JPWO2020032171A1 - ポリアリーレンスルフィドの精製方法および製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの精製方法および製造方法 Download PDF

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Abstract

強酸を使用せず、ポリアリーレンスルフィド(PAS)中のアルカリ金属ハロゲン化物やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を、より低圧下で処理して、PAS中のアルカリ金属ハロゲン化物やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を効率よく低減可能なPASの精製方法、及びPAS中のアルカリ金属ハロゲン化物やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物の低いPASの製造方法を提供する。より詳しくは、有機極性溶媒中、ポリハロ芳香族化合物とスルフィド化剤を反応して得られるPASを含有する粗反応生成物を脱溶媒させ、粗PAS含有スラリー状物を得る工程、粗PAS含有スラリー状物を、水及び酸素原子含有溶媒と接触させて前記粗PASを比表面積30m2/g以上の多孔質粒子とする工程、得られた多孔質粒子と炭酸水を接触させる工程を有するPASの精製方法、当該工程を有するPASの製造方法。

Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィド(以下、PASと略称することがある)の精製方法および製造方法に関する。更に詳しくは、従来の各種の強酸(塩酸、硫酸など)を用いた精製方法と較べて製造設備や成形時の金型に対する腐食性を低減することができ、且つ、ポリアリーレンスルフィドの品質を向上させることが可能な精製方法および製造方法に関する。また、本発明の目的の一つは、各種成形材料やフィルム、繊維、電気・電子部品、自動車用部品、塗料等の幅広い用途材料として好適なポリアリーレンスルフィドを提供することでもある。
ポリアリーレンスルフィドの中でも代表的なポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略称することがある)は、通常、特許文献1などに記載されているように、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム等の比較的極性の高い有機溶媒中で、硫化ナトリウムに代表される硫化アルカリ金属、あるいは水硫化ナトリウムに代表される水硫化アルカリ金属と水酸化ナトリウムに代表される水酸化アルカリ金属と、p−ジクロルベンゼンに代表されるポリハロ芳香族化合物とを反応させる方法などによって得られる(特許文献1参照)。
重合反応は、通常、高温加圧、アルカリ条件下で行われ、重合反応の進行に伴い食塩が生成し、重合反応後のいわゆる粗反応生成物には、少なくとも、ポリアリーレンスルフィド及びアルカリ金属ハロゲン化物や、そのほかに、未反応の原料や、環状ないし線状オリゴマー、さらには、下記構造式(1)
Figure 2020032171
(式中、Arはハロゲン原子を有するアリール基であり、Rは水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基又はシクロヘキシル基を表し、Rは炭素原子数3〜5のアルキレン基を、Xは水素原子又はアルカリ金属原子を表す。また、−NRCOOX基をカルボキシアルキルアミノ基ということがある)で表される化合物(以下、カルボキシアルキルアミノ基含有化合物ということがある。)などの副生成物が含有される。
さらに、ポリアリーレンスルフィドの製造時に、ポリアリーレンスルフィドの製造原料として、例えば、アミド系溶媒がN−メチル−2−ピロリドン、ポリハロ芳香族化合物がp−ジクロロベンゼンである場合には前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物として、下記一般式(2)
Figure 2020032171
(式中、Xは水素原子又はアルカリ金属原子を表す。)で表されるものが得られる(この化合物を“CP−MABA”と略記し、特にXが水素原子の場合を“CP−MABA(水素型)”、アルカリ金属原子の場合を“CP−MABA(アルカリ金属塩型)”、特にXがナトリウム原子の場合は“CP−MABA(Na塩型)”と略記することがある)。
重合反応後の粗反応生成物は適当な容器に取り出され、それに含有される溶媒は適当な手段(減圧留去法、遠心分離法、スクリューデカンター法、減圧濾過法、加圧濾過法など適当な方法が選択可能である)により、分離回収されて(ここではこの操作を「脱溶媒」という)再利用されたり、必要に応じて更に精製されて再利用される。
一方、脱溶媒させて、有機極性溶媒を分離除去した後、粗反応生成物に含まれていたポリアリーレンスルフィド(以下、粗ポリアリーレンスルフィド)を含むスラリーに、一般には水洗と濾過を繰り返し行い、主に食塩やアルカリ性物質等の不純物を除去した後に乾燥することでポリアリーレンスルフィドが得られる。
このようにして得られたポリアリーレンスルフィドはその優れた耐薬品性、電気的特性、機械的特性のために、繊維、フィルム、塗料、射出成形材料用コンパウンド及び繊維強化複合材料などに使用されているが、ポリアリーレンスルフィドに含有される不純物は溶融加工時のガスの発生、射出成形用金型や加工装置の腐食、塗料用支持体への付着性の悪さ、複合材料中の強化繊維への付着性の悪さなどから、ポリアリーレンスルフィド中の不純物の量を低減させることが切望されている。
このため、ポリアリーレンスルフィドの精製方法として、従来から種々の有機溶剤による洗浄方法が提案されているが、有機溶剤の使用による環境汚染や人体への悪影響、溶剤回収に要する製造コスト、製品に残存する溶剤による品質への悪影響など好ましくない問題を抱えていた。
