WO2004079582A1 - デバイス管理方法及びデバイス管理システム - Google Patents

Abstract

　本発明は、非イベントドリブン方式のＯＳ（Operating System）において、デバイス（周辺機器）に対するホットプラグ機能を実現するためのデバイス管理方法であり、デバイスの着脱があったとき、カーネルのコアドライバusbcoreによりホットプラグスクリプトhotplugを呼び出す。ホットプラグスクリプトhotplugは、呼び出しが行われたとき、そのホットプラグスクリプトhotplug自身に記述されている所定の処理を実行したのち、フックプログラムhookerを呼び出す。フックプログラムhookerは、これが呼び出されたとき、ホットプラグマネージャpnpmanagerを実行してデバイスの着脱に関する情報を得る。

Description

明細書 デバイス管理方法及びデバイス管理システム 技術分野 本発明は、 非イベントドリブン方式の O S (Operating System) において、 デ バイス （周辺機器） に対するホットプラグ機能を実現するためのデバイス管理方 法及び管理システムに関する。

本出願は、 日本国において 200 3年 3月 7日に出願された日本特許出願番号 20 0 3 - 0 6 0 8 8 9を基礎として優先権を主張するものであり、 この出願は 参照することにより、 本出願に援用される。 背景技術

AV (Audio and Visual) 機器として、 パーソナルコンピュータと組み合わせ て利用できるようにしたものや. さらに、 ネットワークを通じてオーディオデー 夕やビデオデータの授受をできるようにしたものがある。 そのような AV機器に 接続するパーソナルコンピュータには、 一般にマルチタスク方式の 0 Sが使用さ れる。

そして、 Microsoft Windows (登録商標） のようなイベントドリブン方式の O S においては、 ュ一ザアプリケ一ションは、 O Sからシステムメッセージを受け取 ると、 起動、 終了、 描画などの対応する処理を実行するように構成されている。 したがって、 イベントドリブン方式の 0 Sのもとでは、 US B (Universal Seri al Bus) 接続のようなホットプラグのイベントについても、 ユーザアプリケ一シ ヨンは 0 Sからのシステムメッセ一ジを受け取ることにより必要な処理を実行す .ることができる。

しかし、 Linux (登録商標） のような非イベントドリブン方式の O Sにおいては， イベントドリブン方式の O Sにおけるようなシステムメッセージは用意されてい ない。 このため、 ユーザアプリケーションがホットプラグのイベントを補捉する には、 ユーザアプリケーションが常にポーリングを行っている必要がある。 すな わち、 ユーザアプリケ一ションは、 特開 20 02— 3 0 0 1 7 6公報に記載され るように、 一定の時間間隔でバスラインをモニタし、 ホットプラグのイベントが 発生したら対応する処理を実行することになる。

図 1は、 そのようにポーリングによりホットプラグイベントを処理する場合の 概要を示す。 なお、 以下の説明は、 Kerne 12.4の Linux (登録商標） を搭載したパ 一ソナルコンピュータに、 ホットプラグ処理としてマスス卜レージ機器を US B 接続する場合である。

すなわち、 Linux (登録商標) のカーネル空間 KERNELには、 US Bコアドライバ usbcoreと、 US Bマスストレージ用のクラスドライバ usb- storageとが用意され る。 また、 ユーザ空間 USERに、 ホットプラグスクリプト liotplug及び US Bスクリ ブト usb. agentが用意される。 そして、 パーソナルコンピュータに U S Bマススト レージ機器を接続すると、 図 1中 aに示すように、 力一ネル空間 KERNELに用意さ れているコアドライバ usbcoreのプローブ関数 probeの処理の延長でホットプラグ スクリプト hotplugが呼び出される。 このとき、 各種の環境変数が設定されてホッ トプラグスクリプト hotplugが実行される。

この場合、 環境変数の一部には、 US B機器の接続であることを示す値が設定 される。

次に、 ホットプラグスクリプト hotplugは、 図 1中 bに示すように、 これの実行 のきつかけとなったイベントに対応したスクリプトを実行する。 この場合、 図 1 中 aの工程により設定された環境変数にしたがって U S Bスクリブト usb. agentを 実行する。

次いで、 US Bスクリプト usb. agentは、 これの実行のきっかけとなったィベン トに対応するクラスドライバ、 この場合、 図 1中 cに示すように、 US Bマスス トレージ機器のクラスドライノ^ sb- storageをロードする。 そして、 図 1中 dに示 すように、 US Bコアドライバ usbcoreが仮想ファイル/ proc/bus/usb/devicesの 内容を更新する、 という一連の処理を実行する。

