WO2004048189A1 - 自転車用変速装置 - Google Patents

Description

自転車用変速装置 技術分野

本願発明は自転車用変速装置、 より詳しくは 2枚以上のギヤ板が備えられたフ ロントチェーンホイールにおいてチェーンを自転車車幅方向に掛け変える自転車 用変速装置に関するものである。

明 背景技術

書

従来から、 歯数の異なる小径ギヤと中径ギヤおよび大径ギヤを横方向に並設し たフロントチェーンホイールとリンク機構を介しチェーンを掛け変えるためのガ 一ドを備えた自転車用変速装置が広く知られている。 このフロントチェーンホイ ールにおいてチェーンを掛け変える場合、 例えば変速機操作用ワイヤーを介して 自転車用変速装置と接続したシフトレバーを操作して変速機操作用ワイヤーを引 つ張ると、 自転車用変速装置が小径ギヤ側から大径ギヤ側に移動し、 これにより、 小径ギヤから中径ギヤおよび大径ギヤにチェーンを掛け変えることができる。 一 方、 シフトレバーを操作して変速機操作用ワイヤーを緩めると、 自転車用変速装 置に設けられたリターンパネの力によって自転車用変速装置が大径ギヤ側から小 径ギヤ側に戻り、 これにより、 チェーンを大径ギヤから中径ギヤおょぴ小径ギヤ に掛け変えることができる。 ところが、 3枚のギヤを横方向に並設したフロントチェーンホイールにおいて チェーンを掛け変える場合、 小径ギヤから中径ギヤへの変速性能を向上させるた めには、 自転車用変速装置の内ガードをフロントチェーンホイールの軸中心側へ 延ばす必要がある。 ところが内ガードを延ばすと中径ギヤから大径ギヤへ変速す る時、 内ガードと大径ギヤの間にチェーンを挟み込んで変速性能が低下するので ある。 このような問題点を解決するために、 さまざまな内ガード形状が提案され ているが、 いずれも満足のいく変速性能は得られていないのである。 また、 2枚のギヤを横方向に並設したフロントチェーンホイールと当該フロン トチェーンホイール用自転車用変速装置を組み合わせた場合、 内ガードと小径ギ ャ歯先との間隙が大きいため大径ギヤから小径ギヤへ変速させるとき、 チェーン が小径ギヤを飛び越えて自転車車幅方向内側へ脱落することがある。 また、 その 問題を解決するためフロントチェーンホイールの軸中心側へ延ばした従来の自転 車用変速装置を 2枚のギヤを横方向に並設したフロントチェーンホイールに使用 すると、 前述と同様、 内ガードと大径ギヤの間にチェーンを挟み込んで、 小径ギ ャから大径ギヤへの変速性能が低下する問題を発生する。 発明の開示

本願発明は、 以上の実情に鑑みてなされたもので、 ガードを主ガードと捕助ガ ードの 2種類のガードで構成することにより、 3枚以上のギヤを横方向に並設し たフロントチェーンホイールにおいて、 小径ギヤから中径ギヤへの変速性能を向 上させると同時に、 中径ギヤから大径ギヤへの変速性能も向上させることを第 1 の目的とする。 また、 本願発明は 2枚のギヤが備えられたフロントチェーンホイ ールと共に使用される場合、 小径ギヤから大径ギヤへの変速性能を確保しつつ、 大径ギヤから小径ギヤへ変速させるとき、 小径ギヤ側へのチェーンの脱落を防止 することを第 2の目的とする。 本願発明は、 自転車用変速装置のガードを主ガードと補助ガードの 2種類のガ 一ドで構成し、 補助ガードを主ガードに対してフロントチェーンホイールの軸中 心に対し、 半径方向下方に且つ弾性的に変位可能に取り付けることにより、 3枚 のギヤを横方向に並設したフロントチェーンホイールにおいて、 小径ギヤから中 径ギヤに変速させる時、 補助ガードがチェーンを押圧し変速させることができる。 また中径ギヤから大径ギヤに変速させる時は、 従来品と同様に補助ガードがチェ ーンを大径ギヤ側へ押圧するが、 補助ガードは弹性的に変位可能に主ガードに取 り付けられているので、 ある一定以上の押圧力になると大径ギヤとは反対側へ逃 避するように変位する。 その結果ガードと大径ギヤとの間にチェーンを挟み込む ことなく、 スムーズに大径ギヤへチェーンを変速させることができるのである。 また、 本願発明を 2枚のギヤを横方向に並設したフロントチェーンホイールに 使用した場合、 小径ギヤから大径ギヤへの変速時、 補助ガードが変位するため、 従来の 2枚のギヤを横方向に並設したフロントチェーンホイール用の自転車用変 速装置と同様の変速性が得られ、 大径ギヤから小径ギヤへの変速時は内ガードと 小径ギヤ歯先との間隙を小さくできるので、 チェーンが小径ギヤを飛ぴ越えて自 転車車幅方向内側へ脱落しやすいという問題を解決することが出来るのである。 図面の簡単な説明

