明 細 書 オーバ—レイエ法用コンク リート組成物、 及びその硬化体 技術分野
本発明は、 オーバ—レイエ法用コンク リ一ト組成物及びその硬化体に 関するものである。 背景技術
スチルファイバーレイ ンフォ一スコンク リート( S F R C )を用いたォ ーバ—レイエ法が滑走路などの補修工法に提案されている。 このォ―パ 一レイエ法は、 舗装表面を所定の厚さだけ切削し、 その切削表面に硬球 を打ちつけるショッ トブラス トを用いて表面処理を行い、 その上に新た な舗装面(表面層)を形成するものである。
また、 切削表面に硬球を打ちつけるショ ッ トブラス トのみの表面処理 ではなく、 先ず、 高圧水を噴射するウォー夕—ジエツ トを用いて劣化し た舗装表面および/または舗装層に比較的大きな凹凸面を形成した後、 この比較的大きな凹凸面の表面上に小粒子を噴射するショッ トブラス ト を用いて小さな凹凸を形成することにより、 比較的大きな凹凸面の表面 にさらに比較的小さな凹凸を有する複合化した凹凸構造を形成し、 この 上に新たな舗装面(表面層)を形成するオーバーレイ工法が特開平 9 - 7 1 9 0 2号公報に提案されている。
特開平 9 - 7 1 9 0 2号公報は、 舗装表面を切削し、 その切削表面に 新たな舗装面(表面層)を形成したのみでは、 既存の舗装層と新たな表面 層との間の結合が繰り返して作用する圧縮応力や引張応力によって損な われ易いという課題を解決するための発明である。 そこで、 既存の舗装
層表面に凹凸構造を形成しておき、 これに新たな表面層を嵌合させてお く ことにより、 既存の舗装層と新たな表面層との間の結合力を増し、 補 修した舗装面の寿命を長くするものである。
上記したように特開平 9 - 7 1 9 0 2号公報の提案は、 凹凸構造の嵌 合によって既存の舗装層と新たな表面層との間の結合力を高めよう とし たものである。
しかし、 前記結合力は、 特開平 9 - 7 1 9 0 2号公報に提案した凹凸 構造の嵌合だけでは不十分であることが判って来た。
さらに詳しくは、 特閧平 9— 7 1 9 0 2号公報の表面処理技術を採用 することによって凹凸が形成された既存の舗装層上に、 従来のコンク リ 一ト組成物を用いて新たな表面層を形成しても、 新たな表面層を形成す るコンク リー卜の組成および硬化体の内容によっては、 既存の舗装層と 新たな表面層との間の結合力が弱いことが判って来た。 発明の開示
本発明の第 1の目的は、 既存の舗装層と新たな表面層との間の結合力 が強く、 剥離が起き難いオーバーレイ工法用コンク リート組成物、 及び その硬化体を提供することである。
本発明の第 2の目的は、 既存の舗装層上に設けられた新たな表面層に ひび割れが起き難く、 また、 磨耗も起き難いオーバ—レイエ法用コンク リート組成物、 及びその硬化体を提供することである。
本発明のオーバーレイ工法用コンク リ一ト組成物は、 劣化した舗装表 面および/または舗装層を改善するオーバーレイ工法に用いるコンク リ ート組成物であって、 前記コンク リート組成物は、 セメン ト と、 収縮低 減剤と、 膨張剤と、 高性能 A E減水剤と、 A E剤とを含み、 前記セメ ン トは低熱ポルトラン ドセメ ン トであることを特徴とする。
また、 本発明のオーバ一レイエ法用コンク リート組成物は、 劣化した 舗装表面および/または舗装層を改善するオーバ—レイエ法に用いるコ ンクリート組成物であって、 前記コンク リート組成物は、 セメン トと、 収縮低減剤と、 膨張剤と、 高性能 A E減水剤と、 A E剤と、 遅延剤とを 含み、 前記セメン トは普通ポルトラン ドセメン トであることを特徴とす る。
特に、 本発明の前記オーバーレイ工法用コンク リート組成物は、 高圧 水を噴射するウォー夕—ジヱッ トを用いて劣化した舗装表面および/ま たは舗装層に比較的大きな凹凸面を形成した後、 この比較的大きな凹凸 面の表面上に小粒子を噴射するショッ トプラス トを用いて小さな凹凸を 形成することにより、 比較的大きな凹凸面の表面にさらに比較的小さな 凹凸を有する複合化した凹凸構造を形成し、 この上に新たな舗装面(表 面層)を形成するオーバーレイ工法に用いられる場合に、 前記第 1およ び第 2の目的を達成するものである。
また、 本発明のォ―バ—レイエ法用コンク リー ト組成物の硬化体は、 所定値以上の圧縮強度を有し、 かつ、 所定値以上の膨張量を有すること を同時に満足することによ り前記第 1及び第 2の目的を達成するもので ある。 図面の簡単な説明
図 1は、 普通ポルトラン ドセメン トを用いたコンク リート組成物の材 齢経過に対応した圧縮強度の変化を収縮低減剤の使用量毎に示すグラフ である。
図 2は、 低熱ポルトラン ドセメン トを用いたコンク リー ト組成物の材 齢経過に対応した圧縮強度の変化を収縮低減剤の使用量毎に示すグラフ である。
図 3は、 普通ポルトラン ドセメン トを用いたコンクリート組成物の材 齢経過に対応した収縮量の変化を収縮低減剤の使用量毎に示すグラフで ある。
図 4は、 低熱ポルトラン ドセメン トを用いたコンクリート組成物の材 齢経過に対応した収縮量の変化を収縮低減剤の使用量毎に示すグラフで ある。
図 5は、 普通ポルトラン ドセメン トを用いたコンク リート組成物の材 齢経過に対応した圧縮強度の変化を膨張剤の使用量毎に示すグラフであ ο
図 6は、 低熱ポルトラン ドセメン トを用いたコンクリート組成物の材 齢経過に対応した圧縮強度の変化を膨張剤の使用量毎に示すグラフであ る。
図 7は、 低熱ポル トラン ドセメン トを用いたコンクリート組成物の材 齢経過に対応した膨張量の変化を膨張剤の使用量毎に示すグラフである, 図 8は、 普通ポル トラン ドセメン トを用いたコンクリート組成物の材 齢経過に対応した膨張量の変化を膨張剤の使用量毎に示すグラフである, 図 9は、 普通ポル トラン ドセメン トを用いたコンク リート組成物の材 齢経過に対応した圧縮強度の変化を遅延剤の使用量毎に示すグラフであ る。
図 1 0は、 普通ポルトラン ドセメン トを用いたコンクリー ト組成物の 材齢経過に対応した膨張量の変化を遅延剤の使用量毎に示すグラフであ る。 発明を実施するための最良の形態
本発明のオーバ—レイエ法用コンク リート組成物は、 劣化した舗装表 面および/または舗装層を改善するオーバーレイエ法に用いるコンク リ
w
5 ート組成物であって、 前記コンク リート組成物は、 セメン ト と、 収縮低 減剤と、 膨張剤と、 高性能 A E減水剤と、 A E剤とを含んで組成され、 前記セメン トは低熱ポルトラン ドセメン トからなる。
或いは、 本発明のオーバーレイ工法用コンクリート組成物は、 劣化し た舗装表面および/または舗装層を改善するオーバ—レイエ法に用いる コンクリート組成物であって、 前記コンク リート組成物は、 セメン トと、 収縮低減剤と、 膨張剤と、 高性能 A E減水剤と、 A E剤と、 遅延剤とを 含んで組成され、 前記セメン トは普通ポルトラン ドセメン トからなる。
また、 上記本発明のオーバ—レイエ法用コンク リート組成物は、 高圧 水を噴射するウォー夕—ジエツ トを用いて劣化した舗装表面および/ま たは舗装層に比較的大きな凹凸面を形成した後、 この比較的大きな凹凸 面の表面上に小粒子を噴射するシヨッ トブラス トを用いて小さな凹凸を 形成することにより、 比較的大きな凹凸面の表面にさらに比較的小さな 凹凸を有する複合化した凹凸構造を形成し、 この上に新たな舗装面(表 面層)を形成するォ—バ—レイエ法に用いられるコンク リー ト組成物で ある。
