわち、「8 一 9時領域」）に配置されるのが好ましい。上述した本発明の第 1の実施形態と異なり、製造工程を簡易にするために、本発明の他の実施形態で用いる更なる日ジヤンパ、更なる曜ジヤンパは、裏物押さえ 316に設けられていない。

[0109] (3 · 8)針位置および針仕様の説明：

本発明の第 3の実施形態における針位置および針仕様は、上述した本発明の第 1 の実施形態における針位置および針仕様と同様である。すなわち、図 10を参照すると、本発明の第 3の実施形態における針位置および針仕様は、本発明の実施形態の第 1種から第 5種を構成することができる。したがって、本発明の第 3の実施形態における針位置および針仕様に関する詳細な説明は、上述した本発明の第 1の実施形態における針位置および針仕様に関する説明を参照すればよいので、それらを再度ここに記載することは省略する。

[0110] (4)第 4の実施の形態：

次に、本発明の多機能時計の第 4の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明の多機能時計の第 4の実施形態が本発明の多機能時計の第 3の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明の多機能時計の第 3の実施形態についての説明をここに準用する。

[0111] (4· 1)ムーブメントの全体の構造：

図 32—図 34を参照すると、本発明の多機能時計の第 4の実施の形態は、アナログ電子時計で構成される。さらに詳細には、本発明の多機能時計の第 4の実施の形態は、「2時方向」、「6時方向」、「10時方向」のうちの少なくとも 1箇所に小針を備えたアナログ式時計 (電気時計、電子時計、機械式時計)で構成される。本発明の多機能時計の第 4の実施の形態においては、回転中心が地板の中心である時針によって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板の中心である分針によって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された小秒針によって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「2時方向」に配置された日針によって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「10時方向」に配置された曜針によって、「曜」に関する暦情報を表示するように構成することができる。 [0112] (4 · 2)日表示機構の構造：

以下に、日表示機構の構造について説明する。図 32—図 34を参照すると、ムーブメント 401Bにおいて、筒車 262の回転に基づいて日車送り機構が作動するように構成される。日表示機構は、日回し車 310と、日星車 312とを含む。筒車 262の回転により、日回し車 310が回転するように構成される。日星車 312の下軸部は、地板 402 に設けられた日星車案内穴に対して回転可能に支持される。日回し車 310は、地板 402に設けられた第 2日回し車ピンに対して回転可能に支持される。日回し車 310の回転中心は、「4時方向」と「5時方向」との間の領域 (すなわち、「4-5時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0113] 日星車 312の回転方向の位置は、裏物押さえ 418に設けられた日ジヤンパ 418b により規正される。第 4の実施の形態における裏物押さえ 418の形状は、前述した第 3の実施の形態における裏物押さえ 416の形状と異なっている。日ジヤンパ 418bのばね部の先端に設けられた規正部は、「 12時方向」と「 1時方向」との間の領域 (すなわち、「12-1時領域」）に配置されるのが好ましレ、。日星車 312の回転中心は、「2時方向」に配置される。日星車 312の下軸部は、地板 402に対して回転可能に支持される。

[0114] 図 34を参照すると、第 2修正伝え車 452の中心穴は、地板 402に設けた第 2修正伝え車案内軸部に対して回転可能に支持される。第 2修正伝え車案内軸部の内側に、本発明の多機能時計の第 3の実施の形態で用いる日星車 312のための日星車案内穴が設けられる。日星車案内穴の中心軸線と、第 2修正伝え車案内軸部の中心軸線とは一致するように構成することができる。第 3修正伝え車 353は、地板 202に設けたリング状の第 3修正伝え車案内軸部に対して回転可能に支持される。第 3修正伝え車案内軸部の内側に、日修正伝え車押さえ案内軸部が設けられる。日修正伝え車押さえ案内軸部の内側に、本発明の多機能時計の第 4の実施の形態で用いる日星車 312の日星車案内穴が設けられる。日星車 312の下方に位置した日修正伝え車押さえ 414の一部は、地板 402の裏面に向かって円形に絞られる。日修正伝え車押さえ 414の円形絞り部の中心に設けられた穴が、日星車案内穴の周囲に設けられた日修正伝え車押さえ案内軸部に嵌め込まれるのが好ましい。 [0115] (4 · 3)曜表示機構の構造：

次に、曜表示機構の構造について説明する。図 32—図 34を参照すると、ムーブメント 401Bにおいて、筒車 262の回転に基づいて曜車送り機構が作動するように構成される。曜表示機構は、曜回し車 320と、小曜車 322とを含む。筒車 262の回転により、曜回し車 320が回転するように構成される。曜回し車 320は、地板 402に設けられた第 2曜回し車ピンに対して回転可能に支持される。曜回し車 320の回転中心は、「8時方向」と「9時方向」との間の領域（すなわち、「8—9時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0116] 小曜車 322の回転方向の位置は、裏物押さえ 418に設けられた曜ジヤンパ 418c により規正される。曜ジヤンパ 418cのばね部の先端に設けられた規正部は、「9時方向」と「10時方向」との間の領域 (すなわち、「9—10時領域」）に配置されるのが好ましレ、。小曜車 322の回転中心は、「10時方向」に配置される。小曜車 322の下軸部は、地板 402に対して回転可能に支持される。曜針 322hが小曜車 322の上軸部に取り付けられる。

[0117] (4· 4)日修正機構の構造：

次に、日修正機構の構造について説明する。図 32—図 34を参照すると、ムーブメント 401Bの裏側には、日星車 312による日の表示を修正するための日修正機構が設けられる。日修正機構は、第 1修正伝え車 451と、第 2修正伝え車 452と、第 3修正伝え車 453と、第 4修正伝え車 454と、日修正車 455とにより構成される。第 2修正伝え車 352の回転中心は、「3時方向」に配置される。本発明の多機能時計の第 4の実施の形態における第 2修正伝え車 452の回転中心は、本発明の多機能時計の第 1 の実施の形態における第 2修正伝え車 352の回転中心と同じ位置に配置することができる。

