JPWO2022239357A5 - - Google Patents

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本発明は、手の指に装着して利用される指点字装置に関する。
視聴覚障碍者のコミュニケーション手段の一つとして、指点字と称される手法が知られている。指点字は、一例として両手の人差し指、中指および薬指を合わせた6本の指を点字の6つの点に見立てて指で点字を打つことにより意思を他人に伝達する。この指点字は基本的に通訳者を介して視聴覚障碍者が情報を受信し、外部とコミュニケーションを図る方法である。しかしながら、通訳者の負荷軽減、あるいは通訳者がいないときにも情報が受発信できるようにいくつかの電子的な指装着型の指点字装置が提案されている。
例えば、特許文献1は、複数の指に装着した触覚刺激素子がそれぞれの指に対して異なった触覚刺激を与えることにより、どの指が刺激されているかを利用者が知覚し易い指点字装置を開示する。しかし、特許文献1は、駆動モータで錘を回転させるなどして、指に触覚刺激を与えるものであって、指点字を打つとともに、打った指点字による意思を他人に伝達することはできない。つまり、特許文献1は、利用者間において指点字を双方向に伝達しあうことができない。これに対して、特許文献2は、利用者間において指点字を双方向に伝達しあえる指点字装置を開示する。
特許文献1:特開2002-123169号公報(図2,図3)
特許文献2:特開2020-046666号公報(第2の実施例図9)
特許文献1および特許文献2に開示されるように指点字装置は人の手に装着されるが、手は人の触覚機能にとって体の中で重要な部分である。その中でも特に指の腹(以下、指腹)および手のひらは触覚機能にとって最も重要である。
一方で、視聴覚障碍者にとって、自身が望むときに指点字装置が装着されていることが必要である。ところが、指点字装置を介して他人に意思を伝えたいときに同時に指腹による触覚機能が必要なことがある。そうなると、視聴覚障碍者は、指点字装置を一旦は取り外さなければならず、常時携行性を損なう。特許文献2には指腹を解放できる指点字装置が開示されているが、この装置は入力手段としてのボタン(圧電センサ)が指の先端から突出している。したがって、指腹による触覚機能が必要なときにこのボタンが障害となるおそれがあるので、この指点字装置についても取り外しが必要になる。
以上より、本発明は、日常生活における常時携行性の優れた外部のスマートフォン又はパソコンと無線送受信可能な指点字装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
本発明の外部のスマートフォン又はパソコンと無線送受信可能な指点字装置(以下、単に「指点字装置」とも称する。)は、各指の指点字動作信号に基づく動作情報を送信するとともに各指への指点字に関する振動情報を受信して各指に振動を伝達する入出力ユニット(例えば本実施形態における入出力ユニット10,10A,10B,10C参照)と、前記入出力ユニットからの前記動作情報を受信して所定の処理を行うとともに前記入出力ユニットへの前記振動情報を送信する本体ユニット(例えば本実施形態における本体ユニット50参照)と、前記入出力ユニット各指の背側に装着し、本体ユニットを手の甲に装着するための装着具(例えば本実施形態における装着具20参照)と、を備える。
本発明における入出力ユニットは、装着具により手のの背側に設けられており、本体ユニットとの送受信を行う送受信部(例えば本実施形態における送受信部15参照)と、各指の動作に応じる信号を検知し、各指の動作情報として送受信部を介して本体ユニットに送信する動作検知部(例えば本実施形態における動作検知部13参照)と、本体ユニットから送受信部を介して受信した振動情報に基づいて装着された指に振動を伝達する振動部(例えば本実施形態における振動部11参照)と、を備える。
本発明における本体ユニットは、入出力ユニットと送受信する第1送受信部(例えば本実施形態における第1送受信部51参照)と、外部と無線送受信する第2送受信部(例えば本実施形態における第2送受信部57参照)とを備え、第1送受信部を介して受信した動作検知部で検知される指の動作に対応する動作情報に基づいて、指点字に関する文字情報及び/又は実行すべき機能情報を特定し、文字情報及び/又は機能情報を第2送受信部を介して外部に無線送信し、第2送受信部を介して外部から受信した指点字に関する文字情報及び指令情報に基づいて、各指に割り振られる振動情報を第1送受信部を介して送信する。
本発明における本体ユニットは、好ましくは、動作情報と特定される文字情報及び/又は実行すべき機能情報とが関連付けられる関連情報を予め備え、入出力ユニットの第1送受信部から受信する動作情報と関連情報とを照合することにより、指点字に関する文字情報及び/又は実行すべき機能情報に変換して特定し、第2送受信部より外部に無線送信する。
本発明の指点字装置において、好ましくは、人差し指、中指および薬指のそれぞれに対応する3つの入出力ユニットを備え、3つの入出力ユニットのそれぞれの動作検知部は、人差し指、中指および薬指のそれぞれの指背の側に配置される。
本発明の指点字装置において、好ましい動作検知部は、人差し指、中指および薬指のそれぞれの第1関節と第2関節の間に配置される。
本発明の指点字装置において、好ましくは、親指に対応する出力ユニットを備え、当該入出力ユニットの動作検知部は、親指の指背の側に配置される。
本発明の指点字装置において、好ましくは、動作検知部が、親指の第1関節と第2関節の間に配置される。
本発明の指点字装置において、好ましくは、本体ユニットが、装着具により手の甲に設けられる。
本発明の指点字装置において、好ましい装着具は、第1保持部、第2保持部およびバンドを備える。
第1保持部は、3つの入出力ユニットのそれぞれを保持するとともに、人差し指、中指および薬指のそれぞれに嵌められる。
第2保持部は、第1保持部と連なり、本体ユニットを保持するとともに、手の甲の側にだけ対応して設けられる。
