明細書
新規血糖調節薬及びそのスクリ一二ング方法 技術分野
本発明は LPA作動 GPCR活性抑制剤の新規医薬用途に関する。 より詳細には、 本発 明はインスリン分泌調節のための LPA作動 GPCR活性抑制剤の使用、 例えば、 耐糖能 異常改善及び糖尿病などの生活習慣病の治療のための LPA作動 GPCR活性抑制剤の使 用に関する。 本発明はまた、 上記疾患の治療薬となり得る新規な LPA作動 GPCRリガ ンドのスクリーニング方法に関する。
¾ 謹
糖尿病はその病態から 1型と 2型に分類される。 すなわち、 1型は膝臓における インスリン分泌機能不全に基づく病態であり、 2型はィンスリン感受性組織におけ るインスリン抵抗性と降臓におけるィンスリン分泌異常が主たる病態である。 近年 、 食生活の西洋化や社会的ス トレスの増加等により、 肥満とそれに付随する生活習 慣病、 特に 2型糖尿病患者の増加が著しい。
血糖調節において隙臓は中心的役割をはたすと考えられている。 主要な血糖調節 ホルモンであるインスリンは膝臓のランゲルハンス島の /3細胞から分泌される。 β 細胞は食後などに一過的に上昇する血糖に応答して迅速に必要量のインスリンを分 泌する。 筋肉、 脂肪等の末梢組織では膝臓から分泌されたインスリンに応答して糖 を取り込むことにより、 上昇した血糖の調節を行っている。 さらに、 肝臓ではイン スリンに応答して糖新生が抑制され、 血糖の調節が行われている。 このようなサイ クルに破綻が生じることにより糖尿病が発症すると考えられている。 事実、 1型糖 尿病の多くは、 膝臓が自己免疫的に破壊されィンスリン分泌不全になることにより 血糖コントロールが不能になるものであり、 2型糖尿病ではインスリン分泌におけ る第一相の分泌不良が高血糖を招来することが知られている。
上述のような観点から、 膝臓におけるィンスリン分泌の促進は糖尿病病態の改善 効果に大きく貢献すると考えられる。 このような作用機序を持つ薬剤としては、 現 在のところスルホニルゥレア剤などが上巿されている力 血糖値に応じたインスリ
ン分泌調節作用がないため、 血糖が低下してもなおィンスリン分泌促進効果が持続 して低血糖に陥り、 昏睡、 さらには死亡を招く危険性がある。 現在、 血糖値に応じ たインスリン分泌促進効果が得られるというような特徴をもつ安全な薬剤は上市さ れておらず、 このような薬剤の開発が望まれている。
ところで、 リゾフォスファチジン酸 (LPA) は、 リン脂質の一種であり、 ホスホ リピッドの生合成中間体として知られていたが、 その後様々な生体反応の細胞外シ グナル伝達分子であることがわかってきた。 該生体反応としては、 細胞分裂促進、 アポトーシス抑制、 ァクチン細胞骨格再構築や細胞の形態変化の誘導、 腫瘍細胞浸 潤等が挙げられる 〔Yoh Takuwaら、 J. Biochem. , 767- 771 (2002)を参照〕 。 最近に なって、 LPAが G蛋白質結合受容体 (G protein coupled receptor ; GPCR) : EDG2 、 EDG4、 及び EDG7のリガンド (ァゴ二ス ト) であることが判明し、 該受容体のァゴ 二スト及びアンタゴニストについても報告されている [Kevin R. Lynchら、 Bioche mica et Biophysics Acta. , 1582, 289-294 (2002) s 及び Vineet M. Sardarら、 Bio chemica et Biophysica Acta. , 1582, 309- 317 (2002)を参照〕 。 また、 L- α _リゾ ホスファチジルコリン ォレオイルがインスリン分泌促進活性を有することが報告 されている (国際公開第 0 2ノ0 4 4 3 6 2号パンフレッ トを参照) 。
しかしながら、 EDG2、 EDG4、 及び EDG7等の受容体、 又は該受容体のリガンド (ァ ゴニス ト) である LPAと、 糖代謝制御との関係はこれまで全く知られていなかった
発明の開示
したがって、 本発明の目的は、 糖代謝調節作用を有する化合物及びそのスクリー ニング方法を提供することであり、 それらを用いた耐糖能異常の改善方法、 糖尿病 を初めとする生活習慣病の治療薬を提供することである。
本発明者らは上記課題に鑑みて鋭意研究を行い、 正常人の膝臓ランゲルハンス氏 島において発現局在する因子を同定した。 すなわち、 本発明者らは正常人の膝臓ラ ンゲルハンス氏島に発現する遺伝子と正常状態のその他の諸組織に発現する遺伝子 を比較することにより、 正常人の膝臓ランゲルハンス氏島において発現局在する遺 伝子を同定した。 次に、 該遺伝子がコードする蛋白質を調べたところ、 リゾフォス
ファチジン酸(Lysophosphatidic acid;以下 LPAと称する。 ) のレセプター、 すな わち LPA作動 GPCRである、 EDG2、 EDG4及び EDG7であることがわかった。
本発明者らは、 次に、 EDG2、 EDG4及び EDG7等の LPA作動 GPCRを介したシグナル伝 達が膝臓におけるインスリン分泌に関与しているか否かを検討するために、 LPA作 動 GPCRのァゴニストリガンドが正常マウスに及ぼす作用を調べた。 すなわち、 LPA を正常マウスへ投与したところ、 LPAは糖負荷による血糖値の上昇を亢進する耐糖 能増悪因子であることを見出した。
これらの結果は、 LPA作動 GPCRの生理的リガンド(ァゴ二スト) である LPAの作用 を拮抗する化合物、 すなわち LPA作動 GPCR拮抗剤や、 LPAの産生を抑制する薬剤が耐 糖能異常改善作用及び糖尿病を含む生活習慣病の治療活性を有することを示してい る。
本発明は、 LPA作動 GPCR活性抑制剤を有効成分とする血糖調節薬、 詳細には、 LPA 作動 GPCR拮抗剤または LPA産生酵素阻害剤を有効成分とする耐糖能異常改善薬に関 する。 すなわち、
〔 1〕 LPA作動 GPCR活性抑制剤を有効成分とする耐糖能異常改善薬、
〔2〕 LPA作動 GPCR活性抑制剤が LPA産生酵素阻害剤である、 〔1〕 に記載の耐糖 能異常改善薬、
〔 3〕 LPA作動 GPCR活性抑制剤が LPA作動 GPCR拮抗剤である、 耐糖能異常改善薬、 〔4〕 耐糖能異常が生活習慣病又は糖尿病である 〔1〕 〜 〔3〕 のいずれかに記 載の耐糖能異常改善薬、
〔5〕 LPA作動 GPCRが EDG2、 EDG4又は EDG7である、 〔1〕 〜 〔4〕 のいずれかに 記載の耐糖能異常改善薬、
別の本発明は、 LPA作動 GPCR拮抗剤のスクリーニング方法に関する。 すなわち、 〔 6〕 LPA作動 GPCR、 又はリガンドが結合し得るそのフラグメントに被験試料を 接触させ、 該 GPCR又は該フラグメントに結合する化合物を選択することを含む、 LP A作動 GPCR拮抗剤のスクリ一二ング方法、
〔7〕 被験試料の存在下及び非存在下で、 LPA作動 GPCR、 又はリガンドが結合し 得るそのフラグメントにリガンドを接触させ、 該 GPCR又は該フラグメントとリガン ドとの結合活性を両条件下で比較することを含む、 LPA作動 GPCR拮抗剤のスタリー
ニング方法、
〔8〕 リガンドが標識された LPAである 〔7〕 記載のスクリーニング方法、 〔9〕 LPA作動 GPCR、 又はリガンドが結合し得るそのフラグメントが、 それらが 包埋された脂質二重層の形態で提供される、 〔6〕 〜 〔8〕 のいずれか記載のスク リーユング方法。
また、 LPA作動 GPCRは三量体 GTP結合タンパク質共役型レセプター (GPCR ) であり、 共役する GTPタンパク質 αサブユニット (Ga) についても幾らかの 知見が得られている。 従って、 本発明は、 LPA作動 GPCRを含む脂質二重層及び共役 する Gひを含んでなる反応系において、 該 Gaの GDP ■ G TP交換反応又は共役 Gタンパク質の細胞刺激活性を、 被験試料の存在下と非存在下で比較することを含 む、 LPA作動 GPCR拮抗剤のスクリーニング方法を提供する。 すなわち、
〔10〕 LPA作動 GPCRを含む脂質二重層及び LPA作動 GPCRに共役し得る G蛋白質の αサブュニットを含んでなる反応系において、 該サブュニットの GDP · GTP交 換反応又は該 G蛋白質の細胞刺激活性を、 被験試料の存在下と非存在下で比較する ことを含む、 LPA作動 GPCR拮抗剤のスクリ一ユング方法、
〔1 1〕 上記反応系が、 (i) LPA作動 GPCRをコードする DNAを含む発現べクタ 一と、 LPA作動 GPCRに共役し得る G蛋白質のひサブュニットをコードする DNAを 含む発現ベクターとでトランスフエタ トした宿主真核生物細胞、 (ii) LPA作動 GPCR の C末端側に LPA作動 GPCRに共役し得る G蛋白質の αサブユニットが融合したポリ ペプチドをコードする DNAを含む発現ベクターでトランスフエク トした宿主真核 生物細胞、 (iii) LPA作動 GPCRをコードする DNAを含む発現ベクターでトランス フエク 卜した、 LPA作動 GPCRに共役し得る G蛋白質を内因的に発現する宿主動物細 胞、 (iv) LPA作動 GPCR及び LPA作動 GPCRに共役し得る G蛋白質を内因的に発現する 動物細胞、 それらの細胞のホモジネート又はそれらの細胞由来の膜画分である、 〔 10〕 記載のスクリーニング方法、
〔12〕 上記反応系に、 被験試料の存在下及び非存在下で G TPアナログを添加 し、 LPA作動 GPCRに共役し得る G蛋白質の αサブュニットと GTPアナログとの結 合を両条件下で比較することを含む、 〔1 1〕 記載のスクリーニング方法、
〔1 3〕 LPA作動 GPCRに共役し得る G蛋白質のひサブユニットが、 アデ二ル酸シ
クラーゼと相互作用する領域を含むものである、 〔1 1〕 記載のスクリーニング方 法、
〔14〕 上記反応系に、 被験試料の存在下及び非存在下で AT Pを添加し、 アデ ニル酸シクラーゼ活性を両条件下で比較することを含む、 〔13〕 記載の方法、 〔1 5〕 上記(i)〜(iv)の細胞における c AMP量を、 被験試料の存在下と非存 在下で比較することを含む、 〔1 3〕 記載の方法、
〔16〕 LPA作動 GPCRに共役し得る G蛋白質の αサブユニットが、 ホスホリパー ゼ C /3と相互作用する領域を含むものである、 〔1 1〕 記載のスクリーニング方法 〔17〕 上記反応系に、 被験試料の存在下及び非存在下でホスファチジルイノシ トール一 4, 5 _二リン酸を添カ卩し、 ホスホリパーゼ C 活性を両条件下で比較す ることを含む、 〔16〕 記載のスクリーニング方法、
〔18〕 上記(i)〜(iv)の細胞における細胞内カルシウムイオンの量を、 被験試 料の存在下と非存在下で比較することを含む、 〔16〕 記載のスクリーニング方法 、
〔1 9〕 c AMP応答エレメントを含むプロモーター領域の制御下にあるリボー タ一遺伝子を含む発現べクターをさらに含む上記(i)〜(iv)の細胞における該リポ 一ター遺伝子の発現量を、 被験試料の存在下と非存在下で比較することを含む、 〔 13〕 記載のスクリーニング方法、
〔20〕 TP A応答エレメントを含むプロモーター領域の制御下にあるリボータ 一遺伝子を含む発現べクターをさらに含む上記(i)〜(iv)の細胞における該リポー ター遺伝子の発現量を、 被験試料の存在下と非存在下で比較することを含む、 〔1 6〕 記載のスクリーニング方法、
〔21〕 上記反応系に、 被験試料の存在下及び非存在下で BrdUを添加し、 細胞内 への BrdU取り込み量を両条件下で比較することを含む、 〔10〕 又は 〔1 1〕 記載 のスクリーニング方法、
〔22] 上記反応系に、 被験試料の存在下及び非存在下で [3H]チミジンを添加し 、 細胞内への [3H]チミジン取り込み量を両条件下で比較することを含む、 〔10〕 又は 〔1 1〕 記載のスクリーニング方法、
〔2 3〕 リガンドの共存下で実施される、 〔1 0〕 〜 〔2 2〕 のいずれかに記載 のスクリーニング方法、
〔2 4〕 リガンドが LPAである、 〔2 3〕 記載のスクリーニング方法、
〔2 5〕 LPA作動 GPCRが EDG2、 EDG4又は EDG7である、 〔6〕 〜 〔2 4〕 のいずれ か記載のスクリ一二ング方法、
〔2 6〕 耐糖能異常改善薬の選別のために行われる、 〔6〕 〜 〔2 5〕 のいずれ かに記載の方法、
〔2 7〕 耐糖能異常が生活習慣病又は糖尿病である、 〔2 6〕 に記載の選別方法 又、 別の本発明は、 LPA産生酵素阻害剤のスクリーニング方法に関する。 すなわ ち、
〔2 8〕 被験試料の存在下及び非存在下で、 LPA産生酵素及び基質を接触させ、 L PAの生成量を両条件下で比較することを含む、 LPA産生酵素阻害剤のスクリーニン グ方法、
〔2 9〕 基質が標識されたホスファチジン酸である、 〔2 8〕 に記載のスクリー ニング方法、
〔3 0〕 〔2 8〕 又は 〔2 9〕 に記載の方法を含む、 耐糖能異常改善薬の選別方 法、
〔3 1〕 耐糖能異常が生活習慣病又は糖尿病である、 〔3 0〕 に記載の選別方法 。
さらに別の本発明は、 上記のいずれかのスクリーニング方法により選択される LP A作動 GPCR拮抗剤もしくは LPA産生酵素阻害剤等の LPA作動 GPCR活性抑制剤を有効成 分とする医薬品を提供する。 すなわち、
〔3 2〕 〔6〕 〜 〔2 5〕 のいずれかに記載の方法により選択される LPA作動 GPC R拮抗剤を有効成分とする耐糖能異常改善薬、
〔3 3〕 耐糖能異常が生活習慣病又は糖尿病である 〔3 2〕 に記載の耐糖能異常 改善薬、
〔3 4〕 〔2 8〕 又は 〔2 9〕 に記載の方法により選択される LPA産生酵素阻害 剤を有効成分とする耐糖能異常改善薬、
〔3 5〕 耐糖能異常が生活習慣病又は糖尿病である 〔3 4〕 記載の耐糖能異常改
図面の簡単な説明
図 1は、 生理食塩水または LPAを個体あたり 0. 5mg静脈内単回投与後、 糖負荷を行 つた。 糖負荷 90分後の血糖値を示した。 生理食塩水投与群と比較して、 LPA投与群 は有意に (pく 0. 05 Sutudent's t-test) 糖負荷 90分後血糖値は高値を示した。 発明を実施するための最良の形態
