本開示の実施の形態に係る空気調和装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本開示は以下の実施の形態のみに限定されることはなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で変形または省略することが可能である。さらに、各々の実施の形態ならびに変形例に係る空気調和装置の構成、室外機の構成ならびに付加的な構成を適宜組み合わせることも可能である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和装置の冷媒回路図である。実施の形態1に係る空気調和装置100について説明する。空気調和装置100は、室外機1と室内機2とを備えている。室外機1と室内機2は第一の接続冷媒配管3と第二の接続冷媒配管4とによって接続される。また、室外機1と室内機2と第一の接続冷媒配管3と第二の接続冷媒配管4とによって冷媒を循環させる冷媒回路5が形成される。
また、空気調和装置100は例えば建築物内の部屋などの空気調和対象空間の空気を冷却させる冷房運転と、空気調和対象空間の空気を加熱する暖房運転と、の二種類の運転を行うことができる。冷媒回路5は冷房運転時と暖房運転時とで変わるため、これらを区別して説明する場合には冷房運転時の冷媒回路5を第一の冷媒回路5a、暖房運転時の冷媒回路5を第二の冷媒回路5bと称する。
冷媒回路5を循環する冷媒としては、後述する室外熱交換器12および後述する室内熱交換器20で気化または凝縮するような冷媒が用いられる。具体的には、実施の形態1における空気調和装置100では、冷媒にGWP(地球温暖化係数)が比較的低く強燃性であるR290を使用する場合について説明する。
次に実施の形態1に係る室外機1について説明する。室外機1は筐体内に圧縮機10と、四方弁11と、室外熱交換器12と、第一の冷却器13と、第二の冷却器14と、膨張弁15と、ストレーナ16と、2つの閉止弁17と、を有し、それぞれ室外機冷媒配管18で接続される。また、室外機冷媒配管18には、後述する室内熱交換器20に形成された室内熱交換器流路20aの一方の端部と第一の接続冷媒配管3を介して接続される第一の配管接続部18aと、室内熱交換器流路20aの他方の端部と第二の接続冷媒配管4を介して接続される第二の配管接続部18bとが設けられる。
圧縮機10は吸入口から吸入した冷媒を圧縮して高温高圧のガス状態にして吐出口から吐出する。圧縮機10は、例えば容量制御可能なインバータ圧縮機などで構成すると良い。また、実施の形態1における空気調和装置100では、圧縮機10の冷凍機油にポリアルキレングリコールを使用する場合について説明する。
四方弁11は第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bを切り替える。具体的に四方弁11は第一のポート11a、第二のポート11b、第三のポート11c、第四のポート11dの計四つのポートを有する。第一のポート11aは室外機冷媒配管18を介して圧縮機10の吐出口と接続される。第二のポート11bは室外機冷媒配管18を介して後述する室外熱交換器流路12aの一方の端部と接続される。第三のポート11cは室外機冷媒配管18を介して圧縮機の吸入口に接続される。第四のポート11dは第二の閉止弁17b、室外機冷媒配管18、第二の接続冷媒配管4ならびに後述する室内機冷媒配管21を介して後述する室内熱交換器流路20aの他方の端部と接続される。
室外熱交換器12は室外空間の空気と室外熱交換器12の内部に形成された室外熱交換器流路12aを通過する冷媒との間で熱交換を行わせる。室外熱交換器流路12aの他方の端部は室外機冷媒配管18を介して後述する第一の冷却器13の第一の冷却器流路13aの一方の端部と接続される。なお、室外熱交換器12の具体的な構造については後述する。また、実施の形態1に係る空気調和装置100では、室外空間の空気が熱源側熱媒体に相当する。なお、熱源側熱媒体とは、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)で冷媒と熱交換が行われる媒体のことである。
第一の冷却器13には第一の冷却器流路13aが形成される。第一の冷却器13は第一の冷却器流路13aを通過する冷媒を冷却する。第一の冷却器流路13aの他方の端部は室外機冷媒配管18と膨張弁15を介して後述する第二の冷却器14の第二の冷却器流路14aの一方の端部と接続される。
第二の冷却器14には、第二の冷却器流路14aが形成される。第二の冷却器14は第二の冷却器流路14aを通過する冷媒を冷却する。第二の冷却器流路14aの他方の端部は室外機冷媒配管18、ストレーナ16、第一の閉止弁17a、第一の接続冷媒配管3ならびに室内機冷媒配管21を介して室内熱交換器流路20aの一方の端部に接続される。
なお、実施の形態1に係る空気調和装置100の第一の冷却器13と第二の冷却器14における冷媒の冷却方法は特に限定されるものではない。つまり、第一の冷却器流路13aを通過する冷媒と第二の冷却器流路14aを通過する冷媒とを冷却できる構成であれば、第一の冷却器13と第二の冷却器14はあらゆる冷却方式を用いても構わない。
膨張弁15は通過する冷媒を減圧する。膨張弁15は、例えば所定の口径の穴に円錐形状のニードルを挿入し、ニードルの位置を制御することで穴の開口面積を任意の大きさに制御し、冷媒の流量を任意に調整することができる電子膨張弁などで構成すると良い。
ストレーナ16は通過する冷媒から不純物を分離する。ストレーナ16が分離する不純物としては、例えば配管施工時に冷媒回路中に混入した異物、室外機冷媒配管18から剥離した金属粉または冷媒の化学変化によって生じた生成物などが挙げられる。
第一の閉止弁17aと第二の閉止弁17bは冷媒回路5の閉止または開放を行う。第一の閉止弁17aと第二の閉止弁17bは、例えば二方弁などで構成される。
室内機2は筐体内に室内熱交換器20を有する。また、室内熱交換器20は室内機冷媒配管21によって第一の接続冷媒配管3と第二の接続冷媒配管4とに接続される。
室内熱交換器20は空気調和対象空間の空気と室内熱交換器20の内部に形成された室内熱交換器流路20aを通過する冷媒との間で熱交換を行わせる。室内熱交換器20の容積は室外熱交換器12の容積よりも小さい。なお、室内熱交換器20の容積は室内熱交換流路20aの容積が相当し、室外熱交換器12の容積は室外熱交換流路12aの容積が相当する。また、実施の形態1に係る空気調和装置100では、空気調和対象空間の空気が負荷側熱媒体に相当する。なお、負荷側熱媒体とは、負荷側熱交換器(室内熱交換器20が相当)で冷媒と熱交換が行われる媒体のことである。
図2は、実施の形態1に係る空気調和装置の第一の冷媒回路における冷凍サイクルを示すモリエル線図である。次に第一の冷媒回路5aを循環する冷媒の流れについて説明する。第一の冷媒回路5aでは、四方弁11は図1の実線の流路に切り替わる。つまり、第一の冷媒回路5aでは、四方弁11は第一のポート11aと第二のポート11bが接続され、第三のポート11cと第四のポート11dが接続される状態となる。なお、図2などの本開示におけるモリエル線図の横軸はエンタルピ[kJ/kg]、縦軸は圧力[Mpa]である。また、図2などの本開示におけるモリエル線図には冷凍サイクルの他に飽和液線200と飽和蒸気線201を示す。また、図2におけるA1〜L1が示す冷媒の状態は、図1に示される空気調和装置100の冷媒回路のA1〜L1における冷媒の状態に対応している。
まず、圧縮機10から吐出された高温高圧のガス状態の冷媒(A1)は、室外熱交換器流路12aに流入する(B1)。室外機冷媒配管18を通過する際の熱損失によって、室外熱交換器流路12aに流入する冷媒(B1)は圧縮機10から吐出された直前の冷媒(A1)よりもエンタルピが低いガス状態の冷媒である。第一の冷媒回路5aでは室外熱交換器12は凝縮器として機能し、室外熱交換器流路12aを通過する冷媒は室外空間の空気によって冷却される。冷却された冷媒は高圧の気液二相状態となって室外熱交換器流路12aから流出する(C1)。
室外熱交換器流路12aから流出した冷媒は第一の冷却器流路13aに流入する(D1)。第一の冷却器流路13aを通過する高圧の気液二相状態の冷媒は冷却されて高圧の液状態となって第一の冷却器流路13aから流出する(E1)。
第一の冷却器流路13aから流出した冷媒は膨張弁15に流入する(F1)。膨張弁15に流入した高圧の液状態の冷媒は減圧されて低圧の気液二相状態となって膨張弁15から流出する(G1)。
膨張弁15から流出した冷媒は第二の冷却器流路14aに流入する(H1)。第二の冷却器流路14aを通過する冷媒は冷却されて、第二の冷却器流路14aに流入する直前の冷媒よりもエンタルピが低くなった気液二相状態の冷媒が第二の冷却器流路14aから流出する(I1)。
ここで第一の冷媒回路5aにおいて、第一の冷却器流路13aを通過する冷媒の冷却量は第二の冷却器流路14bを通過する冷媒の冷却量よりも大きい方が望ましい。
第二の冷却器流路14aから流出した冷媒は室内熱交換器流路20aに流入する(J1)。第一の冷媒回路5aでは室内熱交換器20は蒸発器として機能し、室内熱交換器流路20aを通過する冷媒は空気調和対象空間の空気によって加熱される。加熱された冷媒はガス状態となって室内熱交換器流路20aから流出する(K1)。また、室内熱交換器流路20aにおける圧力損失によって、室内熱交換器流路20aより流出する冷媒(K1)の圧力は室内熱交換器流路20aに流入する直前の冷媒(J1)の圧力よりも低くなる。なお、空気調和対象空間の空気は室内熱交換器流路20aを通過する冷媒によって冷却される。
室内機冷媒配管21と第二の接続冷媒配管4と室外機冷媒配管18を通過する際の圧力損失によって、室内熱交換器流路20aから流出した冷媒は室内熱交換器流路20aから流出した直後の冷媒(K1)よりも圧力が低下したガス状態の冷媒となり圧縮機10の吸入口から吸入される(L1)。圧縮機10の吸入口から吸入された冷媒は、再び高温高圧のガス状態となって吐出される(A1)。
図3は実施の形態1に係る空気調和装置の第二の冷媒回路における冷凍サイクルを示すモリエル線図である。次に第二の冷媒回路5bを循環する冷媒の流れについて説明する。第二の冷媒回路5bでは、四方弁11は図1の点線の流路に切り替わる。つまり、第二の冷媒回路5bでは、四方弁11は第一のポート11aと第四のポート11dが接続され、第二のポート11bと第三のポート11cが接続される状態となる。なお、図3におけるA1〜L1が示す冷媒の状態は、図1に示される空気調和装置100の冷媒回路のA1〜L1における冷媒の状態に対応している。
まず、圧縮機10から吐出された高温高圧のガス状態の冷媒(A1)は、室内熱交換器流路20aに流入する(K1)。室外機冷媒配管18と第二の接続冷媒配管4と室内機冷媒配管21を通過する際の熱損失によって、室内熱交換器流路20aに流入する冷媒(K1)は圧縮機10から吐出された直前の冷媒(A1)よりもエンタルピが低いガス状態の冷媒である。第二の冷媒回路5bでは室内熱交換器20は凝縮器として機能し、室内熱交換器流路20aを通過する冷媒は空気調和対象空間の空気によって冷却される。冷却された冷媒は高圧の気液二相状態となって室内熱交換器流路20aから流出する(J1)。なお、空気調和対象空間の空気は室内熱交換器流路20aを通過する冷媒によって加熱される。
室内熱交換器流路20aから流出した冷媒は第二の冷却器流路14aに流入する(I1)。第二の冷却器流路14aを通過する高圧の気液二相状態の冷媒は冷却されて高圧の液状態となって第二の冷却器流路14aから流出する(H1)。
第二の冷却器流路14aから流出した冷媒は膨張弁15に流入する(G1)。膨張弁15に流入した高圧の液状態の冷媒は減圧されて低圧の気液二相状態となって膨張弁15から流出する(F1)。
膨張弁15から流出した冷媒は第一の冷却器流路13aに流入する(E1)。第一の冷却器流路13aを通過する冷媒は冷却されて、第一の冷却器流路13aに流入する直前の冷媒よりもエンタルピが低くなった気液二相状態の冷媒が第一の冷却器流路13aから流出する(D1)。
ここで第二の冷媒回路5bにおいて、第二の冷却器流路14aを通過する冷媒の冷却量は第一の冷却器流路13aを通過する冷媒の冷却量よりも大きい方が望ましい。
第一の冷却器流路13aから流出した冷媒は室外熱交換器流路12aに流入する(C1)。第二の冷媒回路5bでは室外熱交換器12は蒸発器として機能し、室外熱交換器流路12aを通過する冷媒は室外空間の空気によって加熱される。加熱された冷媒はガス状態となって室外熱交換器流路12aから流出する(B1)。また、室外熱交換器流路12aにおける圧力損失によって、室外熱交換器流路12aより流出する冷媒(B1)の圧力は室外熱交換器流路12aに流入する直前の冷媒(C1)の圧力よりも低くなる。
室外機冷媒配管18を通過する際の圧力損失によって、室外熱交換器流路12aから流出した冷媒は室内熱交換器流路20aから流出した直後の冷媒(K1)よりも圧力が低下したガス状態の冷媒となり圧縮機10の吸入口から吸入される(L1)。圧縮機10の吸入口から吸入された冷媒は、再び高温高圧のガス状態となって吐出される(A1)。
このように、実施の形態1に係る空気調和装置100は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに凝縮器として機能する熱交換器から膨張弁15に流れる冷媒を冷却する冷却器(第一の冷媒回路5aでは第一の冷却器13が相当、第二の冷媒回路5bでは第二の冷却器14が相当)を備えている。
また、実施の形態1に係る空気調和装置100では、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに凝縮器として機能する熱交換器から冷却器(第一の冷媒回路5aでは第一の冷却器13が相当、第二の冷媒回路5bでは第二の冷却器14が相当)に流れる冷媒は気液二相状態である。
