明 細 書
繊維補強土工法用装置 技術分野
本発明は、 繊維と砂または砂に類似したもの (以下砂質土という) とを補強すべき施 ェ個所に吹付ける連続する繊維による «補強土工法用装置に関するものである。 背景技術
繊維と砂質土とを補強すべき施工個所に吹付ける繊維補強土工法に用いる装置とし て、 繊維が連続した繊維の場合は、 繊維の糸卷を格納し、 この糸巻からの繊維を送り出す ガイドステーを有する繊維供給装置と、 この繊維供給装置から繰り出される繊維を水タン クから高圧ポンプを介して供給管で送られる高圧水を利用して噴射ノズルから噴射するェ ジェク夕一とからなる繊維配設装置に、 ベルトコンベアとマテリアルホースを有する吹付 機とからなる砂質土の供給装置を組み合わせるものが知られている。
この装置を使用する繊維補強土工法の概要を図 1 8に示すと、 砂質土を供給する手段 S 1 0 0と連続する繊維を供給する手段 T 1 0 0とによって構成されている。 即ち、 一方 で砂質土 Sが計量器 S 1 0 2で計量さ エア圧で砂質土搬送装置 S 1 0 4から可撓性搬 送チューブ S 1 0 8によって さ 他方で繊維供給装置 T 1 0 2から繊維が供給され て砂質土の重量に対する一定の重量比でェジヱク夕ー WEからのジェヅト水により噴射ノ ズル T 1 0 6から噴射され、 砂質土に繊維を絡ませて補強土 Hにしている。
ェジェクタ一では噴射ノズルに繊維が挿通され、 この噴射ノズルから高圧水が吐出さ れると繊維も噴射ノズルから噴射される。 一方、 砂質土はベルトコンベアとマテリアルホ ースにより前言 維の噴出先まで搬送し、 繊維と直接噴射 ·混合させる。
このように使用する砂質土 l m3に対して 2 . 0〜5 . 0 k g程度の繊維 (マルチフ イラメント無 繊維) をジェット水と一緒に噴射、 砂質土と三次元的に混合することで、
せん断強さを増加させ、 より安定した強固な土構造物を構築することができる。
この 、 繊維と砂質土とジェット水との混合は、 例えば や法面などの: 上で 直接なさ —方の作業者が砂質土を搬送するマテリアルホースを手で持って砂質土を地 盤上に吐出し、 他方の作業者がェジェクタ一を手で持って砂質土が吐出された範囲の地盤 上を移動しながら、 噴射ノズルからジェット水と繊維を噴射する。
かかる工法は纖の擁壁や盛土のほか、 法面の保護、 軟弱懇上の盛土基礎、 さらに 耐震及び防震 S5楚、 衝撃に対する構造物の保護、 ダムのフィルタ一層などに幅広く適用可 能である。
なお、 前言 Βί少質土を腿するマテリアルホースと繊維を噴射する噴射ノズルを一体に した装置も日本国特許公報第 2 8 7 9 4 7 7号に見られる。
この日本国特許公報第 2 8 7 9 4 7 7号では、 驢改良材料主体(砂質土) を一方の 中空圧送導路内を してその先端またはその先端に設けた吹付ノズルから噴出させると ともに、 他の中空圧送導路内をその内部に吹き込む圧空による空気の流れに纖繊維糸条 を乗せて、 前記圧送導路またはその先端に設けた吹付ノズルから吐出させ、 かっこの吐出 方向を前記改良材料主体の流れに対して交差させ、 吐出された繊維糸条を編己改良材料の 流れに乗せて一体の材料として改良対象面に吹き付けることを特徴とする。
図 1 9に示すように、 吹付材料主体は圧送ポンプによりホース 1 1 2中を圧送され、 先端の吹付ノズル 1 1 1から 面たとえば法面に吹き付けられる。
一方、 ポリプロピレンなどの連镜繊維糸条 1 1 3は繊維ノズノレ 1 1 4に導入され、 コ ンプレヅサ一による圧空によりその先端から噴出される。繊維ノズル 1 1 4は、 吹付ノズ ル 1 1 1に対して止め具 1 1 5により一体化されており、 繊維ノズル 1 1 4の噴出方向は 、 吹付ノズル 1 1 1からの吹付材料の噴出方向と交差するようになっている。