第 1図は本願発明の一実施形態の自転車用変速装置の正面図、 第 2図は本願発 明の一実施形態の自転車用変速装置の側面図であり、 第 3図は本願発明を 3枚の ギヤ板が備えられたフロントチェーンホイールと組み合わせた場合の作動説明図 である。 第 4図は従来品を 3枚のギヤ板が備えられたフロントチェーンホイール と組み合わせた場合の作動説明図、 第 5図は従来品を 3枚のギヤ板が備えられた フロントチェーンホイールと組み合わせた場合の説明図である。 第 6図は本願発 明の第 2の実施例を示す図であり、 第 7図は本願発明の第 3の実施例を示す図で ある。 発明を実施するための最良の形態

以下、 図面に基づいて本願発明の実施の形態を具体的に説明する。 本願発明の 自転車用変速装置 1は、 第 1図および第 2図に示すようにシートパイプ 2に固定 されるフレーム 3およびパンド 4、 フレームに軸 9およびピン 1 0を介して回転 可能に枢着されるリンク 6およびリンク 5、 リンク 5およびリンク 6にピン 1 2 およびピン 1 1を介して回転可能に枢着された主ガード 7、 主ガードにピン 1 9 により固定された補助ガード 8によって構成され、 ガード Mが平行移動可能に形 成されている。 リンク 6の内部にはリターンスプリング 1 7が内蔵されていて、 ガード Mが自 転車車幅方向內側 （矢印 Q方向） に当該リターンスプリング 1 7によって付勢さ れている。 リンク 6にはシフトレパー Sから延出されたワイヤー 1 8を接続する ためのワイヤー接続部 1 6がポルト 1 3、 ナット 1 4、 ワッシャー 1 5によって 構成されており、 シフトレバー Sを牽引することによりガード Mが自転車車幅方 向外側 （矢印 P方向） に移動し、 シフトレバーを戻すとリターンスプリングの戻 り力によってガード Mが矢印 Q方向に移動するのである。 なお、 補助ガードは弹 性的に変形可能な材料で形成され、 主ガードに対しシートパイプ中心より自転車 前後方向後方でピン 1 9により固定されている。 以上のように構成された自転車用変速装置 1と 3枚のギヤが備えられたフロン トチェーンホイールとの組み合わせにおいては、 通常リターンスプリング 1 7に より第 2図に示すようにガード Mは小径ギヤ Cの上方に位置している。 この状態 からシフトレバー Sを牽引すると、 ガード Mは矢印 P方向へ中径ギヤの上方まで 移動し、 チェーンを小径ギヤ Cの接点 C aに最も近い補助ガードの下端部 8 bで 押圧し、 チェーンを掛け変えるのである。 更にシフトレバー Sを牽引するとガード Mは矢印 P方向へ大径ギヤの上方まで 移動するのであるが、 このときチェーンは中径ギヤ Bの接点 B aに最も近い捕助 ガードの下端部 8 cで押圧し、 大径ギヤの中径ギヤ側側面にチェーンを挟み込も うとするが、 補助ガードは弾性的に変形可能な材料で形成されているため、 この 押圧力に負けて第 3図に示されるように小径ギヤ側 （矢印 W方向） へ逃避するよ うに変形する。 その結果チェーン Gを大径ギヤ側面に挟み込むことがないので、 主ガード 7は大径ギヤ側へ所望の量、' 移動させることが出来、 大径ギヤの歯先に 近い主ガードの下端部 7 a (第 1図参照） でチェーンを押すので、 確実にかつス ムーズに変速させることが出来るのである。 . 従来品においては主ガードおよび補助ガードという区別なく一体的かつ弾性変 形のないガード Nとして形成されているため、 中径ギヤから大径ギヤにチェーン を掛け変える場合、 大径ギヤの小径ギヤ側側面にチェーンを挟み込んでしまい、 第 4図に示されるように Lの距離だけ変速させるための十分な移動量が得られず. その結果確実でスムーズな掛け変えが得られないのである。 なお補助ガードは主 ガードに対しシートパイプ中心より自転車前後方向後方に取り付けるのが好都合 であるが、 更に言えば小径ギヤから中径ギヤへ変速させる時に、 チェーンを押圧 する補助ガードの下端部 8 bが変位または変形し難い位置にピンなどで取り付け るのが良い。 大径ギヤから小径ギヤ側へチェーンを掛け変える場合は、 シフトレバー Sを戻 すことによりリターンスプリング 1 7の戻り力によってチェーンを小径ギヤ側へ 主ガードの段押し部 7 b (第 1図参照） によって押圧するのであるが、 この部分 の形状は従来品と何ら変わりはない為、 従来品と同等の変速性能が得られるので ある。 次に、 2枚のギヤ板が備えられたフロントチェーンホイールとの組み合わせに おいては、 第 5図に示されるように通常、 小径ギヤ歯先と内ガードの間隙 Xが大 きく大径ギヤから小径ギヤへ変速させるとき、 チェーンが間隙 Xから自転車車幅 方向内側へ脱落することがあるが、 本願発明を利用すると間隙 Xを小さくするこ とが出来るのでチ ーンの脱落を防止することが出来、 かつ小径ギヤから大径ギ ャへの変速性を従来品と同等に保つことができるのである。 本願発明は前述の実施例に限られるものではなく、 第 6図に第 2の実施例とし て示されるように主ガード 2 0およぴ捕助ガ一ド 2 1は剛体で形成されており補 助ガードはピン 2 2により板スプリング 2 3を介して主ガードに少なくとも自転 車車幅方向内側 （矢印 W方向） に変位可能に取り付けてもよいし、 第 7図に第 3 の実施例として示されるようにガード Rを弾性体で形成し主ガード部 R aと捕助 ガード部 R bを設け補助ガード部が弾性的に変位するような形状にしても良いの であって、 主ガード部と補助ガード部が設けられ、 補助ガード部が外力により弾 性的に変位するように構成すればよいのである。 産業上の利用可能性

