JPWO2021140143A5 - - Google Patents

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ある特定の実施形態では、少なくとも1つのGlcNAcトランスフェラーゼは、OGNT1、OGNT2、及びOGNTL、ならびにそれらの相同GlcNAcトランスフェラーゼからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのGlcNAcトランスフェラーゼは、OGNT1、OGNT2、及び/またはOGNTLと相同的なGlcNAcトランスフェラーゼである。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのGlcNAcトランスフェラーゼのは、1つ、2つ、または3つである。
(A)Leishmaniata rentolae St10569における3つのOGNT候補遺伝子のゲノム位置。染色体LTAR_17上にはOGNT-2(LTAR_170020900)が見られ、染色体LTAR_2上にはOGNT-1及びOGNT-L(それぞれLTAR_020006800及びLTAR_020006900)が見られる。矢印は、遺伝子の方向性(5’→3’)を示す。両矢印は、染色体末端までのおよその距離を示す )他のKinetoplastidaのOGNTホモログ。Kinetoplastidaゲノムをtritrypdb.orgからダウンロードし、T.cruzi OGNTを参照クエリーとして使用し、L.tarentolae OGNTに対する相互ベストヒット(reciprocal best hit)によってマッチを試験した。それぞれの種について、代表的な分離株を1つ選択し、全部で81個の配列を使用することで、T-coffeeを使用する多重配列アライメントによる系統樹の構築及びRAxMLを使用する系統樹の構築を行った。系統発生関係は、矩形樹(図5B)と図示されている。 C)他のKinetoplastidaのOGNTホモログ。Kinetoplastidaゲノムをtritrypdb.orgからダウンロードし、T.cruzi OGNTを参照クエリーとして使用し、L.tarentolae OGNTに対する相互ベストヒットによってマッチを試験した。それぞれの種について、代表的な分離株を1つ選択し、全部で81個の配列を使用することで、T-coffeeを使用する多重配列アライメントによる系統樹の構築及びRAxMLを使用する系統樹の構築を行った。系統発生関係は、放射樹(図5C)とし図示されている。
IlluminaディープシークエンシングによってOGNT欠失を検証した。IGVゲノミクスブラウザにおいてそれぞれのOGNT領域と一致するリードが存在しないことが示されたことから、St16248株、St16257株、及びSt16249株における単一OGNT遺伝子の欠失(A)に成功したことが確認されている。 IlluminaディープシークエンシングによってOGNT欠失を検証した。IGVゲノミクスブラウザにおいてそれぞれのOGNT領域と一致するリードが存在しないことが示されたことから、St16636株におけるOGNT-1及びOGNT-Lのダブルノックアウト(B)に成功したことが確認されている。
(ii)OGNTの欠失のためのDNAコンストラクト設計
OGNTの欠失のために、3つの異なる様式のコンストラクト組成を用いた。すべての場合において、組み込みコンストラクトは、そのコンストラクト内の、200bpのオーバーラップ領域を含む2つ以上の断片(約1000~2500bp)へと分割し、L.tarentolaeゲノムへの完全なコンストラクト相同組換えを可能とした。
(C)構成的なCas9発現を伴わないトランスフェクションのためのリボ核タンパク質(RNP)複合体の調製
CRISPR/Cas9介在性のゲノム編集用のgRNAについては、サーマルサイクラー中で95℃、5分間の変性を行った後、0.1℃/秒の緩徐な冷却を行うことによって上記のように等モル量のtracrRNA及びcrRNA(Microsynth)からアセンブリした。このアセンブリを使用crRNAごとに個別に実施してから、等モル量の異なるgRNAを混合した。次に、122pmolの組換え発現Cas9タンパク質(すなわち、Alt-R(登録商標)S.p.HiFi Cas9ヌクレアーゼV3(IDT、#1081061))を360pmolのgRNA混合物に添加し、室温で15分間インキュベートしてRNPが形成されるようにした。Nucleofectorによるトランスフェクション(セクションEを参照のこと)に使用する最終体積は6μlを超えないことになる。最後に、RNP混合物を1μlのAlt-R(登録商標)Cas9電気穿孔エンハンサー(IDT、#1081072)と共に、以下に記載の修復DNA含有トランスフェクション溶液に添加した。