本発明のさらなる特徴及び本発明の利点について、 以下に、 より詳細に説明する 本明細書において、 「LPA作動 GPCR」 とは、 リゾフォスファチジン酸 (LPA) がリ ガンド (ァゴ二スト) となって活性化され、 かつ膝臓ランゲルハンス氏島において 有意に発現している GPCRを表し、 具体的には EDG2、 EDG4及び EDG7が挙げられる。 ED G2、 EDG4及び EDG7のアミノ酸配列及び遺伝子の塩基配列はそれぞれ公知であり、 例 えばヒ ト EDG2の配列は GeneBankに受託番号:醒_001401として登録されている (配 列番号: 1及び 2 ) 。 またヒ ト EDG4の配列は GeneBankに受託番号: AF233092として 登録されている (配列番号: 3及び 4 ) 。 またヒ ト EDG7の配列は GeneBankに受託番 号:匪— 012152として登録されている (配列番号: 5及び 6 ) 。
ここで前記 「有意に発現している」 とは、 他の組織における発現量と比較して、 膝臓ランゲルハンス氏島における発現量が、 1. 5倍以上であることを表す。
本発明において 「EDG2」 とは、 ヒ ト及び他の哺乳動物由来の EDG2の他、 それらの 自然もしくは人工の突然変異体、 それらをコードする D N Aを含む組換え細胞から 製造される組換え EDG2、 それらの機能的フラグメントの全てを包含する意味で使用 される。
また、 本発明において 「EDG4」 とは、 ヒ ト及び他の哺乳動物由来の EDG4の他、 そ れらの自然もしくは人工の突然変異体、 それらをコードする D N Aを含む組換え細 胞から製造される組換え EDG2、 それらの機能的フラグメントの全てを包含する意味 で使用される。
また、 本発明において 「EDG7」 とは、 ヒ ト及び他の哺乳動物由来の EDG7の他、 そ れらの自然もしくは人工の突然変異体、 それらをコードする DN Aを含む組換え細 胞から製造される組換え EDG7、 それらの機能的フラグメントの全てを包含する意味 で使用される。
「LPA作動 GPCR活性抑制剤」 とは、 LPA作動 GPCRとリガンド(ァゴ二スト) が結合 することによって生ずる活性を抑制する薬剤であれば特に限定はないが、 具体的に は、 LPA作動 GPCR拮抗剤又は LPA産生酵素阻害剤が挙げられる。
本明細書において 「リガンド」 とは、 特にことわらない限り、 生理的リガンド ( ァゴニスト) であるリゾフォスファチジン酸 (LPA) だけでなく、 ァゴニス ト ち、 レセプターの生理的リガンド結合部位に結合して、 リガンド様の活性を示す物 質) やアンタゴニス ト (レセプターの生理的リガンド結合部位に結合するが、 リガ ンド様の活性を示さない物質) 及びインバースァゴニスト (レセプターのいずれか の部位に結合してそのコンフオメーシヨンを変化させ、 レセプターを不活性化する 物質) をも包含するものとする。
例えば、 LPA作動 GPCRのァゴニストについては、 Biochimica et Biophysica Ac ta, 1582, 289-294 (2002)等に記載されている。 具体的には、 生理活性リガンドで ある以下の式 (1) :
で表される LPA (LPA (18:1) ) の他、 式 (2)
(式中、 R1 は、 炭素数 8〜 20の直鎖アルキル基、 又は炭素数 8〜 20で、 1〜 4の二重結合を有する直鎖アルケニル基を表す。 )
で表される一連の化合物がァゴニスト活性を有する LPA類として知られている。 具 体的には、 LPA(18:2)、 LPA (18 : 3) 、 LPA (20 : 4) 、 LPA(12:0)、 LPA(14:0)、 LPA (16:0)又は LPA (18:0) 等が挙げられる。 ここで、 括弧内の最初の整数は LPAにおい
て脂肪酸部分におけるアルキル基もしくはアルケニル基の総炭素数を表し、 2番目 の整数は二重結合の数を表す。 尚、 式 (1 ) 及び式 (2 ) において、 グリセリン骨 格における不斉炭素原子の立体配置は、 好ましくは R体を表す。
また、 式 (3 ) :
で表される D0XP - 0Hなども、 LPA作動 GPCRのァゴュストとして挙げられる (Biochimi ca et Biophysics Acta, 1582, 309-317 (2002) ) 。
で表され > 9 (Z) - Octadecenoic acid 2-methoxy-3- (thiophosphonooxy) propyl este r (LXR-1035) 又は 9 (Z) - Octadecenoic acid 2 (S) -methoxy-3- (thiophosphonooxy) p ropyl ester (2 (s) -0MPT) 等の EDG7ァゴニス卜が挙げられる (J Biol Chem 2003, 278 (14): 11962、 J Med Chem 2003, 46 (26): 5575、 国際公開パンフレツ ト : W098/ 41213及び W099/47101を参照) 。
「 LPA作動 GPCR拮抗剤」 とは、 LPA作動 GPCRに結合して該レセプターの活性を抑制 する物質 (アンタゴニス ト又はインバースァゴニス ト) の総称として用いられ、 LP A作動 GPCRに対するアンタゴニスト活性又はインバースァゴニスト活性を有する公 知及び新規のあらゆる化合物を包含する。
LPA作動 GPCRのアンタゴニストとしては、 式 (6 ) :
0
で表されるジァシルグリセロールリン酸 (DGPP8:0) が挙げられ、 該化合物は EDG7 (LPA3とも呼ばれる) の選択的なアンタゴニストであり、 EDGSO Ai とも呼ばれる )のアンタゴニス ト活性も有する (D.J.Fischerら著、 Mol. Pharmacol. , 60, 776-7 84 (2001)) 。
また、 LPA作動 GPCRのアンタゴニストとして、 式 (7) :
で表されるベンジル一 4—ォキシベンジル N-ァシルエタノールアミド リン酸 ( VPC12249)が挙げられ、 該化合物は EDG2及び EDG7の選択的なアンタゴニストである (C. E.Heise著、 MolecularMol. Pharmacol. , 60, 1173-1180 (2001)) 。
また、 国際公開第 02/29001号パンフレツト 35頁〜 39頁に記載の LPAレセプターァ ンタゴニストも又本発明の LPA作動 GPCRのアンタゴニストとして用いることができ る。 具体的には、 式 (8) :
[式中、 R
1 aは置換もしくは無置換の C8- 22アルキル又は置換もしくは無置換の C 8- 22アルケニルを表し、 R
2 a及び R
3 aは独立して、 水素原子又は式:
〔式中、 R6 a は C3-16アルキル、 C3-16アルケニノレ、 -(C1- 4アルキル)- R7a、 -(C2- 4アルケニル)- R7a又は-(C2-4アルキニル) -R7aを表し、 R7aは式:
14a R15S
(式中 R14a及び Rl 5aは独立して、 水素原子、 C1- 12アルキル、 C2- 6アルケニル、 C2- 6アルキニル又はハロゲン原子を表す。 )
を表す。 〕
を表し (但し R2 a 及び R3 a が共に水素原子を表すことはない。 ) 、 R4 aは水 酸基、 - 0P03H (ホスフェート基) 又は- CH2P03H (メチレンホスホネート基) を表す で表される化学構造を有し、 LPA作動 GPCR拮抗活性を有する化合物が挙げられ、 下
3a 3a
で表される化合物を例示することができる。 ここで、 上記の式 (8) における C8-2 2アルキル及び C8-22アルケニルの置換基としては、 それぞれ C1- 10アルキル、 C1- 20 アルコキシ、 C1- 20アルキルチオもしくは C1-20アルキルァミノで置換されていても
よい、 C3-10シクロアルキル、 C3- 15ビシクロアルキル、 C5- 10ヘテロ環基又はフエ 二ノレ基が挙げられる。 また、 3- [4_ (Benzyloxy) phenyl] - 2 (S) - [9 (Z) -octadecenamid o] - 3 - oxopropyl dihydrogen phosphate (VPC - 32104) . 、 3- [4- (Benzyloxy) phenyl] - 2 (R) - [9 (Z) -octadecenamido] -3-oxopropyl dihydrogen phosphate (VPC - 32163) 、 2 (S) - [0ctadec-9 (Z) -enoylamino] - 3 - [4- (pyridin- 3 - ylmethoxy) phenyl] propyl dih ydrogen phosphate (VPC- 31226) 等を例示することもできる。
また、 国際公開第 01/60819号パンフレツトに記載されているリゾフォスファチジ ン酸 (LPA) 受容体拮抗薬 (EDG2、 7拮抗薬) も又本発明の LPA作動 GPCRのアンタゴ 二ストとして用いることができる。 例えば、 式 (9 ) :
[式中、 Xは酸素原子もしくは硫黄原子を表し;
Rl bは、 ハロゲン原子、 又はそれぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、 ァリ ール基、 複素環式基、 アルキルォキシ基、 ァリールォキシ基、 アルキルチオ基もし くはァリ一ルチオ基を表し;
R2 bは、 ハロゲン原子、 又はそれぞれ置換基を有していてもよい、 アルキル基、 ァ リール基、 複素環式基、 アルキルォキシ基もしくはァリールォキシ基を表し; R3 bは、 水素原子、 低級アルキル基又はハロゲン化アルキル基を表し;
R4 bは、 それぞれ置換基を有していてもよい、 ァリール基、 複素環式基、 アルキル 基もしくはアルケニル基を表し;
但し、 R3 bと R4 bは、 それらが結合している炭素原子と一緒になって 5〜 1 0員環構 造を形成してもよい。 ]
具体的な Rl bとしてはハロゲン原子、 又はそれぞれ置換基を有していてもよいフ ェニル基、 炭素数 1〜 4のアルキル基が挙げられ、 具体的な R2 bとしては、 それぞ れ置換基を有していてもよいフエニル基、 2-チェニル基、 3-チェニル基、 2-フリル
基、 3-フリル基、 4-ピリジル基炭素数 1〜4のアルキル基又は炭素数 2〜 5のアル ケニル基が挙げられ、 具体的な R3 bとしては水素原子、 炭素数 1〜4のアルキル基 又は炭素数 1〜4の 1〜5のハロゲン原子を有するハロアルキル基が挙げられ、 具 体的な R4 bとしてはそれぞれ置換基を有していてもよい 2-フリル基、 3-フリル基、 2-チェニル基、 3-チェニル基又はフエエル基が挙げられる。
具体的には、 式 (1 0 ) :
(式中、 R2 bは炭素数 1〜4のアルキル基を表し、 R3 bは水素原子、 炭素数 1〜4の アルキル基又はトリフルォロメチル基を表し、 R5 bはハロゲン原子、 ニトロ基、 炭 素数 1〜4のアルキル基、 炭素数 1〜4のアルコキシ基、 トリフルォロメチル基、 トリフルォロメ トキシ基又はヒドロキシメチル基を表し、 R6 bは水素原子又はハロ ゲン原子を表す。 )
で表される化合物や、 式 (1 1 ) :
[式中、 Rl bはハロゲン原子、 炭素数 1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい 炭素数 1〜4のアルキル基を表し、 R2 bはチェニル基、 炭素数 1〜4のアルキル基 もしくはハロゲン原子で置換されたチェニル基、 フリル基、 炭素数 1〜4のアルキ
ル基もしくはハロゲン原子で置換されたフリル基、 ピリジル基、 炭素数 1〜4のァ ルキル基もしくはハロゲン原子で置換されたピリジル基、 フエニル基、 以下の置換 基群から選択される基で置換されたフエニル基 [置換基群:炭素数 1〜4のアルキ ル基、 炭素数 1〜4のアルコキシ基、 炭素数 1〜4のハロアルキル基、 炭素数 1〜 4のハロアルコキシ基、 ニトロ基、 シァノ基、 ハロゲン原子、 -CH2-モルホリノ、 - CH20Ph、 - CH20CH2-フリル、 _CH20R8b、 - CH20 (CH2 ) n C00R8 b、 -CH20 (CH2 ) n CONHR8 b 、 一 CH20C0R9b、 -CH20(CH2)nS03H、 - CH20 (CH2 ) n OR8 b、 — CH20 (CH2 ) n NHCOR9 b、 — CH2SPh 、 -CH2SCH2Ph、 - CH2SCH2-フリル、 -CH2SR8b、 - CH2 S (CH2 ) n C00R8 b、 -CH2 S (CH2 ) n CON HR8b、 - CH2SC0R9b、 _CH2S(CH2)nS03H、 - CH2 S (CH2 ) n OR8 b、 - CH2 S (CH2 ) n NHCOR9 b (こ こで bは水素原子、 炭素数 1〜 4のアルキル基又は炭素数 2〜 4のアルケニル基 を表し、 R9bは炭素数 1〜4のアルキル基を表し、 nは 1〜5の整数を表す。 ) ] を表し、 R3bは水素原子、 炭素数 1〜4のアルキル基、 炭素数 2〜4のアルケニル 基又はトリフルォロメチル基を表し、 R6 bは水素原子又はハロゲン原子を表す。 ] で表される化合物が挙げられる。 より具体的には、 式 (1 2) :
で表される KI-16425を例示することができる。
また、 国際公開第 01/71022号パンフレットに開示されている、 式 (1 3) : X3
Q1C CH一 CQ2 (13)
X1 X2
[式中、 X1、 X2及び X3の少なくとも一つが (H0)2P0- Z1-又は (H0)2P0- Z2_P(0H)0-Z にを表すか X1及び X2が一緒になって -0-P0 (0H) -0-を形成していているか又は X1及び X3がー緒になつて- 0-P0 (0H) - NH-を形成しており ;
X1、 X2及び X3の少なくとも一つが同一もしくは異なって RL -Y1 - A-を表すか X2及び X
