WO2001056375A1 - Mammifere non humain mort a gene tob defectueux - Google Patents

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Description

明細書
t ob遺伝子欠損ノックァゥト非ヒト哺乳動物 技術分野
本発明は、 t o b遺伝子が不活性化されているノックァゥト非ヒト哺乳動物、 より詳細には、 t ob遺伝子が不活性化されていて、 腫瘍を有することを特徴と するノックアウト非ヒト哺乳動物に関する。 本発明はまた、 上記ノックアウト非 ヒト哺乳動物の利用にも関する。 背景技術
t ob遺伝子は、 t ob (Matsuda,S.,他、 Oncogene, 12, 705-713(1996))、 t o b 2 (Ikematsu, N.,他、 Oncogene, in press)ヽ AN A/B T G 3 (Yoshida'Y., 他、 Oncogene, 16, 2687-2693;及び Guehenneux F"他、 Leukemia, 11,
370-375(1997))、 BTG 1 (Rouault'J.R,他、 EMBO J" 11, 1663-1670(1992)) および PC 3/T I S 2 1/BTG2 (Bradbury, A.,他、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 88, 3353-3357(1991) ;Fletcher,B.S.,他、 J.Biol.Chem.,266,14511-14518(l99l); 及び Rouault,J.R,他、 Nature Genet., 14,482-486(1996)) から成る細胞増殖抑制 遺伝子ファミリーの一員である。 これらの遺伝子産物は、 NI H3 T 3細胞で外 来的に発現させた場合、 細胞増殖を抑制することが報告されている。 さらに、 P C3/T I S 2 1/BTG2の発現は、 遺伝子毒性薬剤による DN A損傷後にお いて p 53に依存した様式で誘発されること、 並びに、 胚性幹細胞 (E S細胞) における PC 3/T I S 2 1/BTG2の不活性化により、 DNA損傷により誘 発された細胞周期停止に変化が生じることも判明している。
本発明者らはこれまでに t o b遺伝子欠損ノックァゥトマウスを作製し、 それ を用いて研究を行ってきた結果、 t o b遺伝子の欠損により骨量の増加が生じる ことが見出している。 さらに、 t o b遺伝子欠損マウスでは、 骨吸収面、 破骨細 胞面の変動はなく、 骨芽細胞数を示す骨芽細胞面および骨形成速度が有意に増加 していた。 これらの結果から、 t o b遺伝子欠損マウスにおいては、 骨芽細胞の 増加に伴い、 骨量が増加していると考えられた。
しかしながら、 t o b遺伝子による細胞増殖阻害の機構並びに当該遺伝子の生 物学的重要性は未だ十分には解明されていない。 発明の開示
本発明は、 哺乳動物における t o b遺伝子の機能を解析するために、 t o b遺 伝子を不活性化したノックァゥト哺乳動物を作出し、 該ノックァゥト哺乳動物に おける腫瘍の発生の有無を評価することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、 上記課題を解決するために鋭意研究した結果、 t o b遺伝子を 不活性化したノックアウトマウスの方が野生型より高頻度に腫瘍が認められるこ とを見出し、 本発明を完成するに至った。
即ち、 本発明によれば、 t o b遺伝子が不活性化されていて、 腫瘍を有するこ とを特徴とする、 ノックァゥト非ヒト哺乳動物が提供される。
本発明の一態様によれば、 腫瘍は肝臓、 肺、 リンパ節、 皮膚又は皮下組織、 又 は滕臓から選ばれる少なくとも 1以上の部位に存在する。
本発明の一態様によれば、 哺乳動物は、 マウス、 ラット、 モルモット、 ハムス 夕一、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 ヒッジ、 ブ夕、 ャギ、 ゥシまたはサルから選ばれる 哺乳動物であり、 好ましくはマウス、 ラット、 モルモット、 ハムスターまたはゥ サギから選ばれる齧歯類動物であり、 特に好ましくはマウスである。
本発明の一態様によれば、 腫瘍は t o b遺伝子の不活性化により発生した腫瘍 であることを特徴とする。
本発明の別の側面によれば、 上記した本発明のノックァゥト非ヒト哺乳動物の 細胞が提供される。 細胞は、 好ましくは、 胚性幹細胞、 卵および精子からなる群 から選ばれる細胞である。
本発明のさらに別の側面によれば、 上記した本発明のノックァゥト非ヒト哺乳 動物の細胞の核が提供される。 本発明のさらに別の側面によれば、 上記した本発明の細胞を用いることを特徴 とする、 t o b遺伝子が不活性化されているノックァゥト非ヒト哺乳動物の作出 方法、 並びに、 上記した本発明の細胞の核を用いることを特徴とする、 t o b遺 伝子が不活性化されているクローン非ヒト哺乳動物の作出方法、 並びにこれら作 出方法により作出されるノックアウトまたはクローン非ヒト哺乳動物が提供され る o 図面の簡単な説明
