JPWO2020188856A1 - X線イメージング装置 - Google Patents

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哲 佐野
晃一 田邊
和田 幸久
日明 堀場
直樹 森本
敏 徳田
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment

Abstract

このX線イメージング装置(100)は、複数のX線スキャン画像(10)のモアレ縞に重畳したX線の減衰に起因する明暗のグラデーションを除去するとともに、グラデーションが除去された複数のX線スキャン画像(10)と複数のモアレ画像(11)の位相情報とに基づいて位相コントラスト画像を生成する画像処理部(7)を備える。

Description

本発明は、X線イメージング装置に関し、特に被写体を移動させながら撮像するX線イメージング装置に関する。
従来、被写体を移動させながら撮像するX線イメージング装置が知られている。このような、X線撮影装置は、たとえば、特開2017−44603号公報に開示されている。
上記特開2017−44603号公報に開示されているX線イメージング装置は、被写体を移動させながら撮像するように構成されている。具体的には、上記特開2017−44603号公報に開示されているX線イメージング装置は、X線源と、格子G0と格子G1と格子G2とを含む格子群と、検出部と、試料を移動させる搬送部と、画像生成部とを備えている。上記特開2017−44603号公報に開示されているX線イメージング装置は、格子G0と格子G1との間に試料を通過させて、位相コントラスト画像を生成するように構成されている。
特開2017−44603号公報
本願発明者は、上記特開2017−44603号公報のような被写体を移動させながら撮像するX線イメージング装置において、位相コントラスト画像(特に位相微分像)を生成したときに、位相コントラスト画像に明暗のグラデーションが重畳されるという問題点があることを見出した。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、位相コントラスト画像に明暗のグラデーションが重畳することを抑制することが可能なX線イメージングを提供することである。
本願発明者が上記課題を解決するために鋭意検討したところ、位相コントラスト画像を生成する前のX線スキャン画像のモアレ縞に明暗のグラデーションが重畳していることを見出した。そこで、本願発明者は、明暗のグラデーションを除去したX線スキャン画像を用いて位相コントラスト画像を生成したところ、位相コントラスト画像のモアレ縞に明暗のグラデーションが重畳することを抑制することが可能であることを見出した。そして、本発明を完成させるに到った。
すなわち、この発明の一の局面におけるX線イメージング装置は、X線源と、X線源から照射されたX線を検出する検出器と、X線源と検出器との間に配置され、X線源からX線が照射される第1格子と、第1格子からのX線が照射される第2格子とを含む複数の格子とを含む撮像系と、被写体または撮像系を移動させる第1の移動機構と、第1格子または第2格子を移動させる第2の移動機構と、第1の移動機構により被写体と撮像系との相対位置を変更しながら撮像された複数のX線画像と、第2の移動機構により第1格子と第2格子との相対位置を変更しながら撮像された複数のモアレ画像を取得する画像取得部と、複数のX線画像のモアレ縞に重畳したグラデーションを除去するとともに、複数のモアレ画像の位相情報に基づいて位相コントラスト画像を生成する画像処理部とを備える。
本発明によれば、複数のX線画像のモアレ縞に重畳したグラデーションを除去することによって、位相コントラスト画像に明暗のグラデーションが重畳することを抑制することが可能なX線イメージングを提供することができる。
本実施形態によるX線イメージング装置の全体構造を示すブロック図である。 本実施形態によるX線イメージング装置における、複数の格子の配置を説明するための模式図である。 本実施形態によるX線イメージング装置における、複数の格子の構造を説明するための模式図である。 本実施形態によるX線スキャン画像を示す図である。 本実施形態によるモアレ画像を示す図である。 本実施形態による位相コントラスト画像を示す図である。 本実施形態による第2の位置調整機構の構成を説明するための模式図である。 本実施形態による輝度分布画像の生成を説明するための図である。 本実施形態によるX線スキャン撮影画像の補正を説明するための図である。 図9のプロファイルを示す図である。 本実施形態による位置構成画像を示す図である。 本実施形態による複数の画像の各画素の各位相値と各画素値とを1対1の関係で対応付けて得られるステップカーブの模式図である。 格子の延びる方向と被写体の移動方向とが同じ場合の位相微分像を示す図である。 格子の延びる方向と被写体の移動方向とが異なる場合の位相微分像を示す図である。 本実施形態における、明暗のグラデーションを除去する補正を行った位相微分像と、補正を行っていない位相微分像とを示す図である。 変形例の撮像系を示す図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1〜図15を参照して、本発明の実施形態によるX線イメージング装置100の構成について説明する。
(X線イメージング装置の構成)
