明 細 書
非対称ジメチルアルギニン測定方法及びキット
技術分野
[0001] 本発明は、非対称ジメチルアルギニンを測定するための方法及びキットに関する。
背景技術
[0002] 非対称ジメチルアルギニン(以下、 ADMAと略称する。 )は、ヒト生体内にお!、て、 N 0合成酵素の内因性阻害剤として知られており、生体内での NOの生成量をコント口 ールするもののひとつである可能性が示唆されている(非特許文献 1参照)。 NOの役 割としては、現在、血管収縮弛緩コントロール、マクロファージより産生された NOによ る生体防御、神経伝達物質としての利用等が知られている。
[0003] 近年、 NOと関連する疾患についての研究が進み、動脈硬化、高血圧、妊娠中毒症 等にぉ 、て ADMAとの関連性が知られるようになった (非特許文献 2及び非特許文献 3参照)。すなわち、 ADMA量を測定することにより、上記動脈硬化等の疾患の診断 が可能であることが示唆されて 、る。
[0004] 現在 ADMAは、 HPLCを用いる方法 (非特許文献 4、非特許文献 5、非特許文献 6、 非特許文献 7、非特許文献 8及び非特許文献 9参照)ある 1ヽは ELISA (特許文献 1参 照)により測定されている。更にジメチルアルギニンジメチルアミノヒドロラーゼ (以下、 DDAHと略称する。)を用いた酵素的測定法も開示されて ヽる (特許文献 2参照)。
[0005] この酵素的測定法は、生体中の ADMAを DDAHによりシトルリンに変換し、シトルリ ン量を測定する方法である。し力しながら、この方法は、食物由来シトルリン及び尿素 骨格を有する化合物 (尿素等)は同様に発色すること、除タンパク質のため検体のタリ ーンアップが必要なこと、検体の濃縮過程が必要であること等から、測定に 2時間以 上かかった。また、使用する試薬の臭気が強いこと、 50%硫酸で 85°C、 40分間の加熱 処理及び危険な操作があること等から、キット化し、検査室等で使用するには不充分 であり、実用的ではなかった。
特許文献 1:国際公開第 98Z49199号パンフレット
特許文献 2:米国特許第 6358699号明細書
非特許文献 l : Leiper J.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,第 99卷, p.13527-13532, 200 2年
非特許文献 2 :Vallance P.ら, Lancet,第 339卷, p.572-575, 1992年
非特許文献 3 : Boger R.H.ら, Circulation,第 98卷, p.1842-1847, 1998年
非特許文献 4 : Pettersson A.ら, J. Chromatogr. B,第 692卷, p.257-262, 1997年 非特許文献 5 : Bode—Boger S.M.ら, Biochem. Biophys. Res. Commun.,第 219卷, p.5
98-603, 1996年
非特許文献 6 : Pi J.ら, J. Chromatogr. B,第 742卷, p.199-203, 2000年
非特許文献 7 : Teerlink T., J. Chromatogr. B,第 659卷, p.185-207, 1994年 非特許文献 8 : Teerlink T.ら, Anal. Biochem.,第 303卷, p.131-137, 2002年 非特許文献 9 : Marra M.ら, Anal. Biochem.,第 318卷, p.13-17, 2003年
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 本発明が解決しょうとする課題は、ジメチルアルギニンジメチルアミノヒドロラーゼ及 び他の酵素を組み合わせることにより、簡便で実用的な非対称ジメチルアルギニン測 定法及び非対称ジメチルアルギニン測定キットを提供することにある。
課題を解決するための手段
[0007] そこで本発明者等は、前記課題解決のために鋭意研究を重ねた結果、ジメチルァ ルギニンジメチルアミノヒドロラーゼ及び他の酵素を組み合わせて用いることにより、 極めて短時間のうちに非対称ジメチルアルギニン濃度に依存した測定値が得られる ことを見出し、本発明を完成した。
[0008] すなわち、本発明は、以下の発明を提供するものである。
[0009] (1)ジメチルアルギニンジメチルアミノヒドロラーゼ及びジメチルァミンに作用する酵素 又はシトルリンに作用する酵素を用いることを特徴とする非対称ジメチルアルギニン 測定法。
[0010] (2)上記ジメチルァミンに作用する酵素力 ジメチルァミンデヒドロゲナーゼ、ジメチル ァミンモノォキシゲナーゼ及びジメチルアミンォキシダーゼ力 なる群より選択される ものであることを特徴とする、(1)記載の非対称ジメチルアルギニン測定法。
[0011] (3)ジメチルアルギニンジメチルアミノヒドロラーゼ及びジメチルァミンデヒドロゲナー ゼを用いることを特徴とする非対称ジメチルアルギニン測定法。
[0012] (4)さらにメチルァミンデヒドロゲナーゼ及び/又はホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ を用いることを特徴とする、 (3)記載の非対称ジメチルアルギニン測定法。
