明 細 書
ベンゾキノ リジン誘導体及び医薬組成物
技 術 分 野
本発明は、 新規なベンゾキノリジン誘導体及びその薬学的に許容 される塩に関する。
本発明化合物は、 消化管運動調節作用を有し、 過敏性腸症候群の 治療に有用である。
背 景 技 術
過敏性腸症候群 (Irr i table Bowel Syndrome: I B S ) は慢性の 便通異常 (便秘、 下痢、 交替型) を呈し腹痛を主とする、 腹部膨満 感、 腹部不快感、 腹鳴など種々の腹部症状を伴う機能的腸疾患であ り、 病態生理学的には腸管の運動異常と考えられている。 その薬物 療法には消化管運動を抑制する抗コリン剤、 消化管運動調節作用を 有する トリメブチン (tr imebut ine) 等が臨床で使用されているが、 より効果の高い新規な治療剤の開発が望まれていた。
特開昭 62-67031号公報 (対応する米国特許第 4, 673, 680号公報) には、 ペンゾキノ リジン誘導体等が胃腸ぜん動調節作用を有してお り過敏性大腸症候群等の治療に有用である旨が記載されている。 し かしながら、 後記する試験例に示すように、 その化合物のうち本発 明化合物に類似している ものには胃腸ぜん動調節作用は見られない ので、 過敏性腸症候群の治療には適用できないと考えられる。
また、 米国特許第 4, 076, 820号公報には、 次の式 〔2 a〕
(2a]
〔式中、 尺 1 1、 R 1 2は同一又は異なって水素、 低級アルキル、 低級アルコキシ又はハロゲンを表す。 R 1 3は水素、 低級アルキル 又はァリールを表す。 R 1 4は— S 02 R 1 5、 一 C ONH 2¾は 一 C XNHR 1 6を表す。 R 1 5は低級アルキル又はァリールを表 し、 Xは酸素又は硫黄を表し、 R 1 6はァリール又はァリール ル ボニルを表す。 〕
で表されるペンゾキノリジン誘導体が記載されている。
後記の式 〔 1〕 で表される本発明化合物の中で、 R 1がアルコキ シであり、 R 2が水素又はアルコキシであり、 R 3が無置換アルキ ルであり、 R 4が①無置換アルキル又は②アルキル、 ハロゲン、 ァ ルコキシ、 ァミノ、 モノアルキルアミノ若しく はジアルキルァミノ で置換されていてもよいフエニルである化合物は、 前記の米国特許 第 4,076,820号公報に記載された特許請求の範囲に含まれるが、 前 記米国特許第 4,076,820号公報にはこれらの化合物は具体的に開示 されていない。
また、 前記米国特許第 4, 076,820.号公報には式 〔2 a) で表され る化合物が降圧作用を有する旨が記載されているが、 その化合物が 消化管運動調節作用を有し、 過敏性腸症候群の治療に有用である旨 の記載はない。
さらに、 米国特許第 4, 481,200号公報には、 次の式 〔2 b〕
〔式中、 R 2 1、 R 2 2は同一又は異なって水素、 低极アルキル、 低級アルコキシ又はハロゲンを表す。 R 2 3はメチル又はェチルを 表す。 Aは S原子と N原子間の結合又は炭素数 1〜 3のアルキレン を表す。 R 2 4、 R 2 5はそれぞれ独立して水素、 低极アルキル、 ァリール又はァリール (低級) アルキルを表す。
又は、 R 2 4、 R 2 5は隣接する Nと一緒になつて、 5員又は 6員 のへテロ環を表す。 〕
で表されるペンゾキノ リジン誘導体が記載されている。
後記の式 〔 1〕 で表される本発明化合物の中で、 R 1がアルコキ シであり、 R 2が水素又はアルコキシであり、 R 3が無置換アルキ ルであり、 R 4が— N R 5 R oであり、 R 5、 R 6は同一又は異な つてアルキルを表すか、 又は、 R 5、 R 6は隣接する Nと一緒にな つて、 5員又は 6員の環状アミノを表す化合物は、 前記の米国特許 第 4,481,200号公報に記載された特許請求の範囲に含まれるが、 前 記米国特許第 4,481,200号公報にはこれらの化合物は具体的に開示 されていない。
また、 前記米国特許第 4,481,200号公報には式 〔2 b〕 で表され る化合物が抗うつ作用、 糖尿病治療作用及び血小板凝集抑制作用を
有する旨が記載されているが、 その化合物が消化管運動調節作用を 有し、 過敏性腸症候群の治療に有用である旨の記載はない。
発 明 の 開 示
本発明の目的は、 優れた消化管の運動調節作用を有し、 過敏性腸 症候群治療剤として有用である化合物を提供することにある。
R3" SO2 - R4
〔1〕
〔式中、 R 1 はヒ ドロキシ又はアルコキシを表す。
R 2は水素、 ヒ ドロキシ又はアルコキシを表す。
R はアルキルを表す。 かかるアルキルはヒ ドロキシ、 アルコキ シ、 ァミ ノ、 モノアルキルアミ ノ又はジアルキルァミ ノで置換され ていてもよい。
R 4はアルキル (かかるアルキルはヒ ドロキシ又はアルコキシで 置換されていてもよい。 ) 、 ァリール (かかるァリールはアルキル、 ハロゲン、 ヒ ドロキシ、 アルコキシ、 ァミ ノ、 モノアルキルアミノ 又はジアルキルァミノで置換されていてもよい。 ) 又は一 N R 5 R o を表す。 R 5、 R 6は同一又は異なってアルキルを表す。
又は、 R 5、 R 6は瞵接する Nと一緒になつて、 5員又は 6員の現 状ァミノを表す。 〕
で表されるベンゾキノリジン誘導体及びその薬学的に許容される塩
が上記目的を達成することを見出して本発明を完成した。
本発明化合物は文献未記載の新規化合物である。 本発明化合物は 優れた消化管運動調節作用を有し、 過敏性腸症候群の治療に適用で きる。 このことが本発明の特徴の一つである。
本発明は、 本発明化合物が特異的に有する薬理作用を発現するこ とを本発明者らが見出したことによつて初めて完成されたものである。 以下に本発明を詳述する。
本発明におけるアルキル又はモノアルキルアミノ若しくはジアル キルァミノにおけるアルキルと しては、 直鎖状又は分枝鎖状の屎:素 数 1〜 7のアルキル、 例えば、 メチル、 ェチル、 n-プロピル、 イソ ブロピル、 n-プチル、 イソプチル、 sec-ブチル、 tert-ブチル、 n-ぺ ンチル、 イソペンチル、 tert-ペンチル、 n-へキシル、 イソへキシル、 n-ヘプチル、 イソへブチルが挙げられる。
アルコキシとしては、 直鎖状又は分枝鎖状の炭素数 1〜 7のアル コキシ、 例えば、 メ トキシ、 エトキシ、 n-プロボキシ、 イソブロポ キシ、 n-ブトキシ、 イソブトキシ、 sec-ブトキシ、 tert-ブトキシ、 n-ペンチルォキシ、 イソペンチルォキシ、 tert-ペンチルォキシ、 n- へキシルォキシ、 イソへキシルォキシ、 n-へブチルォキシ、 イソへ ブチルォキシが挙げられる。
ァリールと しては、 炭素数 6〜10のァリール、 例えば、 フヱニル、 1一ナフチル、 2—ナフチルが挙げられる。
ハロゲンと しては、 フッ素、 塩素、 臭素又はヨウ素が挙げられる。 モノアルキルアミノ又はジアルキルァミノのアルキルと しては、 前記のアルキルが挙げられる。