また、反応混合物を酸と接触させて不純物の量を低減させる方法(特許文献2参照)が提案されているが、強酸を使用する方法が多く、装置や設備に対する腐食性の面で重大な問題を有していると共に、得られたポリアリーレンスルフィドの色調の悪化や製品の特性の低下を招く原因になっていた。
そこで、炭酸ガスまたは炭酸水を系内に導入して炭酸ガスまたは炭酸水と該粗ポリアリーレンスルフィドとを接触させる方法が提案されている(特許文献3、4参照)。しかし、炭酸(炭酸ガス)は常温で気体であること、水への溶解度も低いため、結果的に、酸として働きが弱く、それゆえポリアリーレンスルフィド中のアルカリ金属ハロゲン化物やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を除去する効果が弱く、耐圧容器内にて加圧下で処理する必要があった。
特公昭52−12240号公報 特開平6−192421号公報 特開2005−264030号公報 特開2010−187949号公報
そこで本発明が解決しようとする課題は、強酸を使用せず、ポリアリーレンスルフィド中のアルカリ金属ハロゲン化物やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を、より低圧下で処理して、ポリアリーレンスルフィド中のアルカリ金属ハロゲン化物やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を効率よく低減可能なポリアリーレンスルフィドの精製方法、および、ポリアリーレンスルフィド中のアルカリ金属ハロゲン化物やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物の低いポリアリーレンスルフィドの製造方法を提供することがある。
本願発明者らは種々の検討を行った結果、炭酸ガスまたは炭酸水を系内に導入して炭酸ガスまたは炭酸水と粗ポリアリーレンスルフィドとを接触させる際に、該粗ポリアリーレンスルフィドを多孔質粒子とすることで、より低温下で、または、低圧下で処理しても、ポリアリーレンスルフィド中のアルカリ金属ハロゲン化物やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を効率よく低減することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、有機極性溶媒中、ポリハロ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応して得られるポリアリーレンスルフィドを含有する粗反応生成物を脱溶媒させることにより、粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物を得る工程、粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物を、水および炭素原子数1〜3の酸素原子含有溶媒と接触させて前記粗ポリアリーレンスルフィドを比表面積30〔m/g〕以上の範囲の多孔質粒子とする工程、得られた多孔質粒子と炭酸水とを接触させる工程とを有することを特徴とするポリアリーレンスルフィドの精製方法に関する。
また、本発明は、前記に記載の精製方法によりポリアリーレンスルフィドを精製する工程を有することを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法に関する。
本発明によれば、強酸を使用せず、ポリアリーレンスルフィド中のアルカリ金属ハロゲン化物やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を、より低温下で、または、低圧下で処理して、ポリアリーレンスルフィド中のアルカリ金属ハロゲン化物やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を効率よく低減可能なポリアリーレンスルフィドの精製方法、および、ポリアリーレンスルフィド中のアルカリ金属ハロゲン化物やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物の低いポリアリーレンスルフィドの製造方法を提供することができる。
本発明は、有機極性溶媒中、ポリハロ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応して得られるポリアリーレンスルフィドを含有する粗反応生成物を脱溶媒させることにより、粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物を得る工程を有する。
ポリアリーレンスルフィドは、通常、N−メチル−2−ピロリドンなどを代表とする有機極性溶媒中で、少なくとも1種のポリハロ芳香族化合物と少なくとも1種のスルフィド化剤とを適当な重合条件下で反応させて合成される。
本発明で用いられるポリハロ芳香族化合物とは、例えば、芳香族環に直接結合した2個以上のハロゲン原子を有するハロゲン化芳香族化合物であり、具体的には、p−ジクロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン、テトラクロルベンゼン、ジブロムベンゼン、ジヨードベンゼン、トリブロムベンゼン、ジブロムナフタレン、トリヨードベンゼン、ジクロルジフェニルベンゼン、ジブロムジフェニルベンゼン、ジクロルベンゾフェノン、ジブロムベンゾフェノン、ジクロルジフェニルエーテル、ジブロムジフェニルエーテル、ジクロルジフェニルスルフィド、ジブロムジフェニルスルフィド、ジクロルビフェニル、ジブロムビフェニル等のジハロ芳香族化合物及びこれらの混合物が挙げられ、これらの化合物をブロック共重合してもよい。これらの中でも好ましいのはジハロゲン化ベンゼン類であり、特に好ましいのはp−ジクロルベンゼンを80モル%以上含むものである。
