明 細 書
高機能性タンパク質の迅速、高効率な選択法、それによつて得られる高 機能性タンパク質、およびその製造方法と利用方法
技術分野
[0001] 本発明は、高機能性タンパク質の選択法、それによつて得られる高機能性タンパク 質、およびその製造方法と利用方法に関する。
背景技術
[0002] 標的分子と相互作用するタンパク質の相互作用は、タンパク質の機能に深く関与し ており、より優れた機能を有するタンパク質を得る試みがなされている。例えば、タン パク質の一種の抗体分子のもつ、抗原に対する高い特異性と親和性は、幅広い分 野での利用価値が高ぐ抗体を自在にまた効果的に創製できる系の構築研究が盛 んに行われている。本来、抗体は B細胞内でドメインシャッフリングと体細胞変異を繰 り返し (親和性成熟: affinity maturation)、ある抗原に対してより特異性と親和性が高 められたものだけが免疫系で作用することができる。
[0003] 抗体の親和性の研究においては、その均一性の観点からモノクローナル抗体が一 般に用いられている力 現在、モノクローナル抗体の調製法は細胞融合法 (ハイプリ ドーマ技術) (非特許文献 1)が主流である。しかし、この細胞融合法は非常に手間が かかる上に、高価な試薬を必要とし、また時間が力かる(約 1年間)。さらに、動物の免 疫操作が必要であるため、自己抗原や毒物に対する抗体を選択することが難しいと いった種々の問題を有している。最近、これらの問題を解決する方法としてファージ ディスプレイ (非特許文献 2)やリボソームディスプレイ (非特許文献 3) t ヽつた進化分 子工学的手法 (核酸 [遺伝情報]とタンパク質 [機能情報]を直接対応付ける技術)がモ ノクローナル抗体の選択に利用されている。すなわち、大きな多様性を有する抗体ラ イブラリーを構築し、目的とする抗体 (対応付け分子)の選択、濃縮を繰り返すこと〖こ よって、比較的容易に目的抗体を得ることができる。特に、非常に柔軟性の高いぺプ チドリンカーで片方の鎖の C末端ともう片方の N末端を結合させた一本鎖抗体 (非特 許文献 4)を対象とする方法が知られて!/ヽる。
[0004] しかしながら、これらの技術においても、まだいくつかの欠点がある。ファージデイス プレイは、現実的な DNAライブラリーの上限は 109 (抗体の場合)程度で、ライブラリー サイズが小さいこと、生物学的なシステム (大腸菌への感染、増幅など)を利用するた めに、予期し得ないバイアス (変異等)がかかってしまう。さらに、大腸菌に対して毒性 を持つ抗原は使用できな 、。リボソームディスプレイは無細胞翻訳系を用いた完全な in vitroの実験系であるためこれらのバイアスは力からず、また、ライブラリーの上限は 101Q-10Uが可能とされている。しかし、 mRNA-タンパク質-リボソーム三者複合体の形 成効率が 0.2%と非常に低く (非特許文献 3)、 in vitro viruS(IVV)法 (非特許文献 5))の数 百分の 1である。また、その複合体が非常に不安定であるため、バイオバニング操作 中により強い選択圧をかけられないという問題がある。ここで、バニングにおける選択 圧は抗体濃縮における最も重要な因子であり、強 、選択圧かけられな 、と 、うことは より多くの選択サイクルを繰り返す必要性が生じる。また、一種類の抗原に対して、安 定性、親和性の異なる多種多様な抗体が得られるため、より高機能なものを得るため には、多くの検体のクロー-ング、発現、分析を必要とする。このことは、たいへんな 重労働であるだけでなく時間もコストも力かる。
[0005] これまで、タンパク質を試験管内で合成する無細胞翻訳系として、小麦胚芽の系( 非特許文献 6)及び大腸菌の系 (非特許文献 7)において、タンパク質の大量発現が研 究されてきている。それに伴い、タンパク質の大量発現が可能な安定した翻訳テンプ レートの開発として、 mRNAの安定性向上と翻訳効率向上のために、一般的には 3'UTRが使われるが (非特許文献 8)、 mRNAの化学構造の置換や修飾などの方法 (非 特許文献 9)を用いる。
[0006] 我々は、 1997年に、進化分子工学のスクリーニングツールである〃 in vitro virus
(IW)〃の構築に世界に先駆けて成功した (非特許文献 10)。 IVV法では、 3'末端にピ ユーロマイシンを結合した mRNAを铸型として無細胞翻訳反応を行うことにより、タン パク質と mRNAとがピューロマイシンを介して共有結合した RNA-タンパク質連結分子 (IW)のライブラリーを構築することができる。この対応づけ分子のライブラリーの中 力 標的分子に結合するタンパク質を in vitroでスクリーニングした後、逆転写 PCRに より遺伝子を増幅し解読することができる。その後我々は、 IW法をプロテオーム解析
に応用するための基礎研究を開始し、ヒトゃマウス由来の cDNAライブラリーから IW ライブラリーを構築し、その中から、タンパク質や核酸、薬剤などの標的分子と相互作 用する未知のタンパク質を in vitroで迅速かつ高感度にスクリーニングする技術を確 立してきた。最近、我々は小麦胚芽抽出液の無細胞翻訳系で、 IVVと C末端ラベル 化タンパク質を高効率に発現できる铸型 DNAの開発に成功した (非特許文献 5)。本 発明者等は、 mRNA (遺伝子型)とタンパク質 (表現型)を無細胞翻訳系にお 、てピュ 一口マイシンを介して連結させ、対応付け分子である IWを効率よく構築する方法を 先に提案している (特許文献 1;特許文献 2;特許文献 3;特許文献 4)。
[0007] さらに我々は、 IW法の構築過程で、低濃度のピューロマイシン誘導体を無細胞翻 訳系に投入すると、合成されたタンパク質の C末端に結合することを見出した。この原 理を応用して、例えば、蛍光色素をピューロマイシンに連結させたィ匕合物を用いれば 、タンパク質の C末端を蛍光色素で標識することが可能となった (非特許文献 11;非 特許文献 12)。本発明者等は、タンパク質の C末端を無細胞翻訳系において効率よ くラベル化する方法先に提案している (特許文献 5;特許文献 6;特許文献 7)。
[0008] タンパク質の詳細な機能や立体構造の解析、抗体の作製のためには大量のタンパ ク質を必要とする。そのため内在性の目的タンパク質を精製し、必要量得ることは困 難であるため、 目的タンパク質の cDNAを適した宿主に入れ発現させた組み換えタン ノ ク質を用いることになる。一本鎖抗体を発現させる宿主としては、大腸菌、酵母、昆 虫細胞や動物由来の培養細胞などさまざまなものが考えられる。その中でも大腸菌 は、短期間で安価に大量のタンパク質が得られるので便利である。また、組み換えバ キュロウィルスを昆虫細胞に感染させる系を使うと、大腸菌の系では難し力つたタン パク質の発現が可能になる。
[0009] また、ポストゲノム機能解析研究のために開発されてきた!/、ろ!/、ろな解析ツールに も抗体が重要な役割を占めている。その一つとしてタンパク質の検出、定量が挙げら れる。そのためには、特異性の高い、高親和性の抗体の利用が不可欠である。抗体 を用いたタンパク質の検出方法として、 in vitroの方法では、ウェスタンブロット法、免 疫染色法、蛍光抗体染色法、抗体チップ法、また in vivoの方法では免疫沈降法など がある。このような手法を用いてタンパク質を検出するためには、抗体に予め蛍光を
発するタンパク質、例えば GFPを融合させておくか、抗体を酵素タンパク質、例えば 西洋ヮサビのペルォキシダーゼやアルカリ性ホスファターゼを融合させて、その酵素 活性を指標にする。
[0010] 抗体を用いたタンパク質間相互作用の検出法には、表面プラズモン共鳴法、蛍光 共鳴エネルギー移動法、蛍光偏光解消法、エバネッセント場イメージング法、蛍光相 関分光法、蛍光イメージング法、固相酵素免疫検定法などがある。とりわけ、蛍光相 関分光法(Fluorescence Correlation Spectroscopy : FCS)は、測定に必要な試料量 が少なく(およそフェムトリットル)、測定時間が短く(およそ 10秒)、 HTSのための自動 化が容易である(実際に EVOTEC社では 1日で 10万検体以上のスクリーニングを行う ウルトラ HTSを目指した装置の開発を行なっている)等の長所があり、検出系として優 れている (非特許文献 13)。さらに 2種類の蛍光色素を用いる蛍光相互相関分光法( Fluorescence し ross—し orrelation Spectroscopy : Fしじ¾ノで【¾、 1種類の 光色 を用 いる FCSでは困難であった同程度の大きさをもつ分子間の相互作用も検出が可能で あり、タンパク質相互作用の HTSへの応用が期待されている。一般に、タンパク質相 互作用の検出系では、固相化のためのタグや蛍光色素等のプローブでタンパク質を 修飾する必要がある。本発明者等は、ピューロマイシン等の核酸誘導体を用いて無 細胞翻訳系中でタンパク質の C末端を修飾する方法を先に提案して ヽる(特許文献 5 、特許文献 6、特許文献 3)。この方法は、従来の化学修飾法や蛍光タンパク質融合 法に比べて、タンパク質の機能を損ないにくい等の利点がある。
[0011] IW法は、 mRNAを無細胞翻訳系等において発現させる際、リボソーム上で、 mRNA とタンパク質がピューロマイシンを介して化学的に結合した mRNA-タンパク質連結分 子を構築する方法である (非特許文献 10;非特許文献 12;非特許文献 5)。さらに、そ の mRNA-タンパク質連結分子を試験管内淘汰法により陶太し、選択された対応付け 分子の mRNA部分を逆転写 PCRにより増幅することにより取得することができる。
[0012] 市販の各種無細胞翻訳系は還元剤である DTT (ジチオスレィトール)が添加されて いるため、抗体を代表とする S-S結合を有するタンパク質の発現には不向きである。 特に、小麦胚芽無細胞翻訳系はその発現に DTTが必須であるため、これまで一本鎖 抗体の cDNAライブラリーから高い結合活性をもった抗体のスクリーニングと発現例は
ない。それ故、小麦胚芽無細胞翻訳系で DTT存在下でも、 cDNAライブラリ一力ゝら高 い結合活性をもった所望の抗体がスクリーニングできる系の確立が望まれている。 非特許文献 l : Kohler, G. and Milstein, C. (1975) Nature 256, 495
非特許文献 2 : Smith, G.P. (1985) Science 228, 1315-1317
非特許文献 3 : Hanes, J. and Pluckthun, A. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94,
4937-4942
非特許文献 4 : Huston, J. S., Margolies, M. N., Haber, E. (1996) Adv. Protein Chem., 49, 329
非特許文献 5 : Miyamoto- Sato, E., et al., (2003) Nucleic Acids Res., 31, e78 非特許文献 6 : Madin K, et al. (2000) Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 97, 559-564 非特許文献 7 : Shimizu, Y. et al. (2001) Nat. BiotechnoL, 19, 751-755
非特許文献 8 : Sachs. A.B., et al. (1997) Cell 89, 831-838
非特許文献 9 : Ueda. T" et al. (1991) Nucleic Acids Symp Ser. 25, 151—152 非特許文献 10 : Nemoto, N., et al., (1997) FEBS Lett., 414, 405-408
特許文献 1:特開平 10-816636号公報
特許文献 2:国際公開第 W098/16636号パンフレット
特許文献 3:特開 2002-176987号公報
特許文献 4:国際公開第 WO02/48347号パンフレット
非特許文献 l l : Nemoto, N., et al. (1999) FEBS Lett. 462, 43-46
非特許文献 12 : Miyamoto- Sato, E" et al. (2000) Nucleic Acids Res. 28, 1176-1182 特許文献 5 :特開平 11-322781号公報
特許文献 6:特開 2000-139468号公報
特許文献 7:国際公開第 WO02/46395号パンフレット
非特許文献 13 :金城政孝 (1999)蛋白質核酸酵素 44 : 1431-1438
発明の開示
本発明の課題は、高機能性タンパク質またはそれをコードする核酸を迅速かつ高 効率に選択する方法を提供することである。また、本発明の他の課題は、高機能性タ ンパク質またはそれをコードする核酸、並びに、その製造方法及び利用方法を提供
することである。
[0014] 本発明者らは、タンパク質をコードする核酸のライブラリーを、 IW法を用いて作製 すると、タンパク質の選択において、従来は、タンパク質の失活により目的のものが得 られな 、と考えられて 、たような高温での加熱処理により高!、淘汰圧をかけることが でき、その結果、高機能性タンパク質を迅速かつ高効率に選択することができること を見出した。また、 S-S結合を有するタンパク質を、還元剤を必要とする無細胞翻訳 系で翻訳しても高機能性タンパク質を選択することが可能であることを見出した。以 上の知見に基づき、本発明は完成された。
[0015] 従って、本発明では、以下のものを提供する。
(1)標的分子と相互作用するタンパク質またはそれをコードする核酸の選択法であつ て、以下の工程 (a)— (d)を含むことを特徴とする選択法。
(a)タンパク質をコードする DNAのライブラリーを調製する工程。
(b) (a)で調製されたライブラリーの DNAを転写し、転写された RNAの 3'末端にピュー口 マイシンを含むスぺーサーを連結した後、無細胞翻訳系にお ヽて遺伝子型と表現型 の対応付け分子を調製することにより対応付け分子のライブラリーを構築する工程。
(c)対応付け分子のライブラリーを加熱処理する工程。
(d)対応付け分子を標的分子に対して結合させ、十分洗浄した後、溶出し、対応付け 分子の核酸部を逆転写- PCRまたは PCRによって増幅させる工程。
(2)標的分子が抗原であり、タンパク質が一本鎖抗体である(1)の選択法。
(3)スぺーサ一がポリエチレングリコールを含む(1)の選択法。
(4) (d)で増幅した DNAを (a)のライブラリ一として用いて、(a)— (d)の操作を繰り返すェ 程をさらに含む(1)の選択法。
(5)加熱処理する際の条件が、 50-100°C、 1-30分の範囲力 選択される(1)の選択 法。
(6) (d)の工程の前に対応付け分子の RNA部を逆転写により RNA-DNAノヽイブリツドに する工程をさらに含む(1)の選択法。
(7)逆転写の前に、逆転写反応を阻害する無細胞翻訳系由来の物質を除去する(6 )の選択法。
(8)無細胞翻訳系が、チオール化合物を含む無細胞翻訳系である(1)の選択法。
(9)無細胞翻訳系が、小麦胚芽抽出液、ゥサギ網状赤血球抽出液、又は、大腸菌 S-30抽出液の無細胞翻訳系である(1)の選択法。
(10)標的分子と相互作用するタンパク質の製造法であって、(1)一(9)のいずれか の選択法により標的分子と相互作用するタンパク質をコードする核酸を選択するェ 程、および、選択された核酸を翻訳してタンパク質を製造する工程を含む製造法。
(11)標的分子が抗原であり、タンパク質が一本鎖抗体である(10)の製造法。
(12)抗原がアンジォテンシン IIである(11)の製造法。
(13)抗原が Lewis Xである(11)の製造法。
(14)一本鎖抗体を製造する工程が、選択された核酸を、チオール化合物を含む無 細胞翻訳系で翻訳することを含む(11)の製造法。
(15)無細胞翻訳系が、小麦胚芽抽出液、ゥサギ網状赤血球抽出液、または、大腸 菌 S-30抽出液である(14)の製造法。
(16)—本鎖抗体を製造する工程が、選択された核酸で生細胞を形質転換させ、そ の生細胞内で一本鎖抗体を発現させることを含む(11)の製造法。
(17)一本鎖抗体を製造する工程が、選択された核酸によりコードされる一本鎖抗体 と、酵素又は緑色蛍光タンパク質 (Green Fluorescent Protein: GFP)との融合タンパク 質として製造することを含む(11)の製造法。
(18) (1)一(9)のいずれかの選択法により選択された核酸を、 C末端ラベル化剤の 存在下で無細胞翻訳系で翻訳することによりタンパク質の C末端をラベルイ匕する方 法。
(19)アンジォテンシン IIに対する結合活性を有する一本鎖抗体であって、下記 (A)又 は (B)に示すアミノ酸配列を有する一本鎖抗体。
(A)配列番号 61、 63, 65, 67, 69, 71、 73, 75, 77, 79, 81、 83, 85, 87, 89, 9 1、 93、 95、 97、 99、 101、 103また ίま 105に示すアミノ酸酉己歹 lj。
(B) (A)のアミノ酸配列と相同性が 90%以上のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列。
(20) (19)の一本鎖抗体をコードする核酸。
(21) Lewis Xに対する結合活性を有する一本鎖抗体であって、下記 (A)又は (B)に示
すアミノ酸配列を有する一本鎖抗体。
(A)配列番号 107、 109、 111、 113、 115または 117に示すアミノ酸配列。
(B) (A)のアミノ酸配列と相同性が 90%以上のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列。
(22) (21)の一本鎖抗体をコードする核酸。
(23) (11)一(17)のいずれかの製造法によって得られた抗体を用いてタンパク質を 免疫学的に検出する方法。
(24)ウェスタンプロット法、免疫染色法、蛍光抗体染色法、抗体チップ法、免疫沈降 法である(23)の検出方法。
(25) (11)一(17)のいずれかの製造法によって得られたタンパク質と、標的分子とを 接触させ、タンパク質と標的分子との相互作用を検出することを含む、分子間相互作 用を検出する方法。
(26)蛍光相関分光法、蛍光イメージングアナライズ法、蛍光共鳴エネルギー移動法 、エバネッセント場分子イメージング法、蛍光偏光解消法、表面プラズモン共鳴法、 又は、固相酵素免疫検定法である(25)の検出方法。
(27)ヒト又はその他の動物由来の DNAライブラリーから(2)の選択法により選択され た核酸の配列に基づいて、その核酸にコードされる可変領域をヒトの IgGの可変領域 と置換することによって構築されるヒトまたはヒト型抗体。
(28) (27)の抗体を有効成分とする治療剤。
図面の簡単な説明
[図 1]本発明で使用される一本鎖抗体 cDNAライブラリーの構築。
[図 2]IW法による IVVライブラリーの選択サイクル。
[図 3]アンジォテンシン II-ピオチンの化学構造式。
[図 4]Lewis X-sp-ビォチンの化学構造式。
[図 5] [15]で得られた翻訳溶液を 8M尿素存在下 5%ポリアクリルアミド電気泳動で対応 付け分子を確認したもの。上は電気泳動ゲル (電気泳動写真)。下の棒グラフは上の 電気泳動ゲルの FITCの蛍光を MOLECULAR IMAGER FX (Bio-rad)で測定し定量 したもの。 MHO : [11]で得られたライブラリー; Mil : [11]で得られたライブラリーを [18] において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応させアンジォテンシン IIを抗原として
セレクションし [25]で回収したライブラリー; MI2 :MI1を [18]において 50°C、 30分間次 いで 99°C、 5分間反応させアンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で回収 したライブラリー; MI3 :MI2を [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応させ アンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリー。
[図 6] [15]で得られた翻訳溶液を 8M尿素存在下 5%ポリアクリルアミド電気泳動で対応 付け分子を確認したもの (電気泳動写真)。 MHO : [11]で得られたライブラリー; MK1 :
[11]で得られたライブラリーを [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応さ せ Lewis Xを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリー; MK2 :MK1を [18] において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応させ Lewis Xを抗原としてセレクション し [25]で回収したライブラリー。
[図 7] [15]で得られた翻訳溶液を 8M尿素存在下 5%ポリアクリルアミド電気泳動で対応 付け分子を確認したもの (電気泳動写真)。 MM1 : [11]で得られたライブラリーを [18] において 50°C、 30分間反応させアンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で 回収したライブラリー; MM2 :MM1を [18]において 50°C、 30分間反応させアンジォテ ンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリー; MP1: [11]で得られ たライブラリーを [15]において 99°C、 5分間反応させその後 [20] [21]においてアンジ ォテンシン IIを抗原としセレクションを行ったあとに [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応させて [22]以降の実験を行!、 [25]で回収したライブラリー。
[図 8] [21]で得られた溶出液を [22]で PCRし 1%ァガロースゲル電気泳動に付したもの 。上は電気泳動ゲル (電気泳動写真)。下の棒グラフは上の電気泳動ゲルのェチジ ゥムブロマイドの吸収を MOLECULAR IMAGER FX (Bio- rad)で測定し定量したもの
[図 9] [20]で得られた Flowを 1000倍希釈したものと [20]で得られた Washおよび [21] で得られた溶出液 (Elute)を 1倍と 10倍希釈したものを [22]で PCRし 1%ァガロースゲル 電気泳動に付したもの (電気泳動写真)。
