JPWO2020137087A1 - レドックスフロー電池 - Google Patents

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Abstract

本開示は、レドックスメディエータのクロスオーバーを抑制できるため、長期にわたって高い容量を維持できるレドックスフロー電池を提供する。本開示の一態様におけるレドックスフロー電池は、第1電極メディエータ(111)を含む第1非水性液体(110)と、第1非水性液体(110)に少なくとも一部が接触している第1電極(210)と、第2非水性液体(120)と、第1電極(210)の対極であり、かつ第2非水性液体(120)に少なくとも一部が接触している第2電極(220)と、孔を有するとともに、第1非水性液体(110)と第2非水性液体(120)とを互いに隔離する隔離部(400)と、を備える。孔の内面は、炭化水素基を含む官能基によって修飾されている。

Description

本開示は、レドックスフロー電池に関する。
特許文献1には、レドックスメディエータを含有するエネルギー貯蔵器を備えたレドックスフロー電池システムが開示されている。
特許文献2には、酸化還元種を用いたレドックスフロー電池が開示されている。
特表2014−524124号公報 国際公開第2016/208123号 国際公開第2017/172038号
本開示は、レドックスメディエータのクロスオーバーによる容量の低下を抑制するレドックスフロー電池を提供する。
本開示の一態様におけるレドックスフロー電池は、
第1電極メディエータを含む第1非水性液体と、
前記第1非水性液体に少なくとも一部が接触している第1電極と、
第2非水性液体と、
前記第1電極の対極であり、かつ前記第2非水性液体に少なくとも一部が接触している第2電極と、
孔を有するとともに、前記第1非水性液体と前記第2非水性液体とを互いに隔離する隔離部と、
を備え、
前記孔の内面は、炭化水素基を含む官能基によって修飾されている。
本開示によれば、レドックスメディエータのクロスオーバーを抑制できるため、長期にわたって高い容量を維持できるレドックスフロー電池を提供できる。
図1は、第1実施形態におけるレドックスフロー電池の概略構成を示すブロック図である。 図2は、第2実施形態におけるレドックスフロー電池の概略構成を示すブロック図である。 図3は、第3実施形態におけるレドックスフロー電池の概略構成を示す模式図である。
本開示の第1態様にかかるレドックスフロー電池は、
第1電極メディエータを含む第1非水性液体と、
前記第1非水性液体に少なくとも一部が接触している第1電極と、
第2非水性液体と、
前記第1電極の対極であり、かつ前記第2非水性液体に少なくとも一部が接触している第2電極と、
孔を有するとともに、前記第1非水性液体と前記第2非水性液体とを互いに隔離する隔離部と、
を備え、
前記孔の内面は、炭化水素基を含む官能基によって修飾されている。
第1態様によれば、隔離部が有する孔の内面は、官能基によって修飾されている。用いる官能基の種類によって、孔の孔径を調節することができる。第1電極メディエータのサイズに応じて、孔の孔径を調節すれば、第1電極メディエータが隔離部を透過することを抑制できる。これにより、第1電極メディエータが第1非水性液体から第2非水性液体に移動するクロスオーバーを抑制できる。第1電極メディエータのクロスオーバーを抑制できるため、長期にわたって高い容量を維持できるレドックスフロー電池を実現できる。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様にかかるレドックスフロー電池では、前記第1非水性液体は、第1非水溶媒及び金属イオンを含んでいてもよく、前記隔離部は、複数の前記孔を有していてもよく、複数の前記孔の平均孔径は、前記金属イオンのサイズより大きく、かつ前記第1非水溶媒によって溶媒和された前記第1電極メディエータのサイズより小さくてもよい。
本開示の第3態様において、例えば、第2態様にかかるレドックスフロー電池では、前記平均孔径が0.5nm以上10nm以下であってもよい。
本開示の第4態様において、例えば、第2態様にかかるレドックスフロー電池では、前記平均孔径が3.0nm以上5.0nm以下であってもよい。
本開示の第5態様において、例えば、第1から第4態様のいずれか1つにかかるレドックスフロー電池では、前記隔離部は、無機材料を含んでいてもよい。第2から第5態様によれば、長期にわたって高い容量を維持できるレドックスフロー電池を実現できる。
本開示の第6態様において、例えば、第5態様にかかるレドックスフロー電池では、前記無機材料は、シリカを主成分とするガラスを含んでいてもよい。第6態様によれば、シリカを主成分とするガラスは、第1非水性液体によって劣化しにくい。そのため、低い電位を示す第1非水性液体を用いることができる。これにより、レドックスフロー電池は、高い放電電圧を示し、それにより高い体積エネルギー密度を有する。
本開示の第7態様において、例えば、第1から第6態様のいずれか1つにかかるレドックスフロー電池では、前記炭化水素基の炭素数が3以上10以下であってもよい。
本開示の第8態様において、例えば、第1から第7態様のいずれか1つにかかるレドックスフロー電池では、前記官能基は、Si原子を含むとともに、Si−O結合によって前記孔の内面を修飾していてもよい。第7又は第8態様によれば、長期にわたって高い容量を維持できるレドックスフロー電池を実現できる。
本開示の第9態様において、例えば、第1から第8態様のいずれか1つにかかるレドックスフロー電池は、前記第1非水性液体に少なくとも一部が接触している第1活物質をさらに備えてもよく、前記第1非水性液体は、金属イオンを含んでいてもよく、前記第1電極メディエータが芳香族化合物であってもよく、前記金属イオンがリチウムイオンであってもよく、前記第1非水性液体は、リチウムを溶解してもよく、前記第1活物質は、前記リチウムを吸蔵及び放出する性質を有する物質であってもよく、前記第1非水性液体の電位が0.5Vvs.Li+/Li以下であってもよい。
本開示の第10態様において、例えば、第9態様にかかるレドックスフロー電池では、前記芳香族化合物は、ビフェニル、フェナントレン、trans−スチルベン、cis−スチルベン、トリフェニレン、o−ターフェニル、m−ターフェニル、p−ターフェニル、アントラセン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、アセナフテン、アセナフチレン、フルオランテン及びベンジルからなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。
本開示の第11態様において、例えば、第1から第10態様のいずれか1つにかかるレドックスフロー電池では、前記第2非水性液体に少なくとも一部が接触している第2活物質をさらに備えてもよく、前記第2非水性液体が第2電極メディエータを含んでいてもよく、前記第2電極メディエータは、テトラチアフルバレン、トリフェニルアミン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。
本開示の第12態様において、例えば、第1から第11態様のいずれか1つにかかるレドックスフロー電池では、前記第1非水性液体及び前記第2非水性液体のそれぞれは、カーボネート基及び/又はエーテル結合を有する化合物を含んでいてもよい。
本開示の第13態様において、例えば、第12態様にかかるレドックスフロー電池では、前記第1非水性液体及び前記第2非水性液体のそれぞれは、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。
本開示の第14態様において、例えば、第12態様にかかるレドックスフロー電池では、前記第1非水性液体及び前記第2非水性液体のそれぞれは、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブトキシエタン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及び4−メチル−1,3−ジオキソランからなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。第9から第14態様によれば、レドックスフロー電池は、高い放電電圧を示し、それにより高い体積エネルギー密度を有する。
以下、本開示の実施形態が、図面を参照しながら、説明される。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態におけるレドックスフロー電池1000の概略構成を示すブロック図である。
第1実施形態におけるレドックスフロー電池1000は、第1非水性液体110、第1電極210、第2非水性液体120、第2電極220及び隔離部400を備える。
第1非水性液体110は、例えば、第1非水溶媒に第1電極メディエータ111及び金属イオンが溶解している電解液である。
第1電極210は、第1非水性液体110に少なくとも一部が接触している電極である。
第2非水性液体120は、例えば、第2非水溶媒に金属イオンが溶解している電解液である。
第2電極220は、第1電極210の対極であり、かつ第2非水性液体120に少なくとも一部が接触している電極である。
隔離部400は、多孔体から構成されている。多孔体は、孔および骨格から構成される。孔は、多孔体の内部で、3次元状に形成されている。