5員又は 6員の環状アミノとしては、 環構成原子としてさらに窒 素原子、 酸素原子又は硫黄原子を 1個含んでいてもよく、 例えば、 ピロリ ジノ、 ピペリジノ、 モルホリ ノ、 チオモルホリ ノ、 ピペラジ ノが挙げられる。
本発明化合物の中で好ましい化合物は、 2位の水素原子と 1 1 b 位の水素原子の立体的関係がシスであり、 R 1がアルコキシであり、 R 2が水素であり、 R 3が無置换アルキルであり、 R 4が①無置換 アルキル、 ②ハロゲン若しく はアルコキシで置換されていても よい ァリール又は③ジアルキルァミノである化合物である。
本発明化合物の中で特に好ましい化合物は、 2位の炭素原子にお ける立体配置が R配置であり、 1 1 b位の炭素原子における立体配 置が S配置であり、 R 1がアルコキシであり、 R 2が水素であり、 R 3が無置換アルキルであり、 R 4が①無置換アルキル、 ②ハロゲ ン若しくはアルコキシで置換されていてもよぃァリール又は③ジァ ルキルァミノである化合物である。
本発明化合物の中で好ましい化合物として、 次の化合物を挙げる ことができる。
(1) N—メチルー N— [ (2 R S, 1 1 b S R) — 9—メ トキシー 1 , 3, 4, 6 , 7, l i b—へキサヒ ドロ一 2H—ベンゾ [a] キ ノリジン一 2—ィル] メタンスルホンアミ ド
(2) N—メチル一 N— [ (2 R S, l l b S R) — 9ーメ トキシー 1, 3, 4, 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロー 2 H—ベンゾ [ a] キ ノリジン一 2—ィル] — 4—メ トキシベンゼンスルホンアミ ド
(3) N—メチル一 N— [ (2 R S, l l b SR) — 9ーメ トキシ一
1 , 3 , 4, 6, 7, l i b—へキサヒ ドロー 2 H—べンゾ [a] キ ノ リジン一 2—ィル] ベンゼンスルホンアミ ド
(4) N—メチルー N— [ (2 R S, 1 1 b S R) — 9ーメ トキシー 1, 3, 4, 6, 7, l i b—へキサヒ ドロー 2H—ベンゾ [a] キ ノリジン一 2—ィル] — 4—フルォロベンゼンスルホンアミ ド
(5) N—メチルー N— [ (2 R S, 1 1 b S R) — 9ーメ トキシー 1, 3, 4, 6 , 7 , l i b—へキサヒ ドロ一 2H—ペンゾ [a] キ ノリジン一 2—ィル] — 2 , 5—ジメ トキシベンゼンスルホンアミ ド
(6) N, N—ジメチル一 N, 一 [ (2 R S, l l b SR) — 9一 メ トキシー 1 , 3, 4, 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロー 2 H—ベン ゾ [ a] キノリジン一 2—ィル] 一 N, 一メチルスルフアミ ド
(7) N—メチルー N— [ (2 R S, 1 1 b S R) — 9ーメ トキシー 1, 3, 4, 6, 7, l i b—へキサヒ ドロ一 2H—ベンゾ [a] キ ノリジン一 2—ィル] エタンスルホンアミ ド
(8) N—ェチルー N— [ (2 R S, 1 1 b S R) — 9—メ トキシー 1 , 3, 4, 6, 7, l i b—へキサヒ ドロー 2 H—べンゾ [a] キ ノリジン一 2—ィル] メタンスルホンアミ ド
本発明化合物 〔 1〕 は、 例えば以下に示す方法によ り製造するこ とができる。
〔3〕
〔式中、 R R 2、 R 3及び R 4は前記と同義である。 〕 化合物 〔3〕 と化合物 〔4〕 を反応させることによ り本発明化合 物 〔 1〕 を製造することができる。
本反応は、 通常、 適当な溶媒 (例えば、 ァセ トニ ト リル、 Ν, Ν-ジ メチルホルムアミ ド (D M F ) などの極性溶媒、 テ ト ラ ヒ ドロフラ ン (T H F ) 、 ジェチルエーテルなどのエーテル系溶媒、 クロロホ ルム、 塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、 酢酸メチル、 酢酸ェチルなどのエステル系溶媒、 ベンゼン、 トルエン、 η-へキサ ンなどの炭化水素系溶媒など又はこれらの混合溶媒) 中、 塩基 (例 えば、 炭酸力リウム、 炭酸ナトリウム、 炭酸水素ナト リウムなどの 無機塩基、 ピリジン、 4ージメチルァミノピリジン、 トリェチルァ ミンなどの有機塩基など) の存在下に、 通常- 20〜150 でで行うこと ができる。 反応時間は、 化合物 〔3〕 及び 〔4〕 の種類、 反応温度 によって異なるが、 通常、 30 分〜 100 時間が適当である。 化合物 〔 4〕 の使用量は化合物 〔3〕 に対して 1〜2. 0 倍モル量が好ま し い 0
前記の本発明化合物の製造において、 原料が反応させたくない置 換基 (例えば、 ヒ ドロキシなど) を有する場合には、 原料をあらか じめ公知の方法により、 保護基 (ヒ ドロキシの場合、 例えばメチル、 メ トキシメチル、 ベンジル、 ァセチル、 tert-ブトキシカルボニル) で保護した後に反応に用いるのが一股的である。 反応後に、 接触還 元、 アルカリ処理、 酸処理、 三ハロゲン化ホウ素との反応に続く酸 処理などの公知の方法により保護基を脱離することができる。
例えば、 R
1がヒ ドロキシである本発明化合物 〔 1 a〕 は、 以下
に示す方法によ り製造することができる。
R3 、S02- R4 R3 S02-R4
〔5〕 〔la〕
〔式中、 R 2、 R 3及び R 4は前記と同義である。 R 7はアルキ ルを表す。 〕
前記の本発明化合物の製造によ り得られる化合物 〔 5〕 をァリー ルェ—テルの開裂反応に付すことによ り化合物 〔 i a〕 を製造する ことができる。
例えば、 化合物 〔5〕 を塩化メチレンなどの不活性溶媒中、 0 〜室温で三ハロゲン化ホウ素 (例えば、 三臭化ホウ素、 三塩化ホウ 素、 三ヨウ化ホウ素) を徐々に滴下し、 その後 8〜 2 4時間反応さ せる。 反応終了後、 反応混合物に水あるいは希塩酸を加え、 生成し たホウ素錯体を加水分解することにより、 化合物 〔 1 a〕 を製造す ることができる。
ァリールエーテルの開裂反応は、 臭化水素、 ヨウ化水素、 トリフ ルォロ酢酸、 塩化アルミ二ゥム、 臭化アルミニウムなどを用いる方 法、 グリニャール試薬などの有機金属試薬を用いる方法又はナトリ ゥムチオラー トなどの塩基を用いる方法によっても行うことができ る 0
R 1がアルコキシである本発明化合物 〔 1 b〕 は、 以下に示す方 法によっても製造することができる。
R3z
N、so
2 - R
[1a] 〔化〕
〔式中、 R 2、 R 3及び R 4は前記と同義である。 R 8はアルキ ルを表し、 Lはハロゲンなどの脱離基を表す。 〕
前記の本発明化合物製造によ り得られた化合物 〔 l a〕 をアルキ ル化することにより化合物 〔 l b〕 を製造することができる。
