JPWO2020194560A1 - 津波検出システム及び津波検出方法 - Google Patents

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Abstract

津波検出システム(1)は、沖合の津波をリアルタイムに検出することが可能に構成されるものである。津波検出システム(1)は、検出器(D)と、解析部(11)と、を有するものとして構成されるものである。検出器(D)は、海面下に設けられており、海面から海中を通過したミューオンを検出することが可能である。解析部(11)は、検出器(D)で検出されたミューオンのフラックスの変動に基づいて、検出器(D)の設置位置において津波が発生したことを検出する。

Description

本発明は、津波検出システム及び津波検出方法に関する。
海洋等で発生した地震によって津波が引き起こされることは広く知られている。なるべく津波が沖合にあるときに津波の発生とその高さを観測できれば、早期に警報を発信して津波による被害を軽減することができる。
特許文献1には、沖合の海中に設置された水圧取得手段に海水を導入して設置箇所の水圧を取得し、海岸の近傍に設置された、管路により水圧取得手段と接続される水位観測手段が、取得した水圧に基づいて水圧取得手段の設置箇所の海水面の位置を観測する津波観測システムが提案されている。
特開2008−107225号公報
特許文献1では、管路を通じて海水を水圧取得手段から水位観測手段に導いている。そのため、水圧取得手段を多数設置しようとすると、その分だけ管路を敷設しなければならない。また、津波は数百km以遠の沖合で生じた地震によって引き起こされることも有るので、津波の検知はなるべく沖合で行うことが望ましい。しかしながら、こうした沖合まで管路を敷設することは、実質的に困難である。さらに、遠方まで管路を敷設できたとしても、沖合の水圧取得手段での水圧の変動が水位観測手段まで伝搬するには時間を要するため、津波をリアルタイムで観測することは難しい。
本発明は上記の事情に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、沖合の津波をリアルタイムに検出することを目的とする。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本発明の一態様にかかる津波検出システムは、海面下に設けられ、海面から海中を通過したミューオンを検出可能な検出器と、前記検出器で検出された前記ミューオンのフラックスの変動に基づいて津波を検出する解析部と、を有するものである。
本発明の一態様にかかる津波検出方法は、海面下に設けられ、海面から海中を通過したミューオンを海面下で検出し、検出した前記ミューオンのフラックスの変動に基づいて津波を検出するものである。
一実施の形態によれば、沖合の津波をリアルタイムに検出することができる。
実施の形態1にかかる津波検出システムの構成例を説明するためのブロック図である。 実施の形態1にかかる津波検出システムの検出器及び解析部の配置例を示す図である。 津波が発生していない場合のミューオンのフラックスの観測例を示す図である。 津波が接近した場合のミューオンのフラックスの観測例を示す図である。 津波が到達した場合のミューオンのフラックスの観測例を示す図である。 引き波が生じた場合のミューオンのフラックスの観測例を示す図である。 実施の形態2にかかる津波検出システムの構成を模式的に示す図である。 上方から見た場合の複数の検出器の配置を示す図である。 監視領域に津波が到達した場合の潮位の変動の二次元マッピングを示す図である。 第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにおける潮位の変動の二次元マッピングを示す図である。 実施の形態3における潮位の変動の二次元マッピングを示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
実施の形態1
本実施の形態にかかる津波検出システムでは、ミュオグラフィー技術を用いている。ミュオグラフィーは、天空から降り注ぐ宇宙線ミューオンを線源としており、ミューオンの高い透過性を利用することで、観察対象物の内部を非破壊で観察・可視化することができる技術である。