また、枝分かれ構造とすることによってポリアリーレンスルフィドの粘度増大を図る目的で、1分子中に3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物を分岐剤として所望に応じて用いてもよい。このようなポリハロ芳香族化合物としては、例えば、1,2,4−トリクロルベンゼン、1,3,5−トリクロルベンゼン、1,4,6−トリクロルナフタレン等が挙げられる。
更に、アミノ基、チオール基、ヒドロキシル基等の活性水素を持つ官能基を有するポリハロ芳香族化合物を挙げることが出来、具体的には、2,6−ジクロルアニリン、2,5−ジクロルアニリン、2,4−ジクロルアニリン、2,3−ジクロルアニリン等のジハロアニリン類;2,3,4−トリクロルアニリン、2,3,5−トリクロルアニリン、2,4,6−トリクロルアニリン、3,4,5−トリクロルアニリン等のトリハロアニリン類;2,2’−ジアミノ−4,4’−ジクロルジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノ−2’,4−ジクロルジフェニルエーテル等のジハロアミノジフェニルエーテル類およびこれらの混合物においてアミノ基がチオール基やヒドロキシル基に置き換えられた化合物などが例示される。
また、これらの活性水素含有ポリハロ芳香族化合物中の芳香族環を形成する炭素原子に結合した水素原子が他の不活性基、例えばアルキル基などの炭化水素基に置換している活性水素含有ポリハロ芳香族化合物も使用出来る。
これらの各種活性水素含有ポリハロ芳香族化合物の中でも、好ましいのは活性水素含有ジハロ芳香族化合物であり、特に好ましいのはジクロルアニリンである。
ニトロ基を有するポリハロ芳香族化合物としては、例えば、2,4−ジニトロクロルベンゼン、2,5−ジクロルニトロベンゼン等のモノまたはジハロニトロベンゼン類;2−ニトロ−4,4’−ジクロルジフェニルエーテル等のジハロニトロジフェニルエーテル類;3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロルジフェニルスルホン等のジハロニトロジフェニルスルホン類;2,5−ジクロル−3−ニトロピリジン、2−クロル−3,5−ジニトロピリジン等のモノまたはジハロニトロピリジン類;あるいは各種ジハロニトロナフタレン類などが挙げられる。
本発明で用いられる硫化アルカリ金属としては、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの混合物が含まれる。かかる硫化アルカリ金属は、水和物あるいは水性混合物あるいは無水物として使用することが出来る。また、硫化アルカリ金属は水硫化アルカリ金属と水酸化アルカリ金属との反応によっても導くことが出来る。
尚、通常、硫化アルカリ金属中に微量存在する水硫化アルカリ金属、チオ硫酸アルカリ金属と反応させるために、少量の水酸化アルカリ金属を加えても差し支えない。
本発明で用いられる有機極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ホルムアミド、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、ε−カプロラクタム、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿素、N−ジメチルプロピレン尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン酸のアミド尿素、及びラクタム類;スルホラン、ジメチルスルホラン等のスルホラン類;ベンゾニトリル等のニトリル類;メチルフェニルケトン等のケトン類及びこれらの混合物を挙げることが出来る。
これらの有機極性溶媒の存在下、上記のスルフィド化剤とポリハロ芳香族化合物との重合条件は一般に、温度200〜330℃であり、圧力は重合溶媒及び重合モノマーであるポリハロ芳香族化合物を実質的に液層に保持するような範囲であるべきであり、一般には0.1〜20MPa、好ましくは0.1〜2MPaの範囲より選択される。反応時間は温度と圧力により異なるが、一般に10分乃至72時間の範囲であり、望ましくは1時間乃至48時間の範囲である。
本発明においては、粗反応生成物がスルフィド化剤及び有機極性溶媒の存在下に、ポリハロ芳香族化合物及び有機極性溶媒を連続的、乃至、断続的に加えながら反応させることにより得られる形態も包含する。
本発明においては、重合反応にて得られたポリアリーレンスルフィドを含有する粗反応生成物を適当な手段(減圧留去法、遠心分離法、スクリューデカンター法、減圧濾過法、加圧濾過法など適当な方法が選択可能である)により「脱溶媒」させて、有機極性溶媒を分離除去した後、粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物を得ることができる。
本発明は、続いて、粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物を、水および炭素原子数1〜3の酸素原子含有溶媒と接触させて前記粗ポリアリーレンスルフィドを比表面積30〔m/g〕以上の範囲の多孔質粒子とする工程を有する。
本発明においては、前工程で得られた、少なくとも、粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物に適量の水を加えて接触させ、洗浄する。水を加える際の温度としては特に限定されないが、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上から、好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは80℃以下の範囲である。洗浄した後、濾過等により固液分離して、スラリー状物とすることが好ましい。一回の洗浄に使用する水の量には特に制限は無いが、好ましくはポリアリーレンスルフィド100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは50質量部以上、さらに好ましくは100質量部以上から、好ましくは10000質量部以下、より好ましくは5000質量部以下、さらに好ましくは2000質量部以下である。
