明細書
アミノメチル置換フル才ロチアゾロベンゾィミダゾ一ル誘導体 技術分野
本発明は、医薬として有用な新規なアミノメチル置換フル才ロチアゾロベンゾイミ ダゾール誘導体又はその塩に関する。 背景技術
グルタミン酸は、 ほ乳類の中枢神経系において神経伝達物質として働いている
(Mayer M. L. and Westbrook G. L, Prog. Neurobiol., 28(1987)197-276) 。 最近の硏 究により、グルタミン酸の高次脳神経機能における重要性が明らかにされてきている。 グルタミン酸は神経終末より放出され、 シナプス後膜あるいは神経終末に存在するグ ルタミン酸受容体を介して神経細胞活性あるいは神経伝達物質の放出を調節してい る。 グルタミン酸受容体は、 種々の薬理学的、 生理学的研究から、 現在大きく二つの カテゴリーに分類されている。 その一つはイオンチャネル内蔵型受容体であり、 もう 一つは代謝調節型(メタボトロピック)の受容体である(Hollmann M. and Heinemann S., Annu. Rev. Neuroscに, 17(1994)31-108) 。
分子生物学的研究により、 メタポ卜ロピックダル夕メート受容体 (以下 mGluRと いう場合もある) には、 現在少なくとも mGluRI乃至 mGluR8の異なる 8種類のサ ブタイプが存在することが報告されている。 mGluR は、 Gタンパク質を介してホス ホリパーゼ Cと共役し、 イノシトール 3リン酸 (IP3) の産生、 ならびに細胞内への カルシウムイオンの動員を促進する受容体(グループ I : mGluR1及び mGluR5)と、 G iタンパク質と共役し c A M P産生を抑制する受容体 (グループ I I : mGluR2、 mGluR3、 グループ I I I : mGluR4、 mGluR6、 mGluR7及び mGluR8) とに分類さ れる。 これら受容体は、 それぞれ異なる脳内分布を示し、例えば mGluR6は脳内には 存在せず網膜上にのみ存在するなどそれぞれの受容体が異なる生理的役割を担って いるものと推察されている (Nakanishi S., Neuron 13(1995)1031-1037) 。 これまでイオンチャネル内蔵型グルタミン酸受容体と比較して mGluRに選択的な
化合物が報告されており (Hayashi Y. et al., Br. J. Pharmacol. 107(1992)539-543; Hayashi Y. et al., J. Neurosci. 14(1995)3370-3377)、 これらの化合物を用いた研究に より、 mGluRと種々の病態との関連が以下①乃至⑥に報告されている。
① mGluR作動薬である (1 S , 3 R ) — 1—アミノシクロペンタン一 1, 3—ジカ ルボン酸(以下 (1S,3R)-ACPDという)の投与により、てんかんが誘発される(Tizzano J. P. et aに, Neurosci. Lett., 162(1993)12-16; McDonald J. W. et al., J. Neurosci., 13(1993)4445-4455) 。 さらに、 mGluFMの拮抗薬で、 かつ mGluR2の作動薬である
( S ) - 4 -カルポキシ一 3 -ヒドロキシフエニルダリシン(以下 (S)-CHPGという) の種々のてんかんモデルでの有効性が報告されている (Dalby, N. 0. & Thomsen, C. 丄 Pharmacol. Exp. Ther" 276(1996)516-522) 。
②脊髄後角神経細胞への痛覚刺激の伝達に mGluRの関与することが電気生理学的実 験にょリ証明されている (Young, M. R. et al., Neuropharmacology, 33 (1994)141-144; ibid, 34(1995)1033-1041 ) 。 さらに、 ラッ卜において、 (S)-CHPGに 熱及び機械的痛覚刺激の回避反応を遅くさせる作用があることが報告されている
(Young, M. R. et al., Br. J. Pharmacol., 114(1995)316P) 。
③ (1 S,3R)-ACPDや(R S )— 3, 5 -ジヒドロキシフエニルダリシン(以下 3,5-DHPG という)をマウスゃラッ卜脳実質に微量投与、又は全身投与するとけいれんを伴って、 神経細胞死を引き起こすことが報告されている (Lipartit, M. et al., Life ScL, 52(1993) PL85-90; McDonald,丄 W. et al.,丄 Neurosci" 13(1993)4445-4455; Tizzano, J. P., et al., Neuropharmacology, 34(1995)1063-3067) 。 これは、 mGluRI 及び mGluR5が活性化された結果によると考えられている。
④ベンゾジァゼピンの慢性投与によリ、依存性が形成されることがよく知られている。 ベンゾジァゼピンの 7日間持続投与後の 2日目と 3日目に、(1S,3R)-ACPDの mGluR を介したイノシトール,リン脂質の代謝回転が上昇することが報告され、 ベンゾジァ ゼピンの退薬症候群の発現に m G I u Rが関与していることが示唆されている
(Mortensen, M. et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 274(1995)155-163) 。
⑤ mGluRグループ Iの拮抗薬である 1ーァミノインダン- 1, 5—ジカルボン酸を脳 室内投与することで、 N—メチルー 4—フエ二ルー 1, 2, 3, 6—テ卜ラヒドロピ リジン誘発黒質ドーパミン神経細胞死が抑制されると報告されている (Aguirre, J.A.
et al., Neuroreport. 12 (2001) 2615-2617) 。
⑥ mGluRI の拮抗薬は三叉神経節電気刺激によリ硬膜血管外へ蛋白が漏出すること を抑制することが報告されている (WO0V32632) 。 即ち、 以上の報告は、 mGluFMに作用する化合物が、 てんかん、 痛み、 神経細胞死 の抑制、 ベンゾジァゼピン退薬症候群、 片頭痛に有用であることを示している。 また、 ット脳梗塞モデルにおいて、 mGluRI拮抗剤の有効性を確認していること から、 mGluFTI拮抗剤は脳梗塞の予防 ·治療剤として有用であると考えられる (特許 文献 1 ) 。
更に、 mGluRI拮抗剤が神経因性疼痛モデルでの痛覚閾値の低下を改善することが 確認されたことから、 帯状疱疹後神経痛、 糖尿病性神経障害に伴う疼痛、 癌性疼痛、 術後慢性疼痛などの神経因性疼痛の治療剤としても有用である (特許文献 2 ) 。 mGluRI拮抗作用を有する化合物としては、 上記特許文献 1、 2、 3及び特許文献 4において、チアゾロベンゾイミダゾ一ル誘導体が開示されており、特許文献 4には、 チアゾ口べンゾイミダゾールのベンゼン環が臭素及びアミノ基で置換された化合物 が開示されている (実施例 9 0 ) 。 しかしながら、 当該ベンゼン環がフッ素原子及び アミノメチル基で置換された本発明のチアゾロベンゾイミダゾール誘導体は、 これら の文献には具体的な開示がない。
また、 上記特許文献 1、 3及び 4に開示されたチアゾロベンゾイミダゾール誘導体 は、非経口投与が主要な投与形態である脳梗塞を主要な適応症として見いだされた化 合物であつたため、 経口活性が充分でない等の問題があつた。
一方、 特許文献 2には、 チアゾロベンゾイミダゾール環のベンゼン環部分にァミノ 基が置換したチアゾロベンゾイミダゾール誘導体が、経口投与で神経因性疼痛の治療 効果を有することが報告されている。
しかしながら、 これらの化合物はベンゼン環上にアミノ基 (ァニリン性ァミノ基) を有する化学構造により、 安全性に問題があった。
【特許文献 1】
P C T国際公開パンフレツ卜 W0 9 9 / 4 4 6 3 9
' 【特許文献 2】
P C T国際公開パンフレツ卜 WO O 1 / 0 8 7 0 5
【特許文献 3】
P C T国際公開パンフレツ卜 WO O 0 / 5 9 9 1 3
【特許文献 4】
特開 2 0 0 0 - 3 5 1 7 8 2号公報 発明の開示
本発明の目的は、優れた経口活性を有するメタボ卜ロピックダル夕メー卜受容体拮 抗剤として、臨床上有用な新規なァミノメチル置換フルォロチアゾ口べンゾィミダゾ ール誘導体及びその塩を提供することである。
また、 上記特許文献 2の化合物は経口活性を有するものの、 遺伝子突然変異誘 発性を有することが当社の研究により確認されている。 この遺伝子突然変異誘発 性は、 ァニリン性アミノ基を有する構造上の特徴により発現していると考えられ、ァ 二リン性ァミノ基を有する化合物は経口活性を有するものでも発癌性を有する可能 性があリ医薬品として臨床に用いることができないという欠点があつた。
このため、 ァニリン性アミノ基を有さず、 かつ経口活性が優れた化合物が必要であ つた。 しかしながら、 特許文献 1、 3、 4に示されたァニリン性アミノ基を有さない 化合物の活性は充分ではなかった。
本発明者らは上記の課題を達成すベく鋭意研究を行つたところ、チアゾロベンゾィ ミダゾール誘導体のベンゼン環がフッ素原子及び置換アミノメチルで置換され、ァニ リン性ァミノ基を置換基として有さないチアゾロベンゾイミダゾール誘導体、特に当 該ベンゼン環がフッ素及び含酸素へテロ環を有するアミノメチル置換チアゾロベン ゾィミダゾール誘導体が、従来知られていたフッ素原子が置換されていな L、特許文献 1 、 3、 4に記載のチアゾロベンゾイミダゾール誘導体に比べ、 メタボ卜ロピックグ ル夕メート受容体に良好な活性を有し、 発癌性を有する危険がなく、 かつ優れた経口 活性、 特に神経の圧迫による神経因性疼痛に対して、 優れた経口活性を有する予想外 の効果を見出し本発明を完成させるに至った。 即ち、 本発明は下記一般式 ( I ) で示されるアミノメチル置換フル才ロチアゾ口べ
ンゾイミダゾ一ル誘導体又はその塩、 及びそれらを有効成分とする医薬に関する。 具体的には、 以下に示す通りである。