[0013] (5)ジメチルアルギニンジメチルアミノヒドロラーゼ及びジメチルァミンモノォキシゲナ ーゼを用いることを特徴とする非対称ジメチルアルギニン測定法。
[0014] (6)さらにメチルァミンォキシダーゼ及びパーォキシダーゼを用いることを特徴とする
、 (3)又は(5)記載の非対称ジメチルアルギニン測定法。
[0015] (7)上記シトルリンに作用する酵素が、アルギノコハク酸合成酵素であることを特徴と する、 (1)記載の非対称ジメチルアルギニン測定法。
[0016] (8)さらにルシフェラーゼを用いることを特徴とする、(7)記載の非対称ジメチルアル ギニン測定法。
[0017] (9)さらにピルビン酸オルソリン酸ジキナーゼ及びピルビン酸ォキシダーゼを用いるこ とを特徴とする、(7)記載の非対称ジメチルアルギニン測定法。
[0018] (10)ジメチルアルギニンジメチルアミノヒドロラーゼ及びジメチルァミンに作用する酵 素又はシトルリンに作用する酵素を含む非対称ジメチルアルギニン測定キット。
[0019] (11)上記ジメチルァミンに作用する酵素力 ジメチルァミンデヒドロゲナーゼ、ジメチ ルァミンモノォキシゲナーゼ及びジメチルァミンォキシダーゼ力 なる群より選択され るものであることを特徴とする、(10)記載の非対称ジメチルアルギニン測定キット。
[0020] ( 12)ジメチルアルギニンジメチルアミノヒドロラーゼ及びジメチルァミンデヒドロゲナー ゼを含む非対称ジメチルアルギニン測定キット。
[0021] (13)さらにメチルァミンデヒドロゲナーゼ及び/又はホルムアルデヒドデヒドロゲナー ゼを含むことを特徴とする、 (12)記載の非対称ジメチルアルギニン測定キット。
[0022] (14)ジメチルアルギニンジメチルアミノヒドロラーゼ及びジメチルァミンモノォキシゲ ナーゼを含む非対称ジメチルアルギニン測定キット。
[0023] (15)さらにメチルァミンォキシダーゼ及びパーォキシダーゼを含むことを特徴とする
、( 12)又は( 14)記載の非対称ジメチルアルギニン測定キット。
[0024] (16)上記シトルリンに作用する酵素力 アルギノコハク酸合成酵素であることを特徴
とする、 (10)記載の非対称ジメチルアルギニン測定キット。
[0025] (17)さらにルシフェラーゼを含むことを特徴とする、(16)記載の非対称ジメチルアル ギニン測定キット。
[0026] (18)さらにピルビン酸オルソリン酸ジキナーゼ及びピルビン酸ォキシダーゼを含むこ とを特徴とする、(16)記載の非対称ジメチルアルギニン測定キット。
発明の効果
[0027] 本発明によれば、非対称ジメチルアルギニン測定法及び非対称ジメチルアルギニ ン測定キットが提供される。
[0028] 本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願 2004-270759号の明細書 および Zまたは図面に記載される内容を包含する。
図面の簡単な説明
[0029] [図 1]一定時間で減少した吸光度及び添加した ADMA濃度の関係を示す図。
[図 2]発光量及び ADMA濃度の関係を示す図。
発明を実施するための最良の形態
[0030] 以下、本発明を詳細に説明する。
[0031] 本発明は、非対称ジメチルアルギニンに 2種以上の酵素を作用させ、測定値を得る 測定法であり、以下に示す酵素に限定するものではない。
[0032] 本発明に係る測定法に用いられる酵素としては、例えば、 DDAH、ジメチルァミンデ ヒドロゲナーゼ、ジメチルァミンモノォキシゲナーゼ、ジメチルアミンォキシダーゼ、ァ ルギノコハク酸合成酵素、ルシフェラーゼ等が挙げられる。
[0033] DDAHは、以下に示す反応を触媒し、非対称ジメチルアルギニンへの特異性が高 いものが好ましい。
[0034] ジメチルアルギニン + H 0→ジメチルァミン +シトルリン
2
DDAHの作用により、ジメチルアルギニンから生成されるジメチルァミンに作用する 酵素としては、例えば、以下の反応を触媒するジメチルァミンデヒドロゲナーゼが挙 げられる。
[0035] ジメチルァミン + H 0 + mPMS→メチルァミン +ホルムアルデヒド +還元型 mPMS
2
還元型 mPMSは、 NTBある!/、は WST-8等のホルマザン試薬と反応させることにより
発色させることができ、吸光度計を用いて測定することが可能である。
[0036] また、ジメチルァミンに作用する酵素としては、例えば、以下の反応を触媒するジメ チルァミンモノォキシゲナーゼが挙げられる。
[0037] ジメチルァミン + 0 + NADPH→メチルァミン +ホルムアルデヒド + NADP+
2
NADPHは、 340nmの吸収を有しているので、減少量が吸光度計を用いて測定する ことが可能である。
[0038] さらに、ジメチルァミンに作用する他の酵素としては、例えば、以下の反応を触媒す るジメチルァミンォキシダーゼが挙げられる。
[0039] ジメチルァミン + H 0 + 0 →メチルァミン +ホルムアルデヒド + H 0
2 2 2 2
反応により生じる H 0は、パーォキシダーゼを用いて 4-ァミノアンチピリンと 2,4-ジ
