JPWO2020203388A1 - 電動車椅子、車椅子制御装置、電動車椅子制御方法及び電動車椅子制御プログラム - Google Patents

電動車椅子、車椅子制御装置、電動車椅子制御方法及び電動車椅子制御プログラム Download PDF

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Abstract

電動車椅子(1)の車椅子制御装置(100)は、その機能として、センサ部(200)による測距検知信号を受信する信号受信部(131)と、検知結果に基づくセンサ部(200)から周辺物への検出距離を取得する相対距離算出部(132)と、異なる時刻における相対距離から周辺物に対する電動車椅子(1)の相対速度を算出する衝突時間算出部(133)と、算出された衝突時間に基づいて電動車椅子(1)の速度制御を行う制御信号を電動車椅子駆動部(300)へ出力する制御信号出力部(134)と、を備える。

Description

本開示は、電動車椅子及びその動作制御を行う車椅子制御装置、電動車椅子制御方法及び電動車椅子制御プログラムに関する。
近年、従来の手動の車椅子に代わり、車椅子に着座するユーザ自身によって操作される電動車椅子が普及しつつある。電動車椅子は、ユーザが手元等にある操作部を操作することで車椅子を稼働させるもので、脊椎損傷や筋萎縮性側索硬化症等の患者のような、下肢の運動機能だけではなく、上肢の運動機能にも制限があり、自力で手動の車椅子を動作させることが出来ないような患者の移動手段として、不可欠なものとなっている。
電動車椅子を使用するユーザが障害物に衝突したり、電動車椅子を転倒させたりしてしまうことを避けるため、ユーザの安全性を高める技術が開発されている。例えば、下記の特許文献1には、電動車椅子のシートシステムを水平に維持する自己水平化機能などについて記載されている。特許文献1には、電動車椅子の重力分布制御を最適化するために、カメラ、レーザ、レーザ検出、または測距(LADAR)が使用され得ることが記載されている。
このような電動車椅子は、移動手段であるため、病院や介護施設のような不特定多数の人が往来するような施設や、屋外でも使用される。そのため、電動車椅子の使用はユーザにとって便利である反面、不慮の事故が発生することがある。
近年、電動車椅子の自動運転について研究開発が行われている。
特表2018−528037号公報
車椅子はその構造上、ユーザの身体が車体より前方に露出しているため、前方の周辺物を検知するためにセンサ等の周辺物を検知する装置を取り付ける位置には、制約が大きくなっている。
また、センサ等の装置を簡易に構成することにより電動車椅子の危険な状況を回避することが望まれている。しかしながら、特許文献1に記載された電動車椅子は、センサ装置の検出結果によりシートシステムを水平に維持すること等については記載されているものの、センサ等を用いて危険な状況を検出するための具体的な構成については開示されていない。
電動車椅子の自動運転を可能とするために、従来の手動式の車椅子に対して種々の付加部品(例えば、測距センサ、バッテリ、コントローラ、など)が必要となる。かかる付加部品が、乗員に対する介助の妨げとなるおそれがある。
そこで、本開示の第1の目的は、電動車椅子の危険な状況を回避することが可能な電動車椅子、車椅子制御装置、電動車椅子制御方法及び電動車椅子制御プログラムを提供することである。
本開示の第2の目的は、乗員に対する介助のし易い電動車椅子を提供することである。
本開示の一態様における電動車椅子は、制御信号により動作制御される電動車椅子であって、ユーザが電動車椅子に着座した状態におけるユーザの頭部の位置よりも上方に設けられ、周辺物までの距離を測定する測距センサと、測距センサが周辺物までの距離を測定したことに応答して、電動車椅子の移動制御を実行する制御部とを備える。
本開示の一実施形態に係る電動車椅子を示す機能ブロック構成図である。 図1の電動車椅子1の外観の例を示す斜視図である。 図1の相対距離算出部132における相対距離の算出の一例を示す模式図である。 図1の車椅子制御装置100の処理を伝達関数として示した際の入出力情報の一例を示す模式図である。 図1の車椅子制御装置100の動作を示すフローチャートである。 本開示の一実施形態に係る電動車椅子を示す機能ブロック構成図である。 図6の車椅子制御装置100の処理を伝達関数として示した際の入出力情報の一例を示す模式図である。 本開示の一実施形態に係る車椅子制御装置100の処理を伝達関数として示した際の入出力情報の一例を示す模式図である。 本開示の一実施形態に係る車椅子制御装置100の処理を伝達関数として示した際の入出力情報の一例を示す模式図である。 本開示の一実施形態に係る車椅子制御装置100の処理を伝達関数として示した際の入出力情報の一例を示す模式図である。 本開示の一実施形態に係る車椅子制御装置100の処理を伝達関数として示した際の入出力情報の一例を示す模式図である。 本開示の一実施形態に係るコンピュータ700を示す機能ブロック構成図である。 実施形態8の電動車椅子の構成を示すブロック図である。 実施形態8の電動車椅子の外観を示す斜視図である。 実施形態8の電動車椅子の外観を示す背面図である。 図13のLIDARの配置の説明図である。 仮想例の電動車椅子801の背面図である。 実施形態8に係る周辺物回避処理を例示するフローチャートである。 ポールが第1状態にある時の変形例1の電動車椅子の外観を示す背面図である。 ポールが第2状態にある時の変形例1の電動車椅子の外観を示す背面図である。 変形例2に係る制御処理を例示するフローチャートである。 ポールが第1状態にある時の変形例3の電動車椅子の外観を示す背面図である。 ポールが第2状態にある時の変形例3の電動車椅子の外観を示す背面図である。 変形例4に係る制御処理を例示するフローチャートである。 変形例5に係る制御処理を例示するフローチャートである。 ポールを背部の右端に寄せた時の変形例6の電動車椅子の外観を示す背面図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
(実施形態1)
<構成>
図1は、本開示の実施形態1に係る電動車椅子1を示す機能ブロック構成図である。この電動車椅子1は、主に着座しているユーザにより操作される電動車椅子である。電動車椅子1を使用するユーザは、例えば上肢及び下肢の運動機能に制限があり、自力で手動の車椅子を動作させることが出来ないような患者である。電動車椅子1は、病院や介護施設のような施設、または屋外にて患者の移動手段として使用される。この電動車椅子1は、さらに、車椅子に配置されたセンサ部、例えばLIDAR(Light Detection and Ranging)が車椅子の略前方に障害物等の周辺物を検知した場合に、その周辺物との衝突を回避するために電動車椅子の移動を制御するものである。以下の実施形態において、LIDARは、3D−LIDARに対して比較的安価な2D−LIDARを使用するものとして説明するが、これに限られない。
電動車椅子1は、車椅子制御装置100と、センサ部200と、電動車椅子駆動部300とを有している。車椅子制御装置100と、センサ部200と、電動車椅子駆動部300とは、相互に接続される。車椅子制御装置100と、センサ部200と、電動車椅子駆動部300とは、限定ではなく例として、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等の有線により直接接続してもよい。なお、本件発明は、電動車椅子1が後述する操作部320を必要としない自動運転車椅子であっても適用可能である。自動運転車椅子は、ユーザがジョイスティック等により電動車椅子を移動する操作を行わずとも、ユーザが指定した目的地、又は、予め定められた位置等まで移動するための移動経路を設定して移動するものである。
車椅子制御装置100は、電動車椅子駆動部300の移動を制御するための装置である。車椅子制御装置100は、センサ部200により周辺物を検知した際の測距検知信号を受信することと、受信した信号により周辺物に対する相対距離を算出することと、周辺物と衝突しうるまでの衝突時間を相対距離に基づいて算出することとを行う。車椅子制御装置100は、算出される衝突時間に基づいて、電動車椅子1の移動を制御する。車椅子制御装置100は、限定ではなく例として、電動車椅子1に搭載させる装置であってもよいし、各種Webサービスを提供するコンピュータ(デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)や、サーバ装置を含む装置等により構成されていてもよい。この場合、車椅子制御装置100は、ネットワーク(ネットワークは、通信を行うための通信網であり、限定ではなく例として、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network:VPN)等により構成されている。)を介して、電動車椅子駆動部300及びセンサ部200と接続される。なお、サーバ装置は単体で動作するサーバ装置に限られず、ネットワークを介して通信を行うことで協調動作する分散型サーバシステムや、クラウドサーバでもよい。
センサ部200は、限定ではなく例として、対象物の方向にパルス状にレーザを発光する、または、可視光を照射することを行い、これら光の照射に対する散乱光を光検出器にて検出する。センサ部200は、このように一定範囲にわたって光の照射から反射光(散乱光)を検知するまでの時間を計測することで対象物までの距離を測定する光走査センサであるとしてもよい。このセンサ部200は、測距装置であればどのような装置であっても良く、例えばLIDARにより構成しても良く、レーダ装置等により構成してもよい。
電動車椅子駆動部300は、例えば病気やケガ等により下肢の運動機能に制限がある患者が移動手段として使用する車椅子を実際に動作させる駆動装置である。電動車椅子駆動部300は、本実施形態では特に、限定ではなく例として、アクチュエータ等により構成される。
図2は、図1の電動車椅子1の外観の例を示す斜視図である。図2に示すように、センサ部200は、電動車椅子1の背面から上方へ略垂直に延設された部材Mに設けられている。センサ部200は、電動車椅子1に着座するユーザの頭部より上方に位置するように設けられ、その位置でユーザの前方に周辺物が存在するか検知するための装置である。よって、センサ部200は、レーザ等の光の照射方向がセンサ部200を含む水平面から下方になるように、下方に向けて取り付けられている。センサ部200の下方への傾斜角度は、固定でも良く、センサ部200の動作により可動であってもよい。
センサ部200が取り付けられる部材Mは、図2に示すように棒状の部材により構成されているが、取り付けられるセンサ部200がユーザの頭部よりも上方に突出してあれば良く、電動車椅子1の背面や側面に取り付け可能な、例えば板状部材でもよい。また、電動車椅子1の背面部をそのまま上方に伸ばすように形成してもよい。
電動車椅子1には、ユーザが着座する着座面310が設けられている。ユーザがこの着座面310に着座したときに肘掛けとなる位置の前方側に、操作部320が設けられている。操作部320は、電動車椅子1を移動させるための操作をユーザから受け付けるものであり、例えばジョイスティックのような構成で設けられている。ユーザは、例えばジョイスティックを傾ける量に応じて電動車椅子1の速度を指示することができる。また、ユーザは、ジョイスティックを傾ける方向に応じて電動車椅子1を進行させる方向を指示することができる。例えば、ユーザがジョイスティックを前後方向に傾けた場合は、電動車椅子1を前進または後退させる。ユーザがジョイスティックを左右方向に傾けた場合は、電動車椅子1を旋回させる量をユーザが指示することができる。ユーザがこの操作部320を使用して操作を行うと、当該操作に応答してキャスター330が駆動する。これにより、ユーザがジョイスティック等で指示した方向および速度で電動車椅子1が移動するよう、電動車椅子駆動部300が制御する。そのため、図示しないキャスター330の駆動軸には、操作部320の操作により動作を行うアクチュエータや、サーボモータ等が取り付けられている。なお、図示していないが、車椅子制御装置100は、電動車椅子1に取り付けられてもよい。
図1に示すように、車椅子制御装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
通信部110は、車椅子制御装置100がネットワークを介してセンサ部200及び電動車椅子駆動部300と有線または無線で通信を行うための通信インタフェースであり、互いの通信が実行できるのであればどのような通信プロトコルを用いてもよい。この通信部110は、限定ではなく例として、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルにより通信が行われる。
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものである。記憶部120は、限定ではなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含むメモリや、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含むストレージから構成される。また、記憶部120は、車椅子諸元情報DB121を記憶する。さらに、記憶部120は、センサ部200及び電動車椅子駆動部300と通信を行ったデータや、後述する各処理にて生成されたデータを一時的に記憶する。
