圧電型圧力センサ用チヤ'
<技術分野〉
この発明は、 一端がアースされた圧電型圧力センサにおける発生電荷を電圧信 号に変換するチャージアンプに関する。
明
ぐ背景技術 >
取付対象にアースされた圧電型圧力センサ書における発生電荷を電圧信号に変換 するチャージアンプは、従来よりオペアンプを用いて構成されるが、内燃機関(ェ ンジン) の燃焼圧力には正負の圧力変動があるため、 両電源 (正負一対の電源を 有するものをいう。 例えば ± 5 V) でオペアンプを動作させ、 電圧信号に変換す る手法が採られる。
この種のチャージアンプとしては、 例えば、 図 1 7に示すようなものがある。 このチャージアンプ 5 0 1においては、 一端が取付け対象物に接地された圧電型 圧力センサ Sの他端に、 抵抗器 5 0 3を介してオペアンプ 5 0 5の反転入力端子 が接続されている。 この反転入力端子は帰還コンデンサ 5 0 7を介して出力端子 に接続されており、 更に帰還コンデンサ 5 0 7には、 帰還抵抗器 5 0 9が並列接 続されている。 一方、 非反転入力端子は接地されている。 そして、 オペアンプ 5 0 5の正の電源入力端子には + 5 Vの電源が接続され、 負の電源入力端子には一 5 Vの電源が接続され、 これらの両電源によりオペアンプ 5 0 5が駆動される。 しカゝしながら、 自動車の内燃機関の燃焼圧力を測定する場合にはプラス電源の バッテリ一から電力供給されるのが一般的であり、 そうした場合において両電源 でオペアンプを使用するには、 D C— D Cコンバータなどでマイナス電源の回路 を構成する必要があるため、 コストアップにつながる。
<発明の開示 >
本発明は、 こうしたことを背景としてなされたものであり、 一端がアースされ た圧電型圧力センサにおける発生電荷を電圧信号に変換するチャージアンプを低 コストで作動可能とすることを目的とする。
上記目的達成のためになされた本発明における第一の構成のチャージアンプは、 一端がアースされた圧電型圧力センサの他端に反転入力端子が接続されたォペア ンプと、 オペアンプの反転入力端子と出力端子とを接続する帰還コンデンサとを 備え、 圧電型圧力センサにおける発生電荷を電圧信号に変換するチャージアンプ であって、 オペアンプは、 単電源で駆動され、 オペアンプの非反転入力端子には オフセット電圧が印加されている。
即ち本発明における第一の構成のチャージアンプにおいて、 オペアンプのプラ ス側電源入力端子がプラス電源に接続され、 マイナス側電源入力端子が接地され ることにより、 当該オペアンプに単電源が供給される。 さらに、 オペアンプの非 反転入力端子には、 プラス電源電圧より低くアース電位よりも高いオフセット電 圧が印加される。 これにより、 オペアンプに単電源のみが供給される場合でも、 オフセット電圧を中心に、 正負両方向の圧力変動を電圧信号に変換できるように なる。 そして、 この様に構成されたチャージアンプによれば、 両電源を必要とし ないため、 コストを抑制することができる。
ここで、 圧電型圧力センサが例えば自動車の内燃機関に取り付けられて筒内圧 の検出に用いられる場合など、 劣悪な環境に置かれた場合、 圧電型圧力センサの 絶縁抵抗、 即ち圧電型圧力センサの両端間の抵抗が低下する場合がある。 こうし た場合には、 絶縁抵抗の低下により発生するリーク電流の影響で、 チャージアン プの出力信号が電源電圧に張り付いてしまい、 チャージアンプが機能しなくなる 場合がある。
そこで、 本発明における第二の構成では、 オペアンプの反転入力端子と圧電型 圧力センサの他端 (即ち、 アースされた端子とは反対側の端子) との間に結合コ ンデンサを設けると良い。 この様にすれば、 圧電型圧力センサの絶縁抵抗が低下 した場合であっても、 リーク電流の影響でチャージアンプの出力信号が電源電圧 に張り付いてしまうことを抑制できる。 '