例えば、 化合物 〔 1 a〕 をハロゲン化アルキル 〔6〕 と塩基 (例 えば、 ナ ト リ ウムアミ ド、 炭酸力リ ウム、 ト リェチルァミ ン、 水素 化ナ ト リ ウム、 水酸化ナ トリウムなど) の存在下に不活性溶媒 (例 えば、 N, N—ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシ ド、 ジ メ トキシェタン、 テ ト ラ ヒ ドロフラン) 中で、 0〜 100でで反応させ ることによ り化合物 〔 1 b〕 を製造することができる。
本反応において原料と して用いる化合物 〔3〕 、 化合物 〔4〕 及 ぴ化合物 〔6〕 は公知化合物であるか、 又は公知の方法に準じて参 考例に示したようにして製造することができる。
本発明化合物は、 2位及び 1 1 b位が不斉炭素であるため 4個の 光学活性体が存在する。 その光学活性体は、 (2 R, l l b R) 体、
(2 S, l l b S) 体、 (2R, l l b S) 体及び (2 S, 1 1 b R) 体である。 (2 R, 1 1 5) 体及び (25, l l b R) 体は 2位 の水素原子と 1 1 b位の水素原子の立体的閱係がシスであり、
( 2 R, 1 1 b R) 体及び ( 2 S, 1 1 b S) 体はその関係がトラ
ンスである。 各光学活性体及びそれらの混合物も本発明に含まれる。 シス体又は トランス体はそれらの混合物よ り通常の力ラムクロマ トグラフィ一を使用して得ることができる。
各光学活性体は、 混合物より光学活性体分雜用カラム (例えば、 ダイセル社製 CH I R ALCEL OD、 CH I RALCEL OF 等) を用いた液体ク口マトグラフィーを使用して得ることができる。 あるいは、 各光学活性体は、 光学活性な化合物 〔3〕 を原料と して 用いることによ り得ることができる。
本発明化合物は、 公知の方法によ り薬学的に許容される塩を形成 させることができる。 塩としては、 塩酸、 臭化水素酸、 硫酸、 燐酸 などの鉱酸の塩、 酢酸、 クェン酸、 酒石酸、 マレイン酸、 コハク酸、 フマル酸、 p — トルエンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 メタン スルホン酸などの有機酸の塩を挙げることができる。 例えば、 塩酸 塩は、 本発明化合物を塩化水素のアルコール系溶液に溶解すること により得ることができる。
本発明化合物又はその塩は、 前記の反応混合物から通常の分雜精 製手段、 例えば、 抽出、 濃縮、 中和、 據過、 再結晶、 カラムクロマ トグラフィ一、 薄層ク口マトグラフィ一などの手段を用いることに より単雜精製される。
後に示すように、 本発明化合物の毒性は高くない。
本発明化合物を医薬と して投与する場合、 本発明化合物は、 その まま又は医薬的に許容される無毒性かつ不活性の担体中に、 例えば 0.1〜99.5%、 好ま しくは 0.5〜90%含有する医薬組成物と して、 人 を含む動物に投与される。
担体と しては、 固形、 半固形又は液状の希釈剤、 充填剤及びその 他の処方用の助剤一種以上が用いられる。 医薬組成物は、 投与単位 形態で投与することが望ましい。 本発明医薬組成物は、 静脈内投与、 経口投与、 組織内投与、 局所投与 (経皮投与等) 又は経直腸的に投 与することができる。 これらの投与方法に適した剤型で投与される のはもちろんである。 経口投与が特に好ましい。
過敏性腸症候群治療用医薬組成物と しての用 sは、 年齢、 体重等 の患者の状態、 投与経路、 病気の性質と程度等を考慮した上で設定 することが望ま しい。 通常は、 成人に対して本発明化合物の有効成 分量と しては、 1日あたり、 0.3〜300mg Zヒ トの範囲、 好ましくは 3〜30 mgZヒ トの範囲が一般的である。
場合によっては、 これ以下で足りるし、 また逆にこれ以上の用量 を必要とすることもある。 また 1 日 2〜 3回に分割して投与するこ ともできる。
本究明を実施するための最良の形態 以下に本発明化合物に係る参考例、 実施例、 試験例及び製剤例を 掲げて本発明を更に詳しく説明する。
参考例 1
N— (9ーメ トキシ一 1 ,_3,— 4, _6, _7, _1 l b—へキサヒ ドロ一 2 H—ベンゾ 「al キノ リジン一 2—ィル) 一N—メチルァミ ン 工程 1
N— _(3—メ トキシフエネチル) ホルムアミ ド
3 -メ トキシフエネチルアミ ン 100g のギ酸ェチル 200ml 溶液を 5時間加熱還流した。 反応液を減圧下濃縮し、 残さをシリカゲル力
ラムク ロマ トグラフィ ー (10%メタノール一クロ口ホルム〉 で精製 し、 目的物を 115g 得た。
工程 2
6—メ トキシー 3 , _4—ジヒ ドロイソキノ リ ン
N— (3—メ トキシフエネチル) ホルムアミ ド 20. Og を 145 に 加熱したポリ リン酸 80g に加えた。 3 時間 145 で加熱攪拌後、 反 応混合物を水中に注ぎ、 2N-Na0Hでアルカリ性にした。 水溶液をク ロロホルムで 3回抽出し、 硫酸マグネシウムで乾燥した後、 攄過し、 港縮した。 残さをシリ カゲルカラムクロマ トグラフィー (5%メタノ 一ルークロロホルム) で精製し、 目的物を 15.0g 得た。
工程 3
9ーメ トキシ一 1, 3,_4 ,_6, _7, _1 1 b—へキサヒ ドロ一 2 H— ベンゾ a ] キノ リジン一-2 —オン
6—メ トキシー 3 , 4—ジヒ ドロイソキノ リ ン 25. Og のメチルビ 二ルケ ト ン 50ml 溶液を 3時間加熱還流した。 反応液を減圧下浚縮 し、 残さをシリ カゲルカラムクロマ トグラフィー (5%メタノール一 クロ口ホルム) で精製し、 目的物を 13.0g得た。
工程 4
N— (9—メ トキシー 1 , 3, 4 , _6 , _7 , l i b—へキサヒ ドロー. 2 H—べンゾ [ a ] _キノ リジン一 2—ィル) _— N—メチルァミ ン
9 -メ トキシ一 1 , 3, 4 , 6, 7, l i b—へキサヒ ドロー 2 H—べンゾ [ a ] キノ リ ジン一 2—オン 10. Og のメ タノール溶液 200ml に氷冷攪拌下、 40¾メチルァミ ン一メ タノール溶液 20ral を加 えた。 続いて、 水素化シァノホウ素ナ ト リゥム 5.0g 、 酢酸 20ml
を加え、 4時間室温で攪拌した。 反応液を減圧下攙縮し、 水を加え、 続いて 2N-Na0H を加えてアルカリ性にした後、 クロ口ホルムで 3回 抽出し、 硫酸マグネシウムで乾燥、 據過、 濃縮した。 残さをシリ カ ゲルカラムク ロマ トグラフィー (クロ口ホルム : メ タノール : アン モニァ水- 1 00 : 10 : 1 ) で精製し、 目的物を 8.2g得た。
得られた化合物は、 2位の水素原子と 1 1 b位の水素原子の立体 的関係がシス及びトランスの混合物である。