車椅子諸元情報DB121には、電動車椅子1の仕様の情報、電動車椅子1の移動を制御するための情報その他の情報が格納されている。電動車椅子1の仕様の情報としては、電動車椅子1の諸元情報(例えば全長、全高、キャスター径、最大許容加減速度、最大速度、最大許容段差高、及びその他の情報)が含まれる。電動車椅子1の仕様の情報としては、駆動方式の情報等が含まれる。駆動方式の情報は、電動車椅子1が、2輪駆動であるか、4輪駆動であるか、前輪駆動であるか、中輪駆動であるか、後輪駆動であるか、全方位への移動が可能なものであるか等の情報を含む。例えば、電動車椅子1が、全方位に移動可能な車輪を備える場合に、電動車椅子1を使用するユーザから見て横方向に平行移動すること等ができる。また、電動車椅子1の仕様の情報は、電動車椅子駆動部300に関する情報を含んでいてもよい。また、電動車椅子1の移動を制御するための情報としては、センサ部200及び電動車椅子駆動部300の各種設定値(後述するが、例えばセンサ部200を水平面に対して下方に傾ける場合の傾斜角度θの情報)が含まれる。また、この車椅子制御装置100を電動車椅子駆動部300から離隔した状態でサーバ装置として構成する場合や、他の電動車椅子駆動部300にも取り付け可能に構成する場合、他の種類の電動車椅子1の諸元情報が格納されてもよい。この場合、車椅子諸元情報DB121は、例えば電動車椅子1の車種等の種類を識別するための型番等の情報により識別可能に格納される。また、車椅子諸元情報DB121に格納されている電動車椅子1の諸元情報は、後述する相対距離算出部132で使用される。
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、車椅子制御装置100の全体の動作を制御するものである。制御部130は、限定ではなく例として、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、プロセッサコア(Processor core)、マルチプロセッサ(Multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)を含む装置等から構成される。制御部130は、制御部130の機能として、信号受信部131と、相対距離算出部132と、衝突時間算出部133と、制御信号出力部134とを備えている。この信号受信部131、相対距離算出部132、衝突時間算出部133、及び制御信号出力部134は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されて車椅子制御装置100にて実行される。
信号受信部131は、センサ部200による散乱光の検知結果(測距検知信号)を、通信部110を介してセンサ部200から受信する。この検知結果は、限定ではなく例として、センサ部200の光検出器による画像データを含む。また、センサ部200の下方への傾斜角度がセンサ部200の動作により可動である場合、傾斜角度もパラメータとしてセンサ部200から送信される(または、車椅子制御装置100がセンサ部200の傾斜角度を設定し、設定した傾斜角度になるようセンサ部200を駆動させることとしてもよい)。なお、センサ部200は水平方向(ユーザから見て左右方向)に走査されるので、水平方向に可動であり、正面方向に対する走査角度もパラメータとして送信される。すなわち、走査角度は、電動車椅子1を走行させる地面をx軸、y軸により定義される面と見立てた場合に、当該面に対して垂直なz軸(ヨー軸)に基づく角度のパラメータとして定義される。
また、信号受信部131は、センサ部200の検知結果に対して、送信波位相変調等の信号処理を行う。
相対距離算出部132は、センサ部200による検知結果に基づくセンサ部200から周辺物への検出距離を取得する。その検出距離と、垂直方向に対するセンサ部200の走査方向の角度とから、周辺物に対する車椅子の相対距離を算出する。
図3は、図1の相対距離算出部132における相対距離の算出の一例を示す模式図である。図3を参照しながら、相対距離算出部132が、電動車椅子1の周辺物と電動車椅子1との相対距離を算出する処理について説明する。上記のようにセンサ部200を水平面に対して下方に傾けて配置している。図3に示すように、センサ部200は、電動車椅子1を走行させる面に対して垂直方向の軸を定義した場合、当該垂直方向に対する走査方向に対して傾斜角度θだけ傾斜して配置されている。車椅子諸元情報DB121には、例えばセンサ部200の下方への傾斜角度が固定である場合、この傾斜角度の値が既知の値として格納されている。センサ部200の傾斜角度が可動である場合、傾斜角度の値は、センサ部200から出力され、信号受信部131で取得される(または、車椅子制御装置100がセンサ部200の傾斜角度を設定し、設定された傾斜角度によりセンサ部200が走査を行うこととしてもよい)。センサ部200は、周辺物Oを検出する。信号受信部131は、センサ部200から周辺物Oまでの距離D1を示す信号を、センサ部200から取得する。これらの値から、水平方向に対する電動車椅子1の背面の位置(センサ部200の位置と略等しい)から周辺物Oまでの距離がD1sinθと算出できる。
また、図3に示す電動車椅子1の全長D2は、車椅子諸元情報DB121に格納されている値であり、既知の値である。よって、前述の距離D1sinθから全長D2を減算することにより、周辺物Oに対する電動車椅子1の相対距離D3を算出することが可能である。なお、図3では、相対距離D3が周辺物Oからユーザの足の位置までの距離として図示されているが、図2に示すようにユーザの足は電動車椅子1のフットレストに載置されるので、電動車椅子1の前方先端までの距離とほぼ等しくなる。
また、図3に示す周辺物Oは固定物として図示しているが、可動物であってもよい。例えば、電動車椅子1が病院や介護施設のような施設で使用される場合、固定物としては、病院や介護施設内の建物の壁や待合室の椅子のように略動かないように固定されている物であり、可動物としては、廊下を通行する人や、このような施設の職員が使用するカート等である。
衝突時間算出部133は、周辺物に対して電動車椅子1が衝突しうる衝突時間を算出する。上記のように相対距離算出部132において、周辺物に対する電動車椅子1の相対距離の算出が複数回(例えば、1秒間に10回)行われる。衝突時間算出部133は、異なる時刻において算出された相対距離の時間変化に基づいて、周辺物に対する電動車椅子1の相対速度を算出する。衝突時間算出部133は、算出した相対速度と相対距離とから、周辺物と電動車椅子1とが衝突するまでの衝突時間を算出する。なお、周辺物が電動車椅子1に対して離隔するように動いている場合や、直近の時刻において周辺物が検出されなくなり、このときの相対距離が算出できないような場合には、衝突時間がマイナス値として算出される。この場合、周辺物と電動車椅子1との衝突のおそれがないことになる。
制御信号出力部134は、衝突時間算出部133で算出された衝突時間に基づき、電動車椅子1の速度を制御するための制御信号を、電動車椅子駆動部300へ出力する。例えば、周辺物と電動車椅子1とが時間の経過と共に接近している場合、衝突時間算出部133が算出する衝突時間が到来するより前に、制御信号出力部134が電動車椅子1を減速させる、すなわち電動車椅子1を停止する。これにより周辺物との衝突を回避することが出来る。または、減速の他に、周辺物との衝突を避けるように電動車椅子1を移動させるよう制御する(例えば、電動車椅子1が走行する方向を制御する)こととしてもよい。
また、制御信号出力部134は、ジョイスティック等によりユーザが電動車椅子1を移動させる指示を行っているか否かにかかわらず、衝突時間算出部133で算出された衝突時間に基づき、電動車椅子1の制御を行うこととしてもよい。すなわち、ユーザが電動車椅子1をジョイスティック等により移動させている場合に、周辺物に対して電動車椅子1が衝突しうるのを回避することができる。なお、制御信号出力部134は、ジョイスティック等によりユーザが電動車椅子1を移動させる指示を行っている場合に、衝突時間算出部133で算出された衝突時間が所定時間を超えている間はユーザによる指示を優先して電動車椅子1の制御を行い、上記の所定時間を下回ったことに応答して、ユーザによる指示にかかわらず電動車椅子1の制御を行うこととしてもよい。これにより、周辺物との衝突のおそれが比較的小さい段階(衝突時間が比較的長い場合)では、ユーザが自身の判断でジョイスティック等により減速または移動方向の指示を行うための操作を受け付けつつ、周辺物との衝突のおそれが高くなるにつれて(衝突時間が比較的短い場合)電動車椅子1を自動的に制御することができる。よって、センサ部200が周辺物を検知可能な距離にかかわらず、ある程度、ユーザの意思に沿って電動車椅子1を移動させつつ安全性を高めることができる。
図4は、図1の車椅子制御装置100の処理を伝達関数として示した際の入出力情報の一例を示す模式図である。図4に示す加減速制御関数B(x)は、車椅子制御装置100の一連の処理を伝達関数である加減速制御関数B(x)とみなして表現したものである。入力信号IN1は、車椅子制御装置100に入力される信号であり、具体的には信号受信部131が受信するセンサ部200の検知結果である。また、出力信号OUT1は、車椅子制御装置100が出力する信号であり、具体的には制御信号出力部134が出力する電動車椅子駆動部300の制御信号である。図4に示すように、車椅子制御装置100の処理を1つの関数とみなすと、センサ部200の検知結果を受信して電動車椅子駆動部300の制御信号を出力する、という関係であることが分かる。
<処理の流れ>
図5を参照しながら、電動車椅子1及び車椅子制御装置100が実行する車椅子制御方法の一例の処理の流れについて説明する。図5は、図1の車椅子制御装置100の動作を示すフローチャートである。
ステップS101の処理として、センサ部200は、センサ部200が検知した検知結果を車椅子制御装置100に送信する。車椅子制御装置100の信号受信部131は、通信部110を介して当該検知結果を受信する。また、信号受信部131は、必要に応じて送信波位相変調等の信号処理を行う。信号受信部131は、センサ部200から、検知結果を逐次受信してメモリ等において保持させる。
ステップS102の処理として、相対距離算出部132は、ステップS101で受信されたセンサ部200による検知結果に基づき、センサ部200から周辺物への検出距離を取得する。また、相対距離算出部132は、検出距離と、垂直方向に対するセンサ部200の走査方向に対する傾斜角度θ(図3を参照)とから、周辺物に対する車椅子の相対距離を算出する。
ステップS103の処理として、衝突時間算出部133では、ステップS102の相対距離の算出が複数回行われ、異なる時刻における相対距離から、周辺物に対する電動車椅子1の相対速度が算出される。衝突時間算出部133は、算出された相対速度と相対距離とから、周辺物と電動車椅子1とが衝突するまでの衝突時間を算出する。例えば、時刻t1において相対距離x1メートル、時刻t1より1秒後の時刻t2において相対距離x2メートルであれば、相対速度は(x1−x2)メートル/秒で周辺物に接近していることになる。よって、この場合、時刻t2より{x2/(x1−x2)}秒後に周辺物に衝突するものと推定される。
ステップS104の処理として、衝突時間算出部133では、ステップS103で算出された衝突時間が正の値であるか否かが判定される。前述のように、周辺物が電動車椅子1に対して離隔するように動いている場合のように、周辺物と電動車椅子1との衝突のおそれがない場合には衝突時間がマイナス値として算出される。よって、衝突時間が正の値である場合に衝突のおそれありと判定される。衝突時間が0より大きい場合にはステップS105の処理が行われ、それ以外の場合には一連の処理が終了される。
ステップS105の処理として、制御信号出力部134では、ステップS103で算出された衝突時間に基づき、電動車椅子1の速度制御を行う制御信号が電動車椅子駆動部300へ出力される。これにより、電動車椅子1の速度制御(「移動制御」の一例)が実現される。
なお、ステップS102で相対距離算出部132が電動車椅子1と周辺物との相対距離を算出することとしている。ここで、センサ部200は水平方向(ユーザから見て左右方向)に走査され、この走査角度もパラメータとしてセンサ部200から車椅子制御装置100に送信される。すなわち、走査角度は、電動車椅子1を走行させる地面をx軸、y軸により定義される面と見立てた場合に、当該面に対して垂直なz軸(ヨー軸)に基づく角度のパラメータ(走査角度θy)として定義されるものである。よって、相対距離算出部132は、走査角度θyの範囲に応じて周辺物との相対距離を算出することとしてもよい。すなわち、走査角度θyが角度θy1の場合に周辺物を検知したとすると、車椅子制御装置100は、当該角度θy1と対応付けて周辺物との相対距離を算出する。この相対距離が時間変化に応じて小さくなる場合、ユーザの視点からは、相対的には、角度θy1の方向から周辺物が接近してくるように見えることになる。このように、相対距離がベクトルの成分として表現されることになる。よって、車椅子制御装置100は、相対的に当該角度から接近する周辺物を回避するように、電動車椅子1の移動を制御することができる。
