明 細 書 コ ミ ッチ 技術分野
表示器と不揮発性記憶装置 (電源を切った後も記憶が保存される記憶 装置) と知能的通信機能 (演算装置を用いた通信機能) とを持ったキ一 に関する。 背景技術
高度技術製品が大量に製造され、 販売されています。 これらの高度技 術製品は、 従来無かった機能を有しています。 機能が多ければ多いほど 複雑になり、 機能が斬新であればあるほど理解しにく く なります。 そして、 今まで慣れ親しんだ製品を使いこなしていた使用者も、 操作に 戸惑いを感じることが少なく ありません。
これらを操作するのに、 キーボー ド、 リモー トコ ン トローラ、 電話機、 卓上電子計算機、 操作盤等 (以下、 キ一ボ一 ド等という ) の表面に、 多 くのキ一スィ ツチ (以下、 キ一と言う ) が並べられています。
この結果、 高度技術製品に対する戸惑いをキーボ一 ドアレルギーと言う までになつています。
キ一を使い易くするために、 キーの表面 (キー ト ップと言う ) に照明具 を用いる、 点灯と消灯との切り替えをする、 裏照明で表面の文字や記号 を明示させたる、 キー ト ップに凹部を形成して指の収ま りが良いように する、 キー ト ップに突起をつけて特定キーの位置が触覚でわかるように する等の工夫もされています。
コンピュータやタイプライタ等のキ一ボー ドを例に採ると、 一つのキ一
が、 大文字, 小文字, グラフパターン, ショー トカ ッ ト, 仮名 ( 日本文 字) 等を入力させる作用を持っています。 これらの作用を各種のシフ ト キ一 (キヤ ピタノレキー _ キヤ ビタルロ ックキ一, コ ン ト ロールキー, グ ラフキー, 仮名キー等及びこれらの組み合わせ) で選択しています。 このように一つのキーが様々な作用をキ一 ト ップの中央、 上、 下、 右、 左等の刻印で示していますが、 見た目の煩雑さを免れません。
コンピュータに限らず携帯電話など広く使われているフ ァ ンクシ ョ ン キーと呼ばれるキーは、 装置の動作に応じて様々な作用をします。
ファ ンクショ ンキ一になると、 複雑すぎて刻印しきれません。
それで、 "使い方は取扱説明書を読め" と言う ことになります。
それで、 使用者の大半はフア ンクシヨ ンキーを使おうとしません。
パーソナルコ ンピュータ (パソコ ン) 等では、 表示装置の最下行にそれ らの作用を表示させますが、 キーと離れているので見難く なります。 キー ト ップでの表示を見やすい範囲に限定すると、 機能が高度化する につれて極めて多く のキーが必要になります。 キーが多すぎると、 目的 のキ一を探し出すのが煩わしくなります。 回避策として、 C R T等の画 面をキーボー ドに見立て、 ライ トペンやマウスを利用した入力も行われ ています。 パソコ ンでは、 アイコンと呼ばれる視覚的な工夫をして、 好 評を得ています。 しかし、 片腕の局所疲労をおこします。
また、 画面から離れて作業していると、 急ぎの操作ができません。
タイプライ ター等に習熟すると、 キ一ボー ド面を見ないでキーを打つ ブライ ン ドタ ッチができるようになります。 しかし、 このブライ ン ドタ ツチを要求して、 一キーずつ入力することを認めなければ、 習熟してい ない一般使用者向けの商品として不適当ですし、 不親切です。
分かり易く表示され、 少ないキーで操作ができることが望まれます。 キーボー ド等に用いられるキーは、 電気スィ ツチです。
しかし、 キーの役目は、 電源用のスィ ッチ等のように電流の導通ノ遮断 ではありません。 キーが押されている又は離されているという状態の変 化 (キ一信号と言う ) を親装置に知らせることがキーの役目です。 キー信号の検出には、 電気接点ゃ感圧素子を使います。
キー信号を利用する装置を親装置と呼ぶことにします。
親装置は通常はキ一ボ一 ド等の内にありますが、 外の場合もあります。 キ一ボ一 ドでは通信機能を一つ持ち、 接点でキーに割り当てられた線を 短絡させるか、 縦横の交点を短絡させてキー信号を発生させるとともに キーの識別をし、 キーの番号とキ一信号の組にして親装置に伝えます。 通信の混線防止は、 優先権を与えるこ とで解決できます。
優先権の付与方法は、 いろいろな方式が実用化されています。
その例として、 ア ドレス方式とデイ ジ一チヱイ ンとを説明します。 いずれの方法でも、 原則として、 通信状態では通信が終了するまで、 他 の通信器からの送信を待機させます。
ア ドレス方式は、 シ リ アルポー トに使われ、 複数の通信器が同時に出力 しても出力の衝突が防げるワイヤ一 ドオア接続にします。
論理的なオアとなる出力がァクティ ブな信号値です。
