明 細 書 ポリスチレン樹脂発泡体及びその製造方法 技術分野
本発明はポリスチレン樹脂発泡体に関する。 さらに詳しくは、 建築用断熱材と して有用な、 高い断熱性能、 圧縮強度および表面平滑性を有するポリスチレ.ン樹 脂発泡体に関する。
背景技術
ポリスチレン樹脂、 特に、 ポリスチレン樹脂の発泡体は優れた断熱性能および 緩衝性を有していることから、 断熱材、 食品容器、 緩衝材、 自動車用部材等に幅 広く使用されている。 特に、 建築物の壁、 床間仕切り等の断熱材用途は省エネル ギ一による地球温暖化防止対策の有力な製品の一つとして期待されている。 これら断熱材等の成形法としては、 ポリスチレン樹脂に発泡剤を加えてフィル ム状、 シート状、 板状等の各用途に適した形状に成形する押し出し成形、 射出成 形等が用いられている。その際に添加される発泡剤としては、ブタン、ペンタン、 ジクロロジフルォロメタンのような低沸点の炭化水素化合物またはハロゲン化炭 化水素化合物がこれまで広く使われていた。 それらは、 樹脂への溶解性および樹 脂による保持性が優れている反面、 可燃性であり、 また健康や環境面への配慮か ら他の発泡剤への転換が望まれている。
これに対して、 炭酸ガスや窒素ガス等の不活性ガスは不燃性であると共に、 環 境を害することが少ないので好ましい発泡剤といえる。 しかし、 不活性ガスは、 樹脂との親和性が良好でないことから樹脂への溶解性に乏しく、 断熱材等の成形 時にガス抜けが起こるために、 得られた樹脂発泡体中の気泡径および気泡分散が 不均一になりがちであって、 品質の一定した樹脂発泡体を製造することは難しい といわれている。 加えて、 不活性ガスとして炭酸ガスを用いた場合ポリスチレン 樹脂発泡体中の炭酸ガスは容易に熱伝導係数の高い空気と置換するため、 得られ る発泡体の断熱性能は充分ではなかった。
他方、ポリスチレン樹脂発泡体の断熱性能を支配する因子として、平均気泡径、 独立気泡率、 密度等が挙げられ、 特定の密度において、 平均気泡径が小さく独立
気泡率が高い発泡体は断熱性能が高いことが知られている。 しかし、 小平均気泡 径で、 高発泡倍率のポリスチレン発泡体を得ようとすると、 気泡壁が破泡して独 立気泡体が得られなかつたり、成形体がうまく作成できないという問題があつた。
日本国特開 2 0 0 1— 2 8 8 2 9 3 (以下、 文献 1と称する) には、 断熱性向 上のため、 疎水化した層状ゲイ酸塩の層間に、 さらに体積膨潤可能な気体または 熱分解発泡剤を介在させることによって、 平均層間距離が 6 0オングストローム 以上の層状ケィ酸塩を含有するポリオレフィン樹脂発泡体を得る方法が開示され ており、比較的小さい平均気泡径の熱可塑性樹脂発泡体が得られている。しかし、 文献 1ではポリオレフィン樹脂発泡体中の層状ケィ酸塩の平均層間距離を 6 0ォ ングストローム以上に剥離させるために、 相溶化剤として低分子量の変性樹脂を 添加するために原材料費が高くなるという問題点があつた。また、製造工程上も、 相溶化剤の添加量によって得られる樹脂発泡体の粘弹性が大きく変化するために 混練、 発泡工程等の条件設定が難しく、 安定した性能の樹脂発泡体を供給するた めに多大な労力を要するものであった。
尚、 文献 1に開示されたポリオレフイン樹脂発泡体を得る方法を文献 1で用い るポリオレフィン樹脂のかわりに本発明のポリスチレン樹脂にかえる以外は同じ 条件でポリスチレン樹脂発泡体を製造しょうとしても良好なポリスチレン樹脂発 泡体が得られないことはその後の本発明者らの検証で明らかとなっている。
すなわち、 高い断熱性、 圧縮強度、 表面平滑性を同時に満足するようなポリス チレン樹脂発泡体を得ることは困難である。
発明の開示
本発明は断熱性能、 圧縮性能、 表面平滑性に優れたポリスチレン樹脂発泡体を 得ることを目的とする。
本発明者らは、 上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、 原料とし て用いる変性層状ケィ酸塩の層間距離 (hO)とポリスチレン樹脂発泡体中の変性層 状ケィ酸塩の層間距離(hf)とから算出されるインターカレ一シヨンパラメ一ター (IP)が 5 . 7以上 2 1 . 0以下となるように、 変性層状ゲイ酸塩とポリスチレン 樹脂を溶融混練して得られるポリスチレン樹脂組成物から発泡体を得た場合にの み高い断熱性能、 圧縮性能、 表面平滑性を得られることを見出し本発明を完成し たものである。
本発明のポリスチレン樹脂発泡体は炭酸ガス等の不活性ガスを含むあらゆる発
泡剤を用いても発泡時のガス抜けがなく、 高発泡倍率で、 独立気泡率が高く、 か つ、 気泡径も小さい。 従って、 高い、 断熱性能、 圧縮性能、 表面平滑性を同時に 満足することが可能である。 加えて本発明のポリスチレン樹脂発泡体は、 フロン 等の熱伝導係数の低いガスを用いなくても断熱性能に優れることも特徴である。 すなわち、 本発明は以下のとおりである。
