JPWO2020158651A1 - アンテナモジュールおよびそれを搭載した通信装置 - Google Patents

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Abstract

アンテナモジュール(10)は、外周に沿って開口が形成されるスリット(33)が形成された接地電極(30)と、接地電極(30)に配置された第1アンテナ(110)および第2アンテナ(110A)と、スリット(33)の内部において接地電極(30)に接続された低結合化電極(200)とを備える。スリット(33)は、接地電極の外周に沿って、第1アンテナ(110)から第2アンテナ(110A)に至る経路に形成されている。低結合化電極(200)は、第1周波数に対応する長さを有する第1導体(220)と、第1周波数よりも高い第2周波数に対応する長さを有する第2導体(230)とを含む。

Description

本開示は、アンテナモジュールおよびそれを搭載した通信装置に関し、より特定的には、複数のアンテナを有するアンテナモジュールにおいて、アンテナ間のアイソレーションを確保しつつ、接地電極の面積を有効に利用することである。
2つのアンテナを有するアンテナモジュールにおいては、アンテナ間における電波の干渉を低減することが必要とされる。特開2008−283464号公報(特許文献1)においては、導電層(接地電極)の同一辺上に配置された2つのアンテナ間に、各アンテナの共振周波数に対応する波長の1/4の長さの切り欠き(スリット)を形成する構成が開示されている。このような構成によって、一方のアンテナからの信号が他方のアンテナに伝達されることを抑制し、アンテナ間のアイソレーションを確保することができる。
特開2008−283464号公報
近年、スマートフォンなどの携帯端末における通信品質の向上のために、複数の周波数帯域の信号を用いたマルチバンド通信が進められている。このようなマルチバンド通信に対応した通信装置において、複数の周波数帯域の信号に対してアンテナ間のアイソレーションを確保することが必要とされる。特許文献1のようなスリットの形成によりアイソレーションを確保する場合、使用される信号の周波数帯域に対応したスリットを接地電極に個別に形成することが必要となる。そうすると、アンテナが配置される接地電極におけるスリットの占有面積が大きくなり、接地電極に実装される部品の配置が制約される場合が生じ得る。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数のアンテナを有するアンテナモジュールにおいて、アンテナ間のアイソレーションを確保しつつ、接地電極の面積を有効に利用することである。
本開示のある局面に従うアンテナモジュールは、外周に開口が形成される第1スリットが形成された接地電極と、接地電極に配置された第1アンテナおよび第2アンテナと、第1スリットの内部において接地電極に接続された低結合化電極とを備える。第1スリットは、接地電極の外周に沿って、第1アンテナから第2アンテナに至る経路に形成されている。低結合化電極は、第1周波数に対応する長さを有する第1導体と、第1周波数よりも高い第2周波数に対応する長さを有する第2導体とを含む。
本開示によるアンテナモジュールによれば、2つのアンテナ間に形成された1つのスリットの内部に設けられた低結合化電極が、2つの周波数に対応して共振することによって、一方のアンテナからの信号が他方のアンテナに伝達されることが抑制される。したがって、アンテナ間のアイソレーションを確保しつつ、接地電極の面積を有効に利用することが可能となる。
実施の形態1に係るアンテナモジュールが適用される通信装置のブロック図である。 実施の形態1に係るアンテナ装置の平面図である。 図2のアンテナ素子の構造の詳細を示す図である。 図2の低結合部の構造の詳細を示す図である。 比較例1のアンテナ装置の平面図である。 実施の形態1および比較例1のアンテナ装置におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための第1図である。 実施の形態1および比較例1のアンテナ装置におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための第2図である。 実施の形態2に係るアンテナ装置の平面図である。 比較例2のアンテナ装置の平面図である。 実施の形態2および比較例2のアンテナ装置におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための第1図である。 実施の形態2および比較例2のアンテナ装置におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための第2図である。 変形例1のアンテナ装置の平面図である。 実施の形態3に係るアンテナ装置の平面図である。 比較例3のアンテナ装置の平面図である。 実施の形態3および比較例3のアンテナ装置におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための第1図である。 実施の形態3および比較例3のアンテナ装置におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための第2図である。 変形例2のアンテナ装置の平面図である。 実施の形態4の第1例における低結合部を示す図である。 実施の形態4の第1例および比較例1のアンテナ装置におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための第1図である。 実施の形態4の第1例および比較例1のアンテナ装置におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための第2図である。 実施の形態4の第2例における低結合部を示す図である。 実施の形態4の第2例および比較例1のアンテナ装置におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための第1図である。 実施の形態4の第2例および比較例1のアンテナ装置におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための第2図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
