WO2005095947A1 - 環境差異検出装置 - Google Patents

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Noritaka Nakaso
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Abstract

この発明の目的は、構成が簡易で故障し難く、製造コストが安く、しかも所望の環境差異を早く高精度に測定することが出来る環境差異検出装置を提供することである。 この発明の環境差異検出装置は:円環状の弾性表面波周回経路(12a)を有した表面を含む基体(12)と、周回経路に弾性表面波を励起し周回された弾性表面波を受信する弾性表面波励起/受信ユニット(14)と、周回経路に設けられ隣接する環境の変化に応じて弾性的性質を変化させる感応膜(16)と、を備えた弾性表面波素子(18)と;周回した弾性表面波を受信した上記ユニット(14)により発生された電気信号から弾性表面波の周回速度及び弾性表面波の強度を測定する速度・強度測定ユニット(22)と;そして、上記ユニット(22)により測定された周回速度及び強度の少なくともいずれか一方から感応膜に隣接した環境を評価する環境評価ユニット(24)と;を備えている。

Description

環境差異検出装置
技術分野
[0001] この発明は、環境の差異を検出する環境差異検出装置に関する。
背景技術
[0002] 従来、環境の差異を検出する種々の環境差異検出装置が知られて 、る。
[0003] 例えば、大気中や気相化学プロセス等における環境の差異である種々のガス成分 の差異を検出するためには、環境差異検出装置として接触燃焼式センサ,半導体式 センサ,弾性表面波センサ等、様々なガスセンサが従来用いられている。従来の弹 性表面波センサは、平面形状弾性表面波素子を使用しており、一般的には高感度 であると言われている。
[0004] この従来の弾性表面波センサにお 、て使用されて 、る平面形状弾性表面波素子 は、例えば、水晶,ニオブ酸リチウム (LiNbO ) ,タンタル酸リチウム (LiTaO )等の
3 3 圧電結晶により形成されている基板、またはシリコン基板やガラス基板上に酸化膜を 形成し、さらに酸化亜鉛ゃ窒化アルミニウムなどの圧電薄膜等を形成した多層構造 の基板を備えている。
[0005] 基板の表面の相互に所定距離離間した 2つの位置には、弾性表面波励起ユニット 及び弾性表面波受信ユニットとして機能する 2つのすだれ状電極が配置されている。 2つのすだれ状電極の夫々は例えばアルミニウムや金といった良導電性金属により 形成されている。弾性表面波励起ユニットとしてのすだれ状電極は、高周波発生ュ ニットから供給された高周波信号を圧電変換して基板の表面に弾性表面波を励起し て伝搬させる。そして、弾性表面波受信ユニットとしてのすだれ状電極は、弾性表面 波励起ユニットとしてのすだれ状電極により基板の表面に励起され伝搬された弾性 表面波を圧電変換で再び高周波信号に変換し、検出'出力ユニットに供給する。
[0006] 上記基板の表面にはさらに、 2つのすだれ状電極の間に特定の原子や分子に反応 する感応膜が設けられている。この反応には、例えば特定の原子や分子の吸着又は 吸蔵や特定の原子や分子に対する発熱等が含まれる。感応膜は、感応膜が特定の 原子や分子に対し反応した程度に応じて、 2つのすだれ状電極の間を伝搬する弾性 表面波の伝搬速度や減衰係数や分散状況等の物理的特性を変化させる。従って、 上述したような物理的特性を測定することによって、感応膜が特定の原子や分子に 対して反応した程度、ひいては感応膜に隣接した環境中の特定の原子や分子の濃 度、を評価することができる。
[0007] 上述した如く構成されている従来の平面形状弾性表面波素子においては、基板の 表面を伝搬する間に弾性表面波がその進行方向に対し交差する方向に拡散し、ま た基板の大きさにも限りがあるので、 2つのすだれ状電極の間に設定することが出来 る弾性表面波伝搬距離は 10mm程度以下である。そして、このように短い弾性表面 波伝搬距離しか設定することができない従来の平面形状弾性表面波素子を使用し て環境の差異を検出しょうとする場合には、基板の表面において 2つのすだれ状電 極の間に設ける感応膜の厚さを例えば lOOnm以上といったある程度以上の大きさに する必要があった。し力しながら、感応膜の厚さが厚くなると、従来の平面形状弾性 表面波素子を使用した環境差異検出装置における環境差異検出速度が遅くなつた り、感応膜が破損し易くなる。
[0008] この発明は上記事情の下で為され、この発明の目的は、構成が簡易で故障し難ぐ 製造コストが安ぐしかも所望の環境差異を早く高精度に測定することが出来る環境 差異検出装置を提供することである。
発明の開示
[0009] 上述したこの発明の目的を達成する為に、この発明に従った環境差異検出装置は 弾性表面波が周回する少なくとも円環状の周回経路を有した表面を含む基体と、 周回経路に弾性表面波を励起するとともに周回経路に励起され周回された弾性表 面波を受信する弾性表面波励起 Z受信ユニットと、周回経路の少なくとも一部分に 設けられ隣接する環境の変化に応じて弾性的性質を変化させる感応膜と、を備えた 弾性表面波素子と;
上記周回経路を周回した弾性表面波を受信した弾性表面波励起 Z受信ユニットに よって発生された電気信号から、弾性表面波の周回速度及び弾性表面波の強度を 測定する速度 ·強度測定ユニットと;
速度,強度測定ユニットにより測定された周回速度及び強度の少なくともいずれか 一方から感応膜に隣接した環境を評価する環境評価ユニットと;
を備えて 、ることを特徴として 、る。
[0010] 上述した如く構成されたこの発明に従った環境差異検出装置は:弾性表面波が周 回する少なくとも円環状の周回経路を有した表面を含む基体と、周回経路に弾性表 面波を励起するとともに周回経路に励起され周回された弾性表面波を受信する弾性 表面波励起 Z受信ユニットと、周回経路の少なくとも一部分に設けられ隣接する環境 の変化に応じて弾性的性質を変化させる感応膜と、を備えた弾性表面波素子を使用 している。従って、弾性表面波励起 Z受信ユニットにより励起された弾性表面波に基 体の表面の周回経路を繰り返し周回させることにより弾性表面波の伝搬距離を、従 来の平板形状弾性表面波素子を使用した場合に比べ、遥かに長く設定することが出 来る。この結果、周回経路の少なくとも一部分に設けられる感応膜の厚さを薄くしても 、所望の環境差異を早く高精度に測定することが出来るとともに、しかも構成が簡易 で故障し難い。
[0011] 近年では無公害燃料としての水素の利用を促進する種々の試みが為されている。
その為には、例えば燃料電池の水素漏れや利用する水素の濃度を出来る限り短時 間で且つ高精度で検出することができる水素センサが求められている。そして、本願 の発明者等は、水素ガスをパラジウム薄膜の水素吸収や吸着現象を用いて検出する 際に、水素吸収過程と放出過程、あるいは水素濃度範囲の変化に伴い、弾性表面 波の伝搬特性が、弾性表面波の伝搬速度において、及び信号強度の変化への応答 の仕方において、異なることを発見した。そして、弾性表面波が周回する少なくとも円 環状の周回経路を有した表面を含む弾性表面波素子を水素センサに利用すること で、より性能の良い水素センサが出来ることを発見した。
図面の簡単な説明
[0012] [図 1]図 1は、この発明の一実施の形態に従った環境差異検出装置の全体の構成を 概略的に示す図である。