[図 10] [20]で得られた Flowを 1000倍希釈したものと [20]で得られた Washおよび [21] で得られた溶出液を 1倍と 10倍希釈したものを [22]で PCRし 1%ァガロースゲル電気泳 動に付したもの。上は電気泳動ゲル (電気泳動写真)。下の棒グラフは上の電気泳動
ゲルのェチジゥムブロマイドの吸収を MOLECULAR IMAGER FX (Bio- rad)で測定し 定量したもの。 Fは Flow、 Wは Wash、 Eは溶出液を 1倍、 E0.1は溶出液を 10倍希釈の 略。
[図 11] [31]で配列分析を行い解析した結果インフレームのものについてアミノ酸配列 による clustakによる配列アラインメント後 TreeViewPPCにより作成した系統樹。線で 囲った Aはアンジォテンシン IIのセレクションで収束したもの、線で囲った Bは Lewis X のセレクションで収束したものを示す。ライブラリーの略号の後にクローンの番号を示 した。
[図 12]図 11の線で囲った Aおよび Bの拡大図。 Aはアンジォテンシン IIのセレクション で収束したもの、 Bは Lewis Xのセレクションで収束したもの。
[図 13]ウェスタンブロットの結果(電気泳動写真)。右 2本は、 MI3-55の [37]について ウェスタンブロットしたもの。左 3本はウェスタンブロットのコントロール。
[図 14]アンジォテンシン IIを抗原としたセレクションで得られた配列を [34]で翻訳を行 つた後 [39]のビアコアで分析した結果を棒グラフで示したもの。
[図 15]Lewis Xを抗原としたセレクションで得られた配列を [34]で翻訳を行った後 [39] のビアコアで分析した結果を棒グラフで示したもの。
[図 16]MI3-55を [34]で翻訳を行った後 4°Cまたは 60°Cまたは 99°C、 5分間処理し [39 ]のビアコアで分析した結果を棒グラフで示したもの。
[図 17]MI3-55を [34]で翻訳を行った後 4°Cまたは 60°Cまたは 99°C、 5分間処理し [40 ]の ELISAで分析した結果を棒グラフで示したもの。
発明を実施するための最良の形態
[0017] 本発明の、標的分子と相互作用するタンパク質またはそれをコードする核酸の選択 法は、ライブラリーの対応付け分子の核酸部が、標的分子と相互作用するタンパク質 をコードすること、対応付け分子のライブラリーを加熱処理することの他は、通常の対 応付け分子を用いる核酸の選択法 (以下「IW法」とも 、う)に従って行うことができる
[0018] 「標的分子」とは、選択対象タンパク質と相互作用する分子を意味し、具体的にはタ ンパク質、核酸、糖鎖、低分子化合物などが挙げられる。タンパク質としては、選択対
象タンパク質と相互作用する能力を有する限り特に制限はなぐタンパク質の全長で あっても結合活性部位を含む部分ペプチドでもよい。またアミノ酸配列、およびその 機能が既知のタンパク質でも、未知のタンパク質でもよい。これらは、合成されたぺプ チド鎖、生体より精製されたタンパク質、あるいは cDNAライブラリ一等カゝら適当な翻 訳系を用いて翻訳し、精製したタンパク質等でも標的分子として用いることができる。 合成されたペプチド鎖はこれに糖鎖が結合した糖タンパク質であってもよ ヽ。これら のうち好ましくはアミノ酸配列が既知の精製されたタンパク質力 あるいは cDNAライ ブラリー等力も適当な方法を用いて翻訳および精製されたタンパク質を用いることが できる。
[0019] 核酸としては、選択対象タンパク質と相互作用する能力を有する限り、特に制限は なぐ DNAまたは RNAも用いることができる。また、塩基配列または機能が既知の核 酸でも、未知の核酸でもよい。好ましくは、タンパク質に結合能力を有する核酸として の機能、および塩基配列が既知のもの力、あるいはゲノムライブラリ一等力 制限酵 素等を用いて切断単離してきたものを用いることができる。糖鎖としては、選択対象タ ンパク質と相互作用する能力を有する限り、特に制限はなぐその糖配列あるいは機 能が、既知の糖鎖でも未知の糖鎖でもよい。好ましくは、既に分離解析され、糖配列 あるいは機能が既知の糖鎖が用いられる。低分子化合物としては、選択対象タンパ ク質と相互作用する能力を有する限り、特に制限はない。機能が未知のものでも、あ るいはタンパク質に結合する能力が既に知られて 、るものでも用いることができる。
[0020] これら標的分子が本発明の選択対象タンパク質と行う「相互作用」又は標的分子間 の「相互作用」とは、通常は、二つの分子間の共有結合、疎水結合、水素結合、ファ ンデルワールス結合、および静電力による結合のうち少なくとも 1つ力 生じる分子間 に働く力による作用を示す力 この用語は最も広義に解釈すべきであり、いかなる意 味においても限定的に解釈してはならない。共有結合としては、配位結合、双極子 結合を包含する。また静電力による結合とは、静電結合の他、電気的反発も包含す る。また、上記作用の結果生じる結合反応、合成反応、分解反応も相互作用に包含 される。
[0021] 相互作用の具体例としては、抗原と抗体間の結合および解離、タンパク質レセプタ
一とリガンドの間の結合および解離、接着分子と相手方分子の間の結合および解離 、酵素と基質の間の結合および解離、核酸とそれに結合するタンパク質の間の結合 および解離、情報伝達系におけるタンパク質同士の間の結合と解離、糖タンパク質と タンパク質との間の結合および解離、糖鎖とタンパク質との間の結合および解離、ま たは、低分子化合物とタンパク質との間の結合および解離が挙げられる。
[0022] IW法は mRNAがタンパク質合成阻害剤であるピューロマイシンまたはその誘導体 を介してタンパク質と共有結合するため、リボソームディスプレイやファージディスプレ ィよりもはるかに安定性が高い。従って、リボソームディスプレイやファージディスプレ ィの 2つの技術よりもより強い選択圧でのバニングが可能であり、これによつて特異性 だけでなくより安定な標的分子と相互作用するタンパク質を選択することができ、加え て、高 、濃縮効果が得られるためより少な 、選択サイクルで希望のタンパク質を得る ことができる。またさらに、ほとんど単一にまで濃縮されるため、多くのサンプルを解析 する必要がない。これらにともない操作が簡便、大幅な時間の短縮とコストの削減が 可會 になる。
[0023] また、ライブラリー内の高機能性抗体 (特異性、親和性、安定性等)の存在確立はラ イブラリーの大きさ(多様性)に依存する。ここで、 IW法の選択可能なライブラリーの 上限は、条件が整えば 1013以上が可能であり、他のどの方法よりも大きなライブラリー を対象にできる。また、リボソームディスプレイと同様に完全な in vitroの実験系である ため、不必要なバイアスが力からない。また、得られたタンパク質は DTT等の還元剤 を含有する無細胞翻訳系で機能性タンパク質として発現できるため、多検体の大量 調製が可能であり、それにともないハイスループットィ匕が容易となる。
[0024] このようにして選択されたタンパク質は、その機能に応じて各種の分野で利用できる 。例えば、タンパク質が一本鎖抗体である場合には、このようにして選択された高親 和性一本鎖抗体は、細胞外や細胞内でのタンパク質の検出や相互作用検出に利用 できる。また、マウス抗体 cDNAライブラリ一力も選択された高親和性一本鎖抗体は、 ヒト IgG抗体の可変領域や CDR領域 (complementarity determining region)と入れ換え ることによって、キメラ型 IgG抗体やヒト型化したマウス IgG抗体を作れる。これらの抗体 は、ヒトに投与したときに惹起されるヒト抗マウス抗体の産生が少ないか、ほとんどない
。さらに、ヒト抗体 cDNAライブラリ一力も選択された高親和性一本鎖抗体は、ヒ HgG 抗体の可変領域と入れ換えることによって、完全なヒトモノクローナル IgG抗体を作れ る。これは、アナフィラキシー症状を引き起こさない抗体医薬として利用することが可 能である。
[0025] 本発明の選択対象タンパク質として使用される一本鎖抗体は、 V鎖と V鎖がリンカ
H L
一ペプチドを介して結合した通常の一本鎖抗体 (単鎖 Fvフラグメント (scFv)とも呼ば れる)でよ 、。本発明にお 、て用いられる一本鎖抗体をコードする DNAライブラリーと しては、多数の一本鎖抗体をコードする DNAを含むライブラリーであれば特に制限さ れるものではないが、理論的にはあらゆる抗原に対応しうる、 109以上の多種多様な 抗体をコードする DNAを含むものを用いることが好ま U、。力かる抗体 DNAライブラリ 一としては、市販のものを含め、通常の試験管内抗体選択系において用いられる高 等脊椎動物、好ましくはマウス、ヒト、 -ヮトリ、ャギ、ラクダの脾臓および B細胞由来の 天然型抗体 DNAライブラリーであればどのようなものでもよい。例えば、マウス天然型 抗体 cDNAライブラリー(Krebber, A. et al. (1997)) J. Immun. Methods. 201, 35-55: Engberg, J. (1996) Molecular Biotech. 6, 287- 310)はマウスの脾臓から mRNAを抽出 し、抗体の H鎖及び L鎖の可変領域 (V , V )をコードする遺伝子断片を RT-PCRによ
H L
つて cDNAとし、それらを PCRによって増幅する。さらに得られた断片力も Vの C末端
H
と Vの N末端を (Gly Ser)リンカ一で繋ぎ合わせるように DNA断片を合成することでマ し 4 4
ウス一本鎖抗体 cDNAライブラリーが完成となる。ここで、繋ぎ合わせるリンカ一配列 は比較的自由度の高いものであればどのようなものでも力まわないが、一般的に (Gly Ser)配列 (配列番号 120)を用いることが好ましい。また、繋ぎ合わせの順番は V
4 4 し
-(Gly Ser) - Vでもよい。
4 4 H
[0026] また、あらゆる変異型の抗体 DNAライブラリーも有利に用いることができる。例えば、
(l) n- CoDeR:抗体 cDNAから CDR(H鎖 3つ、 L鎖 3つ)のみを PCRによって取り出し、 それらを大腸菌およびファージで発現し易い抗体フレームに組み込んだライブラリー (n- CoDeR:多様性は 2 X 109) (Jirholt, P. et al. (1998) GENE 215, 471-476:
Soderlind, E. et al. (2000) Nature Biotechnol 18. 852-856)。(2)抗体の超可変部位 (CDR)にランダム配列 (NNK, NNB)を導入し、その多様性を増加させたライブラリー(
Hayashi, N. et al. (1994) Biotechniqes 17, 310-345)。(3) HuCAL :ヒト抗体は構造的 な多様性が 7種類の H鎖 (subclass: VH1A, VH1B, VH2- 6)と 7種類の L鎖 (subclass:V κ 1-V K 4, V 1- V 3)を組み合わせたもの(計 49種類)によって約 95%以上がカバ 一されている。これら 14種類の抗体の CDR3(H鎖 L鎖両方)にランダム配列を導入し たライブラリー。 (Knappik, A. et al. (2000) J. Mol. Biol. 296, 57-86: Hanes, J et al.
(2000) Nature Biotech. 18, 1287-1292)。(4) point mutationと DNA shufflingを組み合 わせて、単一の抗体遺伝子にランダムな変異を導入したライブラリー。(Jermutus, L.
(2001) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98, 75-80)などが挙げられる。これらのライブラリ 一は、バニングのスピード、抗体の安定性、発現、機能性等を高めるように設計され ており、本発明への適応はより効果的である。
[0027] 以下、本発明の選択法の各工程について説明する。
(a)工程は、標的分子と相互作用するタンパク質をコードする DNAのライブラリーを 調製する工程である。このタンパク質をコードする DNAのライブラリ一は、通常の方法 に従って調製することができる。
[0028] (b)工程は、(a)で調製されたライブラリーの DNAを転写し、転写された RNAの 3'末端 にピューロマイシンを含むスぺーサーを連結した (以下、ここで調製されるものを「翻 訳テンプレート」と称することがある)後、無細胞翻訳系にお 、て遺伝子型と表現型の 対応付け分子を調製することにより対応付け分子のライブラリーを構築する工程であ る。この工程は通常の IW法におけるものと同様に行うことできる。詳細については後 記で説明する力 スぺーサ一はポリエチレングリコールを含むものであることが好まし い。
[0029] (c)工程は、対応付け分子のライブラリーを加熱処理する工程である。ここでの加熱 処理とは、通常の IW法における処理では負荷されないような加熱条件に暴露するこ とを意味する。たとえば、対応付け分子を翻訳後そのまま標的分子と結合させる場合 には、翻訳の間にはない加熱条件に暴露することであり、対応付け分子の RNA部分 を逆転写により RNA-DNAノヽイブリツドにして力 標的分子と結合させる場合には、翻 訳及び逆転写の間にはない加熱条件に暴露することである。この温度は、翻訳され て力 標的分子に結合させるまでの工程に応じて、通常には、 50-100°C、 1-30分の
範囲から選択される。強い選択圧という点では、翻訳だけがある場合並びに翻訳及 び逆転写がある場合のいずれでも、好ましくは 80°C以上、より好ましくは 90°C以上の 温度で加熱処理をする。
[0030] ( の工程の前に対応付け分子の RNA部を逆転写により RNA-DNAノヽイブリッドにす ることが好ま U、。これにより RNAの担体および標的分子への非特異的な結合を阻止 することができる。また、逆転写を行う場合には、逆転写の前に、逆転写反応を阻害 する無細胞翻訳系由来の物質を除去することが好ましい。除去の方法としては、ゲル ろ過カラム、スピンカラム、ニッケルカラム等を用いる分画が挙げられる。
[0031] 加熱処理、逆転写、及び、分画の順序は特に限定されないが、通常には、加熱処 理、分画、逆転写の順、または、分画、逆転写、加熱処理の順が好ましい。
(d)工程は、対応付け分子を標的分子に対して結合させ、十分洗浄した後、溶出し 、対応付け分子の核酸部を逆転写- PCRまたは PCRによって増幅させる工程である。 この工程は通常の IW法におけるものと同様に行うことできる。溶出は、通常には遊 離の標的分子を含む溶液で溶出することにより行うことができる。
[0032] 本発明の選択法においては、(d)で増幅した DNAを (a)のライブラリ一として用いて、 (a)— (d)の操作を繰り返すことが好ましい。繰り返す場合には、(d)で増幅した DNAを (a)のライブラリ一として用いるための処理をする。例えば、各サイクルごとに 5'UTR配 列(増幅プライマー配列- SP6プロモーター配列- Ω 29ェンハンサー配列)を N末端に 付加する。しカゝしながら、抗体の N末端はそれぞれでその配列が異なるため、 N末端 に共通配列を導入する必要がある。後記実施例では T7タグ (MASMTGGQQMG (配 列番号 118》を用いた力 このタグは一般的に使用されているものであればどのよう なものでもかまわな ヽ。 C末端側には FLAGタグ (DYKDDDDK (配列番号 119))を導入 した。一般的にライブラリーを構築する上で、 PCRでの増幅、化学合成等によるある 程度の好まれない変異 (STOPコドン、挿入、欠失)の導入は避けられない。そこで、 C 末端のタグによってインフレーム (in-frame)のものだけを選び出すことが可能になる。 このタグもまた一般的に使用されているものであればどのようなものでも力まわない。
[0033] 本発明の選択法で使用される IWライブラリーの一例を、図 1を参照して説明する。
タンパク質は一本鎖抗体である。マウス脾臓由来抗体 (IgG) mRNAの H鎖 L鎖それぞ
れの可変部を RT-PCRで抽出し、 H鎖の C末端と L鎖の N末端を (Gly Ser)のリンカ
4 4 一 でつなげて一本鎖抗体 cDNAライブラリーとする。これらを試験管内転写によって mRNAとし、この mRNAの 3'末端にピューロマイシンを有する PEGスぺーサーを結合さ せる。これらを無細胞翻訳系で翻訳すると mRNAとその配列に対応する抗体がピュー ロマイシンを介して共有結合した IWライブラリーが構築される。このライブラリ一は 10 13以上の多様性を有しており、既知の抗体選択法の中で最も大きなライブラリーであ る。
[0034] 一本鎖抗体 DNAライブラリーを用いた場合の本発明の選択法の工程の概要を図 2 に示す。このような選択サイクルによって、すなわち、選択、増幅、ライブラリーの再構 築、翻訳を繰り返すことで、希望とする抗体を濃縮する。ここで、選択時にある種の選 択圧を力 4ナることで、得られる抗体の性質と濃縮効率が決まる。すなわち、不安定な 抗体を除去するタンパク質レベルでの選択圧と、非特異的に結合するものを除去す るための選択圧である。本発明では、 IW法を採用することにより、従来の方法では 目的の抗体が得られないような高い選択圧をかけても目的の抗体が選択されること が半 lj明した。
[0035] 以下、具体的に本発明の翻訳テンプレート、 C末端修飾タンパク質、翻訳テンプレ ートによる C末端ラベルイ匕法および対応付け方法についての実施例を記述するが、 下記の実施例は本発明につ 、ての具体的認識を得る一助とみなすべきものであり、 本発明の範囲は下記の実施例により何ら限定されるものでない。
[0036] 選択対象タンパク質のコード部は、 5'末端領域、 ORF領域、 3'末端領域カゝらなり、 5' 末端に Cap構造があってもなくてもよい。また、コード部の 3'末端領域は、 A配列として ポリ Ax8配列、あるいは X配列として Xhol配列や 4塩基以上で (C又は G)NN(C又は G) の配列を持つもの、および A配列と X配列の組み合わせとしての XA配列がある。 A配 列、 X配列、あるいは XA配列の上流に親和性タグ配列として Flag-tag配列、からなる 構成が考えられる。ここで、親和性タグ配列としては HA-tagや IgGのプロテイン A(zドメ イン)などの抗原抗体反応を利用したものや His-tagなど、タンパク質を検出あるいは 精製できるいかなる手段を用いるための配列でも力まわない。ここで、翻訳効率に影 響する範囲としては、 XA配列の組み合わせが重要であり、 X配列のなかで、最初の 4
塩基が重要であり、(C又は G)NN(C又は G)の配列を持つものが好ましい。また、 5'末 端領域は、転写プロモーターと翻訳ェンハンサ一からなり、転写プロモーターは T7/T3ある 、は SP6などが利用でき、特に制限はな!/、が、小麦の無細胞翻訳系では、 翻訳のェンノ、ンサ一配列としてオメガ配列やオメガ配列の一部を含む配列を利用す ることが好ましぐプロモーターとしては、 SP6を用いることが好ましい。翻訳ェンハンサ 一のオメガ配列の一部 (029)は、 TMVのオメガ配列 (Gallie D.R., Walbot V. (1992) Nucleic Acids Res., 20, 4631- 4638)の一部を含んだものである。
[0037] ポリエチレングリコール (PEG)部(スぺーサ一)は、 CCA領域、 PEG領域、ドナー領域 力 なる。最低限必要な構成は、ドナー領域である。翻訳効率の点では、ドナー領域 のみならず PEG部を持つものが好ましぐさらにアミノ酸との結合能力のないピュー口 マイシンを持つことが好まし!/、。 PEG領域のポリエチレングリコールの分子量の範囲 は、 400— 30,000で、好ましくは 1,000— 10,000、より好ましくは 2,000— 6,000である。ま た、 CCA領域にはピューロマイシン(Puromycin)を含む構成と含まな!/、構成が可能で ある。
[0038] 対応付け分子の構築に用いる場合には、無細胞翻訳系にお 、て、そこで翻訳され たタンパク質の C末端にスぺーサ一が結合できるようにピューロマイシンを含む構成 が用いられる。ピューロマイシンを含むとはその誘導体を含むことも包含する。誘導体 の例としては以下のものが挙げられる。 3し N-アミノアシルピューロマイシンアミノヌク レオシド (3 '—Ν— Aminoacylpuromycin aminonucleoside, PANS—アミノ酸)、例えばァミノ 酸部がグリシンの PANS- Gly、 ノ《リンの PANS- Val、ァラニンの PANS- Ala、その他、全 アミノ酸に対応する PANS-全アミノ酸が利用できる。また、化学結合として 3'-アミノア デノシンのァミノ基とアミノ酸のカルボキシル基が脱水縮合した結果形成されたアミド 結合でつながった 3'-N-アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシド(
3'- Aminoacyladenosine aminonucleoside, AANS-アミノ酸)、例えばアミノ酸部がグリ シンの AANS-Gly、 ノ リンの AANS-Val、ァラニンの AANS-Ala、その他、全アミノ酸に 対応する AANS-全アミノ酸が利用できる。また、ヌクレオシドあるいはヌクレオシドとァ ミノ酸のエステル結合したものなども利用できる。その他、ヌクレオシドあるいはヌクレ オシドに類似した化学構造骨格を有する物質と、アミノ酸あるいはアミノ酸に類似した
化学構造骨格を有する物質を化学的に結合可能な結合様式のものなら全て利用す ることができる。 CCA領域 (CCA)の 5'側に 1残基以上の DNAおよび/または RNAからな る塩基配列を持つことが好ましい。塩基の種類としては、 C〉(U又は T)〉G〉Aの順で好 ましい。配列としては、 dC- Puromycin, rC- Puromycinなど、より好ましくは
dCdC-Puromycin, rCrC— Puromycin, rCdC— Puromycin, dCrC— Puromycinなどの酉己歹 [J で、アミノアシル- tRNAの 3'末端を模倣した CCA配列 (Philipps G.R. (1969) Nature 223, 374-377)が適当である。
