明 細 書
植物を用いたエストロゲン様物質の検出方法
技術分野
[0001] この発明は、形質転換植物を利用してエストロゲン様物質 (エストロゲンを含む)を 検出する方法に関する。
背景技術
[0002] 内分泌撹乱化学物質、通称「環境ホルモン」は、環境中で分解されにくい性質を持 つものが多ぐ長期にわたり環境中に存在することが知られている。環境ホルモンの 多くは核内受容体に作用し、生体内で行われて 、る本来の内分泌系の情報伝達を 撹乱するため、生物の機能、特に生殖機能に重大な影響を与えることが示唆されて おり、生態系への影響も危惧されている。
動物の内分泌系で運ばれるステロイドホルモンは、一般に標的細胞内で核内受容 体と結合し、標的遺伝子の発現制御を行うことが知られている。核内受容体は大きな 遺伝子ファミリーを形成しており、保存されたドメイン構造 (A/B, C, D, and E)を持つ ている。 Cドメインは DNAへの結合に、 Eドメインはステロイドホルモン(リガンド)との 結合に関わっており、 Eドメインに存在する AF- 2 (Activation Function 2)はリガンド 依存的に転写活性ィ匕を起こすのに必要である。核内受容体へのリガンドの結合によ り、 AF-2と pl60ファミリー転写コアクチベータ一との相互作用が促進され、リガンド依 存的に標的遺伝子の転写が活性化される。エストロゲン受容体は核内受容体ファミリ 一に属しており、エストロゲンとの結合により活性ィ匕され、標的遺伝子の転写を活性 化する。
[0003] このような核内受容体とレポーター遺伝子を発現させた細胞等を利用してエストロ ゲン様物質を検出するバイオセンサーの開発は広く行われている (特許文献 1等)。 これらは通常エストロゲン様物質が核内受容体と結合することによりレポーター遺伝 子の発現を促すことに基づいている力 S、エストロゲン様物質が核内受容体と結合した 後からレポーター遺伝子を発現させるまでの機構にっ 、ては様々な仕組みが提案さ れている。
例えば、酵母を利用して、エストロゲン受容体のリガンド結合部位とコアクチベータ 一との間のリガンド依存的な相互作用を利用したツーハイブリッド法を用いたエストロ ゲン様物質検出法が報告されている(非特許文献 1)。しかし、この酵母ツーハイプリ ッド法は無菌操作が必要であり、抽出に用いる有機溶媒自体による環境の二次汚染 が懸念される。
また、無菌操作の要らない植物 (シロイヌナズナ)に、 DNA結合部位、転写活性ィ匕 部位及び核内受容体を組み合わせたキメラ転写因子を導入したシステムも考案され ている(非特許文献 2)。これは仕組みがシンプルであり好ましいが、バイオセンサー としての感度の低 、ことが欠点である。
更に、リガンド依存性転写因子、コアクチベータ及びレポーター遺伝子を導入した 形質転換体により、エストロゲンを検知する方法も提案されている(特許文献 2)。
[0004] 特許文献 1:特開 2002-330759
特許文献 2:特開 2002-247986
非特許文献 1 : Toxicology and Applied Pharmacology 154, 76-83 (1999)
非特許文献 2 : The Plant Journal (2000) 24(2), 265-273
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 本発明は、エストロゲン様物質を安価で簡便に検出する方法であって、植物を使う ことによって無菌操作などの煩雑な操作を必要とせず、センサーとしての感度が高い 検出法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0006] 従来法、例えば、特許文献 2の方法のように、コアクチベータ一をそのまま植物中で 発現させただけでは、強い転写活性ィ匕は見られない。また非特許文献 2の方法のよう にダルココルチコイド受容体やエストロゲン受容体をそのまま用いただけでは、これら は通常核外に常駐してリガンドと結合することにより核内に移行するため、センサーと しての感度が悪い。
しかるに、本発明の方法においては、核内受容体と DNA結合部位を備えたエフヱク ター 1にカ卩え、コアクチベータ一を改変して転写活性ィ匕ドメインを連結したェフエクタ
一 2を新たに導入することにより、本来エフェクター 1の産物が相互作用するコアクチ ベータ一とのリガンド依存的な相互作用(低濃度のリガンドの存在下で起こる現象)を 利用してリガンドを検出できるようになり、センサーとしての感度を格段に向上させるこ とができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
[0007] 即ち、本発明は、エフェクター 1配列、エフェクター 2配列、標的 DNA及びレポータ 一遺伝子を導入することにより形質転換された植物であって、該エフェクター 1配列 がプロモーター、核局在化シグナル及び標的 DNAへの結合ポリペプチドをコードす る領域とエストロゲン様物質の核内受容体のリガンド結合ポリペプチドをコードする領 域とからなるキメラ遺伝子を有し、該エフェクター 2配列がプロモータ、核局在化シグ ナル及び転写コアクチベータの核内受容体相互作用領域と転写活性化領域をコー ドするポリヌクレオチド領域とからなるキメラ遺伝子を有し、該レポーター遺伝子が該 標的 DNAの下流に位置することを特徴とする形質転,物である。
また本発明は、この形質転,物をエストロゲン様物質と接触させ、この植物にお ける前記レポータ遺伝子の発現を検出することから成るエストロゲン様物質の検出方 法である。
発明を実施するための最良の形態
[0008] 本発明において、形質転換植物を用いてエストロゲン活性を持つ物質を検出する 様子を図 2に示す。形質転換植物に組み込まれた遺伝子は、常時植物細胞内で発 現されているキメラエストロゲン受容体とキメラ転写コアクチベータ一の 2種のエフエタ ター遺伝子と、エフェクター遺伝子産物間のリガンド依存的な相互作用によって転写 が活性化されるレポーター遺伝子 (例えば、 j8 -グノレクロニダーゼ)力も構成されて ヽ る。これをエストロゲン様物質 (リガンド)により生産される形質転 ^¾物のレポーター 遺伝子産物の活性を測定することにより、試料中にエストロゲン活性を有する物質を 高感度で検出できる。