[0118] 第 3修正伝え車 453は、地板 202に対して回転可能に支持される。第 3修正伝え車 453の回転中心は、「2時方向」、或いは、「2時方向」と「3時方向」との間の領域（すなわち、「2—3時領域」）に配置されるのが好ましい。第 3修正伝え車 453の回転中心は、日星車 312の回転中心と同じ位置に配置するのが好ましい。第 3修正伝え車 45 3の中心穴は、地板 402に設けられた第 3修正伝え車案内軸部の外周部に対して回転可能に配置される。第 4修正伝え車 454の下軸は、地板 402に設けられた第 2の第 4修正伝え車案内長穴に対して移動可能かつ回転可能に支持される。第 4修正伝え車 454の下軸を案内する第 2の第 4修正伝え車案内長穴は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域 (すなわち、「1—2時領域」）に配置されるのが好ましい。第 4修正伝え車 454を地板 402に向かって加圧するための第 2修正ばね部 414b2が日修正伝え車押さえ 414に設けられる。日修正車 455の回転中心は、「12時方向」と「1時方向」との間の領域 (すなわち、「12-1時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0119] (4· 5)地板の構造：

次に、地板 402の構造について、本発明の多機能時計の第 3の実施の形態において前述した説明に追加する説明を行う。図 29を参照すると、地板 402は、さらに、第 4の実施の形態における日回し車 310の回転中心 402DW2、第 4の実施の形態における日星車 312の回転中心 402DS2、第 2の実施の形態における曜回し車 320の回転中心 402WT2、第 2の実施の形態における小曜車 322の回転中心 402SW2、第 2の実施の形態における日修正車 455の回転中心 402SB2の回転部材の回転中心を備える。第 3修正伝え車 453の回転中心は、日星車 312の回転中心 402DS2と同じ位置に配置するのが好ましレ、。

[0120] さらに、地板 402は、第 4の実施の形態における第 4修正伝え車 454の下軸を移動可能なように案内するための第 2の第 4修正伝え車案内長穴 402SL2を備える。上記のそれぞれの回転中心には、当該回転中心を中心として回転する回転部材を回転可能なように支持するために、当該回転部材の中心穴を案内するための案内軸部が形成され、或いは、当該回転部材の軸部を案内するための案内穴が形成される。すなわち、輪列案内部は、回転部材を回転可能なように案内するための案内穴、案内軸受、案内軸、案内ピンなどによって構成することができる。

[0121] ムーブメント 401は、第 1のタイプの小針の配置を有する第 1のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 1の輪列回転中心と、ムーブメント 401B を用いて第 2のタイプの小針の配置を有する第 2のタイプの多機能時計を製造するときに用レ、られる輪列のための第 2の輪列回転中心とを備える。前記第 1の輪列回転中心、前記第 2の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための輪列案内部 (案内穴、案内軸受、案内軸、案内ピンなど）が設けられている。前記第 1の輪列回転中心、前記第 2の輪列回転中心は、地板 402 の地板中心 402cと地板 402の地板外形部との間の位置に配置される。以上説明したように、本発明の第 3の実施の形態、第 4の実施の形態では、地板 402は、ムーブメント 401に使用することができるし、また、ムーブメント 401Bに使用することもできる

[0122] (4· 6)日修正伝え車押さえの構造：

次に、日修正伝え車押さえ 414の構造について、本発明の多機能時計の第 3の実施の形態において前述した説明に追加する説明を行う。図 30を参照すると、第 4の実施の形態における第 4修正伝え車 454を地板 402に向かって加圧するための第 2 修正ばね部 414b2が日修正伝え車押さえ 414に設けられる。修正ばね部 414b2は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域 (すなわち、「1—2時領域」）に配置されるのが好ましレ、。第 2修正ばね部 414b2が第 4修正伝え車 454と接触する先端部分は、「1 時方向」と「2時方向」との間の領域 (すなわち、「1-2時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0123] 図 34を参照すると、日星車 312の下方に位置した日修正伝え車押さえ 414の一部は、地板 402の裏面に向かって円形に絞られ、この円形絞り部の中心に設けられた穴が、日星車案内穴の周囲に設けられた日修正伝え車押さえ案内軸部に嵌め込まれるのが好ましい。以上説明したように、本発明の第 1の実施の形態、第 2の実施の形態では、日修正伝え車押さえ 414は、ムーブメント 401に使用することができるし、また、ムーブメント 401Bに使用することもできる。

[0124] ( ⁷)裏物押さえの構造：

次に、裏物押さえ 418の構造について説明する。本発明の多機能時計の第 4の実施の形態において使用する裏物押さえ 418は、前述した第 3の実施の形態において使用する裏物押さえ 316と、日ジヤンパ、曜ジヤンパの形状が異なる。図 35を参照すると、第 4の実施の形態における日星車 312の回転方向の位置を規正するための日ジヤンパ 418bが、裏物押さえ 418に設けられる。日ジヤンパ 418bのばね部は、「11 時方向」と「 1時方向」との間の領域 (すなわち、「 11-1時領域」）に配置されるのが好ましい。日ジヤンパ 418bのばね部の先端に設けられた規正部は、「12時方向」と「1 時方向」との間の領域 (すなわち、「12— 1時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0125] 第 4の実施の形態における小曜車 322の回転方向の位置を規正するための曜ジャンパ 418c力 S、裏物押さえ 418に設けられる。曜ジヤンパ 418cのばね部は、「7時方向」と「10時方向」との間の領域 (すなわち、「7-10時領域」）に配置されるのが好ましい。曜ジヤンパ 418cのばね部の先端に設けられた規正部は、「9時方向」と「10時方向」との間の領域 (すなわち、「9-10時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0126] (4 · 8)針位置および針仕様の説明：