(通信装置の基本構成)
図1は、実施の形態1に係るアンテナモジュール10が搭載された通信装置1のブロック図の一例である。通信装置1は、たとえば、携帯電話、スマートフォンあるいはタブレットなどの携帯端末や、通信機能を備えたパーソナルコンピュータのような端末装置である。本実施の形態に係るアンテナモジュール10に用いられる電波の周波数帯域の一例は、たとえばWi−FiまたはBluetooth(登録商標)に用いられる2.4GHz(2400MHz〜2500MHz)付近および5GHz(5150MHz〜5800MHz)付近を中心周波数とする電波であるが、上記以外の周波数帯域の電波についても適用可能である。
図1を参照して、通信装置1は、アンテナモジュール10と、ベースバンド信号処理回路を構成するBBIC50とを備える。アンテナモジュール10は、アンテナ装置100と、給電回路の一例であるRFIC150とを備える。通信装置1は、BBIC50からアンテナモジュール10へ伝達された信号を高周波信号にアップコンバートしてアンテナ装置100から放射するとともに、アンテナ装置100で受信した高周波信号をダウンコンバートしてBBIC50にて信号を処理する。
アンテナ装置100においては、基板上に複数のアンテナ素子(放射素子)が形成される。図1の例においては、2つのアンテナ素子110,110Aが形成されている。また、アンテナ装置100においては、一方のアンテナ素子からの信号が他方のアンテナ素子へ伝達されることを抑制するための低結合部200が形成されている。アンテナ装置100の詳細な構成については、図2〜図4で後述する。なお、実施の形態における「アンテナ素子」は、本開示における「アンテナ」に対応する。
RFIC150は、スイッチ151A,151B,153A,153B,157と、パワーアンプ152AT,152BTと、ローノイズアンプ152AR,152BRと、減衰器154A,154Bと、信号合成/分波器156と、ミキサ158と、増幅回路159とを備える。
高周波信号を送信する場合には、スイッチ151A,151B,153A,153B,がパワーアンプ152AT,152BT側へ切換えられるとともに、スイッチ157が増幅回路159の送信側アンプに接続される。高周波信号を受信する場合には、スイッチ151A,151B,153A,153Bがローノイズアンプ152AR,152BR側へ切換えられるとともに、スイッチ157が増幅回路159の受信側アンプに接続される。
BBIC50から伝達された信号は、増幅回路159で増幅され、ミキサ158でアップコンバートされる。アップコンバートされた高周波信号である送信信号は、信号合成/分波器156で2分波され、2つの信号経路を通過して、アンテナ素子110,110Aに給電される。
各アンテナ素子で受信された高周波信号である受信信号は、それぞれ、異なる信号経路を経由し、信号合成/分波器156で合波される。合波された受信信号は、ミキサ158でダウンコンバートされ、増幅回路159で増幅されてBBIC50へ伝達される。
RFIC150は、例えば、上記回路構成を含む1チップの集積回路部品として形成される。あるいは、RFIC150における各アンテナ素子に対応する機器(スイッチ、パワーアンプ、ローノイズアンプ、減衰器)については、対応するアンテナ素子毎に1チップの集積回路部品として形成されてもよい。
(アンテナ装置の構成)
図2〜図4を用いて、アンテナ装置100の詳細な構成について説明する。図2は、図1のアンテナ装置100の平面図である。図3は、アンテナ素子110(110A)の構造の詳細を示す図であり、図4は、低結合部200の構造の詳細を示す図である。
図2〜図4を参照して、アンテナ装置100は、基板を構成する導体部30を有する。導体部30は、たとえば樹脂基板上に銅などの導電性材料が配置された構成を有しており、接地電極GNDとして機能する。導体部30は、略矩形形状を有しており、互いに隣り合う辺40および辺41とを有している。実施の形態1のアンテナ装置100においては、辺40にアンテナ素子110が形成され、辺41にアンテナ素子110Aが形成されている。また、辺40および辺41に沿って、アンテナ素子110からアンテナ素子110Aに至る経路に、低結合部200が形成されている。図2においては、低結合部200は、辺40に形成されている。言い換えれば、低結合部200は、接地電極GNDとして機能する導体部30の外周に沿った、アンテナ素子110からアンテナ素子110Aに至る経路のうち、より短い経路に形成されている。
実施の形態1においては、アンテナ素子110,110Aは、いわゆるノッチアンテナであり、導体部30の周囲に沿って開口が形成されたスリット31,32の内部に配置された放射電極111に高周波信号が供給されることによって、アンテナとして機能する。
図3は、アンテナ素子110の詳細な構造を示す図である。なお、アンテナ素子110Aについても同様の構成であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
図3を参照して、スリット31は、導体部30の辺40に沿って開口が形成されている。以下の説明において、導体部30(接地電極)の外周に開口が形成されたスリットにおける、導体部30の辺に沿ったこの開口部分を、以下では「開口端」とも称する。スリット31は、開口端311に対向し、開口端311よりも導体部30の内側に閉口端312を有している。さらに、スリット31は、開口端311と閉口端312との間に、互いに対向する側端313,314を有している。
アンテナ素子110は、上述のスリット31内に、導体パターンと、周波数調整素子115,115と、給電部SPとを含む。なお、導体パターンおよび周波数調整素子で形成される構成が上述の「放射電極111」に対応する。