図 1は、 夕一ゲッティングベクタ一(ノックァゥト構築体)、 野生型ゲノム D N A、および t o b遺伝子の夕一ゲッティングされたローカスを示す模式図である。 図 2は、 ノックァゥトマウスにおける相同組み換えを確認するサザンブロット 分析の結果を示す図である。 3 ' 外側プローブ (プローブ 1 ) を使用して相同組 み換えを検出した。 2頭のへテロ接合体異種交配体の F 1子孫からの尾の D N A を E c o R Vで消化し、 サザンプロットハイブリダィゼ一シヨンに付した。 t o b口一カスの遺伝子型を各レーンの上部に示す。 D N A断片のサイズを左側に示 す。
図 3は、 ノックアウトマウスにおける相同組み換えを確認するィムノブロット 分析の結果を示す図である。 初代胚性繊維芽細胞から調製した蛋白質ライセート をモノクローナル抗 T o b抗体を用いるィムノブ口ッティングにより分析した。 図 4は、 Hemangiomaを有する t o b遺伝子欠損ノックァゥトマウスのィメー ジである。
図 5は、 化学物質を投与した野生型マウス及び t o b遺伝子欠損ノックアウト マウスにおける肝腫瘍の発生率を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
T . 用語の 昍
本明細書で言う 「ノックアウト非ヒト哺乳動物」 とは、 内在性の t o b遺伝子 がノックアウト (不活性化) された哺乳動物であり、 より具体的には内在性の t o b遺伝子の発現が部分的にもしくは完全に抑制されている哺乳動物である。 ノ ックァゥト哺乳動物は、 例えば相同組換えを応用したポジティブネガティブセレ クシヨン法を用いて作製することができる (米国特許第 5,464,764号公報、 同 5,487,992号公報、 同 5,627,059号公報、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol.86, 8932-8935, 1989、 Nature, Vol.342,435-438, 1989など)。 ノックァゥト哺乳動物 の作製方法については本明細書中以下において詳細に説明する。
本明細書で言う 「非ヒト哺乳動物」 とは、 例えば、 マウス、 ラット、 モルモッ ト、 ハムスター、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 ヒヅジ、 ブ夕、 ャギ、 ゥシまたはサルか ら選ばれる非ヒト哺乳動物であり、 好ましくは、 マウス、 ラット、 モルモット、 ハムスターまたはゥサギから選ばれる齧歯類動物であり、 特に好ましくはマウス である。
本明細書で言う 「ノックアウト構築体」 とは、 ( 1 ) t o b遺伝子の D N A (ェ クソン配列、 イントロン配列および/またはプロモーター配列) および (2 ) ノ ックァゥト構築体が導入される細胞においてノックァゥト構築体の存在を検出す るのに用いられるマーカ一配列より構成される。
ここで言う 「マ一力一配列」 とは、 抗生物質耐性遺伝子のような細胞に検出可 能な特性を付与する蛋白質あるいは当該細胞では通常見られないアツセィ可能な 酵素をコードする配列である。
ノックァゥト構築体は細胞に挿入され、 ネイティブ D NA配列の転写を妨げる ような位置にて、 細胞のゲノム D NAに組み込まれる。 かかる挿入は、 通常、 相 同遺伝子組換えによって起こる (すなわち、 ノックアウト構築体が細胞に挿入さ れ、 該ノッ夕ァゥト構築体が内因性 t o b遺伝子 D NAの対応する位置に組み込 まれるように組換えられた場合、 内因性 t o b遺伝子 D N A配列に相同なノック ァゥト構築体の領域は相互にハイブリダィズする)。
ノックアウト構築体の核酸配列は、 1 ) t o b遺伝子の 1以上のェクソンおよ び/またはイントロンの全長もしくは部分的配列、 2 ) t o b遺伝子の全長もし くは部分的プロモー夕一配列、 または 3 ) それらの組合せよりなるものであって よい。 典型的には、 ノックァゥト構築体を胚性幹細胞(E S細胞) に挿入し、 相 同遺伝子組換えプロセスによって、 該 E S細胞のゲノム D NAに組み込まれる。 次いで、 この E S細胞を発生分化中の胚に注入し、 その胚と一体化させる。
本明細書で言う 「t o b遺伝子が不活性化されている」 とは、 野生型細胞にお ける t o b遺伝子の発現と比較して、 その遺伝子の発現が低下している状態を言 う。 例えば、 t o b遺伝子の D N A配列に相補的な D NA配列に挿入された抗生 物質耐性遺伝子をコードする D N A配列を含有するノックアウト構築体を調製す ることができる。 次いで、 このノックァゥト構築体を細胞にトランスフエク卜す ると、 該構築体はゲノム D NAに組み込まれる。 かくして、 当該 D N Aは抗生物 質耐性遺伝子によって破壊されているので、 該細胞の後世代の細胞のあるものは 当該遺伝子を発現しないか、 あるいは低レベルでしか発現しない。
本明細書で言う 「腫瘍」 とは、 最も広義の腫瘍を意味し、 一般的には自律的な 過剰増殖を示す細胞の集合体であり、 生体を構成する細胞自体から生ずる。 腫瘍 は、 腫瘍細胞の性質から良性腫瘍と悪性腫瘍に分類することができるが、 本明細 書で単に 「腫瘍」 という場合には、 両者を包含する。 腫瘍はまた、 その発生部位 により、 上皮性腫瘍 (扁平上皮、 腺上皮等の腫瘍) と非上皮性腫瘍 (結合組織、 血管 ·造血組織、 筋組織、 神経組織等の腫瘍) に分類でき、 悪性上皮性腫瘍は癌 腫、 悪性非上皮性腫瘍は肉腫、 造血組織の腫瘍は白血病と称されるが、 本明細書 で単に 「腫瘍」 という場合には、 これら全てを包含する。