(F)Gene Pulser Xcell(商標)(Biorad)を用いるトランスフェクション
トランスフェクション(静置、26℃)の前日にBHIH中での高密度増殖培養物を1:10希釈することによってトランスフェクション用のLeishmania培養物の調製を実施した。光度計を用いて使い捨てキュベット中で600nmでのODを測定し、効率を最適化するために、このODが0.4~1.0(4~6×107個細胞)の範囲に入るようにした。細胞は対数増殖期に入っていることになり、このことは、円形及び滴状の細胞の混合集団が存在することによって示される。円形の細胞が多い方が好ましかった。1つのトランスフェクションに10mlの培養物を使用し、それぞれの選択マーカーに対する陰性対照として、常に1つの培養物をddH2Oと共に電気穿孔に供した。トランスフェクションについては、培養物を1’800×gでのスピンに室温で5分間供した。上清を除去し、ペレットを5mlのトランスフェクション緩衝液(200mMのHepes(pH7.0)、137mMのNaCl、5mMのKCl、0.7mMのNa2HPO4、6mMの無水デキストロース(グルコース)、ろ過滅菌(孔径0.22um)済)に再浮遊させた。細胞を再び遠心分離し、ペレットを400μlのトランスフェクション緩衝液に再浮遊させた。400μlの細胞をDNAに添加し、キュベットに移し、氷上で10分間インキュベートした。低電圧プロトコール(指数関数的減衰波:450V、450uF、5~6ミリ秒、キュベット:d=2mm)を使用してGene Pulser Xcell(商標)(Biorad)で電気穿孔を実施し、その直後に正確に10分間氷上に置いた。キュベットの全内容物を、いずれの選択マーカーも含まない10mlのBHIHに移し、暗所で通気しながら細胞を26℃で20~24時間静置培養して増殖させた。ポリクローナル細胞株の選択については、半分濃度の選択マーカーを添加し、培養物を26℃で1~2日間インキュベートした後、完全濃度の選択マーカーを含む10mlのBHIH中で比を1:10として継代した。暗所、26℃で細胞をさらに増殖させた。7日後に培養物が濁った培養物へと変化すれば、細胞は1’800×gでの5分間のスピンダウンに室温で供されることになり、完全濃度の選択マーカーを含む新たなBHIH培地にペレットが再浮遊される。
(viii)ウエスタンブロットによる発現分析
(A)試料調製及びウエスタンブロットによる発現分析
細胞を26℃で静置培養して2~3日間増殖させた(この増殖培養は、例えば、6ウェルプレート中3mlで実施した)。OD値0.05相当の全細胞抽出物(WCE)及びOD値0.05相当の無細胞培養上清の分析はウエスタンブロットによって行われる。上清分析については、増殖培養物を1800g、室温での遠心分離に5分間供し、無細胞上清を新たなチューブに移し、還元条件または非還元条件の下でLaemmli色素と混合した。WCE用の細胞ペレットについては、1×PBSで洗浄し、1800g、室温での遠心分離に再び5分間供し、-80℃で最小限に30分間凍結した。このペレットを室温で再び解凍した後、ペレットをLeammli(還元)緩衝液に溶解し、95℃で10分間、再び煮沸し、激しくボルテックスした後、MOPS泳動緩衝液を使用する200Vでの4~12%ビス-トリスSDS PAGEに60分間供した。Iblot装置を使用して7分間かけてPVDF膜へのゲルのブロッティングを実施した。10%の乳中での膜のブロッキング処理を室温で少なくとも30分間実施した。1%の乳を含む1×PBSTでの1:2000希釈液としてポリクローナルウサギ抗HA抗体(H6908、Sigma)を4℃での一晩のインキュベートに使用した。その後、1×PBSTでの5分間の洗浄にそのブロットを3回供した後、1%の乳を含む1×PBSTでの1:4000希釈液として西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合型ヤギ抗ウサギ抗体(170-6515、BioRad)を用いて30℃で回転させながら3時間の二次抗体検出に供し、その後に1×PBSTでの5分間の洗浄に3回供し、比色検出のための3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)基質(1液組成タイプ)(TMBM-1000-01、Surmodics)での染色に供した。