2 2
クロ口フエノールのような発色試薬と反応させることにより、発色させることが可能であ り、吸光度計を用いて測定することができる。
[0040] すなわち、 DDAHとジメチルァミンデヒドロゲナーゼ、ジメチルァミンモノォキシゲナ ーゼ又はジメチルァミンォキシダーゼ等との 2種の酵素を組み合わせて ADMAを測定 することができる。
[0041] DDAHの反応産物であるシトルリンに作用する酵素としては、例えば、以下の反応 を触媒するアルギノコハク酸合成酵素が挙げられる。
[0042] シトルリン +ァスパラギン酸 + ATP→アルギノコハク酸 + AMP +ピロリン酸
ATP量は、ルシフェラーゼ等により定量可能である。ルシフェラーゼは、以下の反応 を触媒し、 ATP量を発光量として測定することができる。
[0043] ルシフェリン + ATP + 0 →ォキシルシフェリン + AMP +ピロリン酸 + CO +光
2 2 すなわち、 DDAH,アルギノコハク酸合成酵素、ルシフェラーゼの 3種の酵素を組み 合わせることにより、 ADMAを測定することができる。
[0044] また、 AMPをピルビン酸オルソリン酸ジキナーゼを用いた以下の反応によりピルビン 酸に変換し、生じたピルビン酸をピルビン酸ォキシダーゼ等により定量することもでき る。
[0045] ホスホェノールピルビン酸 + AMP +ピロリン酸→ピルビン酸 + ATP +リン酸
本発明において使用する酵素としては、市販されている酵素を用いてもよい。また、
以下に具体例を挙げる力 これに限定されるものではない。
[0046] ジメチルァミンデヒドロゲナーゼとしては、例えば、 Hyphomicrobium由来酵素(Journ al of General Microbiology 115, 49-58, 1979)が知られている。
[0047] ジメチノレアミンモノォキシゲナーゼとしては、例えば、 Paracoccus aminovorans由来 酵素(Arch. Microbiol. 176, 271-277, 2001)が知られている。
[0048] メチルァミンデヒドロゲナーゼとしては、例えば、 Methylophilus methylotrophus由来 酵素(J. Bacteriol. 176, 4073-4080, 1994)、 Paracoccus denitrificans (Protein Engine ering 14, 675—681, 2001)あるいは Methylobacterium extorquens (J. Biol. Chem. 273, 25703-25712, 1998)等が知られている。
[0049] メチルァミンォキシダーゼとしては、例えば、バチルス由来酵素(特開昭 58-71886 号公報あるいは特開昭 58-71896号公報記載のもの等)が知られている。
[0050] ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼとしては、例えば、シユードモナス由来酵素(J.Ba cteriol 176、 2483-2491、 1994)が知られている。
[0051] DDAHについては、例えば、ヒト由来(Eur. J. Biochem. 258, 863-868, 1998)、ラット 由来(J. Biol. Chem. 264, 10205-10209, 1989)あるいは Pseudomonas aeruginosa由 来(Molecular Microbiology 33, 1278-1279, 1999)等が知られており、例えば、 Sinorh izobium meliloti ATCC51124由来の DDAH (特願 2004- 079347号明細書記載のもの 等)が挙げられる。
[0052] 更に、微生物、動物、植物等起源の酵素を探索して、自然界より取得することもでき る。
[0053] 例えば、ジメチルァミンデヒドロゲナーゼを生産する能力を有する微生物を探索す る場合、ジメチルァミン等の酵素生産誘導物質を添加した培地で微生物を培養し、 得られた微生物菌体を破砕し、ジメチルァミンを基質として用い、デヒドロゲナーゼ活 性を検出することにより本発明で使用する DDAH生産能を有する微生物を取得でき る。
[0054] ここで用いる微生物は、土壌力 新たに分離してもよぐ更には、微生物保存機関 等より入手した微生物を用いることもできる。更に、現在までに知られているジメチル ァミンデヒドロゲナーゼ遺伝子配列により相同性検索を行ない、機能未知の遺伝子
配列情報を入手し、クローユングしてもよい。
[0055] 更に、本発明に係る DDAHとして、遺伝子工学的技術あるいは変異処理等の方法 により、天然型酵素を改変して得られる酵素も挙げられる 0. Sambrookら, Molecular し loning, A Laboratory Manual,第 2版, 1989)。
[0056] 改変する方法としては、例えば、必要な酵素を生産する生物に、紫外線、 X線、放 射線等を照射するかあるいはェチルメタンサルフォネート、 N-メチル - N, トロ- N- - トロソグァ二ジン、亜硝酸等の変異誘発剤を接触させることにより、改変された変異型 酵素を生産する微生物を得、得られた微生物力 変異型酵素を得る方法等が挙げら れる。一般的には、遺伝子工学的な手法を用い、性質を異にする必要な酵素をコー ドする遺伝子を改変することにより、更に、優れた性質の変異型酵素を得ることもでき る。
