JPWO2020035962A1 - オレフィン類重合用触媒、オレフィン類重合用触媒の製造方法、オレフィン類重合体の製造方法およびオレフィン類重合体 - Google Patents

オレフィン類重合用触媒、オレフィン類重合用触媒の製造方法、オレフィン類重合体の製造方法およびオレフィン類重合体 Download PDF

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Abstract

重合活性に優れ、立体規則性が高いとともに、分子量分布の広いオレフィン類重合体を好適に製造し得るオレフィン類重合用触媒を提供する。
マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、第一の外部電子供与性化合物として、一般式(I)で表される化合物から選ばれる一種以上と、第二の外部電子供与性化合物として、一般式(II)で表される化合物およびアミノシラン化合物から選ばれる一種以上とを含み、前記第一の外部電子供与性化合物および前記第二の外部電子供与性化合物の合計量に対し、前記第一の外部電子供与性化合物を1〜50モル%、前記第二の外部電子供与性化合物を合計で50〜99モル%含むことを特徴とするオレフィン類重合用触媒である。

Description

本発明は、オレフィン類重合用触媒、オレフィン類重合用触媒の製造方法、オレフィン類重合体の製造方法およびプロピレン-α−オレフィン共重合体に関する。
近年、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンは、自動車部品あるいは家電製品などの成型品の他、容器やフィルム等種々の用途に利用されている。
上記ポリオレフィンからなる成型品は、重合により得られたポリマーパウダーを溶融し、ペレット化した後、各種成型機、特に大型の射出成型機で成型して製造されているが、上記パウダーを構成するポリマーの分子量分布が狭い場合には、成型安定性が悪く、フローマーク(流れ模様)が生じ易いという技術課題が存在していた。
また、上記ポリオレフィンからなるフィルムは、重合により得られたポリマーパウダーを溶融し、ペレット化した後、混練機に入れ、二軸延伸機により延伸することにより製造されているが、この場合、生産性を向上させるために、延伸速度として従来の300m/秒前後ではなく400m/秒以上の高速延伸により製造することが求められるようになっている。
しかしながら、上記高速延伸した場合、ポリオレフィンの分子量分布が狭いと溶融張力が不足してフィルムが破断し易く、延伸速度を落とさざるを得ないため、生産性の低下やフィルムの厚みが均一になりにくいという技術課題が存在していた。
このため、適度な立体規則性を維持しつつ従来よりも溶融張力が高い、すなわち分子量分布の広いポリオレフィンを効果的に製造する方法が求められるようになっていた。
このようなポリオレフィンを製造する方法として、本出願人は、先に、特許文献1(特開平8−1434580号公報)において、特定のジシクロアルキルジアルコキシシランを外部ドナーとして含むオレフィン類重合用触媒を用いた製造方法を提案するに至っている。
しかしながら、適度な立体規則性を維持しつつ従来よりもさらに分子量分布の広いポリオレフィンを効果的に製造する方法が求められるようになっていた。
一方、特許文献2においては、立体規則性を維持しつつ分子量分布を広げる外部ドナーとして、ビス(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン(BPIQ)等の環状アミノ基を有するアルコキシシランが提案されている。しかしながら、このようなアミノアルコキシシラン化合物を用いて形成された重合触媒は重合活性が低下するうえ、立体規則性の点においても、未だ充分とは言い難い。
特開平8−1434580号公報 特開2003−238614号公報
このような状況下、本発明は、重合活性に優れ、立体規則性が高いとともに、分子量分布の広いオレフィン類重合体を好適に製造し得るオレフィン類重合用触媒を提供するとともに、オレフィン類重合用触媒の製造方法、オレフィン類重合体の製造方法およびプロピレン-α−オレフィン共重合体を提供することを目的とするものである。
上記技術課題を解決するために本発明者等が鋭意検討したところ、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、第一の外部電子供与性化合物として一般式(I)で表される化合物から選ばれる一種以上と、第二の外部電子供与性化合物として一般式(II)で表される化合物およびアミノシラン化合物から選ばれる一種以上とを含み、前記第一の外部電子供与性化合物および前記第二の外部電子供与性化合物の合計量に対し、前記第一の外部電子供与性化合物を1〜50モル%、前記第二の外部電子供与性化合物を合計で50〜99モル%含むオレフィン類重合用触媒により、上記技術課題を解決しうることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と、
有機アルミニウム化合物と、
第一の外部電子供与性化合物として、下記一般式(I)
Si(OCHCH (I)
(式中、R基は炭素数6以上の直鎖アルキル基、炭素数6以上の分岐アルキル基または炭素数6以上のシクロアルキル基である。)
で表される化合物から選ばれる一種以上と、
第二の外部電子供与性化合物として、下記一般式(II)
Si(OCH (II)
(式中、R基およびR基は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基およびR基は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)
で表される化合物およびアミノシラン化合物
から選ばれる一種以上とを含み、
前記第一の外部電子供与性化合物および前記第二の外部電子供与性化合物の合計量に対し、前記第一の外部電子供与性化合物を1〜50モル%、前記第二の外部電子供与性化合物を合計で50〜99モル%含む
ことを特徴とするオレフィン類重合用触媒、
(2)前記第二の外部電子供与性化合物の総量に占める前記一般式(II)で表される外部電子供与性化合物の割合が1〜100モル%である上記(1)に記載のオレフィン類重合用触媒、
(3)前記アミノシラン化合物が、下記一般式(III)
Si(OR)(NR) (III)
(ただし、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、炭素数3〜4の分岐鎖アルキル基であり、R基は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基である)
で表される化合物から選ばれる一種以上である上記(1)または(2)に記載のオレフィン類重合用触媒、
(4)前記R基およびR基を構成する炭素数が合計で6〜24である上記(1)または(2)に記載のオレフィン類重合用触媒、
(5)前記R基を構成する炭素数が6〜12である上記(1)または(2)に記載のオレフィン類重合用触媒、
(6)上記(1)に記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法であって、
マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と、
有機アルミニウム化合物と、
第一の外部電子供与性化合物として、下記一般式(I)
Si(OCHCH (I)
(式中、R基は炭素数6以上の直鎖アルキル基、炭素数6以上の分岐アルキル基または炭素数6以上のシクロアルキル基である。)
で表される化合物から選ばれる一種以上と、
第二の外部電子供与性化合物として、下記一般式(II)
Si(OCH (II)
(式中、R基およびR基は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基およびR基は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)
で表される化合物およびアミノシラン化合物
から選ばれる一種以上とを、
前記第一の外部電子供与性化合物および前記第二の外部電子供与性化合物の合計量に対し、前記第一の外部電子供与性化合物を1〜50モル%、前記第二の外部電子供与性化合物を合計で50〜99モル%含むように、
相互に接触させる
ことを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法、
(7)前記第二の外部電子供与性化合物の総量に占める前記一般式(II)で表される外部電子供与性化合物の割合が1〜100モル%となるように接触させる上記(6)に記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法、
(8)前記アミノシラン化合物が、下記一般式(III)
Si(OR)(NR) (III)
(ただし、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、炭素数3〜4の分岐鎖アルキル基であり、R基は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基である。)
で表される化合物から選ばれる一種以上である上記(6)または(7)に記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法、
(9)上記(1)または(2)に記載のオレフィン類重合用触媒の存在下、プロピレン単独重合またはプロピレンおよびプロピレン以外のα−オレフィンの共重合を行なうことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法、および
(10)上記(1)または(2)に記載のオレフィン重合用触媒の存在下におけるプロピレン重合体からなるか、またはプロピレンおよびプロピレン以外のα−オレフィンの共重合反応物からなることを特徴とするオレフィン類重合体
を提供するものである。
本発明によれば、重合活性に優れ、立体規則性が高いとともに、分子量分布の広いオレフィン類重合体を好適に製造し得るオレフィン類重合用触媒を提供するとともに、オレフィン類重合用触媒の製造方法、オレフィン類重合体の製造方法およびオレフィン類重合体を提供することができる。
先ず、本発明に係るオレフィン類重合用触媒について説明する。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と、
有機アルミニウム化合物と、
第一の外部電子供与性化合物として、下記一般式(I)
Si(OCHCH (I)
(式中、R基は炭素数6以上の直鎖アルキル基、炭素数6以上の分岐アルキル基または炭素数6以上のシクロアルキル基である。)
で表される化合物から選ばれる一種以上と、
第二の外部電子供与性化合物として、下記一般式(II)
Si(OCH (II)
(式中、R基およびR基は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基およびR基は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)
で表される化合物およびアミノシラン化合物
から選ばれる一種以上とを含み、
前記第一の外部電子供与性化合物および前記第二の外部電子供与性化合物の合計量に対し、前記第一の外部電子供与性化合物を1〜50モル%、前記第二の外部電子供与性化合物を合計で50〜99モル%含む
ことを特徴とするものである。
(外部電子供与性化合物)
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、第一の外部電子供与性化合物として、下記一般式(I)
Si(OCHCH (I)
(式中、R基は炭素数6以上の直鎖アルキル基、炭素数6以上の分岐アルキル基または炭素数6以上のシクロアルキル基である。)
で表される外部電子供与性化合物を含む。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒において、一般式(I)で表されるアルコキシシラン化合物中のR基は、炭素数6以上の直鎖アルキル基、炭素数6以上の分岐アルキル基または炭素数6以上のシクロアルキル基である。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒において、R基が炭素数6以上の直鎖アルキル基である場合、直鎖アルキル基としては、炭素数6〜12の直鎖アルキル基が好ましく、炭素数6〜11の直鎖アルキル基がより好ましく、炭素数6〜10の直鎖アルキル基がさらに好ましく、炭素数6〜9の直鎖アルキル基が一層好ましい。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒において、R基が炭素数6以上の分岐アルキル基である場合、炭素数6〜12の分岐アルキル基が好ましく、炭素数6〜11の分岐アルキル基がより好ましく、炭素数6〜10の分岐アルキル基がさらに好ましく、炭素数6〜9の分岐アルキル基が一層好ましい。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒において、R基が炭素数6以上のシクロアルキル基である場合、シクロアルキル基としては、炭素数6〜12のシクロアルキル基が好ましく、炭素数6〜11のシクロアルキル基がより好ましく、炭素数6〜10のシクロアルキル基がさらに好ましく、炭素数6〜9のシクロアルキル基が一層好ましい。