[図 2]図 2は、この発明の一実施の形態に従った環境差異検出装置の弾性表面波素 子の変形例の構成を概略的に示す図である。
[図 3A]図 3Aは、図 1の環境差異検出装置の弾性表面波素子の基体を水晶により直 径 10mmに形成するとともに基体の円環状の周回経路上に水素に対する感応膜を パラジウムにより周回経路 12aの延出方向に約 6mmの長さで蒸着により 20nmの厚 さに形成し、アルゴンガス 100%の室温の環境中で、弾性表面波励起 Z受信ュ-ッ トを介して 45MHzの高周波信号を周回経路に適用し弾性表面波を励起し伝搬させ た後に、弾性表面波励起 Z受信ユニットを介して受信した 1周回毎の弾性表面波に 対応した高周波信号を時間の経過に伴ない表示する図である。
[図 3B]図 3Bは、アルゴンガス 100 %の室温の環境中で上述した如く直径 1 Ommの 水晶の基体の周回経路上を弾性表面波に周回させた間に 51周回目(400 sec前 後)の弾性表面波に対応した高周波信号を太 ヽ実線で、アルゴンガス中に 3%の水 素ガスをカ卩えた室温の環境中で上述した如く直径 10mmの水晶の基体 12aの周回 経路 12a上を弾性表面波 SAWに周回させた間に 51周回目(400 sec前後)の弹 性表面波 SAWに対応した高周波信号を細 ヽ実線で、示して 、る。
[図 4A]図 4Aは、図 3Bの実験においてさらに、アルゴンガス中に加える水素ガスの濃 度を 0. 13%から 3%まで徐々に上昇させた場合の、弾性表面波の到達時間(周回 速度,遅延時間,及び位相に対応している)の変化の実験結果を示している。
[図 4B]図 4Bは、図 3Bの実験においてさらに、アルゴンガス中に加える水素ガスの濃 度を 0. 13%から 3%まで徐々に上昇させた場合の、弾性表面波の強度の変化の実 験結果を示している。
[図 5]図 5は、特定の周波数成分についての位相(周回速度に対応している)の測定 について基準信号との干渉を用いる信号処理方法に使用される電気回路を概略的 に示す図である。
[図 6A]図 6Aは、図 4Aに示されて ヽた実験結果を得た実験と同じ条件で行なわれた 実験の結果を別の尺度で示して ヽる。
[図 6B]図 6Bは、図 4Bに示されて 、た実験結果を得た実験と同じ条件で行なわれた 実験の結果を別の尺度で示して ヽる。
[図 7A]図 7Aは、 1. 2%と 1. 8%との間の水素濃度域において、水素濃度が上昇す る際と低下する際の弾性表面波に対応した電気信号の位相の変化を示している。
[図 7B]図 7Bは、 1. 2%と 1. 8%との間の水素濃度域において、水素濃度が上昇す る際と低下する際の弾性表面波に対応した電気信号の強度の変化を示している。
[図 8]この発明の実施の形態に従った環境差異検出装置における自己診断及び水 素濃度測定のアルゴリズムを示す。
圆 9]この発明の実施の形態に従った環境差異検出装置における、水素濃度が上昇 する場合と低下する場合の、弾性表面波の位相と強度による水素濃度測定値のい ずれかを選択する方法を工夫する事により高精度の水素濃度測定を可能にするァ ルゴリズムの例を示す。
[図 10A]図 10Aは、この発明の実施の形態に従った環境差異検出装置の具体例に おいて使用する水素濃度測定用及び温度校正用の 2つの弾性表面波素子を^ aみ 込んだ弾性表面波素子ユニットの為の製造方法の第 1の工程を断面において示す 図である。
圆 10B]図 10Bは、この発明の実施の形態に従った環境差異検出装置の具体例に おいて使用する水素濃度測定用及び温度校正用の 2つの弾性表面波素子を^ aみ 込んだ弾性表面波素子ユニットの為の製造方法の第 2の工程を断面において示す 図である。
圆 10C]図 10Cは、この発明の実施の形態に従った環境差異検出装置の具体例に おいて使用する水素濃度測定用及び温度校正用の 2つの弾性表面波素子を^ aみ 込んだ弾性表面波素子ユニットの為の製造方法の第 3の工程を断面において示す 図である。
圆 10D]図 10Dは、この発明の実施の形態に従った環境差異検出装置の具体例に おいて使用する水素濃度測定用及び温度校正用の 2つの弾性表面波素子を^ aみ 込んだ弾性表面波素子ユニットの為の製造方法の第 4の工程を断面において示す 図である。
[図 11]図 10A乃至図 10Dに示されている第 1乃至第 4の工程に従って製造されたこ の発明の実施の形態の具体例に従った環境差異検出装置において使用する水素 濃度測定用及び温度校正用の 2つの弾性表面波素子を^ aみ込んだ弾性表面波素 子ユニットの概略的な断面図である。
発明を実施するための最良の形態
[0013] 先ず最初に、図 1を参照しながら、この発明の一実施の形態に従った環境差異検 出装置 10について説明する。図 1は、この発明の一実施の形態に従った環境差異 検出装置 10の全体の構成を概略的に示している。
[0014] 環境差異検出装置 10は、弾性表面波 SAWが周回する少なくとも円環状の周回経 路 12aを有した表面を含む基体 12と、周回経路 12aに弾性表面波 SAWを励起する とともに周回経路 12aに励起され周回された弾性表面波 SAWを受信する弾性表面 波励起 Z受信ユニット 14と、周回経路 12aの少なくとも一部分に設けられ隣接する環 境の変化に応じて弾性的性質を変化させる感応膜 16と、を備えた弾性表面波素子 1 8を使用している。
[0015] なおここで、弾性表面波とは、基体の表面に沿 、エネルギーを集中して伝搬する弹 性波の全般を含む。例えば擬セザヮ波のように多少エネルギーを基体に漏洩しなが ら伝搬するものや、 SH波、また表面に設けられた膜を伝搬可能なラブ波、あるいは 回廊波等を含む。
[0016] 基材 12は、その表面に弾性表面波 SAWを励起され伝搬されることが可能な材料 のみによって作成することが可能であり、また、弾性表面波 SAWが励起されず伝搬 することもできない材料の表面を弾性表面波 SAWが励起されることが可能であり伝 搬されることが可能である材料の膜により覆うことによつても作成することが可能であ る。
[0017] 基材 12の為の、その表面に弾性表面波 SAWを励起され伝搬されることが可能な 材料としては、水晶やニオブ酸リチウム(LiNbO )やタンタル酸リチウム(LiTaO
3
)などの単結晶が知られており、しかもこれらの材料の表面には結晶軸の回りに所定
3
の周回経路 12aが設定できることが知られている。より詳細には、これらの材料を球 形状に加工して地球と仮想し、さらにその結晶軸を地球の地軸と仮想した場合に、球 形状の表面の赤道に相当する線に沿い周回経路 12aが設定できる。
[0018] 基材 12を弾性特性の均質な例えばガラスのような弾性表面波 SAWが励起されず 伝搬することもできな ヽ材料により作成し、その表面を弾性表面波 SAWが励起され ることが可能な圧電性材料の膜により覆った場合には、上記表面の最大円周線を含 む所望の方向に沿う円環状の領域を周回経路として弾性表面波 SAWを励起させ伝 搬させることが出来る。このことは、このようにして構成された 1つの基材 12の表面上 に、所望の数の周回経路を設定可能なことを意味している。
[0019] 弾性表面波 SAWを励起可能であり伝搬可能である表面を有した球形状の基体の 表面に所定の条件で弾性表面波 SAWを励起させることにより所定の周回経路に沿 い弾性表面波 SAWを繰り返し周回させることが出来ることは、本願の発明者の一人 である山中等により 2000年に発表された文献(K. Yamanaka, H. Cho and Y.