TT. t o b t昌ノ、ソクアウト Kigl.iii^の丫乍 力 H重 Φの l iffi
以下、 本発明の細胞を採取するために使用できるノックァゥト哺乳動物の作製 方法について説明する。
1 . t o b遺伝子断片の調製
本発明の細胞では t 0 b遺伝子がノックアウトされている。 通常、 ノックァゥ ト構築体で使用すべき t o b遺伝子の D N Aは 1以上のェクソンおよび/または イントロン領域、 および/またはプロモー夕一領域である。 十分に大きい c D N Aを利用できる場合には、 c D NA配列でもよい。 一般に、 D NAは少なくとも 約 1キロペース (k b ) 5、 好ましくは 3〜4 k b長であり、 それにより、 ノヅ クアウト構築体を E S細胞のゲノム D N Aに挿入した場合、 ハイプリダイゼーシ ヨンに十分な相補的配列が供される。 なお、 本発明の細胞としては、 t o b遺伝 子以外にさらに異なる別の遺伝子もノックアウトされた哺乳動物由来の細胞も含 まれる。 かかるノックアウト動物は、 各ノックアウト構築体を作製するために本 明細書中に記載する手法を繰り返すことによって、 あるいは各々がノックァゥト された単一の遺伝子を持つ動物を相互に交配させ、 次いで、 二重ノックアウト遺 伝子型を持つものをスクリーニングすることによって作出することができる。 t o b遺伝子をノヅクァゥトするのに用いる D N A配列は、 Sambrookら (Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY [1989]) によって記載されているような当技 術分野で周知の方法を用いて得られる。 例えば、 ゲノム配列の少なくとも一部を 得るための、 同一遺伝子の少なくとも一部をコードする c D N Aプローブを用い てゲノムライブラリーをスクリ一ニングすることによって所望のゲノム D N A配 列を得ることができる。 あるいは別法として、 c D NA配列をノックアウト構築 体で用いる場合には、 該 c D NAは、 オリゴヌクレオチドプローブまたは抗体を 用いて c D NAライブラリーをスクリーニングすることによって得ることもでき る (抗体を用いてスクリーニングする場合には、 該ライブラリ一は発現べクタ一 にクローン化されている)。あるいはまた、 プロモ一夕一配列をノックァゥト構築 体で用いる場合には、 合成 D N Aプローブを設計して該プロモー夕一配列を含有 するゲノムライブラリ一をスクリーニングすることができる。 ノックァゥト構築 体で用いるべき D NAを得るためのさらに別の方法としては、 D NA合成器を用 いて D N A配列を化学合成により作製することもできる。
ノックアウト構築体をコ一ドする D N A配列は遺伝子操作および E S細胞への 挿入するのに十分な量だけ調製する必要がある。 増幅は、 当該配列を適当なべク 夕一に入れ、 次いで、 該ベクターで細菌もしくは他の細胞を形質転換することに よって行ってもよいし、 P C R増幅によって行なってもよいし、 または D NA合 成器での合成によって行ってもよい。
2 . ノックアウト構築体の作製
ノックァゥト構築体を産生するのに用いるべき D N A配列を、 特定の制限酵素 で消化して、 マ一力一遺伝子をコ一ドする D N A配列を D N A配列内の適当な位 置に挿入する。 マーカ一遺伝子挿入のための適当な位置は、 ネイティブな遺伝子 の発現を妨げるように働く位置である。 この位置は、 切断すべき配列の中にいか なる制限部位が存在するか、 またェクソン配列及び またはプロモー夕一配列が 不活性化されるか否か (すなわち、 プロモ一夕一機能を阻害するか、 またはネィ ティブェクソンの合成を阻害するのに必要な挿入の正確な位置) などに依存する ことになる。 好ましくは、 D NAを切断することによって長いアームと短いァー ムとが生じるように制限酵素は選択される。
マーカー遺伝子は、 検出可能および/またはアツセィ可能な核酸配列であれば その種類は特には制限されない。 典型的には、 抗生物質耐性遺伝子、 あるいはそ の発現または当該ゲノムにおける存在が容易に検出できる他の遺伝子である。 通 常、 マーカー遺伝子は、 それ自身のプロモーターに、 あるいはそれが挿入された 細胞で活性であるかまたは容易に活性化できる何れかの入手源からの他の強力な プロモー夕一に作動可能に連結されている。 しかしながら、 マーカー遺伝子は抑 制すべき遺伝子のプロモーターを用いて転写できるので、 連結されたそれ自身の プロモ—夕—を有する必要はない。 また、 マーカー遺伝子は、 通常、 当該遺伝子 の 3 ' 末端に結合したポリ A配列を有し、 この配列は当該遺伝子の転写を終結さ せるよう働く。 好ましいマーカ一遺伝予は、 n e o (ネオマイシン耐性遺伝子) または/?— g a l (ベ一夕一ガラクトシダ一ゼ) のような抗生物質耐性遺伝子で ある。