導体パターンは、導体部30が形成される樹脂基板上に、銅などの導電性材料を用いて形成されている。なお、導体パターンは、導体部30をエッチング等によってパターニングすることによって形成してもよい。導体パターンは、導体部30とは電気的に絶縁されている。
導体パターンは、共通導体112と、第1導体113と、第2導体114とを含んで構成される。共通導体112は、スリット31の開口端311側において、側端314から側端313に向かう方向に、辺40と平行に延在している。共通導体112の一方端は、周波数調整素子115を介して、第1導体113の一方端に接続されている。また、共通導体112の他方端と側端314との間には給電部SPが配置されている。
第1導体113は、側端313に沿って延在する第1部分1131と、第1部分1131の端部に一方端が接続され、閉口端312に沿って側端313から側端314に向かう方向に延在する第2部分1132とを有する。また、第1導体113は、第2部分1132の端部に一方端が接続され、側端314に沿って閉口端312から開口端311に向かう方向に延在する第3部分1133をさらに有する。第3部分1133の他方端は開放端となっている。すなわち、第1導体113は、角ばったJ字形状に形成されている。
第2導体114は、第1導体113と平行に、開口端311から閉口端312に向かう方向に延在している。第2導体114の一方端は、周波数調整素子116を介して、共通導体112に接続されている。第2導体114の他方端は開放端とされており、第1導体113における第3部分1133の開放端と対向している。
給電部SPは、図1のRFIC150に接続されており、RFIC150からの高周波信号を放射電極111に供給する。周波数調整素子は、たとえばインダクタおよび/またはキャパシタを含んで構成されるチップ素子である。
導体パターンを構成する共通導体112,第1導体113,第2導体114の各々は、インダクタとして機能する。導体パターンは、対向する導体部30との間でキャパシタを形成する。また、第1導体113の開放端と、対向する第2導体114の開放端との間でもキャパシタが形成される。第1導体113および第2導体114の開放端では、他の部分に比べて電界強度が大きくなるので、双方の開放端を対向させることによって、キャパシタンスを効率的に稼ぐことができる。
共通導体112、周波数調整素子115および第1導体113で形成される部分は、RFIC150から供給される第1周波数(たとえば、2.4GHz)で共振するように、各部のインダクタンスおよびキャパシタンスが調整される。また、共通導体112,周波数調整素子116および第2導体114で形成される部分は、RFIC150から供給される第2周波数(たとえば、5GHz)で共振するように、各部のインダクタンスおよびキャパシタンスが調整される。
このとき、周波数調整素子115は、第1周波数において、給電部SPから第1導体113を見たときのインピーダンスが、給電部SPから第2導体114を見たときのインピーダンスよりも低くなるように構成される。また、周波数調整素子116は、第2周波数において、給電部SPから第2導体114を見たときのインピーダンスが、給電部SPから第1導体113を見たときのインピーダンスよりも低くなるように構成される。
このような構成とすることによって、給電部SPから第1周波数の信号が供給された場合には、第1周波数の信号は周波数調整素子115を通過するが、周波数調整素子116は通過しにくくなる。一方、給電部SPから第2周波数の信号が供給された場合には、第2周波数の信号は周波数調整素子116を通過するが、周波数調整素子115は通過しにくくなる。すなわち、周波数調整素子115および周波数調整素子116は、所定の周波数の信号を選択的に通過させるフィルタとして機能する。これによって、アンテナ素子110は、第1周波数の信号および第2周波数の信号を放射可能な、いわゆるデュアルバンド型のアンテナとして機能する。
ノッチアンテナにおいては、一般的には、スリット長(側端の長さ)が放射すべき電波に対応する波長λの1/4の長さであるスリットに対して高周波信号を供給することによって、電波が放射される。図3に示すような放射電極をスリット内に配置することによって、スリット長を短くすることができる。
なお、図3においては、周波数調整素子115,116は必須の構成ではない。第1導体113および第2導体114に対して、2つの高周波信号を選択的に供給することができるように各部のインピーダンスが調整できれば、周波数調整素子115,116の一方あるいは双方が設けられなくてもよい。
図4は、図2の低結合部200の構造の詳細を示す図である。低結合部200は、開口端331、閉口端332および側端333,334を有するスリット33の内部に低結合化電極205が配置された構成を有している。
低結合化電極205は、共通導体210、第1導体220および第2導体230を含む導体パターンと、周波数調整素子240,250とで構成されている。低結合化電極205は、図3で説明したアンテナ素子110,110Aとほぼ同様の構成を有しているが、共通導体210が導体部30に接続されている点が異なっている。
すなわち、共通導体210は、スリット33の開口端331側において、側端334から側端333に向かう方向に、辺40と平行に延在している。共通導体210の一方端は、周波数調整素子240を介して第1導体220の一方端に接続されている。共通導体210の他方端は、導体部30に接続されている。
第1導体220は、側端333に沿って延在する第1部分221と、第1部分221の端部に一方端が接続され、閉口端332に沿って側端333から側端334に向かう方向に延在する第2部分222とを有する。また、第1導体220は、第2部分222の端部に一方端が接続され、側端334に沿って閉口端332から開口端331に向かう方向に延在する第3部分223をさらに有する。第3部分223の他方端は開放端となっている。すなわち、第1導体220は、角ばったJ字形状に形成されている。