また、R基としては、上記炭素数を有する直鎖アルキル基が好ましい。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒において、一般式(I)で表されるアルコキシシラン化合物としては、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘプチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン等の直鎖アルキル基を含むアルコキシシラン化合物;iso−ヘキシルトリエトキシシラン、s−ヘキシルトリエトキシシラン、t−ヘキシルトリエトキシシラン、iso−ヘプチルトリエトキシシラン、s−ヘプチルトリエトキシシラン、t−ヘプチルトリエトキシシラン、iso−オクチルトリエトキシシラン、s−オクチルトリエトキシシラン、t−オクチルトリエトキシシラン等の分岐アルキル基を含むアルコキシシラン化合物;シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘプチルトリエトキシシラン、シクロオクチルトリエトキシシラン等のシクロアルキル基を含むアルコキシシラン化合物を挙げることができる。
なお、シクロアルキル基を含むアルコキシシラン化合物は、必要に応じて、シクロ環を形成する炭素原子と結合する水素原子が置換基で適宜置換されてもよい。
一般式(I)で表されるアルコキシシラン化合物としては、上記アルコキシラン化合物から選ばれる一種または二種以上を適宜選択すればよい。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、上記一般式(I)で表される化合物から選ばれる第一の外部電子供与性化合物および後述する第二の外部電子供与性化合物の合計量に対し、上記第一の外部電子供与性化合物を、1〜50モル%含み、5〜50モル%含むことが好ましく、10〜50モル%含むことがより好ましく、15〜50モル%含むことがさらに好ましい。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、上記第一の外部電子供与性化合物を上記の割合で含むものであることにより、良好な重合活性と良好な立体規則性を維持しつつ、分子量分布が極めて広いオレフィン重合体が得られるという優れた技術的効果を容易に発揮することができる。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、第二の外部電子供与性化合物として、下記一般式(II)
Si(OCH (II)
(式中、R基およびR基は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基およびR基は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)
で表される外部電子供与性化合物およびアミノシラン化合物から選ばれる一種以上を含む。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒において、一般式(II)で表されるアルコキシシラン化合物中のR基およびR基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基である。
一般式(II)で表されるアルコキシシラン化合物中のR基またはR基が、炭素数1〜12の直鎖アルキル基である場合、直鎖アルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖アルキル基が好ましく、炭素数1〜6の直鎖アルキル基がより好ましく、炭素数2〜4の直鎖アルキル基がさらに好ましい。
一般式(II)で表されるアルコキシシラン化合物中のR基またはR基が炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基である場合、分岐鎖アルキル基としては、炭素数3〜9の分岐鎖アルキル基が好ましく、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基がより好ましい。
一般式(II)で表されるアルコキシシラン化合物中のR基またはR基が炭素数3〜12のシクロアルキル基である場合、シクロアルキル基としては、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、炭素数4〜8のシクロアルキル基がより好ましく、炭素数4〜6のシクロアルキル基がさらに好ましい。
基またはR基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基等を挙げることができる。
一般式(II)で表されるアルコキシシラン化合物において、R基およびR基は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒において、一般式(II)で表されるアルコキシシラン化合物としては、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシランまたはジイソプロピルジメトキシシラン等を挙げることができる。
一般式(II)で表されるアルコキシシラン化合物としては、上記化合物から選ばれる一種または二種以上を適宜選択すればよい。
一般式(II)で表されるアルコキシシラン化合物において、R基およびR基を構成する炭素数は、合計で、6〜24であることが好ましく、7〜20であることがより好ましく、8〜18であることがさらに好ましい。
一般式(II)で表されるアルコキシシラン化合物において、R基およびR基を構成する炭素数の合計が上記範囲内にあることにより、高い重合活性に加えて、良好な立体規則性と分子量分布が適度に広い重合体を得ることができる。
一般式(II)で表されるアルコキシシラン化合物において、R基を構成する炭素数は、6〜12であることが好ましく、6〜10であることがより好ましく、6〜8であることがさらに好ましい。
一般式(II)で表されるアルコキシシラン化合物において、R基を構成する炭素数が上記範囲内にあることにより、高い重合活性に加えて、良好な立体規則性と分子量分布が適度に広い重合体を得ることができる。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒において、第二の外部電子供与性化合物であるアミノシラン化合物としては、下記一般式(III)
Si(OR)(NR) (III)
(ただし、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、炭素数3〜4の分岐鎖アルキル基であり、R基は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基である。)
で表される化合物から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒において、一般式(III)で表されるジアルキル(アルキルアミノ)アルコキシシラン化合物の具体例としては、t-ブチル-n-プロピル(n−エチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチル-n-プロピル(n-プロピルアミノ)メトキシシラン、t-ブチル-n-プロピル(n-ブチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチル-n-プロピル(sec-ブチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチル-n-プロピル(シクロペンチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチル-n-プロピル(シクロヘキシルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルメチル(n-エチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルメチル(n-プロピルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルメチル(n-ブチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルメチル(sec-ブチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルメチル(シクロペンチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルメチル(シクロヘキシルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルエチル(n-エチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルエチル(n-プロピルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルエチル(n-ブチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルエチル(sec-ブチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルエチル(シクロペンチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルエチル(シクロヘキシルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチル-n-プロピル(n-エチルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチル-n-プロピル(n-プロピルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチル-n-プロピル(n-ブチルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチル-n-プロピル(sec-ブチルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチル-n-プロピル(シクロヘキシルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチルメチル(n-エチルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチルメチル(n-プロピルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチルメチル(n-ブチルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチルメチル(sec-ブチルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチルメチル(シクロヘキシルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチルエチル(n-エチルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチルエチル(n-プロピルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチルエチル(n-ブチルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチルエチル(sec-ブチルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチルエチル(シクロペンチルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチルエチル(シクロヘキシルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシル-n-プロピル(n-エチルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシル-n-プロピル(n-プロピルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシル-n-プロピル(n-ブチルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシル-n-プロピル(sec-ブチルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシル-n-プロピル(シクロペンチルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシル-n-プロピル(シクロヘキシルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシルメチル(n-エチルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシルメチル(n-プロピルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシルメチル(n-ブチルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシルメチル(sec-ブチルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシルメチル(シクロヘキシルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシルエチル(n-エチルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシルエチル(n-プロピルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシルエチル(n-ブチルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシルエチル(sec-ブチルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシルエチル(シクロペンチルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシルエチル(シクロヘキシルアミノ)メトキシシラン等から選ばれる一種以上が挙げられる。