ゲノム D N A配列を適当な制限酵素で消化した後、 Sambrookら (前掲) に記 載されている当業者に公知の方法を用いてマーカー遺伝子配列をゲノム D N A配 列に連結する。連結すべき D N A断片の末端同士は適合する必要があり、これは、 適合末端を生じる酵素で両方の D NA配列を切断しておくか、 あるいは連結に先 立って末端を平滑にしておくことによって達成される。 平滑化は、 例えば粘着末 端を満たすためのクレノウ断片 (D N Aポリメラーゼ I ) を使用するなど当技術 分野で周知の方法を用いてなされる。 連結したノックアウト構築体は胚性幹( E S ) 細胞に直接挿入してもよいし、 あるいは胚性幹 (E S ) 細胞への挿入に先立 つて増幅用の適当なベクターにクロ一ニングすることもできる。 好ましいぺクタ —としては、 pBluescript II S Kベ夕夕一 (Stratagene, San Diego, CA) また は p G E M 7 (Promega Corp, Madison, WI) のような細菌細胞で容易に増幅 されるものが挙げられる。
3 . 胚性細胞のトランスフヱクシヨン
ノックアウト哺乳動物を作出するのに用いる胚性幹細胞 (E S細胞) は、 作出 すべきノックアウト哺乳動物と通常同一種である。 従って、 例えば、 マウス胚性 幹細胞が、 ノックアウトマウスの作出のために通常使用される。 典型的には、 胚 性幹細胞は、 発生分化中の胚の生殖系に取り込まれその一部となり、 ノックァゥ ト構築体の生殖系列伝達を生じるその能力について選択される。 かくして、 この 能力を有すると考えられる E S細胞を使用できる。 E S細胞の産生で典型的に用 いられるマウス株は 1 2 9 J株である。 好ましい E S細胞系はネズミ細胞系 D 3 である。
Robertson (Teratocarcinomas and Emoryonic Stem Cells: A Practical Approach, E.J. Robertson編、 IRL Press, Washington, D.C. [ 1987]) およ び Bradleyら (Current Topics in Devel. Biol. , 20:357-371 [ 1986]) および Hoganら (Manipulating the Mouse Embryo : A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY [ 1986]) によつ て記載されているような当業者に周知の方法を用いて、細胞を培養して調製する。 ノックアウト構築体の E S細胞への導入は、 例えば、 エレクト口ポレーシヨン、 マイクロインジェクション、 およびリン酸カルシウム処理 (Lovell-Badge, in Robertson編, 前掲参照) を含めた当技術分野で周知の各種方法を用いて達成で きる。 好ましい導入方法はエレクトロポレーシヨンである。 ノックァゥト構築体 が既にベクターに挿入されているならば、 細胞に導入すべき各ノックァゥト構築 体 D N Aは先ず線状化する必要がある。線状化は、ベクタ一配列内でのみ切断し、 かつノックァゥト構築体配列内では切断しないように選択された適当な制限ェン ドヌクレア一ゼで D N Aを消化することによって行うことができる。 E S細胞へ の D N A配列の導入は、 選択した導入方法に適した条件下でノックァゥト構築体 D N Aを E S細胞に添加することによって行う。 複数の構築体を E S細胞に導入 すべき場合、 各構築体をコードする D N Aを同時あるいは一度に導入することが できる。
細胞をエレクトロポレーシヨンに付する場合、 エレクトロポレーシヨン装置を 用いて E S細胞およびノヅクァゥト構築体 D N Aに電気パルスを適用する。 エレ クトロポレーシヨン後、 適当なインキュベーション条件下で細胞を回収する。 次 いで、該細胞をノックァゥト構築体の存在につきスクリーニングする。 スクリー ニングは種々の方法を用いて行うことができる。 マーカー遺伝子が抗生物質耐性 遺伝子である場合、 致死濃度の抗生物質の存在下で細胞を培養する。 生き残った 細胞はノックァゥト構築体を取り込んだ細胞である。 マーカ一遺伝子が抗生物質 耐性遺伝子以外である場合、 E S細胞ゲノム D N Aのサザンプロットを、 マ一力 —配列に対してのみハイブリダィズするように設計された D N A配列でプロ一ブ することができる。 マーカー遺伝子が、 その活性が検出できる酵素 (例えば、 ベ —夕一ガラクトシダ一ゼ) をコードする遺伝子である場合、 適当な条件下で酵素 基質を細胞に添加し、酵素活性を分析することができる。 ノックァゥト構築体は E S細胞ゲノムのいくつかの位置で取り込まれ、ランダム挿入事象の発生のため、 各細胞ゲノムの異なる位置に取り込まれる。 所望の挿入位置はノックァゥトすべ き D N A配列に対して相補的位置である。 典型的には、 ノックアウト構築体を取 り込む E S細胞の約 1〜5パ一セント未満がノックァゥト構築体を所望の位置に 取り込む。 ノックァゥト構築体を適切に取り込んだ細胞を同定するには、
Sambrookら (前掲) によって記載されているような標準的方法を用いて D N A を細胞から抽出する。 次いで、 該 D NAを、 特定の制限酵素 (類) で消化したゲ ノム D N Aに対して特異的パターンでハイプリダイズするように設計されたプロ —ブを用いてサザンプロット分析する。 別法としては、 ゲノム D NAは、 特定の サイズおよび配列の D N A断片を増幅するように特別に設計されたプローブを用 いる P C Rによって増幅することができる (すなわち、 適当な位置にノックァゥ ト構築体を含有する細胞のみが適当なサイズの D N A断片を生じる)。