本発明の第 4の実施形態における針位置および針仕様は、上述した本発明の第 2 の実施形態における針位置および針仕様と同様である。すなわち、図 10を参照すると、本発明の第 4の実施形態における針位置および針仕様は、本発明の実施形態の第 6種を構成することができる。したがって、本発明の第 4の実施形態における針位置および針仕様に関する詳細な説明は、上述した本発明の第 2の実施形態における針位置および針仕様に関する説明を参照すればよいので、それらを再度ここに記載することは省略する。

[0127] (5)第 5の実施の形態：

次に、本発明の多機能時計の第 5の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明の多機能時計の第 5の実施形態が本発明の多機能時計の第 1の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明の多機能時計の第 1の実施形態についての説明をここに準用する。本発明の多機能時計の第 5の実施の形態が、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態と異なる点は、曜表示機構である。すなわち、本発明の多機能時計の第 5の実施の形態の特徴は、扇形運針することができる、いわゆる「レトロダラードタイプ」の曜針を備えることにある。

[0128] (5 · 1)ムーブメントの全体の構造：

図 36—図 38を参照すると、本発明の多機能時計の第 5の実施の形態は、ムーブメントがアナログ電子時計で構成される。さらに詳細には、本発明の多機能時計の第 5 の実施の形態は、「3時方向」、「6時方向」、「12時方向」のうちの少なくとも 1箇所に回転運針することができる小針を備え、さらに、「9時方向」に扇形運針することができる小針を備えアナログ式時計 (電気時計、電子時計、機械式時計)で構成される。すなわち、本発明の多機能時計の第 5の実施の形態においては、本発明の多機能時計の第 5の実施の形態では、回転中心が地板の中心である時針によって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板の中心である分 ^"によって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「12時方向」に配置された 24時針によつて、 24時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日針によって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された小秒針によって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置され、扇形運針することができる曜針によって、いわゆる「レトロダラードタイプ」によつて「曜」に関する暦情報を表示するように構成することができる。

[0129] (5 · 2)曜表示機構の構造：

次に、曜表示機構の構造について説明する。図 36—図 38を参照すると、筒車 262 の回転に基づいて曜車送り機構が作動するように構成される。曜表示機構は、曜回し車 320と、曜伝; 車 462と、 /』、3翟車 464と、復 †レノく一 466と、曜ジヤンノ 468と、曜戻しばね 472とを含む。筒車 262の回転により、曜回し車 320が回転するように構成される。曜回し車 320は、地板 202に設けられた曜回し車ピン 320pに対して回転可能に支持される。曜回し車 320の回転中心は、「10時方向」と「11時方向」との間の領域（すなわち、「10-11時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0130] 曜回し車 320は、曜回し歯 320bと、曜送りつめ 320fとを含む。筒車 262の日回し力な 262cは、曜回し車 320の曜回し歯 320bと嚙合うように構成される。曜伝え車 46 2は、地板 202に設けられた曜伝え車ピン 462pに対して回転可能に支持される。曜伝え車 462は、曜伝え歯車部 462bと、伝えカム部 462cとを備える。伝えカム部 462 cは、曜伝え車 462の中心軸線からの距離（すなわち、カム半径）が徐々に増加してゆくように形成された伝えカム外形部を含む。カム外形部の半径は、その最小値 RM INからその最大値 RMAXまで、伝えカム外周部分の円周方向に沿って、滑らかに増大するように形成する。そして、伝えカム外周部分の半径が急激に変化する段差部分力伝えカム外周部分の半径が最大値 RMAXをとる箇所と最小値 RMINをとる箇所との間に配置される。すなわち、伝えカム外周部分は、伝えカム外形部の回転中心に一番近い最小半径部分から、伝えカム外形部の最大半径部分まで、一様にうずまき状に広がり、伝えカム外周部分の最大値 RMAXをとる箇所が最小値 RMINをとる箇所につながつている輪郭形状を有する。その結果、伝えカム外周部分は、いわゆる「揺動カム」のカム面に近い形状をとる。すなわち、このような伝えカム外周部分の形状は、例えば、「アルキメデスのうずまき線 (R=r+ a θ )」で構成することができる。伝えカム外周部分をこのように形成することにより、伝えカム外周部分に接触する部材をなめらかに作動させることができる。

[0131] 曜伝え歯車部 462bは、伝えカム部 462cよりも文字板 454に近いほうの側に配置される。曜伝え車 462の曜伝え歯車部 462bは、 7個の歯を備える。曜回し車 320に設けられた曜送りつめ 320fが曜伝え車 462の曜伝え歯車部 462bを回転させることにより、曜伝え車 462は 1日に 1度、（1Z7)回転するように構成される。したがって、曜伝え車 462は 7日間で 1回転するように構成される。曜伝え車 462の回転中心は、「9 時方向」と「 10時方向」との間の領域 (すなわち、「 9- 10時領域」）に配置されるのが好ましレヽ。 /Jヽ曜車 464は、下軸咅 B464aと、翟歯車咅 B464bと、戻りカム咅 464cと、上車由咅 464dと、 †取付咅 464gとを含む。戻りカム咅 464cは、 /Jヽ B翟車 464の中、車由線からの距離 (すなわち、カム半径）が徐々に増加してゆくように形成された戻りカム外形部を含む。戻りカム外形部は、周知のハートカム曲線をなすようにに形成される。小曜車 464の下軸部は、地板 202に対して回転可能に支持される。小曜車 464の上軸部 464dは、小曜車受 470に対して回転可能に支持される。曜針 464hが小曜車 464の針取付部 464gに取り付けられる。

