WO2001090756A1 - Technique de dosage d'anticorps anti-ena et kit de dosage - Google Patents

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Definitions

  • the first protein molecule which is substantially the same as the first intracellular non-histone soluble protein is purified from mammalian cell tissues or cultured mammalian cells using a known biochemical technique or the like. be able to.
  • a recombinant protein can be prepared using the gene encoding the amino acid sequence and used as the first protein molecule. . In the case of preparing a large amount, the latter method is particularly preferred.
  • a recombinant protein it is preferable to have a tag portion. That is, it is preferable to use a recombinant protein expressed as a fusion protein with the tag molecule.
  • Tags include, for example, His-Tag consisting of several histidines, j3-D-galactosidase, GST (Glutathione S-transferase), thioredoxin, maltose binding protein, Myc, Xpress , FLAG and the like can be used. Among them, His-tag is preferable. Since His-1ag is a small molecule, its use makes the tag portion occupying the first protein molecule smaller, and the binding between the first protein molecule and the second RNA or anti-ENA antibody.
  • the standard anti-ENA antibody can be prepared, for example, from a bovine ENA antibody positive serum by a known biochemical technique or the like.
  • RNA substantially identical to the first RNA, the first intracellular non-histone soluble protein, the second intracellular non-histone soluble protein, the antigen, the anti-ENA antibody, the first RNA in the second aspect; RNA, the first protein molecule which is substantially the same as the first intracellular non-histone soluble protein, and each element of the complex are described in the first aspect of the present invention. Description is omitted.
  • lysis buffer l-TritonX-100, lOmM NaF in PBS
  • coli extract was adsorbed and the components that were non-specifically adsorbed on the column were washed and removed, and then immobilized on a column with imidazole-containing PBS buffer (pH 8).
  • the adsorbed His-tagged RNPA was eluted while changing the imidazole concentration to 10-500 mM to obtain a fraction containing His-tagged RNPA (purified His-tagged RNPA).
  • the immunoprecipitation method was performed based on a method developed by Mark S. Forman et al. (Arthritis and Rheumatism, Vol. 28, No. 12, 1356-1361, 1985). Instead of Hela cell extract in the method of Mark S. Forman et al., UlsnRNA obtained by the in vitro transcription method in (1-2) of Example 1 was used. Specifically, the following operation was performed. First, 1.5 ml microcentrifuge, 2 mg of protein A-Sepharose (manufactured by Amersham Pharmacia Biotech), IPP buffer (lOmM Tris-HCl pH 8.0, 500 mM NaCl, 0.1%

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Description

明 細 書 抗 ENA抗体の測定方法及び測定キッ ト ' 技術分野
本発明は、 抗 ENA抗体の測定方法及び測定キッ トに関する。 詳しくは、 細胞内 非ヒストン可溶性タンパクである ENA及びそれが結合する RNAの複合体を用いた 抗 ENA抗体の測定方法及び測定キッ トに関する。 背景技術
膠原病は、 P.Kle即 ererによって 1942年に提唱された疾患概念であって、 全身 の結合組織にフイブリノィ ド変性が共通に認められる疾患の総称である。 当初、 膠原病の概念には、 全身性エリテマトーデス、 強皮症等の 6疾患が含まれるとさ れていたが、 今日では膠原病の概念はさらに広がりをみせている。 膠原病におけ る共通の病因ないし臨床的特徴の一つとして免疫異常が挙げられる。 中でも、 自 己抗体の産生は特徴的で、 膠原病患者の血清中には、 種々の自己抗体が出現する ことが知られている。 これらの自己抗体については、 各疾患や臨床像との関連性 が多くの研究者らによって研究、 解明されてきており、 特定の自己抗体の検出な いし測定は、 具体的な疾患の特定又は診断、 病因の究明、 治療効果の判定、 及び 予後の推測等において有用であると考えられている。
膠原病患者血清中に出現する自己抗体の中で、 等張緩衝液により細胞核から抽 出される可溶性核抗原 (ENA:Extractable Nuclear Antigen) に対する坊体群は抗 ENA 钪体と呼ばれている。 抗 ENA 抗体としては、 その対応抗原により、 抗 RNP (ribonucleoprotein) 抗体、 抗 Sm抗体、 抗 SS- A抗体、 抗 SS-B抗体等と称され る種々の抗体が知られている。 従来、 坊 ENA 抗体の測定は二重免疫拡散法 (DID 法) により行われてきた。
DID 法は、 特異性が高い反面、 多数検体を同時に測定することが困難であり、 また、 測定結果について客観的判断が困難である点が問題とされている。 一方、 DID法に代わる測定方法として、 各抗 ENA抗体に対応する坊原を用いた ELISA法 (enzyme- 1 inked immunosorbent assay) が提案されている。 ELISA法は、 簡便な 操作により多数の検体を同時に処理できることに加えて、 客観的な判定が容易で あるといった利点を有するが、 DID法では陽性判定となる検体の中に、 ELISA法で は陰性判定となるものが存在し、その乖離現象が問題とされていた(酒井 寛ら 医 学と薬学 21 (5) ;1989:957-60)。 以下、 抗 ENA抗体の一種である抗 RNP抗体を例 に挙げて具体的な問題点について述べる。
坊 U1RNP抗体は、 SLE (全身性エリテマト一デス) や MCTD (混合性結合組織病) 患者等の自己免疫疾患患者血清中に高頻度で出現が認められる自己抗体である。 この抗 U1RNP抗体の対応抗原は、 RNP(ribonucleoprotein) 70k夕ンパク (70kDa), RNPA タンパク (33kDa)、 RNPC タンパク (22kDa) (以下、 これらを総称して「RNP タ ンパ ク 」 と い う ) であ る と いわれて い る ( Tan,E,M., Adv. Immunol. 44;1989:93 - 152)。 これらの RNPタンパクは、 生体内では、 UlsnRNA (165 base) と呼ばれる、 小さなリポ核酸 (small nuclear RNA) に結合した複合体として存在 していることが知られている (Venrooij,W, J., J. Rheumatol. 14:1987:78-82)。 UlsnRNAには、 RNPタンパクの他に SmB'、 SmB、 SmD、 SmE、 SmF、 SmGと呼ばれる夕 ンパクも結合しており、 大きなリポ核酸—タンパク複合体を形成して生体内に存 在していることが分っている。
钪 U1RNP坊体を DID法による測定をする場合、 哺乳動物組織を粉砕したものを 抽出した、 いわゆる crudeな抗原 (DID抗原) が用いられる。 DID法では、 まず、 DID 抗原と検体とを寒天等のゲル層に設けた別々のスポッ トに入れ、 両者をゲル 層内で拡散させる。検体中に抗 ENA抗体が含まれている場合には、ゲル層内で DID 抗原と沈降物を形成し、 沈降線として観察される。 この沈降線がコントロールと して用いる既知の抗 RNP抗体陽性検体が形成する沈降線と融合するか否かにより 抗 Ul RNP抗体陽性又は陰性の判定がなされる。
一方、 坊 U1RNP抗体を ELISA法で測定する場合においては、 U1RNPの構成要素 である上記 3種のタンパク (RNP70k、 RNPA、 RNPC) を調製し、 これを固相化した ものが一般に用いられる。 抗 U1RNP抗体はこれらのタンパクを抗原としていると 考えられていたためである。 しかしながら、 これらのタンパク部分ではなく UlsnRNAを認識する抗 U1RNP抗体が存在することが、 Wiluszならびに Keene らに よ り 確 認 さ れ た ( Wilusz, J., Keene, J. D. , J. Biol. Chem. 261 (12) ;1986:5497-72)。したがって、 このタンパク部分ではなく、核酸(UlsnRNA) 部分を認識する抗 U1RNP抗体を ½出できていないことが DID法と EL ISA法の判定 結果における乖離現象の一因であると推測される、 また、 立体的に RNAタンパ ク複合体を形成することにより、 あらたな钪原認識部位を R N Aタンパク複合体 が呈示することも予測される。
本発明が解決しょうとする課題は、 従来の坊 ENA坊体の測定法における上記欠 点を克服した新規な抗 ENA枋体の測定方法を提供することにある。 発明の開示
上記の課題を解決すべく、 本研究者らは、 まず抗 U1RNP抗体を対象として DID 法についての検討を以下のように行った。
DID法に用いられる crudeな抗原 (以下、 「DID抗原」という) を用いて抗 U1RNP 抗体陽性検体を測定した場合には、 沈降線が 1本得られ、 この沈降線がコントロ ールとして用いる既知の抗 RNP抗体陽性検体が形成する沈降線と融合するか否か により検体が陽性であるか陰性であるかの判定がされる (酒井 寛ら 医学と薬学 21 (5) ;1989:957-60)= この crudeな坊原をリポヌクレアーゼ処理したものを用 いて、 同様に測定を行ったところ、 陽性検体において沈降線が消失してしまう現 象が観察された。 このことより、 DID坊原中の RNPタンパクは、 UlsnRNAとの複合 体を形成した状態で存在するものと推察された。 なぜなら、 仮に、 DID 抗原にお いて 3種の分子量の異なる RNP夕ンパクが個別に存在するならば、 抗 U1RNP坊体 陽性検体と反応して得られる沈降線は、 検体にもよるが最大で 3本観察できるは ずであり、 また、 DID抗原をリポヌクレア一ゼ処理しても沈降線の消失は理論上 起き得ないはずだからである。