参考例 1と间様にして以下の化合物を製造した。
N— (9—メ トキシー 1 , 3, 4, 6 , 7, l i b—へキサヒ ド ロー 2 H—ベンゾ [a] キノ リジン一 2—ィル) ァミ ン
N— (9—メ トキシー 1 , 3, 4 , 6 , 7, l i b—へキサヒ ド ロー 2 H—ベンゾ [a] キノ リジン一 2—ィル) 一 N— (2—メ ト キシェチル) ァミ ン
N— (9—メ トキシ一 1 , 3 , 4 , 6 , 7, l i b—へキサヒ ド ロー 2 H—ベンゾ [a] キノ リジン一 2—ィル) 一 N—イソプロピ ルァミ ン
N— (9—メ トキシー 1 , 3, 4, 6, 7, l i b—へキサヒ ド ロー 2H-ベンゾ [a] キノリジン一 2—ィル) 一 N—ェチルァミン 参考例 2
N- [ ( 2 R, l l b S) — 9—メ トキシ一 1, 3, 4, 6 , 7,
1 1 b へキサヒ ドロー 2 H—べンゾ [ a ] キノ リ ジン一 2—ィ ル] ― Nーメチルァミ ン
工程 1
1 1 b S一 9—メ トキシー 1 , 3 , 4 , 6, 7 , 1 1 b—へキサヒ
ドロー 2 H—ベンゾ [ a ] キノ リジン一 2—オン
参考例 1の工程 3で得た 9ーメ トキシ— 1, 3, 4, 6, 7, l i b—へキサヒ ドロー 2 H—ベンゾ [a] キノ リジン一 2—オン 5.0gの酢酸ェチル 135ml溶液と (一) —ジ— p—トルオイル—
L—酒石酸 8.35g の酢酸ェチル 135ml溶液を混合し、 50 で 5時 閬攪拌した後、 さらに室温で 2時間攪拌した。 生成した酒石酸塩の 微細沈殿結晶を滤取し、 得られた結晶に水を加え、 続いて 2N-Na0H を加えてアルカリ性にした。 この溶液をクロロホルムで 3回抽出し、 硫酸マグネシウムで乾燥、 漉縮した。 残さを n-へキサン Z酢酸ェチ ルよ り再結晶し、 目的物を 3.2g得た。
比旋光度 〔な〕 D 25 = -107.39· (ol.028g/dl、 CHC13)
工程 2
N- [ ( 2 R, l l b S) — 9—メ_トキシ一 1, _3, 4, 6 , 7, 1 l b—へキサヒ ドロ一 2 H—ペンゾ [ a]—キノ リ ジン一 2—ィ ル] 一 N—メチルァミ ン
工程 1で得られた 1 1 b S— 9一メ トキシ一 1, 3, 4, 6, 7, l i b—へキサヒ ドロ一 2 H—ベンゾ [a] キノ リジン一 2—オン 5.0 のベンゼン 60ml 溶液に 2M-メチルァミ ン一テ トラヒ ドロフラ ン溶液 70ral を加え、 氷冷撹拌下四塩化チタン 2.05g のベンゼン 10ml 溶液を 30分で滴下し、 続いて室温で 2時間撹拌した。 反応液 をセライ ト漶過後、 ベンゼン Zエーテル = 2 : 1の溶液で洗浄し、 據液と洗浄液を濃縮した。 残さをエタノール 100ml に溶解し、 氷冷 撹拌下、 水素化ホウ素ナトリウム 0.82g を少量ずつ加え室温で 1 6 時間撹拌した。 反応液に少量の氷を加え、 濃縮し、 水を加え、 続い
て 2N- NaOH を加えてアルカリ性にした後、 クロ口ホルムで 3回抽出 した。 抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥、 濃縮し、 ァメ状物質 ( (2 R, 1 1 b S) 体: (2 S, 1 1 b S) 体 = 9 : 1 ) を 5.3g 得た。
参考例 3
N- [ ( 2 R, 1 1 3) — 9ーメ トキシ-—1, 3 ,一 4, _6 , 7, 1 1 b—へキサヒ ドロー 2 H—べンゾ [ a〗_キノ リ ジン一 2—ィ ル] _— N—ェチルアミ ン
参考例 2の工程 1で得た 1 1 b S— 9—メ トキシー 1 , 3, 4, 6, 7, 1 1 b—へキサヒドロ一 2 H—ペンゾ [a] キノリジン一 2—オン 4.0 のメ タノール 80ml 溶液に 70%ェチルァミ ン水溶液 4ml、 酸化 白金 0.4g を加え、 2時間接触還元を行った。 反応液を據過後、 澳 縮し、 ァメ状物質 ( ( 2 R, l l b S) 体: (2 S, l l b S〉 体 = 8 : 2 ) を 4.2g得た。
実施例 1
N—メチルー N— _[ (2 R S, _1 l_b S R) — 9一 _メ トキシ一 1 , 3, 4 , 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロ一 2 H—べンゾ [a]_キノ リジン一 2—ィル] メタンスルホンアミ ド塩酸塩 (化合物番号 1 ) 参考例 1で得た N— (9—メ トキシー 1, 3, 4, 6 , 7, l i b— へキサヒ ドロ一 2 H—ベンゾ [ a] キノ リ ジン一 2—ィル) 一 N— メチルァミ ン 2,0g の塩化メチレン溶液 40ral に氷冷攙拌下、 メ タ ンスルホニルクロライ ド 2.7g 、 続いて ト リェチルァミ ン 2,5g を 加え、 室温で 6 時間攪拌した。 反応液に水を加え、 続いて 2N-NaOH を加えてアルカリ性にした後、 クロ口ホルムで 3回抽出し、 硫酸マ
グネシゥムで乾燥した後、 漶過し、 濃縮し、 残さ (シス体、 トラン ス体混合物) を得た。 得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグ ラフィ ー (5%メ タノール一クロ口ホルム) で精製してシス体を得 た。 得られた化合物をメ タノール 5ml に溶解し、 20¾塩化水素-メタ ノール溶液 10mlを加え、 濃縮した。 残さをメタノールよ り再結晶し、 目的物を l.lg得た。
実施例 2
N—メチル一 N— [ ( 2 R S , l l b S R) — 9ーメ トキシー 1,
3, 4, 6 , 7, 1 1 b - -へキサヒ ドロー 2 H—ペンゾ [ a ] キノ リジン一 - 2― -ィル] 一 - -メ トキシベンゼンスルホンアミ ド塩酸塩
(化合物番号 6 )
参考例 1で得た N— (9—メ トキシ— 1, 3, 4, 6, 7, l i b— へキサヒ ドロ一 2 H—ベンゾ [ a] キノ リジン一 2—ィル) 一 N— メチルァミ ン 7.9g の塩化メチレン溶液 160ml に氷冷攪拌下、
4ーメ トキシベンゼンスルホニルクロライ ド 9.9g、 続いて ト リエ チルァミン 4.9g を加え、 室温で 6時間攪拌した。 反応液に水を加 え、 続いて 2N- NaOH を加えてアルカリ性にした後、 クロ口ホルムで 3回抽出し、 硫酸マグネシウムで乾燥、 據過、 濃縮し、 残さ (シス 体、 トランス体混合物) を得た。 得られた残さをシリ カゲルカラム クロマ トグラフィ ー (5%メ タノールークロロホルム) で精製して シス体を得た。 得られた化合物をメ タノール lOral に溶解し、 20¾塩 化水素-メタノール溶液 20ml を加え、 濃縮した。 残さをメタノール よ り再結晶し、 目的物を 3.7g得た。