更に、有機溶剤を用いて、粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物と接触させ、洗浄する。有機溶媒を加える際の温度としては特に限定されないが、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上から、好ましくは90℃以下、より好ましくは70℃以下の範囲である。一回の洗浄に使用する有機溶剤の量には特に制限は無いが、好ましくはポリアリーレンスルフィド100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは50質量部以上、さらに好ましくは100質量部以上から、好ましくは5000質量部以下、より好ましくは1800質量部以下、さらに好ましくは600質量部以下である。
粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物を、水および炭素原子数1〜3の酸素原子含有溶媒と接触させる順番は特に問わず、粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物を、水と接触させて洗浄する工程(以下、「工程(Sw)」)を行ってから、粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物を、炭素原子数1〜3の酸素原子含有溶媒と接触させて洗浄する工程(以下「工程(Ss)」)を行ってもよいし、または、工程(Ss)を行ってから工程(Sw)を行ってもよい。それぞれの工程は、まとめて、または交互に、任意の一又は複数回、実施することができる。工程(Ss)または工程(Sw)を行ってから、次の工程を行う前に、固液分離により、洗浄に用いた水または炭素原子数1〜3の酸素原子含有溶媒を除去しておくことが好ましい。
ここで粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物と接触させる炭素原子数1〜3の酸素原子含有溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒およびケトン系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも一つが挙げられる。アルコール系溶媒(アルコール溶媒ともいう)としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ベンジルアルコール等の炭素原子数が10以下のアルコール;2−メトキシエチルアルコール、2−エトキシエチルアルコール、1−メトキシ−2−プロピルアルコール、1−エトキシ−2−プロピルアルコール、3−メトキシ−1−ブチルアルコール、2−イソプロポキシエチルアルコール等のエーテル結合を含む炭素原子数が10以下のアルコール;3−ヒドロキシ−2−ブタノン等のケトン基を含む炭素原子数が10以下のアルコール;ヒドロキシイソ酪酸メチル等のようなエステル基を含む炭素原子数が10以下のアルコールが例示される。また、ケトン系溶媒(ケトン溶媒ともいう)としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチルラクトン又はN−メチルピロリジノンが例示される。本発明において、炭素原子数10以下の一価アルコールを用いることが、残留する前記カルボキシアルキルアミノ基含有化合物を効率的に除去可能なことから好ましく、さらに、炭素原子数3以下の一価アルコールが好ましい。
本発明は、粗ポリアリーレンスルフィドと水および前記有機溶媒とを一回または複数回繰り返して、接触させることにより、粗ポリアリーレンスルフィドを比表面積30〔m/g〕以上の範囲の多孔質粒子、好ましくは43〔m/g〕以上から、200〔m/g〕以下の範囲の多孔質粒子、より好ましくは60〔m/g〕以上から、120〔m/g〕以下の範囲の多孔質粒子とする。
粗ポリアリーレンスルフィドを、このような比表面積の範囲を有する多孔質粒子とすることにより、粗ポリアリーレンスルフィド中のカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を前記容易に低減することが可能となり好ましい。その際、粗ポリアリーレンスルフィドに含まれるカルボキシアルキルアミノ基含有化合物を、好ましくは該ポリアリーレンスルフィド1gあたり1000〔ppm〕以下の範囲、より好ましくは同400〔ppm〕以下から、1〔ppm〕以上の範囲とすることが、後述する炭酸水洗浄による不純物、特にアルカリ金属ハロゲン化物の低減効果がより優れることとなるため好ましい。
本発明は、続いて、得られた多孔質粒子と炭酸水とを接触させる工程を有する。
本発明において、前工程で得られた多孔質粒子と炭酸水とを接触させる際の条件は、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上から、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下までの範囲であり、かつ、圧力(ゲージ圧)が0.1MPaより小さく、好ましくは0.05MPa以下の範囲、さらに好ましくは大気圧下である。温度と圧力の条件がこの範囲内にあれば、優れた品質、特に、エポキシシラン系シランカップリング剤との反応性の向上による機械的特性の向上、等温結晶化時間の短縮などの効果に加え、ポリアリーレンスルフィド中のアルカリ金属ハロゲン化物やカルボキシアルキルアミノ基含有化合物等の不純物濃度が低減されたポリアリーレンスルフィドが得られるため好ましい。例えば、該ポリアリーレンスルフィド中のアルカリ金属ハロゲン化物の割合は、該ポリアリーレンスルフィド1gあたり、好ましくは1000〔ppm〕以下、より好ましくは700〔ppm〕以下、さらに好ましくは500〔ppm〕以下の範囲にまで低減可能である。なお、下限値としては特に限定されまいが、20〔ppm〕以上である。また、例えば、前記構造式(1)で表される化合物(1)の割合は、該ポリアリーレンスルフィド1gあたり、好ましくは1000〔ppm〕以下、より好ましくは500〔ppm〕以下、さらに好ましくは300〔ppm〕以下の範囲にまで低減可能である。なお、下限値としては特に限定されないが、好ましくは50〔ppm〕以上である。