また、 免疫沈降法及ぴ ELISA法により、 検体中の坊 U1RNP抗体と UlsnRNAとの 反応性について検討を行った (後述の [参考実験例 1]の (3) を参照)。 上記のよ うに、 RNPタンパク部分ではなく UlsnRNAを認識する抗 U1RNP抗体の存在が証明 されていたため、 DID法では陽性であるが RNP夕ンパクを用いた ELISA法では陰 性と判定される乖離検体は、 UlsnRNA に対して反応性を持つのではないかと考え た。 そこで、 UlsnRNAを in vi t ro転写法にて作製し (後述の [実施例 1 ]を参照)、 この UlsnRNAを用いて免疫沈降法及び ELISA法により乖離検体の測定を行った。 その結果、 両測定方法において、 UlsnRNA に反応性を持つものは一部の検体であ つ†:。
続いて、 UlsnRNAと 3種の RNP夕ンパクをそれぞれ調製し、 これらを PBS buffer 中で混合し、 固相化した ELISA系では、 用いた乖離検体の全てが陽性と判定され る結果であった。 このことは、 UlsnRNAが RNPタンパクと buffer中で複合体を形 成し、 この複合体が固相化されたことを強く示唆するものである。 また、 この結 果は、乖離検体中には、 UlsnRNA及び 3種の RNPタンパクを個別に認識する抗 Ul RNP 抗体以外に、 UlsnRNA— RNPタンパク複合体を認識する抗 U1RNP抗体の存在を示唆 するものである。
本発明は、 以上の検討及びそれにより得られた知見に基づくものであり、 本発 明の第 1の局面は以下の構成からなる。 第 1の RNA及び第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクを含んでなる抗原を特 異的に認識する抗 ENA抗体の測定方法であって、
前記第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒス トン可溶性タンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子との複合体を形成 し、 該複合体と検体とを反応させるステップを含む、 ことを特徴とする抗 ENA抗 体の測定方法。
上記構成の抗 ENA抗体の測定方法によれば、 まず、 坊 ENA抗体が認識する抗原 に含有される RNA及び細胞内非ヒストン可溶性タンパクと、 それぞれ実質的に同 一の RNA及びタンパク分子とを用いて複合体が形成される。 即ち、 生体内におけ る状態に近い坊原 (複合体) が再構築され、 これと検体中の抗 ENA抗体との反応 性 (結合性) が測定される。 じたがって、 生体内における状態の抗原を認識し得 る抗 ENA抗体を感度良く検出できる。 このことは、 従来、 生体材料から抽出した c rude な抗原を用いて測定した場合と、 細胞内非ヒストン可溶性タンパクのみを 抗原として測定した場合に生じていた測定結果の相違を解消できることをも意味 する。 即ち、 DID法 (二重免疫拡散法) を例に採れば、 そこで用いられる抗原は、 哺乳動物組織を出発材料として得られた抽出液であって、 かかる抽出液中では、 ほとんどの坊原 (ENA) は単独で存在しておらず、 固有の RNAに結合した状態で存 在していると考えられる。 従って、 従来の DI D法においては、 RNAに結合した状 態の ENAを認識する抗 ENA抗体の量が測定されていた。 一方、 測定対象の抗 ENA 抗体が認識する細胞内非ヒス トン可溶性タンパクを調製し、 これを抗原とした EL I SA法による抗 ENA抗体の測定も提案されているが、 その場合には単独で存在 する細胞内非ヒストン可溶性タンパクを認識する抗 ENA抗体が測定されることと なる。 このように、 DID法と EL I SA法では、 異なる抗原を用いて測定が行われる ため、 測定結果の整合ないし相関が得られない場合が生じていた。 本発明の第 1 の局面における構成では、上記のように、生体に近い状態での抗原を用いて抗 ENA 抗体の測定を行うため、 生体材料からの抽出液を用いた DID法等の従来法と高い 相関性をもつた測定が行える。
また、 本発明の第 1の局面で用いる複合体 (抗原) は、 遺伝子工学的手法、 生 化学的手法等を用いて容易に調製することができることから、 測定操作の簡略化 が図られ、 また、 安定した品質の製品が供給可能となる。
さらに、 本発明の第 1の局面では、 新たに再構築した複合体を坊原として用い るため、 従来法のように生体組織からの抽出物をもって抗原溶液とした場合に比 較して、 抗原 (溶液) 中の夾雑物の影響を大幅に減少でき、 測定感度の向上が期 待できる。
加えて、 DID 法との比較の観点からいえば、 多量かつ不純物の含量の少ない抗 原を調製可能であり、 本発明の構成は多数検体を同時に測定可能な ELISA法等に 適用し得ることから、 多数検体を短時間で測定可能であるといった利点もある。 図面の簡単な説明
図 1は、 参考実験例 1の (3) において、 乖離検体 14検体 (血清 1〜血清 1 4) について免疫沈降法を行った結果得られたサンプルを電気泳動した後、 染色 した gelを示す図である。 レーン 3 ~ 1 6に乖離検体より調製したサンプルをそ れぞれ流した。 コントロ一ルとして、 レーン 1には実施例 1の invitro転写法に より調製した Ulsn A (positive control) を、 レーン 2には健常人血清より調 製したサンプル (negative control) をそれぞれ流した。 矢印は UlsnRMのバン ド位置を示す。
図 2は、 参考実験例 1の (3) における免疫沈降法及び ELISA法による結果を まとめた表である。 尚、 同実験例の (1) における DID法及び同実験例の (2) における従来型 ELISA法(RNPタンパクのみを固相化したプレートを用いた ELISA 法) による各乖離検体の測定結果も併せて示した。 Indexlは、 ; RNP蛋白のみを固相化した ELISAプレ一トにおいて、 健常人検体 100例を測定した A450の値の平均値 +3X標準偏差が 0.215であったことより、 各血清の A450/0.215を算出したものである。 判定 1においては、 Indexlの値が 1以上の場合は陽性 (+)、 1以下の場合は陰性 (-) とした。
Index2 は、 UlsnRNAのみを固相化した ELISAプレートにおいて、 健常人検 体 100例を測定した A450の値の平均値 +3 X標準偏差が 0.350であったことより、 各血清の A450/0.350を算出したものである。 判定 2においては、 Index2の値が 1以上の場合は陽性 (+)、 1以下 場合は陰性 (-) とした。
判定 3においては、 図 1に示した gelで UlsnRNAのバンドが観察された場合 に陽性 (+)、 観察されなかった場合に陰性 (-) とした。
血清 1〜14は、 DID法による測定において陽性 (+) と判定され、 RNP蛋白の みを固相化した ELISAにおいて陰性 (-) と判定された乖離検体群である。
図 3は、 実施例 5における ELISA法の測定結果をまとめた表である。 乖離検体 を乖離 1〜乖離 1 2と表してある。 同様に、 陽性検体を陽性 1〜陽性 8と、 健常 人検体を健常人 1〜健常人 2 1 とそれぞれ表してある。
図 4は、 実施例 5における ELISA法の測定結果 (乖離検体 1〜 1 2) をプロッ トしたグラフである。
図 5は、 実施例 6における ELISA法の測定結果を示すグラフである。 図 5 ( a) は RNP- ELISAプレートを用いた測定結果をプロッ トしたグラフであり、 同図 (b) は IHsnRNA+RNP ELISAプレートを用いた測定結果をプロッ トしたグラフである c 両グラフにおいて左側が DID法陽性の検体群、 右側が DID法陰性の検体群の測定 結果である。
図 6は、 実施例 6の測定結果を示したグラフである。 従来の ELISA法 (RNP の みを固相化抗原として用いた系) と本発明におけ ¾ ELISA法 (UlsnRNAと RNPの 複合体を固相化抗原として用いた系) との相関が示される。 DID 法陽性と判定さ れた膠原病患者血清 196 検体の測定結果のみをプロッ トしてある。 横軸は、 RNP のみを固相化抗原として用いた ELISA 法における発色(A450)、 縦軸は、 UlsnRNA 及び RNPを固相化抗原として用いた ELISA法における発色(A450)である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の第 1の局面における「坊原」は、 第 1の RNA (リポ核酸) 及ぴ第 1の細 胞内非ヒストン可溶性タンパクを含んで構成される。 即ち、 本発明の第 1の局面 では、 生体内において RNAと細胞内非ヒストン可溶性夕ンパクを含んで構成され る抗原を特異的に認識する抗 ENA钪体が測定される。 また、 抗原として、 第 1の RNA 及ぴ第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクに加えて第 2の細胞内非ヒス ト ン可溶性夕ンパクを含んで構成されるものも含まれる。
第 1の RNAは、 後述の第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクが特異的に結合 するものであり、 当該細胞内非ヒストン可溶性タンパクに固有のものである。 例 えば、 UlsnRNA、 U2snRNA、 hYl- 5snRNA、 r A等である。 第 1の細胞内非ヒストン 可溶性タンパクには、 公知の ENA (可溶性核抗原: Ext ctable Nuclear Antigen) が含まれ、 例えば、 U1RNP、 Sm、 SS- A、 SS- B、 Jo- 1ならびに PM-Sclのいずれかで ある。 また、 第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクは単独のタンパクからなる 場合はもちろんのこと、 複数のタンパクの集合から構成される場合もある。 例え ば、 RNPの場合においては、 MP— 70kタンパク (70kDa)、 RNP— Aタンパク (33kDa) 及び RNP— Cタンパク (22kDa) をもって、 第 1の細胞内非ヒス トン可溶性タンパ クとすることができる。 もちろん、 これら 3種のタンパクから任意に選択される 1又は 2種のタンパクをもって、 第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクとする こともできる。
坊原に第 2の細胞内非ヒストン可溶性タンパクが含まれる場合における、 当該 第 2の細胞内非ヒストン可溶性タンパクは第 1の細胞内非ヒス トン可溶性タンパ クと異なるタンパク分子であって、 第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクが結 合する部位と異なる部位において第 1の : NA と結合するタンパクである。 第 2 の細胞内非ヒストン可溶性夕ンパクとしては、例えば、 U1RNP、 Sm、SS-A、SS-B、 Jo- 1又は PM- Sc l を挙げることができる。 また、 第 1の細胞内非ヒストン可溶性 タンパクと同様に、 単独のタンパクからなる場合はもちろんのこと、 複数のタン パクの集合から構成される場合もある。 例えば、 SmB'、 SmB、 SmE、 SmF、 及 び SmGの集合からなる Smタンパクをもって、 第 2の細胞内非ヒストン可溶性 夕ンパクとすることができる。
本明細書中において、 「抗 ENA抗体」とは、 第 1の RNA及びそれに対応する第 1 の細胞内非ヒストン可溶性タンパクを含む抗原を特異的に認識する抗体である。 従って、抗 ENA抗体には、細胞内非ヒストン可溶性タンパク部分を認識するもの、 当該細胞内非ヒス トン可溶性タンパクが結合する RNA部分を認識するもの、 及び 当該細胞内非ヒストン可溶性タンパク及び当該 RNAとの複合体部分を認識するも のが含まれる。 また、 複合体部分には、 細胞内非ヒストン可溶性タンパクと RNA とが複合体を形成し、 特定のコンフオメ一シヨンをとることにより形成される部 分をも含むこととする。 例えば、 第 1の RNAが Ul snRNA、 第 1の細胞内非ヒス ト ン可溶性タンパクが RNPの場合には抗 U1 RNP抗体が該当する。 また、 第 1の RNA が Ul snRNA、 第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクを Sm とした場合には抗 Sm 抗体が該当する。 ここで、 抗原が第 2の細胞内非ヒストン可溶性タンパクを含む 場合には、 抗 ENA抗体は、 第 1の RNA第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパク、 又はこれらの複合体を認識する抗体の集合であって、 第 2の細胞内非ヒストン可 溶性タンパク部分を認識するものを含まない。