第2導体230は、第1導体220と平行に、開口端331から閉口端332に向かう方向に延在している。第2導体230の一方端は、周波数調整素子250を介して、共通導体210に接続されている。第2導体230の他方端は開放端とされており、第1導体220における第3部分223の開放端と対向している。
低結合化電極205においては、共通導体210、周波数調整素子240および第1導体220で形成される部分の共振周波数が第1周波数(2.4GHz)となるように、各部のインダクタンスおよびキャパシタンスが調整される。また、共通導体210、周波数調整素子250および第2導体230で形成される部分の共振周波数が第2周波数(5GHz)となるように、各部のインダクタンスおよびキャパシタンスが調整される。
なお、低結合化電極205においても、周波数調整素子240,250は必須の構成ではない。第1導体220および第2導体230が、2つの高周波信号に対応して選択されるように各部のインピーダンスが調整できれば、周波数調整素子240,250の一方あるいは双方が設けられなくてもよい。
このような構成とすることによって、スリット33が形成されている導体部30の辺40に沿って流れる第1周波数を有する電流、および第2周波数を有する電流が、スリット33の開口端331においてキャンセルされる。すなわち、低結合部200は、特定の周波数帯域の信号を遮断するフィルタとして機能し、アンテナ素子110,110Aに第1周波数の信号および第2周波数の信号が供給された場合に、一方のアンテナ素子から他方のアンテナ素子に信号が伝達されることを抑制することができる。したがって、低結合部200によって、アンテナ素子110,110A間のアイソレーションを確保することができる。
複数のアンテナ素子を有するアンテナモジュールにおいて、2つのアンテナ素子間の信号の干渉防止(アイソレーションの確保)のために、アンテナ素子間の接地電極に、放射すべき高周波信号の波長の1/4の長さのスリットを形成する構成が知られている。このような構成において、アンテナ素子から複数の周波数帯域の信号を放射する場合、各周波数帯域に対応したスリットを接地電極に個別に形成することが必要となる。そうすると、アンテナ素子が配置される接地電極におけるスリットの占有面積が大きくなり、接地電極に実装される部品の配置が制約される場合が生じ得る。
本実施の形態1に係るアンテナモジュールにおいては、接地電極の外周に沿って開口が形成されたスリットの内部に、アンテナ素子から放射される2つの信号に対応する周波数帯域で共振するように構成された低結合化電極を形成することによって、一方のアンテナ素子から他方のアンテナ素子に信号が伝達されることを抑制する。このような構成とすることで、上述のような、放射される2つの信号に対応したスリットを個別に形成する場合と比べて、接地電極において、より少ない占有面積を用いて同等以上のアイソレーションを確保することができる。
以下、スリットを個別に形成した場合(比較例1)と、実施の形態1の構成の場合とにおける、アンテナ素子間のアイソレーションについて比較する。
図5は、比較例1のアンテナ装置100#の平面図である。アンテナ装置100#においては、実施の形態1の低結合部200に代えて、2つのスリット34,35が導体部30に形成されている。スリット34の開口端から閉口端までの長さ(スリット長)は、アンテナ素子110,110Aから放射される電波のうち、低周波数側の第1周波数に対応する波長λLBの1/4とされている。これにより、スリット34は開口端における導体部30の端部間で、導体部30を流れる電流が互いに逆位相となり、辺40に沿って導体部30を流れる電流がキャンセルされるので、一方のアンテナ素子から他方のアンテナ素子への第1周波数の高周波信号の伝達を抑制できる。また、スリット35については、そのスリット長は、高周波数側の第2周波数に対応する波長λHBの1/4とされている。これにより、スリット34と同様に、一方のアンテナ素子から他方のアンテナ素子への第2周波数の高周波信号の伝達を抑制できる。
このように、比較例1のようなスリット34,35を有する構成のアンテナ装置100#においても、実施の形態1の低結合部200と同様の機能が奏される。しかしながら、図2と図5との比較からわかるように、比較例1においては、実施の形態1の構成に比べて導体部30を切り欠く面積が大きくなる。これにより、接地電極GNDである導体部30への各種部品の配置の自由度が制限されてしまい、アンテナモジュールおよび通信装置の小型化を妨げる要因となり得る。
実施の形態1における低結合部200のような構成では、第1周波数および第2周波数の2つの周波数に対して1つのスリット33のみが形成されており、さらに、スリット33内部に配置された低結合化電極205によってインダクタンスおよびキャパ心タンスが調整されて、スリット33のスリット長dを、少なくとも低周波数側の第1周波数に対応する波長λLBの1/4よりも小さくすることができる(d<λLB/4)。したがって、実施の形態1のような低結合部の構成を採用することによって、アンテナ素子間のアイソレーションを確保しつつ、接地電極(導体部30)の面積を有効に利用することが可能となる。
図6および図7は、実施の形態1のアンテナ装置100および比較例1のアンテナ装置100#におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための図である。図6においては、周波数に対するアイソレーションの変化を示すグラフであり、横軸には周波数が示され縦軸にはアイソレーションが示される。図7は、対象となる2つの周波数帯域(2.4GHz帯,5GHz帯)におけるアイソレーションを数値で示した表である。なお、図6において、実線LN10が実施の形態1の場合のアイソレーションを示しており、破線LN11が比較例の場合のアイソレーションを示している。