1)孔は3次元状に1つの連通孔で形成されてよい。
2)孔は、3次元状に形成される途中で分岐して複数の孔から形成されていてもよい。
多孔体の内部では、多孔体の表面が官能基によって修飾されている。官能基は炭化水素基を含む。より詳細には、多孔体の内部では、多孔体の骨格の表面は、官能基によって修飾されている。
3)多孔体は、板および当該板を貫通するスルーホールから構成されてもよい。
スルーホールの内周面は、官能基によって修飾されている。官能基は炭化水素基を含む。スルーホールの数は、2以上であってもよい。言い換えれば、多孔体は、2以上のスルーホールを有していてもよい。
以下では、上記の1)2)3)の3つの形態に含まれる孔またはスルーホールを、「複数の孔」と記載する。また、多孔体に形成されている孔の表面、およびスルーホールの表面を、「孔の内面」と記載する。
隔離部400は、第1面および第2面を有する。第1面は正極室600に接する。第2面は負極室620に接する。複数の孔の少なくとも一部は、隔離部400の第1面から第2面に連通している。
隔離部400が有する複数の孔は、第1非水性液体110と第2非水性液体120との間で金属イオンの移動を可能にする。
隔離部400における多孔体は、例えば多孔質ガラスを含む。隔離部400において、多孔質ガラスが有する孔の内面が炭化水素基を含む官能基によって修飾されていてもよい。隔離部400は、実質的に、上記の官能基によって修飾された孔の内面を有する多孔質ガラスからなっていてもよい。ただし、隔離部400は、多孔質ガラスの他に不純物を含んでいてもよい。多孔質ガラスの平均孔径は、多孔質ガラスを製造するときの原料の組成比、熱処理の条件などを適切に調節することによって制御できる。特に、多孔質ガラスは、狭い細孔径分布で、50nm以下の平均孔径を有する複数の細孔を作製できるという特徴を有する。
隔離部400が有する複数の孔の平均孔径は、複数の孔の内面を修飾している官能基の種類及び複数の孔の内面における官能基の担持量の影響を受ける。すなわち、複数の孔の内面を修飾している官能基によって、複数の孔の平均孔径を調節することができる。例えば、複数の孔の内面を修飾している官能基によって、複数の孔の平均孔径を縮小できる。隔離部400が有する複数の孔の平均孔径は、例えば、金属イオンのサイズより大きく、かつ第1非水溶媒によって溶媒和された第1電極メディエータのサイズより小さい。これにより、隔離部400における金属イオンの透過性を確保しつつ、第1電極メディエータ111が第2非水性液体120に移動するクロスオーバーを抑制することができる。第1電極メディエータ111の第2非水性液体120へのクロスオーバーを抑制することにより、第1非水性液体110中に溶解して充放電反応に寄与する第1電極メディエータ111の第1非水性液体110における濃度を維持することができる。そのため、レドックスフロー電池1000の充放電容量を長期間にわたって維持することができる。
第1非水性液体110において、第1非水溶媒によって溶媒和された複数の第1電極メディエータ111が凝集することによって、集合体が形成されることがある。すなわち、第1非水溶媒によって溶媒和された複数の第1電極メディエータ111を含む集合体が第1非水性液体110に分散し、泳動していることがある。そのため、隔離部400が有する複数の孔の平均孔径がこの集合体のサイズより小さければ、第1電極メディエータ111が第2非水性液体120に移動するクロスオーバーを抑制できることがある。一例として、隔離部400が有する複数の孔の平均孔径は、第1非水溶媒によって溶媒和された2つの第1電極メディエータ111を含む集合体のサイズより小さくてもよく、第1非水溶媒によって溶媒和された4つの第1電極メディエータ111を含む集合体のサイズより小さくてもよい。集合体のサイズは、例えば、後述する第1電極メディエータ111のサイズの算出方法と同様の方法に基づいて算出することができる。
隔離部400におけるイオン伝導のメカニズムは、従来のセラミック固体電解質膜と異なる。従来のセラミック固体電解質膜では、固体電解質のイオン伝導機構が利用されている。そのため、固体電解質膜が緻密で電解液透過性がほとんど無ければ、金属イオンのみが固体電解質膜を透過し、電解液及び電解質が固体電解質膜を透過するクロスオーバーを抑制することができる。一方、固体電解質膜のイオン伝導性が低いため、固体電解質膜では、十分に低い抵抗を実現することが難しいことがある。すなわち、固体電解質膜では、実用的な電流値で電流を取り出すことが難しいことがある。これに対して、本実施形態の隔離部400は、伝導されるべき金属イオンのサイズと、溶媒和された第1電極メディエータ111のサイズとの違いを利用して、伝導されるべき金属イオンを透過させる。隔離部400自体がイオン伝導度をほとんど低下させないため、本実施形態の隔離部400によれば、電解液のイオン伝導度と同程度のイオン伝導度を実現することができる。すなわち、本実施形態の隔離部400によれば、実用上十分な電流値で電流を取り出すことができる。
隔離部400が有する複数の孔の平均孔径は、例えば、金属イオンのサイズ、第1電極メディエータ111のサイズ及び第1電極メディエータ111の溶媒和の状態に応じて定まる。複数の孔の平均孔径は、0.5nm以上10nm以下であってもよく、0.5nm以上5.0nm以下であってもよく、3.0nm以上5.0nm以下であってもよい。このとき、隔離部400における金属イオンの透過性を確保しつつ、第1電極メディエータ111のクロスオーバーを十分に抑制することができる。
第1実施形態におけるレドックスフロー電池1000において、金属イオンは、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン及びアルミニウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。金属イオンのサイズは、溶媒又はその他のイオン種との配位状態により異なる。本明細書において、金属イオンのサイズは、例えば、金属イオンの直径を意味する。一例として、リチウムイオンの直径は、0.12nm以上0.18nm以下である。ナトリウムイオンの直径は、0.20nm以上0.28nm以下である。マグネシウムイオンの直径は、0.11nm以上0.18nm以下である。アルミニウムイオンの直径は、0.08nm以上0.11nm以下である。そのため、隔離部400が有する複数の孔の平均孔径が0.5nm以上であれば、これらの金属イオンの透過性を十分に確保することができる。
一方、第1電極メディエータ111としては、例えば、ビフェニル、フェナントレン、trans−スチルベン、cis−スチルベン、トリフェニレン、o−ターフェニル、m−ターフェニル、p−ターフェニル、アントラセン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、アセナフテン、アセナフチレン、フルオランテン及びベンジルからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む芳香族化合物が挙げられる。第1電極メディエータ111自体の分子サイズ、及び、第1非水溶媒によって溶媒和された第1電極メディエータ111のサイズは、例えば、密度汎関数法6−31Gを用いた第一原理計算によって算出することができる。本明細書において、第1非水溶媒によって溶媒和された第1電極メディエータ111のサイズは、例えば、第1非水溶媒によって溶媒和された第1電極メディエータ111を囲むことができる最小の球の直径を意味する。第1電極メディエータ111自体の分子サイズは、例えば、約1nm以上である。第1非水溶媒によって溶媒和された第1電極メディエータ111のサイズは、第1非水溶媒の種類、第1非水溶媒の配位状態などによって異なるが、例えば、5nmより大きい。第1非水溶媒によって溶媒和された第1電極メディエータ111のサイズの上限値は、特に限定されず、例えば8nmである。そのため、隔離部400が有する複数の孔の平均孔径が5nm以下であれば、第1非水溶媒によって溶媒和された第1電極メディエータ111の透過を十分に抑制することができる。ただし、隔離部400が有する複数の孔の平均孔径は、用いる第1電極メディエータ111の種類、第1非水溶媒の配位数、その配位数に影響を与える第1非水溶媒の種類などによって任意に調節されうる。本実施形態では、任意のサイズを有する官能基によって、隔離部400の複数の孔の内面を修飾することにより、簡便な手法で、複数の孔の平均孔径を任意に調節することができる。第1電極メディエータ111に対する第1非水溶媒の配位状態及び配位数は、例えば、第1非水性液体110のNMRの測定結果から推定することができる。
隔離部400が有する複数の孔の平均孔径は、例えば、細孔径分布から算出された複数の孔の直径の平均値である。細孔径分布は、例えば、窒素ガスを用いたガス吸着法によって得られた吸着等温線のデータをBJH(Barrett-Joyner-Halenda)法で変換することによって得られる。吸着等温線のデータは、アルゴンガスを用いたガス吸着法によって取得してもよい。複数の孔の平均孔径は、水銀圧入法、電子顕微鏡による直接観察、陽電子消滅法などの方法によって測定してもよい。
隔離部400は、例えば、無機材料を含む。無機材料が第1非水性液体110及び第2非水性液体120に溶解せず、かつ反応しない限り、無機材料の組成は、特に限定されない。無機材料は、ガラスを含んでいてもよい。詳細には、無機材料として、例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア、イットリア、セリア、酸化ランタンなどを含むガラスを使用することができる。
