WO2004089121A1

WO2004089121A1 - 巻紙検査装置及びたばこ巻上装置

Info

Publication number: WO2004089121A1
Application number: PCT/JP2004/000849
Authority: WO
Inventors: Shinzo Kida
Original assignee: Japan Tobacco Inc.
Priority date: 2003-04-08
Filing date: 2004-01-29
Publication date: 2004-10-21
Also published as: JP2006211901A

Abstract

巻紙検査装置及びたばこ巻上装置は、巻紙供給装置が送り出す巻紙（Ｐ）の搬送速度に比例した速度信号を出力する速度センサ（２３）と、前記巻紙（Ｐ）に塗布または貼付された所定の物質の部位より略小さな形状の空洞部を有した吸引部（１１）を介して前記巻紙（Ｐ）の一面を吸い付ける吸引ポンプ（１４ａ）と、前記吸引部（１１）に設けられて該吸引部（１１）の内圧を測定して圧力信号を出力する圧力センサ（１８）と、前記速度センサ（２３）が出力した速度信号と前記圧力センサ（１８）が出力した圧力信号との相関から前記巻紙（Ｐ）に設けられた所定の物質の欠陥を判定する巻紙検査部（１０）とを備える。

Description

明細書巻紙検査装置及びたばこ巻上装置技術分野

本発明は、シガレットの製造に用いられる巻紙、例えば低延焼性物質としてァルギン酸ナトリゥムを希釈した溶液が縞状に塗布された巻紙または低延焼性物質が縞状に貼付された巻紙の品質を検査する巻紙検査装置及びたばこ巻上装置に関する。背景技術

シガレットは、一般的には量目制御されて連続供給される刻みたばこを、長尺の巻紙にて、その長手方向に連続して巻き上げられて棒状の巻たばこを形成し、所定の長さ毎に切断して製造される。シガレットに用いられる巻紙は、例えば

2 7 mm程度の長尺なもので、ロールとして捲回された状態で提供される。近年、この卷紙には、種々の材料を塗布したバンドが予め形成されている。このパンドを巻紙に設けることにより、シガレツトに所望の燃焼特性を付与されることが試みられている。

巻紙には、例えば低延焼性物質を一定の間隔で縞状に設けたものがある。また巻紙には、シガレットの先端（着火端）となる部位にアルデヒドの発生を抑制するパンドを設けた巻紙がある。或いは巻紙としては、香味を発生させるためのバンドを形成する巻紙などが考えられている。

ちなみに一定の間隔で縞状に低延焼性物質を設けた巻紙は、喫煙中のシガレツトが例えば床やカーぺット等の上に落ちたとき、このシガレツ卜が自然に消えることをねらっている。この巻紙には、所定の物質が塗布または貼付された低延焼性の部位が設けられている。例えば巻紙には、巻紙の一面の長手方向に対して縞状に低延焼性物質を略等間隔で貼付されて厚みをつけたものがある。或いは、巻紙に低延焼性物質の例えばアルギン酸ナトリゥムを希釈した溶液を縞状に略等間隔でコ一ティング（塗布）する処理をしたものがある。

ところで、特表 2 0 0 1— 5 0 9 3 6 6号公報には、光学的に巻紙に塗布された低延焼性物質の状態を判断する巻紙検査装置が開示されている。この巻紙検査装置は、ベ一スシガレット紙上に低延焼性物質のセルロース（微結晶セルロース、アミ口べクチン等）で構成されたパルプ層を略等間隔で縞状に貼付した巻紙の検査方法である。この検査方法は、巻紙をロールから巻き戻しながらこの巻紙に赤外線発光ダイォードなどの光源から放射された光を照射して、巻紙から反射される光量の変化を光センサで検出することで巻紙に塗布された低延焼性物質の状態を光学的に判断するものである。

また特願 2 0 0 2 - 3 7 0 2 2 7号には、別な手法による巻紙検査方法が開示されている。この巻紙検査方法は、発明者らが提唱した検査方法である。この巻紙検査方法は、低延焼性物質が塗布または貼付された領域との水の浸透性が異なる点に着目した検査方法である。具体的にこの巻紙検査方法は、水を塗布した巻紙に光線を照射したとき、その巻紙を透過する光、または巻紙によって反射した光を撮像装置で取り込んで得られた画像信号を処理して巻紙の検査を行う検査方法である。