ところで、 前記図 1 8に示す繊維による補強土工法では、 繊維供給装置 T 1 0 2のガ ィドステ一と噴射ノズル T 1 0 6の間の繊維は風の影響を受け易く、 繊維同士がからまる ことがある。 そのため、 常に噴射ノズル T 1 0 6の近くに繊維供給装置 T 1 0 2を配置し
なければならず、 機動性が損なわれる。
また、 補強土としての強度を維持するためには相当量の繊維を吹き付け材料に絡ませ 混合することが必要となるが、 その一方で連镜した繊維の割合が多すぎると、 補強土の造 成に必要とされる連镜した繊維が大量に必要となり、 工費が高くなつてしまう。
更に、 セメント等の接合材を吹き付け材料に大量に添加することにより補強土の強度 を維持しょうとすると、 補強土に対し¾^ェを施した場合に植物の根の伸長を妨げてしま い、 植物が健全に生育できない。
そこで、 植物が健全に生育できる厚みを有しながら補強土としての強度を維持できる ように 5"少質土の量に対して繊維の使用量を適正にする管理が必要となる。
ΙϋΙ己図 1 8の例では、 砂質土の供給に関しては、 砂質土腿装置 S 1 0 4のタンク内 の砂質土の減少をオペレータが監視してバッチ計測した砂質土を補給し、 繊維の供給に関 しては、 砂質土の重量に対する一定の重量比で供給されるものであるが、 ジェット水の噴 射圧力 '速度の管理だけで、 精度が高い管理を行うものでなかった。 その結果、 噴射され た砂質土に対して適量の繊維量にノ ラツキが生じ、 均質な混合性を得るには精度が低 ヽと いう問題があった。
本発明の目的は、 繊維供給装置と噴射ノズル間が長い距離でも繊維のからまりを防 止し、 風等の影響で施工に支障をきたさないようにして、 確実かつ効率良く施工ができ、 また、 繊維の供給管理をより正確に行うことにより砂質土に対して適量の繊維を供給し、 砂質土と繊維を充分に絡みあわすことにより、 造成する繊維補強土の強度を確保すること ができる繊維補強土工法用装置を することにある。 発明の開示
前記目的を達成するため、 請求項 1記載の本発明は、 補強土の造成箇所へ砂質土を する砂質土の供給装置と、 砂質土に絡める繊維の糸卷を格納する繊維供給装置とを備 え、 この繊維供給装置から連镜的に繰り出される繊維を高圧水または圧縮空気を利用して
噴射ノズルを有する連,纖維による繊維補強土工法用装置において、 繊維供給装置と噴射 ノズルとの間に繊維を巻回しまたは挟んで強制的に送り出すフィ一ドロ一ラを設け、 繊維 供給装置に連動させてフィードローラの回転を制御することを要旨とするものである。
請求項 1記載の本発明によれば、 繊維はフィードローラで引き出され、 かつ送られ るので緊張した弛みのない状態を保ち、 長い距離を送ることができるとともに 繊維同士 のからまりが防止でき、 また、 風等の影響で施工に支障をきたすようなこともない。 また 、 繊維の供給量の制御を、 水圧や空気圧によらずにフィード口一ラの回転を制御すること により行うようにしたから、 より正確に繊維の供給量を制御することができ、 繊維の供給 管理をより正確に行うことが可能となる。
請求項 2記載の本発明は、 繊維供給装置は、 糸巻きからの繊維の繰り出し量又は糸 卷きの繊維の残量を検知する ί魏器と、 該飾器からの入力により繊維の供給量を計量す る繊維計量装置と、 計量した繊維の供給量数値を砂質土の供給量数値に対応させて表示す る表示部と、 繊維の供給量を制御する繊維供織卿装置とを備え、 繊維計量装置において 計量する繊維の供給量数値に基いてフィ一ドロ一ラの回転制御を行うことを要旨とするも のである。
請求項 2記載の本発明によれば、 砂質土の供給量数値に対応させて繊維の供給量数 値を表示するとともに、 砂質土の供給量に見合うよう繊維の供給量を制御することにより 、 砂質土に対する繊維の供給量を管理制御することができるので、 砂質土に対して適量の 繊維を供給し、 砂質土と繊維を充分に絡みあわすことができる。