バンドは、第2保持部と連なり、人の手首に巻き回される。
親指に対応する入出力ユニットを備える場合には、第1保持部は、対応する入出力ユニットを保持するとともに、親指に嵌められる。
本発明の指点字装置において、好ましい動作検知部は、各指の動作の3次元波形情報を検知し、検知された3次元波形情報に対応する動作情報を前記入出力ユニットの送受信部に送信する3軸加速度センサからなり、送受信部は前記動作情報を本体ユニットに送信する。
また、本体ユニットは、好ましくは、本体ユニットの第2送受信部で受信した外部からの指点字情報に基づいて各指に割り振られた振動情報を第1送受信部から送信し、振動部は、本体ユニットから入出力ユニットの送受信部を介して受信した振動情報に基づいて、割り振られた各指を振動する偏芯振動モータ又は圧電アクチュエータである。
また、本発明の指点字装置において、好ましくは、入出力ユニットおよび本体ユニットは、装着具により左手および右手のそれぞれに装着される。
本発明の外部のスマートフォン又はパソコンと無線送受信可能な指点字装置によれば、装着具により手の指に設けられる入出力ユニットは、指の動作を検知する動作検知部と、指点字に関する文字情報等に基づいて各指に振動を伝達する振動部と、を備える。動作検知部は、指背の側に装着されても指の点字動作を検知できるので、人の触覚機能にとって重要な指腹を指点字装置の要素で覆うことなく開放させることができる。また、振動部は、外部のスマートフォン又はパソコンから受信した指点字に関する文字情報等に基づいて、割り振られる各指に指点字としての振動を伝達することができる。これにより、本発明によれば、取り外すことを最小限に抑えて、日常生活における常時携行性に優れ、指点字の送受信操作を可能とする指点字装置が提供される。
本発明の第1実施形態の指点字装置に用いる指点字システムの概略構成を示す図である。 図1の装着側装置の入出力ユニットの概略構成を示す図である。 図1の装着側装置の本体ユニットの概略構成を示す図である。 図1の装着側装置を手に装着した例であって、手の甲側から示す図である。 図1の装着側装置を手に装着した例であって、手のひら側から示す図である。 図2の装着側装置における装着具の第1保持部を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図2の指点字装置における装着具の第2保持部を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図1の非装着側装置の概略構成を示す図である。 本発明の第2実施形態の指点字装置に用いる指点字システムの概略構成を示す図である。 図9の装着側装置を手に装着した例であって、手の甲側から示す図である。 図9の装着側装置を手に装着した例であって、手のひら側から示す図である。 左手および右手に割り当てられる数値キーおよび機能キーを示す図である。 演算部に予め記憶される関連情報の一例を示す表である。発明を実施するための形態
以下、添付する図1~図13を参照しながら、本発明の実施形態に係る指点字装置に用いる指点字システム1について説明する。以下で説明するのは、第1実施形態に係る指点字装置に用いる指点字システム1Aと第2実施形態に係る指点字装置に用いる指点字システム1Bであるが、両者を総称するときには指点字システム1と称する。以下、片手について3本の指で指点字を行うことができる第1実施形態(本指点字装置に用いる指点字システム1A)、片手について4本の指で指点字を行うことができる第2実施形態(本指点字装置に用いる指点字システム1B)の順に説明する。
[第1実施形態:図1~図8]
指点字システム1Aは、図1に示すように、視聴覚障碍者が手に装着して使用する装着側装置3Aと、視聴覚障碍者の手への装着に関わらない非装着側装置5と、を備える。指点字システム1Aの装着側装置3Aは、視聴覚障碍者が日常生活において取り外す頻度を少なくできる常時携行性を備える。
この常時携行性は、装着側装置3Aを装着した手の指腹が装着側装置3Aで覆われることなく開放させることにより実現される。さらにこの常時携行性は、装着側装置3Aを装着した手のひらが装着側装置3Aで覆われることなく開放されることにより実現される。
[装着側装置3A:図1,図2,図3]
装着側装置3Aについて、図1、図2および図3を参照して説明する。なお、装着側装置3Aが本発明の指点字装置に対応するとともに、本発明の指点字装置は装着側装置3Aの発信機能を対象としている。
[装着側装置3Aの機能]
装着側装置3Aは、装着される者を基準にして、情報の受信機能と発信機能を備える。
受信機能は、振動部11が振動することで装着者が指を介して情報を受信する。そして、受信機能においては、非装着側装置5から装着側装置3Aへ指点字に関する情報が送られ、この情報に基づいて振動部11が振動する。
また、発信機能は、装着者が指点字のために指を動かすことを動作検知部13が検知した信号として情報を発信する。そして、発信機能は、装着側装置3Aから非装着側装置5に向けて指点字に関する情報が送られる。
[装着側装置3Aの構成]
装着側装置3Aは、図1に示すように、三つの入出力ユニット10A,10B,10Cと、入出力ユニット10A,10B,10Cとの信号の送受信を行う本体ユニット50と、入出力ユニット10A,10B,10Cのそれぞれと本体ユニット50とを接続する信号ケーブル30A,30B,30Cと、を備える。装着側装置3Aは、左右の両手に装着され、それぞれの手において、入出力ユニット10A,10B,10Cは、それぞれ人差し指、中指、薬指に取り付けられる。
追って図4を参照して具体的に説明するが、装着側装置3Aは、装着者の手に取り付けられるものの、指腹を使う支障にはならない。これが常時携行性を有する要件の一つである。なお、以下では入出力ユニット10A,10B,10Cを入出力ユニット10と総称し、信号ケーブル30A,30B,30Cを信号ケーブル30と総称することがある。
[入出力ユニット10の構成:図2]