本発明の第 1の局面の測定方'法では、 まず枋原に含まれる第 1の MAと実質的 に同一である第 2の RNAと、 上記第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクと実質 的に同一の第 1のタンパク分子との複合体 (以下、 「RNAタンパク複合体」という) が形成される。 抗原に第 2の細胞内非ヒストン可溶性夕ンパクが含まれる場合に おいても、 第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 上記第 1の細胞内非 ヒストン可溶性夕ンパクと実質的に同一の第 1のタンパク分子との複合体が形成 される。
ここで、 「実質的に同一である」とは、 抗 ENA抗体との結合性において機能的な コンフオメ一シヨンを形成できるもののことをいい、 第 2の RNAには、 例えば、 第 1の RNAと塩基配列が同一のもの、 第 1の RNAの塩基配列の一部が欠損、 置換 若しくは付加されてなるものが含まれる。 好ましくは第 1の RNAと同一の塩基配 列を有するものが用いられる。 尚、 第 2の RNAは第 1のタンパク分子と少なく と も結合できる必要がある。 .第 1のタンパク分子において実質的に同一とは、 例え ば、 第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクとアミノ酸配列が同一のもの、 第 1 の細胞内非ヒストン可溶性夕ンパクのアミノ酸配列の一部が欠損、 置換若しくは 付加されてなるものが含まれる。 好ましくは第 1の細胞内非ヒストン可溶性タン パクと同いるのアミノ酸配列を有するものが用いられる。 上述のように第 1の細 胞内非ヒス トン可溶性タンパクが複数のタンパクの集合からなる場合には、 当該 複数のタンパクとそれぞれ実質的に同一のタンパク分子の集合を第 1のタンパク 分子とすることが好ましい。 尚、 第 1のタンパク分子は、 第 2の Aと少なくと も結合できる必要がある。
このような第 2の RNAは、 例えば、 公知の第 1の RNAの塩基配列を基に化学合 成により作製することができる。 また、 哺乳動物組織、 或いは哺乳動物培養細胞 から公知の生化学的手法、 遺伝子工学的手法を用いて上記第 1の RNAを精製し、 これを第 2の RNAとして用いることもできる。 また、 精製した第 1の RNAを基に 公知の遺伝子工学的手法によりこれを増幅して第 2の RNAとすることができる。 例えば、 抗 ENA抗体陽性のヒ ト血清中の枋 ENA抗体を pro t e i n-A- Sepiiar os e等の 担体に結合させ、 これへ適当な細胞抽出液 (例えば、 HeLa細胞抽出液) 等を添加 することにより、 protein- A- Sepharose に結合している抗 ENA枋体に特異的に結 合する抗原をトラップさせる。 そして、 かかる抗原を周知の方法により精製する ことにより、抗原中の RNAを得ることができる。この RNAを铸型に cDNAを調製し、 続いて周知の in vitro転写法を実施して得られる当該 cDNAの転写産物を第 2の RNAとすることができる。 in vitro転写法に用いられる転写ベクターの種類は特 に限定されず、 公知のものを任意に選択して用いることができる。 尚、 in vitro 転写法を実施する前に、 予め cDNAを PCR法により増幅しておくことが好ましい。 最終的に得られる第 2の RNAの収量を増加させるためである。
第 1の細胞内非ヒストン可溶性夕ンパクと実質的に同一である第 1のタンパク 分子は、 哺乳動物細胞組織、 或いは哺乳動物培養細胞から公知の生化学的手法等 を用いて精製したものを用いることができる。 また、 第 1の細胞内非ヒストン可 溶性タンパクのアミノ酸配列が公知の場合には、 当該アミノ酸配列をコードする 遺伝子を用いてリコンビナントタンパクを作製し、 これを第 1のタンパク分子と することができる。 多量に調製する場合には、 後者の方法が特に好ましい。 リコ ンビナントタンパクを用いる場合には、 タグ部分を有するものとすることが好ま しい。 即ち、 タグ分子との融合タンパクとして発現させたリコンビナントタンパ クとすることが好ましい。 タグ部分に特異的に結合する担体を用いたァフィニテ ィ一カラムを利用することにより精製が容易に行えるからである。タグとしては、 例えば、 数個のヒスチジンからなる His-Tag、 j3- D-ガラク トシダ一ゼ、 GST (グ ル夕チオン S-トランスフェラ一ゼ)、チォレドキシン、マルト一ス結合タンパク、 Myc、Xpress、FLAG等を用いることができる。中でも、 His-t agが好ましい。 Hi s- 1 ag は小さな分子であるため、 これを用いることにより、 第 1のタンパク分子に占め るタグ部分が小さくなり、 当該第 1のタンパク分子と第 2の RNA又は抗 ENA抗体 の結合性に及ぼす影響が小さいものと考えられるからである。 また、 第 1のタン パク分子は水系 bufferである PBS buffer, Carbonate buffer又は Tris buffer 等に溶解できるものが好ましいからである。 上記結合性の観点からは、 タグ部分- を有しないリコンビナントタンパクを用いることも好ましい。 このようなリコン ピナントタンパクは、 タグ分子との融合タンパクとして発現させたものを、 後に タグ部分を除去することにより調製することもできる。
上記のように作製された第 2の RNAと第 1のタンパク分子を用いて RNAタンパ ク複合体が形成される。 例えば、 両者を水系 buffer中に添加し、 混合することに より両者を結合させる。 この場合の bufferは特に限定されるものではない。例え ば、公知の組成からなる PBS (リン酸緩衝化生理食塩水) uffer, carbonate buffer 又は tris (tris hydroxymethy 1 aminomethane) buf f erが用いられる。
このようにして再構築された RNAタンパク複合体と検体とを反応させる。 この 操作により、 検体中に存在する成分の一部 (抗 ENA抗体) が RNAタンパク複合体 に特異的に結合し、抗 ENA抗体を測定することができる。 このように、 第 2の RNA と第 1のタンパク分子により再構築された RNAタンパク複合体 (新たな抗原) と 検体とを反応させるため、 この第 2の RNA、 第 1のタンパク分子、 又はこれらの 結合体に結合性の成分のみを特異的に測定することが可能となる。 このことは、 第 2の RNAと第 1のタンパク分子が、 本来の抗原に含まれる第 1の RNAと第 1の 細胞内非ヒストン可溶性タンパクとそれぞれ実質的に同一であることから、 第 1 の RNA、 第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパク、 又はこれらの結合体に結合す る成分のみが特異的に測定されることを意味するものである。
抗原に第 2の細胞内非ヒストン可溶性タンパクが含まれている場合においても、 当該第 2の細胞内非ヒストン可溶性タンパクに対応する成分を含めずに RMタン パク複合体 (抗原) が再構築され、 これと検体とを反応させるため、 検体中にお ける、当該第 2の細胞内非ヒストン可溶性タンパクに結合性の成分を検出しない。 即ち、 第 2の細胞内非ヒストン可溶性タンパクに結合性の成分の影響を受けるこ となく検出ができ、 特異的かつ高感度の測定が可能となる。 尚、 本発明の第 1の局面では、 第 1の RNA及び第 1の非ヒストンタンパクに対 応する第 2の RNA 及び第 1のタンパク分子をそれぞれ調製し、 これらの複合体 (RNAタンパク複合体) を測定に利用する。 仮に、 生体材料から na t i veの抗原を 精製し、これを用いて同様の測定を行った場合には、本発明の効果は得られない。 即ち、 IH RNPを例に採れば、 na t i veの状態の は Ul snRNAに RNP及び Smが結 合した状態で存在しているため、 nat i veの U1 RNPを抗原として用いれば、 Ul snRNA 又は RNP部分に特異的に結合する抗体に加えて、 Sm部分に結合する钪体も同時に 検出 (測定) されてしまうこととなる。 本発明の第 1の局面の測定方法では、 例 えば、 Smを含まない RNAタンパク複合体 (抗原) が再構築され、 これを用いて測 定されるため、 Sm部分に結合する抗体の影響を受けずに、 Ul snRNA又は RNPに特 異的に結合する抗体のみを検出することが可能となる。
RNA タンパク複合体と検体とを反応させて生じた反応生成物は直接測定するこ とができる。 即ち、 本発明の第 1の局面は、 下記 a)〜c)のステップを含む、 第 1 の RNA及び第 1の細胞内非ヒストン可溶性夕ンパクを含んでなる抗原を特異的に 認識する抗 ENA抗体の測定方法を含有する。
a)前記第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒ ストン可溶性タンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子との複合体を形 成するステップ、 b)前記複合体に検体を反応させるステップ、 及び c)ステップ b) により生じた反応生成物を検出するステップである。
また、 本発明の第 1の局面は、 下記 a)〜c)のステップを含む、 第 1の RNA、 第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパク、 及び第 2の細胞内非ヒストン可溶性タン パクを含んでなる抗原を特異的に認識し、 かつその認識部位が前記第 1の RNA、 前記第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパク、 又はこれらの複合体のいずれかで ある抗 ENA钪体を測定する方法を含有する。
a)前記第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒ ストン可溶性タンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子との複合体を形 成するステップ、 b)前記複合体に検体を反応させるステップ、 及ぴ c)ステップ b) により生じた反応生成物を検出するステップ、 である。
RNA タンパク複合体と検体とを反応させて生じた反応生成物を標識化し、 標識 量を測定することにより検出することもできる。 この場合の標識化は、 例えば、 標識物質により'標識された抗体 (2次抗体) をステップ b)により生じた反応生成 物に反応させ、 当該 2次抗体を反応生成物に含まれる坊 ENA抗体に結合させるこ とにより行うことができる。この場合の 2次抗体は、反応生成物に含まれる抗 ENA 抗体に結合性のあるものが用いられる。 換言すれば、 測定対象である抗 ENA抗体 の種類に応じて適宜選択される。 例えば、 検体としてヒト生体液 (ヒト血清等) を用いた場合には、 抗 ENA抗体はヒト型の抗体であるので、 2次钪体としては、 標識された坊ヒト免疫グロプリン抗体を用いることができる。
標識化に用いる標識物質としては、 検出可能な感度を有すれば特に限定される ことはなく、 公知の蛍光色素、 酵素、 放射性物質、 ピオチン等を用いることがで きる。 また、 フェリチン、 コロイ ド金等の電子密度の高い物質を用いることもで きる。 蛍光色素としては、 フルォレセインイソチオシァネート (F I TC)、 ローダミ ン Bイソチオシァネート (RI TC)、 フィコエリ 卜リン (PE) 等が挙げられる。 酵素 としては、 ペルォキシダ一ゼ、 )3— D—ガラク トシダ一ゼ、 マイクロペルォキシ ダ一ゼ、 アルカリホスファタ一ゼ、 酸性ホスファタ一ゼ、 シトクロム c等が挙げ れる。 放射性物質としては、 i25I、 "C、 3H等が挙げられる。
RNA タンパク複合体は、 予め不溶性支持体に結合させ、 固相化した状態で用い ることができる。 RNA タンパク複合体を固相化することにより、 当該複合体の安 定化、 取扱い及び保存の容易化等が図られ、 また、 簡便な操作による測定が可能 となる。 不溶性支持体としては、 例えばポリスチレン樹脂、 ポリ力一ポネート樹 脂、 シリコン樹脂、 ナイロン樹脂等の樹脂、 ガラス、 ゃミセル粒子等の水に不溶 性の物質が用いられ、 特にその材質は限定されない。 また、 不溶性支持体の形状 も特に限定されず、 トレィ状、 球状、 棒状、 繊維状、 セル状、 試験管状等の形状 のものを採用することができる。 この不溶性支持体への複合体の担持は物理吸着 又は化学吸着によって行われる。
検体としては、 血清、 血漿、 尿、 髄液、 腹水、 胸水等の生体液が用いられる。 好ましくは、 血清が用いられる。 血清を用いれば、 簡便な測定が可能である。 上記の測定方法によれば、 例えば、 固相化した当該複合体に検体を反応させた 後、 反応生成物を標識化し、 標識量を測定することにより、 当該複合体に特異的 に結合する検体中の成分、 即ち坊 ENA抗体を測定することができる。