また、本発明の利点の一つは、本発明の炭酸水による精製方法を用いた場合、通常の精製温度条件(100℃以下)では金属への腐食が殆どなく、現行の装置で対応可能であることに加えて、SUS304程度の耐食性を有する比較的安価な材質であれば腐食に耐えることが出来るため、他の酸類と比較して装置の材質面からくる設備コスト的メリットが挙げられるだけでなく、さらに、耐圧容器である必要性もないことから、設備コスト的メリットだけでなく、メンテナンス性や安全性に優れるため好ましい。
また、本発明の利点の一つは、他の酸類がポリアリーレンスルフィド内に残存した場合(特に塩素イオンや硫酸イオン等はポリマー中に残存しやすい)、成形時の金型腐食や成型品の物性低下の大きな原因になるが、本発明の炭酸水を用いた精製方法の場合では、後の工程である水洗工程でも除去し易く、乾燥工程でもポリアリーレンスルフィド中より分解飛散するために、他の酸類のような金型腐食や成型品の物性低下は起こり難い。
更に、本発明の利点の一つは、炭酸水以外の強酸を用いた場合にはポリアリーレンスルフィド中に残存する酸を除去するために、強酸を用いた洗浄の後に大量の水と洗浄回数を要して残存する酸を除去する必要があるのに対して、本発明の炭酸水を用いた精製方法の場合には、炭酸水による洗浄の後に使用する水の量も少なく洗浄回数も削減出来るため、工程能力においても非常にメリットがある上に、環境対策の面からも適した方法と言える。
本発明は密閉容器または装置内に炭酸ガスを吹き込みその系内圧力と温度を制御することで炭酸の溶解度をコントロールした水溶液中で適切な時間以上(例えば、5分以上)接触させることでポリアリーレンスルフィドの分子末端を塩基性型末端(SNa型末端)から酸性型末端(SH型末端)に変換させることを特徴とする精製方法であり、ポリアリーレンスルフィドの分子鎖末端に存在するSNa基がSH基に変換され、他の樹脂との親和性が増大する。
炭酸水中の炭酸ガス(由来の炭酸イオン)の濃度は、炭酸ガスの水への溶解度に依存し、より詳しくはその温度と圧力におけるヘンリーの法則に従う。炭酸水の作製法としては、開放容器もしくは密閉容器や配管の中にある水に炭酸ガスをバブリングしても良いし、圧入しても良く、また中空糸膜モジュールなどを利用して連続的に炭酸ガスを水に溶解させても良い。
本発明の炭酸水と前記多孔質粒子とを接触させて精製する際の系内の固形分濃度は、1〜50重量%となる割合であることが好ましい。固形分濃度がこの範囲内にあればポリアリーレンスルフィド粒子と炭酸水との接触が良好に行われ精製効率が好適でありより好ましい。炭酸水の量についても特に制限は無いが、好ましくはポリアリーレンスルフィド100質量部に対して、50〜10000質量部、より好ましくは100〜5000質量部、更に好ましくは200〜2000質量部である。炭酸水の量がこの範囲内にあればポリアリーレンスルフィド粒子と炭酸水との接触が良好に行われ精製効率が好適でありより好ましい。
本発明は炭酸水とポリアリーレンスルフィドの多孔質粒子との接触を、容器内部に撹拌翼を有し、且つ、底部に濾過用フィルターが配設された開放型容器内で行うことができる。密閉型あるいは密閉可能な混合機能を有す容器内で行う必要性はないが、当然、このような容器内で行うこともできる。
尚、本発明の態様は、上述するように、有機極性溶媒中、ポリハロ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応して得られるポリアリーレンスルフィドを含有する粗反応生成物を脱溶媒させた後、有機溶媒と接触させてポリアリーレンスルフィドを比表面積30〔m/g〕以上の範囲の多孔質粒子とし、得られた多孔質粒子と炭酸水とを接触させることを特徴とするポリアリーレンスルフィドの精製方法に係るものである。
本発明の他の態様の一つとしては、当該精製方法によりポリアリーレンスルフィドを精製する工程を有する、ポリアリーレンスルフィドの製造方法にかかるものである。
本発明の精製方法を経て得られたポリアリーレンスルフィドは、そのまま乾燥しても良いし、更に水洗や有機溶剤洗を適宜行った後、固液分離し、乾燥を行っても良い。
乾燥は実質的に水等の溶媒が蒸発する温度に加熱して行う。乾燥は真空下で行っても良いし、空気中あるいは窒素のような不活性雰囲気下で行っても良い。
本発明の製造方法で得られたポリアリーレンスルフィドは従来と同様、そのまま各種成形材料等に利用できるが、空気あるいは酸素富化空気中あるいは減圧下で熱処理することにより増粘することが可能であり、必要に応じてこのような増粘操作を行った後、各種成形材料等に利用しても良い。この熱処理温度は処理時間によっても異なるし処理する雰囲気によっても異なるので一概に規定できないが、通常は180℃以上で行うことが好ましい。熱処理温度が180℃未満では増粘速度が非常に遅く生産性が悪く好ましくない。熱処理は押出機等を用いて重合体の融点以上で、溶融状態で行っても良い。但し、重合体の劣化の可能性あるいは作業性等から、融点プラス100℃以下で行うことが好ましい。