図1に示すように、X線イメージング装置100は、X線源1と、検出器2と、第1格子3と、第2格子4と、第3格子5と、画像取得部6と、画像処理部7と、第1の移動機構8と、第2の移動機構9とを備えている。なお、本実施形態では、X線源1と、検出器2と、第1格子3と、第2格子4と、第3格子5とをまとめて撮像系20とする。X線イメージング装置100は、タルボ(Talbot)効果を利用して、被写体80の内部を画像化する装置である。X線イメージング装置100は、たとえば、非破壊検査用途では、物体としての被写体80の内部の画像化に用いることが可能である。また、X線イメージング装置100は、たとえば、医療用途では、生体としての被写体80の内部の画像化に用いることが可能である。
図2は、X線イメージング装置100をY1側から見た図である。なお本明細書において、X線源1から第1格子3に向かう方向をZ2方向、その逆方向の方向をZ1方向とする。また、図2において、Z方向に直交する面内の左右方向をX方向とし、左方向をX1方向、右方向をX2方向とする。また、Z方向と直交する面内の上下方向をY方向とし、図2の紙面の奥に向かう方向をY2方向、図2の紙面の手前側に向かう方向をY1方向とする。なお、Y方向は、特許請求の範囲の「検出器の上下方向とほぼ平行な方向」である。また、X方向は、特許請求の範囲の「検出器の上下方向とほぼ直交する方向」である。
(X線源)
X線源1は、高電圧が印加されることにより、X線を発生させるとともに、発生されたX線をZ2方向に向けて照射するように構成されている。X線源1からは、円錐状にX線(コーンビーム)が照射される。
(検出器)
検出器2は、X線を検出するとともに、検出されたX線を電気信号に変換し、変換された電気信号を画像信号として読み取るように構成されている。検出器2は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。検出器2は、複数の変換素子(図示せず)と複数の変換素子上に配置された画素電極(図示せず)とにより構成されている。複数の変換素子および画素電極は、所定の周期(画素ピッチ)で、X方向およびY方向にアレイ状に配列されている。また、検出器2は、取得した画像信号を、画像取得部6に出力するように構成されている。
(回折格子)
図3に基づいて、第1格子3、第2格子4、および第3格子5について説明する。第1格子3は、複数のスリット3aおよびX線位相変化部3bを有している。各スリット3aおよびX線位相変化部3bは、X方向に所定の周期(ピッチ)3cで配列されている。各スリット3aおよびX線位相変化部3bはそれぞれ、直線状に延びるように形成されている。また、各スリット3aおよびX線位相変化部3bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。第1格子3は、いわゆる位相格子である。回折格子は、基板の上に格子が形成されている。格子が延びる方向とは、格子の長辺に沿った方向を指す。また、第1格子3、第2格子4、および第3格子5の格子の延びる方向はすべて同じでもよく、異なっていてもよい。
第1格子3は、X線源1と、第2格子4との間に配置されており、X線源1からX線が照射される。第1格子3は、タルボ効果により、第1格子3の自己像を形成するために設けられている。可干渉性を有するX線が、スリットが形成された格子を通過すると、格子から所定の距離(タルボ距離)離れた位置に、格子の像(自己像)が形成される。これをタルボ効果という。
第2格子4は、複数のX線透過部4aおよびX線吸収部4bを有する。各X線透過部4aおよびX線吸収部4bは、X方向に所定の周期(ピッチ)4cで配列されている。各X線透過部4aおよびX線吸収部4bはそれぞれ、直線状に延びるように形成されている。また、各X線透過部4aおよびX線吸収部4bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。第2格子4は、いわゆる、吸収格子である。各X線透過部4aは、X線を透過させる。また、X線吸収部4bはX線を遮蔽する。
第2格子4は、第1格子3と検出器2との間に配置されており、第1格子3を通過したX線が照射される。また、第2格子4は、第1格子3から所定のタルボ距離だけ離れた位置に配置される。第2格子4は、第1格子3の自己像と干渉して、モアレ縞を形成する。
第3格子5は、X方向に所定の周期(ピッチ)5cで配列される複数のスリット5aおよびX線吸収部5bを有している。各スリット5aおよびX線吸収部5bはそれぞれ、直線状に延びるように形成されている。また、各スリット5aおよびX線吸収部5bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。また、第3格子5は、各スリット5aを通過したX線を、各スリット5aの位置に対応する線光源とするように構成されている。これにより、第3格子5は、X線源1から照射されるX線の可干渉性を高めることが可能である。
(画像取得部)
図1に示すように、画像取得部6は、検出器2から出力された画像信号に基づいて、X線スキャン画像10(図4参照)およびモアレ画像11(図5参照)を取得するように構成されている。画像取得部6は、たとえば、GPU(Graphics Processing Unit)や画像処理用に構成されたFPGA(Field−Programmable Gate Array)などのプロセッサを含む。X線スキャン画像10は、第1の移動機構8によって、被写体80を連続的に移動させることにより、被写体80と撮像系20との相対位置を変更しながら撮像された画像である。モアレ画像11は、第2の移動機構9によって、第1格子3を移動させることにより、第1格子3と第2格子4との相対位置を変更しながら撮影された画像である。