上述の光学的手法によって巻紙を検査する巻紙検査装置は、所定の物質（低延焼性物質）が縞状に貼付された巻紙を巻紙のベースシガレット紙と、この巻紙に' 塗布した低延焼性物質の光の反射率が異なることを利用したものである。つまりこの巻紙検査装置は、低延焼性物質が塗布された面にスポット光を照射したときの反射光を検知レンズ、フィルタ、偏光子を通して検出器が検出するように構成したものである。

このように構成された卷紙検査装置は、巻紙にベースシガレット紙と同質の材料を貼付して厚み差により低延焼特性を付与した巻紙の検査が困難である。つまりこの巻紙は、ベースシガレット紙と低延焼性物質が同一であり、光の反射率に差がないため検査が難しい。それ故、上記の巻紙検査装置は、巻紙の欠陥を確実に検出することが困難となっている。

また、低延焼性物質としてアルギン酸ナトリゥムを略等間隔で縞状に塗布した巻紙は、ベースシガレット紙とアルギン酸ナトリウムを塗布した領域との光の反射率に顕著な差がない。このため、上記の巻紙検査装置は、低延焼性物質の塗布状態の欠陥を確実に検出することが困難であるという問題があった。

一方、ベースシガレツト紙と低延焼性物質が塗布された部位とで水の浸透性が異なる点に着目した検査方法は、破壊検査であって検査後の巻紙をシガレツトの製造に用いることができないという不具合もある。勿論、卷紙の全面に一様に水を塗布することなく、この巻紙の一部に例えばノズル等によって水を線状に塗布する方法によれば、検査後の巻紙をシガレツトの製造に利用することも可能である。しかしながらこのような検査方法による場合、検査装置が犬がかりなものとなりコストがかかるという問題もある。発明の開示

本発明は、上記の事情を考慮し、その目的は、シガレットの製造に用いられる長尺の巻紙に塗布された低延焼性物質等の欠陥を簡易に、かつ確実に検査する巻紙検査装置及びたばこ巻上装置を提供することである。

前述した目的を達成するため、本発明に係る巻紙検査装置は、一面に所定の物質が縞状に設けられた刻みたばこの巻紙を検査する巻紙検査装置であつて、前記巻紙を巻き戻して巻紙搬送路に連続して送り出す巻紙供給装置と、この巻紙供給装置が送り出す前記巻紙の移動量に比例した移動量信号を出力する速度センサと、

前記巻紙の前記所定の物質の部位より略小さな形状の空洞部を有し、前記巻紙搬送路を送り出す前記巻紙の一面に接するように設けられた吸引部と、この吸引部を介して前記巻紙の一面を吸い付ける吸引ポンプと、

前記吸引部に設けられて該吸引部の内圧を測定して圧力信号を出力する圧力センサと、

前記速度センサが出力した前記移動量信号と前記圧力センサが出力した圧力信号との相関から前記巻紙に設けられた所定の物質の欠陥を判定する巻紙検査部とを備えることを特徴としている。

上記の巻紙検査装置によれば、シガレツトの製造に用いられる長尺の巻紙に塗布された所定の物質の欠陥を、容易に、しかも確実に検査することができる。特に、前記吸引部は、前記巻紙の搬送方向における吸引部の前後の近傍に、該巻紙を吸引して該吸引部上に張架するサクシヨン部をそれぞれ備えるものとして構成されている。

このため、本発明の巻紙検査装置は、巻紙の検査の際、前記吸引部で巻紙が弛んだり、巻紙が跳躍したりすることがなく、検査を妨げない。

また本発明に係るたばこ巻上装置は、一面に所定の物質が縞状に設けられた刻みたばこの巻紙にて刻みたばこを連続的に巻上げて棒状たばことなし、この棒状たばこを所定長毎に切断して次工程に連続供給するたばこ巻上装置であって、前記巻紙を巻き戻して巻紙搬送路に連続して送り出す巻紙供給装置と、この巻紙供給装置が搬送する前記巻紙の移動量に同期したパルス信号を出力するロータリ一エンコーダと、

前記巻紙の前記所定の物質の部位より略小さな形状の空洞部を有し、前記巻紙搬送路を搬送される前記巻紙の一面に接するように設けられた吸引部と、この吸引部を介して前記巻紙の一面を吸い付ける吸引ポンプと、