(1 ) 下記一般式 ( I ) で示されるアミノメチル置換フル才ロチアゾロベンゾイミダ ゾール誘導体又はその塩。
(ここに、 式中の記号は、 以下の意味を表す。
1 :置換されてもよい含酸素飽和へテロ環一、 置換されてもよい含硫黄飽和へテロ 環—、 置換されてもよいシクロアルキル、 R6— O—、 又は R7— S—
Alk1:低級アルキレン
m:0又は 1
Alk2:才キソ基で置換されてもよい低級アルキレン
n : 0又は 1
X:結合、 0、 S、 又は N R5
R3: H、低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、 置換されてもよいシクロアルキル、 シァノ、 又は飽和へテロ環一
R2、 R4、 R5、 R 6及び R 7:同一又は異なって、 H、 又は、 低級アルキル)
(2) —般式 ( I ) において、 R1がォキセタン一又はジ才キソラン一、 R2が H、 R 3がネオペンチル、 Xが結合、 R 4がメチル、 Alk1 がメチレン、 及び nが 0である、 前記 '( 1 ) 記載の誘導体又はその塩。
(3) 5 _フル才ロ— N—メチルー N—ネ才ペンチル— 6— [(才キセタン— 3—ィ ルァミノ) メチル] チアゾロ [3, 2 -a] ベンゾイミダゾール— 2—カルボキサミ ド;
6- {[(1 , 3—ジ才キソラン一 2—ィルメチル) ァミノ] メチル }一 5—フル才ロ —N—メチル—N—ネオペンチルチアゾロ [3, 2— a] ベンゾイミダゾ一ルー 2— カルボキサミド;又はその塩。
(4) 前記 (1 ) 乃至 (3) 記載のアミノメチル置換フル才ロチアゾロベンゾイミダ ゾ一ル誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬組成物。
(5) 前記 (1 ) 乃至 (3) 記載のアミノメチル置換フルォロチアゾロベンゾイミダ ゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする神経因性疼痛治療 剤。
(6) 前記 (1 ) 乃至 (3) 記載のアミノメチル置換フル才ロチアゾロベンゾイミダ ゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩及び担体からなる医薬組成物の有効 量を患者に投与することによる神経因性疼痛の治療方法。
好ましくは、 前記 (1 ) 乃至 (3) 記載のアミノメチル置換フル才ロチアゾロベン ゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする神経の圧 迫により生ずる神経因性疼痛治療剤、 更に好ましくは、 遺伝子突然変異誘発性のない 前記 (1 ) 乃至 (3) 記載のアミノメチル置換フル才ロチアゾロベンゾイミダゾール 誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする神経因性疼痛治療剤であ る。
本発明は更に、 上記 (1 ) 乃至 (3) 記載のアミノメチル置換フル才ロチアゾ口べ ンゾイミダゾール誘導体又はその塩を有効成分として含有する mGluRI 受容体拮抗 剤に関する。 発明の実施の形態
本発明化合物についてさらに説明すると、 次の通りである。
本明細書の一般式の定義において、 特に断らない限り 「低級」なる用語は炭素数が 1乃至 6個の直鎖 は分岐 の炭素鎖を意味する。
「低級アルキル」 とは、 C 1-6アルキルであり、 好ましくはメチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 t一プチルなどの直鎖又は分枝の C 1-4アルキル、 さ らに好ましくは C 1-3アルキルである。
「低級アルキレン J とは、 C 1-6アルキレンであり、 好ましくはメチレン、 ェ チレン、 メチルメチレン、 卜リメチレン、 プロピレン、 ェチルエチレン、 テ卜 ラブチレンなどの直鎖または分枝 C 1-4アルキレン、 さらに好ましくは C 1-3ァ ルキレンである。
才キソ基で置換された低級アルキレンとは、 上記低級アルキレンの任意の炭 素原子に才キソ基が置換した基を意味し、 好ましくは、 — C H2— C (0) ―、 一 C (0) 一 CH2 -、 - C H 2 - C (0) 一 CH2 -、 一 ( C H 2) 2 - C (0) 一、 — C (0) 一 (C H 2) 2—である。
「低級アルケニル J とは、 C 2-6アルケニルであリ、 好ましくはビニル、 プロ ベニル、 プテニルなどの直鎖又は分枝の C 2.4アルケニルさらに好ましくは C 2-3アルケニルである。
「低級アルキニル」 とは、 C 2-6アルキニルであり、 好ましくはェチニル、 プ 口ピニル、プチニルなどの直鎖又は分枝の C 2-4アルキニルさらに好ましくは C 2_3アルキニルである。
「ハロゲン」 とは、 ハロゲン原子を意味し、 例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素 原子を意味する。
「八ロゲノ低級アルキル」 とは、 前記低級アルキルの任意の 1以上の水素原子が上 記ハロゲン原子によって置換された基を意味し、 卜リフル才ロメチルが好ましい。
Γシクロアルキル」 とは、 3~8員のシクロアルキルを意味し、 好ましくはシクロ プロピル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチル等である。
「飽和へテロ環-! とは、 窒素原子、 酸素原子又は硫黄原子から選択されるへテロ原 子 1乃至 4個を含む 3〜8員飽和へテロ環を意味し、 ピロリジン、 ピぺリジン、 ピぺ ラジン、 ホモピぺラジン、 イミダゾリジン、 モルホリン、 チ才モルホリン、 才キシラ ン、 才キセタン、 チェタン、 テトラヒドロフラン、 テ卜ラヒドロピラン、 [1, 3] ジ才キソラン、 [ 4] ジ才キサン、 テ卜ラヒドロチ才フェン、 [1, 4] ジチア ン、 へキサヒドロアゼピン、 へキサヒドローピロ口 [2, 1一 c] [1, 4] 才キサ ジン等が挙げられる。
「含酸素飽和へテロ環」 とは、 上記飽和へテロ環のうち、 環中のへテロ原子として 必ず酸素原子を含む飽和へテロ環を意味する。 即ち、 1乃至 3個の酸素原子の他に、 窒素原子又は硫黄原子を 1乃至 2個を含んでいてもよい 3〜 8員飽和へテロ環を意 味する。 好ましくは、 4〜 6員飽和へテロ環であり、 更に好ましくは才キセタン、 テ 卜ラヒドロフラン、 1, 3—ジォキソラン、テ卜ラヒドロピラン、モルホリンである。
「含硫黄飽和へテロ環」 とは、 上記飽和へテロ環のうち、 環中のへテロ原子として 必ず硫黄原子を含む飽和へテロ環を意味する。 即ち、 1乃至 3個の硫黄原子の他に、 窒素原子又は酸素原子を 1乃至 2個を含んでいてもよい 3〜8員飽和へテロ環を意 味する。 好ましくは、 4 ~ 6員飽和へテロ環であり、 更に好ましくはチェタン、 1, 3—ジチ才ラン、 テ卜ラヒドロチ才フェン、 チアゾリジン、 チ才モルホリンである。 置換されてもよい含酸素飽和へテロ環、 置換されてもよい含硫黄飽和へテロ環、 置 換されてもよいシクロアルキルは、環上の任意の炭素原子又はへテロ原子に 1乃至 3 個の置換基を有していてもよい。
置換基は、 置換される基の当該分野で慣用される通常の置換基を意味するが、 最も 好ましい置換基としては、ハロゲン、シァノ、ハロゲン低級アルキル、低級アルキル、 O H、 低級アルキル一 0—、 才キソ、 低級アルキル一 C (0) 一、 カルボキシル、 低 級アルキル— 0— C (0) 一、 低級アルキル一 O—低級アルキル—、 ニトロ、 1又は 2個の低級アルキルで置換されていてもよいアミノ等が挙げられる。
本発明化合物は基の種類によっては、 光学異性体(光学活性体、 ジァステレオマー 等) が存在する。 また、 本発明化合物はアミド結合や、 二重結合を有する化合物もあ リ、 互変異性体や幾何異性体も存在する。 本発明には、 これらの異性体の分離された もの、 あるいは混合物を包含する。
本発明化合物は酸又は塩基と塩を形成する。 酸との塩としては塩酸、 臭化水素酸、 ヨウ化水素酸、 硫酸、 硝酸、 リン酸等の鉱酸等の無機酸や、 ギ酸、 酢酸、 プロピオン 酸、 シユウ酸、 マロン酸、 コハク酸、 フマール酸、 マレイン酸、 乳酸、 リンゴ酸、 ク ェン酸、 酒石酸、 炭酸、 ピクリン酸、 メタンスルホン酸、 エタンスルホン酸、 グルタ ミン酸等の有機酸との酸付加塩を挙げることができる。
塩基との塩としてはナトリウム、 カリウム、 マグネシウム、 カルシウム、 アルミ二 ゥ厶等の無機塩基、 メチルァミン、 ェチルァミン、 メダルミン、 エタノールアミン等 の有機塩基又はリジン、 アルギニン、 オル二チン等の塩基性アミノ酸との塩やアンモ ニゥ厶塩が挙げられる。 さらに、 本発明化合物は水和物、 エタノール等との溶媒和物 や結晶多形を形成することができる。 更に本発明化合物には、 薬理学的に許容されるプロドラッグも含まれる。 本発明化
合物の薬理学的に許容されるプロドラッグを形成する基としては、 Prog. Med. 5:2157-2161 (1985)に記載されている基や、 広川書店 1 990年刊 「医薬品の開発」 第 7巻 分子設計 1 63頁から 1 98頁に記載されている基が挙げられる。具体的に は、 加水分解、 加溶媒分解により又は生理学的条件の下で本発明の 1級ァミン、 又は 2級ァミン、 OH、 C 00 H等に変換できる基であり、 例としては OH基のプロドラ ッグとしては、 例えば一 OC (O) —置換されてもよい低級アルキレン— C (O) 0 R (Rは H又は低級アルキルを示す、 以下同様) 、 — OC (0) 一置換されてもよい 低級アルケニレン一 C (O) OR、 -OC (O) 一置換されてもよいァリール、 一 0 C (O) 一低級アルキレン- 0—低級アルキレン— C (0) OR、 — OC (O) 一 C (O) R、 一 OC (O) —置換されてもよい低級アルキル、 一 OS 02—置換されて もよい低級アルキレン— C (0) 0R、 一 0—フタリジル、 5—メチルー 1、 3—ジ ォキソレン一 2—オン一 4—ィルーメチルォキシ等が挙げられる。 製造法