1、 層状ケィ酸塩を変性することによって得られる変性層状ケィ酸塩とポリスチ レン樹脂を含有するポリスチレン樹脂発泡体であって、 下記式 (1) で表される イン夕一カレ一シヨンパラメ一ター (I P) が 5. 7以上 2 1. 0以下であるこ とを特徴とするポリスチレン樹脂発泡体。
I P = h f - h 0 (単位:オングストローム) (1)
f :ポリスチレン樹脂発泡体中の変性層状ケィ酸塩の層間距離 h 0 :原料である変性層状ケィ酸塩の層間距離
2、 該層状ケィ酸塩が下記化学式 (2) で表される合成フッ素化雲母であること を特徴とする 1に記載のポリスチレン樹脂発泡体。
N aMg2.5S i 4O10 (FaOH (1_α) ) 2 (2)
(0. 8≤ ≤ 1. 0)
3、 該変性層状ケィ酸塩が、 非イオン性界面活性剤で変性されていることを特徴 とする 1または 2のいずれかに記載のポリスチレン樹脂発泡体。
4、 1〜 3のいずれかに記載の変性層状ケィ酸塩と、 ポリスチレン樹脂を溶融混 練してポリスチレン樹脂組成物とし、 引き続き該ポリスチレン樹脂組成物を発泡 して成ることを特徴とする 1〜 3のいずれかに記載のポリスチレン樹脂発泡体の 製造方法。
5; 1〜 3のいずれかに記載のポリスチレン樹脂発泡体から成る断熱材。
図面の簡単な説明
Figlは、 ポリスチレン樹脂発泡体 (実施例 2) の走査型電子顕微鏡 (SEM) 写真である。
Fig 2は、 Figlの走査型電子顕微鏡写真のポリスチレン樹脂発泡体の気泡壁部 分を拡大した透過型電子顕微鏡 (TEM) 写真である。
Fig3は、 ポリスチレン樹脂発泡体 (比較例 5) の透過型電子顕微鏡 (TEM) 写真である。 . '
発明を実施するための最良の形態
本発明に用いられる層状ケィ酸塩として、 タルク、 ピロフィライト、 スメクタ イト、 バーミキユライト、 マイ力 (雲母) 等の 2 : 1型の粘土鉱物等が挙げられ る。 スメクタイトの種類としては、 モンモリロナイト、 ヘクトライト、 バイデラ ィト、サボナイト等が挙げられる。これらは天然鉱物を精製したもの、水熱合成、 溶融合成、 焼成合成等によって得られたものが用いられる。 中でも、 天然モンモ リロナイト、 合成フッ素化雲母等が好ましい。
さらに、 下記の化学式 (2) で代表されるような合成フッ素化雲母を用いた場 合は、 得られるポリスチレン樹脂組成物中の変性層状ケィ酸塩の二次凝集が抑え られるために、 その樹脂発泡体中の変性層状ケィ酸塩の二次凝集も抑えられるの で好ましい。
加えて合成フッ素化雲母を用いた場合には、 I Pの値が同じとなるような天然 モンモリ口ナイトゃ合成サボナイトを用いた場合に比較して二次凝集が抑制され、 圧縮性能、 表面平滑性がより優れたものとなる。
NaMg2.5S i 4O10 (FaOH (1_α) ) 2 · (2)
(0. 8≤a≤ l. 0)
合成フッ素化雲母の例としては、 コープケミカル (株) 社製のソマシフ (ME 1 00) (商標) 等が挙げられる。
本発明における変性とはホストである層状ケィ酸塩に何らかの形で別の化合物 (変性剤) を結合させることを意味する。 ここで言う結合とは、 化学的結合、 ィ オン結合、 水素結合などあらゆるものを意味する。 具体的な変性法としては、 例 えば、,層状ケィ酸塩の各層の負電荷と水素結合できる化合物を層間に挿入する層 間挿入法がある。
層間挿入法のための化合物 (変性剤) には限定はなく、 例えば、 長鎖のアルコ —ル、 カルボン酸、 界面活性剤、 シランカップリング剤等、 が用いられるが、 中 でも、 界面活性剤が好ましい。
界面活性剤として、 ァニオン性、 カチオン性、 非イオン性及び両性の界面活性 剤のいずれも用いることができる。 好ましくはカチオン性及び非イオン性界面活 性剤、 より好ましくはカチオン性界面活性剤である。
カチオン性界面活性剤の例としては、 ドデシルトリメチルアンモニゥムブロマ イド或いはドデシルトリメチルアンモニゥムクロライドや、 ォクタデシルトリメ チルアンモニゥム塩等の 4級アンモニゥム塩、 ォクタデシルトリメチルアミン等
のァミン類等が挙げられる。 ァミンの場合は適量の酸を添加することによって使 用可能となる。
非イオン性界面活性剤としては限定は無いが、 親水部として、 エチレンォキサ イド (EO) 、 プロピレンオキサイド (P〇) またはその共重合体、 水酸基等が 挙げられる。 疎水部として、 長鎖の飽和または不飽和のアルキル基等が挙げられ る。 従って、 非イオン性界面活性剤として、 例えば、 ポリエチレングリコールス テアリルエーテル、 ポリエチレンダリコールラウリルエーテル等のポリエチレン グリコールのエーテル類、 ポリエチレングリコ一ルステアレート、 ポリエチレン グリコールラウレート等のポリエチレングリコールのカルボン酸エステル類等が 挙げられる。