また、周辺物を検知した場合に、当該周辺物を検知した走査角度θyが一定時間内に所定量だけ変化することに応答して、電動車椅子1の周囲を周辺物が通過するとみなしてもよい。例えば、電動車椅子1の進行方向を遮ることなく電動車椅子1の左右を周辺物が通過することがあり得る。この場合、車椅子制御装置100は、衝突の危険性が小さいものとして、ユーザがジョイスティック等により電動車椅子1を移動させる指示に応じて電動車椅子1を移動させることとしてもよい。
また、周辺物を検知した場合に、当該周辺物を検知した走査角度θyの時間変化に基づいて、電動車椅子1の進行方向を当該周辺物が横切るか否かを判断することとしてもよい。例えば、電動車椅子1の進行方向を周辺物が横切る場合に、安全性を重視して、衝突時間算出部が算出する衝突時間が比較的大きい場合にも電動車椅子1を減速させる等の制御を行うこととしてもよい。
<効果>
以上のように、本実施形態に係る電動車椅子、車椅子制御装置、及び電動車椅子制御方法は、ユーザの頭部の位置よりも上方にLIDARが設けられ、電動車椅子の略前方に周辺物の存在を検知する。検知された場合、周辺物に対する電動車椅子の相対距離が算出され、異なる時刻の相対距離から周辺物と電動車椅子とが衝突するまでの衝突時間が算出される。この衝突時間に基づき、電動車椅子の速度を制御する。これにより、電動車椅子の周辺物を検知して電動車椅子の移動を制御するので、電動車椅子の危険な状況を回避することが可能となる。
また、高価な3D−LIDARのような装置を構成要素としない場合、2D−LIDARのように安価な構成により電動車椅子の危険な状況を回避することが可能となる。
また、LIDARが車椅子の背面から上方へ延設された部材に設けられ、電動車椅子の略前方の周辺物を検知するので、電動車椅子に着座するユーザにより遮られることなく、周辺物を検知することが可能になる。
(実施形態2)
図6は、本開示の実施形態2に係る電動車椅子1Aを示す機能ブロック構成図である。この電動車椅子1Aは、車椅子に配置されたLIDARが車椅子の略前方に障害物等の周辺物を検知した場合に、その周辺物との衝突を回避するために車椅子の移動を制御する点において、実施形態1に係る電動車椅子1と同様であるが、ユーザ検知センサ(着座状態検知部)400を備えている点において、実施形態1に係る電動車椅子1と異なる。
本実施形態では、センサ部200による周辺物の検知だけではなく、電動車椅子1Aに取り付けられたユーザ検知センサ400による、ユーザ状態の情報にも基づいて電動車椅子駆動部300を制御する。ユーザ検知センサ400は、電動車椅子1Aにおけるユーザの着座状態を検知するセンサであり、例えば荷重センサにより構成され、電動車椅子1Aの着座面310に複数配置されている。このユーザ検知センサ400は、着座面310上のユーザの荷重を検知することで、ユーザの電動車椅子1A上における着座状態、例えば前のめりの状態になっているか、背面深くまで着座しているか、等の状態を判定する。
本実施形態における信号受信部131は、ユーザ検知センサ400からの着座検知信号を、通信部110を介して受信する。また、制御信号出力部134は、ユーザの着座状態を参照して、電動車椅子1Aの速度を制御するための制御信号を、電動車椅子駆動部300へ出力する。このような処理を行うのは、電動車椅子1A上のユーザの状態によっては、電動車椅子1Aの減速を行うとユーザが電動車椅子1Aの前方へ倒れてしまうおそれがある場合があり、また、ユーザが急に立ち上がるような場合もあるからである。
図7は、図6の車椅子制御装置100の処理を伝達関数として示した際の入出力情報の一例を示す模式図である。図7に示す加減速制御関数B(x)の入力信号IN2は、車椅子制御装置100に入力される信号であり、具体的には信号受信部131が受信するセンサ部200の検知結果、及びユーザ検知センサ400からの、ユーザ状態を示す着座検知信号である。また、出力信号OUT2は、車椅子制御装置100が出力する信号であり、具体的には制御信号出力部134が出力する電動車椅子駆動部300の制御信号である。その他の構成及び処理の流れについては、実施形態1と同様である。
本実施形態によれば、上記実施形態1の効果に加え、車椅子上におけるユーザの着座状態を検知し、ユーザの着座状態を参照して車椅子の速度を制御する。これにより、ユーザが車椅子から倒れてしまうような危険な車椅子の制御を防止し、より安全な制御が可能になる。
(実施形態3)
図8は、本開示の実施形態3に係る車椅子制御装置100の処理を伝達関数として示した際の入出力情報の一例を示す模式図である。図8に示す加減速制御関数B(x)の入力信号IN3は、実施形態2と同様に、信号受信部131が受信するセンサ部200の検知結果、及びユーザ検知センサ400からの着座検知信号である。また、出力信号OUT3は、制御信号出力部134が出力する電動車椅子駆動部300の制御信号であるが、電動車椅子1の速度を制御するための速度制御信号と共に、電動車椅子1におけるユーザの衝撃緩和動作を行うための信号が送信される。
本実施形態では、電動車椅子1に衝撃緩和部が設けられている例を示している。衝撃緩和部は、ユーザに対する衝撃緩和装置、具体的にはエアバッグのような装置や、ユーザを着座面310から動かないように固定する装置により構成され、電動車椅子1におけるユーザの衝撃を緩和するための衝撃緩和信号により制御(「衝撃緩和装置に対する動作制御」の一例)が実現される。これにより、ユーザの安全を保つことが可能になる。その他の構成及び処理の流れについては、実施形態2と同様である。
本実施形態によれば、上記実施形態1及び2の効果に加え、ユーザの衝撃を緩和するための制御信号が車椅子に送信され、衝撃緩和装置が動作される。これにより、ユーザの安全を保つことが可能になる。
(実施形態4)
図9は、本開示の実施形態4に係る車椅子制御装置100の処理を伝達関数として示した際の入出力情報の一例を示す模式図である。図9に示す加減速制御関数B(x)の入力信号IN4は、信号受信部131が受信するセンサ部200の周辺物の検知結果に加えて、センサ部200が周辺物とは異なる、電動車椅子1が使用される施設等の構造物、例えば施設建物の壁や備え付けられている椅子等を検知した場合の検知結果(第2測距検知信号)、及び予め記憶されている施設建物の施設情報である。また、出力信号OUT4は、制御信号出力部134が出力する電動車椅子駆動部300の制御信号であるが、電動車椅子1の速度制御を行う速度制御信号と共に、電動車椅子1の進行方向を制御する進行方向制御信号が送信される。
入力信号IN4として、電動車椅子1が使用される施設等の構造物の検知結果と、予め記憶されている施設情報を取得するのは、施設情報を取得することにより、より精度の高い周辺物の検知を可能にするためである。特に、病院や介護施設等の施設棟には窓や鏡が設けられ、センサ部200が誤作動を起こしやすいからである。また、出力信号OUT4として、電動車椅子1の進行方向を制御する進行方向制御信号を出力するのは、電動車椅子1の速度を制御するだけではユーザの安全を保つのが困難な場合において、電動車椅子1の進行方向制御(「移動制御」の一例)を実現することで周辺物との衝突を回避するためである。その他の構成及び処理の流れについては、実施形態3と同様である。
また、車椅子制御装置100が、予め記憶されている施設建物の構造の情報を使用して電動車椅子1の移動を制御する場合、施設において周辺物を検出する都度、その履歴を記憶部120等において蓄積することとしてもよい。これにより、施設において周辺物を検出する頻度に基づきヒートマップを描くことができ、例えば人の往来が頻繁にある範囲を特定し得る。このような特定範囲では、センサ部200により検出される周辺物と電動車椅子1との衝突を回避するために、車椅子制御装置100が電動車椅子駆動部300の制御を行って低速で電動車椅子1を移動させるものとも想定される。よって、電動車椅子1が特定範囲にさしかかったことに応答して、電動車椅子1から近い範囲にある周辺物を検出するために、センサ部200の傾斜角度θを変更してもよい(図3の例では、電動車椅子1が特定範囲にさしかかることにより傾斜角度θを小さくする)。また、周辺物を検出する頻度が比較的小さい範囲においては、電動車椅子1の周囲の広い範囲の周辺物を検出できるよう、センサ部200の傾斜角度θを変更することとしてもよい。以上のように、車椅子制御装置100は、センサ部200の検出結果に基づいて、傾斜角度θを変更することとしてもよい。
本実施形態によれば、上記実施形態1ないし3の効果に加え、施設情報を取得することにより、より精度の高い周辺物の検知を可能にする。また、車椅子の進行方向を制御することにより、ユーザの安全を保ちつつ周辺物との衝突を回避することが可能になる。また、本実施形態に係る車椅子制御装置100を、自動運転車椅子に適用した場合、電動車椅子1は、予め記憶されている施設建物の構造の情報を使用して、現在地からユーザが建物内等で移動先として指定した目的地までの移動経路を設定したうえで自動走行することとなる。電動車椅子1は、電動車椅子1を目的地に到達させる過程でセンサ部200により建物内等の人物を検出した場合、当該人物と電動車椅子1との相対距離に基づいて、移動経路を変更するか否かを決定する。例えば、人物との衝突が予測される場合に、衝突を回避するように移動経路を再設定する。これにより、電動車椅子1の周囲にいる人物等を検出した場合においても、相対距離に基づいて、衝突のおそれがないと判断される場合は移動経路を再設定することなく電動車椅子1を移動させることができる。
(実施形態5)
図10は、本開示の実施形態5に係る車椅子制御装置100の処理を伝達関数として示した際の入出力情報の一例を示す模式図である。図10に示す加減速制御関数B(x)の入力信号IN5は、信号受信部131が受信するセンサ部200の周辺物の検知結果、電動車椅子1が使用される構造物の検知結果、及び予め記憶されている施設情報に加えて、ユーザが電動車椅子1を操作している操作情報(操作信号)、及び予め車椅子諸元情報DB121に記憶されている電動車椅子1の諸元情報である。また、出力信号OUT5は、制御信号出力部134が出力する電動車椅子駆動部300の速度制御信号である。
入力信号IN5として、ユーザが電動車椅子1を操作している操作情報、及び予め車椅子諸元情報DB121に記憶されている電動車椅子1の諸元情報を取得するのは、急な速度制御がかえってユーザを危険にすることもあるため、操作情報を取得することにより操作情報に基づいてより安全な制御を行い、電動車椅子1の諸元情報を取得することで電動車椅子1にとって無理のない制御を行うためである。その他の構成及び処理の流れについては、実施形態4と同様である。
本実施形態によれば、上記実施形態1ないし4の効果に加え、ユーザの操作情報を取得することにより、操作情報に基づいてより安全な制御を行うことを可能にする。また、車椅子の諸元情報を取得することにより、車椅子にとって無理のない制御を行うことを可能にする。
(実施形態6)
図11は、本開示の実施形態6に係る車椅子制御装置100の処理を伝達関数として示した際の入出力情報の一例を示す模式図である。図11に示す加減速制御関数B(x)の入力信号IN6は、信号受信部131が受信するセンサ部200の周辺物の検知結果である。また、出力信号OUT6は、制御信号出力部134が出力する電動車椅子駆動部300の速度制御信号、及び電動車椅子1におけるユーザの衝撃緩和を行うための信号に加えて、ユーザに対する通知装置、例えば危険が迫っていることを光や音等で通知する装置に対する制御信号である。
出力信号OUT6として、ユーザに対する通知装置、例えば危険が迫っていることを光や音等で通知する装置に対する制御信号を出力するのは、電動車椅子1が急に速度を制御する際にそのような制御が行われたことを通知する制御(「通知装置に対する動作制御」の一例)を実現することで、例えばユーザの心理的ショックを軽減するためである。その他の構成及び処理の流れについては、実施形態5と同様である。
本実施形態によれば、上記実施形態1ないし5の効果に加え、ユーザに対する通知装置を備え、急に速度を制御する際にそのような制御が行われたことを通知することにより、ユーザの心理的ショックを軽減することを可能にする。
(実施形態7(プログラム))
図12は、コンピュータ(電子計算機)700の構成の例を示す機能ブロック構成図である。コンピュータ700は、CPU701、主記憶装置702、補助記憶装置703、インタフェース704を備える。
ここで、実施形態1ないし6に係る信号受信部131、相対距離算出部132、衝突時間算出部133、及び制御信号出力部134を構成する各機能を実現するための制御プログラム(車椅子制御プログラム)の詳細について説明する。これらの機能ブロックは、コンピュータ700に実装される。そして、これらの各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置703に記憶されている。CPU701は、プログラムを補助記憶装置703から読み出して主記憶装置702に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU701は、プログラムに従って、上述した記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置702に確保する。