[0057] 本発明に係る測定法に用いる他の酵素にっ ヽても同様の方法で取得することがで きる。
[0058] 本発明に係る測定法は、 2種以上の酵素を組み合わせて用いる非対称ジメチルァ ルギニン測定法であり、特に DDAH及び他の酵素を組み合わせて用いる非対称ジメ チルアルギニン測定法を挙げることができる。
[0059] 他の酵素の例として、例えば、ジメチルァミンに作用する酵素、シトルリンに作用す る酵素のいずれかを組み合わせて用いることができる。更に詳しくは、ジメチルァミン デヒドロゲナーゼ、ジメチルァミンモノォキシゲナーゼ、ジメチルアミンォキシダーゼ、 アルギノコハク酸合成酵素、ルシフェラーゼ等の 1種以上の酵素を選択し、 DDAHと 組み合わせて用いることができる。更に、 2種以上の酵素を組み合わせて用いる非対 称ジメチルアルギニン測定用キットであれば、本発明に含まれる。
[0060] 組み合わせの例を以下に示す力 これに限定されるものではない。また、還元型 m PMSとは、酵素反応の電子受容体の例として示したものであり、電子受容体として使 用できるものであれば代用することができる。感度が不足した場合は、メチルァミンデ ヒドロゲナーゼ、メチルアミンォキシダーゼ、ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼを適時 組み合わせることにより更に高感度に測定することができる。
[0061] (1) DDAH、ジメチルァミンデヒドロゲナーゼにより生じる還元型 mPMSをホルマザン
試薬により発色させる方法。
[0062] (2) DDAH、ジメチルァミンデヒドロゲナーゼ、メチルァミンデヒドロゲナーゼを組み合 わせて生じる還元型 mPMSをホルマザン試薬で発色させる方法。
[0063] (3) DDAH、ジメチルァミンデヒドロゲナーゼ、ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼを組 み合わせて生じる還元型 mPMSをホルマザン試薬で発色させる方法。
[0064] (4) DDAH、ジメチルァミンデヒドロゲナーゼ、メチルァミンデヒドロゲナーゼ、ホルムァ ルデヒドデヒドロゲナーゼを組み合わせて生じる還元型 mPMSをホルマザン試薬で発 色させる方法。
[0065] (5) DDAH、ジメチルァミンモノォキシゲナーゼを組み合わせて消費される NADPH量 を 340nmの吸収で測定する方法。
[0066] (6) (5)につ!/、て、反応前と反応後の 2回ホルマザン試薬により NADPH量を定量し、 減少量を算出する方法。
[0067] (7) DDAH、ジメチルァミンデヒドロゲナーゼもしくはジメチルァミンモノォキシゲナー ゼにより生じるメチルアミンをメチルァミンォキシダーゼにより反応させ、生じる過酸ィ匕 水素をパーォキシダーゼにより測定する方法。
[0068] (8) DDAH、アルギノコハク酸合成酵素を組み合わせることにより消費される ATP量を ルシフェラーゼにより測定する方法。
[0069] (9) (1)から (4)について、反応の結果生じる還元型 mPMSと酸素から発生する過酸 化水素をルシゲニンのような化学発光基質と反応させ、発光により測定する方法。
[0070] (10) DDAH、アルギノコハク酸合成酵素、ピルビン酸オルソリン酸ジキナーゼ、ピル ビン酸ォキシダーゼを組合わせることにより生じる過酸ィ匕水素を発色あるいは発光に より測定する方法。
[0071] DDAHの作用により ADMAは、シトルリン及びジメチルァミンに変換される。 DDAHと しては、前述のとおり、ヒト由来、ラット由来、微生物由来等の DDAHが使用でき、特に Sinorhizobium meliloti ATCC51124由来 DDAH (特願 2004- 079347号明細書記載の もの等)は、至適 pH範囲が pH7.0〜10.0と広ぐ本測定法の使用に適している。
[0072] 先ず、 ADMAを含むサンプルに、 DDAHを添カ卩し反応させる。具体的には、 1測定 あたり DDAHを 0.01〜5Uの範囲で使用でき、 0.1U前後で使用することが望ましい。な
お、本明細書で使用する酵素活性の単位 (u)は、酵素の最適条件下で、 1分間当たり 1 μ molの基質を変換させる量 (1 μ mol'min— を意味する。
[0073] 反応 pHは、 pH7.0〜10であればよぐ他の酵素を共存させる場合は、共存させる酵 素の至適に合わせて選択することができる。
[0074] 他の酵素がジメチルァミンモノォキシゲナーゼあるいはジメチルァミンデヒドロゲナ ーゼであれば、 pH8.0前後で反応するのが適当である。使用するバッファ一は、目的 の pHを調整できるバッファーであれば使用でき、リン酸バッファーであれば充分反応 可能である。反応温度は、 30〜40°Cであれば反応できる。
[0075] DDAHの作用により生じたシトルリン及びジメチルァミンに作用する酵素を添加する 場合、 DDAHと共存させる場合あるいは、 2段階反応をさせる場合が考えられる。