本発明において界面活性剤を用いた層状ケィ酸塩の層間挿入法による変性法と しては、 水、 又はアルコールで膨潤させた層状ケィ酸塩とエタノール、 メタノー ル或いは水等の溶剤に溶解した界面活性剤を混合した後、 得られる変性層状ケィ 酸塩を濾別、 洗浄、 乾燥する方法 (溶媒法) が挙げられる。
界面活性剤として非イオン性界面活性剤を用いる場合は、溶媒法の別法として、 非イオン性界面活性剤の融点またはガラス転移点より 10〜50°C高い温度で層 状ケィ酸塩と混合後、 同温度で一定時間放置する方法がある。 この方法は溶融状 態あるいは運動性の高い状態の非イオン性界面活性剤が層状ケィ酸塩の層間に侵 入することにより変性させるものである。 この方法では上述の溶媒法に比べ溶媒 を用いる必要がないため生産効率が高い。
尚、 本発明では層状ゲイ酸塩の末端のシラノール基をカップリング剤で処理し て層状ケィ酸塩同士を 3次元架橋することによって変性してもかまわない。
本発明のポリスチレン樹脂発泡体のインターカレ一ションパラメータ一( I P) は 5. 7以上 21. 0以下である。 I Pは、 下記式 (1) より算出する.。
I P= h f -h 0 (単位:オングストローム) (1)
f :ポリスチレン樹脂発泡体中の変性層状ゲイ酸塩の層間距離 h O :原料である変性層状ゲイ酸塩の層間距離
ここで、 h f、 h 0は、 下記式 (3) 及び (4) より算出される。
h 0 (オングス卜ローム) =d 0 (オングス卜ローム) - 9. 5 (3) h f (オングストローム) =d f (オングストローム) 一 9. 5 (4) ここで、 9. 5オングストロームは、 層状ケィ酸塩の 1層の厚みで、 どの層状
ケィ酸塩を用いても値は殆ど変わらない。 d 0は原料である変性層状ケィ酸塩を X線回折測定した結果、 変性層状ケィ酸塩の 00 1面の底面反射に相当するピー ク位置 (20) から B r a g gの式 (下記式 (5) ) を用いて算出することがで きる。
d 0= l. 54/2 s i n 0 (5) d f はポリスチレン樹脂発泡体を X線回折測定した結果、 d 0と同様に発泡体 中に含まれる変性層状ケィ酸塩の 001面の底面反射に相当するピーク位置 (2 Θ) から B r a g gの式を用いて算出することができる。
本発明における X線回折測定は、 通常の測定条件で測定することができる。 例えば、 原料である変性層状ゲイ酸塩の層間距離 (h 0) を測定する場合は粉 末状で、 ポリスチレン樹脂発泡体中の ¾性層状ケィ酸塩の眉間距離 (h f) を測 定する場合はシート状 (2 mm厚み) で測定する。 測定機器にはリガク (株) 社 製 X線回折装置 R I NT 2000 (商標) を用い、 Cuの Κα線を用いて測定す る。 その他の測定条件としては、 加速電圧: 40 k V、 加速電流: 200mA、 走査速度: 2。ノ m i n、 発散、 散乱スリット 1 Z 6 ° 受光スリット幅: 0. 1 5 mmといつた測定条件であればかまわない。
尚、 本発明においては上記の測定条件に基づいた測定を実施している。
一般的に、 発泡用核剤としてタルク等の無機物をポリスチレン樹脂に添加する ことは知られているが、 発泡用核剤の一次粒子が数 1 0マイクロメータ一に及ぶ ものがほとんどで、 高発泡倍率で, 平均気泡径サイズが小さい発泡体を得ること は非常に困難である。 これに対して、 本発明における I Pが 5. 7以上のポリス チレン樹脂発泡体は、 変性層状ケィ酸塩の層間にポリスチレン樹脂が侵入するこ とによって、 層間距離が増大すると同時に、 変性層状ケィ酸塩の微結晶の周りを ポリスチレン樹脂が包囲した構造をとることによって層状ケィ酸塩の微結晶同士 の凝集力が小さくなるために、 層状ケィ酸塩の微結晶が気泡壁にナノオーダ一で 微分散する。 その結果としてガス抜けが無く低密度で独立気泡率が高く, 気泡径 が小さい発泡体が得られる。 そのため、 断熱性が高く、 また得られるポリスチレ ン樹脂発泡体の表面平滑性、 圧縮弾性率も良好な値を示す。
尚、 好ましい I Pの値は 10. 0以上であり、 より好ましくは 13. 0以上で ある。 また、 本発明において I Pの値は 21. 0が上限であり、 現状 21. 0よ り大きくすることは不可能である。