実施例 3
N—メチル一 N- [ (2 R S, 1 1 b S R) — 9ーヒ ドロキシ一 1, 3, 4 , 6 , 7, l i b—へキサヒ ドロ一 2 H—ベンゾ_[ a] キノ リジン一 2—ィル] メ タンスルホンアミ ド塩酸塩 (化合物番号 9) 実施例 1で得た N—メチルー N— [ (2 R S, l l b SR) — 9— メ トキシ一 1 , 3, 4 , 6 , 7, l i b—へキサヒ ドロー 2 H—ベ ンゾ [ a ] キノ リジン一 2—ィル】 メタンスルホンアミ ド 1.20gの 塩化メチレン溶液 30mi に氷冷下、 三臭化ホウ素 0.7ml の塩化メチ レン 5ml 溶液を徐々に滴下した。 反応混合物を 3時間室温で攪拌し た後、 水を加え、 塩酸で酸性と し、 1 0分間攪拌した。 反応液を飽 和重曹で中和し、 塩化メチレンで 3回抽出し、 硫酸マグネシウムで 乾燥、 據過、 濃縮し、 残さをシリ カゲルカラムクロマ トグラフィー
(5%メタノールークロロホルム) で精製し、 生成物を 1.13g得た。 このうち 0.30g をメ タノール 10ml に溶解し、 20¾塩化水素一メ タ ノール 5ml を加え、 濃縮した。 残さをメタノールよ り再結晶し、 目 的物を 0.22g得た。
実施例 4
N—メチル一 N— [ (2 R S, 1 1 b S R) 一 9一イ ソブトキシ一 _1 , 3 ,_4 ,_6 , _7, _1 l b—へキサヒ ドロー 2 H—ベンゾ
キノリ ジン一 2—ィル] メ タンスルホンアミ ド塩酸塩 (化合物番号 1 0)
実施例 3で得た N—メチル一N— [ (2 R S, l l b SR) — 9— ヒ ドロキシー 1, 3 , 4 , 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロー 2 H- ペンゾ [ a〕 キノ リジン一 2—ィル] メタンスルホンアミ ド 400mg の N, N—ジメチルホルムアミ ド溶液 10ml に NaH 57mg を加え、
1 5分間攪拌した。 この反応液に臭化イソブチル 263mg を滴下し、 60でで終夜攪拌した。 反応液を減圧港縮し、 残さに水を加えクロ 口ホルムで 2回抽出した。 硫酸マグネシウムで乾燥、 濂過、 港縮し、 残さをシリ カゲルカラムクロマ トグラフィ ー (2%メ タノールーク ロロホルム〉 で精製し、 淡黄色の油状物得た。 得られた化合物をメ タノ一ル 10ml に溶解し、 20¾塩化水素一メ タノール溶液 5ml を加 え、 濃縮した。 残さをメタノールより再結晶し、 目的物を 385mg得た。 実施例 5
N, N—ジメチル一 N, 一 [ ( 2 R S, l l b S R) — 9ーメ トキ シ一 1. 3, 4 , 6 , 7, l i b—へキサヒ ドロー 2 H—べンゾ
[ a ] キノ _リ ジン一 2—ィル] _— N, _—メチルスルファ ミ ド塩酸塩
(化合物番号 1 6 )
参考例 1で得た N— (9—メ トキシー 1, 3, 4, 6, 7, l i b— へキサヒ ドロ一 2 H—ベンゾ 〔a] キノ リジン一 2—ィル) 一 N— メチルァミ ン 3.0g の塩化メチレン溶液 60mi に氷冷攪拌下、 ジメ チルスルファモイルク口ライ ド 5.6g 、 続いて ト リェチルァミ ン 3.9g を加え、 40でで 5時間攪拌した。 反応液に水を加え、 続いて 2N-NaOH を加えてアルカ リ性にした後、 クロ口ホルムで 3回抽出し た。 硫酸マグネシウムで乾燥した後、 攄過、 濃縮し、 残さ (シス体、 トランス体混合物) を得た。 得られた残さをシリ カゲルカラムクロ マ トグラフィ一 (5%メ タノールークロロホルム) で精製してシス 体を得た。 得られた化合物をメ タノール 10ml に溶解し、 20¾塩化水 素一メタノ一ル溶液 20ml を加え、 濃縮した。 残さをメタノールよ り再結晶し、 目的物を 2.1g 得た。
実施例 6
N—メチル一 N— [ ( 2 R S , 1 1 b S R) — 9 —メ トキシ一 1 , 3 , 4 , 6 , 7, 1 1 b—へキサヒードロ - 2 H—ベンゾ [ a】 _キノ リジン一 2 —ィル】 — 1 一ピロ リジンスルホンァミ ド塩酸塩 (化合 物番号 1 7 )
参考例 1で得た N— ( 9—メ トキシー 1, 3 , 4, 6 , 7, l i b— へキサヒ ドロ一 2 H—ベンゾ [ a ] キノリ ジン一 2—ィル) 一 N— メチルァ ミ ン 2. Og の塩化メチレン溶液 50ml に氷冷下、 文献
(S.K.Gupta, Synthesis, 1977, 39) 記載 の方法に従って得た 1 一 ピロリ ジンスルホニルクロライ ド 2.8g 、 続いて ト リェチルァミ ン 1.6g を加え、 室温で終夜攪拌した。 反応液に水を加え、 続いて 2N- NaOH を加えてアルカリ性にした後、 クロ口ホルムで 3回抽出した。 硫酸マグネシウムで乾燥した後、 據過、 溏縮し、 残さ (シス体、 ト ランス体混合物) を得た。 得られた残さをシリカゲルカラムクロマ トグラフィ ー ( 5 %メ タノールークロロホルム) で精製してシス体 を得た。 得られた化合物をメタノール 5ml に溶解し、 20¾塩化水素一 メタノール溶液 10 m 1 を加え、 濃縮した。 残さをメタノールよ り再 結晶し、 目的物を 1.3g 得た。
実施例 7
N—メチル一 N— _[ ( 2 R, _1 l_b S ) 一 9 ーメ トキシー 1 , _3 4 , _6 , 7 , I 1 b —へキサヒ ドロー 2 H—ベンゾ [ a ] _キノ リジー ンー 2—ィル 1 メタンスルホンアミ ド塩酸塩 (化合物番号 1 8 )
参考例 2で得た N— [ ( 2 R , l l b S ) — 9 —メ トキシ— 1 , 3 , 4, 6 , 7, l i b —へキサヒ ドロー 2 H—ベンゾ [ a ] キノ
リ ジン一 2—ィル] 一 N—メチルァミ ン 3.0g の塩化メチレン溶液 100ml に氷冷攪拌下、 メ タンスルホニルク口ライ ド 1.8g 、 続いて トリェチルアミ ン 2.6g を加え、 室温で 1時間攪拌した。 反応液に 水を加え、 続いて 2N-Na0Hを加えてアルカリ性にした後、 クロロホ ルムで 3回抽出した。 硫酸マグネシウムで乾燥した後、 腿、 濃縮し、 残さ ( (2 R, l l b S) 体: (2 S, l l b S) 体 = 9 : 1 ) を 得た。 得られた残さをシリ カゲルカラムクロマ トグラフィー ( 5 % メタノール一クロ口ホルム) で精製して N—メチル一N— [ ( 2 R, l l b S) — 9—メ トキシ一 1 , 3 , 4, 6 , 7, l i b—へキサ ヒ ドロー 2 H—ベンゾ [ a] キノ リジン一 2—ィル] メ タンスルホ ンアミ ドを得た。