芳香族化合物を含む第1非水性液体110は、例えば、リチウムから溶媒和電子を放出させ、リチウムを溶解する。後述するように、第1電極メディエータ111として芳香族化合物を使用し、かつ第1非水性液体110にリチウムを溶解させた場合、第1非水性液体110は、0.5Vvs.Li+/Li以下の非常に低い電位を示す。この場合、隔離部400に含まれうる多孔質ガラスは、強い還元性を有する第1非水性液体110と反応しないものであってもよい。このような多孔質ガラスとしては、例えば、シリカを主成分とする多孔質ガラスが挙げられる。「主成分」とは、多孔質ガラスに重量比で最も多く含まれた成分を意味し、例えば50重量%以上である。多孔質ガラスは、実質的にシリカからなっていてもよい。言い換えると、隔離部400に含まれる無機材料は、シリカを主成分とするガラスを含んでいてもよい。
非水系レドックスフロー電池の隔膜として、金属イオン伝導性を有するセラミック電解質を使用した場合、結晶粒界近傍に局所的に大電流が発生し、結晶粒界に沿ってデンドライトが発生することがある。さらに、セラミック電解質自体のイオン伝導性が低い。そのため、この非水系レドックスフロー電池では、高電流密度での充放電が難しいことがある。これに対して、隔離部400がシリカを主成分とする多孔質ガラスでできているとき、多孔質ガラスを構成するガラスは、アモルファスであり、粒界をほとんど有さない。このため、局所的な大電流が発生することがなく、隔離部400におけるデンドライトの発生が抑制される。そのため、この隔離部400によれば、高電流密度での充放電が可能であるレドックスフロー電池1000を実現できる可能性がある。
非水系レドックスフロー電池の隔膜として、金属イオン伝導性を有するガラス電解質を使用し、低電位の負極電解質と併用した場合、ガラス電解質の一部を構成するチタンなどの元素が還元されて変質することがある。そのため、この非水系レドックスフロー電池では、長寿命化が難しいことがある。これに対して、隔離部400がシリカを主成分とする
多孔質ガラスでできているとき、低電位の負極電解質による隔離部400の変質が抑制される。そのため、この隔離部400によれば、長寿命であるレドックスフロー電池1000を実現できる可能性がある。
非水系レドックスフロー電池の隔膜として、可撓性を有する高分子固体電解質を使用した場合、非水系レドックスフロー電池の電解液によって、高分子固体電解質が溶解又は膨潤することがある。このとき、非水系レドックスフロー電池の充放電動作中に、両極の電解液、特にレドックスメディエータが混合される。これにより、非水系レドックスフロー電池の充放電容量が著しく低下することがある。これに対して、隔離部400がシリカを主成分とする多孔質ガラスでできているとき、隔離部400が電解液によって溶解又は膨潤することを抑制できる。そのため、この隔離部400によれば、優れた充放電特性を有するレドックスフロー電池1000を実現できる可能性がある。
隔離部400は、金属イオンが透過できる多孔質膜として機能する。隔離部400がレドックスフロー電池1000の動作に対して十分な金属イオンの透過性を有し、かつ隔離部400の機械強度を確保できる限り、隔離部400の空隙率は、特に限定されない。隔離部400の空隙率は、10%以上50%以下であってもよく、20%以上40%以下であってもよい。隔離部400の空隙率は、例えば、次の方法によって測定できる。まず、隔離部400の体積V及び重量Wを測定する。得られた体積V及び重量Wと、隔離部400の材料の比重Dとを下記式に代入することによって、空隙率を算出することができる。空隙率(%)=100×(V−(W/D))/V
隔離部400がレドックスフロー電池1000の動作に対して十分な金属イオンの透過性を有し、かつ隔離部400の機械強度を確保できる限り、隔離部400の厚さは、特に限定されない。隔離部400の厚さは、10μm以上1mm以下であってもよく、10μm以上500μm以下であってもよく、50μm以上200μm以下であってもよい。
隔離部400の全細孔容積は、特に限定されない。隔離部400の全細孔容積は、0.050cc/g以上0.250cc/g以下であってもよい。隔離部400の全細孔容積は、例えば、窒素ガス又はアルゴンガスを用いたガス吸着法によって測定できる。
隔離部400の比表面積は、特に限定されない。隔離部400の比表面積は、15m2/g以上3000m2/g以下であってもよい。隔離部400の比表面積は、200m2/g以上500m2/g以下であってもよい。隔離部400の比表面積は、例えば、窒素ガス又はアルゴンガス吸着によるBET(Brunauer-Emmett-Teller)法によって測定できる。
隔離部400が有する孔の内面を修飾している官能基は、炭化水素基を含んでいる限り、特に限定されない。炭化水素基の炭素数は、3以上10以下であってもよい。炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。炭化水素基は、例えば、直鎖状のアルキル基である。炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基が挙げられる。
炭化水素基は、置換基によって置換されていてもよい。炭化水素基の水素原子は、ハロゲン原子によって置換されていてもよい。ハロゲン原子は、例えば、フッ素原子である。一例として、炭化水素基の末端に位置する水素原子がフッ素原子に置換されていてもよく、炭化水素基の全ての水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい。炭化水素基が有する置換基は、チオール基であってもよい。
隔離部400が有する孔の内面を修飾している官能基は、例えば、Si原子を含む。官能基において、Si原子が上述した炭化水素基と結合していてもよい。すなわち、官能基は、アルキルシリル基であってもよい。Si原子は、複数の炭化水素基と結合していてもよい。このとき、複数の炭化水素基は、互いに異なっていてもよい。Si原子は、炭化水素基とは異なる他の置換基と結合していてもよい。言い換えると、孔の内面を修飾している官能基は、炭化水素基とは異なる他の置換基をさらに含んでいてもよい。他の置換基としては、例えば、アルコキシ基及び水酸基が挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基及びエトキシ基が挙げられる。Si原子は、隔離部400に含まれる酸素原子と結合していてもよい。すなわち、官能基は、Si−O結合によって孔の内面を修飾していてもよい。言い換えると、官能基は、官能基に含まれる原子と、隔離部400の表面に含まれる原子との化学結合によって孔の内面を修飾していてもよい。
官能基のサイズは、例えば、密度汎関数法6−31Gを用いた第一原理計算によって算出することができる。本明細書において、官能基のサイズは、官能基を囲むことができる最小の球の直径を意味する。官能基のサイズは、例えば、4.0Å以上15.0Å以下である。
隔離部400の製造方法は、特に限定されない。隔離部400が官能基によって修飾された孔の内面を有する多孔質ガラスで構成されているとき、隔離部400は、例えば、次の方法によって作製できる。まず、2種類以上のガラス原料を溶融し、混合することによって、ガラス組成物を得る。ガラス原料は、シリカ及びホウ酸を含んでいてもよい。すなわち、ガラス組成物は、ホウケイ酸ガラスであってもよい。ガラス組成物には、成形処理が行われていてもよい。次に、ガラス組成物を熱処理することによって、ガラス組成物を分相させる。分相したガラス組成物は、互いに異なる組成を有する複数の相を含んでいる。分相したガラス組成物は、例えば、シリカを含む相と酸化ホウ素を含む相とを有する。次に、ガラス組成物に含まれる複数の相のうちの1相を酸処理によって除去する。例えば、酸処理によって酸化ホウ素を含む相を除去する。これにより、複数の孔が形成された多孔質ガラスが得られる。複数の孔の平均孔径は、ガラス組成物の組成比、熱処理の条件などによって調節することができる。
次に、多孔質ガラスが有する孔の内面を官能基によって修飾する。孔の内面を官能基によって修飾する方法は、特に限定されず、例えば、次の方法が挙げられる。まず、孔の内面に官能基を導入するための試薬を準備する。この試薬は、例えば、シランカップリング剤である。シランカップリング剤は、例えば、下記式(1)で表される。
1−Si(OR23 (1)
式(1)において、R1は、炭化水素基である。R1において、炭化水素基としては、例えば、上述したものが挙げられる。式(1)において、複数のOR2基は、シランカップリング剤における反応性基である。複数のR2は、互いに独立して、水素原子、メチル基及びエチル基からなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。シランカップリング剤としては、例えば、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