(画像処理部)
図1および図6に示すように、画像処理部7は、モアレ画像11(図5参照)の位相情報に基づいて、X線スキャン画像10(図4参照)から位相コントラスト画像を生成する。位相コントラスト画像は、吸収像12a、位相微分像12b、および、暗視野像12cを含む。なお、吸収像12aとは、X線が被写体80を通過した際に生じるX線の減衰に基づいて画像化した像である。また、位相微分像12bとは、X線が被写体80を通過した際に発生するX線の位相のずれをもとに画像化した像である。また、暗視野像12cとは、物体の小角散乱に基づくVisibilityの変化によって得られる、Visibility像のことである。また、暗視野像12cは、小角散乱像とも呼ばれる。「Visibility」とは、鮮明度のことである。画像処理部7は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。
画像処理部7は、第1の移動機構8による被写体80の移動方向(X方向)と、第1格子3、第2格子4、および第3格子5の少なくとも一つの格子の延びる方向(Y方向)とが直交する場合に、画像取得部6で取得されたX線スキャン画像10のモアレ縞10aに重畳したグラデーションを除去するように構成されている(図10参照)。この場合、画像処理部7は、モアレ画像11の位相情報に基づいて、重畳したグラデーションを除去したX線スキャン画像10から位相コントラスト画像を生成する。
(第1の移動機構)
図2および図3に示すように、第1の移動機構8は、被写体80をX1方向からX2方向に移動させることにより、被写体80と撮像系20とを相対移動させるように構成されている。第1の移動機構8は、たとえば、ベルトコンベアまたは各種の直動機構によって構成されている。第1の移動機構8は、X線スキャン画像10を撮影する時に使用する。
(第2の移動機構)
図2に示すように、第2の移動機構9は、第1格子3を保持し、第1格子3を移動可能に構成されている。第2の移動機構9は、第1格子3の位置を調整することにより、モアレ縞を生じさせるように構成されている。第2の移動機構9は、モアレ画像11を撮影する時に使用され、第1格子3と第2格子4との相対位置を変更させてモアレ縞11aを発生させるように構成されている。第2の移動機構9は、第1格子3の1周期をn分割し、n回ステップ移動させる。nは、たとえば、4である。
図7に示すように、第2の移動機構9は、X方向、Y方向、Z方向、Z方向の軸線周りの回転方向Rz、X方向の軸線周りの回転方向Rx、および、Y方向の軸線周りの回転方向Ryに第1格子3を移動可能に構成されている。具体的には、第2の移動機構9は、X方向直動機構90と、Y方向直動機構91と、Z方向直動機構92と、直動機構接続部93と、ステージ支持部駆動部94と、ステージ支持部95と、ステージ駆動部96と、ステージ97とを含む。X方向直動機構90は、X方向に移動可能に構成されている。X方向直動機構90は、たとえば、モータなどを含む。Y方向直動機構91は、Y方向に移動可能に構成されている。Y方向直動機構91は、たとえば、モータなどを含む。Z方向直動機構92は、Z方向に移動可能に構成されている。Z方向直動機構92は、たとえば、モータなどを含む。
第2の移動機構9は、X方向直動機構90の動作により、第1格子3をX方向に移動させるように構成されている。また、第2の移動機構9は、Y方向直動機構91の動作により、第1格子3をY方向に移動させるように構成されている。また、第2の移動機構9は、Z方向直動機構92の動作により、第1格子3をZ方向に移動させるように構成されている。
ステージ支持部95は、ステージ97を下方(Y1方向)から支持している。ステージ駆動部96は、ステージ97をX方向に往復移動させるように構成されている。ステージ97は、底部がステージ支持部95に向けて凸曲面状に形成されており、X方向に往復移動されることにより、Z方向の軸線周り(Rz方向)に回動するように構成されている。また、ステージ支持部駆動部94は、ステージ支持部95をZ方向に往復移動させるように構成されている。また、ステージ支持部95は底部が直動機構接続部93に向けて凸曲面状に形成されており、Z方向に往復移動されることにより、X方向の軸線周り(Rx方向)に回動するように構成されている。また、直動機構接続部93は、Y方向の軸線周り(Ry方向)に回動可能にX方向直動機構90に設けられている。したがって、第2の移動機構9は、格子をY方向の中心軸線周りに回動させることができる。
(位相微分像の生成)
本実施形態では、撮像系20は、図3に示すように、検出器2の上下方向とほぼ平行な方向(Y方向)に、第1格子3、第2格子4および第3格子5が延びるように設けられている撮像系20を用いて位相微分像12bを取得する場合を説明する。
画像取得部6は、第1の移動機構8により被写体80をX方向に移動させながら、被写体80を撮影することにより、複数のX線スキャン画像10を取得するように構成されている(図3および図4参照)。さらに、画像取得部6は、第2の移動機構9によって、格子1周期分を分割した所定距離ずつ格子を並進移動させることにより、複数のモアレ画像11を取得するように構成されている。