ミュオグラフィーでは、観察対象物を通過したミューオンの数を、検出器を用いて測定する必要がある。検出器に入射するミューオンの経路は、検出器の天頂方向を基準軸とした場合の天頂角θと地平面における方位角φとを用いて表すことができる。観察対象物を通過したミューオンは、その飛行経路に存在する物質の密度に応じてエネルギー損失量が変化する。エネルギー損失が大きくなると、観察対象物の原子核による散乱によって飛行経路が大きく変化し、検出器から外れた飛行経路を辿ることになる。これはミューオン数の減少として観測される。
したがってミュオグラフィーでは、観察対象物を通過したミューオンの数を観測することで、観察対象物の内部を非破壊で調べることができる。具体的には、単位時間及び単位立体角あたりのミューオンのカウント数、すなわちフラックスを観測することで、観察対象物の内部を調べることができる。以下、本実施の形態にかかる津波検出システムについて詳細に説明する。
図1は、実施の形態1にかかる津波検出システムの構成例を説明するためのブロック図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる津波検出システム1は、検出器D及び解析部11を有する。
検出器Dは、例えば海底面32の上に設置され、設置位置よりも上方の大気及び海水を通過したミューオンを検出可能に構成されている。検出器Dで検出されたミューオンのフラックスに関する情報が解析部11に供給される。なお、本実施の形態にかかる津波検出システム1では、検出器D及び解析部11を各々離間して配置(つまり別々の場所に配置)してもよい。
図2は、津波検出システム1の検出器D及び解析部11の配置例を示す図である。検出器Dは海底に設置され、解析部11は望ましくは陸上の観測施設10に設けられる。検出器Dと解析部11とは、陸上30及び海底32に敷設された通信ケーブル12によって通信可能に接続される。これにより、検出器Dは、解析部11にミューオンのフラックスに関する情報を供給することができる。
検出器Dには、例えば、原子核乾板、シンチレータ、ガスタイプの検出器などを用いることができる。原子核乾板は、フィルム形状の検出器である。一例を挙げると、原子核乾板は、プラスチックのベースの上にAgBrの結晶とゼラチンで構成されるジェルを塗布した構造を持つ。このAgの結晶部分にミューオン(荷電粒子)の軌跡が残るように構成されている。また、原子核乾板を焦点深度を変えつつスキャニングし、各焦点深さで点として観測されるミューオンの痕跡を線として復元することで、ミューオンの入射方向を特定することができる。
シンチレータは、ミューオン(荷電粒子)がプラスチックなどの半透明な物質中を通過する際に発するシンチレーション光を利用する検出器である。シンチレーション光は、光電子増倍管を用いて増幅されて信号として取り出される。
ガスタイプの検出器は、気体中をミューオンが飛行するときに、気体を構成する分子が持つ電子がミューオンとのクーロン力相互作用によって分子から叩き出され、分子がイオン化する現象を利用して、ミューオンを検出する検出器である。叩き出された電子を強い外部電場で加速することで、増幅した電気信号を作り出すことができる。ガスタイプの検出器として、例えば、多線比例式検出器(MWPC:Multi-Wire Proportional Chamber)を用いることができる。また、ガスタイプの検出器は、検出器内部を通過したミューオンの空間的な位置情報を取得することができる。ミューオンの空間的な位置情報をリアルタイムで取得できる点を考慮すると、ガスタイプの検出器を用いることが好ましい。なお、本実施の形態において使用する検出器Dは上述の検出器に限定されることはなく、これら以外の検出器を用いてもよい。
図1に示す解析部11は、検出器Dで検出されたミューオンのフラックスに基づき、ミューオンフラックスの変動を観測する。天空から飛来するミューオンは、検出器Dの上方の大気と海水とを通過して検出器Dに到達する。海水は大気に比べて密度が大きいので、潮位が変動すると、ミューオンフラックスの実測値も変化する。すなわち、海水面が高くなると検出器に到達するミューオンの数が減少し、海面31が低くなると検出器に到達するミューオンの数が増加する。
解析部11は、ミューオンのフラックスを継続的に監視して、フラックスに閾値よりも大きな変動が起きたことを検出する。
なお、検出器Dは、海底面上に限らず、海面と海底の間の海中に設けてもよい。また、検出器Dは、海底面下の地中に埋設してもよい。この場合には、解析部11が土壌の密度に基づいて土壌によって減少するフラックスを補正することで、潮位の変動を正確に検出できることは言うまでもない。