次に、シランカップリング剤を多孔質ガラスに接触させる。シランカップリング剤を多孔質ガラスに接触させる方法は、特に限定されない。例えば、シランカップリング剤を含む溶液に多孔質ガラスを浸漬させることによって、シランカップリング剤を多孔質ガラスに接触させてもよい。シランカップリング剤を含む溶液の溶媒としては、例えば、トルエンなどの有機溶媒が挙げられる。シランカップリング剤と多孔質ガラスとの接触は、室温条件下で行ってもよく、加熱条件下で行ってもよい。本明細書において、室温は、20℃±15℃を意味する。シランカップリング剤と多孔質ガラスとの接触時間は、例えば、12時間以上48時間以下である。シランカップリング剤と多孔質ガラスとの接触は、不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。不活性ガスとしては、例えば、窒素及びアルゴンガスが挙げられる。
多孔質ガラスの表面が水酸基を有するとき、シランカップリング剤を多孔質ガラスに接触させることによって、シランカップリング剤が多孔質ガラスの孔の内面に存在する水酸基と反応する。詳細には、下記式(2)で表される脱水反応が進行する。
1−Si(OR23+Sub−OH→Sub−O−Si(OR221+R2OH (2)
式(2)において、R1及びR2のそれぞれは、式(1)について上述したものと同じである。Sub−OHは、多孔質ガラスの孔の内面に位置している水酸基を意味している。式(2)の反応によれば、多孔質ガラスの孔の内面は、−Si(OR221基によって修飾される。−Si(OR221基は、Si−O結合によって多孔質ガラスの孔の内面と結合している。式(2)では、シランカップリング剤の反応性基であるOR2基が一部残存している。ただし、式(2)において、全てのOR2基が多孔質ガラスの孔の内面に位置している水酸基と反応してもよい。式(2)の脱水反応によって得られた多孔質ガラスを隔離部400として用いることができる。
汎用の多孔質ガラスにおける複数の孔の平均孔径は、例えば、4nm以上5nm以下である。本実施形態では、多孔質ガラスにおける複数の孔の内面を官能基によって修飾することにより、複数の孔の平均孔径をさらに縮小できる。一例として、n−プロピルトリメトキシシランのサイズは、密度汎関数法6−31Gを用いた第一原理計算によれば、4.3Åである。そのため、多孔質ガラスをn−プロピルトリメトキシシランによって処理することによって、多孔質ガラスにおける複数の孔の平均孔径を1nm程度縮小できる可能性がある。n−ヘキシルトリメトキシシランのサイズは、密度汎関数法6−31Gを用いた第一原理計算によれば、8.9Åである。そのため、多孔質ガラスをn−ヘキシルトリメトキシシランによって処理することによって、多孔質ガラスにおける複数の孔の平均孔径を2nm程度縮小できる可能性がある。n−デシルトリメトキシシランのサイズは、密度汎関数法6−31Gを用いた第一原理計算によれば、14.4Åである。そのため、多孔質ガラスをn−デシルトリメトキシシランによって処理することによって、多孔質ガラスにおける複数の孔の平均孔径を3nm程度縮小できる可能性がある。
本実施形態では、多孔質ガラスにおける複数の孔の内面を官能基によって修飾することにより、全細孔容積が減少する。官能基による修飾前の多孔質ガラスの全細孔容積に対する、官能基による修飾後の多孔質ガラスの全細孔容積の比率は、例えば、0.7以下である。
以上の構成によれば、大きい充電容量を有するレドックスフロー電池1000を実現できる。
隔離部400が多孔質ガラスを備えるとき、隔離部400は、第1非水性液体110及び第2非水性液体120に接触したときに、第1非水性液体110及び第2非水性液体120と反応しにくい。そのため、隔離部400において、複数の孔の形状が維持される。隔離部400によれば、金属イオンを透過させつつ、第1電極メディエータ111のクロスオーバーを抑制することができる。これにより、使用できる第1非水性液体110及び第1非水性液体110に溶解している第1電極メディエータ111の選択肢が広がる。したがって、レドックスフロー電池1000の充電電位及び放電電位の制御範囲が広がり、充電容量を増大させることができる。
第1実施形態におけるレドックスフロー電池1000において、第1非水性液体110に含まれる第1非水溶媒は、カーボネート基及びエーテル結合からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する化合物を含んでいてもよい。第1非水溶媒は、カーボネート基及び/又はエーテル結合を有する化合物からなっていてもよい。
カーボネート基を有する化合物としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びジエチルカーボネート(DEC)からなる群より選ばれる少なくとも1つが使用できる。
エーテル結合を有する化合物としては、例えば、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブトキシエタン、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、テトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及び4−メチル−1,3−ジオキソランからなる群より選ばれる少なくとも1つが使用できる。
第1実施形態におけるレドックスフロー電池1000において、第1非水性液体110は、上述の第1非水溶媒と電解質とを含む電解液であってもよい。電解質は、LiBF4、LiPF6、LiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)、LiFSI(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)、LiCF3SO3、LiClO4、NaBF4、NaPF6、NaTFSI、NaFSI、NaCF3SO3、NaClO4、Mg(BF42、Mg(PF62、Mg(TFSI)2、Mg(FSI)2、Mg(CF3SO32、Mg(ClO42、AlCl3、AlBr3及びAl(TFSI)3からなる群より選ばれる少なくとも1つの塩であってもよい。第1非水溶媒が高い誘電率を有し、かつ第1非水溶媒と金属イオンとの反応性が低く、さらに、第1非水溶媒の電位窓が4V程度以下であってもよい。
第1実施形態におけるレドックスフロー電池1000において、第2非水性液体120に含まれる第2非水溶媒は、第1非水溶媒と同様に、カーボネート基及び/又はエーテル結合を有する化合物を含んでいてもよい。第2非水溶媒は、第1非水溶媒と同じであってもよく、異なっていてもよい。
第1実施形態におけるレドックスフロー電池1000において、第1電極210が負極であり、かつ、第2電極220が正極である場合、第1電極メディエータ111は、例えば、ビフェニル、フェナントレン、trans−スチルベン、cis−スチルベン、トリフェニレン、o−ターフェニル、m−ターフェニル、p−ターフェニル、アントラセン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、アセナフテン、アセナフチレン、フルオランテン、ベンジルなどの芳香族化合物であってもよい。第1電極メディエータ111は、例えば、フェロセンなどのメタロセン化合物であってもよい。第1電極メディエータ111は、テトラチアフルバレン誘導体、ビピリジル誘導体、チオフェン誘導体、チアントレン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリンなどの複素環化合物であってもよい。第1電極メディエータ111は、必要に応じて、これらのうち2種以上を組み合わせて使用してもよい。
特に、第1電極メディエータ111として芳香族化合物を使用し、さらに、第1非水性液体110にリチウムを溶解させると、第1非水性液体110は、0.5Vvs.Li+/Li以下の非常に低い電位を示す。すなわち、この第1非水性液体110をレドックスフロー電池1000に適用した場合、3.0V以上の電池電圧を得ることができる。これにより、高いエネルギー密度を有する電池を実現できる。この場合、第1非水性液体110は、非常に還元性が高い。第1非水性液体110に対する耐久性を確保する観点からは、隔離部400としては、炭化水素基を含む官能基によって修飾されている孔の内面を有し、かつシリカを主成分とする多孔質ガラスが適している。
なお、第1実施形態におけるレドックスフロー電池1000において、第1電極210が正極であり、かつ、第2電極220が負極であってもよい。
第1実施形態におけるレドックスフロー電池1000において、第1電極210が正極であり、かつ、第2電極220が負極である場合、第1電極メディエータ111は、例えば、テトラチアフルバレン誘導体、ビピリジル誘導体、チオフェン誘導体、チアントレン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリンなどの複素環化合物であってもよい。第1電極メディエータ111は、例えば、トリフェニルアミン誘導体であってもよい。第1電極メディエータ111は、例えば、チタノセンなどのメタロセン化合物であってもよい。第1電極メディエータ111は、必要に応じて、これらのうち2種以上を組み合わせて使用してもよい。
第1電極メディエータ111の分子量は、特に限定されず、100以上500以下であってもよく、100以上300以下であってもよい。
なお、第1実施形態におけるレドックスフロー電池1000において、例えば、第1非水性液体110が第1電極210の少なくとも一部に接触することにより、第1電極メディエータ111は、第1電極210によって酸化又は還元される。