図6および図7に示されるように、対象となる第1周波数の帯域(2.4GHz帯)および第2周波数の帯域(5GHz帯)においては、実施の形態1の低結合部200の場合、比較例1の場合に比べて同等あるいはそれ以上のアイソレーションが確保できていることがわかる。すなわち、実施の形態1の低結合部200のような構成を用いることで、導体部30において、より少ない占有面積を用いて同等以上のアイソレーションを確保することができる。これにより、導体部30の面積を有効に利用することが可能となり、さらにはアンテナ装置の小型化にも寄与することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1においては、2つのアンテナ装置がノッチアンテナである場合の例について説明したが、導体部に形成されるアンテナ装置はノッチアンテナ以外の構成であってもよい。
実施の形態2においては、アンテナ装置の少なくとも一方が、ノッチアンテナ以外の構成である場合の例について説明する。
図8は、実施の形態2に係るアンテナ装置100Aの平面図である。図8を参照して、アンテナ装置100Aにおいては、実施の形態1におけるノッチアンテナのアンテナ素子110,110Aに代えて、線状アンテナとして形成されたアンテナ素子120,120Aが配置されている。
アンテナ装置100Aにおいては、導体部30の辺40,41の部分の樹脂基板60が導体部分よりも大きくなっている。この樹脂基板60の部分において、辺40にアンテナ素子120を構成する導体パターンが形成されており、辺41にアンテナ素子120Aを構成する導体パターンが形成されている。
図8の例においては、アンテナ素子120,120Aの各々は、2つの周波数帯域(第1周波数,第2周波数)の電波を放射することができるモノポールアンテナである。アンテナ素子120,120Aの各々は、概略的には、実施の形態1のノッチアンテナのスリット内部に設けられる放射電極と類似の構成を有しており、共通導体に対して、周波数調整素子を介して第1周波数に対応した第1導体および第2周波数に対応した第2導体が接続されている。共通導体には給電部によりRFIC150からの高周波信号が供給される。
図9は、比較例2のアンテナ装置100A#の平面図である。アンテナ装置100A#においては、比較例1と同様に、図8のアンテナ装置100Aの低結合部200が2つのスリット34,35に置き換わった構成となっている。
図10および図11は、実施の形態2のアンテナ装置100Aおよび比較例2のアンテナ装置100A#におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための図である。図10および図11についても、実施の形態1の図6および図7と同様に、図10には周波数に対するアイソレーションの変化を示すグラフが示されており、図11には対象となる2つの周波数帯域におけるアイソレーションが数値で示されている。なお、図10においては、実線LN20が実施の形態2の場合を示しており、破線LN21が比較例2の場合を示している。
図10および図11に示されるように、対象となる2.4GHz帯および5GHz帯の周波数帯域のいずれにおいても、実施の形態2の低結合部200の場合には、比較例2の場合に比べて同等あるいはそれ以上のアイソレーションが確保できている。
このように、実施の形態1および実施の形態2で示した低結合部の機能は、アンテナ装置におけるアンテナ素子の構成には依存しない。そのため、たとえば図12に示される変形例1のアンテナ装置100Bのように、2つのアンテナ素子のうち一方のアンテナ素子がノッチアンテナとして形成され、他方のアンテナ素子が線状アンテナとして形成されるような構成であってもよい。
[実施の形態3]
実施の形態1および実施の形態2においては、2つのアンテナ素子が、導体部(接地電極)の互いに隣り合う異なる辺に配置される構成について説明した。
実施の形態3においては、2つのアンテナ素子が導体部の同じ辺に配置される構成の例について説明する。
図13は、実施の形態3に係るアンテナ装置100Cの平面図である。アンテナ装置100Cにおいては、実施の形態2において辺41に配置されていたアンテナ素子120Aが、アンテナ素子120と同じ辺40に配置された構成となっている。アンテナ素子120は辺40の一方の端部に配置され、アンテナ素子120Aは辺40の他方の端部に配置されている。また、アンテナ素子120とアンテナ素子120Aとは、辺40の中央を通る仮想線CL1に対して対称となるように配置されている。
低結合部200は、辺40において、アンテナ素子120とアンテナ素子120Aとの間に形成されている。なお、図13の例においては、低結合部200は、辺40の中央部に配置されている。
なお、図13においては、2つのアンテナ素子が線状アンテナである場合の例について示しているが、アンテナ素子の構成についてはこれに限定されない。実施の形態1のように、2つのアンテナ素子がノッチアンテナであってもよいし、図12の変形例1のように一方がノッチアンテナで他方が線状アンテナである構成であってもよい。
図14は、比較例3のアンテナ装置100C#の平面図である。アンテナ装置100C#においては、図13のアンテナ装置100Cの低結合部200が2つのスリット34,35に置き換わった構成となっている。
図15および図16は、実施の形態3のアンテナ装置100Cおよび比較例3のアンテナ装置100C#におけるアンテナ間のアイソレーションを説明するための図である。図15には周波数に対するアイソレーションの変化を示すグラフが示されており、図16には対象となる2つの周波数帯域におけるアイソレーションが数値で示されている。なお、図15においては、実線LN30が実施の形態3の場合を示しており、破線LN31が比較例3の場合を示している。
図15および図16に示されるように、対象となる2.4GHz帯および5GHz帯の周波数帯域のいずれにおいても、実施の形態3の低結合部200の場合には、比較例3の場合に比べて同等あるいはそれ以上のアイソレーションが確保できている。
なお、図13においては、矩形状の導体部の同じ辺に形成された2つのアンテナ素子が、導体部(接地電極)に対して対称に配置される例について示したが、実施の形態1および実施の形態2のように、互いに隣り合う2つの辺の各々にアンテナ素子が配置される場合において、2つの辺が接する角部に対して、2つのアンテナ素子が対称に配置される構成であってもよい。具体的には、図17に示される変形例2のアンテナ装置100Dのように、辺40と辺41とが接する角部C1を2等分する仮想線CL2に対して、アンテナ素子120とアンテナ素子120Aとが対称配置される構成であってもよい。