Tsukahara; Technical Report of Institute of mectronics, Inrormation and
Communication Engineers ; US2000-14 (2000) 49.)から既に知られている。この文献 によれば、上記所定の条件とは、周回経路に励起される時の弾性表面波 SAWの、 周回経路に沿い伝搬経路に対し直交する方向における寸法 (即ち、幅)や周波数を 、周回経路の直径に関連して適切に選択することである。そして、直径 10mmの水晶 球の所定の周回経路に所定の条件で弾性表面波 SAWを励起させた時には、周回 経路に沿った弾性表面波 SAWの周回数は 300周から 500周に及ぶことが分力つて いる。これは、直径 lmmの基体を使用した球状弾性表面弾性波素子を用いたとして も、 300周回で 900mmにも及ぶ伝搬距離を確保することが出来ることを意味してい る。この場合には、前述した従来の平面形状弾性表面波素子が lmm乃至 10mm程 度の弾性表面波伝搬距離し力確保することが出来ないのに比べれば、伝搬距離が 1 桁乃至 2桁程度長ぐ伝搬時間の計測において 1桁乃至 2桁程度分解能を向上 (即 ち、感度を向上)させることが出来る。
[0020] この実施の形態においては、基体 12の表面の全体が球形状をしている力 上記表 、て弾性表面波 SAWが周回する少なくとも円環状の周回経路 12aを除 ヽた 部分 (即ち、弾性表面波 SAWが周回しない部分)は、いかなる形状に加工されてい ても良い。そして、上記部分を介して基体 12は図示しない台座に支持されている。
[0021] 弾性表面波励起 Z受信ユニット 14は、例えばすだれ状電極を含んでおり、基体 12 の表面の円環状の周回経路 12aに弾性表面波 SAWを励起するための高周波信号 源 20にサーキユレータ 21を介して接続されている。 [0022] 弾性表面波励起 Z受信ユニット 14はさらに、周回経路 12aを周回した弾性表面波 SAWを受信した弾性表面波励起 Z受信ユニット 14によって発生された電気信号か ら、弾性表面波 SAWの周回速度及び強度を測定する速度,強度測定ユニット 22に 接続されている。この実施の形態では、速度'強度測定ユニット 22は、サーキユレ一 タ 21に接続されて!、るオシロスコープを含んで!/、る。ここにお!/、て周回速度の変化は 、周回経路 12aを周回した弾性表面波 SAWを受信した弾性表面波励起 Z受信ュ- ット 14によって発生された電気信号をオシロスコープで見た時の位相のずれの程度( 遅延時間)の変化により知ることが出来る。
[0023] 速度,強度測定ユニット 22はさらに、速度,強度測定ユニット 22により測定された弹 性表面波 SAWの周回速度及び強度の少なくともいずれか一方、好ましくは両方、か ら感応膜 12aに隣接した環境を評価する環境評価ユニット 24に接続されている。
[0024] なお、弾性表面波励起 Z受信ユニット 14は、基体 12の表面の周回経路 12a上に 直接設けられていることが出来るし、周回経路 12aに対し所定の隙間を介して対向す るよう配置されていることが出来る。そして、弾性表面波励起 Z受信ユニット 14が周 回経路 12a上に直接設けられる場合には、周回経路 12aを周回する弾性表面波 SA Wが弾性表面波励起 Z受信ユニット 14を通過する際に伝搬状況に出来る限り影響 を与えないようにする為に、弾性表面波励起 Z受信ユニット 14は例えば金やアルミ -ゥムといった出来る限り小さな質量と成り得る材料により出来る限り薄く形成されて 、ることが好まし!/、。
[0025] さらに、弾性表面波励起 Z受信ユニット 14は、対応する 1つの周回経路 12aに対し 励起専用部分と受信専用部分とを有していることが出来る。このようにした場合、弾性 表面波励起 Z受信ユニット 14が兼用の構造の場合に比べると、励起専用部分を駆 動する為の電気回路と受信専用部分により駆動される為の電気回路とを相互に独立 して構成することが出来、弾性表面波励起 Z受信ユニット 14の為の全ての電気回路 の構成を簡素にすることが出来る。
[0026] また、感応膜 16がそれに隣接する環境の変化に応じて変化するとは、特定の原子 や分子の吸着や吸蔵や化学反応を含む。
[0027] なお、本発明にお 、ては、被測定環境に対する環境評価がリアルタイムで行われ なくとも良い。即ち、被測定環境に環境差異検出装置 10、特に弾性表面波素子 18、 を置き弾性表面波素子 18の感応膜 16に被測定環境力もの作用を受けさせた後に、 被測定環境から環境差異検出装置 10、特に弾性表面波素子 18、を移動させ、次に 、このように移動させた後の弾性表面波素子 18から高周波信号源 20,サーキユレ一 タ 21,そして速度'強度測定ユニット 22を介して環境評価ユニット 24により上記被測 定環境の環境評価を行うことが出来る。
[0028] また、上述した弾性表面波 SAWの周回速度は、所定の周回数に要する所定の伝 搬時間に対する遅延時間や、所定の周回数における所定の周波数からの位相のず れ等により測定することが出来、また上述した弾性表面波 SAWの強度は周回に伴な う弾性表面波 SAWの強度の減衰率により測定することが出来る。
[0029] さらに、弾性表面波素子 18では、基体 12の表面の周回経路 12a上に弾性表面波 励起 Z受信ユニット 14により励起され伝搬される弾性表面波 SAWは前述したように 周回経路 12a上を繰り返し多数回周回することにより伝搬距離を、従来の平面形状 弾性表面波素子に比べ、 1桁乃至 2桁伸ばすことが出来て、伝搬時間の計測におい て 1桁乃至 2桁程度分解能を向上 (即ち、感度を向上)させることが出来る。これに伴 ない、感応膜 16の厚さを従来に比べて薄くしても、感応膜 16を介して評価する感応 膜 16に隣接する環境の変化の評価の精度は低下しないし、従来に比べて薄くなつ た感応膜 16の厚さは環境の変化の検出に要する速度 (即ち環境差異検出速度)を 早くし、感応膜が破損する可能性を無くす。
[0030] この発明に従った環境差異検出装置において使用されている弾性表面波素子、例 えば図 1中に示されて 、る環境差異検出装置 10にお 、て使用されて 、る弾性表面 波素子 18は、弾性表面波素子 18を感応膜 16を外部に露出させて収容する保護容 器 26を備えていることが出来る。弾性表面波素子 18を保護容器 26中に収容させる ことにより、弾性表面波素子 18を外力から保護することが容易になり、また市場に流 通させることが容易〖こなる。
[0031] そして、弾性表面波素子 18は、弾性表面波励起 Z受信ユニット 14を備えているが 感応膜 16が設けられる以前に保護容器 26に収容され、弾性表面波励起 Z受信ュ ニット 14により周回経路 12aに弾性表面波 SAWが励起され周回されることを確認し た後に保護容器 26の外部カゝら保護容器 26に収容されて ヽる基体 12の周回経路 12 aの少なくとも一部分に感応膜 16が設けられることが出来る。感応膜 16は蒸着法によ り形成することが出来れば、形成が容易になるので好ま ヽ。