請求項 3記載の本発明は、 検知器は、 繊維の移動で回転するメジャリングホイール に、 回転により繊維の繰り出し量を,するエンコーダーを取り付けてなり、 このェンコ —ダ一の出力を繊維計量装置に導入することを要旨とするものである。
請求項 3記載の本発明によれば、 メジャリングホイールに取り付けたエンコーダー を繊維計量装置に接続することによつて繊維の繰り出し量を計量するから、 繊維の供給量 は長さ量として計測され、 バヅチ每(砂質土を 1バッチ 2 0 0 k gに計測する) の で
も比較的少量の繊維を計測して、 より正確に繊維供給量を把握し管理することができる。 請求項 4記載の本発明は、 検知器は、 繊維の糸卷を格納する繊維供給装置に設ける 口一ドセルであり、 このロードセルの出力を繊維計量装置に導入することを要旨とするも のである。
請求項 4記載の本発明によれば、 ロードセルは繊維の荷重を検出し、 繊維計量装置 に導入される。 ここで、 ffB繊維供給装置から繊維が繰り出すと糸巻きの荷重が減少する ので、 口一ドセルで検出される荷重の値の変化が繊維の供給量として計測されてその量が 表示される。 この表示は各繊維毎(ボビンケース毎)および合計数値として表示さ ま た、 砂質土の吐出量はノ ッチ数として砂質土ノ ヅチカウン夕一に表示される。
請求項 5記載の本発明は、 フィードローラから出る繊維には、 繊維の張力を検知し て、 繊維の張力がなくなった場合に運転を停止する安全スィツチを沿設することを要旨と するものである。
請求項 5言 3載の本発明によれば、 フィードローラから出てェジェクタ一に至る繊維 が切断したりする場合は、 これを安全スィヅチが検知して即フィードローラの運転を停止 することができる。 その結果、 繊維の絡み等を防止し、 繊維の噴射作業がスムーズになる 請求項 6記載の本発明は、 ェジ工クタ一は、 複数の噴射ノズルを設けることを要旨 とするものである。
請求項 6記載の本発明によれば、 繊維を複数の噴射ノズルから噴射させることで、 さらに、 砂質土と繊維を均一に分散混合することができ、 これにより砂質土と繊維をむら 無く絡み合わせることができる。
請求項 7記載の本発明は、 ェジェクタ一は、 複数の噴射ノズルを設けたへヅダ一と このへヅダ一の摇動手段との組み合わせで構成することを要旨とするものである。
請求項 7記載の本発明によれば、 ェジェクタ一のへヅダ一が揺動手段によって揺動 するから、 繊維を均一に緊張させた状態で敷設することができ、 繊維の緊張度を高め、 補
強土中における繊維の緊張による擬似粘着力を満遍なく確保することができる。
また、 ェジェクタ一のへヅダ一が揺動手段によって自動的に揺動することで、 砂質 土を吐出した範囲内で噴射ノズルの先が自動的に移動する。 よって、 作業者はェジェクタ 一を持っているだけでよく、 これを振り回す必要がないから、 作業性がよ 手動でェジ ェク夕一を摇動させるように作業者に対して負荷が大きく、 均一に敷設することも困難で あるという欠点を補い、 作業性がよい。
請求項 8記載の本発明は、 フィードローラは複数の繊維を卷回すキヤブスタンであ り、 その周辺に複数個が連接するノントルクローラを配設したことを要旨とするものであ る。
請求項 8記載の本発明によれば、 複数台の繊維を纏めて 1台のフィードローラとし てのキヤプスタンで送り出すことができ、 装置としてもコンパクトになるとともに、 1本 のへッダ一に複数の噴射ノズルを設けるェジェクタ一に対してもスムーズに繊維が送り出 される。 ノントルク口一ラは繊維にテンションを掛けずにフィードローラへ、 または、 フ イードローラからのスムーズなガイドを行うことができる。 これにより、 繊維の噴身寸作業 をスムーズに行うことができ、 砂質土に繊維を効率良く絡めることが出来る。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の繊維補強土工法用装置を用いた繊維補強土工法の概要を示す説明 図である。