したがって、 ュ一ザアプリケーションがポ一リングにより仮想ファイル/ proc/ bus/usb/dev i cesをモニタしていれば、 マスストレージ機器を U S B接続したとき、 そのマスストレ一ジ機器の使用が可能となる。 ただし、 現行の L inux (登録商標） におけるホットプラグ処理は、 該当するクラスドライバを動的に組み込む場合に だけ使用されている。

ところが、 上述のようにポーリングによりホッ卜プラグのイベントを捕捉する 場合には、 ポーリングの間隔を短くすると、 システムの負荷が増大してしまう。 しかし、 逆に、 ポーリングの間隔を長くすると、 ホットプラグイベントが発生し てから対応する処理が実行されるまでに時間遅れを生じてしまう。

このような問題は、 C P Uとして高速のものを採用することにより、 ある程度 回避ないし軽減することができるが、 その場合には高価な C P Uが必要となって しまう。 また、 A V機器などにおいて、 そのシステム制御回路をマイクロコンピ ュ一夕により構成した場合、 全体に占める C P Uの価格も重要であり、 高速であ つても高価な C P Uは採用できない。 発明の開示 本発明の目的は、 上述したような従来の技術が有する問題点を解決することが できるデバイス管理方法及び管理システムを提供することにある。

本発明の他の目的は、 非ィベントドリブン方式の O S (Operat i ng Sys t em) にお いて、 デバイス (周辺機器) に対するホットプラグ機能を実現するための新規な デバイス管理方法及び管理システムを提供することにある。

本発明は、 デバイスの着脱があつたとき、 カーネルのコアドライバによりホッ トプラグスクリプトを呼び出す。 ホットプラグスクリプトは、 カーネルのコアド ライパによる呼び出しが行われたとき、 そのホットプラグスクリプト自身に記述 されている所定の処理を実行したのち、 フックプログラムを呼び出し、

このフックプログラムは、 これが呼び出されたとき、 ホットプラグマネージャ を実行して上記デバイスの着脱に関する情報を得る

本発明は、 ホットプラグイベントを生じると、 ホットプラグスクリプトからフ ックプログラムを通じてホットプラグマネージャが実行され、 そのホットプラグ イベントについての情報がユーザアプリケーションに提供される。

本発明の更に他の目的、 本発明によって得られる具体的な利点は、 以下におい て図面を参照して説明される実施の形態の説明から一層明らかにされるであろう。 図面の簡単な説明 図 1は、 従来のデバイス管理方法及び管理システムを示すブロック図である。 図 2は、 本発明に係るデバイス管理方法及び管理システムを示すブロック図で ある。 発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明に係るデバイス管理方法及び管理システムを図面を参照して説明 する。

図 1を参照して説明したように、 現在用いられている Linux (登録商標) におい ては、 US B (Universal Serial Bus) 機器をホットプラグ接続した場合、 その 接続した機器にかかわらず、 パーソナルコンピュータに US Bマスストレージ機 器を接続すると、 図 1中 aに示すように カーネル空間 KERNELに用意されている コアドライバ usbcoreのプローブ関数 probeの処理の延長でホットプラグスクリプ ト hotplugが呼び出される。

本発明は、 そのような点に着目し、 ホットプラグスクリプト hotplugを利用して ホッ トプラグ処理を実現するものである。 以下、 Kernel .4の Linux (登録商標) を搭載したパーソナルコンピュータに、 ホットプラグ処理としてマスストレージ 機器を US B接続する場合について、 図 2を参照して説明する。

本発明は、 前述した図 1に示すシステムと同様に、 Linux (登録商標） の力一ネ ル空間 KERNELに、 US Bコアドライバ usbcoreと、 U S Bマスストレージ用のクラ スドライバ usb- storageとが用意され、 ユーザ空間 USERに、 ホットプラダスクリプ ト hotplug及び U S Bスクリプト usb. agentが用意される。

さらに、 ユーザ空間 USERに、 フックプログラム hookerが設けられるとともに、 ホッ卜プラグマネージャ pnpmanagerを構成するホットプラグデ一モン pnpmgr及び ホットプラグライブラリ l ibpnpmgrが設けられる。