また、 MAタンパク複合体に結合可能な標準物質としての抗 ENA抗体(以下、「標 準抗 ENA抗体」という) を用意し、 これと検体とを競合的に RNAタンパク複合体に 反応させ、 その結果 RNAタンパク複合体に結合した標準抗 ENA抗体の量を測定す ることにより、 間接的に検体中の抗 ENA坊体を定量することもできる。 例えば、 標準抗 ENA抗体を標識物質により標識化しておけば、 反応生成物の標識量を測定 することにより、 RNAタンパク複合体に結合した標準抗 ENA抗体の量が測定され る。
標準抗 ENA抗体は、 例えば、 坊 ENA抗体陽性の血清から公知の生化学的手法等 により調製することができる。
また、 標識物質としては、 検出可能な感度を有すれば特に限定されることはな く、 公知の蛍光色素、 酵素、 放射性物質、 ピオチン等を用いることができる。 ま た、 フェリチン、 コロイ ド金等の電子密度の高い物質を用いることもできる。 蛍 光色素としては、 フルォレセインイソチオシァネート (F I TC)、 ローダミン Bイソ チオシァネート (RI TC)、 フィコエリ トリン(PE)等が挙げられる。酵素としては、 ペルォキシダーゼ、 i3— D _ガラク トシダーゼ、 マイク口ペルォキシダーゼ、 ァ ルカリホスファタ一ゼ、 酸性ホスファターゼ、 シトクロム c等が挙げれる。 放射 性物質としては、 i25I、 i4C、 3H等が挙げられる。
尚、 RNA タンパク複合体と検体とを反応させて生ずる反応生成物を直接測定す る方法としては、 例えば、 RNA タンパク複合体と、 検体とをそれぞれゲル内で拡 散させ、 両者の結合を沈降線として観察する方法を挙げることができる。
以上のように、 本発明の測定方法は EL I SA法、 蛍光免疫測定法、 ラジオィムノ アツセィ、 免疫比濁法、 ラテックス凝集法、 免疫沈降法、 二重免疫拡散法等の各 種免疫学測定法に適用されるものであり、 また、 第 2の RNA及び第 1のタンパク 分子との複合体と検体とを反応させるステツプを含むこれらの方法は、 本発明に 含有されるものである。
本発明の第 1の局面において、 測定対象の抗 ENA抗体を含む、 所謂陽性検体を 標準検体として用いることにより、 検体の陽性、 陰性の判定又は検体中の抗 ENA 抗体の定量を行うことができる。
本発明の第 1の局面は、 特に、 次の測定方法を含有する。 . Ul snRNA及び RNP とからなる U1 RNPを特異的に認識する抗 U1 RNP抗体の測定方 法であって、 前記 Ul snRNAと実質的に同一の RNAと、 前記 RNP と実質的に同一の タンパク分子との複合体を形成し、 該複合体と検体とを反応させるステップを含 む、 ことを特徴とする抗 U1 RNP抗体の測定方法。
また、 次の測定方法も含有する。
下記 A)〜C)のステップを含む、 Ul snRNA及び RNP とからなる U1 RNPを特異的に 認識する抗 U1 RNP坊体の測定方法。
A)前記 Ul snRNAと実質的に同一である RNAと、 前記 RNPと実質的に同一である タンパク分子との複合体を形成するステップ、
B)前記複合体に検体を反応させるステップ、 及び
C)ステップ B)により生じた反応生成物を検出するステップ。
ステップ C)においては、 ステップ B)により生じた反応生成物を標識化した後、 標識量を測定することにより反応生成物の検出を行ってもよい。
本発明の第 2の局面は、 以下の構成からなる複合体である。
即ち、 第 1の RNA及び第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクを含んでなる抗 原を特異的に認識する抗 ENA抗体の測定に用いられる複合体であって、 前記第 1 の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒストン可溶性 タンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子からなる複合体である。 本発 明の第 2の局面には、 以下の構成からなる複合体が含まれる。 第 1の RNA、 第 1 の細胞内非ヒストン可溶性タンパク、 及び第 2の細胞内非ヒストン可溶性タンパ クを含んでなる抗原を特異的に認識し、 かつその認識部位が前記 RNA、 前記第 1 の細胞内非ヒス トン可溶性タンパク、 又はこれらの複合体のいずれかにある抗 ENA抗体の測定に用いられる複合体であって、 前記第 1の RNA と実質的に同一で ある第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクと実質的に同一 である第 1のタンパク分子からなる複合体である。
本発明の第 2の局面である複合体は、 上記本発明の第 1の局面である抗 ENA抗 体の測定方法に用いることができる。 換言すれば、 当該複合体に検体を反応させ ることにより、 検体中の当該複合体に結合する成分である抗 ENA抗体を測定する ことができる。
第 2の局面における、 第 1の RNA、 第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパク、 第 2の細胞内非ヒストン可溶性タンパク、 抗原、 抗 ENA抗体、 第 1の RNAと実質 的に同一である第 2の RNA、 第 1の細胞内非ヒス トン可溶性タンパクと実質的に 同一である第 1のタンパク分子、 及ぴ複合体の各要素については、 上記本発明の 第 1の局面で述べたので、 その説明を省略する。
本発明の第 2の局面には、 特に、 以下の構成からなる複合体が含有される。 即 ち、 Ul snRNAと実質的に同一である RNAと、 RNPと実質的に同一であるタンパク分 子からなる複合体である。 本発明の第 3の'局面は、 上記本発明の第 2の局面における複合体を不溶性支持 体に結合した固相化钪原である。 即ち、 第 2の RNAと第 1のタンパク分子との複 合体を不溶性支持体に結合してなる抗 ENA抗体測定用固相化抗原である。
本発明の第 3の局面である固相化钪原は、 上記第 2の局面の場合と同様に、 本 発明の第 1の局面である抗 ENA枋体の測定方法に用いることができる。 換言すれ ば、 当該固相化抗原に検体を反応させることにより、 検体中の当該固相化抗原に 結合する成分である抗 ENA抗体を測定することができる。 第 2の RNAと第 1の夕 ンパク分子との複合体を固相化することにより、 当該複合体の安定化、 取扱い及 び保存の容易化等が図られ、 また、 簡便な操作による測定が可能となる。
不溶性支持体の性状: 複合体の不溶性支持体への結合方法については、 上記本 発明の第 1の局面において詳述したので、 その説明を省略する。
本発明の第 3の局面には、 特に、 Ul snRNA と実質的に同一である RNA と、 RNP と実質的に同一であるタンパク分子からなる複合体を不溶性支持体に結合してな る抗 U1 RNP抗体測定用固相化抗原が含有される。
本発明の第 4の局面は、 以下の構成からなる抗 ENA抗体測定用キッ トである。 即ち、 第 1の RNA及び第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクを含んでなる抗原 を特異的に認識する抗 ENA抗体測定用キッ トであって、 前記第 1の RNAと実質的 に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクと実質 的に同一である第 1のタンパク分子との複合体を不溶性支持体に固相化した固相 化坊原と、 抗ヒト免疫グロブリン抗体と、 及び抗 ENA抗体を含む標準検体と、 を 含んでなる抗 ENA抗体測定用キッ トである。 また、 第 1の RNA、 第 1の細胞内非 ヒストン可溶性タンパク、 及び第 2の細胞内非ヒストン可溶性タンパクを含んで なる抗原を特異的に認識し、 かつその認識部位が前記 RNA、 前記第 1の細胞内非 ヒストン可溶性夕ンパク、 又はこれらの複合体のいずれかにある抗 ENA抗体測定 用キッ トであって、 前記第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子 との複合体を不溶性支持体に固相化した固相化坊原と、 抗ヒト免疫グロプリン抗 体と、 及び抗 ENA抗体を含む標準検体とを含んでなる抗 ENA抗体測定用キッ トで ある。
本発明の第 4の局面である抗 ENA抗体測定用キッ トを用いれば、 抗 ENA抗体を 簡便に測定することが可能である。 また、 当該キッ トは、 上述の本発明の第 1の 局面の測定方法に利用することができる。
本発明の第 4の局面における、 第 1の RNA、 第 1の細胞内非ヒストン可溶性夕 ンパク、第 2の細胞内非ヒストン可溶性タンパク、抗原、抗 ENA抗体、第 2の MA、 第 1のタンパク分子、 複合体、 不溶性支持体、 及び固相化抗原の各要素について は、 上記本発明の第 1の局面ないし第 3の局面において詳述したので、 その説明 を省略する。
抗ヒト免疫グロプリン抗体の種類は特に限定されず、 公知のものを用いること ができる。 また、 抗ヒト免疫グロブリン坊体は標識化されたものを用いることが できる。
標識化された坊ヒト免疫グロブリン抗体としては、 例えば、 市販のペルォキシ ダーゼ標識抗ヒト IgG (ァ 鎖)抗体コ一ド番号 208、 抗ヒト IgA ( α 鎖) 抗体コー ド番号 210、抗ヒト IgM 鎖)抗体コード番号 212 ( (株)医学生物学研究所 製) を用いることができる。 また、 標識化に用いられる標識物質は、 検出可能な感度 を有すれば特に限定されることはなく、 公知の蛍光色素、 酵素、 放射性物質、 ビ ォチン等を用いることができる。 また、 フェリチン、 コロイ ド金等の電子密度の 高い物質を用いることもできる。 蛍光色素としては、 フルォレセィンィソチオシ ァネート (F ITC)、 ローダミン Bイソチオシァネート (RITC)、 フィコエリ トリン (PE) 等が挙げられる。 酵素としては、 ペルォキシダーゼ、 /3—D—ガラク トシ ダーゼ、 マイクロペルォキシダーゼ、 アルカリホスファタ一ゼ、 酸性ホスファタ —ゼ、 シトクロム c等が挙げれる。 放射性物質としては、 i25I、 i4C、 3H等が挙げ られる。
抗 ENA抗体を含む標準検体としては、坊 ENA抗体陽性の血清、 血漿、 尿、髄液、 腹水、 胸水等の生体液が用いられる。 好ましくは、 血清が用いられる。
本発明の第 4の局面には、特に、以下の構成のキッ トが含まれる。即ち、抗 U1RNP 抗体測定用キッ 卜であって、 UlsnRNAの実質的に同一である RNAと、 RNP と実質的 同一であるタンパク分子との複合体を不溶性支持体に固相化した固相化抗原と、 抗ヒト免疫グロブリン抗体と、 及び抗 U1RNP抗体を含む標準検体と、 を含んでな る抗 U1RNP抗体測定用キッ トである。
この場合においても坊ヒト免疫グロプリン坊体として標識化されたものを用い ることができる。
[実施例 1 ] UlsnRNAの in vitro転写法による調製
UlsnRNAは、 転写べクタ一である pGEM-4Z (プロメガ社 製) と RiboMAX Large Scale RNAProduction Systems (プロメガ社 製) を組み合わせて用いた in vi tro 転写法により調製した。
( 1 一 1 ) U1DNAの調製
UlsnRNAを転写させる鎵型となる U1DNAをクロ一ニングし、 これを pGEM- 4Zベ クタ一に組み込むことにより、 UlsnRNA を転写できる転写ベクターを作製した。 具体的な操作は以下のように行った。
ます、 1.5ml 微 /Jヽ遠'、チューフに protein A-Sepharose (Amersham Pharmacia Biotech 社 製) 2mg、 IPP buffer (lOmM Tris-HCl pH8.0, 500BIM NaCl,
0.1¾ NP-40) 500 M K 及び抗 UIRNP陽性患者血清 1 を混合し、 4°Cでー晚、 緩 やかに振とうしながら反応させ、 protein A-Sepharose に抗 U1RNP抗体を吸着さ せた。 次に、 遠心処理(15, OOOrpni, lmin, 4°C)し、 上清を捨てた。 ペレッ トに IPP buffer 500 ^ 1 を添加し、 ピペッ ト操作でよく撹拌した後、 再び遠心処理 (15,000rpm, lmin, 4°C)した後、上清を捨てた。 この操作を 3回繰り返し、 protein A-Sepharose に非特異的に吸着した余分な蛋白を取り除いた。 上記操作により得 られたペレッ トに NET - 2 buffer (50mM Tris-HCl pH7.5, 150mM NaCl) 400 ΐ を 添加し、 更に HeLa cell extract (HeLa eel 1 extract の調製方法は、 例えば、 HeLa cell を NET - 2 buffer を添加してよく懸濁した後、 超音波処理することで細胞を 破碎し、 遠心分離して不溶化物を除去する) 200 x 1 を添加したものを 4°C、 2時 間、 緩やかに振とうさせながら反応させることにより、 protein A-Sepharose 上 に吸着した抗 U1RNP抗体に HeLa cell extract 中の Ul snRNA-RNP-Sm複合体をトラ ップ (結合) させた。