図 2は、 繊維供給装置の正面図である。
図 3は、 繊維供給装置の側面図である。
図 4は、 繊維供給装置の平面図である。
図 5は、 ロー夕リーエンコーダ一部分の正面図である。
図 6は、 本発明の繊維補強土工法用装置の 1実施形態を示す制御プロヅク図である
図 7は、 フィードローラの正面図である。
図 8は、 フィードローラの背面図である。
図 9は、 フィードローラ設置台の平面図である。
図 1 0は、 フィ—ドロ一ラ設置台の側面図である。
図 1 1は、 ェジェクタ一の平面図である。
図 1 2は、 タイミング表示盤の正面図である。
図 1 3は、 夕イミング表示盤の側面図である。
図 1 4は、 表示器での 1画面を示す正面図である。
図 1 5は、 本発明の繊維補強土工法用装置の第 2実施形態の全体を示す説明図であ る。
図 1 6は、 ロードセル部分の説明図である。
図 1 7は、 本発明の繊維補強土工法用装置の第 2実施形態を示す制御プロヅク図で ある o
図 1 8は、 繊維補強土工法の概要を示す説明図である。
図 1 9は、 «例を示す説明図である。 発明を,するための最良の形態
以下、 図面に従って本発明の実施の形態を詳細に説明する。 図 1は本発明の繊維補 強土工法用装置を用いた繊維補強土工法の概要を示す説明図で、 装置全体としては前記図 1 8において説明した通りで、 ベノレトコンベアとマテリアノレホースにより繊維の噴出先ま で砂質土を する砂質土の供給装置も当然併用される。 ここで砂質土とは、 砂または砂 に類似した物、例えば、山砂、川砂、海砂、マサ土、シラス土、 などをいう。
繊維配設装置は、 連続する繊維 2の糸巻 1 9 (図 2〜図 4において示す) を格納す る繊維供給装置 1と、 この繊維供給装置 1から繰り出される繊維 2を高圧水を利用して噴 射ノズル 6から噴射するェジェクタ一 7とからなる点は編 ¾ ^例と同じであり、 この繊
維供給装置 1から繰り出される繊維 2を水夕ンク 3から高圧ポンプ 4を介して供給管 5で 送られる高圧水を利用して噴射ノズル 6から噴射する。
石少質土の供給装置 8は、 ^周知のように、 ベルトコンベア 9 aでホヅパ一1 0に 遞させた計量器 1 1と、 該計量器 1 1にベルトコンベア 9 aを介して連結する吹付機 1 2とで構成される。 図中 1 3は砂山から砂質土を搬送するトラクタ一ショベル、 1 5は吹 付機 1 2に圧縮空気を供給するコンプレッサーを示す。 また、 1 6は計量器 1 1などの電 源となる発 m¾を示す。
前記繊維供給装置 1は、 図 2〜図 4に示すように、 繊維管理室として繊維 2を 2 8 卷セヅトし、 管理室の横にて繊維を巻き取るようにしたものであり、 糸卷 1 9を横 4列、 縦 7列に並べ、 この横 4列の糸巻 1 9からの繊維 2をそれそれメジャリングホイール 4 0 に卷回してからドックテールガイド 4 1により方向転換してスパイラルチューブ 4 2で外 に導く。 5 4はノントルクローラ、 5 5はノ^レ一ンガイド、 5 6はテンサ一である。
また、 図 5に示すように、 前 Ϊ3糸卷 1 9からメジャリングホイ一ル 4 0までの間に 、 リミツトスィヅチによる安全スィツチ 4 3を繊維 2に付設して繊維切れ等を検知できる ようにした。
この安全スイッチ 4 3は、 繊維の張力を検知して、 繊維の張力がなくなった場合に 後述のフィードローラの運転を停止するものであり、 リレーと組み合わせるリミットスィ ヅチを用い、 作動用の押しスイッチ (不図示) を有する。