4 . 胚の注入/移植
適当な位置にノックァゥト構築体を含有する適当な E S細胞を同定した後、 該 細胞を胚に導入する。 導入は種々の方法で達成できるが、 好ましい方法はマイク 口インジェクションによるものである。 マイクロインジェクションでは、 約 1 0 〜3 0個の細胞をマイクロピぺッ卜に収集し、 適当な発生分化の段階にある胚に 注入して、 E S細胞を発生分化中の胚に取り込ませる。 胚の適当な発生分化段階 は非常に種依存的であるが、 マウスでは、 それは約 3 . 5日齢である。該胚は妊娠 した雌の子宮を灌流することによって得られる。 これを達成するための適当な方 法は当業者に知られており、 また、 Bradley (Robertson編、 前掲) によって記 載されている。 正しい年齢/発生分化の段階の何れの胚も使用するのに適するが、 好ましい胚は雄であって、 E S細胞遺伝子によってコードされた体毛色とは異な る体毛色についてコ一ドする遺伝子を有する。このようにして、子孫は、 (E S細 胞が発生分化中の胚に取り込まれたことを示す) モザイク体毛色を探すことによ つて、ノックァゥト構築体の存在につき容易にスクリーニングすることができる。 かくして、 例えば、 E S細胞系が白色体毛についての遺伝子を担持すれば、 選択 される胚は黒色体毛または茶色体毛についての遺伝子を担持するであろう。 E S 細胞を胚に導入した後、 該胚を偽妊娠仮親の子宮に移植する。 何れの仮親を用い ることもできるが、 それらは、 典型的には、 交配し十分に再生するその能力、 お よびその子供を世話する能力について選択される。 かかる仮親は、 典型的には、 同一種の精管切除した雄と交配させることによって作製される。 偽妊娠仮親の段 階は移植が成功するために重要であり、 それは種依存的である。 マウスについて は、 この段階は偽妊娠約 2〜3日である。 5 . ノックァゥト t o b遺伝子の存在についてのスクリーニング 仮親から生まれた子孫はまず体毛色についてスクリーニングすることができ、 そこでは、 (前記したような)体毛色選択戦略が用いられる。加えて、 あるいは別 法として、 子孫の尾組織からの D N Aは、 前記したサザンブロットおよび/また は P C Rを用いて、 ノックァゥト構築体の存在についてスクリーニングすること ができる。 次いで、 モザイクであるように見える子孫がその生殖系にノックァゥ ト構築体を担持してホモ接合ノックァゥト動物を生じると考えられる場合は相互 に交配させる。 もし子孫が生殖系伝達を有するか否かが明確でないならば、 それ らを親または他の株と交配させ、 子孫のへテロ接合性についてスクリーニングす る。 該ヘテロ接合体は、 前記したように、 D N Aのサザンブロットおよび/また は P C R増幅によって同定することができる。 次いで、ヘテロ接合体を相互に交 配させてホモ接合ノックアウト子孫を得ることができる。 ホモ接合体は、 この交 配の作出物である哺乳動物、 ならびにヘテロ接合体であることが知られている哺 乳動物および野生型哺乳動物からの等量のゲノム D N Aをサザンブロッテイング に付すことによって同定することができる。 サザンブロットをスクリーニングす るためのプロ一ブは前記したごとくに設計できる。
ノックァゥト子孫を同定し特徴を決定するためには他の手段が利用できる。 例 えば、 ノックアウトされた遺伝子、 マ一力一遺伝子、 または双方をコードする転 写体の存在または不存在について mR NAを検出するノーザンブロット分析を用 いることができる。 あるいは、 ノックアウトされた遺伝子によってコードされる 蛋白質に対する抗体、 またはこの遺伝子が発現された場合はマーカ一遺伝子産物 に対する抗体を用いてウエスタンブロット分析をすることによって、 これらの子 孫の種々の組織におけるノックァゥ卜された遺伝子の発現レベルを評価すること ができる。 さらには、 ノックアウト構築体遺伝子産物の存在または不存在を検出 するのに適した抗体を用いて、 子孫からの種々の細胞の (細胞を固定し抗体で標 識するような) in situ分析および/または F A C S (蛍光標示式細胞分取) 分析 を行うことができる。 6 . 腫瘍を有するノックアウト哺乳動物の同定
上述のようにして作出したノックアウト哺乳動物が腫瘍を保持するかどうかは、 常法 (病理解剖学的解析及び病理組織染色解析など) により評価することができ る。 具体的には、 生後一定期間 (例えば、 6力月〜 2 4力月、 又はそれ以上) 経 過した後に、 マウスを解剖し、 ホルマリン固定材料を調製し、 染色標本を作製す る。 肉眼的に変化が認められた臓器の標本を作製して詳細に解析することができ る。染色は、 Hematoxylin-Eosm stain、 Masson trichrome stain、 Silver stain、 及び Periodic Acid Schiff reactionなどを用いて行うことができる。 標本の組織 染色によって検査することによって腫瘍の発生の有無を評価することができる。 τττ. 太 日 のノックアウト晡乳動物の禾 II用