前記口一タリ一エンコーダが出力した前記パルス信号と前記圧力センサが出力した圧力信号との相関から前記巻紙に設けられた所定の物質の欠陥を判定する巻紙検査部と

を備えることを特徴としている。

したがって本発明のたばこ巻上装置は、巻紙を破壊することなく、シガレットの製造に用いられる長尺の巻紙に塗布された低延焼性物質等の欠陥を容易に、しかも確実に検査することができる。

特に前記吸引部は、前記巻紙の供給方向における吸引部の前後の近傍に、該巻紙を吸引して該吸引部上に張架するサクション部をそれぞれ備えるものとして構成される。

したがって、本発明のたばこ巻上装置によれば巻紙を高速で巻き戻しながらこの巻紙に塗布または貼付された所定の物質（例えば低延焼性物質）の欠陥の有無を、巻紙搬送路に設けた巻紙検査装置で連続に検査しながらシガレツトを製造することができる。図面の簡単な説明

第 1図は、本発明に係る巻紙検査装置の全体の概略構成を示した図、第 2図は、縞状に所定の物質が塗布された巻紙を示した図、

第 3図は、本発明に係る巻紙検査装置において、巻紙を連続搬送したとき、圧力センサが出力する圧力検出信号の信号波形を示すグラフ、

第 4図は、本発明に係る巻紙検査装置において、巻紙を連続搬送したとき、圧力センサが出力する圧力検出信号を帯域通過フィルタおよび波形成形部を用いて処理した信号波形を示すグラフ、

第 5図は、本発明に係る巻紙検査装置の圧力センサが出力する圧力検出信号 (信号処理後) とエンコーダが出力するパルスの関係を示す図、

第 6図は、本発明に係るたばこ卷上装置の卷紙検査装置の要部構成を示す図。発明を実施するための最良の形態以下、図面を参照して本発明に係る巻紙検査装置について説明する。

第 1図は、本発明に係る巻紙検査装置の概略構成図である。この図において P は、一面に所定の物質として低延焼性物質が縞状に塗布または貼付されたシガレットの製造に用いられる巻紙である。特に図示しないがこの卷紙 Pは、リールに巻き回されて、繰り出しローラによって巻き戻される。そして繰り出しローラによつて巻き戻された巻紙 Pは、巻紙検査部 1 0の検査面 1 0 aに接するようにして搬送されるようになっている。ちなみに巻紙 Pは、第 2図に示すように一定のピッチで縞状に低延焼性物質が塗布または貼付されたバンド部 P eを塗布または貼付して構成されている。つまり巻紙 Pは、バンド部 P eとベース部 P iとが交互に並んだ表面状態となっている。

概略的には、上述したように構成された巻紙検査装置において、本発明が特徴とするところは、次の点にある。本発明が特徴とするところは、巻紙検査部 1 0 の検査面 1 0 aに接して搬送される巻紙 Pを、後述する吸引部 1 1から吸引したとき、この吸引部 1 1の吸引圧力の変化を検出して巻紙 Pに塗布された低延焼性物質の良否を判定する点にある。つまり、本発明に係る巻紙検査装置は、巻紙 P のベースシガレット紙の領域（ベース部 P i ) と、低延焼性物質が塗布または貼付された領域（バンド部 P e ) とで通気抵抗が異なることに着目してなされたものである。

具体的に巻紙検査部 1 0の検査面 1 0 aには、長尺の巻紙 Pに塗布され、または貼付された低延焼性物質の領域よりも、やや狭い幅で、且つやや短い長さの形状をした空洞部 1 2が検査面 1 0 aの下方に向かって設けられている。この空洞部 1 2には、吸引管 1 3が接続されている。それ故、空洞部 1 2は、サクシヨンポンプ 1 4 aによって巻紙 Pを吸引する役割を担っている。

詳しくは、空洞部 1 2とサクシヨンポンプ 1 4 aとの間に設けられた吸引管 1 3には、サクションポンプ 1 4 aによる吸引圧力を適切な圧力になるように低減させる減圧弁 1 5 a、サクシヨンポンプ 1 4 aの吸引圧力の変動を吸収するエアタンク 1 6、吸引圧力を調整する流量調整弁 1 7とが直列に接続されている。また、吸引管 1 3には圧力センサ 1 8が取り付けられて、該吸引管 1 3内の圧力を測定するようになっている。そして圧力センサ 1 8が検出した吸引管 1 3の圧力レベルは、電気信号に変換されて出力される。この電気信号に変換された圧カレベルの信号（圧力信号）は、詳細は後述するが、該信号に含まれている不要成分を除去する帯域通過フィル夕（B P F) 1 9に与えられる。ちなみに帯域通過フィル夕 1 9は、巻紙 Pに形成された微少な孔のばらつきによる吸引圧力の変動、換言すれば圧力センサ 1 8が出力する圧力信号に含まれるノィズ成分を除去する役割を担っている。尚、この帯域通過フィルタ 1 9の通過帯域は、 [ 3 0 H z〜7 0 0 H z ] 程度とすることが望ましい。