[0009] 「エフェクター 1配列」は、プロモーター、核局在化シグナル及び標的 DNAへの結合 ポリペプチドをコードする領域とエストロゲン様物質の核内受容体のリガンド結合ポリ ペプチドをコードする領域力もなるキメラ遺伝子力も成る。エフェクター 1配列はこれら の他適宜、真核生物由来の他の核内受容体の全部又は一部分をコードする領域等
を有していてもよい。
「プロモータ」としては、 35Sプロモーターのような植物ウィルス由来のもの、ノパリン シンターゼプロモータのような植物関連細菌由来のもの、その他植物細胞内で機能 する天然あるいは合成されたプロモーター等が挙げられる。
「核局在化シグナル」としては、 SV40ウィルスの T抗原の核移行シグナルのように直 接核への輸送に関わる蛋白質に認識されるポリペプチド配列、及び核移行シグナル を有する蛋白質を介して間接的に輸送されるのに必要なポリペプチド配列等が挙げ られる。
[0010] 「標的 DNAへの結合ポリペプチドをコードする領域」は標的 DNAへ結合するポリべ プチド領域であり、「標的 DNA」として、様々な 4塩基以上の長さの直鎖状ポリヌクレオ チド配列が挙げられる。標的 DNAへの結合領域はこの標的 DNAの配列を認識して特 異的に結合するポリペプチド領域である。
[0011] 本発明において「エストロゲン様物質」はエストロゲン及びいわゆるエストロゲン様物 質の双方を含み、このような化合物として表 1 (明細書末尾)に記載の化合物 (Nishiha ra et. al., J Health Science, 46(4):282- 298, 2000)が挙げられる。
「エストロゲン様物質の核内受容体のリガンド結合ポリペプチドをコードする領域」と は、真核生物由来のエストロゲンに結合活性を有するポリペプチド配列を含む領域 である。
「標的 DNAへの結合ポリペプチドをコードする領域とエストロゲン様物質の核内受 容体のリガンド結合ポリペプチドをコードする領域とからなるキメラ遺伝子」は、これら を含むポリペプチド領域をコードするポリヌクレオチドを連結して形成される。
[0012] 「エフェクター 2配列」は、プロモータ、核局在化シグナル及び転写コアクチベータ の核内受容体相互作用部位と転写活性ィ匕領域をコードするポリヌクレオチド領域か らなるキメラ遺伝子カゝら成る。エフェクター 2配列はこれらの他適宜転写不活性化領 域をコードするポリヌクレオチド領域等を有して 、てもよ 、。
「プロモータ」及び「核局在化シグナル」は上記エフェクター 1配列で定義した範囲か ら選択でき、上記エフェクター 1配列で用いたものと同じであつても異なってもよい。
[0013] 「転写コアクチベータ」としては、 CBP/p300, pl60ファミリー蛋白質(TIF2, SRC1, A
CTR, TRAP220, TIP60)等を含む真核生物由来の核内受容体と相互作用して転写 活性を上昇させる機能を持つポリペプチド等が挙げられる。
「転写コアクチベータの核内受容体相互作用領域」とは、 NIDと呼ばれるポリべプチ ド領域で LXXLL(L=leusine)モチーフを持っているポリペプチド領域である。
「転写活性ィ匕領域」とは、塩基性アミノ酸を直鎖状に多く含むポリペプチド領域、グ ルタミンを直鎖状に多く含むポリペプチド領域などのように、基本的転写因子 ·転写 装置と相互作用して転写を活性ィ匕するポリペプチド領域である。
「転写コアクチベータの核内受容体相互作用領域と転写活性化領域をコードする ポリヌクレオチド領域とからなるキメラ遺伝子」はこれらを含むポリペプチド領域をコー ドするポリヌクレオチドを連結して形成される。
[0014] 「標的 DNA」とは、 DNA結合性タンパク質が特異的に認識して結合するポリヌクレオ チドのことであり、このようなポリヌクレオチドを 2単位以上連結したものを用いてもよい 。上記の DNA配列をそのまま用いるよりも、複数単位直列に配置したほうがキメラエス トロゲン受容体力 Sこの DNA配列に結合する頻度が高くなりエストロゲンの検出感度が 上昇する。
「レポーター遺伝子」としては、蛍光蛋白質、測定可能な活性を有する酵素、活性 検出可能な酵素以外の蛋白質をコードするポリヌクレオチド領域などが挙げられる。 このレポーター遺伝子は標的 DNAの下流に位置する。
[0015] レポーター遺伝子発現領域には、これら標的 DNA及びレポーター遺伝子の他、植 物の中での発現を安定ィ匕させるための S/MII配列(核スキヤッフォールドに結合性を 有するポリヌクレオチド配列。)や、植物でのタンパク質合成を増やすためのオメガ配 列 (翻訳活性を上昇させるメッセンジャー RNA上の配列をコードするポリヌクレオチド 配列)、 TATA BOX等を連結してもよい。これら以外に、適宜必要に応じて、転写活 性や翻訳活性に影響を与えるポリヌクレオチド配列等を連結してもよい。
[0016] 本発明の形質転換する植物として、シロイヌナズナ、タバコ、トマト、キンギヨソゥ、ジ ャガイモ、マメ科植物等の双子葉植物、及びトウモロコシ、イネ、コムギ等の単子葉植 物を用いることができる。
本発明のように植物を検出に用いるとさまざまな利点がある。植物の場合、根から
直接環境中の化学物質を吸収できるので、化学物質を試料から抽出精製する必要 がなぐまた、無菌操作が必要ない。さらに、種子は長期間、安定に保存ができ、保 管のための特別な装置もいらないので、他のバイオアツセィ法と比べてセンサーの保 存にコストがかからない。また、例えば、 1シロイヌナズナ個体力 約 2000粒の種子が 得られるため、大量生産による測定の低コストィ匕が可能である。