また、 上記本発明のオーバーレイ工法用コンク リート組成物は、 上記 組成に加えてさらに、 骨材と、 水とを含むことができる。
次に、 本発明のコンク リート組成物の組成中に、 セメン トの他に、 少 なく とも収縮低減剤、 膨張剤、 高性能 A E減水剤、 A E剤を含まれるこ とについて、 以下に説明する。
まず、 収縮低減剤を用いることは、 硬化体の収縮歪みを減少させるた めである。 硬化体の収縮歪みを減少させることにより、 硬化体のひび割 れ防止を図ることができ、 硬化体の強度低下を防ぐことができ、 更には 新たな表面層が既存の舗装層から剥離し難いものとなる。
収縮低減剤としては、 グリコール系の収縮低減剤ゃポリエ—テル系の
6 収縮低減剤を用いることができる。 中でも、 グリコール系の化合物から なる収縮低減剤が好ましい。 また、 このような収縮低減剤の使用量は、 収縮低減剤が少な過ぎた場合には、 収縮低減効果が奏され難く、 逆に、 多すぎた場合には、 硬化体の圧縮強度が低下する傾向が大きいため、 セ メン ト 1 0 0重量部に対する使用量が所定範囲内であるように使用する ことが好ましい。
しかし、 収縮低減剤を用いても、 収縮量を零にすることはできない。 そこで、 この収縮を一層効果的に防止するため、 本発明のコンク リート 組成物では膨張剤を併用することにした。 尚、 膨張剤のみをコンク リー ト組成物に使用すると、 硬化体の圧縮強度の低下する度合いが大きくな るため好ましくない。 すなわち、 収縮低減剤と膨張剤とを併用すること によって初めて、 硬化体の収縮防止をよ り効果的に発揮でき、 もってひ び割れ防止、 剥離防止を図り、 更には強度をも確保できるのである。 膨張剤としては、 石灰系の膨張剤(例えば、 秩父小野田社製のェクス パン K (商品名))やエ ト リ ンガイ ト系の膨張剤(例えば、 日本セメン ト社 製のアサノジブカル(商品名))を用いることができる。 このような膨張 剤の使用量は、 膨張剤が少な過ぎる場合には、 膨張効果が奏され難く、 逆に、 多すぎた場合には、 後膨張による弊害の恐れが有り、 かつ、 圧縮 強度が低下する傾向があるため、 使用量が所定範囲内であるように使用 することが好ましい。
高性能 A E減水剤を使用する理由は、 高性能 A E減水剤を使用するこ とによって、 高流動性を保持したままで水の使用量を少なくできること から、 硬化体の収縮歪みを少なくできるためである。 その結果、 硬化体 のひび割れ防止を図ることができ、 かつ、 硬化体の強度低下を防ぐこと ができ、更には新たな表面層が既存の舗装層から剥離し難いものとなる。 高性能 A E減水剤としては、ポリカルボン酸系の高性能 A E減水剤(例
えば、 秩父小野田社製のコアフ口— N P— 5 R (商品名))やナフタ リ ン 系の高性能 A E減水剤(例えば、 ポゾリス社製の S P— 9 R (商品名))を 用いることができる。 中でも、 カルボン酸系の化合物からなる高性能 A E減水剤が好ましい。 このような高性能 A E減水剤の使用量は、 高性能 A E減水剤が少な過ぎた場合には、 水の使用量をそれ程減少させること ができず、 収縮低減効果が奏され難く、 逆に、 多すぎた場合には、 硬化 体の圧縮強度が低下する傾向が大きいため、 セメ ン ト 1 0 0重量部に対 する使用量が所定範囲内であるように使用することが好ましい。
上記高性能 A E減水剤としては、 カルボン酸系の化合物からなる高性 能 A E減水剤が好ましく、 収縮低減剤はグリコール系の化合物からなる 収縮低減剤が好ましいのは、 各混和剤との相性が良く、 空気量のバラヅ キが少なく、 安定しているからである。 更には、 以下に説明する A E剤 の量が少なくて済むと言った経済的効果も大きいからである。
A E剤を使用する理由は、 A E剤を使用することによって、 硬化体内 に適度な空隙を形成できるためである。 その結果、 硬化体の耐凍結 · 融 解性が強化され、 ひび割れ劣化を防止でき、 硬化体の強度低下を防ぐこ とができ、 更には新たな表面層が既存の舗装層から剥離し難いものとな る。従って、 A E剤も本発明のコンクリート組成物に必須の成分である。
A E剤としては、 ァニオン系の A E剤(例えば、 秩父小野田社製の C A E— 2 0 (商品名)やポゾリス社製の 3 0 3 A (商品名))、 ロジン系の A E剤(例えば、 秩父小野田社製の C A E— 3 0 (商品名))を用いること ができる。 このような A E剤の使用量は、 A E剤が少な過ぎた場合には、 上記特長が奏され難く、 逆に、 多すぎた場合には、 空隙量が多くなるこ とから、 硬化体の圧縮強度が低下し、 また、 既存の舗装層に対する新た な表面層の結合度が低下する傾向が大きいため、 セメン ト 1 0 0重量部 に対する使用量が所定範囲内であるように使用することが好ましい。
g
本発明に使用するセメン トを普通ポル トラン ドセメン トあるいは低熱 ポルトラン ドセメン 卜の中から選んだセメン トとしたのは、 施工性や硬 化性の観点からである。 通常、 秋期〜冬季〜春季にかけての施工時の気 温が高くない場合には、 汎用的な普通ポルトラン ドセメン トを用い、 春 季〜夏期〜秋期にかけての施工時の気温が高い場合には、 高温環境であ つても施工性や硬化性が良い低熱ポルトラン ドセメン トを用いるのが好 ましい。
また、 本発明に用いるセメン トが普通ポルトラン ドセメン トである場 合に、 本発明のオーバ一レイエ法用コンク リート組成物に、 更に遅延剤 を含ませることとしたのは、 普通ポルトラン ドセメン トと低熱ポルトラ ン ドセメン トとを比べると、 普通ポルトラン ドセメン トは低熱ポルトラ ン ドセメン トより初期硬化が穏やかではないので、 遅延剤を用いて硬化 を遅らせ、 膨張し易いようにするためである。
本発明に用いる遅延剤としては、 ホスホン酸系の遅廷剤(ポゾリス社 製のデルポク リート(商品名))やリグニン系の遅延剤(ポゾリス社製の N o . 8 9 (商品名))がある。 このような遅延剤の使用量は、 遅延剤が少 な過ぎた場合には、 膨張効果が奏され難く、 逆に、 多すぎた場合には、 硬化が遅くなり、 施工後の開放が遅くなり過ぎるため、 普通ポルトラ ン ドセメン ト 1 0 0重量部に対する使用量が所定範囲内であるように使用 することが好ましい。
また、 本発明のオーバーレイ工法用コンク リー ト組成物は、 スランプ 値が小さすぎると、 流動性が悪く、 表面における凹凸面への回り込み性 が悪く、 それだけ結合一体性が低下し、 逆に、 スランプ値が大きすぎる と、 柔らかすぎて傾斜面に施工する際にダレを生じるものとなり、 また、 空気量が少なすぎると、 耐凍結融解性が悪く、 ひび割れの原因となり、 逆に、 空気量が多すぎると、 表面における凹凸面との接触面積が減り、