[0076] 共存させる場合には、 DDAH反応液に更に、 0.01〜5Uの酵素を添加することができ る。その際、添加する酵素の反応に必要な試薬を必要量添加する必要がある。ジメ チルァミンモノォキシゲナーゼを使用する場合、 NADPHを測定機器の検出感度に合 わせて 0.01〜0.5mM程度添カ卩する。添加後、 340nmの吸光度を測定すれば、 ADMA 量にしたがって吸光度の減少が見られる。二段階反応をさせる場合には、 DDAHによ る反応終了後に、他の酵素と反応に必要な試薬を上記共存させる場合に準じて添加 し、 30〜40°Cで反応させればよい。
[0077] 一方、本発明に係る非対称ジメチルアルギニン測定用キットは、上述した酵素の組 合せ以外に、使用する酵素に応じて必要な基質、試薬等を含むことができる。基質と しては、例えば mPMS (ジメチルァミンデヒドロゲナーゼに対する基質)、 NADPH (ジメチ ルァミンモノォキシゲナーゼに対する基質)、ァスパラギン酸 (アルギノコハク酸合成酵 素に対する基質)、ルシフェリン (ルシフェラーゼに対する基質)、 ATP (アルギノコハク 酸合成酵素、ルシフェラーゼに対する基質)、ピロリン酸 (ピルビン酸オルソリン酸ジキ ナーゼに対する基質)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。試薬として は、例えば、 NTBあるいは WST-8等のホルマザン試薬、 4-ァミノアンチピリンや 2,4-ジ クロ口フエノール等の発色試薬、マグネシウム、塩ィ匕カリウム等の酵素反応に必要な 試薬が挙げられる力 これらに限定されるものではない。本発明に係る非対称ジメチ ルアルギニン測定用キットは、その他に、例えば、トリスゃリン酸バッファ一等のバッフ
ァー成分、ピロホスファターゼ等の反応促進成分、 BSAゃグリセロール等の安定化剤 を含むことができる。
[0078] 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例
[0079] [実施例 1]
ジメチルァミンデヒドロゲナーゼの取得
NCIMBより Hyphomicrobium denitrificans NCIMB 11706を購入し、 NCIMB指定の方 法で復元した後、復元物を、 0.2Lの培地 [1Lあたり(NH ) SO lg、 MgSO 0.2g、 NaH
4 2 4 4 2
PO 0.5g、 K HPO 1.55g、 pH7.2、オートクレーブ後フィルターろ過、 10%塩酸ジメチ
4 2 4
ルァミンを 0.1%となるように添加]に接種し、 30°C、 120r.p.m.で 1日間、回転振とう培 養した。これをシードとして 0.2Lの上記培地に 2ml接種し、 30°Cで一日振とう培養した 。この培養液より、 12,000r.p.m.で 10分間遠心分離することで菌体を回収した。
[0080] 得られた菌体を、 50mMリン酸バッファー(pH7.5) 2mlで懸濁し、氷上で冷却下、超 音波破砕器 (Ultrasonicgenerator、 Nissei社製)を用いて 60秒間、 4回処理した。破砕 液を 12,000r.p.m.で、 10分間遠心し、上清を予め 50mMリン酸バッファー(pH7.5)で平 衡化した DEAEセファロース FF (アマシャムバイオテク社製)カラム (1.0cm X 4cm)にか けた。 8mlの 50mMリン酸バッファー(pH7.5)で洗浄後、 4mlの 0.2M NaClを含む 50mM リン酸バッファー(PH7.5)で溶出した。更に、 4mlの 0.4M NaClを含むリン酸バッファー で洗浄した。活性画分を、約 0.2M NaClで溶出した。
[0081] ジメチルァミンデヒドロゲナーゼ活性測定法
A.試薬の調製
(l)試薬l : 5mM PMS
15.3mgのフエナジンメトスルフアートを水に溶解し、 10mlに定溶する。
[0082] (2)試薬 2: ImM DCIP
2.9mgのジクロ口インドフエノールナトリウムを水に溶解し、 10mlに定溶する。
[0083] (3)試薬 3:基質溶液 (30mMジメチルァミン)
24.5mgのジメチルァミン塩酸塩を水に溶解し、 10mlに定溶する。
[0084] (4)試薬 4: 1Mリン酸バッファー(pH7.7)
B.測定法
lmlの水を試験管にとり、 200 μ 1の試薬 1、 200 μ 1の試薬 2、 200 μ 1の試薬 4、 200 μ 1 のサンプルを混和し、 30°Cのインキュベーターで 5分間保温する。 200 μ 1の試薬 3を 添加し、 600nmの吸光度のタイムコースを 30°C、 5分間で測定する。なお、対照液は、 200 μ 1の試薬 3の代わりに 200 μ 1のイオン交換水をカ卩える以外は前記と同様にしたも のである。ジクロロインドフエノールナトリウムのモル吸光係数(21.69 X 103 M— m— よ り酵素活性単位を計算することができる。
[0085] [実施例 2]
ジメチルァミンモノォキシゲナーゼの取得