図8に示すように、画像処理部7は、画像取得部6で取得された複数のモアレ画像11から輝度分布画像13を生成する。画像処理部7は、複数のモアレ画像11間の同一画素の画素値を平均化するように構成されている。たとえば、モアレ画像11を4枚取得した場合は、画素毎に、画像処理部7は、1枚目から4枚目の画素値を平均化する。第1格子3の1周期を分割してステップ移動させているため、モアレ画像11の画素値を平均化することにより、画素値が0になりモアレ縞11aが除去される。モアレ縞11aが除去されることにより、モアレ画像11に重畳した明暗のグラデーションを抽出することができる。これによりX方向に画素値が小さくなる明暗のグラデーションが現れた輝度分布画像13が生成される。これは、X線源1からコーンビームが照射されるため、光軸に近い部分の画素値が大きく、光軸から離れるにつれてX線が減衰する。また、格子のスリットが延びる方向には明暗の差が出ないため、本実施形態の格子の延びる方向であるY方向には、明暗のグラデーションが現れない。なお、図8では、画素値が小さい部分にハッチングを付して表している。
図9に示すように、画像処理部7は、X線スキャン画像10を輝度分布画像13で除算するように構成されている。具体的には、画像処理部7は、画素毎に、X線スキャン画像10を輝度分布画像13で割ることにより、X線スキャン画像10のモアレ縞10aに重畳した明暗のグラデ―ションを除去するように構成されている。ここで、モアレ縞10aは、第1格子3と第2格子4との周期のずれにより形成された縞模様に現れた被写体80の自己像を指す。グラデーションとは、X線の減衰等により現れる明暗のグラデーションであり、モアレ縞10aとは異なり意図せずX線画像に現れたグラデーションを指す。
図10は、補正前のX線スキャン画像10の移動方向Xの線30に沿ったプロファイル、輝度分布画像13の移動方向の線40に沿ったプロファイル、および、補正後のX線スキャン画像10の移動方向の線50に沿ったプロファイルを示す。図10では、横軸はX線画像上の画素を表し、縦軸は画素毎の画素値を表す。図10に示すように、補正前のX線スキャン画像10では、画素毎の画素値の差が大きくばらついていたが、補正後のX線スキャン画像10ではばらつきが低減されている。X線スキャン画像10を輝度分布画像13で除算することにより、輝度値のばらつきが低減される。
画像処理部7は、モアレ縞11aの位相情報を取得するように構成されている。モアレ縞11aの位相情報は、モアレ縞11aの位相値の変化が1周期毎に繰り返された縞模様の画像である。具体的には、モアレ縞11aの位相情報は、モアレ縞11aの位相値の−πからπまでの変化を縞模様で図示した画像である。モアレ縞11aの位相情報は、範囲が2πであれば、−πからπの範囲でも0から2πの範囲でもよい。
画像処理部7は、被写体80と撮像系20とを相対移動させながら撮像した複数のX線スキャン画像10と、複数のX線スキャン画像10に生じたモアレ縞10aの位相情報とに基づいて、複数のX線スキャン画像10における被写体80の各画素における画素値と、各画素におけるモアレ縞10aの位相値とを対応付けるように構成されている。また、画像処理部7は、複数のX線スキャン画像10における被写体80の同一位置の画素の位置情報と、位相値と対応付けた各画素の画素値とに基づいて複数のX線スキャン画像10における被写体80の同一位置の画素の位置合わせを行うことにより、位相微分像12bを生成するように構成されている。
図11に示すように、画像処理部7は、位置較正データを作成し、作成した位置較正データを用いて複数のX線スキャン画像10における被写体80の同一位置の画素の位置合わせを行うように構成されている。具体的には、画像処理部7は、標識物70と撮像系20とを相対移動させながら撮像された複数の位置較正用画像14に基づいて、複数のX線スキャン画像10における被写体80の同一位置の画素の位置合わせに用いる位置較正データを作成するように構成されている。標識物70は、X線を吸収するものであればどのようなものであってもよい。標識物70は、たとえば、ワイヤなどを含む。
(位置較正データの作成)
図11は、第1の移動機構8によって標識物70をX方向に移動させながら撮像した位置較正用画像14の模式図である。図6に示す位置較正用画像14は、標識物70を第1撮像位置〜第6撮像位置に移動させながら撮像された画像の例である。また、図6に示す例では、標識物70を写した各画素のうち、画素71に着目して標識物70の移動量72を取得している。位置較正データは、第1の移動機構8によって標識物70と撮像系20とを相対移動させる際に第1の移動機構8に入力される移動量72に関する指令値と、指令値に基づいて標識物70と撮像系20とを相対移動させた際の位置較正用画像14中における標識物の実際の移動量72に基づいて作成される。具体的には、位置較正データは、複数の位置較正用画像14における標識物70の同一位置の各画素の位置に基づいて、指令値と標識物70の移動量72との関係を示す近似式を取得することにより作成される。
画像処理部7は、位置較正データを用いて被写体80の同一位置の画素の各X線スキャン画像10における位置を取得し、各X線スキャン画像10における画素の位置合わせを行う。画像処理部7は、位置合わせ後の各X線スキャン画像10の各画素におけるモアレ縞10aの位相値を取得するために、モアレ縞10aの位相情報についても、位置較正データを用いて位置合わせを行う。各撮像位置における画素の位置と位置合わせ後の位相情報におけるモアレ縞11aの位相値の位置とは1対1の関係で対応付いている。したがって、図12に示すように、画像処理部7は、位置合わせ後の各X線スキャン画像10における画素について、位相値と画素値との関係を示すステップカーブ15を取得することができる。画像処理部7は、取得したステップカーブ15に基づいて、位相微分像12bを生成するように構成されている。図12は、横軸が位相値であり、縦軸が画素値である。