不要成分（ノイズ）が除去された圧力信号は、所定のレベルを閾値としてパンド部 P eおよび低延焼性物質が塗布または貼付された巻紙部 P iとに弁別する波形成形部 2 0に与えられる。そして波形成形部 2 0でバンド部 P eと巻紙部 P i とに弁別された信号は、巻紙 Pに塗布または貼付された低延焼性物質の良否を判定する判定部 2 1に与えられる。

一方、回転ドラム 2 2は、リール（図示せず）に巻き回された巻紙 Pを巻き戻す駆動系を備える。この回転ドラム 2 2には、この回転ドラム 2 2の回転に同期したパルス信号を出力するエンコーダ 2 3が取り付けられている。このェンコ一ダ 2 3は、巻紙 Pの搬送速度に比例した周期のパルスを出力する速度センサの役割を担う。具体的にエンコーダ 2 3が出力するパルス信号は、例えば巻紙 Pが

[ 0 . 1 mm] 移動する毎に 1パルスを発生するようになっている。このパルス信号は、後段の判定部 2 1に与えられる。判定部 2 1は、波形成形部 2 0でバンド部 P eと巻紙部 P iとに弁別された信号と、回転ドラム 2 2が出力するパルス信号との相関関係から卷紙 Pに塗布または貼付された低延焼性物質の良否の判定をする。

より詳しくは、巻紙 Pには、肉眼では確認できない多数の微小孔が開いている。つまり巻紙 Pは、空気を完全に遮断する訳ではない。このため巻紙 Pは、通気抵抗があるものの巻紙 P に開いた多数の微小孔によって空気を透過させることができる。したがって巻紙部 P iの一面に吸引部 1 1を接した後、サクシヨンボンプ 1 4 aによって巻紙の一面を吸引すると、この卷紙 Pの他面側から巻紙 Pに存在する多数の微小の孔を通して空気が流入する。

一方、バンド部 P eは、巻紙 Pに低延焼性物質が塗布または貼付された領域である。つまり巻紙 P の微細孔は、このバンド部 P eに塗布または貼付された低延焼性物質によって塞がれている。したがって巻紙 Pのバンド部 P eは、ベース部 P iに対して通気抵抗が増加することになる。

つまり、巻紙検査部 1 0の吸引部 1 1によって巻紙 Pを吸引したとき、巻紙部 P iの領域に対してバンド部 P eの領域の吸引量が減少する。したがって、吸出管 1 3内の圧力は、サクシヨンポンプ 1 4 aが吸引圧力を一定に維持すれば巻紙 Pのバンド部 P eとベース部 P iとによって変化する。つまり巻紙部 P iの領域では、吸引管 1 3内の負圧が小さくなる（絶対圧力が高い）。一方、バンド部 P eの領域では、吸引管 1 3内の負圧が大きくなる（絶対圧力が低い）。

第 3図は、吸引管 1 3内の圧力信号の変化を示すグラフである。このグラフは、巻紙 Pを巻紙検査部 1 0に接するようにして搬送したとき、圧力センサ 1 8が検出した吸引管 1 3内の圧力信号の変ィヒを示している。このグラフが示すように、圧力センサ 1 8の出力電圧は、バンド部 P eの領域で低くなる。これは、バンド部 P eの通気抵抗が大きくなるためである。すなわち吸引管内 1 3の負圧が大きくなる（絶対圧力が低くなる）ことによるものである。一方、巻紙部 P iの領域における圧力センサ 1 8の出力電圧は高くなつている。これは、ベース部 P iの通気抵抗がバンド部 P eに対して少なくなるためである。すなわち吸引管内 1 3 の負圧が小さくなる（絶対圧力が高くなる）ことによるものである。