[0017] これら植物に、上記エフェクター 1配列、エフェクター 2配列、標的 DNA及びレポ一 ター遺伝子を導入する。このような方法として、土壌細菌(ァグロバタテリゥムなど)を 介したフラワーデイツビング法、エレクト口ポアレーシヨン法、マイクロプロジェクタィル ボンバードメント法、マイクロインジェクション法等を用いることができる。
[0018] 形質転,物とエストロゲン様物質とを接触させる方法としては、エストロゲンを含 む水 '土'寒天培地などに播種し接触させる。又はエストロゲンを含まな!/ヽ水'土 '寒 天培地などに播種して生育させた個体を、エストロゲンを含む水 ·土'寒天培地など に移植して接触させる方法がある。
[0019] レポーター遺伝子の検出方法は、レポーター遺伝子の種類により異なる。例えば、 レポーター遺伝子として蛍光蛋白質を用いた場合には、蛍光顕微鏡 ·蛍光比色計に よる検出方法、レポーター遺伝子として測定可能な活性を有する酵素を用いた場合 には、酵素活性測定による方法、レポーター遺伝子として活性検出可能な酵素以外 の蛋白質を用いた場合には活性発現による植物生理機能 ·形態変化の観察による 方法を用いることができる。
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものでは ない。
実施例 1
[0020] 本実施例では図 1に示すような遺伝子を組み込んで形質転換植物を形成した。
植物内で強力に下流の遺伝子の転写を制御するプロモーターであるカリフラワー モザイクウィルス(CaMV ) 35Sプロモーターにより、 hER a LBDと LexA DBDを含むキ メラエストロゲン受容体、及び TIF2 NIDと VP16 ADを含むキメラ転写コアクチベータ一 が形質転換シロイヌナズナ個体内で常時過剰に発現して 、る。この 2つのキメラタン パク質は、 SV40ウィルス由来 T抗原の核移行シグナルを含んでおり、常時核内に局
在している。核内において、キメラエストロゲン受容体はレポーター遺伝子である GUS 遺伝子の上流に位置する LexAタンパク質の標的配列(OLexA )に結合している。ェ ストロゲンがキメラエストロゲン受容体の hER a LBD部分と結合することにより、 hER a LBDの立体構造の変化が起こり、キメラ転写コアクチベータ一の TIF2 NID部分との 相互作用が起こる。この相互作用により TIF 2 NIDに融合した単純へルぺスウィルス 由来 VP16 ADの転写活性ィ匕シグナルが植物の転写装置に伝わり、エストロゲン依存 的に GUS遺伝子の転写及び翻訳が弓 Iき起こされる。形質転,物における GUSタン ノ ク質の酵素活性を測定することでエストロゲンを検出することができる。
[0021] まず、シロイヌナズナに導入する遺伝子を構築した。
キメラエストロゲン受容体をコードするエフェクター 1遺伝子はカリフラワーモザイクゥ ィルスの 35Sプロモーター(P35S)の下流に、 SV40ウィルスの T-抗原の核局在シグナ ル(NLS) · LexA DNA結合性ドメイン(LexA DBD) ·ヒトエストロゲン受容体 αのリガンド 結合ドメイン (hER a LBD)を連結したポリペプチドをコードする遺伝子及びァグロバタ テリゥムのノパリン合成酵素遺伝子のターミネータ一 (TNOS)を連結した。
エフェクター 1遺伝子を構築するために、 P35Sから NLSまでをコードする断片 (P35S - NLS)、 LexA DBDをコードする断片、 hER a LBDをコードする断片、 TNOSの断片を PCR反応によりそれぞれ増幅し調製した。
P35S-NLS断片は 35S-NLS-GFP (静岡県立大学食品栄養科学部、静岡巿谷田 52 番 1号、丹羽康夫氏より分与していただいた。 Curr Biol, 6: 325-30 (1996》を铸型、 5' -GGAAGCTTGC ATGCTGC AGG-3 ' (配列番号 1)及び 5'- GGGCTAGCGACCTTT CTCTTCTTCTT-3' (配列番号 2)をプライマーとして PCR反応を行い、 5'側に Hindll I部位、 3'側に Nhel部位が来るように調製した。
[0022] LexA DBD断片は大腸菌のゲノムを铸型とし、 5'- GGGCTAGCATGAAAGCGTTA ACGGCC-3' (配列番号 3)及び 5'- GGGCCGGCCTGGTTCACCGGCAGCCAC- 3' ( 配列番号 4)をプライマーとして PCR反応を行い、大腸菌のリブレッサーである LexA ( 配列番号 5, 6)の 1〜87番目の 87アミノ酸をコードする領域の 5'側に Nhel部位、 3'側 に Fsel部位が来るように調製した。
hER a LBD断片は、 hER(GenBank: NM— 0000125)の 281〜323番目の 43アミノ酸を
コードする N末端側断片と、 324〜595番目の 272アミノ酸と終止コドンをコードする C 末端側断片に分けて増幅した。
両断片ともヒト卵巣 cDNAライブラリーを铸型とし、 N末端側断片は 5'- GGGGCCGG CCGTCTGCTGGAGACATGAGA- 3' (配列番号 7)及び 5'- GGGCTCAGCATCCAA CAAGGCACTGAC-3' (配列番号 8)をプライマーとして PCR反応を行い、 5'側に Fsel 部位、 3'側に Bpul 1021部位が来るように調製した。
C末端側断片は内部の Hindlll部位を塩基置換により破壊し、 5'- GGGCTGAGCC
(配列番号 9)及び 5し GGGCGGCCGCTCAGACTGTGGCAGGGAA- 3' (配列番号 1 0)をプライマーとして PCR反応を行い、 5'側に Bpull02I部位、 3'側に Notl部位が来 るように調製した。
[0023] TNOS断片は pBI221(CLONTECH, Palo Alto , CA , USA)を铸型とし、 5'- GGGC GGCCGCGAATTTCCCCGATCGTTC-3' (配列番号 11)及び 5し GGGAATTCACT AGTCCGATCTAGTAACATAGA-3' (配列番号 12)をプライマーとして PCR反応を 行い、 5'側に Notl部位、 3'側に EcoRI部位が来るように調製した。