3 が一緒になつて- NH-CO- NR1 -を形成しており ;
X1、 X2及び X3の一つは水素原子を表していてもよく ;
Aは結合、 酸素原子又は- (CH2 )。_ 3。-を表し;
Y
1は酸素原子、 硫黄原子、 _C0-、 -NR
2 -, 又は-
。-を表し;
Z1は酸素原子、 硫黄原子、 -NH -、 - CH (R3 ) -、 - (CH^ 5。-又は- 0- (CH2 )い 5。-を表し
Z2は酸素原子、 - ((^ 。-、 又は- (HCH^ 5。-を表し;
Q
1及び は独立して、 H
2、 =NR
4、 =0、 または水素原子と- NR
5 R
6の組合せを表し; X
1、 X
2、 X
3における R
1は独立して水素原子、 直鎖もしくは分枝の C1-30アルキル、 直鎖もしくは分枝の C2- 30アルケニル、 1〜3の置換基を有していてもよい芳香族 炭素環もしくは芳香族へテロ環、 C1-30アルキル、 芳香族炭素環もしくは芳香族へ テロ環を含むァシル基、 直鎖もしくは分枝の C1-30アルキルを含むァリールアルキ ル、 直鎖もしくは分枝の C1-30アルキルを含むァリールォキシアルキル、 - CH=NH、 - C0NHR
7 . -CSNHR
7、 - C00R
7、 _C (=NR
8 ) NHR
7、 式:
H
H
を表し;
R2、 R\ R\ R5、 R6、 R7及び R8は独立して水素原子、 直鎖もしくは分枝の C1-30ァ ルキル、 直鎖もしくは分枝の C2- 30アルケニル、 1〜3の置換基を有していてもよ い芳香族炭素環もしくは芳香族へテロ環、 芳香族炭素環もしくは芳香族へテロ環を 含むァシル基、 直鎖もしくは分枝の C1- 30アルキルを含むァリールアルキル、 直鎖 もしくは分枝の C1- 30アルキルを含むァリールォキシアルキルを表す。 ]
で表される化学構造を有し、 かつ LPA作動 GPCR拮抗活性を有する化合物も又本発明 の LPA作動 GPCR拮抗剤の範疇である。
また、 国際公開第 2004/31118号パンフレツトに開示された EDG2アンタゴニストも また、 本発明における LPA作動 GPCR拮抗剤に含まれる。 例えば、 式 (I-A) :
〔式中、 R R2、 R3及び は、 独立して、 C1- 8アルキル基、 C2-8ァルケ-ル基、 C2- 8アルキニル基、 ハロゲン原子、 トリハロメチル基、 エトロ基、 シァノ基、 C1- 8ァ ノレコキシ基、 C1- 8アルキルチオ基、 アミノ基、 C1- 8アルキルアミノ基、 ジ- C1- 8ァ ルキルアミノ基、 アミ ド基、 スルファモイル基、 C1- 8アルキルスルホニル基、 C2-8 ァシル基、 C1- 8アルコキシカルボニル基、 または C1-8アルコキシ基、 C1-8アルキル チォ基、 アミノ基、 C1- 8アルキルアミノ基もしくはジ- C1 - 8アルキルアミノ基で置 換された C1- 8アルキル基を表し、 R5は水素原子、 C1- 8アルキル基、 C2-8アルケニル 基、 または C2- 8アルキニル基を表し、 環 A、 B及び Dは独立して、 C3- 10の単環又は二 環式炭素環又は酸素原子、 窒素原子及び硫黄原子から任意に選択される 1〜5個の ヘテロ原子を含む 3— 1 0員の単環又は二環式複素環を表し、 環 Eは C3- 7の単環式 炭素環又は酸素原子、 窒素原子及び硫黄原子から任意に選択される 1 -5個のへテロ 原子を含む 3- 7員の単環式複素環を表し、 p、 q、 r及び sは独立して 0又は 1一 5の整数を表し (ただし、 p、 q、 r及び/ /又は sが 2以上であるとき、 、 R2、 R 3及び/又は R4はそれぞれ同一もしくは異なっていてもよい) 、 tは 0又は 1を表す 。 〕
で表される化合物が挙げられる。 具体的には、 式 (1 4 ) :
で表される 2— [4- [N- (3, 5-Dimethoxybenzoyl)一 N— (3-phenylpropyl) aminomethyl] phe noxvjbenzoic acid、 式 (1 5ノ :
で表される 2— [4,— [N- (3-Phenylpropyl) -N— (3, 4, 5-trimethoxybenzoyl) aminomethyl
]biphenyi— 2— y丄」 acetic acid、 式 、丄 o) :
で表される 2— L4- [N - (3, 5-Dimethoxy-4-methylbenzoyl)一 N - (3-phenylpropyl) aminom eth i]phenyijacetic acid、 式 (1 7) :
で表される 2 - [4- [5 - Phenyl - 2 - (3, 4, 5-trimethoxybenzoyl) pentylj henoxy] benzoic acidを、 例示することができる。
8 また、 Molecular Pharmacology, 50, 616-623 (1996)に記載されている、 式 ( 8 ) :
で表される Ν-パルミ トイルー L-セリンホスホリックアシッド (NP- Ser-PA) 及び式 ( 1 9 ) :
で表される N-パルミ トイル-チ口シンホスホリックアシッド (NP- Tyr- PA) 、 または スラミン (suramin) も又本発明の LPA作動 GPCR拮抗剤の範疇である。
本明細書において、 「LPA産生酵素阻害剤」 とは、 LPAの生合成酵素阻害薬を表す 。 具体的には、 ホスファチジン酸を LPAに変換する酵素 [ホスホリパーゼ A (A1,A2 ) ] の阻害剤を表す。 該阻害剤としては、 6-クロ口- 9- [ [4- (ジェチルァミノ) - 1- メチルプチル]ァミノ] -2-メ トキシァクリジン 2塩酸塩 (Mepacrine hydrochlori de) 、 2-ヒ ドロキシ -3 - [2-ヒ ドロキシ -3- [4-メチル- 6- (2, 6, 6-トリメチル- 1-シク 口へキセニノレ) - 3 (E) -へキセニル] - 2H-5, 6-ジヒ ドロピラン- 6-ィノレ]フラン- 5 (2H) - オン (Manoalide ; Drugs Fut., 1990, 15 (5) : 460 ;Mol. Pharmacol. , 1989, 36 (5) : 782-788) 、 Ν- [2- (ェチルスルフォンアミ ド)- 5- (トリフルォロメチル) ピリジン- 3-ィノレ]シクロへキサンカルボキサミ ドナトリウム塩 (IS-741) 、 3-[1- [2 (Ζ) _カル ボキシ -1-メチルビュル] - 4-メチル -6- (2, 6, 6-トリメチノレ- 1-シク口へキセニル) - 1 ( E) , 3 (E) , 5 (E) -へキサトリエニル]ベンゾイツク アシッド (BMS-181162 ; Biohem. Biophys. Res. Commun. , 1992, 189 (1) : 272)、 BMS- 188184、 S-3013、 LY- 333013等 を例示することができる。
尚、 上記 LPA作動 GPCR活性抑制剤として例示された化合物は適宜薬学上許容され る塩、 水和物等の溶媒和物等を形成していてもよい。
LPA作動 GPCR活性抑制剤は投与された動物において、 血中に存在する LPAによって 亢進されている血糖値の上昇を抑制する作用を有する。 更に LPA作動 GPCR活性抑制
剤は、 LPAの作用のみを阻害するため、 低血糖を引き起こすことがなく、 安全な耐 糖能異常改善薬、 糖尿病治療薬として有効である。 LPA作動 GPCR活性抑制剤は膝臓 に作用し、 LPAにより阻害されるインシュリンの分泌を回復させることを特徴とす る。
LPA作動 GPCR活性抑制剤は、 医薬上許容される担体とともに経口的もしくは非経 口的投与に適した剤形に製剤化される。 医薬上許容される担体としては、 例えば、 ショ糖、 デンプン、 マンニッ ト、 ソルビッ ト、 乳糖、 グルコース、 セルロース、 タ ルク、 リン酸カルシウム、 炭酸カルシウム等の賦形剤、 セルロース、 メチルセル口 ース、 ヒ ドロキシプロピルセルロース、 ポリプロピルピロリ ドン、 ゼラチン、 ァラ ビアゴム、 ポリエチレングリコール、 ショ糖、 デンプン等の結合剤、 デンプン、 力 ルボキシメチ 4/セルロース、 ヒ ドロキシプロピルスターチ、 ナトリウム一グリコー ルースターチ、 炭酸水素ナトリウム、 リン酸カルシウム、 クェン酸カルシウム等の 崩壊剤、 ステアリン酸マグネシウム、 エア口ジル、 タルク、 ラウリル硫酸ナトリウ ム等の滑剤、 クェン酸、 メントール、 グリシルリシン ' アンモニゥム塩、 グリシン 、 オレンジ粉等の芳香剤、 安息香酸ナトリゥム、 亜硫酸水素ナトリゥム、 メチルバ ラベン、 プロピルパラベン等の保存剤、 クェン酸、 クェン酸ナトリウム、 酢酸等の 安定剤、 メチルセルロース、 ポリビエルピロリ ドン、 ステアリン酸アルミニウム等 の懸濁剤、 界面活性剤等の分散剤、 水、 生理食塩水、 オレンジジュース等の希釈剤 、 カカオ脂、 ポリエチレングリコール、 白灯油等のベースワックスなどが挙げられ るが、 それらに限定されるものではない。
経口投与に好適な製剤は、 水、 生理食塩水、 オレンジジュースのような希釈液に 有効量の LPA作動 GPCR活性抑制剤を溶解させた液剤、 有効量の LPA作動 GPCR活性抑制 剤を固体や顆粒として含んでいるカプセノレ剤、 サッシェ剤または錠剤、 適当な分散 媒中に有効量の LPA作動 GPCR活性抑制剤を懸濁させた懸濁液剤、 有効量の LPA作動 GP CR活性抑制剤を溶解させた溶液を適当な分散媒中に分散させ乳化させた乳剤等であ る。 ここで 「有効量」 とは、 LPA作動 GPCR活性抑制剤を耐糖能異常患者、 糖尿病患 者または他の生活習慣病患者の治療のために使用する場合にそれぞれの疾患を改善 させるのに十分な量をいう。
非経口的な投与 (例えば、 静脈内注射、 動脈内注射、 皮下注射、 筋肉注射、 局所
注入、 腹腔内投与など) に好適な製剤としては、 水性及び非水性の等張な無菌の注 射液剤があり、 これには抗酸化剤、 緩衝液、 制菌剤、 等張化剤等が含まれていても よい。 また、 水性及び非水性の無菌の懸濁液剤が挙げられ、 これには懸濁剤、 可溶 化剤、 増粘剤、 安定化剤、 防腐剤等が含まれていてもよい。
当該 LPA作動 GPCR活性抑制剤の製剤は、 ァンプルやバイアルのように単位投与量 あるいは複数回投与量ずつ容器に封入することができる。 また、 LPA作動 GPCR活性 抑制剤、 及び医薬上許容される担体を凍結乾燥し、 使用直前に適当な無菌のビヒク ルに溶解または懸濁すればよい状態で保存することもできる。
LPA作動 GPCR活性抑制剤を有効成分とする本発明の製剤の投与量は、 有効成分の 種類、 投与経路、 病気の重篤度、 投与対象となる動物種、 投与対象の薬物受容性、 体重、 年齢等によって異なるが、 LPA作動 GPCR活性抑制剤を、 例えば、 成人 1日あ たり約 0 . 0 1〜約 1 0 0 0 m g Z k g、 好ましくは約 0 . 1〜約 5 0 0 m g k g投与することができる。
本発明はまた、 LPA作動 GPCR拮抗剤もしくは LPA産生酵素阻害剤等の LPA作動 GPCR 活性抑制剤のスクリーニング系及びそれを用いた耐糖能異常改善薬のスクリーニン グ方法を提供する。
本発明の、 スクリーニング方法の第一の態様は、 LPA作動 GPCR又はリガンドが結 合し得るそのフラグメントに被験試料を接触させる工程、 及び該レセプタ一又はそ のフラグメントに結合する化合物を選択する工程を含む。 被験試料としては、 いか なる公知化合物及び新規化合物であってもよく、 例えば、 コンビナトリアルケミス トリー技術を用いて作製された化合物ライブラリー、 固相合成やファージディスプ レイ法により作製されたランダムペプチドライブラリー、 あるいは微生物、 動植物 、 海洋生物等由来の天然成分等が挙げられる。 被験試料は好ましくは分子量 2 0 0 〜2 0 0 0の化合物であり、 更に好ましくは分子量 3 0 0〜8 0 0の化合物である 。 被験試料との結合活性は、 例えば、 LPA作動 GPCR又はそのフラグメントを発現す る細胞膜画分をチップ上に固定し、 該チップ上に被験試料溶液をロードして、 表面 プラズモン共鳴法により被験試料の膜への結合及び解離を測定し、 結合及び解離の 速度あるいは結合量から、 被験試料と LPA作動 GPCRとの親和性を算出することによ り導かれる。
本発明のスクリーニング方法の第二の態様は、 被験試料の存在下及び非存在下で 、 LPA作動 GPCR又はリガンドが結合し得るそのフラグメントにリガンドを接触させ 、 該レセプター又はそのフラグメントとリガンドとの結合活性を両条件下で比較す ることを含む。 リガンドとしては、 LPA作動 GPCRの生理的リガンドである LPA等を用 いることができる。 LPAをリガンドとして用いた場合、 例えば LPA作動 GPCRに対する 結合活性が、 LPAよりも強い被験試料を LPA作動 GPCR拮抗剤候補物質として選択する ことができる。 該候補物質が LPA作動 GPCR拮抗剤であることは、 以下に述べる G蛋 白質を用いるスクリーニング方法等により確認することができる。
上記のいずれの態様においても、 LPA作動 GPCR又はそのフラグメントは、 それら の発現細胞、 該細胞の細胞膜画分、 あるいはァフィ二ティーカラムに結合した形態 で提供され得る。 LPA作動 GPCRの発現細胞としては、 LPA作動 GPCR又はそのフラグメ ントをコードする D N Aを含む発現ベクターでトランスフエク トされた細胞等が挙 げられる。 また、 ァフィ二ティーカラムとしては、 抗 LPA作動 GPCR抗体カラム、 リ ガンドを用いたカラム、 また、 LPA作動 GPCRが組換えタンパク質として提供される 場合、 Hisタグや GSTタグと特異的親和性を有する金属キレートもしくはダルタチォ ンカラムを用いることができる。
LPA作動 GPCRまたはそのフラグメントとリガンドとの結合活性の検出する方法と しては、 例えば、 リガンド量を検出する方法、 またはリガンドを標識して、 LPA作 動 GPCRまたはそのフラグメントに結合した標識されたリガンドの量を測定する方法 が挙げられる。