[0132] 曜戻しばね 472は、地板 202に固定されたベース部 472bと、小曜車 464の戻り力ム部 464cを押すように構成された戻しばね部 472cとを含む。曜戻しばね 472は、ステンレス鋼、りん青銅などの弾性材料で形成された板状部材である。戻しばね部 472 cの先端部分は、戻りカム部 464cのカム外形部に接触するように構成される。戻しばね部 472cの先端部分が戻りカム部 464cのカム外形部を押す力の向きは、小曜車 4 64の回転中心から偏心した箇所に向力ようになっている。したがって、前記小曜車 464の回転中心から偏心した箇所までの偏心距離と、前記押す力とを掛け合わせた値をとして定められる回転トルクによって、小曜車 464を回転させる回転モーメントを発生させるように構成されている。曜戻しばね 472の戻しばね部 472cは、「8時方向」と「9時方向」との間の領域（すなわち、「8-9時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0133] 曜伝え車 462の回転方向の位置は、地板 202に対して回転可能に設けられた曜ジヤンパ 468により規正されるように構成される。裏物押さえ 480に設けられた曜ジヤンパ加圧ばね部 480cが、曜ジヤンパ 468の先端に設けられた規正部を曜伝え車 462 の曜伝え歯車部 462bに向けて押し付けるように構成される。曜ジヤンパ 468の先端に設けられた規正部の位置は、「9時方向」と「10時方向」との間の領域 (すなわち、「 9—10時領域」）に配置されるのが好ましレ、。曜ジヤンパ加圧ばね部 480cの位置は、「 9時方向」と「 11時方向」との間の領域 (すなわち、「 9—11時領域」）に配置されるのが好ましい。

[0134] 復針レバー 466は、地板 202に設けられた復針レバーピン 466pに対して回転可能に支持される。復針レバー 466の位置は、「9時方向」と「10時方向」との間の領域（すなわち、「9_10時領域」）に配置されるのが好ましレ、。復針レバー 466は、伝え力ム部 462cと接触するように構成されたカム接触部 466cと、曜歯車部 464bと嚙み合うように構成された第 1作動歯車部 466fと、第 2作動歯車部 466gとを備える。第 2作動歯車部 466gは、小曜車 464の曜歯車部 464bと嚙み合うことができるようにするために設けられる。特に、図 38を参照すると、戻しばね部 472cのばね力によって、小曜車 464は、常に、反時計回り方向に回転するような力を受けるように構成される。したがって、復針レバー 466は、常に、時計回り方向に回転するような力を受けるように構成される。したがって、復針レバー 466のカム接触部 466cの先端部は、常に、曜伝え車 462の伝えカム部 462cに押し付けられるような力を受けるように構成される。

[0135] 小曜車 464の回転中心は、「9時方向」に配置される。小曜車 464の歯車部 464b、戻りカム部 464cは、地板 202と、小曜車受 470との間に配置される。曜を表示するための曜文字、数字、略字などが文字板 454に設けられる。特に、図 44を参照すると、扇形運針する曜針 464hと、文字板 454の文字、数字、略字などによって、暦情報の 1つである「曜」に関する情報を表示することができるように構成される。

[0136] (5 · 3)地板の構造：

次に、地板 202の構造について、本発明の多機能時計の第 1の実施の形態、第 2 の実施の形態において前述した説明に追加する説明を行う。図 7を参照すると、地板 202は、さらに、第 5の実施の形態における曜伝え車 462の回転中心 202WD、第 5 の実施の形態における復針レバー 466の回転中心 202WF、第 5の実施の形態における曜回し車 320の回転中心 202WT2、第 5の実施の形態における小曜車 464の回転中心 202WGを備える。第 5の実施の形態における曜回し車 320の回転中心は、第 1の実施の形態における曜回し車 320の回転中心 202WT2と同じ位置に配置すること力 Sできる。上記のそれぞれの回転中心には、当該回転中心を中心として回転する回転部材を回転可能なように支持するために、当該回転部材の中心穴を案内するための案内軸部が形成され、或いは、当該回転部材の軸部を案内するための案内穴が形成される。すなわち、輪列案内部は、回転部材を回転可能なように案内するための案内穴、案内軸受、案内軸、案内ピンなどによって構成することができる。

[0137] すなわち、地板 202は、地板中心 202cに配置された中心パイプ 202bと、ロータ 23 6の下軸受と、五番車 238の下軸受と、四番車 240の下軸受と、三番車 242の下軸受と、日の裏車 260の下軸受と、小鉄車 278の案内ピンと、日回し車 310の案内ピンと、日星車 312の案内ピンと、曜回し車 320の案内ピンと、小曜車 322の下軸受と、時車 330の下軸受と、秒車 340の下軸受と、第 3修正伝え車 353の案内ピンと、日修正車 355の案内ピンと、曜伝え車 462の案内ピンと、復針レバー 466の案内ピンと、小曜車 464の案内ピンとを備える。例えば、上記軸受は、穴石、ほぞ枠、貫通穴、盲ら穴等で構成することができる。例えば、案内ピンは、地板 202と一体に形成することもできるし、或いは、地板 202と別個に形成したピンを地板 202に固定することもできる。或いは、上記軸受の代わりに、ピン等の案内部材を用いることもできる。或いは、上記案内ピンの代わりに、穴石、ほぞ枠、貫通穴、盲ら穴等の案内部材を用いることあでさる。

[0138] ムーブメント 201、ムーブメント 201B、ムーブメント 451は、第 1のタイプの小針の配置を有する第 1のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 1 の輪列回転中心と、第 2のタイプの小針の配置を有する第 2のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 2の輪列回転中心と、第 3のタイプの小針の配置を有する第 3のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 3の輪列回転中心とを備える。前記第 1の輪列回転中心、前記第 2の輪列回転中心、前記第 3の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための輪列案内部 (案内穴、案内軸受、案内軸、案内ピンなど）が設けられている。前記第 1の輪列回転中心、前記第 2の輪列回転中心、前記第 3の輪列回転中心は、地板 202の地板中心 202cと地板 202の地板外形部との間の位置に配置される。以上説明したように、本発明の第 1の実施の形態、第 2の実施の形態、第 5の実施の形態では、地板 202は、ムーブメント 201に使用することもできるし、また、ムーブメント 201Bに使用することもできるし、さらに、ムーブメント 451に使用することちできる。