本発明により得られたポリアリーレンスルフィドは、従来と同様、充填剤や他の樹脂と配合して溶融混練後、直接または一旦ペレットに成形した後、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形のごとき各種溶融加工法により、耐熱性、成形加工性、寸法安定性等に優れた成形物にすることができる。しかしながら強度、耐熱性、寸法安定性等の性能をさらに改善するために、本発明の目的を損なわない範囲で各種充填材と組み合わせて使用することも可能である。充填材としては、繊維状充填材、無機充填材等が挙げられる。また、成形加工の際に添加剤として本発明の目的を逸脱しない範囲で少量の、離型剤、着色剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、滑剤、カップリング剤を含有せしめることができる。更に、同様に下記のごとき合成樹脂及びエラストマーを混合して使用できる。これら合成樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリーレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エチレン、ポリ二弗化エチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー等が挙げられ、エラストマーとしては、ポリオレフィン系ゴム、弗素ゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
本発明のポリアリーレンスルフィドまたはそれを含む樹脂組成物を溶融成形してなる成形品は、従来の方法で得られるPPS同様耐熱性、寸法安定性等が優れるので、例えば、コネクタ・プリント基板・封止成形品などの電気・電子部品、ランプリフレクター・各種電装部品などの自動車部品、各種建築物や航空機・自動車などの内装用材料、あるいはOA機器部品・カメラ部品・時計部品などの精密部品等の射出成形・圧縮成形品、あるいは繊維・フィルム・シート・パイプなどの押出成形・引抜成形品等として幅広く利用可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。これら例は例示的なものであって限定的なものではない。
(測定法1)ポリアリーレンスルフィド樹脂中のCP−MABA濃度の定量
(1)ポリアリーレンスルフィド中のCP−MABAの抽出:NaOH0.05%水溶液をポリアリーレンスルフィドに対して、20倍を入れて、200℃に昇温して30分加熱し、固液分離することで、ポリアリーレンスルフィド樹脂中のCP−MABAをろ液に抽出した。
(2)〔CP−MABAの測定方法〕
得られたろ液中のCP−MABA濃度は、(1)で作製したろ液サンプルのHPLC測定を行い、下記の方法で作製した標準サンプルと同じ保持時間のピーク面積と検量線とから液中の濃度を求め、算出した。
(サンプル調製)
ろ液中のCP−MABAは、そのまま移動相を加えて調製し測定した。
(標準サンプル:CP−MABAの合成)
48%NaOH水溶液83.4g(1.0モル)とN‐メチル‐2‐ピロリドン297.4g(3.0モル)を、撹拌機付き耐圧容器に仕込み、230℃で3時間撹拌した。この撹拌が終了した後、温度230℃のままバルブを開き、放圧し、N‐メチル‐2‐ピロリドンの蒸気圧程度である230℃において0.1MPaまで圧力を低下させ、水を留去した。その後、再び密閉し200℃程度まで温度を低下させた。
p−ジクロロベンゼン147.0g(1.0モル)を60℃以上の温度条件下で加熱溶解して反応混合物中に投入し、250℃まで昇温後4時間撹拌した。この撹拌が終了した後、室温まで冷却した。p−ジクロロベンゼンの反応率は31モル%であった。冷却後、内容物を取り出し、水を加えて撹拌後、未反応のp−ジクロロベンゼンが不溶物となって残ったものをろ過によって取り除いた。
次いで、ろ液である水溶液に塩酸を加えて該水溶液のpHを4に調整した。このとき水溶液中に褐色オイル状のCP−MABA(水素型)が生じた。そこにクロロホルムを加えて褐色オイル状物質を抽出した。このときの水相には、N−メチル−2−ピロリドン及びその開環物である4−メチルアミノ酪酸(以下「MABA」と略記する。)が含まれるため水相は廃棄した。クロロホルム相は水洗を2回繰り返した。
クロロホルム相に水を加えてスラリー化した状態で48%NaOH水溶液を加え、該スラリーのpHを13に調整した。このときCP−MABAはナトリウム塩となって水相に移り、クロロホルム相には副生成物であるp−クロロ−N−メチルアニリン及びN−メチルアニリンが溶解しているためクロロホルム相は廃棄した。水相はクロロホルム洗浄を2回繰り返した。
水溶液に希塩酸を加えて該水溶液のpHを1以下に調整した。このときCP−MABAは塩酸塩となって水溶液中にとどまるので、水溶液にクロロホルムを加えて、副生成物であるp−クロロフェノールを抽出した。p−クロロフェノールが溶解したクロロホルム相は廃棄した。
残った水溶液に48%NaOH水溶液を加え、該水溶液のpHを4に調整した。これにより、CP−MABAの塩酸塩が中和され、褐色オイル状のCP−MABA(水素型)が水溶液から析出した。CP−MABA(水素型)をクロロホルムで抽出し、クロロホルムを減圧除去することによってCP−MABA(水素型)を得た。
(HPLCの測定)
よく攪拌した溶液から、1mlをサンプリングし、そこにHPLCの移動相を9ml加え、ろ液を測定サンプルとした。測定サンプルのHPLC測定を行い、下記の方法で作成した標準サンプルと同じ保持時間のピーク面積と検量線とから液中の濃度を求めた。HPLC測定条件は以下の通り。
装置名:株式会社 島津製作所製「高速液体クロマトグラム Prominence」
カラム:株式会社 島津ジーエルシー製
「Phenomenex Luna 5u C18(2) 100A」
検出器:DAD (Diode Array Detector)
データ処理:株式会社 島津製作所製「LCsolution」
測定条件:カラム温度40℃
移動相:メタノール/酢酸水溶液1vol%=6/4(vol比)
流速 :1.0ml/分
(測定法2) 比表面積(BET比表面積)の分析方法
比表面積の測定には株式会社 島津製作所製トライスターII3020を使用した。試料をセルに入れた後、脱気した後ヘリウム置換、冷却し、窒素置換させることによって比表面積を測定した。