次に、 余分な蛋白を取り除くために遠心処理(15, OOOrpm, lmin, 4°C)し、 上清 を捨てた。 得られたペレッ トに NET- 2 buffer 500 z l を添加し、 ピペッ ト操作で よく撹拌した。 これを再び遠心処理(15,000rpm, lmin, 4°C)した後、 上清を捨て た。 この操作を 5回繰り返すことにより洗浄効果を高めた。 最後の遠心処理 (洗 浄) の後、 上清を捨て、 ペレッ トに NET- 2 buffer 300 K 10%SDS 15 1、 及び 3M酢酸ナトリウム(pH 5) 1 を順次添加した。 さらに、 フエノール/クロロホ ルム混液 300 1 を加えた後、 十分攪拌し、 遠心処理(15, 000rpm, 5min, 4°C)を 行った。 その結果得られた上層を別のエツペンチューブに移し、 これを UlsnRNA 溶液とした。
UlsnRNA溶液に冷エタノール 900 1 を添加した後、 -80°Cで 1 時間静置するこ とにより冷却した。 その後、 遠心処理(15,000rpm, lOmin, 4°C)し、 UlsnRNAを沈 殿させた。
次に、 ペレツ ト状の UlsnRNAをリポヌクレアーゼフリーの滅菌水 20 1 に溶解 し 、' UlsnRNA の 3' 側 と 対 合 で き る DNA プ ラ イ マ 一 (5' -CAGGGGAAAGCGCGAACGCAGTCCCCCACTA-3' ) (配列番号 : 1 ) を添加し、 逆転写 酵素を作用させることにより、 RNA- DNA のへテロ二本鎖を作製した。 その後、 こ の へ テ ロ 二 本 鎖 を 铸 型 と し て 、 Upper PCR プ ラ イ マ 一 と し て (5' -ATACTTACCTGGCAGGGGAGATACCATGATCA-3' ) (配列番号: 2) t Lower PCRブラ イマ一として上記逆転写酵素反応に用いた DNA プライマ一で公知の方法により PCR反応を行い、 U1DNA断片 (配列番号 : 3) を得た。
(1 - 2) in viiro転写法による UlsnRNA.の取得及び精製
上記 ( 1— 1 ) で得られた U1DNA断片に EcoRI及び BamHIのリンカ一を公知の 方法 (例えば、 遺伝子工学実験ノ一 <DNA 取扱いの基本とサブクロ一ニング> 114貢、 羊土社、 1997を参照) により付加したものを PGEM-4Zの SP6 RNAポリメ ラ一ゼのプロモータ一 (SP6 プロモータ一) 支配下にあるマルチクロ一ニンダサ イ トの EcoRI と BamHI の間に挿入させることにより、 UlsnRNAを転写させること のできるべクタ一とした(以下、 このべクタ一を「pGEM-UlsnRNAベクタ一」という)。 つぎに、 pGEM-UlsnRNAベクタ一を用いて以下の方法で in vitro転写法を行い、 UlsnRNAを作製した。
まず、 pGEM - UlsnRNAベクタ一を公知のセシウムクロライ ド法に従い、 高純度で 精製した。 その後、 リ ポヌク レア一ゼの混入を防ぐために、 Proteinase K (lOO/^g/mL), SDS (0.5%), 50mM Tris-HCl (pH7.5), 5mM CaCl2で、 37° (:、 30 分 間処理した。 その後、 フエノールノクロ口ホルム混液により除蛋白処理をし、 続 いて、 エタノールを加えて pGEM-UlsnRNAを沈殿させた。 その結果得られた、 高純 度に精製された pGEM- UlsnRNAを、 公知の手法に従い制限酵素 BamHIで処理し、線 状とした。 この線状 pGEM- UlsnRNA を铸型とし、 RiboMax Large Scale RNA production System-SP6 (プロメガ製 製) を用いて転写反応を行った。 転写反応 は、 線状 pGEM-UlsnRNA (1 μ. g/mL) 50μ 1, SP6 RNA polymerase 5 倍濃縮 bufferlOOM 1, rATP (lOOmM) 1, rGTP (lOOmM) 25 1, rCTP (lOOmM) 25^ 1, rUTP (lOOmM) 25/i l, ヌクレアーゼフリー滅菌水 200 Ι, SP6 Enzyme Mix 50 z 1 を混合し、 total volume 500 ^ 1 としたものを 37°C、 4時間インキュベートする ことにより行った。 その他の操作手順等は RiboMax Large Scale RNA production System-SP6に添付の操作説明書に従った。
続いて、 反応終了液から UlsnRNAを以下の方法にて精製した。 はじめに、 線状 pGEM-UlsnRNA (template DNA) 1/zgあたり lunitの DNase (プロメガ社 製) を 添加し、 37°Cで 15分反応させることにより DNase処理を行った。 反応終了後、 TE buffer pH4.5 で飽和させたフエノール/クロ口ホルム/イソァミルアルコール (各液の割合は順に 25: 24 : 1) 混液 500 μ 1 を添加してよく攪拌し、 続いて遠心 (15, OOOrpm, 5min, 4°C)した後、 上層を新しいエツペンチューブに移した。 この 操作により、 DNase処理された pGEM-UlsnRNA (template DNA) 及び未反応の rNTPs を除去した。 続いて、 酢酸ナトリウム(PH5.2) 50 1 を添加し、 さらにイソプロ パノール 500 i 1 を添加して、氷上で 5分間静置、冷却した後、遠心 (15, OOOrpm, lOmin, 4°C)することにより、 Ul snRNAを沈殿させた。沈殿した UlsnRNAは、冷 70% エタノールで洗浄し、真空乾燥させた後、 ヌクレア一ゼフリ一滅菌水 500.μ 1 に溶 解した (精製 UlsnRNA)。
以上の結果得られた精製 UlsnRNAは、 300倍に希釈した後、 波長 260nmにおけ る吸光度の測定により濃度を算出し、 収量を求めた。 その結果、 精製した段階に おいて 500 1 あたり約 2〜3mgの精製 UlsnRNAが得られた。 尚、 波長 260nmにお ける吸光度 (A260) =1.0を RNA 40 g/ml として計算した。
[実施例 2] RNPの調製
ヒスチジンタグを融合した 3種のリコンビナント RNP (His-tagged RNP70k (68kDa)と His-tagged RNPA (35kDa)と His- tagged RNPC (23kDa)) を以下の方法 により作製した。
( 2— 1 ) His-tagged RNP 70k (68kDa)の発現系の作製及び His- tagged RNP70k の精製 His-tagged RNP70k (68kDa)の発現には、 昆虫細胞発現系を用いた。 具体的には pharmingen 社製の発現システム (BaculoGold Baculovirus system) を利用して 行った。 以下にその概要を示す。
まず、 HeLa cell から調整された cDNA を铸型にして Upper PCR プライマ一 (5' -ATGACCCAGTTCCTGCCGCCCAACCTTCTG-3' ) (配列番号: 4) と Lower PCRプライ マ一(5'-CTCCGGCGCAGCCTCCATCAAATACCCATT- 3') (配列番号: 5) を用いて公知の PCR法により RNP70k遺伝子を増幅させ、 これに 6個の His となる DNA配列を 3' 側に付加した DNA断片 (配列番号 : 6) を作製した。 この DNA断片に EcoRI及び BamHIのリンカーを公知の方法(例えば、遺伝子工学実験ノ一 <DNA取扱いの基 本とサブクロ一ニング> 114 貢、 羊土社、 1997 を参照) により付加したもの PVL1393 ベクタ一 (pharmingen 社 製) のマルチクローニングサイ ト中にある BamHI サイ トと EcoRI サイ トの間に挿入し、 RNP70k発現ベクター (pVL/RNP70k と呼ぶ) とした。 この pVL/RNP70kを Baculo Gold Linearized Baculovirus DNA (Pharmingen社) と混合し、 ホモ口ガスリコンビネーションさせて SF9細胞にト ランスフエクシヨンさせた。 トランスフエクシヨンさせた SF9細胞を用いたブラ —クアツセィを行い、 透明のプラークを生じたものを選択し、 これを増幅させて ウィルス液を調製した。
一方、 スピナ一フラスコに 8Lの TMN-FH培地を入れ、 この中で High Five細胞 を細胞数 3〜7X105個 Zml になるまで 27T:、 70rpmで懸濁培養させる。 所望の細 胞数になったのを確認後、 上述のウィルス液を m.o. i (感染多重度) =5になるよ うに添加してウィルス感染させ、 さらに 27° (:、 70rpmで 3 日間懸濁培養した。 こ のようにして得られた培養液を遠心処理して High Five細胞を集め、 細胞 3gにつ き 20ml の lysis buffer (l¾Tri tonX-100, lOmM NaF in PBS )を添加してよく懸 濁し、 氷上 30分静置した。 その後、 遠心処理を行い、 破砕された細胞を沈殿とし て集めた。 この沈殿物に 8M尿素 (inPBS) を添加して沈殿を可溶化させた。 この ようにして得られた昆虫細胞液から His-tagged RNP70Kを次のように精製した。 まず、 ニッケルイオンを担持させた ChelatingSepharoseFFカラム (フアルマシ ァ社 製) を予め平衡化しておき、 これへ上記の昆虫細胞液を添加することによ り、 昆虫細胞液中の His- tagged RNP70kを吸着させた。 非特異的に結合した成分 を洗浄、 除去した後、 イミダゾ一ルを含む PBS buffer (pH8)を用いてカラムに吸 着した His-tagged RNP70Kを溶出させた。その際、 ィミダゾ一ル濃度を 10〜500 に変化させながら溶出させ、 His- tagged RNP70k の含有されるフラクションを得 た (精製 His- tagged RNP70k)。
(2— 2) His-tagged RNPA (35kDa) の発現系の作製及ぴ His-tagged RNPAの精 製
His-tagged RNPA蛋白の発現系は、 発現べクタ一 pET28a(+)と大腸菌 BL21 (DE3) の組み合わせから構築することができ、 Novagen社製の system ( ET System) を 利用した。 以下、 操作方法の概要を述べる。
まず、 HeLa cell から調整された cDNA を铸型にして Upper PCR プライマ一 (5' -ATGGCAGTTCCCGAGACCCGCCCTAACCAC-3' ) (配列番号: 7) と Lower PCRプライ マ一(5'-CTTCTTGGCAAAGGAGATCTTCATGGCGT- 3,) (配列番号 : 8 ) を用いて公知の PCR法により RNPAをコードする遺伝子を増幅させ、この DNA断片に Ncol及び Xhol のリンカ一を公知の方法 (例えば、 遺伝子工学実験ノート <DNA 取扱いの基本と サブクローニング> 114貢、 羊土社、 1997を参照) により付加したもの (配列 番号: 9)を、 pET28a(+)のマルチクローニングサイ ト中にある Ncolサイ 卜と Xhol サイ トの間に挿入し、 RNPA発現べクタ一 (pET/RNPAと呼ぶ) とした。 この発現 ベクターの発現産物は、 RNPAの C末端に 6個の His (ヒスチジン) が融合したも のである。 この pETZRNPAを大腸菌 BL21 (DE3)に形質転換させ、 His- tagged RNPA の発現系を構築した。
次に、 pET/RNPA により形質転換された大腸菌 BL21 (DE3)をカナマイシン 50/zg/nil を含む LB培養液 120ml 中で 37° (:、 200rpjn、 16時間振とう培養した。 こ の培養液を種母培養液とする。 本培養は次のように行った。 即ち、 10L スケール のジャー培養装置に 6Lの 1%グルコースと 50 ig/mlのカナマイシンを含む LB培 養液を準備し、 ここへ種母培養液 120ml を添加し、 37 で撹拌しながら OD600が 5~8 になるまで培養した。 その後、 IPTG (isopropyl-thio_j3 -D-galactoside) を ImMの濃度になるように添加し、 さらに 2時間培養した。 次に、 培養液を遠心 して集苗し、 2%Tween20, 0. ImM PMSF, l^g/ml Leupeps in を含む PBS 300ml を 加えて懸濁し、大腸菌を破砕した。その後、遠心処理により破砕上清を採取した。 以上の操作により得られた大腸菌抽出液を、 予め平衡化しておいた、 ニッケルィ オンを担持させた Chelating Sepharose FFカラム (フアルマシア製) に添加し、 大腸菌抽出液中の His- tagged RNPAを吸着させた。 非特異的にカラムに吸着した 成分を洗浄、 除去した後、 イミダゾ一ルを含む PBS buffer (pH8)にてカラムに吸 着した His- tagged RNPAを溶出させた。 その際、 イミダゾ一ル濃度を 10〜500mM に変化させながら溶出させ、 His-tagged RNPA の含有されるフラクションを得た (精製 His- tagged RNPA)。