入出力ユニット10(10A,10B,10C)は、図2に示すように、受信機能を実現する振動部11と、発信機能を実現する動作検知部13と、を備える。また、入出力ユニット10は、非装着側装置5からの電気信号を受信し、かつ振動部11に向けて送信するとともに、動作検知部13で検出された加速度を受信し、かつ非装着側装置5に向けて送信する送受信部15を備える。
なお、振動部11、動作検知部13および送受信部15は、それぞれの入出力ユニット10における最小限の構成にすぎず、入出力ユニット10は他の構成要素を備えることができる。例えば、これら最小限の構成が誤動作することなく動作するための回路補正機構等からなるハードウェア、情報の受発信時に点滅するLED(Light Emitting Diode)などからなる照明具を伴うことができる。
[振動部11:受信機能]
振動部11による受信機能は、電子的な点字情報を、装着者に対して振動として提供する。振動部11は、例えば偏芯振動モータ、圧電アクチュエータなどの電子的な情報に基づいて振動する機器から構成される。電子的な点字情報は、本体ユニット50から送受信部15を介して振動部11が受信する。
装着側装置3が装着者の左右の両手に付けられると、右手と左手、それぞれの人差し指、中指、薬指の計6本の指のそれぞれに振動部11が取り付けられるので、計6本の指に振動を伝達させることができる。具体的には、6本の指のそれぞれに振動の有無を組み合わせると、2の6乗、すなわち64通りの指点字情報として装着者が受信できることになる。この64通りの指点字信号は、世界の多くの国で独自に定義されている文字点字変換対応表で容易に多言語に変換できる。
[動作検知部13:送信機能]
動作検知部13による送信機能は、装着者が指点字情報として意図する動作を指先で行い、その動作を動作検知部13が3次元波形として検知し、検知された3次元波形に対応する電気信号が信号ケーブル30を介して本体ユニット50に送信される。動作検知部13は、典型的には3次元加速度センサから構成される。装着側装置3Aが装着者の左右の両手に付けられると、6本の指のそれぞれについて送信機能が実行される。動作検知部13は、装着側装置3Aが常時携行性を有するための要件の一つである。
[本体ユニット50:図1,図3]
本体ユニット50は、図1に示すように、信号ケーブル30を介して入出力ユニット10に接続され、入出力ユニット10への情報の送信および入出力ユニット10からの情報の受信を担う。本体ユニット50は、この機能を実現するために、図3に示すように、装着側装置3Aの入出力ユニット10との情報送受信を担う第1送受信部51と、非装着側装置5との情報送受信を担う第2送受信部57と、を備える。また、第1送受信部51と第2送受信部57の間には、受信機能および送信機能に必要な演算を実行する演算部53を備える。また、演算部53による演算結果に基づいて、信号ケーブル30を介して入出力ユニット10に指令情報を発するか、または、無線通信110、例えばBluetooth(登録商標)を介して非装着側装置5に指令情報を発する指令部55と、を備える。
本体ユニット50は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、プログラムや固定情報を格納するROM(Read Only Memory)と、CPUによる実行のためにプログラムや情報を展開するワークメモリとしてのRAM(Read Only Memory)と、を備えている。後述する非装着側装置5も同様である。
なお、第1送受信部51、演算部53、指令部55および第2送受信部57は、それぞれの本体ユニット50における最小限の構成にすぎず、本体ユニット50は他の構成を備えることができる。例えば、本体ユニット50および入出力ユニット10への電力を供給する給電機構、これら最小限の構成が誤動作することなく動作するための回路補正機構等からなるハードウェア、情報の受発信時に点滅するLEDなどからなるランプを伴うことができる。これについても後述する非装着側装置5についても同様である。
また、演算部53は、送信機能に関して以下のように情報を演算、処理する。
演算部53は、入出力ユニット10の動作検知部13から送信される3次元波形情報を処理することで、3次元波形情報をそれに対応する指点字に関する電子的な文字情報に変換する。変換された文字情報は、第2送受信部57を介して非装着側装置5に転送され、非装着側装置5に文字として表示される。
装着側装置3Aは、左右の両手に付けられるので、演算部53に送信されるのは、6本の指に対応する6種類の3次元波形情報であり、演算部53はこの6種類の3次元波形情報を演算処理することで、64種類の文字情報が生成される。
本体ユニット50による点字操作の具体例は、第2実施形態において説明する。
[装着側装置3Aの装着例:図4,図5]
次に、図4および図5を参照して、装着側装置3Aを手に装着する例を説明する。
装着側装置3Aは、図4および図5に示すように、入出力ユニット10、信号ケーブル30および本体ユニット50を人の手に装着するための装着具20を備える。入出力ユニット10、信号ケーブル30および本体ユニット50は、装着具20に保持されながら装着具20により人の手に装着される。なお、図4および図5において、人の手を覆っている装着具20を灰色で示しているが、これは人の手との区別を明らかにするためのものであり、装着具20の色彩を表現しているものではない。第2実施形態の図10および図11も同様である。
装着具20は、装着される3本の指の第1関節よりも先の側が開放されるとともに、手のひらの側が開放される。この装着具20の構成は、詳しくは後述するように、装着側装置3Aが常時携行性を有するため要件の一つである。
装着具20は、入出力ユニット10を保持するとともに、指Fに取り付けられる第1保持部21と、本体ユニット50を保持するとともに、手の甲Bに対応する第2保持部23と、第2保持部23に連なり、手首Rに巻き回されるバンド25と、を備える。
[第1保持部21:図4,図5,図6]