[0032] この発明に従った環境差異検出装置において使用されている弾性表面波素子は、 より精密に考えると、環境の一種である温度の変化によっても、弾性表面波 SAWの 周回速度や強度に僅かに変化が生じる。これは、温度の影響により基体の材料ゃ感 応膜の材料の物理的特性が僅かに変化したり円環形状の周回経路の直径が僅かに 変化するからである。このため、温度以外の環境の差異をこの発明に従った環境差 異検出装置により検出する場合には、上述したような温度の変化による影響を考慮し なければならない。
[0033] 温度による影響を考慮するには、この発明に従った環境差異検出装置において 2 つの同じ弾性表面波素子を使用するか、又は 1つの弾性表面波素子の基体の表面 上に少なくとも 2つの周回経路を設けるとともに少なくとも 2つの周回経路の夫々に弹 性表面波励起 Z受信ユニットを設ける。
[0034] そして、 2つの同じ弾性表面波素子を使用する前者の場合には、一方の弾性表面 波素子のみを差異を検出した!/、環境の中に置き、他方の弾性表面波素子は差異を 検出したい環境力 温度のみを除き遮蔽されているが上記環境の温度のみを周回 経路に正確に伝達されるようにする。そして、他方の弾性表面波素子において上記 環境の温度の変化の影響のみの下で測定された弾性表面波の周回速度や強度の 変化を、一方の弾性表面波素子において上記環境の温度の変化のみならず他の所 望の環境の変化の影響の下で測定された弾性表面波の周回速度や強度の変化に 反映させる。
[0035] 1つの弾性表面波素子の基体の表面上に少なくとも 2つの周回経路を設けるととも に少なくとも 2つの周回経路の夫々に弾性表面波励起 Z受信ユニットを設ける後者 の場合には、一つの周回経路のみ差異を検出したい環境の中に置き、他の 1つの周 回経路は差異を検出した 、環境からは温度のみを除き遮蔽されて 、るが上記環境 の温度のみは周回経路に正確に伝達されるようにする。そして、他の 1つの周回経路 において上記環境の温度の変化の影響のみの下で測定された弾性表面波の周回 速度や強度の変化を、一方の弾性表面波素子において上記環境の温度の変化の みならず他の所望の環境の変化の影響の下で測定された弾性表面波の周回速度や 強度の変化に反映させる。
[0036] 上記後者の場合に使用される 1つの弾性表面波素子の変形例が図 2中に概略的 に示されている。この変形例の弾性表面波素子 18"において、図 1に示されている弹 性表面波素子 18の種々の構成要素と同じ構成要素には、図 1の弾性表面波素子 1 8において対応する構成要素を指摘していた参照符号と同じ参照符号を付して詳細 な説明は省略する。
[0037] さらに、この発明に従った環境差異検出装置では、弾性表面波素子の表面の周回 経路を伝搬する弾性表面波の周回速度及び強度の一方のみを測定することにより 周回経路に隣接した所望の環境の変化を評価することができる。或いは、弾性表面 波素子の表面の周回経路を伝搬する弾性表面波の周回速度及び強度の両方を測 定し、夫々の測定結果を基に評価された同じ環境の変化が同一であるかどうかを比 較することにより、環境の変化の測定結果の正確さをより高めることが出来る。
[0038] 感応膜 16は、特定の気体と接触することにより、周回経路 laを伝搬する弾性表面 波 SAWの伝搬特性に変化を及ぼすものであることが出来る。この場合、感応膜 16は 、例えば、特定の気体を表面に吸着させ、吸着された特定の気体の質量力 Sもたらす 効果により、周回経路 12aを伝搬する弾性表面波の伝搬速度を遅くしたり強度を減 衰させても良い。
[0039] 感応膜 16は、特定の気体に対してのみ反応を起こし、なおかつ、可逆反応を起こ す材料であることが望まし 、。
[0040] こういった感応膜としては、例えば、水素を収蔵して水素合金化して機械的強度が 変化するパラジウムや、アンモニアに対する吸着性が高いプラチナや、水素化合物 を吸着する酸化タングステンや、一酸化炭素,二酸化炭素,二酸化硫黄,二酸化窒 素等を選択的に吸着するフタロシアニン(Phthalocyanine)等が知られて!/、る。
[0041] 図 3A及び図 3Bには、図 1中に示されている環境差異検出装置 10を以下の条件で 作成し実験した時の実験結果を示して!/ヽる。
[0042] 即ち、基体 12を水晶により直径 10mmに形成し、基体 12の円環状の周回経路 12 aに対応して弾性表面波励起 Z受信ユニット 14を設けた後に、感応膜 16をパラジゥ ムにより基体 12の円環状の周回経路 12a上に周回経路 12aの延出方向に約 6mm の長さで蒸着により 20nmの厚さに形成した。
[0043] パラジウムは選択的に水素のみを吸収し、水素合金を形成するので、非常に選択 性の良い水素センサとなる。
[0044] 図 3Aは、アルゴンガス 100%の室温の環境中で、弾性表面波励起 Z受信ユニット 14を介して 45MHzの RFバースト信号を周回経路 12aに適用し弾性表面波 SAWを 励起し伝搬させた後に、弾性表面波励起 Z受信ユニット 14を介して受信した 1周回 毎の弾性表面波 SAWに対応した高周波信号を時間の経過に伴ない表示してある。 ここで、直径 10mmの水晶の基体 12aの周回経路 12aを 1周するのに要した弾性表 面波 SAWの周回時間は約 10 μ secである。
[0045] 図 3Bは、アルゴンガス 100%の室温の環境中で上述した如く直径 10mmの水晶の 基体 12aの周回経路 12a上を弾性表面波 SAWに周回させた間に 51周回目(400 μ sec前後)の弾性表面波 SAWに対応した高周波信号を太い実線で、アルゴンガス 中に 3%の水素ガスを加えた室温の環境中で上述した如く直径 10mmの水晶の基 体 12aの周回経路 12a上を弾性表面波 SAWに周回させた間に 51周回目(400 s ec前後)の弾性表面波 SAWに対応した高周波信号を細 ヽ実線で、示して 、る。
[0046] パラジウムは水素を吸収して水素吸蔵合金を形成することにより機械的に硬くなる ので、弾性表面波 SAWの伝搬速度は速くなり、アルゴンガス 100%の環境中で 51 周目に測定された弾性表面波 SAWの遅延時間 (位相のずれ)に対する、アルゴンガ ス中に 3%の水素ガスをカ卩えた環境中で 51周目に測定された弾性表面波 SAWの遅 延時間(位相のずれ)の減少は約 3nsec (約 7ppm)であった。
[0047] 図 3Bの実験においてさらに、アルゴンガス中に加える水素ガスの濃度を 0. 13%か ら 3%まで徐々に上昇させた場合の、上述した如く直径 10mmの水晶の基体 12aの 周回経路 12a上を弾性表面波 SAWに周回させた間に 51周回目(400 sec前後) の弾性表面波 SAWの周回速度の変化を示す遅延時間 (位相のずれ)の変化が図 4 Aに示されている。