[0039] C末端ラベルイ匕の場合など翻訳のみに用いる翻訳テンプレートでは、ピュー口マイ シンを含まない構成、または、アミノ酸との結合能力のないピューロマイシンを含む構 成が好ま 、。上記のピューロマイシン誘導体のァミノ基がアミノ酸と結合する能力を 欠いたあらゆる物質、およびピューロマイシンを欠いた CCA領域も考えられる力 リボ ソーム上でタンパク質と結合不能なピューロマイシンを含むことで、より翻訳効率を高 められる。その理由は定かではないが、タンパク質と結合不能なピューロマイシンがリ ポソームを刺激することでターンオーバーが促進される可能性がある。結合不能なピ ユーロマイシンでは、上記のピューロマイシンを適切な方法でアミノ酸と結合不能とす る。
[0040] PEG部は修飾物質を有する構成が可能である。このことによって、翻訳テンプレート を回収、精製による再利用、あるいは固定ィ匕などのためのタグとして利用することが 出来る。少なくとも 1残基の DNAおよび/または RNAの塩基に修飾物質として、蛍光物 質、ピオチン、あるいは His-tagなど各種分離タグなどを導入したものが可能である。 また、コード部の 5'末端領域を SP6+029とし、 3'末端領域を、たとえば、 Flag+Xhol+A (n=8)とすることで、各長さは、 5'末端領域で約 60bp、 3'末端領域で約 40bpであり、 PCRのプライマーにアダプター領域として設計可能な長さである。これによつて新た な効果が生み出された。すなわち、あらゆるベクターやプラスミドや cDNAライブラリー カゝら PCRによって、 5'末端領域と 3'末端領域をもったコード部を簡単に作成可能となり 、このコード部に、 3'UTRの代わりとして PEG部をライゲーシヨンすることで、翻訳効率 の高 、翻訳テンプレートを得られる。
[0041] PEG部とコード部のライゲーシヨンは、その方法については、一般的な DNAリガーゼ
を用いるものや光反応による連結など何でもよぐ特に限定されるものではない。 RNA リガーゼを用いるライゲーシヨンでは、コード部でライゲーシヨン効率に影響を与える 範囲としては 3'末端領域の A配列が重要であり、少なくとも 2残基以上の dAおよび/ま たは rAの混合あるいは単一のポリ A連続鎖であり、好ましくは、 3残基以上、より好まし くは 6から 8残基以上のポリ A連続鎖である。 PEG部のドナー領域の 5'末端の DNAお よび/または RNA配列は、ライゲーシヨン効率を左右する。コード部と PEG部を、 RNAリ ガーゼでライゲーシヨンするためには、少なくとも 1残基以上を含むことが必要であり、 ポリ A配列をもつァクセプターに対しては、少なくとも 1残基の dC (デォキシシチジル酸 )あるいは 2残基の dCdC (ジデォキシシチジル酸)が好ましい。塩基の種類としては、 C 〉(U又は T)〉G〉Aの順で好ましい。さらに、ライゲーシヨン反応時に、 PEG領域と同じ分 子量のポリエチレングリコールを添加することが好ましい。
[0042] 次に、選択対象タンパク質の C末端修飾 (ラベル化)につ!/、て述べる。修飾剤の存 在下で、選択対象タンパク質の翻訳テンプレートを用いた翻訳によって合成された、 修飾剤で C末端修飾された選択対象タンパク質であり、翻訳テンプレートと、修飾剤 力もなる。ここでの特徴は、特に翻訳テンプレートのコード部の構成にある。以下詳細 に記述する。
[0043] 翻訳テンプレートの PEG部は、ピューロマイシンがアミノ酸と連結出来ないことを特 徴とする。また、コード部も C末端ラベルイ匕に適した構成としては、 3'末端領域が、 XA 配列であることが重要であり、 X配列のなかで、最初の 4塩基が重要で、(C又は G)NN(C又は G)の配列を持つものが好ましい。ここでも、コード部の 5'末端領域を SP6+029とし、 3'末端領域を、たとえば、 Flag+Xhol+A (n=8)とすることで、各長さは、 5'末端領域で約 60bp、 3'末端領域で約 40bpであり、 PCRのプライマーにアダプター 領域として設計できる長さである。これによつて、 5'末端領域と 3'末端領域をもったコ 一ド部を PCRによって簡単に作成可能となり、このコード部に 3'UTRの代わりとして PEG部をライゲーシヨンすることで、 C末端ラベル化に適した翻訳効率の高 、翻訳テ ンプレートを得られる。
[0044] 修飾剤は、タンパク質の翻訳系でのペプチド転移反応、すなわち、リボソーム上で のペプチド転移反応によってタンパク質と結合し得る基 (残基を含む)をもつァクセプ
ター部が、ヌクレオチドリンカ一を介して修飾部と結合した構成をもつ。この修飾剤の 存在下でタンパク質合成を行い、得られる C末端修飾タンパク質を精製し、分子間相 互作用の検出系を用いることによって、タンパク質の検出や相互作用の検出が可能 となる。修飾部には、 PEG部と同様に修飾物質が含まれる。修飾物質として、非放射 性修飾物質の具体例としては、蛍光性、非蛍光性修飾物質等が挙げられる。蛍光性 物質としては、フルォレセイン系列、ローダミン系列、 Cy3、 Cy5、ェォシン系列、 NBD 系列等の蛍光色素や、緑色蛍光タンパク質 (GFP)等の蛍光性タンパク質がある。ま た、非蛍光性物質としては、ピオチンのような補酵素、タンパク質、ペプチド、糖類、 脂質類、色素、ポリエチレングリコール等、何らかの目印となり得る化合物であればい かなるものでもよい。修飾剤においては、修飾部が蛍光基、タンパク質と結合する基 、または、その両方をもつことが好ましい。ァクセプター部は、タンパク質の翻訳系で 、ペプチド転移反応によってタンパク質と結合し得る基をもち、好ましくはピュー口マイ シン又はその誘導体の残基をもつ。ピューロマイシンはアミノアシル tRNAと類似した 構造をもち、タンパク質合成を阻害する抗生物質として知られているが、低濃度では タンパク質の C末端に結合することが知られている(Miyamoto-Sato, E. et al. (2000) Nucleic Acids Res. 28: 1176-1182)。用いることができるピューロマイシン誘導体は、 ピューロマイシンと類似した構造を有し、タンパク質の C末端に結合することができる 物質であればいかなるものでもよい。具体例としては、 3'-N-アミノアシルピュー口マイ シンアミノヌクレオシド、 3'-N-アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシド等が挙げられる 。修飾部とァクセプター部との間をつなぐヌクレオチドリンカ一とは、具体的には、リボ ヌクレオチドまたはデォキシリボヌクレオチドが 1個ないし複数個つながった核酸また は核酸誘導体であり、特に好ましい例として、シトシン塩基を含むリボヌクレオチド( -rC-)またはデォキシリボヌクレオチド (_dC-)が 1個な 、し複数個つながったィ匕合物 が挙げられる。その他、修飾部とァクセプター部との間に挿入することによって修飾タ ンパク質の収量を上げることができる物質であれば 、かなるものでもよ、。本発明修 飾剤においては、ヌクレオチドリンカ一力 デォキシシチジル酸、 2'-デォキシシチ ジル -(3',5')-2'-デォキシチジル酸、リボシチジル酸、又は、リボシチジル -(3',5')-リボ シチジル酸であることが好まし!/、。
[0045] 修飾剤は、上記修飾部とァクセプター部とを所望のヌクレオチドリンカ一を介して、 それ自体既知の化学結合方法によって結合させることにより製造することができる。 具体的には、例えば、適当な保護基で保護された上記ァクセプター部を固相担体上 に結合させ、核酸合成機を用いてヌクレオチドリンカ一としてヌクレオチドホスホアミダ イト、およびデォキシヌクレオチドホスホアミダイト、機能性修飾物質として蛍光物質や ピオチンなどを結合したホスホアミダイトを順次結合させた後、脱保護を行うことによつ て作製することができる。上記各部の種類、あるいは結合の種類によっては液相合成 法で結合させるかあるいは両者を併用することもできる。また、機能性修飾物質として ニッケル等の金属イオンを用いる場合には、金属イオンが配位しうる-トリ口トリ酢酸 やイミノジ酢酸等のキレート性の試薬を結合させ、次 、で金属イオンを配位させること ができる。
[0046] 翻訳テンプレートの PEG部は、ピューロマイシンがアミノ酸と連結できることを特徴と する以外は前記したものとと同様である。また、コード部も前記したものと同様である 力 特に、対応付けに適した構成としては、 3'末端領域を A配列にすることが重要で あり、トータル蛋白の対応付けの効率が著しく向上してフリータンパク質の量が激減 することが確認された。ここでも、コード部の 5'末端領域を SP6+029とし、 3'末端領域 を、たとえば、 Flag+Xhol+A (n=8)とすることで、各長さは、 5'末端領域で約 60bp、 3'末 端領域で約 40bpであり、 PCRのプライマーにアダプター領域として設計できる長さで ある。これによつて、あらゆるベクターやプラスミドや cDNAライブラリーから PCRによつ て、 5'末端領域と 3'末端領域をもったタンパク質のコード部を簡単に作成可能となり、 PEG部をライゲーシヨンすることで、対応付け効率の高!、翻訳テンプレートが得られる 。また、 PEGによって C末端修飾されたタンパク質は、タンパク質の検出や相互作用 検出などにおいて、コード部を利用しない場合、たとえば、 FCCS測定、蛍光リーダー 、プロテインチップなどに応用する場合は、 RNase Aなどで意図的に切断することが 好ましい。切断することによって、コード部の妨害によるタンパク質間相互作用の検出 の困難性が解消出来る。
[0047] タンパク質 cDNAライブラリーから IWを形成させるには、無細胞翻訳系を用いる。具 体的には、ジチオスレィトール (DTT)や β -メルカプトエタノールのようなチオール化
合物を含む、又は含まない小麦胚芽抽出液、ゥサギ網状赤血球抽出液、大腸菌 S-30抽出液を用いる。特に、これまで DTTを含む無細胞翻訳系では、活性のある抗 体をタンパク質として発現させることが困難であつたが、本発明では DTT存在下でも IWを用いることにより、活性のある抗体を選択することが可能であることがわ力つた。 これらの無細胞タンパク質合成系の中に、上記タンパク質の翻訳テンプレートをカロえ 、 25— 37°Cで 1一数時間保温することによって IWを形成させる。 C末端ラベル化の 場合は、同時に 1一 100 Mの修飾剤をカロえると、 C末端修飾タンパク質が合成される 。合成された IVVは、そのまま次の、加熱処理工程、又は逆転写の工程に供する。
[0048] 対応付け分子 (「IW」ともいう)を翻訳後直接加熱する場合は、通常には 50-100°C で 1-30分の範囲力 選択される条件で処理する。予め IWの mRNA部を逆転写酵素 によって RNA-DNAハイブリッドにする場合は、無細胞翻訳系に逆転写反応を阻害す る物質が含まれているので、除去することが好ましい。除去操作には、ゲルろ過、好 ましくは Sephadex G200(Amersham Bioscience社製)、又はスピンカラム、好ましくは Ultrafree MC, 100,000 NMWL (ミリポア社製)、又は大腸菌の無細胞翻訳系の PURESYSTEM (ポストゲノム研究所社製)の場合は、ニッケル榭脂を用いる。
[0049] 逆転写反応 (RT)により、 IWの mRNA部を RNA- DNAハイブリッドにすることにより、 mRNA部の担体および抗原への非特異的吸着が阻止できる。逆転写反応は、 mRNA を 65°Cで加熱変性させた後、 4°Cに冷却してァニールさせ、 ReverTra Ace(TOYOBO 社製)を加えて、 50°Cで 30分反応させる。逆転写酵素は、逆転写反応を行うものであ れば、いかなる酵素、いかなる条件であってもよい。上記の条件に限定されるもので はない。 mRNA部を RNA-DNAノヽイブリツドにした IVVの加熱処理条件も、通常には 50-100°Cで 1-30分の範囲力 選択される条件である力 逆転写の最高温度より高い 温度とする。
[0050] RT-PCRおよび PCRに使用される DNAポリメラーゼは、 PCR反応に用いられるもので あれば特に制限されるものではないが、高い増幅効率と、 PCRの忠実度 (fidelity)が高 すぎないものがより好ましい。本発明で使用した KOD Dash(TOYOBO製品)は極めて 微量の铸型 DNAからも効率よく増幅が可能であり、また適度な変異が導入されるため 、より高機能なものに進化させることができる。
[0051] 標的分子はペプチド (化学合成された、又は天然から単離された、又はタンパク質 の部分消化物であってもよい)、タンパク質、核酸 (DNA、又は RNA)、糖類、種々の低 分子化合物、金属、金属化合物など、あらゆる化合物や物質が該当する。
[0052] 本発明に用いられる標的分子は態様に応じて、榭脂、ビーズ等の固相に結合させ る力 固相に結合させる方法としては、修飾物質を介して結合させるものと、それ以 外の部分により結合させるものが挙げられる。
[0053] 修飾物質を介して結合させる場合に用いられる修飾物質は、通常には、特定のポリ ペプチドに特異的に結合する分子 (以下、「リガンド」と称することがある。)であり、固 相表面には該リガンドと結合する特定のポリペプチド (以下、「アダプタータンパク質」 と称することがある)を結合させる。アダプタータンパク質には、結合タンパク質、受容 体を構成する受容体タンパク質、抗体なども含まれる。アダプタータンパク質 Zリガン ドの組み合わせとしては、例えば、アビジンおよびストレプトアビジン等のピオチン結 合タンパク質 Zピオチン、マルトース結合タンパク質 Zマルトース、 Gタンパク質 Zグ ァニンヌクレオチド、ポリヒスチジンペプチド Zニッケルある 、はコバルト等の金属ィォ ン、グルタチオン S—トランスフェラーゼ Zグルタチオン、 DNA結合タンパク質 ZDN A、抗体 Z抗原分子 (ェピトープ)、カルモジュリン Zカルモジュリン結合ペプチド、 A TP結合タンパク質 ZATP、あるいはエストラジオール受容体タンパク質 Zエストラジ オールなどの各種受容体タンパク質 Zそのリガンドなどが挙げられる。
[0054] これらの中で、アダプタータンパク質 Zリガンドの組み合わせとしては、アビジンおよ びストレプトアビジンなどのピオチン結合タンパク質、マルトース結合タンパク質 Zマ ルトース、ポリヒスチジンペプチド Zニッケルあるいはコバルト等の金属イオン、グルタ チオン s—トランスフェラーゼ Zダルタチオン、などが好ましぐ特にストレプトァビジ ン zピオチンの組み合わせが最も好ましい。これらの結合タンパク質は、それ自体既 知のものであり、該タンパク質をコードする DNAは既にクローユングされている。
[0055] アダプタータンパク質の固相表面への結合は、それ自体既知の方法を用いることが できるが、具体的には、例えば、タンニン酸、ホルマリン、ダルタルアルデヒド、ピルビ ックアルデヒド、ビス ジァゾ化べンジゾン、トルエン- 2,4-ジイソシァネート、アミノ基、 活性エステルに変換可能なカルボキシル基、又はホスホアミダイドに変換可能な水
酸基もしくはアミノ基などを利用する方法を用いることができる。
[0056] 修飾物質以外の部分により固相に結合させる場合は、通常タンパク質、核酸、糖鎖 、低分子化合物を固相に結合させるのに用いられる既知の方法、具体的には例えば 、タンニン酸、ホルマリン、グルタルアルデヒド、ピルビックアルデヒド、ビスージァゾィ匕 ベンジゾン、トルエン- 2, 4-ジイソシァネート、アミノ基、活性エステルに変換可能な力 ルポキシル基、又はホスホアミダイドに変換可能な水酸基もしくはァミノ基などを利用 する方法を用いることができる。
[0057] 固相担体は、好ましくはァガロースビーズ、磁性体が包埋されたァガロースビーズ が好ましい。固相表面と抗原分子との距離は、立体的な観点から 30オングストローム 以上離れて!/、ることが好ま U、。
[0058] 高機能性タンパク質を取得する方法として一般的には 2つの方法が挙げられる。以 下、高親和性抗体を例として説明する。 1つは選択実験に使用する抗原濃度を低く 設定することで、その濃度の抗体のみを選択する方法である。この方法は回収される 抗体の量も当然少なくなるため効率が悪ぐそれにともなって、設定できる抗原濃度 も回収可能な濃度に制限される。 2つめは off- rate selection (Hawkins, R. (1992) J. Mol. Biol. 226, 889—896; Boder, E. (1997) Nat. Biotechnol. 15, 553—557; Jermutus, L. (2001) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98, 75- 80)と呼ばれるもので、抗原と抗体の解 離速度を利用した方法である。解離定数 (Kd)は結合速度定数 (on-rate)と解離速度 定数 (off-rate)の比で表されるが、生体高分子の結合定数はほぼ一定の範囲内 (104 - 106M— ^ にあるため実質の Kdは解離速度定数によって決まる。従って、解離速度 が遅い抗体ほどその親和性は高いため、抗原での溶出時間を長くすればするほど、 より親和性の高い抗体を濃縮することができる。し力しながら、この方法は 1サイクル の選択実験に有する時間が長いといった問題がある。この問題を解決する方法とし て、抗原で溶出するのではなぐ抗原または抗体を配列特異的にプロテア一ゼで消 化させることによって溶出する方法がある。このプロテアーゼは TMVプロテアーゼゃ 因子 (factor) Xaを代表とする極めて基質特異性の高いものから、トリプシンやプロティ ナーゼ Kと 、つた配列特異性の低 、ものまでを含むあらゆるプロテアーゼによって制 限されない。以上の方法は本発明においても適応可能であり、また組み合わせること
で極めて有効な方法となる。
[0059] 本発明の選択法により選択された核酸を用いてタンパク質を製造する方法、すなわ ち、本発明の選択法により標的分子と相互作用するタンパク質をコードする核酸を選 択する工程、および、選択された核酸を翻訳してタンパク質を製造する工程を含む製 造法も提供される。
[0060] 核酸を選択する工程は、本発明の選択法に関して説明したとおりである。
核酸を用いたタンパク質の製造は、通常の方法に従って行うことできる。例えば、核 酸を無細胞翻訳系で翻訳してもよ 、し、核酸を導入したプラスミドを用いることなどに より核酸で大腸菌等の生細胞を形質転換して、その生細胞内でタンパク質を発現さ せてもよい。無細胞翻訳系としては、ジチオスレィトールや j8 -メルカプトエタノールの ようなチオール化合物を含む無細胞翻訳系、好ましくは、小麦胚芽抽出液、ゥサギ網 状赤血球抽出液、または、大腸菌 S-30抽出液が挙げられる。
[0061] タンパク質を発現させる際には、選択された核酸によりコードされるタンパク質と、酵 素又は緑色蛍光タンパク質 (Green Fluorescent Protein: GFP)との融合タンパク質とし て発現させてもよい。
[0062] 本発明の製造法により得られるタンパク質の例としては一本鎖抗体が挙げられる。
一本鎖抗体の例としては、抗原がアンジォテンシン IIの場合には、後記実施例に示 す Mil- 16 (61)、 Mil- 4 (63)、 MI2- 10 (65)、 MI2- 34 (67)、 MI2- 41 (69)、 MI2- 48 (7 1)、 MI3- 15 (73)、 MI3- 26 (75)、 MI3- 28 (77)、 MI3- 34 (79)、 MI3- 41 (81)、 MI3- 42 (83)、 MI3- 47 (85)、 MI3- 5 (87)、 MI3- 55 (89)、 MI3- 62 (91)、 MI3- 64 (93)、 MI3- 66 (95)、 MI3- 74 (97)、 MK2- 3 (99)、 MM2- 11 (101)、 MP1- 36 (103)、 MP1-41 (105)が挙げられる (括弧内の数字はアミノ酸配列の配列番号を示す)。ま た、抗原力 ewis Xである場合には、後記実施例に示す MI3-8 (107)、 MK1-15 (109 )、 MK1- 17 (111)、 MK1- 24 (113)、 MK2- 8 (115)、 MK2- 19 (117)が挙げられる(括 弧内の数字はアミノ酸配列の配列番号を示す)。これらの抗体のアミノ酸配列に相同 性の高いアミノ酸配列(例えば、 90%以上 (相同性計算法: GENETYX- MAC Version 7.3 (SOFTWARE DEVELOPMENT CO., LTD)の Maximum matching))または、これ らの抗体のアミノ酸配列において 1または数個(通常には 30個以下)の残基の置換、
欠失または挿入を有するアミノ酸を有するものは、同様な結合活性を有するものが多 いと予想される。したがって、本発明は、以下の抗体およびこれらをコードする核酸も 提供する。
[0063] アンジォテンシン IIに対する結合活性を有する一本鎖抗体であって、下記 (A)又は (B)に示すアミノ酸配列を有する一本鎖抗体。
(A)配列番号 61、 63, 65, 67, 69, 71、 73, 75, 77, 79, 81、 83, 85, 87, 89, 9 1、 93、 95、 97、 99、 101、 103また ίま 105に示すアミノ酸酉己歹 lj。
(B) (A)のアミノ酸配列と相同性が 90%以上のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列。
[0064] Lewis Xに対する結合活性を有する一本鎖抗体であって、下記 (A)又は (B)に示すァ ミノ酸配列を有する一本鎖抗体。
(A)配列番号 107、 109、 111、 113、 115または 117に示すアミノ酸配列。
(B) (A)のアミノ酸配列と相同性が 90%以上のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列。
[0065] また、本発明の選択法により選択された核酸を、 C末端ラベル化剤の存在下で無細 胞翻訳系で翻訳することによりタンパク質の C末端をラベル化する方法も提供される 。ラベル化は、特開平 11-322781、特開 2000-139468、 WO 02/46395に記載されたよ うにして行うことができる。無細胞翻訳系としては、小麦胚芽抽出液、ゥサギ網状赤血 球抽出液、大腸菌 S-30抽出液が挙げられる。
[0066] 生細胞を用いてタンパク質を大量に発現させる具体例としては、大腸菌、枯草菌、 好熱菌、酵母等の細菌から、昆虫細胞、哺乳類等の培養細胞、さらに線虫、ショウジ ヨウバエ、ゼブラフィッシュ、マウス等に至るまでいかなる細胞でもよい。これらの細胞 の中に、上記 C末端ラベルイ匕ある ヽは対応付けされた両修飾タンパク質を直接導入 することもできるし、あるいは、上記翻訳テンプレートを導入し、 C末端ラベル化の場 合は、同時に 1一 100 /z Mの修飾剤を電気穿孔法、マイクロインジェクション法等により 細胞の中に導入し、細胞の至適生育温度で数時間保温することによって修飾タンパ ク質が合成される。対応付けの場合は、上記翻訳テンプレートを導入し、細胞の至適 生育温度で数時間保温することによって対応付け分子が合成される。合成された両 修飾タンパク質は、細胞を破砕することによって回収し次の精製プロセスまたは検出 プロセスに供することができる。また、そのまま細胞の中で検出プロセスに供すること