先記した文献 1 (日本国特開 200 1 - 288293) には、 疎水化した層状 ケィ酸塩の層間に、 さらに体積膨潤可能な気体または熱分解発泡剤を介在させ、 さらに層状ケィ酸塩を剥離させるために、 第 3成分として相溶化剤を添加するこ とによって、 平均層間距離が 60オングストローム以上の層状ケィ酸塩を含有す る熱可塑性樹脂発泡体を得る方法が開示されている。 この文献 1に開示された実 施例をもとに I Pを計算すると 26オングストローム以上になる。 文献 1ではポ リオレフイン樹脂を発泡して^るが、 仮に、 この方法を本発明のポリスチレン樹 脂に用いて発泡した場合には得られる発泡体の I Pは 21オングストロームから 26オングストロームの間となり、 このような方法で製造したポリスチレン樹脂 発泡体は本発明の断熱性を達成し得ないことが本発明者らの検討で明らかになつ ている。
本発明のポリスチレン樹脂発泡体の気泡壁中の変性層状ゲイ酸塩の分散状態に ついて Figl、 Fig2及び Fig3を用いて説明する。
Fig 1は実施例 2で用いたォクタデシルトリメチルアンモニゥムクロライドで 変性した層状ケィ酸塩 (h 0= 12. 4オングストローム) とポリスチレン樹脂 から得られるポリスチレン樹脂発泡体の断面全体を示した SEM写真であり、 Fig 2は Figlの S EM写真で示された発泡体の断面写真中の 3つの気泡壁が交わつ て 3重点となつた部分の拡大 T E M写真である。 このポリスチレン樹脂発泡体の I Pは、 20. 5である。 Fig2より幅 300 ηπ!〜 600 nmの発泡体の気泡の 壁に変性層状ゲイ酸塩の微結晶が配向して分散している様子が認められる。
一方、 Fig3は比較例 5で用いた市販の変性層状ケィ酸塩 MAE (h 0 = 24. 5オングストローム) とポリスチレンからなるポリスチレン樹脂発泡体の断面の 気泡の壁を拡大した TEM写真である。 このポリスチレン樹脂発泡体の I Pは 0 である。 この場合は変性層状ケィ酸塩が TEM写真中約 250n mから 450 η mの幅の気泡壁の一部に約 400 nmの幅で長さ約 3100 nmにわたつて変性 層状ケィ酸塩が凝集している様子が認められる。
本発明における I Pを 5. 7以上にするためには、 原料である変性層状ケィ酸 塩の h 0をある特定の値にすることが好ましい。
本発明のポリスチレン樹脂発泡体の場合、 変性層状ケィ酸塩の h 0は 5. 83 オングストロームより大きく 20. 00オングストローム未満であることが好ま しい。 より好ましくは 8. 90オングストロームより大きく 15. 50オングス
トローム未満であり、 よりさらに好ましくは 12. 00オングストロームより大 きく 13. 00オングストローム未満である。
h Oは、 層状ケィ酸塩の変性剤、 例えば、 界面活性剤の場合は、 その疎水部の 鎖長によって制御することができる。 鎖長が長い程 h 0は大きくなる。 カチオン 性界面活性剤を用いる場合はアンモニゥム塩のヘッドグループ (1級、 2級また は 3級) によっても h 0を変化させることができる。 同じ界面活性剤を用いる場 合で ィオン父換量 (c h a r g e e x c h ang e c ap a c i t y : C EC) の異なる層状ケィ酸塩を用いることによって、 h Oを制御することができ る。
本 5§明におけるポリスチレン樹脂とは、 スチレン単独の重合体に加えて、 αメ チルスチレン等のスチレン誘導体、 無水マレイン酸等のマレイン酸誘導体、 ァク リル酸、 アクリル酸エステル、 メタクリル酸、 メタクリル酸エステル等のァクリ ル酸誘導体等から選ばれるモノマーとスチレンとの共重合体であってもかまわな レ^ また、 共重合体同士の混合物であってもかまわない。
本発明におけるポリスチレン樹脂発泡体の発泡倍率は限定されないが、 1. 0 1〜120が好ましい。また、ポリスチレン樹脂発泡体の平均気泡径を X( m)、 発泡倍率を γとした時に、 / (Y - 1) 1/3が 29 m以下にあることが好ま しレ^より好ましくは 24 m以下、さらにより好ましくは 18 im以下である。 本発明では、 平均気泡径を小さくするための方法として、 発泡前のポリスチレ ン樹脂組成物の水分率を制御する方法が挙げられる。 水分率は樹脂の種類によつ て異なるが、 好ましくは 200〜: L 500 p pm、 より好ましくは 500〜 10 00 p mである。
次に、 ポリスチレ 樹脂発泡体の製造方法について説明する。
先ず、 ポリスチレン樹脂と変性層状ケィ酸塩を含有するポリスチレン樹脂組成 物の製造方法について説明する。
本発明におけるポリスチレン樹脂と変性層状ケィ酸塩は通常の混練方法によつ て組成物とすることが可能であるが、 溶融混練によってポリスチレン樹脂組成物 とすることが好ましい。
溶融混練の方法には限定はなく、通常の当該分野で用いられる方法が使用でき、 単軸または 2軸の押出し機を用いることが可能であるが、 2軸の押し出し機が好 ましい。