本実施形態のX線イメージング装置100は、X線スキャン画像10から明暗のグラデーションを除去することにより、明暗のグラデーションが重畳されない位相コントラスト画像を生成することが可能である。
本願発明者は、図13に示すように、第1の移動機構8により被写体80を移動させる方向がX方向の場合に、格子の延びる方向が同じX方向である場合は、生成される位相コントラスト画像(位相微分像12b)には明暗のグラデーションは重畳されないことを見出した。一方、図14に示すように、本願発明者は、格子の延びる方向がY方向と異なる場合に位相コントラスト画像、特に位相微分像12bの上下方向(Y方向)に意図しない明暗のグラデーションが現れることを見出した。高画質の位相コントラスト画像を取得するためには、位相コントラスト画像に重畳された意図しない明暗のグラデーションを取り除くことが好ましい。また、本願発明者は、スリットの格子の延びる方向を検出器2の上下方向(Y方向)と平行にした場合に位相コントラスト画像を生成するX線スキャン画像10に現れるグラデーションは、スリットが延びる方向(Y方向)に現れないが、左右方向には(X方向)には、X線の減衰により現れることを見出した(図9参照)。
そこで、本願発明者は、X線スキャン画像10に現れる明暗のグラデーションの除去を検討したところ、ステップ撮影で得られた複数枚のモアレ画像11を画素値毎に平均して得られた輝度分布画像12によって、X線スキャン画像10を除算するとX線スキャン画像10から明暗のグラデーションを除去することができることを見出した。さらに、図15に示すように、明暗のグラデーションを除去する補正を行ったX線スキャン画像10を用いて位相コントラスト画像を生成したところ、位相コントラスト画像(位相微分像12b)に明暗のグラデーションが重畳されなかった。その結果、本願発明者は、X線スキャン画像10と位相コントラスト画像とで明暗のグラデーションの現れる方向が異なるが、X線スキャン画像10から明暗のグラデーションを除去することにより、位相コントラスト画像から明暗のグラデーションを除去することができるという知見を得て、本発明を完成させた。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、X線イメージング装置100は、複数のX線スキャン画像10のモアレ縞10aに重畳したX線の減衰に起因する明暗のグラデーションを除去するとともに、グラデーションが除去された複数のX線スキャン画像10と複数のモアレ画像11の位相情報とに基づいて位相コントラスト画像を生成する画像処理部7を備える。これにより、画像処理部7が、位相コントラスト画像を生成する前のX線スキャン画像10のモアレ縞10aに重畳した明暗のグラデーションを除去するため、生成された位相コントラスト画像に明暗のグラデーションが重畳することを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部7は、複数のX線スキャン画像10の輝度値のばらつきを低減する補正を行うことにより、複数のX線スキャン画像10のモアレ縞10aに重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている。これにより、明暗のグラデーションは、輝度値のばらつきによって起こるため、画像処理部7が、輝度値のばらつきを抑えることにより、モアレ縞10aに重畳した明暗のグラデーションを除去することができる。
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部7は、複数のモアレ画像11からモアレ縞11aが除去された輝度分布画像13によって複数のX線スキャン画像10の輝度値のばらつきを低減する補正を行うように構成されている。これにより、得られる輝度分布画像12は、複数のモアレ画像11からモアレ縞11aを除去するため、モアレ縞11a以外にモアレ画像11中に現れるグラデーションを抽出することができる。そのため、画像中に現れるグラデーションを抽出した輝度分布画像13を用いて補正することにより、X線スキャン画像10中の自己像のモアレ縞10aが変化することを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部7は、格子の1周期分の複数のモアレ画像11間の各画素の画素値を平均化することによりモアレ縞11aを除去して輝度分布画像13を生成するように構成されている。これにより、格子1周期分の画像を平均化することにより、画素値が0になりモアレ縞11aを精度よく除去することができる。そのため、明暗のグラデーションを精度よく抽出することができる。