NBRCより Paracoccus aminovorans NBRC16711を購入し、 NBRC指定の方法で復元 した後、復元物を、 0.002Lの培地(1Lあたり K HPO lg、 KH PO 2.5g、 MgSO · 7Η O
2 4 2 4 4 2
1.4g、 NH CI 0.2g、 KC1 0.25g、イーストエキス 0.2g、 pH7.2、オートクレーブ後フイノレタ
4
一ろ過、 10%塩酸ジメチルァミンを 0.1%となるように添加)に接種し、 30°C、 120r.p.m. で 1日間回転振とう培養した。これをシードとして 0.2Lの上記培地に 2ml接種し、 30°C で一日振とう培養した。この培養液より、 12,000r.p.m.で 10分間遠心分離することによ り菌体を回収した。
[0086] 得られた菌体を、 50mMリン酸バッファー(pH7.5) 2mlで懸濁し、氷上で冷却下、超 音波破砕器 (Ultrasonicgenerator、 Nissei社製)を用いて 60秒間、 4回処理した。破砕 液を 12,000r.p.m.で、 10分間遠心し、上清を予め 50mMリン酸バッファー(pH7.5)で平 衡化した DEAEセファロース FF (アマシャムバイオテク社製)カラム (1.0cm X 4cm)にか けた。 8mlの 0.2M NaClを含む 50mMリン酸バッファー(pH7.5)で洗浄後、 4mlの 0.3M NaClを含む 50mMリン酸バッファー(pH7.5)で溶出した。更に、 4mlの 0.4M NaClを含 むリン酸バッファーで洗浄した。活性画分を、約 0.3M NaClで溶出した。
[0087] ジメチルァミンモノォキシゲナーゼ活性測定法
A.試薬の調製
(1)試薬 l : 0.5mM NADPH
4.5mgのニコチンアミドアデニンヌクレオチドリン酸還元型を水に溶解し、 10mlに定 溶する。
[0088] (2)試薬 2:基質溶液 (30mMジメチルァミン)
24.5mgのジメチルァミン塩酸塩を水に溶解し、 10mlに定溶する。
[0089] (3)試薬 3: 200mMリン酸バッファー(pH7.5)
B.測定法
lmlの試薬 3を試験管にとり、 200 μ 1の試薬 1、 400 μ 1の水、 200 μ 1のサンプルを混 和し、 30°Cのインキュベーターで 5分間保温する。 200 μ 1の試薬 2を添カ卩し、 340nmの 吸光度のタイムコースを 30°C、 5分間で測定する。なお、対照液は、 200 1の試薬 2の 代わりに 100 1のイオン交換水をカ卩える以外は前記と同様にしたものである。 NADPH のモル吸光係数を元にして活性単位を算出することができる。
[0090] [実施例 3]
DDAHの取得
特願 2004-079347号明細書記載の方法で Sinorhizobium由来 DDAHを得た。
[0091] DDAH活性測定法
A.試薬の調製
(1)試薬 1 :発色液 A
500mgのアンチピリン、 278mgの硫酸鉄を 50%硫酸に溶解し、 100mlに定容する。
[0092] (2)試薬 2 :発色液 B
800mgのジァセチルモノォキシムを 5%酢酸に溶解し、 100mlに定容する。
[0093] (3)試薬 3:基質溶液(10mM ADMA)
非対称ジメチルアルギニン 25mgをイオン交換水に溶解して 9. lmlに定容する。対称 ジメチルアルギニン又は L-アルギニンを基質として用いるときは夫々、 25mg、 16mgを イオン交換水に溶解して、 9. lmlに定容した溶液を用 、る。
[0094] (4)試薬 4: 200mMリン酸カリウムバッファー(pH8.0)
(5)試薬 5 :混合発色液
使用直前に試薬 1及び試薬 2を等量混合する。
[0095] B.測定法
0.25mlの試薬 4及び 0.2mlの酵素液を混和し、 37°Cで 5分間予備加温する。その後 0 .05mlの試薬 3をカ卩えて充分混合した後、 37°Cで 20分間インキュベートする。 0.25mlの
試薬 5を添加し、充分攪拌した後、 85°Cで 40分間反応させる。放冷後、分光光度計 で 466nmにおける吸光度を測定する。なお、対照液は、 100 1の試薬 3の代わりに 10 0 1のイオン交換水をカ卩える以外は前記と同様にしたものである。これを予め作製し ておいたシトルリンを試薬 3の代わりに、又、酵素液の代わりにイオン交換水を用い、 その生成色素量との関係を調べたグラフを用意する。このグラフを用いて、 37°C、 1分 間当たりに生成されるシトルリンのマイクロモルを計算し、この数値を酵素液中の活性 単位とする。
[0096] [実施例 4]
( 1)アルギノコハク酸合成酵素の取得
GenBankより大腸菌 K-12由来アルギノコハク酸合成酵素遺伝子情報を入手し、構 造遺伝子を増幅できる DNAプライマーをシグマジェネシス社の受託合成により作製し た。大腸菌 K-12 JM109 (タカラバイオ社製)を、 0.2Lの TY培地に接種し、 37°C、 120r. p.m.で 1日間回転振とう培養した。この培養液より、 12,000r.p.m.で 10分間遠心分離す ることで菌体を回収した。得られた菌体は、 5mlの TEバッファーで懸濁し、等量の TE 飽和フエノールを添加した後、緩やかに振とうすることにより溶菌させた。 12000r.p.m. で 2分間遠心後、上清を取りだし、更に、 TE飽和フエノールで除タンパク質処理を行 なった。最後に、エタノール沈殿法により DNAを回収し、 1.20mgの DNAを得た。