それだけ結合一体性が低下する。 従って、 本発明のオーバーレイ工法用 コンク リート組成物における練り込み 9 0分後のスランプ値は、 上記小 さすぎおよび大きすぎを避けた所定範囲内 ( J I S A 1 1 0 1に準 拠して試験した場合) であり、 かつ、 空気量も、 上記少なすぎおよび多 すぎを避けた所定範囲内 ( J I S A 1 1 2 8に準拠して試験した場 合) であるものが好ましい。 すなわち、 本発明のォ一バーレイエ法用コ ンク リート組成物における練り込み 9 0分後のスランプ値が上記所定範 囲内であり、 かつ、 空気量が上記所定範囲内であることにより、 既存の 舗装層と新たな表面層との間の結合力を一層強くでき、 また、 ひび割れ が起き難く、 更には施工性も良くできるのである。
ここで、 本発明に引用した J I S規格について説明する。
「 J I S A 1 1 0 1」 は、 「コンク リートのスランプ試験方法」 についての日本工業規格である。 「 J I S A 1 1 2 8」 は、 「フレツ シュコンク リー 卜の空気量の圧力による試験方法一空気室圧力方法」 に ついての日本工業規格である。 「 J I S A 1 1 0 8」 は、 「圧縮強度 試験方法」 についての日本工業規格である。 「 J I S A 6 2 0 2」 は、 「コンク リート用膨張剤」 についての日本工業規格であり、 「 J I S A 6 2 0 2」 内にはコンク リ一トの膨張量の試験方法について記載さ れている。
また、 本発明の上記オーバーレイ工法用コンク リート組成物を硬化さ せてなる硬化体は、 所定値以上の圧縮強度と膨張量とを同時に満たすこ とが好ましい。 具体的には、 材齢 3 日の硬化体の圧縮強度が 8 0 k g f / 0 111 2以上 ( <1 1 3 A 1 1 0 8に準拠して試験した場合) を満た すと同時に、 材齢 7 日の膨張量が 2 0 0〃m以上 ( J I S A 6 2 0 2に準拠して試験した場合) という所定値を満たすことが好ましい。 特 に、 硬化させる際に水中養生を摂氏 2 0度以上にて行った場合には、 材
齢 3日の硬化体の圧縮強度が 1 0 0 k g f /c m2以上 ( J I S A 1 1 08に準拠して試験した場合) を満たすと同時に、 材齢 7日の硬化 体の膨張量が 2 00 m以上 (J I S A 62 02に準拠して試験し た場合) という所定値を満たすことが好ましい。
材齢 3日の本発明のコンク リ一ト組成物の硬化体の強度が 80 k g f /cm2以上あるいは 1 0 O k g f /cm2以上であること、 特に 1 0 0〜40 O k g f /cm2であることが好ましいのは、 施工後の開放を 3日以内とするためである。 また、 材齢 7日の本発明のコンク リート組 成物の膨張量が 2 0 0〃m以上、 特に 2 0 0〜 5 0 0〃m(J I S A 62 02に準拠して試験した場合)のものが好ましいのは、 本発明のコ ンク リート組成物の硬化体の収縮防止、 ひび割れ防止、 剥離防止を図る と共に、 強度をも確保するためである。
以下、 上記本発明の各種構成要素 (構成剤) の使用量を変えて作製し たコンク リ一ト組成物の供試体を試験して得られた各種デ一夕を用いて、 本発明のオーバ—レイエ法用コンク リート組成物およびその硬化体につ いて更に詳しく鋭明する。
先ず、 収縮低減剤の効果を確認するために、 膨張剤 (E) を使用せず (E = 0 k g/m3 )、 下記の表一 1に示した配合のコンク リート供試 体を作製した。
表— 1中の N— P 0〜N— P 3のコンク リート供試体は、 普通ポル ト ラン ドセメン ト 1 0◦重量部 (B) に対して収縮低減剤 (P) を各々が 0重量部 (B X 0 %)、 1重量部 (B x l %)、 2重量部 (B x 2 %)、 3重量部 (B x 3 %) の割合で使用したものである。 また、 表— 1中の L— P 0〜L_P 3のコンク リ一卜供試体は、 低熱ポルトラン ドセメン ト 1 00重量部 (B) に対して収縮低減剤 (P) を各々が 0重量部 (B X 0 %)、 1重量部 ( B X 1 %)、 2重量部 (B X 2 %)、 3重量部 ( B
x 3 %) の割合で使用したものである 表一 1
セメント W/B s 巌 》 ikg/m' ) 混 ίπ*1 (Βχ%) 供試体
種類 {%) {%) p ζ Ό
■■■ - υ
W し E» LT
N -P0 普通 40.0 40.5 132330 0762 1137 0 0.4 0 0.4
-P1 普通 40.0 40.5 132 330 0 762 1137 1.0 0.4 0 0.4
Ν· -P2 普通 40.0 40.5 132330 0762 1137 2,0 0,4 0 0.2
N -P3 普通 40.0 40.5 132330 0762 11373.0 0.4 0 0.2 し' -P0 低熱 40.0 40.5 132330 0764 1140 0 0.5 0 0.3 し' -P1 低熱 40.0 40.5 132330 0764 1140 1.0 0.5 0 0,2
L- -P2 低熱 40.0 40.5 132330 0764 11402.0 0.5 0 0.2
L- -P3 低熱 40.0 40.5 132330 0764 11403.0 0.5 0 0.2 符号の説明 :
w =水(混和剤を水として含んだ値)
c =セメン ト、 普通ポル トラン ドセメ ン トまたは低熱ポル トラン ドセ メン ト (表一 1中の供試体名が 「N」 で始ま り、 セメン ト種類が 「普通」 であるものは普通ポルトラン ドセメン トであり、 表一 1中の供試体名が 「L」 で始まり、 セメン ト種類が 「低熱」 であるものは低熱ポルトラン ドセメン トである。 (いずれも秩父小野田社製のセメン ト)
E =ェクスパン K (秩父小野田社製の膨張剤)
S =茨城県鹿嶋産の細骨材
G =茨城県笠間産の粗骨材、
P =秩父小野田社製のグリコール系の収縮低減剤
5 R =コアフロー NP— 5 R (秩父小野田社製の高性能 A E減水剤)
D =デルポク リート(ポゾリス社の遅延剤)
A E = C A E— 2 0 (秩父小野田社製の A E剤。 1 0 0倍液にして使 用)
表— 1に示した各コンク リート供試体 (コンク リート組成物) の圧縮 強度を図 1、 図 2に示し、 収縮量を図 3、 図 4に示す。 図 1は、 普通ポ ルトラン ドセメ ン トを用いたコンク リ一ト組成物の材齢経過に対応した 圧縮強度の変化を収縮低減剤 ( P ) の使用量毎に示すグラフであり、 図 2は、 低熱ポル トラン ドセメン トを用いたコンク リート組成物の材齢経 過に対応した圧縮強度の変化を収縮低減剤 ( P ) の使用量毎に示すグラ フであり、 図 3は、 普通ポルトラン ドセメ ン トを用いたコンクリート組 成物の材齢経過に対応した収縮量の変化を収縮低減剤 ( P ) の使用量毎 に示すグラフであり、 図 4は、 低熱ポル トラン ドセメン トを用いたコン ク リート組成物の材齢释過に対応した収縮量の変化を収縮低減剤 (P ) の使用量毎に示すグラフである。
これらの図 1〜図 4によれば、 表一 1 中に符号 Pで示した収縮低減剤 ( P ) の使用量によりコンク リート組成物の圧縮強度および収縮量が変 ィ匕していることがわかる。