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒において、一般式(III)で表されるジアルキル(アルキルアミノ)アルコキシシラン化合物としては、t-ブチル-n-プロピル(エチルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルメチル(n-プロピルアミノ)メトキシシラン、t-ブチルエチル(n-プロピルアミノ)メトキシシラン、t-ブチル-nプロピル(n−プロピルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチル-n-プロピル(エチルアミノ)メトキシシラン、シクロペンチル-n-プロピル(n-プロピルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシル-n-プロピル(n-エチルアミノ)メトキシシラン、シクロヘキシル-n-プロピル(n-プロピルアミノ)メトキシシランから選ばれる一種以上が好ましい。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、上記第一の外部電子供与性化合物および第二の外部電子供与性化合物の合計量に対し、上記第二の外部電子供与性化合物を合計で、50〜99モル%含み、50〜95モル%含むことが好ましく、50〜90モル%含むことがより好ましく、50〜85モル%含むことがさらに好ましい。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、第二の外部電子供与性化合物を上記の割合で含むものであることにより、高い重合活性と良好な立体規則性に加えて、極めて広い分子量分布が得られるという優れた技術的効果を容易に発揮することができる。
第二の外部電子供与性化合物の総量に占める上記一般式(II)で表される外部電子供与性化合物の割合は、1〜100モル%であることが好ましく、3〜100モル%であることがより好ましく、5〜100モル%であることがさらに好ましい。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、上記一般式(I)で表される特定の化合物から選ばれる第一の外部電子供与性化合物とともに、一般式(II)で表される特定の化合物およびアミノシラン化合物から選ばれる第二外部電子供与性化合物を、各々特定の割合で含有することにより、外部電子供与性化合物が各々適度に嵩高いアルキル基を有し、また、アルコキシ基として、一般式(I)で表される化合物は−OCHCH基、一般式(II)で表される化合物は−OCH基を有し、アミノシラン化合物はアミノ基を有することから、固体触媒成分への吸着力の差を生じさせ、異なる活性点を形成し易いために、分子量分布が広いオレフィン類重合体が得られ易くなると考えられる。
また、上記第一の外部電子供与性化合物により水素応答性が向上してMFR(溶融流れ性)の優れた重合体を製造し易くなり、上記第二の外部電子供与性化合物により分子量分布の広いオレフィン類重合体を好適に製造することができ、さらにこれ等の外部電子供与性化合物を特定の割合で含有することにより、活性点における重合体の連鎖移動性がより均一化し易くなると考えられる。
このため、本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、重合活性に優れ、立体規則性が高いとともに、分子量分布の広いオレフィン類重合体を好適に製造することができると考えられる。
(固体触媒成分)
本発明に係るオレフィン類重合用固体触媒は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有する固体触媒成分を含む。
マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有するオレフィン類重合用の固体触媒成分としては、マグネシウム化合物と、四価のチタンハロゲン化合物と、内部電子供与性化合物との接触反応物を挙げることができる。
上記マグネシウム化合物としては、ジアルコキシマグネシウム、ジハロゲン化マグネシウムおよびアルコキシマグネシウムハライド等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記マグネシウム化合物の内、ジアルコキシマグネシウムまたはマグネシウムジハライドが好ましく、具体的には、ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、エトキシメトキシマグネシウム、エトキシプロポキシマグネシウム、ブトキシエトキシマグネシウム、マグネシウムジクロライド、マグネシウムジブロマイド、マグネシウムジイオダイド等が挙げられ、ジエトキシマグネシウムおよびマグネシウムジクロライドが特に好ましい。
上記マグネシウム化合物のうち、ジアルコキシマグネシウムは、金属マグネシウムを、ハロゲンあるいはハロゲン含有金属化合物等の存在下にアルコールと反応させて得たものでもよい。
上記ジアルコキシマグネシウムは、顆粒状または粉末状であるものが好ましく、その形状は不定形あるいは球状のものを使用し得る。
ジアルコキシマグネシウムとして球状のものを使用した場合、より良好な粒子形状を有し(より球状で)狭い粒度分布を有する重合体粉末が得られ、重合操作時に生成した重合体粉末の取扱い操作性が向上し、生成した重合体粉末に含まれる微粉に起因する閉塞等の発生を抑制することができる。
上記球状のジアルコキシマグネシウムは、必ずしも真球状である必要はなく、楕円形状あるいは馬鈴薯形状のものを用いることもできる。具体的には、その粒子の円形度が、3以下であるものが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1〜1.5であることがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度とは、ジアルコキシマグネシウム粒子を500個以上走査型電子顕微鏡により撮影し、撮影した粒子を画像解析処理ソフトにより処理することで各粒子の面積Sと周囲長Lを求め、各ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度を下記式
各ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度=L÷(4π×S)
により算出したときの算術平均値を意味し、粒子の形状が真円に近づくほど、円形度は1に近い値を示す。
また、上記ジアルコキシマグネシウムの平均粒径は、レーザー光散乱回折法粒度測定機を用いて測定したときの、平均粒子径D50(体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径)で1〜200μmであることが好ましく、5〜150μmであることがより好ましい。
ジアルコキシマグネシウムが球状である場合、上記平均粒径は1〜100μmであることが好ましく、5〜60μmであることがより好ましく、10〜50μmであることがさらに好ましい。
また、ジアルコキシマグネシウムの粒度については、微粉及び粗粉の少ない、粒度分布の狭いものであることが好ましい。
具体的には、ジアルコキシマグネシウムは、レーザー光散乱回折法粒度測定機を用いて測定したときに、5μm以下の粒子が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。一方、レーザー光散乱回折法粒度測定機を用いて測定したときに、100μm以上の粒子が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
更にその粒度分布をln(D90/D10)(ここで、D90は体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径、D10は体積積算粒度分布における積算粒度で10%の粒径である。)で表すと3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
上記球状のジアルコキシマグネシウムの製造方法は、例えば特開昭58−41832号公報、特開昭62−51633号公報、特開平3−74341号公報、特開平4−368391号公報、特開平8−73388号公報等に例示されている。
上記マグネシウム化合物は、反応時に溶液状または懸濁液状であることが好ましく、溶液状または懸濁液状であることにより、反応を好適に進行させることができる。
上記マグネシウム化合物が固体である場合には、マグネシウム化合物の可溶化能を有する溶媒に溶解することにより溶液状のマグネシウム化合物とすることができ、またはマグネシウム化合物の可溶化能を有さない溶媒に懸濁することによりマグネシウム化合物懸濁液とすることができる。
なお、マグネシウム化合物が液体状である場合には、そのまま溶液状のマグネシウム化合物として用いてもよいし、マグネシウム化合物の可溶化能を有する溶媒にさらに溶解して溶液状のマグネシウム化合物として用いてもよい。
固体のマグネシウム化合物を可溶化しうる化合物としては、アルコール、エーテルおよびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられ、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノールなどのアルコールが好ましく、2−エチルヘキサノールが特に好ましい。
一方、固体のマグネシウム化合物に対して可溶化能を有さない媒体としては、マグネシウム化合物を溶解することがない、飽和炭化水素溶媒または不飽和炭化水素溶媒から選ばれる一種以上が挙げられる。
固体触媒成分を構成する四価のチタンハロゲン化合物としては、特に制限されないが、下記一般式(IV)
Ti(OR4−r (IV)
(式中、R基は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を示し、rは0または1〜3の整数である。)で表されるチタンハライドもしくはアルコキシチタンハライド群から選択される化合物の一種以上であることが好適である。
上記一般式(IV)で表されるチタンハライドとしては、チタンテトラクロライド、チタンテトラブロマイド、チタンテトラアイオダイド等のチタンテトラハライドが挙げられる。
また、上記一般式(IV)で表されるアルコキシチタンハライドとしては、メトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライド、プロポキシチタントリクロライド、n−ブトキシチタントリクロライド、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライド、ジプロポキシチタンジクロライド、ジ−n−ブトキシチタンジクロライド、トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライド、トリプロポキシチタンクロライド、トリ−n−ブトキシチタンクロライド等から選ばれる一種以上が挙げられる。
四価のチタンハロゲン化合物としては、チタンテトラハライドが好ましく、チタンテトラクロライドがより好ましい。
これらのチタン化合物は単独あるいは2種以上併用することもできる。
固体触媒成分を構成する内部電子供与性化合物としては、特に制限されないが、酸素原子あるいは窒素原子を含有する有機化合物であることが好ましく、例えば、アルコール類、フェノール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、酸ハライド類、アルデヒト類、アミン類、アミド類、ニトリル類、イソシアネート類、Si−O−C結合またはSi−N−C結合を含む有機ケイ素化合物等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
内部電子供与性化合物としては、モノエーテル類、ジエーテル類、エーテルカーボネート類等のエーテル化合物や、モノカルボン酸エステル類、ポリカルボン酸エステル類などのエステル類がより好ましく、芳香族ジカルボン酸ジエステル等の芳香族ポリカルボン酸エステル類、脂肪族ポリカルボン酸エステル類、脂環式ポリカルボン酸エステル類、ジエーテル類、およびエーテルカーボネート類から選ばれる一種以上がさらに好ましい。