も可能である。翻訳テンプレートは、用いる翻訳系に合わせて適切なものを選択する
[0067] 大腸菌でタンパク質を大量発現させるには、発現ベクターに目的の cDNAを導入す ることが必要となる。この時発現ベクターに含まれるもので最も重要なのは、 cDNAを
RNAに転写させるためのプロモーターで多様なものが用いられている。発現しようと するタンパク質は、宿主である大腸菌に対して毒性をもつ場合もあるため、ほとんど のベクターでは何らかの形で発現を制御するようになって 、る。この制御は発現タン ノ^質をコードする遺伝子を組込んだベクターで大腸菌を形質転換してカゝら発現誘 導をかけるまでの間、大腸菌の増殖を妨げないためにも重要である。
[0068] プロモーターのすぐ下流、クローユングサイトのすぐ上流にはリボソーム結合部位、
Shine-Dalgarno配列と呼ばれる塩基配列が含まれて!/、る。一般には使用するプロモ 一ターの下流域に付随してくるものをそのまま利用することが多 、。この部分は mRNAに転写されたあと、開始コドン AUGとともにリボソーム RNAに結合する。
Shine-Dalgarno配列と開始コドンの間が 5— 10塩基の時に最も翻訳効率がよいといわ れている。現在では融合タンパク質として発現させることがほとんどであるため、巿販 のベクターに合わせて最適化されたプロモーターとそのすぐ下流に存在する融合タ ンパク質の開始コドンをそのまま利用することになる。
[0069] 翻訳の効率ィ匕の観点からは、翻訳開始点付近の mRNAの高次構造が重要である。
このため目的遺伝子の N末端付近をコードする塩基配列を、アミノ酸の置換なしに極 力アデ-ンゃチミンに富んだものに変換することが必要なこともある。さらに、高効率 の発現を期待するならば、大腸菌におけるアミノ酸のコドンの使用頻度を考慮し、大 腸菌に最適なコドンに置換することも重要である。
[0070] また、通常大腸菌での発現系は細胞質内で行われるが、細胞質は還元的な環境 下にあるため、抗体のような S-S結合を有するタンパク質は封入体となってしまう。そこ で、抗体の場合には、大腸菌発現は酸ィ匕的な環境下にあるペリブラズム内で行うの が一般的である。この場合、抗体の N末端にシグナル配列(例えば pel Bリーダーや ompT)を導入することで達成される。し力しながら、ペリブラズムでの発現系は細胞質 に比べてその発現量が極めて低い。ここで、本発明で得られる抗体は DTTが存在す
る還元的な環境下で選択されたものであるため、大腸菌の細胞質内で発現させた場 合にぉ 、ても、水溶性の機能性抗体として発現させることができる。
[0071] 本発明の製造法によって得られた一本鎖抗体は、タンパク質の免疫学的検出に使 用できる。免疫学的検出の方法の例としては、ウェスタンプロット法、免疫染色法、蛍 光抗体染色法、抗体チップ法、免疫沈降法が挙げられる。
[0072] また、本発明の製造法によって得られた一本鎖抗体と、タンパク質とを接触させ、一 本鎖抗体とタンパク質との相互作用を検出することにより、タンパク質相互作用を検 出することができる。タンパク質相互作用の検出の方法としては、蛍光相関分光法、 蛍光イメージングアナライズ法、蛍光共鳴エネルギー移動法、エバネッセント場分子 イメージング法、蛍光偏光解消法、表面プラズモン共鳴法、固相酵素免疫検定法が 挙げられる。
[0073] ペプチドやタンパク質を、一本鎖抗体を用いて検出するためには、一本鎖抗体とぺ プチド、タンパク質を何らかの修飾剤、例えば蛍光色素で修飾したり、酵素や蛍光タ ンパク質 (GFP)との融合タンパク質を構築したりして、検出する必要がある。一本鎖抗 体とペプチド、タンパク質を蛍光色素で修飾する方法については前記した。融合タン パク質の構築は、 GFP又は酵素、好ましくはアルカリ性ホスファターゼゃ西洋ヮサビの ペルォキシダーゼを一本鎖抗体の C末端又は N末端に融合させる。このような一本 鎖抗体の融合タンパク質を無細胞翻訳系又は大腸菌やバキュロウィルス、動物細胞 の系で発現、精製して得る。 GFPの場合は蛍光で、アルカリ性ホスファターゼの場合 は可視光で、西洋ヮサビのペルォキシダーゼの場合は、化学発光をルミノメーターで 検出する。また、タンパク質の検出には、一本鎖抗体のタグ (Flag-tag、 T7-tag、 HA-tag等)の二次抗体と、 GFP又はアルカリ性ホスファターゼゃ西洋ヮサビのペルォ キシダーゼとの融合タンパク質を用いてもよい。以下に、一本鎖抗体を用いたぺプチ
、て述べる。
[0074] (1)抗体による免疫染色
研究対象となる分子の解析を始める際に、その機能を推測する手段の一つにその 分子の局在性の検討が挙げられる。 目的分子の発現を検討するためにさまざまな方 法が開発されて 、るが、その!/、ずれもが実験材料の準備や実験系の確立に多くの時
間と手間を要する。それらの方法と比較して抗体を用いた組織染色は操作が比較的 簡便であり、準備するものは対象分子を認識する抗体のみである。ある分子の解析を 始めた時点でその分子を認識する抗体はなんらかの方法で手に入つている場合が 多いので、初めての人でもすぐに実験を開始できる。また遺伝子の発現という形では なぐタンパク質の存在を直接確認できるというのも本方法の優れた点である。しかし ながらすベての抗体が組織染色に用いることができるわけではない。その分子が生 体内でとる構造を認識できな 、抗体では良好な結果は望めな 、。組織染色に適した 抗体を準備できるかが勝負の分かれ目になる。
[0075] 基本的な原理はウェスタンプロットと変わらな 、が、組織染色の場合には組織中に タンパク質をホルムアルデヒドなどでィ匕学的に固定しその局在を検出する。固定され た標的タンパク質を一次抗体および二次抗体を用いて検出するわけだ力 そのシグ ナルが微弱で検出が困難である場合には、目的のシグナルのみを特異的に増幅す る方法も開発されている。
[0076] (2)蛍光抗体染色による内在性タンパク質の細胞内局在の観察
機能が不明であるタンパク質を解析するうえで、その分子を特異的に認識する抗体 を用いて細胞内における内在性タンパク質の局在を観察することは、非常に有用な 情報をもたらしてくれることが多 、。 GFP融合タンパク質として発現した場合などとは 異なり、生細胞のままその分子の動きを観察するというわけにはいかないが、刺激や 薬剤の処理に対する応答や細胞運動といったさまざまな状態における目的タンパク 質の局在の変化を観察することができる。 目的とするタンパク質に対する抗体がない 場合でもそのタンパク質にタグをつけた状態で細胞内に一過的に発現させるなどの 方法を用いることにより、タグに対する抗体を用いて同様に目的の分子の局在を観察 することはできる。し力しながらこの場合に観察されたタグつきタンパク質の局在は、 必ずしもそのタンパク質の実際の局在と一致するとは限らず、過剰に発現させたこと による結果であることも少なくない。実験の操作は比較的に容易であるが、抗体や目 的タンパク質の局在によっては固定方法の条件検討が必要になる点、そして何よりも 注目しているタンパク質に対する特異的な抗体を用意することが重要なポイントであ る。
[0077] 適切な固定法により細胞を固定した後、界面活性剤などを用いて膜を透過化( permealize;浸透性を高くする)し、 目的の分子に対する特異的な抗体 (一次抗体)を 用いて処理することにより、細胞内において目的タンパク質 抗体の複合体を形成さ せる。細胞内には非特異的に結合した抗体が多く残っているのでこれを洗浄して除 き、次に一次抗体を認識しさらに蛍光物質で標識してある抗体(二次抗体)を用いて 目的タンパク質 -一次抗体 -二次抗体という複合体を形成させる。一次抗体と同様に 非特異的に結合している二次抗体を洗浄して除き、封入し、顕微鏡で観察する。
[0078] (3)ウェスタンブロット法
ウェスタンプロットとは、電気泳動後のタンパク質を電気的にメンブレンに転写する 作業、あるいはそのような作業を含む一連の実験を言う。
[0079] タンパク質の電気泳動で一般的によく用いられる方法が SDS-PAGEである。試料に 、還元剤である SDSと負の電荷をもつ 2-メルカプトエタノールなどをカ卩えて熱処理する ことにより、タンパク質の高次構造がほぼ完全に破壊される。また、 SDSがタンパク質 の分子量比(1 : 1.4)でタンパク質に結合するため、均一な荷電状態となる。これをポリ アクリルアミドゲル中で泳動すると、タンパク質の分子量にしたがって分離することが できる。
[0080] SDS-PAGE後、ゲル内に展開したタンパク質を電気泳動的にメンブレンに転写し、 試料中の目的タンパク質に対して特異的な抗体とメンブレン上で反応させて、 目的の タンパク質を免疫的に検出する。
[0081] ウェスタンブロットは、ゲル内に展開されたタンパク質バンドをほとんど拡散させるこ となくメンブレン上に転写できる。また、抗原抗体反応の特異性が高ぐ感度が高いこ とも特徴である。したがって、 目的のタンパク質に対する抗体が入手できれば、特定 のタンパク質を高感度で検出できる、手軽でよい方法と言える。
[0082] ここでは、 SDS-PAGEおよび酵素活性を用いたウェスタンブロットの手法について 記述するが、特にこのプロトコルに限定されるわけではない。ウェスタンブロットの操 作の流れを以下に示す。 (1) SDSなどを含むサンプルバッファーでタンパク質試料を 変性させた後、 SDS-PAGEによりタンパク質を分子量に従って分離する。(2)泳動後 、ゲルをメンブレンと重ねて転写装置にセットし、ゲル内に展開したタンパク質バンド
を電気的にメンブレン上に転写 (プロッティング)する。 (3)タンパク質への非特異的 吸着を防ぐためのブロッキングを行った後、 目的タンパク質を特異的に認識する抗体 と一次抗体反応させる。(4)一次抗体分子を特異的に認識する二次抗体 (発色酵素 つき)と二次抗体反応させる。(5)二次抗体につけた発色酵素の酵素活性、例えば ペルォキシダーゼ活性やアルカリ性ホスファターセ活性を利用して発色反応させ、 目 的タンパク質を検出する。
[0083] (4)免疫沈降法
免疫沈降法(免沈、 Immunoprecipitation, IP)とは、特異的な抗原 抗体反応および 、一本鎖抗体の C末端部をピオチンで修飾したり、種々のタグ、例えば Flag-tag、 T7-tag、 HA-tag、 His-tagなど(これはァガロースビーズに共有結合しているストレプト アビジンやタグ抗体と結合するので、遠心により簡単に溶液と分けられる)を用いるこ とにより、使用した抗体に対応する抗原タンパク質だけを分離、精製する方法である 。ただ現在は、単に抗原タンパク質だけを分離、精製するのみならず、むしろ「洗い」 の強度や用いるライセートの界面活性剤を適度に弱めることで、抗体に直接結合す る抗原タンパク質と一緒に複合体を作っているタンパク質を検出し、 in vivoでのタン ノ ク質-タンパク質相互作用を立証する際に最もよく使われる。そのため、 in vitroで の結合しか立証できな!/、プル ダウンアツセィに比べ、検出できた際の意味合!ヽは大 きい。ただ免疫沈降法を行うにあたっては、特異性と親和性が高い抗体が必要であ る。この点、本発明で選択される高親和性抗体は目的に叶っている。一般に用いる 抗体はウェスタンブロットよりも高いタイター(107— IOVOI 1)を必要とし、かつ特異性 もある程度以上が要求される。
[0084] また、上述したように洗浄に用いるバッファー、洗浄の回数、可溶化バッファーの組 成になどに応じて分離できるタンパク質複合体の様相が変化する。以下にプロトコル を示すが、特に限定されるものでない。(1)ライセートの回収:免疫沈降を行う準備段 階としてまず細胞な 、し組織力ゝらタンパク質溶液を得る必要がある。ここでどのような 濃度、組成の溶液を作るかで後の免疫沈降の結果も変わってくる。ライセートにはい ろ!、ろなタンパク質が含まれて 、る。 (2)抗原 抗体反応:ライセートに目的とするタン ノ ク質を認識する一本鎖抗体を加えることで抗原 抗体反応を起こさせる。 (3)ビー
ズと抗体との結合:このままでは溶液内の抗体を分離できないため、それを可能とす るよう、ストレプトアビジンやタグ抗体を共有結合させたァガロースビーズを加える。ス トレブトアビジンやタグ抗体は一本鎖抗体の C末端の修飾されたピオチンやタグを特 異的に認識して結合するため、この操作によって一本鎖抗体がビーズに結合した形 となり、分離ができるようになる。(4)分離、精製:遠心することによりビーズを下に落と し、上清を除くことで分離する。さらに洗浄バッファーを加え、混和することで洗浄し、 非特異的に結合しているタンパク質をある程度取り除く。(5)精製したタンパク質複合 体の解析:タンパク質複合体に含まれて ヽるものをビーズカゝらタンパク質を溶出させ、 SDS— PAGEで分離することによって解析する。検出の方法としては、ウェスタンブロッ ティング (既知の場合で抗体をもって 、る時)や CBB染色などが用いられる。 CBB染 色して、未知のバンドが検出できた場合、 MSで固定することもできる。
[0085] 本発明により得られる標的分子と相互作用するタンパク質 (以下、「機能性タンパク 質」ともいう)を用いた分子間相互作用の解析方法においては、通常には、上記で得 られた修飾機能性タンパク質と標的分子を、修飾物質の種類や反応系の種類などに より適宜組み合わせて接触せしめ、修飾機能性タンパク質又は標的分子が発する信 号にお 、て両分子間の相互作用に基づ!/、て発生される上記信号の変化を測定する ことにより相互作用を解析する。また、相互作用の解析は、例えば、蛍光相関分光法 、蛍光イメージングアナライズ法、蛍光共鳴エネルギー移動法、エバネッセント場分 子イメージング法、蛍光偏光解消法、表面プラズモン共鳴法、又は、固相酵素免疫 検定法により行われる。また、上記で得られた 2組の修飾機能性タンパク質と標的分 子を、修飾物質の種類や反応系の種類などにより適宜組み合わせて接触せしめ、修 飾機能性タンパク質が発する信号にぉ 、て両抗原分子間の相互作用に基づ 、て発 生される上記信号の変化を測定することにより相互作用を解析する。相互作用の解 析は、例えば、蛍光相関分光法、蛍光イメージングアナライズ法、蛍光共鳴エネルギ 一移動法、エバネッセント場分子イメージング法、蛍光偏光解消法、表面プラズモン 共鳴法、又は、固相酵素免疫検定法により行われる。以下これらの方法の詳細につ いては記述する。標的分子及び相互作用は、上記に説明した通りである。
[0086] 用いられる機能性タンパク質は、態様に応じて修飾物質により修飾して用いること
ができる。修飾物質は、通常、蛍光性物質などの非放射性修飾物質から選択される 。蛍光物質としては、フリーの官能基 (例えばカルボキシル基、水酸基、アミノ基など) を持ち、タンパク質、核酸等の上記一本鎖抗体と連結可能な種々の蛍光色素、例え ばフルォレセイン系列、ローダミン系列、 Cy3、 Cy5、ェォシン系列、 NBD系列などの いかなるものであってもよい。その他、色素など修飾可能な化合物であれば、その化 合物の種類、大きさは問わない。
[0087] これらの修飾物質は、標的分子と修飾機能性タンパク質との間の相互作用に基づ いて発生される信号の変化の測定又は解析方法に適したものが適宜用いられる。 上記修飾物質の機能性タンパク質への結合は、それ自体既知の適当な方法を用 いて行うことができる。具体的には、例えば、上に記載した C末端を修飾する方法等 を用いることができる。また、修飾機能性タンパク質または本発明に用いられる標的 分子は態様に応じて、固相に結合させる場合があるが、固相に結合させる方法として は、修飾物質を介して結合させるものと、それ以外の部分により結合させるものが挙 げられる。
[0088] 修飾物質を介して結合させる場合に用いられる修飾物質は、通常には、特定のポリ ペプチドに特異的に結合する分子 (以下、「リガンド」と称することがある。)であり、固 相表面には該リガンドと結合する特定のポリペプチド (以下、「アダプタータンパク質」 と称することがある)を結合させる。アダプタータンパク質には、結合タンパク質、受容 体を構成する受容体タンパク質、抗体なども含まれる。アダプタータンパク質 Zリガン ドの組み合わせとしては、例えば、アビジンおよびストレプトアビジン等のピオチン結 合タンパク質 Zピオチン、マルトース結合タンパク質 Zマルトース、 Gタンパク質 Zグ ァニンヌクレオチド、ポリヒスチジンペプチド Zニッケルある 、はコバルト等の金属ィォ ン、グルタチオン S—トランスフェラーゼ Zグルタチオン、 DNA結合タンパク質 ZDN A、抗体 Z抗原分子 (ェピトープ)、カルモジュリン Zカルモジュリン結合ペプチド、 A TP結合タンパク質 ZATP、あるいはエストラジオール受容体タンパク質 Zエストラジ オールなどの各種受容体タンパク質 Zそのリガンドなどが挙げられる。
[0089] これらの中で、アダプタータンパク質 Zリガンドの組み合わせとしては、アビジンおよ びストレプトアビジンなどのピオチン結合タンパク質、マルトース結合タンパク質 Zマ
ルトース、ポリヒスチジンペプチド Zニッケルあるいはコバルト等の金属イオン、グルタ チオン s—トランスフェラーゼ Zダルタチオン、などが好ましぐ特にストレプトァビジ ン Zピオチンの組み合わせが最も好ましい。これらの結合タンパク質は、それ自体既 知のものであり、該タンパク質をコードする DNAは既にクローユングされている。
[0090] アダプタータンパク質の固相表面への結合は、それ自体既知の方法を用いることが できるが、具体的には、例えば、タンニン酸、ホルマリン、ダルタルアルデヒド、ピルビ ックアルデヒド、ビス ジァゾ化べンジゾン、トルエン- 2,4-ジイソシァネート、アミノ基、 活性エステルに変換可能なカルボキシル基、又はホスホアミダイドに変換可能な水 酸基あるいはアミノ基などを利用する方法を用いることができる。
[0091] 修飾物質以外の部分により固相に結合させる場合は、通常タンパク質、核酸、糖鎖 、低分子化合物を固相に結合させるのに用いられる既知の方法、具体的には例えば 、タンニン酸、ホルマリン、グルタルアルデヒド、ピルビックアルデヒド、ビスージァゾィ匕 ベンジゾン、トルエン- 2, 4-ジイソシァネート、アミノ基、活性エステルに変換可能な力 ルポキシル基、又はホスホアミダイドに変換可能な水酸基あるいはアミノ基などを利 用する方法を用いることができる。
[0092] 「測定」とは解析のために用いられる信号の変化を収集するための手段であり、い 力なる意味においても限定的に解釈してはならない。用いられる測定法としては、例 えば、蛍光相関分光法、蛍光共鳴エネルギー移動法、エバネッセント場分子イメージ ング法、蛍光偏光解消法、蛍光イメージングアナライズ法、表面プラズモン共鳴法、 固相酵素免疫検定法など、分子間相互作用を検出できるあらゆる系が利用可能であ る。
[0093] 光ネ目関分光法 (Fluorescence し orrelation Spectroscopy (Fし S): Eigen, M., et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 5740-5747(1994))は、共焦点レーザー顕微鏡等の 下で、粒子の流動速度、あるいは拡散率、容積収縮等を測定する方法であり、本発 明においては、修飾機能性タンパク質 (C末端修飾機能性タンパク質)と抗原分子間 の相互作用により元の修飾分子 1分子の並進ブラウン運動の変化を測定することに より、相互作用する分子を測定することができる。具体的には試料粒子が励起光によ り励起されて、試料液容積の一部において蛍光を放射し、この放射光を測定し光子
割合を得る。この値は、特定の時間に観測されている空間容積中に存在する粒子の 数と共に変化する。上述した種々のパラメータ一は自己相関関数を使用してこの信 号の変動から算出され得る。この FCSを行う為の装置もカールツァイス (Zeiss)社等か ら市販されており、本方法においてもこれらの装置を用いて解析を行うことができる。 この方法を用いて機能性タンパク質 標的分子間および標的分子間相互作用の測 定又は解析を行う場合、 C末端修飾機能性タンパク質または標的分子の ヽずれも溶 液として供することが必要である (液相法)。標的分子は修飾の必要はない。また相 互作用を調べようとする C末端修飾機能性タンパク質より非常に分子量の小さい分子 は、 C末端修飾機能性タンパク質のブラウン運動に影響を及ぼさないため本方法に おいてはふさわしくない。
[0094] しかし、 2種類の蛍光色素を用いる蛍光相互相関分光法 (FCCS)は、 1種類の蛍光 色素を用いる FCSでは困難であった同じくらいの分子量をもつタンパク質間の相互作 用も検出できる。 2種類の蛍光色素を用いる他の方法としては蛍光共鳴エネルギー 移動(FRET)法が知られて!/、るが、 FRETが生じるためには 2つの蛍光色素が 40— 50 A以内に近接する必要があり、タンパク質の大きさや蛍光色素の付 ヽて 、る位置に よっては、相互作用していても FRETが観測されない危険性がある。 FCCS法では相 互相関の検出は蛍光色素間の距離に依存しないので、そのような問題がない。一方 、他の検出系である蛍光偏向解消法と比較すると、 FCCS法は必要なサンプル量が 少なぐ検出時間が短ぐ HTSのための自動化が容易等の長所がある。さらに FCCS 法では蛍光標識された分子の大きさや数というきわめて基本的な情報が得られるの で、表面プラズモン共鳴法のように汎用的な用途に利用できる可能性がある。両者の 違いは、表面プラズモン共鳴法ではタンパク質が固定化された状態で相互作用を検 出するのに対して、 FCCS法ではより天然の状態に近い溶液中の相互作用を見ること ができる点にある。 FCCS法では、タンパク質の固定ィ匕が必要ないかわりに、タンパク 質を蛍光色素で標識する必要があるが、本発明により、この課題を克服することが可 能となった。
[0095] 本方法にお!、て 2種類の蛍光色素で修飾された 2組のタンパク質 標的分子の系 において、接触せしめる方法としては、両標的分子が相互作用するに十分な程度に
接触する方法であれば如何なるものであってもよ 、が、好ましくは市販の FCCS用装 置の測定用ゥエルに通常生化学的に用いられる緩衝液等に適当な濃度でそれぞれ 発光波長が重ならない蛍光色素で標識された 2種の C末端修飾機能性タンパク質を 溶解した溶液を投入し、さらに同緩衝液に適当な濃度で 2種の未標識の標的分子を 溶解した溶液を投入する方法によって行われる。