以下、図3〜5を参照して、ミューオンのフラックスと津波の検出との関係について説明する。図3〜5では、上空から海面31を経て海底面32に設置された検出器Dに入射するミューオンを矢印で示している。また、測定値を黒点で表し、測定点に対応するミューオンの数の測定にかかる統計誤差を縦線で表示した。
図3に、津波が発生していない場合のミューオンのフラックスの観測例を示す。ここでは、フラックスの実測値をCF、フラックスの変動検出の閾値であるフラックスの下限閾値をTH11とする(第1の閾値とも称する)。このとき、潮位に変動はないので、フラックスは概ね一定の値で推移し、フラックスの下限閾値TH11を下回ることはない。
次いで、図4に、津波TWが接近した場合のミューオンのフラックスの観測例を示す。このとき、検出器Dの上方のフラックス検出範囲内で潮位の変動が現れ始めるので、フラックスの値は下降を始める。ここでは、フラックスが低下したミューオンの入射経路を破線で示している。
次いで、図5に、津波TWが到達した場合のミューオンのフラックスの観測例を示す。このとき、検出器Dの上方のフラックス検出範囲の広い範囲で津波TWによる潮位の変動が生じるので、フラックスの値は大きく下降して、下限閾値TH11よりも小さくなる(CF<TH11)。この場合には、検出器Dが設置された位置で津波TWに相当する潮位の上昇が生じたものとして、検出器Dの設置位置で津波TWが発生、又は、他の場所で発生した津波TWが検出器Dの設置位置に到達したことを検出できる。
ミューオンの実測値の観測方法は種々考え得るが、例えば、所定の期間Sのミューオンのフラックスの実測値を平均した平均値AVEから所定の偏差ΔTH11だけ小さな値をフラックスの下限閾値TH11として設定してもよい。これによれば、過去のトレンドから外れたフラックスの減少を検出することができる。また、平均値AVEからの変動量ΔCFと海水の密度とから、潮位の変動量を見積もることも当然に可能である。
図3〜図5の例では、津波とミューオンのフラックスとの関係を単純化して説明したが、ミューオンのフラックスの測定は実際には一定の期間(例えば、数十秒)におけるミューオンのカウント数に基づいて行われる。また、津波の検出タイミングは、検出器Dが設置された水深にも影響される。そのため、潮位の変動がミューオンのフラックスの変動として現れるには、ある程度の時間を要する。例えば、検出器Dを水深100mの位置に設置した場合、波高5mの津波を検出するには、検出器Dの設置位置を津波が通過してから30秒程度のタイムラグが生じる。よって、津波の検出においては、こうしたタイムラグを考慮して行うことが望ましい。
以上、本構成によれば、海面に設置した検出器で検出したミューオンのフラックスの上昇を検出することで、検出器の設置位置で津波が発生又は設置位置の津波が到達したことを検出することができる。
さらに、津波が発生すると、潮位の上昇だけではなく、引き波と呼ばれる潮位の下降が観測されることも知られている。例えば、観測点よりも遠方で津波が発生した場合、その津波による遠方での潮位上昇に影響されて、観測点では潮位の下降が観測されることがある。よって、観測点における一定以上の潮位の下降を検出することで、別の場所での津波の発生を検出することも可能である。
図6に、引き波が生じた場合のミューオンのフラックスの観測例を示す。ここでは、フラックスの上限閾値をTH12とする(第2の閾値とも称する)。ここでは、引き波によって潮位が低くなり、その結果フラックスが上昇したミューオンの入射経路を一点鎖線で示している。このとき、フラックスの実測値CFがフラックスの上限閾値TH12よりも大きくなった場合(CF>TH12)、検出器Dの設置位置で、津波の影響による引き波BWが生じたことを検出できる。
なお、フラックスの実測値の平均値AVEから所定の偏差ΔTH12だけ大きな値をフラックスの上限閾値TH12として設定してもよい。さらに、フラックスの下限閾値TH11にかかる偏差ΔTH11とフラックスの上限閾値TH12にかかる偏差ΔTH12とは、絶対値が同じであってもよいし、異なっていてもよい。
実施の形態2
実施の形態2にかかる津波検出システムについて説明する。実施の形態1では、検出器が1つの構成について説明したが、本実施の形態では、複数の検出器を所定の監視領域に分散配置する構成について説明する。図7に、実施の形態2にかかる津波検出システム2の構成を模式的に示す。津波検出システム2では、複数の検出器D1〜D25が海底に設定された監視領域MAに分散配置されている。