この場合、 結合コンデンサの静電容量が大きいほど、 リーク電流の抑制に高い 効果を発揮するので、 本発明における第三の構成では、 結合コンデンサとして、 その静電容量が圧電型圧力センサの静電容量以上であるものを用いると良い。 伹 し、 静電容量を高く した場合、 チャージアンプの応答遅れが生じるため、 実際の 使用上の応答時間を 1〜2秒と考えると、 結合コンデンサの静電容量は、 1 0 Z F以下であることが望ましい。
ところで、 圧電型圧力センサ側のアース電位とチャージアンプ側のアース電位 とがずれている場合にはチャージアンプの出力信号に誤差が生じる。 そこで、 圧 電型圧力センサ側のアース電位とチャージアンプ側のアース電位とを一致させる ために、 本発明における第四の構成では、 圧電型圧力センサのアースされた一端 と当該チャージアンプのアース端子とを電気的に接続するリ一ド線を設けると良 い。
こうすれば、 圧電型圧力センサ側のアース電位とチャージアンプ側のアース電 位との電位差を抑制して、 チャージアンプの出力信号の精度を高めることができ る。
また、 オペアンプとしては、 本発明における第五の構成では、 入力部に F E T を用いたもの (いわゆる F E T入力タイプ) を使用すると好ましく、 そうすれば オペアンプの入力インピーダンスが高いものとなるため、 確実に圧電型圧力セン サにおける発生電荷を電圧信号に変換することができる。
なお、 以上の発明 (第一〜第五の構成) に係るチャージアンプは、 点火プラグ の取り付け座に備えた圧電素子により点火プラグの締め付け荷重の変化を検出す ることで内燃機関の筒内圧を検出するための圧電型圧力センサに用いると、 高い 効果を発揮する。 即ち、 自動車においては、 一般にプラス電源のバッテリーから 電力供給が為されるため、 本発明における第一の構成に係るチャージアンプに適 しており、 また、 この様な圧電型圧力センサは劣悪な環境に置かれることになる ため、 その絶縁抵抗が低下しゃすく本発明における第二の構成に係るチャージァ ンプの使用に好適である。
く図面の簡単な説明 >
図 1は、 第 1実施形態のチャージアンプを示す電気回路図である。
図 2は、 圧電型圧力センサの使用形態を示す説明図である。
図 3は、 圧電型圧力センサが内蔵された点火ブラグを示す説明図である。
図 4は、 第 2実施形態のチャージァンプを示す電気回路図である。
図 5は、 従来例のチャージアンプの出力波形を圧電型圧力センサの絶縁抵抗毎 に示す説明図である。
図 6は、 第 1実施形態のチャージアンプの出力波形を示す説明図である。
図 7は、 結合コンデンサの静電容量を 1 μ Fとした場合における第 2実施形態 のチャージアンプの出力波形を示す説明図である。
図 8は、 結合コンデンサの静電容量を 1 0 0 i Fとした場合における第 2実施 形態のチヤージァンプの出力波形を示す説明図である。
図 9は、 チャージアンプの出力波形の振幅と圧電型圧力センサの絶縁抵抗との 関係を示すグラフである。
図 1 0は、 セラミックコンデンサのインピーダンス一周波数特性を示すグラフ である。
図 1 1は、電解コンデンサのインピーダンス一周波数特性を示すグラフである。 図 1 2は、 従来例のチャージアンプを介して得られる、 内燃機関の燃焼波形を 示す説明図である。
図 1 3は、 第 1実施形態のチャージアンプを介して得られる、 内燃機関の燃焼 波形を示す説明図である。
図 1 4は、 第 2実施形態のチャージアンプを介して得られる、 内燃機関の燃焼 波形を示す説明図である。
図 1 5は、 燃焼波形のピーク値と圧電型圧力センサの絶縁抵抗との関係を示す グラフである。
図 1 6は、 変形例としての圧電型圧力センサを示す説明図である。
図 1 7は、 従来例のチャージアンプの構成を示す電気回路図である。
なお、 図中の符号、 1, 1 0 1はチャージアンプ、 5はオペアンプ、 7は帰還