第1電極210は、第1電極メディエータ111の反応場として作用する表面を有する電極であってもよい。
この場合、第1電極210としては、第1非水性液体110に対して安定な材料が用いられうる。第1非水性液体110に対して安定な材料は、例えば、第1非水性液体110に不溶性の材料であってもよい。さらに、第1電極210として、電極反応である電気化学反応に対して安定な材料が用いられうる。例えば、第1電極210として、金属、カーボンなどが用いられうる。金属は、ステンレス鋼、鉄、銅、ニッケルなどであってもよい。
第1電極210は、その表面積を増大させた構造を有するものであってもよい。表面積を増大させた構造を有するものは、例えば、メッシュ、不織布、表面粗化処理板、焼結多孔体などであってもよい。これによれば、第1電極210の比表面積が大きくなる。これにより、第1電極メディエータ111の酸化反応又は還元反応をより進行し易くできる。
第2電極220としては、例えば、第1電極210として例示した電極を用いることができる。第1電極210と第2電極220とは、互いに異なる材料の電極が用いられてもよいし、互いに同じ材料の電極が用いられてもよい。
レドックスフロー電池1000は、第1非水性液体110に少なくとも一部が接触している第1活物質310をさらに備えていてもよい。言い換えると、第1活物質310は少なくとも一部が第1非水性液体110に接触していればよい。第1活物質310としては、第1電極メディエータ111を化学的に酸化還元する物質を使用することができる。第1活物質310は、例えば、第1非水性液体110に不溶である。
第1活物質310としては、金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出する特性を有する化合物が用いられうる。第1電極メディエータ111の電位に対応して、第1活物質310として低電位の化合物又は高電位の化合物を選択することにより、レドックスフロー電池1000が作動する。
第1活物質310として作用する低電位の化合物としては、金属、金属酸化物、炭素、ケイ素などが挙げられる。金属としては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、スズなどが挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタンなどが挙げられる。特に、第1電極メディエータ111が芳香族化合物であり、かつ第1非水性液体110中にリチウムが溶解している系においては、低電位の化合物として、炭素、ケイ素、アルミニウム及びスズからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む化合物を使用することができる。
第1活物質310として作用する高電位の化合物としては、例えば、リン酸鉄リチウム、LCO(LiCoO2)、LMO(LiMn24)、NCA(リチウム・ニッケル・コバルト・アルミニウム複合酸化物)などの金属酸化物が挙げられる。
第1活物質310が第1電極メディエータ111を化学的に酸化還元する構成を採ることにより、レドックスフロー電池1000の充放電容量は、第1電極メディエータ111の溶解性に依存せず、第1活物質310の容量に依存する。そのため、エネルギー密度の高いレドックスフロー電池1000を実現できる。
<充放電プロセスの説明>
第1実施形態におけるレドックスフロー電池1000の充放電プロセスが、以下に説明される。
なお、具体的に、下記の構成である動作例が例示されながら、充放電プロセスが説明される。
第1電極210は、正極であり、カーボンブラックである。
第1非水性液体110は、第1電極メディエータ111が溶解したエーテル溶液である。
第1電極メディエータ111は、テトラチアフルバレン(以下、TTFと表記される)である。
第1活物質310は、リン酸鉄リチウム(以下、LiFePO4と表記される)である。
第2電極220は、負極であり、リチウム金属である。
[充電プロセスの説明]
まず、充電反応が説明される。
第1電極210と第2電極220との間に、電圧が印加されることにより、充電が行われる。
(負極側の反応)
電圧の印加により、負極である第2電極220にレドックスフロー電池1000の外部から電子が供給される。これにより、負極である第2電極220では、還元反応が起こる。すなわち、負極は、充電状態となる。
例えば、本動作例では、下記の反応が生じる。
Li+ + e- → Li
(正極側の反応)
電圧の印加により、正極である第1電極210では、第1電極メディエータ111の酸化反応が起こる。すなわち、第1電極210の表面において、第1電極メディエータ111が酸化される。これにより、第1電極210からレドックスフロー電池1000の外部に電子が放出される。
例えば、本動作例では、下記の反応が生じる。
TTF → TTF2+ + 2e-
第1電極210において酸化された第1電極メディエータ111は、第1活物質310によって還元される。すなわち、第1活物質310は、第1電極メディエータ111によって酸化される。
2LiFePO4 + TTF2+ → 2FePO4 + 2Li+ + TTF
以上の充電反応は、第1活物質310が充電状態となる、又は、第2電極220が充電状態となる、のどちらかに到達するまで進行しうる。
[放電プロセスの説明]
次に、放電反応が、説明される。
第1活物質310と第2電極220とは、充電状態となっている。
放電反応では、第1電極210と第2電極220との間から電力が取り出される。
(負極側の反応)
負極である第2電極220では、酸化反応が起こる。すなわち、負極は、放電状態となる。これにより、第2電極220からレドックスフロー電池1000の外部に電子が放出される。
例えば、本動作例では、下記の反応が生じる。
Li → Li+ + e-
(正極側の反応)
電池の放電により、正極である第1電極210にレドックスフロー電池1000の外部から電子が供給される。これにより、第1電極210上では、第1電極メディエータ111の還元反応が起こる。すなわち、第1電極210の表面において、第1電極メディエータ111が還元される。
例えば、本動作例では、下記の反応が生じる。
TTF2+ + 2e- → TTF
なお、リチウムイオン(Li+)の一部は、隔離部400を通じて、第2電極220側から供給される。
第1電極210において還元された第1電極メディエータ111は、第1活物質310によって酸化される。すなわち、第1活物質310は、第1電極メディエータ111によって還元される。
2FePO4 + 2Li+ + TTF → 2LiFePO4 + TTF2+
以上の放電反応は、第1活物質310が放電状態となる、又は、第2電極220が放電状態となる、のどちらかに到達するまで進行しうる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態が説明される。なお、上述の第1実施形態と重複する説明は、適宜、省略される。
図2は、第2実施形態におけるレドックスフロー電池3000の概略構成を例示的に示すブロック図である。
第2実施形態におけるレドックスフロー電池3000は、上述の第1実施形態におけるレドックスフロー電池1000の構成に加えて、下記の構成を備える。
すなわち、第2実施形態におけるレドックスフロー電池3000は、第2電極メディエータ121及び第2活物質320をさらに備える。
第2実施形態におけるレドックスフロー電池3000の隔離部400が有する複数の孔の平均孔径は、例えば、第1非水溶媒によって溶媒和された第1電極メディエータ111のサイズ、及び、第2非水溶媒によって溶媒和された第2電極メディエータ121のサイズのうち、最も小さいサイズより小さい。
第2非水溶媒によって溶媒和された第2電極メディエータ121のサイズは、例えば、第1電極メディエータ111と同様に、密度汎関数法6−31Gを用いた第一原理計算によって算出することができる。本明細書において、第2非水溶媒によって溶媒和された第2電極メディエータ121のサイズは、例えば、第2非水溶媒によって溶媒和された第2電極メディエータ121を囲むことができる最小の球の直径を意味する。第2電極メディエータ121に対する第2非水溶媒の配位状態及び配位数は、例えば、第2非水性液体120のNMRの測定結果から推定することができる。
以上の構成によれば、大きい充電容量が長期間にわたって維持されるレドックスフロー電池3000を実現できる。
すなわち、隔離部400が上記構成を備えることで、金属イオンを透過させつつ、第1電極メディエータ111及び第2電極メディエータ121のクロスオーバーを抑制することができる。これにより、使用できる第1非水性液体110、第1非水性液体110に溶解している第1電極メディエータ111、第2非水性液体120、及び、第2非水性液体120に溶解している第2電極メディエータ121の選択肢が広がる。したがって、レドックスフロー電池3000の充電電位及び放電電位の制御範囲が広がり、充電容量を増大させることができる。さらに、第1非水性液体110と第2非水性液体120とが異なる組成であっても、隔離部400によって両者が混合することなく保持されることから、レドックスフロー電池3000の充放電特性が長期間にわたって維持される。