[実施の形態4]
上述の実施の形態2,3においては、アンテナ素子の配置が異なる例について説明した。以下の実施の形態4においては、低結合部200における低結合化電極の異なる構成について説明する。なお、実施の形態4のアンテナ装置は、図2に示した実施の形態1のアンテナ装置100の構成をベースとし、低結合部200の低結合化電極205の構成のみを変更したものである。そのため、実施の形態4においては、アンテナ装置における低結合部の構成のみを説明し、他の構成についての説明は繰り返さない。
(第1例)
図18は、実施の形態4の第1例における低結合部200Aを示す図である。低結合部200Aの低結合化電極205Aにおいては、実施の形態1の低結合化電極205に比べて共通導体の部分が短くなっている。
図18を参照して、低結合部200Aの低結合化電極205Aにおける共通導体210Aは、スリット33の側端334から側端333に向かう方向に辺40と平行に延在する第1部分211と、第1部分211の端部から閉口端332の方向に屈曲した第2部分212とを有する、略L字形状を有している。
共通導体210Aの屈曲部分には、周波数調整素子240を介して第1導体220Aが接続されている。第1導体220Aは、実施の形態1の低結合化電極205における第1導体220の構成(第1部分221,第2部分222,第3部分223)に加えて、側端333に沿った第1部分221の開口端331側の端部から共通導体210Aに向かう方向に延在する第4部分224をさらに含む。
また、共通導体210Aの第2部分212における閉口端332側の端部には、周波数調整素子250を介して第2導体230Aが接続されている。第2導体230Aは、周波数調整素子250から側端333に向かう方向に延在する第1部分231と、第1部分231の側端333側の端部から屈曲し、側端333に平行に延在する第2部分232とを含む。第2部分232の開放端は、第1導体220Aの第3部分223の開放端と対向している。
低結合化電極205Aの構成においても、共通導体210A、周波数調整素子240および第1導体220Aで形成される部分の共振周波数が第1周波数(2.4GHz)となるように、各部のインダクタンスおよびキャパシタンスが調整される。また、共通導体210A、周波数調整素子250および第2導体230Aで形成される部分の共振周波数が第2周波数(5GHz)となるように、各部のインダクタンスおよびキャパシタンスが調整される。これにより、低結合部200Aは、実施の形態1の低結合部200と同様の機能を奏する。なお、低結合化電極205Aにおいても、周波数調整素子240,250の一方あるいは双方が設けられなくてもよい。
図19および図20は、第1例の低結合部200Aを含むアンテナ装置および比較例1のアンテナ装置100#におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための図である。図19には周波数に対するアイソレーションの変化を示すグラフが示されており、図20には対象となる2つの周波数帯域におけるアイソレーションが数値で示されている。なお、図19においては、実線LN40が第1例の場合を示しており、破線LN41が比較例1の場合を示している。
図19および図20に示されるように、対象となる2.4GHz帯および5GHz帯の周波数帯域のいずれにおいても、実施の形態4の第1例における低結合部200Aの場合には、比較例1の場合に比べて同等あるいはそれ以上のアイソレーションが確保できている。
なお、低結合電極における第1導体および第2導体を共通導体を介して接地電極に接続することによって、共通導体を用いない場合に比べて、第1導体と第2導体の導体間の容量バラツキを低減することができる。また、共通導体の長さを調整することで、周波数調整素子の感度を調整することができる。
(第2例)
実施の形態1の低結合部200および実施の形態4の第1例の低結合部200Aにおいては、低結合化電極205,205Aには、第1周波数および第2周波数の双方の場合に電流が通過する共通導体210,210Aが含まれる構成の例について説明した。
実施の形態4の第2例においては、低結合化電極に共通導体を含まない構成の例について説明する。
図21は、実施の形態4の第2例における低結合部200Bを示す図である。低結合部200Bの低結合化電極205Bにおいては、第1周波数に対応する第1導体220Bと、第2周波数に対応する第2導体230Bとが、個別に導体部30に接続される構成となっている。
第1導体220Bは、第1例の第1導体220Aと同様に、第1部分221〜第4部分224を含む。第1導体220Bの第4部分224は、第1部分221の開口端331側の端部から側端334に向かう方向に辺40に沿って延在し、周波数調整素子240を介して導体部30に接続される。
第2導体230Bも、実施の形態4の第2導体230Aと同様に、第1部分231および第2部分232を含む。第1部分231は、第2部分232の開口端331側の端部から側端334に向かう方向に辺40に沿って延在し、周波数調整素子250を介して導体部30に接続される。
低結合化電極205Bの構成においても、第1導体220Bおよび周波数調整素子240で形成される部分の共振周波数が第1周波数(2.4GHz)となるように、各部のインダクタンスおよびキャパシタンスが調整される。また、第2導体230Bおよび周波数調整素子250で形成される部分の共振周波数が第2周波数(5GHz)となるように、各部のインダクタンスおよびキャパシタンスが調整される。これにより、低結合部200Bは、実施の形態1の低結合部200と同様の機能を奏する。なお、低結合化電極205Bにおいても、周波数調整素子240,250の一方あるいは双方が設けられなくてもよい。