また、 これらの押し出し機を直列に 2段、 3段、 多段と組み合わせて使用して もよい。 好ましくは 2軸の押し出し機を 2段組み合わせたものである。
ポリスチレン樹脂と変性層状ケィ酸塩の混合組成比は、 変性層状ケィ酸塩が、 ポリスチレン樹脂 1 0 0重量部に対して 0 . 0 1重量部〜 5 0重量であることが 好ましく、 より好ましくは 0 . 0 1〜2 0重量部、 最も好ましくは 0 . 1〜 1 0 重量部である。 変性層状ゲイ酸塩が 0 . 0 1重量部より少ないと、 ポリスチレン 樹脂発泡体とした時に目標とする断熱性能等が得られない。 一方、 変性層状ケィ 酸塩が 5 0重量部より多いと、ポリスチレン樹脂の発泡体とすることができない。 以上のようにして得られた本発明のポリスチレン樹脂組成物には、 通常、 用い られる酸化防止剤、 滑剤、 着色剤、 難燃剤等の添加剤を添加することができる。 次にポリスチレン樹脂組成物を発泡してポリスチレン樹脂発泡体とする方法に ついて説明する。
ポリスチレン樹脂組成物から発泡体を製造する具体的な方法には制限は無く、 通常の押し出し発泡、 ビーズ発泡による方法が使用できる。
押し出し発泡の場合について説明する。 ポリスチレン樹脂組成物及び発泡剤を 押し出し機中で溶融混練し、 混合物を発泡に適した温度に調温した後、 押し出し て発泡体を成形する。 また、 溶融状態にあるポリスチレン樹脂組成物に発泡剤を 添加、 圧入した後発泡に適した温度に調温して押し出して発泡体とすることもで きる。 溶融温度、 時間等には特に制限は無いが、 温度はポリスチレン樹脂が溶融 する温度が好ましい。 時間は、 通常のポリスチレン樹脂と発泡体成形に用いられ る添加剤が分散するのに要する時間であることが好ましい。
一方、 ビーズ発泡法はあらかじめペレツト状のポリスチレン樹脂組成物にガス または液状の発泡剤を含浸させておき、金型内で加熱して発泡させる方法である。 この場合、 ペレツトは上記の押し出し法により発泡剤が発泡しない温度に調整し ながら溶融混練によって作成することができる。 高発泡倍率の成形体を作成する 場合は、一旦、発泡させて予備発泡ビーズとした後、再度発泡剤を含浸させた後、 金型内で発泡成形する方法が用いられる。
本発明で使用できる発泡剤としては、 一般に押し出し発泡成形する際に用いら れている蒸発型発泡剤が使用できる。
例えば、 ジメチルェ一テル、 ジェチルエーテル、 メチルェチルエーテル等のェ
—テル類、 メタノール、 エタノール、 プロピルアルコール、 i—プロピルアルコ
—ル、 ブチルアルコール等のアルコール類、 炭酸ガス、 窒素ガス、 アルゴン、 へ リウム等の無機ガス、 炭素数 3〜 6の飽和炭化水素、 塩化メチル、 塩化工チル等 の八ロゲン化炭化水素、 1ージフルオロー 1—クロ口ェ夕ン(H C F C 1 4 2 b )、 1, 1 , 1, 2—テトラフルォロェタン (H F C 1 3 4 a ) 、 1, 1, 1, 3, 3 —ペン夕フルォロプロパン (H F C 1 4 3 a:) 、 1, 1, 1, 2, 3, 3—へ キサフルォロプロパン (H F C 2 3 6 e a ) 等のフロン類、 アセトン、 ジメチル ケトン、 メチルェチルケトン等のケトン類が挙げられ、 これらの発泡剤は単独ま たは 2種以上を混合して用いられる。
この中で、 炭酸ガスや窒素ガス等の不活性ガスは、 不燃性であると共に環境を 害することが少ないため、 産業上好ましい発泡剤である。 さらに超臨界状態の炭 酸ガスを用いると、 ポリスチレン樹脂組成物への溶解度が向上するので、 より好 ましい。
尚、 ポリスチレン樹脂組成物を発泡する際、 炭酸ガス等の不活性ガスを用いて も発泡時のガス抜けを抑制するためには層状ケィ酸塩の微結晶のァスぺクト比 (各層 1枚の長さノ厚み) が 2 0 0以上である事が好ましく、 より好ましくは、 5 0 0以上、 最も好ましくは 1 0 0 0以上である。
以上、 本発明のポリスチレン樹脂発泡体の製造方法について説明 た。
次に、 実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、 本発明はこの実施例によ り限定されるものではない。
尚、 本実施例で測定する変性層状ケィ酸塩の発泡セル壁中での分散状態、 発泡 体の平均気泡径、 発泡倍率、 表面平滑性、 圧縮弾性率、 アスペクト比は以下の要 領で測定し、 各実施例、 比較例の結果を表 1に示す。
Α、·変性層状ゲイ酸塩の分散状態
発泡体をエポキシ樹脂で包埋し、 硬化させた後、 薄くスライスする。 このサン プルを日立 (株) 社製の透過型顕微鏡 Η— 7 1 0 0 (商標) で観察し、 分散状態 を判定した。 具体的には、 まず、 Fig 2に示されるような、 ポリスチレン樹脂発泡 体の 3重点が 3 0点程度含まれるような T E M写真 (全体写真) を用い、 その写 真を画像上で 5 0分割 (分割写真) する。 そして、 各々の分割写真中に Fig 3で示 したような凝集物の存在が確認できる分割写真の点数を数え、 5 0点の分割写真 中、 凝集物の存在する分割写真の点数から分散性を以下のように分類した。