^- MRCCDC^) δ :7.07(1H, d, J»9Hz) , 6.73(1H, dd, J=9Hz, 3Hz),
6.64(1H, d, J=3Hz), 4.03(1H, m), 3.78(3H, s), 3.3-2.9(4H, m), 2.90(3H, s), 2.81(3H, s), 2.8-2.3(4H, m), 2.1-1.5(3H, m)
得られた化合物をメ タノール 5ml に溶解し、 2 0 %塩化水素ーメ タノ一ル溶液 10ml を加え浚縮して、 目的物である塩酸塩を 1.7g 得た。
比旋光度 〔 ひ 〕 D 25 - + 2.38。 (c=2.009g/dK Hゥ 0)
実施例 8
N—メチル一 N— [ (21^, _1 1 5)_— 9—メ_トキシ一 1,_3, _ 4, 6 , 7 , _1 1 b—へキサヒ ドロー 2 H—べンゾ [ a ] _キノ リジ_ ン一 2—ィル] _一 4—メ トキシベンゼンスルホンアミ ド塩酸塩 (化 合物番号 1 9 )
参考例 2で得た N— [ (2 R, 1 1 5) — 9ーメ トキシー 1 ,
3, 4 , 6, 7, l i b—へキサヒ ドロー 2 H—ベンゾ [a] キノ リジン一 2—ィル] — N—メチルァミ ン 1. lg の塩化メチレン溶液 40ml に氷冷挽拌下、 4—メ トキシベンゼンスルホニルク ロライ ド l.lg、 続いてトリェチルァミン 0.9g を加え、 室温で 1時間攪拌した。
反応液に水を加え、 続いて 2N-Na0Hを加えてアルカリ性にした後、 クロ口ホルムで 3回抽出した。 硫酸マグネシウムで乾燥、 濂過、 濃 縮し、 残さ ( (2 R, l l b S) 体: (2 S, l l b S) 体 = 9 : 1 ) を得た。 得られた残さをシリ力ゲルカラムクロマ トグラフィー (5%メ タノール一クロ口ホルム) で精製して ( 2 R, 1 1 b S) 体を得た。 得られた化合物をメタノール 5ml に溶解し、 20%塩化 水素一メ タノール溶液 10ml を加え、 谩縮した。 残さをメ タノール より再結晶し、 目的物である塩酸塩を 0.7g得た。
比旋光度 〔a〕 D 25 = + 21.37· (c=1.029g/dK CH30H)
実施例 9
N—メチル一 N— _[ ( 2 R, _1 l_b S) 一 9ーメ トキシ一 1, _3 , _
4, 6, 7, l i b—へキサヒ ドロー 2 H—ベンゾ [al キノ リ ジ ン一 2— _ィル] _エタンスルホンアミ ド塩酸塩 (化合物番号 20) 参考例 2で得た N— [ ( 2 R, 1 1 b S) 一 9ーメ トキシー 1 , 3, 4, 6 , 7, l i b—へキサヒ ドロー 2 H—べンゾ [a] キノ リ ジ ンー 2—ィル] — N—メチルァミ ン 2.0g の塩化メチレン溶液 50ml に氷冷挽拌下、 エタンスルホニルクロライ ド 1.6g 、 続いて ト リエ チルァミ ン 1.6g を加え、 室温で 5時間攪拌した。 反応液に水を加 え、 続いて 2N-Na0H を加えてアルカリ性にした後、 クロ口ホルムで
3回抽出、 硫酸マグネシウムで乾燥し、 據過、 漉縮した。 得られた 残さ ( ( 2 R, l l b S ) 体: ( 2 S, l l b S) 体 = 9 : 1 ) を シリカゲルカラムクロマ トグラフィ 一 ( 5 %メタノールークロロホ ルム) で精製して N—メチルー N— [ ( 2 R, 1 1 b S) — 9—メ トキシー 1, 3, 4, 6, 7, l i b—へキサヒ ドロー 2 H—ベン ゾ [ a ] キノ リジン一 2—ィル] エタンスルホンアミ ドを得た。
^-NMRCCDC^) S :7.08(1H, d, J=9Hz), 6·73(1Η, dd, J=9Hz, 3Hz),
6.63(1H, d, J=3Hz), 3.97(1H, m), 3.78(3H, s), 3.3-2.8(4H, m), 3.03(2H, q, J=7Hz),
2.82(3H, s), 2.8-2.3(4H, m),
2.1-1.5(3H, m), 1.39(3H, t, J-7Hz)
得られた化合物をメタノール 5ml に溶解し、 2 0 %塩化水素ーメ タノール溶液 10ml を加え濃縮して、 目的物である塩酸塩を 0.23g 得た。
比旋光度 〔ひ〕 D25 = + 10.81' (c=1.054g/dK H20)
実施例 1 0
N—ェチル一 N—— [ ( 2 R, 1 1 b S)一一 9—メ _トキシー 1 , 3 , 4 ,_ 6 , _7 , _1 l b—へキサヒ ドロ一 2 H—べンゾ [ al キノ リジ ンー 2—ィル 1 メタンスルホンアミ ド塩酸塩 (化合物番号 2 1 )
参考例 3で得た N— [ ( 2 R, 1 1 b S ) — 9—メ トキシ— 1, 3, 4, 6, 7, l i b—へキサヒ ドロ一 2 H—べンゾ [a〕 キノ リジン一 2—ィル] 一 N—ェチルァミ ン 4.0g の塩化メチレン溶液 40ml に氷冷攪拌下、 メ タンスルホニルク口ライ ド 2.2g 、 続いて ト リエチルァミ ン 3.3g を加え、 室温で 2時間攪拌した。 反応液に水
を加え、 続いて 2N-Na0H を加えてアルカリ性にした後、 クロ口ホル ムで 3回抽出、 硫酸マグネシウムで乾燥し、 漶過、 濃縮した。 得ら れた残さ ( ( 2 R, l l b S ) 体: ( 2 S , l l b S ) 体 = 4 : 1 ) をシリ カゲルカラムクロマ トグラフィ ー (5 %メ タノ一ルーク ロロホルム) で精製して N—ェチルー N— [ (2 R, 1 1 b S) — 9—メ トキシー 1 , 3, 4, 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロー 2 H- ベンゾ [ a ] キノ リジン一 2—ィル] メタンスルホンァミ ドを得た。
3Hz) ,
6.64(1H, d, J«3Hz), 3·93(1Η, m), 3.78(3H, s), 3.4-2.9(4H, m), 3.26(2H, q, J=7Hz),
2.93(3H, s), 2.8-2.3(4H, m),
2.1-1.5(3H, ra), 1.24(3H, t, J»7Hz)
得られた化合物をメ タノール 5ml に溶解し、 2 0%塩化水素ーメ タノ一ル溶液 10ml を加え港縮して、 目的物である塩酸塩を 1.6g 得た。
比旋光度 〔ひ〕 D 25 = - 8.46* (c-1.087g/dK C 0H) 実施例 1 と同様にして以下の化合物番号 2〜 5、 7、 8、 1 1〜 1 5、 2 2、 2 3の化合物を製造した。 精製して得られた化合物は、 すべてシス体 [ ( 2 R, l l b S) 体及び (2 S, l l b R) 体の 等量混合物] である。