この場合、 フックプログラム hookerは、 ホットプラグスクリプト hotplugから実 行されるものであり、 このため、 ホットプラグスクリプト hotplugの最後に、 フッ クプログラム hookerを呼び出すコードが追記される。 また、 フックプログラム ho okerは、 ホットプラグマネージャ pnpmanagerのメッセージキュ一を使用してその ホットプラグマネージャ pnpmanagerに環境変数を渡すように構成されている。 さらに、 ホットプラグデ一モン pnpmgrは、 プログラム hookerからの情報をもと にデバイス情報の収集を行うものであり、 必要に応じてホットプラグライブラリ l i bpnpmgrにィベントの通知を行う。 また、 ホットプラグライブラリ 11 bpnpmgrは、 ユーザアプリケーションに A P I (Appl icat ion Program Interf ace) を提供する ものである。

A P Iが提供する機能として、 イベント待ちの登録又は解除を行う機能を有す る。 この機能は、 ホットプラグデーモン pnpmgrの機能の使用の登録又は解除を行 う。 この登録が行われると、 イベントの発生の通知やデバイス情報の取得が可能 となる。

さらに、 A P Iが提供する機能として、 デバイス情報を取得する機能を有する。 この機能は、 現在パ一ソナルコンピュータに接続されているデバイスの情報を取 得する。 ここで取得した情報には、 ユーザアプリケーションがそのデバイスにァ クセスするために必要な情報がすべて含まれる。

さらにまた、 A P Iは、 イベントの通知を行う機能を有する。 この機能は、 登 録時に指定しておいたコールバック関数 cal lbackに、 ホットプラグ機器の着脱の 情報とデバイスタイプとを通知する。

そして、 フックプログラム hookerとホットプラグデーモン pnpmgrとの間、 及び ホッ卜プラグデーモン pnpmgrとホットプラグライブラリ 1 i bpnpmgrと間は、 メッセ ージの交換によってプロセス間通信を実現する。

このような構成において、 パーソナルコンピュータに U S Bマスストレ一ジ機 器を接続すると、 図 1を参照して説明したと同様の処理を実行する。

すなわち、 パーソナルコンピュータに U S Bマスス 1、レージ機器を接続すると、 図 2中 aに示すように、 力一ネル空間 KERNELに用意されているコアドライバ usbc oreのプローブ関数 probeの処理の延長でホットプラグスクリプト hotplugが呼び出 される。 このとき、 各種の環境変数が設定されてホットプラグスクリプト hotplu gが実行される。

次に、 ホットプラグスクリプト hotplugは、 図 2中 bに示すように、 これの実行 のきつかけとなったイベントに対応したスクリプトを実行する。 この場合、 図 1 中 aの工程により設定された環境変数にしたがって US Bスクリブト usb. agentを 実行する。

次いで、 U S Bスクリプト usb. agentは、 これの実行のきっかけとなったィベン トに対応するクラスドライバ、 この場合、 図 2中 cに示すように、 US Bマスス トレ一ジ機器のクラスドライバ usb- storageを口一ドする。 そして、 図 2中 dに示 すように、 US Bコアドライバ usbcoreが仮想ファイル/ proc/bus/usb/devicesの 内容を更新する、 という一連の処理を実行する。

したがって、 ユーザアプリケーションがポ一リングにより仮想ファイル/ proc/ bus/usb/devicesをモニタしていれば、 マスストレ一ジ機器を U S B接続したとき, そのマスストレージ機器の使用が可能となる。 但し、 現行の Linux (登録商標） に おけるホットプラグ処理は、 該当するクラスドライバを動的に組み込む場合にだ け使用されている。

本発明に係るシステムでは、 上述の処理の実行に続いて、 図 2中 eで示すよう に、 ホットプラグスクリプト] lotplugがフックプログラム hookerを呼び出す。 続い て、 図 2中 f で示すように、 フックプログラム hookerがホットプラグスクリプト hotplugの環境変数をメッセージでホットプラグデーモン pnpmgrに送る。

そして、 ホットプラグデーモン pnpmgrは、 図 2中 gに示すように、 フックプロ グラム hookerからのメッセージをもとにして US B接続されたデバイスに関する 情報を収集する。

ここで、 ホットプラグデーモン pnpmgrは、 監視しているユーザアプリケーショ ンがあれば、 図 2中 hに示すように、 ホットプラグライブラリ libpnpmgrにメッセ ージを通知する。

ホットプラグライブラリ libpnpmgrは、 ユーザアプリケ一ションから要求があれ ば、 図 2中 iに示すように、 ホットプラグデーモン pnpmgrにその要求を出す。 本発明においては、 上述の a〜iに至る処理が順に実行される。

したがって、 マスストレ一ジ機器を U S B接続すると、 そのマスストレ一ジ機 器を使用できるようになる。 また、 マスストレ一ジ機器の US B接続をやめると、 同様の処理によりそのマスストレージ機器の使用が不許可とされる。