リガンドの標識方法としては、 蛍光標識でラベルする方法や 3H、 14C、 32P及び 33 P等の放射性同位元素で標識する方法等が挙げられる。 具体的には、 脂肪酸部分の 水素原子が 3Hでラベルされた LPAまたはリン原子が 32Pでラベルされた LPA等を用レ、 ることができ、 例えば、 32P- labelled LPA、 及び 1-ォレオイル [ォレオイル- 9, 10- 3 H] LPA (1- OleoyUoleoyl- 9, 10- 3 H] LPA;画 Life Science Products市販品; Song zhu An, et al J Biol Chem, Vol. 273, Issue 14, 7906—7910, April 3, 1998)を 用いることができる。
LPA作動 GPCRは、 ある種の三量体 G蛋白質と共役して細胞内にシグナルを伝達す る。 従って、 本発明はまた、 LPA作動 GPCRを含む脂質二重層と、 LPA作動 GPCRと共役
する G蛋白質 (特に G aサブユニット) とを用いた LPA作動 GPCR拮抗剤のスクリー ユング方法を提供する。 本発明のスクリーニング方法は、 G aにおける GT P - G D P交換反応または共役する G蛋白質の細胞刺激活性を指標として行われる。 G蛋 白質の細胞刺激活性を指標とする場合、 共役させる G aの態様に応じて、 エフュク ターの選択や活性測定方法等の具体的な手順が決定されるが、 通常、 アデ二ル酸シ クラーゼと相互作用する領域を含む Gひ (具体的には G iフアミリーに属する Gひ のエフェクター相互作用領域を含む) を用いる場合には例えば c AMP量を測定す ることにより、 ホスホリパーゼ C 3と相互作用する領域を含む G a (具体的には G qフアミリーに属する Gひのエフェクター相互作用領域を含む) を用いる場合には 例えば細胞内カルシウムイオンの量を測定することにより、 LPA作動 GPCR拮抗剤を スクリーニングすることができる。
また、 G e の供給源として該 G aを含む三量体 G蛋白質 (G a j3 i ) を内因的に 発現する動物細胞 (例えば、 HEK 2 9 3細胞、 L 1. 2細胞等) を用いる場合、 LPA作動 GPCRによって活性化された G α ]3 γは G aと G /3 γに解離するが、 遊離の G β "/はホスホリパーゼ C ]3に相互作用して細胞内カルシウムイオン濃度を上昇さ せ得るので、 共役する G aのファミリーに関係なく細胞内カルシウムイオンを指標 にして LPA作動 GPCR拮抗剤のスクリーニングを行うことも可能である。
ここで、 「LPA作動 GPCR」 とは、 ヒ ト及び他の哺乳動物由来の LPA作動 GPCR、 及び それらのアミノ酸配列において、 1もしくは複数のアミノ酸が置換、 欠失、 挿入、 付加または修飾されたァミノ酸配列からなり、 天然 LPA作動 GPCRと同じリガンドー レセプター相互作用を示し、 且つ共役する G e を活性化して該 G aの GD P · GT P交換反応を促進する活性を有するタンパク質をいう。
具体的には、 ヒ ト及び他の哺乳動物由来の 「EDG2」 、 「EDG4」 及び 「EDG7」 、 並 びに、 それらのアミノ酸配列において 1もしくは複数のアミノ酸が置換、 欠失、 挿 入、 付加または修飾されたアミノ酸配列からなり天然 LPA作動 GPCRと同じリガンド 一レセプター相互作用を示し、 且つ共役する G aを活性化して該 Gひの G D P · G T P交換反応を促進する活性を有するタンパク質を挙げることができる。
前記 「EDG2」 は、 ヒ ト及び他の動物由来の EDG2、 又はそのフラグメントをコード する DN Aを含む発現ベクターでトランスフエクトされた細胞の膜含有画分から、
抗 EDG2抗体を用いたァフィ二ティークロマトグラフィーにより単離することができ る。 あるいは、 当該細胞由来の c D N Aライブラリーもしくはゲノミックライブラ リ一から、 EDG2の c D N Aクローンをプローブとして単離される D N Aクローンを 適当な発現ベクター中にクローユングし、 宿主細胞に導入して発現させ、 細胞培養 物の膜含有画分から抗 EDG2抗体や、 His- tag、 GST- tag等を用いたァフィ二ティーク 口マトグラフィ一により精製することもできる。 また、 GFP等の蛍光物質と EDG2の 融合蛋白質を発現させることにより、 GFP陽性細胞、 すなわち EDG2がトランスフエ ク トされた細胞のみを選択してスクリーニングに用いることも可能である (Xu et al. , Nat. Cell Biol., 2, 261-267 (2000) )。 また、 EDG2の c D N Aクローンを 基に、 部位特異的変異誘発等の人為的処理により一部に変異を導入したものであつ てもよレ、。 しかしながら、 リガンド結合ドメインは高度に保存されている必要があ るので、 このような領域には変異を導入しないことが望ましい。 保存的アミノ酸置 換は周知であり、 当業者は EDG2の特性を変化させない範囲で、 EDG2に適宜変異を導 入することができる。
また、 前記 「EDG4J は、 ヒ ト及び他の動物由来の EDG4、 又はそのフラグメントを コードする D N Aを含む発現ベクターでトランスフエク トされた細胞の JI莫含有画分 から、 抗 EDG4抗体を用いたァフィ二ティークロマトグラフィーにより単離すること ができる。 あるいは、 当該細胞由来の c D N Aライブラリーもしくはゲノミツクラ ィブラリーから、 EDG4の c D N Aクローンをプローブとして単離される D N Aクロ ーンを適当な発現ベクター中にクローニングし、 宿主細胞に導入して発現させ、 細 胞培養物の膜含有画分から抗 EDG4抗体や、 His-tag、 GST- tag等を用いたァフィニテ ィークロマトグラフィーにより精製することもできる。 また、 GFP等の蛍光物質と E DG4の融合蛋白質を発現させることにより、 GFP陽性細胞、 すなわち EDG4がトランス フエク トされた細胞のみを選択してスクリーニングに用いることも可能である (Xu et al. , Nat. Cell Biol. , 2, 261—267 (2000) )。 また、 EDG4の c D NAクロー ンを基に、 部位特異的変異誘発等の人為的処理により一部に変異を導入したもので あってもよい。 しかしながら、 リガンド結合ドメインは高度に保存されている必要 があるので、 このような領域には変異を導入しないことが望ましい。 保存的ァミノ 酸置換は周知であり、 当業者は EDG4の特性を変化させない範囲で、 EDG4に適宜変異
を導入することができる。
また、 前記 「EDG7J は、 ヒ ト及び他の動物由来の EDG7、 又はそのフラグメントを コ一ドする D N Aを含む発現べクターでトランスフエク トされた細胞の膜含有画分 から、 抗 EDG7抗体を用いたァフィ二ティークロマトグラフィーにより単離すること ができる。 あるいは、 当該細胞由来の c D N Aライブラリーもしくはゲノミツクラ ィブラリ一から、 EDG7の c D N Aクローンをプローブとして単離される D N Aク口 ーンを適当な発現ベクター中にクローユングし、 宿主細胞に導入して発現させ、 細 胞培養物の膜含有画分から抗 EDG7抗体や、 His- tag、 GST- tag等を用いたァフィニテ ィークロマトグラフィーにより精製することもできる。 また、 GFP等の蛍光物質と E DG7の融合蛋白質を発現させることにより、 GFP陽性細胞、 すなわち EDG7がトランス フエク トされた細胞のみを選択してスクリーニングに用いることも可能である (Xu et al. , Nat. Cell Biol., 2, 261-267 (2000) )。 また、 EDG7の c D NAクロー ンを基に、 部位特異的変異誘発等の人為的処理により一部に変異を導入したもので あってもよい。 し力 しな力 Sら、 リガンド結合ドメインは高度に保存されている必要 があるので、 このような領域には変異を導入しないことが望ましい。 保存的ァミノ 酸置換は周知であり、 当業者は EDG7の特性を変化させない範囲で、 EDG7に適宜変異 を導入することができる。
LPA作動 GPCRを保持する脂質二重層膜の由来は、 当該レセプタ一が本来の立体構 造をとることができる限り特に制限されないが、 好ましくはヒ ト、 ゥシ、 ブタ、 サ ル、 マウス、 ラット等の哺乳動物細胞の細胞膜を含有する画分、 例えば、 無傷細胞 、 細胞ホモジネート、 あるいは該ホモジネートから遠心分離等により分画される細 胞膜画分が挙げられる。 また、 例えば、 ホスファチジルコリン、 ホスファチジルセ リン、 コレステロール等の各種脂質を適当な比率、 好ましくは哺乳動物細胞の細胞 膜におけるそれに近レ、比率で混合した溶液から常法により調製される人工脂質二重 膜もまた、 本発明の一実施態様において好ましく使用され得る。
LPA作動 GPCRと共役する G aは、 少なくとも該 G αの G P C Rとの結合に関与す る領域及び任意の G αのグァニンヌクレオチドとの結合に関与する領域を有するこ とが必要である。 例えば、 LPA作動 GPCRと共役する G aが G i ファミリーに属する 場合 (G i α ) には、 用いる G aは G i αの G P C R結合領域を少なくとも有し、
G i cのグァニンヌクレオチド結合領域もしくは他のフアミリーに属する Ga由来 のグァニンヌクレオチド結合領域を有するものである。 の X線結晶構造解析の 結果等から、 GPCRとの結合には C末端の約 5アミノ酸程度の配列が重要であり 、 一方、 グァニンヌクレオチド結合領域は、 r a s蛋白質のヌクレオチド結合部位 と相同な領域 (N末端側から、 Pボックス、 G 'ボックス、 Gボックス、 G〃ボック スと呼ばれるアミノ酸モチーフ、 並びに高度にヘリックス化したドメイン内のひ E ヘリッタスの先頭及び a Fヘリックスなど) であることが明らかになつている。
LPA作動 GPCRに対する生理的リガンド、 すなわちァゴニストが該レセプターに結 合すると、 該レセプターの Ga活性化ドメインと Gaの GPC R結合領域とが相互 作用して Gaのコンフオメーシヨン変化を生じ、 グァニンヌクレオチド結合領域か ら GDPが解離して速やかに GTPを結合する。 一方、 インバースァゴニストが結 合すると、 レセプターのコンフオメーション変化により Gひ活性化ドメインが不活 性化されるので、 活性化型の Ga— GTPレベルが減少する。 ここで、 GTPの代 わりに 35S標識した GTP γ Sなどの Gaの GTP a s e活性によって加水分解を 受けない GTPアナログを系に添加しておけば、 被験試料の存在下と非存在下での 膜に結合した放射活性を測定 ·比較することにより、 LPA作動 GPCRのァゴニスト又 はインバースァゴニストをスクリーニングすることができる。 即ち、 被験試料の存 在下で放射活性が増加すれば、 該被験試料はァゴニス トであり、 放射活性が減少す ればインバースァゴニス トである。 35S標識した GTP y S (GTP [y35 S] ) を用いる方法については、 Heise et al. , olecular Pharmacology, 60, 1173-118 0 (2001)、 又は Im et al. , Molecular Pharmacology, 57, 753-759 (2000)に記載 されている。
また、 生理活性リガンド (例えば LPA)を共存させた系で、 被験試料の存在下と非 存在下での膜に結合した放射活性を測定 ·比較することにより、 LPA作動 GPCRのァ ンタゴ二ス トをスクリーニングすることができる。 即ち、 被験試料の存在下で、 被 験試料の非存在下よりも放射活性が減少すれば、 該被験試料はアンタゴニストであ る。
あるいは、 Gaへの GTPアナログの結合を表面プラズモン共鳴法等を用いてモ ニタリングすることによつてもスクリーニングが可能である。
LPA作動 GPCR拮抗剤の活性は、 共役する Gひのェフエクタ一への作用を指標とし て測定することもできる。 この場合、 本発明のスクリーニング系は、 LPA作動 GPCR に加えて、 さらにエフェクターを含む脂質二重層膜を構成要素として含む必要があ る。 また、 共役する G aは該エフェクターと相互作用するための領域をさらに含む 必要がある。 当該領域はその G et本来のエフヱクタ一相互作用領域であってもよい し、 異なるフアミリーに属する G αのエフェクター相互作用領域であってもよい。 例えば G i αに対しては異なるファミリーに属する G aとして G q α、 G s ひ、 G 1 2 α等が挙げられ、 G q αに対しては異なるフアミリーに属する Gひとして G i α、 G s a、 G 1 2 α等が挙げられる。 異なるファミリーに属する G α (例えば G q a) のエフェクター相互作用領域を含む G a (例えば G i ct) キメラの最も簡便 な例としては、 G q αの C末端の約 5アミノ酸程度を、 G i aの C末端配列で置換 したもの (G q i α) が挙げられる。
LPA作動 GPCRと共役する G aが G i αのエフェクター相互作用領域を含む場合、 エフェクターとしてアデ二ル酸シクラーゼを含む脂質二重層膜が用いられる。 一方 、 共役 G aが G q ひのエフェクター相互作用領域を含む場合は、 エフェクターとし てホスホリパーゼ を含む脂質二重層膜を用いる必要がある。 尚、 共役 G aが G s ひのエフェクター相互作用領域を含む場合は、 エフェクターとしてアデ-ル酸シ クラーゼを含む脂質二重層膜が用いられ、 G i ひの場合とは逆に、 アデニル酸シク ラーゼ活性の促進作用を指標としてリガンド活性が評価される。