(化合物番号 2) N—メチル— N— [ ( 2 R S , l l b S R) ― 9—メ トキシ一 1 , 3 , 4 , 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロー 2 H— ペンゾ [a] キノリジン一 2—ィル] プロパンスルホンアミ ド塩酸塩
(化合物番号 3) N—メチル— N— [ (2 R S, 1 1 b S R) - 9ーメ トキシー 1, 3, 4, 6 , 7, l i b -へキサヒ ドロ一 2 H— ベンゾ [ a ] キノ リジン一 2—ィル] イソプロパンスルホンアミ ド 塩酸塩
(化合物番号 4) N—メチルー N— [ (2 R S, l l b S R) — 9—メ トキシ一 1 , 3, 4, 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロ一 2 H- ベンゾ [a] キノ リジン一 2—ィル] 一 4一クロ口ベンゼンスルホ ンアミ ド塩酸塩
(化合物番号 5) N—メチルー N— [ (2 R S, 1 l b S R) — 9ーメ トキシー 1 , 3, 4, 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロ一 2 H— ベンゾ [ a ] キノ リジン一 2—ィル] 一 2—ヒ ドロキシエタンスル ホンアミ ド塩酸塩
(化合物番号 7) N—メチルー N— [ (2 R S, l l b S R) — 9—メ トキシ一 1 , 3, 4, 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロ一 2 H— ペンゾ [a] キノリジン一 2—ィル] ベンゼンスルホンアミ ド塩酸塩
(化合物番号 8) N— (2—メ トキシェチル) —N— [ (2 R S, l l b S R) — 9—メ トキシ一 1, 3, 4 , 6, 7, l i b—へキ サヒ ドロ一 2 H—べンゾ [ a ] キノ リジン一 2—ィル] メ タ ンスル ホンアミ ド塩酸塩
(化合物番号 1 1 ) N—イソプロピル— N— [ ( 2 R S, l i b S R) 一 9—メ トキシ一 1 , 3, 4 , 6 , 7, l i b—へキサヒ ド 口一 2 H—べンゾ [ a ] キノ リジン一 2—ィル] メ タ ンスルホンァ ミ ド塩酸塩
(化合物番号 1 2) N—メチルー N— [ (2 R S, 1 l b S R) ―
9—メ トキシー 1 , 3, 4, 6, 7, l i b—へキサヒ ドロー 2 H— ベンゾ [ a ] キノ リジン一 2—ィル] — p— トルエンスルホンアミ ド塩酸塩
(化合物番号 13) N—メチルー N— [ (2 RS, l l b S R) - 9—メ トキシ一 1, 3, 4 , 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロ一 2 H— ベンゾ [a] キノ リジン一 2—ィル] — 4一フルォロベンゼンスル ホンアミ ド塩酸塩
(化合物番号 14) N—メチルー N— [ (2 R S, l l b SR) — 9ーメ トキシ一 1, 3, 4, 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロー 2 H- ペンゾ [ a ] キノ リジン一 2—ィル] — 2 , 5—ジメ トキシベンゼ ンスルホンアミ ド塩酸塩
(化合物番号 1 5) N—メチルー N— [ (2 R S, 1 l b SR) ― 9ーメ トキシ一 1, 3, 4, 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロー 2 H— ペンゾ [ a ] キノ リジン一 2—ィル〗 一 3 , 4—ジメ トキシベンゼ ンスルホンァミ ド塩酸塩
(化合物番号 22) N—メチルー N_ [ (2 R S, 1 l b SR) — 9—メ トキシー 1 , 3, 4, 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロー 2 H— ベンゾ [a] キノ リジン一 2—ィル] エタンスルホンアミ ド塩酸塩
(化合物番号 23〉 N—ェチルー N— [ ( 2 R S, l l b S R) - 9ーメ トキシー 1, 3, 4, 6, 7, 1 1 b—へキサヒ ドロー 2 H— ベンゾ [ a ] キノ リジン一 2—ィル] メタンスルホンアミ ド塩酸塩 製造した化合物の構造式と物性値を以下の表に掲げる。 化合物が シス体の場合には、 構造式と してシス体のうち (2 R, 1 1 b S ) 体のみを記載した。
表 1
分子式
化合物 搆造式 M点 (で) 元素分析偭 番号 性状 理論懷 (90
実測储 (9
C1RH24N203S'HCI-1/2H20
264 - 266 C, 51.95; H, 7.08; N, 7.57 無色結晶 C, 52.14; H, 6.78; N, 7.59
C18H28N203S-HCI-1/4H20
2 202 - 203 C, 54.95; H, 7.56; N, 7.12 無色粉末 C, 55.07; H, 7.38; N, 7.14
C18H28N203S-HCI-1/4H20
236 - 238 C, 54.95; H, 7.56; N, 7.12 淡黃色粉末 C, 54.91; H, 7.37; N, 7.09
C21H25CIN203S-HCI-1/5H20
247一 249 C, 54.71; H, 5.77; N, 6.08 無色結晶 C, 54.72; H, 5.68; N, 6.09
Cl7H26N204S-HCt-1/4H20
243一 245 C, 51.64; H, 7.01; , 7.08 無色粉末 C, 51.75; H, 7.05; N, 7.12
表 2
分子式
化合物 ¾ia式 CC) 元素分析慽 番号 性状 理論値 )
実測储^
6 6.14
6.26
6.48 6.38
6.77 6.44
7.68 7.79
10 6.87
CH SOゥ ~CH3
表 3
分子式
化合物 橇造式 W点 C) 元素分析倣 番号 性状 理論恼 (¾)
卖測 fi(%〉
77..0182
66..3348 0 66..3405
55..7763
化合物 構造式 点 Co 元素分析懷
番号 性状 理 恼 (½)
実測倣^)
16 .24: N, 10.78
.03; N, 10.69
17 .27; N, 10.10
.15; N, 9.94
.98; N, 7.76 .86; N, 7.71
.45; N, 6.18 .47; N, 6.13
C17H26N,0,S-HCI
20 HCI C, 54.46; H, 7.26; N, 7.47 無色非晶質 C, 54.22; H, 7.21; N, 7.39
SO2-C2H5
表 5
分子式
化合物 構造式 W点 ΓΟ 元素分析慽 番号 性状 理
実測値 -1/5H,0
21 .30; N, 7.40
.23: N, 7.39
22 .26; N, 7.47
.22; N, 7.52
-1/2H20