〇:殆どの分割写真において、 Fig 2に示すように変性層状ケィ酸塩がセル壁中
に分散しており、 凝集物の存在を確認できる分割写真の点数が 2 %以下で ある状態。
△:凝集物の存在を確認できる分割写真の点数が 2 %より多く 8 %以下である 状態。
X:凝集物の存在を確認できる分割写真の点数が全体の 8 %より多い状態。 B、 平均気泡径
発泡成形体の中央部から試験片をカツトし、カツト面に発泡成形体の厚み方向、 厚み方向と直行する方向に一定長さ Lの直線を引き、 その直線に接している気泡 の数を数えて次式 (6 ) で計算する。 各方向 n = 1 0の平均値を求め、 さらに 3 方向の平均値を算出した。 平均気泡径が小さい場合には、 発泡体断面の顕微鏡写 真を撮影し、 その写真上で同様の操作を行う。 この場合、 直線 Lの中に最低でも 気泡の数が 1 0点以上含まれるものとする。
平均気泡径 (mm) = 1 . 6 2 6 X L (mm) /気泡数 ( 6 )
C, 発泡倍率
発泡倍率 =非発泡のポリスチレン組成物の比重 Z発泡させた成形体の比重 D , 表面平滑性
発泡シートの表面平滑性の判定は、 目視により以下の規準で行った。
〇:発泡シートの表面が平滑で光沢がある。
△:発泡シートの表面が平滑だが光沢はない。
X :発泡シートの表面に凹凸や突起状のッブがある。
F , 圧縮性能
発泡体の圧縮性能は日本工業規格 J I S A - 9 5 1 1に準拠して測定した。 圧縮弾性率は初期弾性率、圧縮強度は 1 0 %歪みの時の応力をもって値とした。
G, ァスぺクト比
変性層状ケィ酸塩のアスペクト比は、 S E M及び T E M測定から求められる。 層の長さは S E Mで観測される層状ゲイ酸塩の微結晶層の平面最大長さを最低 1 0点以上測定した平均値を持って層の長さとする。 一方、 層の厚みはどの層状ケ ィ酸塩を用いても約 9 . 5オングストロームである事が知られている。
実施例 1
カチオン性界面活性剤としてドデシルトリメチルアンモニゥムクロライド(A 1 d r i c h社製) 4 . 7 gをエタノール 1 0 0 gに溶解した (A液とする) 。 層
状ケィ酸塩としてコープケミカル (株) 社製の合成フッ素化雲母であるソマシフ (ME 100) (商標) (CE C= 12 Ome d/ 100 g) l O gを脱イオン 水 500 gにホモミキサーを用いて分散させた (B液とする) 。 A液と B液を 5 0°Cで 24時間混合した。 得られた沈殿を濾別し、 エタノールで数回洗浄後、 1 00°Cで 5時間真空乾燥して変性層状ケィ酸塩を得た。
得られた変性層状ケィ酸塩 5 gとポリスチレン (分子量: Mw= 21 0000 : A&Mスチレン社製 GPS 680) 95 gを東洋精機 (株) 社製混練機ラボブラ ストミル (商標) で混合した。 混合条件は以下の通りである。 回転速度: 50 r pm、 温度: 200 、 混合時間: 10分。
その後率軸押し出し機を用いてペレット化し、 ポリスチレン樹脂組成物のペレ ットを得た。
次に、 ペレット 100重量部を圧力容器内に入れ炭酸ガスを 2. 94 MP aで 混入した。 容器をそのまま 10°Cで 5時間保存し、 炭酸ガスを溶解させた。 その 後、 ペレットを圧力 0. 05MP aの蒸気で 20秒加熱して予備発泡ビーズを作 成した。 このビーズを圧力容器中で空気 (0. 88 MP a) により加圧し、 ビー ズの内圧が 0. 06〜0. 08MP aとなるよう調製した後、 常圧下に取り出し た。
このビーズを、 少孔を有する閉鎖金型 (内寸法 300 X 300 X 25, mm) に 充填し、 0. 08〜0. 1 IMP aの水蒸気で 3〜 5秒加熱し、 水温約 20での 水で 90〜180秒冷却後、 金型から取り出した。 その後、 発泡成形体を 80 C の熱風乾燥機中で 8時間熟成した後、 発泡成形体を評価した。
得られた成形体の変性層状ケィ酸塩の h 0、 アスペクト比、 成形体のインター カレ一シヨンパラメ一ター ( I P) 、 変性層状ケィ酸塩の発泡セル壁中での分散 状態、 発泡体の平均気泡径、 発泡倍率、 表面平滑性、 圧縮弾性率を測定し、 結果 を表 1に示す。
実施例 2
実施例 1のドデシルトリメチルアンモニゥムク口ライドをォクタデシル卜リメ チルアンモニゥムクロライド (A l d r i c h社製) 6. 2 gにかえる以外は全 く実施例 1と同じ方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。 このポリスチレン 樹脂発泡体の気泡断面の S EM写真を Fig 1に示すと共に、気泡断面の気泡壁の拡 大 TEM写真を Fig2に示した。