また、実施の形態1に係る空気調和装置100では、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに冷却器(第一の冷媒回路5aでは第一の冷却器13が相当、第二の冷媒回路5bでは第二の冷却器14が相当)から膨張弁15に流れる冷媒は液状態である。
図4は実施の形態1に係る空気調和装置の室外熱交換器の概略図である。次に室外熱交換器12の構造について説明する。室外熱交換器12は放熱フィン12bと、伝熱管12cと、ヘッダ12dと、ディストリビュータ12eと、毛細管12fとで構成される。
放熱フィン12bは板状の金属材であり、複数の放熱フィン12bが所定の間隔で平行に並べられる。実施の形態1では、放熱フィン12bは図4における紙面の垂直方向に並べられている。
伝熱管12cは冷媒が流れる配管であり、複数の伝熱管12cが放熱フィン12bの平面に直交する方向(図4における紙面の垂直方向)に放熱フィン12bを貫くように設けられている。複数の伝熱管12cの一部は図示を省略したU字管で接続されており、複数の単位流路12gを形成する。実施の形態1に係る室外熱交換器では、単位流路12gは6つ形成される。また、伝熱管12cを流れる冷媒の熱が放熱フィン12bに移動できるように、伝熱管12cは放熱フィン12bに取り付けられている。
ヘッダ12dは流入する冷媒を分配または集合させる。ヘッダ12dは室外機冷媒配管18を介して四方弁11の第二のポート11bと接続される。また、ヘッダ12dは複数の単位流路12gの一方の端部と接続される。このため、ヘッダ12dは第一の冷媒回路5aでは圧縮機10から吐出されたガス状態の冷媒を複数の単位流路12gのそれぞれに分配する。さらに、ヘッダ12dは第二の冷媒回路5bでは単位流路12gを通過した気液二相状態の冷媒を集合させる。
ディストリビュータ12eは流入する冷媒を分配または集合させる。ディストリビュータ12eは室外機冷媒配管18を介して第一の冷却器流路13aの一方の端部と接続される。また、ディストリビュータ12eは毛細管12fを介して複数の単位流路12gの他方の端部と接続される。このため、ディストリビュータ12eは第一の冷媒回路5aでは単位流路12gを通過した気液二相状態の冷媒を集合させる。さらに、ディストリビュータ12eは第二の冷媒回路5bでは第一の冷却器流路13aを通過したガス状態の冷媒を複数の単位流路12gのそれぞれに分配する。
また、ヘッダ12dの流路と、ディストリビュータ12eの流路と、毛細管12fと、単位流路12gとが室外熱交換器流路12aに相当する。さらに室外熱交換器12の容積は、ヘッダ12dの流路の容積と、ディストリビュータ12eの流路の容積と、複数の毛細管12fの容積と、複数の単位流路12gの容積と、の合計の容積である。
以上のように実施の形態1に係る空気調和装置100の構成は、冷媒を冷却する冷却器(第一の冷却器13ならびに第二の冷却器14が相当)を備え、流路切替装置(四方弁11が相当)は圧縮機10、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)、冷却器(第一の冷却器13が相当)、減圧装置(膨張弁15が相当)、負荷側熱交換器(室内熱交換器20が相当)、圧縮機10の順に冷媒が循環する第一の冷媒回路5aと、圧縮機10、負荷側熱交換器、冷却器(第二の冷却器14が相当)、減圧装置、熱源側熱交換器、圧縮機10の順に冷媒が循環する第二の冷媒回路5bとを切り替える構成である。この構成によって、実施の形態1に係る空気調和装置100は、第一の冷媒回路5aならびに第二の冷媒回路5bの両方ともに、凝縮器として機能する熱交換器から減圧装置に流れる冷媒を冷却する冷却器(第一の冷媒回路5aでは第一の冷却器13が相当し、第二の冷媒回路5bでは第二の冷却器14が相当する)を備えることができる。また、この構成によって、実施の形態1に係る空気調和装置100は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに、凝縮器として機能する熱交換器から冷却器に流れる冷媒を気液二相状態にすることが可能である効果を奏する。
さらに、実施の形態1に係る空気調和装置100は、付加的な構成として、第一の冷媒回路5aにおいて熱源側熱交換器から冷却器に流れる冷媒は気液二相状態であり、第二の冷媒回路5bにおいて負荷側熱交換器から冷却器に流れる冷媒は気液二相状態である構成を有する。この付加的な構成によって、実施の形態1に係る空気調和装置100は、第一の冷媒回路5aならびに第二の冷媒回路5bの両方ともに、凝縮器として機能する熱交換器から流出する冷媒が気液二相状態となり、凝縮器として機能する熱交換器から流出する冷媒が液状態の場合と比べて運転に必要な冷媒の量を削減することができる効果を奏する。
さらに、実施の形態1に係る空気調和装置100は、付加的な構成として、第一の冷媒回路5aにおいて冷却器から減圧装置に流れる冷媒は液状態であり、第二の冷媒回路5bにおいて冷却器から減圧装置に流れる冷媒は液状態である構成を有する。一般的に減圧装置に流入する冷媒が気液二相状態の冷媒である場合には冷媒が不連続な状態で減圧装置に流入するため、減圧装置を通過する冷媒の流速が不連続に変化して冷媒の流動音が発生してしまい使用者に不快感を与える虞がある。しかしながら、この付加的な構成によって、実施の形態1に係る空気調和装置100は、減圧装置に流入する冷媒が液状態となるため、流動音の発生が抑制される効果を奏する。また、気液二相状態の冷媒は液状態の冷媒と比較して同じ質量流量における体積流量が大きい。一般的に減圧装置は流路を狭めることによって冷媒の減圧が行われるため、気液二相状態の冷媒のように体積流量が大きいと減圧装置における通過抵抗が大きくなり冷媒回路に必要な質量分の冷媒を流すことができなくなる。このため、気液二相状態の冷媒が減圧装置を通過するような空気調和装置では大口径の膨張弁を使用するなど大型の減圧装置を使用する必要がある。しかしながら、この付加的な構成によって、実施の形態1に係る空気調和装置100は、減圧装置に流入する冷媒が液状態となるため、減圧装置の大型化を抑制することができる効果を奏する。
さらに、実施の形態1に係る空気調和装置100は、付加的な構成として、熱源側熱交換器は冷媒を分配または合流させる2つの分配器(ヘッダ12dとディストリビュータ12eが相当)を有し、各分配器の間に複数の単位流路12gが形成される構成を有する。この付加的な構成によって、実施の形態1に係る空気調和装置100は熱源側熱交換器を流れる冷媒と熱源側熱媒体とが接する表面積が広がり、効果的に熱交換を行うことができる。また、この付加的な構成によって、実施の形態1に係る空気調和装置100は、第一の冷媒回路5aにおいて凝縮器として機能する熱交換器の出口の容積が大きくなるため、液状態の場合と気液二相状態の場合で必要な冷媒量の差も大きくなる。このため、上述の運転に必要な冷媒の量を削減できる効果は、この付加的な構成を備えない場合と比較して、この付加的な構成を備えた場合の方がより顕著となる。
さらに、実施の形態1に係る空気調和装置100は、付加的な構成として、第一の冷媒回路5aにおいて熱源側熱交換器から冷却器に流れる冷媒は気液二相状態であり、第二の冷媒回路5bにおいて負荷側熱交換器から冷却器に流れる冷媒は気液二相状態であり、熱源側熱交換器の容積と負荷側熱交換器の容積とが異なる構成を有する。ここで、第一の冷媒回路内に存在する液冷媒の量と第二の冷媒回路内に存在する液冷媒の量との差が少ないほど、第一の冷媒回路に必要な冷媒量と第二の冷媒回路に必要な冷媒量との差は少なくなり冷媒回路を切り替えた際の余剰冷媒の量が少なくなる。熱源側熱交換器の容積と負荷側熱交換器の容積とが異なる構造において、凝縮器として機能する熱交換器から流出する冷媒が液状態の場合と、凝縮器として機能する熱交換器から流出する冷媒が気液二相状態の場合とでは、凝縮器として機能する熱交換器から流出する冷媒が気液二相状態の場合の方が第一の冷媒回路内に存在する液冷媒の量と第二の冷媒回路内に存在する液冷媒の量との差が少なくなる。従って、この付加的な構成によって、凝縮器として機能する熱交換器から流出する冷媒が液状態の場合と比較して冷媒回路を切り替えた際の余剰冷媒の量を少なくすることができる効果を奏する。
また、実施の形態1に係る室外機1の構成は、圧縮機10と、減圧装置(膨張弁15が相当)と、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)と、冷媒を冷却する冷却器(第一の冷却器13と第二の冷却器14が相当)と、流路切替装置(四方弁11が相当)と、冷媒と負荷側熱媒体との間で熱交換を行わせる負荷側熱交換器(室内熱交換器20が相当)に形成された負荷側熱交換器流路(室内熱交換器流路20aが相当)の一方の端部と配管(第一の接続冷媒配管3が相当)を介して接続される第一の配管接続部18aと、負荷側熱交換器流路の他方の端部と配管(第二の接続冷媒配管4が相当)を介して接続される第二の配管接続部18bと、を備え、流路切替装置は、第二の配管接続部18b、圧縮機10、熱源側熱交換器、冷却器(第一の冷却器13が相当)、減圧装置、第一の配管接続部18aの順に冷媒が流れる第一の冷媒回路と、第一の配管接続部18a、冷却器(第二の冷却器14が相当)、減圧装置、熱源側熱交換器、圧縮機、第二の配管接続部の順に冷媒が流れる第二の冷媒回路と、を切り替える構成である。この構成によって、実施の形態1に係る室外機1は、第一の冷媒回路と第二の冷媒回路の両方ともに凝縮器として機能する熱交換器と冷却器の間を通過する冷媒を気液二相状態にすることが可能である効果を奏する。
なお、実施の形態1に係る空気調和装置100では冷媒にR290を使用しているが、R290以外の他の冷媒を用いても構わない。例えば、R32若しくはR134aなどの単一冷媒、R410A若しくはR404Aなどの擬似共沸混合冷媒、またはR407Cなどの非共沸混合冷媒、化学式内に二重結合を含むCF3CF=CH2などの地球温暖化係数が比較的小さい値とされている冷媒とその混合物、またはCO2などの自然冷媒などを冷媒として用いてもよい。
ただし、R290またはR32などの可燃性冷媒は使用する冷媒が多い場合には空気調和装置外に冷媒が漏洩すると可燃濃度の気相が形成される可能性が有る。また、実施の形態1に係る空気調和装置100は上述したように運転に必要な冷媒の量を削減することができる効果を奏する。このため、実施の形態1に係る空気調和装置100は、可燃性冷媒が漏洩しても可燃濃度の気相を形成しないような少量の冷媒で運転を行うことが可能となる。従って、実施の形態1に係る空気調和装置100は、付加的な構成として、冷媒は可燃性冷媒である構成を有することで、可燃性冷媒が漏洩しても可燃濃度の気相を形成しないような冷媒量で運転を行うことが可能となる顕著な効果を奏する。なお、可燃性冷媒とはISO 817:2014における燃焼性クラスが2L微燃性、2可燃性,3強燃性のいずれかに属する冷媒のことを指す。
また、実施の形態1に係る空気調和装置100では冷凍機油にはポリアルキレングリコールを使用しているが、他の冷凍機油を用いても構わない。例えば、冷媒にR−32を用いた場合には冷凍機油にはエーテル油を使用するなど、冷媒の種類に合わせた冷凍機油を選定するとよい。
ただし、ポリアルキレングリコールはR290との溶解性が低いため、R290が冷凍機油に溶解して冷凍サイクル中に存在する冷媒が不足することを抑制することができる。また、一般的に圧縮機は圧縮機の底部にたまった冷凍機油を吸い上げて、圧縮機の摺動部に給油される機構を有している。もし、液状態の冷媒と冷凍機油の密度が略同じである場合、冷凍機油と冷媒が混合した液体が圧縮機の摺動部に供給するため、摺動部の潤滑が確保できなくなり、圧縮機の信頼性を損なってしまう。対してポリアルキレングリコールの密度は液状態のR290の密度よりも温度によらず大きい。このため、実施の形態1に係る空気調和装置100は液状態のR290が圧縮機に存在しても、液状態のR290は冷凍機油の上部に浮き冷凍機油は圧縮機の底部にたまることになるため、冷凍機油を圧縮機の摺動部へ給油でき圧縮機の信頼性を向上させることができる。従って、実施の形態1に係る空気調和装置100は、付加的な構成として、冷媒はR290であり、冷凍機油はポリアルキレングリコールである構成を有することで、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
また、実施の形態1に係る空気調和装置100では、冷房運転時の冷媒回路5を第一の冷媒回路5a、暖房運転時の冷媒回路5を第二の冷媒回路5bと称しているが、これに限らない。負荷側熱交換器(室内熱交換器20が相当)を蒸発器として機能させ熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)を凝縮器として機能させる状態の冷媒回路5が第一の冷媒回路5aであり、負荷側熱交換器を凝縮器として機能させ熱源側熱交換器を蒸発器として機能させる状態の冷媒回路5が第二の冷媒回路5bであればよい。例えば、空気調和対象空間の空気に含まれる水分を結露させて除湿を行う除湿運転時の冷媒回路を第一の冷媒回路5aと称し、熱源側熱交換器の除霜を行う除霜運転時の冷媒回路を第二の冷媒回路5bと称してもよい。
また、実施の形態1に係る空気調和装置100では、冷媒回路を構成する室外熱交換器12と室内熱交換器20とはそれぞれ1台の構成であるが、これに限らない。例えば、空気調和装置が1台の室外機と複数台の室内機とを備え、1台の室外熱交換器と複数台の室内熱交換器で冷媒回路を構成しても構わない。この場合、負荷側熱交換器の容積は複数の室内熱交換器の容積の合計となる。また、室外機も複数台の室外熱交換器を備え、複数台の室外熱交換器が冷媒回路を構成しても構わない。この場合、熱源側熱交換器の容積は複数の室外熱交換器の容積の合計となる。また、実施の形態1に係る空気調和装置では、室外熱交換器12の容積が室内熱交換器20の容積よりも大きく熱源側熱交換器の容積が負荷側熱交換器の容積よりも大きいが、これに限らず、例えば複数台の室内熱交換器20で冷媒回路を構成することによって負荷側熱交換器の容積が熱源側熱交換器の容積よりも大きくなっても構わない。
実施の形態1の変形例1.