[0048] また、図 3Bの実験においてさらに、アルゴンガス中にカ卩える水素ガスの濃度を 0. 1 3%から 3%まで徐々に上昇させた場合の、上述した如く直径 10mmの水晶の基体 1 2aの周回経路 12a上を弾性表面波 SAWに周回させた間に 51周回目(400 sec前 後)の弾性表面波 SAWに対応した電気信号の強度の変化が図 4Bに示されている。
[0049] 図 4A及び図 4Bに示されている実験結果からは、水素濃度が 1. 2%より低い場合 と水素濃度が 1. 8%より高い場合とでは、変化 (到達速度のずれ,遅延時間のずれ, 位相のずれに対応している)と強度 (減衰)への反映のし方が不連続に違うことが明ら 力になった。これは、水素濃度が 1. 2%より低い場合にはパラジウムの感応層 16に アルファ一相だけの領域が存在し、水素濃度が 1. 2%以上になるとパラジウムの感 応層 16がアルファ相力もベータ相へと相転移し始めるからである。
[0050] そして、水素濃度が 1. 8%より高い場合には強度は殆ど変化せず、この場合には 強度のみからは水素の変化を余り正確に評価することが出来ないことが分力つた。
[0051] なお、所定の周回時における弾性表面波 SAWの周回速度や強度は、弾性表面波 素子 10に隣接した環境の温度や水素濃度以外に、弾性表面波励起 Z受信ユニット 14の状態や周回経路 12a上への水素ガス以外の例えば空中の高分子の付着により 影響をうける。従って、このようなものの悪影響が及ぼす雑音成分が大きくて所定の 周回時における弾性表面波 SAWの周回速度や強度を正確に測定することが出来 ない場合には、校正用の素子や経路を必要とする。
[0052] また、上述した強度をフーリエ変換等を利用したデジタル化と解析により測定すれ ばより正確な周回速度及び強度測定が可能になる。このフーリエ変換を用いた弾性 表面波周回速度及び強度測定方法では、図 1の速度 ·強度測定ユニット 22において 使用されているオシロスコープとしてデジタルオシロスコープを使用する力 あるいは デジタイザ一を用いて、周回する弾性表面波 SAWに対応した電気信号の時間変化 をデータ化する。そして、例えば 45MHzの 1周目の信号を周波数分析し、その位相 と強度をフーリエ変換 (実際には FFT処理)により求める事が出来る。この場合には、 特定の周波数成分に雑音が混じっていたとしても、上記特定の周波数成分はそれま での周波数成分の全体の積分操作により求められるので、上記特定の周波数成分 についての位相と強度を厳密に求める事が出来る。
[0053] あるいは、時間'周波数分解能の優れた Gabor関数を mother waveletとして用い る wavelet変換を適用し、上記特定の周波数成分についての位相と強度をより厳密 に求めることが出来る。例えば前記 51周目の電気信号のような特定の周波数成分の 波形について wavelet変換の実部を最大とする時刻を求め、これを遅延時間とする 。ここで遅延時間と位相は、周回経路上を伝搬する弾性表面波の周回速度を物理的 に等しく表すので、何れを用いても良い。そして、例えば前記 51周目の電気信号の ような特定の周波数成分の波形について最大となる wavelet変換の実部が、上記特 定の周波数成分の波形にっ 、ての強度となる。
[0054] そして、実際に特定の周波数成分の電気信号を計測した時のサンプリング時間は 0. 5 nsだったが、 wavelet解析によれば 0. 025 nsの時間間隔で補完可能で、 0. 025 nsの分解能で電気信号の変化を観測する事が可能である。
[0055] このように、フーリエ変換や wavelet変換を使!、上記特定の周波数成分につ!、ての 位相と強度を求める手法は、この発明に従った環境差異検出装置の実際の電気回 路ゃ周囲から上記特定の周波数成分に対応する電気信号に入る雑音から受ける影 響が小さい。
[0056] さらに上記特定の周波数成分についての位相の測定については、基準信号との干 渉を用いる方法を採用しても良い。図 5に、この信号処理方法に使用される電気回路 が概略的に示されている。この電気回路は、固定した周波数を持つ高周波信号源 3 0と、この固定した周波数を僅かに変化させる変調回路を持つ周波数変換素子 32と 、を含んでいる。周波数変換素子 32において変調された後の高周波信号はゲート 回路 34で時間的に短い高周波バースト信号に切り取られた後にスィッチ 34を介して 弾性表面波素子 18の弾性表面波励起 Z受信ユニット 14に選択的に加えられ、弾性 表面波素子 18の基体 12の周回経路 12a上に弾性表面波 SAWが励起され伝搬さ れる。弾性表面波素子 18の基体 12の周回経路 12a上を弾性表面波 SAWが 1回周 回する度に出力される電気信号の中で所定の指定周回数の時の電気信号のみをス イッチ 36によって切り出し、上記所定の指定周回数の時の電気信号は周波数変換 素子 32からの参照用基準信号と干渉させられる。このように干渉された後の電気信 号は増幅器 38を介して強度計測ユニット 40に送られ、強度計測ユニット 40が強度 P の測定を行う。ここで測定される強度 Pは、周波数変換素子 32で変調する周波数量 Δ fを横軸にとった場合の振動を示し、例えばその振動強度 Pが最大になる周波数を 、上記所定の指定周回数の時の弾性表面波 SAWの周回速度を示すパラメーターと して採用する。
[0057] 弾性表面波素子 18に隣接した環境が変化し弾性表面波素子 18の基体 12の周回 経路 12a上の感応膜 16の物理的性質が変化したことにより、上記最大振動強度の 周波数が 3ppm大きく変化した場合には、周回経路 12aを周回している弾性表面波 SAWの周回速度は 3ppm早くなつたと近似的に言う事が出来、さらに遅延時間によ り周回速度の変化を表現する場合も周回に伴う遅延時間が 3ppm短くなつていると言 うことが出来る。位相により周回速度の変化を表現する場合は、弾性表面波 SAWの 周回開始から上記所定の指定周回数において弾性表面波 SAWに対応した電気信 号を観測するまでの総時間 Tを周回する弾性表面波 SAWの周期で割って 2 πラジ アンを掛けた値が、上記所定の指定周回数における弾性表面波 SAWに対応した電 気信号の位相に相当することは言うまでも無 、。
[0058] なお、ここにおいて上述した如くして所定の指定周回数における弾性表面波 SAW に対応した電気信号の強度及び位相を測定することは同時に可能であるし、また ヽ ずれか一方を先に、残りの他方を後に測定することも出来る。そして、このように時間 差をつけて強度及び位相を測定しても、実用上何等問題を生じない。
[0059] 図 6A及び図 6Bは、図 4A及び図 4Bに示されていた実験結果を得た実験と同じ条 件で行なわれた実験の結果を別の尺度で示している。この実験結果からは、水素濃 度が 1. 2%以下の領域では弾性表面波に対応した電気信号の位相は水素の存在 に反応しておらず位相からは水素の濃度を測定できていないことが分かる。しかしな がら、このような水素濃度が 1. 2%以下の領域においても、弾性表面波に対応した 電気信号の強度は水素の存在に反応しており、安定して 1. 2%以下の水素濃度の 測定が出来る事が判る。