しかしながら、巻紙 Pは全長に亘って均一な通気抵抗を有しているわけではない。このため、圧力センサ 1 8が出力する出力信号には、ベース部 P iの通気抵抗の変化およびバンド部 P eの通気抵抗の変化以外の圧力の変動が含まれることがある。また、巻紙 Pには多数の微細の孔が開いている。それ故、圧力センサ 1 8が出力する圧力信号には、巻紙 Pの微細な孔の影響を受けたノィズ成分が重畳される。このため、圧力センサ 1 8が出力する圧力信号の電圧レベルが大きく変動する。つまり圧力センサ 1 8が出力した出力信号は、そのままでは電圧レベルが大きく変動するため、ベース P iの領域とバンド部 P eの領域とに分離することが困難である。

これらの変動要因のうち、通気抵抗の変動は、圧力信号の直流成分または圧力信号の極めて低い周波数成分として現れる。また、巻紙 Pの微小孔によって生じるノイズ成分は、巻紙部 P iとバンド部 P eとの繰り返し周期と比較し短い周期成分（高周波成分）を有している。このように圧力センサ 1 8の出力信号は、ノィズとして直流成分と極めて低い周波数成分および高周波成分を含む。このため圧力センサ 1 8の出力信号は、この出力信号に含まれるノイズ成分を除去するべく帯域通過フィルタ（B P F) 1 9に渡される。

例えば、圧力センサ 1 8が検出した出力信号が第 3図に示す波形であったとする。この出力信号が帯域通過フィルタ 1 9を通過すると第 4図に示すように直流変動分とノイズ成分とが除去される。このため検出電圧は、巻紙部 P iの部位で高くなる。一方、検出電圧は、バンド部 P eの部位で低くなる。

この検出電圧は、波形成形部 2 0に設けられたコンパレータ（図示せず）に与えられる。例えばコンパレー夕の閾値は、 [ 0 ] Vに設定される。そして判定部 2 1は、この閾値より高い電圧の部位を巻紙部（P i ) 、この閾値より低い電圧の部位をバンド部（P e ) と判定する。このようにすることで判定部 2 1は、巻紙部 P iとバンド部 P eとを弁別することが可能となる。具体的に第 5図においては、圧力信号の電圧レベルが [ 0 ] V以下となったところがバンド部 P eを示一方、巻紙 Pを巻き戻す駆動系の回転ドラム 2 2には、この回転ドラム 2 2の回転に同期したパルス信号を出力するエンコーダ 2 3が設けられている。このェンコーダ 2 3は、例えば、巻紙 Pが [ 0 . 1 ] mm移動する毎に 1パルスを発生する速度センサの役割を兼ねる。ちなみに巻紙 Pには、低延焼性物質が所定のピツチで縞状に塗布または貼付されている。例えば、巻紙 P上に形成されたバンド部 P eは、 [ 3 0 ] mmピッチで設けられているとする。この場合、巻紙 Pには、エンコーダ 2 3が出力したパルスを [ 3 0 0 ] カウントしたところに低延焼性物質が塗布または貼付されたバンド部 P eの領域があることになる。つまり判定部 2 1は、エンコーダ 2 3が出力するパルスをカウントすることにより、巻紙 Pのバンド部 P eの領域を判定することができる。

そして判定部 2 1は、判定部 2 1がエンコーダ 2 3の出力パルスから求めたバンド部 P eの検出位置と、圧力センサ 1 8が検出したバンド部 P eの検出信号とがー致するかを判定する。判定部 2 1の判定の結果、バンド部 P eの検出位置と、圧力センサ 1 8が検出したバンド部 P eの検出信号とがー致したとき、巻紙 Pにバンド部 P eが正しく設けられていることになる。一方、判定部 2 1の判定の結果、バンド部 P eの検出位置と、圧力センサ 1 8が検出した検出信号とが不一致であるとき、巻紙 Pにバンド部 P eが正しく設けられていないことになる。

具体的に判定部 2 1は、波形成形部 2 0のコンパレー夕（図示せず）が出力したバンド部 P eの存在信号によりエンコーダ 2 3の出力パルスをカウントする力ゥン夕をクリアすればよい。つまり巻紙 P上にバンド部 P eが所定のピッチで設けられていればカウンタがリセットされる。すなわち上述したように巻紙 P上にバンド部 P eが一定のピッチで設けられていれば、カウンタはリセットされる。それ故、カウントアップ信号（異常通知信号）は出力されない。例えば上記の卷紙 Pにおいて巻紙 P上にバンド部 P eが一定のピッチで設けられていたとすると、カウンタは、エンコーダ 2 3が出力するパルスの数が [ 3 0 0 ] 近傍になったところで、リセットされることになる。