第1保持部21は、図4および図5に示すように、人差し指FA、中指FBおよび薬指FCのそれぞれに対応する第1保持部21A,21B,21Cを備える。第1保持部21A,21B,21Cは、それぞれが人差し指FA、中指FBおよび薬指FCの周囲に嵌められるように筒状または鞘状の構造を有している。
第1保持部21A,21B,21Cは、手の甲Bの側においては、図4に示すように、人差し指FA、中指FBおよび薬指FCのそれぞれの第1関節J1から第2関節J2までを覆っている。また、第1保持部21A,21B,21Cは、手のひらPの側においては、図5に示すように、人差し指FA、中指FBおよび薬指FCのそれぞれの第1関節J1から第2関節J2を跨いで第3関節J3に至る範囲を覆う。したがって、装着具20を装着した状態においても、人差し指FA、中指FBおよび薬指FCのそれぞれの第1関節J1よりも先端の側は、第1保持部21A,21B,21Cに覆われておらず、開放される。特に、それぞれの第1関節J1よりも先端の指腹FP1,FP2,FP3が開放されている。
第1保持部21A,21B,21Cは、図4および図6(a),(b)に示すように、それぞれの指の爪FNの側に、ポケット22A,22B,22Cが設けられる。それぞれのポケット22A,22B,22Cには、入出力ユニット10A,10B,10Cが収容される。ポケット22A,22B,22Cは、図6(b)に示すように、指の爪FNの側、つまり指背の側を内側層22inと外側層22outとからなる2層の構造により構成される。この2層構造のポケットは、次に説明する第2保持部23についても当てはまる。ただし、入出力ユニット10A,10B,10Cを収容し、保持する手段としてのポケットはあくまで一例にすぎず、例えば面ファスナにより入出力ユニット10A,10B,10Cを第1保持部21A,21B,21Cに貼り付けるなどの他の手段を採用できる。
ここで、指点字情報を出力するとき、装着者にとって3本の指がそれぞれ独立した信号と脳が判断するためには、できるだけ指の先端に近い位置で振動を受けとることが好ましい。したがって、上述したように、入出力ユニット10A,10B,10Cは、第1関節J1と第2関節J2の間に設けられるのが好ましい。
[第2保持部23:図4,図5,図7]
次に、第2保持部23は、図4および図5に示されるように、人の手の甲Bの側に設けられ、本体ユニット50を保持する。
第2保持部23は、図4に示すように、本体ユニット50を保持する保持部23Aと、保持部23Aと第1保持部21A,21B,21Cとを接続する第1接続部23Bと、保持部23Aとバンド25とを接続する第2接続部23Cと、を備える。第2保持部23は、図4に示すように、第1保持部21A,21B,21Cとバンド25に支持されることで手の甲Bの側に設けられるが、それ自体は手の甲Bに固定されるものではなく、手のひらPは図5に示すように開放されている。
保持部23Aは、図7(a),(b)に示すように、第2保持部23を人の手に装着したときに手の甲Bの側に設けられる内層23inと、内層23inと対向する外層23outと、を備える。内層23inと外層23outとの間のスペースは本体ユニット50を収容するポケット23Dを構成する。本体ユニット50は、ポケット23Dの内部において、その位置の移動を規制するために、内層23inおよび外層23outの一方または双方に例えば面ファスナに固定することができる。また、内層23inと外層23outとは周囲を縫うなどしてその内部を封止することができる。
第1接続部23Bは、図4および図5に示すように、保持部23Aと第1保持部21A,21B,21Cとを接続しながら手の甲Bの側を覆う。また、第1接続部23Bは、手のひらPの側において、人差し指FA、中指FBおよび薬指FCを覆う。
[バンド25:図4,図5]
次に、バンド25は、図4および図5に示すように、人の手首Rに巻き回されことで、装着具20を人の手に固定する。バンド25は、帯状の部材であり、図5に示すように、その両方の端部25A,25Bに例えば面ファスナが設けられ、一方の端部25Aと他方の端部25Bが接合されることで、人の手首Rに固定される。
[装着具20の装着状態と人の手の関係:図4,図5]
装着具20は人の手に装着されるが、図5に示されるように、人差し指FA、中指FBおよび薬指FCの第1関節J1より先端の側、とりわけこの3本の指腹FP1,FP2,FP3は装着具20で覆われておらずに開放される。また、図5に示されるように、手のひらPは装着具20で覆われておらずに開放される。
[装着具20の素材]
装着具20を構成する素材は任意であるが、装着具20を装着した人の手の動作の負担を小さくするために、伸縮性に優れた化学繊維などからなる素材で構成されることが好ましい。特に、この素材は速乾性を有することが好ましい。この速乾性は、水の浸透、拡散および乾燥がともに迅速な、例えば抗菌性のポリエステルを挙げることができる。ただし、本発明における速乾性はこの形態に限らず、水が浸透しにくい素材、例えば金属材料、プラスチック材料が陰られる。
[非装着側装置5:図8]
次に、非装着側装置5について図8を参照して説明する。非装着側装置5はコンピュータ装置、より具体的にはスマートフォン、タブレット端末などが適用される。
非装着側装置5は装着側装置3Aの本体ユニット50との情報送受信を担う送受信部61と、装着側装置3Aへの指点字情報を入力する入力部63と、装着側装置3Aから受信する指点字情報および入力部63から入力される指点字情報を表示部65と、を備える。また、非装着側装置5は、送受信部61、入力部63および表示部65の動作を制御する制御部67を備える。
スマートフォンに適用される場合、入力部63は入力キーが対応し、表示部65はLCD(Liquid Crystal Display)が対応する。
[指点字システム1Aの効果]
指点字システム1Aにおいて、人の手に装着される装着側装置3Aは、以下の効果を奏する。
[第1の効果:指腹、手のひらが開放されることによる効果]