当該プログラムは、具体的には、コンピュータ700において、光走査センサが、周辺物を検知した場合に出力する測距検知信号を受信する信号受信ステップと、測距検知信号に基づいて光走査センサから周辺物への検出距離を取得し、検出距離と、垂直方向に対する光走査センサの走査方向の角度と、から周辺物に対する車椅子の相対距離を算出する相対距離算出ステップと、異なる複数の時刻における相対距離から、周辺物に対する車椅子の相対速度を算出し、周辺物と車椅子とが衝突するまでの時間である衝突時間を算出する衝突時間算出ステップと、衝突時間に基づき、車椅子の速度制御を行う制御信号を車椅子へ出力する制御信号出力ステップと、をコンピュータによって実現する制御プログラムである。
なお、補助記憶装置703は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース704を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークを介してコンピュータ700に配信される場合、配信を受けたコンピュータ700が当該プログラムを主記憶装置702に展開し、上記処理を実行してもよい。
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置703に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
(実施形態8)
以降の説明において、電動車椅子の車輪が水平面に接している状態で当該電動車椅子の乗員の身体の向きを基準に正面側を前方(F方向)、背面側を後方(R方向)、左側を左方向(SL方向)、右側を右方向(SR方向)、上側を上方(U方向)、および下側を下方(D方向)としてそれぞれ定義する。
(1)電動車椅子の構成
電動車椅子の構成について説明する。図13は、実施形態8の電動車椅子の構成を示すブロック図である。図14は、実施形態8の電動車椅子の外観を示す斜視図である。図15は、実施形態8の電動車椅子の外観を示す背面図である。図16は、図13のLIDARの配置の説明図である。
電動車椅子801は、自動運転可能である。自動運転可能であるとは、電動車椅子801の操舵、加速、及び、制動の少なくとも1つを人間(例えば、乗員(「ユーザ」とも呼ぶ))の操作によらずに、コンピュータによって制御されることを意味する。
図13に示すように、電動車椅子801は、車椅子制御装置(「コントローラ」とも呼ぶ)810と、超音波センサ821と、LIDAR(Light Detection and Ranging)822と、移動機構831とを備える。
図14に示すように、電動車椅子801は、車椅子制御装置810と、超音波センサ821FLと、超音波センサ821FRと、操作部(「キーパッド」とも呼ぶ)823と、車輪831FLと、車輪831FRと、車輪831RLと、車輪831RRと、座部832と、背部833と、フットレスト834FLと、フットレスト834FRと、ポール835と、センサ収容部836と、バッテリ837と、を備える。
車椅子制御装置810は、前後方向について背部833を基準として後方(R方向)に配置され、且つ、及び、左右方向について片方向(図14の例では、左方向(SL方向))の端部に寄せた位置に配置されている。これにより、図15に示すように、車椅子制御装置810の右方向(SR方向)には、上下方向について空間SPが形成される。
車椅子制御装置810は、電動車椅子801を制御することで、当該電動車椅子801の自動運転を可能とするように構成される。
具体的には、車椅子制御装置810は、手動運転モードおよび自動運転モードを含む複数の運転モードで動作可能である。
車椅子制御装置810は、自動運転モードにおいて、超音波センサ821およびLIDAR822の少なくとも1つによる距離の測定結果に基づいて移動機構831を制御することで、人間(例えば、乗員、介助者)の操作によらずに、電動車椅子801の操舵、加速および制動の少なくとも1つを行うように構成される。例えば、車椅子制御装置810は、ユーザ指示に基づいて設定された目的地までの経路に沿って、障害物等の周辺物との接触を回避しながら電動車椅子801を運転し得る。
図13に示すように、車椅子制御装置810は、記憶部(「記憶装置」とも呼ぶ)811と、制御部(「プロセッサ」とも呼ぶ)812と、入出力インタフェース813と、通信部(「通信インタフェース」とも呼ぶ)814とを備える。
記憶部811は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶部811は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、電動車椅子801の自動運転アプリケーション)のプログラム
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
制御部812は、記憶部811に記憶されたプログラムを起動することによって、車椅子制御装置810の機能を実現するように構成される。制御部812は、コンピュータの一例である。
入出力インタフェース813は、車椅子制御装置810に接続される入力デバイスから信号(例えば、ユーザの指示)を取得し、かつ、車椅子制御装置810に接続される出力デバイスに信号を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、超音波センサ821、LIDAR822、操作部823、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、移動機構831、ディスプレイ、スピーカ、ランプ又はそれらの組合せである。
通信部814は、車椅子制御装置810と外部装置(例えば、図示されないサーバ)との間の通信を制御するように構成される。
電動車椅子801は、1つ以上の超音波センサ821を備えることができる。以降の説明において、電動車椅子801は、図14に示すように、超音波センサ821FL、および超音波センサ821FRを備えることとする。
超音波センサ821FLは、フットレスト834FLを基準として左方向(SL方向)に配置されている。超音波センサ821FRは、フットレスト834FRを基準として右方向(SR方向)に配置されている。
超音波センサ821FLは、電動車椅子801の前方(F方向)〜左前方(SL方向かつF方向)の範囲にある周辺物を対象として測距を行うように構成される。超音波センサ821FRは、電動車椅子801の前方(F方向)〜右前方(SR方向かつF方向)の範囲にある周辺物を対象として測距を行うように構成される。例えば、超音波センサ821FLおよび超音波センサ821FRの測距の結果から、LIDAR822の死角に周辺物が存在するか否かを検知することができる。
超音波センサ821は、車椅子制御装置810からの制御信号に従って、超音波を放射し、この超音波が周辺物によって反射されることで戻ってきた反射波を受信する。超音波が放射されてから反射波が戻ってくるまでの時間差(「ToF:Time Of Flight」とも呼ばれる)と、超音波の伝播速度とに基づいて、超音波センサ821から周辺物までの距離を測定することができる。
周辺物は、種々の物体を含み得る。例えば、周辺物は、他の電動車椅子、人、動物、壁、柱、階段、扉、窓、器物、などの少なくとも1つであり得る。超音波センサ821は、LIDAR822に比べると、ガラスのような光の透過率が高い材料で構成された周辺物に対する測距に適している。
超音波センサ821は、車椅子制御装置810からの制御信号に従って、符号系列を用いて符号化した超音波を放射し得る。この場合に、超音波センサ821は、受信信号と符号系列との相関に基づいて、自らの放射した超音波の反射波の受信を検出し得る。
LIDAR822は、センサ収容部836に収容される。センサ収容部836は、ポール835の上端に取り付けられる。ポール835は、背部833を基準に上方(U方向)に配置される。具体的には、ポール835は、背部833の上端から略鉛直に延設される。すなわち、LIDAR822は、ポール835を基準に上方(U方向)に配置され、ポール835によって支持される。
図16に示すように、電動車椅子801の進行方向(つまり、前後方向)に沿った平面(以下「基準平面BP」という)に対して、LIDAR822の照射方向に沿った仮想線VLが成す角(以下「照射角」という)φが90度未満になるように、LIDAR822は配置される。
基準平面BPは、例えば、移動機構(車輪)831(例えば、車輪831RL及び車輪831RR)の中心を通る平面である。
例えば、LIDAR822は、ポール835の上方(U方向)から下方(D方向)を向く方向に、当該電動車椅子801の左前方(SL方向かつF方向)〜前方(F方向)〜右前方(SR方向かつF方向)の範囲にある周辺物を対象として測距を行うように構成される。一例として、LIDAR822は、電動車椅子801に着座する乗員の頭部よりも高い位置に取り付けられ、電動車椅子801の前方(F方向)に周辺物が存在するか検知するように構成される。すなわち、LIDAR822のレーザの照射方向を、電動車椅子801の左前方(SL方向かつF方向)〜前方(F方向)〜右前方(SR方向かつF方向)を向き、かつLIDAR822の取り付け位置を通る水平面よりも下方(D方向)に向ける必要がある。故に、LIDAR822は、かかる水平面よりも下方(D方向)に傾斜して(換言すれば、電動車椅子801の走行面に対して傾斜して)取り付けられている。LIDAR822の傾斜角度は、固定でもよいし、電動(例えばアクチュエータ)または手動により可変としてもよい。
LIDAR822は、車椅子制御装置810からの制御信号に従って、パルス状に発光するレーザを照射し、このレーザが周辺物によって散乱されて戻ってきた光を光検出器にて検出する。レーザが照射されてから散乱光が戻ってくるまでの時間差と、レーザの伝播速度とに基づいて、LIDAR822から周辺物までの距離を測定することができる。LIDAR822は、3次元LIDARに対して比較的安価な2次元LIDARを使用するものとして説明するが、これに限られない。
操作部823は、電動車椅子801の肘掛けを基準に上方(U方向)に配置される。操作部823は、左右どちらかの肘掛けに固定されてもよいし、乗員の身体的機能(例えば、利き腕、運動障害の有無)に応じて左右どちらの肘掛けにも取り付け可能に構成されてもよい。
操作部823は、乗員または介助者が車椅子制御装置810に対する指示を入力するための入力デバイスの一例である。操作部823は、例えば以下の指示の少なくとも1つを受理するように構成され得る。
・目的地の設定
・ルートの選択
・自動運転の開始
・自動運転の終了
・自動運転モード及び手動運転モードの切り替え
・減速
・停止
・発進
・介助者の呼び出し
移動機構831は、車椅子制御装置810からの制御信号に従って、電動車椅子801を移動させる。移動機構831の構成は電動車椅子801に求められる移動方式に依存するが、一例として移動機構831は、図14に示す車輪831FL、車輪831FR、車輪831RL、および車輪831RRに加えて、ブレーキ、モーター、トランスミッション、および車軸を含み得る。
車輪831FLは、座部832を基準に下方(D方向)、かつ車輪831FRを基準に左方向(SL方向)に配置される。車輪831FLは、回転可能に構成される。
車輪831FRは、座部832を基準に下方(D方向)、かつ車輪831FLを基準に右方向(SR方向)に配置される。車輪831FRは、回転可能に構成される。
車輪831RLは、座部832を基準に下方(D方向)、かつ車輪831RRを基準に左方向(SL方向)に配置される。車輪831RLは、回転可能に構成される。
車輪831RRは、座部832を基準に下方(D方向)、かつ車輪831RLを基準に右方向(SR方向)に配置される。車輪831RRは、回転可能に構成される。
座部832は、背部833を基準に下方(D方向)かつ前方(F方向)に配置される。座部832は、乗員の臀部を支持可能に構成される。
背部833は、座部832を基準に上方(U方向)かつ後方(R方向)に配置される。背部833は、乗員の背中を支持可能である。
フットレスト834FLは、座部832を基準に下方(D方向)、かつフットレスト834FRを基準に左方向(SL方向)に配置される。フットレスト834FLは、乗員の左足を支持可能である。
フットレスト834FRは、座部832を基準に下方(D方向)、かつフットレスト834FLを基準に右方向(SR方向)に配置される。フットレスト834FRは、乗員の右足を支持可能である。