第2実施形態におけるレドックスフロー電池3000において、第2電極メディエータ121としては、第2非水性液体120に溶解し、電気化学的に酸化還元される物質を使用することができる。具体的には、第2電極メディエータ121としては、第1電極メディエータ111と同様の金属含有イオン及び有機化合物を使用することができる。第2電極メディエータ121は、例えば、テトラチアフルバレン、トリフェニルアミン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。第1電極メディエータ111と第2電極メディエータ121とのいずれか一方に低電位の化合物を用いて、他方に高電位の化合物を用いることにより、レドックスフロー電池3000が作動する。
第2実施形態におけるレドックスフロー電池3000において、第1活物質310は、例えば、第1非水性液体110に不溶であり、第1電極メディエータ111を化学的に酸化還元する物質を使用することができる。第2活物質320は、第1活物質310と同様に、例えば、第2非水性液体120に不溶であり、第2電極メディエータ121を化学的に酸化還元する物質を使用することができる。すなわち、第1活物質310及び第2活物質320のそれぞれとしては、金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出する特性を有する化合物が用いられうる。第1電極メディエータ111の電位及び第2電極メディエータ121の電位のそれぞれに対応して、第1活物質310と第2活物質320とのいずれか一方に低電位の化合物を用いて、他方に高電位の化合物を用いることにより、レドックスフロー電池3000が作動する。
第2活物質320として作用する低電位の化合物及び高電位の化合物としては、例えば、第1活物質310において例示した化合物が挙げられる。
第1活物質310及び第2活物質320が、それぞれ、第1電極メディエータ111及び第2電極メディエータ121を化学的に酸化還元する構成を採ることにより、レドックスフロー電池3000の充放電容量は、第1電極メディエータ111及び第2電極メディエータ121の溶解性に依存せず、第1活物質310及び第2活物質320の容量に依存する。そのため、エネルギー密度の高いレドックスフロー電池3000を実現できる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態が説明される。なお、上述の第1実施形態又は第2実施形態と重複する説明は、適宜、省略される。
図3は、第3実施形態におけるレドックスフロー電池4000の概略構成を例示的に示す模式図である。
第3実施形態におけるレドックスフロー電池4000は、上述の第2実施形態におけるレドックスフロー電池3000の構成に加えて、下記の構成を備える。
すなわち、第3実施形態におけるレドックスフロー電池4000は、第1循環機構510を備える。
第1循環機構510は、第1電極210と第1活物質310との間で第1非水性液体110を循環させる機構である。
第1循環機構510は、第1収容部511を備える。
第1活物質310と第1非水性液体110とは、第1収容部511に収容される。
第1収容部511において、第1活物質310と第1非水性液体110とが接触することにより、第1活物質310による第1電極メディエータ111の酸化反応と、第1活物質310による第1電極メディエータ111の還元反応とのうちの少なくとも一方が行われる。
以上の構成によれば、第1収容部511において、第1非水性液体110と第1活物質310とを接触させることができる。これにより、例えば、第1非水性液体110と第1活物質310との接触面積をより大きくできる。第1非水性液体110と第1活物質310との接触時間をより長くできる。このため、第1活物質310による第1電極メディエータ111の酸化反応及び還元反応をより効率的に行うことができる。
なお、第3実施形態においては、第1収容部511は、例えば、タンクであってもよい。
第1収容部511は、例えば、充填された第1活物質310の隙間に、第1電極メディエータ111が溶解した第1非水性液体110を収容していてもよい。
図3に示されるように、第3実施形態におけるレドックスフロー電池4000は、電気化学反応部600と、正極端子211と、負極端子221とをさらに備えてもよい。
電気化学反応部600は、隔離部400により、正極室610と負極室620とに分離されている。例えば、隔離部400が有する孔は、正極室610及び負極室620に連通している。
正極室610には、正極となる電極が配置される。図3では、正極室610には、第1電極210が配置される。
正極端子211は、正極となる電極に接続される。図3では、正極端子211は、第1電極210に接続される。
負極室620には、負極となる電極が配置される。図3では、負極室620には、第2電極220が配置される。
負極端子221は、負極となる電極に接続される。図3では、負極端子221は、第2電極220に接続される。
正極端子211と負極端子221とは、例えば、充放電装置に接続される。充放電装置により、正極端子211と負極端子221との間に電圧が印加される、又は、正極端子211と負極端子221との間から電力が取り出される。
図3に示されるように、第3実施形態におけるレドックスフロー電池4000において、第1循環機構510は、配管513と、配管514と、ポンプ515とを備えてもよい。ポンプ515は、例えば、配管514に設けられる。なお、ポンプ515は、配管513に設けられてもよい。
配管513の一端は、第1収容部511の第1非水性液体110の流出口側に接続される。
配管513の別の一端は、正極室610と負極室620とのうち、第1電極210が配置される方に接続される。図3では、配管513の別の一端は、正極室610に接続される。
配管514の一端は、正極室610と負極室620とのうち、第1電極210が配置される方に接続される。図3では、配管514の一端は、正極室610に接続される。
配管514の別の一端は、第1収容部511の第1非水性液体110の流入口側に接続される。
第3実施形態におけるレドックスフロー電池4000においては、第1循環機構510は、第1フィルタ512を備えてもよい。
第1フィルタ512は、第1活物質310の透過を抑制する。
第1フィルタ512は、第1非水性液体110が第1収容部511から第1電極210に流出する経路に設けられる。図3では、第1フィルタ512は、配管513に設けられている。詳細には、第1フィルタ512は、第1収容部511と配管513との接合部に設けられている。なお、第1フィルタ512は、第1収容部511と配管514との接合部に設けられてもよい。第1フィルタ512は、電気化学反応部600と配管513との接合部、又は、電気化学反応部600と配管514との接合部に設けられてもよい。
以上の構成によれば、第1活物質310が第1収容部511以外へ流出することを抑制できる。例えば、第1活物質310が第1電極210側へ流出することを抑制できる。すなわち、第1活物質310は、第1収容部511に留まる。これにより、第1活物質310そのものは循環させない構成のレドックスフロー電池を実現できる。このため、第1循環機構510の部材の内部の第1活物質310による目詰まりを防止できる。例えば、第1循環機構510の配管の内部の第1活物質310による目詰まりを防止できる。第1活物質310が第1電極210側に流出することによる抵抗損失の発生を抑制できる。
第1フィルタ512は、例えば、第1活物質310を濾過する。第1フィルタ512は、第1活物質310の粒子の最小粒径よりも小さい孔を有する部材であってもよい。第1フィルタ512の材料としては、第1活物質310及び第1非水性液体110などと反応しない材料が用いられうる。第1フィルタ512は、例えば、ガラス繊維濾紙、ポリプロピレン不織布、ポリエチレン不織布、ポリエチレンセパレータ、ポリプロピレンセパレータ、ポリイミドセパレータ、ポリエチレン/ポリプロピレンの二層構造セパレータ、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの三層構造セパレータ、金属リチウムと反応しない金属メッシュなどであってもよい。
以上の構成によれば、第1収容部511の内部において、第1非水性液体110の流動とともに第1活物質310の流動が生じても、第1活物質310が第1収容部511から流出することを防止できる。
図3では、第1収容部511に収容されている第1非水性液体110は、第1フィルタ512と配管513とを通過して、正極室610に供給される。
これにより、第1非水性液体110に溶解している第1電極メディエータ111は、第1電極210によって酸化又は還元される。
その後、酸化又は還元された第1電極メディエータ111が溶解した第1非水性液体110は、配管514とポンプ515とを通過して、第1収容部511に供給される。
これにより、第1非水性液体110に溶解している第1電極メディエータ111に対して、第1活物質310による第1電極メディエータ111の酸化反応と還元反応とのうちの少なくとも一方が行われる。
なお、第1非水性液体110の循環の制御は、例えば、ポンプ515により行われてもよい。すなわち、ポンプ515により、適宜、第1非水性液体110の供給の開始、供給の停止、又は、供給量などの調整が行われる。
第1非水性液体110の循環の制御は、ポンプ515以外の他の手段により行われてもよい。他の手段は、例えば、バルブなどであってもよい。
なお、図3においては、一例として、第1電極210が正極であり、かつ、第2電極220が負極である。
ここで、第2電極220として、相対的に電位の高い電極を用いれば、第1電極210は、負極にもなりうる。