(iii)アダリムマブの小スケール発現、精製
140rpmで振とうしながらBHIH中での50ml培養を行って宿主細胞を26℃で48時間所定通り増殖させた。培養物を収集し、1800×gの遠心分離に室温で10分間供した。培地上清を孔径0.22μmのフィルター(Steriflip、SCGP00525)に通してろ過し、EDTA(0.5M pH8)の1:100希釈液を各ロードに添加した。各株の培地上清を、Falconチューブ当たり100μlのプロテインA樹脂(プロテインA-Sepharose 4B Fast Flow、Sigma Aldrich、P9424)と共に回転させながらバッチで4時間、室温でインキュベートした。プロテインA樹脂での処理後、試料を500×gの遠心分離に5分間供し、素通り部(FT)を捨て、樹脂をスピンカラムに移した。100μlの樹脂に対して500μlの緩衝液A(20mMのNaHPO(pH 7.2)、150mMのNaCl(HClでpHを7.20に調整した))(5CV)を使用して洗浄を3回実施した。この洗浄では、各ステップ間で1000×gの遠心分離を室温で1分間実施した。溶出は、100μlの樹脂に対して100μlの緩衝液B(0.1Mの酢酸、100mMのNaCl(1MのNaOHでpHを3.20に調整した))を使用して実施した(いくつかのCVで実施)。この溶出(例えば、1CVで3回及び0.5CVで1回)では、各ステップ間で1000×gの遠心分離を室温で1分間実施した。
(iv)IdeSによって得られるサブユニットを分析するための試料調製
それぞれが約25kDaのmAbサブユニットを生成させるために、配合緩衝液中でIdeS(FabRICATOR、Genovis,Lund,Sweden)によるmAbの消化を実施した。各μgのmAbに1ユニットのIdeSを添加し、静置して37℃で30分間反応させた。その後、6MのGdnCl及び30mMのTCEPと共に室温で30分間インキュベートすることによってmAbの変性及び還元を行った。最後に、溶液を1%のTFAに曝露して酸性化することによって反応を停止した。分析については、0.1%のFA水溶液で試料を希釈してその最終濃度をμg/μlとした。
-データ依存的分析:上位10
簡潔に記載すると、市販のHumiraまたはL.tarentolaeから精製したアダリムマブ2mgをPNGaseFと共に最初にインキュベート(50U添加、37℃で3時間)してN-グリカンを除去することで、単糖分析の間にN-グリカン由来の単糖による妨害が生じる可能性を低減した。次に、このPNGaseF処理試料をPBS(pH7.1)中、37℃でFabRICATOR(2000U)と共に一晩インキュベートした。この消化物をバッチでのCaptoL精製ステップ(室温で3時間)に供して精製することでFc/2断片を除去した。残存F(ab)2断片を、Pierce PES 3kDaカラムを用いて濃縮し、ZebaSpinカラムを用いて0.1Mのトリス(0.1MのNaCl含有、pH8.0)に含めて再度緩衝下に置いた。再度緩衝下に置いたこの試料を、2mMのシステインの存在下でGingisKHAN(2000U)と共に37℃で一晩インキュベートした。TCEP(20mM)を用いて試料を20分間還元した後、O-HexNAc部位を含む14アミノ酸ペプチドを、10kDa Pierce PESカラム(LC断片及びFd断片は保持される)を使用して精製した。O-HexNAc修飾を有する14アミノ酸ペプチド及びO-HexNAc修飾を有さない14アミノ酸ペプチドの存在をMALDIによって確認した。MALDI測定の間、サブユニット(LC、Fc/2、Fd)は同定されなかった。