前記メジヤリングホイール 4 0には口一タリーエンコーダ一 4 4を連結し、 図 6に 示すように口一夕リ一エンコーダー 4 4の出力は制御装置としての P L C 4 5に導入し、 この P L C 4 5には表示器 4 6を接続した。 また、 砂質土の計量器 1 1からの計量出力、 および irtS安全スィツチ 4 3からの出力も P L C 4 5に導入する。
P L C 4 5の出力は後述のフィードローラ 4 7の駆動モー夕 (A Cサ一ボモ一夕) 4 8に導入する。
P L C 4 5は、 コンピュータとして、 下記のものがロジックプログラムされている
( 1 )砂質土の計量
砂質土供給量 =ノ レス xni3/B Η
( 2 )繊維の計量
繊維供給量 =パルス xm/パルス X糸卷数 X重量/ m ( d e n)
( 3 )繊維の混入量
繊維供給量 ( 2 ) ÷砂質土供給量 ( 1 ) =繊維混入量
( 4 ) フィードローラのコントロール
混入量 ( 3 ) (→ く) く混入量設定値く混入量 ( 3 ) (→ く)
図 1に示すように、 前記連続する繊維 2の糸卷 1 9を格納する繊維供給装置 1と繊 維 2を高圧水を利用して噴射ノズル 6から噴射するェジェク夕一 7との間に、 繊維 2を卷 回することで強制的に送り出すフイードローラ 4 7を設けた。
なお、 このようなフィードローラ 4 7を用いる他に、 繊維供給装置 1と前記ェジェ クタ一 7との間に、 繊維 2が挿通するガイドリングを複数並列させて設けた支柱 5 8を配 設してもよい。
図 7、 図 8にこのフィードローラ 4 7の一例を示すが、 駆動モ一夕 (A Cサーボモ —夕) 4 8を内蔵したボックス 4 9の外側にフィード口一ラ 4 7を設け、 その周囲にノン トルクローラ 5 0を適宜数配置して、 繊維 2をフィードローラ 4 7に卷回すようにした。 図示の例ではノントルクローラ 5 0は繊維 2の数に合わせて 4連のものとし、 また、 3個 を繊維 2のフィードローラ 4 7への揷入側、 フィードローラ 4 7からの繰り出し側、 さら に、 その延長側へと設ける。 図中 5 1は、 リミットスィツチによるストッパー用嫩ロ板で あり、 フィードローラ 4 7に繊維が絡むとすぐ嫩口できるようにした。
前記フィードローラ 4 7を設けたボックス 4 9には夕イマ一 5 9、 漏電ブレーカー 6 0、 可変抵 ί¾6 1、 運転スィヅチであるトク'ノレスィツチ 6 2が設けられている。可変 抵抗器 6 1は後述のように、 砂質土の吐出量に繊維の供給量が見合わない場合に、 繊維の
吐出量を変えることができる調整スィツチである。
また、 5 2はボックス 4 9の上面に取り付けた提手、 5 3は下面に設けたエンプラ レペリングパヅドによる脚体である。
なお、 図 9、 図 1 0に示すように、 前記フィードローラ 4 7を台 5 7の上に設置し 、 繊維の張力を Πして繊維の張力がなくなった場合に運転を停止する安全スィツチ 4 3 を同じ台 5 7上に設けるようにしてもよい。 図中 5 9は、 リレーと組み合わせるリミット スィツチを用いた作動用の押しスィツチである。
図 1 1に示すようにェジェクタ一 7はヘッダー 2 2と摇動手段 2 3との組み合わせ で構成し、 へヅダ一 2 2は繊維供給装置 1からの繊維 2を引き入れる 4本の繊維ガイド 2 4と、 高圧水または圧縮空気とともにこの繊維 2を噴射する 4本の噴射ノズル 6とを有す る。