本発明化合物 ( 1 ) は、 以下の製法により製造できる。
本明細書中、 一般製法、 参考例、 実施例および表中の略語は以下の意味を示す。 DM F:ジメチルホルムアミド、 DM S 0 ··ジメチルスルホキシド、 THF :テ卜ラ ヒドロフラン
製法 4
製法 7
(I)
以下に、 各製法について説明する。
製法 1 : 4一アミノー 5—プロモー 2—フル才ロ _ 3—ニトロ安息香酸誘導体の製造
ニトロ化
工程 3
(V) (V I— a)
(式中 R 8は水素または低級アルキル、 R9ttC B r、 Iを示す。 )
製法 1はァニリン誘導体から二卜ロアニリン誘導体の製造法である。
工程 1はベンゼン環のハロゲン化である。 すなわち ( I I ) を四塩化炭素、 クロ口 ホルム、 塩化メチレン、 4一ジ才キサン、 DMF、 DMSO、 メタノール、 酢酸 等の溶媒中、 臭素、 臭化水素、 テ卜ラプチルアンモニゥ厶卜リブロミド等のアンモニ ゥ厶錯体、 N—プロモスクシンイミド、 塩素、 N—クロロスクシンイミド等のハロゲ ン化剤と氷冷から加温条件で反応させることで ( I I I ) を製造できる。
工程 2はァミノ基のァシル化である。すなわち( I I I )を TH F、クロ口木ル厶、 ジェチルエーテル、 DMF、 ァセ卜二卜リル等の不活性溶媒中、 またはピリジン等の 活性溶媒中、 酸八ライド、 酸無水物、 活性エステル等のァシル化剤と、 低温から加温 条件で反応させることで ( I V) を製造できる。
工程 3はベンゼン環の二卜口化である。すなわち( I V)を硫酸、酢酸等の溶媒中、 硝酸、 硝酸カリウム、 硝酸ァセチル等のニトロ化剤と、 または硝酸を溶媒に用いて、 低温から室温条件で、 さらに必要に応じて加温条件で反応させることで(V) を製造 できる。 また、 トルエン、 ァセトニ卜リル、 TH F、 スルホラン等の不活性溶媒中、 二卜ロニゥ厶テ卜ラフル才ロボレ一卜等のニトロ化剤を用いて、低温から室温条件で、 さらに必要に応じて加温条件で反応させることでも (V) を製造できる。
工程 4は加水分解による脱ァシル反応である。 すなわち (V) を酸性条件あるいは アルカリ性条件下で加水分解反応させることで (V I — a) を製造できる。 酸性条件 の場合は、 硫酸、 塩酸、 酢酸等を用いて、 またアルカリ性条件の場合は、 水酸化ナ卜 リウ厶、 水酸化カリウム、 炭酸カリウム等を用いて、 メタノール、 エタノール、 TH
F、 ァセ卜二卜リル、 水等の溶媒、 それらの混合溶媒、 または無溶媒で、 室温から加 温条件で反応を行う。 製法 2: 4—アミノー 2—フルオロー 5—二卜口安息香酸誘導体の製造
R800 〔Ν02 ィプソ反応
(V I I ) (V I - b)
製法 2はフル才ロベンゼン誘導体からィプソ反応によるアミノベンゼン誘導体の 製造法である。 すなわち (V I I ) をエタノール、 イソプロパノール等のアルコール 系溶媒、 DMF、 DMSO、 水等の溶媒中、 塩化アンモニゥ厶等のアミン供与剤また はアンモニアと室温から加温条件で反応させることで (V I— b) を製造できる。 製法 3 :チォキソベンゾイミダゾール環の製造
R 00し γγΝ02 一還元 -
FKTNH2 工程
(V I ) (V I I I ) ( I X)
製法 2は二卜ロアニリン誘導体からチ才キソベンゾィミダゾール環の製造法であ る。
工程〗は還元反応である。 すなわち (V I ) をメタノール、 エタノール、 DMF等の 不活性溶媒中、 水素雰囲気下、 またはギ酸アンモニゥ厶等の水素供与剤の存在下に、 パラジウム等の金属角虫媒を用いて接触還元反応することで(V I I 门を製造できる。 また、 R 9が水素の場合には、 酢酸、 塩酸、 塩化アンモニゥ厶等の酸性条件下、 鉄、 塩化第一スズ等を用いて反応するか、 あるいは、 水およびメタノール、 エタノール、 THF等の混合溶媒中、 ヒドロサルファイトナトリウム等の還元剤を用いて、 室温か ら加温条件で反応させることでも (V I I I ) を製造できる。
工程 2はチォキソベンゾイミダゾール環の環化反応である。 すなわち (V I I I ) をメタノール、 エタノール、 DM F等の不活性溶媒中、 卜リエチルァミン等の塩基存 在あるいは非存在下、 二硫化炭素、 1, 1 ' —チ才カルボニルジイミダゾール、 チ才 炭酸エステル等と反応させることで ( I X) を製造できる。
さらに、 工程 1において接触還元反応を行った場合は、 引き続き工程 2を行うことも
できる ( 製法 4 :チアゾロベンゾイミダゾール環の製造
製法 4はチォキソベンゾイミダゾール環からチアゾロベンゾイミダゾ一ル環の製 造法である。
工程 1はアルキル化反応である。 すなわち ( I X ) と a—八口酢酸誘導体とをエタ ノール、 メタノール等のアルコール系溶媒、 あるいは D M F、 T H F、 ァセ卜ニ卜リ ル等の不活性溶媒中、 ナ卜リウ厶メトキシド、 ナトリウムェ卜キシド、 水酸^ナ卜リ ゥ厶、 水酸化カリウム、 水素化ナトリウム、 炭酸カリウム、 炭酸水素ナトリウム等の 塩基存在または非存在下、 室温から加温条件にて反応させることで (X) を製造でき る。
工程 2は環化反応である。 すなわち (X) とギ酸エステル、 ギ酸無水物等のホルミ ル化剤とをエタノール、メタノール等のアルコール系溶媒、あるいは D M F、丁 H F、 ァセトニトリル等の不活性溶媒中、 ナトリウムェ卜キシド、 カリウムエトキシド、 水 酸化ナトリウム、 水素化ナトリウム、 ピリジン、 卜リエチルァミン等の塩基条件下、 室温から加温条件にて反応させることで (X I ) を製造できる。 この (X I ) は溶液 状態では式 1の平衡状態をとることもある。
(式 1 )
工程 3はジヒドロチアゾロベンゾイミダゾール環の異性化反応である。 すなわち (X I ) を溶液または懸濁液状態で式 1に示す平衡混合物とした後、 これを塩酸、 硫酸、 酢酸、 トリフル才ロ酢酸等の酸性条件で処理することで (X I I ) を析出させること ができる。
工程 4はジヒドロチアゾロベンゾィミダゾール環からチアゾロベンゾィミダゾール 環への脱水反応である。 すなわち (X I I ) を濃硫酸、 酢酸、 トリフル才ロ酢酸等の 酸と室温から加温条件にて反応させることで (X I I I ) を製造できる。 また、 卜ル ェン、 ベンゼン等の不活性溶媒中、 p—トルエンスルホン酸、 カンファースルホン酸 等の酸性条件下、 必要に応じてモレギュラーシーブス等の脱水剤の存在下または、 Dean-Stark脱水装置等での脱水反応条件下、 室温から加温条件にて反応させること でも (X I I I ) を製造できる。 製法 5 :カルボン酸の還元
製法 5は通常のカルボン酸の還元によるアルコール体の製造法である。 すなわち
(X I I I -a)を酸ハライド、酸無水物、活性エステル等の反応活性体へと誘導し、 これを水素化ホウ素ナ卜リゥ厶、水素化ホウ素テ卜ラプチルアンモニゥ厶等のホウ酸 塩と反応させることで (X I V) を製造できる。
製法 6 :エステルの加水分解
製法 6はエステルの加水分解である。 すなわち (X I V) を酸性条件あるいはアル 力リ性条件下で加水分解反応させることで(XV)を製造できる。酸性条件の場合は、 硫酸、 塩酸、 酢酸等を用いて、 またアルカリ性条件の場合は、 水酸化ナトリウム、 水 酸化カリウム、 炭酸カリウム等を用いて、 メタノール、 エタノール、 TH F、 ァセト 二卜リル、 水等の溶媒、 それらの混合溶媒、 または無溶媒で、 室温から加温条件で反 応を行う。 製法 7 :アミド化 k2)n_X-R
製法 7はカルボン酸の通常のアミド化反応である。 すなわち (XV) を DMF、 T H F、 1, 2—ジクロロェタン、 クロ口ホルム等の不活性溶媒中、 ジシクロへキシル カルポジイミド、 1—ェチルー 3—(3—ジメチルァ.ミノプロピル)カルボジイミド、 ジフエニルホスホリル卜リアジド、 1 , 1 ' 一カルボ二ルー 1 H—^ Tミダゾール、 1 ーヒドロキシベンゾトリアゾール等の縮合剤により活性化し、 この活性体と対応する ァミンとを反応させることで (XV I ) を製造できる。 カルボン酸の活性化として、 塩化チ才ニルゃ才キザリルクロリド等による酸塩化物法、 酸無水物法、 才キシ塩化リ ン等による活性リン酸エステル法等も用いることが出来る。 製法 8 :アルコールの酸化
-X-R
3
製法 8はアルコールのアルデヒドへの酸化反応である。 すなわち (XV I ) を DM SOを溶媒に用いて、 三酸化硫黄 ·ピリジン錯体と氷冷から室温条件で反応させるこ とで (XV I I ) を製造できる。 また SWERN酸化、 クロ厶酸酸化、 過マンガン酸 酸化等の通常の酸化反応でも (XV I I ) を製造できる。 製法 9 :還元的ァミノ化 — X— R
3
(XV I I ) から ( I ) は通常の還元的ァミノ化反応である。 すなわち (XV I I ) を、 塩化メチレン、 1 2—ジクロロェタン、 クロ口木ル厶、 THF、 メタノール、 エタノール等の溶媒中、 必要に応じて酢酸、 塩酸等の酸触媒、 またはチタニウムテ卜 ライソプロボキシド等のルイス酸存在下、対応するァミンと卜リアセ卜キシ水素化ホ ゥ素ナ卜リウ厶、 シァノ水素化ホウ素ナ卜リウ厶、 水素化ホウ素ナ卜リウ厶等の還元 剤を用いて反応させることで ( I ) を製造できる。 ( I ) は (X V I I ) と対応する ァミンとをトルエン、 ベンゼン等の不活性溶媒中、 必要に応じてモレキュラーシープ ス等の脱水剤、 または D e a n-S t a r k脱水装置等での脱水反応条件下、 室温か ら加温条件下で反応させィミンとし、 これをメタノール、 エタノール等の溶媒中、 ま たは上記反応溶媒との混合溶媒中、水素化ホウ素ナ卜リウ厶等の還元剤で処理するこ とでも製造できる。 また上記還元剤を用いる代わりに通常の接触還元条件、 具体的に は水素雰囲気下、 パラジウム等の金属触媒を用いても ( I ) を製造できる。 水酸基、 アミノ基およびエステル基等の一般的な保護基等については、 PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS. THEODORA W. GREENE and PETER G. M. WUTS著に詳細に記載されておリ、 この文献の開示は本明細書に組み