例えば、 セメ ン ト 1 0 0重量部に対して収縮低減剤 ( P ) を 3重量部 の割合で使用した場合よりも 2重量部の割合で使用した場合の方が、 コ ンク リート組成物の圧縮強度が増加しており、 収縮率も増加している。 また、 セメ ン ト 1 0 0重量部に対して収縮低減剤 ( P ) を 2重量部の割 合で使用した場合よりも 1重量部の割合で使用した場合の方が、 コンク リ一ト組成物の圧縮強度が増加しており、 収縮率も増加している。更に、 セメン ト 1 0 0重量部に対して収縮低減剤 ( P ) を 2重量部の割合で使 用した場合よりも 1重量部の割合で使用した場合の方が、 コンク リー ト 組成物の圧縮強度が増加しており、 収縮率も増加している。
従って、 収縮低減剤 ( P ) を使用しない場合のコンク リー ト組成物の
圧縮強度を基準として、 収縮低減剤 ( P ) の使用量が少ないほどコンク リート組成物の圧縮強度の低下する度合いが少ない。 しかし、 収縮低減 剤 ( P) の使用量が少なくなると収縮率が増加してしまう。
すなわち、 本発明のコンクリート組成物の硬化体における収縮歪みを 減少させ、 その結果、 硬化体のひび割れ防止を図ることができ、 硬化体 の強度低下を防ぐことができ、 更には新たな表面層が既存の舗装層から 剥離し難いものとするという目的を達成するためには、 収縮低減剤( P ) の使用量を適切に設定することが重要である。
図 1〜図 4によれば、 セメン ト 1 0 0重量部に対して収縮低減剤( P ) を 1 ~ 3重量部の割合で使用した場合にコンク リ一ト組成物の圧縮強度 の低下は少なく、 かつ、 収縮量も少ないことから、 この場合の収縮低減 剤 ( P ) の使用量が好ましいことになる。 特に、 セメン ト 1 0 0重量部 に対して収縮低減剤 (P ) を 1〜 2. 5重量部の割合で使用した場合が より好ましく、 さらには、 1〜 2重量部の割合で使用した場合が一層好 ましいことになる。
次に、 膨張剤 ( E ) を使用した場合の効果を確認するために、 収縮低 減剤 ( P ) の使用量を、 上記結果における最も好ましい範囲の使用量で あるセメン ト 1 0 0重量部に対して 2重量部の割合の使用量に固定した ままで、 膨張剤 ( E ) の使用量を変えて、 表— 2に示した配合のコンク リート供試体を作製した。
表— 2中の N— E 2 0〜N— E 4 0のコンク リート供試体は、 各々が 膨張剤 ( E ) を 2 0 k g /m 3、 3 0 k g/m 3 5 k g /m 3、 4 0 k g/m 3を使用した普通ポル トラン ドセメ ン ト 1 0 0重量部 ( B = 3 3 0 k g/m3 ) に対して収縮低減剤 ( P ) を 2重量部 ( B x 2 %) の割 合で使用したものである。 また、 表一 2中の L— E 2 0〜 L— E 4 0の コンク リー ト供試体は、 各々が膨張剤 ( E ) を 1 0 k g /m 3、 2 0 k
g/m3 s 2 5 k g/m 3 0 k g /m 3を使用した低熱ポル トラン ドセ メン ト 1 0 0重量部 (B = 3 3 0 k g/m3) に対して収縮低減剤 ( P ) を 2重量部 (B x 2 %) の割合で使用したものである。 表一 2
セメント W/B S / Ά 里位督 (ke/n3 ) m^ ίΐ¾χο ) 供試体
種類 (%) {%) Β Ρ 5 R D AE
W C Ε S G
Ν· -E20 普通 40.0 40.5 132 310 20 762 11372.0 0.4 0 0.8
Ν· -E30 普通 40.0 40.5 132 30030762 1137 2.0 0.4 0 0,8
Ν· -E35 普通 40.0 40.5 132 29535762 1137 2.0 0.4 0 0.8
N- -E 0 普通 40.0 40.5 132290 40 762 1137 2.0 0.4 0 0.8
L- -E10 低熱 40.0 40.5 132320 10 764 1140 2.0 0.5 0 0,6 し- ■ 低热 40.0 40.5 13231020764 1140 2.0 0.5 0 0.6
L- -B25 低熱 40.0 40.5 132 3052576 1140 2.0 0.5 0 0.6
L- -E30 低熱 40.0 40.5 132300 3076 1140 2.0 0.5 0 0.6
*符号の説明は表一 1に同じ。 表一 2に示したコンク リート供試体 (コンク リート組成物) の圧縮強 度を図 5、 図 6に示し、 膨張量を図 7、 図 8に示す。 図 5は、 普通ポル トラン ドセメン トを用いたコンク リート組成物の材齢経過に対応した圧 縮強度の変化を膨張剤 (E ) の使用量毎に示すグラフであり、 図 6は、 低熱ポルトラン ドセメン トを用いたコンク リート組成物の材齢経過に対 応した圧縮強度の変化を膨張剤 (E ) の使用量毎に示すグラフであり、 図 7は、 低熱ポルトラン ドセメ ン トを用いたコンク リート組成物の材齢 経過に対応した膨張量の変化を膨張剤 ( E ) の使用量毎に示すグラフで あり、 図 8は、 普通ポルトラン ドセメン トを用いたコンク リート組成物 の材齢経過に対応した膨張量の変化を膨張剤 (E ) の使用量毎に示すグ ラフである。
, ff
15 これらの図 5〜図 8によれば、 表— 2中に符号 Eで示した膨張剤( E ) の使用量によりコンク リ一ト組成物の圧縮強度および収縮量が変化して いることがわかる。
例えば、 普通ポル トラン ドセメ ン トに膨張剤 ( E ) を 2 0 k g/m3 使用した場合よ りも 3 0 k g/m3使用した場合の方が、 コンク リー ト 組成物の圧縮強度は低下しており、 膨張量は増加している。 また、 普通 ポル トラン ドセメ ン トに膨張剤 ( E ) を 3 0 k g/m 3使用した場合よ りも 3 5 k g /m 3使用した場合の方が、 コンク リ一 ト組成物の圧縮強 度は低下しており、 膨張量は増加している。 更に、 普通ポル トラン ドセ メン トに膨張剤 (E) を 3 5 k g /m 3使用した場合よりも 40 k g/m 3使用した場合の方が、 コンク リート組成物の圧縮強度は低下しており、 膨張量は増加している。
また、 例えば、 低熱ポル トラン ドセメン トに膨張剤 (E ) を 10 k g /m 3使用した場合よ り も 2 O k g/m 3使用した場合の方が、 コンク リ ート組成物の圧縮強度は低下しており、 膨張量は増加している。 また、 低熱ポル トラン ドセメ ン トに膨張剤 (E ) を 2 0 k g /m 3使用した場 合よ りも 2 5 k g /m 3使用した場合の方が、 コンク リー ト組成物の圧 縮強度は低下しており、 膨張量は増加している。 更に、 低熱ポルトラン ドセメン トに膨張剤 ( E ) を 2 5 k g/m3使用した場合よ り も 3 0 k g/m3使用した場合の方が、 コンク リー ト組成物の圧縮強度は低下し ており、 膨張量は増加している。
従って、 膨張剤 (E) の使用量が増加するほどコンク リート組成物の 圧縮強度は低下している。 また、 膨張剤 (E) の使用量が増加するに従 つてコンク リート組成物の膨張量も増大している。
すなわち、 本発明のコンク リート組成物の硬化体における収縮歪みを 減少させ、 その結果、 硬化体のひび割れ防止を図ることができ、 硬化体
の強度低下を防ぐことができ、 更には新たな表面層が既存の舗装層から 剥離し難いものとするという目的を達成するためには、 膨張剤 (E) の 使用量を適切に設定することが重要である。