装着側装置3Aは、3本の指腹FP1,FP2,FP3および手のひらPは開放される。これにより、装着側装置3Aは常時携行性を有する。つまり、視聴覚障碍者にとって、健常者と同様の日常生活を過ごすために、指腹および手のひらの触覚機能は大変重要である。特に、第1関節までの指腹は最も重要な触覚機能を有しており、装着側装置3Aを装着した状態であってもこの部分は肌が開放されていれば、触覚機能が妨げられることはない。なお、指腹FP1,FP2,FP3および手のひらPを、以下では指腹等と総称することがある。
また、指腹等が装着具20で覆われていないことによる効果は上述の触覚機能に加えて、伝染性ウィルスや細菌の対策に有効である。つまり、装着側装置3Aを装着したままでも、指腹等を選択的に洗浄または消毒ができる。視聴覚障碍者は健常者同様、公共の場での活動に対してウィルスや細菌を人に移さないため、またウィルスや細菌から身を守るために、手指の頻繁な洗浄または消毒が必要である。この手指の洗浄等は、近頃では、一日に数回以上行われることが日常となっており、装着側装置3Aを装着したままで洗浄等ができることは、常時携行性に寄与する。
特に、装着側装置3Aが速乾性を有する素材で構成されていれば、洗浄等で装着具20を構成する素材が湿気を帯びても、早期に乾燥する。そうすれば、感染性のウィルスや細菌の増殖を抑えることができる。
[第2の効果:動作検知部13を採用することによる効果]
装着側装置3Aは、動作検知部13に一例として3軸加速度センサを採用することによって、3本の指腹FP1,FP2,FP3を開放させた状態において、人差し指FA、中指FBおよび薬指FCの点字動作を検出できる。例えば、特許文献2に開示される圧電センサを用いると、点字動作を検出するためには指腹の側に圧電センサを設ける必要がある。したがって、圧電センサを用いると指腹を開放させることができないため、触覚機能に制約を与えてしまう。
さらに、装着者から見て多軸加速度センサ、例えば3軸加速度センサを指点字情報の入力に用いるために、打点の読み取りに加えて、3次元波形の読み取り、すなわち手話情報の文字変換にも対応できるため、従来の指点字情報入出力装置に比べて、より容易に文字情報の送信が可能になるという効果を持つ。
実施例1
視聴覚障碍者用の指点字システム1Aを用い、実際の入出力作業を行った。
なお、入出力ユニット10の振動部11には偏芯振動モータを、動作検知部13として3次元波形の読み込みができる3次元加速度センサを用いた。なお、情報の受発信時に点灯するLEDライトを入出力ユニット10に組み込み、本体ユニット50には電源の残量と連動するLEDライトを設けた。本体ユニット50と非装着側装置5の連動にはBluetooth(登録商標)を無線媒体として用いた。
独自のソフトウェアを設計し、非装着側装置5にアプリケーションソフトウェアとしてインストールし、24時間駆動が可能なリチウムイオンバッテリを用いた。さらに入出力ユニット10と本体ユニット50はそれぞれ3Dプリンタによる樹脂製の筐体で構成し、これらを接続する電気ケーブルと併せて防水構造とした。なお、本体ユニット50側に2極の電極のみが開放する構造として外部電源からの電力供給が可能となる回路とした。併せて装着具20は伸縮性、吸水性および速乾性に富む抗菌性のポリエステル生地を縫製して作成した。
実施例2
指点字を習得している視聴覚障碍者が装着側装置3Aを装着して、受信実験を行った。「こんにちは」、「ありがとうございます」等、日本語日常会話500文を選定し、非装着側装置5に文章を取り込んだ。この情報群を指点字情報として送信し、いずれの文章も装着者に正しく理解される状態で情報の送信ができることを明らかにした。次に装着者から机を軽くたたく操作で、指点字入力を行ってもらい、本装置を通じて、その読取りを行い、スマートフォンの画面に文字情報として表示させた。15分にわたる実験の結果、すべての単語、文章は装着者の意図する通り、文字情報に変換できていた。
実施例3
次に指先を主体とする身体的動作による複数の文字情報・入力作業情報を手話として定義し、装着側装置3Aの装着者による学習を通じて、入力作業の簡素化を図った。
具体的には「はい」、「いいえ」、「ありがとうございます」、「こんにちは」等、頻繁に使う文字情報と、「一文字消去」、「入力文章の指点字出力による確認」、「文章確定と情報の発信」等の頻繁に用いる入力作業情報に対応する3次元波形を手話として定義し、装着者に繰り返し学習を受けてもらった上で記憶した。同時に装着側装置3Aの側では機械学習機能で読み取り精度を高めた。
十分に実用可能レベルまで装着者の理解と装置の機能を高めた上で、装着者にこれらの手話動作を通して文字情報の出力操作を行った。その結果、装着者の作業性は一動作当り数秒から1分程度短縮され、指点字システム1Aは視聴覚障碍者の日常の使用に対して、実用性をもって取り扱えることがわかった。
実施例4
複数の視聴覚障碍者に、日常における装着側装置3Aの繰り返し利用を体験してもらった。装着側装置3Aを装着したままで手のひらの消毒を行ったり、点字を読んだり、手すりを触ったり、これまでの日常と変わらぬ生活をより多くの情報の送受信とともに過ごすことができると好評であった。装着側装置3Aも日常防水機能により故障することなく稼働することを確認した。
[第2実施形態:図9~図11]
次に第2実施形態に係る指点字システム1Bについて図9~図11を参照して説明する。指点字システム1Aが片手について、人差し指、中指および薬指の3本の指を使用することを前提としていたが、指点字システム1Bは以上の3本に親指を加えた4本の指を使用することを前提とする。つまり、指点字システム1Bは、例えばスマートフォンの操作に親指を加え、この親指の操作にファンクションキーとしての機能を与える。なお、指点字システム1Bは指点字システム1Aと共通部分を含んでいる。したがって、以下においては、指点字システム1Aと同じ構成については指点字システム1Aと同じ符号を付すとともに、指点字システム1Aとの相違点を中心にして指点字システム1Bを説明する。
[指点字システム1Bの全体構成:図9]