上記の 4つの断片を pBI221 (BD Biosciences Clontech, Palo Alto, CA, USA)の Hin dm 'EcoRI部位に挿入することによりエフェクター 1プラスミドを作製した。
[0024] キメラコアクチベータ一をコードするエフェクター 2遺伝子は P35Sの下流に、 T抗原 の核局在シグナル (NLS)'ヒト転写コアクチベータ一の一部(hTIF2 NID) (human trans criptional intermediately factor 2 nuclear receptor interaction domain) ·単 ¾へノレへ スウィルスの VP16の転写活性化ドメイン (VP16 AD)を連結したポリペプチドをコードす る遺伝子及び TNOSを連結した。
エフェクター 2遺伝子を構築するために、 P35Sから NLSまでをコードする断片、 hTIF 2 NIDをコードする断片、 VP16 ADをコードする断片を PCRによりそれぞれ増幅し調 製した。
[0025] P35S-NLS断片は 35S- NLS- GFPを铸型とし、 5'- GGAAGCTTGCATGCTGCAGG -3' (配列番号 13)及び 5 '-GGGGGGGGATCCGACCTTTCTCTTCTTC- 3' (配列番 号 14)をプライマーとして PCR反応を行い、 5'側に Hindlll部位、 3'側に BamHI部位
が来るように調製した。
hTIF2 NID断片はヒト肝臓 cDNAライブラリーを铸型とし、 5'- GGGGATCCGAGAGA GCTGACGGGCAG- 3' (配列番号 15)及び 5 '-GGTCATGAAGTGCTCTGTGAAAT TCG-3' (配列番号 16)をプライマーとして PCR反応を行い、 hTIF2の 624番目から 869 番目までの 246アミノ酸をコードする領域を、 5'側に BamHI部位、 3'側に BspHI部位 が来るように調製した。
[0026] VP16 AD断片は単純へルぺスウィルスの転写因子 VP16遺伝子 (GenBank M15621,
Clontech, Palo Alto, CA, USA)を铸型とし、 5し GGCCATGGGCCCCCCCGACCGA
GCACGCCGACGCGCT- 3' (配列番号 17)及び 5し CCGAGCTCCTACCCACCGTA CTCGTC-3' (配列番号 18)をプライマーとして PCR反応を行い、 VP16の 413番目力 ら 490番目までの 78アミノ酸と終止コドンをコードする領域を、 5'側に Ncol部位、 3'側 に Sad部位が来るように調製した。このとき、内部の Sail部位を塩基置換により破壊し た。
上記の 3つの断片を pBI221の Hindlll-Sacl部位に連続して挿入することにより、エフ エタター 2プラスミドを作製した。
[0027] グルクロ-ダーゼをコードするレポーター遺伝子は LexA蛋白質の標的 DNA配列
(8回繰り返した配列)に P35Sの TATA配列を連結したキメラプロモーターの下流に、 翻訳増幅配列 ( Ω配列)、大腸菌のダルク口-ダーゼをコードする遺伝子の全長及び TNOSを連結してある。レポーター遺伝子を構築するために、 LexAの標的配列のオタ タマ一断片、 P35Sの TATAボックスから Ω配列までの TATA- Ω断片、 Hindm-BamHI リンカ一を調製した。
LexAの標的配列は、 5'- GATCCATACTGTATGAGCATACAGTATACTGTATGA GCATACAGTA- 3' (配列番号 19)と 5'- GATCTACTGTATGCTCATACAGTATACT GTATGCTC ATAC AGTATG-3 ' (配列番号 20)をアニーリングさせ、 BamHIと Bglllの 制限酵素部位にはさまれた LexAの標的配列のダイマー断片を調製した。
これを 4コピー縦列につなぎ、 LexAの標的配列のォクタマー断片を、 5'側に BamHI 部位、 3'側に Bglll部位が来るように調製した。
[0028] TATA- Ω断片は、 35S— NLS— GFPを铸型とし、 5 '—GGAGACTCGCATGCGCAAGA CCCTTCCTC- 3' (配列番号 21)及び 5'- CCCGGGACTAGTTGTAATTGTAAATA GTAA-3' (配列番号 22)をプライマーとして PCRを行い、 5'側に Bglll部位、 3'側に S mal部位が来るように調製した。
Hindm- BamHIリンカ一は、一本鎖オリゴ DNA 5し AGCTTGGACTAGAGCTTG- 3' (配列番号 23)と 5'- GATCCAAGCTCTAGTCCA-3' (配列番号 24)を二本鎖にァ- 一リングさせ、調製した。上記の 3つの断片を pBI221(BD Biosciences Clontech, Palo Alto, CA, USA)の Hindlll-Smal部位に連続して挿入することにより、レポータープラス ミドを作製した。
[0029] 形質転^ ¾物における、このレポーター遺伝子の発現を安定ィ匕させるためにタバコ
(Nicotiana tabacum)の Matrix attachment regionである Scaffold/Matrix attachment r egions II(S/M II)を LexAの標的配列のォクタマー断片の 5'側に導入するために、タ バコゲノム DNAを铸型とし、 5し GAATTCGAGTCCAAAATGTTGGCATTTAG- 3' (配 列番号 25)及び 5 '-GAATTCAAGCTTTTCGAAATCAACGTTTGT- 3' (配列番号 2 6)をプライマーとして PCR反応を行い、 S/M IIの 5'側に EcoRI部位, 3'側に Hindlll及 び EcoRI部位が来るように DNA断片を調製した。