[0096] この方法において、同時に多数の解析を行う方法としては、例えば上記 FCCS用測 定装置の各測定用ゥエルにそれぞれ異なる複数の C末端修飾機能性タンパク質を投 入し、これにそれぞれの機能性タンパク質に結合し得る標的分子溶液を投入するか 、あるいは特定の C末端修飾機能性タンパク質を投入し、各ゥエルに互いに異なる複 数種の標的分子溶液を投入する方法が用いられる。
[0097] 蛍光イメージングアナライズ法 (抗体チップ法)は、固相化された分子に、修飾分子 を接触せしめ、両分子の相互作用により、固相化された分子上にとどまった修飾分子 から発せられる蛍光を、市販の蛍光イメージングアナライザーを用いて測定又は解析 する方法である。
[0098] この方法を用いて機能性タンパク質 標的分子間、標的 標的分子間相互作用の 測定又は解析を行う場合、 C末端修飾機能性タンパク質または標的分子の ヽずれか 一方は上記した方法により固相化されていることが必要である。標的分子は固相化し て用いる場合には修飾されて 、るものと、されて 、な 、もののどちらも利用可能であ る。また、固相化しないで用いる場合には上記した修飾物質により修飾されているこ とが必要である。 C末端修飾機能性タンパク質は、修飾部を介して固定化されている ものも、修飾部以外の部分、例えば GSTのような融合タンパク質や Flag-tag、 His-tag 等で固定ィ匕されて 、るものも用いることができる。
[0099] C末端修飾機能性タンパク質、または標的分子を固相化するための基板としては、 通常タンパク質や核酸等を固定ィ匕するのに用いられる-トロセルロースメンブレンや ナイロンメンブレン、あるいはスライドガラスやプラスチック製のマイクロプレート等も用 いることがでさる。
[0100] 本方法にお!、て修飾標的分子ある!、は機能性タンパク質を固相化分子へ接触せ しめる方法としては、両分子が相互作用するに十分な程度に接触する方法であれば
、かなるものであってもよ 、が、好ましくは修飾標的分子ある!/、は C末端修飾機能性 タンパク質を生化学的に通常使用される緩衝液に適当な濃度で溶解した溶液を作 成し、これを固相表面に接触させる方法が好ましい。
[0101] 両分子を接触せしめた後、好ましくは過剰に存在する修飾標的分子あるいは C末 端修飾機能性タンパク質を同緩衝液等により洗浄する工程を行い、固相上にとどま つた標的分子あるいは c末端修飾機能性タンパク質の修飾物質力も発せられる蛍光 信号、又は固相化されている修飾分子力 発せられる蛍光と固相上にとどまった修 飾分子から発せられる蛍光が混ざり合った信号を、市販のイメージングアナライザー を用いて測定あるいは解析することにより、固相化された分子と相互作用する分子を 同定することができる。
[0102] この方法において、同時に多数の解析を行う方法としては、例えば上記固相表面 に、複数の c末端修飾機能性タンパク質あるいは修飾又は非修飾標的分子を番地 付けして固相化する方法、あるいは 1種類の C末端修飾機能性タンパク質または修 飾もしくは非修飾標的分子に固相化されて 、な 、複数種の c末端修飾機能性タンパ ク質または修飾標的分子を接触させる方法等が用いられる。複数種の C末端修飾機 能性タンパク質または修飾標的分子を接触させる場合には、固相にとどまった該分 子を緩衝液の濃度の差等により解離させて取得し、これを既知の方法により分析する ことにより同定できる。
[0103] 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)法は、 2種類の蛍光色素を用いる他の分子間相 互作用検出法としてよく知られている。 FRETとは、 2種類の蛍光色素の一方(ェネル ギー供与体)の蛍光スペクトルと、もう一方(エネルギー受容体)の吸収スペクトルに 重なりがあるとき、 2つの蛍光色素間の距離が十分小さいと、供与体力 の発光が起 こらないうちに、その励起エネルギーが受容体を励起してしまう確率が高くなる現象 をいう。したがって、相互作用を検出したい 2つのタンパク質を、それぞれ供与体およ び受容体となる蛍光色素で標識しておき、供与体を励起すれば、 2つのタンパク質が 相互作用しない場合は、蛍光色素間の距離が大きいため FRETは起こらず、供与体 の蛍光スペクトルが観察される力 2つのタンパク質が相互作用して蛍光色素間の距 離が小さくなると、 FRETにより受容体の蛍光スペクトルが観察されるので、蛍光スぺク
トルの波長の違 、からタンパク質間相互作用の有無を判別することができる。蛍光色 素としては、供与体がフルォレセイン、受容体がローダミンという組み合わせがよく用 いられている。また最近では、蛍光緑色タンパク質 (GFP)の波長の異なる変異体の 組み合わせにより、細胞の中で FRETを観察し相互作用を検出する試みがなされて いる。この方法の欠点としては、 FRETが生じるために 2つの蛍光色素が 40— 50 A以 内に近接する必要があるため、タンパク質の大きさや蛍光色素の付いている位置に よっては、相互作用していても FRETが観測されない危険性があるという点が挙げら れる。
[0104] エバネッセント場分子イメージング法とは、 Funatsu, T., et al., Nature, 374,
555-559 (1995)等に記載されている方法で、ガラス等の透明体に固相化した分子に 溶液として第 2の分子を接触せしめ、これにエバネッセント場が発生する角度でレー ザ一光等の光源を照射し、発生したエバネッセント光を検出器によって測定又は解 析する方法である。これらの操作は、それ自体既知のエバネッセント場蛍光顕微鏡 装置を用いて行うことができる。
[0105] この方法を用いてタンパク質間相互作用の測定又は解析を行う場合、 C末端修飾 機能性タンパク質または標的分子の 、ずれか一方は上記した方法により固相化され ていることが必要である。標的分子は固相化する場合は修飾の必要はないが、固相 化しないで用いる場合には上記した修飾物質により修飾されていることが必要である
[0106] C末端修飾機能性タンパク質または標的分子を固相化するための基板としては、ガ ラス等の材質の基板が用いられ、好ましくは石英ガラスが用いられる。また、レーザー 光の散乱等を防ぐために表面を超音波洗浄したものが好まし 、。
[0107] 本方法にお!、て固相化して 、な 、C末端修飾機能性タンパク質または修飾標的分 子を固相化分子へ接触せしめる方法としては、両分子が相互作用するに十分な程 度に接触する方法であればいかなるものであってもよいが、好ましくは固相化してい ない C末端修飾機能性タンパク質または修飾標的分子を生化学的に通常使用され る緩衝液に適当な濃度で溶解した溶液を作成し、これを固相表面に滴下する方法が 好ましい。
[0108] 両分子を接触せしめた後、エバネッセント場照明により励起された蛍光を CCDカメ ラ等の検出器を用いて測定することにより、固相化された分子と相互作用する分子を 同定することができる。
[0109] この方法において、同時に多数の解析を行う方法としては、例えば上記基板に、複 数の C末端修飾機能性タンパク質または修飾標的分子を番地付けして固相化する 方法等が用いられる。
[0110] 蛍光偏光法(Perran, J., et al., J. Phys. Rad., 1, 390-401(1926))は、蛍光偏光で励 起された蛍光分子が、励起状態の間、定常状態を保っている場合には同一の偏光 平面で蛍光を放射するが、励起された分子が励起状態中に回転ブラウン運動等を 行った場合に、放射された蛍光は励起光とは異なった平面になることを利用する方 法である。分子の運動はその大きさに影響を受け、蛍光分子が高分子である場合に は、励起状態の間の分子の運動はほとんどなぐ放射光は偏光を保ったままになって いるのに対して、低分子の蛍光分子の場合は、運動速度が速いために放射光の偏 光が解消される。そこで、平面偏光で励起された蛍光分子から放射される蛍光の強 度を、元の平面とそれに垂直な平面とで測定し、両平面の蛍光強度の割合力 この 分子の運動性およびその存在状態に関する情報が得られるものである。この方法に よれば、夾雑物があってもこれに影響されることなぐ蛍光修飾された分子と相互作 用する標的分子の挙動を追跡できる。これは蛍光修飾された分子と標的分子が相互 作用するときにのみ、偏光度の変化として測定される力もである。
[0111] この方法を行うための装置としては例えば BECON (Panyera社製)等が巿販されて おり、本方法もこれらの装置を用いることにより行うことができる。
この方法を用いてタンパク質間相互作用の測定又は解析を行う場合、 C末端修飾 機能性タンパク質または標的分子の 、ずれも溶液として供する必要である。標的分 子は修飾の必要はない。また相互作用を調べようとする C末端修飾機能性タンパク 質より非常に分子量の小さい分子は、 C末端修飾機能性タンパク質のブラウン運動 に影響を及ぼさな 、ため本方法にぉ 、てはふさわしくな 、。
[0112] 本方法において 2組の C末端修飾機能性タンパク質 標的分子を接触せしめる方 法としては、両分子が相互作用するに十分な程度に接触する方法であれば如何なる
ものであってもよいが、好ましくは市販の蛍光偏光解消装置の測定用ゥエルに通常 生化学的に用いられる緩衝液等に適当な濃度で c末端修飾機能性タンパク質を溶 解した溶液を投入し、さらに同緩衝液に適当な濃度で標的分子を溶解した溶液を投 入する方法によって行われる。
[0113] 本方法において測定する 2つの標的間の相互作用は、最適の組み合わせを検出 するためには、相互作用の程度を数値ィ匕することが有効である。相互作用の程度を 示す指標としては、例えば一定濃度の C末端修飾機能性タンパク質に対して、極大 蛍光偏光度を与える最小標的物濃度の値等を用いることができる。
[0114] 表面プラズモン共鳴法とは、金属 Z液体界面で相互作用する分子によって表面プ ラズモンが励起され、これを反射光の強度変化で測定する方法である(Cullen, D.C., et al., Biosensors, 3(4), 211-225(1987-88))。この方法を用いてタンパク質 標的分 子間相互作用の測定又は解析を行う場合、 C末端修飾タンパク質は上記した方法に より固相化されていることが必要であるが、標的分子の修飾は必要ない。
[0115] C末端修飾機能性タンパク質を固相化するための基板としては、ガラスの等の透明 基板上に金、銀、白金等の金属薄膜が構成されたものが用いられる。透明基板とし ては、通常表面プラズモン共鳴装置用に用いられるものであればいかなるものであつ てもよぐレーザー光に対して透明な材料力もなるものとして一般的にはガラス等から なるものであり、その厚さは 0. 1— 5mm程度のものが用いられる。また金属薄膜の膜 厚は 100— 2000 A程度が適当である。このような表面プラズモン共鳴装置用固基 板として市販されているものも用いることができる。 C末端修飾機能性タンパク質の上 記基板への固相化は前述した方法により行うことができる。
[0116] 本方法において標的分子を C末端修飾機能性タンパク質へ接触せしめる方法とし ては、両分子が相互作用するに十分な程度に接触する方法であれば 、かなるもので あってもよいが、好ましくは標的分子を生化学的に通常使用される緩衝液に適当な 濃度で溶解した溶液に固相化された C末端修飾機能性タンパク質を接触させる方法 を用いることができる。
[0117] これらの行程は市販の表面プラズモン共鳴装置、例えば BIAcore2000 (Pharmacia Biosensor社製)によってもよい。両分子を接触せしめた後、それ自体既知の表面ブラ
ズモン共鳴装置を用いて、それぞれの反射光の相対強度の時間的変化を測定する こと〖こより、固相化された修飾抗原分子と一本鎖抗体との相互作用が解析できる。
[0118] この方法において、同時に多数の解析を行う方法としては、例えば上記表面プラズ モン共鳴装置に用いられる基板に、複数の標的分子を番地付けして固相化し、 1種 類の機能性タンパク質を接触させるか、あるいは 1種類の固相化された C末端修飾機 能性タンパク質に複数種の標的分子を接触させる方法等が用いられる。
[0119] 固相酵素免疫検定法(Enzyme Linked Immunosorbent Assay (ELISA): Crowther, J.R., Methods in Molecular Biology, 42 (1995))は、固相上に固定化した抗原に対し 、抗体を含む溶液を接触せしめ、両分子の相互作用(抗原抗体反応)により、固相化 された抗原上にとどまった抗体をこれと特異的に結合する修飾分子 (IgG等)力 発 せられる蛍光、あるいは修飾分子を基質とする色素から発せられる信号を、市販の検 出器 (ELISAリーダー)を用いて測定又は解析する方法である。
[0120] この方法を用いてタンパク質 抗原分子間相互作用の測定又は解析を行う場合、 抗原となる C末端修飾機能性タンパク質を上記した方法により固相化されて 、ること が必要である。また抗体となる標的分子は上記した修飾物質により修飾されて 、るこ とが必要である。
[0121] 抗原となる C末端修飾機能性タンパク質を固相化するための基板としては、通常 E LISAに用いられるプラスチック製のマイクロプレート等も用いることができる。
本方法において抗体となる修飾標的分子を固相分子へ接触せしめる方法としては 、両分子が相互作用するに十分な程度に接触する方法であればいかなるものであつ てもよいが、好ましくは修飾標的分子を生化学的に通常使用される緩衝液に適当な 濃度で溶解した溶液を作成し、これをマイクロプレートに注入する方法が好まし 、。
[0122] 両分子を接触せしめた後、好ましくは過剰に存在する固相化分子に結合していな い修飾分子を同緩衝液等により洗浄する工程を行い、固相上にとどまった修飾分子 から発せられる蛍光を、市販の ELISAリーダー等を用いて測定あるいは解析するこ とにより、固相化された抗原分子と相互作用する分子を同定することができる。
[0123] この方法において、同時に多数の解析を行う方法としては、例えば上記マイクロプ レートの各穴にそれぞれ異なる複数の修飾標的分子を固相化する方法が用いられる
相互作用する分子の同定方法としては、上記のそれぞれの方法により測定され、相 互作用が認められた標的分子は、該分子の一次構造が未知の場合、それ自体既知 の適当な方法により、その一次構造を解析することができる。具体的には、相互作用 を認められた標的分子がタンパク質の場合、アミノ酸分析装置等によりアミノ酸配列 を解析し、一次構造を特定することができる。また、標的分子が核酸の場合には、塩 基配列決定方法により、オート DNAシーケンサーなどを用いれば塩基配列を決定 することができる。
[0124] C末端修飾機能性タンパク質や標的分子の固相化のための装置としては、上記に 記載した C末端修飾機能性タンパク質や標的分子の修飾部を介した固相への固定 化方法を行うために、既知の適切な手段を組み合わせて装置を構築することもできる 。本装置における各手段自体はそれぞれ既知のものであり、これらの手段における、 基板の保持、 C末端修飾タンパク質溶液の添加、洗浄等の各操作は、それ自体既知 の方法により行えばよい。これらの操作を組み合わせ、全自動又は半自動の、 C末端 修飾タンパク質の固相化のための装置を構築することができる。
[0125] タンパク質間相互作用測定のための装置としては、上記に記載したタンパク質-標 的分子間相互作用測定を行うために、既知の適切な手段を組み合わせて装置を構 築することもできる。本装置における各手段自体はそれぞれ既知のものであり、これら の手段における、基板の保持、抗原分子の添加、洗浄、信号検出等の各操作は、そ れ自体既知の方法により行えばよい。これらの操作を組み合わせ、全自動又は半自 動の、タンパク質間相互作用測定のための装置を構築することができる。
[0126] マウス抗体 cDNAライブラリ一力 本発明の方法によって選択された高親和性一本 鎖抗体は、ヒト IgG抗体の可変領¾½ 'や CDR¾¾½\complementarity determining region) と入れ換えることによって、キメラ型 IgG抗体やヒト型化したマウス IgG抗体を作れる。こ れらの抗体は、ヒトに投与したときに惹起されるヒト抗マウス抗体の産生が少ないか、 ほとんどない。さらに、ヒト抗体 cDNAライブラリ一力も本発明の方法に選択された高親 和性一本鎖抗体は、ヒ HgG抗体の可変領域と入れ換えることによって、完全なヒトモ ノクローナル IgG抗体を作れる。これは、アナフィラキシー症状を引き起こさない抗体
医薬として利用することが可能である。
[0127] したがって、ヒト又はその他の動物由来の DNAライブラリ一力も本発明の選択法に より選択された核酸の配列に基づいて、その核酸にコードされる可変領域をヒトの IgG の可変領域と置換することによって構築されるヒトまたはヒト型抗体が提供される。ま た、この抗体を有効成分とする治療剤が提供される。アンジォテンシン IIに対して結 合する抗体は、高血圧の治療に中和抗体として使用できると考えられる。すなわち、 アンジォテンシン IIの生理作用は血圧上昇作用なので、抗体はアンジォテンシン IIと 結合して血圧上昇作用を抑えると考えられる。また、 Lewis Xに対して結合する抗体 は、癌の治療に使用できると考えられる。細胞が癌化すると細胞表面に Lewis Xが発 現するようになるので、それを標的として抗体を用いることができる。例えば、癌細胞 を殺す抗癌剤やリシンなどの毒素を結合させて、全身または局所的に投与し、抗体 力 Sミサイルのように癌細胞を集中的に攻撃し、癌に特異的かつ効果的なミサイル治療 を行うことができる。また、ミサイル治療に用いる製剤の一種として、脂質二重膜小胞 に薬剤を入れ、その表面に抗体を結合させたィムノリボソーム製剤としてもょ 、。
[0128] 以下、具体的に本発明の実施例を記述するが、下記の実施例は本発明について の具体的認識を得る一助とみなすべきものであり、本発明の範囲は下記の実施例に より何ら限定されるものでない。
実施例 1
[0129] 一本鎖抗体をコードする核酸の選択
(I) ライブラリーの作成
[1]一本鎖抗体 cDNAライブラリーの製造には新たに作成したライブラリーを用いた
[0130] 始めに H鎖 DNA溶液の調製を行った。マウス脾臓 Poly A+ RNA (5 μ §/ μ \) (
DEPC-処理水)(CLONTECH社)を RNase-Free水で 100倍に希釈したものを 11 1、 5 X RT緩衝液 (ΤΟΥΟΒΟ) 22 μ 1、 10 mM dNTPs(TOYOBO) 11 1、 MulgGl/2 forward プライマー (配列番号 48) (lpmol/ μ 1) 27.5 μ 1、 MulgG3 forwardプライマー (配列番号 47)(lpmol/ μ 1) 27.5 μ 1を混和させ、 65°Cで 9分間反応後、直ちに 4°Cに冷却し、 4°C で 2分間放置した後、 ReverTra Ace(TOYOBO) 5.5 μ 1、 RNase inhibitor(TOYOBO)
5.5 /z lをカ卩え、 50°Cで 30分間、次いで 99°Cで 5分間反応させ cDNA-Hを合成した。
[0131] [2] [1]で合成した cDNA-H溶液 5 1、下記の HBプライマーリストに示した各 HBプ ライマー(lpmol/ μ 1) 2.5 1、 10 X PCR緩衝液 (ΤΟΥΟΒΟ) 2.5 μ 1、 MulgGl/2 forward プライマー (配列番号 48)(lpmol/ μ 1) 1.25 μ 1、 MulgG3 forwardプライマー (配列番号 47)(lpmol/ μ 1) 1.25 μ 1、 KOD DASHポリメラーゼ (TOYOBO) 0.25 μ 1を混和させ、 RNase-Free水を添加し全体量を 25 μ 1としてそれぞれ PCR反応させた。
[0132] [表 1] 表 1 HBプライマーリスト
配列 名称 配列番号
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GAKGTRMAGCTTCAGGAGTC HB1 1
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GAGGTBCAGCTBCAGCAGTC HB2 2
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT CAGGTGCAGCTGAAGSASTC HB3 3
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GAGGTCCARCTGCAACARTC HB4 4
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT CAGGTYCAGCTBCAGCARTC HB5 5
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT CAGGTYCARCTGCAGCAGTC HB6 6
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT CAGGTCCACGTGAAGCAGTC HB7 7
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GAGGTGAASSTGGTGGAATC HB8 8
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GAVGTGAWGYTGGTGGAGTC HB9 9
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GAGGTGCAGSKGGTGGAGTC HB10 10
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GAKGTGCAMCTGGTGGAGTC HB11 11
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GAGGTGAAGCTGATGGARTC HB12 12
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GAGGTGCARCTTGTTGAGTC HB13 13
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GARGTRAAGCTTCTCGAGTC HB14 14
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GAAGTGAARSTTGAGGAGTC HB15 15
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT CAGGTTACTCTRAAAGWGTSTG HB16 16