プルアップ又はプルダウンするライ ンでは、 オープンコ レクタやォ一プ ン ドレイ ン等のオープン出力にします。 前値を保持させるライ ンでは、 ライ ン値を反転させる出力のみを低出カイ ンピーダンス化させます。 無線の場合は、 有信号状態がアクティ ブになります。
通信器のァ ドレスを 1 ビッ トずつ送ります。 ただし、 送出するア ドレス の最初のビッ トはァクティ ブである必要があり、 それによ り送信状態に 入ったことを知らせます。 ァ ドレス送信時に、 通信ライ ンの値を読み、 自分の出力値がィ ンアクティ ブであるのに、 ライ ン値がァクティ ブであ れば、 優先する他の通信器が送信していますので、 そこで通信を中断し
ます。 この状態で中断すれば、 他の通信器の出力に影響されずに、 最優 先の通信器からの出力がそのままライ ン値になります。
ア ドレスを送った後に、 情報内容を送ります。
ディ ジーチェイ ンは、 通信器毎に入力端子 C i と出力端子 C o を持ち、 C i はその通信器よ り優先する最劣後の通信器の C 0に接続します。 最優先通信器の C i は常にィ ンァクティ ブ ( 0で表す) にします。 通信状態でない場合、 個々の通信器は、 次の手続きに従います。
C i がァクティブ ( 1で表す) であれば、 C 0を 1にします。
C i 力、' 0で送信しない時、 C o を 0にします。
C i 力 0で送信する時、 C o を 1にして、 送信します。
通信器間で交信する場合、 各通信器に固有な番号 (ア ドレス ) を与え て通信器を区別します。 不揮発性記憶装置が有る場合には、 この記憶装 置にァ ドレスを記憶させるプログラムをィ ンス トールしておきます。 複数の通信器を組み込んだ装置又は設備を作り終えた後に、 ソフ ト的に ア ドレスを付与することもできます。 その例として、 ア ドレス試験方式 とデージーチユイ ンを利用したディ ジ一チユイ ン方式を説明します。 ア ドレス試験方式では、 通信ライ ンに試験装置をつなぎ、 試験装置から は、 通信ライ ンによらない信号 Xを各通信器に送ります。
手順は、 先ず、 通信ライ ンで試験命令と共にァ ドレスを出します。 する と、 試験装置はア ドレスに相当する通信器に Xを出します。 Xを受けた 通信器はァ ドレスを自己のものとし、 通信ライ ンを通じて確認の返答を します。 誤返答か無返答の場合は、 このア ドレスの通信器が故障です。 通信試験と同時にァ ドレスを付与することができる長所があります。 ディ ジ一チェーン方式では付与命令とァ ドレスを出します。
付与命令を出されたら、 ァ ドレスが付与されていない通信器に確認返答 を出す義務が生じますが、 返答があると義務が消えます。
いつも、 最優先の通信器のみが返答できるので、 最優先の通信器がその ァ ドレスを自己のものとします。 発明の開示
キ一ボー ト等に用いる個々のキ一を、 表示と通信とが可能なスィ ツチ cominuni eatable switch 、コ : i ツナ commwitchと ぅ ίこしま o 即ち、 不揮発性記憶と知能的通信機能とを内蔵させ、 キ一信号をキ一番 号と共に送信し、 受信情報をもとに不揮発記憶に保存された表示パター ンの一つを選択してキー ト ップに設けた表示器に表示させます。
このコ ミ ッチを F I G. 1で説明します。
キーボー ド、 リ モー トコ ン トローラ、 電話機、 卓上電子計算機、 操作架 などのように多く のキーが並べられたボ一 ドに用いるキ一毎に、 キー ト ップに色, 模様, 図形, 記号, 文字, 単語, 短文等の必要なパターンの 表示ができる表示器 1を設け、 不揮発性記憶 Aを持つ知能的通信機能 7 を内蔵させます。 キ一信号をキ一番号と共に送信し、 親装置 6からの命 令又は特定キ一 5のキ一信号を受信し、 不揮発性記憶に保存された表示 パターンの一つを選択して表示器 1に表示します。
電源及び通信に必要ライ ンを含む通信バス 4を図示しま したが、 無線通 信も利用できます。
図では、 固定した側 3の電極 9とスプリ ング Bで上下する側 2の電極 8 とで接点を形成したスィ ツチによるキー信号発生を示していますが、 感 圧素子を使ってキ一信号を発生させることもできます。
コ ミ ッチのキー ト ップには、 L E D, L C D, プラズマディスプレイ等 の表示器 (ディ スプレイデバイ ス ) を設け、 色, 模様, 図形, 記号, 文 字, 単語, 短文等の必要なパターンの表示を可能にします。
不揮発性記憶には、 コ ミ ッチのキ一番号 (ア ドレス ) , 表示パターン,
通信プログラム, 命令解読プログラム等を保存します。
通信手段は、 有線、 無線を問いません。
通信方法は、 同期方式 Z非同期方式, シリアルポー ト バラレルポ一 ト を問いません。