コンデンサ、 2 1は内燃機関、 2 3は点火ブラグ、 2 3 aは主体金具、 2 3 bは 出力ケーブル、 2 5は燃焼室、 1 0 3は結合コンデンサ、 S, S ' は圧電型圧力 センサである。
<発明を実施するための最良の形態 >
以下に、 本発明の実施形態例を図面と共に説明する。
図 1は、 第 1実施形態として、 内燃機関における燃焼圧力を電気信号に変換す るチャージアンプ 1を示している。 なお、 このチャージアンプ 1は、 後述するェ ンジン制御装置 (E C U ) 2 7の内部に形成されている。
図 1に示す様に、 圧電型圧力センサ Sの一端は接地されており、 圧電型圧力セ ンサ Sの他端には、 当該チャージアンプ 1の入力端子 i nおよび抵抗器 3を介し てオペアンプ 5の反転入力端子が接続されている。 このオペアンプ 5は、 その入 力部には F E Tが用いられたものである。
ォペアンプ 5の反転入力端子には、 帰還コンデンサ 7を介して自己の出力端子 が接続されている。 また帰還コンデンサ 7には、 帰還抵抗器 9が並列接続されて いるが、 この帰還抵抗器 9は、 圧電素子の温度ドリフトを押さえるためのもので ある。
またオペアンプ 5の非反転入力端子は抵抗器 1 1を介して + 5 Vの電源に接続 されると共に抵抗器 1 3を介して接地されている。 即ち直列に接続された抵抗器 1 1 , 1 3により電源電圧が分圧され、 この分圧電圧がオフセット電圧として非 反転入力端子に印加されている。 そして、 オペアンプ 5の出力端子は、 チャージ アンプ 1の出力端子 o u tに接続されている。
このチャージアンプ 1においては、 オペアンプ 5は単電源で動作するよう用い られており、 オペアンプ 5の正の電源入力端子には + 5 Vの電源が接続され、 負 の電源入力端子は接地されている。
圧電型圧力センサ Sは、 図 2、 図 3に示す様に、 内燃機関 2 1の点火プラグ 2 3の取り付け座に設けられ、 内燃機関 2 1への点火ブラグ 2 3の締め付け荷重の 変化を検出することで内燃機関 2 1の燃焼室 2 5の内部圧力 (即ち、 筒内圧) を
検出するものである。
点火プラグ 2 3は、 図 3に示す様に、 当該点火プラグ 2 3を内燃機関 2 1のボ ディに取り付けるためのねじ部が形成された主体金具 2 3 aを有している。 主体 金具 2 3 aは、 当該点火ブラグ 2 3の取り付け座であり、 点火プラグ 2 3は主体 金具 2 3 aを介して内燃機関 2 1のボディに締結される。
圧電型圧力センサ Sは、 主体金具 2 3 aの内部に内蔵されており、 筒内圧の変 化に応じて変化する点火プラグ 2 3の締め付け荷重に対応した電荷、 即ち筒内圧 に応じた発生電荷を、 出力ケーブル 2 3 bを介して出力する。 即ち、 本実施例の 圧電型の圧力センサ Sは、 点火プラグ 2 3に一体に設けられた所謂プラグ一体型 圧力センサ (P G P S ) である。 なお、 圧電型圧力センサ Sを構成する圧電素子 は、 P b T i 03からなるものである。
圧電型圧力センサ Sの一端は、 主体金具 2 3 aを介して内燃機関 2 1のボディ にアースされており、 他端は、 出力ケーブル 2 3 bを介して、 エンジン制御装置
( E C U) 2 7内のチャージアンプ 1の入力端子 i nに接続されている。 なお出 力ケーブル 2 3 bは、 発生電荷を出力するためのリード線に加え、 内燃機関 2 1 のボディにアースされた電極と E C U 2 7のアース (例えば E C U 2 7の筐体) とを接続するためのリード線も備えている。