次に実施の形態1の変形例1に係る空気調和装置101について説明する。実施の形態1の変形例1に係る空気調和装置101は実施の形態1に係る空気調和装置100と比較して、室内機2の代わりに中継機6および室内機2aを備える。なお、実施の形態1の変形例1に係る空気調和装置101の室外機1の構成および室外機1を流れる冷媒の流れは実施の形態1に係る空気調和装置100と同様であり、説明を割愛する。
図5は、実施の形態1の変形例1に係る空気調和装置の冷媒回路および熱媒体回路の構成を示す回路図である。空気調和装置101は、室外機1と室内機2aと中継機6とを備えている。室外機1と中継機6は第一の接続冷媒配管3と第二の接続冷媒配管4とによって接続される。中継機6と室内機2aは第一の接続熱媒体配管7と第二の接続熱媒体配管8とによって接続される。また、室外機1と中継機6と第一の接続冷媒配管3と第二の接続冷媒配管4とによって冷媒を循環させる冷媒回路5が形成される。さらに、中継機6と室内機2aと第一の接続熱媒体配管7と第二の接続熱媒体配管8とによって後述する熱媒体を循環させる熱媒体回路9が形成される。
空気調和装置101は、実施の形態1に係る空気調和装置100と同じく冷房運転と暖房運転との二種類の運転を行うことができる。冷媒回路5の流路は、実施の形態1に係る空気調和装置100と同じく冷房運転時と暖房運転時で変わるため、冷房運転時の冷媒回路5を第一の冷媒回路5a、暖房運転時の冷媒回路5を第二の冷媒回路5bと称する。また、熱媒体回路9の流路は冷房運転時と暖房運転時ともに同じである。
熱媒体回路9を循環する熱媒体には、後述する冷媒熱媒体間熱交換器60および後述する室内熱交換器22において液体の状態のまま熱交換を行うような熱媒体が用いられる。たとえば、ブライン(不凍液)、水、ブラインと水との混合液、または防食効果が高い添加剤と水との混合液などを熱媒体として用いることができる。
次に中継機6について説明する。中継機6は筐体内に冷媒熱媒体間熱交換器60と、ポンプ61とを有する。
冷媒熱媒体間熱交換器60は、冷媒流路60aと、熱媒体流路60bと、が形成される。冷媒熱媒体間熱交換器60は冷媒流路60aを通過する冷媒と熱媒体流路60bを通過する熱媒体との間で熱交換を行わせる。冷媒流路60aは中継機冷媒配管62を介して第一の接続冷媒配管3および第二の接続冷媒配管4と接続される。また、熱媒体流路60bは中継機熱媒体配管63を介して第一の接続熱媒体配管7および第二の接続熱媒体配管8と接続される。冷媒流路60aの容積は室外熱交換器流路12aの容積よりも小さい。なお、実施の形態1の変形例1の空気調和装置101では、熱媒体が負荷側熱媒体に相当する。
ポンプ61は吸引した熱媒体を加圧して吐出する。ポンプ61は、例えば容量制御可能なポンプなどで構成すると良い。また、ポンプ61は冷媒熱媒体間熱交換器60と第一の接続熱媒体配管7とを接続する中継機熱媒体配管63の途中に設けられている。
室内機2aは筐体内に室内熱交換器22と閉止弁23とを有する。
室内熱交換器22は空気調和対象空間の空気と室内熱交換器22の内部に形成された室内熱交換器流路22aを通過する熱媒体との間で熱交換を行わせる。室内熱交換器流路22aは室内機熱媒体配管24を介して第一の接続熱媒体配管7および第二の接続熱媒体配管8と接続される。
閉止弁23は熱媒体回路9の閉止または開放を行う。閉止弁23は、例えば二方弁などで構成される。
次に実施の形態1の変形例1に係る第一の冷媒回路5aまたは第二の冷媒回路5bを循環する冷媒の流れについて説明する。なお、室外機1内部の冷媒の流れは実施の形態1で説明した内容と同じであるため、説明を割愛する。
第一の冷媒回路5aでは、第二の冷却器流路14aから流出した気液二相状態の冷媒は冷媒流路60aに流入する。第一の冷媒回路5aでは冷媒熱媒体間熱交換器60は蒸発器として機能し、冷媒流路60aを通過する冷媒は熱媒体流路60bを通過する熱媒体によって加熱される。加熱された冷媒はガス状態となって冷媒流路60aから流出し、圧縮機10の吸入口へと流れる。
第二の冷媒回路5bでは、圧縮機から吐出された冷媒は冷媒流路60aに流入する。第二の冷媒回路5bでは冷媒熱媒体間熱交換器60は凝縮器として機能し、冷媒流路60aを通過する冷媒は熱媒体流路60bを通過する熱媒体によって冷却される。冷却された冷媒は高圧の気液二相状態となって冷媒流路60aから流出し、第二の冷却器流路14aへと流れる。
次に熱媒体回路9を循環する熱媒体の流れについて説明する。まず、ポンプ61から吐出された熱媒体は冷媒熱媒体間熱交換器60の熱媒体流路60bに流入する。熱媒体流路60bに流入した熱媒体は、冷媒回路5が第一の冷媒回路5aの場合では冷媒流路60aを通過する冷媒によって冷却され、冷媒回路5が第二の冷媒回路5bの場合では冷媒流路60aを通過する冷媒によって加熱され、熱媒体流路60bから流出する。
熱媒体流路60bから流出した熱媒体は室内熱交換器流路22aに流入する。室内熱交換器流路22aに流入した熱媒体は、冷媒回路5が第一の冷媒回路5aの状態では空気調和対象空間の空気によって加熱され、冷媒回路5が第二の冷媒回路6bの状態では空気調和対象空間の空気によって冷却され、室内熱交換器流路22aから流出する。室内熱交換器流路22aから流出した熱媒体はポンプ61に吸入されて再び吐出される。なお、空気調和対象空間の空気は、冷媒回路5が第一の冷媒回路5aの状態では室内熱交換器流路22aを通過する熱媒体によって冷却され、冷媒回路5が第二の冷媒回路5bの状態では室内熱交換器流路22aを通過する熱媒体によって加熱される。
以上のように実施の形態1の変形例1に係る空気調和装置101の構成は、実施の形態1に係る空気調和装置100と同じく、冷媒を冷却する冷却器(第一の冷却器13ならびに第二の冷却器14が相当)を備え、流路切替装置(四方弁11が相当)は圧縮機10、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)、冷却器(第一の冷却器13が相当)、減圧装置(膨張弁15が相当)、負荷側熱交換器(冷媒熱媒体間熱交換器60が相当)、圧縮機10の順に冷媒が循環する第一の冷媒回路5aと、圧縮機10、負荷側熱交換器、冷却器(第二の冷却器14が相当)、減圧装置、熱源側熱交換器、圧縮機10の順に冷媒が循環する第二の冷媒回路5bとを切り替える構成である。従って、この構成によって、実施の形態1の変形例1に係る空気調和装置101は実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
また、実施の形態1の変形例1に係る室外機1の構成は、実施の形態1に係る室外機1と同じく、圧縮機10と、減圧装置(膨張弁15が相当)と、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)と、冷媒を冷却する冷却器(第一の冷却器13と第二の冷却器14が相当)と、流路切替装置(四方弁11が相当)と、冷媒と負荷側熱媒体との間で熱交換を行わせる負荷側熱交換器(冷媒熱媒体間熱交換器60が相当)に形成された負荷側熱交換器流路(冷媒流路60aが相当)の一方の端部と配管(第一の接続冷媒配管3が相当)を介して接続される第一の配管接続部18aと、負荷側熱交換器流路の他方の端部と配管(第二の接続冷媒配管4が相当)を介して接続される第二の配管接続部18bと、を備え、流路切替装置は、第二の配管接続部18b、圧縮機10、熱源側熱交換器、冷却器(第一の冷却器13が相当)、減圧装置、第一の配管接続部18aの順に冷媒が流れる第一の冷媒回路と、第一の配管接続部18a、冷却器(第二の冷却器14が相当)、減圧装置、熱源側熱交換器、圧縮機、第二の配管接続部の順に冷媒が流れる第二の冷媒回路と、を切り替える構成である。従って、この構成によって、実施の形態1の変形例1に係る室外機1は実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
実施の形態1の変形例2.
次に実施の形態1の変形例2に係る空気調和装置102について説明する。実施の形態1の変形例2に係る空気調和装置102は実施の形態1の変形例1に係る空気調和装置101と比較して、室外機1と中継機6の代わりに室外機1aを備えている点が異なる。なお、実施の形態1の変形例2の空気調和装置102の室内機2aは実施の形態1の変形例1に係る空気調和装置101と同様であり、説明を割愛する。
図6は、実施の形態1の変形例2に係る空気調和装置の冷媒回路および熱媒体回路の構成を示す回路図である。室外機1aは、実施の形態1の変形例1の空気調和装置101における室外機1の構成と中継機6の構成を一つの筐体内に収納したものである。具体的には室外機1aは、実施の形態1に係る室外機1の筐体の内部に冷媒熱媒体間熱交換器60とポンプ61と室外機熱媒体配管64を新たに有する。第二の冷却器流路14aがストレーナ16と室外機冷媒配管18とを介して接続し冷媒流路60aの一方の端部と接続される。四方弁11の第四のポート11dが室外機冷媒配管18を介して冷媒流路60aの他方の端部と接続される。熱媒体流路60bが室外機熱媒体配管64を介して第一の接続熱媒体配管7と第二の接続熱媒体配管8とに接続される。なお、実施の形態1の変形例2の空気調和装置102の冷媒回路5および熱媒体回路9については実施の形態1の変形例1の空気調和装置101の冷媒回路5および熱媒体回路9とほぼ同様であるため、説明を割愛する。
以上のように実施の形態1の変形例2に係る空気調和装置102の構成は、実施の形態1に係る空気調和装置100と同じく、冷媒を冷却する冷却器(第一の冷却器13ならびに第二の冷却器14が相当)を備え、流路切替装置(四方弁11が相当)は圧縮機10、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)、冷却器(第一の冷却器13が相当)、減圧装置(膨張弁15が相当)、負荷側熱交換器(冷媒熱媒体間熱交換器60が相当)、圧縮機10の順に冷媒が循環する第一の冷媒回路5aと、圧縮機10、負荷側熱交換器、冷却器(第二の冷却器14が相当)、減圧装置、熱源側熱交換器、圧縮機10の順に冷媒が循環する第二の冷媒回路5bとを切り替える構成である。従って、この構成によって、実施の形態1の変形例2に係る空気調和装置102は実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
また、実施の形態1の変形例2に係る室外機1aの構成は、実施の形態1に係る室外機1と同じく、圧縮機10と、減圧装置(膨張弁15が相当)と、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)と、冷媒を冷却する冷却器(第一の冷却器13と第二の冷却器14が相当)と、流路切替装置(四方弁11が相当)と、冷媒と負荷側熱媒体との間で熱交換を行わせる負荷側熱交換器(冷媒熱媒体間熱交換器60が相当)に形成された負荷側熱交換器流路(冷媒流路60aが相当)の一方の端部と配管(第二の冷却器流路14aの他方の端部と冷媒流路60aの一方の端部とを接続する室外機冷媒配管18が相当)を介して接続される第一の配管接続部(第二の冷却器流路14aの他方の端部が相当)と、負荷側熱交換器流路の他方の端部と配管(第四のポート11dと冷媒流路60aの他方の端部とを接続する室外機冷媒配管18が相当)を介して接続される第二の配管接続部(第四のポート11dが相当)と、を備え、流路切替装置は、第二の配管接続部、圧縮機10、熱源側熱交換器、冷却器(第一の冷却器13が相当)、減圧装置、第一の配管接続部の順に冷媒が流れる第一の冷媒回路と、第一の配管接続部、冷却器(第二の冷却器14が相当)、減圧装置、熱源側熱交換器、圧縮機、第二の配管接続部の順に冷媒が流れる第二の冷媒回路と、を切り替える構成である。従って、この構成によって、実施の形態1の変形例2に係る室外機1aは実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
実施の形態2.