図22および図23は、第2例の低結合部200Bを含むアンテナ装置および比較例1のアンテナ装置100#におけるアンテナ間のアイソレーションを説明するための図である。図22には周波数に対するアイソレーションの変化を示すグラフが示されており、図20には対象となる2つの周波数帯域におけるアイソレーションが数値で示されている。なお、図23においては、実線LN50が第2例の場合を示しており、破線LN51が比較例1の場合を示している。
図22および図23に示されるように、対象となる2.4GHz帯および5GHz帯の周波数帯域のいずれにおいても、実施の形態4の第2例における低結合部200Bの場合には、比較例1の場合に比べて同等あるいはそれ以上のアイソレーションが確保できている。また、このように、共通導体を用いずに低結合化電極を個別に接地電極に接続することで、周波数調整素子の感度が高くなり、周波数の調整範囲を拡大することができる。
以上説明したように、導体部(接地電極)に配置された2つのアンテナ素子を有するアンテナモジュールにおいて、一方のアンテナ素子から他方のアンテナ素子に至る経路において、スリット内部に2つの周波数(第1周波数,第2周波数)に対してそれぞれ共振する低結合化電極を形成することによって、2つのアンテナ素子間のアイソレーションを確保しつつ、導体部の面積を有効に利用することができる。このとき、低結合化電極における、第1周波数に対応する第1導体の開放端と、第2周波数に対応する第2導体の開放端とを対向させて、効率的にキャパシタンスを得ることによって、低結合化電極を小型化することができる。
なお、上記の説明においては、2つのアンテナ素子の双方が2つの異なる周波数帯域の高周波信号を放出することが可能な、いわゆるデュアルバンド型のアンテナ素子である場合を例として説明したが、各アンテナ素子は必ずしもデュアルバンド型のアンテナ素子でなくてもよい。
たとえば、一方のアンテナ素子が第1周波数および第2周波数の2つの周波数帯域の信号を放射可能なデュアルバンド型のアンテナ素子であり、他方のアンテナ素子が第1周波数および第2周波数のどちらか一方のみの信号を放射可能なシングルバンド型のアンテナ素子であってもよい。
あるいは、2つのアンテナ素子がいずれもシングルバンド型のアンテナ素子であり、一方のアンテナ素子が第1周波数の信号を放射可能なアンテナ素子であり、他方のアンテナ素子が第2周波数の信号を放射可能なアンテナ素子であるような場合であってもよい。
さらに、2つのアンテナ素子がいずれもシングルバンド型のアンテナ素子であり、双方が同じ周波数帯域の信号を放射するような場合であっても、上述のような低結合部を採用することができる。より詳細には、放射される信号の周波数帯域幅が広く、当該周波数帯域内に2つの減衰域が必要となるような、いわゆるマルチバンド型のアンテナ装置の場合には、この2つの減衰域に対応する周波数の信号を遮断するように低結合部を形成することで、アンテナ素子間のアイソレーションを確保することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 通信装置、10 アンテナモジュール、112,210,210A 共通導体、30 導体部、31〜35 スリット、40,41 辺、60 樹脂基板、100,100A〜100D,100A#,100C# アンテナ装置、110,110A,120,120A アンテナ素子、111 放射電極、113,220,220A,220B 第1導体、114,230,230A,230B 第2導体、115,116,240,250 周波数調整素子、151A,151B,153A,153B,157 スイッチ、152AR,152BR ローノイズアンプ、152AT,152BT パワーアンプ、154A,154B 減衰器、156 信号合成/分波器、158 ミキサ、159 増幅回路、200,200A,200B 低結合部、205,205A,205B 低結合化電極、211,221,231,1131 第1部分、212,222,232,1132 第2部分、223,1133 第3部分、224 第4部分、311,331 開口端、312,332 閉口端、313,314,333,334 側端、C1 角部、GND 接地電極、SP 給電部。
[実施の形態1]
(通信装置の基本構成)
図1は、実施の形態1に係るアンテナモジュール10が搭載された通信装置1のブロック図の一例である。通信装置1は、たとえば、携帯電話、スマートフォンあるいはタブレットなどの携帯端末や、通信機能を備えたパーソナルコンピュータのような端末装置である。本実施の形態に係るアンテナモジュール10に用いられる電波の周波数帯域の一例は、たとえばWi−FiまたはBluetooth(登録商標)に用いられる2.4GHz(2400MHz〜2500MHz)付近および5GHz(5150MHz〜5800MHz)付近を中心周波数とする帯域であるが、上記以外の周波数帯域の電波についても適用可能である。
アンテナ素子110は、上述のスリット31内に、導体パターンと、周波数調整素子115,116と、給電部SPとを含む。なお、導体パターンおよび周波数調整素子で形成される構成が上述の「放射電極111」に対応する。
図6および図7は、実施の形態1のアンテナ装置100および比較例1のアンテナ装置100#におけるアンテナ素子間のアイソレーションを説明するための図である。図6においては、周波数に対するアイソレーションの変化を示すグラフであり、横軸には周波数が示され縦軸にはアイソレーションが示される。図7は、対象となる2つの周波数帯域(2.4GHz帯,5GHz帯)におけるアイソレーションを数値で示した表である。なお、図6において、実線LN10が実施の形態1の場合のアイソレーションを示しており、破線LN11が比較例1の場合のアイソレーションを示している。
[実施の形態2]
実施の形態1においては、2つのアンテナ素子がノッチアンテナである場合の例について説明したが、導体部に形成されるアンテナ素子はノッチアンテナ以外の構成であってもよい。
実施の形態2においては、アンテナ素子の少なくとも一方が、ノッチアンテナ以外の構成である場合の例について説明する。