内部電子供与性化合物としては、特に、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)等の芳香族ジカルボン酸ジエステル;マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、ジメチルマレイン酸ジブチル、ジエチルマレイン酸ジブチル、ジイソブチルマレイン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、メチルコハク酸ジエチル、2,3−ジイソプロピルコハク酸ジエチル、マロン酸ジ-n-ブチル、マロン酸ジエチル、ジイソブチルマロン酸ジメチル、ジイソブチルマロン酸ジエチル、ベンジリデンマロン酸ジメチル、ベンジリデンマロン酸ジエチルおよびベンジリデンマロン酸ジブチル等の脂肪族ポリカルボン酸エステル;シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル、シクロヘキサンジカルボン酸ジ−n−プロピル、シクロヘキサンジカルボン酸ジブチル、シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ−n−プロピル、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジブチル、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ−n−プロピル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジブチル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、等の脂環式ポリカルボン酸エステル;2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン等のジエーテル類;(2−エトキシエチル)エチルカーボネート、(2−エトキシエチル)フェニルカーボネート等のエーテルカーボネート類から選ばれる一種以上が好ましい。
上記固体触媒成分は、マグネシウム化合物、四価のチタンハロゲン化合物および内部電子供与性化合物の接触反応物からなる。
上記マグネシウム化合物、四価のチタンハロゲン化合物および内部電子供与性化合物の接触、反応は、第三成分であるポリシロキサンの存在下に行ってもよい。
ポリシロキサンとは、主鎖にシロキサン結合(−Si−O−結合)を有する重合体であるが、シリコーンオイルとも総称され、25℃における粘度が0.02〜100cm/s(2〜10000センチストークス)、より好ましくは0.03〜5cm/s(3〜500センチストークス)を有する、常温で液状あるいは粘稠状の鎖状、部分水素化、環状あるいは変性ポリシロキサンを意味する。
鎖状ポリシロキサンとしては、ジシロキサンとしてヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサン1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1、3−ジクロロテトラメチルジシロキサン、1、3−ジブロモテトラメチルジシロキサン、クロロメチルペンタメチルジシロキサン、1,3−ビス(クロロメチル)テトラメチルジシロキサン、また、ジシロキサン以外のポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが、部分水素化ポリシロキサンとしては、水素化率10〜80%のメチルハイドロジェンポリシロキサンが、環状ポリシロキサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンが、また変性ポリシロキサンとしては、高級脂肪酸基置換ジメチルシロキサン、エポキシ基置換ジメチルシロキサン、ポリオキシアルキレン基置換ジメチルシロキサンが例示される。これらの中で、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びジメチルポリシロキサンが好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンが特に好ましい。
上記マグネシウム化合物、四価のチタンハロゲン化合物、内部電子供与性化合物(および場合によりポリシロキサン)を接触させ、反応させる処理は、不活性有機溶媒の存在下に行うことが好ましい。
上記不活性有機溶媒としては、常温(20℃)下において液体で、かつ沸点50〜150℃であるものが好ましく、常温下において液体で、かつ沸点50〜150℃である芳香族炭化水素化合物または飽和炭化水素化合物がより好ましい。
上記不活性有機溶媒として、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の直鎖脂肪族炭化水素化合物、メチルヘプタン等の分岐状脂肪族炭化水素化合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物等から選ばれる一種以上が挙げられる。
上記不活性有機溶媒のうち、常温下において液体で、沸点が50〜150℃である芳香族炭化水素化合物が、得られる固体触媒成分の活性を向上させ、得られる重合体の立体規則性を向上させることができるため、好適である。
マグネシウム化合物、四価のチタンハロゲン化合物および内部電子供与性化合物は、適宜不活性有機溶媒の存在下に混合することにより、接触、反応させることができる。
上記反応時の温度は、0〜130℃が好ましく、40〜130℃がより好ましく、30〜120℃がさらに好ましく、80〜120℃が一層好ましい。また、反応時間は、1分間以上が好ましく、10分間以上がより好ましく、30分間〜6時間がさらに好ましく、30分間〜5時間が一層好ましく、1〜4時間がより一層好ましい。
上記反応に先だって低温熟成を施してもよい。
低温熟成は、反応時の温度よりも低温で各成分を接触させる予備反応であって、低温熟成時の温度は、−20〜70℃が好ましく、−10〜60℃がより好ましく、−10〜30℃がさらに好ましい。また、低温熟成時間は、1分間〜6時間が好ましく、5分間〜4時間がより好ましく、30分間〜3時間がさらに好ましい。
マグネシウム化合物、四価のチタンハロゲン化合物および内部電子供与性化合物類を接触、反応させる際、マグネシウム化合物1モルに対する四価のチタンハロゲン化合物の使用量は、0.5〜100モルであることが好ましく、1〜50モルであることがより好ましく、1〜10モルであることがさらに好ましい。
マグネシウム化合物、四価のチタンハロゲン化合物および内部電子供与性化合物を接触、反応させる際、マグネシウム化合物1モルに対する内部電子供与性化合物の使用量は、0.01〜10モルであることが好ましく、0.01〜1モルであることがより好ましく、0.02〜0.6モルであることがさらに好ましい。
また、不活性有機溶媒を使用する場合、不活性有機溶媒の使用量は、マグネシウム化合物1モルに対し、0.001〜500モルであることが好ましく、0.5〜100モルであることがより好ましく、1.0〜20モルであることがさらに好ましい。
各成分の接触は、不活性ガス雰囲気下、水分等を除去した状況下で、撹拌機を具備した容器中で、撹拌しながら行うことが好ましい。
上記反応終了後、反応生成物は、反応液を静置し、適宜、上澄み液を除去してウェット状(スラリー状)とするか、さらに熱風乾燥等により乾燥状態にした上で、洗浄処理することが好ましい。
上記反応終了後、反応液を静置し、上澄み液を適宜除去した上で、得られた反応生成物を洗浄処理する。
上記洗浄処理は、通常洗浄液を用いて行われる。
洗浄液としては、上記不活性有機溶媒と同様のものを挙げることができ、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の常温下で液体、かつ、沸点が50〜150℃の直鎖脂肪族炭化水素化合物や、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の常温下で液体、かつ、沸点が50〜150℃の環式脂肪族炭化水素化合物、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、オルトジクロロベンゼン等の常温下で液体、かつ、沸点が50〜150℃の芳香族炭化水素化合物等から選ばれる一種以上が好ましい。
上記洗浄液を使用することにより、反応物中から、副生成物や不純物を容易に溶解し、除去することができる。
上記洗浄処理は、0〜120℃の温度下で行うことが好ましく、0〜110℃の温度下で行うことがより好ましく、30〜110℃の温度下で行うことがさらに好ましく、50〜110℃の温度下で行うことが一層好ましく、50〜100℃の温度下で行うことがより一層好ましい。
洗浄処理は、反応生成物に対して所望量の洗浄液を加えて攪拌した後、フィルトレーション法(濾過法)もしくはデカンテーション法により、液相を除去することにより行うことが好ましい。
また、後述するように、洗浄回数が複数回(2回以上)である場合には、反応生成物に対して最後に添加した洗浄液を除去することなく、そのまま次工程の反応に供することもできる。
上記各成分を接触、反応させた後、洗浄処理することにより、反応生成物中に残留する未反応原料成分や反応副生成物(アルコキシチタンハライドや四塩化チタン−カルボン酸錯体等)の不純物を除去することができる。
上記洗浄処理後に適宜後処理を施してもよい。
上記後処理を施す場合、例えば、上記反応終了後に得られた反応物や、上記洗浄処理後に得られた洗浄物に対し、四価のチタンハロゲン化合物をさらに接触させる態様や、四価のチタンハロゲン化合物をさらに接触させた後に洗浄する態様を挙げることができる。上記後処理における洗浄は、上述した反応生成物の洗浄と同様に行うことができる。
上記各成分の接触反応物は、通常、懸濁液状であり、当該懸濁液状の生成物は、静置し、上澄み液を除去してウェット状(スラリー状)としたり、さらに熱風乾燥等により乾燥することにより固体触媒成分を得ることができる。
上記固体触媒成分において、マグネシウム原子の含有量は、10〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、15〜40質量%がさらに好ましく、15〜25質量%が特に好ましい。
上記固体触媒成分において、チタン原子の含有量は、0.5〜8.0質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%が好ましく、0.5〜3.5質量%がさらに好ましい。
上記固体触媒成分において、ハロゲン原子の含有量は、20〜88質量%が好ましく、30〜85質量%がより好ましく、40〜80質量%がさらに好ましく、45〜75質量%が一層好ましい。
本発明に係るオレフィン重合用触媒において、内部電子供与性化合物の含有割合は、1.5〜30質量%が好ましく、3.0〜25質量% がより好ましく、6.0〜25質量%がさらに好ましい。
本出願書類において、固体触媒成分中のマグネシウム原子の含有量は、固体触媒成分を塩酸溶液で溶解し、EDTA溶液で滴定するEDTA滴定方法により測定した値を意味するものとする。
本出願書類において、固体触媒成分中のチタン原子の含有量は、JIS 8311−1997「チタン鉱石中のチタン定量方法」に記載の方法(酸化還元滴定)に準じて測定した値を意味するものとする。
本出願書類において、固体触媒成分中のハロゲン原子の含有量は、固体触媒成分を硫酸と純水の混合溶液で処理して水溶液とした後、所定量を分取し、硝酸銀標準溶液でハロゲン原子を滴定する硝酸銀滴定法により測定した値を意味するものとする。
本出願書類において、固体触媒成分中の内部電子供与性化合物の含有量は、ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、GC−14B)を用いて下記の条件で測定したときに、予め既知濃度に基づいて測定した検量線を用いて求められる結果を意味する。
<測定条件>
カラム:パックドカラム(φ2.6×2.1m, Silicone SE-30 10%,Chromosorb WAWDMCS 80/100、ジーエルサイエンス(株)社製)
検出器:FID(Flame IonizationDetector,水素炎イオン化型検出器)
キャリアガス:ヘリウム、流量40mL/分
測定温度:気化室280℃、カラム225℃、検出器280℃、または気化室265℃、カラム180℃、検出器265℃
(有機アルミニウム化合物)
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、上記固体触媒成分、上記一般式(I)で表される外部電子供与性化合物から選ばれる一種以上、一般式(II)で表される外部電子供与性化合物およびアミノシラン化合物から選ばれる一種以上とともに、有機アルミニウム化合物を含む。
上記有機アルミニウム化合物としては、下記一般式(V)
10 AlQ3−p (V)
(式中、R10は炭素数1〜6のアルキル基であり、Qは水素原子、ハロゲン原子であり、pは0<p≦3の実数である。)
で表される有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
一般式(V)で表わされる有機アルミニウム化合物において、R10は炭素数1〜6のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等を挙げることができる。