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT CAGGTCCAACTVCAGCARCC HB17 17
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GATGTGAACTTGGAAGTGTC HB18 18
GACTGGTGGACAGCAAATGGGT GAGGTGAAGGTCATCGAGTC HB19 19
PCRは、 96°C、 5分間反応後、 96°C、 30秒間、 50°C、 30秒間、 72°C、 1分間を 25サイ クル行った後 72°C、 5分間反応を行った。増幅した遺伝子は 2%ァガロースゲル電気泳 動によりそれぞれ 500-900bPのパンドを確認し、フエノール/クロ口ホルム処理を行つ
た。すなわち同量のフエノール:クロ口ホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)を加えよ く混和させ 4°Cで 13,200rpm、 5分間遠心し、水層部のみを新しいチューブに移しもう 一度同量のフエノール:クロ口ホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)をカ卩えよく混和さ せ 4°Cで 13,200rpm、 5分間遠心し、水層部のみを新しいチューブに移した。得られた 溶液についてエタノール沈殿を行った。すなわち 20 mg/mlグリコーゲン溶液 (ナカラ ィテスタ株式会社) 1 1、 3 M酢酸ナトリウム(pH 5.2) 0.1倍量、 100%エタノール 3倍 量を添加し氷上で 15分間放置後、 13,200rpm、 20分間遠心して上清を除去して、 1ml の冷却した 70%エタノールにてペレットを洗浄後、再び 13,200rpm、 2分間遠心して上 清を除去した。その後、約 15分間遠心乾燥した後、各 DNA(19種)を RNase-free水 20 1に溶解した。
[0134] [3] [2]で合成した各 DNA溶液 (19種) 1 μ 1、 ΗΒプライマーリストに示した対応する各 ΗΒプライマー(lOpmol/ 1) 2 1、 10 X PC R緩衝液 (TOYOBO) 10 μ 1、 (2 mM) dNTPs(TOYOBO) 10 1、下記の HFプライマーリストに示した VH forwardプライマー HF1:HF2:HF3:HF4(1:1:1:1)混合液 (lOpmol/ μ \) 2 μ KOD DASHポリメラーゼ (TOYOBO) 0.5 μ 1を混和させ、 RNase- Free水を添カ卩し全体量を 100 μ 1としてそれぞ れ PCR反応させた。
[0135] [表 2] 表 2 HFプライマ一リスト
配列 名称 配列番号
GATGGCCGAGACGTTTTGGCCGAGGAAACGGTGACCGTGGT HF1 20
GATGGCCGAGACGTTTTGGCCGAGGAGACTGTGAGAGTGGT HF2 21
GATGGCCGAGACGTTTTGGCCGCAGAGACAGTGACCAGAGT HF3 22
GATGGCCGAGACGTTTTGGCCGAGGAGACGGTGACTGAGGT HF4 23
[0136] PCRは、 96°C、 5分間反応後、 96°C、 30秒間、 50°C、 30秒間、 72°C、 1分間を 20サイ クル行った後、 72°C、 5分間反応を行った。増幅した遺伝子は 2%ァガロースゲル電気 泳動によりそれぞれ 500-900bpのバンドを確認し、フエノール/クロ口ホルム処理及び エタノール沈殿を行った。その後、約 15分間遠心乾燥した後、各 DNA(19種)を RNase— free水 10 μ 1に溶解した。
[0137] [4] [3]で得られた 19種の DNAを 2%低融点ァガロースゲル (Sigma)電気泳動に付し それぞれのバンドを切り出した。チューブに、切り出したァガロースゲルの断片と RNase-free水 100 μ 1をカ卩ぇ 70°Cで 15分間加熱後、 TE飽和フエノール処理を行った。 すなわち同量の TE飽和フエノール(8-キノリノール含有)を加えよく混和させ 4°Cで 13,200rpm、 5分間遠心し、水層部のみを新しいチューブに移しもう一度同量の TE飽 和フエノール (8-キノリノール含有)を加えよく混和し 4°Cで 13,200rpm、 5分間遠心し、 水層部のみを新し 、チューブに移した。得られた水層部をフエノール/クロ口ホルム処 理し、続いて得られた溶液についてエタノール沈殿を行った。得られたペレットは約 15分間遠心乾燥した後、各 DNA(19種)を RNase-free水 10 1に溶解した。各 DNA溶 液にっ 、て 260nmの吸収を測定し
HB1:HB2:HB3:HB4:HB5:HB6:HB7:HB8:HB9:HB10:HB11:HB12:HB13:HB14:HB15 : HB16:HB17:HB18:HB19 (8:9:4:4:12:4:1:4:12:4:4:2:2:4:4:8:6:1:1)の比率で混和さ せ合計 0.5pmolの H鎖 DNA溶液とした。
[0138] [5]次に L鎖 DNA溶液の調製を行った。マウス脾臓 Poly A+ RNA (5 μ §/ μ \) (
DEPC-処理水)(CLONTECH社)を RNase-Free水で 100倍に希釈したものを 10 1、 5 X RT緩衝液 (TOYOBO) 20 1、 10 mM dNTPs(TOYOBO) 10 1、 MuCK forwardプラ イマ一 (配列番号 49)(1ρπιο1/ /ζ 1) 50 1を混和させ、 65°Cで 9分間反応後直ちに 4°Cに 冷却し、 4°Cで 2分間放置した後、 ReverTra Ace(TOYOBO) 5 1、 RNase
inhibitor(TOYOBO) 5 μ 1を加え、 50°Cで 30分間、次いで 99°Cで 5分間反応させ cDNA-Lを合成した。
[0139] [6] [5]で合成した cDNA- L溶液 5 μ 1に、下記の LBプライマーリストに示した各 LBプ ライマー(lpmol/ μ 1) 2.5 1、 10 X PCR緩衝液 (TOYOBO) 2.5 μ 1、 MuCK forwardプラ イマ一 (配列番号 49) (lpmol/ μ 1) 2.5 μ 1、 KOD DASHポリメラーゼ (TOYOBO) 0.25 μ 1を加え、 RNase- Free水を添カ卩し全体量を 25 μ 1としてそれぞれ PCR反応させた。
[0140] [表 3]
表 3 LBプライマーリスト
配列 名称 配列番号
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATCCAGCTGACTCAGCC LB1 24
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTGTTCTCWCCCAGTC LB2 25
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTGTGMTMACTCAGTC LB3 26
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTGTGYTRACACAGTC LB4 27
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTGTRATGACMCAGTC LB5 28
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTMAGATRAMCCAGTC LB6 29
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTCAGATGAYDCAGTC LB7 30
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATYCAGATGACACAGAC LB8 31
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTGTTCTCAWCCAGTC LB9 32
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTGWGCTSACCCAATC LB10 33
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTSTRATGACCCARTC LB11 34
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYRTTKTGATGACCCARAC LB12 35
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTGTGATGACBCAGKC LB13 36
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTGTGATAACYCAGGA LB14 37
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTGTGATGACCCAGWT LB15 38
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTGTGATGACACAACC LB16 39
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGAYATTTTGCTGACTCAGTC LB17 40
GTGGCAGCATTGAGGGTCGCGATGCTGTTGTGACTCAGCAATC LB λ 41
[0141] PCRは、 96°C、 5分間反応後、 96°C、 30秒間、 48°C、 30秒間、 72°C、 1分間を 25サイ クル行った後 72°C、 5分間反応を行った。増幅した遺伝子は 2%ァガロースゲル電気泳 動によりそれぞれ 500-900bpのバンドを確認し、フエノール/クロ口ホルム処理を行つ た。得られた溶液についてエタノール沈殿を行った。その後、約 15分間遠心乾燥した 後、各 DNA(18種)を RNase-free水 20 μ 1に溶解した。
[0142] [7] [6]で合成した各 DNA溶液 (18種) 1 μ 1、 LBプライマーリストに示した対応する各 LBプライマー (lOpmol/ μ ΐ) 2 μ 10 X PCR緩衝液 (TOYOBO) 10 1、 2 mM dNTPs(TOYOBO) 10 μ 1、下記の LFプライマーリストに示した LH forwardプライマー LF1:LF2:LF3:LF4:LF (1:1:1:1)混合液 (lOpmol/ 1) 2 1、 KOD DASHポリメラーゼ (TOYOBO) 0.5 μ 1を混和させ、 RNase-Free水を添加し全体量を 100 /ζ 1としてそれぞ
れ PCR反応させた。
[0143] [表 4] 表 4 LFプライマーリスト
配列 名称 配列
CTTGTCGTCGTCGTCCTTGTAGTCACGTTTGATTTCCAGCTTGG LF1 42
CTTGTCGTCGTCGTCCTTGTAGTCACGTTTTATTTCCAGCTTGG LF2 43
CTTGTCGTCGTCGTCCTTGTAGTCACGTTTTATTTCCAACTTTG LF3 44
CTTGTCGTCGTCGTCCTTGTAGTCACGTTTCAGCTCCAGCTTGG LF4 45
CTTGTCGTCGTCGTCCTTGTAGTCACCTAGGACAGTCAGTTTGG LF ^ 46
[0144] PCRは、 96°C、 5分間反応後、 96°C、 30秒間、 48°C、 30秒間、 72°C、 1分間を 20サイ クル行った後、 72°C、 5分間反応を行った。増幅した遺伝子は 2%ァガロースゲル電気 泳動によりそれぞれ 500-900bpのバンドを確認し、フエノール/クロ口ホルム処理及び エタノール沈殿を行った。その後、約 15分間遠心乾燥した後、各 DNA(18種)を RNase— free水 10 μ 1に溶解した。
[0145] [8] [7]で得られた 18種の DNAを 2%低融点ァガロースゲル (Sigma)電気泳動に付し それぞれのバンドを切り出した。チューブに、切り出したァガロースゲルの断片と RNase-free水 100 1をカ卩え、 70°Cで 15分間加熱後、 TE飽和フエノール処理を行った 。得られた水層部をフエノール/クロ口ホルム処理し続 ヽて得られた溶液にっ 、てエタ ノール沈殿を行った。得られたペレットは約 15分間遠心乾燥した後、各 DNA(18種)を RNase-free水 10 μ 1〖こ溶解した。各 DNA溶液について 260nmの吸収を測定し し B1:し B2:し B3:し B4:し B5:し B6:し B7:し B8:し B9:し B10:し B11:し B12:し B13:し B14:し B15:し B1 6:LB17:LB (2:4:8:8:8:16:12:4:4:8:16:16:12:4:4:2:2:1)の比率で混和させ合計 0.5pmolの L鎖 DNA溶液とした。
[0146] [9] H鎖と L鎖を一本ィ匕するためにさらに PCRを行った。 [4]で合成した H鎖 DNA溶 液 0.5pmol、 [8]で合成した L鎖 DNA溶液 0.5pmol、 5'UTR (配列番号 57)(lpmol/ 1) 0.5 μ 1、 McD— Linker+ (配列番号 56)(lpmol/ μ 1) 0.5 μ 1、 McD 3'UTR (His Tag) (配列 番号 55)(lpmol/ μ 1) 0.5 1、 10 X PCR緩衝液 (TOYOBO) 5 1、 2 mM
dNTPs(TOYOBO) 5 1、 KOD DASHポリメラーゼ (TOYOBO) 0.25 μ 1を混和させ、
1^&36 6水を添カ卩し全体量を45.75 μ 1として PCR反応させた。
[0147] PCRは、 96°C、 5分間反応後、 96°C、 30秒間、続!、て 5分間のスロープで 58°Cとし、 58°C、 30秒間、 72°C、 1分間を 10サイクル行った後、 72°C、 5分間反応を行った。
[10]続いて、 [9]の PCR反応溶液 45.75 μ 1に、 McD- F (配列番号 52)(lpmol/ μ \) 2 μ 1、 McD— R (His Tag) (配列番号 50)(lpmol/ 1) 2 1、 KOD DASHポリメラーゼ (TOYOBO) 0.25 μ 1をカ卩えさらに PCR反応させた。
[0148] PCRは、 96°C、 5分間反応後、 96°C、 30秒間、 58°C、 30秒間、 72°C、 1分間を 15サイ クル行った後、 72°C、 5分間反応を行った。
[11] [10]で得られた DNAを 1%低融点ァガロースゲル (Sigma)電気泳動に付しそれ ぞれのバンドを切り出した。チューブに、切り出したァガロースゲルの断片と
RNase-free水 100 1をカ卩え、 70°Cで 15分間加熱後、 TE飽和フエノール処理を行った 。得られた水層部をフエノール/クロ口ホルム処理し続 ヽて得られた溶液にっ 、てエタ ノール沈殿を行った。得られたペレットは約 15分間遠心乾燥した後、 DNAを
RNase— free水 10 μ 1に溶解した。
[0149] (II) ライブラリーの転写
[12] [11]で得られた DNAまたは [25]で得られた DNA lpmol、 5 X SP6緩衝液 4 1、 ATP (lOOmM) 1 μ 1、 CTP (lOOmM) 1 μ 1、 UTP (lOOmM) 1 μ 1、 GTP (lOmM) 2 1、キ ヤップアナログ (m7G(5')PPP(5')G) (Invitrogen) (40mM) 2.5 μ 1、ェンザィムミックス SP6RNAポリメラーゼ(Promega) 2 1を混和させ、 RNase- Free水を添カ卩し全体量を 20 μ 1とし、 37°Cで 2時間 30分間反応後、 RQ1 RNase- Free DNase (Promega) 5 1を添加 しさらに 37°Cで 1時間反応させた。
[0150] [13] [12]で得られた RNAを RNeasy Mini kit (Qiagen)により精製した。すなわち転写 反応液に RNase- Free水を添カ卩し全体量を 100 μ 1とし、 RLT緩衝液 (Qiagen) 350 μ 1、 2-メルカプトエタノール 5 1、 100%エタノール 250 μ 1を加え、 RNeasyミニスピンカラ ムに供し、 4°C、 12,000 rpm、 16秒間遠心後排出された溶液を除去し、 RPE緩衝液 (Qiagen^OO /z lを同カラムに加え、 4°C、 12,000 rpm、 16秒間遠心後排出された溶液 を除去し、さらに RPE緩衝液 (Qiagen^OO /z 1を同カラムに加え、 4°C、 12,000 rpm、 2分 間遠心後排出された溶液を除去し、同カラムを新しいチューブに差し替え、 4°C、
12,000 rpm、 1分間遠心し、再び同カラムを新しいチューブに差し替え同カラムに RNase-Free水を 30.5 1添カ卩し、 10分間氷上で放置後、 4°C、 14000 rpm、 1分間遠心 し RNA溶液として回収した。
[0151] PEGスぺーサ一とのライゲーシヨン
[14] [13]で得られた RNA溶液 29.5 μ 1、 Τ4 ligation 10 X緩衝液 5 1、 0.1 M DTT 1 1、 40 mM ATP 0.5 μ 1、 100% DMSO 5 1、 0.1% BSA 1 μ 1、 RNase
inhibitor(TOYOBO) 1 μ 1、ポリエチレングリコール(PEG)を含むスぺーサ一分子(特 開 2002-176987 ; (dC) T(F1) PEG(2000) (dC ) Puro (記号の意味は特開 2002-276987
P 2 p P P 2
に記載されている通りである) (10 nmol) 1 μ 1、ポリエチレングリコール(PEG) 2000 (日 本油脂) (30 nmol) 1 1、 T4 RNAリガーゼ (Takara)(250 υ/ μ \) 5 μ 1を混和させ、遮 光条件下 15°C、 12-15時間または遮光条件下 4°C、約 40時間反応させた。得られたス ぺーサ一分子が結合した RNAは RNeasy Mini kit (Qiagen)により精製した。
[0152] (III) 翻訳
[15] [14]で得られたスぺーサ一分子が結合した RNA 2.5 pmol、小麦胚芽抽出液( 5mM DTTを含む) (Promega) 12.5 μ 1、 Amino Acid mixture, Complete (ImM) ( Promega) 2 1、 RNase inhibitor(TOYOBO) 2 1、 CH COOK (1M) (Promega) 2 1を
3
混和させ、 RNase-Free水を添加し全体量を とし、遮光条件下 25°Cで 1時間反応 させ翻訳を行った。
[0153] (IV)ライブラリーの逆転写
[16]翻訳溶液の逆転写反応の前処理を行った。 RNase-Free水で調製し組成が 50 mMリン酸カリウム、 150 mM NaCl、 pH 6.0、 0.1% Tween 20である PP6T緩衝液にて膨 潤および平衡化させた Sephadex G200 (Amersham Biosciences)ゲル 1 mlをカラム(バ ィォラッド)に充填したものに [15]で得られた翻訳溶液 25 μ 1を供し、 2滴ずつチュー ブに集め 5本目から 8本目までを回収した。
[0154] [17]または UltrafreeMC 100,000NWL (ミリポア)に [15]で得られた翻訳溶液 25 μ 1 を供し 4°C、 13,200 rpm、 20分間遠心し下層の溶液を回収した。
[18] [16]または [17]のいずれかの前処理溶液、 5 X RT緩衝液 (TOYOBO) 80 1、
(10 mM) dNTPs(TOYOBO) 40 μ 1、 McD-R (His Tag) (配列番号 5O)(10pmol/ μ 1) 20
μ 1を混和させ、 RNase- Free水を添カ卩し全体量を 360 μ 1とし、 65°Cで 9分間反応後直 ちに 4°Cに冷却し 4°Cで 2分間放置した後、 ReverTra Ace(TOYOBO) 20 μ 1、 RNase inhibitor(TOYOBO) 20 1を加えた。 50°Cで 30分間次いで 99°Cで 5分間反応、または 、 50°Cで 30分間反応させた。
[0155] (V) 標的抗原の固定ィ匕
[19]榭脂(UltraLink Immobilized Neutr Avidin Plus) (Pierce) 50 を 1.5 mlチュ ーブに取り、 RNase-Free水 500 μ 1でけん濁させ、 4°C、 3,000 rpm、 1分間遠心し上清 を除去し再び RNase- Free水 500 μ 1でけん濁させ、 4°C、 3,000 rpm、 1分間遠心し上 清を除去した。組成が 100 mM Tris- HC1、 150 mM NaCl、 pH 7.5、 0.1% Tween 20で ある ELISA緩衝液に溶解した (0.4 M)アンジォテンシン II-ピオチンまたは (0.4 M) Lewis X- sp-ビォチンを、 500 1カ卩ぇ 25°Cにて 1時間ロータリーミキサー(Nissin)で回 転攪拌した。図 3にアンジォテンシン II-ピオチンの化学構造式および図 4に Lewis X-sp-ピオチンの化学構造式をそれぞれ示した。 ELISA緩衝液に溶解した 5 mMピオ チン 7 1をカ卩えさらに 25°Cにて 30分間ロータリーミキサー (Nissin)で回転攪拌した。 ELISA緩衝液 500 μ 1でけん濁させ、 4°C、 3,000 rpm、 1分間遠心し上清を除去し再び ELISA緩衝液 500 μ 1でけん濁させ、 4°C、 3,000 rpm、 1分間遠心し上清を除去した。
[0156] 10 Xマレイン酸緩衝液 4 ml (Dig wash and block buffer set)(Roche)とブロッキング 10
Xブロッキング溶液 4.45ml (Dig wash and block buffer set)(Roche)、および
RNase-Free水 36 mlを混和させたブロッキング剤 500 μ 1でけん濁させ、 4°C、 3,000 rpm、 1分間遠心し上清を除去し、再び、同様のブロッキング剤 600 μ 1を加え 2 mlチュ 一ブに榭脂を移した。
[0157] (VI) 標的抗原を認識する IVV抗体の選択
[20]ブロッキング剤 600 μ 1にけん濁した榭脂に [18]で得られた逆転写反応したラ イブラリーの 400 /z lを加え、 4°Cにて 15分間ミニディスクローター(Bio craft)で回転 攪拌した。