エフェクターとしてアデ二ル酸シクラーゼ (以下、 ACともいう) を含むスクリ 一ユング系においては、 G aのェフエクタ一^ ·の作用は、 AC活性を直接測定する ことにより評価することができる。 AC活性の測定には公知のいかなる手法を用い てもよく、 例えば、 ACを含む膜画分に AT Pを添カ卩し、 生成する c AM P量を、 抗 c AMP抗体を用いて R I (125 I ) 、 酵素 (アルカリホスファターゼ、 ペルォ キシダーゼ等) 、 蛍光物質 (F I T C、 ローダミン等) 等で標識した c AMPとの 競合ィムノアッセィにより測定する方法や、 ACを含む膜画分に [ひ- 32P] AT Pを添加し、 生成する [32 P] c AMPをアルミナカラム等で分離後、 その放射活 性を測定する方法が挙げられるが、 これに限定されない。 が G i aの場合、 被 験試料の存在下及び非存在下で AC活性を測定。比較し、 被験試料存在下で AC活
性が増加すれば被験試料は LPA作動 GPCRのィンバースァゴニストであり、 活性が減 少すればァゴニス トである。 また、 生理活性リガンド (例えば LPA)を共存させた系 で、 被験試料の存在下及び非存在下で AC活性を測定 ·比較し、 被験試料存在下で 被験試料非存在下よりも AC活性が増加すれば被験試料は LPA作動 GPCRのアンタゴ ニストである。
一方、 0(¾が03 «の場合、 被験試料の存在下及び非存在下で AC活性.を測定 - 比較し、 被験試料存在下で A C活性が減少すれば被験試料は LPA作動 GPCRのィンバ ースァゴニストであり、 活性が増加すればァゴニストである。 また、 生理活性リガ ンド (例えば LPA)を共存させた系で、 被験試料の存在下及び非存在下で AC活性を 測定 ·比較し、 被験試料存在下で被験試料非存在下よりも AC活性が減少すれば被 験試料は LPA作動 GPCRのアンタゴニストである。
スクリーニング系として無傷真核生物細胞を用いる場合は、 Gaの ACへの作用 は、 細胞内の cAM P量を測定するか、 あるいは細胞を [3H] アデニンで標識し 、 生成した [3H] c AMPの放射活性を測定することによつても評価することが できる。 細胞内 c AM P量は、 被験試料の存在下及び非存在下で細胞を適当な時間 インキュベートした後、 細胞を破砕して得られる抽出液について、 上記の競合ィム ノァッセィを実施することにより測定することができるが、 公知の他のいかなる方 法も使用することができる。
別の態様として、 c AMP量を cAM P応答エレメント (CRE) の制御下にあ るリポーター遺伝子の発現量を測定することにより、 評価する方法もある。 ここで 使用される発現ベクターについては後に詳述するが、 概説すると、 CREを含むプ 口モーターの下流にリポーター蛋白質をコードする DNAを連結した発現カセット を含むベクターを導入された動物細胞を、 被験試料の存在下及び非存在下で適当な 時間培養し、 細胞を破砕して得られた抽出液におけるリポーター遺伝子の発現を公 知の手法を用いて測定 ·比較することにより、 細胞内 c AMP量を評価するという ものである。
従って、 Gaが G i αの場合、 被験試料の存在下で細胞内 c AM Ρ量 (もしくは CRE制御下にあるリポーター遺伝子の発現量) が増加すれば、 該被験試料は LPA 作動 GPCRのインバースァゴニストであり、 減少すればァゴニストである。 また、 生
理活性リガンド(例えば LPA) を共存させた系で、 被験試料の存在下と非存在下での c AMP量を測定.比較することにより、 L P A作動 G PC Rのアンタゴニストを スクリーニングすることができる。 即ち、 被験試料の存在下で被験試料の非存在下 よりも c AMP量が増加すれば該被験試料はアンタゴニストである。 一方、 Gaが G sひの場合、 被験試料の存在下で細胞内 cAM P (もしくは CRE制御下にある リポーター遺伝子の発現量) が減少すれば、 該被験試料は LPA作動 GPCRのインバー スァゴ二ス トであり、 増加すればァゴニス トである。 また、 生理活性リガンド(例 えば LPA) を共存させた系で、 被験試料の存在下と非存在下での c AMP量を測定 •比較することにより、 L P A作動 G PC Rのアンタゴニストをスクリーニングす ることができる。 即ち、 被験試料の存在下で被験試料の非存在下よりも CAM Pi が減少すれば該被験試料はァンタゴ二ストである。
一方、 エフェクターとしてホスホリパーゼ C ]3 (以下、 PLC 3ともいう) を含 むスクリーニング系 (即ち、 Gaが Gq αであるか又は Gq αのエフェクター相互 作用領域を含むキメラ蛋白質 (キメラ Gq c ) の場合) においては、 該 Gq a又は キメラ Gq aのェフエクタ一^ ·の作用は、 P L C ]3活性を直接測定することにより 評価することができる。 PLC /3活性は、 例えば、 3H標識したホスファチジルイ ノシトール一 4, 5—二リン酸を PLC 含有膜画分に添カ卩し、 生成するイノシト ールリン酸量を、 公知の手法を用いて測定することにより評価することができる。 被験試料の存在下及び非存在下で P L C ]3活性を測定 ·比較し、 被験試料存在下で P LC ^活性が増加すれば該被験試料は LPA作動 GPCRのァゴニストであり、 活性が 減少すればインバースァゴニス トである。 また、 生理活性リガンド (例えば LPA) を 共存させた系で、 被験試料の存在下と非存在下での P LC 活性を測定 ·比較する ことにより、 LP Α作動 GPCRのアンタゴニス トをスクリーユングすることがで きる。 即ち、 被験試料の存在下で被験試料の非存在下よりも活性が減少すれば該被 験試料はアンタゴニス トである。
スクリーニング系として無傷真核生物細胞を用いる場合は、 G q c又はキメラ G q αの P LC ]3への作用は、 細胞に [3Η] イノシトールを添加し、 生成した [3Η ] イノシトーノレリン酸の放射活性を測定したり、 細胞内の C a 2+量を測定すること によっても評価することができる。 細胞内 C a2+量は、 被験試料の存在下及び非存
在下で細胞を適当な時間インキュベートした後、 蛍光プローブ (fura-2、 indo- 1、 fluor-3, Calcium-Green I等) を用いて分光学的に測定するか、 カルシウム感受性 発光蛋白質であるェクオリン等を用いて測定することができるが、 公知の他のいか なる方法を使用してもよい。 蛍光プローブを用いた分光学的測定に適した装置とし て、 FLIPR (Molecular Devices社) システムが挙げられる。
別の態様として、 C a 2 +によりアップレギュレートされる T P A (12— O—テト ラデカノィルホルボール一 I3—アセテート) 応答エレメント (T R E ) の制御下に あるリポーター遺伝子の発現量を測定することにより、 C a 2+量を評価する方法も ある。 ここで使用される発現ベクターについては後に詳述するが、 概説すると、 T R Eを含むプロモーターの下流にリポーター蛋白質をコードする D NAを連結した 発現カセットを含むベクターを導入された真核生物細胞を、 被験試料の存在下及び 非存在下で適当な時間培養し、 細胞を破碎して得られた抽出液におけるリポーター 遺伝子の発現を公知の手法を用いて測定 ·比較することにより、 細胞内 C a 2+量を 評価するというものである。
従って、 被験試料の存在下で細胞内 C a 2 +量 (もしくは T R E制御下にあるリポ 一ター遺伝子の発現量) が増加すれば、 該被験試料は LPA作動 GPCRのァゴニストで あり、 減少すればィンバースァゴニス トである。 また、 生理活性リガンド(例えばし PA) を共存させた系で、 被験試料の存在下と非存在下での P L C /3活性を測定 '比 較することにより、 L P A作動 G P C Rのアンタゴニストをスクリーニングするこ とができる。 即ち、 被験試料の存在下で被験試料の非存在下よりも細胞内 C a 2 +量 が減少すれば該被験試料はアンタゴニストである。
一方、 LPA作動 GPCRが EDG2又は EDG4である場合、 該 GPCRは G α 12/13により活性化 され得る。 そして G a l2/13と P115RhoGEFが結合することによって、 Rhoが不活性型 の GDP結合型から活性型の GTP結合型に変換される。 GTP結合型 Rhoはエフェクターで ある Rho-キナーゼと結合し、 下流へとシグナルが伝達される。 すなわち、 G o^S G α 12/13であるか又は G α 12/13の P115RhoGEFとの相互作用領域を含むキメラ G α 12 八 3の場合、 例えば、 組み換え GST付加 ROCK (Rho-キナーゼ)に結合する Rhoファミリ 一に属する蛋白質、 例えば RhoAを、 公知の手法を用いて測定することにより評価す ることができる (Onno et al., Molecular Biology of the Cell. , 10, 1851-1857
(1999) ) 。 被験試料の存在下及び非存在下で ROCKに結合する RhoA量を測定'比較 し、 被験試料存在下で ROCKに結合する RhoA量が増加すれば該被験試料は LPA作動 GPC Rのァゴニス トであり、 活性が減少すればインバースァゴニス トである。 また、 生 理活性リガンド (例えば LPA) を共存させた系で、 被験試料の存在下及び非存在下 で ROCKに結合する RhoA量を測定 ·比較し、 被験試料存在下で被験試料非存在下より も ROCKに結合する RhoA量が減少すれば被験試料は LPA作動 GPCRのアンタゴニストで ある。
上記の LPA作動 GPCRと共役 G aとを用いた LPA作動 GPCRリガンドのスクリーニング 方法を、 LPA作動 GPCRに対するリガンド、 例えば、 LPA等の共存下で行えば、 さらに LPA作動 GPCRに対するニュートラルアンタゴニストを容易に選抜することができる また、 別の態様として、 LPA作動 GPCR依存的な種々の生理作用を指標として、 LPA 作動 GPCR拮抗剤をスクリ一二ングすることも可能である。 該生理作用としては、 MA Pキナーゼの一種である ERKの活性化が挙げられる。 具体的には、 LPA作動 GPCRの存 在下に、 被験試料が ERKのリン酸化を促進するか否かを、 リン酸化 ERK量をゥエスタ ンブロッテイング等で検出することによって測定する方法 (I shi i et al. , Mol. Ph armacol. 58, 895-902 (2000) ) が挙げられる。
従って、 被験試料の存在下でリン酸化 ERK量が増加すれば、 該被験試料は LPA作動 GPCRのァゴニストであり、 減少すればインバースァゴニス トである。 また、 生理活 性リガンド(例えば LPA) を共存させた系で、 被験試料の存在下と非存在下でのリン 酸化 ERK量を測定 ·比較することにより、 L P A作動 G P C Rのアンタゴニストを スクリーニングすることができる。 即ち、 被験試料の存在下で被験試料の非存在下 よりもリン酸化 ERK量が減少すれば該被験試料はアンタゴニストである。
また、 天然リガンドである LPAもしくは LPA作動 GPCRァゴニストの存在もしくは非 存在下に、 被験試料が LPA作動 GPCR依存的な DNA合成促進活性 (細胞増殖促進活性) を抑制するか否かを測定することによって、 LPA作動 GPCRリガンドをスクリーニン グする方法が挙げられる。
具体的には、 NIH3T3等の細胞の細胞数を計測する方法、 または RH7777等の細胞に おける [3H]チミジンもしくは BrdUの取り込み量を測定する方法を用いることができ
る (Fischer et al., Molecular Pharmacology, 60, 776-784 (2001); Fukusima e t al. , Proc. Nat. Acad. Sci. U. S. A. , 95, 6151〜6156, (1998) ; Laychock S - R ubin RP編、 Lipid Second Messengers, CRC Press, Washington DC)。
従って、 被験試料の存在下で [3H]チミジンもしくは BrdUの取り込み量が増加すれ ば、 該被験試料は LPA作動 GPCRのァゴニス トであり、 減少すればィンバースァゴニ ストである。 また、 生理活性リガンド(例えば LPA) を共存させた系で、 被験試料の 存在下と非存在下での [3H]チミジンもしくは BrdUの取り込み量を測定 ·比較するこ とにより、 L P A作動 G P C Rのアンタゴニストをスクリーニングすることができ る。 即ち、 被験試料の存在下で被験試料の非存在下よりも [3H]チミジンもしくは Br dUの取り込み量が減少すれば該被験試料はアンタゴニストである。
また、 LPA作動 GPCRが EDG2又は EDG4の場合、 血清応答エレメント (Serum- respons e element ; SRE) の制御下にあるリポーター遺伝子の発現量を測定することにより 、 G蛋白質の細胞刺激活性を評価する方法もある (An et al. , J. Biol. , Chem. , 2 73, 7906-7910, (1999) ; An et al. , BBRC., 231, 619-622 (1997) )。 ここで使用さ れる発現ベクターについては後に詳述するが、 概説すると、 SREを含むプロモータ 一の下流にリポーター蛋白質をコードする DNAを連結した発現カセットを含むベク ターを導入された真核生物細胞を、 被験試料の存在下及び非存在下で適当な時間培 養し、 細胞を破砕して得られる抽出液におけるリポーター遺伝子の発現を公知の方 法を用いて測定 ·比較することにより、 細胞内 Ca2+量を評価するというものである 。 従って、 SRE制御下にあるリポーター遺伝子の量が増加すれば、 該被験試料は LPA 作動 GPCRのァゴニストであり、 減少すればインバースァゴニストである。 また、 生 理活性リガンド (例えば LPA) を共存させた系で、 被験試料の存在下と非存在下での 細胞内 Ca2+量を測定 ·比較することにより、 L P A作動 G P C Rのアンタゴニスト をスクリーニングすることができる。 即ち、 被験試料の存在下で被験試料の非存在 下よりも細胞内 Ca2+量が減少すれば該被験試料はアンタゴニストである。