[0139] (⁵ ·⁴)裏物押さえの構造：

次に、裏物押さえ 480の構造について説明する。本発明の多機能時計の第 5の実施の形態において使用する裏物押さえ 480は、前述した第 1の実施の形態において使用する裏物押さえ 316と、日ジヤンパ、曜ジヤンパの形状が異なる。図 41を参照すると、裏物押さえ 480は、第 1の実施の形態において日星車 312の回転方向の位置を規正するための第 1日ジヤンノ 480aと、第 2の実施の形態において日星車 312の回転方向の位置を規正するための第 2日ジヤンパ 480bと、第 5の実施の形態において曜ジヤンパ 316cの先端に設けられた規正部を曜伝え車 462の曜伝え歯車部 462 bに向けて押し付けるための曜ジヤンパ加圧ばね部 480cとを含む。

[0140] 第 1日ジヤンパ 480aのばね部は、「2時方向」と「6時方向」との間の領域（すなわち、「2-6時領域」）に配置されるのが好ましい。第 1日ジヤンパ 480aのばね部の先端に設けられた規正部は、「1時方向」と「3時方向」との間の領域 (すなわち、「1-3時領域」）に配置されるのが好ましい。第 2日ジヤンパ 480bのばね部は、「11時方向」と「1時方向」との間の領域 (すなわち、「11一 1時領域」）に配置されるのが好ましい。第 2日ジヤンパ 480bのばね部の先端に設けられた規正部は、「12時方向」と「1時方向」との間の領域 (すなわち、「12—1時領域」）に配置されるのが好ましい。曜ジヤンパ加圧ばね部 480cの位置は、「9時方向」と「11時方向」との間の領域（すなわち、「9_ 11時領域」）に配置されるのが好ましレ、。

[0141] 変形例として、図 42を参照すると、裏物押さえ 482は、第 1の実施の形態において日星車 312の回転方向の位置を規正するための日ジヤンノ 482aと、第 5の実施の形態において曜ジヤンパ 316cの先端に設けられた規正部を曜伝え車 462の曜伝え歯車部 462bに向けて押し付けるための曜ジヤンパ加圧ばね部 482cとを含む。上記のように構成した裏物押さえ 482は、前述した第 2の実施の形態に使用することはできない。日ジヤンパ 482aのばね部は、「12時方向」と「2時方向」との間の領域（すなわち、「12—2時領域」）に配置されるのが好ましレ、。日ジヤンパ 482aのばね部の先端に設けられた規正部は、「1時方向」と「2時方向」との間の領域 (すなわち、 Γ 1-2 時領域」）に配置されるのが好ましレ、。

[0142] (5 · 5)曜送り機構等の作用：

以下に、本発明の多機能時計の第 5の実施の形態において、曜送り機構の作用について説明する。図 36 図 38を参照すると、曜針 464hと、文字板 454の文字、数字、略字などによって「日曜日」をあらわす「Sun」を指示する状態で、筒車 262の回転により、曜回し車 320が回転する。曜回し車 320に設けられた曜送りつめ 320fが曜伝え車 462の曜伝え歯車部 462bを回転させることにより、曜伝え車 462は 1日に 1 度、（1/7)回転する。戻しばね部 472cの先端部分は、戻りカム部 464cのカム外形部の最小半径に近い部分に接触する。曜伝え車 462の回転方向の位置は、地板 20 2に対して回転可能に設けられた曜ジヤンパ 316cにより規正される。裏物押さえ 316 に設けられた曜ジヤンパ加圧ばね部 480cが、曜ジヤンパ 316cの先端に設けられた規正部を曜伝え車 462の曜伝え歯車部 462bに向けて押し付ける。復針レバー 466 のカム接触部 466cは、曜伝え車 462の伝えカム部 462cと接触する。復針レバー 46 6の第 1作動歯車部 466fは、小曜車 464の曜歯車部 464bと嚙み合う。曜戻しばね 4 72の戻しばね咅 B472cは、 /Jヽ B翟車 464の戻りカム咅 464。を/ Jヽ B翟車 464のカム外形部の最小半径に近い部分に接触する。戻しばね部 472cのばね力によって、小曜車 464は、常に、反時計回り方向に回転するような力を受ける。復針レバー 466は、常に、時計回り方向に回転するような力を受ける。復針レバー 466のカム接触部 466c の先端部は、常に、曜伝え車 462の伝えカム部 462cに押し付けられるようなカを受ける。

[0143] 次に、図 39を参照すると、小曜車 464により「日曜日」をあらわす「Sun」を指示する状態において、復針レバー 466のカム接触部 466cの先端部は、曜伝え車 462の伝えカム部 462cのなかで、最小半径部に近い部分に押し付けられる。図 38に示す「日曜日」をあらわす「Sun」を指示する状態から、筒車 262の回転により、曜送りつめ 32 Ofが曜伝え車 462の曜伝え歯車部 462bを 1日分、すなわち（1/7)回転させると、戻しばね部 472cの先端部分は、戻りカム部 464cのカム外形部の最小半径から 1日分回転して半径が大きくなつた位置に接触する。曜伝え車 462の回転方向の位置は、地板 202に対して回転可能に設けられた曜ジヤンパ 316cにより規正される。復針レバー 466の第 1作動歯車部 466fは、小曜車 464を 1日分回転させ、「月曜日」をあらわす「Mon」を指示する状態になる。曜戻しばね 472の戻しばね部 472cは、小曜車 464の戻りカム部 464cを小曜車 464のカム外形部の最小半径から 1日分回転して半径が大きくなつた位置に接触する。戻しばね部 472cのばね力によって、小曜車 4 64は、常に、反時計回り方向に回転するような力を受けている。復針レバー 466は、常に、時計回り方向に回転するような力を受けている。復針レバー 466のカム接触部 466cの先端部は、常に、曜伝え車 462の伝えカム部 462cに押し付けられるような力を受けている。同様にして、小曜車 464は毎日、 1日分回転され、「月曜日」をあらわす「Mon」を指示する状態から「火曜日」をあらわす「Tue」を指示する状態になり、次レ、で「水曜日」をあらわす rWedjを指示する状態になり、次レ、で「木曜日」をあらわす「Thu」を指示する状態になり、次いで「金曜日」をあらわす「Fri」を指示する状態になり、次いで「土曜日」をあらわす「Sat」を指示する状態になり、さらに、「日曜日」をあらわす「Sun」を指示する状態に変化することができる。