込まれる。 なお、上記製造法は式中の置換基に限定されるものではなく本発明化合物が同様の 置換基を有する場合や反応基質と反応試剤が逆の場合にも広く適用される。
このようにして製造された本発明化合物は、 遊離のまま、 あるいはその塩として単 離-精製される。
単離,精製は、 抽出、 濃縮、 留去、 結晶化、 濾過、 再結晶、 各種クロマ卜グラフィ 一等の通常の化学操作を適用して行われる。
各種の異性体は、 適当な原料化合物を選択することにより、 あるいは異性体間の物 理的性質の差を利用して分離することができる。 例えば、 光学異性体は、 適当な原料 を選択することにより、 あるいはラセミ化合物のラセミ分割法 (例えば、 一般的な光 学活性な塩基とのジァステレオマー塩に導き、 光学分割する方法等) により立体化学 的に純粋な異性体に導くことができる。 本発明化合物又はその塩の 1種又は 2種以上を有効成分として含有する製剤は、通 常製剤化に用いられる担体ゃ賦形剤、 その他の添加剤を用いて調製される。
製剤用の担体ゃ賦形剤としては、 固体又は液体いずれでも良く、 例えば乳糖、 ステ アリン酸マグネシウム、スターチ、 タルク、 ゼラチン、 寒天、 ぺクチン、 アラビアゴ 厶、 才リーブ油、 ゴマ油、 カカオバタ一、 エチレングリコール等やその他常用のもの が挙げられる。
投与は錠剤、 丸剤、 カプセル剤、 顆粒剤、 散剤、 液剤等による経口投与、 あるいは 静注、 筋注等の注射剤、 坐剤、 経皮等による非経口投与のいずれの形態であってもよ い。 投与量は症状、 投与対象の年齢、 性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定 されるが、 通常成人 1人当たり、 1 日につき 1〜1, 0 0 O m g、 好ましくは 5 0〜 2 O O m gの範囲で 1 日 1回から数回に分け経口投与されるか又は成人 1人当たり、 Ί 日につき 1〜5 0 O m gの範囲で、 1 日 1回から数回に分け静脈内投与されるか、 又は、 1日 1時間〜 2 4時間の範囲で静脈内持続投与される。 もちろん前記したよう に、投与量は種々の条件で変動するので、 上記投与量範囲より少ない量で十分な場合 もある。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、 錠剤、 散剤、 顆粒剤等が用い られる。 このような固体組成物においては、 一つまたはそれ以上の活性物質が、 少な くとも一つの不活性な希釈剤、 例えば乳糖、 マンニトール、 ブドウ糖、 ヒドロキシプ 口ピルセルロース、 微結晶セルロース、 デンプン、 ポリビニルピロリドン、 メタケイ 酸アルミン酸マグネシウムと混合される。 組成物は、 常法に従って、 不活性な希釈剤 以外の添加剤、 例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤や、 デンプン、 繊維 素ダルコール酸カルシウムのような崩壊剤、 ラク卜ースのような安定化剤、 ダルタミ ン酸又はァスパラギン酸のような溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は 必要によリショ糖、 ゼラチン、 ヒドロキシプロピルセルロース、 ヒドロキシプロピル メチルセルロースフタレー卜等の糖衣又は胃溶性あるいは腸溶性物質のフイルムで 被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、 薬剤的に許容される乳濁剤、 溶液剤、 懸濁剤、 シ ロップ剤、 エリキシル剤等を含み、 一般的に用いられる不活性な希釈剤、 例えば精製 水、 エタノールを含む。 この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、 懸濁剤のような 補助剤、 甘味剤、 風味剤、 芳香剤、 防腐剤を含有していてもよい。 非経口投与のための注射剤としては、 無菌の水性又は非水性の溶液剤、 懸濁剤、 乳 濁剤を包含する。 水性の溶液剤、 懸濁剤としては、 例えば注射用蒸留水及び生理食塩 水が含まれる。 非水溶性の溶液剤、 懸濁剤としては、 例えばプロピレングリコール、 ポリエチレングリコール、 才リーブ油のような植物油、 エタノールのようなアルコー ル類、 ポリソルベー卜 8 0等がある。 このような組成物はさらに防腐剤、 湿潤剤、 乳 化剤、 分散剤、 安定化剤 (例えば、 ラク卜ース) 、 溶解補助剤 (例えば、 グルタミン 酸、 ァスパラギン酸) のような補助剤を含んでいてもよい。 これらは例えばパクテリ ァ保留フィルターを通す濾過、 殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。 た、 これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解し て使用することもできる。 実施例
次に、 実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、 本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。 尚、 実施例で用いられる原料化合物の製造方法を参考例と して説明する。 (以下に用いている略号は以下の意味を示す。 )
1H-NMR; 1H-核磁気共鳴スぺクトル (重ジメチルスルホキシド(以下 D M S 0— d 6)、 重クロ口ホルム(以下 C D C I 3 )または重メタノール(以下 CD30D)を測定溶媒、 テ卜ラメチルシランを内部標準に用い、 3 0 O M H zまたは 4 0 O M H zで測定し、 化学シフ を p P mで示した。 br: broad s; singlets d; doublet t; triplet q; quartetv m; multiplet)
MS;質量分析 (FAB+:陽イオン高速原子衝撃質量分析法、 FAB-:陰イオン高速原 子衝撃質量分析法、 ES+:陽イオンエレクトロスプレーイオン化法、 ES- :陰イオン エレクトロスプレーイオンィ匕法。 M :分子量)
Ex;実施例番号
精製に用いたカラ厶クロマ卜は充填剤にシリカゲルを用いた。 参考例 1
4ーァミノ— 5—プロモー 2—フルォロ安息香酸ェチル
4一アミノー 2—フル才ロ安息香酸ェチル (10.0g)のクロ口ホルム (200ml)溶液に氷 冷中テ卜ラブチルアンモニゥ厶卜リブロミド (27.7 g )のクロ口ホルム (60ml)溶液を 5 0分間かけて滴下した。 終了後、 反応溶液を減圧濃縮したのち、 残渣を酢酸ェチルで 抽出した。 有機層を 1 0 %クェン酸水溶液、 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、 飽和食 塩水の順に洗浄後、 無水硫酸ナ卜リウ厶で乾燥し、 減圧下濃縮した。 結晶化した残渣 をへキサン (50ml)と酢酸ェチル (10ml)で再結晶し、 濾取したのちへキサンと酢酸ェチ ルの混合溶媒 (混合比 10:1)で洗浄した。 ίίられた結晶を 5 0 °C中加温下減圧乾燥する 搴により表題化合物 (10.1g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);1.27(t,3H),4.23(q,2H),6.43(br,2H),6.55(d,1 H),7.82(d,1 H) 参考例 2
4一 (ァセチルァミノ) 一 5—ブロモ—2—フル才ロ安息香酸ェチル
参考例 1のィヒ合物 (128.27g)の T H F (800ml)溶液に氷冷中塩化ァセチル (104.4ml)
を加え、 室温中一昼夜攪拌した。 終了後、 反応溶液を減圧下濃縮したのち、 酢酸ェチ ルで抽出した。 有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、 飽和食塩水で洗浄後、 無水 硫酸ナトリウムで乾燥し、 減圧下濃縮した。 結晶化した残遣に酢酸ェチル (200ml)を 加え、 加熱還流して溶解させたのちへキサン (250ml)を加えて結晶化させた。 析出し た結晶を濾取し、 へキサンと酢酸ェチルの混合溶媒 (混合比 3:1)で洗浄した。 得られ た結晶を 5 0 °C中加温下減圧乾燥する事によリ表題化合物 (140.5g)を得た。
H-NMR(DMSO-d6);1 .31 (t,3H)l2.18(s,3H)I4.31 (q)2H),7.92(d,1 H),8.07(d,1 H),9.57(br,1 H) , 参考例 3
4— (ァセチルァミノ) 一 5—プロモ—2—フルオロー 3—二卜口安息香酸ェチル 参考例 2の化合物 (125.5g)の濃硫酸 (800ml)溶液を、塩化ナ卜リゥ厶-氷水浴中冷却 し、 メカニカルスターラーで攪拌中発煙硝酸 (342ml)を 2時間かけて滴下した。 滴下 終了後、 塩化ナトリウム一氷水浴中 6時間半攪拌した。 終了後、 反応溶液を氷水 (8L) に注ぎ込み、 5°Cで Ί昼夜攪拌した。攪拌後不溶物を濾取して水で洗浄したのち、 T H Fと酢酸ェチルを用いて溶解させた。溶液を無水硫酸ナ卜リゥ厶を用いて乾燥したの ち、減圧濃縮した。残渣に酢酸ェチル (400ml)を加え、加熱還流して溶解させたのち、 へキサン (400ml)を加えて結晶化させた。 析出した結晶を濾取し、 へキサンと酢酸ェ チルの混合溶媒 (混合比 3:1)で洗浄した。 得られた結晶を 5 0 °C中加温下減圧乾燥す る事によリ表題化合物 (70.6g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);1.33(t,3H),2.08(s,3H),4.36(q,2H),8.38(d,1 H),10.50(br,1 H) 参考例 4