次に実施の形態2に係る空気調和装置103について説明する。実施の形態2に係る空気調和装置103は実施の形態1に係る空気調和装置100と比較して、第一の冷却器13と第二の冷却器14の具体的な例として第一の冷媒間熱交換器30と第二の冷媒間熱交換器31とを室外機1bが備える点が異なる。なお、実施の形態2に係る空気調和装置103は室外機1bの構造を除く他の構成は実施の形態1に係る空気調和装置100と同様であるため説明を割愛する。
図7は、実施の形態2に係る空気調和装置の冷媒回路図である。室外機1bは筐体内に圧縮機10と、四方弁11と、室外熱交換器12と、膨張弁15と、ストレーナ16と、2つの閉止弁17と、第一の冷媒間熱交換器30と、第二の冷媒間熱交換器31と、を有し、それぞれ室外機冷媒配管18で接続される。なお、実施の形態2に係る圧縮機10と、四方弁11と、室外熱交換器12と、膨張弁15と、ストレーナ16と、2つの閉止弁17と、については、一部の構成要素の接続関係を除き、実施の形態1に係る同じ付番の構成要素とほぼ同様であるため説明を割愛する。
第一の冷媒間熱交換器30は、第一の高温側流路30aと第一の低温側流路30bとが形成される。第一の冷媒間熱交換器30は第一の高温側流路30aを通過する冷媒と第一の低温側流路30bとを通過する冷媒との間で熱交換を行わせる。第一の高温側流路30aの一方の端部は室外機冷媒配管18を介して室外熱交換器流路12aの他方の端部と接続される。第一の高温側流路30aの他方の端部は膨張弁15と室外機冷媒配管18を介して後述する第二の冷媒間熱交換器31の第二の高温側流路31aの一方の端部と接続される。また、第一の低温側流路30bの一方の端部は室外機冷媒配管18を介して四方弁11の第三のポート11cと接続される。第一の低温側流路30bの他方の端部は後述する第二の冷媒間熱交換器31の第二の低温側流路31bの一方の端部と接続される。なお、第一の冷媒間熱交換器30の具体的な構造については後述する。
第二の冷媒間熱交換器31は、第二の高温側流路31aと第二の低温側流路31bとが形成される。第二の冷媒間熱交換器31は第二の高温側流路31aを通過する冷媒と第二の低温側流路31bを通過する冷媒との間で熱交換を行わせる。第二の高温側流路31aの他方の端部は室外機冷媒配管18、ストレーナ16、第一の閉止弁17a、第一の接続冷媒配管3ならびに室内機冷媒配管21を介して室内熱交換器流路20aの一方の端部に接続される。また、第二の低温側流路31bの他方の端部は室外機冷媒配管18を介して圧縮機10の吸入口と接続される。なお、第二の冷媒間熱交換器31の具体的な構造については後述する。
図8は実施の形態2に係る空気調和装置の第一の冷媒回路における冷凍サイクルを示すモリエル線図である。次に第一の冷媒回路5aを循環する冷媒の流れについて説明する。第一の冷媒回路5aでは、四方弁11は図7の実線の流路に切り替わる。つまり、第一の冷媒回路5aでは、四方弁11は第一のポート11aと第二のポート11bが接続され、第三のポート11cと第四のポート11dが接続される状態となる。なお、図8におけるA2〜N2が示す冷媒の状態は、図7に示される空気調和装置103の冷媒回路のA2〜N2における冷媒の状態に対応している。
まず、圧縮機10から吐出された高温高圧のガス状態の冷媒(A2)は、実施の形態1と同様に、室外熱交換器流路12aに流入する(B2)。実施の形態1と同様に室外熱交換器12は凝縮器として機能するため、高圧の気液二相状態の冷媒が室外熱交換器流路12aから流出する(C2)。
室外熱交換器流路12aから流出した高圧の気液二相状態の冷媒は第一の高温側流路30aに流入する(D2)。第一の低温側流路30bを通過する冷媒は第一の高温側流路30aを通過する冷媒よりも低温の冷媒である。このため、第一の高温側流路30aを通過する高圧の気液二相状態の冷媒は第一の低温側流路30bを通過する冷媒によって冷却される。冷却された第一の高温側流路30aを通過する冷媒は高圧の液状態となって第一の高温側流路30aから流出する(E2)。
第一の高温側流路30aから流出した高圧の液状態の冷媒は膨張弁15に流入し(F2)、低圧の気液二相状態となって膨張弁15から流出する(G2)。
膨張弁15から流出した低圧の気液二相状態の冷媒は第二の高温側流路31aに流入する(H2)。第二の低温側流路31bを通過する冷媒は第二の高温側流路31aを通過する冷媒よりも低温の冷媒である。このため、第二の高温側流路31aを通過する低圧の気液二相状態の冷媒は第二の低温側流路31bを通過する冷媒によって冷却される。冷却された第二の高温側流路31aを通過する冷媒は、第二の高温側流路31aに流入する直前の冷媒よりもエンタルピが低くなった気液二相状態となって第二の高温側流路31aから流出する(I2)。なお、第二の低温側流路31bを通過する冷媒が第二の高温側流路31aよりも低温である理由は、第二の高温側流路31aから流出した冷媒は第二の高温側流路31aから第二の低温側流路31bまでの流路の圧力損失によって圧力が低下し、この低下した圧力に応じて冷媒の温度が低下するためである。
ここで第一の冷媒回路5aにおいて、第一の高温側流路30aを通過する冷媒と第一の低温側流路30bを通過する冷媒との温度差は、第二の高温側流路31aを通過する冷媒と第二の低温側流路31bを通過する冷媒の温度差よりも大きい。従って、第一の高温側流路30aを通過する冷媒の冷却量は第二の高温側流路31aを通過する冷媒の冷却量よりも大きい。
第二の高温側流路31aから流出した冷媒は室内熱交換器流路20aに流入する(J2)。実施の形態1と同様に室内熱交換器20は蒸発器として機能する。室内熱交換器流路20aを通過する冷媒は空気調和対象空間の空気によって加熱される。室内熱交換器流路20aを通過する冷媒は室内熱交換器流路20aに流入する直前の冷媒よりもエンタルピが高くなり圧力が低くなった気液二相状態となって室内熱交換器流路20aから流出する(K2)。
室内熱交換器流路20aから流出した冷媒は第一の低温側流路30b、第二の低温側流路31bの順に流入する(L2)。室内機冷媒配管21と第二の接続冷媒配管4と室外機冷媒配管18を通過する際の圧力損失によって、第一の低温側流路30bに流入する冷媒(L2)は、室内熱交換器流路20aから流出した直後の冷媒(K2)よりも圧力が低下した気液二相状態の冷媒である。第一の低温側流路30bを通過する気液二相状態の冷媒は第一の高温側流路30aを通過する冷媒によって加熱される。また、第二の低温側流路31bを通過する冷媒は第二の高温側流路31aを通過する冷媒によって加熱される。第一の低温側流路30bと第二の低温側流路31bとを通過する冷媒は低温のガス状態となって第二の低温側流路31bから流出する(M2)。第二の低温側流路31bから流出した冷媒は、圧縮機10の吸入口から吸入されて(N2)再び高温高圧のガス状態となって吐出される(A2)。
図9は実施の形態2に係る空気調和装置の第二の冷媒回路における冷凍サイクルを示すモリエル線図である。次に第二の冷媒回路5bを循環する冷媒の流れについて説明する。第二の冷媒回路5bでは、四方弁11は図7の点線の流路に切り替わる。つまり、第二の冷媒回路5bでは、四方弁11は第一のポート11aと第四のポート11dが接続され第二のポート11bと第三のポート11cが接続される状態となる。なお、図9におけるA2〜N2が示す冷媒の状態は、図7に示される空気調和装置100の冷媒回路のA2〜N2における冷媒の状態に対応している。
まず、圧縮機10から吐出された高温高圧のガス状態の冷媒(A2)は、実施の形態1と同様に、室内熱交換器流路20aに流入する(K2)。実施の形態1と同様に室内熱交換器20は凝縮器として機能するため、高圧の気液二相状態の冷媒が室内熱交換器流路20aから流出する(J2)。
室内熱交換器流路20aから流出した高圧の気液二相状態の冷媒は、第二の高温側流路31aに流入する(I2)。第二の低温側流路31bを通過する冷媒は第二の高温側流路31aを通過する冷媒よりも低温の冷媒である。このため、第二の高温側流路31aを通過する高圧の気液二相状態の冷媒は第二の低温側流路31bを通過する冷媒によって冷却される。冷却された第二の高温側流路31aを通過する冷媒は高圧の液状態となって第二の高温側流路31aから流出する(H2)。
第二の高温側流路31aから流出した高圧の液状態の冷媒は膨張弁15に流入し(G2)、低圧の気液二相状態となって膨張弁15から流出する(F2)。
膨張弁15から流出した気液二相状態の冷媒は第一の高温側流路30aに流入する(E2)。第一の低温側流路30bを通過する冷媒は第一の高温側流路30aを通過する冷媒よりも低温の冷媒である。このため、第一の高温側流路30aを通過する気液二相状態の冷媒は第一の低温側流路30bを通過する冷媒によって冷却される。第一の高温側流路30aを通過する冷媒は第一の高温側流路30aに流入する直前の冷媒よりもエンタルピが低くなった気液二相状態となって第一の高温側流路30aから流出する(D2)。なお、第一の低温側流路30bを通過する冷媒が第一の高温側流路30aを通過する冷媒よりも低温である理由は、第一の冷媒回路5aにおける第二の高温側流路31aと第二の低温側流路31bと同様に、第一の高温側流路30aから第一の低温側流路30bまでの流路の圧力損失によって圧力が低下し、低下した圧力に応じて冷媒の温度が低下するためである。
ここで第二の冷媒回路5bにおいて、第一の高温側流路30aを通過する冷媒と第一の低温側流路30bを通過する冷媒との温度差は、第二の高温側流路31aを通過する冷媒と第二の低温側流路31bを通過する冷媒の温度差よりも小さい。従って、第二の高温側流路31aを通過する冷媒の冷却量は第一の高温側流路30aを通過する冷媒の冷却量よりも大きい。
第一の高温側流路30aから流出した気液二相状態の冷媒は室外熱交換器流路12aに流入する(C2)。実施の形態1と同様に室外熱交換器12は蒸発器として機能する。室外熱交換器流路12aを通過する冷媒は室外空間の空気によって加熱される。室外熱交換器流路12aを通過する冷媒は室外熱交換器流路12aに流入する直前の冷媒よりもエンタルピが高くなり圧力が低くなった気液二相状態となって室外熱交換器流路12aから流出する(B2)。
室内熱交換器流路20aから流出した冷媒は第一の低温側流路30b、第二の低温側流路31bの順に流入する(L2)。室外機冷媒配管18を通過する際の圧力損失によって、第一の低温側流路30bに流入する冷媒(L2)は、室内熱交換器流路20aから流出した直後の冷媒(K2)よりも圧力が低下した気液二相状態の冷媒である。第一の低温側流路30bを通過する気液二相状態の冷媒は第一の高温側流路30aを通過する冷媒によって加熱される。また、第二の低温側流路31bを通過する冷媒は第二の高温側流路31aを通過する冷媒によって加熱される。第一の低温側流路30bと第二の低温側流路31bとを通過する冷媒は低温のガス状態となって第二の低温側流路31bから流出する(M2)。第二の低温側流路31bから流出した冷媒は、圧縮機10の吸入口から吸入されて(N2)再び高温高圧のガス状態となって吐出される(A2)。
このように、実施の形態2に係る空気調和装置103は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに、凝縮器として機能する熱交換器から膨張弁15に流れる冷媒を冷却する冷却器(第一の冷媒回路5aでは第一の冷媒間熱交換器30が相当、第二の冷媒回路5bでは第二の冷媒間熱交換器31が相当)を備えている。
また、実施の形態2に係る空気調和装置103は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに、凝縮器として機能する熱交換器から膨張弁15に流れる冷媒と蒸発器として機能する熱交換器から圧縮機に流れる冷媒との間で熱交換を行う冷媒間熱交換器(第一の冷媒回路5aでは第一の冷媒間熱交換器30が相当、第二の冷媒回路5bでは第二の冷媒間熱交換器31が相当)を備えている。
また、実施の形態2に係る空気調和装置103は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに、凝縮器として機能する熱交換器から冷却器(第一の冷媒回路5aでは第一の冷媒間熱交換器30が相当、第二の冷媒回路5bでは第二の冷媒間熱交換器31が相当)に流れる冷媒は気液二相状態である。
また、実施の形態2に係る空気調和装置103は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに冷却器(第一の冷媒回路5aでは第一の冷媒間熱交換器30が相当、第二の冷媒回路5bでは第二の冷媒間熱交換器31が相当)から膨張弁15に流れる冷媒は液状態である。
図10は実施の形態2に係る空気調和装置の第一の冷媒回路における第一の冷媒間熱交換器と第二の冷媒間熱交換器の概略図である。図11は実施の形態2に係る空気調和装置の第二の冷媒回路における第一の冷媒間熱交換器と第二の冷媒間熱交換器の概略図である。次に第一の冷媒間熱交換器30と第二の冷媒間熱交換器31の構造について説明する。第一の冷媒間熱交換器30は、第一の内管30cと、第一の外管30dとを有する。第二の冷媒間熱交換器31は、第二の内管31cと第二の外管31dと、を有する。
第一の内管30cおよび第二の内管31cは内部に冷媒が流れる配管である。第一の内管30cの一方の端部(図10ならびに図11の下側の端部)は室外機冷媒配管18を介して四方弁11の第三のポート11cと接続され、他方の端部(図10ならびに図11の上側の端部)は第二の内管31cの一方の端部と接続される。また、第二の内管31cの他方の端部(図10ならびに図11の上側の端部)は室外機冷媒配管18を介して圧縮機10の吸入口と接続される。なお、第一の内管30cの内部の流路が第一の低温側流路30bに相当し、第二の内管31cの内部の流路が第二の低温側流路31bに相当する。また、図10ならびに図11に示すように第一の低温側流路30bおよび第二の低温側流路31bを通過する冷媒は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに一方の端部から他方の端部へ向かう方向(図10ならびに図11の下側から上側へ向かう方向)に流れる。
第一の外管30dは、第一の内管30cを覆うように設けられており、第一の内管30cと第一の外管30dの間に形成された流路に冷媒が流れる配管である。第一の外管30dには、室外機冷媒配管18を介して室外熱交換器流路12aに接続される第一の流入出口30eと、室外機冷媒配管18を介して膨張弁15に接続される第二の流入出口30fが形成される。また、第一の流入出口30eは第二の流入出口30fよりも第一の低温側流路30bを流れる冷媒の下流側に位置する箇所に形成される。なお、第一の内管30cと第一の外管30dの間の流路が第一の高温側流路30aに相当する。また、第一の流入出口30eが第一の高温側流路30aの一方の端部に相当し、第二の流入出口30fが第一の高温側流路30aの他方の端部に相当する。