図 40を参照すると、「土曜日」をあらわす「Sat」を指示する状態において、戻しばね部 472cの先端部分は、戻りカム部 464cのカム外形部の最大半径に一番近レ、位置に接触する。曜戻しばね 472の戻しばね部 472cは、小曜車 464の戻りカム部 464c を小曜車 464のカム外形部の最大半径に一番近い位置に接触する。「土曜日」をあらわす「3&」を指示する状態において、筒車 262の回転により、曜送りつめ 320fが曜伝え車 462の曜伝え歯車部 462bを 1日分、すなわち（1/7)回転させると、復針レバー 466のカム接触部 466cの先端部は、曜伝え車 462の伝えカム部 462cのな力で、最大半径部に近い部分力も移動して、曜伝え車 462の伝えカム部 462cのなかで、最小半径部に近い部分に押し付けられる。また、曜戻しばね 472の戻しばね部 4 72cは、小曜車 464の戻りカム部 464cを小曜車 464のカム外形部の最大半径に一番近い位置から、小曜車 464のカム外形部の最小半径に一番近い位置に接触する

[0145] (5 · 6)針位置および針仕様の説明：

図 10および図 43を参照すると、本発明の実施形態の第 7種において、回転中心が地板中心 202cである筒車 262に取り付けた時針 262hによって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板中心 202cである二番車 244に取り付けた分針 244hによって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された秒車 340に取り付けた小秒針 340hによって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日星車 312に取り付けた日針 312hによって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置された小曜車 464に取り付けた扇形運針することができる曜針 464hによって、いわゆる「レトロダラードタイプ」によって、「曜」に関する暦情報を表示することができる。例えば、曜針 46 4hは、 90度一 160度の範囲で「曜」に関する暦情報を表示することができる。構成部品の設計の余裕と、曜表示のデザイン性からみると、曜針 464hは、 100度一 120度の範囲で「曜」に関する暦情報を表示するのが好ましい。

[0146] 地板中心 202cから日針 312hの回転中心までの距離と、地板中心 202cから小秒針 340hの回転中心までの距離と、地板中心 202cから 24時針 330hの回転中心までの距離とは、等しくなるように構成するのが好ましい。し力ながら、上記の中心間距離は、等しくないように構成することもできる。地板中心 202cから曜針 464hの回転中心までの距離は、地板中心 202cから日針 312hの回転中心までの距離より大きくなるように構成するのが好ましレ、。地板中心 202cから曜針 464hの回転中心までの距離は、地板中心 202cから 24時針 330hの回転中心までの距離より大きくなるように構成するのが好ましレ、。地板中心 202cから曜針 464hの回転中心までの距離は、地板中心 202cから小秒針 340hの回転中心までの距離より大きくなるように構成するのが好ましい。

[0147] それぞれの時刻情報、暦情報を表示するための文字、数字、略字などが文字板 45 4に設けられる。例えば、「日」に関する暦情報を表示するために、「10」、「20」、「31 」の数字が、文字板 454の日針 312hに対応する位置に円周上にそって設けられる。例えば、「秒」に関する時刻情報を表示するために、「10」、「20」、「30」、「40」、「50 」、「60」の数字が、文字板 454の小秒針 340hに対応する位置に円周上にそって設けられる。例えば、「曜」に関する暦情報を表示するために、「Sun」、「Mon」、「Tue」、「Wed」、「Thu」、「Fri」、「Sat」の英語文字力 S、文字板 454の曜針 464hに対応する位置に円周上にそって設けられる。或いは、「曜」に関する暦情報を表示するために、数字、日本語文字、外国語文字、ローマ数字、記号などを用いることもできる。

[0148] 図 10および図 44を参照すると、本発明の実施形態の第 8種において、回転中心が地板中心 202cである筒車 262に取り付けた時針 262hによって、 12時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が地板中心 202cである二番車 244に取り付けた分針 244hによって「分」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「6時方向」に配置された秒車 340に取り付けた小秒針 340hによって、「秒」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「12時方向」に配置された時車 330に取り付けた 24時針 330h によって、 24時間制の「時」に関する時刻情報を表示し、回転中心が「3時方向」に配置された日星車 312に取り付けた日針 312hによって、「日」に関する暦情報を表示し、回転中心が「9時方向」に配置された小曜車 464に取り付けた扇形運針することができる曜針 464hによって、いわゆる「レトロダラードタイプ」によって「曜」に関する暦情報を表示することができる。例えば、 24時間制の「時」に関する時刻情報を表示するために、「6」、「12」、「18」、「24」の数字力文字板 454の 24時針 330hに対応する位置に円周上にそって設けられる。

[0149] 例えば、「曜」に関する暦情報を表示するために、「Sun」、「Mon」、「Tue」、「Wed 」、「Thu」、「Fri」、「Sat」の英語文字力 S、文字板 454の曜針 464hに対応する位置に円周上にそって、ほぼ扇形に配置される。或いは、「曜」に関する暦情報を表示するために、数字、日本語文字、外国語文字、ローマ数字、記号などを用レ、ることもできる。

産業上の利用可能性

[0150] 本発明のアナログ多機能時計は、ムーブメントの部品の寸法形状を変更することなしに、部品の組み込み位置を変えるだけで、複数の小針を備えたムーブメントレイァゥトを形成できる。また、本発明のアナログ多機能時計は、部品加工作業の切換に多くの時間を必要とせず、部品製造工数が少ないので、生産効率良ぐ複数の小針を備えたムーブメントレイアウトを形成できる。