4一アミノー 5—プロモー 2—フルオロー 3—二卜口安息香酸
参考例 3の化合物 (88.4g)を濃塩酸と酢酸の混合溶媒 (混合比 1 :1、 1 L)に溶解させた のち、 1 0 0 °Cの油浴中一昼夜攪拌した。 終了後、 反応溶液を氷冷したのち氷水 (4L) に注ぎ込んだ。 析出した結晶を濾取し、 水で洗浄したのち、 7 0 °C中加温下減圧乾燥 する事によリ表題化合物 (65.2g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);7.14(br,2H),8.04(cl>1 H)l13.24(br,1 H)
参考例 5
4—フルオロー 2—チ才キソー 2, 3—ジヒドロー 1 H—べンゾイミダゾール— 5— カルボン酸
参考例 4の化合物 (16.7g)のメタノール (300ml)溶液にアルゴン雰囲気下 1 0 %パラ ジゥ厶一炭素 (1.67g)を加え、水素雰囲気下室温で 3時間攪拌した。終了後二硫化炭素 (4.69ml) 卜リエチルァミン (8.35ml)を加え、 3 0 °Cの油浴中 1 4時間攪拌した。 さ らに二硫化炭素 (6.13ml)、 卜リェチルァミン (8.35ml)を加え、 4 0 °Cの油浴中 9時間 半攪拌した。終了後、 反応溶液を濾過したのち、 減圧下濃縮した。 残渣に 1 M塩酸水 溶液 (200ml)を加えたのち、 析出した結晶を濾取した。 結晶を 1 M塩酸水溶液および 水で洗浄し、 6 0 °C中加温下減圧乾燥する事により表題化合物 (11.9g)を得た。
1 H-NMR(DMSO-d6);7.02(d,2H),7.66(dd, 1 H) , 12.99(br, 1 H) , 13.30(br, 1 Η) 参考例 6
2—『 (2—ェ卜キシ— 2—才キソェチル) スルファニル 1一 4一フルオロー 1 Η—べ ンゾイミダゾールー 5—力ルボン酸 臭化水素塩
参考例 5の化合物 (14.7g)の D M F (60ml)溶液にプロモ酢酸ェチル (11.6ml)を加え、 6 0 °Cの油浴中 1時間攪拌した。 終了後、 反応溶液を減圧下濃縮し、 2—ブタノン (200ml)を加えた。 析出した結晶を濾取し、 2—ブタノンで洗浄したのち、 6 0 °C中 加温下減圧乾燥することにより表題化合物 (21.5g)を得た'。
1 H-NMR(DMSO-d6);1.19(t,3H),4.14(q,2H),4.26(s,2H),7.30(d, 1 H),7.63-7.67(m,1 H) 参考例 7
2 - (ェ卜キシカルボニル) —8—フルオロー 3—ヒドロキシー 2, 3—ジヒドロチ ァゾロ [ 3, 2— a ] ベンゾイミダゾールー 7—カルボン酸
参考例 6の化合物 (21.5g)の D M F (160ml)溶液にアルゴン雰囲気下氷冷中ギ酸ェチ ル (45.6ml)を加え、さらに 2 0 %ナ卜リゥ厶ェ卜キシド /エタノール溶液 (111 ml)を 3 0 分かけて滴下した。 滴下終了後 4 0 °Cの湯浴中 2時間半攪拌した。 終了後、 反応混合 物に 1 M塩酸 (227ml)を加え、 減圧下濃縮した。残渣に水 (200ml)を加え、 析出した結 晶を濾取した、 濾取した結晶を水で洗浄したのち、 6 0 °C中加温下減圧乾燥すること
によリ表題化合物 (16.9g)を得た。
MS(ES-);325(M-1) 参考例 8
2— (エトキシカルポニル) —5—フルオロー 3—ヒドロキシー 2, 3—ジヒドロチ ァゾロ [ 3 , 2 - a ] ベンゾイミダゾールー 6—力ルポン酸 塩酸塩
参考例 7の化合物 (16.3g)のエタノ一ル (100ml)懸濁液に、 氷冷中 4 N塩酸/酢酸ェチ ル溶液 (25.0ml)を加えた。反応懸濁液を加温して溶解させたのち、酢酸ェチル (400ml) を加え、 5 °Cで一昼夜攪拌した。 終了後、 析出した結晶を濾取し、 酢酸ェチルで洗浄 したのち、 6 0 °C中加温下減圧乾燥することによリ表題化合物 (15.5g)を得た。
MS(ES-);325(M-1) 参考例 9
2— (ェ卜キシカルポニル) 一 5—フル才ロチアゾロ [ 3, 2— a ] ベンゾイミダゾ 一ルー 6—力ルボン酸 硫酸塩
参考例 8の化合物 (15.5g)を濃硫酸 (50ml)に溶解させ、 4 5 °Cの油浴中 4時間攪拌し た。 終了後、 反応溶液を氷冷したのち、 氷冷した酢酸ェチル (400ml)に分散させた。 析出した結晶を濾取し、 酢酸ェチルで洗浄したのち、 6 0 °C中加温下減圧乾燥するこ とにより表題化合物 (14.5g)を得た。
H-NMR(DMSO-d6);1 ,37(t,3H),4.39(q,2H),7.59(d,1 H),7.87-7.89(m,1 H) 参考例 1 0
5—フルオロー 6— (ヒドロキシメチル) チアゾロ [ 3, 2— a ] ベンゾイミダゾー ルー 2—カルボン酸ェチル
参考例 9の化合物 (14.5g)をァセトニ卜リル (150ml)に懸濁させ、 アルゴン雰囲気下 室温中 1, 1 ' 一カルボキシジイミダゾール (17.4g)を加えた。添加後反応混合物を室 温中 3時間攪拌した。 続いて反応混合物を氷冷したのち、 水素化ホウ素ナトリウム (4.05g)/ 0 . 1 %水酸化ナトリウム水溶液 (20ml)を加え、氷冷中 5時間攪拌、 さらに室 温に昇温後 4時間攪拌した。終了後、 反応懸濁液に濃塩酸 (25.3g)、 水 (230ml)を加え、
3 0分間加熱還流した。 反応懸濁液を氷冷後、 析出した結晶を濾取した。 析出物を水
で洗浄し、 6 0 °C中加温下減圧乾燥することにより表題化合物 (7.97g)を得た。
H-NMR(DMSO-d6);1.32-1 ·37(ΓΠ,3Η) ,4.38^,2Η),4.69(3,2Η) ,5·35((3|·,1 H),7.44-7.48(m, 1 H),7.53(d,1 H),8.79(s,1 H) 参考例 1 1
5—フル才ロ— 6— (ヒドロキシメチル) チアゾロ [ 3, 2 - a ] ベンゾイミダゾー ル— 2—力ルボン酸
参考例 1 0の化合物 (7.95g)を 4 0 %ァセ卜ニトリル水溶液 (100ml)に懸濁させ、 氷 冷中 1 M水酸化ナトリウム水溶液 (32ml)に加え、 室温中 4時間攪拌した。 終了後、 反 応溶液に 1 M塩酸水溶液 (32ml)を加え氷冷し、 析出した結晶を濾取した。 濾取物を水 で洗浄し、 6 0 °C中加温下減圧乾燥することにより表題化合物 (6.49g)を得た。
1H-N R(DMSO-d6);4.69(s,2H),5.34(br,1 H),7.42-7.46(m,1 H),7.50-7.52(m,1 H),8.66(s, 1 H) 参考例 1 2
5—フルオロー 6— (ヒドロキシメチル) 一 N—メチルー N—ネオペンチルチアゾロ
[ 3, 2— a ] ベンゾイミダゾール—2—カルボキサミド
参考例 1 1の化合物 (20.8g)の D M F (350ml)懸濁液に室温中メチルネオペンチルァ ミン塩酸塩 (21.5g)、 卜リエチルァミン (21.7ml)、 Ί—ヒドロキシベンゾ卜リアゾール (13.7g)および 1一 (3—ジメチルァミノプロピル) 一 3—ェチルカルポジイミド塩酸 塩 (29.9g)を加え、 反応混合物を室温中一昼夜攪拌した。終了後、 反応混合物を氷冷中 0 . 5 M水酸化ナトリウム水溶液 (3L)に注ぎ込み、 氷冷中 2時間攪拌した。 不溶物を 濾取し、水で洗浄後、 7 0 C中加温下減圧乾燥することにより表題化合物 (23.3g)を得 た。
1H-NMR(DMSO-d6);0.97(sI9H),3.40-3.46(m,5H)J4.69-4.70(m)2H),5.31 (t,1 H),7.41 -7.4 5(m,1 H),7.50-7.52(m,1 H),8.64(s,1 H) 参考例 1 3
5—フル才ロ— 6—ホルミル— N—メチルー N—ネオペンチルチアゾロ [ 3, 2 - a ] ベンゾイミダゾールー 2一カルボキサミド
参者例 1 2の化合物 (6.92g)の DM S O(100ml)溶液に室温中卜リエチルァミン (11.0ml)および三酸化硫黄 · ピリジン混合物 (15.76g)を徐々に添加し、 反応混合物を 室温中 20分間攪拌した。 終了後、 反応混合物を氷冷中 0. 1 7 M水酸化ナトリウム 水溶液 (1.2L)に加え、 Ί 5分間攪拌した。 反応溶液をクロ口ホルムで抽出し、 有機層 を水、 飽和食塩水で洗浄後、 無水硫酸ナトリウムで乾燥し、 減圧下濃縮した。 結晶化 した残渣をエタノールと酢酸ェチルで再結晶化を行い、 得られた結晶を濾取した。結 晶をエタノールと酢酸ェチルの混合溶媒 (混合比 1 ·· 3)で洗浄したのち、 60°C中加 温下減圧乾燥することにより表題化合物 (3.65g)を得た。さらに再結晶化の母液および 洗浄液を減圧下濃縮し、 残渣をカラムクロマ卜 (溶出液;へキサン次いでへキサン: 酢酸ェチル = 1 0 : 1次いでへキサン:酢酸ェチル = 3 : 2次いでへキサン:酢酸ェ チル =2 : 3) で精製することにより表題化合物 (1.90g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);0.98(s,9H),3.41-3.48(m,5H),7.65-7.67(m,1H),7.80-7.84(m,1H),8. 80(s,1H),10.33(s,1H) 参考例 1 4
4一アミノー 2—フルオロー 5—二卜口安息香酸 アンモニゥ厶塩
2, 4ージフルオロー 5—二卜口安息香酸(26. 29 g) を濃アンモニア水溶液 (500m l ) に溶解し、 反応混合物を室温で 4時間攪拌した。 終了後、 混合物を減 圧下濃縮した。 残渣にエタノールを加えて再度減圧下濃縮した。残渣を水および少量 のエタノールで洗浄後減圧下乾燥することで表題化合物 (26. 38 g) を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);6.65(dI1H),7.62(s,2H),8.47(dJ1H) 參考例 1 5
6—フルオロー 2—チ才キソー 2, 3—ジヒドロー 1 H—べンズイミダゾ一ルー 5— カルボン酸