指点字システム1Bは、図9に示すように、視聴覚障碍者が手に装着して使用する装着側装置3Bと、視聴覚障碍者の手への装着に関わらない非装着側装置5と、を備える。指点字システム1Bは指点字システム1Aと同様に常時携行性を備える。指点字システム1Bの装着側装置3Bは、装着側装置3Aの入出力ユニット10A,10B,10Cに加えて、入出力ユニット10Dを備える。
[装着側装置3Bの機能・構成:図9]
装着側装置3Bは、装着側装置3Aと同様に、装着される者を基準にして、情報の受信機能と発信機能を備える。
装着側装置3Bは、図9に示すように、四つの入出力ユニット10A,10B,10C,10Dと、入出力ユニット10A,10B,10C,10Dとの信号の送受信を行う本体ユニット50と、入出力ユニット10A,10B,10C,10Dのそれぞれと本体ユニット50とを接続する信号ケーブル30A,30B,30C,30Dと、を備える。装着側装置3Bは、左右の両手に装着され、それぞれの手において、入出力ユニット10A,10B,10C,10Dは、一例としてそれぞれ人差し指、中指、薬指および親指に取り付けられる。装着側装置3Bについても、装着者の手に取り付けられるものの、それぞれの指の指腹は開放されており指腹を使う支障にはならない。
[入出力ユニット10の構成]
装着側装置3Bの入出力ユニット10(10A,10B,10C,10D)は、図示を省略するが、第1実施形態の入出力ユニット10と同様に、振動部11、動作検知部13および送受信部15を備える。振動部11、動作検知部13および送受信部15の機能、構成も先に説明した第1実施形態と同様である。
ただし、装着側装置3Bは片手について4本の指を対象とする。したがって、装着側装置3Bが装着者の左右の両手に付けられると、右手と左手、それぞれの親指、人差し指、中指、薬指の計8本の指のそれぞれに振動部11が取り付けられるので、計8本の指に振動を伝達させることができる。具体的には、8本の指のそれぞれに振動の有無を組み合わせると、2の8乗、つまり256通りの組み合わせを発現できる。文字情報に加えてデジタル端末の入出力に用いられる様々なコマンドキーやそれらの組み合わせの入力を割り振ることができる。
[本体ユニット50:図9]
本体ユニット50は、第1実施形態と同様に、信号ケーブル30(30A~30D)を介して入出力ユニット10(10A~10D)に接続され、入出力ユニット10への情報の送信および入出力ユニット10からの情報の受信を担う。本体ユニット50は、この機能を実現するために、図3を参照して先に説明したように、第1送受信部51、演算部53、指令部55および第2送受信部57を備える。
装着側装置3Bは、左右の両手に付けられるので、演算部53に送信されるのは、8本の指に対応する256種類の3次元波形情報であり、演算部53はこの256種類の3次元波形情報を演算処理することで、256種類の波形情報の組み合わせによる文字とコマンドの情報が生成される。この3次元情報は各指に設けられる入出力ユニット10の動作検知部13が検知する各指の動作、例えばキーを押すのを模擬する動作に基づいており、送受信部15を介して本体ユニット50に送られる。キーを押すのを模擬する動作は、以下、タッチ動作と略称される。演算部53による具体的な点字に関する処理の例については後述する。
[装着側装置3Bの装着例:図10,図11]
次に、図10および図11を参照して、装着側装置3Bを手に装着する例を説明する。
装着側装置3Bは、装着側装置3Aと同様に、入出力ユニット10、装着具20を備え、入出力ユニット10、信号ケーブル30および本体ユニット50は、装着具20に保持されながら装着具20により人の手に装着される。
装着具20(第1保持部21,第2保持部23,バンド25)の機能、構成は基本的には第1実施形態と同様である。ただし、図10および図11に示すように、第1保持部21は、人差し指FA、中指FBおよび薬指FCのそれぞれに対応する第1保持部21A,21B,21Cに加えて、親指FDに対応する第1保持部21Dを備える。
第1保持部21A,21B,21C,21Dは、親指FDの第1関節J1の近傍を周囲から覆う指輪型の形状を有している。したがって、装着具20を装着した状態においても、人差し指FA、中指FB、薬指FCおよび親指FDの第1関節J1よりも先端の指腹FP1~FP4は開放される。
装着側装置3Bにおける指輪型の第1保持部21A~21Dは、装着側装置3Aが備えていたポケット22Dを有さず、手の甲Bの側において、入出力ユニット10A~10Dが固定される。
[第2保持部23,バンド25:図10,図11]
次に、人の手の甲Bの側に設けられる第2保持部23は、図10および図11に示されるように、保持部23A、第1接続部23Bよび第2接続部23Cを備える点および機能が第1実施形態と同様である。ただし、また、バンド25についても、第1実施形態と同様に、人の手首Rに巻き回され、両方の端部25A,25Bが接合される。
[非装着側装置5:図8]
非装着側装置5については、第1実施形態と同様に、スマートフォン、タブレットなどのコンピュータ装置が適用され、図8に示したように、送受信部61、入力部63、指点字情報を表示部65と、を備える。また、非装着側装置5は、送受信部61、入力部63および表示部65の動作を制御する制御部67を備える。
[指点字の例]
以下、第2実施形態に係る指点字システム1Bを用いて指点字を実行する例を説明する。
よく知られるように、公知の点字キーボードは、点字の6点の番号を両手の指に割り当てる。具体的には、図12に示すように、左手LHの人差し指LA、中指LB、薬指LCの順に1,2,3が割り当てられ、右手RHの人差し指RA、中指RB、薬指RCの順に4,5,6が割り当てられる。これらを数値キーと称するが、本実施形態においても同様に数値キーが割り当てられる。第2実施形態においては、図12に示されるように、左手LHの親指LDと右手RHの親指RDのそれぞれにファンクションキー(機能キー)としてのLおよびRが割り当てられる。