ポール835は、背部833の背面を基準に上方(U方向)に配置される。具体的には、ポール835は、背部833の幅方向(すなわち左右方向(SL−SR軸方向))の中心線(鉛直線)とは異なる軸に沿って、当該ポール835の上端の高さ(車輪831FL、車輪831FR、車輪831RLおよび車輪831RRが水平面に接している状態での当該水平面からの高さ(地上高))が背部833の上端よりも高い位置(「基準高」)になるように延設される。基準高は、例えば、電動車椅子801に着座する乗員の頭の高さよりも高く設定され得る。具体的には、図15に示すように、ポール835は、背部833の幅方向の中心線(鉛直線)CLに略平行であって、かつ当該中心線CLよりも左側または右側を通る直線(鉛直線)PLに沿って延設され得る。例として、直線PLは、中心線CLとの距離よりも背部833の左端との距離が小さい直線(鉛直線)であってもよいし、中心線CLとの距離よりも背部833の右端との距離が小さい直線(鉛直線)であってもよい。より好ましくは、直線PLは、背部833の左端または右端を通る直線(鉛直線)である。
ポール835は、当該ポール835の上端にセンサ収容部836を取り付け可能に構成される。
センサ収容部836は、ポール835を基準に上方(U方向)に配置される。具体的には、センサ収容部836は、ポール835の上端に取り付けられる。センサ収容部836は、LIDAR822を収容するように構成される。センサ収容部836は、LIDAR822に加えて、ランプおよびスピーカの少なくとも1つを収容し得る。
バッテリ837は、前後方向について背部833の背面を基準に後方(R方向)に配置され、上下方向について車椅子制御装置810を基準に下方(D方向)に配置され、且つ、左右方向について車椅子制御装置810を基準に右方向(SR方向)に配置される。これにより、バッテリ837の上方向(U方向)に空間SP(図15)が形成される。バッテリ837は、上下方向に沿って電動車椅子801に対して着脱可能に構成される。例えば、ユーザが、空間SPを利用してバッテリ837を上方向(U方向)に引っ張ると、バッテリ837を電動車椅子801から取り外すことができる。ユーザが、空間SPを利用してバッテリ837を下方向(D方向)に押し込むことにより、バッテリ837を電動車椅子801に取り付けることができる。
バッテリ837は、車椅子制御装置810、移動機構831、超音波センサ821、及び、LIDAR822を含む電子デバイスに電源を供給するように構成される。
(2)実施形態の概要
実施形態8の概要について説明する。図17は、仮想例の電動車椅子801の背面図である。
実施形態8の電動車椅子801では、測距センサとしてのLIDAR822を支持するためのポール835を備えている。仮に、図17に示すように、ポール835を背部833の幅方向の中心線CLに沿って延設したとする。図17の例では、介助者が電動車椅子801の後方(R方向)に立った場合に、ポール835が介助者の視界の中心を遮るため前方(F方向)の状況が見え辛い。加えて、乗降介助の際に乗員の身体を適切に支えるためには、背部833の上方(U方向)で介助者の腕を自由に動かせることが好ましい。ポール835が中心線CLに沿って延出されていたとすると、乗降介助時に介助者の腕の可動域がポール835によって制限される。すなわち、図17の例では、ポール835は、介助者による電動車椅子801の乗員への介助(例えば、移動介助、乗降介助など)の妨げとなり得る。
実施形態8の電動車椅子801のポール835は、図15に示すように、背部833の幅方向の中心線CLとは異なる軸に沿って延設される。図15の例では、図17の例に比べて、電動車椅子801の後方(R方向)に立つ介助者の視界の中心が開けているので、介助者は前方(F方向)の状況を容易に確認して電動車椅子801を操作することができる。また、介助者は電動車椅子801の左側および右側のうちポール835から遠い側から乗降介助を行うことで、ポール835による介助者の腕の可動域の制限を回避できる。すなわち、介助者は、ポール835の存在を意識せずに、従来の手動式の車椅子と同じ動作で乗員の乗降介助を行うことができる。故に、乗員の安全を確保できるとともに、介助者が不自然な介助姿勢を取ることによる身体への負担の増加を回避することもできる。
(3)周辺物回避処理
実施形態8の周辺物回避処理について説明する。周辺物回避処理は、電動車椅子801の自動運転中に繰り返し実行され得る。図18は、実施形態8に係る周辺物回避処理を例示するフローチャートである。
車椅子制御装置810は、距離の測定(S810)を実行する。
具体的には、制御部812は、測距センサ(超音波センサ821およびLIDAR822の少なくとも一方)に、当該測距センサから周辺物までの距離を測定させる。
車椅子制御装置810は、移動機構の制御(S811)を実行する。
具体的には、制御部812は、ステップS810における距離の測定結果に基づいて、移動機構831を制御する。
移動機構の制御の第1の例では、制御部812は、いずれかの測定結果が閾値を下回る場合に、電動車椅子801を減速走行または停止させる。この閾値は、固定であってもよいし、走査方向、電動車椅子801の進行方向、および電動車椅子801の速度の少なくとも1つに応じて可変であってもよい。閾値は、測距センサ間で共通であってもよいし、測距センサ毎に個別に定められてもよい。
移動機構の制御の第2の例では、制御部812は、いずれかの測定結果が閾値を下回る場合に、電動車椅子801の進行方向を変更させる。この閾値は、固定であってもよいし、走査方向、電動車椅子801の進行方向、および電動車椅子801の速度の少なくとも1つに応じて可変であってもよい。閾値は、測距センサ間で共通であってもよいし、測距センサ毎に個別に定められてもよい。変更後の進行方向は、制御部812によって決定されてもよいし、外部装置(例えば図示されないサーバ)によって決定されてもよい。変更後の進行方向は、周辺物の方向に基づいて決定され得る。
移動機構の制御の第3の例では、制御部812は、いずれの測定結果も閾値以上である場合に、電動車椅子801を通常走行させる。この閾値は、固定であってもよいし、走査方向、および電動車椅子801の速度の少なくとも1つに応じて可変であってもよい。閾値は、測距センサ間で共通であってもよいし、測距センサ毎に個別に定められてもよい。
移動機構の制御の第4の例では、制御部812は、電動車椅子801の進行方向と反対方向に対する走査による測定結果が閾値を下回る場合に、電動車椅子801を加速させる。例えば、電動車椅子801の進行方向から見て後ろ側から周辺物が接近してきた場合に、電動車椅子801を加速させることで接触を回避し、または接触時の衝撃を緩和できる可能性がある。この閾値は、固定であってもよいし、超音波の放射方向、電動車椅子801の進行方向、および電動車椅子801の速度の少なくとも1つの少なくとも一方に応じて可変であってもよい。閾値は、測距センサ間で共通であってもよいし、測距センサ毎に個別に定められてもよい。
車椅子制御装置100は、図6を用いて説明した周辺物回避処理の代わりに実施形態1乃至6で説明した種々の処理を行ってもよいし、図6を用いて説明した周辺物回避処理と実施形態1乃至6で説明した種々の処理とを組み合わせて行ってもよい。
(4)実施形態8の小括
以上説明したように、実施形態8の電動車椅子のポールは、背部の幅方向の中心線とは異なる軸に沿って背部の上端よりも高い位置まで延設される。故に、この電動車椅子によれば、当該電動車椅子の後方(R方向)に立つ介助者の視界の中心が開けているので、介助者は前方(F方向)の状況を容易に確認して電動車椅子を操作することができる。また、介助者は電動車椅子の左側および右側のうちポールから遠い側から乗降介助を行うことで、ポールによる介助者の腕の可動域の制限を回避できる。すなわち、介助者は、ポールの存在を意識せずに、従来の手動式の車椅子と同じ動作で乗員の乗降介助を行うことができる。故に、乗員の安全を確保できるとともに、介助者が不自然な介助姿勢を取ることによる身体への負担の増加を回避することもできる。
(5)変形例
実施形態8の変形例について説明する。
(5−1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1において、ポール835は、ポール835の上端の高さが基準高よりも低くなるように、延設方向(すなわち上下方向(U−D軸方向))に沿って伸縮可能に構成される。図19は、ポールが第1状態にある時の変形例1の電動車椅子の外観を示す背面図である。図20は、ポールが第2状態にある時の変形例1の電動車椅子の外観を示す背面図である。
ポール835は、例えば、伸縮を実現するための機構(例えば、スライド伸縮機構、アクチュエータ、弾性機構、折り畳み機構など)と伸縮状態を保持するための機構(例えばロック機構)とを含み得る。ポール835は、電動で(すなわち、車椅子制御装置810からの制御に応じて)伸縮可能に構成されてもよいし、手動で伸縮可能に構成されてもよい。
図19に示すように、車椅子制御装置810が電動車椅子801の自動運転を行っている間は、ポール835は、当該ポール835の上端の高さが基準高に一致している状態(第1状態)にある。これにより、LIDAR822は、図15の電動車椅子801と同様に測距を行うことができるので、車椅子制御装置810は、電動車椅子801の自動運転(例えば、周辺物回避処理(図18))を適切に実行することができる。
図20に示すように、車椅子制御装置810が電動車椅子801の自動運転を行っていない間(例えば、介助者が電動車椅子801を押している間)は、ポール835は、当該ポール835の上端の高さが基準高よりも低い状態(第2状態)にある。図20の例では、図17の例に比べて、電動車椅子801の後方(R方向)に立つ介助者の視界が開けているので、介助者は前方(F方向)の状況を容易に確認して電動車椅子801を操作することができる。また、介助者はポール835が第2状態にある時に乗降介助を行うことで、ポール835による介助者の腕の可動域の制限を回避できる。すなわち、介助者は、ポール835の存在を意識せずに、従来の手動式の車椅子と同じ動作で乗員の乗降介助を行うことができる。故に、乗員の安全を確保できるとともに、介助者が不自然な介助姿勢を取ることによる身体への負担の増加を回避することもできる。
図20に示すように、ポール835を縮めることにより、第1状態から第2状態への遷移が可能である。図19に示すように、ポール835を伸ばすことにより、第2状態から第1状態への遷移が可能である。
変形例1によれば、介助者が乗員の介助を行う際に、ポール835を第2状態にすることで、ポール835に妨げられることなく乗員の介助を行うことができる。
(5−2)変形例2
変形例2について説明する。変形例2は、変形例1のポール835を電動で(すなわち、車椅子制御装置810からの制御に応じて)伸縮可能とする例である。
ポール835は、電動で伸縮可能である。ポール835は、当該ポール835を伸縮可能とするアクチュエータ(例えばリニアアクチュエータ)を含んでもよい。この場合に、車椅子制御装置810は、アクチュエータを制御可能である。
変形例2の制御処理について説明する。図21は、変形例2に係る制御処理を例示するフローチャートである。
図21に示すように、車椅子制御装置810は、自動運転の開始(S820)を実行する。
具体的には、制御部812は、乗員または介助者からの目的地の設定および自動運転の開始指示を入出力インタフェース813または通信部814を介して受け付ける。例えば、操作部823には、例えば、施設内の複数の場所(例えば、食堂、トイレ、乗員の個室)に対応するボタンが設けられており、いずれかのボタンが押下されることで当該ボタンを目的地とする自動運転が開始してもよい。制御部812は、記憶部811に保存されている現在地データおよびマップデータを参照し、目的地までのルートを決定する。
ステップS820の後、車椅子制御装置810は、ポールの制御(S821)を実行する。
具体的には、制御部812は、ポール835の上端が基準高に一致するように(すなわち、ポール835が第1状態(図19)になるように)、ポール835を制御する。これにより、電動車椅子801の自動運転の開始時に、ポール835は第1状態になる。
ステップS821の後、車椅子制御装置810は、自動運転処理(S822)を実行する。
具体的には、制御部812は、ステップS820において決定したルートに沿って、加速、操舵および制動の少なくとも1つを制御することを繰り返すことにより、開始地点から目的地まで電動車椅子801を移動させる。自動運転処理(S822)の中で、周辺物回避処理(図18)が実行され得る。
ステップS822の後、車椅子制御装置810は、自動運転の終了判定(S823)を実行する。
具体的には、制御部812は、以下の少なくとも1つの条件が満足する場合に、自動運転を終了すると判定できる。
・電動車椅子801が目的地に到着した
・乗員、介護者、または他の管理者により、自動運転の終了が指示された
・乗員、介護者、または他の管理者により、手動運転モードへの切り替えが指示された
・故障、バッテリ状態、路面状態、などの要素に基づいて、自動運転の継続が困難であると判定された
ステップS823において自動運転を終了しないと判定した場合に、車椅子制御装置810は、自動運転処理(S822)を再び実行する。
ステップS823において自動運転を終了すると判定した場合に、車椅子制御装置810は、ポールの制御(S824)を実行する。
具体的には、制御部812は、ポール835の上端が基準高よりも低くなるように(すなわち、ポール835が第2状態(図20)になるように)、ポール835を制御する。これにより、電動車椅子801の自動運転の終了時に、ポール835は第2状態になる。