しかし、巻紙 Pのパンド部 P e位置が、例えば所定のピッチよりも長かった場合、コンパレータの出力信号（カウンタリセット信号）が出力されない。このため、エンコーダが出力するパルスのカウント値は、予め設定されたバンド部 P e のピッチ数に相当するカウント値より大きくなる。例えば、上記の例によれば, 回転ドラム 22が出力するパルスの数は [300] を上回る。したがって、判定部 21は、パルス検出の誤差分 [ ] を考慮して、パルスカウント数が [300 + α] を超えた時点で異常通知信号を出力すればよい。

逆に巻紙 Ρのバンド部 P e位置が、例えば所定のピッチよりも短かつた場合、エンコーダが出力するパルスの数が少ないうちに、リセットされることになる。このため、判定部 21においては、パルス検出の誤差分 [ ] を考慮して、パルスカウント数が [ 300— ] 以下の時点でリセットされた場合、異常通知信号を出力すればよい。つまり判定部 21は、計測の誤差分を考慮してエンコーダ 2 3が出力するパルスのカウントの数が巻紙 Pに塗布または貼付された低延焼性物質のピッチに相当するパルスの数の範囲内にあるとき、バンド部 P eが正しく形成されていると判定する。

巻紙 Pは、巻紙検査部 10の検査面 10 aおよびこの検査面 10 aに設けられた吸引部 1 1にそれぞれ接しながら搬送される。巻紙 Pの搬送路には、この吸引部 11を挟み込むようにサクシヨン部 24 a， 24bが吸引部 1 1の近傍に設けられている。このサクシヨン部 24 a， 24bは、巻紙 Pを吸引しながら巻紙 P を吸引部 1 1上に張り渡す役割を担う。サクシヨン部 24 a, 24bは、巻紙 P の紙幅よりやや小さな幅を有する空洞部 25を備えている。そしてサクシヨン部 24 a, 24 bは、それぞれサクシヨンポンプ 14 bに接続されて、巻紙 Pを吸引するようになっている。このようにして巻紙 Pは、サクシヨン部 24 a、吸引部 1 1、サクシヨン部 24bとによって吸引されて巻紙検査部 10の検査面 10 a上に位置付けられる。このため巻紙 Pは、吸引部 1 1に正しく位置付けられる。したがって巻紙 Pに設けられた低延焼性物質の状態をより確実に検査することが可能となる。尚、巻紙検査部 10には、巻紙 Pの検査のとき、巻紙検査部 10に巻紙 Pの紙粉がたまるとことがある。この場合、巻紙 Pは、吸引部 11でバウンドすることがある。すると圧力センサ 18の検出電圧が変動する。このため、判定部 21は、巻紙 Pの状態を誤検出することがある。しかしながら、巻紙 Pの搬送方向における吸引部 11の前後の近傍には、サクション部 2 a, 24 bが設けられている。このサクシヨン部 24 a， 24bは、検査時に生じた巻紙 Pの紙粉を吸引する。このため巻紙 Pは、吸引部 11でバウンドすることがない。それ故、巻紙 Pに塗布または貼付された低延焼性物質の状態を確実に検出することができる。尚、サクシヨン部 24 a、 24 bとサクシヨンポンプ 14 bとの間には、巻紙 Pの吸引圧力を適切に調整する減圧弁 15 bが設けられている。

このように構成された巻紙検査装置は、巻紙 Pのべ一ス部 P iと、この巻紙 P に低延焼性物質が塗布または貼付されて形成されたバンド部 P eとの通気抵抗が異なることを利用して低延焼性物質の塗布状態を検出する。また、巻紙検査装置は、巻紙 Pを巻き戻す駆動系の回転ドラム 22にエンコーダ 23を設け、回転ドラム 22の回転に同期したパルス信号をエンコーダ 23が出力するようになっている。このため、判定部 21は、エンコーダ 23が出力したパルス信号をカウントすることにより、巻紙 Pにおけるバンド部 Peおよび巻紙部 P iの位置を求めることができる。そして判定部 21は、得られたバンド部 Peおよび巻紙部 P i との位置情報から、巻紙 Pに塗布または貼付された低延焼性物質の状態を判定している。