図 5〜図 8によれば、 普通ポルトラン ドセメン トの場合には、 膨張剤 ( E ) を 2 0〜 40 k g /m 3使用した場合にコンク リート組成物の圧 縮強度の低下する度合いが少なく、 かつ、 コンク リート組成物の膨張量 が適度であることから、 この場合の膨張剤 (E) の使用量が好ましいこ とになる。 また、 低熱ポル トラン ドセメン 卜の場合には、 膨張剤 (E) を 1 0〜 3 0 k g/m 3使用した場合にコンク リー ト組成物の圧縮強度 の低下する度合いが少なく、 かつ、 コンク リート組成物の膨張量が適度 であることから、 この場合の膨張剤 (E) の使用量が好ましいことにな 特に、 普通ポルトラン ドセメン トの場合には膨張剤 ( E ) を 25〜 3 5 k g/m3使用した場合がよ り好ましく、 低熱ポル トラン ドセメ ン ト の場合には膨張剤 (E) を 1 5〜 2 5 k g/m3使用した場合がよ り好 ましいことになる。
次に、 セメン トとして普通ポルトラン ドセメン トを使用した場合、 遅 延剤 (D) による影響を調べるため、 収縮低減剤 (P) の使用量を、 上 記結果における最も好ましい範囲の使用量であるセメン ト 1 00重量部 に対して 2重量部に固定し、 膨張剤 (E) の使用量を、 上記結果におけ る最も好ましい範囲の使用量である 3 5 k g/m3に固定して使用し、 遅延剤 (D ) が普通ポルトラン ドセメン ト 1 00重量部 (B ) に対して 使用される割合を変えて、 表— 3に示した配合のコンクリ一ト供試体を 作製した。
表— 3中の N— D 0〜N— D 6のコンク リート供試体は、 普通ポル ト ラン ドセメン ト 1 00重量部 (B) に対して遅延剤 (D) を各々が 0重
量部 (B x O %)、 0. 2重量部 (B x O . 2 %) 0. 4重量部 (B x 0. 4 %)、 0. 6重量部 (B x O . 6 %) の割合で使用したものであ る。 表一 3
セメント WZB s/a r (kg/m¾ 混 ¾剤 (Bx%) 供試体
種類 (%) {%) P 5R D ΛΕ
W C E S G
N-D0 普通 40.0 40.5 132 29535762 1137 2.0 0.4 0 0.4 N-D2 普通 40.0 40.5 132 29535762 1137 2.0 0.4 0.2 0.4 N-D4 普通 40.0 40.5 132 29535 762 1137 2.0 0.4 0.4 0.4 N-D6 普通 40.0 40.5 132 29535 762 1137 2.0 0.4 0.6 0.4
*符号の説明は表一 1に同じ < 表一 3に示されたコンク リート供試体 (コンク リート組成物) の圧縮 強度を図 9に示し、 コンク リート組成物の膨張量を図 1 0に示す。 図 9 は、 普通ポルトラン ドセメ ン トを用いたコンク リート組成物の材齢経過 に対応した圧縮強度の変化を遅延剤 (D ) の使用量毎に示すグラフであ り、 図 1 0は、 普通ポルトラン ドセメン トを用いたコンク リート組成物 の材齢経過に対応した膨張量の変化を遅延剤 (D ) の使用量毎に示すグ ラフである。
図 9および図 1 0によれば、 表— 3中に符号 Dで示した遅延剤 (D ) の使用量によりコンク リート組成物の圧縮強度および収縮量が変化して いることがわかる。
例えば、 セメン ト 1 0 0重量部に対して遅延剤 (D) を使用しない場 合よりも 0. 2重量部の割合で使用した場合の方が、 コンク リート組成 物の圧縮強度が増加しており、 膨張量も増加している。 また、 セメン ト 1 0 0重量部に対して遅延剤 (D) を 0. 2重量部の割合で使用した場
, Q
合よりも 0. 4重量部の割合で使用した場合の方が、 コンク リート組成 物の圧縮強度が増加しており、 膨張量も増加している。 更に、 セメン ト 1 0 0重量部に対して遅延剤 (D) を 0. 4重量部の割合で使用した場 合よりも 0. 6重量部の割合で使用した場合の方が、 コンク リート組成 物の圧縮強度が増加している。 ところが、 この場合は、 コンクリート組 成物の膨張量については逆に減少している。
従って、 遅延剤 (D) を使用しない場合のコンク リート組成物の圧縮 強度に比較して、 遅延剤 (D ) の使用量が増大するほどコンクリート組 成物の圧縮強度は増大しているが、 コンク リート組成物の膨張量につい ては遅延剤 (D) の使用量を単純に増大させるだけでは膨張量が減る場 合もあるため不十分であり、 適切な使用量が求められる。
すなわち、 本発明のコンク リ一ト組成物の硬化体における収縮歪みを 減少させ、 その結果、 硬化体のひび割れ防止を図ることができ、 硬化体 の強度低下を防ぐことができ、 更には新たな表面層が既存の舗装層から 剥離し難いものとするという目的を達成するためには、 遅延剤 (D ) の 使用量を適切に設定することが重要である。
図 9〜図 1 0によれば、 普通ポルトラン ドセメ ン トを用いた場合に、 セメン ト 1 0 0重量部に対して遅延剤 (D ) を 0. 2〜 0. 5重量部の 割合で使用した場合にコンク リ一ト組成物の圧縮強度の低下する度合い が少なく、 かつ、 膨張量も適度であることから、 この場合の遅延剤 (D ) の使用量が好ましいことになる。 特に、 セメン ト 1 0 0重量部に対して 遅延剤 (D ) を 0. 2 5〜 0. 4 5重量部の割合で使用した場合がよ り 好ましく、 さらには、 0. 3 ~ 0. 4重量部の割合で使用した場合が一 層好ましいことになる。
ここでさらに、 本発明のコンク リート組成物における養生中の温度に よる影響を調べるため、 収縮低減剤 ( P ) の使用量を上記結果における
最も好ましい範囲の使用量であるセメン ト 1 0 0重量部に対して 2重量 部に固定し、 膨張剤 ( E ) の使用量を上記結果における最も好ましい範 囲の使用量である 3 5 k g /m 3に固定して使用し、 遅延剤 (D ) の使 用量を上記結果における最も好ましい範囲の使用量である普通ポルトラ ン ドセメン ト 1 0 0重量部 (B ) に対して 0. 4重量部使用されること として、 以下の配合のコンク リート組成物 (供試体 1〜供試体 5 ) を作 製して特性を調べた。
(供試体 1 )
下記の表— 4に示した配合のコンク リ一ト組成物 (供試体 1 ) を作製 した。 供試体 1は、 セメン トの種類として普通ポルトラン ドセメン トを 用い、 養生方法として、 7 日間 1 0 °Cにて水中養生し、 以後 2 0 °C (湿 度 6 0 %)にて気中養生したものである。 また、 供試体 1の成型は、 練 り落としから 3 0分後に行われたものである。
表一 4
セメント W/B s/a MJ OsgZif ) 混 剤 (B x%)
種類 (%) {%) B P' 5 R D AE
W C E S G
普通 40.0 42.0 132 295 35 794 1109 2.0 0.35 0 0.001 尚、 上記組成の供試体 1のスランプ値( J I S A 1 1 0 1 に準拠 して試験した場合)は、 練り込み直後で 7. 4 c m、 3 0分後で 4. 6 c m、 9 0分後で 2 . 8 c mであり、 そして空気量(J I S A 1 1 2 8準拠して試験した場合)は、 練り込み直後で 6 . 0 %、 3 0分後で 4. 2 %、 9 0分後で 3. 8 %であった。