(測定法3) ポリアリーレンスルフィド中のナトリウム濃度
ポリアリーレンスルフィドの粉末を白金るつぼに秤取り、そこに濃硫酸(原子吸光グレード)を浸る程度に加えて、TOSHIBA製コンロHP−103Kで煙が出なくなりまた大半が灰化したことを確認出来るまで加熱した。その後マッフル炉で700℃5時間加熱し、完全に灰化させた。そこに1%塩酸と及び純水で灰分を溶解させ、その溶液を原子吸光光度計で、ナトリウム量を分析し、ポリアリーレンスルフィド中のナトリウム量を定量した。尚、本操作で使用する水は導電度18.2MΩ・cmのものを使用した。
〔合成例1〕 ポリフェニレンスルフィドの重合工程
圧力計、温度計、コンデンサー、デカンター、精留塔を付けた撹拌翼付き150Lオートクレーブにp−ジクロロベンゼン(以下、DCBと略す)33.222kg(226mol)、NMP2.280kg(23mol)、47.23質量%水硫化ソーダ27.300kg(230mol)、及び49.21質量%苛性ソーダ18.533kg(228mol)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水27.3kgを留出させた後、釜を密閉した。脱水時に共沸により留出したDCBはデカンターで分離して随時釜内に戻し、脱水終了後の釜内は無水硫化ナトリウム組成物がDCB中に分散した状態であった。更に、内温を160℃に冷却し、NMP47.492kg(479mol)を仕込み、185℃まで昇温した。圧力が0.00MPaに到達した時点で、精留塔を連結したバルブを開放し、内温200℃まで1時間掛けて昇温した。この際、精留塔出口温度が110℃以下になる様に冷却とバルブ開度で制御した。留出したDCBと水の混合蒸気はコンデンサーで凝縮し、デカンターで分離して、DCBは釜へ戻した。留出水量は179gであった。次に、内温200℃から230℃まで3時間かけて昇温し、1時間撹拌した後、250℃まで昇温し1時間撹拌して反応終わり了後、オートクレーブの内温を250℃から235℃に冷却し、到達後にオートクレープの底弁を開いて減圧状態のまま撹拌翼付き150リットル真空撹拌乾燥機(脱溶媒機ジャケット温度120度)にフラッシュさせてN−メチル−2−ピロリドンを抜き取り、室温まで冷却し、サンプリングした結果、N.V.55%のPPS混合物を得た。
(実施例1)
合成例1で得たPPS混合物400gとイソプロピルアルコール634gをフラスコに入れ、40℃で30分間撹拌混合し、そのスラリーを桐山ロートで減圧濾過し、上から押し固め、さらに上からイソプロピルアルコール422gを数回に分けて注ぎろ過した。更に、そのろ過して作製したケーキをビーカーに移して薬さじで粉末状に砕き、そこに70℃の水を634g注ぎ、30分間攪拌混合した。そのスラリーを桐山ロートで減圧ろ過し、上から押し固め、更に上から70℃の水845gを数回に分けて注ぎろ過した。そのケーキを砕いて8gをサンプリングし、120℃×4時間熱風乾燥機で乾燥し、その樹脂分を分析した結果、比表面積は79[m/g]、樹脂中のCP−MABAの含有量は207[ppm]であった。上記ケーキをビーカーに移して、そこに636gの炭酸水を注ぎ、1時間攪拌混合した。そのスラリーを桐山ロートで減圧ろ過し、上から押し固め、更に上から炭酸水848gを数回に分けて注ぎろ過した。そのろ過して作製したケーキをバットに移して薬さじで粉末状に砕き、120℃×4時間で乾燥した。手に入れた樹脂中のナトリウム量を分析した結果、300[ppm]であった。
(実施例2)
イソプロピルアルコール634gの代わりにメタノール317gとし、イソプロピルアルコール422gの代わりにメタノール634gとし、残りは実施例1と同様の条件で実施した。サンプリングした樹脂を分析した結果、比表面積は83[m/g]、樹脂中のCP−MABAの含有量は52[ppm]であった。また炭酸水の量を636gの代わりに845gとし、他は実施例1と同様の条件で実施した。手に入れた樹脂中のナトリウム量を分析した結果、290[ppm]であった。
(実施例3)
イソプロピルアルコールの量を634gから1056gとし、イソプロピルアルコールの量を422gから845gとし、残りは実施例1と同様の条件で実施した。サンプリングした樹脂を分析した結果、比表面積は75[m/g]、樹脂中のCP−MABAの含有量は125[ppm]であった。また炭酸水の量を636gの代わりに1584gとし、他は実施例1と同様の条件で実施した。手に入れた樹脂中のナトリウム量を分析した結果、200[ppm]であった。
(実施例4)
イソプロピルアルコール634gの代わりにエタノール211gとし、イソプロピルアルコール422gの代わりにエタノール422gとし、残りは実施例1と同様の条件で実施した。サンプリングした樹脂を分析した結果、比表面積は60[m/g]、樹脂中のCP−MABAの含有量は450[ppm]であった。以降工程を実施例1と同様の条件で実施した。手に入れた樹脂中のナトリウム量を分析した結果、230[ppm]であった。
(実施例5)
イソプロピルアルコール634gの代わりにアセトン845gとし、イソプロピルアルコール422gの代わりにアセトン845gとし、残りは実施例1と同様の条件で実施した。サンプリングした樹脂を分析した結果、比表面積は43[m/g]、樹脂中のCP−MABAの含有量は399[ppm]であった。また炭酸水の量636gの代わりに845gとし、炭酸水の量848gの代わりに1267gとし、他は実施例1と同様の条件で実施した。手に入れた樹脂中のナトリウム量を分析した結果、340[ppm]であった。
(実施例6)
イソプロピルアルコール634gの代わりにエタノール1056gとし、イソプロピルアルコール422gの代わりにエタノール845gとし、残りは実施例1と同様の条件で実施した。サンプリングした樹脂を分析した結果、比表面積は102[m/g]、樹脂中のCP−MABAの含有量は57[ppm]であった。また炭酸水の量636gの代わりに422gとし、炭酸水の量848gの代わりに422gとし、他は実施例1と同様の条件で実施した。手に入れた樹脂中のナトリウム量を分析した結果、380[ppm]であった。