( 2— 3 ) His-tagged RNPC (23kDa) の発現系の作製及び His- tagged RNPCの精 製
His- tagged RNPC の発現系は、 上記 His- tagged RNPA と同じ発現システムを用 いた。発現べクタ一 pET28a(+)のマルチクローニングサイ 卜の Ncol と Xholの間に 揷入する DNA断片が、 RNPAをコードする DNA断片ではなく、 RNPCをコードする遺 伝子の断片 (配列番号: 1 0 ) である点のみ異なる。 この RNPC遺伝子を PCRで増 幅 さ せ る た め に用 い た PCR プ ラ イ マ 一 は、 Upper PCR プ ラ イ マー (5' -ATGCCCAAGTTTTATTGTGACTACTGCGAT-3' ) (配列番号: 1 1 ) と Lower PCRプラ イマ一(5' -TCTGTCTGGTCGAGTCATTCCGGGCCGAGT - 3') (配列番号: 1 2 ) である。 ま た、 His- tagged RNPCの精製も上記 Hi s- tagged RNPAと同じ精製法で行った。 [参考実験例 1 ] UlsnRNAと乖離検体との反応性の検討
( 1 ) DID法による抗 U1RNP坊体の測定
DID 法 (二重免疫拡散法) は、 別名ォクテロ二一法とも呼ばれ、 その原理は寒 天板上にいくつかの穴を開けた後、 坊原と抗体を別々の穴から向かい合って拡散 させると、 両者の濃度が最適となったところで沈降線が形成されることを利用し た測定方法である。
抗 U1RNP抗体の DID法による測定は、 ENA- 1テスト((株)医学生物学研究所 製) を用いて測定した。測定は E NA- 1テストに添付される操作説明書に従って行った。 まず、ゥサギ胸腺より抽出した凍結乾燥粗抗原(粗 U1RNP抗原)を滅菌水 100 1 で溶解したもの 2011 を寒天板の中心穴にのせ、 その周りに開けた穴に対し、 桄 U1RNP抗体陽性コントロール血清と検体血清を各 20 X 1 ずつ交互にのせる。 室温 で一晩以上反応させると沈降線が観察できるようになる。 検体中に抗 II1RNP抗体 が存在する (陽性)、 又は存在しない (陰性) かは、 陽性コントロールに含まれる 抗 U1RNP抗体及び抗 Sm抗体と粗 U1RNP坊原中の成分とが結合することにより形成 される沈降線と、 検体と粗 U1RNP抗原中の成分とが結合することにより形成され る沈降線とが融合するか否かにより判定される。 通常、 陽性コントロールによる 沈降線は二本観察でき中心部に近い側に抗 U1RNP抗体による沈降線が見られ、 そ の沈降線よりもより外側に抗 Sm抗体による沈降線が見られる。
( 2) RNP (ribonucleoprotein) のみを用いた ELISA法 (従来型 ELISA法) によ る抗 U1RNP抗体の測定
PBSに、実施例 2で得られた 3種のリコンビナント RNP(Recombinant His- tagged RNP) を、 RNP70k 0.55 ^ g/ml+RNPA 0.27 μ g/ml+RNPC 0.18 g/mK total l/zg/ml となるように添加し、 直ちに 96穴マイクロ夕イタ一プレート(Maxi'sorp Nunc社 製)の各ゥエルに 100 1/ゥエルずつ分注した。これを 4°Cでー晚放置することに より、 リコンビナント RNPをプレート上に吸着させた。 各ゥエルから反応液を取 り除き、 続いて. PBS 200μ 1 を各ゥエルに添加し、 10秒程度放置した。 その後、 各ゥエルの PBS を取り除いた。 この洗浄操作を 2回繰り返し、 プレートに吸着し ていない RNP を除去した。 吏に、 ブロッキング buffer (UBSA/PBS) 200 μ 1 を各 ゥエルに添加し、 4°Cで一晩放置してブロッキングを行なった。 その後、 各ゥエル よりブロッキング bufferを除去し、十分乾燥させて ELISA測定用プレートとした。 このようにして得られた ELISA測定用プレートを用いて、実施例 2の ( 2— 1 ) における DID法において陽性患者血清或いは陰性患者血清、 及び健常人血清を用 いて、 各検体中の抗 U1RNP抗体を測定した。 測定は、 検体希釈用緩衝液で各血清 を 100倍希釈したもの 100 i 1 を ELISA測定用プレートの各ゥエルに添加し、 25°C で 1時間静置して 1次反応させた。 続いて、 各ゥエルより反応液を除去した後、 l%Tween20を含む PBS で各ゥエルを十分洗浄した。 その後、 ペルォキシダ一ゼ標 識した抗ヒト IgG抗体を含む標識抗体液 100/Π を各ゥエルに添加し、 25°Cで 1 時間静置して 2次反応させた。 反応液を除去した後、 l ween20を含む PBS で各 ゥエルを十分洗浄し、 続いて、 テトラメチルベンチジンと過酸化水素を含む酵素 基質液 100 1 を各ゥエルに添加した。 25°Cで 30分間酵素反応させた後、 1N硫酸 ΙΟΟμ 1 を各ゥエルに添加して発色させ、 450nmの吸光度を分光光度計にて測定し た。
その結果、 DID法陽性検体の中で ELISA法では陰性と判定されたものが認めら れた。 当該検体 (乖離検体) を以下の ( 3) における検討に用いた。 また、 DID 法陰性検体は ELISA法でも全て陰性であった。 健常人検体については、 全て陰性 と判定された。
( 3) DID法陽性、 ELISA法陰性となる検体 (乖離検体) と UlsnRNAとの反応性の 検討
上記 ( 1 ) 及び (2) の測定結果の比較により、 DID 法では陽性判定となり、 リコンビナント RNPを用いた ELISA法では陰性判定と認められた検体(乖離検体) と、 実施例 1の ( 1— 2) で得られる UlsnRNAとの反応性を免疫沈降法及び ELISA 法により検討した。
免疫沈降法は、 Mark S. Forman らにより開発された手法 (Arthritis and Rheumatism, Vol.28, No.12, 1356-1361, 1985) に基づき行った。 Mark S. Forman らの手法における Hela cell extractの代わりに実施例 1の ( 1一 2) における in vitro転写法で得られる UlsnRNAを用いた。具体的には、以下の操作を行った。 まず、 1.5ml 微小遠 、チューブに protein A-Sepharose (Amersham Pharmacia Biotech 社 製) 2mg、 IPP buffer (lOmM Tris-HCl pH8.0, 500mM NaCl, 0.1%
NP-40) 500 M K 及ぴ乖離検体血清 20μ 1 を混合し、 4°Cで一晩、 緩やかに振とう しながら反応させ、 protein A-Sepharose に乖離検体血清中の抗 U1RNP抗体を吸 着させた。 次に、 遠心処理(15, OOOrpm, lmin, 4°C)し、 上清を捨てた。 ペレッ ト に IPP buffer 500< 1 を添加し、 ピぺッ ト操作でよく撹拌した後、 再び遠心処理 (15, OOOrpm, lmin, 4°C)した後、上清を捨てた。 この操作を 3回繰り返し、 protein A - Sepharose に非特異的に吸着した余分な蛋白を取り除いた。 上記操作により得 られたペレッ トに NET-2 buffer (50mM Tris-HCl pH7.5, 150mM NaCl) 400 1 を 添加し、 更に実施例 1の ( 1 — 2 ) において in vitro 転写法により作製した UlsnRNA (5mg/mL)25 1 を添加したものを 4° (:、 2時間、 緩やかに振とうさせなが ら反応させることにより、 protein A- Sepharose 上に吸着した乖離検体中の抗 U1RNP抗体に UlsnRNAを結合させた。
次に、 余分な UlsnRNAを取り除くために遠心処理(15, OOOrpm, lmin, 4°C)し、 上清を捨てた。 得られたペレッ トに NET - 2 buffer 500 1 を添加し、 ピペッ ト操 作でよく撹拌した。 これを再び遠心処理(15, OOOrpm, lmin, 4°C)した後、 上清を 捨てた。 この操作を 5回繰り返すことにより洗浄効果を高めた。 最後の遠心処理 (洗浄) の後、 上清を捨て、 ペレッ トに NET- 2 buffer 300 ^ K 10¾SDS 15, K 及び 3Μ酢酸ナトリウム(ρΗ 5) 30 1 を順次添加した。 さらに、 フエノール ク ロロホルム混液 300 ^1 を加えた後、 十分攪拌し、 遠心処理(15,000rpm, 5min, 4°C)を行った。 その結果得られた上層を別のエツペンチューブに移し、 この溶液 に冷エタノール 900 /xlを添加した後、 - 80°Cで 1時間静置することにより冷却し た。 その後、 遠心処理(15,000rpm, lOmin, 4°C)した。 得られたペレッ トをバッフ ァ一に溶解し、 7M尿素を含む 10%polyacrylamide gel 内で泳動させた。 泳動後 の gel を銀染色 (シルバースティンプラスキッ ト Bio- Rad社製) に供すること により UlsnRNAを確認した。
乖離検体 14検体(血清 1〜血清 14)についての結果を図 1に示す。図 1は、 銀染色後の gelを示す図である。 レーン 3〜 1 6に血清 1〜 14より調製したサ ンプルをそれぞれ流した。コントロールとして、レーン 1には(1一 2)の in vitro 転写法により調製した UlsnRNA (positive control) を、 レーン 2には健常人血 清より調製したサンプル (negative control) をそれぞれ流した。 矢印は UlsnRNA のバンド位置を示す。 図 1に示されるように、 UlsnRNA のバンドが観察されるの は一部のレーン(レーン 6、 8 )であることがわかる。即ち、乖離検体中で UlsnRNA と反応性を持つものは一部の検体であることが示された。
ELISA法における測定方法は、 上記 (2) の従来型 ELISA法による抗 U1RNP抗 体の測定法と同様であるので、 その説明を省略し、 ここでは固相化方法について のみ説明する。
まず、 メチル化 BSAを 50 g/mlの濃度になるように 150mMTris, 0.05%Tween20 で希釈した液を 96穴マイクロタイ夕一プレート(Maxisorp Nunc社 製)の各ゥェ ルに ΙΟΟμ 1ずつ添加し、 25°Cで 1時間放置した後、 各ゥエルから反応液を除去し た。 その後、 実施例 1の ( 1— 2 ) において得られた UlsnRNAを 20 g/mlになる ように lOmMTris, 0.05¾Tween20, ImM EDTAで希釈したものを、 各ゥエルに 100 1 ずつ添加し、 4°Cで一晩放置することにより、 プレート上にメチル化 BSAを介して UlsnRNA を吸着させた。 各ゥエルから反応液を除去し、 続いて各ゥエルにプロッ キング buffer (1¾BSA/PBS)を 200 1ずつ添加し、 4°Cでー晚放置することにより ブロッキングを行なった。各ゥエルからブロッキング bufferを除去した後、 十分 乾燥させることにより ELISA測定用プレートとした。
このように作製した ELISA測定用プレートを用いて、 乖離検体(血清 1〜 1 4) について UlsnRNAとの反応性を調べた。 その結果、 一部の検体においてのみ反応 性 (陽性) が認められた。
以上の免疫沈降法及び ELISA法の結果を図 2の表にまとめた。 尚、 上記 ( 1 ) における DID法及び上記 (2) における従来型 ELISA法 (RNPタンパクのみを固 相化したプレートを用いた ELISA法) による各乖離検体の測定結果も併せて示し た。
図 2に示されるように、 乖離検体 1 4検体中 UlsnRNAに対して反応性を持つも のは 2検体 (血清 4、 血清 6) である。 この結果は、 いくつかの乖離検体中には UlsnRNA を認識する抗体が存在することを示すと同時に、 乖離検体中には、 単独 の UlsnRNA、 又は単独の RNP を認識するのではない坊 U1RNP坊体が存在している ことを示唆するものである。 即ち、 UlsnRNA及び 3種の RNP タンパクを個別に認 識する抗 U1RNP抗体以外に、 UlsnRNA— RNP夕ンパク複合体を認識する抗 U1RNP抗 体の存在が示唆された。
[参考実験例 2] DID法における U1RNP抗原の反応性の検討