上記一般式(V)で表わされる有機アルミニウム化合物において、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、Qがハロゲン原子である場合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
上記一般式(V)で表わされる有機アルミニウム化合物として、具体的には、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムハイドライドから選ばれる一種以上を挙げることができ、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好適である。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、外部電子供与性化合物として、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物およびアミノシラン化合物以外の化合物を含むものであってもよい。
このような外部電子供与性化合物としては、酸素原子あるいは窒素原子を含有する有機化合物が挙げられ、具体的には、例えばアルコール類、フェノール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、酸ハライド類、アルデヒド類、アミン類、アミド類、ニトリル類、イソシアネート類、有機ケイ素化合物、中でもSi−O−C結合を有する有機ケイ素化合物等が挙げられる。
上記外部電子供与性化合物のなかでも、安息香酸エチル、p−メトキシ安息香酸エチル、p−エトキシ安息香酸エチル、p−トルイル酸メチル、p−トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル等のエステル類、1,3−ジエーテル類、Si−O−C結合を含む有機ケイ素化合物が好ましく、Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物が特に好ましい。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒において、固体触媒成分、有機アルミニウム化合物、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物およびアミノシラン化合物の含有割合は、本発明の効果が得られる範囲において任意に選定することができ、特に限定されない。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、固体触媒成分中のチタン原子1モルあたり、有機アルミニウム化合物を、1〜2000モル含むことが好ましく、50〜1000モル含むことがより好ましい。
また、本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、オレフィン類重合用触媒中に含有される固体触媒成分中のチタン原子1モルあたり、上記一般式(I)で表される化合物、上記一般式(II)で表される化合物およびアミノシラン化合物を、合計で、1〜200モル含むことが好ましく、2〜150モル含むことがより好ましく、5〜100モル含むことがさらに好ましい。
さらに、本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、オレフィン類重合用触媒中に含有される有機アルミニウム化合物1モルあたり、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物およびアミノシラン化合物を、合計で、0.001〜10モル含むことが好ましく、0.002〜2モル含むことがより好ましく、0.002〜0.5モル含むことがさらに好ましい。
本発明によれば、重合活性に優れ、立体規則性が高いとともに、分子量分布の広いオレフィン類重合体を好適に製造し得るオレフィン類重合用触媒を提供することができる。
次に、本発明に係るオレフィン類重合用触媒の製造方法について説明する。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒の製造方法は、本発明のオレフィン類重合用触媒を製造する方法であって、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と、
有機アルミニウム化合物と、
第一の外部電子供与性化合物として、下記一般式(I)
Si(OCHCH (I)
(式中、R基は炭素数6以上の直鎖アルキル基、炭素数6以上の分岐アルキル基または炭素数6以上のシクロアルキル基である。)
で表される化合物から選ばれる一種以上と、
第二の外部電子供与性化合物として、下記一般式(II)
Si(OCH (II)
(式中、R基およびR基は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基およびR基は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)
で表される化合物およびアミノシラン化合物
から選ばれる一種以上とを、
前記第一の外部電子供与性化合物および前記第二の外部電子供与性化合物の合計量に対し、前記第一の外部電子供与性化合物を1〜50モル%、前記第二の外部電子供与性化合物を合計で50〜99モル%含むように、
相互に接触させる
ことを特徴とするものである。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒の製造方法において、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有する固体触媒成分の詳細や、有機アルミニウム化合物の詳細や、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物およびアミノシラン化合物の詳細は、上述した内容と同様である。
また、各成分の接触割合については、上述したオレフィン類重合用触媒の構成成分の含有割合に対応する量を接触することが好ましい。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒の製造方法において、上記各成分を接触させる順序は任意であるが、例えば、以下の接触順序を例示することができる。
(i)(α)固体触媒成分→(γ)第一の外部電子供与性化合物および第二の外部電子供与性化合物を含む外部電子供与性化合物→(β)有機アルミニウム化合物
(ii)(β)有機アルミニウム化合物→(γ)第一の外部電子供与性化合物および第二の外部電子供与性化合物を含む外部電子供与性化合物→(α)固体触媒成分
(iii)(γ)第一の外部電子供与性化合物および第二の外部電子供与性化合物を含む外部電子供与性化合物→(α)固体触媒成分→(β)有機アルミニウム化合物
(iv)(γ)第一の外部電子供与性化合物および第二の外部電子供与性化合物を含む外部電子供与性化合物→(β)有機アルミニウム化合物→(α)固体触媒成分
上記接触例(i)〜(iv)において、接触例(ii)が好適である。
なお、上記接触例(i)〜(iv)において、「→」は接触順序を意味し、例えば、「(α)オレフィン類重合用固体触媒成分→(β)有機アルミニウム化合物→(γ)第一の外部電子供与性化合物および第二の外部電子供与性化合物を含む外部電子供与性化合物」は、(α)固体触媒成分中に(β)有機アルミニウム化合物を添加して接触させた後、(γ)第一の外部電子供与性化合物および第二の外部電子供与性化合物を含む外部電子供与性化合物を添加して接触させることを意味する。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒の製造方法においては、固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および外部電子供与性化合物を、オレフィン類不存在下で接触させてもよいし、オレフィン類の存在下で(重合系内で)接触させてもよい。
上記固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および外部電子供与性化合物の接触は、固体触媒成分や調製造後のオレフィン類重合用触媒の劣化を防止するため、アルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気下、或いはプロピレン等のモノマー雰囲気下で行うことが好ましい。
また、操作の容易性を考慮すると、不活性溶媒等、分散媒の存在下において行うことも好ましく、不活性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物等が用いられ、脂肪族炭化水素がより好ましく、中でもヘキサン、ヘプタンおよびシクロヘキサンがより好ましい。
上記各成分を接触させる際の接触温度は、−10℃〜100℃が好ましく、0℃〜90℃がより好ましく、20℃〜80℃がさらに好ましい。接触時間は1分間〜10時間が好ましく、10分間〜5時間がより好ましく、30分間〜2時間がさらに好ましい。
接触温度及び接触時間を上記の範囲とすることで、オレフィン類重合用触媒の重合活性や得られる重合体の立体規則性を向上させ易くなり、結果として得られるオレフィン類重合体の機械的物性、加工性、生産性が向上し易くなる。
本発明によれば、重合活性に優れ、立体規則性が高いとともに、分子量分布の広いオレフィン類重合体を好適に製造し得るオレフィン類重合用触媒を簡便に製造する方法を提供することができる。
次に、本発明に係るオレフィン類重合体の製造方法について説明する。
本発明に係るオレフィン類重合体の製造方法は、本発明に係るオレフィン類重合触媒の存在下、プロピレン単独重合またはプロピレンおよびプロピレン以外のα−オレフィンの共重合を行なうことを特徴とするものである。
本発明のオレフィン類重合体の製造方法においては、プロピレンの単独重合を行うか、プロピレンおよびプロピレン以外のα−オレフィンの共重合を行う。
プロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等から選ばれる一種以上を挙げることができ、エチレンまたは1−ブテンが好適である。
本発明のオレフィン類重合体の製造方法においては、プロピレンの単独重合を行ってもよいし、プロピレンおよび他のα−オレフィン類の共重合を行ってもよく、プロピレンと他のオレフィン類との共重合を行う場合、プロピレンと少量の(エチレン等の)プロピレン以外のα−オレフィン単量体をコモノマーとして、1段で重合するランダム共重合と、第一段階(第一重合槽)でプロピレンの単独重合を行い、第二段階(第二重合槽)あるいはそれ以上の多段階(多段重合槽)でプロピレンとエチレン等の他のα−オレフィンとの共重合を行うブロック共重合が代表的であり、プロピレンと他のα―オレフィンとのブロック共重合が好ましい。
ブロック共重合により得られるブロック共重合体とは、2種以上のモノマー組成が連続して変化するセグメントを含む重合体であり、モノマー種、コモノマー種、コモノマー組成、コモノマー含量、コモノマー配列、立体規則性などポリマーの一次構造の異なるポリマー鎖(セグメント)が1分子鎖中に2種類以上繋がっている形態のものをいう。
プロピレンと共重合されるオレフィン類としては、炭素数2〜20のα−オレフィン(炭素数3のプロピレンを除く)であることが好ましく、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等を挙げることができ、これ等のオレフィン類は一種以上併用することができる。共重合されるオレフィン類としては、エチレンまたは1−ブテンが好適であり、エチレンが特に好適である。
本発明のオレフィン類重合体の製造方法において、オレフィン類の重合は、有機溶媒の存在下でも不存在下でも行うことができる。
また、重合対象となるオレフィン類は、気体および液体のいずれの状態でも用いることができる。
オレフィン類の重合は、例えば、オートクレーブ等の反応炉内において、本発明に係るオレフィン類重合用触媒の存在下、オレフィン類を導入し、加熱、加圧状態下に行う。
本発明に係るオレフィン類重合体の製造方法において、重合温度は、通常200℃以下であるが、100℃以下が好ましく、活性や立体規則性の向上の観点からは、60〜100℃がより好ましく、70〜90℃がさらに好ましく、75〜80℃が一層好ましい。本発明のオレフィン類重合体の製造方法において、重合圧力は、10MPa以下が好ましく、5MPa以下がより好ましい。
本発明に係るオレフィン類重合体の製造方法においては、上記重合温度範囲において、比較的高温下でホモ重合した場合でも水素活性に優れ高い立体規則性を有する重合体を高い生産性の下で作製することができるとともに、高温下で共重合した場合においても、優れた水素活性と共重合活性を達成し、耐衝撃性に優れた共重合体を製造することができる。
また、連続重合法、バッチ式重合法のいずれでも可能である。更に重合反応は一段で行ってもよいし、二段以上で行ってもよい。
本発明に係るオレフィン類重合体の製造方法において、プロピレンと他のα−オレフィン類とのブロック共重合反応は、通常、本発明に係るオレフィン類重合用触媒の存在下、前段でプロピレン単独あるいは、プロピレンとプロレン以外の少量のα−オレフィン(エチレン等)とを接触させ、次いで後段でプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィン(エチレン等)とを接触させることにより実施することができる。なお、上記前段の重合反応を複数回繰り返し実施してもよいし、上記後段の重合反応を複数回繰り返し多段反応により実施してもよい。