第二の外管31dは、第二の内管31cを覆うように設けられており、第二の内管31cと第二の外管31dの間に形成された流路に冷媒が流れる配管である。第二の外管31dには、室外機冷媒配管18、ストレーナ16、第一の閉止弁17a、第一の接続冷媒配管3ならびに室内機冷媒配管21を介して室内熱交換器流路20aに接続される第三の流入出口31eと、室外機冷媒配管18を介して膨張弁15に接続される第四の流入出口31fが形成される。また、第三の流入出口31eは第四の流入出口31fよりも第二の低温側流路31bを流れる冷媒の下流側に位置する箇所に形成される。なお、第二の内管31cと第二の外管31dの間の流路が第二の高温側流路31aに相当する。また、第三の流入出口31eが第二の高温側流路31aの一方の端部に相当し、第四の流入出口31fが第二の高温側流路31aの他方の端部に相当する。
次に第一の高温側流路30aおよび第二の高温側流路31aを通過する冷媒の流れについて説明する。
第一の冷媒回路5aでは、図10に示すように室外熱交換器流路12aから流出した冷媒は第一の流入出口30eから第一の高温側流路30aに流入し、第一の高温側流路30aを通過した冷媒は第二の流入出口30fから膨張弁15に流出する。第一の流入出口30eは第二の流入出口30fよりも第一の低温側流路30bを流れる冷媒の下流側に位置する箇所に形成されるため、第一の冷媒回路5aでは第一の高温側流路30aを通過する冷媒の流れの方向は第一の低温側流路30bを通過する冷媒の流れの方向と対向する。
また、第一の冷媒回路5aでは、図10に示すように膨張弁15から流出した冷媒は第四の流入出口31fから第二の高温側流路31aに流入し、第二の高温側流路31aを通過した冷媒は第三の流入出口31eから室内熱交換器流路20aに流出する。第三の流入出口31eは第四の流入出口31fよりも第二の低温側流路31bを流れる冷媒の下流側に位置する箇所に形成されるため、第一の冷媒回路5aでは第二の高温側流路31aを通過する冷媒の流れの方向は第二の低温側流路31bを通過する冷媒の流れの方向と同じとなる。
第二の冷媒回路5bでは、図11に示すように室内熱交換器流路20aから流出した冷媒は第三の流入出口31eから第二の高温側流路31aに流入し、第二の高温側流路31aを通過した冷媒は第四の流入出口31fから膨張弁15に流出する。第三の流入出口31eは第四の流入出口31fよりも第二の低温側流路31bを流れる冷媒の下流側に位置する箇所に形成されるため、第二の冷媒回路5bでは第二の高温側流路31aを通過する冷媒の流れの方向は第二の低温側流路31bを通過する冷媒の流れの方向と対向する。
また、第二の冷媒回路5bでは、図11に示すように膨張弁15から流出した冷媒は第二の流入出口30fから第一の高温側流路30aに流入し、第一の高温側流路30aを通過した冷媒は第一の流入出口30eから室外熱交換器流路12aに流出する。第一の流入出口30eは第二の流入出口30fよりも第一の低温側流路30bを流れる冷媒の下流側に位置する箇所に形成されるため、第二の冷媒回路5bでは第一の高温側流路30aを通過する冷媒の流れの方向は第一の低温側流路30bを通過する冷媒の流れの方向と同じとなる。
このように、実施の形態2に係る空気調和装置103は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに、凝縮器として機能する熱交換器と膨張弁15の間に設けられた高温側流路を通過する冷媒の流れの方向は、蒸発器として機能する熱交換器と圧縮機10との間に設けられた低温側流路を通過する冷媒の流れの方向と対向する。
また、実施の形態2に係る空気調和装置103は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに、膨張弁15と蒸発器として機能する熱交換器の間に設けられた高温側流路を通過する冷媒の流れの方向は、蒸発器として機能する熱交換器と圧縮機10との間に設けられた低温側流路を通過する冷媒の流れの方向と同じになる。
以上のように実施の形態2に係る空気調和装置103の構成も、実施の形態1に係る空気調和装置100と同じく、冷媒を冷却する冷却器(第一の冷媒間熱交換器30ならびに第二の冷媒間熱交換器31が相当)を備え、流路切替装置(四方弁11が相当)は圧縮機10、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)、冷却器(第一の冷媒間熱交換器30が相当)、減圧装置(膨張弁15が相当)、負荷側熱交換器(室内熱交換器20が相当)、圧縮機10の順に冷媒が循環する第一の冷媒回路5aと、圧縮機10、負荷側熱交換器、冷却器(第二の冷媒間熱交換器31が相当)、減圧装置、熱源側熱交換器、圧縮機10の順に冷媒が循環する第二の冷媒回路5bとを切り替える構成である。従って、この構成によって、実施の形態2に係る空気調和装置103も、実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
さらに、実施の形態2に係る空気調和装置103は、付加的な構成として、冷却器(第一の冷媒間熱交換器30ならびに第二の冷媒間熱交換器31が相当)は、高温側流路(第一の高温側流路30aならびに第二の高温側流路31aが相当)と低温側流路(第一の低温側流路30bならびに第二の低温側流路31bが相当)とが形成され、高温側流路を通過する冷媒と低温側流路を通過する冷媒との間で熱交換を行われ、流路切替装置(四方弁11が相当)は、圧縮機10、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)、高温側流路(第一の高温側流路30aが相当)、減圧装置(膨張弁15が相当)、負荷側熱交換器(室内熱交換器20が相当)、低温側流路(第一の低温側流路30bが相当)、圧縮機10の順に冷媒が循環する第一の冷媒回路5aと、圧縮機10、負荷側熱交換器、高温側流路(第二の高温側流路31aが相当)、減圧装置、熱源側熱交換器、低温側流路(第二の低温側流路31bが相当)、圧縮機10の順に冷媒が循環する第二の冷媒回路5bと、を切り替える構成である。この付加的な構成によって、実施の形態2に係る空気調和装置103は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに、凝縮器として機能する熱交換器から膨張弁15に流れる冷媒と蒸発器として機能する熱交換器から圧縮機に流れる冷媒との間で熱交換を行え、圧縮機に流入する冷媒を十分に加熱することができる。従って、この付加的な構成によって、実施の形態2に係る空気調和装置103は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに、圧縮機に流入する冷媒をガス化させて気液二相状態の冷媒が圧縮機に流入することを抑制する効果または圧縮機に流入する冷媒の乾き度を上昇させ運転効率を向上させる効果を奏することができる。
さらに、実施の形態2に係る空気調和装置103は、付加的な構成として、第一の冷媒回路5aならびに第二の冷媒回路5bの両方において高温側流路(第一の冷媒回路5aでは第一の高温側流路30aが相当、第二の冷媒回路5bでは第二の高温側流路31aが相当)を流れる冷媒の流れ方向は低温側流路(第一の冷媒回路5aでは第一の低温側流路30bが相当、第二の冷媒回路5bでは第二の低温側流路31bが相当)を流れる冷媒の流れ方向と対向する構成である。一般的に熱交換器において熱交換が行われる冷媒同士の流れ方向が同じ場合に比べて、熱交換が行われる冷媒同士の流れ方向が対抗する場合の方が熱交換効率は高くなる。従って、この付加的な構成によって、実施の形態2に係る空気調和装置103は、冷媒間熱交換器の熱交換効率を向上させる効果を奏する。また、冷媒間熱交換器の熱交換効率が向上すると高温側流路を通過する冷媒を冷却する能力も向上し、凝縮器として機能する熱交換器から流出する気液二相状態の冷媒の乾き度が高い場合でも液状態まで冷却することができる。乾き度が高い気液二相状態の冷媒は乾き度が低い気液二相状態の冷媒よりも含まれる液冷媒の比率が低く、空気調和装置の運転に必要な冷媒の量がより少なくなる。従って、この付加的な構成によって、実施の形態2に係る空気調和装置103は、さらに空気調和装置の運転に必要な冷媒の量を削減することができる効果を奏する。
さらに、実施の形態2に係る空気調和装置103は、付加的な構成として、高温側流路は第一の高温側流路30aと第二の高温側流路31aとで構成され、低温側流路は第一の低温側流路30bと第二の低温側流路31bとで構成され、第一の高温側流路30aを通過する冷媒と第一の低温側流路30bを通過する冷媒との間で熱交換が行われ、第二の高温側流路31aを通過する冷媒と第二の低温側流路31bを通過する冷媒との間で熱交換が行われ、第一の冷媒回路では、圧縮機10、熱源側熱交換器、第一の高温側流路30a、減圧装置、負荷側熱交換器、第一の低温側流路30b、圧縮機10の順に冷媒が循環し、第二の冷媒回路では、圧縮機10、熱源側熱交換器、第二の高温側流路31a、減圧装置、負荷側熱交換器、第二の低温側流路31b、圧縮機10の順に冷媒が循環する構成である。この構成によって、実施の形態2に係る空気調和装置103は第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに、圧縮機に流入する冷媒をガス化させて気液二相状態の冷媒が圧縮機に流入することを抑制する効果または圧縮機に流入する冷媒の乾き度を上昇させ運転効率を向上させる効果を奏することができる。
さらに、実施の形態2に係る空気調和装置103は、付加的な構成として、第一の冷媒回路5aでは、圧縮機10、熱源側熱交換器、第一の高温側流路30a、減圧装置、第二の高温側流路31a、負荷側熱交換器、第一の低温側流路30bまたは第二の低温側流路31bのいずれか一方、第一の低温側流路30bまたは第二の低温側流路31bの他方、圧縮機10の順に冷媒が循環し、第二の冷媒回路5bでは、圧縮機10、熱源側熱交換器、第二の高温側流路31a、減圧装置、第一の高温側流路30a、負荷側熱交換器、第一の低温側流路30bまたは第二の低温側流路31bのいずれか一方、第一の低温側流路30bまたは第二の低温側流路31bの他方、圧縮機10の順に冷媒が循環する構成である。この付加的な構成によって、実施の形態2に係る空気調和装置103は、減圧装置から流出した冷媒によっても圧縮機に吸入される冷媒を加熱することができるため、圧縮機に吸入される冷媒を更に加熱することができる効果を奏する。
さらに、実施の形態2に係る空気調和装置103は、付加的な構成として、第一の冷媒回路5aでは第一の高温側流路30aを流れる冷媒の流れ方向は第一の低温側流路30bを流れる冷媒の流れ方向と対向し、第二の冷媒回路5bでは第二の高温側流路31aを流れる冷媒の流れ方向は第二の低温側流路31bを流れる冷媒の流れ方向と対向する構成である。この付加的な構成によって、実施の形態2に係る空気調和装置103は、凝縮器として機能する熱交換器から減圧装置に流れる冷媒の流れ方向と、蒸発器として機能する熱交換器から圧縮機に流れる冷媒の流れ方向が対向し、熱交換効率が向上する効果を奏する。
さらに、実施の形態2に係る空気調和装置103は、付加的な構成として、第一の冷媒回路5aにおいて第一の高温側流路30aの流入口(第一の流入出口30eが相当)は第一の高温側流路30aの流出口(第二の流入出口30fが相当)よりも第一の低温側流路30bを流れる冷媒の下流側に位置する箇所に形成され、第二の冷媒回路5bにおいて第二の高温側流路31aの流入口(第三の流入出口31eが相当)は第二の高温側流路31aの流出口(第四の流入出口31fが相当)よりも第二の低温側流路31bを流れる冷媒の下流側に位置する箇所に形成されている構成である。この付加的な構成によって、実施の形態2に係る空気調和装置103は、高温側流路を流れる冷媒の流れ方向に対して低温側流路を流れる冷媒の流れ方向が対向し、熱交換効率が向上する効果を奏する。
さらに、実施の形態2に係る空気調和装置103は、付加的な構成として、冷媒はR290である構成を有する。R290はR410AやR32などの他の冷媒と比較すると高沸点であり、吐出温度が上昇しにくく、圧縮機から吐出される冷媒が必要な吐出加熱度を満たさないような状況が生じやすい。実施の形態2に係る空気調和装置103は上述したように第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに圧縮機に流入する冷媒を加熱することができるため、圧縮機に吸入される冷媒を加熱して圧縮機から吐出される冷媒が必要な吐出加熱度を満たすことができる。
また、実施の形態2に係る室外機1bの構成も、実施の形態1に係る室外機1と同じく、圧縮機10と、減圧装置(膨張弁15が相当)と、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)と、冷媒を冷却する冷却器(第一の冷媒間熱交換器30と第二の冷媒間熱交換器31が相当)と、流路切替装置(四方弁11が相当)と、冷媒と負荷側熱媒体との間で熱交換を行わせる負荷側熱交換器(室内熱交換器20が相当)に形成された負荷側熱交換器流路(室内熱交換器流路20aが相当)の一方の端部と配管(第一の接続冷媒配管3が相当)を介して接続される第一の配管接続部18aと、負荷側熱交換器流路の他方の端部と配管(第二の接続冷媒配管4が相当)を介して接続される第二の配管接続部18bと、を備え、流路切替装置は、第二の配管接続部18b、圧縮機10、熱源側熱交換器、冷却器(第一の冷媒間熱交換器30が相当)、減圧装置、第一の配管接続部18aの順に冷媒が流れる第一の冷媒回路と、第一の配管接続部18a、冷却器(第二の冷媒間熱交換器31が相当)、減圧装置、熱源側熱交換器、圧縮機、第二の配管接続部の順に冷媒が流れる第二の冷媒回路と、を切り替える構成である。従って、この構成によって、実施の形態2に係る室外機1bも、実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
なお、実施の形態2に係る空気調和装置103では、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに、蒸発器として機能する熱交換器から流出した冷媒は第一の低温側流路30b、第二の低温側流路31bの順に流入するが、これに限らない。例えば、蒸発器として機能する熱交換器から流出した冷媒は第二の低温側流路31b、第一の低温側流路30bの順に流入しても構わない。
実施の形態2の変形例1.