参考例 1 4の化合物 (4. 38 g) のメタノール (1 00'm I ) 溶液に 6 M塩酸水 (1 Om l ) および含水パラジウムノ炭素 (0. 44 g) を加え、 混合物を常圧水素 雰囲気下室温で 4時間攪拌した。 混合物に卜リエチルァミン (1 1. 1 m l ) および 二硫化炭素 (2. 4m l ) を加え、 これを室温で 3日間攪拌した。 不溶物を濾別し、 メタノールで洗浄後、 濾液を濃縮した。 残渣を水に懸濁後、 Ί M塩酸水により混合物
を酸性へと調整した。 不溶物を濾取し、 水で洗浄後、 メタノールに懸濁させた。 混合 物を減圧下濃縮することで表題化合物 (3. 40 g) を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);7.02(d,1 H),7.54(d,1 H),12.78(s,1 H),12.88(s,1 H),13.06(br,1 H) 参考例 1 6
2 - [(2—エトキシ— 2 -才キソエヂル) スルファニル] 一 6—フルオロー 1 H— ベンズイミダゾールー 5 -力ルボン酸 臭化水素酸塩
参考例 1 5の化合物 (1 0. 65 g) の DMF (I O Om l ) 溶液にブロモ酢酸ェ チル (6. 68m l ) を加え、 混合物を室温で 2時間攪拌した。 終了後、 混合物を減 圧下適当量まで濃縮した。 残渣を 2—ブタノンで希釈した。 析出物を濾取し、 2—プ 夕ノンで洗浄後減圧下乾燥することで表題化合物 (1 7. 08g) を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);1.18(t,3H),4.13(q,2H),4.26(s,1H),7.37(d,1H),7.90(d,1H),7.96(s,1 H) 参考例 1 7
2— (ェ卜キシカルポニル) - 7—フルォロチアゾロ [3, 2 -a] ベンズイミダゾ ール— 6—カルボン酸 硫酸塩
氷浴中、 参考例 1 6の化合物 (1 6. 90g) の DMF (1 50m l ) 溶液にギ酸 ェチル(35. 88m l ) を加えた。 混合物に 20 %ナトリウムエトキシドエタノ一 ル溶液 (87. 36 m I ) を 5 °C以下で加えた後、 これを 50 °Cの油浴中 2時間攪拌 した。 終了後、 氷浴中混合物に 1 M塩酸水溶液 (1 78. 28m l ) を 1 0°C以下で 加え、 減圧下濃縮した。 残渣に水を加え、 不溶物を濾取し、 水で洗浄後減圧下乾燥す ることで 6—フルオロー 3—ヒドロキシ一 2, 3—ジヒドロチアゾロ [3, 2— a] ベンズイミダゾールー 2, 7—ジカルボン酸 (1 2. 49 g、 MS(ES+):327(M+1)) を得た。 氷浴中、 6—フル才ロ— 3—ヒドロキシ— 2, 3—ジヒドロチアゾロ [3, 2— a] ベンズイミダゾール— 2, 7—ジカルボン酸 (1 2. 4 O g) のエタノール
(62m l ) 懸濁液に 4 M塩酸/酢酸ェチル溶液(〗 9m l ) を加えた後、 氷浴を除 き攪拌すると懸濁液から溶液へと変化した。 これに酢酸ェチル(1 55m l ) を加え て 5°Cで一昼夜攪拌した。 析出物を濾取し、 酢酸ェチルで洗浄後減圧下乾燥すること で 2— (ェ卜キシカルボニル) 一 7—フルオロー 3—ヒドロキシ— 2, 3—ジヒドロ
チアゾロ [3, 2— a] ベンズイミダゾール—6—力ルボン酸 塩酸塩 (1 0. 1 2 g) を得た。 次いで 2— (ェ卜キシカルボニル) 一 7—フルオロー 3—ヒドロキシー 2, 3—ジヒドロチアゾロ [3, 2— a]ベンズイミダゾールー 6-カルボン酸(9. 98 g) の濃硫酸(30m l ) 溶液を 30 °Cの油浴中 3時間攪拌した。 終了後、 混合 物を冷酢酸ェチル (500m l ) に注ぎ込んだ。 析出物を濾取し、 酢酸ェチルで洗浄 後減圧下乾燥することで表題化合物 (9. 96 g) を得た。
1H-NMR(80°C,DMSO-d6+CD3OD);1.36(t,3H),4.39(q,2H),7.54(d,1H),8.76(d,1H),9.38( s,1H) 参考例 1 8
7—フルオロー 6— (ヒドロキシメチル) チアゾロ [3, 2— a] ベンズイミダゾー ル— 2—力ルボン酸ェチル
参考例 1 7の化合物(1 1. 84 g)のァセ卜二卜リゾレ( 1 20m l )懸濁液に 1,
1 ' 一カルボキシジイミダゾール (1 4. 1 6 g) を加え、 混合物を室温で 6時間攪 拌した。 混合物に氷浴中水素化ホウ素ナトリウム (3. 30 g) の 0. 1 %水酸化ナ 卜リウ厶水溶液(1 8m I ) を 1 0°C以下で加えて、 5°Cで一昼夜攪拌した。 混合物 に濃塩酸 (1 7. 5m l ) および水 (200m l ) を加えて 2時間加熱還流した。 終 了後反応混合物を氷浴中 2時間攪拌した。 不溶物を濾取し、 水およびァセ卜二卜リル で洗浄後、 減圧下乾燥することで表題化合物 (6. 52 g) を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);1.35(t,3H),4.37(q,2H),4.68(d,2H),5.41(t,1H),7.51(d,1H),8.27(d,1 H),9.45(s,1H) 参考例 Ί 9
7—フル才ロ— 6— (ヒドロキシメチル) チアゾロ [3, 2 - a] ベンズイミダゾ一 ルー 2—力ルボン酸
参考例 1 8の化合物 (6. 40g) のァセ卜二卜リル (50m l ) 懸濁液に水 (3 0m l ) および 1 M水酸化ナ卜リウ厶水溶液 (26. 1 m l ) を加え、 混合物を室温 で 6時間攪拌した。 終了後、 反応混合物に 1 M塩酸水溶液 (26. 1 m l ) を加え、 混合物を室温で 30分間攪拌した。不溶物を濾取し、 水およびァセ卜二トリルで洗浄 後、 減圧下乾燥することで表題化合物 (5. 69 g) を得た。
(( (()(( ;,,,,,0sS8S H1 H93iM065b1.9d2d H.1 H HND4.2.41r748.41H-
参考例 22
4— (ァセチルァミノ) 一 3—フル才ロ安息香酸ェチル
4—アミノー 3—フルォロ安息香酸ェチル(31. 88 g) のピリジン (300m I ) 溶液に無水酢酸 (81. 4m l ) を加え、 混合物を 72時間攪拌した。 これに水 (30m l ) を加えさらに室温で 30分間攪拌した。 終了後、 混合物を減圧下濃縮し た。残渣を酢酸ェチルと水とに分配した。水層を分け、これを酢酸ェチルで抽出した。 集めた有機層を 1 0%クェン酸水溶液、 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽 和食塩水で洗浄後、 無水硫酸マグネシウム乾燥し、 減圧下濃縮した。 残渣を酢酸ェチ ルとへキサンから再結晶することで表題化合物 (30. 24 g) を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);1.32(t,3H),2.15(S,3H),4.30(q,2H),7.71-7.77(m,2H),8.21-8.25(m,1 H),10.01(s,1H) 参考例 23
4- (ァセチルァミノ) 一 3—フル才ロ— 5—ニトロ安息香酸ェチル
氷/食塩水浴中、 参考例 22の化合物 (6. 76 g) の濃硫酸(70m l ) 溶液に 発煙硝酸(1 2. 4m l ) を内温が 0°Cを越えないように徐々に滴下した。 滴下終了 後さらに氷 Z食塩水浴中で 2時間攪拌した。 終了後、 混合物を氷水に注いだ。 析出物 を濾取し、氷水で洗浄後加熱下減圧乾燥することで表題化合物( 5. 84 g )を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);1.34(t,3H),2.11(s,3H),4.37(q,2H),8.14(dd,1H),8.21(t,1H),10.63(s, 1H) 参考例 24
4一アミノー 3—フル才ロ— 5—二卜口安息香酸
参考例 23の化合物 ( 9. 90 g) のエタノール (200m l ) 溶液に 1 M水酸化 ナトリウム水溶液(1 1 0m l ) を加え、 これを 80°Cの油浴中一昼夜攪拌した。 混 合物を室温まで冷却後、 これに 1 M塩酸水溶液 (1 1 0m l ) を加えた。 析出物を濾 取し、 冷水で洗浄後加熱下減圧乾燥することで表題化合物 (4. 87 g) を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);7.77(dd,1H),7.86(s,2H),8.41(t,1H),13.09(s,1H) 参考例 25
7—フルオロー 2—チ才キソー 2, 3—ジヒドロー Ί H—べンズイミダゾール— 5— カルボン酸
参考例 24の化合物 (4. 83 g) のメタノール (1 00m l ) 溶液に含水パラジ ゥ厶 /炭素(241 mg)を加え、混合物を常圧水素雰囲気下室温で 3時間攪拌した。 混合物に二硫化炭素( 2. 1 8m l )を加え、混合物を 60 °C油浴中一昼夜攪拌した。 混合物を濾過し、メタノールで洗净し、ついで濾液を濃縮した。残渣のメタノール( 3 0m I ) 溶液に二硫化炭素 (4. 36m l ) を加えて、 これを 40°C油浴中一昼夜攪 拌した。 混合物に卜リエチルァミン (3. 36m l ) を加えて、 40°C油浴中さらに 1時間攪拌した。 終了後、 反応混合物を減圧下濃縮した。 残渣を水で希釈し、 ついで 1 M塩酸水により酸性へ調整した。 析出物を濾取し、 水で洗浄後減圧下乾燥すること で表題化合物 (4. 93 g) を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);7.53(s,1H),7.53(d,1H), 13.02(s,1H),13.13(br,1H), 13.41 (s,1H) 実施例 1