変形例2によれば、電動車椅子801の自動運転中を除いて、車椅子制御装置810がポール835を第2状態とするので、介助者はポール835に妨げられることなく乗員の介助を行うことができる。
(5−3)変形例3
変形例3について説明する。変形例3において、ポール835は、ポール835の上端の高さが基準高よりも低くなるように回転可能に構成される。図22は、ポールが第1状態にある時の変形例3の電動車椅子の外観を示す背面図である。図23は、ポールが第2状態にある時の変形例3の電動車椅子の外観を示す背面図である。
ポール835は、基準高よりも低い位置に定められた回転軸周りに回転可能である。回転軸は、図22に示すように背部833の上端よりも高い位置に設けられてもよいし、背部833の上端または上端よりも低い位置(例えば、背部833の背面)に設けられてもよい。ポール835は、例えば、回転を実現するための機構(例えば、回転軸、軸受け、アクチュエータ、など)と伸縮状態を保持するための機構(例えばロック機構)とを含み得る。ポール835は、電動で(すなわち、車椅子制御装置810からの制御に応じて)回転可能に構成されてもよいし、手動で回転可能に構成されてもよい。
図22に示すように、車椅子制御装置810が電動車椅子801の自動運転を行っている間は、ポール835は、当該ポール835の上端の高さが基準高に一致している状態(第1状態)にある。これにより、LIDAR822は、図15の電動車椅子801と同様に測距を行うことができるので、車椅子制御装置810は、電動車椅子801の自動運転(例えば、周辺物回避処理(図18))を適切に実行することができる。
図23に示すように、車椅子制御装置810が電動車椅子801の自動運転を行っていない間(例えば、介助者が電動車椅子801を押している間)は、ポール835は、当該ポール835の上端の高さが基準高よりも低い状態(第2状態)にある。図23の例では、図17の例に比べて、電動車椅子801の後方(R方向)に立つ介助者の視界が開けているので、介助者は前方(F方向)の状況を容易に確認して電動車椅子801を操作することができる。また、介助者はポール835が第2状態にある時に乗降介助を行うことで、ポール835による介助者の腕の可動域の制限を回避できる。すなわち、介助者は、ポール835の存在を意識せずに、従来の手動式の車椅子と同じ動作で乗員の乗降介助を行うことができる。故に、乗員の安全を確保できるとともに、介助者が不自然な介助姿勢を取ることによる身体への負担の増加を回避することもできる。
図23に示すように、ポール835を回転させることにより、第1状態から第2状態への遷移が可能である。図22に示すように、ポール835を回転させることにより、第2状態から第1状態への遷移が可能である。
変形例3によれば、介助者が乗員の介助を行う際に、ポール835を第2状態にすることで、ポール835に妨げられることなく乗員の介助を行うことができる。
(5−4)変形例4
変形例4について説明する。変形例4は、変形例3のポール835を電動で(すなわち、車椅子制御装置810からの制御に応じて)回転可能とする例である。
ポール835は、電動で回転可能である。ポール835は、当該ポール835を回転可能とするアクチュエータ(例えばロータリーアクチュエータ)を含んでもよい。この場合に、車椅子制御装置810は、このアクチュエータを制御可能である。
変形例4の制御処理について説明する。図24は、変形例4に係る制御処理を例示するフローチャートである。
図24に示すように、車椅子制御装置810は、図21と同様に、自動運転の開始(S820)を実行する。
ステップS820の後、車椅子制御装置810は、ポールの制御(S821a)を実行する。
具体的には、制御部812は、ポール835の上端が基準高に一致するように(すなわち、ポール835が第1状態(図22)になるように)、ポール835を制御する。例えば、制御部812は、ポール835の回転軸周りの回転角が第1角度に一致するように、ポール835を制御し得る。これにより、電動車椅子801の自動運転の開始時に、ポール835は第1状態になる。
ステップS821aの後、車椅子制御装置810は、図21と同様に、自動運転処理(S822)〜自動運転の終了判定(S823)を実行する。
ステップS823において自動運転を終了すると判定した場合に、車椅子制御装置810は、ポールの制御(S824a)を実行する。
具体的には、制御部812は、ポール835の上端が基準高よりも低くなるように(すなわち、ポール835が第2状態(図23)になるように)、ポール835を制御する。例えば、制御部812は、ポール835の回転軸周りの回転角が第2角度に一致するように、ポール835を制御し得る。これにより、電動車椅子801の自動運転の終了時に、ポール835は第2状態になる。
変形例4によれば、電動車椅子801の自動運転中を除いて、車椅子制御装置810がポール835を第2状態とするので、介助者はポール835に妨げられることなく乗員の介助を行うことができる。
(5−5)変形例5
変形例4について説明する。変形例5は、変形例1および変形例3の電動車椅子801の自動運転の開始時にポール835が第1状態でないことが判明した場合に自動運転による移動を制限する例である。
車椅子制御装置810は、ポール835の上端の高さが第1の高さである(すなわち、ポール835が第1状態である)か否かを判定可能である。例えば、車椅子制御装置810は、センサにより、以下のいずれかの1つを検知し、検知結果に基づいてポール835が第1状態であるか否かを判定する。
・ポール835の伸縮状態
・ポール835の回転角
・ポール835のロック機構の状態
・LIDAR822から路面までの距離
変形例5の制御処理について説明する。図25は、変形例5に係る制御処理を例示するフローチャートである。
図25に示すように、車椅子制御装置810は、図21と同様に、自動運転の開始(S820)を実行する。
ステップS820の後、車椅子制御装置810は、ポール状態の判定(S830)を実行する。
具体的には、制御部812は、ポール835が第1状態であるか否かを判定する。
ステップS830においてポール835が第1状態であると判定した場合に、車椅子制御装置810は、図21と同様に、自動運転処理(S822)〜自動運転の終了判定(S823)を実行する。
ステップS830においてポール835が第1状態でないと判定した場合に、車椅子制御装置810は、自動運転のロック(S831)を実行する。
例えば、制御部812は、移動機構831を停止状態に維持する。移動機構831が物理的なロック機構を有している場合に、制御部812はこのロック機構を作動させて移動機構831が機能しないようにしてもよい。
ステップS831の後に、車椅子制御装置810は、警報の出力(S832)を実行する。
具体的には、制御部812は、以下の少なくとも1つの警報を出力してもよい。
・乗員の介助者または周囲の人間に、ポール835の高さ調整を促すテキスト、音声、および画像の少なくとも1つを、電動車椅子801の備える出力装置(例えば、ディスプレイ、スピーカ、など)に出力させるための信号
・乗員の介助者を呼び出すためのテキスト、音声、および画像の少なくとも1つを外部装置(例えば、図示されない介助者の端末)または電動車椅子801の備える出力装置に出力させるための信号
・乗員の介助者または乗員の周囲の人間に、ポール835の高さ調整が必要であることを伝えるテキスト、音声、および画像の少なくとも1つを外部装置(例えば、図示されない介助者の端末)または電動車椅子801の備える出力装置に出力させるための信号
・電動車椅子801の備えるランプを、ポール835の高さ調整が必要であることを伝える点灯パターンで点灯させるための信号
・外部装置(例えば、図示されないサーバ)にポール835の高さ調整が必要であることを伝えるテキスト、音声、および画像の少なくとも1つを出力させるための信号
例えば、ポール835の高さ調整を促すテキストは、例えば、「ポールが止まるまで伸ばしてください」、「ポールが止まるまで回転させてください」、などであってよい。
ステップS832の後に、車椅子制御装置810は、ステップS830を再実行する。すなわち、ポール835の上端の高さが基準高に一致するまで、車椅子制御装置810は自動運転のロック(S831)を繰り返すので電動車椅子801は発進しない。
このように、変形例5の電動車椅子801の自動運転開始時に、車椅子制御装置810が、ポール835が第1状態であるか否かを判定し、ポール835が第1状態でない場合に自動運転による移動を制限する。故に、変形例5によれば、LIDAR822の高さが正しく調整されてから自動運転を開始できる。すなわち、変形例1および変形例3で説明した利点に加えて、自動運転中に周辺物までの距離を適切に測定し、測定結果に基づく周辺物回避を行うことができる。
(5−6)変形例6
変形例6について説明する。変形例6において、ポール835は左右方向(SL−SR軸方向)にスライド可能に構成される。図26は、ポールを背部の右端に寄せた時の変形例6の電動車椅子の外観を示す背面図である。
ポール835は、例えば、スライドを実現するための機構(例えば、スライドレール)とスライド状態を保持するための機構(例えばロック機構)とを含み得る。ポール835は、電動で(すなわち、車椅子制御装置810からの制御に応じて)スライド可能に構成されてもよいし、手動でスライド可能に構成されてもよい。
右耳での聞き取りは困難であるが左耳での聞き取りは可能である乗員がかかる電動車椅子801に搭乗している場合に、電動車椅子801の後方(R方向)に立つ介助者は乗員の左側から声掛けをする必要がある。図15に示すように、ポール835が背部833の左端に配置されていると、介助者はポール835が邪魔で乗員の左側からの声掛けをし辛くなるおそれがある。
変形例6に係る電動車椅子801によれば、図26に示すように、ポール835を背部833の右端へスライドさせることで、介助者はポール835に妨げられることなく乗員の左側から声掛けを行うことができる。
他方、左耳での聞き取りは困難であるが右耳での聞き取りは可能である乗員がかかる電動車椅子801に搭乗している場合に、電動車椅子801の後方(R方向)に立つ介助者は乗員の右側から声掛けをする必要がある。図26に示すように、ポール835が背部833の右端に配置されていると、介助者はポール835が邪魔で乗員の右側からの声掛けをし辛くなるおそれがある。
変形例6に係る電動車椅子801によれば、図15に示すように、ポール835を背部833の左端へスライドさせることで、介助者はポール835に妨げられることなく乗員の右側からの声掛を行うことができる。
車椅子制御装置810は、ポール835の左右方向(SL−SR軸方向)の位置に応じて、LIDAR822の左右方向(SL−SR軸方向)の向きを制御してもよい。例えば、ポール835が左方向(SL方向)にスライドした場合には、車椅子制御装置810は、LIDAR822をU−D軸周りに右方向(SR方向)へ回転させてもよい。例えば、ポール835が右方向(SR方向)にスライドした場合には、車椅子制御装置810は、LIDAR822をU−D軸周りに左方向(SL方向)へ回転させてもよい。
ポール835が電動でスライド可能に構成されている場合に、車椅子制御装置810は、乗員の属性情報(例えば、左右の聴覚能力、利き腕)、および介助者の属性(例えば、左右の聴覚能力、利き腕)の少なくとも1つに基づいて、ポール835の配置を決定し、ポール835をスライドさせてもよい。
(6)その他の変形例
記憶部811は、ネットワークNWを介して、車椅子制御装置810と接続されてもよい。
実施形態の説明では、電動車椅子801が超音波センサ821およびLIDAR822を備えていることとしたが、電動車椅子801は超音波センサ821およびLIDAR822の一方または両方を備えていなくてもよい。電動車椅子801は、超音波センサ821およびLIDAR822とは異なる測距センサを備えていてもよい。電動車椅子801は、測距センサ以外のセンサを備えていてもよい。
実施形態の説明では、ポール835は、略鉛直に延設されることとしたが、鉛直線とは異なる直線に沿って延設されてもよいし、曲線に沿って延設されてもよいし、折れ線に沿って延設されてもよいし、直線および曲線の組み合わせに沿って延設されてもよい。
実施形態の説明では、ポール835は、背部833と別の要素として説明したが、両者は一体化されていてもよい。ポール835は、背部833に限らず電動車椅子801のボディの一部であってもよい。
実施形態の説明では、LIDAR822は、センサ収容部836に収容された状態でポール835によって支持されると説明したが、LIDAR822は異なる態様でポール835によって支持されてもよい。一例として、LIDAR822は、むき出しの状態でポール835によって支持されてもよい。
車椅子制御装置810は、電動車椅子801の走行環境に応じてLIDAR822の向きを変更してもよい。
例えば、車椅子制御装置810は、電動車椅子801が屋内を走行する時と屋外を走行する時とでLIDAR822の向きを変えてもよい。電動車椅子801が屋内を走行しているか、屋外を走行しているかは、位置情報およびユーザ入力の少なくとも1つに基づいて判定可能である。位置情報は、例えば、電動車椅子801に配置されたGPS(Global