更に巻紙検査部 10の巻紙 Pの搬送方向における吸引部 11の前後の近傍には、サクシヨン部 24 a、 24bが設けられている。巻紙検查部 10には、サクション部 24 a， 24bを設けたため、このサクション部 24 a, 24bが巻紙 Pを吸引部 11に位置付けることができる。また、サクシヨン部 24a, 24bは、巻紙検査部 10に貯まる巻紙 Pの紙粉を効果的に除去することができる。このため巻紙検査装置は、巻紙 Pを破壊検査することなく簡易な構造でありながら確実かつ高速で巻紙 Pに塗布または貼付された低延焼性物質の状態を判定することができる。

勿論、本発明に係る巻紙検査装置は、アルデヒドの発生を抑制するバンドが設けられた巻紙や香味を発生させるためのバンドが設けられた巻紙にも同様に適用して、その塗布状態の判定を行うことが可能である。

次に本発明に係る巻紙検査装置に関して、たばこ巻上装置を示す第 6図を参照しながら説明する。このたばこ巻上装置は、ホッパ 2内に供給された刻みたばこ 3をサクション部 4の移送ベルト (たばこバンド） 3 aにて吸着して紙巻部 5に搬送する。そして、たばこ巻上げ装置は、連続供給される長尺の巻紙 Pに、刻みたばこ 3を巻き上げる。

ちなみに、この巻紙 Pは、例えば低延焼性物質としてアルギン酸ナトリウムを希釈した溶液を略等間隔で縞状に塗布して作成される。あるいは巻紙 Pは、ほぼ等間隔で例えばべ一スシガレツト紙と同じ材質の紙を貼付して作成される。この場合、巻紙 Pには厚み差が付く。このため巻紙 Pにベースシガレット紙 Pを貼り付けた部位は、低延焼性を有するようになる。

本発明に係るたばこ巻上装置は、上記のように連続供給される巻紙 Pの搬送路に、巻紙検査装置を組み込んで構成される。つまり本発明に係るたばこ巻上装置は、シガレツ卜の製造を妨げることなく巻紙 Pに塗布または貼付された低延焼性物質の状態を検査するものである。

ちなみに、本発明に係るたばこ巻上装置における巻紙検査装置の機能詳細は、前述した卷紙検査装置と同様である。つまり本発明は、巻紙 Pを巻き戻しながら上記紙巻部 5に連続供給する巻紙 Pの搬送路に巻紙検査装置を組み込み、巻紙 P を連続検査すると共に、この巻紙 Pを用いてたばこ巻上装置がシガレットを製造することを特徴とする。

特に、巻紙 Pを巻き戻す駆動系の回転ドラム 2 2に設けられて、この回転ドラム 2 2の回転に同期したパルス信号を出力するエンコーダ 2 3 (第 6図には図示せず）が出力するパルス信号のパルス数をカウントすることにより、巻紙 Pに塗布または貼付された低延焼性物質の位置を巻紙検査装置が認識することができる。このため、たばこ巻上装置は、卷紙 Pを用いてシガレットを製造する際巻紙検査装置が検出するバンド部 P eの位置情報を用いて切断部 8の切断位置を調整することができる。つまり、たばこ巻上装置は、シガレットのバンド部 P eの位置決めを行うことが可能となる。

かくして、上記のように構成したたばこ巻上装置は、巻紙 Pに低延焼性物質が塗布または貼付された巻紙のバンド部 P eおよび巻紙部 P iとの通気抵抗が異なることを利用している。そしてたばこ巻上装置は、シガレットの製造に用いる巻紙 Pを巻き戻しながら、巻紙 Pに塗布または貼付された低延焼性物質の状態を検出する。

具体的に本発明に係るたばこ卷上装置は、巻紙 Pを巻き戻す駆動系の回転ドラム 2 2の回転に同期したパルス信号を出力するエンコーダ 2 3のパルス信号を力ゥントすることにより、巻紙 Pにおけるバンド部 P eおよび巻紙部 P iの位置を求めている。

そして本発明に係るたばこ巻上装置は、得られた圧力信号の差によるバンド部 P eおよび巻紙部 P iとの検出情報およびエンコーダ 2 3のパルス信号から得られる位置情報とから、巻紙 Pに塗布または貼付された低延焼性物質の状態を判定している。

更に巻紙検査部 1 0の巻紙 Pの搬送方向における吸引部 1 1の前後の近傍には、サクシヨン部 2 4 a、 2 4 bが設けられている。巻紙検査部 1 0には、サクション部 2 4 a， 2 4 bを設けたため、このサクシヨン部 2 4 a , 2 4 bが巻紙 Pを吸引部 1 1に位置付けることができる。また、サクシヨン部 2 4 a , 2 4 bは、巻紙検査部 1 0に貯まる巻紙 Pの紙粉を効果的に除去することができる。このため巻紙検査装置は、巻紙 Pを破壊検査することなく簡易な構造でありながら確実で、かつ高速に巻紙 Pに塗布または貼付された低延焼性物質の状態を判定できる。また本発明は、シガレツトの製造を妨げないたばこ巻上装置が提供する。