この例では、矩形の監視領域MAに検出器D1〜D25が格子状に配列されている。図8に、上方から見た場合の検出器D1〜D25の配置を示す。図8に示すように、D1〜D25は、5×5の格子点上に配置されている。
本構成では、解析部11が検出器D1〜D25でのミューオンフラックスの実測値CF1〜CF25を、実施の形態1において説明したように継続的に監視している。そして、実測値CF1〜CF25に基づいて、検出器D1〜D25の設置位置における潮位の変動を二次元平面にマッピングすることが可能である。
図9に、監視領域MAに津波が到達した場合の潮位の変動の二次元マッピングを示す。この例では、津波を検出した検出器を黒丸で示し、津波を検出していない検出器を白丸で示している。図9では、監視領域MAの左下、つまり南東の角の近傍の検出器D15、D19、D20、D23、D24及びD25に津波が到達していることが理解できる。したがって、津波の先頭波面TW1が破線近傍に存在することが推定できる。また、津波の先頭波面TW1を推定することで、津波の進行方向が概ね先頭波面TW1に直交する方向であることも推定できる。
このように、複数の検出器を海底にアレイ状に配置することで、津波の伝搬の様子を観測することが可能となる。
さらに、本構成では、異なるタイミングで潮位の変動をマッピングすることで、津波の速度を推定することも可能である。ここでは、図9のマッピングが行われたタイミングを第1のタイミングとし、図10に第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにおける潮位の変動の二次元マッピングを示す。
図10では、監視領域MAの右上、つまり北西の角の近傍の検出器D1、D2、D3、D6、D7及びD11を除く検出器に津波が到達していることが理解できる。したがって、津波の先頭波面TW2が図9で示した先頭波面TW1の位置よりも北西に移動したことが理解できる。よって、津波の先頭波面の移動方向及び移動距離を観測することが可能となる。そして、津波の移動距離を第1のタイミングと第2のタイミングとの間の時間差で除算することで、津波の伝搬速度を推定することも可能となる。
したがって、津波の発生を面的に捉えることで、津波の到達する海岸の位置と到達までの時間を見積もることができるので、津波がまだ沖合を伝搬している時点で津波警報を発令し、避難を促すことができ、かつ、津波の到達が予想される地域の住民等に津波到達までの猶予時間を通知することが可能となる。
実施の形態3
実施の形態3にかかる津波検出システムについて説明する。上述の実施の形態では、閾値よりも大きな潮位変動を津波として検出した。しかしながら、閾値よりも小さな潮位変動であっても、実際には小規模な津波が発生していることも考え得る。よって、本実施の形態では、潮位変動が小さい場合における津波の検出について説明する。
本実施の形態にかかる津波検出システムは、実施の形態2にかかる津波検出システム2と同様の構成を有するので、その説明については省略する。本実施の形態では、解析部11は、下限閾値TH11よりも小さな絶対値を有する第2の下限閾値TH21(第3の閾値とも称する)が設定されている。解析部11は、第1の下限閾値TH11よりも大きいが、第2の下限閾値TH21よりも小さな値となるミューオンフラックスの減少を検出する。
しかしながら、例えば1つの検出器でこのような潮位変動が生じたとしても、その検出器が設置された位置での気象などの影響による局所的な潮位変動であって、津波による潮位変動ではない可能性が高いと考えられる。
そこで、本実施の形態では、解析部11は、第1の下限閾値TH11よりも大きいが、第2の下限閾値TH21よりも小さな値となるミューオンフラックスの減少が、2つ以上の検出器において観測されるかを検出する。
図11に、実施の形態3における潮位の変動の二次元マッピングを示す。この例では、フラックスの実測値が第1の下限閾値TH11よりも大きく、かつ、第2の下限閾値TH21よりも小さな検出器を黒四角形で示し、フラックスの実測値が第2の下限閾値TH21よりも大きな検出器を白丸で示している。
図11の例では、監視領域MAの南側の検出器D17〜D19及びD21〜D25が含まれる範囲で、小規模な津波TW3が発生していることを検出することができる。