本明細書において、 「LPA作動 GPCR拮抗活性を有する化合物」 とは、 上記スクリ 一ユング方法においてインバースァゴニスト又はアンタゴニストである任意の化合 物を表す。 より具体的には、 LPA作動 GPCRとの親和性 (LPA作動 GPCR結合活性) が LP A (18 : 0)以上であり、 かつ実施例 4に記載の FLIPRを用いる試験方法において、 IC5
0値が 100/iM以下、 好ましくは 10 / M以下、 更に好ましくは ΙμΜ以下である化合物を 挙げることができる。
本発明のスクリーニング法に供される被験試料は、 いかなる公知化合物及び新規 化合物であってもよく、 例えば、 コンビナトリアルケミストリー技術を用いて作製 された化合物ライブラリー、 固相合成やファージディスプレイ法により作製された ランダムペプチドライブラリー、 あるいは微生物、 動植物、 海洋生物等由来の天然 成分等が挙げられる。 好ましくは、 被験試料は分子量 200〜2000の化合物で あり、 更に好ましくは分子量 300〜800の化合物である。
本発明のスクリーニング法のために提供される、 LPA作動 GPCRを含む脂質二重層 膜、 及び LPA作動 GPCRと共役する Gひを構成要事として含有するスクリ一ユング系 の好ましい一実施態様は、 LPA作動 GPCRをコードする DN Αを含む発現ベクターと 、 共役 Gひの GPCRとの結合に関与する領域及び任意の Gひのグァニンヌクレオ チドとの結合に関与する領域を少なくとも含むポリぺプチドをコ一ドする DNAを 含む発現ベクターとでトランスフエクトした宿主真核生物細胞、 該細胞のホモジネ ートまたは該細胞由来の膜画分である。
「LPA作動 GPCRをコードする DNA」 は、 ヒ ト及び他の哺乳動物由来の LPA作動 GP CR、 あるいは該レセプターのアミノ酸配列において、 1もしくは複数のアミノ酸が 置換、 欠失、 挿入、 付加または修飾されたアミノ酸配列からなり、 天然 LPA作動 GPC Rと同じリガンド一レセプター相互作用を示し、 且つ共役する G αを活性化して該 サブュニットの GDP · GTP交換反応を促進する活性を有するポリペプチドをコ ードする DNAであれば特に制限はない。 ヒ ト LPA作動 GPCR c DNAのコーディン グ領域の他、 ゥシ、 ブタ、 サル、 マウス、 ラット等のヒ ト以外の哺乳動物由来の LP A作動 GPCRをコードする DNA等が例示され、 これらは、 哺乳動物の膝臓、 もしく は腎臓、 肺の細胞由来の cDNAライブラリーもしくはゲノミックライブラリーか ら、 ヒ ト LPA作動 GPCRの c DNAクローンをプローブとして単離され得る。 また、 L PA作動 GPCRは、 ヒ ト LPA作動 GPCRの c DNAクローンを基に、 部位特異的変異誘発 等の人為的処理により一部に変異を導入したものであってもよい。
具体的には、 ヒ ト及び他の哺乳動物由来の 「EDG2をコードする DNA」 、 ヒ ト及び 他の哺乳動物由来の 「EDG4をコードする DNA」 、 ヒ ト及び他の哺乳動物由来の 「EDG
7をコードする DNA」 、 又はこれらのアミノ酸配列において、 1もしくは複数のアミ ノ酸が置換、 欠失、 挿入、 付加または修飾されたアミノ酸配列からなり、 天然 LPA 作動 GPCRと同じリガンドーレセプター相互作用を示し、 且つ共役する G αを活性化 して該サブユエットの GDP · G TP交換反応を促進する活性を有するポリべプチ ドをコードする DNAが挙げられる。
G αとしては、 LPA作動 GPCRと共役するものであれば特に制限はない。 G αの各 遺伝子は公知であり、 容易に入手可能である。 LPA作動 GPCRと共役する Gaを含む ポリペプチドをコードする DN Aは、 少なくとも共役 Gaの GPCRとの結合に関 与する領域をコードする配列と、 任意の Gaのグァニンヌクレオチドとの結合に関 与する領域をコードする配列を有することが必要である。 上述の通り、 0ひの 線 結晶構造解析の結果から、 G P C R結合領域及びグァニンヌクレオチド結合領域は よく知られており、 当業者は、 所望により Gaのコーディング配列の一部を欠失し たフラグメントを容易に構築することができる。
Gaのエフェクターへの作用を指標とするスクリーユング系においては、 LPA作 動 GPCRと共役する Gaをコードする DNAは、 所望のエフェクターと相互作用する ための領域をコードするヌクレオチド配列をさらに含む必要がある。 エフェクター としてアデ二ル酸シクラーゼを用いる場合は、 該 DNAは G i αもしくは G s e の エフェクター相互作用領域をコードするヌクレオチド配列を含む。 一方、 エフェク ターとしてホスホリパーゼ C /3を用いる場合には、 該 DNAは Gq αのェフエクタ 一相互作用領域をコードするヌクレオチド配列を含む。 各 G α遺伝子は公知であり 、 それらのエフェクター相互作用領域もよく知られている。 従って、 当業者は、 公 知の遺伝子工学的手法を適宜組み合わせることにより、 容易にキメラ G α蛋白質を コードする DNAを構築することもできる。 当該キメラ蛋白質 (例えば、 Gq i α ) をコードする DNAの最も簡便な例としては、 Gq αの c DNAの C末端の約 5 アミノ酸をコードする配列を、 PCR等の公知の手法を用いて G i ひの C末端配列 をコードする DN A配列に置換したものが挙げられる。
LPA作動 GPCRをコードする D N A、 及び LPA作動 GPCRと共役する G αをコードする DNAは、 宿主真核生物細胞内でプロモーター活性を発揮し得るプロモーターに機 能的に連結されていなければならない。 使用されるプロモーターは、 宿主真核生物
細胞内で機能し得るものであれば特に制限はないが、 例えば、 S V 4 0由来初期プ 口モーター、 サイ トメガロウイノレス L T R、 ラウス肉 fl重ゥイノレス L T R、 M o M u L V由来 L T R、 アデノウイルス由来初期プロモータ一、 バキュロウィルス由来ポ リヘドリンプロモーター等のウィルスプロモーター、 並びに )3—ァクチン遺伝子プ 口モーター、 P G K遺伝子プロモーター、 トランスフェリン遺伝子プロモーター等 の真核生物由来細胞の構成蛋白質遺伝子のプロモーターなどが挙げられる。 使用さ れる発現ベクターは、 上記プロモーターに加えて、 その下流に転写終結シグナル、 すなわちターミネータ一領域を含有することが好ましく、 プロモーター領域とター ミネーター領域の間にコーディング D N Aを挿入し得るように、 適当な制限酵素認 識部位、 好ましくは該ベクターを 1箇所のみで切断するユニークな制限酵素認識部 位を有することが望ましい。 さらに、 該発現べクタ一は、 選択マーカ一遺伝子 (テ トラサイクリン、 アンピシリン、 カナマイシン、 ハイグロマイシン、 ホスフィノス リシン等の薬剤抵抗性遺伝子、 栄養要求性変異相補遺伝子等) をさらに含有してい てもよい。
本発明のスクリーユング系に使用されるベクターとしてはプラスミ ドベクターの 他、 ヒ ト等の哺乳動物での使用に好適なレトロウイルス、 アデノウイルス、 アデノ 随伴ウィルス、 ヘルぺスウィルス、 ワクシニアウィルス、 ボックスゥイノレス、 ポリ ォウィルス、 シンドビスウィルス、 センダイウィルス等、 あるいは昆虫細胞での使 用に好適なバキュロウィルスベクター等も挙げられる。
LPA作動 GPCRをコードする D N Aと、 LPA作動 GPCRと共役する G aをコードする D
N Aは、 2つの別個の発現ベクター上に担持されて宿主細胞に共トランスフエク ト されてもよいし、 あるいは、 1つのベクター上に、 ジシストロニックもしくはモノ シストロニックに挿入されて、 宿主細胞内に導入されてもよい。
宿主細胞は、 ヒ ト、 サル、 マウス、 ラット、 ハムスター等の哺乳動物細胞、 ある いは昆虫細胞であれば特に制限はない。 具体的には、 C0P、 レ C127、 Sp2/0、 NS- 1 、 NIH3T3、 ST2等のマウス由来細胞、 RH7777等のラット由来細胞、 BHK、 CH0等のハ ムスター由来細胞、 C0S1、 C0S3、 C0S7、 CV1、 Vero等のサル由来細胞、 HeLa、 HEK29 3、 MCF10A、 HepG2、 A431等のヒ ト由来細胞、 及び Sf9、 Sf21、 High Five等の昆虫由 来細胞などが例示される。
宿主細胞への遺伝子導入は、 真核生物細胞の遺伝子導入に使用できる公知のいか なる方法を用いて行ってもよく、 例えば、 リン酸カルシウム共沈殿法、 エレク ト口 ポレーシヨン法、 リボソーム法、 マイクロインジェクション法等が挙げられる。 遺伝子を導入された宿主細胞は、 例えば、 約 5〜20%のゥシ胎仔血清を含む最 少必須培地 (MEM) 、 ダルベッコ改変イーグル培地 (DMEM) 、 Ham's F-12培地、 RPM 11640培地、 199培地、 Grace' s昆虫細胞培養用培地等を用いて培養することができ る。 培地の pHは約 6〜約 8であるのが好ましく、 培養温度は、 通常約 27〜約 4 0°Cである。
上記のようにして得られる、 LPA作動 GPCRをコードする DNA及び LPA作動 GPCRと 共役する Gひをコードする DNAを導入された真核生物細胞は、 使用するスクリー ユング法に応じてそのまま無傷細胞として使用してもよいし、 あるいは適当な緩衝 液中で該細胞を破砕して得られる細胞ホモジネートゃ、 該ホモジネートを適当な条 件で遠心分離するなどして (例えば、 約 1, 000 X g程度で遠心して上清を回収 した後、 約 100, 000 X g程度で遠心して沈渣を回収する) 単離される膜画分 の形態であってもよい。
例えば、 GTP γ S結合アツセィや、 エフェクターの活性を直接測定することに より、 被験試料のリガンド特性を評価する場合には、 使用するスクリーニング系は 、 好ましくは、 上記のようにして細胞から調製される膜画分である。 一方、 細胞内 cAMP量 (もしくは c AMP応答性リポーターの発現量) や細胞内 C a 2+量 (も しくは C a 2+応答性リポーターの発現量) を測定することにより、 被験試料のリガ ンド特性を評価する場合には、 使用するスクリーニング系は無傷真核生物細胞であ る。
尚、 リガンド活性の評価を、 c AMP応答性リポーター (エフェクターがアデ二 ル酸シクラーゼの場合) もしくは C a 2+応答性リポーター (エフェクターがホスホ リパーゼ C ]3の場合) の発現量を指標として行う場合には、 宿主真核生物細胞は、 cAMP応答エレメント (CRE) または TPA応答エレメント (TRE) を含む プロモータ一領域の下流にリポーター蛋白質をコードする DNAが機能的に連結し た発現カセットを含むベクターを導入されたものである必要がある。 じ £は。 M Pの存在下に遺伝子の転写を活性化するシスエレメントであり、 コンセンサス配
列として TGACGTCAを含む配列が挙げられるが、 c AM P応答性を保持する限り当該 配列の一部に欠失、 置換、 揷入または付加を含む配列であってもよい。 一方、 T R Eは C a 2+の存在下に遺伝子の転写を活性化するシスエレメントであり、 コンセン サス配列として TGACTCAを含む配列が挙げられるが、 C a 2+応答性を保持する限り 当該配列の一部に欠失、 置換、 挿入または付加を含む配列であってもよい。 C R E 又は T R Eを含むプロモーター配列としては、 上記のようなウィルスプロモーター や哺乳動物の構成蛋白質遺伝子プロモーターが同様に使用可能であり、 制限酵素及 び D N Aリガーゼを用いて、 あるいは P C R等を利用して、 該プロモーター配列の 下流に C R Eまたは T R E配列を挿入することができる。 C R E又は T R Eの制御 下におかれるリポーター遺伝子としては、 迅速且つ簡便に遺伝子発現を検出 ·定量 できる公知のいかなる遺伝子を使用してもよく、 例えば、 ルシフェラーゼ、 /3—ガ ラク トシダーゼ、 β -ヴ) り口ニダーゼ、 ァノレ力リホスファターゼ、 ぺ /レオキシダ ーゼ等のリポーター蛋白質をコードする D N Aが挙げられるが、 これらに限定され ない。 リボータ一遺伝子の下流にはターミネータ一配列が配置されることがより好 ましい。 このような C R E (又は T R E ) —リポーター発現カセットを担持するべ クタ一としては、 公知のプラスミ ドベクター又はウィルスベクターを使用すること ができる。 血清応答エレメント (SRE) の制御下にあるリポーター遺伝子含む発現 ベクターについても、 上記と同様に調製することができる。
本発明のスクリーニング法のために提供される、 LPA作動 GPCRを含む脂質二重層 膜、 及び LPA作動 GPCRと共役する G aを構成要素として含有するスクリーニング系 の別の好ましい実施態様は、 LPA作動 GPCRの C末端側に、 共役 Gひの G P C R結合 領域及び任意の G αのグァニンヌクレオチド結合領域を少なくとも含むポリぺプチ ドが連結した融合蛋白質をコードする D NAを含む発現ベクターでトランスフエク トした宿主真核生物細胞、 該細胞のホモジネートまたは該細胞由来の膜画分である 。
LPA作動 GPCRをコードする D NA、 及び LPA作動 GPCRと共役する G aの G P C R結 合領域及び任意の Gひのグァニンヌクレオチド結合領域を含むポリペプチドをコー ドする D N Aは、 上述のようにして取得することができる。 当業者は、 これらの D N A配列をもとにして、 公知の遺伝子工学的手法を適宜組み合わせることにより、