また本発明に係るたばこ巻上装置は、エンコーダ 2 3のパルス信号をカウントして巻紙 Pのバンド部 P eおよび巻紙部 P iの位置を求めて、切断部 8によりシガレットを切断している。このため、シガレットの任意の位置にバンド部 P eを位置付けることできる。

更に本発明に係るたばこ巻上装置は、巻紙 Pに設けられた低延焼性物質をシガレットのフィルタ近傍側になるように位置決めして切断部 8が切断することができる。またシガレットは、 1パフ目のアルデヒドの発生を抑える目的で巻紙 Pにアルカリ金属を塗布した位置をシガレツトの先端部に位置づけることが望ましい。本発明に係るたばこ巻上装置は、アルカリ金属の塗布領域の位置をシガレットの先端部分になるよう位置付けることもできる。

【発明の効果】

以上述べたように、本発明の巻紙検査装置は、巻紙のベース領域および所定の物質が縞状に設けられた領域とにおいて、それぞれの領域の通気抵抗が異なることを利用している検査している。このため本発明の巻紙検査装置は、巻紙に塗布または貼付された所定の物質の欠陥を確実に検査できる。

また、本発明に係るたばこ巻上装置は、巻紙のベース領域と、所定の物質が縞状に設けられた領域とが、それぞれ通気抵抗が異なることを利用して検査している。このため、本発明に係るたばこ巻上装置は、巻紙に設けられた所定の物質の欠陥を確実に検査することができる。更に本発明に係るたばこ巻上装置は、巻紙を破壊することがない。したがって本発明に係るたばこ巻上装置は、たばこの製造を妨げることなく巻紙に塗布または貼付された所定の物質の欠陥を高速で、且つ確実に検出することが可能となる。

Claims

請求の範囲

1 . 一面に所定の物質が縞状に設けられた刻みたばこの巻紙を検査する巻紙検査装置であって、前記巻紙を巻き戻して巻紙搬送路に連続して送り出す巻紙供翁洽装置と；

この巻紙供給装置が送り出す前記巻紙の移動量に比例した移動量信号を出力する速度センサと；

前記巻紙に設けられた前記所定の物質の部位より略小さな形状の空洞部を有し、前記巻紙搬送路を搬送される前記巻紙の一面に接するように設けられた吸引部と；

この吸引部を介して前記巻紙の一面を吸い付ける吸引ポンプと；

前記吸引部に設けられて該吸引部の内圧を測定して圧力信号を出力する圧力センサと；

前記速度センサが出力した前記移動量信号と前記圧力センサが出力した圧力信号との相関から前記巻紙に設けられた所定の物質の欠陥を判定する巻紙検査部とを備える。

2 . 請求項 1の巻紙検査装置において、

前記吸引部は、前記巻紙の搬送方向における吸引部の前後の近傍に、該巻紙を吸引して該吸弓 I部上に張架するサクシヨン部をそれぞれ備える。

3 . たばこ巻上装置であって、

一面に所定の物質が縞状に設けられた刻みたばこの巻紙にて刻みたばこを連続的に卷上げて棒状たばことなし、この棒状たばこを所定長毎に切断して次工程に連続供給する、前記たばこ巻上装置は、

前記巻紙を巻き戻して巻紙搬送路に連続して送り出す巻紙供給装置と；この巻紙供給装置が送り出す前記巻紙の移動量に同期したパルス信号を出力するロータリーエンコーダと；前記巻紙に設けられた前記所定の物質の部位より略小さな形状の空洞部を有し、前記巻紙搬送路を搬送される前記卷紙の一面に接するように設けられた吸引部と；

前記口一タリーエンコーダが出力した前記パルス信号と前記圧力センサが出力した圧力信号との相関から前記巻紙に設けられた所定の物質の欠陥を判定する巻紙検査部と

を備える。

4. 請求項 3のたばこ巻上装置において、

前記吸引部は、前記巻紙の搬送方向における吸引部の前後の近傍に、該巻紙を吸引して該吸引部上に張架するサクシヨン部をそれぞれ備える。