本発明の t o b遺伝子が不活性化されていて、腫瘍を有することを特徴とする、 ノックァゥト非ヒト哺乳動物は、その組織あるいは器官における生理活性物質 (例 えば、 サイ トカイン類、 低分子化合物、 ホルモン類、 抗体、 ペプチドまたはアン チセンスォリゴヌクレオチドなど任意の薬物) の薬理評価および活性評価に有用 である。 特に、 本発明のノックアウト非ヒト哺乳動物は癌のモデル動物であり、 本動物を用いて癌の病態機序の解明の研究、治療方法の検討、並びに癌の治療薬、 予防薬および診断薬のスクリーニングを行うことが可能である。
本発明のノックァゥト非ヒト哺乳動物は、 該哺乳動物を生かしたまま使用して もよいし、 該哺乳動物より摘出した組織、 器官、 細胞を利用することもできる。 本発明のノックアウト非ヒト哺乳動物の細胞 (例えば、 胚性幹細胞、 卵、 精子 など) またはその細胞の核を用いることにより、 本発明のノックアウト非ヒト哺 乳動物と同様の性質を有するノックァゥト動物を作出することもできる。 これら 本発明のノックァゥト非ヒト哺乳動物の細胞およびその核、 並びにこれらを用い て作出されたノックァゥト非ヒト哺乳動物も本発明の範囲内である。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、 実施例は本発明の例 示を示すものに過ぎず、 本発明の範囲を限定するものではない。 実施例
施例 1 : t ob¾ィ云 》 損するノ、ソクァゥ卜マウスの作
t o b遺伝子を欠損するノックァゥトマウスの作製は常法に従って行った。 具 体的には以下の手順でノックァゥトマウスを作製した。
夕一ゲッティングベクターを構築するために、 入 F IXI I中の 129/S V マウスゲノミックライブラリーをスクリ一ニングし、 4個の t o b遺伝子クロ一 ンを得た (Yoshida,Y.,他、 Gene,191, 109-113(1997))。 サザンブロットハイプリ ダイゼーシヨン及びインサートのヌクレオチド配列決定により t ob遺伝子は 1 個のェクソンから成ることが判明した(図 1)。このクローンの 1つの 1 5 kbp のィンサ一トを pBluescriptにサブク口一二ングした。 3—ホスホグリセレート キナーゼ遺伝子プロモー夕一の制御下にあるネオマイシン耐性遺伝子 (ne 0つ を t obェクソンの H i n c I I部位に挿入した。 得られたプラスミ ド ( 25 / g) を Sa l I部位で直線化し、 J 1胚性幹 (E S) 細胞にエレクトロポレーシ ヨンした (Li,E.,他、 Cell, 69, 915-926 (1992))。 G 4 18耐性 E Sクローンを選 択した後、 t o bが夕ーゲヅティングされたクローンをプローブ 1 (図 1) を用 いてサザンプロットハイブリダイゼ一シヨンを行うことにより同定した。 また、 プローブ 2および ne oプローブを使用してサザンブロット分析を行い、 相同組 み換えを確認した。 正確な変異を有するクローンを C 57BLZ6 J胚盤胞に注 入した。 キメラの子孫を C 57BL/6 Jマウスと交尾させた。 変異体対立遺伝 子の生殖系列伝達をマウス尾からのゲノム DNAのサザンプロットハイブリダィ ゼ一シヨンにより測定した。ヘテロ接合の F 1動物を異種交配させてホモ接合(t ob"7") マウスを得た。 t obノックアウト対立遺伝子のホモ接合はサザンブ 口ットおよびィムノブ口ヅトにより確認した(図 2および図 3)。図 2および図 3 の結果から、 t ob対立遺伝子が破壊されていることが確認できた。 なお、 抗 T obモノクローナル抗体は、 大腸菌で作製した T o bの N末端 1 Ί 0アミノ酸を 含む融合タンパク質でゥサギを免疫化することによって作製した。 mM 2 : t o b 孑 ¼ ノ、ソクアウトマウスにおける腫癟の 4:の!^ iffi 実施例 1で作出した t 0 b遺伝子欠損ノックァゥトマウス 2 3匹 (雄 1 2匹及 び雌 1 1匹:生後 6力月〜 2 4力月) 及び野生型マウス 1 1匹 (雄 5匹及び雌 6 匹、 生後 1 2力月〜 2 4力月) を解剖後、 ホルマリン固定材料を調製し、 染色標 本 ( Hematoxylin -Eosm stain、 Masson trichrome stain、 Silver stain、 及び Periodic Acid Sc iff reaction) を作製し、 観察した。 なお、 病理組織学的検査し た臓器は肉眼的に腫瘍性の変化が認められた以下の臓器である。 即ち、 肉眼的に 腫瘍性変化が認められた主な臓器 ·組織変化としては、 肝臓における褐色結節、 灰白色結節及び白色斑点ならびに赤色結節、 肺における白色〜灰白色結節、 リン パ節の肥大、 脾臓の肥大、 皮下組織における白色結節及び赤色結節、 臈臓におけ る赤色結節が認められた。
病理組織学的に検査した組織の所見の結果を以下に示し、 また腫瘍を有する t o b遺伝子欠損マウスの内訳を表 1に示す。また、 Hemangiomaを有する t o b 遺伝子欠損ノックァゥトマウスのイメージを図 4に示す。
( 1 ) 肝臓:
野生型において hemangiomaが 1 / 1 1例(雄: 1 / 5例) に認められた。 t o b遺伝子欠損ノックアウトマウスにおいて、 hepatocellular carcinoma が 5 / 2 3例 (雄: 5 / 1 2例)、 Hemagiosarcomaが 1 / 2 3例 (雌: 1 / 1 1例)、 並びに Hemangiomaが 1 2 3例 (雌: 1ノ 1 1例) に認められた。