図面の簡単な説明

[図 1]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、ムーブメントの裏側から見た概略構造を示す平面図である。

[図 2]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、ムーブメントの裏側の日修正機構を示す平面図である。

[図 3]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、ムーブメントの表側から見た概略構造を示す平面図である。

[図 4]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、卷真と表輪列の部分を示す部分断面図である。

[図 5]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、卷真と裏輪列の部分を示す部分断面図である。

[図 6]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、卷真と日修正機構の部分を示す部分断面図である。

[図 7]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、地板の裏側から見た形状を示す平面図である。

[図 8]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、日修正伝え車押さえの上側力見た形状を示す平面図である。

[図 9]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、裏物押さえの上側から見た形状を示す平面図である。

[図 10]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、小針の針位置および針仕様の一覧表を示す図である。

[図 11]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、 4つの小針を備えたコンプリートの文字板および針の部分を示す平面図である。

[図 12]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、 3つの小針を備えたコンプリートの文字板および針の部分を示す平面図である。

園 13]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、 12時方向と 6時方向の小針を備えたコンプリートの文字板および針の部分を示す平面図である。

園 14]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、 3時方向と 9時方向の小針を備えたコンプリートの文字板および針の部分を示す平面図である。

園 15]本発明の多機能時計の第 1の実施形態において、 1つの小針を備えたコンプリートの文字板および針の部分を示す平面図である。

園 16]本発明の多機能時計の第 1の実施形態の変形例において、明瞭に示すために、自動卷装置、受け部材等を省略して図示した、ムーブメントの表側から見た概略構造を示す平面図である。

園 17]本発明の多機能時計の第 1の実施形態の変形例において、香箱及び表輪列の部分の概略構造を示す断面図である。

園 18]本発明の多機能時計の第 1の実施形態の変形例において、てんぷ、アンクル、てんぷの部分の概略構造を示す断面図である。

園 19]本発明の多機能時計の第 1の実施形態の変形例において、おしどり及びかんぬきの部分の概略構造を示す平面図である。

園 20]本発明の多機能時計の第 1の実施形態の変形例において、卷真の部分の概略構造を示す断面図である。

園 21]本発明の多機能時計の第 1の実施形態の変形例において、おしどり及びかんぬきの部分の概略構造を示す断面図である。

園 22]本発明の多機能時計の第 2の実施形態において、ムーブメントの裏側から見た概略構造を示す平面図である。

園 23]本発明の多機能時計の第 2の実施形態において、ムーブメントの裏側の日修正機構を示す平面図である。

園 24]本発明の多機能時計の第 2の実施形態において、裏輪列の部分を示す部分断面図である。

園 25]本発明の多機能時計の第 2の実施形態において、 3つの小針を備えたコンプリートの文字板および針の部分を示す平面図である。園 26]本発明の多機能時計の第 3の実施形態において、ムーブメントの裏側から見た概略構造を示す平面図である。

園 27]本発明の多機能時計の第 3の実施形態において、ムーブメントの裏側の日修正機構を示す平面図である。

園 28]本発明の多機能時計の第 3の実施形態において、卷真と裏輪列の部分を示す部分断面図である。

園 29]本発明の多機能時計の第 3の実施形態において、地板の裏側から見た形状を示す平面図である。

園 30]本発明の多機能時計の第 3の実施形態において、日修正伝え車押さえの上側から見た形状を示す平面図である。

園 31]本発明の多機能時計の第 3の実施形態において、裏物押さえの上側から見た形状を示す平面図である。

園 32]本発明の多機能時計の第 4の実施形態において、ムーブメントの裏側から見た概略構造を示す平面図である。

園 33]本発明の多機能時計の第 4の実施形態において、ムーブメントの裏側の日修正機構を示す平面図である。

園 34]本発明の多機能時計の第 4の実施形態において、卷真と裏輪列の部分を示す部分断面図である。

[図 35]本発明の多機能時計の第 4の実施形態において、裏物押さえの上側から見た形状を示す平面図である。

園 36]本発明の多機能時計の第 5の実施形態において、ムーブメントの裏側から見た概略構造を示す平面図である。

園 37]本発明の多機能時計の第 5の実施形態において、曜送り機構の構造を示す部分断面図である。

園 38]本発明の多機能時計の第 5の実施形態において、日曜日を表示する状態における曜送り機構の構造を示す拡大部分平面図である。

[図 39]本発明の多機能時計の第 5の実施形態において、月曜日を表示する状態における曜送り機構の構造を示す拡大部分平面図である。園 40]本発明の多機能時計の第 5の実施形態において、土曜日を表示する状態における曜送り機構の構造を示す拡大部分平面図である。

園 41]本発明の多機能時計の第 5の実施形態において、裏物押さえの上側から見た形状を示す平面図である。

[図 42]本発明の多機能時計の第 5の実施形態において、変形例の裏物押さえの上側から見た形状を示す平面図である。

園 43]本発明の多機能時計の第 5の実施形態において、 3つの小針を備えたコンプリートの文字板および針の部分を示す平面図である。

園 44]本発明の多機能時計の第 5の実施形態において、 4つの小針を備えたコンプリートの文字板および針の部分を示す平面図である。

符号の説明

201 ムーブメント

202 地板

204 文字板

210 卷直

236 ロータ

238 五番車

240 四番車

242 三番車

244 二番車

244h 分針

260 日の裏車

262 筒車

262h 時針

310 日回し車

312 日星車

312h 日針

320 曜回し車 322 小曜車

322h 曜針

330 時車

330h 24時針

340 秒車

340h 小秒針

351 第 1修正伝え車

352 第 2修正伝え車

353 第 3修正伝え車

354 第 4修正伝え車

355 日修正車

Claims

請求の範囲

[1] ムーブメント (201)の基板を構成する地板（202)と、表示を修正するための卷真（2 10)と、前記卷真（210)の位置を切り換えるための切換機構と、時刻情報を表示するための文字板（204)と、時刻情報又は暦情報を表示するための小針とを備えた多機能時計であって、