[0097] (2) PCR
反応液を以下の組成で調製し、変性を 94°C、 30秒間、ァニールを 62°C、 30秒間、 伸長反応を 72°C、 2分間で 30サイクルの反応条件で PCRを行なった。
[0098] (反応液組成)
10 μ Μプライマー(配列番号 1) 0.6 ^ 1
10 μ Μプライマー(配列番号 2) 0.6 ^ 1
10 X PCRバッファー 2 μ \
dNTP 2 μ \
ImM塩化マグネシウム 0.8 μ \
Taqポリメラーゼ 0.4U
H 0 最終容量 20 μ 1になるよう加える。
[0099] PCR終了後、 Ndelに消化した後、反応液をァガロースゲル電気泳動に供したところ 、約 1.3kbの位置に目的の断片と思われるバンドが確認されたので、そのバンドを Rec oChip (宝酒造社製)で精製抽出した。
[0100] (3)精製 DNA断片の解析
精製した DNA断片を CEQ2000XL (ベックマンコールター社製)を用いて塩基配列 の決定及び解析を行なったところ、決定した塩基配列は、データベースの DNA配列 と同じであった。一方プラスミド pET16b (ノバジェン社製)を制限酵素 Ndelで消化後、 上記精製抽出した DNA断片とライゲーシヨン反応を行ない、大腸菌 K-12 JM109を形 質転換した。得られたプラスミド PET16-ASSは、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1中央第 6)にブタぺ スト条約の規定下で 2004年 8月 24日付 (原寄託)で国際寄託され、受託番号 FERM BP-10110が付与されている。 pET16-ASSで大腸菌 BL21 (ノバジェン社製)を形質転 換し、ジメチルァミンデヒドロゲナーゼ生産株 [大腸菌 BL21 (PET16- ASS) ]とした。
[0101] (4)活性の確認
大腸菌 BL21 (pET16- ASS)菌体を、 50 μ g/mlのアンピシリンを含む ΤΥ培地(1% ノ クトトリプトン、 0.5%バクトイースト'ェクストラタト、 0.5% NaCl、 pH7.0) 10mlにて 37°C でクレット 100まで振とう培養した後、 IPTGを終濃度 ImMとなるよう添加し、更に、 3時 間培養した。この培養液を氷上で冷却下、超音波破砕器 (Ultrasonicgenerator、 Nisse i社製)を用いて 20秒間、 4回処理した。これをエツペンドルフチューブに入れ、微量遠 心機を用い、 12,000r.p.m.で 10分間遠心分離し、上清画分及び沈殿画分に分離し、 上清を別のエツペンドルフチューブに移しかえ、後述する酵素活性測定法によりアル ギノコハク酸合成酵素活性を測定したところ、 BL21(pET16-ASS)は、 0.015U/mlとァ ルギノコハク酸合成酵素活性を有して 、た。
[0102] (5)大腸菌 K-12由来アルギノコハク酸合成酵素の製造
BL21 (pET16-ASS)を 50 μ g/mlのアンピシリンを含む ΤΥ培地(1%バタトトリプトン、 0 .5%バクトイースト'ェクストラタト、 0.5% NaCl、 pH7.0) 10mlに接種し、 37°Cで 1日間 振とう培養した。これを種培養として、 0.5L三角フラスコに入れた上記培地 0.1Lに lml ずつ接種し、 37°Cでクレット 100まで振とう培養した後、 IPTGを終濃度 ImMとなるよう
に添加し、更に、 4時間培養した。この培養液より、遠心分離(12000r.p.m.、 10分間) により菌体を回収した。得られた菌体を— 80°Cで凍結保存した。
[0103] 凍結菌体(250ml分)をバッファー TECA(10mMトリス pH7.5、 ImM EDTA、 ImMシト ルリン、 ImMァスパラギン酸、 O.lmM PMSF) 15mlに懸濁し、氷上で冷却下、超音波 破砕器 (Ultrasonicgenerator、 Nissei社製)を用いて 20秒間、 4回処理した。破砕液を 1 2,000r.p.m.で、 10分間遠心し、上清を予めバッファー TECAで平衡化した Qセファロ ース FF (アマシャムバイオテク社製)カラム(2.5cm X 15cm)に力けた。 150mlのバッファ 一 TECAで洗浄後、バッファー TECAから 0.1M塩化ナトリウムを含む TECAのリニアグ ラジェントで溶出させた。活性画分を、約 0.07M塩ィ匕ナトリウムで溶出した。活性フラク シヨンをまとめてアルギノコハク酸合成酵素溶液とした。
[0104] アルギノコハク酸合成酵素活性測定法
A.試薬の調製
(1)試薬 1 :40mMァスパラギン酸
53.2mgの L-ァスパラギン酸を水に溶解し、 10mlに定溶する。
[0105] 試薬 2 : 10mM ATP
55.1mgのアデノシン三リン酸ニナトリウムを水に溶解し、 1Nの NaOHで pH8に調製し 、 10mlに定溶する。
[0106] 試薬 3 : 60mM塩化マグネシウム
123.0mgの塩化マグネシウム 6水和物を溶解し 10mlに定溶する。