次に実施の形態2の変形例1に係る空気調和装置について説明する。実施の形態2の変形例1に係る空気調和装置は実施の形態2の空気調和装置103と比較して、第一の外管30dと第二の外管31dの形状が異なる。なお、実施の形態2の変形例1の空気調和装置は、第一の外管30dと第二の外管31dの形状を除く他の構成は実施の形態2に係る空気調和装置103と同様であり、説明を割愛する。
図12は実施の形態2の変形例1に係る空気調和装置の第一の冷媒回路における第一の冷媒間熱交換器と第二の冷媒間熱交換器の概略図である。図13は実施の形態2の変形例1に係る空気調和装置の第二の冷媒回路における第一の冷媒間熱交換器と第二の冷媒間熱交換器の概略図である。
第一の外管30dは内部に冷媒が流れる配管である。第一の外管30dの一方の端部は室外機冷媒配管18を介して室外熱交換器12に接続される。第一の外管30dの他方の端部は室外機冷媒配管18を介して膨張弁15に接続される。第一の外管30dは、一方の端部が他方の端部よりも第一の低温側流路30bを流れる冷媒の下流側に位置するように第一の内管30cの外周に所定のピッチで螺旋状に巻き付けられている。なお、第一の外管30dの内部の流路が第一の高温側流路30aに相当する。また、第一の外管30dの一方の端部が第一の高温側流路30aの一方の端部、第一の流入出口30eに相当し、第一の外管30dの他方の端部が第一の高温側流路30aの他方の端部、第二の流入出口30fに相当する。
第二の外管31dは内部に冷媒が流れる配管である。第二の外管31dの一方の端部は室外機冷媒配管18、ストレーナ16、第一の閉止弁17a、第一の接続冷媒配管3ならびに室内機冷媒配管21を介して室内熱交換器20に接続される。第二の外管31dの他方の端部は室外機冷媒配管18を介して膨張弁15に接続される。第二の外管31dは、一方の端部が他方の端部よりも第二の低温側流路31bを流れる冷媒の下流側に位置するように第二の内管31cの外周に所定のピッチで螺旋状に巻き付けられている。なお、第二の外管31dの内部の流路が第二の高温側流路31aに相当する。また、第二の外管31dの一方の端部が第二の高温側流路31aの一方の端部、第三の流入出口31eに相当し、第二の外管31dの他方の端部が第二の高温側流路31aの他方の端部、第四の流入出口31fに相当する。
第一の冷媒回路5aでは、図12に示すように室外熱交換器12から流出した冷媒は第一の流入出口30eから第一の高温側流路30aに流入し、第一の高温側流路30aを通過した冷媒は第二の流入出口30fから膨張弁15に流出する。さらに膨張弁15から流出した冷媒は第四の流入出口31fから第二の高温側流路31aに流入し、第二の高温側流路31aを通過した冷媒は第三の流入出口31eから室内熱交換器20に流出する。このように、第一の冷媒回路5aでは第一の高温側流路30aを通過する冷媒の流れの方向は第一の低温側流路30bを通過する冷媒の流れの方向と対向する。また、第一の冷媒回路5aでは第二の高温側流路31aを通過する冷媒の流れの方向は第二の低温側流路31bを通過する冷媒の流れの方向と同じとなる。
第二の冷媒回路5bでは、図13に示すように室内熱交換器20から流出した冷媒は第三の流入出口31eから第二の高温側流路31aに流入し、第二の高温側流路31aを通過した冷媒は第四の流入出口31fから膨張弁15に流出する。さらに膨張弁15から流出した冷媒は第二の流入出口30fから第一の高温側流路30aに流入し、第一の高温側流路30aを通過した冷媒は第一の流入出口30eから室外熱交換器12に流出する。このように、第二の冷媒回路5bでは第一の高温側流路30aを通過する冷媒の流れの方向は第一の低温側流路30bを通過する冷媒の流れの方向と同じとなる。また、第二の冷媒回路5bでは第二の高温側流路31aを通過する冷媒の流れの方向は第二の低温側流路31bを通過する冷媒の流れの方向と対向する。
以上のように、実施の形態2の変形例1に係る空気調和装置は、付加的な構成として、冷媒間熱交換器(第一の冷媒間熱交換器30ならびに第二の冷媒間熱交換器31が相当)は、低温側流路(第一の低温側流路30bならびに第二の低温側流路31bが相当)を形成する第一の配管(第一の内管30cならびに第二の内管31cが相当)と、高温側流路(第一の高温側流路30aならびに第二の高温側流路31aが相当)を形成し第一の配管に螺旋状に巻き付けられた第二の配管(第一の外管30dならびに第二の外管31dが相当)を有する構成である。この付加的な構成によって、実施の形態2に係る空気調和装置の冷媒間熱交換器の構造に比べて、第一の配管と第二の配管が接触する管内表面積が拡大するため、熱交換効率が向上する。また、この付加的な構成によって、実施の形態2に係る空気調和装置の冷媒間熱交換器の構造に比べて、第二の配管の内容積が小さくなるため、冷媒間熱交換器内に存在する冷媒の量を少なくし冷媒量の削減を図ることができる。
実施の形態2の変形例2.
次に実施の形態2の変形例2に係る空気調和装置104について説明する。実施の形態2の変形例2に係る空気調和装置104は実施の形態2に係る空気調和装置103と比較して、室外機1cがアキュムレータ19を備える点が異なる。なお、実施の形態2の変形例2に係る空気調和装置104は室外機1cがアキュムレータ19を備える点を除く他の構成は実施の形態2に係る空気調和装置103と同様であるため説明を割愛する。
図14は、実施の形態2の変形例2に係る空気調和装置の冷媒回路図である。室外機1cでは、四方弁11の第三のポート11cと第一の低温側流路30bとが室外機冷媒配管18とアキュムレータ19を介して接続される。
アキュムレータ19は第一の冷媒回路5aの場合と第二の冷媒回路5bの場合とで用いられる冷媒量の違いによって生じる余剰冷媒、または冷媒回路を変更した直後の過渡期などに生じる余剰冷媒を液冷媒として貯留する。
第一の冷媒回路5aでは室内熱交換器流路20aより流出した気液二相状態の冷媒はアキュムレータ19を通過して第一の低温側流路30bに流入する。また、第二の冷媒回路5bでは室外熱交換器流路12aより流出した気液二相状態の冷媒はアキュムレータ19を通過して第一の低温側流路30bに流入する。つまり、実施の形態2の変形例2に係る空気調和装置104は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに、蒸発器として機能する熱交換器から流出した冷媒はアキュムレータ19を通過してから第一の低温側流路30bに流入する。
以上のように、実施の形態2の変形例2に係る空気調和装置104は、付加的な構成として、冷媒を貯留するアキュムレータ19を備え、第一の冷媒回路5aでは、圧縮機10、熱源側熱交換器、高温側流路、減圧装置、負荷側熱交換器、アキュムレータ19、低温側流路、圧縮機10の順に冷媒が循環し、第二の冷媒回路5bでは、圧縮機、負荷側熱交換器、高温側流路、減圧装置、熱源側熱交換器、アキュムレータ19、低温側流路、圧縮機の順に冷媒が循環する構成である。一般的にアキュムレータには、アキュムレータ内に溜まった冷凍機油を圧縮機に戻すための返油孔が設けられており、アキュムレータに液冷媒が溜まっている状態では返油孔から液冷媒がアキュムレータから冷媒配管へ流出する。このため、アキュムレータから流出した冷媒には返油孔から流出した液冷媒が含まれている。従って、この付加的な構成によって、実施の形態2の変形例2に係る空気調和装置104は、アキュムレータから流出した冷媒は低温側流路に流入し低温側流路で加熱されるため、低温側流路から流出した冷媒がアキュムレータに流入する場合に比べて、圧縮機に吸入される冷媒の乾き度が向上する効果を奏する。
実施の形態3.