摇動手段 2 3は、 基台 3 0に一端を取り付けたアーム 2 9の他端にシリンダ一 2 7 を斜め上方に向けて枢着し、 シリンダ一 2 7のピストン 2 8の先端に揺動アーム 2 6の上 端を回動自在に軸着し、 該揺動アーム 2 6の下端を回動管 2 5に固定し、 該回動管 2 5を ヘッダー 2 2に同軸上で接続した。 そして、 この回動管 2 5を回動継手を介して高圧水な どの供給管 5に接続する。 図中 3 2は操作部である。
次に動作について主に図 1を参照して説明する。 法面などの施工現場の近くに繊維 供給装置 1を設置し、 繊維供給装置 1では糸巻き 1 9 (図 2〜図 4 ) から繰り出された連 鲩繊維としての繊維 2は、 スパイラルチューブ 4 2で外に導かれ、 繰り出された連 繊維 (無撚繊維) としての 4本の繊維 2がフィードローラ 4 7により送られて、 ェジェクタ一 7の繊維ガイド 2 4 (図 1 1 ) を介して噴射ノズル 6に挿通される。繊維 2はェジェクタ 一 7で引かれ、 繊維供給装置 1から順次繰り出されるものであるが、 フィードローラ 4 7 の送り込みがこれに加わることになる。
そして、 ェジェクタ一 7では水タンク 3から高圧ポンプ 4を介して供給ホース 5で 送られる高圧水が噴射ノズル 6から噴射されると前記繊維 2も吐出さ u 吹付機 1 2のマ
テリアルホース 3 3の先端から法面の地盤上に噴出する砂質土と «上で直接噴射 ·混合 される。
このとき、 ェジェクタ一 7の操作部 3 2 (図 1 1 ) を操作することで、 シリンダー 2 7のピストン 2 8が往 動し、 これにともないピストン 2 8の先端に取り付けた摇動 アーム 2 6の上端が円弧状の軌跡をえがいて移動し、 下端が回動管 2 5との固定部で回動 する。 その結果、 回動管 2 5が揺動アーム 2 6の下端と^となって回動し、 この回動運 動が同軸上のへヅダー 2 2に伝わり、 ヘッダ一 2 2も回動する。 これにより、 へヅダー 2 2に設けた噴射ノズル 6が円 3瓜状の «をえがいて移動する。
よって、 作業者はェジェクタ一 7を手で持っていれば、 手を動かさずに噴射ノズル 6が自動的に揺動し、 繊維 2とジ工ヅト水の噴射先が自動的に往復移動し、 各部均一に砂 質土と混合する。 なお、 ェジェクタ一 7は高圧水ではなく、 圧縮空気を利用して噴射ノズ ルから噴射するものでもよい。
前記繊維供給装置 1からの繊維 2の供給量はロータリーエンコーダ一 4 4 (図 5 ) で検出され、 その出力は P L C 4 5 (図 6 ) に導入され、 ここで計測されて、 表示器 4 6 (図 6 ) にその量が表示される。 この表示は各繊維毎 (ボビンケース毎) および合計数値 として表示され、 また、 砂質土の吐出量はバヅチ数として砂質土バヅチカウンターに表示 される。
また、 砂質土と連続繊維の安定供給のために、 図 1 2に示すようなタイミング表示 盤 6 3を用いる。 これは tirfBff少質土の供給装置 8のホヅパ一 1 0に連結した計量器 1 1か らの信号を得て、 1バッチごとにブザー 6 4および表示灯 6 5によって計量するタイミン グをオペレー夕に知らせるもので、 計量する間隔を人間の感覚ではサイクルタイムにバラ ツキが生じるため夕イマ一 6 6によりサイクルタイムを決め、 1バッチごとに知らせるよ うにした。
図 1 3に示すように、 タイミング表示盤 6 3のトク 'ノレスイッチ 6 7によりス夕一ト( 上方向)ストップ' リセヅト (下方向) の操作をし、 計量開始と同時にタイマー 6 6によ
り 1サイクルごとにブザー 6 4、 表示灯 6 5が繰り返し 1秒間表示する。表示と同時に安 定供給を行うことができる。 図中 6 8は電源表示灯、 6 9は押しボタンスィヅチである。