なお、潮位変動が検出される2以上の検出器は互いに隣接して、又は、連なって配置されていることが望ましい。これは、潮位変動が検出された検出器が離隔している場合、個々の検出器での単なる局所的な潮位変動を検出してしまうおそれが有るためである。これに対し、互いに隣接又は連なって配置されている検出器で小さな潮位変動が検出できれば、これらの検出器が設置されている広い範囲で潮位変動が発生していると推定できる。
よって、本構成によれば、一定の範囲に設置された各検出器の設置位置で津波検出の閾値に到達しない潮位変動が生じた場合でも、小規模な津波の発生又はその到達を検出することが可能となる。
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述の実施の形態にかかる津波検出方法については、上述した津波検出システムの動作と同様であるので重複した説明は省略する。本実施の形態にかかる津波検出方法により、沖合の津波を容易に検出できることは、言うまでもない。
また、図9〜図11に示した二次元マッピングは、簡略化されたものであり、検出器が配置された各観測点でのミューオンのフラックスの値や、ミューオンのフラックスから推定した潮位の値などを併せて表示してもよい。
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
1、2 津波検出システム
10 観測施設
11 解析部
12 通信ケーブル
D、D1〜D25 検出器
MA 監視領域
TW1 先頭波面
TW2 先頭波面
TW 津波

Claims (10)

  1. 海面下に設けられ、海面から海中を通過したミューオンを検出可能な検出器と、
    前記検出器で検出された前記ミューオンのフラックスの変動に基づいて津波を検出する解析部と、を備える、
    津波検出システム。
  2. 前記解析部は、前記検出器が検出した前記ミューオンのフラックスが第1の閾値よりも小さな値となった場合に、前記検出器が設置された位置で津波が生じていることを検出する、
    請求項1に記載の津波検出システム。
  3. 前記解析部は、前記検出器が検出した前記ミューオンのフラックスが第2の閾値よりも大きな値となった場合に、前記検出器が設置された位置で津波の影響による引き波が生じていることを検出する、
    請求項2に記載の津波検出システム。
  4. 複数の前記検出器が分散して配置され、
    前記解析部は、前記複数の検出器のうちで前記ミューオンのフラックスが前記第1の閾値よりも小さくなったものが含まれる範囲で津波が検出されていることを検出する、
    請求項2又は3に記載の津波検出システム。
  5. 前記解析部は、前記複数の検出器のうちで2以上の検出器が検出した前記ミューオンのフラックスが前記第1の閾値よりも大きな第3の閾値よりも小さな値となった場合に、前記2以上の検出器が含まれる範囲で津波が生じていることを検出する、
    請求項4に記載の津波検出システム。
  6. 前記2以上の検出器は、互いに隣接して、又は、連なって配置されたものである、
    請求項5に記載の津波検出システム。
  7. 第1のタイミングと、前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングと、で前記複数の検出器は前記ミューオンのフラックスを検出し、
    前記解析部は、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの間での津波が生じている範囲の移動に基づいて、津波の伝搬方向と伝搬速度を取得する、
    請求項4又は5に記載の津波検出システム。
  8. 前記解析部は、所定の期間に前記検出器が検出した前記ミューオンのフラックスの平均値に基づいて津波を検出する、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の津波検出システム。
  9. 前記検出器は、海面下の海中、海底面上、又は、海底下の地中に設けられる、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の津波検出システム。
  10. 海面下に設けられ、海面から海中を通過したミューオンを海面下で検出し、
    検出した前記ミューオンのフラックスの変動に基づいて津波を検出する、
    津波検出方法。
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