製造者の説明に従ってC18 ZipTipピペットチップ(Millipore)を用いて試料を脱塩した後、グラウンドスチールターゲットプレート上で、α-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸(HCCA;トリフルオロ酢酸含有率0.1%の40%アセトニトリル中に5mg/mlのHCCAを含むもの)マトリックスにスポットした。MALDI-TOF MSは、UltrafleXtremeマトリックス支援レーザー脱離/イオン化-飛行時間/飛行時間型(MALDI-TOF/TOF)質量分析計(Bruker)をリフレクターポジティブイオンモードで操作して実施した。機器の操作はflexControl 3.4(Bruker)で行い、その際、レーザー強度を30~40%、質量範囲をm/z700~3500、検出器ゲインを2×、サンプリングレートを2.5GS/秒とした。500回のショットステップで実施した3000回のレーザーショットを積算した。シグナル/ノイズカットオフ値を5とし、TopHatアルゴリズムを使用するスムージング及びベースライン補正を行ってflexAnalysis 3.4(Bruker)でスペクトルを処理した。目的ピークの選択は、同じペプチドの非グリコシル化バージョン及びO-グリコシル化バージョンを考慮して手作業で実施した。O-グリコシル化ペプチドの相対存在量は、モノアイソトピック質量のHイオン及びNaイオンの面積を積分し、それらをすべての同定ペプチド形態の強度の積算値と関連付けることによって決定した。
したがって、GlcNAcを転移させることが生化学的によく特徴付けられた近縁Trypanosoma酵素に焦点を当てることとした。T.cruziにおけるムチン中のO-グリカンの生合成は、ウリジンジホスホ-N-アセチルグルコサミン:ポリペプチド-α-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(ppGlcNAcトランスフェラーゼ)によってUDP-GlcNAc(活性化糖ドナー)からGlcNAc残基がタンパク質中のセリン残基またはスレオニン残基に付加されることで開始される(Previato,et al(1998)Journal of Biological Chemistry 273(24),pp.14982-14988)。この反応は、T.cruziでのO-グリコシル化と哺乳類でのO-グリコシル化との間の主な違いになっている。哺乳類では、オルソログ酵素は、UDP-GalNAcからN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)をペプチドに転移させるUDP-GalNAcトランスフェラーゼである(Hagen(2002)Glycobiology13(1),1R-16)。この違いは、T.cruziがUDP-GalNAcとUDP-GlcNAcとを相互変換する能力を有さないという事実に起因するものであり得る(Roper,et al(2002)Proc Natl Acad Sci U S A 99(9),pp.5884-5889)。T.cruzi酵素は、ほとんどのグリコシルトランスフェラーゼで見られるように、活性のために二価金属陽イオンを必要とし、Mn2+が最も有効である。このことは、ヒト細胞質O-GlcNAcトランスフェラーゼが金属イオン依存性を示さないこととは対照的である。もっとも際立つことは、T.cruzi酵素はアルファ結合を介してGlcNAcをヒドロキシル化アミノ酸に付加する一方で、上記細胞質酵素のアノマー特異性はベータであるということである(Previato,et al(1998)Journal of Biological Chemistry 273(24),pp.14982-14988)。T.cruziにおいては、ppGlcNAcトランスフェラーゼ活性をコードするTcOGNT-2遺伝子についても報告された。酵素的な分析から、UDP-GlcNAcトランスフェラーゼ活性及びUDP-GlcNAcヒドロラーゼ活性のレベルが高く、両方の活性がUDP-GlcNAcに特異的であることが示された(Heise,et al.(2009)Glycobiology 19(8),pp.918-933)。ペプチド選択性及び至適pHは、T.cruziのミクロソーム画分において以前に報告された天然のGlcNAcトランスフェラーゼ活性と同等である(Previato,et al(1998)Journal of Biological Chemistry 273(24),pp.14982-14988)。
OGNT-2(638アミノ酸、72.2kDa):IPR021067;ファミリー:GlcNAc(PF11397 aa160~316)(GT-A折り畳みが共通する)。Phobius(膜貫通(TM)及びシグナルペプチド(SP)の複合予測プログラム)(aa1~28細胞質、29~50TM、51~638非細胞質)。