この様に、 本実施形態のチャージアンプ 1においては、 オペアンプ 5のプラス 側の電源入力端子がプラス電源 (+ 5 V) に接続され、 マイナス側の電源入力端 子が接地されることにより、当該オペアンプ 5に単一電源が供給される。 さらに、 オペアンプ 5の非反転入力端子には、 プラス電源電圧より低くアース電位よりも 高いオフセット電圧が印加される。 これにより、 オペアンプ 5を単電源で駆動す るにも拘わらず、 オフセット電圧を中心に、 正負両方向の圧力変動を電圧信号に 変換できる。 つまり、 この様に構成されたチャージアンプ 1によれば、 両電源を 必要としないため、 コストを抑制することができる。
また、 圧電型圧力センサ Sのアースされた一端は、 出力ケーブル 2 3 bを構成 するリード線を介して、 当該チャージアンプ側のアースと接続されているため、 圧電型圧力センサ側のアース電位とチャージアンプ側のアース電位との電位差が
抑制され、 チャージアンプ 1の出力信号の精度が高まる。
また、 オペアンプ 5には、 F E T入力タイプのものが使用されているので、 碓 実に圧電型圧力センサ Sにおける発生電荷を電圧信号に変換することができる。 次に本発明の第 2実施形態にっき説明する。
図 4は、 第 2実施形態としてのチャージアンプ 1 0 1を示している。 このチヤ ージアンプ 1 0 1は、 第 1実施形態のチャージアンプ 1において、 オペアンプ 5 の反転入力端子と圧電型圧力センサ Sとの間に結合コンデンサ 1 0 3を設けたも のとして構成されている。 即ち、 オペアンプ 5の反転入力端子と圧電型圧力セン サ Sとの間には、 抵抗器 3が設けられているが、 この抵抗器 3と直列に結合コン デンサ 1 0 3が設けられている。 なお、 本実施形態に関しては、 上記以外の点に ついては第 1実施形態のチャージアンプ 1と同様であるので、 説明を省略する。 さて圧電型圧力センサ Sが、 本実施形態の様に自動車の内燃機関 2 1に取り付 けられてその筒内圧の検出に用いられる場合など、 劣悪な環境に置かれた場合、 圧電型圧力センサ Sの絶縁抵抗、 即ち圧電型圧力センサ Sの両電極間の抵抗が一 時的に低下する場合がある。 こうした場合には、 抵抗器 3、 入力端子 i nを介し て圧電型圧力センサ S側に向けてリーク電流が発生する。 反転入力端子と非反転 入力端子の間にはバーチャルショート(仮想短絡)と呼ばれる関係が成り立つてい るため、 リーク電流の影響でチャージアン;/の出力信号が上昇し、 最終的には電 源電圧に張り付いてしまい、 チャージアンプが機能しなくなる場合がある。 そこで、 本実施形態のチャージアンプ 1 0 1においては、 オペアンプ 5の反転 入力端子と圧電型圧力センサ Sとの間に結合コンデンサ 1 0 3を備えている。 こ のため、 圧電型圧力センサ Sの絶縁抵抗 (即ち両電極端子間の絶縁抵抗) が低下 した場合であっても、 リーク電流を抑制することができ、 チャージアンプ 1 0 1 の出力信号がリーク電流の影響で上昇することを抑制できる。
なお、 結合コンデンサ 1 0 3の静電容量は、 圧電型圧力センサ Sの静電容量以 上であると好ましく、 リーク電流の抑制に効果的である。 但し、 第 2実施例のチ ヤージアンプ 1 0 1において、 電源投入時にオペアンプ 5は、 反転入力端子と非
反転入力端子とが同電位になるように働くが、 結合コンデンサ 1 0 3がある場合 には抵抗器 R 9を介して結合コンデンサ 1 0 3に充電を行う必要があるため、 結 合コンデンサの静電容量を大きくすると、 チャージアンプの応答遅れが発生して しまう。 このため、 実使用上での応答時間を 1〜 2秒程度と考えると、 結合コン デンサ 1 0 3の静電容量は 1 0 μ F以下が望ましい。 以下、 本実施形態のチャージアンプ 1 0 1の奏する効果を確かめるために行つ た実験の結果について説明する。