また、本実施形態では、画像処理部7は、複数のX線スキャン画像10の画素値を、輝度分布画像13の画素値によって除算することにより複数のX線スキャン画像10のモアレ縞10aに重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている。これにより、画像処理部7により複数のX線スキャン画像10の画素値を、輝度分布画像13の画素値によって除算することにより、輝度分布画像13において画素値が大きい画素は、除算の結果、画素値が小さくなるので、画素値のばらつきを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1の移動機構8による被写体80または撮像系20の移動方向と、複数の格子のうち少なくとも1枚の格子の延びる方向とが、異なっている場合に、画像処理部7は、複数のX線スキャン画像10のモアレ縞10aに重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている。ここで、上記の通り、第1の移動機構8による被写体80または撮像系20の移動方向と、複数の格子のうち少なくとも1枚の格子の延びる方向とが、異なっている場合は、第1の移動機構8による被写体80または撮像系20の移動方向と、複数の格子のうち少なくとも1枚の格子の延びる方向とが同じ場合と比べて、位相コントラスト画像に明暗のグラデーションが現れやすい。そのため、第1の移動機構8による被写体80または撮像系20の移動方向と、複数の格子のうち少なくとも1枚の格子の延びる方向とが異なっている場合に補正をすることにより、明確な位相コントラスト画像を取得することができる点は特に有効である。
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部7は、検出器2の上下方向とほぼ平行な方向に第1格子3および第2格子4のうち少なくとも1枚の格子が延びる場合と、検出器2の上下方向とほぼ直交する方向に第1格子3および第2格子4のうち少なくとも1枚の格子が延びる場合との両方において複数のX線スキャン画像10を取得するとともに、検出器2の上下方向とほぼ平行な方向に第1格子3および第2格子4のうち少なくとも1枚の格子が延びる場合でかつ第1の移動機構8による被写体80または撮像系20の移動方向と、複数の格子のうち少なくとも1枚の格子の延びる方向が検出器2の上下方向とほぼ直交する方向である場合に、複数のX線スキャン画像10のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている。これにより、被写体80の内部構造が不明な場合でも、格子の配置が異なる撮像系20を用いて撮影することにより確実に位相コントラスト画像を取得することができる。また、明暗のグラデーションが現れやすい、第1の移動機構8による被写体80または撮像系20の移動方向と、複数の格子のうち少なくとも1枚の格子の延びる方向とが異なっている場合に補正をすることにより、グラデーションの影響が大きい画像に対して補正できるため、効果的に明確な位相コントラスト画像を取得することができる。
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部7は、複数のX線スキャン画像10のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するとともに、グラデーションが除去された複数のX線スキャン画像10と複数のモアレ画像11の位相情報とに基づいて位相微分像12bを生成するように構成されている。ここで、本願発明者は、明暗のグラデーションが位相微分像12bに顕著に現れることを知得している。そのため、グラデーションが除去された複数のX線スキャン画像10を用いることにより、位相微分像12bに明暗のグラデーションが現れることを抑制することができる。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、X線イメージング装置は、第3格子が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、X線源の可干渉性が十分に高い場合、X線イメージング装置は、第3格子が設けられてなくてもよい。
また、上記実施形態では、第1の移動機構が、被写体を移動させるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1の移動機構が、撮像系を移動させるように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、第2の移動機構が、第1格子を移動させるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2の移動機構が、第2格子を移動させるように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、格子の延びる方向が検出部の上下方向と平行であり、被写体が移動する方向が格子の延びる方向と異なる撮像系の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図16に示すように、格子の延びる方向が検出部の上下方向と平行である格子と、格子の延びる方向が検出部の上下方向と直交する方向である格子とを含む撮像系であってもよい。