参考実験例 1の ( 1 ) の DID法に用いた粗 U1RNP抗原を RNaseAと RNaseTlで処 理した抗原と、 同実験例 ( 1 ) の DID法では陽性と判定され、 同実験例 (2 ) の 従来型 E L I S A法では陰性と判定された乖離検体との反応性を D I D法により調べた。 粗 U1RNP抗原の. RNase処理は次のように行った。 ENA- 1 テスト ((株) 医学生 物学研究所 製) に含まれるゥサギ胸腺より抽出した凍結乾燥粗抗原である粗 U1RNP 抗原を滅菌水 90 1 で溶解し、 ここへ RNaseA 1 (二ツボンジーン製 Code313- 01461) と RNaseTl b n 1 (ベーリンガーマンハイム製 Codel09193) を 添加し、 37°Cで 30分反応させた。また、 DID法による測定は、参考実験例 1の( 1 ) に記載の方法と同様に行った。 その結果、 すべての乖離検体において抗 U1RNP抗 体の存在を示す沈降線を観察することができなかった。 即ち、 すべての乖離検体 において、 粗 U1RNP抗原を RNase処理することにより、 反応性の低下ないし消失 が認められた。 このことは、 粗 U1RNP抗原中の RNPは UlsnRNAとの複合体を形成 した状態で存在することを示唆するものである。
[実施例 3] UlsnRNAと RNP との複合体固相化抗原 (ELISA測定用プレート) の 作製
(3— 1 ) UlsnRNAと RNP との複合体の作製
実施例 2で得られた 3種の His - tagged RNP (His- tagged RNP 7 Ok, His - tagged RNPA、 His - tagged RNPC) を total 1 ^ g/ml (His - tagged RNP 7 Ok 0.55 ig/mK His- tagged RNPA 0.27 ig/ml, His-tagged RNPC 0.18μ g/ml)となるように PBS 中に添加した。 さらに、 実施例 1で得られた UlsnRNAを添加した後、 37°Cで 5分 ィンキュベ一トすることにより、 UlsnRNAと 3種の His-tagged RNPとの複合体を 作製した。 この際、 UlsnRNAの添加濃度を 0〜25 ig/ml (0、 5、 10、 15、 20、 25 ig/ml の各濃度) の範囲で変化させ、' UlsnRNA添加濃度がそれぞれ 0、 5、 10、 15、 20、 及び 25 g/mlである抗原溶液を作製した。 尚、 ィンキュベ一ト終了後の抗原溶液 は直ちに以下の複合体固相化抗原の作製に使用した。
(3 - 2) 複合体固相化抗原 (ELISA測定用プレート) の作製
上記 (3— 1 ) で得られた UlsnRNA添加濃度の異なる坊原溶液を、 96穴マイク ロタイタ—プレート(MaxiSOrp Nunc社製)の各ゥエルに 100μ 1 ずつ分注し、 4°C で一晩放置することにより、 UlsnRNA-RNP蛋白複合体をプレート上に吸着させた。 その後、各ゥエルの抗原溶液を除去し、 PBS buffer200 x 1 を各ゥエルに添加した。 10秒程度放置した後、 各ゥエルの PBS buffer を除去した。 この洗浄操作を 2 回 繰り返し、 未吸着の UlsnRNA及び RNP等を除去した。 更に、 ブロッキング buffer (1¾BSA/PBS) 200 M 1 を各ゥエルに添加し、 4°Cで一晚放置してブロッキングした。 その後、 各ゥエルのブロッキング buffer を除去し、 十分乾燥させて ELISA測定 用プレー卜とした。
[実施例 4] ELISA測定キッ トの構築
実施例 3により作製した、 UlsnRNA及び 3種のリコンビナント RNP( His-tagged RNP70k, His- tagged RNPA、 His-tagged RNPC) を吸着させた ELISA測定用プレー ト、 ペルォキシダ一ゼ標識した抗ヒト IgG抗体 ((株) 医学生物学研究所 製)、 及び抗 U1RNP抗体陽性の血清とを組み合わせて坊 U1RNP抗体測定用のキッ トを構 築した。
[実施例 5 ] ELISA法による検体中の抗 U1RNP抗体の測定
実施例 3で得られた ELISA測定用プレートを用いて、 以下の検体中の抗 U1RNP 抗体を測定した。 尚、 各検体について、 ELISA 測定プレートに坊原を吸着させる 際の抗原溶液中の UlsnRNA濃度の異なるゥエル (即ち、 UlsnRNA又は UlsnRNAと RNPの複合体の吸着量の異なるゥエル) を用いて測定を行った。
測定対象とした検体は、 参考実験例 1の ( 1 ) における DID法では陽性判定と なり、 同実験例 1の (2) における従来型 ELISA法 (即ち、 3種のリコンビナン ト RNP のみをマイクロプレートに固定化したもの (固定化抗原) と検体中の抗 U1RNP との結合をみる方法)では陰性判定と認められた血清 1 2検体(乖離検体)、 DID法及び従来型 ELISA法ともに陽性判定であった血清 8検体 (陽性検体)、 及び 健常人の血清からなる 2 1検体 (健常人検体) である。
まず、反応用緩衝液で各検体を 100倍希釈したもの lOO i 1 を ELISA測定用プレ ートの各ゥエルに添加し、 25 で 1時間、 静置させることにより 1次反応を行つ た。 各ゥエルから反応液を除去した後、 l ween20を含む PBS bufferで各ゥエル を十分洗浄した。 その後、 ペルォキシダ一ゼ標識した抗ヒト IgG抗体 ((株) 医学 生物学研究所 製)を含む標識抗体液 ΙΟΟ Ζ 1を各ゥエルに添加し、 25°Cで 1時間、 静置させることにより 2次反応を行った。 各ゥエルから反応液を除去した後、 l%Tween20を含む PBS bufferで各ゥエルを十分洗浄した。 その後、 テトラメチル ベンチジンと過酸化水素を含む酵素基質液 100 μ 1 を各ゥエルに添加して、 25°Cで 30分間酵素反応させた。 続いて、 各ゥエルに 1N硫酸を 100 1ずつ添加して酵素 反応を止めた後、 450nmの吸光度を分光光度計にて測定した。
以上の測定の結果を図 3の表及び図 4のグラフに示した。 図 3及び図 4におい て、 乖離検体を乖離 1〜乖離 1 2と表してある。 同様に、 陽性検体を陽性 1〜陽 性 8と、 健常人検体を健常人 1〜健常人 2 1 とそれぞれ表してある。 図 3の表に は、 ELISA測定プレートに抗原を吸着させる際の抗原溶液中の UlsnRNA濃度の異 なるゥエルを用いて測定した結果をまとめて示してある。
図 4のグラフより、 DID法では陽性判定、 従来型 ELISA法では陰性判定の乖離 検体では、 UlsnRNA の添加濃度を多くした抗原溶液を添加して作製したゥエルに おいて、 検体中の抗 U1RNP抗体がより多く検出されていることがわかる。 即ち、 リコンビナント RNPに加えて UlsnRNAを添加した坊原溶液により作製した固相化 抗原を用いることにより、 従来型 ELISA法 (リコンビナント RNPのみを固相化し た抗原を用いた ELISA法) に比較して、 反応性 (検出感度) が著しく向上した。 これは、 乖離検体中の UlsnRNA- RNP複合体を認識する抗 U1RNP抗体を、 DID法に おける場合と同様に検出できているためと推測される。
また、 DID法及ぴ従来型 ELISA法ともに陽性の検体 (隠性検体) については、 UlsnRNA を添加しても反応性の向上が無いものもあるが、 これについては、 当該 検体には主に RNPのみを認識するタイプの抗 U1RNP坊体が含まれているためであ ると考えられる。 健常人検体においては、 UlsnRNA の添加により反応性の変化は 認められず、 このことから、 抗原溶液中に UlsnRNAを添加しても非特異的な反応 が存在しないことが示される。 従って、 抗原溶液として UlsnRNAを添加したもの を用いたとしても、 健常人検体が陽性と判断されることはない。 以上のように、 UlsnRNA とリコンビナント RNP との複合体を抗原とすることに より、 従来型の ELISA法では陰性と判定される検体においても陽性と判定する測 定系が構築される。 かかる測定系を用いれば、 従来の DID法と高い相関性をもつ た測定が行えるものであり、 また、 高感度に検体中の抗 U1RNPを検出ないし測定 することができる。
[実施例 6] RNP のみを用いた ELISA法と、 RNP及び UlsnRNAの複合体を用いた ELISA法との比較
RNPのみ固相化抗原として用いた ELISA法と、 RNP及び UlsnRNAの複合体を固相 化抗原として用いた ELISA法の比較を以下のように行った。
まず、 実施例 2で得られた His- taggd RNP70k(0.55ug/mL), His- tagged RNPA (0.27ug/mL)、 及び His - tagged RNPC(0.18ug/m を PBS buffer中で 37°C、 5分ィ ンキュベーションさせた後、 96穴マイクロタイタープレート(Maxisorp Nunc社製) の各ゥエルに 100/i 1ずつ分注し、 4°Cで一晩放置することにより、 各 RNPをプレ ート上に吸着させた。 その後、 各ゥエルの抗原溶液を除去し、 PBS buffer200 t 1 を各ゥエルに添加した。 10秒程度放置した後、 各ゥエルの PBS buffer を除去レ た。 この洗浄操作を 2回繰り返し、 未吸着の RNPを除去した。 更に、 ブロッキン グ buffer (1¾BSA/PBS) 200 ^ 1 を各ゥエルに添加し、 4°Cでー晚放置してブロッキ ングした。 その後、 各ゥエルのブロッキング buffer を除去し、 十分乾燥させて ELISA測定用プレート (RNP- ELISAプレート) とした。
一方、 同様に実施例 2で得られた His-taggd RNP70k(0.55ug/mL)、 His- tagged RNPA (0.27ug/mL) , 及び His-tagged RNPC(0.18ug/mL)と実施例 1 で得られた UlsnRNA (10ug/mL)を PBS buffer中で 37°C、 5分インキュベーションさせた後、 96穴マイクロタイ夕一プレート(Maxisorp Nunc社製)の各ゥエルに 100 1ずつ分 注し、 4 でー晚放置することにより、 UlsnRNA- RNP蛋白複合体をプレート上に吸 着させた。 その後、 各ゥエルの抗原溶液を除去し、 PBS buner200/i 1 を各ゥエル に添加した。 10秒程度放置した後、 各ゥエルの PBS bufferを除去した。 この洗 浄操作を 2回繰り返し、 未吸着の UlsnRNA及び RNP等を除去した。 更に、 ブロッ キング buffer (l^BSA/PBS OO x 1を各ゥエルに添加し、 4°Cで一晩放置してプロ ッキングした。 その後、 各ゥエルのブロッキング buffer を除去し、 十分乾燥さ せて ELISA測定用プレート (UlsnRNA+RNP ELISAプレート) とした。
以上のように作製した ELISA測定用プレ一ト(RNP-ELISAプレート及ぴ UlsnRNA + RNP ELISAプレート)を用いて、上記参考実験例 1の DID法(ENA- 1テスト((株) 医学生物学研究所 製) を用いた DID法) において陽性と判定された膠原病患者 血清 196検体、 陰性と判定された健常人血清 82検体について測定を行った。 まず、反応用緩衝液で各検体を 100倍希釈したもの lOOy 1を各 ELISA測定用プ レートの各ゥエルに添加し、 25°Cで 1時間、 静置させることにより 1次反応を行 つた。 各ゥエルから反応液を除去した後、 l%Tween20を含む PBS bufferで各ゥェ ルを十分洗浄した。 その後、 ペルォキシダ一ゼ標識した抗ヒト IgG抗体 ((株) 医 学生物学研究所 製) を含む標識抗体液 100/il を各ゥエルに添加し、 25°Cで 1 時間、 静置させることにより 2次反応を行った。 各ゥエルから反応液を除去した 後、 l¾Tween20を含む PBS bufferで各ゥエルを十分洗浄した。 その後、 テトラメ チルベンチジンと過酸化水素を含む酵素基質液 ΙΟΟ Ι を各ゥエルに添加して、 25°Cで 30分間酵素反応させた。続いて、 各ゥエルに 1N硫酸を 100/ilずつ添加し て酵素反応を止めた後、 450nmの吸光度を分光光度計にて測定した。
測定結果をグラフに表したものを図 5に示した。 図 5 (a) は RNP-ELISAプレ —トを用いた測定結果をプロッ トしたグラフであり、 同図 (b) は UlsnRNA + RNP ELISA プレートを用いた測定結果をプロッ トしたグラフである。 図 5 (a) に示 されるように、 RNPのみを固相化抗原として用いた場合には、 DID法陽性の検体群 (左側の集団) での発色分布が、 DID 法陰性の健常人検体群 (右側の集団) の発 色分布と重なり合う部分が生じており (即ち、 DID 法陽性と判断された検体中に おいて、 DID法陰性と判定された検体(健常人検体)と同程度の発色である検体)、 DID法陽性と判定された検体の一部は、 RNPのみを固相化抗原として用いた EL I SA 法では陽性として判定することができないことがわかる。 換言すれば、 DID 法に 対して RNPのみを固相化抗原として用いた EL I SA法では、 測定感度が不足してい ることが示される。