図 5は、 圧電型圧力センサ Sの絶縁抵抗を 1 から 1 0 0 Ωまで段階的に変 化させ、 各抵抗値について、 従来のチャージアンプ 5 0 1の入力端子 i nに周波 数 -振幅が一定の入力信号を入力し、 出力端子 o u tから出力される信号を調べ た結果を示す図である。 また、 図 6は第 1実施形態のチャージアンプ 1について 行った同様の実験の結果を示す図であり、 図 7、 図 8は第 2実施形態のチャージ アンプ 1 0 1において結合コンデンサ 1 0 3の静電容量を夫々 1 μ F (図 7 )、 1 0 0 μ ¥ (図 8 ) と設定して行った同様の実験の結果を示す図である。
なお図 9は、 「従来」 のチャージアンプ 5 0 1の場合、 「第 1実施形態」 のチヤ ージアンプ 1の場合、 「第 2実施形態」のチャージアンプ 1 0 1において結合コン デンサ 1 0 3の静電容量を 1 μ Fとした場合の各場合について、 圧電型圧力セン サ Sの絶縁抵抗と、 チャージアンプ出力幅 (即ち出力信号の振幅) との関係を示 す図である。
図 5に示す様に、 従来のチャージアンプ 5 0 1の場合、 絶縁抵抗が 1 0 k Ω程 度まで低下しても、 出力信号には殆ど影響がないことが判る。
次に図 6に示す様に、 第 1実施形態のチャージアンプ 1の場合、 圧電型圧力セ ンサ Sの絶縁抵抗が 1 0 Μ Ω程度になると出力信号の上昇が確認され (伹し、 図 9にも示す様に、出力信号の振幅には殆ど影響がない。)、 1Μ Ω以下の領域では出 力がほぼ電源電圧に張り付いてしまうことが判る。
また図 7に示す様に、 第 2実施形態のチャージアンプ 1 0 1において結合コン デンサ 1 0 3を 1 μ Fのものにした場合、 単電源でもあるにも拘わらず、 出力信
号の持ち上がりはない。 絶縁抵抗の低下が 1 Μ Ω程度までであれば、 殆ど出力結 果に問題ないことが分かる。 また、 絶縁抵抗が 1 0 0 k Ωに低下しても出力信号 の振幅の大きさは、 若干小さくなつているがあまりは問題はない。 そして、 それ 以下の領域では振幅の低下が確認できた。
そして、 図 8に示す様に、 第 2実施形態のチャージアンプ 1 0 1において結合 コンデンサ 1 0 3を 1 0 0 Z Fのものにした場合、 基本的には図 7と同様な結果 となったが、 振幅低下が発生する領域が低抵抗側にシフトしていることが判る。 具体的には、 絶縁抵抗が 1 0 k Ωに低下しても、 出力信号の振幅には殆ど影響が 及ばない。
従って、 オペアンプ 5の反転入力端子と圧電型圧力センサ Sとの間に設ける結 合コンデンサ 1 0 3の静電容量が大きいほど、 絶縁抵抗の低下による出力信号へ の影響を抑制することができることが分かる。 但し、 応答時間についての上述の 理由から 1 0 F以下が適当と考える。
なお、 結合コンデンサ 1 0 3としては、 セラミックコンデンサを用いている。 また結合コンデンサ 1 0 3として、 電解コンデンサを用いることも可能である。 図 1 0は、 セラミックコンデンサのインピーダンス一周波数特性の一例を示す図 であり、 図 1 1は電解コンデンサのインピーダンス一周波数特性の一例を示す図 である。
次に図 1 2〜図 1 4は、 内燃機関 2 1の筒内圧を測定して得られた燃焼波形を 示す図である。 筒内圧の測定は、 圧電型圧力センサ Sの両電極間の抵抗値 (即ち 絶縁抵抗) を、 1 0 から 1 0 0 Ωまで段階的に変化させ、 各抵抗値について 行った。 このうち、 図 1 2は従来のチャージアンプ 5 0 1による測定結果、 図 1 3は第 1実施形態のチャージァンプ 1による測定結果、 図 1 4は第 2実施形態の チャージアンプ 1 0 1において結合コンデンサ 1 0 3として 1 μ Fのセラミック コンデンサを使用した場合の測定結果の一部を抽出して示している。 図 1 2〜図 1 4において、 縦軸は、 チャージアンプの出力信号を圧電型圧力センサ Sにおけ る発生電荷 (Output Electric Charge) に換算して示しており、 1目盛が 1 0 0 O p Cに相当する。 また、 図 1 5は、 図 1 2〜図 1 4に示した燃焼波形のピーク