OGNT-1(1136アミノ酸、124.8kDa):IPR021067;ファミリー:GlcNAc(PF11397 aa742~1121)(GT-A折り畳みが共通する)。Phobius(1~302非細胞質、303~325TM、326~1136細胞質)。OGNT-1は、ヌクレオチド-ジホスホ-糖トランスフェラーゼ(IPR029044)スーパーファミリーと繋がる痕跡も有する。
FabRICATOR/GingisKHANでの二重消化後に得られたMALDIスペクトルを解析し、モノアイソトピック質量のH+イオン及びNa+イオンの面積を積分し、すべての同定ペプチドの積算強度と関連付けることによって同じペプチドの非グリコシル化バージョン及びO-グリコシル化バージョンの相対存在量を決定した。MALDIは修飾ペプチド及び非修飾ペプチドの相対的定量化に適するものと見なすことができるが、ターゲット上へのスポットの間に形成される結晶の品質には差異があることから、得られる絶対強度及びノイズレベルは試料間で異なり得る。したがって、O-HexNAcのレベルが低いことが予想される試料は、シグナル対ノイズレベルの変化に起因して、場合によっては肯定的な確認となり得るものであり、スポットが弱いものについては確認に至らない可能性がある。したがって、KO株のいくつかについては、標的指向型の糖ペプチド分析またはサブユニット分析によってもO-HexNAcレベルを決定した。表3は、得られた結果のまとめである。
まとめると、組換えアダリムマブ内にO-グリカンが完全に存在しない完全なOGNT欠失細胞株が生成されたことで、こうした宿主細胞は、望ましくない修飾を有さない組換え抗体または抗体形式を製造する上で理想的なものとなった。
Figure 2021140143000001
Figure 2021140143000002
アダリムマブを発現する株(のみならずssu遺伝子座、St15449)に直鎖化コンストラクト(p5932、p5933、p5934)をトランスフェクションした。得られた株が、OGNT-2_3×HA(St15884)、OGNT-1_3×HA(St15885)、またはOGNT-L_3×HA(St15886)のいずれかを予想通りに発現したことは、ウエスタンブロットによって確認することができた。次に、これらの株からプロテインA親和性クロマトグラフィーによってアダリムマブを濃縮し、サブユニット分析によってO-HexNAcレベルを定量化した。OGNT-L過剰発現株でのアダリムマブ上のO-HexNAc修飾レベルはほぼ野生型のレベルであったが、OGNT-1過剰発現株及びOGNT-2過剰発現株の両方については、アダリムマブヒンジ領域上に生じたO-グリコシル化は少なくなっていた。この影響は、OGNT-1過剰発現株で非常に顕著であり、野生型対照由来のアダリムマブと比較してO-HexNAc量が10分の1に減少して1.9%となった(表4)。さらなる分析は行っていないが、タンパク質一次配列がTHT反復区間を含むことから、自己グリコシル化による制御に起因してこの影響が生じたと推測され得る。あるいは、別の仮説はHeise(Heise,et al.(2009)Glycobiology 19(8),pp.918-933)に基づき得るものであり、Heiseの説明によれば、OGNT-1はトランスフェラーゼ活性だけでなく、UDP-GlcNAcに対する加水分解活性も有していることから、ペプチド濃度が下がった場合(タンパク質基質の減少)、UDP-GlcNAcの分解を生じさせる。タンパク質基質濃度が不変のままOGNT-1が過剰発現すると、OGNT-1活性がUDP-GlcNAcの加水分解へとシフトすることから、細胞中のUDP-GlcNAcが枯渇し得ると予想され得る。しかしながら、これらの仮説は、さらなる究明を必要とするものである。
6.5 実施例5-OGNT欠失株の表現型に影響は存在しない-バイオリアクター中での増殖
OGNT欠失株(St16704(OGNT-1/L KO)及びSt16636(OGNT-1/2/L KO))の表現型に影響が存在するかどうかを分析するために、これらのOGNT欠失株を流加発酵に供した。両方の株がバイオリアクター中で安定して増殖し、発酵終了時点では最大OD値が18及び20到達した。このことは、野生型OGNT遺伝子型を有する株(St12427など)を同じ条件の下で増殖させた場合と完全に同等である。さらに、発酵後に上清からのプロテインA濃縮によって全長抗体を単離することが可能であり、この全長抗体をMALDIベースの相対的O-HexNAc定量化に供した。両方の試料において、O-HexNAc修飾ペプチドを検出することは不可能であった(表9)。したがって、OGNTのノックアウトは、培養スケールとは無関係にO-HexNAc修飾を枯渇させ、発酵の間の増殖に影響を及ぼすことはない。