一方、 図 5 ( b ) に示されるように、 Ul snRNA及び RNP を固相化抗原として用 いた測定系においては、 DID法陽性の検体群 (左側の集団) での発色分布が、 DID 法陰性の健常人検体群 (右側の集団) の発色分布と重なり合わず (即ち、 DID 法 陽性の検体での発色が、 DID法陰性の健常人検体の発色に比べて十分に高い)、 当 該 Ul snRNA及び RNPを固相化抗原として用いた EL I SA法は、 従来の DID法と少な くとも同程度の測定感度を有することが示される。
図 6に、 以上の 2つ測定系による測定結果をまとめてプロッ トしたグラフを示 した。 当該グラフでは、 DID法陽性と判定された膠原病患者血清 196検体の測定 結果のみをプロッ トしてある。横軸は、 RNPのみを固相化抗原として用いた EL I SA 法における発色(A450)、縦軸は、 Ul snRNA及ぴ RNPを固相化抗原として用いた EL I SA 法における発色(A450)である。 グラフより、 両測定系の間に正の相関が認められ る。
以上のように、 RNP及び Ul snRNAを固相化抗原とした EL I SA法は、 RNPのみを固 相化抗原とした E L I S A法との間に相関関係が認められるものであり、 これに加え て、 従来の DID法では陽性と判定されるが RNPのみを固相'化抗原とした EL ISA法 では陰性判定とされる検体 (乖離検体) を陽性として判定 (検出) できる、 高い 検出感度を有する測定方法である。 産業上の利用の可能性
以上のように、 本発明の抗 ENA抗体の測定方法では、 生体内における状態の抗 原を認識し得る抗 ENA抗体を感度良く検出できる。 これは、 従来、 標準法とされ た D I D法と高い相関をもった測定法が提供されることを意味する。 また、 本発 明の測定方法に用いられる抗原は容易に調製できるため、 操作の簡略化が図られ る。 さらに精製度の高い抗原を用いて測定を行うため、 より高感度の測定が可能 となる。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . 第 1の RNA及び第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクを含んでなる坊原を 特異的に認識する抗 ENA抗体の測定方法であって、
前記第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒス トン可溶性タンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子との複合体を形成 し、 該複合体と検体とを反応させるステップを含む、 ことを特徴とする抗 ENA抗 体の測定方法。
2 . 第 1の RNA、 第 1の細胞内非ヒ トン可溶性タンパク、 及び第 2の細胞内非 ヒストン可溶性タンパクを含んでなる抗原を特異的に認識し、 かつその認識部位 が前記第 1の RNA、 前記第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパク、 又はこれらの 複合体のいずれかである抗 ENA抗体の測定方法であって、
前記第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒス トン可溶性タンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子との複合体を形成 し、 該複合体と検体とを反応させるステップを含む、 ことを特徴とする枋 ENA抗 体の測定方法。
3 . 下記 a)〜c)のステップを含む、 第 1の RNA及び第 1の細胞内非ヒストン可溶 性タンパクを含んでなる抗原を特異的に認識する抗 E N A拭体の測定方法。
a)前記第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒ スト 可溶性タンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子との複合体を形 成するステップ、
b)前記複合体に検体を反応させるステップ、 及び
c)ステップ b)により生じた反応生成物を検出するステップ。
4 . 下記 a)〜c)のステップを含む、 第 1の RNA、 第 1の細胞内非ヒストン可溶性 タンパク、 及び第 2の細胞内非ヒストン可溶性タンパクを含んでなる抗原を特異 的に認識し、 かつその認識部位が前記第 1の RNA、 前記第 1の細胞内非ヒストン 可溶性タンパク、 又はこれらの複合体のいずれかである抗 ENA坊体を測定する方 法。
a)前記第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒ ストン可溶性タンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子との複合体を形 成するステツプ、
b)前記複合体に検体を反応させるステップ、 及び
c)ステップ b)により生じた反応生成物を検出するステップ。
5 . 前記第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクは、 U1 RNP、 Sm、 SS- A、 SS- B、 J o - 1 ならびに PM-Sc l群より選ばれる細胞内非ヒストン可溶性タンパクである、ことを 特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 4項のいずれかに記載される拉 ENA抗体の測 定方法。
6 . 前記第 2の RNAは遺伝子工学的手法又は化学合成により調製されたものであ る、 ことを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 5項のいずれかに記載される抗 ENA抗体の測定方法。
7 . 前記第 1のタンパク分子は、 リコンビナントタンパクである、 ことを特徴と する請求の範囲第 1項乃至第 6項のいずれかに記載される抗 ENA抗体の測定方法 £
8 . 第 1の RNA及び第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクを含んでなる抗原を 特異的に認識する抗 E N A抗体の測定に用いられる複合体であって、
前記第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒス トン可溶性タンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子からなる複合体。
9 . 第 1の MA、 第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパク、 及び第 2の細胞内非 ヒストン可溶性タンパクを含んでなる抗原を特異的に認識し、 かつその認識部位 が前記 RNA、 前記第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパク、 又はこれらの複合体 のいずれかにある抗 ENA抗体の測定に用いられる複合体であって、
前記第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒス トン可溶性タンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子からなる複合体。
1 0 . 前記第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクは、 U1RNP、 Sm、 SS- A、 SS-B、 J o- 1 ならびに PM- Sc l 群より選ばれる細胞内非ヒストン可溶性タンパクである、 ことを特徴とする請求の範囲第 8項又は第 9項に記載される複合体。
1 1 . 前記第 2の RNAは遺伝子工学的手法又は化学合成により調製されたもので ある、 ことを特徴とする請求の範囲第 8項乃至第 1 0項のいずれかに記載される 複合体。
1 2 . 前記第 1のタンパク分子は、 リコンビナントタンパクである、 ことを特徴 とする請求の範囲第 8項乃至第 1 1項のいずれかに記載される複合体。
1 3 . 請求の範囲第 8項乃至第 1 2項のいずれかに記載される複合体を不溶性支 持体に結合してなる抗 ENA K体測定用固相化抗原。
1 4 . 第 1の RNA及び第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクを含んでなる抗原 を特異的に認識する抗 ENA抗体測定用キッ トであって、
前記第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒス トン可溶性タンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子との複合体を不溶 性支持体に固相化した固相化抗原と、 抗ヒト免疫グロブリン抗体と、 及び抗 ENA 坊体を含む標準検体と、 を含んでなる抗 ENA抗体測定用キッ ト。
1 5 . 第 1の RNA、 第 1の細胞内非ヒス トン可溶性タンパク、 及び第 2の細胞内 非ヒストン可溶性タンパクを含んでなる抗原を特異的に認識し、 かつその認識部 位が前記 RNA、 前記第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパク、 又はこれらの複合 体のいずれかにある抗 ENA抗体測定用キッ トであって、
前記第 1の RNAと実質的に同一である第 2の RNAと、 前記第 1の細胞内非ヒス トン可溶性夕ンパクと実質的に同一である第 1のタンパク分子との複合体を不溶 性支持体に固相化した固相化抗原と、 抗ヒ卜免疫グロブリン抗体と、 及び扰 ENA 钪体を含む標準検体と、 を含んでなる抗 ENA抗体測定用キッ ト。
1 6. 前記第 1の細胞内非ヒストン可溶性タンパクは、 U1RNI>、 Sm、 SS-A、 SS-B、 Jo- 1 ならびに PM- Scl 群より選ばれる細胞内非ヒストン可溶性タンパクである、 ことを特徴とする請求の範囲第 1 4項又は第 1 5項に記載される坊 ENA抗体測定 用キッ 卜。
1 7. 前記第 2の RNAは遺伝子工学的手法又は化学合成により調製されたもので ある、 ことを特徴とする請求の範囲第 1 4項乃至第 1 6項のいずれかに記載され る抗 ENA抗体測定用キッ ト。
1 8. 前記第 1のタンパク分子は、 リコンビナントタンパクである、 ことを特徴 とする請求の範囲第 1 4項乃至第 1 7項のいずれかに記載される坊 ENA抗体測定 用キッ ト。
1 9. UlsnRNA及び RNP とからなる U1RNPを特異的に認識する抗 U1RNP抗体の測 定方法であって、
前記 UlsnRNAと実質的に同一の RNAと、 前記 RNP と実質的に同一のタンパク分 子との複合体を形成し、 該複合体と検体とを反応させるステップを含む、 ことを 特'徵とする坊 U1RNP抗体の測定方法。
2 0. 下記 A)~C)のステップを含む、 UlsnRNA及び RNP とからなる U1RNPを特異 的に認識する抗 U1RNP抗体の測定方法。
A)前記 UlsnRNAと実質的に同一である RNAと、 前記 RNPと実質的に同一である タンパク分子との複合体を形成するステップ、
B)前記複合体に検体を反応させるステップ、 及び
C)ステップ B)により生じた反応生成物を検出するステップ。
2 1. 前記 RNAは遺伝子工学的手法又は化学合成により調製されたものである、 ことを特徴とする請求の範囲第 1 9項又は第 2 0項に記載される抗 U1RNP抗体の 測定方法。
2 2. 前記タンパク分子は、 リコンビナントタンパクである、 ことを特徴とする 請求の範囲第 1 9項乃至第 2 1項のいずれかに記載される抗 U1RNP抗体の測定方 法。
2 3. UlsnRNAと実質的に同一である RNAと、 RNP と実質的に同一であるタンパク 分子からなる複合体。
24. 前記 RNAは遺伝子工学的手法又は化学合成により調製されたものである、 ことを特徴とする請求の範囲第 2 3項に記載される複合体。
2 5. 前記第 1のタンパク分子は、 リコンビナントタンパクである、 ことを特徴 とする請求の範囲第 2 3項又は第 24項に記載される複合体。
2 6. 請求の範囲第 2 3項乃至第 2 5項のいずれかに記載される複合体を不溶性 支持体に結合してなる抗 U1RNP抗体測定用固相化抗原。
2 7. 抗 U1RNP抗体測定用キッ トであって、
UlsnRNAと実質的に同一である RNAと、 Pと実質的同一であるタンパク分子と の複合体を不溶性支持体に固相化した固相化抗原と、 抗ヒト免疫グロプリン坊体 と、 及び
抗 U1RNP抗体を含む標準検体と、 を含んでなる坊 U1RNP抗体測定用キッ ト。
2 8. 前記 RNAは遺伝子工学的手法又は化学合成により調製されたものである、 ことを特徴とする請求の範囲第 2 7項に記載される抗 U1RNP抗体測定用キッ ト。
2 9. 前記タンパク分子は、 リコンビナントタンパクである、 ことを特徵とする 請求の範囲第 2 7項又は第 2 8項に記載される抗 U1RNP抗体測定用キッ ト。
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