[0107] 試薬 4 : 200mM塩化カリウム
149.1mgの塩化カリウムを溶解し 10mlに定溶する。
[0108] 試薬 5 : 200U/mlピロホスファターゼ
100Uのピロホスファターゼを lmlの 2M硫安で溶解する。当該ピロホスファターゼは、 アルギノコハク酸合成酵素による反応が平衡反応であるため、産物であるピロリン酸 を消化することで反応を促進するために使用される。なお、以下の実施例 6において も同様である。
[0109] 試薬 6 : 1Mトリスバッファー(pH7.6)
試薬 7:基質溶液(10mMシトルリン)
17.5mgのシトルリンを溶解し 10mlに定溶する。
[0110] 試薬 8 :発色液 A
500mgのアンチピリン、 278mgの硫酸鉄を 50%硫酸に溶解し、 100mlに定容する。
[0111] 試薬 9 :発色液 B
1——
800mgのジァセチルモノォキシムを 5%酢酸に溶解し、 100mlに定容する。
[0112] 試薬 10 :混合発色液
使用直前に試薬 8及び試薬 9を等量混合する。
[0113] B.測定法
以下のように反応測定混合液をマイクロチューブに調製し、 37°Cで 5分間インキュべ ートする。
試薬 1 1.5 ^ 1
試薬 2
試薬 3 15 ^ 1
試薬 4 15 ^ 1
試薬 5 1.0 ^ 1
試薬 6 1.5 ^ 1
試薬 7 15 ^ 1
水 56 1
40 1のサンプルを添カ卩し、 37°Cで 60分間反応させる。反応後、 20 1の反応液を 48 0 1の水と混和し、希釈する。反応希釈液に 0.25mlの試薬 10を添加し、充分攪拌し た後、 85°Cで 40分間反応させる。放冷後、分光光度計で 466nmにおける吸光度を測 定する。なお、これを予め希釈しておいたシトルリンを反応希釈液の代わりに用い、そ の生成色素量との関係を調べたグラフを用意する。このグラフを用いて、 37°C、 1分間 当たりに消費されるシトルリンのマイクロモルを計算し、この数値を酵素液中の活性単 位とする。
[0115] [実施例 5]
DDAH+ジメチルァミンモノォキシゲナーゼ
上記のようにして得られた DDAH及びジメチルァミンモノォキシゲナーゼを組み合
わせて ADMAを測定した。
[0116] 試薬 1: lOU/ml DDAH
試薬 2: ADMA希釈液(0〜0.03mM)
試薬 3: ImM NADPH
試薬 4 : 10U/mlジメチルァミンモノォキシゲナーゼ
試薬 5: 1Mリン酸バッファー(pH8.0)
50 μ 1の試薬 5、 50 μ 1の試薬 1、 1.4mlの試薬 2をマイクロチューブ内で混和し、 37°C で 5分間保温した。これに、 200 μ 1の試薬 5、 100 μ 1の試薬 3、 100 μ 1の試薬 4を順次 添加し、分光光度計により 340應でタイムコースをとつた。一定時間で減少した吸光 度及び添加した ADMA濃度の関係は図 1に示すようになった。
[0117] [実施例 6]
DDAH+アルギノコハク酸合成酵素 +ルシフェラーゼの測定法
上記のようにして得られた DDAH及びアルギノコハク酸合成酵素を組み合わせて A DMAを測定した。
[0118] A.試薬の調製
(1)試薬 1 :40mMァスパラギン酸
53.2mgの L-ァスパラギン酸を水に溶解し、 10mlに定溶する。
[0119] (2)試薬 2 : 0.1nM ATP
55.1mgのアデノシン三リン酸ニナトリウムを水に溶解し、 1Nの NaOHで pH8に調製し 、 10mlに定溶する。これを 1/1000000希釈する。
[0120] (3)試薬 3: 60mM塩化マグネシウム
123.0mgの塩化マグネシウム 6水和物を溶かし 10mlに定溶する。
[0121] (4)試薬 4 : 200mM塩化カリウム
149.1mgの塩化カリウムを溶かし 10mlに定溶する。
[0122] (5)試薬 5 : 200U/mlピロホスファターゼ
100Uのピロホスファターゼを lmlの 2M硫安で溶解する。
[0123] (6)試薬 6: 1Mトリスバッファー(pH7.6)
試薬 7: lU/mlアルギノコハク酸合成酵素
O
寸
試薬 8:10U/ml DDAH
試薬 9: ADMA希釈液(0〜0.03mM)
試薬 10:アルギノコハク酸反応液
以下の組成で混合した
1——
1.5^1
試薬 2
試薬 3 15^1
試薬 4 15^1
試薬 5 1.0^1
試薬 6 1.5^1
試薬 7 5μ\
水 66.6 μ\
試薬 11 :0.5 mMルシフェリン
試薬 12 :0.5 mg/mlルシフェラーゼ
B.10 1の試薬 6、 10 1の試薬 8、 100 1の試薬 9をマイクロチューブ内で混和し、 37 °Cで 5分間保温した。これに、 60 1の試薬 10を添カ卩し、 37°Cで 10分間保温した後、 1 0 1の試薬 11及び 10 1の試薬 12を添カ卩し、直ちにルミノメーター(ァロカ社製、 BLR -201)で発光量を測定した。図 2に示すように、発光量は、 ADMA濃度が増えるにした がって減少した。
[0125] 本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本 明細書にとり入れるものとする。