この断片を pGEM- T vector(Promega Corp., Madison, WI, USA)に挿入することに より、 S/M IIプラスミドを作製した。
[0030] 作製した各プラスミドを制限酵素処理することで得られたエフェクター 1断片(Hind III - EcoRI断片)、エフェクター 2断片(Hind III - EcoRI断片)、 S/M II断片(EcoRI - Hind III断片)を、レポータープラスミドの Hind III部位に挿入することにより、二つの エフェクター遺伝子と一つのレポーター遺伝子を含むプラスミド(以下「ツーエフエタ タープラスミド」という。)を作製した。
[0031] 次に上記で作製したツーエフェクタープラスミドを用いてシロイヌナズナヘの遺伝子 導入をした。この形質転鎌物作製においてシロイヌナズナの Columbia株(野生種) を用いた。
ツーエフェクタープラスミドをエレクト口ポアレーシヨン法でァグロバタテリゥム C58株 に導入後、このァグロバクテリウムをシロイヌナズナに感染させることにより、形質転換
を行った。形質転換処理をしたシロイヌナズナカも得られた種子 (T1種子)を 1 % sue rose, 0.8 %植物用寒天、 50 μ g/mlカナマイシン、 100 μ g/mlクラフォランを含む MS 寒天培地に播種し、導入遺伝子を持つ形質転換植物体の選抜を行った。カナマイシ ン耐性を持つ T1個体力も T2種子得た。また、 T2個体力も T3種子を得た。
実施例 2
[0032] 本実施例では、実施例 1で得た形質転換シロイヌナズナにおける GUS遺伝子のェ ストロゲン濃度依存的な発現誘導を調べた。
T3の種子を 17 j8 -エストラジオール(WAKO Pure Chemical Inds.)を含む MS寒天 培地に播種した。 1週間生育させた形質転換個体を用いて、 GUS遺伝子の発現の様 子を GUS活性染色法及び GUS活性測定法により調べた。
[0033] エストロゲンによる形質転換シロイヌナズナにおけるレポーター遺伝子発現誘導は 以下の方法で行った。エストロゲン(17 β -エストラジオール)を含 MS寒天培地(DMS 0, WAKO Pure Chemical Inds.)に溶解した状態で MS寒天培地に 10000分の 1量添 カロした)上に形質転換シロイヌナズナの種子を播種し、 3日間 4°C暗所に置いた。そ の後、 22°C、明所において、所定日数だけ発芽 ·生育させ、その期間、形質転換シロ ィヌナズナは連続的にエストロゲンに曝露された。
[0034] GUS活性染色法は以下の方法で行った。エストロゲンに曝露された形質転換シロイ ヌナズナの GUS染色を行った。植物体を染色液(2 mM 5-ブロモ -クロ口-インドリル- j8— D—グルクロ-ド(X— Gluc)、 50 mMリン酸ナトリウムバッファー(pH 7.0)、 10 mM ED TA、 0.1% Triton X- 100, 0.5 mMフェリシア-ド、 0.5 mMフエロシア-ド)に浸し、 15分 間デシケーターの中で減圧処理を行った。その後、 37°Cで 3時間静置し、植物体を 7 0%エタノールに浸して葉緑素を取り除き、観察を行った。その結果を図 3に示す。
GUS染色法は、植物体全体を用いて行われ、 GUSタンパク質が基質である X- Glue を分解して得られるインディゴブルーの発色力 0.05 nM以上のエストロゲン濃度で 形質転換個体の根の部分に観察された。 GUS染色が観察された部分は直接寒天培 地に接触していた部位であり、培地から植物体内にエストロゲンが拡散によって浸透 した結果であると思われる。
[0035] GUS活性測定法は以下の方法で行った。エストロゲンに曝露された形質転換シロイ
ヌナズナカゝら抽出したタンパク質中の GUS活性を測定した。処理した植物体 20個体 を液体窒素中で凍らせた後、ホモジナイザーを用いてパウダー状にした。そこに抽出 バッファー(50 mM NaH PO、 10 mM EDTAゝ 0.1% Triton X— 100、 0.1% N—ラウロイノレ
2 4
サルコシンナトリウム、 10 mM j8 -メルカプトエタノール)を加えて可溶性タンパク質を 抽出した。 GUS活性の測定には 4-メチルゥンベリフェリル - j8 - D-グルクロ-ド (4-MU G)を基質として用いた。終濃度 1 mMとなるように 4-MUGをカ卩えた抽出バッファーに抽 出したタンパク質液をカ卩えて、 37°Cで 1時間反応させた。 1時間後に 0.2 M Na COを
2 3 加えて酵素反応を停止させた。 GUSの触媒作用により 4-MUG力 遊離した 4-MUの 濃度を蛍光分光光度計(日立 F-4500)を用いて測定した (波長 365 nmの光で励起し て放出される 455 nmの波長を測定)。また、溶液中のタンパク質濃度を測定し、蛍光 分光光度計での測定で得られた値を溶液中に含まれる全タンパク質量によって補正 してデータを標準化した。その結果を図 4に示す。
[0036] 形質転換植物は 17 β -エストラジオール 0.05 ηΜから 0.8 ηΜまでの間で GUS遺伝子 の発現上昇を示し、 5 nM以上の濃度では GUS遺伝子の発現の減少が見られた。 実施例 3
[0037] 本実施例では、形質転換シロイヌナズナエストロゲン曝露日数におけるレポーター 遺伝子の活性の変化を調べた。エストロゲンによる形質転換シロイヌナズナにおける レポーター遺伝子発現誘導は実施例 2と同様の方法で行った。
T3種子を 1 nMの 17 β -エストラジオールを含む MS寒天培地に播種し、 3〜14日間 生育させた。生育させた形質転換個体を回収し、 GUS遺伝子の発現の様子を GUS活 性測定法により調べた。その結果を図 5に示す。
GUS遺伝子の活性は曝露日数を経るごとに減少して!/、く様子が見られた。 実施例 4