23 .35; N, 7.30
以下に本発明化合物の代表例についてその有用性を示す薬理試験 の結果を示す。
試験例 1
I B Sモデルに対する作用 ( 1 )
6 週齢の雄性 SD 系非絶食ラッ トを一群 8 例と して用いた。
Wi l l iams らの方法 (Gastroenterology 1988; 94: 611-621) に従つ て、 コン トロール群及び投薬群に対してはラッブ拘束ストレスを負 荷し、 ノ一マル群に対してはス トレスを負荷せずに 1時間内の排便 重量 (g)を測定した。 投薬群にはストレス負荷の 30分前に被験薬物の所 要量を皮下投与した。 抑制率 (¾)を下式により算出した。
抑制率 = 〔(C- D〉/(C-N)〕 X 100
この式において、 C はコン トロール群の排便重量を表し、 D は投 薬群の排便重量を表し、 N はノーマル群の排便重量を表す。
コントロール群に対して投薬群をダネッ ト(Dunnett)の多重検定で 有意差検定を行った。 結果を表 6に示す。
表 6
被験薬物 用量 コントロ-ルに対する
(mg/kg) 抑制率 (%) 化合物番号 1 3 97. 7*'
化合物番号 6 3 86. 2**
化合物番号 7 3 76. 6**
化合物番号 1 3 3 72.4**
孝♦
化合物番号 1 4 3 75. 6
化合物番号 1 8 3 96. 6
** Pく 0. 01
本発明化合物はス ト レスによ り亢進する排便を強力に抑制した。 従って、 本発明化合物の I B S治療剤としての有効性は明かである。 試験例 2
I B Sモデルに対する作用 (2)
6 週齢の雄性 SD 系非絶食ラッ ト を一群 8 例と して用いた。
Williams らの方法 (Gastroenterology 1988; 94: 611-621) に従つ て、 コン トロール群及び投薬群に対してはラップ拘束ス ト レスを負 荷し、 ノーマル群に対してはス トレスを負荷せずに 1時間内の排便 重量(g)を測定した。 投薬群にはス トレス負荷の 60分前に被験薬物 の所要量を経口投与した。 比软対照化合物として、 特開昭 62-67031 号公報に胃腸ぜん動調節作用を有する旨が記載されている N—メチ ル— N— [ (2 RS, 1 1 b S R) - 1 , 3, 4, 6, 7, l i b - へキサヒ ドロ一 2 H—ベンゾ [ a ] キノ リジン一 2—ィル] ブロバ ンスルホンアミ ド塩酸塩 (以下、 化合物 Aと表示する。 ) 及び N—
(2—メ タンスルホンアミ ドエチル) 一 N— [ (2 R S, 1 1 b S R) — 1, 3, 4 , 6, 7, l i b—へキサヒ ドロ一 2 Η—べンゾ
[a] キノ リ ジン— 2—ィル】 ベンゼンスルホンアミ ド塩酸塩 (以 下、 化合物 Bと表示する。 ) を用いた。 抑制率 )を下式により算出 した。
抑制率 = 〔(C-D)/(C-N)〕 X100
この式において、 C はコン トロール群の排便重量を表し、 D は投 薬群の排便重量を表し、 N はノーマル群の排便重量を表す。
コン トロール群に対して投薬群をダネッ ト(Dunnett)の多重検定で 有意差検定を行った。
結果を表 7に示す。
表 7
rrt
被験薬物 m コント口-ルに対する
(rag/kg) 抑制率 (%) 化合物番号 1 10 53.2*
30 96.6**
化合物番号 1 6 10 73.3**
30 91.7**
化合物番号 1 8 10 91.1**
化合物番号 2 0 10 69.4**
30 88.9**
化合物番号 2 1 10 64.6**
30 92.6** 化合物 A 10 -1.2
30 1.4
化合物 B 10 -4.7
30 -30.0
* Pく 0.05, ** Pく 0.01 試験例 3
I B Sモデルに対する作用 (3〉
6 週齢の雄性 SD 系ラッ トを一群 8 例と して用いた。 Enck らの 方法 (Gut 1989;30:455-459) を用いて、 コン トロール群及び投薬群 に対しては水回避ス ト レスを負荷し、 ノーマル群に対してはス トレ スを負荷せずに 1時間内の排便数を測定した。 投薬群にはス トレス 負荷の 60分前に被験薬物の所要量を経口投与した。 比較対照化合物
と して、 上記の化合物 A及び化合物 Bを用いた。 抑制率 (%) を下式 により算出した。
抑制率 = C (NC-ND) / (NC-NN) ] X 100
この式において、 NC はコン トロール群の排便数を表し、 ND は投 薬群の排便数を表し、 NN はノーマル群の排便数を表す。
コン トロール群に対して投薬群をダネッ ト (Dunnet t) の多重検定 で有意差検定を行った。
結果を表 8に示す。
表 8
被験薬物 用量 コントロ-ルに対する
(mg/kg) 抑制率 (%) 化合物番号 1 30 81. 8
化合物番号 1 8 3 72.4*
化合物番号 1 8 10 82. 9 化合物 A 30 -20. 7
化合物 B 30 -58. 3
P<0. 05, ** Pく 0. 01 試験例 2及び 3に示すように、 特開昭 62-67031号公報に胃腸ぜん 動調節作用を有する旨が記載されている化合物 A及び化合物 Bがス ト レスによ り亢進する排便を全く抑制できない投与量において、 本 発明化合物は排便を強力に抑制した。 従って、 本発明化合物が特開 昭 62-67031号公報に記載されたペンゾキノリジン誘導体よ り も I B
S治療剤として有用であるのが明白である。
試験例 4
急性毒性試験
6 週齢の雄性 ddY 系マウスを一群 5 例として用いた。 前日 (16- 18 時間前) より絶食した後、 本発明化合物の所要量を経口投与し、 以後 1 週間における死亡例数の有無を観察した。
結果を表 9に示す。
表 9
被験薬物 用量 死亡数
(mg/kg)
化合物番号 1 100 0/5
化合物番号 6 100 0/5
化合物番号 1 6 300 0/5
化合物番号 1 8 250 0/5
化合物番号 2 1 250 0/5
死亡例は観察されず、 異常所見も認められなかった。 製剤例 1 錠剤 (内服錠)
処方 1錠 200mg 中
化合物番号 1の化合物 20 mg
コーンスターチ 88 mg 結晶セルロース 80 mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 10 mg
軽質無水ケィ酸 丄 mg ステアつン酸マグネシウム 1 mg
この混合末を打錠成形し内服錠とする。
製剤例 2
錠剤 (内服錠 _)
処方 1錠 200mg 中
化合物番号 6の化合物 20 rag
コーンスターチ 88 mg
結晶セルロース 80 mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 10 mg
軽質無水ケィ酸 1 mg
ステアリ ン酸マグネシウム 1 mg
この混合末を打錠成形し内服錠とする。
産業上の利用可能性
以上のように、 本発明化合物は、 過敏性腸症候群治療剤として有 用である。