前記ムーブメント（201)は、前記ムーブメント（201)を用いて第 1のタイプの小針の配置を有する第 1のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 1の輪列回転中心と、前記ムーブメント（201)を用いて第 2のタイプの小針の配置を有する第 2のタイプの多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 2の輪列回転中心とを備え、

前記第 1の輪列回転中心は、前記地板（202)の地板中心（202c)と前記地板（20 2)の地板外形部との間の位置に配置されており、

前記第 2の輪列回転中心は、前記地板（202)の地板中心（202c)と前記地板（20 2)の地板外形部との間の位置に配置されており、

前記第 1の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための輪列案内部が設けられており、

前記第 2の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための輪列案内部が設けられており、

時刻情報又は暦情報を表示するための輪列が、前記第 1の輪列回転中心、前記第 2の輪列回転中心のうちの一方に対して回転可能なように配置され、

前記地板中心（202c)と前記地板（202)の外形部との間の位置を回転中心として回転する小針（312h、 322h)により、時刻情報又は暦情報を表示するように構成される、

ことを特徴とする多機能時計。

[2] 請求項 1に記載の多機能時計において、前記第 1の輪列回転中心は、前記ムーブメント（201)の 3時方向に配置され、前記第 2の輪列回転中心は、前記ムーブメント（

201)の 2時方向に配置されることを特徴とする多機能時計。

[3] 請求項 1に記載の多機能時計において、前記第 1の輪列回転中心は、前記ムーブメント（201)の 9時方向に配置され、前記第 2の輪列回転中心は、前記ムーブメント（ 201)の 10時方向に配置されることを特徴とする多機能時計。

[4] 請求項 1に記載の多機能時計にぉレ、て、

前記ムーブメント (201)は、更なる小針の配置を有する多機能時計を製造するときに用いられる輪列のための第 3の輪列回転中心を備え、

前記第 3の輪列回転中心は、前記地板（202)の地板中心（202c)と前記地板（20 2)の地板外形部との間の位置に配置され、

前記第 3の輪列回転中心には、その位置を中心として回転する輪列部材を回転可能に案内するための輪列案内部が設けられており、

時刻情報又は暦情報を表示するための輪列が、前記第 3の輪列回転中心に対して回転可能なように配置され、

前記更なる小針（330h、 340h)により、時刻情報又は暦情報を表示するように構成される、

ことを特徴とする多機能時計。

[5] 請求項 4に記載の多機能時計において、前記第 3の輪列回転中心は、前記ムーブメント（201)の 6時方向に配置されることを特徴とする多機能時計。

[6] 請求項 4に記載の多機能時計において、前記第 3の輪列回転中心は、前記ムーブメント（201)の 12時方向に配置されることを特徴とする多機能時計。

[7] 請求項 1に記載の多機能時計において、前記第 1の輪列回転中心は、前記ムーブメント（201)の 3時方向に配置され、日表示を行うための日星車（312) 前記第 1 の輪列回転中心を回転中心として回転可能なように配置され、日星車（312)の表示を修正するための修正車（352)が、前記日星車（312)の回転中心を回転中心として回転可能なように配置されることを特徴とする多機能時計。

[8] 請求項 2に記載の多機能時計において、前記ムーブメント（201)は、前記第 1の輪列回転中心に日表示を行うための日星車（312)を配置したときに当該日星車（312) の表示を修正するための修正車（352)を組み込むための第 1の輪列案内部と、前記第 2の輪列回転中心に日表示を行うための日星車（312)を配置したときに当該日星車（312)の表示を修正するための修正車（352)を組み込むための第 2の輪列案内部とを備えることを特徴とする多機能時計。

請求項 2に記載の多機能時計において、前記ムーブメント（201 )は、前記第 1の輪列回転中心に日表示を行うための日星車（312)を配置したときに当該日星車（312) の表示を修正するための修正車（352)を加圧するための第 1の修正ばね部と、前記第 2の輪列回転中心に日表示を行うための日星車（312)を配置したときに当該日星車（312)の表示を修正するための修正車（352)を加圧するための第 2の修正ばね部とを備えることを特徴とする多機能時計。

請求項 2に記載の多機能時計において、前記ムーブメント（201 )は、前記第 1の輪列回転中心に日表示を行うための日星車（312)を配置したときに当該日星車（312) の回転を規正するための第 1の日ジヤンパ（316b)と、前記第 2の輪列回転中心に日表示を行うための日星車（312)を配置したときに当該日星車（312)の回転を規正するための第 2の日ジヤンパ（316b2)とを備えることを特徴とする多機能時計。

請求項 2に記載の多機能時計において、前記ムーブメント（201 )は、前記第 1の輪列回転中心に曜表示を行うための小曜車（322)を配置したときに当該小曜車（322) の回転を規正するための第 1の曜ジヤンパ（316c)と、前記第 2の輪列回転中心に曜表示を行うための小曜車（322)を配置したときに当該小曜車（322)の回転を規正するための第 2の曜ジヤンパ（316c2)とを備えることを特徴とする多機能時計。

請求項 3に記載の多機能時計において、前記ムーブメント（201 )は、筒車（262)の回転に基づいて回転する曜回し車（320)を備え、前記曜回し車（320)は、前記第 1の輪列回転中心に曜表示を行うための小曜車（322)を配置したときに当該小曜車（322)を回転させることができるように構成され、かつ、前記第 2の輪列回転中心に曜表示を行うための小曜車（322)を配置したときに当該小曜車（322)を回転させることができるように構成されることを特徴とする多機能時計。

請求項 12に記載の多機能時計において、前記曜回し車（320)は、さらに、時を表示するための時車（330)を回転させることができるように構成されることを特徴とする多機能時計。