上記のようにして得られた供試体 1の特性を表一 5に示す。
表— 5
材齡 (曰) 圧縮強度 (k g i/cm2 ) 膨張量 um)
1 0 2 3 8. 3
1 7 7 1 0 1
1 8 0 1 2 2
3 0 3 1 7 0
3 0 4 2 8 5
5 0 1 2 5 0
5 0 2 4 5 2
7. 0 0 2 9 0
7, 0 2 4 9 4
8, 9 1 4 1 6
1 8, 0 3 6 3 表一 5によれば、 例えば、 材齢 1. 0 2 日の圧縮強度は 3 8. 3 k g f / c m 2であり 材齢 1. 7 7 日の供試体 1の圧縮強度は 1 0 1 k g f / c m 2であり 材齢 3. 0 3日の供試体 1の圧縮強度は 1 7 0 k g f / c m 2であり 材齢 5. 0 1 日の供試体 1の圧縮強度は 2 5 0 k g f / c m 2であり 材齢 7. 0 0日の供試体 1の圧縮強度は 2 9 0 k g f / c m 2である とから、 少なく とも材齢 7. 0 0日までの供試体 1 の圧縮強度は、 材齢 (曰) の増加に従って増加しており、 材齢 3. 0日 の供試体 1の圧縮強度は 1 0 0 k g f / c m2以上であることがわかる。
また、 例えば、 材齢 1. 8 0日の供試体 1の膨張量は 1 2 2 mであ り、 材齢 3. 0 4日の供試体 1の膨張量は 2 8 5 mであり、 材齢 5. 0 2日の供試体 1の膨張量は 4 5 2〃mであり、 材齢 7. 0 2日の供試 体 1の膨張量は 4 9 4 zmであり、 材齢 8. 9 1 日の供試体 1の膨張量 は 4 1 6 zmであり、 材齢 1 8. 0日の供試体 1の膨張量は 3 6 3 / m
であることから、 材齢 7. 0 2日までの供試体 1の膨張量は材齢の増加 に従って増加しているが、それ以降の供試体 1の膨張量は減少しており、 材齢 7日の供試体 1の膨張量は 2 0 0〃m以上であることがわかる。 従って、 普通ポルトラン ドセメン トを使用し、 7日間 1 0 °Cにて水中 養生し、 以後 2 0°C (湿度 6 0 %)にて気中養生した供試体 1において、 材齢 3. 0 日の圧縮強度は 1 0 0 k g f / c m2以上であり、 かつ、 材 齢 7日の膨張量は 2 0 0 m以上となる。
(供試体 2 )
下記の表一 6に示した配合のコンク リート組成物 (供試体 2 ) を作製 した。 供試体 2は、 セメン トの種類として低熱ポルトラン ドセメン トを 用い、 養生方法として、 7 日間 1 0 °Cにて水中養生し、 以後 2 0 °C (湿 度 6 0 %)にて気中養生したものである。 また、 供試体 2の成型は、 練 り落としから 3 0分後に行われたものである。 表一 6
セメ ント WZB s/a r (kg/πι3 ) 混 剤 (Bx¾)
種類 (%) (%) B P' 5 R D AE
W C E S G
低熱 0. D 42.0 132 305 25 796 1111 2.0 0.4 0 0.002 尚、 上記組成の供試体 2のスランプ値(J I S A 1 1 0 1に準拠 して試験した場合)は、 練り込み直後で 1 4. 4 c m、 3 0分後で 4. 8 c m、 9 0分後で 3. O c mであり、 そして空気量(J I S A 1 1 2 8準拠して試験した場合)は、 練り込み直後で 9. 4 %、 3 0分後 で 3. 6 %、 9 0分後で 3. 5 %であった。
上記のようにして得られた供試体 2の特性を表一 7に示す。
表一 7
材 fit (曰) 圧縮強度 (k g f /c m2 ) 膨張量 {μτη)
0. 9 9 2 3. 1
1 8 θ 6 0. 3
1 9 0 9 6
3 0 1 8 6. 6
3 0 3 2 2 6
5 0 0 1 3 3
5 0 1 3 5 2
7 0 1 1 6 8
7 0 3 3 7 2
8 8 4 3 4 3
1 8 0 2 8 7 表一 7によれば、 例えば、 材齢 0. 9 9 日の供試体 2の圧縮強度は 2 3. 1 k g f / c m2であり、 材齢 1 . 8 9 日の供試体 2の圧縮強度は 6 0. 3 k g f / c m2であり、 材齢 3. 0 1 日の供試体 2の圧縮強度 は 8 6. 6 k g f / c m2であり、 材齢 5 . 0 0 日の供試体 2の圧縮強 度は 1 3 3 k g f / c m2であり、 材齢 7. 0 1 日の供試体 2の圧縮強 度は 1 6 8 k g f / c m2であることから、 少なく とも材齢 7. 0 0 日 までの供試体 2の圧縮強度は、 材齢 (日) の増加に従って増加しており、 材齢 3. 0 日の供試体 2の圧縮強度は 8 0 k g f / c m2以上であるこ とがわかる。
また、 例えば、 材齢 1 . 9 0日の供試体 2の膨張量は 9 6 /mであり、 材齢 3. 0 3 日の供試体 2の膨張量は 2 2 6〃mであり、 材齢 5. 0 1 日の供試体 2の膨張量は 3 5 2〃mであり、 材齢 7. 0 3日の供試体 2 の膨張量は 3 7 2 mであり、 材齢 8. 8 4 日の供試体 2の膨張量は 3
43 mであり、 材齢 1 8. 0日の供試体 2の膨張量は 2 87 mであ ることから、 材齢 7. 03日までの供試体 2の膨張量は材齢の増加に従 つて増加しているが、 それ以降の供試体 2の膨張量は減少しており、 材 齢 Ί日の供試体 2の膨張量は 200〃m以上であることがわかる。
従って、 低熱ポルトラン ドセメン トを使用し、 7日間 1 0°Cにて水中 養生し、 以後 2 0°C (湿度 60 %)にて気中養生した供試体 2において、 材齢 3. 0日の圧縮強度は 80以上であり、 かつ、 材齢 7日の膨張量は 2 00 m以上となる。
(供試体 3 )
下記の表— 8に示した配合のコンクリート組成物 (供試体 3) を作製 した。 供試体 3は、 セメン 卜の種類として普通ポルトラン ドセメン トを 用い、 養生方法として、 7日間 2 0 °Cにて水中養生し、 以後 20 °C (湿 度 6 0 %)にて気中養生したものである。 また、 供試体 3の成型は、 練 り落としから 30分後に行われたものである。
表一 8
セメント WZB s/a L& (kg m3 ) 混 ¾1剂 (Bx¾)
種類 (%) (%) B P' 5 R D AE
W C E S G
普通 40.0 42.0 13229535794 11092.0 0.3 0.4 0.003 尚、 上記組成の供試体 3のスランプ値( J I S A 1 1 0 1に準拠 して試験した場合)は、 練り込み直後で 1 3. 3 c m、 30分後で 4. 8 cm、 9 0分後で 2. 5 cmであり、 そして空気量(J I S A 1 1 2 8準拠して試験した場合)は、 練り込み直後で 8. 0 %、 30分後 で 4. 3%、 9 0分後で 4. 0 %であった。
上記のようにして得られた供試体 3の特性を表一 9に示す。
表一 9
rn (曰) 圧縮強度 (k g f c m3 ) 膨張量 i m)
1. 0 7 1 0 0
1 0 8 8 0. 1
2 0 5 1 8 4
2 0 6 3 0 0
3 0 0 2 5 6
3 0 1 3 9 1
5 0 6 4 3 2
7 2 7 3 8 7