Claims (16)

  1. Leishmania細胞におけるポリペプチド上でのO-結合型GlcNAcの形成が低減または除去されるように遺伝的に操作された前記Leishmania細胞であって、
    遺伝的に操作される前の該Leishmania細胞におけるO-結合型GlcNAcの形成が、少なくとも1つのN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)トランスフェラーゼによって触媒されるものであり、かつ、該少なくとも1つのGlcNAcトランスフェラーゼをコードする遺伝子が、下方制御される、機能的に不活化される、欠失される、変異導入される、または過剰発現される、前記Leishmania細胞。
  2. 前記少なくとも1つのGlcNAcトランスフェラーゼをコードする遺伝子が下方制御される、機能的に不活化される、欠失される、または変異導入される、請求項1に記載のLeishmania細胞。
  3. 前記少なくとも1つのGlcNAcトランスフェラーゼをコードする遺伝子が機能的に不活化される、請求項1または2に記載のLeishmania細胞。
  4. 前記少なくとも1つのGlcNAcトランスフェラーゼをコードする遺伝子が下方制御される、請求項1または2に記載のLeishmania細胞。
  5. 前記少なくとも1つのGlcNAcトランスフェラーゼをコードする遺伝子が欠失または変異導入される、請求項1または2に記載のLeishmania細胞。
  6. 前記少なくとも1つのGlcNAcトランスフェラーゼをコードする遺伝子が過剰発現される、請求項1に記載のLeishmania細胞。
  7. 前記O-結合型GlcNAcの形成が、参照Leishmania細胞における前記O-結合型GlcNAcの形成と比較して少なくとも5%、7%、10%、12%、15%、18%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%低減される、請求項1~6のいずれか1項に記載のLeishmania細胞。
  8. 前記少なくとも1つのGlcNAcトランスフェラーゼが、OGNT1、OGNT2、及びOGNTL、ならびにそれらの相同GlcNAcトランスフェラーゼからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載のLeishmania細胞。
  9. 前記少なくとも1つのGlcNAcトランスフェラーゼの数が、1つ、2つ、または3つである、請求項1~8のいずれか1項に記載のLeishmania細胞。
  10. 前記Leishmania細胞の増殖速度が、参照Leishmania細胞の増殖速度の少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%である、請求項1~9のいずれか1項に記載のLeishmania細胞。
  11. 前記Leishmania細胞がLeishmania tarentolaeである、請求項1~10のいずれか1項に記載のLeishmania細胞。
  12. 前記ポリペプチドが、アダリムマブ、リツキシマブ、及びエリスロポエチン(EPO)からなる群から選択される、請求項1~11のいずれか1項に記載のLeishmania細胞。
  13. 前記Leishmania細胞が、異種グリコシルトランスフェラーゼをコードする組換え核酸を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載のLeishmania細胞。
  14. 前記Leishmania細胞が、1つ以上の異種グリコシルトランスフェラーゼを含む、請求項13に記載のLeishmania細胞。
  15. 前記異種グリコシルトランスフェラーゼが、N-アセチルグルコサミントランスフェラーゼ、及び/または異種ガラクトシルトランスフェラーゼ、及び/または異種シアリルトランスフェラーゼである、請求項14に記載のLeishmania細胞。
  16. ポリペプチドの調製方法であって、(a)請求項1~15のいずれか1項に記載のLeishmania細胞を、ポリペプチド産生に適した条件の下で培養すること、及び(b)前記ポリペプチドを単離すること、を含む、前記方法。
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