[0060] しかしながら、図 4Bの実験結果力 も既に明らかになつていた力 図 6Bの実験結 果からも、水素濃度が 1. 8%以上の領域では弾性表面波に対応した電気信号の強 度は水素の存在に反応しておらず上記強度からは水素の濃度を測定できないことが 分かる。 [0061] よって、 1. 2%以下の低水素濃度域は、弾性表面波に対応した電気信号の強度( 周回に伴いパラジウム (Pd)感応膜による弾性表面波の減衰量が変化することに起 因する弾性表面波に対応した電気信号の強度の変化)を用いて測定し、 1. 8%以上 のような高水素濃度では弾性表面波に対応した電気信号の位相の変化を用いて水 素濃度を測定することでより正確でパラジウム (Pd)膜の上述した対水素反応の劣化 に影響されにくくなる。
[0062] また 1. 2%と 1. 8%との間の水素濃度域では、弾性表面波に対応した電気信号の 強度及び位相のいずれか一方又は両方の変化を用いて水素濃度を正確に測定し 評価することが出来る。
[0063] 更に、 1. 2%と 1. 8%との間の水素濃度域において、水素濃度が変化するときの 弾性表面波に対応した電気信号の位相と強度の変化の仕方を詳しく観察する。図 7 A中に模式的に示されているように、水素濃度が上昇する際には上記位相は当初は 早く低下するが、次第に変化率は小さくなり、完全に飽和するまでに時間が力かって いる。他方、図 7B中に模式的に示されているように、水素濃度が上昇する際には上 記強度は非常に急峻に低下し飽和状態に達する。これは弾性表面波に対応した電 気信号の位相と強度が水素濃度に対して異なるメカニズムで応答することからその反 応速度に違 、がでて 、るためと解釈できる。
[0064] 反面、水素濃度が低下する過程では、上記位相は急峻に 0%相当のレベルにまで 低下しており、上記強度は当所低下は緩やかで 0%濃度相当のレベルに近づくに従 つて急になるので、出力値が安定するまでに時間が力かっている。
[0065] 以上の実験結果から、水素濃度が上昇する過程にぉ 、ては、位相の値から評価し た水素濃度を値を選択し、水素濃度が低下する過程においては、強度の値から評価 した水素濃度の値を選択する事でより高速な水素濃度測定を可能にする。
[0066] 先の 1. 2%と 1. 8%の間にある、弾性表面波に対応した電気信号の強度と位相の 応答特性が変る水素濃度の値は常に同じではないが、その際にも適当なァルゴリズ ムに従い、位相と強度の情報を絶対濃度、あるいはその変化方向(濃度向上と低下 方向)に従って、位相と強度の測定結果を選択的あるいは重み付けを変えて出力す ることで、より正確で高性能な水素濃度の測定が可能である。 [0067] なお、パラジウム(Pd)による水素感応膜は、パラジウム(Pd)にニッケル (Ni)などの 他の物質を含んだ材料を使用することによつても形成可能であり、水素に対する反応 速度を早くしたり、ある 、は a相から j8相への相転移を起こりにくくする事ができること が知られている。
[0068] 以上説明した一連の自己診断及び水素濃度測定のアルゴリズムを図 8に示す。ま た、水素濃度が上昇する場合と低下する場合に、位相と強度による水素濃度測定値 を選択する方法を工夫する事により高精度の測定を可能にするアルゴリズムの例を 図 9に示す。
[0069] 実例 1 (周回する信号強度を利用して環境差異検出装置の健全性を評価する): 環境差異検出装置は、検出装置が周囲の環境と触れなければならず、設計段階で 考慮した環境下に設置されな 、場合がある。例えば使用者が誤って感応膜や配線 の劣化を速める環境下に設置した場合、感応膜や配線が劣化する。この種の劣化は 通常、抵抗値の増大を引き起こす。この様な変化が起こった場合、位相の値の変化 の割合よりも強度の値の変化の割合が大きぐこの種の劣化では、強度は低下する。 従って、健全である状態ではあり得ない範囲の強度になった場合は、環境差異検出 装置の異常と判断して警報を出力する。
[0070] 他の例として、感応膜に例えばゴミのような異物が付着した場合、弾性表面波のェ ネルギ一が大きく奪われる。この場合、異物の大きさにもよるが、大きい異物なら弾性 表面波の位相と強度に大きな変化が生じる。このような状態ではもはや本来の環境 差異検出装置としての機能は発揮できないので、環境差異検出装置の異常と判断し て警報を出力する。
[0071] 実例 2 (水素濃度が 1. 4%よりも上か下かに従って、弾性表面波に対応した電気信 号の位相と強度の何れの値を用いて水素濃度を測定するかを選択する):
感応膜がパラジウムの場合、水素濃度が 1. 4%以上では感応膜に強度変化がなく なるので、感応膜がある強度以上になった場合は、弾性表面波に対応した電気信号 の位相の値を用いて水素濃度を算出する。逆に、位相変化が少なぐ位相の変化が ある値以下になった場合は、強度力 水素濃度を求めた方が精度良く結果を得るこ とがでさる。 [0072] 感応膜がパラジウムを含む合金の場合は、感応膜に強度変化がなくなる水素濃度 力 Sl.4%とは異なるが、上述したのと同じ理屈で、水素濃度を精度良く求めることが出 来る。
[0073] 実例 3 (水素濃度が上昇する過程と下降する過程で、弾性表面波に対応した電気 信号の位相と強度の何れを使用して水素濃度の測定をするかを適切に選択する事 でより高精度な水素濃度検出を可能にする):
水素濃度が時間とともに上昇している場合、水素濃度の変化に対しての追従性は 弾性表面波に対応した電気信号の強度変化の方が位相変化よりも良い。従って、水 素濃度を上記強度の値をもとに検出する。逆に、水素濃度が時間とともに低下してい る場合、水素濃度の変化に対しての追従性は弾性表面波に対応した電気信号の位 相変化の方が強度変化よりも良い。従って、水素濃度を上記位相の値をもとに算出 する。水素の漏洩を検知する用途では、水素濃度が上昇するので、上記強度の値を 用いて濃度を算出し、閾値を超えたかどうか判断するようにすれば、環境差異検出装 置の特長を生力 高速で高精度の漏洩の検知が達成できる。
[0074] 水素に対するパラジウム感応膜の上述した感応特性は、パラジウム感応膜がパラジ ゥムとニッケル等との合金により形成されている場合には、環境の変化に対応した周 回に伴う弾性表面波の強度 (減衰率)と位相 (周回速度)の変化に与える影響の仕方 が異なることが予想される。例えば、水素が数十%のような高濃度になると、このよう な高濃度における水素濃度の変化が上記位相 (周回速度)の変化に与える影響は 小さくなり、上記強度 (減衰率)の変化に与える影響が大きくなる。この場合には、上 記位相 (周回速度)の変化を利用するよりも上記強度 (減衰率)の変化を利用して水 素濃度の変化、即ち環境の変化、を測定した方が良い。従って、前述した水素濃度 の測定に際し、環境の変化を評価するための基礎として弾性表面波の強度 (減衰率 )の変化と位相 (周回速度)の変化とをどのように使用、即ち選択、するかは、必ずしも 前述のァノレゴリズムに従わなければならな!/ヽことはな!/、。