プロピレンと他のα−オレフィン類とのブロック共重合反応は、具体的には、前段で(最終的に得られる共重合体に占める)ポリプロピレン部の割合が20〜90重量%になるように重合温度および時間を調整して重合を行ない、次いで後段において、プロピレンおよびエチレンあるいは他のα−オレフィンを導入し、(最終的に得られる共重合体に占める)エチレン−プロピレンゴム(EPR)などのゴム部割合が10〜80重量%になるように重合する。
前段及び後段における重合温度は共に、200℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、75〜80℃がさらに好ましく、重合圧力は、10MPa以下が好ましく、5MPa以下がより好ましい。
上記共重合反応においても、連続重合法、バッチ式重合法のいずれの重合法も採用することができ、重合反応は1段で行なってもよいし、2段以上で行なってもよい。
また、重合時間(反応炉内の滞留時間)は、前段または後段の各重合段階のそれぞれの重合段階で、あるいは連続重合の際においても、1分間〜5時間であることが好ましい。
重合方法としては、シクロヘキサン、ヘプタン等の不活性炭化水素化合物の溶媒を使用するスラリー重合法、液化プロピレン等の溶媒を使用するバルク重合法、実質的に溶媒を使用しない気相重合法が挙げられ、バルク重合法または気相重合法が好適であり、後段の反応は一般的にはEPRのPP粒子からの溶出を抑える目的から気相重合反応であることが好ましい。
本発明に係るオレフィン類重合体の製造方法において、オレフィン類を重合(以下、適宜、本重合と称する。)するにあたり、重合対象となるオレフィン類に対して本発明に係るオレフィン類重合用触媒の構成成分の一部または全部を接触させることにより、予備的な重合(以下、適宜、予備重合と称する。)を行ってもよい。
予備重合を行うに際して、本発明のオレフィン類重合用触媒の構成成分およびオレフィン類の接触順序は任意であるが、不活性ガス雰囲気あるいはオレフィンガス雰囲気に設定した予備重合系内に先ず有機アルミニウム化合物を装入し、次いで固体触媒成分を接触させた後、プロピレン等のオレフィン類を一種以上接触させることが好ましい。または、不活性ガス雰囲気あるいはオレフィンガス雰囲気に設定した予備重合系内に先ず有機アルミニウム化合物を装入し、次いで一般式(I)で表されるアミノシラン化合物を含む外部電子供与性化合物を接触させ、さらに固体触媒成分を接触させた後、プロピレン等のオレフィン類を一種以上接触させることが好ましい。
予備重合の際には、本重合と同様のオレフィン類、あるいはスチレン等のモノマーを用いることができ、予備重合条件も、上記重合条件と同様である。
上記予備重合を行うことにより、触媒活性を向上させ、得られる重合体の立体規則性および粒子性状等を一層改善し易くなる。
本発明に係るオレフィン類重合体の製造方法によれば、重合活性に優れ、立体規則性が高いとともに、分子量分布の広いオレフィン類重合体を好適に製造することができる。
次に、本発明に係るオレフィン類重合体について説明する。
本発明に係るオレフィン類重合体は、本発明に係るオレフィン重合用触媒の存在下におけるプロピレン重合体からなるか、またはプロピレンおよびプロピレン以外のα−オレフィンの共重合反応物からなることを特徴とするものである。
本発明に係るオレフィン類重合体において、プロピレン重合体(プロピレン単独重合体)またはプロピレン−α−オレフィン共重合体は、上述した本発明に係るオレフィン類重合体の製造方法により製造され得るものである。
本発明に係るオレフィン類重合体は、本発明に係るオレフィン類重合体の製造方法により製造されるものであることから、立体規則性が高いとともに、広い分子量分布を有し優れた溶融張力を発揮することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(製造例1)
<固体触媒成分(A-1)の製造>
撹拌装置を備え、内部が窒素ガスで充分に置換された内容積500mLのフラスコに、四塩化チタン30mLおよびトルエン20mLを装入して、混合溶液を形成した。次いで、平均粒径32μmの球状ジエ卜キシマグネシウム(円形度1.10)10.0g(87.4ミリモル)、トルエン50mLおよびフタル酸ジ−n−ブチル3.6mLを用いて形成した懸濁液を、10℃の液温に保持した前記混合溶液中に添加した。
その後、液温を10℃から90℃まで昇温し、90℃で2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた固体生成物を90℃のトルエン100mLで4回洗浄し、新たに四塩化チタン30mLおよびトルエン70mLを加え、110℃に昇温し、110℃で2時間攪拌しながら反応させた。
反応終了後、40℃のn−ヘプタン100mLで10回洗浄して、固体触媒成分(A-1)を得た。得られた固体触媒成分中のチタン含有率を測定したところ、2.7重量%であった。
(実施例1)
<重合触媒の形成及びプロピレン重合>
窒素ガスで完全に置換された内容積2.0リットルの攪拌機付きオートクレーブに、トリエチルアルミニウム1.32ミリモル、第一の外部電子供与性化合物としてn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)0.0264ミリモルおよび第二の外部電子供与性化合物としてシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)0.1056ミリモルを装入後、前記固体触媒成分(A-1)をチタン原子として0.00264ミリモル装入してオレフィン重合用触媒を形成した(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は20モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は80モル%であった)。
次いで、水素ガス1.5リットルおよび液化プロピレン1.4リットルをオートクレーブに装入し、20℃で5分間予備重合を行った後、70℃まで昇温し、70℃で1時間の重合反応を行い、プロピレン重合体を得た。
なお、固体触媒成分1g当たりの重合活性は48,000(g−pp/g−cat)であった。また、得られたプロピレン重合体について、重合体の溶融流れ性(MFR)および重合体のp−キシレン可溶分の割合(XS)を測定した。結果を表1に示す。
<重合体の溶融流れ性(MFR)>
重合体の溶融流れ性を示すメルトフローレート(MFR)(g/10分間)は、ASTM D 1238、JIS K 7210に準じて測定した。
<重合体の分子量分布>
重合体の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(Waters社製GPCV2000)にて以下の条件で測定して求めた重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの比Mw/Mn及びZ平均分子量Mz及び重量平均分子量Mwの比Mz/Mwによって評価した。
・溶媒:o−ジクロロベンゼン(ODCB)
・温度:140℃(SEC)
・カラム:Shodex GPC UT−806M
・サンプル濃度:1g/liter−ODCB(50mg/50mL−ODCB)
・注入量:0.5mL
・流量:1.0mL/min
<重合体のp−キシレン可溶分の割合(XS)>
攪拌装置を具備したフラスコ内に、4.0gの重合体(ポリプロピレン)と、200mLのp−キシレンを装入し、外部温度をキシレンの沸点以上(約150℃)とすることにより、フラスコ内部のp−キシレンの温度を沸点下(137〜138℃)に維持しつつ、2時間かけて重合体を溶解した。その後1時間かけて液温を23℃まで冷却し、不溶解成分と溶解成分とを濾過分別した。上記溶解成分の溶液を採取し、加熱減圧乾燥によりp−キシレンを留去し、得られた残留物の重量を求め、生成した重合体(ポリプロピレン)に対する相対割合(質量%)を算出して、キシレン可溶分(XS)とした。
(実施例2)
第一の外部電子供与性化合物であるn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)0.0264ミリモルを0.0528ミリモルおよび第二の外部電子供与性化合物としてシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)0.1056ミルモルを0.0792に変更する以外は実施例1と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は40モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は60モル%であった)。結果を表1に示す。
(実施例3)
第一の外部電子供与性化合物であるn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)0.0264ミリモルを0.0647ミリモルおよび第二の外部電子供与性化合物としてシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)0.1056ミリモルを0.0673に変更する以外は実施例1と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は49モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は51モル%であった)。結果を表1に示す。
(実施例4)
第一の外部電子供与性化合物であるn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)0.0264ミリモルを0.0660ミリモルおよび第二の外部電子供与性化合物としてシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)0.1056ミリモルを0.0660に変更する以外は実施例1と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は50モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は50モル%であった)。結果を表1に示す。
(比較例1)
第一の外部電子供与性化合物であるn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)を使用せず、第二の外部電子供与性化合物であるシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)0.1320ミリモルのみを使用した以外は実施例1と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は0モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は100モル%であった)。結果を表1に示す。
(比較例2)
第一の外部電子供与性化合物であるn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)0.0264ミリモルの代わりにテトラエトキシシラン(TEOS)0.0264ミリモルに変更する以外は、実施例1と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は20モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は80モル%であった)。結果を表1に示す。
(比較例3)
第一の外部電子供与性化合物であるn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)0.0264ミリモルの代わりにシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)0.1056ミリモルに変更し、第二の外部電子供与性化合物としてシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)0.1056ミリモルをテトラエトキシシラン(TEOS)0.0264ミリモルに変更する以外は、実施例1と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は80モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は20モル%であった)。結果を表1に示す。
(比較例4)
第一の外部電子供与性化合物であるn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)0.0264ミリモルの代わりにシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)0.0264ミリモルに変更し、第二の外部電子供与性化合物としてシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)0.1056ミリモルをn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)0.1056ミリモルに変更する以外は、実施例1と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は20モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は80モル%であった)。結果を表1に示す。