また、 得られた成形体の変性層状ケィ酸塩の] 0、 アスペクト比、 成形体のィ ン夕一カレ一シヨンパラメーター (I P) 、 変性層状ケィ酸塩の発泡セル壁中で の分散状態、発泡体の平均気泡径、発泡倍率、表面平滑性、圧縮弾性率を測定し、 結果を表 1に示す。
実施例 3
実施例 1のドデシルトリメチルアンモニゥムクロライドをォクタデシルァミン (Al d r i ch社製) 4. 8 gにかえること、.エタノール溶液に市販の 35重 量%塩酸 (A 1 d r i c h社製) を 1. 25 g添加すること以外は全く実施例 1 と同じ方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
得られた成形体の変性層状ケィ酸塩の h 0、 アスペクト比、 成形体のイン夕一 カレ一シヨンパラメ一夕一 (I P) 、 変性層状ケィ酸塩の発泡セル壁中での分散 状態、 発泡体の平均気泡径、 発泡倍率、 表面平滑性、 圧縮弾性率を測定し、 結果 を表 1に示す。
実施例 4
非イオン性界面活性剤として B r i j 72 (P o 1 y o xyme t h y 1 en s t e a ry l e t he r, A l d r i ch社製) 8 gを脱ィォン水 400 gに溶 解した (A液とする) 。 コープケミカル (株) 社製の合成フッ素化雲母であるソ マシフ (ME100) (商標) (C EC= 12 Ome QZ 100 g) 10 gを脱 イオン水 1 k gにホモミキサーを用いて分散させた (B液とする) 。 A液と B液 を 50°Cで 24時間混合した。得られた沈殿を濾別し、エタノールで数回洗浄後、 80°Cで 5時間真空乾燥して変性層状ケィ酸塩を得た。 得られた変性層状ケィ酸 塩を用いて実施例 1と同様の方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
得られた成形体の変性層状ケィ酸塩の h 0、 アスペクト比、 成形体のインタ一 カレーションパラメーター (I P) 、 変性層状ケィ酸塩の発泡セル壁中での分散 状態、 発泡体の平均気泡径、 発泡倍率、 表面平滑性、 圧縮弾性率を測定し、 結果 を表 1に示す。
実施例 5
ドデシルトリメチルアンモニゥムクロライド(A 1 d r i c h社製) のかわり にジドデシルジメチルアンモニムクロライド (A 1 d r i c h社製) 7. 33 g を使用すること以外は実施例 1と全く同じ方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を 得た。
得られた成形体の変性層状ケィ酸塩の h 0、 アスペクト比、 成形体のインタ一 カレ一ションパラメータ一 (I P) 、 変性層状ケィ酸塩の発泡セル壁中での分散 状態、 発泡体の平均気泡径、 発泡倍率、 表面平滑性、 圧縮弾性率を測定し、 結果 を表 1に示す。
実施例 6
カチォン性界面活性剤ジォクタデシルジメチルアンモニゥムクロライド( A 1 d r i ch社製 9. 93 gをエタノール 200 gに溶解した (A液とする) 。 層状ケィ酸塩として、 クニミネ工業 (株) 社製スメクトン 2 (商標) (CEC = 7 Ome q/Ί 00 g) 15 gを脱イオン水 750 gにホモミキサーを用いて分 散させた (B液とする) 。 A液と B液を 50°Cで 24時間混合した。 得られた沈 殿を濾別し、 エタノールで数回洗浄後、 100 で 5時間真空乾燥して変性層状 ケィ酸塩を得た。 得られた変性層状ケィ酸塩を用いて実施例 1と同様の方法でポ リスチレン樹脂発泡成形体を得た。
得られた成形体の変性層状ケィ酸塩の h 0、 アスペクト比、 成形体のインタ一 カレ一シヨンパラメーター (I P) 、 変性層状ケィ酸塩の発泡セル壁中での分散 状態、 発泡体の平均気泡径、 発泡倍率、 表面平滑性、 圧縮弾性率を測定し、 結果 を表 1に示す。
実施例 7
実施例 1の合成フッ素化雲母をクニミネ工業 (株) 社製の天然モンモリロナイ トであるクニピア F (商標) (CE C= 11 Ome Q/100 g) にかえる以外は 実施例 1と全く同じ方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
得られた成形体の変性層状ケィ酸塩の h 0、 アスペクト比、 成形体のインター力 レーシヨンパラメーター (I P) 、 変性層状ゲイ酸塩の発泡セル壁中での分散状 態、 発泡体の平均気泡径、 発泡倍率、 表面平滑性、 圧縮弾性率を測定し、 結果を 表 1に示す。