この場合、被写体の移動する方向と格子の延びる方向とが異なる格子で撮影されたX線画像から明暗のグラデーションを除去する補正を行うように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、画像処理部が、明暗のグラデーションを除去したX線スキャン画像から位相微分像を生成するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、画像処理部は、明暗のグラデーションを除去したX線スキャン画像から吸収像および暗視野像を生成するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、画像処理部が、モアレ画像から取得した輝度分布画像を用いて、複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、画像処理部は、輝度分布画像を用いずに、補正後のサインカーブを仮定し、X線スキャン画像のサインカーブから多項式の成分を抽出し、多項式を立てて値を算出し除算するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、画像処理部は、検出器の上下方向とほぼ平行な方向に第1格子および第2格子のうち少なくとも1枚の格子が延びる場合に、複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、画像処理部は、検出器の上下方向とほぼ直交する方向に第1格子および第2格子のうち少なくとも1枚の格子が延びる場合に、複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、画像処理部は、第1の移動機構による被写体または撮像系の移動方向と、複数の格子のうち少なくとも1枚の格子の延びる方向が検出器の上下方向とほぼ直交する方向である場合に、画像処理部が、複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1の移動機構による被写体または撮像系の移動方向と、複数の格子のうち少なくとも1枚の格子の延びる方向が検出器の上下方向とほぼ平行の場合に、画像処理部は、複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されていてもよい。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
X線源と、
前記X線源から照射されたX線を検出する検出器と、
前記X線源と前記検出器との間に配置され、前記X線源からX線が照射される第1格子と、前記第1格子からのX線が照射される第2格子とを有する複数の格子とを含む撮像系と、
被写体または前記撮像系を移動させる第1の移動機構と、
前記第1格子または前記第2格子を移動させる第2の移動機構と、
前記第1の移動機構により被写体と前記撮像系との相対位置を変更しながら撮像された複数のX線スキャン画像と、前記第2の移動機構により前記第1格子と前記第2格子との相対位置を変更しながら撮像された複数のモアレ画像を取得する画像取得部と、
前記複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳したX線の減衰に起因する明暗のグラデーションを除去するとともに、グラデーションが除去された前記複数のX線スキャン画像と前記複数のモアレ画像の位相情報とに基づいて位相コントラスト画像を生成する画像処理部とを備える、X線イメージング装置。
(項目2)
前記画像処理部は、前記複数のX線スキャン画像の輝度値のばらつきを低減する補正を行うことにより、前記複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている、項目1に記載のX線イメージング装置。
(項目3)
前記画像処理部は、前記複数のモアレ画像からモアレ縞が除去された輝度分布画像によって前記複数のX線スキャン画像の輝度値のばらつきを低減する補正を行うように構成されている、項目1または2に記載のX線イメージング装置。
(項目4)
前記画像処理部は、格子の1周期分の前記複数のモアレ画像間の各画素の画素値を平均化することによりモアレ縞を除去して前記輝度分布画像を生成するように構成されている、項目3に記載のX線イメージング装置。
(項目5)
前記画像処理部は、前記複数のX線スキャン画像の画素値を、前記輝度分布画像の画素値によって除算することにより前記複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている、項目3または4に記載のX線イメージング装置。
(項目6)
前記第1の移動機構による前記被写体または前記撮像系の移動方向と、前記複数の格子のうち少なくとも1枚の格子の延びる方向とが、異なっている場合に、前記画像処理部7は、前記複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている、項目1〜5のいずれか1項に記載のX線イメージング装置。
(項目7)
前記画像処理部は、前記検出器の上下方向とほぼ平行な方向に前記第1格子および前記第2格子のうち少なくとも1枚の格子が延びる場合と、前記検出器の上下方向とほぼ直交する方向に前記第1格子および前記第2格子のうち少なくとも1枚の格子が延びる場合との両方において前記複数のX線スキャン画像を取得するとともに、前記検出器の上下方向とほぼ平行な方向に前記第1格子および前記第2格子のうち少なくとも1枚の格子が延びる場合でかつ前記第1の移動機構による前記被写体または前記撮像系の移動方向と、前記複数の格子のうち少なくとも1枚の格子の延びる方向が前記検出器の上下方向とほぼ直交する方向である場合に、前記複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている、項目6に記載のX線イメージング装置。
(項目8)