図12には記載が省略されているが、人差し指LA、中指LB、薬指LCおよび親指LDならびに人差し指RA、中指RB、薬指RCよび親指RDのそれぞれには前述した入出力ユニット10A,10B,10C,10Dが設けられる。入出力ユニット10(10A,10B,10C,10D)のそれぞれには動作検知部13が設けられており、それぞれの指のタッチ動作が動作検知部13で検知されると、タッチ動作に対応する情報が送受信部15を介して本体ユニット50に送信される。タッチ動作に対応する情報としては、各指に割り当てられる数値キーおよび機能キーに関する情報を含んでいる。例えば、人差し指LAのタッチ動作に対応する情報として数値キーの1を含み、親指RDのタッチ動作に対応する情報として機能キーのRを含む。
本体ユニット50の演算部53は、第1送受信部51を介してタッチ動作に対応する情報(動作情報)を受信する。演算部53は、受信する動作情報に基づいて文字特定および他の指点字システム1Bにおける処理を行う。この処理を行うために、演算部53は数値キーおよび機能キーを識別することができるのに加えて、識別される数値キーおよび機能キーと文字(ひらがな)、実行される機能とが関連付けられる情報(関連情報)を備える。関連情報の一例を図13に示す。図13を参照して演算部53における処理例を説明する。関連情報は、図13に示すように、英語アルファベット、数字などを含んでいるが、他の関連情報として例えば日本語のひらがな、その他の言語を含むこともできる。
例えば英語アルファベットについて、演算部53は、動作情報として数値キー1(人差し指LA)と数値キー2(中指LB)を受信すると、関連情報と照合することにより、英語アルファベットの「B」を特定する。同様に、演算部53は、動作情報として数値キー2(中指LB)と数値キー4(人差し指RA),5(中指RB),6(薬指RC)を受信すると、関連情報と照合することにより、英語アルファベットの「W」を特定する。なお、英語アルファベットを処理する場合には、演算部53は英語アルファベットに対応するモードとされる。
特定された文字情報は第2送受信部57を介して非装着側装置5に送信され、その表示部65に表示される。ここまでの文字の特定は、第1実施形態においても実施できるが、次の機能キーをも含む動作情報に基づく処理は、第2実施形態において実施ができるようになる。
次に、数字を特定する場合について説明すると、演算部53は、動作情報として数値キー1(人差し指LA)を受信すると、関連情報と照合することにより、数字の「1」を特定する。同様に、演算部53は、動作情報として数値キー2(中指LB)と数値キー4(人差し指RA)を受信すると、関連情報と照合することにより、数字の「9」を特定する。なお、数字を処理する場合には、演算部53は英語アルファベットに対応するモードとされる。
演算部53は、動作情報として機能キーL(親指LD)を受信すると関連情報と照合することにより、エンター(En.)を特定する。このエンターの特定はパーソナル・コンピュータのエンター・キー(Enter Key)が押されるのと同義である。
他の例として、カーソル・キー(Cursor Key)に関するものがあり、演算部53は、動作情報としてLキー(親指LD)と数値キー1を受信すると、上向きのカーソルが押されるのを特定する。左向き、下向きおよび右向きのカーソルについても、演算部53は特定できる。
他に、演算部53は、機能キーL(親指LD)と機能キーR(親指RD)を受信すると、プログラムの終了(P終了)を特定するとともに実行する。また、演算部53は、機能キーL(親指LD)と数値キー1,2とを受信すると、それまで入力された文節の消去を特定するとともに実行する。さらに、演算部53は、機能キーL(親指LD)と数値キー1,2,3とを受信すると、それまで入力した全文書の消去を特定するとともに実行する。さらに、演算部53は、機能キーR(親指RD)と数値キー1,2,3とを受信すると、それまで入力した全文書の読み上げを特定するとともに実行する。
[指点字システム1Bの効果]
指点字システム1Bは、指点字システム1Aと同様の効果を奏するのに加えて、以下の効果を奏する。
指点字システム1Bは、それぞれの手において親指を加える4本の指を使用することを前提とするので、効率的にスマートフォンの操作ができるのに加えて、文字以外の機能的な処理を実現できるようになる。
また、指点字システム1Bの第1保持部21A~21Dは指輪型をなしている。したがって、装着者の指の太さ、長さにかなり幅があったとしても、第1保持部21A~21Dを弾性力のある素材で作製すれば、装着者の負担を小さくしながら、第1保持部21A~21Dを容易に装着できる。また、その製造コストを最小限に抑えることができる。
以上本発明の実施形態を説明したが、上記以外にも、本発明の主旨を逸脱
しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜
変更したりすることが可能である。
以上の指点字システム1は、日本語環境で利用することを前提に説明したが、点字は世界の多くの国で利用されており、その変換表を本装置のソフトウェアに組み込むことで、世界の視聴覚障碍者が指点字入力方法を習得することで容易に本装置を利用できる。
また視聴覚障碍者が人差し指、中指、薬指のいずれかに障害をもつ場合、他の指に入出力ユニットを振り替えたり、振動位置を指の長手方向の前後方向にずらしたりして利用できる。
装着側装置3A,3Bは、3軸加速度センサからなる動作検知部13を用いることにより、点字情報に加えて、手話による文字情報も伝達できる。すなわち、3軸加速度センサの副次的な特徴は、3次元波形の読み取りができるという点であり、この変換機構は手話情報の文字変換にも応用できることである。例えば、「はい」、「いいえ」の文字変換や、打ち間違いの指点字の消去作業など、指点字としての入力よりも簡単な手話あるいは手話に準じた動作で文字の入出力や消去作業ができるようになる。3次元波形の読み取り技術は近年、機械学習等の手法によりその解析能力が格段に高まっているため、将来的には3次元波形の識字率を十分に高めることができるようになれば、装着側装置3A,3Bは装着者からみて手話と指点字情報の両方の入力とそれに呼応する文字情報の出力装置として利用できるようになる。また、この技術の応用として、指点字情報の発信においても固定表面の打点波形利用ではなく、固定表面を叩かない3次元空間の波形認識で利用でき、より幅広い環境での使用が可能となる。これら一連のプログラムは、アプリケーションソフトウェアとして、スマートフォンやパソコンにインストールして用いることが可能になる。