このようにして連続する繊維の設計混入量 3 . 3 k g/m3を確保するため、 繊維供 給装置 1 (スレッドフィーダ一) からの噴射量は、 ロス率(補強土表面を覆う繊維量) 5 · 0 %を見込んで、 3. 3 k g/m3 x 1 . 0 5 = 3 . 4 6 5 k g/m3を管理目標値と し、 繊維噴射量は砂質土 1バッチ吐出される毎に、 繊維供給装置 1の測定装置により計量 する。
なお、 図: 1 4に示すように、 繊維の管理は上限値、 管理目標値、 下限値を定めて、 グラフ画面を表示器 4 6に表示させることもできる。
砂質土の吐出量に繊維の供給量が見合わない場合は、 P L C 4 5の出力指令で、 駆 動モー夕 (A Cサ一ボモ一夕) 4 8を制御することで、 フィード口一ラ 4 7の回転速度を 変更し、 これで調整する。 なお、 これに加えてまたはこれに代えて、 高圧ポンプ 4を介 しての水量(水圧) でェジェクタ一 7の部分での繊維の吐出量を調節することもできる。
その際、 ロー夕リーエンコーダー 4 4での計測を繊維速度として表示器 4 6に表示 させ、 この値をもとにフィードローラ 4 7の回転速度を制御できる。
なお、 繊維 2はフィードローラ 4 7から繰り出されてェジヱクタ一 7方向に張られ 、 その状態で安全スィヅチ 4 3が繊維 2に接触して張力を検知している。 そして、 繰り出 し状態が悪く繊維 2にたるみが出た場合や繊維 2が切断した場合には張力が無くなるので 、 安全スィヅチ 4 3がこれを!^口し、 リレーを介してフィードローラ 4 7の回転を停止す る。
以上説明したような小型機による手動施工の他、 施工場所に大型機が導入できる場 合であって施工範囲が広範囲にわたる:^には、 大型機による施工を行うことができる。 また、 砂質土の噴射ノズルと繊維の噴射ノズルを互いに独立して操作するのではな 供 給する繊維を砂質土の噴射ノズルに合流させても良いし、 砂質土の噴射ノズルに対して繊 維の噴射ノズルを固定するようにしても良い。
図 1 5、 図 1 6は本発明の他の実施形態を示すもので、 糸巻き 1 9からの繊維の繰 り出し量を計測するロータリ一エンコーダー 4 4に代えて、 糸巻き 1 9からの繊維の繰り 出し量又は糸巻き 1 9の繊維の残量を嫩ロする!^ Π器として口一ドセル 3 4を使用するも のである。
図 1 5に示すように、 本実施例は前記第 1 例のごとく、 砂質土を供給する手段 として砂質土の供給装置 8と、 繊維を供給する手段として繊維供給装置 1によって構成さ れており、 前記第 1雄例と同一の構成要素については、 同一の符号を付す。 なお、 図 1 5において、 1 4は砂山、 3 1は補強土を造成する法面であり、 1 Ίは発電機 1 6の分電 盤、 1 8は糸の供給装置 1から繰り出される糸の量を計測する計量装置である繊維管理装 置を示す。
繊維供給装置 1は、 複数 (図示の例では 4個) の糸卷 1 9からの繊維 2を絡ませて 送り出す 1本のガイドステー 2 0を有する可搬式のボビンケース 2 1を 1台単位とし、 こ れを複数台(図示の例では 4台) 単独で配設した。
また、 前記第 1実施形態と同じく、 図 2〜図 4に示すように、 連続する繊維 2の糸 巻き 1 9を格納する繊維供給装置 1と繊維 2を高圧水を利用して噴射ノズル 6から噴射す るェジェク夕一 7との間に、 繊維 2を相互間で挟むことで強制的に送り出すフィ一ドロ一 ラ 4 7を設けた。 なお、 このフィードローラ 4 7は鍵 3第 1 ¾形態のように繊維 2を卷 回して送るものでもよく、 前記第 1 形態同様、 繊維の張力がなくなつた場合に運転を 停止する安全スイッチ 4 3を備える。
再び図 1 5に示すように、 前記ボビンケース 2 1は、 ベース 2 1 aに支持枠 2 1 b を組み合わせるもので、 支持枠は、 上部を円弧状に湾曲させた 4本の枠体の下部を前記べ —スの 4隅から立ち上げケース全体を鳥籠状に形成し、 カバーで覆う。