すなわち、第1電極210が負極であり、かつ、第2電極220が正極であってもよい。
なお、隔離部400を隔てて、正極室610側と負極室620側とで、それぞれ、異なる組成の電解液及び/又は溶媒が用いられてもよい。
正極室610側と負極室620側とで、同じ組成の電解液及び/又は溶媒が用いられてもよい。
第3実施形態におけるレドックスフロー電池4000は、第2循環機構520をさらに備える。
第2循環機構520は、第2電極220と第2活物質320との間で第2非水性液体120を循環させる機構である。
第2循環機構520は、第2収容部521を備える。第2循環機構520は、配管523と、配管524と、ポンプ525とを備えている。ポンプ525は、例えば、配管524に設けられる。なお、ポンプ525は、配管523に設けられてもよい。
第2活物質320と第2非水性液体120とは、第2収容部521に収容される。
第2収容部521において第2活物質320と第2非水性液体120とが接触することにより、第2活物質320による第2電極メディエータ121の酸化反応と、第2活物質320による第2電極メディエータ121の還元反応とのうちの少なくとも一方が行われる。
以上の構成によれば、第2収容部521において、第2非水性液体120と第2活物質320とを接触させることができる。これにより、例えば、第2非水性液体120と第2活物質320との接触面積をより大きくできる。第2非水性液体120と第2活物質320との接触時間をより長くできる。このため、第2活物質320による第2電極メディエータ121の酸化反応と還元反応とのうちの少なくとも一方をより効率的に行うことができる。
なお、第3実施形態においては、第2収容部521は、例えば、タンクであってもよい。
第2収容部521は、例えば、充填された第2活物質320の隙間に、第2電極メディエータ121が溶解した第2非水性液体120を収容していてもよい。
配管523の一端は、第2収容部521の第2非水性液体120の流出口側に接続される。
配管523の別の一端は、正極室610と負極室620とのうち、第2電極220が配置される方に接続される。図3では、配管523の別の一端は、負極室620に接続される。
配管524の一端は、正極室610と負極室620とのうち、第2電極220が配置される方に接続される。図3では、配管524の一端は、負極室620に接続される。
配管524の別の一端は、第2収容部521の第2非水性液体120の流入口側に接続される。
なお、第3実施形態におけるレドックスフロー電池4000においては、第2循環機構520は、第2フィルタ522を備えてもよい。
第2フィルタ522は、第2活物質320の透過を抑制する。
第2フィルタ522は、第2非水性液体120が第2収容部521から第2電極220に流出する経路に設けられる。図3では、第2フィルタ522は、配管523に設けられている。詳細には、第2フィルタ522は、第2収容部521と配管523との接合部に設けられている。なお、第2フィルタ522は、第2収容部521と配管524との接合部に設けられてもよい。第2フィルタ522は、電気化学反応部600と配管523との接合部、又は、電気化学反応部600と配管524との接合部に設けられてもよい。
以上の構成によれば、第2活物質320が第2収容部521以外へ流出することを抑制できる。例えば、第2活物質320が第2電極220側へ流出することを抑制できる。すなわち、第2活物質320は、第2収容部521に留まる。これにより、第2活物質320そのものは循環させない構成のレドックスフロー電池を実現できる。このため、第2循環機構520の部材の内部の第2活物質320による目詰まりを防止できる。例えば、第1循環機構510の配管の内部の第1活物質310による目詰まりを防止できる。第2活物質320が第2電極220側に流出することによる抵抗損失の発生を抑制できる。
第2フィルタ522は、例えば、第2活物質320を濾過する。このとき、第2フィルタ522は、第2活物質320の粒子の最小粒径よりも小さい孔を有する部材であってもよい。第2フィルタ522の材料としては、第2活物質320及び第2非水性液体120などと反応しない材料が用いられうる。第2フィルタ522は、例えば、ガラス繊維濾紙、ポリプロピレン不織布、ポリエチレン不織布、金属リチウムと反応しない金属メッシュなどであってもよい。
以上の構成によれば、第2収容部521の内部において、第2非水性液体120の流動とともに第2活物質320の流動が生じても、第2活物質320が第2収容部521から流出することを防止できる。
図3に示される例では、第2収容部521に収容されている第2非水性液体120は、第2フィルタ522と配管523とを通過して、負極室620に供給される。
これにより、第2非水性液体120に溶解している第2電極メディエータ121は、第2電極220によって酸化又は還元される。
その後、酸化又は還元された第2電極メディエータ121が溶解した第2非水性液体120は、配管524とポンプ525とを通過して、第2収容部521に供給される。
これにより、第2非水性液体120に溶解している第2電極メディエータ121に対して、第2活物質320による第2電極メディエータ121の酸化反応と還元反応とのうちの少なくとも一方が行われる。
なお、第2非水性液体120の循環の制御は、例えば、ポンプ525により行われてもよい。すなわち、ポンプ525により、適宜、第2非水性液体120の供給の開始、供給の停止、又は、供給量などの調整が行われる。
第2非水性液体120の循環の制御は、ポンプ525以外の他の手段により行われてもよい。他の手段は、例えば、バルブなどであってもよい。
なお、図3においては、一例として、第1電極210が正極であり、かつ、第2電極220が負極である。
ここで、第1電極210として、相対的に電位の低い電極を用いれば、第2電極220は、正極にもなりうる。
すなわち、第2電極220が正極であり、かつ、第1電極210が負極であってもよい。
なお、上述の第1実施形態から第3実施形態のそれぞれに記載の構成は、適宜、互いに組み合わされてもよい。
(実施例)
次に、実施例を挙げて本開示をさらに具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、本開示の技術的思想内で多くの変形が当分野において通常の知識を有する者により可能である。
<第1液体の調製>
第1電極メディエータとして用いられうる芳香族化合物であるビフェニルと、金属リチウムとを溶解させたリチウムビフェニル溶液を第1液体(第1非水性液体)として使用した。この第1液体は、以下の手順により調製した。
まず、第1非水溶媒であるトリグライムに、ビフェニルと、電解質塩であるLiPF6とをそれぞれ溶解させた。得られた溶液におけるビフェニルの濃度は、0.1mol/Lであった。溶液におけるLiPF6の濃度は、1mol/Lであった。この溶液に、過剰量の金属リチウムを添加した。金属リチウムを飽和量まで溶解させることにより、リチウムが飽和した濃青色のビフェニル溶液を得た。溶液におけるビフェニルの濃度は、0.1mol/Lであった。余剰の金属リチウムは、沈殿として残存していた。そのため、このビフェニル溶液の上澄みを第1液体として使用した。次に、密度汎関数法6−31Gを用いた第一原理計算により、トリグライムによって溶媒和されたビフェニルのサイズを算出した。トリグライムによって溶媒和されたビフェニルのサイズは、4nm以上14nm以下であった。トリグライムによって溶媒和された2つのビフェニルを含む集合体のサイズは、8nm以上28nm以下であった。トリグライムによって溶媒和された4つのビフェニルを含む集合体のサイズは、16nm以上56nm以下であった。
<第2液体の調製>
第2非水溶媒であるトリグライムに、第2電極メディエータであるテトラチアフルバレンと、電解質塩であるLiPF6とをそれぞれ溶解させた。得られた溶液を第2液体(第2非水性液体)として使用した。第2液体におけるテトラチアフルバレンの濃度は、5mmol/Lであった。第2液体におけるLiPF6の濃度は、1mol/Lであった。次に、密度汎関数法6−31Gを用いた第一原理計算により、トリグライムによって溶媒和されたテトラチアフルバレンのサイズを算出した。トリグライムによって溶媒和されたテトラチアフルバレンのサイズは、4nm以上15nm以下であった。トリグライムによって溶媒和された2つのテトラチアフルバレンを含む集合体のサイズは、8nm以上30nm以下であった。トリグライムによって溶媒和された4つのテトラチアフルバレンを含む集合体のサイズは、16nm以上60nm以下であった。
<評価系の構成>
電気化学セルに、後述するサンプル1から5のいずれか1つの隔離部を配置した。隔離部を隔てて第1液体及び第2液体のそれぞれを1mLずつ電気化学セルに注入した。第1電極を第1液体に浸漬させ、第2電極を第2液体に浸漬させた。第1電極及び第2電極としては発泡SUSを用いた。電気化学アナライザを使用し、充電容量を測定した。
[サンプル1]
サンプル1の隔離部として、シリカでできた多孔質ガラス(赤川硬質硝子工業所製)を使用した。サンプル1で用いた多孔質ガラスの平均孔径は、4.96nmであった。多孔質ガラスの全細孔容積は、0.236ml/gであった。多孔質ガラスの比表面積は、236m2/gであった。多孔質ガラスの平均孔径は、窒素ガスを用いたガス吸着法によって得られた吸着等温線のデータをBJH法で変換することによって得られた細孔径分布から算出した。多孔質ガラスの全細孔容積は、窒素ガスを用いたガス吸着法によって測定した。多孔質ガラスの比表面積は、窒素ガス吸着によるBET法によって測定した。多孔質ガラスの空隙率は、29%であった。多孔質ガラスの厚さは、1mmであった。