本実施形態においては、動作検知部13として3軸加速度センサを用いたが、動作検知手段の一例に過ぎず、本発明は指の動作を検知できる他のセンサ類、例えば光学系センサ、ひずみセンサ、筋電位センサなどを用いることができる。これらのセンサは、指の動作以外の外力を加えることなく指の動作を検知できる。
装着側装置3A,3Bの第1保持部21として、水やアルコールなどの液体に濡れない金属製リングや撥水性の樹脂などを用いることもできる。金属製リングや撥水樹脂製リングを第1保持部21として用いる場合でも、入出力ユニット10の固定方法は、基本的に図4で例示される方法に準ずる。また、装着具20の製作に3次元造形方法を採用することも可能である。
上述の通り速乾性の生地はウィルスや細菌の発生を抑止する点において効果はあるが、より能動的には抗菌効果および抗ウィルス効果を発現する表面を持つ素材を用いることでより積極的に装着者をウィルスや細菌の害から身を守り、伝染させない対策を取ることができる。例えば、日本化学繊維協会がホームページで公開している抗菌防臭・制菌の化学繊維リスト等に示される化学繊維から装着用の素材を選ぶことができる。さらに、酸化チタンのナノ粒子液等、抗菌・制菌に効果のある溶液を塗布して装着素材を抗菌被膜で覆う構造を採用できる。
1A,1B 指点字システム
3A,3B 装着側装置
5 非装着側装置
10,10A,10B,10C 入出力ユニット
11 振動部
13 動作検知部
15 送受信部
20 装着具
21,21A,21B,21C 第1保持部
22A,22B,22C ポケット
22in 内側層
22out 外側層
23 第2保持部
23A 保持部
23in 内層
23out 外層
23B 第1接続部
23C 第2接続部
23D ポケット
25 バンド
25A,25B 端部
30,30A,30B,30C 信号ケーブル
50 本体ユニット
51 第1送受信部
53 演算部
55 指令部
57 第2送受信部
61 送受信部
63 入力部
65 表示部
67 制御部
110 無線通信
LH 左手
RH 右手
B 手の甲
F 指
R 手首
FA,LA,RA 人差し指
FB,LB,RB 中指
FC,LC,RC 薬指
LD,RD 親指
FN 爪
FP1,FP2,FP3 指腹
J1 第1関節
J2 第2関節
J3 第3関節

Claims (4)

  1. 各指の指点字動作信号に基づく動作情報を送信するとともに各指への指点字に関する振動情報を受信して各指に振動を伝達する入出力ユニットと、
    前記入出力ユニットからの前記動作情報を受信して所定の処理を行うとともに前記入出力ユニットへの前記振動情報を送信する本体ユニットと、
    前記入出力ユニット各指の背側に装着し、本体ユニットを手の甲に装着するための装着具と、を備え、
    前記入出力ユニットは、
    前記装着具により前記手のの背側に設けられており、
    前記本体ユニットとの送受信を行う送受信部と、
    前記指の前記動作に応じる信号を検知し、前記各指の動作情報として前記送受信部を介して前記本体ユニットに送信する動作検知部と、
    前記本体ユニットから前記送受信部を介して受信した前記振動情報に基づいて装着された指に振動を伝達する振動部と、を備え、
    前記本体ユニットは、
    前記入出力ユニットと送受信する第1送受信部と、外部と無線送受信する第2送受信部とを備え、
    第1送受信部を介して受信した前記動作検知部で検知される前記指の前記動作に対応する動作情報に基づいて、指点字に関する文字情報及び/又は実行すべき機能情報を特定し、該文字情報及び/又は前記機能情報を第2送受信部を介して外部に無線送信し、
    前記第2送受信部を介して外部から受信した指点字に関する文字情報及び指令情報に基づいて、各指に割り振られる振動情報を第1送受信部を介して送信する、
    ことを特徴とする外部のスマートフォン又はパソコンと無線送受信可能な指点字装置。
  2. 前記本体ユニットは、
    前記動作情報と特定される前記文字情報及び/又は実行すべき機能情報とが関連付けられる関連情報を予め備え、
    前記入出力ユニットの第1送受信部から受信する前記動作情報と前記関連情報とを照合することにより、前記指点字に関する文字情報及び/又は実行すべき機能情報に変換して特定し、前記第2送受信部より外部に無線送信することを特徴とする、請求項1に記載の外部のスマートフォン又はパソコンと無線送受信可能な指点字装置。
  3. 前記動作検知部は、各指の動作の3次元波形情報を検知し、検知された3次元波形情報に対応する動作情報を前記入出力ユニットの送受信部に送信する3軸加速度センサからなり、該送受信部は前記動作情報を前記本体ユニットに送信する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の外部のスマートフォン又はパソコンと無線送受信可能な指点字装置。
  4. 前記本体ユニットは、該本体ユニットの前記第2送受信部で受信した外部からの指点字情報に基づいて各指に割り振られた振動情報を前記第1送受信部から送信し、
    前記振動部は、前記本体ユニットから前記入出力ユニットの送受信部を介して受信した前記振動情報に基づいて、割り振られた各指を振動する偏芯振動モータ又は圧電アクチュエータである、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の外部のスマートフォン又はパソコンと無線送受信可能な指点字装置。
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