なお、低結合化電極における第1導体および第2導体を共通導体を介して接地電極に接続することによって、共通導体を用いない場合に比べて、第1導体と第2導体の導体間の容量バラツキを低減することができる。また、共通導体の長さを調整することで、周波数調整素子の感度を調整することができる。
図22および図23は、第2例の低結合部200Bを含むアンテナ装置および比較例1のアンテナ装置100#におけるアンテナ間のアイソレーションを説明するための図である。図22には周波数に対するアイソレーションの変化を示すグラフが示されており、図22には対象となる2つの周波数帯域におけるアイソレーションが数値で示されている。なお、図23においては、実線LN50が第2例の場合を示しており、破線LN51が比較例1の場合を示している。

Claims (17)

  1. 外周に沿って開口が形成される第1スリットが形成された接地電極と、
    前記接地電極に配置された第1アンテナおよび第2アンテナと、
    前記第1スリットの内部において前記接地電極に接続された低結合化電極とを備え、
    前記第1スリットは、前記接地電極の外周に沿って、前記第1アンテナから前記第2アンテナに至る経路に形成されており、
    前記低結合化電極は、第1周波数に対応する長さを有する第1導体と、前記第1周波数よりも高い第2周波数に対応する長さを有する第2導体とを含む、アンテナモジュール。
  2. 前記第1導体および前記第2導体は、前記接地電極に接続される第1端部と、開放状態の第2端部とを有しており、
    前記第1導体の第2端部と前記第2導体の第2端部とは互いに対向している、請求項1に記載のアンテナモジュール。
  3. 前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの少なくとも一方は、前記第1周波数および前記第2周波数の双方の信号を送信可能に構成される、請求項1に記載のアンテナモジュール。
  4. 前記第1アンテナは、少なくとも前記第1周波数の信号を送信可能に構成され、
    前記第2アンテナは、少なくとも前記第2周波数の信号を送信可能に構成される、請求項1に記載のアンテナモジュール。
  5. 前記第1導体の第1端部および前記第2導体の第1端部の少なくとも一方は、周波数調整素子を介して前記接地電極に接続される、請求項2に記載のアンテナモジュール。
  6. 前記低結合化電極は、前記接地電極に接続された共通導体をさらに含み、
    前記第1導体および前記第2導体は、前記共通導体を介して前記接地電極に接続される、請求項2に記載のアンテナモジュール。
  7. 前記第1導体の第1端部および前記第2導体の第1端部の少なくとも一方は、周波数調整素子を介して前記共通導体に接続される、請求項6に記載のアンテナモジュール。
  8. 前記第1導体に接続される周波数調整素子は、前記第1周波数において、前記接地電極から前記第1導体を見た時のインピーダンスが、前記接地電極から前記第2導体を見た時のインピーダンスよりも低くなるように構成され、
    前記第2導体に接続される周波数調整素子は、前記第2周波数において、前記接地電極から前記第2導体を見た時のインピーダンスが、前記接地電極から前記第1導体を見た時のインピーダンスよりも低くなるように構成される、請求項5または7に記載のアンテナモジュール。
  9. 前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの少なくとも一方は、ノッチアンテナである、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  10. 前記ノッチアンテナは、
    前記接地電極の外周に沿って開口が形成される第2スリットの内部に配置された放射電極と、
    前記放射電極に高周波信号を供給する給電部とを含み、
    前記放射電極は、前記低結合化電極と同様の構成を有している、請求項9に記載のアンテナモジュール。
  11. 前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの少なくとも一方は、線状アンテナである、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  12. 前記接地電極は、第1辺と、前記第1辺に隣接する第2辺とを含む略矩形形状を有しており、
    前記第1アンテナは、前記第1辺に配置され、
    前記第2アンテナは、前記第2辺に配置され、
    前記第1スリットは、前記第1辺および前記第2辺に沿って、前記第1アンテナから前記第2アンテナに至る経路に形成されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  13. 前記接地電極は、第1辺と、前記第1辺に隣接する第2辺とを含む略矩形形状を有しており、
    前記第1アンテナおよび前記第2アンテナは、前記接地電極における前記第1辺に配置されており、
    前記第1スリットは、前記第1辺において、前記第1アンテナから前記第2アンテナに至る経路に形成されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  14. 前記低結合化電極は、前記第1周波数および前記第2周波数において減衰域が形成されるように構成される、請求項1〜13のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  15. 前記第1スリットの開口から閉口端までの長さは、前記第1周波数に対応する波長の1/4よりも短い、請求項1〜14のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  16. 前記第1アンテナおよび前記第2アンテナに高周波信号を供給するように構成された給電回路をさらに備える、請求項1〜15のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載のアンテナモジュールを搭載した、通信装置。
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