比較例 1
層状ケィ酸塩を使わないこと以外は全く実施例 1と同様の方法でポリスチレン 樹脂発泡成形体を得た。
得られた成形体の発泡体の平均気泡径、 発泡倍率、 表面平滑性、 圧縮弾性率を 測定し、 結果を表 1に示す。
比較例 2
層状ケィ酸塩としての合成フッ素化雲母 (CEC= 120me q/ 100 g、 コープケミカル社製) を変性させずにそのまま用いる以外は、 実施例 1と同様の 方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
得られた成形体の層状ケィ酸塩の h 0、 アスペクト比、 成形体のインタ一カレ —シヨンパラメ一夕一 (I P) 、 層状ケィ酸塩の発泡セル壁中での分散状態、 発 泡体の平均気泡径、 発泡倍率、 表面平滑性、 圧縮弾性率を測定し、 結果を表 1に 示す。
比較例 3
ドデシルトリメチルアンモニゥムクロライド(A 1 d r i c h社製) のかわり にォクチルトリメチルアンモニムブロマイド 4. 0 gを使用すること以外は実施 例 1と全く同じ方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
得られた成形体の変性層状ケィ酸塩の h 0、 アスペクト比、 成形体のインター カレーシヨンパラメ一ター (I P) 、 変性層状ゲイ酸塩の発泡セル壁中での分散 状態、 発泡体の平均気泡径、 発泡倍率、 表面平滑性、 圧縮弾性率を測定し、 結果 を表 1に示す。
比較例 4 '
ドデシルトリメチルアンモニゥムクロライド(A 1 d r i c h社製) のかわり にデシルトリメチルアンモニムクブロマイド 4. 44 gを使用すること以外は実 施例 1と全く同じ方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
得られた成形体の変性層状ケィ酸塩の h 0、 アスペクト比、 成形体のインター カレ一シヨンパラメータ一 ( I P) 、 変性層状ケィ酸塩の発泡セル壁中での分散 状態、 発泡体の平均気泡径、 発泡倍率、 表面平滑性、 圧縮弾性率を測定し、 結果 を表 1に示す。
比較例 5
コープケミカル (株) 社製の変性層状ケィ酸塩 MAE (商標) を用いて実施例
1と同様の方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
得られた成形体の変性層状ケィ酸塩の h 0、 アスペクト比、 成形体のインター カレ一シヨンパラメ一ター (I P) 、 変性層状ケィ酸塩の発泡セル壁中での分散 状態、 発泡体の平均気泡径、 発泡倍率、 表面平滑性、 圧縮弾性率を測定し、 結果 を表 1に示す。 また、 本比較例で得られたポリスチレン樹脂発泡成形体の TEM 写真を Fig3に示す。
表 1 : } ケィ 刀 -ϊΙΒΤ 1ェ午 'ェ?1Β ΐ — ァスぺク卜比 変性剤 hO IP
酸塩 状態 Y 径 X/ m /MPa MPa 滑性 実施例 1 ME100 >1000 C12H25N(CH3)3CI 8.9 12.5 〇 25 25 40 1.01 〇. 実施例 2 ME100 >1000 C18H35N(CH3)3CI 12.4 20.5 〇 20 20 57 1.41 〇 実施例 3 ME100 >1000 ^18^35 NH2 12.2 20.3 〇 25 28 - 51 1.35 〇 実施例 4 MET 00 >1000 C18H35 (OCH 2CH) 2OH 12.4 12.8 〇 20 25 40 1.18 〇 実施例 5 ME100 >1000 2C12H25N(CH3)2CI 14.6 5.7 Δ 20 35 40 1.16 Δ 実施例 6 SA2 50 2C18H35N(CH3)2CI 13.5 11.0 Δ 16 70 50 1.3 〇 実施例 7 クニピア F 200 C18H35N(CH3)3CI 10.5 13.0 Δ 19 50 50 1 1.25 〇 比較例 1 なし なし なし 24 280 25 0.73 〇 比較例 2 E100 >1000 なし 2.9 0.0 X 20 80 33 0.78 X 比較例 3 ME100 >1000 C8H15N(CH3)3Br 3.8 0.0 X 22 70 30 0.75 Δ 比較例 4 ME 100 >1000 C10H25N(CH3)3Br 5.8 0.0 X 22 90 29 0.74 Δ 比較例 5 MAE >1000 2C18H35N(CH3)2CI 24.5 0.0 X 20 100 29 0.8 Δ
産業上の利用可能性
低密度で独立気泡率が高く、 平均気泡径が小さく、 高い断熱性能、 圧縮強度、 表面平滑性を有するポリスチレン樹脂発泡体を得ることができるため、 断熱材、 食品容器、 緩衝材、 自動車用部材に好適に用いることが可能である。 .