こうして、 図 2に示す本発明に係るシステムによれば、 Linux (登録商標） にお いてホッ卜プラグを実現することができる。 この場合、 ユーザアプリケーション から見てホットプラグ機器の追加及び削除を非同期に実行することができるとと もに、 そのとき、 ポーリングが不要である。 したがって、 ホットプラグ機器が接 続されてから対応する処理が実行されるまでの時間に遅れを生じることがなく、 C P Uの負荷を軽減することができるとともに、 コストの上昇を抑えることがで きる。

また、 ホットプラクマネージャ pnpmanagerは、 ホットプラグテーモン pnpmgrと、 ホットプラグライブラリ 1 i bpnpmgrとに分割しているので、 それらの間のプロセス 間通信をユーザアプリケ一ションから隠蔽することができる。 したがって、 ユー ザアプリケ一ションは、 通常のライブラリをアクセスをするときと同様にホット プラグのィベントをハンドリングすることができる。

さらに、 ユーザアプリケーシヨンは, ホットプラグデーモン pnpmgrにコールバ ック関数 callbackを登録することにより非同期でィベン卜の情報を受け取ること ができ、 あるいは関心のあるデバィスのィベン卜の情報だけを受け取ることがで きる。 しかも、 カーネル空間 KERNEL及びュ一ザ空間 USERに対する変更は、 ホット プラグスクリプト ho t p 1 ugの最後にフックプログラム hooke rを呼び出すための 1行 を追記するだけでよいので、 システムに対する影響がない。

なお、 上述の説明においては、 本発明を US B機器のホットプラグイベントに 適用した場合であるが、 I EEE (Institute of Electrical and Electronics Engineers) 1394、 ネットワークアダプタ、 P CMC I A (Personal Comput er Memory Card International Association) カードなどのホットプラグィベン トにも適用することができる。

なお、 本発明は、 図面を参照して説明した上述の実施例に限定されるものでは なく、 添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、 様々な変更、 置換又 はその同等のものを行うことができることは当業者にとって明らかである。 産業上の利用可能性 上述したように、 本発明によれば、 例えば L inux (登録商標） のような非ィベン 卜ドリブン方式の O Sにおいてホットプラグを実現することができる。 また、 ホ ットプラグイベントが発生してから対応する処理が実行されるまでの時間に遅れ を生じることがなく、 しかも、 システムの負荷を軽減することができる。 さらに、 C P Uとして高速のものを必要とすることがなく、 システムのコストの上昇を抑 えることができる。

Claims

請求の範囲

1 . デバイスの着脱があつたとき、 力一ネルのコアドライバによりホットプラグ スクリプトを呼び出し、

このホットプラグスクリプトは、 上記呼び出しが行われたとき、 そのホットプ ラグスクリブト自身に記述されている所定の処理を実行したのち、 フックプログ ラムを呼び出し、

このフックプログラムは、 これが呼び出されたとき、 ホットプラグマネージャ を実行して上記デバィスの着脱に関する情報を得るようにしたデバイス管理方法。

2 . 上記ホットプラグマネージャは、 ホットプラグデーモンが、 上記フックプロ グラムにより実行されて上記ホットプラグスクリブトの環境変数に含まれる情報 を受け、 ホットプラグライブラリが、 上記ホットプラグデーモンから上記愦報を 得てユーザアプリケーションに A P Iを提供するようにした請求の範囲第 1項記 載のデバイス管理方法。

3 . 上記カーネルが L inux (登録商標) の力一ネルである請求の範囲第 1項記載の デバイス管理方法。

4 . デバイスの着脱があつたとき、 力一ネルのコアドライバにより呼び出されて 自身に記述されている所定の処理を実行するホットプラグスクリプトと、

このホットプラグスクリブトの最後の処理により呼び出されるフックプロダラ ムと、

このフックプログラムにより実行されて上記デバィスの着脱に関する情報をュ —ザアプリケーションに提供するホットプラグマネージャと

を有するデバイス管理システム。

5 . 上記ホットプラグマネージャは、 上記フックプログラムにより呼び出されて 上記ホットプラグスクリブトの環境変数に含まれる情報を受けるホットプラグデ 一モンと、 このホットプラグデーモンから上記情報を得てュ一ザアプリケ一ショ ンに A P Iを提供するホッ卜プラグライブラリとを有する請求の範囲第 4項記載 のデバイス管理システム。

6 . 上記カーネルが L inux (登録商標） のカーネルである請求の範囲第 4項記載の デ.バイス管理システム。