[サンプル2]
サンプル1で用いた多孔質ガラスをシランカップリング剤で処理することによって得られた多孔質ガラスをサンプル2の隔離部として用いた。シランカップリング剤としては、n−プロピルトリメトキシシランを用いた。シランカップリング剤による処理は、次の方法によって行った。まず、シランカップリング剤0.308g(0.287ml)をトルエン30mlと混合した。得られた混合液体にサンプル1で用いた多孔質ガラスを浸漬させた。多孔質ガラスの浸漬は、アルゴンガス雰囲気下、室温で24時間行った。次に、多孔質ガラスを取り出し、多孔質ガラスをトルエンで洗浄した。さらに、多孔質ガラスをエタノール(C25OH)で洗浄した。減圧雰囲気下、室温で多孔質ガラスを乾燥させることによって、サンプル2の隔離部を得た。サンプル2で用いた多孔質ガラスの平均孔径は、3.84nmであった。多孔質ガラスの全細孔容積は、0.152ml/gであった。多孔質ガラスの比表面積は、158m2/gであった。多孔質ガラスの平均孔径、全細孔容積及び比表面積は、サンプル1と同様の方法によって算出した。
[サンプル3]
シランカップリング剤として、n−ヘキシルトリメトキシシラン0.388g(0.353mL)を用いたことを除き、サンプル2と同様の方法によってサンプル3の隔離部を得た。サンプル3で用いた多孔質ガラスの平均孔径は、3.59nmであった。多孔質ガラスの全細孔容積は、0.112ml/gであった。多孔質ガラスの比表面積は、124m2/gであった。多孔質ガラスの平均孔径、全細孔容積及び比表面積は、サンプル1と同様の方法によって算出した。
[サンプル4]
シランカップリング剤として、n−デシルトリメトキシシラン0.493g(0.444mL)を用いたことを除き、サンプル2と同様の方法によってサンプル4の隔離部を得た。サンプル4で用いた多孔質ガラスの平均孔径は、4.65nmであった。多孔質ガラスの全細孔容積は、0.179ml/gであった。多孔質ガラスの比表面積は、154m2/gであった。多孔質ガラスの平均孔径、全細孔容積及び比表面積は、サンプル1と同様の方法によって算出した。
[サンプル5]
シランカップリング剤として、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン0.410g(0.468mL)を用いたことを除き、サンプル2と同様の方法によってサンプル5の隔離部を得た。サンプル5で用いた多孔質ガラスの平均孔径は、3.78nmであった。多孔質ガラスの全細孔容積は、0.136ml/gであった。多孔質ガラスの比表面積は、144m2/gであった。多孔質ガラスの平均孔径、全細孔容積及び比表面積は、サンプル1と同様の方法によって算出した。
表1は、サンプル1から5の電気化学セルの充電容量を示している。
Figure 2020137087
サンプル2から5の電気化学セルにおける充電容量は、サンプル1に比べて高かった。このことから、サンプル2から5の電気化学セルでは、サンプル1に比べて、メディエータのクロスオーバーが抑制されていたことが推定される。
サンプル2及び3からわかるとおり、シランカップリング剤に含まれる炭化水素基の炭素数が大きければ大きいほど、シランカップリング剤で処理された多孔質ガラスの平均孔径が縮小する。しかし、シランカップリング剤に含まれる炭化水素基の炭素数が最も大きいサンプル4では、多孔質ガラスの平均孔径は、サンプル2及び3で用いた多孔質ガラスに比べて大きい値であった。そのため、サンプル4では、多孔質ガラスが有する孔の内面における官能基の担持量がサンプル2及び3に比べて少なかったことが推定される。
本開示のレドックスフロー電池は、例えば、蓄電デバイス又は蓄電システムとして好適に使用できる。
110 第1非水性液体
111 第1電極メディエータ
120 第2非水性液体
121 第2電極メディエータ
210 第1電極
211 正極端子
220 第2電極
221 負極端子
310 第1活物質
320 第2活物質
400 隔離部
510 第1循環機構
511 第1収容部
512 第1フィルタ
513、514、523、524 配管
515、525 ポンプ
520 第2循環機構
521 第2収容部
522 第2フィルタ
600 電気化学反応部
610 正極室
620 負極室
1000、3000、4000 レドックスフロー電池

Claims (14)

  1. 第1電極メディエータを含む第1非水性液体と、
    前記第1非水性液体に少なくとも一部が接触している第1電極と、
    第2非水性液体と、
    前記第1電極の対極であり、かつ前記第2非水性液体に少なくとも一部が接触している第2電極と、
    孔を有するとともに、前記第1非水性液体と前記第2非水性液体とを互いに隔離する隔離部と、
    を備え、
    前記孔の内面は、炭化水素基を含む官能基によって修飾されている、レドックスフロー電池。
  2. 前記第1非水性液体は、第1非水溶媒及び金属イオンを含み、
    前記隔離部は、複数の前記孔を有し、
    複数の前記孔の平均孔径は、前記金属イオンのサイズより大きく、かつ前記第1非水溶媒によって溶媒和された前記第1電極メディエータのサイズより小さい、請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記平均孔径が0.5nm以上10nm以下である、請求項2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記平均孔径が3.0nm以上5.0nm以下である、請求項2に記載のレドックスフロー電池。
  5. 前記隔離部は、無機材料を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  6. 前記無機材料は、シリカを主成分とするガラスを含む、請求項5に記載のレドックスフロー電池。
  7. 前記炭化水素基の炭素数が3以上10以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  8. 前記官能基は、Si原子を含むとともに、Si−O結合によって前記孔の内面を修飾している、請求項1から7のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  9. 前記第1非水性液体に少なくとも一部が接触している第1活物質をさらに備え、
    前記第1非水性液体は、金属イオンを含み、
    前記第1電極メディエータが芳香族化合物であり、
    前記金属イオンがリチウムイオンであり、
    前記第1非水性液体は、リチウムを溶解し、
    前記第1活物質は、前記リチウムを吸蔵及び放出する性質を有する物質であり、
    前記第1非水性液体の電位が0.5Vvs.Li+/Li以下である、請求項1から8
    のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  10. 前記芳香族化合物は、ビフェニル、フェナントレン、trans−スチルベン、cis−スチルベン、トリフェニレン、o−ターフェニル、m−ターフェニル、p−ターフェニル、アントラセン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、アセナフテン、アセナフチレン、フルオランテン及びベンジルからなる群より選ばれる
    少なくとも1つを含む、請求項9に記載のレドックスフロー電池。
  11. 前記第2非水性液体に少なくとも一部が接触している第2活物質をさらに備え、
    前記第2非水性液体が第2電極メディエータを含み、
    前記第2電極メディエータは、テトラチアフルバレン、トリフェニルアミン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1から10のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  12. 前記第1非水性液体及び前記第2非水性液体のそれぞれは、カーボネート基及び/又はエーテル結合を有する化合物を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  13. 前記第1非水性液体及び前記第2非水性液体のそれぞれは、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項12に記載のレドックスフロー電池。
  14. 前記第1非水性液体及び前記第2非水性液体のそれぞれは、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブトキシエタン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及び4−メチル−1,3−ジオキソランからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項12に記載のレドックスフロー電池。
JP2020562379A 2018-12-28 2019-10-10 レドックスフロー電池 Active JP7304562B2 (ja)

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