Positioning System)レシーバが取得するGPS情報、電動車椅子801を撮影するカメラに割り当てられた位置情報、電動車椅子801によって受信されたビーコンを送信した送信機に割り当てられた位置情報、および電動車椅子801によって送信されたビーコンを受信した受信機に割り当てられた位置情報の少なくとも1つを含み得る。
車椅子制御装置810は、屋外走行時には、屋内走行時に比べて、LIDAR822の測定可能な距離の範囲が遠方にシフトするようにLIDAR822の向きを変更してもよい。例えば、車椅子制御装置810は、屋外走行時には、屋内走行時に比べて、照射角φが小さくなるようにLIDAR822の向きを変更してもよい。このように、LIDAR822の測定可能な距離の範囲を遠方にシフトさせることで、周辺物を早期に検出することができる。周辺物を早期に検出することは、例えば、高速に移動する周辺物との衝突回避、および段差(例えば、階段、溝、川)の回避に有用である。屋外時であっても例えば中庭のような狭い通路を走行している時には、車椅子制御装置810は、LIDAR822の向きを屋内走行時と同じにしてもよい。
変形例1〜変形例5では、ポール835の上端の高さを基準高より低くすることにより、介助者がポール835に妨げられることなく乗員の介助を行うことができる。かかる効果は、ポール835の軸が背部の幅方向の中心線と一致している場合であっても得ることができる。故に、変形例1〜変形例5において、ポール835の軸は任意に定められてよい。
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
(付記)
実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
(付記1)
制御信号により動作制御される電動車椅子(1)であって、
ユーザが電動車椅子に着座した状態におけるユーザの頭部の位置よりも上方に設けられ、周辺物までの距離を測定する測距センサ(200)と、
測距センサが周辺物までの距離を測定したことに応答して、電動車椅子の移動制御を実行する制御部(130)と、を備える電動車椅子。
(付記1)によれば、電動車椅子の周辺物を検知して電動車椅子の移動を制御するので、電動車椅子の危険な状況を回避することが可能となる。
(付記2)
測距センサは、ユーザの略前方を検知するように水平方向よりも下方を向くように設けられている、付記1に記載の電動車椅子。
(付記2)によれば、電動車椅子の周辺物を検知して電動車椅子の移動を制御するので、電動車椅子の危険な状況を回避することが可能となる。
(付記3)
制御部は、測距センサが周辺物を検知すると、電動車椅子の制御を行う(S105)、付記2に記載の電動車椅子。
(付記3)によれば、電動車椅子の周辺物を検知して電動車椅子の移動を制御するので、電動車椅子の危険な状況を回避することが可能となる。
(付記4)
制御部は、
測距センサが周辺物を検知すると、測距センサが測定する周辺物までの距離と、垂直方向に対する測距センサの向きの角度と、から周辺物に対する電動車椅子の相対距離を算出する相対距離算出部(132)と、
異なる複数の時刻における電動車椅子の相対距離から、周辺物に対する電動車椅子の相対速度を算出し、周辺物と電動車椅子とが衝突するまでの時間である衝突時間を算出する衝突時間算出部(133)と、を備え、
衝突時間に基づき、電動車椅子の速度制御を行う(S104,S105)、付記1乃至付記3のいずれかに記載の電動車椅子。
(付記4)によれば、電動車椅子の周辺物を検知して電動車椅子の移動を制御するので、電動車椅子の危険な状況を回避することが可能となる。
(付記5)
電動車椅子は、ユーザの着座状態を検知する着座状態検知部(400)を備え、
制御部は、衝突時間と、ユーザの着座状態に基づき、電動車椅子の移動状態を制御する、付記4に記載の電動車椅子。
(付記5)によれば、ユーザが車椅子から倒れてしまうような危険な車椅子の制御を防止し、より安全な制御が可能になる。
(付記6)
電動車椅子は、ユーザの衝撃を緩和する衝撃緩和部を備え、
制御部は、電動車椅子の速度制御と、衝撃緩和部に対する動作制御と、を行う、付記4または付記5に記載の電動車椅子。
(付記6)によれば、ユーザの安全を保つことが可能になる。
(付記7)
制御部は、測距センサが周辺物とは異なる構造物を検知した場合、衝突時間と、構造物の相対距離と、予め定められている電動車椅子が使用される施設の情報と、に基づき、電動車椅子の移動制御を行う、付記4から付記6のいずれか1項に記載の電動車椅子。
(付記7)によれば、より精度の高い周辺物の検知が可能になる。
(付記8)
制御部は、衝突時間と、構造物の相対距離と、施設の情報と、に基づき、電動車椅子の進行方向の制御を行う、付記7に記載の電動車椅子。
(付記8)によれば、ユーザの安全を保ちつつ周辺物との衝突を回避することが可能になる。
(付記9)
相対距離算出部は、測距センサが測定する周辺物までの検出距離と、垂直方向に対する測距センサの向きの角度と、予め定められている電動車椅子の諸元情報と、から電動車椅子の相対距離を算出し、
制御部は、衝突時間と、構造物の相対距離と、ユーザが電動車椅子を操作している状態を示す操作情報と、電動車椅子の諸元情報と、予め定められている施設の情報と、に基づき、電動車椅子の移動制御を行う、付記7または付記8に記載の電動車椅子。
(付記9)によれば、ユーザの操作情報を取得することにより、操作情報に基づいてより安全な制御を行うことが可能となる。また、車椅子の諸元情報を取得することにより、車椅子にとって無理のない制御を行うことが可能となる。
(付記10)
制御部は、電動車椅子の速度制御と、電動車椅子に設けられているユーザに対する通知装置に対する動作制御と、電動車椅子に設けられているユーザの衝撃を緩和する衝撃緩和装置に対する動作制御と、を行う、付記4から付記9のいずれか1項に記載の電動車椅子。
(付記10)によれば、急に速度を制御する際にそのような制御が行われたことを通知することにより、ユーザの心理的ショックを軽減することが可能となる。
(付記11)
電動車椅子(801)であって、
電動車椅子の乗員の臀部を支持可能な座部(832)と、
乗員の背中を支持可能な背部(833)と、
電動車椅子を移動可能な移動機構(831)と、
背部の幅方向の中心線(CL)とは異なる軸(PL)に沿って、背部の上端よりも高い基準高まで延設されたポール(35)と
電動車椅子の走行面に対して傾斜した状態でポールによって支持される測距センサ(22)と、
測距センサの測定結果に基づいて移動機構を制御する制御部(10)と
を具備する、電動車椅子。
(付記11)によれば、介助者は前方の状況を容易に確認して電動車椅子を操作することができる。また、介助者は、ポールの存在を意識せずに、従来の手動式の車椅子と同じ動作で乗員の乗降介助を行うことができる。故に、乗員の安全を確保できるとともに、介助者が不自然な介助姿勢を取ることによる身体への負担の増加を回避することもできる。
(付記12)
ポールは、中心線よりも左側または右側を通る直線に沿って基準高まで延設される、付記11に記載の電動車椅子。
(付記12)によれば、介助者は前方の状況を容易に確認して電動車椅子を操作することができる。また、介助者は、ポールの存在を意識せずに、従来の手動式の車椅子と同じ動作で乗員の乗降介助を行うことができる。故に、乗員の安全を確保できるとともに、介助者が不自然な介助姿勢を取ることによる身体への負担の増加を回避することもできる。
(付記13)
ポールは、背部の幅方向の左端または右端を通る直線に沿って基準高まで延設される、付記12に記載の電動車椅子。
(付記13)によれば、介助者は前方の状況を容易に確認して電動車椅子を操作することができる。また、介助者は、ポールの存在を意識せずに、従来の手動式の車椅子と同じ動作で乗員の乗降介助を行うことができる。故に、乗員の安全を確保できるとともに、介助者が不自然な介助姿勢を取ることによる身体への負担の増加を回避することもできる。
(付記14)
ポールは、ポールの上端の高さが基準高よりも低くなるようにポールの延設方向に沿って伸縮可能である、付記11乃至付記13のいずれかに記載の電動車椅子。
(付記14)によれば、ポールの上端の高さが基準高よりも低くなるようにポールを縮めることで、介助者は前方の状況を容易に確認して電動車椅子を操作することができる。また、介助者は、ポールの存在を意識せずに、従来の手動式の車椅子と同じ動作で乗員の乗降介助を行うことができる。故に、乗員の安全を確保できるとともに、介助者が不自然な介助姿勢を取ることによる身体への負担の増加を回避することもできる。
(付記15)
ポールは、制御部による制御に応じてポールの延設方向に沿って伸縮可能であって、
制御部は、電動車椅子の自動運転の開始時に、ポールの上端の高さが基準高に一致するようにポールを制御する(S821)、
付記14に記載の電動車椅子。
(付記15)によれば、電動車椅子の自動運転の開始時にポールを伸ばすことで、自動運転中に周辺物までの距離を適切に測定し、測定結果に基づく周辺物回避を行うことができる。
(付記16)
ポールは、制御部による制御に応じてポールの延設方向に沿って伸縮可能であって、
制御部は、電動車椅子の自動運転の終了時に、ポールの上端の高さが基準高よりも低くなるようにポールを制御する、(S824)
付記14または付記15に記載の電動車椅子。
(付記16)によれば、電動車椅子の自動運転の終了時にポールを縮めることで、介助者はポールに妨げられることなく乗員の介助を行うことができる。
(付記17)
ポールは、ポールの上端の高さが基準高よりも低くなるように回転可能である、付記11乃至付記16のいずれかに記載の電動車椅子。
(付記17)によれば、ポールの上端の高さが基準高よりも低くなるようにポールを回転することで、介助者は前方の状況を容易に確認して電動車椅子を操作することができる。また、介助者は、ポールの存在を意識せずに、従来の手動式の車椅子と同じ動作で乗員の乗降介助を行うことができる。故に、乗員の安全を確保できるとともに、介助者が不自然な介助姿勢を取ることによる身体への負担の増加を回避することもできる。
(付記18)
ポールは、制御部による制御に応じてポールの上端の高さが基準高よりも低くなるように回転可能であって、
制御部は、電動車椅子の自動運転の開始時に、ポールの上端の高さが基準高に一致するように、ポールを回転させる(S821a)、
付記17に記載の電動車椅子。
(付記18)によれば、電動車椅子の自動運転の開始時にポールの上端の高さを基準行に一致させることで、自動運転中に周辺物までの距離を適切に測定し、測定結果に基づく周辺物回避を行うことができる。
(付記19)
ポールは、制御部による制御に応じてポールの上端の高さが基準高よりも低くなるように回転可能であって、
制御部は、電動車椅子の自動運転の終了時に、ポールの上端の高さが基準高よりも低くなるように、ポールを回転させる(S824a)、
付記17または付記18に記載の電動車椅子。
(付記19)によれば、電動車椅子の自動運転の終了時にポールの上端の高さを基準高よりも低くすることで、介助者はポールに妨げられることなく乗員の介助を行うことができる。
(付記20)
制御部は、電動車椅子の自動運転の開始時に、ポールの上端の高さが基準高であるか否かを判定する(S830)、付記14乃至付記19のいずれかに記載の電動車椅子。
(付記20)によれば、自動運転の開始時に測距センサの高さが正しく調整されているかどうかを確認できる。
(付記21)
制御部は、ポールの上端の高さが基準高でないと判定した場合に、移動機構による自動運転をロックする(S831)、付記20に記載の電動車椅子。
(付記21)によれば、測距センサの高さが正しく調整されていない場合に自動運転をロックできる。
(付記22)
制御部は、移動機構による自動運転がロックされた場合、自動運転がロックされたことを示す警報を提示する(S832)、付記21に記載の電動車椅子。
(付記22)によれば、自動運転がロックされた場合に測距センサの高さを正しく調整するよう介助者等に促すことができる。
(付記23)
制御部は、ポールの上端の高さが基準高でないと判定した場合に、電動車椅子を発進しない、付記20乃至付記22の何れかに記載の電動車椅子。
(付記23)によれば、測距センサの高さが正しく調整されないまま電動車椅子が発進するのを防ぐことができる。
(付記24)
測距センサは、2次元LIDAR(Light Detection and Ranging)である、付記1乃至付記23のいずれかに記載の電動車椅子。
(付記24)によれば、3次元LIDARに比べて測距センサを低コスト化することができる。
(付記25)
制御信号により電動車椅子の動作を制御する車椅子制御装置であって、
ユーザが電動車椅子に着座した状態におけるユーザの頭部の位置よりも上方に設けられる測距センサが、電動車椅子の周辺物を検知した場合に測定する、測距センサから周辺物までの距離を示す測距検知信号を受信する信号受信部と、
測距検知信号から取得した測距センサから周辺物までの距離と、垂直方向に対する測距センサの向きの角度と、から周辺物に対する電動車椅子の相対距離を算出する相対距離算出部と、
異なる複数の時刻における電動車椅子の相対距離から、周辺物に対する電動車椅子の相対速度を算出し、周辺物と電動車椅子とが衝突するまでの時間である衝突時間を算出する衝突時間算出部と、
衝突時間に基づき、電動車椅子の速度制御を行う制御信号を電動車椅子へ出力する制御信号出力部と、を備える車椅子制御装置。