[0038] 本実施例では、形質転換シロイヌナズナのエストロゲンァゴ-スト活性を示す物質 への応答を調べた。エストロゲンによる形質転換シロイヌナズナにおけるレポーター 遺伝子発現誘導は実施例 2と同様の方法で行った。
形質転換後 2世代目 (T2)種子を異なる濃度のエストロゲン様物質であるジェチルス チルべステロール(DES) (ICN Biomedicals Inc. (CT, USA))、 p- n-ノユルフェノール(
NP) (WAKO Pure Chemical Inds.)、ビスフエノーノレ A (BPA) (WAKO Pure Chemical I nds.)、ゲニスティン(EXTRASYNTHESE S. A. (Genay, France))を含む MS寒天培地 に播種し、 1週間生育させた。形質転換個体における、 GUS遺伝子の発現の様子を GUS活性測定法により調べた。その結果を図 6 (A)〜(D)に示す。
[0039] DESは 0.1 nMから応答を示す発現プロフィールが得られた。また、 NPは 1000 nM より、 BPAは 100 nMより、ゲニスティンは 1 nMよりそれぞれ GUS遺伝子の発現の上 昇が見られた。また、 GUS遺伝子発現のための各々のァゴ-ストの至適濃度は、 DES
10 nM, BPA 100 nM,ゲ-スティン 10 nMであった。 NPは 1000 nMから GUS遺伝子 発現の上昇が見られた。
産業上の利用可能性
[0040] 本発明の形質転換植物の種子をエストロゲン用物質を含む水の中に入れ、光照射 下で発芽 '育成させると、エストロゲンを含む寒天培地で行った場合と同等の感度を 示す。このことから、被検試料が水溶液の場合、試料中に種子を入れるだけという非 常に簡単な操作でエストロゲン濃度の測定を行うことができる。また、コアクチベータ 一は多くの核内受容体と相互作用することができるので、用いる受容体を変えること で他の多くの環境ホルモン検出系の開発に対応することができる。実際の環境中に 存在する環境ホルモンの濃度は非常に低濃度であり、本発明の検出方法は検出感 度が高いため、レポーターアツセィシステムの構築が可能となった。
[0041] 「表 1」
丄, 1,1,2— Tetrachloroethane, 1,2, 3-Trichiorobenzene , 1,2, 3-Trichloroethane , 1,2,3— Trimethylbenzene, 1,2,4,5— Tetramethylbenzene, 1,2,4-Trichlorobenzene, 1,2,4— Tri methylbenzene, 1 ,2-Dibromoethane, 1,2— Dichlorobenzene, 1 ,2-Diethylbenzene, 1,2 -Dimethylnaphthalene , 1,2— Dinitrobenzene, 1,2— Epoxyethlbenzene, 1,3,5— Triethylt oluene, 1,3,5— Trimethylbenzene, 1,3,5— Triphenylcyclohexane, 1,3— Dichloro— 2— prop anol, 1 ,3-Dichloropropene, mixture, 1, «3— Diphenylpropane, 1,4— Dicnlorobenzene, 1,4 -Diethylbenzene, 1,4— Dioxane, 1,6— Dinitropyrene, 1,8— Dimethylnaphthalene, 1,8— D initropyrene, 1.2- Dibromo- 3- chloropropane, 10- Hydroxy benzo[a]pyrene, 11- Hydr oxy benzo[a]pyrene, 12— Hydroxy benzo[a]pyrene, 17a— Estradiol, 17a— Ethynylestrad
y¾¾¾q,,,,yy Ilersl:nButlIleilol 4nHetl!ssl:nHexlIleilol
yyyyy¾, loxethl trimeritic acid 4MetIlacrloloxethl trimeritic acid 4MethlII
ypyyysyOyy,,, droxbihenl:Mdroxtamoxireil:lsopromethlIleilol:MetIlacrloIllll II
yy¾yyyyyy,,,:HdroxacetoIlenone:idroxbenzaldehde:Hdroxbenzolc acidm:HIlII }IIIl I ¾y,,, mmolweilzolc acid 4BromoIleilol 4rrI!loro35xlssl 4:ΓΙΊ10ΓΟ3IlllΙΙι
yyy ,,,, e1:hl trimeritic acid nndrate 4Ammo 13utl!;>enzoate 4Ammol;>enzolc acid 4AIII
ypy¾yyyyyyyy,,, droxbihenl rl!101;>llleill 4ACrloloxethl trimeritic acid:ACrlolox III
yOy¾yyO,,,() rtroutlIlenolbrancIledNOnlIlenolDihdroxbenzoIlenonelI I
yy¾,,,( Ethltoluene 3MethlcI101anthreneMr 3NitrofIuorantIlene 3Nitronenol 3teIIIl
¾yy¾ ,,,,,,, 34DldlloroIlenol 38Dlhdrox28dicI!lorodibenzofaran 3AmmoIlenol 3IIllI1
ypyppy,,,() 2secButlhenol 2tertroutlhenol 44¾ntachlorobihenlpcro 126llll y¾¾,,, 1:e 2Mercaol;>eilzotIuazole 2Mercaoimiaazoline 2Me1:hllroailol 2Me1:IIIllI.