5—フルオロー N—メチルー N—ネオペンチルー 6— [(才キセタン一 3—ィルアミ ノ) メチル] Π , 3] チアゾロ [3, 2— a] ベンゾイミダゾール—2—カルボキ サミド 1フマル酸塩
参考例 1 2の化合物 (250mg)のジクロロェタン溶液 (15ml)に酢酸 (206 I)、 3—アミ ノ才キセタン塩酸塩 (267mg)、および卜リェチルァミン (301 1)を加え、室温中 2時間 攪拌した。続いて卜リァセトキシ水素化ホウ素ナ卜リゥ厶 (458mg)を加え、室温中 1 4 時間攪拌した。さらに卜リアセ卜キシ水素化ホウ素ナ卜リゥ厶 (458mg)を加え、室温中 4時間半攪拌した。終了後、反応溶液に 1 M水酸化ナ卜リウ厶水溶液を加えた後、 5 % メタノール/クロ口ホルム溶液で抽出し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマ卜 (溶出 液;酢酸ェチル次いで酢酸ェチル:メタノール =40 : 1次いで酢酸ェチル:メタノ ール: 28%アンモニア水 =40 : 1 : 0.1次いで酢酸ェチル:メタノール: 28% アンモニア水 =20 : 1 : 0.1次いで酢酸ェチル:メタノール: 28%アンモニア水 = 1 0 : 1 : 0.1 ) で精製した。 精製物にエタノールを加え溶解させたのち、 フマル 酸 (141mg)を加え減圧下濃縮した。 結晶化した残渣をエタノールと酢酸ェチルで再結 晶ィ匕し、 得られた結晶を濾取した。 濾取した結晶を減圧乾燥することによリ表題化合
物 (279mg)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);0.97(s,9H),3.40-3.46(m,5H),3.87(s,2H),3.91-3.98(m,1H),4.33-4.3 7(m,2H),4.55-4.58(m,2H),6.62(s,2H),7.41 (dd,1H),7.50(d,1H),8.65(s,1 H)
MS(FAB+);405(M+1) 実施例 2
6— {[(1 , 3—ジ才キソラン一 2—ィルメチル) ァミノ] メチル } —5—フル才ロ —Ν—メチルー Ν—ネオペンチル [1 , 3] チアゾロ [3, 2 - a] ベンゾイミダゾ —ル— 2—カルボキサミド 1塩酸塩
参考例 1 2の化合物 (150mg)のジクロロェタン溶液 (10ml)に酢酸 (123 1)、 (1, 3 -ジ才キソラン一 2—ィル) メチルァミン (122iUl)を加え、室温中 2時間半攪捽した。 続いて卜リァセ卜キシ水素化ホウ素ナトリウ厶 (274mg)を加え、室温中 1 4時間攪拌 した。さらにトリァセトキシ水素化ホウ素ナ卜リゥ厶 (274mg)を加え,室温中 4時間半 攪拌した。終了後,反応溶液に 1 M水酸化ナ卜リゥ厶水溶液を加えた後, 5 %メタノー ル /クロ口ホルム溶液で抽出し、減圧濃縮した。 残渣をカラムクロマ卜 (溶出液;酢酸 ェチル次いで酢酸ェチル:メタノール = 20 : 1次いで酢酸ェチル:メタノール: 2 8%アンモニア水 =20 : 1 : 0.1次いで酢酸ェチル:メタノール: 28%アンモニ ァ水 = 1 0 : 1 : 0.1 ) で精製した。精製物にエタノール (10ml)を加え溶解させたの ち、 1 M塩酸水溶液 (0.76ml)を加え減圧下濃縮した。 結晶化した残渣をエタノールと 酢酸ェチルで再結晶化し、 得られた結晶を濾取した。 濾取した結晶をエタノールと酢 酸ェチルの混合溶媒 (混合比 1 : 5)で洗浄した後、 60°C中加温下減圧乾燥すること によリ表題化合物 (142mg)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);0.97(s,9H),3.17(d,2H),3.41-3,46(m,5H),3.85-3.93(m,2H),3.97-4.0 6(m,2H),4.40(s,2H),5.23(t,1 H),7.61-7.67(m,2H),8.73(s,1 H),9.51 (br,1 H) , MS(FAB+);435(M+1) 実施例 3
7—フル才ロ— N—メチルー N—ネオペンチル— 6 - [(ォキセタン一 3—ィルアミ ノ) メチル] [1, 3] チアゾロ [3, 2 - a] ベンズイミダゾール— 2—力ルポキ サミド 2フマル酸塩
参考例 2 1の化合物 (250mg)のジクロロェタン溶液 (15ml)に酢酸 (206 l)、才キセタ ン- 3 -ァミン塩酸塩 (267mg)、 卜リェチルァミン (301 l)を加え、室温中 2時間半攪拌 した。続いてトリァセトキシ水素化木ゥ素ナ卜リウ厶 (458mg)を加え、室温中終夜攪拌 した。終了後、反応溶液を飽和炭酸水素ナ卜リウ厶水溶液に加えた後、クロロホルムで 抽出した。 有機層を無水硫酸ナ卜リウムで乾燥した後,減圧濃縮した。 残渣をカラム クロマ卜 (溶出液;クロ口ホルム次いでクロ口ホルム:メタノール: 28%アンモニ ァ水 = 9 : 1 : 0.1 )で精製した。精製物にエタノール (30ml)を加え溶解させたのち、 フマル酸 (138mg)を加え減圧下濃縮した。 結晶化した残渣をエタノールと酢酸ェチル で再結晶化し、 得られた結晶を濾取した。 濾取した結晶をエタノールと酢酸ェチルの 混合溶媒 (混合比 1 : 1 0)で洗浄した後、 60°C中加温下減圧乾燥することによリ表 題化合物 (220mg)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);0.96(s,9H),3.41-3.47(m,5H),3.83(s,2H),3.94-4.04(m,1H),4.33-4.3
7(t,2H),4.59-4.63(t,2H),6.62(s,4H))7.49(d,1H),8.16(clj1H),9.08(s,1H)
MS(FAB+);405(M+1) 実施例 4
6- {[(T , 3—ジォキソラン一 2—ィルメチル) ァミノ] メチル } 一 7—フル才ロ 一 Ν—メチル—Ν—ネオペンチル Π, 3] チアゾロ [3, 2- a]ベンゾイミダゾ 一ルー 2—カルボキサミド 2塩酸塩
参考例 2 1の化合物 (250mg)のジクロロェタン溶液 (15ml)に酢酸 (206μΙ)、 (1, 3 ージォキソラン一 2—ィル) メチルァミン (202^1)を加え、室温中 1時間攪拌した。続 いて卜リァセトキシ水素化ホウ素ナ卜リゥ厶 (275mg)を加え,室温中 5時間攪拌した。 さらに卜リアセ卜キシ水素化ホウ素ナ卜リゥ厶 (488mg)を加え、室温中 1 4時間攪拌 した。終了後、反応溶液を飽和炭酸水素ナ卜リゥ厶水溶液に加えた後、クロロホルムで 抽出した。 有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。 残渣をカラ厶 クロマ卜 (溶出液;クロ口ホルム次いでクロ口ホルム:メタノール: 28%アンモニ ァ水 =9: 1 : 0.1 )で精製した。精製物にエタノール (10ml)を加え溶解させたのち、 1 M塩酸水溶液 (1.49ml)を加え減圧下濃縮した。 結晶化した残渣をエタノールと酢酸 ェチルで再結晶化し、 得られた結晶を濾取した。 濾取した結晶をエタノールと酢酸ェ
チルの混合溶媒 (混合比 1 : 5 )で洗浄した後、 6 0 °C中加温下減圧乾燥することによ リ表題化合物 (31 Omg)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);0.97(s,9H),3.20(d,2H),3.42-3.47(m,5H),3.85-3.94(m,2H),3.98-4.0
6(m,2H),4.35(s,2H),5.27( H),7.66(d,2H),8.36(d,1 H),9.16(s,1 H),9.60(br,2H)
MS(FAB+);435(M+1) 実施例 5
7一フルオロー N—メチル—N—ネオペンチルー 6— { [ (テトラヒドロ— 2 H—ビラ ンー 4一ィルメチル) ァミノ] メチル } [ 1, 3 ] チアゾロ [ 3, 2 - a ] ベンゾィ ミダゾ一ルー 2—カルボキサミド 2塩酸塩
参考例 2 1の化合物 (250mg)のジクロロェタン溶液 (15ml)に酢酸 (206μ Ι)、 (テトラ ヒドロ— 2 Η—ピラン一 4一ィルメチル) ァミン塩酸塩 (328mg)、 卜リエチルァミン (301 l)を加え、室温中 1時間半攪拌した。続いて卜リァセ卜キシ水素化ホウ素ナ卜リ ゥ厶 (458mg)を加え,室温中終夜攪拌した。 終了後、反応溶液を飽和炭酸水素ナ卜リウ 厶水溶液に加えた後、クロロホルムで抽出した。 有機層を無水硫酸ナ卜リクムで乾燥 した後、減圧濃縮した。 残渣をカラムクロマ卜 (溶出液;クロ口ホルム次いでクロ口 ホルム:メタノール: 2 8 %アンモニア水 = 9 : 1 : 0 . 1 ) で精製した。 精製物にェ 夕ノール (30ml)を加え溶解させたのち、 1 M塩酸水溶液 (1.34ml)を加え減圧下濃縮し た。結晶化した残渣をエタノールと酢酸ェチルで再結晶化し、 得られた結晶を濾取し た。 濾取した結晶をエタノールと酢酸ェチルの混合溶媒 (混合比 1 : 1 0 )で洗浄した 後、 6 0 °C中加温下減圧乾燥することにより表題化合物 (240mg)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6);0.97(s,9H),1 .16-1 .28(m,2H),1.70-1 .73(m,2H),1.99-2.06(m,1 H),2. 87-2.90(m,2H),3.24-3.30(m,2H),3.42-3.47(m,5H),3.83-3.87(m,2H),4.29(br,2H),7.67(d ,2H),8.37(d,1 H),9.14(s,1 H),9.39-9.47(m,2H)
MS(FAB+);447(M+1)
上記実施例に記載されているものの他に、 前述の製造法、 参考例及び実施例の製造 法、 通常の当業者にとって公知の製造法及びそれらの変法を用い、 以下の表 1の化合 物を得ることが出来る。
表
(試験法)