( 2 ) 肺 :
野生型においては腫瘍性の変化は認められなかった。 t o b遺伝子欠損ノック ァゥトマウスにおいて、 adenomaが 6 / 2 3例 (雄: 4 / 1 2例、 雌: 2 / 1 1 例) に認められた。
( 3 ) 皮膚及び皮下組織
野生型においては腫瘍性の変化は認められなかった。 t 0 b遺伝子欠損ノック アウトマウスにおいて、 hemangiosarcomaが 2 / 2 3例 (雌: 2 / 1 1例) に 認められた。 (4)滕臓
野生型においては腫瘍性の変化は認められなかった。 t ob遺伝子欠損ノック ァゥトマウスにおいて、 hemangiosarcomaが 1 Z 23例 (雌: 2ダ11例) に 認められた。
(5) 謹
野生型においては mononuclear cell leukemiaを疑う所見が 1 Z 11例 (雌:
1/6例) に認められたが、 自己融解が強く断定できなかった。
(6) リンパ節
野生型において malignant lymphoma が 1/11例 (雌: 1/6例) に認め られた。 t o b遺伝子欠損ノックアウトマウスにおいて、 malignant lymphoma 力 7/ 23例 (雄: 4/12例、 雌: 3/11例) に認められた。
表 1 : t o b遺伝子欠損ノックアウトマウスにおける腫瘍 個体番号 件別 ( 謹
1 雄 5 2 肝臓 Hepatocellular carcinoma
2 雄 9 9 肝臓 Hepatocellular carcinoma
3 雄 9 5 肝臓 Hepatocellular carcinoma
4 雄 8 2 肝臓 Hepatocellular carcinoma
5 雄 9 5 肝臓 Hepatocellular carcinoma 肺 Adenoma
6 雄 2 6 リンパ節 Malignant lymphoma
7 雄 8 2 リンパ節 Malignant lymphoma
8 雄 8 2 リンパ節 Malignant lymphoma
9 雄 8 6 リンパ節 Malignant lymphoma 肺 Adenoma
1 0 雄 8 2 肺 Adenoma
1 1 雄 9 5 肺 Adenoma
1 2 雌 7 8 皮膚 Hemangiosarcoma
肺 Adenoma
1 3 雌 8 4 脬臓 Hemangiosarcoma
1 4 雌 4 3 皮膚 Hemangiosarcoma
1 5 雌 7 3 肝臓 Hemangiosarcoma
1 6 雌 8 6 肝臓 Hemangioma
1 7 雌 1 0 4 リンパ節 Malignant lymphoma
1 8 雌 7 8 リンパ節 Malignant lymphoma
1 9 雌 9 5 リンパ節 Malignant lymphoma
2 0 m 8 6 肺 Adenoma 上記結果から分かるように、 t o b遺伝子が不活性化されているノックアウト マウスでは 23例中の 20例において腫瘍の発生が認められ、 野生型マウス (1 1例中の 2例) よりも腫瘍性変化の発症度が高度であった。 実施例 3 :化学物質を投与した t o b遺伝子欠損ノックアウトマウスにおける腫 瘍の発生率
マウスを通常の条件下で飼育し、 雄と雌の子孫に生後 15日目にジェチルニト ロザミン (DEN) (20 g/g体重) を一回腹腔内投与した。マウスを 6力月 後に屠殺した。 全マウス (野生型マウス 19匹;及び t ob遺伝子欠損ノックァ ゥトマウス 18匹) を視覚的に検出できる腫瘍について分析した。
結果を図 5に示す。 腫瘍を有するマウスの割合は野生型マウスでは 19匹中 1 匹であったのに対して、 t 0 b遺伝子欠損ノックァゥトマウスでは 18匹中 10 匹であった。 これらの結果から、 t 0 b遺伝子欠損ノックアウトマウスは発癌物 質 (DEN) に対する感受性が高く、 野生型マウスよりも発癌しやすい傾向を有 することが分かる。 実施例 4 : ヒト肺癌組織における t o b mRNAの発現の分析
RT— PCR法を用いてヒト肺癌組織における t ob mRNAの発現を分析 した。 R T— P C Rは PERKIN ELMER社の RNAPCR Core Kitを用いて行つ た。
逆転写反応は以下の通り行った。 oligo-dT16 (1 /L)、 DEPC ( 1 j L) 及び肺 癌組織又は正常組織由来の全 RNA ( 1 ^g/2 zL(ISOGEN)) から成る混合物 4〃Lを 65°Cで 10分間インキュベートした後、 4 °Cで 3〜 5分間インキュべ ートした。次いで、 16〃Lの R Tmixture ( 10 x buffer II 2 /L、 25mM MgCl 2 4 L、 10mMdATP2 L、 lOmM dCTP 2 /L、 lOmM dGTP 2 /Lヽ lOmM dTTP 2j RNase inhibitor RTase 1 zLの全量 16 /L) を添加し、 3
7°Cで 1時間、 次いで 92°Cで 10分間インキュベートした後、 4°Cに戻し、 ― 2 0°Cで保存した。
P CRは下記の通り行った。 プライマ一混合物 (滅菌水 4 zL、 1〃Mの primer(F) 2〃L、 1〃Μの primer(R) から成る全量 8〃L)、 cDNA ( 2 μ.