[0075] このように、本願の発明にお 、ては、感応膜の特性に従って、弾性表面波の強度( 減衰率)の変化と位相(周回速度)の変化のいずれか 1つを利用したり、あるいはこれ らの両方を利用したりして、被測定環境の測定 (被測定環境力 由来した物質の付 着や吸収を含む)の精度向上や、測定時間の短縮や、測定誤差を生じさせる被測定 環境に由来するその他の要因の除去を行うことが出来る。
[0076] 図 10A乃至図 10Dに、この発明の実施の形態に従った環境差異検出装置の具体 例において使用する水素測定用及び温度校正用の 2つの弾性表面波素子を^ aみ 込んだ弾性表面波素子ユニットを製造する第 1乃至第 4の工程が断面において概略 的に示されている。
[0077] なおこれらの図では、図 1に示された球状弾性表面波素子 18の構成部材と共通の 構成部材には共通の参照符号を付してそれら共通の構成部材についての詳細な説 明は省略する。
[0078] 図 10Aには、保護容器 26の内表面の所定の位置に水素濃度測定用の弾性表面 波素子 18と温度校正用の弾性表面波素子 18'を金ノ ンプによって固定した状態 が示されている。これら弾性表面波素子 18及び 18'の夫々の基体 12は直径 lmmの 水晶により形成されている。これら 2個の弾性表面波素子 18及び 18'の夫々の弾性 表面波励起'受信ユニット 14は金ノ ンプによって保護容器 26に予め配置されてい る所定の配線パターンに接続されている。図中でアース線は省略されている。保護 容器 26は、通常の ICをパッケージして 、るセラミックパッケージを使用して 、る。
[0079] 次に、図 10B中に示されているように、保護容器 26の開口がセンサーカバー 50に より覆われ 2つの弾性表面波素子 18, 18 'を収納した蒸着前ユニットが構成される。 センサーカバー 50は、厚さ 0. lmmのガラス製であり、保護容器 26の内表面の所定 の位置に固定されている 2個の弾性表面波素子 18及び 18'の夫々の周回経路 12a にお 、て弾性表面波励起 ·受信ユニット 14を除 、た少なくとも一部分を外部空間に 露出させる為の直径 0. 3mmの 2つの孔を有している。保護容器 26の開口がセンサ 一力バー 50により覆われた時、 2個の弾性表面波素子 18及び 18'の夫々の周回経 路 12a上の弾性表面波励起 ·受信ユニット 14は対応する孔カも見えない位置にある 必要がある。なぜならば、孔カも見える位置に孔に対応した弾性表面波素子 18及び 18 'の夫々の周回経路 12a上の弾性表面波励起 ·受信ユニット 14が配置されて 、る と、孔に対応した弾性表面波素子 18及び 18'の夫々の周回経路 12a上の部分に後 述するように感応膜 16を形成する際に、感応膜 16が導電性であると導電性の感応 膜 16が弾性表面波励起 ·受信ユニット 14と電気的に短絡して弾性表面波励起 ·受信 ユニット 14が弾性表面波を励起できなくなるからである。
[0080] 次に図 10Cでは、保護容器 26の内表面の所定の位置に固定されセンサーカバー 50により覆われた後の 2個の弾性表面波素子 18及び 18'の夫々の周回経路 12a上 の弾性表面波励起'受信ユニット 14に保護容器 26に予め配置されている上述した 所定の配線パターン及び金ハ'、ンプによって実際に電気信号を供給して周回経路 1 2aに弾性表面波を励起して周回させ、その出力を評価する。この際に出力が所望の 値に対し十分でな力つたり、周回に伴って急速に信号強度が小さくなるようであると 弾性表面波励起 ·受信ユニット 14が基体 12を構成している水晶の結晶面に適切に 形成されて 、な 、か周回経路に弾性表面波の周回を阻害する異物が付着して 、る 判断してこれ以上の組立工程を中止する。
[0081] 次に、図 10D中に示されているように、内表面の所定の位置に 2個の弾性表面波 素子 18及び 18'が固定されていて開口がセンサーカバー 50により覆われている保 護容器 26により構成されている上述した蒸着前ユ ットが、抵抗加熱真空蒸着装置 中にセットされる。この時、センサーカバー 50において温度校正用の弾性表面波素 子 18 'に対応した孔のみがマスク 52により覆われ、水素濃度測定用の弾性表面波素 子 18に対応した孔はなにものにも覆われない。そして、真空環境中で抵抗加熱蒸着 用ヒータ 54を加熱してパラジウム 56を蒸発させ、センサーカバー 50の孔を介して水 素濃度測定用の弾性表面波素子 18の基体 12の周回経路 12aの上記孔に対向して いる一部分にのみ所望の厚さ(この例では、 20nm)にパラジウムを付着させ所望の 厚さの感応膜 16を形成する。
[0082] 次に、内表面の所定の位置に 2個の弾性表面波素子 18及び 18'が固定されてい て開口がセンサーカバー 50により覆われている保護容器 26により構成されており、 さらに上述した如く水素濃度測定用の弾性表面波素子 18の基体 12の周回経路 12a の上記一部分にパラジウムの感応膜 16が形成された蒸着後ユニットが、抵抗加熱真 空蒸着装置中から取り出され、次にマスク 52が取り除かれる。
[0083] 最後に、図 11中に示されているように水素だけを透過する例えば厚さ 5ミクロンの P ETフィルムの如き水素透過性フィルム 56によりセンサーカバー 50の 2つの孔を覆う ことにより、この発明の実施の形態の実例に従った環境差異検出装置において使用 する水素濃度測定用及び温度校正用の 2つの弾性表面波素子 18, 18'を^ aみ込ん だ弾性表面波素子ユニットが完成する。
[0084] 図 10A乃至図 10D,及び図 11を参照しながら上述した工程に従いこの発明の実 施の形態の実例に従った環境差異検出装置において使用する水素濃度測定用及 び温度校正用の 2つの弾性表面波素子 18, 18'を組み込んだ弾性表面波素子ュニ ットを製造することにより、蒸着によりパラジウムの感応膜 16を水素濃度測定用の弾 性表面波素子 18の基体 12の周回経路 12aの所望の一部分に成膜する時に感応膜 16の成膜用マスクが不要であり、もちろん上記一部分に対する成膜用マスクの煩雑 な位置合わせ作業も不要になる。しかも、センサーカバー 50を感応膜 16及び水素 濃度測定用及び温度校正用の 2つの弾性表面波素子 18, 18'の保護用の水素透 過性フィルム 56を設置する為の土台として利用することが出来る。さらに、高価なパ ラジウムを使用した蒸着においては材料費だけでなく蒸着に力かる様々な光熱費の 低減に非常に役に立つ。
[0085] なお、本発明において、周回速度及び強度を測定すると表現しているが、これは 1 回の測定で同時に両方の数値を求める必要はなぐさらに、 1回の測定の必ずしも両 方の測定と判断を行なう必要を必ずしも指して!/、るのではな!、。位相か強度の一方 力 あるいは両方を観測して判断を行なうかを装置が判断して、その判断の結果一 方の数値だけを基に解析して測定結果を出力することでも力まわない。