7 3 5 4 3 7
1 0 4 4 0 1
1 3 1 3 7 4
1 δ 0 3 5 5
2 8 2 5 0 表— 9によれば、 例えば、 材齢 1. 0 8日の供試体 3の圧縮強度は 8 0. 1 k g f / c m2であり、 材齢 2. 0 5 日の供試体 3の圧縮強度は 1 8 4 k g f /c m2であり、 材齢 3. 0 0日の供試体 3の圧縮強度は 2 5 6 k g f / c m2であり、 材齢 7. 2 7日の供試体 3の圧縮強度は 3 8 7 k g f /c m2であり、 材齢 2 8. 2 日の供試体 3の圧縮強度は 5 0 7 k g f /c m2であることから、 少なく とも材齢 2 8. 2 日まで の供試体 3の圧縮強度は、 材齢 (日) の増加に従って増加しており、 材 齢 3. 0日の供試体 3の圧縮強度は 1 0 O k g f /c m2以上であるこ とがわかる。
また、 例えば、 材齢 1. 0 7日の供試体 3の膨張量は 1 0 0 /mであ り、 材齢 2. 0 6日の供試体 3の膨張量は 3 0 0 zmであり、 材齢 3. 0 1 日の供試体 3の膨張量は 3 9 1〃mであり、 材齢 5. 0 6日の供試 体 3の膨張量は 43 2 zmであり、 材齢 7. 3 5 日の供試体 3の膨張量
は 4 3 7 zmであり、 材齢 1 0. 4日の供試体 3の膨張量は 4 0 1〃m であり、 材齢 1 3. 1 日の供試体 3の膨張量は 3 74 mであり、 材齢 1 8. 0日の供試体 3の膨張量は 3 5 5 zmであることから、 材齢 7. 3 5日までの供試体 3の膨張量は材齢の増加に従って増加しているが、 それ以降の供試体 3の膨張量は減少しており、 材齢 7日の供試体 3の膨 張量は 2 0 0 //m以上であることがわかる。
従って、 普通ポルトラン ドセメン トを使用し、 7日間 2 0 °Cにて水中 養生し、 以後 2 0 °C (湿度 6 0 %)にて気中養生した供試体 3において、 材齢 3. 0 日の圧縮強度は 1 0 0 k g f / c m2以上であり、 かつ、 材 齢 7日の膨張量は 2 0 0 zm以上となる。
(供試体 4 )
下記の表— 1 0に示した配合のコンク リート組成物 (供試体 4 ) を作 製した。 供試体 4は、 セメン 卜の種類として低熱ポルトラン ドセメン ト を用い、 養生方法として、 7日間 2 0°Cにて水中養生し、 以後 2 0°C (湿 度 6 0 %)にて気中養生したものである。 また、 供試体 4の成型は、 練 り落としから 3 0分後に行われたものである。 表一 1 0
セメント W/B sZa mm ί ) (B X%)
種類 (%) (%) Β Ρ 5 R D ΑΕ
W C Ε S G
低熱 40.0 42.0 132 305 25 796 1111 2.0 0.35 0 0.003 尚、 上記組成の供試体 4のスランプ値(J I S A 1 1 0 1に準拠 して試験した場合)は、 練り込み直後で 1 3. 5 c m, 3 0分後で 4. 3 c m、 9 0分後で 2. 6 c mであり、 そして空気量(J I S A 1 1 2 8準拠して試験した場合)は、 練り込み直後で 1 0. 0 %、 3 0分 後で 3. 7 %、 9 0分後で 3. 3 %であった。
上記のようにして得られた供試体 4の特性を表— 1 1に示す, 表— 1 1
(曰) 圧縮強度 (k g ί Zcma ) 膨張量 ( m)
1. 0 3 6 5. 8
1 0 7 8 5
1 9 9 1 0 1
2 0 0 2 8 9
2 9 8 1 2 2
3 0 1 4 0 3
4 9 1 4 5 6
7 1 3 2 1 3
7 2 1 4 5 6
1 0. 3 4 2 9
1 2 , 9 4 1 7
1 7 , 9 3 9 1
2 7. 9 3 6 9
2 8. 1 3 5 4 表一 1 1によれば、 例えば、 材齢 1. 0 3日の供試体 4の圧縮強度は 6 5. 8 k g f /c m2であり、 材齢 1. 9 9 日の供試体 4の圧縮強度 は 1 0 1 k g f /c m2であり、 材齢 2. 9 8日の供試体 4の圧縮強度 は 1 2 2 k g f /c m2であり、 材齢 7. 1 3日の供試体 4の圧縮強度 は 2 1 3 k g f /c m2であり、 材齢 2 8. 1 日の供試体 4の圧縮強度 は 3 5 4 k g f /c m2であることから、 少なく とも材齢 2 8. 2日ま での供試体 4の圧縮強度は、 材齢 (日) の増加に従って増加しており、 材齢 3. 0日の供試体 4の圧縮強度は 1 0 0 k g f /c m2以上である ことがわかる。
また、 例えば、 材齢 1. 0 7日の供試体 4の膨張量は 8 5〃mであり、 材齢 2. 0 0日の供試体 4の膨張量は 2 8 9 zmであり、 材齢 3. 0 1
日の供試体 4の膨張量は 4 0 3 / mであり、 材齢 4. 9 1 日の供試体 4 の膨張量は 4 5 6 /mであり、 材齢 7. 2 1 日の供試体 4の膨張量は 4 5 6 zmであり、 材齢 1 0. 3日の供試体 4の膨張量は 4 2 9 mであ り、 材齢 1 2. 9日の供試体 4の膨張量は 4 1 7〃mであり、 材齢 1 7. 9日の供試体 4の膨張量は 3 9 1〃mであり、 材齢 2 7. 9 日の供試体 4の膨張量は 3 6 9 zmでありることから、 材齢 4. 9 1 曰までの供試 体 4の膨張量は材齢の増加に従って増加しているが、 材齢 7. 2 1日以 降の供試体 4の膨張量は減少しており、 材齢 4. 9 1 日と材齢 7. 2 1 日の間に供試体 4の膨張量のピーク値が有り、 材齢 7日の供試体 4の膨 張量は 2 0 0 以上であることがわかる。
従って、 低熱ポルトラン ドセメン トを使用し、 7日間 2 0 °Cにて水中 養生し、 以後 20 °C (湿度 6 0 %)にて気中養生した供試体 4において、 材齢 3. 0日の圧縮強度は l O O k g f /c m2以上であり、 かつ、 材 齢 7日の膨張量は 2 0 0 m以上となる。
(供試体 5 )
下記の表一 1 2に示した配合のコンク リ一ト組成物 (供試体 5 ) を作 製した。 供試体 5は、 セメン 卜の種類として低熱ポルトラン ドセメン ト を用い、 養生方法として、 7日間 3 5 °Cにて水中養生し、 以後 2 0°C (湿 度 6 0 %)にて気中養生したものである。 また、 供試体 5の成型は、 練 り落としから 3 0分後に行われたものである。 表一 1 2
セメント w/B s,a . (kgノ^ ) m (Βχ%)
種類 (%) {%) Β Ρ 5 R D ΛΕ
W C Ε S G
低热 40.0 42.0 132 305 25 736 1111 2.0 0.68 0 0.004 尚、 上記組成の供試体 5のスランプ値( J I S A 1 1 0 1に準拠
して試験した場合)は、 練り込み直後で 1 5. 5 cm, 30分後で 5. 5 cm、 9 0分後で 3. 0 cmであり、 そして空気量(J I S A 1 1 2 8準拠して試験した場合)は、 練り込み直後で 8. 5 %、 30分後 で 3. 7 %、 90分後で 3. 4%であった。
上記のようにして得られた供試体 5の特性を表一 1 3に示す。 表— 1 3