[0158] シリンジ 5mL(Terumo)と Wizard Minicolumn (Promega)と注射針 18G X
l/2"(Terumo)を直列につなぎ、上記のけん濁液 lmlを供し注射筒で押し出した。その 溶液を Flowとして一部 4°Cで保存した。 PP6T緩衝液に注射針を差し込み注射筒で 5
ml吸い上げ、再び押し出した。この操作を 6回行った。
[0159] さらにアンジォテンシン II (最終濃度 1 nM)または Lewis X(最終濃度 1 nM)を含む
PP6T緩衝液にて上記の操作を 2回行った。この操作の最後の溶出液を Washとして一 部 4°Cで保存した。アンジォテンシン 11(100 mM) 20 μ 1、 Ribonucleic acid-core from torula Yeast RNA Type Π— C (5 ^ g/ ^ 1) 2 μ \, PP6T緩衝液 178 μ 1または Lewis X 0.5 mgを93.6 μ 1を ΡΡ6Τ緩衝液に溶解させたものと、 Ribonucleic acid-core from torula Yeast RNA Type II- C (5 μ g/ μ 1) 0.95 μ 1を混和させ約 94.6 μ 1としテルモシ リンジとテルモ注射針をはずし Wizard Minicolumnにけん濁させ榭脂を回収した。この 榭脂けん濁液を 4°Cにて 1時間ミニディスクローター(Bio craft)で回転攪拌した。
[0160] [21]Urtra Freeに [20]で得られたけん濁液を供し 10,000 rpm、 3分間遠心し下層に 溶液を回収した。あらかじめ RNase-Free水 100 1をカ卩ぇ 10, 000 rpm、 3分間遠心した Microcon YM- 50に、溶出液 200 μほたは 94.6 μ 1を供し 12,000 rpm、 1.5- 2.5分間遠 心した。さらに RNase- Free水 100 1をカ卩ぇ 12,000 rpm、 1.5- 2.5分間遠心を数回繰り 返し行 、アンジォテンシン Πまたは Lewis Xを除去した。
[0161] (VII) PCRによる cDNAライブラリーの回収
[22] [21]で得られた溶出溶液 1 μ 1、 10 X PCR緩衝液 (ΤΟΥΟΒΟ) 10 1、 2 mM dNTPs(TOYOBO) 10 1、 Τ7— tag— F (配列番号 53) (lOpmol/ 1) 2 1、 McD-R his tag (配列番号 50) (lOpmol/ 1) 2 1、 KOD DASHポリメラーゼ (TOYOBO) 1 μ 1を混 和させ、 RNase-Free水を添カ卩し全体量を 100 μ 1としてそれぞれ PCR反応させた。
[0162] PCRは、 96°C、 5分間反応後、 96°C、 30秒間、 58°C、 30秒間、 72°C、 1分間を 25-30 サイクル行った後、 72°C、 5分間反応を行った。増幅した遺伝子は 1%ァガロースゲル 電気泳動によりそれぞれ 900-1000bpのバンドを確認した。
[0163] [23] [22]で得られた増幅した遺伝子は Wizard Plus Minipreps DNA Purification System (Promega)で精製した。すなわち PCR反応物を 1.5mlチューブに移し Direct purification緩 ¾r^Promega) 100 μ 1、 DNA purification resin (Promega) 1 mlをカ卩ぇ混 和させシリンジ 2.5 mL(Terumo)を使って Wizard Minicolumn (Promega)に供した。シリ ンジで液を押し出して捨て (80%)イソプロパノール 2 mlをカ卩ぇ再び液を押し出して捨て た。 Wizard Minicolumnを新しい 1.5 mlチューブに付け 4°C、 10,000 rpm、 2分間遠心し
た後、再び新しい 1.5 mlチューブをつけ、 RNase-Free水 60 μ 1を加え、室温で 10分 間放置した。 4°C、 10,000 rpm、 2分間遠心し、 Wizard Minicolumnを捨て、下層を回収 し、さらに 4°C、 10,000 rpm、 5分間遠心し、生じた沈殿を除き新しい 1.5mlチューブに 上清を回収した。
[0164] DNA溶液にっ 、て 260nmの吸収を測定し濃度を見積もった。
(VIII) PCRによるオメガ配列の付カロ
[24] PCRによるオメガ配列の付カ卩をするために [23]で得られた DNA溶液 0.2 pmol 、 10 X PCRllf Π¾(ΤΟΥΟΒΟ) 10 1、 2 mM dNTPs(TOYOBO) 10 μ 1、 McD 5'UTR ( 配列番号 54)(lpmol/ j 1) 1 j 1、 McD- F (配列番号 52)(10pmol/ u l) 2 u McD- R his tag (配列番号 5O)(10pmol/ 1) 2 1、 KOD DASHポリメラーゼ (TOYOBO) 0.5 μ 1を 混和させ、 RNase-Free水を添カ卩し全体量を 100 μ 1としてそれぞれ PCR反応させた。
[0165] PCRは、 96°C、 5分間反応後、 96°C、 30秒間、 58°C、 30秒間、 72°C、 1分間を 7-10サ イタル行った後、 72°C、 5分間反応を行った。増幅した遺伝子は 1%ァガロースゲル電 気泳動によりそれぞれ約 1000bpのバンドを確認し、フエノール/クロ口ホルム処理及び エタノール沈殿を行った。その後、約 15分間遠心乾燥した後、 DNAを RNase-free水 10 1に溶解した。
[0166] [25] [24]で得られた DNAを 1%低融点ァガロースゲル (Sigma)電気泳動に付しそれ ぞれのバンドを切り出した。チューブに、切り出したァガロースゲルの断片と
RNase-free水 100 1をカ卩え、 70°Cで 15分間加熱後、 TE飽和フエノール処理を行った 。得られた水層部をフエノール/クロ口ホルム処理し、続いて得られた溶液についてェ タノール沈殿を行った。得られたペレットは約 15分間遠心乾燥した後、 DNAを RNase— free水 10 μ 1に溶解した。
[0167] 図 5には、上記の工程で得られた各翻訳溶液を 8Μ尿素存在下 5%ポリアクリルアミド 電気泳動に付し対応付け分子を確認した結果を示す。図中、下の棒グラフは上の電 気泳動ゲルの FITCの蛍光を MOLECULAR IMAGER FX (Bio-rad)で測定し定量した 結果を示す。左力も Negaは [11]で得られたライブラリー MH0のクローンのひとつであ る MH0-15、 Posiはライブラリー MI3のクローンのひとつである MI3-55、 MHOは [11]で 得られたライブラリー、 Milは [11]で得られたライブラリーを [18]において 50°C、 30分
間次いで 99°C、 5分間反応させアンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で 回収したライブラリー、 MI2は Milを [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反 応させアンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリー、 MI3は MI2を [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応させアンジォテンシ ン IIを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリーを示している。
[0168] MHOではストップコドンまたはミューテーシヨンにより蛋白質に翻訳されないものがか なりの割合で含まれていること力 対応付けの効率は 15%と低いのに対して、 Milでは 25%、 MI2では 37%、 MI3では 41%と対応付けの効率が上昇している。 Negaおよび Posiは インフレームのクローンでありこの場合の対応付け効率はそれぞれ 34%および 40%を 示しているが MI2または MI3においてほぼその対応付け効率と同等の値が得られて いる。従って蛋白レベルでのセレクションが成功しライブラリ一はインフレームの割合 が上昇して 、ることを示して!/、る。
[0169] 図 6は、図 5と同様に上記の工程で得られた各翻訳溶液を 8M尿素存在下 5%ポリア クリルアミド電気泳動に付し対応付け分子を確認した結果を示す。左から MHOは [11] で得られたライブラリー、 MK1は [11]で得られたライブラリーを [18]において 50°C、 30 分間次いで 99°C、 5分間反応させ Lewis Xを抗原としてセレクションし [25]で回収した ライブラリー、 MK2は MK1を [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応させ Lewis Xを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリーを示している。 MHOで はストップコドンまたはミューテーシヨンにより蛋白質に翻訳されないものがかなりの割 合で含まれて 、ることから対応付けの効率は 15%と低 、のに対して、 MK1では 41%、 MK2では 36%と対応付けの効率が上昇して!/、る。
[0170] 図 7は、図 5と同様に上記の工程で得られた各翻訳溶液を 8M尿素存在下 5%ポリア クリルアミド電気泳動に付し対応付け分子を確認した結果を示す。左から MM1は [11 ]で得られたライブラリーを [18]において 50°C30分間反応させアンジォテンシン IIを抗 原としてセレクションし [25]で回収したライブラリー、 MM2は MM1を [18]において 50 °C30分間反応させアンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で回収したライ ブラリー、 MP1は [11]で得られたライブラリーを [15]において 99°C、 5分間反応させそ の後 [20] [21]においてアンジォテンシン IIを抗原としセレクションを行ったあとに [18]
において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応させて [22]以降の実験を行い [25]で 回収したライブラリーを示している。 MM1では 25%、 MM2では 33%と対応付けの効率が 上昇している。 MM1では [18]において 50°C、 30分間反応させた後 99°C、 5分間反応 させた Milと比較し同様な値であり、また MM2も MI2と比較し遜色な 、対応付け効率 を示すことから蛋白レベルでのセレクションは成功していると考えられる。これに対し て MP1は 8%と対応付けの効率が極端に低く [15]において 99°C、 5分間反応させること により RNAまたは対応付け分子に対し何らかの変性が生じた可能性も考えられた。
[0171] 図 8は、 [21]で得られた溶出液を [22]で PCRし 1%ァガロースゲル電気泳動に付した 結果を示し、下の棒グラフは上の電気泳動ゲルのェチジゥムブロマイドの吸収を MOLECULAR IMAGER FX (Bio-rad)で測定し定量したものを示している。左から Negaは [11]で得られたライブラリー MHOのクローンのひとつである MH0-15、 Posiはラ イブラリー MI3のクローンのひとつである MI3-55、 Milは [11]で得られたライブラリーを [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応させアンジォテンシン IIを抗原と してセレクションし [25]で回収したライブラリー、 MI2は Milを [18]において 50°C、 30分 間次いで 99°C、 5分間反応させアンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で 回収したライブラリー、 MI3は MI2を [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反 応させアンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリーを示 している。 Negaでは回収される DNAの量は非常に少なくアンジォテンシン IIに親和性 のある分子のがほとんど含まれて 、な 、ことを示し、 Posiでは回収される DNAの量は 多くアンジォテンシン IIに親和性のある分子が大多数であることを示している。 Mil, MI2ではセレクションで回収される DNAの量はまだ少なくライブラリ一中に含まれるァ ンジォテンシン IIに親和性のある分子の割合が低 、ものと考えられる。これに対して MI3では回収される DNAの量が急激に上昇しライブラリ一中に含まれるアンジォテン シン IIに親和性のある分子の割合が急激に上昇しセレクションを繰り返すことによって 濃縮が起こったことを示すものと考えられる。
[0172] 図 9は、 [20]で得られた Flowを 1000倍希釈したものと [20]で得られた Washおよび [ 21]で得られた溶出液 (Elute)を 1倍と 10倍希釈したものを [22]で PCRし 1%ァガロース ゲル電気泳動に付した結果である。 Eluteに関し、 1は溶出液を1倍希釈、 X 0.1は
溶出液を 10倍希釈の略である。 MK1は [11]で得られたライブラリーを [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応させ Lewis Xを抗原としてセレクションし [25]で 回収したライブラリー、 MK2は MK1を [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間 反応させ Lewis Xを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリーを示している 。 Flowに示すように十分大過剰量の分子をセレクションに投入して 、るが Washでは ほとんど DNAのバンドは見えないことからセレクションにおいて Lewis Xに親和性の少 な 、分子を十分洗 、流せて 、ることを示して 、る。また MK1ではセレクションで回収さ れる DNAの量はまだ少なくライブラリ一中に含まれる Lewis Xに親和性のある分子の 割合が低 、ものと考えられる。これに対して MK2では回収される DNAの量が急激に 上昇しライブラリ一中に含まれる Lewis Xに親和性のある分子の割合が急激に上昇し セレクションを繰り返すことによって濃縮が起こったことを示すものと考えられる。
[0173] 図 10は、 [20]で得られた Flowを 1000倍希釈したものと [20]で得られた Washおよび
[21]で得られた溶出液を 1倍と 10倍希釈したものを [22]で PCRし 1%ァガロースゲル電 気泳動に付した結果とその電気泳動ゲルのェチジゥムブロマイドの吸収を
MOLECULAR IMAGER FX (Bio-rad)で測定し定量した結果を示す。 Fは Flow、 Wは Wash, Eは溶出液を 1倍、 E0.1は溶出液を 10倍希釈の略である。
[0174] Flowに示すように十分大過剰量の分子をセレクションに投入して 、るが Washでは ほとんど DNAのバンドは見えないことからセレクションにおいてアンジォテンシン IIに 親和性の少な 、分子を十分洗 、流せて 、ることを示して 、る。
[0175] Milは [11]で得られたライブラリーを [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分 間反応させアンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリー 、 MM1は [11]で得られたライブラリーを [18]において 50°C、 30分間させアンジォテン シン IIを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリーを示している。
[0176] Milではセレクションで回収される DNAの量はまだ少なくライブラリ一中に含まれる アンジォテンシン IIに親和性のある分子の割合が低いものと考えられる。これに対し て MM1では回収される DNAの量が非常に多くライブラリ一中に含まれるアンジォテン シン IIに親和性のある分子の割合が多いものと考えられる。すなわち MM1では [18] において 50°C、 30分間反応させただけなのに対して Milでは [18]において 50°C、 30
分間反応させた後 99°C、 5分間反応させていることによって 99°Cに安定性の高い分 子だけがセレクションされ不安定なものは除去される傾向にあることを示して 、る。 実施例 2
[0177] 配列分析
(I) クローニング
[26]ライブラリーからクローンを得るために TOPOクロー-ングキット(Invitrogen)を 用いた。 [11]で得られた DNAまたは [25]で得られた DNA 0.05-1 pmol、 taqポリメラー ゼ 10 X緩衝液 (TOYOBO) 2 μ \, dATP (40 mM) 2 μ \, taqポリメラーゼ(Taq Pol) (ΤΟΥΟΒΟ)0.5 μ 1を混和させ、 RNase- Free水を添カ卩し全体量を 20 μ 1として、 72°Cで 15分間、フエノール/クロ口ホルム処理及びエタノール沈殿を行った。その後、約 15分 間遠心乾燥した後、 DNAを RNase- free水 4 μ 1に溶解した。
[0178] [27] [26]で得られた DNA 4 1、 Topo vector (Invitrogen) 0.5 μ 1、 Salt solution (
Invitrogen) 1 1を混和させ室温で 20分間放置した。大腸菌にトランスフォームするた めに氷上で溶解したコンビテントセルに上記の混和溶液 5.5 μ 1を入れ氷上で 30分間 放置後 43°C、 45秒間ヒートショックを行った。セルに SOC (Invitrogen)を 250 μ 1入れ 37 °C、 1時間 30分振とう培養器で培養させ 2枚の寒天プレート (500 ml中にトリプトン 5 g 、酵母エキス 2.5 g、 NaCl 5 g、寒天 7.5 g、アンピシリン 25 mg) (シャーレ 9cm)にまい て 37°Cでー晚培養した。
[0179] (II) 塩基配列の決定
[28] [27]で培養した寒天プレートに生じたコロニーの一部を爪楊枝でつっつき RNase-Free水 20 1にけん濁させ 99°C、 5分間加熱後急冷し、 - 20°Cでコロニーけん 濁液として保存した。
[0180] [29] [28]で得られたコロニーけん濁液 1 1、 10 X PCR緩衝液 (TOYOBO) 5 1、 2 mM dNTPs(TOYOBO) 5 1、 M13FII (酉己歹 [J番号 58) (10 pmol/ 1) 1 1、 M13RII (酉己 列番号 59) (10 pmol/ 1) 1 1、 KOD DASHポリメラーゼ (TOYOBO) 0.25 μ 1を混和さ せ、 RNase-Free水を添加し全体量を 50 μ 1としてそれぞれ PCR反応させた。
[0181] PCRは、 96°C、 5分間反応後、 96°C、 30秒間、 58°C、 30秒間、 72°C、 1分間を 30サイ クル行った後 72°C、 5分間反応を行った。増幅した遺伝子は 1%ァガロースゲル電気泳
動によりそれぞれ 900-1000bpのバンドを確認した。増幅した遺伝子は Wizard Plus Minipreps DNA Purification System (Promegaで精製し 7こ。
[0182] [30] [29]で得られた DNA 16 ng、 M13FII (配列番号 58) (1.6 pmol/ μ 1) 2 1、また は M13RII (配列番号 59) (1.6 pmol/ μ \) 2 μ DTCS kit Premix (Beckman coulter) 6 μ 1を混和させ、 RNase-Free水を添カ卩し全体量を 10 ;ζ 1としてそれぞれ PCR反応させ た。
PCRは、 96°C、 5分間反応後、 96°C、 20秒間、 58°C、 20秒間、 60°C、 4分間を 30サイク ル行った後、 72°C、 5分間反応を行った。
[0183] [31] [30]で得られた PCR反応物を 1.5mlチューブに移し、 3 M NaOAc 1 μ 1、 0.1 Μ EDTA 1 1、 20 mg/mlグリコーゲン溶液(ナカライテスク株式会社) 1 μ 1をよく混和させ 、冷 100%エタノール 60 μ 1を加え、混和させた。 4°C、 14000 rpm、 15分間遠心し上清 を除去し 70%エタノールにてペレットを洗浄後、再び 14000rpm、 2分間遠心して上清を 除去しすることを 2回行った。その後、 30-40分間遠心乾燥した後、脱イオン化したホ ルムアミド (Beckman coulter) 40 1を加えよく混和させた。配列分析は CEQ 2000 DNA Analysis System (Beckman coulteiで行つ 7こ。
[0184] [表 5]
[31] で配列分析を行い解析した結果
Name In frame Mutation Total In frame (%) C c ( ) IVV (%)
MHO 8 6 14 57 0 0 15
Mil 6 7 13 46 2 33 25
MI2 7 4 11 64 4 57 37
MI3 15 6 21 71 13 87 41
MK1 6 4 10 60 3 50 41
MK2 5 3 8 63 2 40 36
MM1 10 12 22 45 0 0 25
MM2 8 8 16 50 1 13 33 表 5においては、左のレーンから、 "Name"はセレクションの種類と回数、 "In frame" はインフレームの個数、 "Mutation"はストップコドンまたはミューテーシヨンにより蛋白
質に翻訳されないものの個数、 "Totanま In frameと Mutationの合計、 Ίη frame (%Γは 100 X In frame/Total, "C"は図 11および図 12の Aまたは Bに収束した配列をもつもの の個数、 "C(%)"は 100 X図 11および図 12の Aまたは Bに収束した配列をもつものの個 数/ In frame,〃IW (%Γは、図 5、図 6および図 7より算出された対応付け効率をそれ ぞれ示している。