(実施例7)
イソプロピルアルコール634gの代わりにメタノール211gとし、イソプロピルアルコール422gの代わりにメタノール422gとし、残りは実施例1と同様の条件で実施した。サンプリングした樹脂を分析した結果、比表面積は75[m/g]、樹脂中のCP−MABAの含有量は187[ppm]であった。また炭酸水の量636gの代わりに422gとし、炭酸水の量848gの代わりに1267gとし、他は実施例1と同様の条件で実施した。手に入れた樹脂中のナトリウム量を分析した結果、350[ppm]であった。
(比較例1)
イソプロピルアルコール634gの代わりにトルエン845gとし、イソプロピルアルコール422gの代わりにトルエン422gとし、残りは実施例1と同様の条件で実施した。サンプリングした樹脂を分析した結果、比表面積は45[m/g]、樹脂中のCP−MABAの含有量は1398[ppm]であった。また炭酸水の量636gの代わりに845gとし、炭酸水の量848gの代わりに845gとし、他は実施例1と同様の条件で実施した。手に入れた樹脂中のナトリウム量を分析した結果、870[ppm]であった。
(比較例2)
イソプロピルアルコールの代わりにメチルイソブチルケトンとし、イソプロピルアルコールの代わりにメソイソブチルケトンとし、残りは実施例1と同様の条件で実施した。サンプリングした樹脂を分析した結果、比表面積は13[m/g]、樹脂中のCP−MABAの含有量は350[ppm]であった。また炭酸水の量636gの代わりに845gとし、炭酸水の量848gの代わりに1267gとし、他は実施例1と同様の条件で実施した。手に入れた樹脂中のナトリウム量を分析した結果、900[ppm]であった。
(比較例3)
合成例1で得たPPS混合物400gをビーカーに移して薬さじで粉末状に砕き、そこに70℃の水を848g注ぎ、30分間攪拌混合した。そのスラリーをそのスラリーを桐山ロートで減圧ろ過し、上から押し固め、更に上から70℃の水を845gを数回に分けて注ぎろ過した。そのケーキを砕いて8gをサンプリングし、120℃×4時間熱風乾燥機で乾燥し、その樹脂を分析した結果、比表面積は78[m/g]、樹脂中のCP−MABAの含有量は3246[ppm]であった。上記ケーキをビーカーに移して、そこに845gの炭酸水を注ぎ、1時間攪拌混合した。そのスラリーを桐山ロートで減圧ろ過し、上から押し固め、更に上から炭酸水1267gを数回に分けて注ぎろ過した。そのろ過して作製したケーキをバットに移して薬さじで粉末状に砕き、120℃×4時間で乾燥した。手に入れた樹脂中のナトリウム量を分析した結果、930[ppm]であった。
(比較例4)
合成例1で得たPPS混合物400gを加熱式真空乾燥機で150℃に昇温し減圧してNMPを除いた。残った固体をビーカーに移して薬さじで粉末状に砕き、そこに70℃の水を848g注ぎ、30分間攪拌混合した。そのスラリーを桐山ロートで減圧ろ過し、上から押し固め、更に上から70℃の水845gを数回に分けて注ぎろ過した。更に回収したケーキをSUS製のオートクレイブに634gの水を加え密閉し、120℃に昇温して、30分ホールドした。その後、室温まで降温し、そのスラリーを桐山ロートで減圧ろ過し、上から押し固め、更に上から70℃の水を845gを数回に分けて注ぎろ過した。そのケーキを砕いて8gをサンプリングし、120℃×4時間熱風乾燥機で乾燥し、その樹脂を分析した結果、比表面積は8[m/g]、樹脂中のCP−MABAの含有量は849[ppm]であった。上記ケーキをビーカーに移して、そこに845gの炭酸水を注ぎ、1時間攪拌混合した。そのスラリーを桐山ロートで減圧ろ過し、上から押し固め、更に上から炭酸水1267gを数回に分けて注ぎろ過した。そのろ過して作製したケーキをバットに移して薬さじで粉末状に砕き、120℃×4時間で乾燥した。手に入れた樹脂中のナトリウム量を分析した結果、1200[ppm]であった。

Claims (6)

  1. 有機極性溶媒中、ポリハロ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応して得られるポリアリーレンスルフィドを含有する粗反応生成物を脱溶媒させることにより、粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物を得る工程、粗ポリアリーレンスルフィドを含むスラリー状物を、水および炭素原子数1〜3の酸素原子含有溶媒と接触させて前記粗ポリアリーレンスルフィドを比表面積30〔m/g〕以上の範囲の多孔質粒子とする工程、得られた多孔質粒子と炭酸水とを接触させる工程とを有することを特徴とするポリアリーレンスルフィドの精製方法。
  2. ポリアリーレンスルフィドの多孔質粒子と炭酸水とを0.1MPaより小さい圧力下で接触させる、請求項1記載の精製方法。
  3. ポリアリーレンスルフィドの多孔質粒子と炭酸水とを60℃以下の温度で接触させる、請求項1または2記載の精製方法。
  4. 前記多孔質粒子中に含まれる下記構造式(1)で表される化合物(1)の割合が、該ポリアリーレンスルフィド1gあたり1000〔ppm〕以下の範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の精製方法。
    Figure 2020032171
  5. 前記有機溶媒が、アルコール系溶媒またはケトン系溶媒である請求項1〜4のいずれか一項記載の精製方法。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の精製方法によりポリアリーレンスルフィドを精製する工程を有することを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
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