次に実施の形態3に係る空気調和装置105について説明する。実施の形態3に係る空気調和装置105は実施の形態2に係る空気調和装置103と比較して、新たに第一のバイパス配管18cと第二のバイパス配管18dと第一の三方弁32と第二の三方弁33とを室外機1dが備える点が異なる。なお、実施の形態3に係る空気調和装置105は室外機1dの構造を除く他の構成は実施の形態1に係る空気調和装置100と同様であるため説明を割愛する。
図15は、実施の形態3に係る空気調和装置の冷媒回路図である。室外機1dは筐体内に圧縮機10と、四方弁11と、室外熱交換器12と、膨張弁15と、ストレーナ16と、2つの閉止弁17と、第一の冷媒間熱交換器30と、第二の冷媒間熱交換器31と、第一の三方弁32と、第二の三方弁33と、を有し、それぞれ室外機冷媒配管18、第一のバイパス配管18cまたは第二のバイパス配管18dで接続される。なお、実施の形態3に係る圧縮機10と、四方弁11と、室外熱交換器12と、膨張弁15と、ストレーナ16と、2つの閉止弁17と、第一の冷媒間熱交換器30と、第二の冷媒間熱交換器31と、については、一部の構成要素の接続関係を除き、実施の形態2に係る同じ付番の構成要素とほぼ同様であるため説明を割愛する。
第一の三方弁32は第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bを切り替える。具体的に第一の三方弁32は第五のポート32a、第六のポート32b、第七のポート32cの計三つのポートを有する。第五のポート32aは室外機冷媒配管18を介して室外熱交換器流路12aの他方の端部と接続される。第六のポート32bは室外機冷媒配管18を介して第一の高温側流路30aの一方の端部と接続される。第七のポート32cは第一のバイパス配管18cを介し第一の高温側流路30aを迂回して膨張弁15と接続される。
第二の三方弁33は第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bを切り替える。具体的に第二の三方弁33は第八のポート33a、第九のポート33b、第十のポート33cの計三つのポートを有する。第八のポート33aは室外機冷媒配管18、ストレーナ16、第一の閉止弁17a、第一の接続冷媒配管3ならびに室内機冷媒配管21を介して室内熱交換器流路20aの一方の端部に接続される。第九のポート33bは室外機冷媒配管18を介して第二の高温側流路31aの他方の端部と接続される。第十のポート33cは第二のバイパス配管18dを介し第二の高温側流路31aを迂回して膨張弁15と接続される。
図16は実施の形態3に係る空気調和装置の第一の冷媒回路における冷凍サイクルを示すモリエル線図である。次に冷房運転時である第一の冷媒回路5aを循環する冷媒の流れについて説明する。第一の冷媒回路5aでは、四方弁11と第一の三方弁32と第二の三方弁33は図15の実線の流路に切り替わる。つまり、第一の冷媒回路5aでは、四方弁11は第一のポート11aと第二のポート11bが接続され、第三のポート11cと第四のポート11dが接続される状態となる。また、第一の冷媒回路5aでは、第一の三方弁32は第五のポート32aと第六のポート32bが接続され、第七のポート32cが閉塞される状態となる。さらに、第一の冷媒回路5aでは、第二の三方弁33は第八のポート33aと第十のポート33cが接続され、第九のポート33bが閉塞される状態となる。なお、図16におけるA3〜N3が示す冷媒の状態は、図15に示される空気調和装置105の冷媒回路のA3〜N3における冷媒の状態に対応している。
まず、圧縮機10から吐出された高温高圧のガス状態の冷媒(A3)は、実施の形態1と同様に、室外熱交換器流路12aに流入する(B3)。実施の形態1と同様に室外熱交換器12は凝縮器として機能するため、高圧の気液二相状態の冷媒が室外熱交換器流路12aから流出する(C3)。
室外熱交換器流路12aから流出した冷媒は第一の高温側流路30aに流入する(D3)。第一の高温側流路30aを通過する高圧の気液二相状態の冷媒は第一の低温側流路30bを通過する冷媒によって冷却される。冷却された冷媒は高圧の液状態となって第一の高温側流路30aから流出する(E3)。
第一の高温側流路30aから流出した液状態の冷媒は膨張弁15に流入し(F3)、低圧の気液二相状態となって膨張弁15から流出する(G3)。膨張弁15から流出した冷媒は第二のバイパス配管18dを通過し、第二の高温側流路31aを通過せずに室内熱交換器流路20aに流入する(J3)。実施の形態1と同様に室内熱交換器20は蒸発器として機能するため、室内熱交換器流路20aに流入する直前の冷媒よりもエンタルピが高くなり圧力が低くなった気液二相状態の冷媒が室内熱交換器流路20aから流出する(K3)。
室内熱交換器流路20aから流出した冷媒は、第一の低温側流路30b、第二の低温側流路31bの順に流入する(L3)。第一の低温側流路30bを通過する気液二相状態の冷媒は第一の高温側流路30aを通過する冷媒によって加熱され、低圧のガス状態になって第一の低温側流路30bから流出する。第一の低温側流路13bから流出した冷媒は、第二の低温側流路31bを通過し(M3)、圧縮機10の吸入口から吸入されて(N3)、再び高温高圧のガス状態となって吐出される(A3)。なお、第一の冷媒回路5aでは冷媒は第二の高温側流路31aを通過しないため、第二の低温側流路31bを通過する冷媒は加熱されない。
図17は実施の形態3に係る空気調和装置の第二の冷媒回路における冷凍サイクルを示すモリエル線図である。次に暖房運転時である第二の冷媒回路5bを循環する冷媒の流れについて説明する。第二の冷媒回路5bでは、四方弁11と第一の三方弁32と第二の三方弁33は図15の点線の流路に切り替わる。つまり、第二の冷媒回路5bでは、四方弁11は第一のポート11aと第四のポート11dが接続され、第二のポート11bと第三のポート11cが接続される状態となる。また、第二の冷媒回路5bでは、第一の三方弁32は第五のポート32aと第七のポート32cが接続され、第六のポート32bが閉塞される状態となる。さらに、第二の冷媒回路5bでは、第二の三方弁33は第八のポート33aと第九のポート33bが接続され、第十のポート33cが閉塞される状態となる。なお、図17におけるA3〜N3が示す冷媒の状態は、図15に示される空気調和装置105の冷媒回路のA3〜N3における冷媒の状態に対応している。
まず、圧縮機10から吐出された高温高圧のガス状態の冷媒(A3)は、実施の形態1と同様に、室内熱交換器流路20aに流入する(K3)。実施の形態1と同様に室内熱交換器20は凝縮器として機能するため、高圧の気液二相状態の冷媒が室内熱交換器流路20aから流出する(J3)。
室内熱交換器流路20aから流出した冷媒は第二の高温側流路31aに流入する(I3)。第二の高温側流路31aを通過する高圧の気液二相状態の冷媒は第二の低温側流路31bを通過する冷媒によって冷却される。冷却された冷媒は高圧の液状態となって第二の高温側流路31aから流出する(H3)。
第二の高温側流路31aから流出した液状態の冷媒は膨張弁15に流入し(G3)、低圧の気液二相状態となって膨張弁15から流出する(F3)。膨張弁15から流出した冷媒は第一のバイパス配管18cを通過し、第一の高温側流路30aを通過せずに室外熱交換器流路12aに流入する(C3)。実施の形態1と同様に室外熱交換器12は蒸発器として機能するため、室外熱交換器流路12aに流入する直前の冷媒よりもエンタルピが高くなり圧力が低くなった気液二相状態の冷媒が室外熱交換器流路12aから流出する(B3)。
室外熱交換器流路12aから流出した冷媒は、第一の低温側流路30b、第二の低温側流路31bの順に流入する(L3)。第一の低温側流路30bから流出し、第二の低温側流路31bを通過する気液二相状態の冷媒は第二の高温側流路31aを通過する冷媒によって加熱され、低圧のガス状態になって第二の低温側流路31bから流出する(M3)。第二の低温側流路31bから流出した冷媒は、圧縮機10の吸入口から吸入されて(N3)、再び高温高圧のガス状態となって吐出される(A3)。なお、第二の冷媒回路5bでは冷媒は第一の高温側流路30aを通過しないため、第一の低温側流路30bを通過する冷媒は加熱されない。
このように、実施の形態3に係る空気調和装置105は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに、凝縮器として機能する熱交換器から膨張弁15に流れる冷媒と蒸発器として機能する熱交換器から圧縮機を流れる冷媒との間で熱交換を行う冷媒間熱交換器(第一の冷媒回路5aでは第一の冷媒間熱交換器30が相当、第二の冷媒回路5bでは第二の冷媒間熱交換器31が相当)を備えている。
また、実施の形態3に係る空気調和装置105は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに凝縮器として機能する熱交換器から冷媒間熱交換器(第一の冷媒回路5aでは第一の冷媒間熱交換器30が相当、第二の冷媒回路5bでは第二の冷媒間熱交換器31が相当)に流れる冷媒は気液二相状態である。
また、実施の形態3に係る空気調和装置105は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに冷媒間熱交換器(第一の冷媒回路5aでは第一の冷媒間熱交換器30が相当、第二の冷媒回路5bでは第二の冷媒間熱交換器31が相当)から膨張弁15に流れる冷媒は液状態である。
以上のように実施の形態3に係る空気調和装置105の構成も、実施の形態1に係る空気調和装置100と同じく、冷媒を冷却する冷却器(第一の冷媒間熱交換器30ならびに第二の冷媒間熱交換器31が相当)を備え、流路切替装置(四方弁11、第一の三方弁32ならびに第二の三方弁33が相当)は圧縮機10、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)、冷却器(第一の冷媒間熱交換器30が相当)、減圧装置(膨張弁15が相当)、負荷側熱交換器(室内熱交換器20が相当)、圧縮機10の順に冷媒が循環する第一の冷媒回路5aと、圧縮機10、負荷側熱交換器、冷却器(第二の冷媒間熱交換器31が相当)、減圧装置、熱源側熱交換器、圧縮機10の順に冷媒が循環する第二の冷媒回路5bとを切り替える構成である。従って、この構成によって、実施の形態3に係る空気調和装置105も実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
さらに、実施の形態3に係る空気調和装置105は、付加的な構成として、冷却器は第一の冷却器(第一の冷媒間熱交換器30が相当)と第二の冷却器(第二の冷媒間熱交換器31が相当)とで構成され、流路切替装置は、第一の冷媒回路5aでは、圧縮機10の吐出口と熱源側熱交換器とを、熱源側熱交換器と第一の冷却器とを、第二の冷却器を介さずに減圧装置と負荷側熱交換器とを、負荷側熱交換器と圧縮機10の吸入口とを、それぞれ接続し、第二の冷媒回路5bでは、圧縮機10の吐出口と負荷側熱交換器とを、負荷側熱交換器と第二の冷却器とを、第一の冷却器を介さずに減圧装置と熱源側熱交換器とを、熱源側熱交換器と圧縮機10の吸入側とを、それぞれ接続する構成である。この付加的な構成によって、実施の形態3に係る空気調和装置105は、実施の形態2に係る空気調和装置の構造に比べて、第一の冷媒回路ならびに第二の冷媒回路の長さが短くなり、冷媒量を更に削減することができる。
さらに、実施の形態3に係る空気調和装置105は、付加的な構成として、高温側流路は第一の高温側流路30aと第二の高温側流路31aとで構成され、流路切替装置は、第一の冷媒回路5aでは、圧縮機10の吐出口と熱源側熱交換器とを、熱源側熱交換器と第一の高温側流路30aとを、第二の高温側流路31aを介さずに減圧装置と負荷側熱交換器とを、負荷側熱交換器と低温側流路とを、それぞれ接続し、第二の冷媒回路5bでは、圧縮機10の吐出口と負荷側熱交換器とを、負荷側熱交換器と第二の高温側流路31aとを、第一の高温側流路30aを介さずに減圧装置と熱源側熱交換器とを、熱源側熱交換器と低温側流路とを、それぞれ接続する構成である。この付加的な構成によって、実施の形態3に係る空気調和装置105は、実施の形態2に係る空気調和装置103の構造に比べて、第一の冷媒回路ならびに第二の冷媒回路の長さが短くなり、冷媒量を更に削減することができる。
また、実施の形態3に係る室外機1dの構成も、実施の形態1に係る室外機1と同じく、圧縮機10と、減圧装置(膨張弁15が相当)と、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)と、冷媒を冷却する冷却器(第一の冷媒間熱交換器30と第二の冷媒間熱交換器31が相当)と、流路切替装置(四方弁11、第一の三方弁32ならびに第二の三方弁33が相当)と、冷媒と負荷側熱媒体との間で熱交換を行わせる負荷側熱交換器(室内熱交換器20が相当)に形成された負荷側熱交換器流路(室内熱交換器流路20aが相当)の一方の端部と配管(第一の接続冷媒配管3が相当)を介して接続される第一の配管接続部18aと、負荷側熱交換器流路の他方の端部と配管(第二の接続冷媒配管4が相当)を介して接続される第二の配管接続部18bと、を備え、流路切替装置は、第二の配管接続部18b、圧縮機10、熱源側熱交換器、冷却器(第一の冷媒間熱交換器30が相当)、減圧装置、第一の配管接続部18aの順に冷媒が流れる第一の冷媒回路と、第一の配管接続部18a、冷却器(第二の冷媒間熱交換器31が相当)、減圧装置、熱源側熱交換器、圧縮機、第二の配管接続部の順に冷媒が流れる第二の冷媒回路と、を切り替える構成である。従って、この構成によって、実施の形態3に係る室外機1dも、実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
実施の形態4.