(比較例5)
第一の外部電子供与性化合物であるn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)0.0264ミリモルの代わりにジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)0.0132ミリモルに変更し、第二の外部電子供与性化合物としてシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)0.1056ミリモルをn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)0.1188ミリモルに変更する以外は、実施例1と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は10モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は90モル%であった)。結果を表1に示す。
(比較例6)
第一の外部電子供与性化合物であるn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)を使用せず、第二の外部電子供与性化合物であるシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)の代わりにシクロヘキシルメチルジメトキシシラン(CMDMS)0.1320ミリモルを使用した以外は実施例1と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は0モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は100モル%であった)。結果を表1に示す。
(比較例7)
第一の外部電子供与性化合物であるn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)0.0264ミリモルの代わりにジエチルアミノトリエトキシシラン(DEATES)0.1320を使用し、第二の外部電子供与性化合物であるシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)使用しなかった以外は実施例1と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は100モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は0モル%であった)。結果を表1に示す。
(比較例8)
第一の外部電子供与性化合物であるn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)0.0264ミリモルの代わりにビス(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン(BPIQ)0.1320を使用し、第二の外部電子供与性化合物であるシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン(CHCPDMS)使用しなかった以外は実施例1と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は100モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は0モル%であった)。結果を表1に示す。
Figure 2020035962
<備考>
・Mw/Mn :重量平均分子量/数平均分子量
・Mz/Mw :粘度平均分子量/重量平均分子量
・NHTES :n−ヘキシルトリエトキシシラン
・CHCPDMS:シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン
・TEOS :テトラエトキシシラン
・DCPDMS :ジシクロペンチルジメトキシシラン
・CMDMS :シクロメチルジメトキシシラン
・DEATES :ジエチルアミノトリエトキシシラン
・BPIQ :ビス(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン
(実施例5)
窒素ガスで完全に置換された内容積2.0リットルの攪拌機付きオートクレーブに、トリエチルアルミニウム1.32ミリモル、第一の外部電子供与性化合物としてn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)を0.052ミリモル、第二の外部電子供与性化合物として、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシランを0.039ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシランを0.039ミリモル装入後、前記固体触媒成分(A-1)をチタン原子として0.00264ミリモル装入してオレフィン重合用触媒を形成した(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は40モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は60モル%であった)。
次いで、実施例1と同様にしてプロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例6)
n−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)の装入量を0.066ミリモル、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.033ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.033ミリモルに変更した以外は実施例5と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は50モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は50モル%であった)。結果を表2に示す。
(実施例7)
n−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)の装入量を0.052ミリモル、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.059ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.020ミリモルに変更した以外は実施例5と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は40モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は60モル%であった)。結果を表2に示す。
(実施例8)
n−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)の装入量を0.052ミリモル、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.072ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.007ミリモルに変更した以外は実施例5と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は40モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は60モル%であった)。結果を表2に示す。
(実施例9)
n−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)の装入量を0.043ミリモル、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.043ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.043ミリモルに変更した以外は実施例5と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は33モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は67モル%であった)。結果を表2に示す。
(実施例10)
n−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)の装入量を0.066ミリモル、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.052ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.013ミリモルに変更した以外は実施例5と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は50モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は50モル%であった)。結果を表2に示す。
Figure 2020035962
<備考>
・Mw/Mn :重量平均分子量/数平均分子量
・NHTES :n−ヘキシルトリエトキシシラン
・CHCPDMS:シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン
・DCPDMS :ジシクロペンチルジメトキシシラン
(実施例11)
窒素ガスで完全に置換された内容積2.0リットルの攪拌機付きオートクレーブに、トリエチルアルミニウム1.32ミリモル、第一の外部電子供与性化合物としてn−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)を0.052ミリモル、第二の外部電子供与性化合物として、t−ブチルプロピル(プロピルアミノ)メトキシシランを0.039ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシランを0.039ミリモル装入後、前記固体触媒成分(A-1)をチタン原子として0.00264ミリモル装入してオレフィン重合用触媒を形成した(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は40モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は60モル%であった)。
次いで、実施例1と同様にしてプロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例12)
n−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)の装入量を0.066ミリモル、t−ブチルプロピル(プロピルアミノ)メトキシシランの装入量を0.033ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.033ミリモルに変更した以外は実施例11と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は50モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は50モル%であった)。結果を表3に示す。
(実施例13)
n−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)の装入量を0.052ミリモル、t−ブチルプロピル(プロピルアミノ)メトキシシランの装入量を0.059ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.020ミリモルに変更した以外は実施例11と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は40モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は60モル%であった)。結果を表3に示す。
(実施例14)
n−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)の装入量を0.052ミリモル、t−ブチルプロピル(プロピルアミノ)メトキシシランの装入量を0.072ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.007ミリモルに変更した以外は実施例11と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は40モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は60モル%であった)。結果を表3に示す。
(実施例15)