[0086] また、本発明において、周回速度の測定という場合、周回速度を複数の素子や経 路間で比較したその差などの相対的な数値だけを観察することも含むこととする。実 際の測定値は、周回速度や位相の値の絶対値よりもその変化率だけで測定が可能 な場合が多いからである。また、強度の測定においても同様に基準の別個の素子や 同一の素子上であっても別個の周回経路の信号強度との相対的な差でも良ぐ特に 周回するに従って信号が弱くなつて行くその比率 (減衰率)が実際の弾性表面波の 伝搬状態から環境差異を評価する上では重要な場合が殆どである。当然、励起強度 が安定している場合には、ある特定の周回数における強度を観測することでも測定 は可能であり、 2点間の強度測定でも弾性表面波の伝搬状態の強度力 の評価が可 能なことは明らかである。
産業上の利用可能性
この発明に従った環境差異検出装置は、例えば、大気中や気相化学プロセス等に おける環境の差異である種々のガス成分の差異を検出するために使用することが出 来る。この発明に従った環境差異検出装置は、例えば燃料電池の水素漏れや利用 する水素の濃度を出来る限り短時間で且つ高精度で検出することができる水素セン サとして使用することが出来る。

Claims

請求の範囲
[1] 弾性表面波が周回する少なくとも円環状の周回経路( 12a)を有した表面を含む基 体( 12)と、周回経路( 12a)に弾性表面波を励起するとともに周回経路( 12a)に励起 され周回された弾性表面波を受信する弾性表面波励起 Z受信ユニット(14)と、周回 経路(12a)の少なくとも一部分に設けられ隣接する環境の変化に応じて弾性的性質 を変化させる感応膜 (16)と、を備えた弾性表面波素子と;
上記周回経路( 12a)を周回した弾性表面波を受信した弾性表面波励起 Z受信ュ ニット(14)によって発生された電気信号から、弾性表面波の周回速度及び弾性表面 波の強度を測定する速度 ·強度測定ユニット(22)と;そして、
速度'強度測定ユニット(22)により測定された周回速度及び強度の少なくともいず れか一方から、感応膜 (16)に隣接した環境を評価する環境評価ユニット(24)と; を備えた、
ことを特徴とする環境差異検出装置。
[2] 前記表面が球形状をしている、ことを特徴とする請求項 1に記載の環境差異検出装 置。
[3] 前記強度は、周回に伴なう弾性表面波の減衰率により測定される、ことを特徴とす る請求項 1又は 2に記載の環境差異検出装置。
[4] 前記周回速度及び前記強度の何れか一方の測定によって、他方の測定結果が正 しいか否かを判断する、ことを特徴とする請求項 1乃至 3のいずれか 1項に記載の環 境差異検出装置。
[5] 前記感応膜(16)はガスに感応する材料を含んでおり、ガスに感応することにより上 記周回経路( 12a)を周回する弾性表面波の周回速度及び強度の少なくとも!/ヽずれ か一方を変化させ、
速度'強度測定ユニット(22)により測定された周回速度及び強度の少なくともいず れか一方から評価される、感応膜に隣接した環境は、ガス濃度である、
ことを特徴とする請求項 1乃至 4のいずれか 1項に記載の環境差異検出装置。
[6] ガス濃度が上昇する間には、速度'強度測定ユニット(22)により測定された周回速 度に対応する被測定要素及び強度の少なくともいずれか一方から水素濃度が評価 され、
ガス濃度が下降する間には、速度'強度測定ユニット(22)により測定された周回速 度に対応する被測定要素及び強度の少なくともいずれか他方力 ガス濃度が評価さ れる、
ことを特徴とする請求項 5に記載の環境差異検出装置。
[7] 前記感応膜(16)は水素に反応する材料を含んでおり、前記感応膜(16)に含まれ る水素に感応する材料はパラジウムを含んでおり、
水素濃度が上昇する間には、速度,強度測定ユニット (22)により測定された少なく とも強度に対応する被測定要素から水素濃度が評価され、
水素濃度が下降する間には、速度,強度測定ユニット(22)により測定された周回速 度に対応する被測定要素及び強度の少なくともいずれか他方から水素濃度が評価 される、
ことを特徴とする請求項 5に記載の環境差異検出装置。
[8] 被測定環境の第 1の範囲では、速度'強度測定ユニット(22)により測定された周回 速度に対応する被測定要素及び強度の少なくともいずれか一方から被測定環境が 評価され、
被測定環境の上記第 1の範囲とは別の第 2の範囲では、速度'強度測定ユニット (2 2)により測定された周回速度に対応する被測定要素及び強度の少なくともいずれか 他方から被測定環境が評価される、
ことを特徴とする請求項 1乃至 7のいずれか 1項に記載の環境差異検出装置。
[9] 被測定環境の上記第 1の範囲及び上記第 2の範囲とは別の第 3の範囲では、速度 •強度測定ユニットにより測定された周回速度に対応する被測定要素及び強度から 被測定環境が評価される、
ことを特徴とする請求項 8に記載の環境差異検出装置。
[10] 前記感応膜(16)に含まれる水素に感応する材料はパラジウムを含んでおり、 水素濃度が所定の第 1の濃度以下の間は、速度'強度測定ユニット(22)により測 定された周回速度に対応する被測定要素及び強度の中の少なくとも強度力 水素 濃度が評価され、 水素濃度が第 1の濃度よりも高い所定の第 2の濃度以上の間は、速度'強度測定ュ ニット(22)により測定された周回速度に対応する被測定要素及び強度の中の少なく とも周回速度に対応する被測定要素から水素濃度が評価される、
ことを特徴とする請求項 5に記載の環境差異検出装置。
[11] 水素濃度が所定の第 1の濃度以下の間とは水素濃度 1. 0%以下を含み、水素濃 度が所定の第 2の濃度以上の間とは水素濃度 1. 8%以上である、
ことを特徴とする請求項 10に記載の環境差異検出装置。
[12] 前記弾性表面波素子(18, 18 ' )は、複数の周回経路(12a) ,複数の周回経路(1 2a)に対応した複数の弾性表面波励起 Z受信ユニット(14) ,そして複数の周回経路 (12a)の少なくとも 1つの少なくとも一部分に設けられた感応膜(16)を有している、 ことを特徴とする請求項 1乃至 11のいずれ力 1項に記載の環境差異検出装置。
[13] 前記弾性表面波素子(18, 18 ' )を複数使用する、ことを特徴とする請求項 1乃至 1
2のいずれか 1項に記載の環境差異検出装置。
[14] 前記弾性表面波素子(18, 18 ' )を感応膜 (16)を外部に露出させて収容する保護 容器 (26)を備えており、
前記弾性表面波素子(18, 18 ' )は、弾性表面波励起 Z受信ユニット(14)を備え ているが感応膜 (16)が設けられる以前に保護容器 (26)に収容され、弾性表面波励 起 Z受信ユニット(14)により周回経路に弾性表面波が励起され周回されることを確 認した後に保護容器 (26)の外部から保護容器 (26)に収容されて ヽる基体( 12)の 周回経路(12a)の少なくとも一部分に感応膜(16)が設けられる、
ことを特徴とする請求項 1乃至 13のいずれ力 1項に記載の環境差異検出装置。
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