人によるキー入力のみを前提にすれば、 シリァルポ一 トが経済的です。 個々のキーには、 キ一を区別するァ ドレス (キ一番号) が付与され、 複 数の表示バタ一ンが不揮発性記憶装置に記憶されます。
これらの情報は、 キーボ一 ド等に装着前に与えておく ことができます。 コ ミ ッチにキ一を押すことが通信ライ ンによらない信号入力 Xがあるの で、 キーボ一 ド装着後もァ ドレス試験方式でキー番号を付与できます。 キーが押されると、 キー番号に続いて、 キーが押されたと言う情報 (押 コー ド) を送ります。 また、 キーが離された時も、 キー番号と共にキー が離されたと言う情報 (離コー ド) を送ります。 図面の簡単な説明
F I G . 1は、 本発明のキーの一つの斜視図 (一部断面図) である。 符号の説明 1 : 表示器 2 : 可動端 3 : 固定端 4 : 通信バス
5 : シフ トキー 6 : 親装置 7 : 知能的通信機能 8 : 可動接点 9 : 固定接点 A : 不揮発性記憶装置 B : スプリ ング 発明を実施するための最良の形態
最も経済的で使いやすい実施形態は次のようになります。
表示器として、 L C D又は L E Dのマ ト リ ックス型表示器を用います。 押しボタ ン式のス トロークのあるスィ ッチでキー信号を検出します。 通信方式を有線, 非同期型, シ リ アルポー ト, ア ドレス方式とします。 通信バスはグラン ドライ ン, 電源ライ ン, 通信ライ ンの三本です。
この三本の通信ライ ンに接続するための電極をキ一底部に設けます。 不揮発性記憶に通信及び各種の命令解読に必要なプログラムを保存し、 知能的通信で、 キ一番号の設定、 表示パターンの登録、 表示の選択、 キ —信号の送信等ができるようにしておきます。
このコ ミ ツチを次のように使用します。
*全ての通信は、 キ一番号 +情報となり、 情報には、 押コー ド, 離コ一 ド, 命令コー ド +補情報があります。 親装置は最優先のキ—番号が与え られます。 以後、 キー番号を省略して説明します。
- キーの変化で、 コ ミ ツチは押コー ドまたは離コ一 ドを送信します。 • 試験命令 +ァ ドレスで、 コ ミ ッチは押コ一 ドを送信するときに、 その ア ドレスを自己のキー番号として不揮発性記憶装置に保存します。 試験命令は、 通信状態になることで失効します。
この命令は、 主にァ ドレス試験方式でのキ一番号登録に用います。 即ち、 通信ライ ンに試験装置を接続し、 試験命令を出すと、 試験装置は ア ドレスに相当するコ ミ ッチを押します。 押されたコ ミ ッチから返信が あったら、 試験装置はそのコ ミ ッチを離します。 返答が無かったり、 不 当な返答の場合は、 試験装置は、 そのア ドレスのコ ミ ッチが故障である ことと判定します。
• 登録命令 +ァ ドレス +パタ―ン番号 +表示パタ一ンで、 了 ドレスで指 定されたコ ミ ッチは、 パターン番号別に表示パターンを不揮発性記憶装 置に保存します。 キ一番号が異なれば、 パターン番号が同じでも、 表示 パターンが異なります。
' パターン命令 +パターン番号でバタ一ン番号を設定します。, コ ミ ツチはパターン番号の表示パターンを表示します。
' シフ ト命令 + A + B + C + Dの後は、 パターン番号が Aの時、 キ一番 号 Bがキ一信号 Cを送るたびに、 グループ番号が Dになります。
•解除命令が出されると、 すべてのシフ ト命令が無効になります。
-終了命令で、 命令が完結しないでいる状態を終了状態にします。
- ノーマル命令で、 グループ番号をデフオル ト状態にします。
コ ミ ツチをキーボ一 ドに用いる場合に、 親装置との中継に知能的通信機 能を持つ装置を入れ、 これをコ ミ ツチに対する親装置にすることもでき ます。 こうすることで、 キーボー ドを無線化したり、 親装置に確定情報 を送る前の情報を表示することができます。 この機能は、 キ一を見なが ら入力する人には便利です。 産業上の利用可能性
漢字やウイ ン ドウズのアイコ ンを含めて多種多様な表示をキ一ボ一 ド 等のキ一 ト ップに表示して使う ことができます。
キ一配置や言語使用の異なるキ一ボ一 ドのキ一表示を変更できます。 表示の自由度が大きいので、 チヱス, 囲碁, オセロゲーム, 将棋等のゲ —ム盤をキーボー ド化させることもできます。
キ一ボー ド全体で、 一つの画面表示装置とすることもできます。
少ないのキーで済み、 かつ、 わかりやすい表示にできますので、 高度技 術製品が使いやすくなります。
コ ミ ッチは、 キ一 ト ップの刻印が不要なので、 汎用的に使えます。
非同期型, シリアルポー ト, ア ドレス方式が使え、 コ ミ ッチまわりが通 信, 電源, グラン ドの 3本の配線で済みます。
したがって、 量産によるコス ト低減の効果が大き く なります。