n−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)の装入量を0.043ミリモル、t−ブチルプロピル(プロピルアミノ)メトキシシランの装入量を0.043ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.043ミリモルに変更した以外は実施例11と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は33モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は67モル%であった)。結果を表3に示す。
(実施例16)
n−ヘキシルトリエトキシシラン(NHTES)の装入量を0.066ミリモル、t−ブチルプロピル(プロピルアミノ)メトキシシランの装入量を0.052ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシランの装入量を0.013ミリモルに変更した以外は実施例11と同様にして、重合触媒の形成、プロピレン重合および得られたプロピレン重合体の評価を行った(このとき、外部電子供与性化合物の合計量に占める、第一の外部電子供与性化合物の含有割合は50モル%、第二の外部電子供与性化合物合計量の含有割合は50モル%であった)。結果を表3に示す。
Figure 2020035962
<備考>
・Mw/Mn :重量平均分子量/数平均分子量
・NHTES :n−ヘキシルトリエトキシシラン
・TBPPAMS:t−ブチルプロピル(プロピルアミノ)メトキシシラン
・DCPDMS :ジシクロペンチルジメトキシシラン
本発明によれば、重合活性に優れ、立体規則性が高いとともに、分子量分布の広いオレフィン類重合体を好適に製造し得るオレフィン類重合用触媒を提供するとともに、オレフィン類重合用触媒の製造方法、オレフィン類重合体の製造方法およびオレフィン類重合体を提供することができる。
すなわち、本発明は、
(1)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と、
有機アルミニウム化合物と、
第一の外部電子供与性化合物として、n−ヘキシルトリエトキシシラン、iso−ヘキシルトリエトキシシラン、s−ヘキシルトリエトキシシラン、t−ヘキシルトリエトキシシラン、iso−ヘプチルトリエトキシシラン、s−ヘプチルトリエトキシシラン、t−ヘプチルトリエトキシシラン、iso−オクチルトリエトキシシラン、s−オクチルトリエトキシシラン、t−オクチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘプチルトリエトキシシランおよびシクロオクチルトリエトキシシランから選ばれる一種以上と、
第二の外部電子供与性化合物として、下記一般式(II)
Si(OCH (II)
(式中、R基およびR基は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基およびR基は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)
で表される化合物およびアミノシラン化合物
から選ばれる一種以上とを含み、
前記第一の外部電子供与性化合物および前記第二の外部電子供与性化合物の合計量に対し、前記第一の外部電子供与性化合物を1〜50モル%、前記第二の外部電子供与性化合物を合計で50〜99モル%含む
ことを特徴とするオレフィン類重合用触媒、
(2)前記第二の外部電子供与性化合物の総量に占める前記一般式(II)で表される外部電子供与性化合物の割合が1〜100モル%である上記(1)に記載のオレフィン類重合用触媒、
(3)前記アミノシラン化合物が、下記一般式(III)
Si(OR)(NR) (III)
(ただし、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、炭素数3〜4の分岐鎖アルキル基であり、R基は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基である)
で表される化合物から選ばれる一種以上である上記(1)または(2)に記載のオレフィン類重合用触媒、
(4)前記R基およびR基を構成する炭素数が合計で6〜24である上記(1)または(2)に記載のオレフィン類重合用触媒、
(5)前記R基を構成する炭素数が6〜12である上記(1)または(2)に記載のオレフィン類重合用触媒、
(6)上記(1)に記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法であって、
マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と、
有機アルミニウム化合物と、
第一の外部電子供与性化合物として、n−ヘキシルトリエトキシシラン、iso−ヘキシルトリエトキシシラン、s−ヘキシルトリエトキシシラン、t−ヘキシルトリエトキシシラン、iso−ヘプチルトリエトキシシラン、s−ヘプチルトリエトキシシラン、t−ヘプチルトリエトキシシラン、iso−オクチルトリエトキシシラン、s−オクチルトリエトキシシラン、t−オクチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘプチルトリエトキシシランおよびシクロオクチルトリエトキシシランから選ばれる一種以上と、
第二の外部電子供与性化合物として、下記一般式(II)
Si(OCH (II)
(式中、R基およびR基は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基およびR基は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)
で表される化合物およびアミノシラン化合物
から選ばれる一種以上とを、
前記第一の外部電子供与性化合物および前記第二の外部電子供与性化合物の合計量に対し、前記第一の外部電子供与性化合物を1〜50モル%、前記第二の外部電子供与性化合物を合計で50〜99モル%含むように、
相互に接触させる
ことを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法、
(7)前記第二の外部電子供与性化合物の総量に占める前記一般式(II)で表される外部電子供与性化合物の割合が1〜100モル%となるように接触させる上記(6)に記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法、
(8)前記アミノシラン化合物が、下記一般式(III)
Si(OR)(NR) (III)
(ただし、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、炭素数3〜4の分岐鎖アルキル基であり、R基は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基である。)
で表される化合物から選ばれる一種以上である上記(6)または(7)に記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法、
(9)上記(1)または(2)に記載のオレフィン類重合用触媒の存在下、プロピレン単独重合またはプロピレンおよびプロピレン以外のα−オレフィンの共重合を行なうことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法、および
(10)上記(1)または(2)に記載のオレフィン重合用触媒の存在下におけるプロピレン重合体からなるか、またはプロピレンおよびプロピレン以外のα−オレフィンの共重合反応物からなることを特徴とするオレフィン類重合体
を提供するものである。

Claims (10)

  1. マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と、
    有機アルミニウム化合物と、
    第一の外部電子供与性化合物として、下記一般式(I)
    Si(OCHCH (I)
    (式中、R基は炭素数6以上の直鎖アルキル基、炭素数6以上の分岐アルキル基または炭素数6以上のシクロアルキル基である。)
    で表される化合物から選ばれる一種以上と、
    第二の外部電子供与性化合物として、下記一般式(II)
    Si(OCH (II)
    (式中、R基およびR基は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基およびR基は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)
    で表される化合物およびアミノシラン化合物
    から選ばれる一種以上とを含み、
    前記第一の外部電子供与性化合物および前記第二の外部電子供与性化合物の合計量に対し、前記第一の外部電子供与性化合物を1〜50モル%、前記第二の外部電子供与性化合物を合計で50〜99モル%含む
    ことを特徴とするオレフィン類重合用触媒。
  2. 前記第二の外部電子供与性化合物の総量に占める前記一般式(II)で表される外部電子供与性化合物の割合が1〜100モル%である請求項1に記載のオレフィン類重合用触媒。
  3. 前記アミノシラン化合物が、下記一般式(III)
    Si(OR)(NR) (III)
    (ただし、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、炭素数3〜4の分岐鎖アルキル基であり、R基は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基である。)
    で表される化合物から選ばれる一種以上である請求項1または請求項2に記載のオレフィン類重合用触媒。
  4. 前記R基およびR基を構成する炭素数が合計で6〜24である請求項1または請求項2に記載のオレフィン類重合用触媒。
  5. 前記R基を構成する炭素数が6〜12である請求項1または請求項2に記載のオレフィン類重合用触媒。
  6. 請求項1に記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法であって、
    マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と、
    有機アルミニウム化合物と、
    第一の外部電子供与性化合物として、下記一般式(I)
    Si(OCHCH (I)
    (式中、R基は炭素数6以上の直鎖アルキル基、炭素数6以上の分岐アルキル基または炭素数6以上のシクロアルキル基である。)
    で表される化合物から選ばれる一種以上と、
    第二の外部電子供与性化合物として、下記一般式(II)
    Si(OCH (II)
    (式中、R基およびR基は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基およびR基は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)
    で表される化合物およびアミノシラン化合物
    から選ばれる一種以上とを、
    前記第一の外部電子供与性化合物および前記第二の外部電子供与性化合物の合計量に対し、前記第一の外部電子供与性化合物を1〜50モル%、前記第二の外部電子供与性化合物を合計で50〜99モル%含むように、
    相互に接触させる
    ことを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法。
  7. 前記第二の外部電子供与性化合物の総量に占める前記一般式(II)で表される外部電子供与性化合物の割合が1〜100モル%となるように接触させる請求項6に記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法。
  8. 前記アミノシラン化合物が、下記一般式(III)
    Si(OR)(NR) (III)
    (ただし、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、炭素数3〜4の分岐鎖アルキル基であり、R基は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、R基は、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基である。)
    で表される化合物から選ばれる一種以上である請求項6または請求項7に記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法。
  9. 請求項1または請求項2に記載のオレフィン類重合用触媒の存在下、プロピレン単独重合またはプロピレンおよびプロピレン以外のα−オレフィンの共重合を行なうことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法。
  10. 請求項1または請求項2に記載のオレフィン重合用触媒の存在下におけるプロピレン重合体からなるか、またはプロピレンおよびプロピレン以外のα−オレフィンの共重合反応物からなることを特徴とするオレフィン類重合体。
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