[0186] また MHOは [ 11 ]で得られたライブラリ一、 MI 1は [ 11 ]で得られたライブラリーを [ 18] において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応させアンジォテンシン IIを抗原として セレクションし [25]で回収したライブラリー、 MI2は Milを [18]において 50°C、 30分間 次いで 99°C、 5分間反応させアンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で回 収したライブラリー、 MI3は MI2を [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応 させアンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリー、 MK1 は [11]で得られたライブラリーを [18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応 させ Lewis Xを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリー、 MK2は MK1を [ 18]において 50°C、 30分間次いで 99°C、 5分間反応させ Lewis Xを抗原としてセレクシ ヨンし [25]で回収したライブラリー、 MM1は [11]で得られたライブラリーを [18]におい て 50°C、 30分間反応させアンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で回収し たライブラリー、 MM2は MM1を [18]において 50°C、 30分間反応させアンジォテンシン IIを抗原としてセレクションし [25]で回収したライブラリーを示している。
[0187] C(%)で示した 100 X (図 11および図 12の Aに収束した配列をもつものの個数)/ In frameは Milで 33%、 MI2で 57%、 MI3で 87%とセレクションに従い上昇しアンジォテン シン IIを抗原としたセレクションでは Aに示した配列に急激に収束することが示された 。 C(%)で示した 100 X (図 11および図 12の Bに収束した配列をもつものの個数)/ In frameは MK1で 50%、 MK2で 40%、とセレクションを回すことによって高い値を示し Lewis Xを抗原としたセレクションでは Bに示した配列に収束することが示された。これ らに対し C(%)で示した 100 X (図 11および図 12の Aに収束した配列をもつものの個数 )/In frameは MM1で 0%、 MM2で 13%でありセレクションを 1回、回しただけでは Aに示 した配列のものはひとつも見られず、セレクションを 2回、回すことではじめて 1つのク ローンが Aに示した配列のものが見いだされた。 MM1、 MM2では [18]において 50°C
30分間反応させただけなのに対して Mil、 MI2、 MI3では [18]において 50°C、 30分間 反応させた後 99°C、 5分間反応させている。従って 99°C、 5分間反応させることで急激 に Aに示した配列に収束したのに対し 99°C、 5分間反応させない MM1、 MM2の場合 では Aに示した配列を見いだすことはできるものの非常に効率が悪いことがわ力つた
[0188] MP1は [11]で得られたライブラリーを [15]において 99°C、 5分間反応させその後 [20 ] [21]においてアンジォテンシン IIを抗原としセレクションを行ったあとに [18]におい て 50°C30分間、 99°C、 5分間反応させて [22]以降の実験を行い [25]で回収したライ ブラリーであるが [31]で配列分析を行い解析した結果インフレームは 2個、ストップコ ドンまたはミューテーシヨンにより蛋白質に翻訳されないものは 11個、合計は 13個、図 11および図 12の Aに収束した配列をもつものは 2個であった。 MP1の場合インフレ一 ムの割合が極端に低くやはり効率が良 、とは 、えな 、が Aに示した配列を見 、だす ことができることがわ力 た。
[0189] 図 11および図 12は [31]で配列分析を行い解析した結果インフレームのものにつ いてアミノ酸配列による clustalxによる配列アラインメント後 TreeViewPPCにより作成し た系統榭を示す。線で囲った Aはアンジォテンシン IIのセレクションで収束したもの、 線で囲った Bは Lewis Xのセレクションで収束したものを示す。ライブラリーの略号の 後にクローンの番号を示した。線で囲った Aは MI3-55と比較し蛋白質レベルで GENETYX- MACで解析した結果 90%以上の相同性を示し、線で囲った Bは MK1-17 と比較し蛋白質レベル GENETYX- MACで解析した結果 90%以上の相同性を示した。
[0190] 配列決定されたクローンの一部(MI1-16、 MIl-4、 MI2-10、 MI2-34、 MI2-41、
MI2— 48、 MI3— 15、 MI3— 26、 MI3— 28、 MI3— 34、 MI3— 41、 MI3— 42、 MI3— 47、 MI3— 5、 MI3- 55、 MI3- 62、 MI3- 64、 MI3- 66、 MI3- 74、 MK2- 3、 MM2- 11、 MP1- 36、 MP1-41) について、塩基配列及びそれがコードするアミノ酸配列を 60— 116の偶数の配列番 号に示す。アミノ酸配列を 61— 117の奇数の配列番号に示す。なお、 CDR配列番号 i¾、 Martin, A.し. R. Accessing the Kabat Antibody Sequence Dataoase by Computer PROTEINS: Structure, Function and Genetics, 25 (1996), 130- 133.に従って以下の ように決定した。
[0191] Mil- 16、 Mil- 4、 MI2- 10、 MI2- 34、 MI2- 41、 MI2- 48、 MI3- 15、 MI3- 26、 MI3- 28、 MI3- 34、 MI3- 41、 MI3- 42、 MI3- 47、 MI3- 5、 MI3- 55、 MI3- 62、 MI3- 64、 MI3- 66、 MI3-74, MK2-3, MM2-11、 MPl-36、 MP1-41の各 CDRは以下のアミノ酸番号である
[0192] [表 6]
表 6
アミノ酸番号
CDRH1 42-48
CDRH2 63-78
CDRH3 111-120
CDRL1 186-196
CDRL2 212-218
CDRL3 251-259
[0193] MI3-8、 MK1-15, MK1-17、 MK1-24, MK2-19、 MK2-8の各 CDRは以下のアミノ酸 番号である。
[0194] [表 7] 表 7
アミノ酸番号
CDRH1 42-46
CDRH2 61-77
CDRH3 110-119
CDRL1 185-195
CDRL2 211-217
CDRL3 250-258 実施例 3
[0195] 抗体の調製
[32] [28]で得られたコロニーけん濁液 1 μ 1、 10 X PCR緩衝液 (TOYOBO) 10 1、 2
mM dNTPs(TOYOBO) 10 μ 1、 25 mM MgSO 4 1、 McD- F (配列番号 52)(10pmol/
4
1) 3 1、 McD- R (His Tag)- stop (配列番号 51)(10pmol/ 1) 3 1、 KOD PLUSポリ メラーゼ (TOYOBO) 2 μ 1を混和させ、 RNase- Free水を添カ卩し全体量を 100 μ 1として それぞれ PCR反応させた。
[0196] PCRは、 94°C、 5分間反応後、 94°C、 30秒間、 58°C、 30秒間、 68°C、 2分間を 25-30 サイクル行った後、 68°C5分間反応を行った。増幅した遺伝子は 1%ァガロースゲル電 気泳動によりそれぞれ 900-1000bpのバンドを確認した。
[0197] [33]クローン DNAの転写を行った。 [32]で得られた DNA lpmol、 5 X SP6緩衝液 4 μ 1、 ATP (lOOmM) 1 μ 1、 CTP (lOOmM) 1 μ 1、 UTP (lOOmM) 1 μ 1、 GTP (lOmM) 2 μ 1 、キャップアナログ (m7G(5')PPP(5')G) (Invitrogen) (40mM) 2.5 μ 1、ェンザィムミックス SP6RNAポリメラーゼ(Promega) 2 μ 1を混和させ、 RNase-Free水を添カ卩し全体量を 20 μ 1とし、 37°C、 2時間 30分間反応後、 RQ1 RNase-Free DNase (Promega) 5 μ 1を添 加しさらに 37°C、 1時間反応させた。得られた RNAは RNeasy Mini kit (Qiagen)により 精製した。
[0198] [34] [33]で得られた RNA 20 pmol、小麦胚芽抽出液(5mM DTTを含む) (Promega ) 50 1、 Amino Acid mixture, Complete (ImM) (Promegaノ 8 1、 RNase
inhibitor(TOYOBO) 8 1、 CH3COOK (1M) (Promega) 8 μ 1を混和し、 RNase— Free水 を添加し全体量を 100 /z lとし、遮光条件下 25°C、 1-3時間反応させ翻訳を行った。
[0199] [35]ミリ Q水で調製し組成が 50mMリン酸カリウム、 150 mM NaCl、 pH 6.0、 0.1% Tween 20である PP6T緩衝液にて膨潤ならびに平衡化させた Sephadex G75
(Amersham Biosciences)ゲル 1 mlをカラム(バイオラッド)に充填したものに [34]で得ら れた翻訳溶液 200 μ 1を供し、 4滴ずつチューブに集め 3本目から 6本目までを回収し た。
[0200] [36]あるいはミリ Q水で調製し組成が 20 mMリン酸ナトリウム、 500 mM NaCl、 20 mM イミダゾール pH 7.4である His Tag A緩衝液にて膨潤ならびに平衡化させた
Sephadex G75 (Amersham Biosciences)ゲノレ 1 mlをカラム (バイオラッド)に充填したも のに [34]で得られた翻訳溶液 200 μ 1を供し、 4滴ずつチューブに集め 3本目から 6本 目までを回収した。その溶液に His Tag A緩衝液で平衡化した Ni-NTA agarose
(Qiagen)榭脂 100 1を加え、 25°C、 1時間ロータリーミキサー (Nissin)で回転攪拌し た。 His Tag A緩衝液 500 μ 1でけん濁させ、 4°C、 3,000 rpm、 1分間遠心し上清を除 去しする操作を 3回繰り返し、榭脂を回収し、組成が 20 mMリン酸ナトリウム、 500 mM NaCl、 475 mMイミダゾール pH 7.4である His Tag B緩衝液 150 μ 1をカ卩え 25°C、 30分 間- 1時間ロータリーミキサー (Nissin)で回転攪拌した。 Urtra Freeに榭脂けん濁液を 供し 10,000 rpm、 3分間遠心し下層に溶液を回収した。
[0201] [37] PP6T緩衝液で平衡化させた Micro Spin G— 25 column(Amersham Biosciences) を 4°C、 735 g、 1分間遠心し、下層に溶出した液を除去し、 [36]で得られた溶液 50 1 をカラムに供した。 4°C、 735g、 2分間遠心し、下層の溶液を回収した。
[0202] あるいはミリ Q水で調製し組成が 50mMリン酸カリウム、 150 mM NaCl、 pH 6.0、 0.1% Tween 20である PP6T緩衝液にて膨潤ならびに平衡化させた Sephadex G75
(Amersham Biosciences)ゲル 1 mlをカラム(バイオラッド)に充填したものに [36]で得ら れた溶液を 150 μ 1を供し、 4滴ずつチューブに集め 3本目から 6本目までを回収した。
[0203] 図 13は、 ΜΙ3-55の [37]についてウェスタンブロットした結果(右 2本)を示す。左 3本 はウェスタンブロットのコントローノレである。レーン左から Carboxy-terminal
FLAG-BAP fosion protein (Sigma)を 100 ngゝ 50 ngゝ 20 ngゝ Biotynylated SDS— PAGE Standards low range (Bio- rad) 2 1、 MI3- 55の [37]にお 、て 3本目から 6本目までを 回収した 15 1、 5 1を 15%ポリアクリルアミド電気泳動に付した後 PBDF膜に転写し、 anti FLAG M2- Mouse(Sigma)を一次抗体、 Goat anti-mouse IgG (H+L)- HRP conjugate (Sigma)と Avidin— HRP conjugate (Bio— rad)をニ次饥ィ本とし ECL Western Blotting Detection Reagents (Amersham biosciences)で検出し 7こ1/エスタンブロット。 MI3-55は分子量約 31,000ダルトンにバンドを検出し一本鎖抗体の計算値と一致した 実施例 4
[0204] ビアコアによる結合の確認
[38]ビアコアはビアコア 3000システムを用いた。センサーチップ Bl (CM4)にァミン カップリング法で固定化を行った。フローセル 1および 2を 0.2 M N-ェチル - Ν'-ジメチ ルァミノプロピルカルボジイミド (EDC)と 50 mM N-ヒドロキシスクシンイミド (NHS)を含む
溶液で 10分間活性化を行った。次にフローセル 2に 50 Mストレプトアビジン (Sigma) (0.02Mリン酸カリウム緩衝液 pH 6.5)を 20 1、 10 mM酢酸緩衝液 pH 5.0 980 μ 1と 混合したものを 10分間、フローセル 1には 10 mM酢酸緩衝液 pH 5.0を 10分間流した 。続いてフローセル 1および 2を 1Mエタノールァミン pH 8.5で 10分間ブロッキングを行 つた。フローセル 2は 2024または 2305レスポンスユニットがセンサーチップ表面に結合 した。さらにフローセル 1および 2に 50 mM NaCl, 1 M NaCl 10 を 5回流した後、 2024レスポンスユニットがセンサーチップ表面に結合したフローセル 2にアンジォテン シン Π-ピオチン (0.1 Μ)を 10 1流した。 2305レスポンスユニットがセンサーチップ表 面に結合したフローセル 2に Lewis- X-sp-ピオチン (0.1 μ Μ)を 3 μ 1流した。最後にフ ローセル 1および 2に Glycine 1.5を 10 1流した結果、アンジォテンシン II-ピオチンの フローセル 2では 35.0レスポンスユニットが、 Lewis-X-sp-ビォチンのフローセル 2では 31.6レスポンスユニットがそれぞれセンサーチップ表面に結合した。理論的 Rmaxはァ ンジォテンシン II-ビォチンのフローセル 2では 801とまたは Lewis-X-sp-ビォチンのフ ローセル 2では 1081と見積もられた。
[0205] [39]ビアコアの分析は組成が 50 mMリン酸カリウム、 150 mM NaCl, pH 6.0、 0.1% Tween 20である PP6T緩衝液を用い流速は 20 1/分で行った。 [35]または [37]で得 られたサンプルを KINJECTでインジェタトした。再生は Glycine 1.5を20 1、 50mM NaCl, 1 M NaCl 10 1で行った。レスポンスカーブはフローセル 2からフローセル 1を 弓 Iき算し結合のレスポンスユニットを算出した。
[0206] 図 14は、アンジォテンシン IIを抗原としたセレクションで図 11および図 12の Αに示し た配列に収束する配列のうち MI3-55、 MI3-42, MI3-28、 MI3-41、 MI3-34、 MI3-5、 MI3-15、MI3-26を [34]で翻訳を行った後ビアコアで分析し算出した KDを棒グラフで 示したものである。 0.4-1.5 nMの非常に親和性の高い値を示し、本発明の方法で選 択された一本鎖抗体は非常に高親和性であることがわ力つた。
[0207] 図 15は、 Lewis Xを抗原としたセレクションで図 11および図 12の Bに示した配列に 収束する配列のうち MK1-1、 MK1-24, MK2-19, MK1-17を [34]で翻訳を行った後ビ ァコアで分析し算出した KDを棒グラフで示したものである。 20-43 nMの値を示し、本 発明の方法で選択された一本鎖抗体は高親和性抗体であることがわかった。
[0208] 図 16は、 MI3-55を [34]で翻訳を行った後 4°Cまたは 60°Cまたは 99°C、 5分間処理し [35]の処理を行ったあと [39]のビアコアで分析した結果を棒グラフで示したものであ る。右のレーンから 1はサンプル原液を 0.5は原液の 2分の 1希釈、 0.25は 0.5の 2分の 1 希釈、 0.125は 0.25の 2分の 1希釈を示す。原液を 99°C、 5分間処理したものは 4°C5分 間処理したものに比べて 56%のレスポンスになったものの 4°C5分間処理したものを 0.25に希釈したものと同等のレスポンスを示した。従って MI3-55は 99°C、 5分間処理 し [35]の処理したものでも約 25%の結合活性を有し、本発明の方法で選択された一 本鎖抗体は非常に耐熱性であることが示された。
実施例 5
[0209] ELISAによる結合の確認
[40]Nuncストレプトアビジンコート 96穴マイクロプレートの 1穴あたりにアンジォテン シン II-ビォチンまたは Lewis- X-sp-ビォチン (100 nM)/ELISA緩衝液 200 μ 1をカ卩え 50 °C、 1時間静かに振とうさせ固定ィ匕を行った。プレートの溶液を捨て良く水をきり ELISA緩衝液 200 1をカ卩えるプレートを洗う操作を 3回行った。 ELISA緩衝液 200 μ \ をカロえ 5分間放置した後再び ELISA緩衝液 200 μ 1でプレートを洗う操作を 3回行った 。 Blocking one (ナカライテスタ株式会社):ミリ Q (1:4)で希釈したブロッキング剤をカロ え 4°Cで一晩または 25°Cで 1-数時間ブロッキングを行った。次に PBS (ナカライテスタ 株式会社) 200 1でプレートを洗う操作を 4回行い、 [35]または [37]で得られたサン プノレを 100 1プレートに加えた。このとき拮抗阻害を調べる場合にはアンジォテンシ ン Πまたは Free Lewis Xを一本鎖抗体サンプルとあらかじめ混和させたものを加えた。 25°Cで 0.5-2時間静かに振とうさせ後 PBS (ナカライテスタ株式会社) 200 μ 1でプレー トを洗う操作を 4回行い一次抗体溶液として anti FLAG M2-Mouse (Sigma): Blocking one (ナカライテスタ株式会社): ELISA緩衝液(1:10:190)を 100 1加えた。 25°Cで 0.5- 2時間静かに振とうさせ後 PBS (ナカライテスタ株式会社) 200 μ 1でプレートを洗う 操作を 4回行い二次抗体溶液として Goat anti-mouse IgG (H+L)- HRP conjugate (Sigma): Blocker casein in TBS (PIERCE) (1:400)を 100 μ 1加えた。 25°Cで 0.5- 2時間 静か〖こ振とうさせ後 PBS (ナカライテスタ株式会社) 200 μ 1でプレートを洗う操作を 4回 行い TMB Peroxidase EIA substrate kit (Bio rad) (A:B = 9:1) 100 μ 1カ卩えた。 25°Cで
5-60分間静かに振とうさせ 1 N H SOを 100 1加え反応を停止した。吸光度は
2 4
Multiskan JX (大日本製薬株式会社) 96穴マイクロプレートリーダーで 450 nmと 630 nmを測定し 450 nmの値から 630 nmの値を引き算した。
[0210] 図 17は、 MI3-55を [34]で翻訳を行った後 4°Cまたは 60°Cまたは 99°C、 5分間処理し
[35]の処理を行ったあと [40]の ELISAで分析した結果を棒グラフで示したものである 。右のレーンから 1はサンプル原液を 0.5は原液の 2分の 1希釈、 0.25は 0.5の 2分の 1 希釈、 0.125は 0.25の 2分の 1希釈、 0.0625は 0.125の 2分の 1希釈を示す。原液を 99°C 、 5分間処理したものは 4°C、 5分間処理したものに比べて 21%の値に、 0.5希釈を 99 。C、 5分間処理したものは 4°C、 5分間処理したものに比べて 44%の値になったものの 、それぞれ 4°C、 5分間処理したものを 0.125に希釈したものと同等の値を示した。従つ て MI3-55は 99°C、 5分間処理し [35]の処理したものでも約 12.5%以上の結合活性を 有し、本発明の方法で選択された一本鎖抗体は、非常に耐熱性であることが示され た。
産業上の利用の可能性
[0211] 本発明は、タンパク質の機能的成熟を進化分子工学的手法 (IW法)に適用し、試 験管内でのタンパク質選択を安価で迅速に行う技術である。具体的にはタンパク質 cDNAライブラリーの構築、対応付け分子 (IW)ライブラリーへの変換、選択、遺伝子 の回収、このサイクルを数回繰り返す事によって、所望のタンパク質を得ることができ る。さらに、ライブラリーを既知のタンパク質遺伝子に変異(point mutation, DNA shuffling)を加えたものを使用することで、より高機能性、高安定性、高発現のタンパ ク質を選択することも可能である。
[0212] 本発明によれば、強 ヽ選択圧環境下(高温での加熱処理)でタンパク質選択が行 われるため、極めて高い濃縮効果を示し、さらに標的分子に対して強い結合力をも つタンパク質を迅速に選択できる。得られたタンパク質は分子生物学的基礎研究に おける利用は言うまでもなぐ診断薬、治療薬への応用など、その応用範囲は極めて 広い。特に、以下のような優れた効果を奏し得る。
(1)ライブラリーと抗原を結合させる前に予め加熱処理を行うことで、不安定なタンパ ク質群を変性させ、安定に立体構造が維持されているものか、迅速に巻き戻る安定
性の高 、タンパク質群だけを選択できる。
(2)同時に逆転写反応を行う場合には、 RNA部分での担体や標的分子への非特異 的な結合が抑えられ、飛躍的に濃縮効率が上昇する。
(3)得られたタンパク質は、 DTT等の還元剤存在下での無細胞翻訳系や還元的環 境の大腸菌の細胞質内での大量発現が可能であり、また還元剤に対しても安定であ る。