¾yyyyyyyyy,,,arene 2Hdrox iluorine 2Haroxalbenzofaran 2Hdroxethl methacrlaIII
yyyyyy,,,,,112triiluoroethl ethl etner 2EthoxetIlanol 2Ethltoluene 2Hdrox enz 1—III
lyy O,,,, acene 2Ammoanthracumone 2Ammotoluene 2BUtoxethlhtllalateIII
yp,,,,,, utane 25Dldlloroanillne 26Dlmethlnahtalene 2 Ammoetlianol 2AmmoanthrIII
¾y¾y,,,,,, Dicnloroaniime 24DldlloroIlenoxacetlc acid 24Dmltroanlline 24DlIlenTl;>III
¾y,,¾,,,,,, 1:ic acia 24TrlIlenT10Ilexene 24Diammotoluene 24Dlammotoluene 24III1
pyypyppy,,,,,,,, roane 22Dihdroxblnenl 245TrlcI!loroIlenol 245TrlcI!loroIlenoxace III
yypy p,,,) lTrldecanolNitrilotrletllanol5albromo4hdroxIlenll Illl
yyyy pyyppy,,,,olethtetralm lHdroxrene TMethlnahtllalene iNitrorene TNOnanol—
Oyyy fyyy¾,,o(o(llenlethtetralin lepnenl4elsenlethtetralm
y,,,,( Butanol lchloro24dinitrobenzene lrnloro2nltrobenzene y¾yyy Oyy,,,()(o ιοΐ laphenl4:arIlenlethltetralin laphenl4:elllenlethtetralin
oxide, 4— Nitrotoluene, 4— n— Nonylphenol, 4— n— Octylphenol, 4— Nonylphenol polyethy oxylate(lO), 4- Nonylphenol polyethyoxylate(15), 4- Nonylphenol polyethy oxylate(2) , 4— Nonylphenol, olyethyoxylate(23), 4— Nonylphenol polyethy oxylate(5) , 4— n— Pentylp henol, 4— n— Propylphenol, 4— sec— Butylphenol, 4— tert— Butylbenzoic acid, 4— tert— But ylphenol, 4— tert— Octylphenol, 4— tert— Octylphenol, 4— tert— Octylphenol polyethoxyla te(10), 4— tert— Octylphenol, polyethoxylate( 15) , 4— tert— Octylphenol polyethoxylate( 2), 4— tert— Octylphenol, polyethoxylate(23), 4— tert— Octylphenol polyethoxylate(5), 4 —tert— Pentylphenol, 4— Toluenesulfonamide, 5— Hydroxy benso[a]pyrene, 6— Hydroxy benso[a]pyrene, 6- Hydroxy- 3,4- dichlorodibenzoiUran, 7- Hydroxy benzo[a]pyrene, 7— Hydroxy— l,2,3,6,8—pentachlorodibenzofuran, 7— Hydroxy— 3,4— dichlorodibenzofura n, 8— Hydroxy enzo[a]pyrene, 8— Hydroxy— 2,3,4— trichlorodibenzofuran, 8— Hydroxy— 2 -menochlorodibenzofuran, 8— Hydroxy— 3,4,6— trichlorodibenzoiUran, 8— Hydroxy— 3— m onochlorodibenzoiuran, 8— Hydrozy— 3,4— dichlorodibensofuran, 9— Hydroxy benso[a]p yrene, 9— Hydroxy fluorine, 9— Hydroxy— 2,6— dichlorodibenzofuran, 9— Hydroxy— 3,4— di chlorodibenzoiuran, Acephate, Acetaldehyde, Acetamide, Acetyleugenol, Acylamide , Adipic acid, Aflatoxin Bl, a— Hexachlorocyclohexane, Alachlor, Aldicarb, Aldrin, a— Methylstyrene, Amitrole, Aniline, Anthracene, Antimony(III) chloride, Apigenin, Apl ysiaterpenoid A, Atrazine, Benz [a] antharacene , Benzaldehyde, Benzalkonium chlori de, Benzo[a]pyrene, Benzo[b]fluoranthene, Benzo[e]pyrene, Benzo[g,h,i]perylen, Be nzo[k]fluoranthene, Benzoepinesulfate, Benzoic acid, Benzophenone, Benzylalcohol, Benzylbutyl phthalate, b— Estradiol— 17— acetate, b-Hexachlorocyclohexane, Bifenox, Biochanin A, Biphenyl, Bis(2- chloroethyl)ether, Bis (4~hy droxypheny)methane , Bis( 4-hydroxyphenyl)sulfone, Bisphenol A, Bisphenol-Abischloroformate, Bisphenoト A- diglycidyl, ether, Bisphenol— A— dimethacrylate, Bisphenol— A— ehoxylate, Bisphenol-A -ehoxylate diacrylate, Bisphenol— A— proxylate, Bisphenolo— A— bischloroformate, Bisp henolo— A— diglycidyl ether, Bisphenolo— A— dimethacrylate, Bisphenolo— A— ethoxylate, Bisphenolo— A— ethoxylate diacrylate, Bisphenolo— A— proxylate, Boric acid, BPMC, B romobutide, Bromodichloromethane , Bromoform, b— Sitosterol, Butylated hydroxyani