次に実施の形態4に係る空気調和装置106について説明する。実施の形態4に係る空気調和装置106は実施の形態2に係る空気調和装置103と比較して、第一の冷媒間熱交換器30と第二の冷媒間熱交換器31の代わりに第一の三方弁32と第二の三方弁33と冷媒間熱交換器34とを室外機1eが備える点が異なる。なお、実施の形態4に係る空気調和装置106は室外機1eの構造を除く他の構成は実施の形態1に係る空気調和装置100と同様であるため説明を割愛する。
図18は、実施の形態4に係る空気調和装置の冷媒回路図である。室外機1eは筐体内に圧縮機10と、四方弁11と、室外熱交換器12と、膨張弁15と、ストレーナ16と、2つの閉止弁17と、第一の三方弁32と、第二の三方弁33と、冷媒間熱交換器34と、を有し、それぞれ室外機冷媒配管18で接続される。なお、実施の形態4に係る圧縮機10と、四方弁11と、室外熱交換器12と、膨張弁15と、ストレーナ16と、2つの閉止弁17と、については、一部の構成要素の接続関係を除き、実施の形態1に係る同じ付番の構成要素とほぼ同様であるため説明を割愛する。
第一の三方弁32は第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bを切り替える。具体的に第一の三方弁32は第五のポート32a、第六のポート32b、第七のポート32cの計三つのポートを有する。第五のポート32aは室外機冷媒配管18を介して室外熱交換器流路12aの他方の端部と接続される。第六のポート32bは室外機冷媒配管18を介して後述する高温側流路34aの一方の端部と接続される。第七のポート32cは室外機冷媒配管18を介し膨張弁15と後述する第九のポート33bとを接続する室外機冷媒配管18に接続される。
第二の三方弁33は第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bを切り替える。具体的に第二の三方弁33は第八のポート33a、第九のポート33b、第十のポート33cの計三つのポートを有する。第八のポート33aは室外機冷媒配管18、ストレーナ16、第一の閉止弁17a、第一の接続冷媒配管3ならびに室内機冷媒配管21を介して室内熱交換器流路20aの一方の端部に接続される。第九のポート33bは室外機冷媒配管18を介して膨張弁15と接続される。第十のポート33cは室外機冷媒配管18を介し第六のポート32bと後述する高温側流路34aの一方の端部とを接続する室外機冷媒配管18に接続される。
冷媒間熱交換器34は、高温側流路34aと、低温側流路34bと、が形成される。冷媒間熱交換器34は、高温側流路34aを通過する冷媒と低温側流路34bを通過する冷媒との間で熱交換を行わせる。高温側流路34aの他方の端部は室外機冷媒配管18を介して膨張弁15と接続される。また、低温側流路34bの一方の端部は室外機冷媒配管18を介して四方弁11の第三のポート11cと接続される。さらに低温側流路34bの他方の端部は室外機冷媒配管18を介して圧縮機10の吸入口と接続される。
図19は、実施の形態4に係る空気調和装置の第一の冷媒回路における冷媒サイクルを示すモリエル線図である。次に冷房運転時である第一の冷媒回路5aを循環する冷媒の流れについて説明する。第一の冷媒回路5aでは、四方弁11と第一の三方弁32と第二の三方弁33は図17の実線の流路に切り替わる。つまり、第一の冷媒回路5aでは、四方弁11は第一のポート11aと第二のポート11bが接続され第三のポート11cと第四のポート11dが接続される状態となる。また、第一の冷媒回路5aでは、第一の三方弁32は第五のポート32aと第六のポート32bが接続され、第七のポート32cが閉塞される状態となる。さらに、第一の冷媒回路5aでは、第二の三方弁33は第八のポート33aと第九のポート33bが接続され、第十のポート33cが閉塞される状態となる。なお、図19におけるA4〜L4が示す冷媒の状態は、図18に示される空気調和装置106の冷媒回路のA4〜L4における冷媒の状態に対応している。
まず、圧縮機10から吐出された高温高圧のガス状態の冷媒(A4)は、実施の形態1と同様に、室外熱交換器流路12aに流入する(B4)。実施の形態1と同様に室外熱交換器12は凝縮器として機能するため、高圧の気液二相状態の冷媒が室外熱交換器流路12aから流出する(C4)。
室外熱交換器流路12aから流出した冷媒は高温側流路34aに流入する(D4)。高温側流路34aを通過する高圧の気液二相状態の冷媒は低温側流路34bを通過する冷媒によって冷却される。冷却された冷媒は高圧の液状態となって高温側流路34aから流出する(E4)。
高温側流路34aから流出した液状態の冷媒は膨張弁15に流入し(F4)、低圧の気液二相状態となって膨張弁15から流出する(G4)。膨張弁15から流出した冷媒は室内熱交換器流路20aに流入する(H4)。実施の形態1と同様に室内熱交換器20は蒸発器として機能するため、室内熱交換器流路20aに流入する直前の冷媒よりもエンタルピが高くなり圧力が低くなった気液二相状態の冷媒が室内熱交換器流路20aから流出する(I4)。
室内熱交換器流路20aから流出した冷媒は、低温側流路34bに流入する(J4)。低温側流路34bを通過する気液二相状態の冷媒は高温側流路34aを通過する冷媒によって加熱され、低圧のガス状態になって低温側流路34bから流出する(K4)。低温側流路34bから流出した冷媒は、圧縮機10の吸入口から吸入されて(L4)、再び高温高圧のガス状態となって吐出される(A4)。
図20は、実施の形態4に係る空気調和装置の第二の冷媒回路における冷媒サイクルを示すモリエル線図である。次に暖房運転時である第二の冷媒回路5bを循環する冷媒の流れについて説明する。第二の冷媒回路5bでは、四方弁11と第一の三方弁32と第二の三方弁33は図18の点線の流路に切り替わる。つまり、第二の冷媒回路5bでは、四方弁11は第一のポート11aと第四のポート11dが接続され、第二のポート11bと第三のポート11cが接続される状態となる。また、第二の冷媒回路5bでは、第一の三方弁32は第五のポート32aと第七のポート32cが接続され、第六のポート32bが閉塞される状態となる。さらに、第二の冷媒回路5bでは、第二の三方弁33は第八のポート33aと第十のポート33cが接続され、第九のポート33bが閉塞される状態となる。なお、図20におけるA4〜L4が示す冷媒の状態は、図18に示される空気調和装置106の冷媒回路のA4〜L4における冷媒の状態に対応している。
まず、圧縮機10から吐出された高温高圧のガス状態の冷媒(A4)は、実施の形態1と同様に、室内熱交換器流路20aに流入する(I4)。実施の形態1と同様に室内熱交換器20は凝縮器として機能するため、高圧の気液二相状態の冷媒が室内熱交換器流路20aから流出する(H4)。
室内熱交換器流路20aから流出した冷媒は高温側流路34aに流入する(D4)。高温側流路34aを通過する高圧の気液二相状態の冷媒は低温側流路34bを通過する冷媒によって冷却される。冷却された冷媒は高圧の液状態となって高温側流路34aから流出する(E4)。
高温側流路34aから流出した液状態の冷媒は膨張弁15に流入し(F4)、低圧の気液二相状態となって膨張弁15から流出する(G4)。膨張弁15から流出した冷媒は室外熱交換器流路12aに流入する(C4)。実施の形態1と同様に室外熱交換器12は蒸発器として機能するため、室外熱交換器流路12aに流入する直前の冷媒よりもエンタルピが高くなり圧力が低くなった気液二相状態の冷媒が室外熱交換器流路12aから流出する(B4)。
室外熱交換器流路12aから流出した冷媒は、低温側流路34bに流入する(J4)。低温側流路34bを通過する気液二相状態の冷媒は高温側流路34aを通過する冷媒によって加熱され、低圧のガス状態になって低温側流路34bから流出する(K4)。低温側流路34bから流出した冷媒は、圧縮機10の吸入口から吸入されて(L4)、再び高温高圧のガス状態となって吐出される(A3)。
このように、実施の形態4に係る空気調和装置106は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに凝縮器として機能する熱交換器から膨張弁15に流れる冷媒と蒸発器として機能する熱交換器から圧縮機10に流れる冷媒との間で熱交換を行う冷媒間熱交換器34を備えている。
また、実施の形態4に係る空気調和装置106は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに凝縮器として機能する熱交換器から冷媒間熱交換器34に流れる冷媒は気液二相状態である。
また、実施の形態4に係る空気調和装置106は、第一の冷媒回路5aと第二の冷媒回路5bの両方ともに冷媒間熱交換器34から膨張弁15に流れる冷媒は液状態である。
また、実施の形態4に係る空気調和装置106は、流路切替装置(四方弁11、第一の三方弁32ならびに第二の三方弁33が相当)が第一の冷媒回路5aでは、圧縮機10の吐出口と室外熱交換器流路12aとを、室外熱交換器流路12aと高温側流路34aとを、膨張弁15と室内熱交換器流路20aとを、室内熱交換器流路20aと低温側流路34bとを、それぞれ接続している。さらに、実施の形態4に係る空気調和装置106は、流路切替装置が第二の冷媒回路5bでは、圧縮機10の吐出口と室内熱交換器流路20aとを、室内熱交換器流路20aと高温側流路34aとを、膨張弁15と室外熱交換器流路12aとを、室外熱交換器流路12aと低温側流路34bとを、それぞれ接続している。
以上のように実施の形態4に係る空気調和装置106の構成も、実施の形態1に係る空気調和装置100と同じく、冷媒を冷却する冷却器(冷媒間熱交換器34が相当)を備え、流路切替装置(四方弁11、第一の三方弁32ならびに第二の三方弁33が相当)は圧縮機10、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)、冷却器(冷媒間熱交換器34が相当)、減圧装置(膨張弁15が相当)、負荷側熱交換器(室内熱交換器20が相当)、圧縮機10の順に冷媒が循環する第一の冷媒回路5aと、圧縮機10、負荷側熱交換器、冷却器(第二の冷媒間熱交換器31が相当)、減圧装置、熱源側熱交換器、圧縮機10の順に冷媒が循環する第二の冷媒回路5bとを切り替える構成である。従って、この構成によって、実施の形態4に係る空気調和装置106も実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
さらに、実施の形態4に係る空気調和装置106は、付加的な構成として、流路切替装置は、第一の冷媒回路5aでは、圧縮機10の吐出口と熱源側熱交換器とを、熱源側熱交換器と冷却器とを、減圧装置と負荷側熱交換器とを、負荷側熱交換器と圧縮機の吸入口とを、それぞれ接続し、第二の冷媒回路5bでは、圧縮機10の吐出口と負荷側熱交換器とを、負荷側熱交換器と冷却器とを、減圧装置と熱源側熱交換器とを、熱源側熱交換器と圧縮機10の吸入口とを、それぞれ接続する構成である。この付加的な構成によって、実施の形態4に係る空気調和装置は、冷却器の搭載数を減らすことができる。
さらに、実施の形態4に係る空気調和装置106は、付加的な構成として、冷却器は高温側流路34aと低温側流路34bが形成され、高温側流路34aと通過する冷媒と低温側流路34bを通過する冷媒との間で熱交換が行われ、流路切替装置は、第一の冷媒回路5aでは、圧縮機10の吐出口と熱源側熱交換器とを、熱源側熱交換器と高温側流路34aとを、減圧装置と負荷側熱交換器とを、負荷側熱交換器と低温側流路34bとを、それぞれ接続し、第二の冷媒回路5bでは、圧縮機10の吐出口と負荷側熱交換器とを、負荷側熱交換器と高温側流路34aとを、減圧装置と熱源側熱交換器とを、熱源側熱交換器と低温側流路34bとを、それぞれ接続する構成である。この付加的な構成によって、実施の形態4に係る空気調和装置は、実施の形態2に係る空気調和装置の構造に比べ、第一の冷媒回路と第二の冷媒回路の長さが短くなり冷媒量を更に削減することができる。
また、実施の形態4に係る室外機1eの構成も、実施の形態1に係る室外機1と同じく、圧縮機10と、減圧装置(膨張弁15が相当)と、熱源側熱交換器(室外熱交換器12が相当)と、冷媒を冷却する冷却器(冷媒間熱交換器34が相当)と、流路切替装置(四方弁11、第一の三方弁32ならびに第二の三方弁33が相当)と、冷媒と負荷側熱媒体との間で熱交換を行わせる負荷側熱交換器(室内熱交換器20が相当)に形成された負荷側熱交換器流路(室内熱交換器流路20aが相当)の一方の端部と配管(第一の接続冷媒配管3が相当)を介して接続される第一の配管接続部18aと、負荷側熱交換器流路の他方の端部と配管(第二の接続冷媒配管4が相当)を介して接続される第二の配管接続部18bと、を備え、流路切替装置は、第二の配管接続部18b、圧縮機10、熱源側熱交換器、冷却器、減圧装置、第一の配管接続部18aの順に前記冷媒が流れる第一の冷媒回路と、第一の配管接続部18a、冷却器、減圧装置、熱源側熱交換器、圧縮機、第二の配管接続部18bの順に冷媒が流れる第二の冷媒回路と、を切り替える構成である。従って、この構成によって、実施の形態4に係る室外機1eも、実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
本開示の一態様に係る空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を減圧する減圧装置と、冷媒と熱源側熱媒体との間で熱交換を行わせる熱源側熱交換器と、冷媒と負荷側熱媒体との間で熱交換を行わせる負荷側熱交換器と、冷媒を冷却する冷却器と、冷媒が循環する冷媒回路を切り替える流路切替装置と、圧縮機、減圧装置、熱源側熱交換器、負荷側熱交換器、冷却器および流路切替装置を接続する冷媒配管と、を備え、冷却器は高温側流路と低温側流路とが形成され、高温側流路は第一の高温側流路と第二の高温側流路とで構成され、低温側流路は第一の低温側流路と第二の低温側流路とで構成され、第一の高温側流路を通過する冷媒と第一の低温側流路を通過する冷媒との間で熱交換が行われ、第二の高温側流路を通過する冷媒と第二の低温側流路を通過する冷媒との間で熱交換が行われ、流路切替装置は、圧縮機、熱源側熱交換器、第一の高温側流路、減圧装置、負荷側熱交換器、第一の低温側流路、圧縮機の順に冷媒が循環する第一の冷媒回路と、圧縮機、負荷側熱交換器、第二の高温側流路、減圧装置、熱源側熱交換器、第二の低温側流路、圧縮機の順に前記冷媒が循環する第二の冷媒回路と、を切り替え、第一の冷媒回路において第一の高温側流路の流入口は第一の高温側流路の流出口よりも第一の低温側流路を流れる冷媒の下流側に位置する箇所に形成され、第二の冷媒回路において第二の高温側流路の流入口は第二の高温側流路の流出口よりも第二の低温側流路を流れる冷媒の下流側に位置する箇所に形成されている。
本開示の一態様に係る室外機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を減圧する減圧装置と、冷媒と熱源側熱媒体との間で熱交換を行わせる熱源側熱交換器と、冷媒を冷却する冷却器と、冷媒が循環する冷媒回路を切り替える流路切替装置と、圧縮機、減圧装置、熱源側熱交換器、冷却器および流路切替装置を接続する冷媒配管と、冷媒と負荷側熱媒体との間で熱交換を行わせる負荷側熱交換器に形成された負荷側熱交換器流路の一方の端部と配管を介して接続される第一の配管接続部と、負荷側熱交換器流路の他方の端部と配管を介して接続される第二の配管接続部と、を備え、冷却器は高温側流路と低温側流路とが形成され、高温側流路は第一の高温側流路と第二の高温側流路とで構成され、低温側流路は第一の低温側流路と第二の低温側流路とで構成され、第一の高温側流路を通過する冷媒と第一の低温側流路を通過する冷媒との間で熱交換が行われ、第二の高温側流路を通過する冷媒と第二の低温側流路を通過する冷媒との間で熱交換が行われ、流路切替装置は、第二の配管接続部、第一の低温側流路、圧縮機、熱源側熱交換器、第一の高温側流路、減圧装置、第一の配管接続部の順に冷媒が流れる第一の冷媒回路と、第一の配管接続部、第二の高温側流路、減圧装置、熱源側熱交換器、第二の低温側流路、圧縮機、第二の配管接続部の順に冷媒が流れる第二の冷媒回路と、を切り替え、第一の冷媒回路において、第一の高温側流路の流入口は第一の高温側流路の流出口よりも第一の低温側流路を流れる冷媒の下流側に位置する箇所に形成され、第二の冷媒回路において、第二の高温側流路の流入口は第二の高温側流路の流出口よりも第二の低温側流路を流れる冷媒の下流側に位置する箇所に形成されている。