前記画像処理部は、前記複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するとともに、グラデーションが除去された前記複数のX線スキャン画像と前記複数のモアレ画像の位相情報とに基づいて位相微分像を生成するように構成されている、項目1〜7のいずれか1項に記載のX線イメージング装置。
1 X線源
2 検出器
3 第1格子
4 第2格子
6 画像取得部
7 画像処理部
8 第1の移動機構
9 第2の移動機構
10 X線スキャン画像
11 モアレ画像
12b 位相微分像
13 輝度分布画像
20 撮像系
80 被写体
100 X線イメージング装置
すなわち、この発明の一の局面におけるX線イメージング装置は、X線源と、X線源から照射されたX線を検出する検出器と、X線源と検出器との間に配置され、X線源からX線が照射される第1格子と、第1格子からのX線が照射される第2格子とを含む複数の格子とを含む撮像系と、被写体または撮像系を移動させる第1の移動機構と、第1格子または第2格子を移動させる第2の移動機構と、第1の移動機構により被写体と撮像系との相対位置を変更しながら撮像された複数のX線画像と、第2の移動機構により第1格子と第2格子との相対位置を変更しながら撮像された複数のモアレ画像を取得する画像取得部と、複数のX線画像のモアレ縞に重畳したグラデーションを除去するとともに、複数のモアレ画像の位相情報に基づいて位相微分像を生成する画像処理部とを備える。
本発明によれば、複数のX線画像のモアレ縞に重畳したグラデーションを除去することによって、位相微分像に明暗のグラデーションが重畳することを抑制することが可能なX線イメージングを提供することができる。

Claims (8)

  1. X線源と、
    前記X線源から照射されたX線を検出する検出器と、
    前記X線源と前記検出器との間に配置され、前記X線源からX線が照射される第1格子と、前記第1格子からのX線が照射される第2格子とを有する複数の格子とを含む撮像系と、
    被写体または前記撮像系を移動させる第1の移動機構と、
    前記第1格子または前記第2格子を移動させる第2の移動機構と、
    前記第1の移動機構により被写体と前記撮像系との相対位置を変更しながら撮像された複数のX線スキャン画像と、前記第2の移動機構により前記第1格子と前記第2格子との相対位置を変更しながら撮像された複数のモアレ画像を取得する画像取得部と、
    前記複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳したX線の減衰に起因する明暗のグラデーションを除去するとともに、グラデーションが除去された前記複数のX線スキャン画像と前記複数のモアレ画像の位相情報とに基づいて位相コントラスト画像を生成する画像処理部とを備える、X線イメージング装置。
  2. 前記画像処理部は、前記複数のX線スキャン画像の輝度値のばらつきを低減する補正を行うことにより、前記複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている、請求項1に記載のX線イメージング装置。
  3. 前記画像処理部は、前記複数のモアレ画像からモアレ縞が除去された輝度分布画像によって前記複数のX線スキャン画像の輝度値のばらつきを低減する補正を行うように構成されている、請求項1に記載のX線イメージング装置。
  4. 前記画像処理部は、格子の1周期分の前記複数のモアレ画像間の各画素の画素値を平均化することによりモアレ縞を除去して前記輝度分布画像を生成するように構成されている、請求項3に記載のX線イメージング装置。
  5. 前記画像処理部は、前記複数のX線スキャン画像の画素値を、前記輝度分布画像の画素値によって除算することにより前記複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている、請求項3に記載のX線イメージング装置。
  6. 前記第1の移動機構による前記被写体または前記撮像系の移動方向と、前記複数の格子のうち少なくとも1枚の格子の延びる方向とが、異なっている場合に、前記画像処理部は、前記複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている、請求項1に記載のX線イメージング装置。
  7. 前記画像処理部は、前記検出器の上下方向とほぼ平行な方向に前記第1格子および前記第2格子のうち少なくとも1枚の格子が延びる場合と、前記検出器の上下方向とほぼ直交する方向に前記第1格子および前記第2格子のうち少なくとも1枚の格子が延びる場合との両方において前記複数のX線スキャン画像を取得するとともに、前記検出器の上下方向とほぼ平行な方向に前記第1格子および前記第2格子のうち少なくとも1枚の格子が延びる場合でかつ前記第1の移動機構による前記被写体または前記撮像系の移動方向と、前記複数の格子のうち少なくとも1枚の格子の延びる方向が前記検出器の上下方向とほぼ直交する方向である場合に、前記複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するように構成されている、請求項6に記載のX線イメージング装置。
  8. 前記画像処理部は、前記複数のX線スキャン画像のモアレ縞に重畳した明暗のグラデーションを除去するとともに、グラデーションが除去された前記複数のX線スキャン画像と前記複数のモアレ画像の位相情報とに基づいて位相微分像を生成するように構成されている、請求項1に記載のX線イメージング装置。
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