値を示すものである。
図 1 2、 図 1 5に示す様に、 従来のチャージアンプ 5 0 1の場合、 圧電型圧力 センサ Sの絶縁抵抗の低下が 1 0 k Ω程度までであれば、 ほぼ出力結果は変化せ ず良好であつたが、 絶縁抵抗が 1 k Ωになると、 出力信号がマイナス電源の電圧 (- 5 V) に張り付き、 測定不可能となった。
また、 図 1 3、 図 1 5に示す様に、 第 1実施形態のチャージアンプ 1の場合、 圧電型圧力センサ Sの絶縁抵抗の低下が 1 0ΜΩ程度までであれば、 ほぼ出力結 果は変化せず良好であつたが、 絶縁抵抗が 1 ΜΩになると、 出力信号がプラス電 源の電圧 (+ 5 V) に張り付き、 測定不可能となった。
—方、 図 1 4、 図 1 5に示す様に、 第 2実施形態のチャージアンプ 1 0 1にお いて結合コンデンサ 1 0 3を I Fとした場合には、 圧電型圧力センサ Sの絶縁 抵抗の低下が 100 k Ω程度までであれば、 ほぼ出力結果は変化せず問題なかつ た。
この様に、 第 2実施形態のチャージアンプ 1 0 1によれば、 単電源で動作でき るだけでなく、 ォペアンプ 5の反転入力端子と圧電型圧力センサ Sとの間に結合 コンデンサ 1 0 3を備えているため、 圧電型圧力センサ Sの絶縁抵抗 (両電極端 子間の絶縁抵抗) が低下した場合であっても、 従来のチャージアンプ 5 0 1と同 様に、 良好に燃焼波形の測定を行うことができる。
<産業上の利用可能性 >
以上、 本発明の一実施形態について説明したが、 本発明は上記実施例に限定さ れるものではなく、 種々の態様をとることができる。
例えば、上記実施形態では、圧電型圧力センサ Sの圧電素子が P b T i o3から なるものとして説明したが、 これに限られるものではない。 この他、 B a T i 03, L i T a 03, P b (Z r -T i ) 03, P b N b206, L i N b 03, G a P C4な どを成分とする圧電素子からなる圧電型圧力センサについても、 本発明のチヤ一 ジアンプを適用することができる。
また、 上記実施形態では、 帰還コンデンサ 7に対して帰還抵抗器 9を並列接続
するものとして説明したが、 これに限られるものではない。 例えば、 帰還抵抗 9 に替え、 帰還コンデンサ 7の両端を断続させるスィツチを設けても良い。
また、 上記実施形態では、 圧電型の圧力センサ Sとして、 点火プラグ 2 3に一 体に設けられたいわゆるプラグ一体型圧力センサ (P G P S ) を用いるものとし て説明したが、 これに限られるものではなく、 例えば図 1 6に示す様に、 点火プ ラグとは別体に構成された座金型燃焼圧センサ (G P S ) S ' についても本発明 のチャージアンプを適用することができ、 同様の効果が得られる。
なお、 この座金型燃焼圧センサ S, は、 点火プラグの取り付け座とエンジン 2 1との間にて点火プラグの締め付けにより固定され、 その状態で点火プラグの締 め付け荷重の変化を検出することで内燃機関の筒内圧を検出するものである。 座 金型燃焼圧センサ S ' は、 点火プラグの取り付け座とエンジンヘッドとの間をシ ールするガスケッ ト 2 0 1などを備え、 シールド線 2 0 5を介して圧電素子での 発生電荷を外部に出力するよう構成されている。 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、 本発明の精神と範 囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にと つて明らかである。
本出願は、 2000年 12月 01日出願の日本特許出願(特願 2000— 367166) に基 づくものであり、 その内容はここに参照として取り込まれる。