mGluRIに対する本発明化合物の効果は特許文献 3記載の方法に準じて確認した。 本発明化合物の作用は mGluRIに対する選択的、かつ強力な作用を有する 6—アミ ノー N—シクロへキシルー N, 3—ジメチルチアゾロ [ 3, 2— a ] ベンゾイミダゾ 一ルー 2—力ルポキサミ ドの卜リチウムラベル体 (特異活性; 81 Ci/mmol
5
(Amersham)) を用いた結合実験により確認した。
上記化合物は、 mGluRl a発現細胞を用いたフォスファチジルイノシトール(P I ) 加水分解系 (Nature 383, 89-92, 1996) においてグルタミン酸の反応に対しに 50 = 24 nMという高い阻害活性を有している。
(ラッ卜小脳 P2膜画分の作成)
ラッ卜(Wistar、雄性、 9-12週齢)を断頭し、小脳を摘出した。重量を測定し、 7-10 倍量の 0.32 Mショ糖溶液でホモジナイズした。 900 x gで 15分間遠心を行い、 上清 を別の容器に保管した(氷中)。沈査を 1回目と同量の 0.32 Mショ糖溶液で再度ホモ ジナイズし 900 X gで 15分間遠心を行った。 この時得られた上清と先に得られた上 清を合わせ 15,000 X gで 20分間違心を行った。 沈査を 5 mM Tris-HCI、 pH 7.4でホ モジナイズし、 15,000 x gで 15分間遠心を行った。この操作をもう一度繰り返した。 沈査を 50 mM Tris-HCU pH 7.4でホモジナイズし、 15,000 x gで 15分間遠心を行つ た。 沈査を適量の 50 mM Tris-HCl、 pH 7.4でホモジナイズし、 小分けして- 80°Cにて 保存した。
(結合実験)
アツセィバッファ一として 50 mM Tris-HCl、 2.5 mM CaCI2、 pH 7.4を用いた。
[3H]- 6—アミノー N—シクロへキシルー N, 3—ジメチルチアゾロ [ 3, 2— a ] ベ ンゾイミダゾールー 2—カルボキサミド、試験化合物及び約 0.1 mgのラット小脳 P2 膜画分を全量で になるように 96穴マイクロプレー卜内に懸濁し、 室温 (約 25 °C ) で 45 分間インキュベーションを行った。 インキュベーションの終了は Whatman GF/B filterを用いた濾過法で行った。 放射能量は液体シンチレーシヨン力 ゥンタ一で測定した。 競合実験には約 20 nMの [3Hト 6—ァミノ— N—シクロへキシ ル— N, 3—ジメチルチアゾロ [ 3, 2— a ] ベンゾイミダゾールー 2—力ルポキサ ミドを用い、 特異結合は全結合量のうち 10At Mの 6— { [( 2—メトキシェチル) ァ ミノ] メチル } 一 N—ネオペンチルチアゾロ [ 3, 2 - a ] ベンゾイミダゾ一ルー 2 一カルボキサミド (特許文献 3 実施例 7 5に記載の化合物) によって置換された部 分とした。 試験化合物の評価は、 特異結合に及ぼす結合阻害率を求めて行った。
蛋白定量は BIO-RAD DC protein assay (BIO-RAD) を用いた。 標準物質として牛 血清アルブミンを用い行った。
結果は表 2に示す。 参考文献:
Thomsen-C; Mulvihill-ER; Haldeman-B; Pickering-DS; Hampson-DR; Suzdak-PD、 A pharmacological characterization of the mGluRI alpha subtype of the metabotropic glutamate receptor expressed in a cloned baby hamster kidney cell line.、 Brain-Res. 1993 Aug 13; 619(1-2): 22-8
試験例 2 :神経因性疼痛に対する抑制効果
1 ) ストレブトゾ卜シン (Streptozotociru 以下 STZという) 誘発糖尿病 モデル
実験は既報 ( Pharmacol Biochem Behav 39、 541 -544, 1991 ) の一部を 改変して行っ 。 4週齢 ICRマウスに対して STZを 200 mg/kg腹腔内投 与する。 投与 2週間後の午後に tail pinch testの pre試験を行い、 反応潜 時が 3秒以下の動物についてのみ翌日の実験に供した。
対照化合物には、チアゾロベンゾィミダゾールのベンゼン環上に置換 アミノメチル基を有する化合物として対照化合物 A、 B、 及び Cを選択し た。
本発明化合物及び対照化合物 Cは 10mg/kgを経口投与によリ負荷し、 投与後 30 分で tail pinch test を行った。 一方対照化合物 A 及び B は 100mg/kgを経口投与し同様に評価した。
なお、 STZを負荷していない正常マウスでは、 本試験において平均 6— 7秒の反応潜時を示す。 今回試験に用いた STZ負荷マウスは、 明らかな 痛覚閾値の低下が認められた反応潜時 3秒以下のものを用いた。
結果を表 2に示す。
なお、 糖尿病性神経因性疼痛薬として承認され、 市販されているメキシ
レチンは約 3秒である 表 2
対照化合物 A
対照,化合物 B 特許文献 4、 実施例 1 1 6に開示の化合物
対照化合物 C 特許文献 4、 実施例 1 13に開示の化合物 上記試験によって、 本発明化合物は、 m G I u R 1に特異的に結合する化合物であ ることが確認された。
また、 本発明化合物は、 10mg/kgの経口投与で平均反応潜時差が全て 2 秒以上を示したことから、糖尿病による神経因性疼痛の治療効果を有する ことが確認された。
一方、 対照化合物 A及び Bは 100 mg/kg の経口投与で平均反応潜時差 が約 Ί 秒以下であった。
従って、 本発明化合物は、 対照化合物 A、 Bに比べ、 経口活性が少なく とも 1 0倍以上優れた化合物でぁリ、経口剤として有用な化合物であるこ とが確認された。 一方、 対照化合物 Cについては、 2秒以上の反応潜時差 を示した。
2 ) L5/L6脊髄神経結紮ラッ 卜
実験は既報 (PAIN 50, 355-363, 1992) の一部を改変して行った。 SD ラッ トを用い、 ペン卜バルピタール麻酔下で左側腰神経 (L5および L6) を絹糸で結紮した。 術後 7日目に以下の試験を実施した。
薬物を 10mg/kg経口投与し、 30分後に von Frey hair (VFH) testを行い、 機械侵害刺激に対する痛覚閾値を求めた。 測定は左右の後肢で実施した。 なお、擬手術ラッ 卜の痛覚閾値は、左右差はなく、平均値で 17-20 g (log (g): 1 .23-1 .30)であり、 L5/L6脊髄神経結紮ラッ 卜の手術側足で機械侵害 刺激に対する痛覚閾値の低下が認められた。
有意差検定は、 Dunnett法を用い、 左右それぞれの足でコントロール群 と薬物投与群との間で行った。
結果を表 3に示す。 表 3
対照化合物 D :特許文献 2、 化合物 A 表 3に示された本発明化合物は、 STZ誘発糖尿病モデルで 2秒以上の反応潜時差を 示した対照化合物 Cに対し、 約 8倍〜 5 0倍以上の作用を示した。
また、 上記本発明化合物は、 特許文献 2で神経圧迫による痛覚閾値の低下作用を有 することが確認されたァニリン性アミノ基を有する対照化合物 Dに対し 4 ~ 3 0 倍の作用を示した。
3 . 遺伝毒性
本発明化合物の遺伝子突然変異誘発性は、細菌を用いる復帰突然変異試 験にて確認した。
試験方法は医薬品の遺伝毒性試験ガイ ドライン (医薬審 第 1604号、 平成 1 1年 1 1 月 1 日)に従い、代謝活性化系の存在下および非存在下に、 プレインキュベーション法により実施した。 ただし、 試験菌株は
Salmonella typhimurium TA98および TA100のみ使用した。
(細菌を用いる復帰突然変異試験)
試験管に、 0.1 M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.4) 0.5 mし 一晩培養し た試験菌懸濁液 0.1 mLおよび試験物質溶液 0.1 mLを加え、 37 でで 20 分間振盪(60往復/分)した後、約 45 °Cに保温した軟寒天 2 mLを加えて最 少グルコース寒天平板培地 (プレート) に拡げ、 37 °Cで約 48時間培養 した。 代謝活性化試験の場合は、 0.1 M リン酸ナ卜リゥ厶緩衝液の代わり に同量の S9Mixを加え同様に操作した。
結果
代謝活性化試験に用いた S9Mix は S-9/cofactor A set (phenobarbital および 5,6-benzoflavoneで薬物代謝酵素を誘導したラッ卜肝ホモジネ一卜の 9000Xg上清 と Cofactor, Ames試験用, オリエンタル酵母株式会社)を用いて調製した. S9Mix中 の S9量は 0.1 mL/mLとした。 溶媒は dimethylsulphateを用いた。
48時間培養後プレー卜上に生じたコロニーを計数した。
被験物質で処理したプレー卜の復帰変異コロニー数 (平均値)が溶媒対照の復帰変異 コロニー数 (平均値)の 2倍以上に増加し、 用量依存性が認められ, 再現性が確認され た場合に遺伝子突然変異誘発性を有すると判断した。
上記試験において、実施例 1及び実施例 2の化合物は遺伝子突然変異誘発性を有さ ないことが確認された。 一方、 ァニリン性アミノ基を有する対照化合物 Dは遺伝子突 然変異誘発性を有することが確認された。 これらの結果から、本発明化合物はァニリン性アミノ基を有さないことから遺伝子 突然変異誘発性がなく、 特許文献 1乃至 4からは予想できない優れた経口活性、 特に 神経圧迫による神経因性疼痛抑制効果を有することを確認した。 発明の効果
本発明化合物は、 メタボ卜ロピックダルタメ一卜受容体に強い作用を示す、絳ロ活 性に優れた化合物であり、 経口投与に於いても使用しうる。
従って、本発明化合物は、 mGluRI受容体が関与していると考えられる疾患、例えば、
てんかん、痛み、神経細胞死の抑制、ベンゾジァゼピン退薬症候群、パーキンソン病、 偏頭痛、不安障害、脳梗塞(好ましくは脳梗塞急性期に投与する梗塞巣の進展防止剤) 或いは神経因性疼痛 (好ましくは、 糖尿病性神経因性疼痛、 帯状疱疹後神経痛、 癌性 疼痛、 術後疼痛) の予防 ·治療剤として有用である。