sole, Butylated hydroxytoluene, Cadmium chloride, Campharquinone, Captans, Cara vacrol, Carbaryl, Carbendazim, Carbofuran, Catechol, Chinomethionat, Chlorhexidi ne gluconate, Chlornitrofen, Chlorobenside, Chlorobenze, Chlorobenzilate, Chlorodi bromomethane, Chloropropham, Chlorothalonil, Chlorpyrifos— methyl, cis— 1,2— Diphe nylcyclobutane, cis- Stilbene, Clomiphene, compound, Copper(II) sulfate, Coumaric, acid, Coumestrin, Coumestrol, Cucumechinoside D, Cumene, Cyanazin, Cyclohexan ol, Cyclohexanone, Cyclohexylamine , Cyclosporin A, Cyfluthrin, Cyhalothrin, Cyper metrin, Daidzein, Daidzin, D ethyl adipate, Dexamethasone, Di— 2— ethylhexyl adipate , Di- 2- ethylhexyl phathalate, Diazinon, Dibenz[a,h]anthracene, Dibenzyl ether, Dib utyl adipate, Dibutyl phthalate, Dichlorvos, Dicloran, dicyclohexyl phthalate, Dicycl ohexylamine, Dicyclopentadiene, Didecyldimethylammmonium, hloride, Dieldrin, Di ethoxyleneglycol dimethacrylate, Diethyl phthalate, Diethyl sulfate, Diethylbenzene, mixture, Diethylene glycol, Diethylstilbesterol, Diflubenzuron, Diheptyl, phthalate, Dihidroglycitein, Dihydrogenistein, Dihydrotestosterone, Di—iso— butyl adipate, Di— is o— butylphathalate, Di—iso— decyl phathalate, Di—iso— nonyl phthalate, Di—iso— octyl, p hthalate, Di—iso— propyl adipate, Di—iso— prppyl phthalate, Dimepiperate, Dimethoate , Dimethyl adipate, Dimethyl phthalate, Di-n-butyl phthalate, Di-n-hexyl phthalate,
Di—n— pentyl phthalate, Di—n— propyl phthalate, Diphenyl carbonate, Diphenylamine, Diphenylmethane, Dipropyl phthalate, Dodecyl polyethoxylate(15), Dodecyl polyeth oxylate(3), Dodecyl polyethoxylate(5), Dodecyl polyethoxylate(9), Endosulfan(a- Ben zoepin), Endosulfan(b— Benzoepin), Endosulfan(Benzoepin), Endrin, Epichlorohydrin, EPN, Equol, Esprocarb, Estriol, Estrone, Ethanolamine, Ethyl 4-hydroxybenzoate, Ethyl benzene, Ethyl parathion, Ethylcarbamate, Ethylene glycol, Ethylene glycol m onoethyl ether, Ethylenediaminetetraacettic acid 2Na, Eugenol, Fenbutatin oxide, F enitrothion, Fenobcarb, Fenvalerate, Feruic acid, Flavone, Fluazifop— butyl, Flucyth rinate, Fluvalinate, Formaldehyde, Genistein, Genistin, g-Hexachlorocyclohexane, Glutar aldehyde, Glycitein, Glycitin, Glycyrrhizic acid 2K, Glyoxal, Heptachlor epoxi de, Hexachloro— 1,3— butadiene, Hexachlorophene, Hinokitiol, Hinokitiol acetylglucos
y¾y¾¾,,,,()o)y riae Trls2dllor〇:hl〇sIlate Trls;>ut〇:hl〇sIlate Trp2 Trammlll
y¾¾yy¾¾y¾y,,( rimethlroane triacrlate Trlmethlroane trimethacrlate TriIlenltinIV chlo
gyyyy,,,,,lcol dimethacrlate Triethlamme Tnethlenetetraamlne Trifluralin Triforme T
y¾yy,,,,() riadimefon Triadimenol TributiIlate TrlDutitmIV chloriae Trlet!loxlene
yppyy.,,,,,, m Thmol Tolueneoxa!lene trans l2Di!lenlcclol;>utane transstllbene T—Il
yyy¾yyypy,,, oxlamme sulfate HdroxtetrachlorolIlenl HdroxtrldllorolDlIlenlll pO, iae hmoKitlol Hiurlc
e, Tyrosine, Urethane dimethacrylate, Vinclozolin, Vinylacetic acid, Xylylcarb, Zine b, Ziram
図面の簡単な説明
[図 1]シロイヌナズナに導入した遺伝子の構造を示す図である。 NPT II:ネオマイシン リン酸基転移酵素コード遺伝子、 NLS: SV40ウィルス由来 T抗原の核局在シグナル、 LexA DBD:大腸菌由来 Lex Aタンパク質の DNA結合部位, hER a LBD:ヒト由来ェ ストロゲン受容体のリガンド結合部位、 TIF2:ヒト由来転写コアクチベータ一 TIF 2コ ード遺伝子、 VP16 AD:単純へルぺスウィルスの VP16タンパク質の転写活性化領域 、 GUS:大腸菌由来 j8 -ダルク口-ダーゼ遺伝子コード領域、 Pnos:土壌細菌由来の ノパリン合成酵素のプロモーター、 P35S:カリフラワーモザイクウィルスの 35S RNAプロ モーター、 Tnos:土壌細菌由来の転写終結配列、 0 * 8:連続した 8個の LexAタ
LexA
ンパク質の DNA標的配列、 S/M2:タバコ由来の核マトリックス相互作用 DNA領域 II, Ω :翻訳活性化 DNA配列
[図 2]植物ツーエフェクターシステムによるエストロゲン検出の分子メカニズムを示す 図である。常時核内に発現する hER a LBDと LexA DBDを含むキメラエストロゲン受 容体が、レポーターである GUS遺伝子の上流にある OLex Aに結合している。エストロ ゲンの hER a LBDへの結合により、 TIF2と VP16 ADを含むキメラ転写コアクチベータ 一とのリガンド依存的な相互作用が起こる。これにより VP16 ADの転写活性ィ匕シダナ ルが植物の転写装置に伝わり、 GUS遺伝子の転写、翻訳が引き起こされる。 GUSタン ノ ク質の酵素活性を測定することでエストロゲンを検出することができる。
[図 3]17 β -エストラジオール濃度依存的レポーター遺伝子発現の変化を示す図で ある。図中の横棒は 1 mmを示す。
[図 4] 17 β -エストラジオール濃度依存的レポーター遺伝子発現の変化を示す図で ある。縦軸は GUS比活性 (pmols 4-MU h"1 mg protein"1 )を示す。誤差は独立した実 験を 3回行って算出した。
[図 5]17 β -エストラジオール曝露日数に依存したレポーター遺伝子の発現量の変動 を示す図である。縦軸は GUS比活性 (pmols 4-MU h"1 mg protein"1 )を示す。誤差は 独立した実験を 3回行って算出した。
圆 6]さまざまなエストロゲン様物質に対するレポーター遺伝子の応答性を示す図で ある。エストロゲン様物質として (A)ジェチルスチルべステロール (DES)、(B)ゲニスティ ン、(C)ビスフエノール A(BPA)、(D)p- n-ノ-ルフエノール (NP)を用いた。縦軸は GUS 比活性 (pmols 4-MU h"1 mg protein"1 )を示す。誤差は独立した実験を 3回行って算 出し 7こ。