材*¾ (曰〉 (k g f /cm2 ) 膨張量 (A*m)
0. 9 9 1 0 7
1 0 0 1 2 5
1 9 0 2 0 3
1 9 2 1 8 2
3 2 2 2 2 9
3 2 4 2 0 9
4, 8 8 2 3 1
7. 2 1 3 1 5
7 2 8 2 2 4
1 0 3 1 7 7
1 3 2 1 7 0
2 0 3 1 7 4
2 5 1 5 1 0
25 2 1 6 8 表— 1 3によれば、 例えば、 材齢 0. 9 9日の供試体 5の圧縮強度は 1 07 kg f /cm2であり、 材齢 1. 9 2日の供試体 5の圧縮強度は 1 8 2 kg f /cm2であり、 材齢 3. 2 2日の供試体 5の圧縮強度は 22 9 k g f / c m2であり、 材齢 7. 2 1日の供試体 5の圧縮強度は 3 1 5 kg f /cm2であり、 材齢 2 5. 1日の供試体 5の圧縮強度は 5 1 0 kg f /cm2であることから、 少なく とも材齢 2 5. 1日まで の供試体 5の圧縮強度は、 材齢 (日) の増加に従って増加しており、 材
齢 3. 0日の供試体 5の圧縮強度は 1 0 0 k g f / c m2以上であるこ とがわかる。
また、 例えば、 材齢 1. 0 0日の供試体 5の膨張量は 1 2 5 zmであ り、 材齢 1. 9 0日の供試体 5の膨張量は 2 0 3 mであり、 材齢 3. 2 4日の供試体 5の膨張量は 2 0 9 zmであり、 材齢 4. 8 8日の供試 体 5の膨張量は 2 3 1 zmであり、 材齢 7. 2 8日の供試体 5の膨張量 は 2 2 4 /mであり、 材齢 1 0. 3日の供試体 5の膨張量は 1 7 7 / m であり、 材齢 1 3. 2日の供試体 5の膨張量は 1 7 0〃 mであり、 材齢 2 0. 3日の供試体 5の膨張量は 1 74〃mであり、 材齢 2 5. 2日の 供試体 5の膨張量は 1 6 8 mでありることから、 材齢 4. 8 8日まで の供試体 5の膨張量は材齢の増加に従って増加しているが、 材齢 7. 2 8日以降の供試体 5の膨張量は減少しており、 材齢 4. 8 8日と材齢 7. 2 8日の間に供試体 5の膨張量のビーク値が有り、 材齢 7日の供試体 5 の膨張量は 2 0 0〃m以上であることがわかる。
従って、 低熱ポルトラン ドセメン トを使用し、 7日間 3 5 °Cにて水中 養生し、 以後 2 0°C (湿度 6 0 %)にて気中養生した供試体 5において、 材齢 3. 0 日の圧縮強度が 1 0 0 k g f / c m2以上であり、 かつ、 材 齢 7日の膨張量が 2 0 0 /m以上となる。
以上のように各供試体を試験した結果から、 本発明のオーバーレイエ 法用コンク リ一ト組成物には、 収縮低減剤としては、 セメン ト 1 0 0重 量部に対して 1〜 3重量部、 特に 1〜 2. 5重量部、 更には 1〜 2重量 部使用することが好ましく、 また、 本発明のオーバーレイ工法用コンク リー ト組成物に用いる膨張剤の使用量は、 2 0〜 4 0 k g /m 3、 特に 2 5〜 3 5 k g/m3が好ましい。 また、 本発明のオーバーレイ工法用 コンクリート組成物に用いる高性能 A E減水剤の使用量は、 セメン ト 1 0 0重量部に対して 0. 3〜 1重量部、 特に 0. 4〜 0. 8重量部が好
cSU ましい。 また、 本発明のオーバーレイ工法用コンク リート組成物に用い る AE剤の使用量は、 セメン ト 100重量部に対して 0. 00 1〜0. 0 1 5重量部、 特に 0. 002〜0. 0 1 2重量部が好ましい。 また、 本発明のオーバ一レイエ法用コンクリ一 ト組成物に用いる遅廷剤の使用 量は、 普通ポルトラン ドセメン ト 1 00重量部に対して 0. 2〜0. 5 重量部、 特に 0. 2 5〜 0. 45重量部、 更には 0 · 3〜 0 · 4重量部 が好ましい。
また、 本発明のオーバーレイ工法用コンク リート組成物は、 練り込み 90分後のスランプ値が 1〜 5 c m、 特に 2 ~ 4 c m ( J I S A 1 1 0 1に準拠して試験した場合) であり、 かつ、 空気量が 2. 5〜6. 5 %、 特に 3〜 6 % ( J I S A 1 1 28に準拠して試験した場合) のものが好ましい。 これは、 スランプ値が 1 c m未満の場合、 流動性が 悪く、 表面における凹凸面への回り込み性が悪く、 それだけ結合一体性 が低下し、 逆に、 スランプ値が 5 cmを越えた場合、 柔らかすぎて傾斜 面に施工する際にダレを生じるものとなり、 また、 空気量が 2. 5 %未 満の場合、 耐凍結融解性が悪く、 ひび割れの原因となり、 逆に、 空気量 が 6. 5%を越えた場合、 表面における凹凸面との接触面積が減り、 そ れだけ結合一体性が低下するからである。 すなわち、 練り込み 90分後 のスランプ値が 1〜5 cm、 特に 2〜4 c mであり、 かつ、 空気量が 2. 5 ~ 6. 5 %、 特に 3〜 6 %のものであると、 既存の舗装層と新たな表 面層との間の結合力が一層強くなり、 また、 ひび割れが起き難く、 更に は施工性も良いからである。
また、 本発明の上記オーバ—レイエ法用コンク リート組成物を硬化さ せてなる硬化体は、 所定値以上の圧縮強度と膨張量とを同時に満たして いる。 具体的には、 材齢 3日の硬化体の圧縮強度が 80 k g f /cm2 以上 ( J I S A 1 1 08に準拠して試験した場合) を満たすと同時
O丄 に、 材齢 7日の膨張量が 2 00〃m以上 (J I S A 62 02に準拠 して試験した場合) という所定値を満たしている。 特に硬化させる際に 水中養生を摂氏 20度以上にて行った場合には、 材齢 3日の硬化体の圧 縮強度が 1 00 kg f /cm2以上 (J I S A 1 1 08に準拠して 試験した場合) を満たすと同時に、 材齢 7日の硬化体の膨張量が 200 〃m以上 ( J I S A 6 202に準拠して試験した場合) という所定 値を満たしている。
本発明のオーバーレイ工法用コンク リート組成物の硬化体は、 材齢 3 日の圧縮強度は 8 O k g f /cm2以上であり、 特に硬化させる際に水 中養生を摂氏 20度以上にて行った場合の本発明のオーバーレイエ法用 コンク リート組成物の硬化体は、 材齢 3日の圧縮強度が 1 0 0 k g f / cm2以上となる。 具体的には、 硬化させる際に水中養生を摂氏 2 0度 以上にて行った場合の本発明の硬化体における材齢 3日の圧縮強度は、 1 00〜400 kg f /cm2(J I S A 1 1 0 8に準拠して試験し た場合)である。 また、 材齢 7日の本発明の硬化体の膨張量は 200 m以上、 具体的には、 2 0 0〜 5 00 zm(J I S A 6 2 02に準 拠して試験した場合)である。
上記のように本発明のオーバ一レイエ法用コンク リ一ト組成物、 およ びその硬化体を用いることにより、 既存の舗装層と新たな表面層との間 の結合力に富み、 剥離が起き難く、 かつ、 既存の舗装層上に設けられた 新たな表面層にひび割れが起き難く、 また、 磨耗も起き難い表面層を形 成することができる。
尚、 上記のように供試体の試験結果により本発明の説明を行ったが、 本発明はこれらの供試体の組成に限定されるものではない。