(付記25)によれば、電動車椅子の周辺物を検知して電動車椅子の移動を制御するので、電動車椅子の危険な状況を回避することが可能となる。
(付記26)
制御信号により電動車椅子の動作を制御する電動車椅子制御方法であって、
信号受信部が行う、ユーザが電動車椅子に着座した状態におけるユーザの頭部の位置よりも上方に設けられる測距センサが、電動車椅子の周辺物を検知した場合に測定する、測距センサから周辺物までの距離を示す測距検知信号を受信する信号受信ステップと、
相対距離算出部が行う、測距検知信号から取得した測距センサから周辺物までの距離と、垂直方向に対する測距センサの向きの角度と、から周辺物に対する電動車椅子の相対距離を算出する相対距離算出ステップと、
衝突時間算出部が行う、異なる複数の時刻における電動車椅子の相対距離から、周辺物に対する電動車椅子の相対速度を算出し、周辺物と電動車椅子とが衝突するまでの時間である衝突時間を算出する衝突時間算出ステップと、
制御信号出力部が行う、衝突時間に基づき、電動車椅子の速度制御を行う制御信号を電動車椅子へ出力する制御信号出力ステップと、を備える電動車椅子制御方法。
(付記26)によれば、電動車椅子の周辺物を検知して電動車椅子の移動を制御するので、電動車椅子の危険な状況を回避することが可能となる。
(付記27)
制御信号により電動車椅子の動作を制御する電動車椅子制御プログラムであって、
ユーザが電動車椅子に着座した状態におけるユーザの頭部の位置よりも上方に設けられる測距センサが、電動車椅子の周辺物を検知した場合に測定する、測距センサから周辺物までの距離を示す測距検知信号を受信する信号受信ステップと、
測距検知信号から取得した測距センサから周辺物までの距離と、垂直方向に対する測距センサの向きの角度と、から周辺物に対する電動車椅子の相対距離を算出する相対距離算出ステップと、
異なる複数の時刻における電動車椅子の相対距離から、周辺物に対する電動車椅子の相対速度を算出し、周辺物と電動車椅子とが衝突するまでの時間である衝突時間を算出する衝突時間算出ステップと、
衝突時間に基づき、電動車椅子の速度制御を行う制御信号を電動車椅子へ出力する制御信号出力ステップと、を電子計算機に実行させるための、電動車椅子制御プログラム。
(付記27)によれば、電動車椅子の周辺物を検知して電動車椅子の移動を制御するので、電動車椅子の危険な状況を回避することが可能となる。
1,1A 電動車椅子、100 車椅子制御装置、110 通信部、120 記憶部、121 使用環境情報DB、130 制御部、131 信号受信部、132 相対距離算出部、133 衝突時間算出部、134 制御信号出力部、200 センサ部、300 電動車椅子駆動部、400 ユーザ検知センサ、801 電動車椅子、810 車椅子制御装置、811 記憶部、812 制御部、813 入出力インタフェース、814 通信部、821 超音波センサ、823 操作部、831 移動機構、832 座部、833
背部、835 ポール、836 センサ収容部、837 バッテリ


Claims (27)

  1. 制御信号により動作制御される電動車椅子であって、
    ユーザが前記電動車椅子に着座した状態における前記ユーザの頭部の位置よりも上方に設けられ、周辺物までの距離を測定する測距センサと、
    前記測距センサが前記周辺物までの距離を測定したことに応答して、前記電動車椅子の移動制御を実行する制御部と、を備える電動車椅子。
  2. 前記測距センサは、前記ユーザの略前方を検知するように水平方向よりも下方を向くように設けられている、請求項1に記載の電動車椅子。
  3. 前記制御部は、前記測距センサが前記周辺物を検知すると、前記電動車椅子の制御を行う、請求項2に記載の電動車椅子。
  4. 前記制御部は、
    前記測距センサが前記周辺物を検知すると、前記測距センサが測定する前記周辺物までの距離と、垂直方向に対する前記測距センサの向きの角度と、から前記周辺物に対する前記電動車椅子の相対距離を算出する相対距離算出部と、
    異なる複数の時刻における前記電動車椅子の相対距離から、前記周辺物に対する前記電動車椅子の相対速度を算出し、前記周辺物と前記電動車椅子とが衝突するまでの時間である衝突時間を算出する衝突時間算出部と、を備え、
    前記衝突時間に基づき、前記電動車椅子の速度制御を行う、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電動車椅子。
  5. 前記電動車椅子は、前記ユーザの着座状態を検知する着座状態検知部を備え、
    前記制御部は、前記衝突時間と、前記ユーザの着座状態に基づき、前記電動車椅子の移動状態を制御する、請求項4に記載の電動車椅子。
  6. 前記電動車椅子は、前記ユーザの衝撃を緩和する衝撃緩和部を備え、
    前記制御部は、前記電動車椅子の速度制御と、前記衝撃緩和部に対する動作制御と、を行う、請求項4または請求項5に記載の電動車椅子。
  7. 前記制御部は、前記測距センサが前記周辺物とは異なる構造物を検知した場合、前記衝突時間と、前記構造物の相対距離と、予め定められている前記電動車椅子が使用される施設の情報と、に基づき、前記電動車椅子の移動制御を行う、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の電動車椅子。
  8. 前記制御部は、前記衝突時間と、前記構造物の相対距離と、前記施設の情報と、に基づき、前記電動車椅子の進行方向の制御を行う、請求項7に記載の電動車椅子。
  9. 前記相対距離算出部は、前記測距センサが測定する前記周辺物までの検出距離と、垂直方向に対する前記測距センサの向きの角度と、予め定められている前記電動車椅子の諸元情報と、から前記電動車椅子の相対距離を算出し、
    前記制御部は、前記衝突時間と、前記構造物の相対距離と、前記ユーザが前記電動車椅子を操作している状態を示す操作情報と、前記電動車椅子の諸元情報と、予め定められている前記施設の情報と、に基づき、前記電動車椅子の移動制御を行う、請求項7または請求項8に記載の電動車椅子。
  10. 前記制御部は、前記電動車椅子の速度制御と、前記電動車椅子に設けられている前記ユーザに対する通知装置に対する動作制御と、前記電動車椅子に設けられている前記ユーザの衝撃を緩和する衝撃緩和装置に対する動作制御と、を行う、請求項4から請求項9のいずれか1項に記載の電動車椅子。
  11. 電動車椅子であって、
    前記電動車椅子の乗員の臀部を支持可能な座部と、
    前記乗員の背中を支持可能な背部と、
    前記電動車椅子を移動可能な移動機構と、
    前記背部の幅方向の中心線とは異なる軸に沿って、前記背部の上端よりも高い基準高まで延設されたポールと
    前記電動車椅子の走行面に対して傾斜した状態で前記ポールによって支持される測距センサと、
    前記測距センサの測定結果に基づいて前記移動機構を制御する制御部と
    を具備する、電動車椅子。
  12. 前記ポールは、前記中心線よりも左側または右側を通る直線に沿って前記基準高まで延設される、請求項11に記載の電動車椅子。
  13. 前記ポールは、前記背部の幅方向の左端または右端を通る直線に沿って前記基準高まで延設される、請求項12に記載の電動車椅子。
  14. 前記ポールは、前記ポールの上端の高さが前記基準高よりも低くなるように前記ポールの延設方向に沿って伸縮可能である、請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の電動車椅子。
  15. 前記ポールは、前記制御部による制御に応じて前記ポールの延設方向に沿って伸縮可能であって、
    前記制御部は、前記電動車椅子の自動運転の開始時に、前記ポールの上端の高さが前記基準高に一致するように前記ポールを制御する、
    請求項14に記載の電動車椅子。
  16. 前記ポールは、前記制御部による制御に応じて前記ポールの延設方向に沿って伸縮可能であって、
    前記制御部は、前記電動車椅子の自動運転の終了時に、前記ポールの上端の高さが前記基準高よりも低くなるように前記ポールを制御する、
    請求項14または請求項15に記載の電動車椅子。
  17. 前記ポールは、前記ポールの上端の高さが前記基準高よりも低くなるように回転可能である、請求項11乃至請求項16のいずれかに記載の電動車椅子。
  18. 前記ポールは、前記制御部による制御に応じて前記ポールの上端の高さが前記基準高よりも低くなるように回転可能であって、
    前記制御部は、前記電動車椅子の自動運転の開始時に、前記ポールの上端の高さが前記基準高に一致するように、前記ポールを回転させる、
    請求項17に記載の電動車椅子。
  19. 前記ポールは、前記制御部による制御に応じて前記ポールの上端の高さが前記基準高よりも低くなるように回転可能であって、
    前記制御部は、前記電動車椅子の自動運転の終了時に、前記ポールの上端の高さが前記基準高よりも低くなるように、前記ポールを回転させる、
    請求項17または請求項18に記載の電動車椅子。
  20. 前記制御部は、前記電動車椅子の自動運転の開始時に、前記ポールの上端の高さが前記基準高であるか否かを判定する、請求項14乃至請求項19のいずれかに記載の電動車椅子。
  21. 前記制御部は、前記ポールの上端の高さが前記基準高でないと判定した場合に、移動機構による自動運転をロックする、請求項20に記載の電動車椅子。
  22. 前記制御部は、前記移動機構による自動運転がロックされた場合、自動運転がロックされたことを示す警報を提示する、請求項21に記載の電動車椅子。
  23. 前記制御部は、前記ポールの上端の高さが前記基準高でないと判定した場合に、前記電動車椅子を発進しない、請求項20乃至請求項22の何れかに記載の電動車椅子。
  24. 前記測距センサは、2次元LIDAR(Light Detection and Ranging)である、請求項1乃至請求項23のいずれかに記載の電動車椅子。
  25. 制御信号により電動車椅子の動作を制御する車椅子制御装置であって、
    ユーザが前記電動車椅子に着座した状態における前記ユーザの頭部の位置よりも上方に設けられる測距センサが、前記電動車椅子の周辺物を検知した場合に測定する、前記測距センサから前記周辺物までの距離を示す測距検知信号を受信する信号受信部と、
    前記測距検知信号から取得した前記測距センサから前記周辺物までの距離と、垂直方向に対する前記測距センサの向きの角度と、から前記周辺物に対する前記電動車椅子の相対距離を算出する相対距離算出部と、
    異なる複数の時刻における前記電動車椅子の相対距離から、前記周辺物に対する前記電動車椅子の相対速度を算出し、前記周辺物と前記電動車椅子とが衝突するまでの時間である衝突時間を算出する衝突時間算出部と、
    前記衝突時間に基づき、前記電動車椅子の速度制御を行う制御信号を前記電動車椅子へ出力する制御信号出力部と、を備える車椅子制御装置。
  26. 制御信号により電動車椅子の動作を制御する電動車椅子制御方法であって、
    信号受信部が行う、ユーザが前記電動車椅子に着座した状態における前記ユーザの頭部の位置よりも上方に設けられる測距センサが、前記電動車椅子の周辺物を検知した場合に測定する、前記測距センサから前記周辺物までの距離を示す測距検知信号を受信する信号受信ステップと、
    相対距離算出部が行う、前記測距検知信号から取得した前記測距センサから前記周辺物までの距離と、垂直方向に対する前記測距センサの向きの角度と、から前記周辺物に対する前記電動車椅子の相対距離を算出する相対距離算出ステップと、
    衝突時間算出部が行う、異なる複数の時刻における前記電動車椅子の相対距離から、前記周辺物に対する前記電動車椅子の相対速度を算出し、前記周辺物と前記電動車椅子とが衝突するまでの時間である衝突時間を算出する衝突時間算出ステップと、
    制御信号出力部が行う、前記衝突時間に基づき、前記電動車椅子の速度制御を行う制御信号を前記電動車椅子へ出力する制御信号出力ステップと、を備える電動車椅子制御方法。
  27. 制御信号により電動車椅子の動作を制御する電動車椅子制御プログラムであって、
    ユーザが前記電動車椅子に着座した状態における前記ユーザの頭部の位置よりも上方に設けられる測距センサが、前記電動車椅子の周辺物を検知した場合に測定する、前記測距センサから前記周辺物までの距離を示す測距検知信号を受信する信号受信ステップと、
    前記測距検知信号から取得した前記測距センサから前記周辺物までの距離と、垂直方向に対する前記測距センサの向きの角度と、から前記周辺物に対する前記電動車椅子の相対距離を算出する相対距離算出ステップと、
    異なる複数の時刻における前記電動車椅子の相対距離から、前記周辺物に対する前記電動車椅子の相対速度を算出し、前記周辺物と前記電動車椅子とが衝突するまでの時間である衝突時間を算出する衝突時間算出ステップと、
    前記衝突時間に基づき、前記電動車椅子の速度制御を行う制御信号を前記電動車椅子へ出力する制御信号出力ステップと、を電子計算機に実行させるための、電動車椅子制御プログラム。

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