以上のように、 本願発明は従来のフロント用自転車用変速装置の欠点を大幅に 解決し、 変速性能を格段に向上させるものである。 3枚のギヤが備えられたフロ ントチェーンホイールとの組み合わせにおいては、 従来品では小径ギヤから中径 ギヤへの変速性能を向上させようとすると、 中径ギヤから大径ギヤへの変速性能 が低下し、 逆に中径ギヤから大径ギヤへの変速性能を向上させようとすると、 小 径ギヤから中径ギヤへの変速性能が低下してしまう欠点がある。 本願発明では自転車用変速装置のガードを主ガードと補助ガードの 2枚で構成 し、 かつ補助ガードをフロントチェーンホイールの軸中心に対し、 主ガードの半 径方向下方位置に主ガードに対し弾性的に変位可能に取り付けることにより、 小 怪ギヤから中径ギヤに変速させる時、 捕助ガードがチェーンを押圧し変速させる ので従来品と同等の変速性能が得られ、 中径ギヤから大径ギヤに変速させる時は、 大径ギヤ側へチェーンを押圧しようとすると補助ガードが大径ギヤとは反対側へ 逃避するように変位する。 その結果ガードと大径ギヤとの間にチェーンを挟み込 むことなく、 スムーズに大径ギヤへチェーンを変速させることが出来るのである。 また、 2枚のギヤ板が備えられたフロントチェーンホイールと共に使用される 場合において、 従来の自転車用変速装置では内ガードがフロントチェーンホイ一 ルの軸中心方向に、 それほど大きく延出していないため、 大径ギヤから小径ギヤ へ変速させる時、 チヱーンが小径ギヤを飛び越えて脱落することがあるが、 本願 発明では半径方向下方に位置するガードをフロントチェーンホイールの軸中心方 向に大きく延出させることが出来るので、 チェーンの脱落を防止することが出来 るのである。

Claims

請求の範囲

1 . 2枚以上のギヤ板が備えられたフロントチェーンホイールにおいてチェ一 ンを自転車車幅方向に掛け変える自転車用変速装置であって、 中径ギヤから大径 ギヤへ掛け変えるための主ガードと小径ギヤから中径ギヤへ掛け変えるための補 助ガードの 2枚のガードで構成され、 主ガードはガードを自転車車幅方向へ移動 するためのリンク機構に枢支され、 捕助ガードは主ガードに弹性的に変位可能に 取り付けたことを特徴とする自転車用変速装置。

2 . 主ガードと補助ガードはフロントチェーンホイールの軸中心に対し、 半径 方向上下に位置していることを特徴とする請求項 1に記載の自転車用変速装置。

3 . 補助ガードは自転車のシートパイプ中心より自転車前後方向後方で主ガー ドに取り付けられていることを特徴とする請求項 1に記載の自転車用変速装置。

4 . 補助ガードは主ガードにピンまたは溶接で取り付けられていることを特徴 とする請求項 1に記載の自転車用変速装置。

5 . 捕助ガードは変位可能な弾性体で形成されていることを特徴とする請求項 4に記載の自転車用変速装置。

6 . 補助ガードは剛体で主ガードに弾性体を介してピンなどで取り付けられて いることを特徴とする請求項 1に記載の自転車用変速装置。

7 . 2枚以上のギヤ板が備えられたフロントチェーンホイールにかけられたチ エーンを自転車車幅方向に掛け変える自転車用変速装置であって、 中径ギヤから 大径ギヤへ掛け変えるための主ガード部と小径ギヤから中径ギヤへ掛け変えるた めの捕助ガード部を一体的に設け、 且つ弾性体で形成することにより、 補助ガー ド部が弾性変形可能に構成されたことを特徴とする自転車用変速装置。