LPA作動 GPCRと G αとの融合蛋白質をコードする D N Aを構築することができる。 簡潔にいえば、 P C R等を用いて LPA作動 GPCRをコードする D NAの終始コドンを 除去したものに、 G aをコードする D N Aを読み枠が合うように、 即ちインフレ一 ムに、 D N Aリガーゼを用いてライゲーシヨンする。 この際、 LPA作動 GPCRの C末 の一部を欠失させたり、 LPA作動 GPCRと G aとの間に Hisタグ等のリンカ一配列を挿 入してもよレ、。
得られた融合蛋白質をコードする D NAは、 上述のような発現ベクター中に挿入 され、 宿主真核生物細胞に上記の遺伝子導入技術を用いて導入される。 得られた真 核生物細胞の膜上に当該融合蛋白質が発現すると、 レセプターの細胞内第 3ループ 上の G ひ活性化ドメインと共役 G o;のレセプター結合領域とは、 LPA作動 GPCRに対 する生理的リガンドの非存在下に相互作用して、 G aにおける G D P ' G T P交換 反応を促進し得る。 従って、 G aは恒常的に活性化された状態となる。
レセプタ一一 G ひ融合蛋白質発現細胞を、 G aのェフエクタ一^ ·の作用を指標に したスクリーニングに使用する場合において、 G aがレセプターと連結しているこ とがエフェクターとの相互作用の妨げとなる場合には、 レセプターと G aとのジャ ンクシヨン部位に、 特異的なプロテアーゼによって切断されるアミノ酸配列 (例え ば、 トロンビン感受性配列等) を導入し、 融合蛋白質を膜上に発現させた後に当該 プロテアーゼを作用させてレセプターと G aとを切り離すことができる。
レセプタ一一 G ひ融合蛋白質発現細胞についても、 使用するスクリーニング法に 応じて、 無傷細胞、 細胞ホモジネート、 膜画分のいずれかの形態を適宜選択して用 いることができる。
本発明のスクリーユング法のために提供される、 LPA作動 GPCRを含む脂質二重層 膜、 及び LPA作動 GPCRと共役する G aを構成要素として含有するスクリ一二ング系 のさらに別の実施態様は、 共役 G蛋白質を内因的に発現する宿主動物細胞を、 LPA 作動 GPCRをコードする D N Aを含む発現ベクターでトランスフエク トすることによ り調製される細胞、 該細胞のホモジネートまたは該細胞由来の膜画分である。
LPA作動 GPCRをコードする D NA、 該 D N Aを挿入する発現ベクター、 該発現べ クタ一の宿主細胞への導入法は、 上述の通りのものを使用することができる。
本発明のさらに別の態様においては、 本発明のスクリーニング系は、 LPA作動 GPC
R及び LPA作動 GPCRと共役する G蛋白質を内因的に発現する動物細胞、 該細胞のホモ ジネートまたは該細胞由来の膜画分である。 このような細胞としては、 哺乳動物の 膝臓もしくは腎臓、 肺由来細胞が好ましく例示される。
本発明のさらに別の態様においては、 LPA作動 GPCRを含む脂質二重層膜、 及び LPA 作動 GPCRと共役する G aを構成要素として含有するスクリーニング系として、 精製 した LPA作動 GPCRと共役 G α、 あるいは精製した該レセプターと共役 G との融合 蛋白質を、 人工脂質二重層膜中に再構成させたものを使用することができる。 LPA 作動 GPCRは、 ヒ ト又は他の哺乳動物の脖臓もしくは腎臓、 肺由来細胞から得られる 膜画分から、 抗 LPA作動 GPCR抗体を用いたァフィ二ティークロマトグラフィー等に より精製することができる。 あるいは、 該レセプターは、 LPA作動 GPCRをコードす る D N Aを含む発現べクターを導入された組換え細胞から、 抗 LPA作動 GPCR抗体や 、 His- tag、 GST- tag等を用いたァフイエティ一クロマトグラフィー等により精製す ることもできる。 同様に、 該レセプターと共役 G aとの融合蛋白質も、 該融合蛋白 質をコードする DN Aを含む発現ベクターを導入された組換え細胞から、 抗 LPA作 動 GPCR抗体や、 His- tag、 GST-tag等を用いたァフィ二ティークロマトグラフィー等 により精製することができる。
人工脂質二重層膜を構成する脂質としては、 ホスファチジルコリン (P C) 、 ホ スファチジルセリン (P S) 、 コレステロール (C h) 、 ホスファチジルイノシト ール (P I ) 、 ホスファチジルエタノールァミン (P E) 等が挙げられ、 これら 1 種または 2種以上を適当な比率で混合したものが好ましく使用される。
例えば、 レセプターと G o:、 又はレセプタ一一 G a融合蛋白質を組み込んだ人工 脂質二重層膜 (プロテオリボソーム) は、 P C : P I : C h= 1 2 : 1 2 : lの混 合脂質クロロホルム溶液を適当量ガラスチューブに分取し、 窒素ガス蒸気でク口口 ホルムを蒸発させて脂質をフィルム状に乾燥させた後、 適当な緩衝液を加えて懸濁 、 次いで超音波処理により均一に分散させ、 コール酸ナトリゥム等の界面活性剤を 含む緩衝液をさらに加えて脂質を完全に懸濁する。 ここに、 精製したレセプターと G a、 又はレセプタ一一 G a融合蛋白質を、 適量添加し、 氷中で時々攪拌しながら 2 0〜 3 0分間程度インキュベートした後、 適当な緩衝液に対して透析する。 約 1 0 0, 000 X gで 3 0〜6 0分間遠心して沈渣を回収することにより、 プロテオ
リボソームを調製することができる。
また、 本発明の、 スクリーニング方法の第三の態様は、 LPA産生抑制活性を指標 として、 LPA作動 GPCR活性抑制剤をスクリーニングするものであり、 被験試料の存 在下及び非存在下で、 LPA産生酵素及び基質を接触させ、 LPAの生成量を両条件下で 比較し、 被験試料の存在下における生成量が被験試料の非存在下における生成量よ りも大きい被験試料を LPA産生酵素阻害剤として選択する工程を含む。
「LPA産生酵素」 とは、 具体的にはホスホリパーゼ A (A1, A2) を表し、 好ましく はホスホリパーゼ A1を表す。 本明細書において 「ホスホリパーゼ A (A1, A2) J とは 、 ヒ ト及び他の哺乳動物由来のホスホリパーゼ Al、 A2の他、 それらの自然もしくは 人工の突然変異体、 それらをコードする DNAを含む組換え細胞から製造される組換 えホスホリパーゼ A1もしくは A2、 それらの機能的フラグメン卜の全てを包含する意 味で使用される。 当該ホスホリパーゼ A1として、 例えば J. B. C vol. 277 No. 37 pp34 254-34263 (2003)又は J. B. C vol. 273 No. 10 pp5468- 5477に記載されたものを使用 することができる。 また、 ホスホリパーゼ A2として、 例えば Cell, vol. 80, p919- 9 27 (1995) に記載されたものを使用することができる。
「基質」 としては、 標識されたホスファチジン酸 (PA) が挙げられる。 標識方法 としては、 蛍光標識でラベルする方法や、 3H、 14C、 32P及び 33Pなどの放射性同位 元素で標識する方法等が挙げられる。 具体的にスクリーニングに用いられる基質と しては、 32P-labeled sn- 1, 2- dioleoyl PA等が挙げられる。
被験物質の LPA産生酵素活性の測定方法は公知であり、 例えば実験医学 vol. 9 No
. 3 (3月号) 1991、 又は The Journal of Biological Chemistry, Vol. 278, No. 49, P49438-49447 (2003) 等に記載された方法を用いることができる。 すなわち、 被 験試料の存在下における LPA産生酵素活性と、 被験試料非存在下における LPA産生酵 素活性を比較することにより、 被験試料存在下における LPA産生酵素活性が被験試 料非存在下における LPA産生酵素活性よりも小さい被験試料を LPA産生酵素阻害剤と して選択することができる。
上記の本発明のスクリ一二ング法により選択される LPA作動 GPCR拮抗剤もしくは L PA産生酵素阻害剤等の LPA作動 GPCR活性抑制剤は、 耐糖能異常改善作用を示すこと は明白であり、 従って、 これらを適当な添加剤と組み合わせることにより、 耐糖能
異常改善薬とすることができる。 従って、 本発明はまた、 本発明のスクリーニング 法により選抜された LPA作動 GPCR活性抑制剤と、 医薬上許容される担体とを配合さ せることによる、 耐糖能異常改善薬、 又は生活習慣病治療、 特に糖尿病治療を提供 する。
医薬上許容される担体としては、 例えば、 ショ糖、 デンプン、 マンニット、 ソル ビッ ト、 乳糖、 グルコース、 セルロース、 タルク、 リン酸カルシウム、 炭酸カルシ ゥム等の賦开 $剤、 セルロース、 メチルセノレロース、 ヒ ドロキシプロピノレセルロース 、 ポリプロピルピロリ ドン、 ゼラチン、 アラビアゴム、 ポリエチレングリコール、 ショ糖、 デンプン等の結合剤、 デンプン、 カルボキシメチルセルロース、 ヒ ドロキ シプロピルスターチ、 ナトリゥムーグリコール一スターチ、 炭酸水素ナトリゥム、 リン酸カルシウム、 クニン酸カルシウム等の崩壊剤、 ステアリン酸マグネシウム、 エア口ジル、 タルク、 ラウリノレ硫酸ナトリウム等の滑剤、 クェン酸、 メントール、 グリシルリシン . アンモニゥム塩、 グリシン、 オレンジ粉等の芳香剤、 安息香酸ナ トリウム、 亜硫酸水素ナトリウム、 メチルパラベン、 プロピルパラベン等の保存剤 、 クェン酸、 クェン酸ナトリウム、 酢酸等の安定剤、 メチルセルロース、 ポリビニ ルピロリ ドン、 ステアリン酸アルミニウム等の懸濁剤、 界面活性剤等の分散剤、 水 、 生理食塩水、 オレンジジュース等の希釈剤、 カカオ脂、 ポリエチレングリコール 、 白灯油等のベースワックスなどが挙げられるが、 それらに限定されるものではな レ、。
経口投与に好適な製剤は、 水、 生理食塩水、 オレンジジュースのような希釈液に 有効量の LPA作動 GPCR活性抑制剤を溶解させた液剤、 有効量の LPA作動 GPCR活性抑制 剤を固体や顆粒として含んでいるカプセル剤、 サッシェ剤または錠剤、 適当な分散 媒中に有効量の LPA作動 GPCR活性抑制剤を懸濁させた懸濁液剤、 有効量の LPA作動 GP CR活性抑制剤を溶解させた溶液を適当な分散媒中に分散させ乳化させた乳剤等であ る。
非経口的な投与 (例えば、 静脈内注射、 動脈内注射、 皮下注射、 筋肉注射、 局所 注入、 腹腔内投与など) に好適な製剤としては、 水性及び非水性の等張な無菌の注 射液剤があり、 これには抗酸化剤、 緩衝液、 制菌剤、 等張化剤等が含まれていても よい。 また、 水性及び非水性の無菌の懸濁液剤が挙げられ、 これには懸濁剤、 可溶
化剤、 肥厚剤、 安定化剤、 防腐剤等が含まれていてもよい。 あるいは、 コラーゲン 等の生体親和性の材料を用いて、 徐放性製剤とすることもできる。 当該 LPA作動 GPC R活性抑制剤の製剤は、 アンプルやバイアルのように単位投与量あるいは複数回投 与量ずつ容器に封入することができる。 また、 LPA作動 GPCR活性抑制剤及び医薬上 許容される担体を凍結乾燥し、 使用直前に適当な無菌のビヒクルに溶解または懸濁 すればよい状態で保存することもできる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、 これらは単なる例示で あって、 本発明の範囲を何ら限定するものではない。 実施例
実施例 1
正常人の薛臓ランゲルハンス氏島における EDG2、 EDG4及び EDG7の発現局在
(1)ゥサギ由来ポリクローナル抗体の作成
Edg 2抗原べプチドとして、 ァミノ酸配列: KHLATEW TVSKLVM (配列番号: 7 ) の 部分ペプチドを公知の方法で合成し、 マススペク トル及び HPLCにより配列を確認し た。
公知の方法に従い、 以下のスケジュールで動物を免疫し、 抗血清からポリクロ一 ナル抗体の作成を行った。 すなわち、 ゥサギ (KBL JW 11週齢) 2匹を用い、 飼 育 1日目に FCA (Completeゥサギ (KBL JW 11週令) 2匹を用い、 飼育 1日目に FCA (Complete Freund' s Adjuvant) に溶解させた抗原ペプチド 200 / g/匹を腹腔内に 注入した。 更に、 飼育 1 4、 2 8、 4 2、 5 7、 7 0、 8 4日目に FCA (Complete Freund' s Adjuvant) に溶解させた抗原ペプチド 100 /z g/匹を腹腔内に注入した。 飼育 1、 4 9、 6 3日に抗体力価確認のための採血を行った。 抗体力価の上昇を確 認後、 飼育 77日目に 2 0〜 3 O ml/匹、 飼育 91日目に 5 0〜 7 O ml/匹の採血を行い 、 抗血清を得て抗原ペプチドを固定したカラムでァフィ二ティー精製を行い、 1次 抗体を得た。 精製された抗体は 0. 01% アジ化ナトリウム を含む PBSに置換し使用ま で冷凍保存した。
(2)ゥサギ抗体を用いた免疫組織染色
生検組織サンプル (24歳女性、 95歳男性等) のパラフィンブロックから 4〜5 m
の厚さで組織切片を作成した。 スライドサンプルはキシレンで除パラフィンを行い
、 アルコール処理を経て再度水和させた。 その後 Target Retrieval Solution (DAK
0社) 中でオートクレープ処理による抗原賦活化を行った。 以降の操作は Vectastai n ABC-AP kit (Vector社) を用いた。 添付試薬でブロッキング後、 上記(1)で作成 した 1次抗体で 45分インキュベートした。 洗浄後、 5 μ 1/πι1に希釈した抗ゥサギ 2 次抗体 (ΒΑ- 1000) で 30分インキュベートした。 洗浄後 Vector ABC-AP (AK-5000) r eagentを添加し、 Vector Red (SK- 5100)にて発色させた。
結果を表 1に示した。 表 1のとおり、 EDG2は他組織と比較して膝臓に強く発現し ていることがわかった。 更に、 膝臓組織中での発現分布を詳細に検討したところ、 腺房などではほとんど発現しておらず、 ランゲルハンス島に発現が局在しているこ とが明らかとなった。