かかるケース内の底部にロードセル 3 4 (図 1 6において示す) を下部ピン固定し 、 上部ピンを介して上部にクロス状のノ一で構成する計量架台を取り付け、 この計量架台 のノーの上に下部ボビン受け台と上部ボビン受け台とを合計 4個方形に配置させて設ける
以上のように構成する繊維供給装置 1の各ボビンケース 21に設置の口一ドセル 3 4を繊維計量装置 18に接続する。
図 16に示すように、 後述の P LC45を備える繊維計量装置 18は各繊維供給装 置 1毎の繊維重量表示器 36と繊維重量累計表示器 37と石少質土ノ'ヅチカウン夕一 38を 設けている。 また、 図 17に示すようにロードセル 34の出力は繊維計量装置 18の制御 装置としての PL C45に導入するとともに、 砂質土の計量器 11からの計量出力、 およ ひ前記安全スイッチ 43からの出力も PLC45に導入する。
PL C 45の出力は前記第 1実施例同様、 フィードローラ 47の駆動モ一夕 (AC サーボモ一夕) 48に導入する。
次に動作について主に図 15を参照して説明する。 法面 31などの施工現場に 4個 のボビンケース 21を搬入し、 適宜場所に移設する。繊維供給装置 1の各ボビンケース 2 1では、 4個の糸巻き 19から繰り出された連 繊維としての繊維 2は、 4本が 1本に撚 られ、 繰り出し口 35、 ガイドステー 20から出て、 ェジェクタ一 7の繊維ガイド 24を 介して噴射ノズル 6に揷通される。
ロードセル 34 (図 16、 図 17)はボビンケース 21の荷重を検出し、 その出力 は: PLC45に導入される。 ここで、 編 3繊維供給装置 1から繊維 2が繰り出すと糸巻き の荷重が減少するので、 ロードセル 34で検出される荷重の値の変ィ匕が繊維 2の供給量と して、 PLC45において計測されて、 表示器 46にはその量が表示される。 この表示は ^m (ボビンケース毎)および合計数値として表示され、 また、 砂質土の吐出量はバ ツチ数として砂、質土バッチ Λゥン夕一に表示される。
このようにして繊維の設計混入量 3. 3kg/m3を確保するため、 繊維供給装置 1 (スレッドフィーダ一) からの噴射量は、 ロス率 (補強土表面を覆う繊維量) 5. 0%を 見込んで、 3. 3kg/m3x 1. 05 = 3. 465 k g/m3を管理目標値とし、 繊維 噴射量は砂質土 1バッチ吐出される毎に、 繊維供給装置 1の測定装置により計量する。
砂質土の吐出量に繊維の供給量が見合わない場合は、 P L C 4 5の出力指令で、 駆 動モ一夕 (A Cサーボモー夕) 4 8を制御することで、 フィードローラ 4 7の回転速度を 変更し、 これで調整する。 なお、 これに加えてまたはこれに代えて、 高圧ポンプ 4 (図 1 5 ) を介しての水量 (水圧)でェジェクタ一 7の部分での繊維の吐出量を調節することも できる。
その際、 口一夕リーエンコーダ一 4 4での計測を繊維速度として表示器 4 6に表示 させ、 この値をもとにフィードローラ 4 7の回転速度を制御できる。
そして、 繰り出し状態が悪く繊維 2にたるみが出た場合や繊維 2が切断した場合に は前記第 1実施例同様、 安全スイッチ 4 3 (図 2、 図 5 ) がこれを^ Πし、 リレーを介し てフィードローラ 4 7の回転を停止する。 産業上の利用可能性
以上述べたように、 本発明の繊維補強土工法用装置は、 繊維供給装置と噴射ノズル間 が長い距離でも繊維のからまりを防止し、 風等の影響で施工に支障をきたさないようにし て、 確実かつ効率良く施工ができ、 また、 繊維の供給管理を行うことにより砂質土に対し て適量の繊維を供給し、 砂質土と繊維を充分に絡みあわすことにより、 造成する繊維補強 土の強度を確保することができる。