L)、 並びに PCR mixture (滅菌水 3.6 /L、 lOxPCR buffer II 2 /L、 25mMの MgCl2 2 L、 2.5mMの dNTP 2 L、 Taq-polymerase 0.1 /L, 0.37MBq/>tzL のひ 32P— dCTP 0. 3〃Lから成る全量 10〃L)から成る全量 20 iLを P C R 反応液として使用した。 プライマーの配列は、 primer(F)が CACAGGATCTTAG TGTTTGGATCGAであり、 primer(R)が、 TTCTTCATTTTGGTAGAGCCGAACT である。 また、 コントロールとして/?ーァクチン用のプライマーを使用して同様 の実験を行った。 P CRは、 変性 94°C、 アニーリング 55°C、 伸長 72°Cとし、 1 8〜2 5サイクル行った。
P CR反応後、 6xdye4 Lを添加し、 5 %アクリルアミ ド上で電気泳動した。 電気泳動後、 ゲルを乾燥し、 BAS image analyzerで分析し、 正常組織の t 0 b mRNA量に対する癌組織の t o bmRNA量を測定した。 得られた結果を以下 の表 2に示す。 ヒト肺癌組織における t o b mRNAの発現
忤別 病状 tob mRNA (癌) Ztob mRNA(TF常) 女性 6 6 腺癌 0. 5 0
男性 6 0 扁平上皮癌 0. 1 3
女性 43 腺癌 0. 34
男性 5 7 大細胞癌 0. 1 5
男性 77 腺癌 0. 3 5
男性 7 6 腺癌 0. 1 3
男忤 7 1 腺 o. . 1
表 2の結果から、 ヒト肺癌組織では正常組織と比較して t o b mRNAの発 現が低下していることが分かる。 産業上の利用の可能性
本発明により、 t o b遺伝子が不活性化されていて、 腫瘍を有することを特徴 とする、 ノックアウト非ヒト哺乳動物が提供されることになつた。 本発明のノッ クァゥト非ヒト哺乳動物は、 t o b遺伝子の不活性化により腫瘍が発生したモデ ル動物として使用でき、 例えば、 t o b遺伝子の機能の解明又は腫瘍の発生機構 の解明などの研究用の動物として、 あるいは腫瘍または癌などの t o b遺伝子が 関与する疾患の診断薬、 治療薬または予防薬などの医薬のスクリーニング用の実 験動物としても有用である。

Claims

請求の範囲
1 . t o b遺伝子が不活性化されていて、腫瘍を有することを特徴とする、 ノックァゥト非ヒト哺乳動物。
2 . 腫瘍が、 肝臓、 肺、 リンパ節、 皮膚又は皮下組織、 又は滕臓から選ば れる少なくとも 1以上の部位に存在する、 請求項 1に記載のノックァゥト非ヒト 哺乳動物。
3 . 哺乳動物が、 マウス、 ラヅト、 モルモット、 ハムス夕一、 ゥサギ、 ィ ヌ、 ネコ、 ヒッジ、 ブ夕、 ャギ、 ゥシまたはサルから選ばれる哺乳動物である、 請求項 1又は 2に記載のノックアウト非ヒト哺乳動物。
4 . 哺乳動物がマウス、 ラット、 モルモット、 ハムスターまたはゥサギか ら選ばれる齧歯類動物である、 請求項 1から 3の何れか 1項に記載のノックァゥ ト非ヒト哺乳動物。
5 . 哺乳動物がマウスである、 請求項 1から 4の何れか 1項に記載のノッ クァゥト非ヒト哺乳動物。
6 . 腫瘍が t o b遺伝子の不活性化により発生した腫瘍であることを特徴 とする、 請求項 1から 5の何れか 1項に記載のノックァゥト非ヒト哺乳動物。
7 . 請求項 1から 6の何れか 1項に記載のノックアウト非ヒト哺乳動物の 胞。
8 . 細胞が、 胚性幹細胞、 卵および精子からなる群から選ばれる細胞であ る、 請求項 7に記載の細胞。
9 . 請求項 1から 6の何れか 1項に記載のノックアウト非ヒト哺乳動物の 細胞の核。
1 0 . 請求項 7または 8に記載の細胞を用いることを特徴とする、 t o b 遺伝子が不活性化されているノックァゥト非ヒト哺乳動物の作出方法。
1 1 . 請求項 9に記載の細胞の核を用いることを特徴とする、 t o b遺伝 子が不活性化されているクローン非ヒト哺乳動物の作出方法。
1 2 . 請求項 1 0または 1 1に記載の方法により作出されるノックアウト またはクロ一ン非ヒト哺乳動物 c
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