また Edg4を認、識する市販のモノクローナル抗体 (Oncogene社) 等を用い、 同様の 手法で発現局在を検討した結果、 Edg4も又、 ランゲルハンス氏島に発現局在してい ることが明らかとなった。
さらに Edg7抗原ペプチドとして VERHMSIMRMRVHSN (配列番号: 8 ) を用い、 同様 の手法で発現局在を検討した結果、 Edg7も又、 ランゲルハンス氏島に発現局在して いることが明らかとなった。
実施例 2
経口糖負荷試験
雄性 C57BL/6Jマウス (3週齢、 SPF規格、 本クレア) を予備飼育の後、 4週齢よ り通常飼料 (Research Diet社) を与えた。 20週間後、 8時間絶食を施し、 LPA乾燥 品 (シグマ社) を生理食塩水(大塚製薬)に溶解し 0. 5mg/匹で静脈内投与を行った。 溶媒対照としては生理食塩水 (大塚製薬)を用いた。 静脈内投与後速やかに 3g/kgの D-グルコースを経口投与した。 糖負荷前 (0分) 、 糖負荷後 15、 45、 90及び 135分後 に尾部静脈より採血し、 以下の方法により血糖 を測定した。
すなわち 10 // 1の血液を採取し、 0. 4N過塩素酸水溶液 100 Ai lと混和する。 更に 0. 3 7M炭酸カリウム水溶液 50 /x lを添カ卩し、 遠心後の上清についてグルコース C I I · テストヮコー(グルコース定量キット、 ムタロターゼ ' GOD法、 和光純薬)を用いて 血糖値を測定した。
その結果、 LPA投与群の糖負荷後 90分後の血糖値は、 生理食塩水投与群と比較し て有意に高値を示した (p>0. 05) (図 1 ) 。 この結果から、 LPAの投与により耐糖 能が悪化することが明らかになつた。 実施例 3
EDG2、 EDG4、 EDG7の安定発現株の樹立
(1)導入遺伝子ベクターの構築
配列番号: 2で表される EDG2のコード領域、 配列番号: 4で表される EDG4のコー ド領域、 及び配列番号: 6で表される EDG7のコード領域を、 AmpliTaq (パーキンェ ルマ一社) にて PCR法で増幅する。 増幅した遺伝子断片を動物細胞で機能するプロ モーター (pcDAN4/HisMax (invitrogen社) ) の下流に導入する。
(2)細胞株の樹立
Nature Cell Biology, vol. 2, p261〜p267, (2000) 又は J. Biol. Chem. , Vol. 276, No. 44, P41325〜p41335に記載された方法で、 EDG2、 EDG4及び EDG7安定発現株 を調製することができる。
すなわち、 Jurkat (または HTC4) 細胞を 10cm培養皿に播種し 60〜70%コンフルェ ントになるまで培養する。 その後無血清培地に転換し、 上記のとおり構築した EDG2 、 EDG4及び EDG7導入遺伝子を、 Lipoofectamine-Plus (Gibco社製) と複合体を形成 させたのちに培地に添加する。 5時間インキュベート後 1 0 %FBSを含む培地に転換 後さらに 8時間培養する。 その後トリプシン EDTAで細胞を培養皿から剥離させ、 G4 18と 10%FBSを含む培地にけん濁し、 10cm培養皿に播種した。 数日後形成されたコロ ニーを単離し、 EDG2、 EDG4及び EDG7リガンドスクリーニング用安定発現株とする。 実施例 4
FLIPRを用いた EDG2、 EDG4及び EDG7リガンドのスクリ一エング
(1)細胞の調製
実施例 3で調製した EDG2、 EDG4及び EDG7リガンドスクリ一二ング用安定発現株を 9 6穴培養皿に播種し、 10%FBS (Gibco社製) を含む培地中で 60〜70%コンフルェン トになるまで培養する。
(2)蛍光測定による細胞内カルシウムの定量
上記の処理を施した細胞の培地を除去し、 4 // Mの Fluo3AM (Tef lab. ) 及び 2. 5mM の probenecid (20mM HEPES, 0. 1%BSA, lxHBSS緩衝液, pH7. 4) を添加し 37°Cで 60分 培養する。 上記の処理を施した細胞を氷冷した PBSで洗浄し、 Tyrode's medium (2. 5mMの probenecid 1 %ゼラチンを含む) に懸濁する。 これに評価化合物の DMS0溶液 (終濃度 lnM〜100 / m) を加える。 5分後に LPA (18 : 3) (終濃度: 100nM) を加え、 添加前後の細胞内カルシウムイオン濃度を FRIPR (Molecular Device) にて測定す る (励起波長: 488nm、 蛍光波長: 540nm) 。 ここで、 LPA (18: 3) ( 1 —リノレノ ィル LPA)は LPC ( 18 : 3) ( 1 —リノレノィルリゾホスファチジルコリン) (Sedary社 製) を用いてホスホリパーゼ Dを用いて合成する。
一方、 評価化合物の代わりに DMS0を添加して上記測定を行い、 コントロール値を 得る。 測定値がコント口ール値よりも小さレ、場合に、 該評価化合物は LPA作動 GPCR のアンタゴニスト候補化合物であり、 測定値を比較することによって LPA作動 GPCR アンタゴニス トをスクリーニングすることができる。 すなわち、 複数の濃度の評価 化合物について上記を測定し、 測定値がコントロール値の 1/2となる濃度 (IC50値 ) を求め、 該 IC50値が小さい化合物を耐糖能異常改善薬の候補化合物として選択す ることができる。 実施例 5
(1)細胞膜画分の調製
実施例 3で調製した EDG2、 EDG4及び EDG7リガンドスクリ一ユング用安定発現株を フラスコに播種し、 10%FBS (Gibco社製) を培地中で 60〜70%コンフルェントになる まで培養する。 細胞を回収し buffer A (50mM HEPES (pH7. 0) , lOmM 2- ME, ImM PMSF, 0. 25M sucrose)に懸濁する。 Potter型ホモジェナイザーでホモジナイズ (400rpm
、 20ス トローク) したのち、 100000 gで 60分遠心分離を行い、 得られた沈殿を再度 buffer Aに懸濁する。 この懸濁液を 35% (tnass/vol) sucrose in buffer Aの上に重層 し 45000 gで 45分遠心分離を行う。 界面の画分を回収し buffer Aに懸濁し、 100000 gで 60分遠心分離を行う。 得られた沈殿を 20 /i g/ml aprotininを含む buffer Aに懸 濁し以下のアツセィに用いる。
(2)レセプターバインディングアツセィ
MultiscreenGVPlate (Miripore)に反応バッファー(50mM Hepes pH7. 4、 12. 5mM齚 酸マグネシウム、 3. 125mM塩化マグネシウム、 0. 125mg/ml BSA)に懸濁した天然リ ガンド: 1- 01eoyl [oleoyl- 9, 10- 3 H] LPAと種々の濃度に希釈した評価化合物(DMS0溶 液)とを添カ卩しする。 30°Cでィンキュベートしたのち上記の手順で調整した膜画分 を添加する。 30°Cでインキュベートしたのち等量の 20%TCAを添カ卩し、 上清を吸引 除去しタンパク質を沈殿させる。 10%TCAで数回洗浄した後、 37°Cで乾燥させた膜 をパンチァゥトし yカウンターで測定する。 評価化合物の代わりに DMS0を用いたコ ントロール値と測定値を比較し、 天然リガンドの結合阻害活性値を求めることがで きる。 また、 評価化合物非存在下における測定値を 1 0 0とし、 これを 50%抑制す る評価化合物の濃度 (IC50値) を求めることができ、 IC50値を、 LPA (18 : 1) と比 較することにより、 阻害活性の強い化合物を選択することができる。 実施例 6
ビアコアを用いたスクリーニング
(1)細胞膜画分の調製
EDG2、 EDG4及び EDG7スクリーニング用安定発現株をフラスコに播種し、 10%FBS ( Gibco) を培地中で 60〜70%コンフルェントになるまで培養する。 細胞を回収し buff er A (50mM HEPES (pH7. 0) , lOmM 2- ME, ImM PMSF, 0. 25M sucrose)に懸濁する。 Pot ter型ホモジェナイザーでホモジナイズ (400rpm、 20ス トローク) したのち、 10000 0 gで 60分遠心分離を行い、 得られた沈殿を再度 buffer Aに懸濁する。 この懸濁液 を 35% (tnass/vol) sucrose in buffer Aの上に重層し 45000 gで 45分遠心分離を行う 。 界面の画分を回収し buffer Aに懸濁し、 100000 gで 60分遠心分離を行う。 得られ た沈殿を 20 ;u g/ml aprotininを含む buffer Aに懸濁し以下のアツセィに用いる。
(2)ビアコアでの結合測定
文献 [Anal Biochem. 1998 Dec 15 ; 265 (2) : 340- 50. Markgren P0 et al. ]に記載 されている一般的な方法を用いる。 上記手順で調整した EDG2、 EDG4及び EDG7発現細 胞膜画分 (例えば 1〜10 μ 8 ) を 10mMの酢酸バッファ一 (pH4) に溶解し、 ビアコ ァのセンサーチップ C M 5の表面のマトリ ックスにカルボキシル基を介して固定化 する。
H B Sバッファー (アマシャム フアルマシア バオテク株式会社製) をセンサ 一チップに 20 / 1 分の流速で流し、 バックグラウンドの値を記録する。 途中から H B Sバッファーに 10 n M〜10 /i Mの濃度で溶解した評価化合物に切り替えて 1分 間流し、 薬剤の結合に伴う値の変化を記録する。 再び、 薬剤を含まない H B Sバッ ファーに切り替え、 結合した薬剤の解離に伴う値の変化を記録する。 結合と解離の 速度、 あるいは最大結合量から評価化合物と EDG2、 EDG4及び EDG7との親和性を計算 する。 親和性を LPAと比較することにより、 親和性の大きい化合物を選択すること ができる。 実施例 7
[3 H] チミジン取り込み量に基づくスクリーニング
実施例 3で調製した EDG2、 EDG4及び EDG7リガンドスクリ一ユング用安定発現株を 9 6穴培養皿に播種し、 10%FBS (Gibco社製) 培地中で翌日無血清培地に交換する 。 24時間後に培地を交換して LPA存在もしくは非存在下に 16時間培養した後、 [ 3 H] チミジンを添加する。 [3 H] チミジン添加より 8時間培養したのちに P B S (PHosphate-buffered saline) で細胞を洗浄し、 細胞に取り込まれた [3 H] チ ミジンを Betaplateフイノレターカウンタシステム (アマシャムフアルマシアバイオ テク) によって測定する。 LPA添カ卩ゥエルでの [ 3 H] チミジン取り込みと LPA非添 加ゥエルでの [3 H] チミジン取り込みの差を LPAによる [3 H] チミジン取り込 み促進量とする。 上記において評価化合物を添加しない場合の [3 H] チミジン取 り込み量を 1 0 0とし、 これを 50%抑制する評価化合物の濃度 (IC50値) を求める ことができる。 尚、 評価化合物は LPA添加直前に添加する。 得られる IC50値が小さ い化合物を、 血糖調節薬候補化合物として選択することができる。
実施例 8
BrdU取り込み量に基づくスクリーニング
実施例 3で調製した EDG2、 EDG4及び EDG7リガンドスクリ一ユング用安定発現株を 無血清 DMEM (Dulbecco' s modi fi ed eagl e medium) に懸濁し、 96穴プレートに播種 する。 24時間後に評価化合物を添加して LPA (3 μ Μ) の存在もしくは非存在下に 16 時間培養した後、 BrdUを添加する。 BrdU添加より 3時間培養し、 Ce l l prol i ferat i on ELISA system (RPN250, Amersham Life Sc i ence)を用いて細胞に取り込まれた Brd Uを 450nmにおける吸光度で測定する。 LPA添加ゥヱルでの BrdU取り込みと LPA非添加 ゥェルでの BrdU取り込みの差を LPAによる BrdU取り込み促進量とする。 上記におい て評価化合物を添加しない場合の BrdU取り込みを 1 0 0とし、 これを 50%抑制する 評価化合物の濃度 (IC50値) を求めることができる。 尚、 評価化合物は LPA添カロ直 前に添加する。 得られる IC5(H直が小さい化合物を、 血糖調節薬候補化合物として選 択することができる。 実施例 9
評価化合物の薬効の確認
雄性 C57BL/6Jマウス (3週齢、 SPF規格、 日本クレア) を予備飼育の後、 4週齢よ り高脂肪含有飼料 (Research Di et社) を与える。 20週間後、 8時間絶食を施し、 評 価化合物を生理食塩水(大塚製薬)に溶解し 0. 5mg/匹で静脈内投与を行う。 溶媒対照 としては生理食塩水(大塚製薬)を用いる。 静脈内投与後速やかに 3g/kgの D-ダルコ ースを経口投与する。 糖負荷前 (0分) 、 糖負荷後 15、 45、 90及び 135分後に尾部静 脈より採血し、 以下の方法により血糖値を測定する。
すなわち 10 1の血液を採取し、 0. 4N過塩素酸水溶液 100 i 1と混和する。 更に 0. 3 7M炭酸カリウム水溶液 50 z lを添加し、 遠心後の上清についてグルコース C I I · テス トヮコー(グルコース定量キッ ト、 ムタロターゼ ' G0D法、 和光純薬)を用いて 血糖ィ直を測定する。
その結果、 評価化合物投与群の糖負荷後 90分後の血糖値は、 生理食塩水投与群と 比較して有意に低い値を示すことが確認できる。
産業上の利用可能性
本発明の LPA作動 GPCR拮抗剤は、 LPAにより抑制されているィンスリン分泌を回復 させる。 また LPAの作用のみを阻害することが期待されるので、 過剰な血糖降下を もたらすことのない安全な耐糖能異常改善薬、 糖尿病治療薬となり得る。