JPWO2019220737A1 - グラフェン前駆体の判別方法、判別装置および判別プログラム - Google Patents

グラフェン前駆体の判別方法、判別装置および判別プログラム Download PDF

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Abstract

黒鉛原料に対する粉末X線回折パターンで確実にピークプロファイルフィッティングによりピーク分離を可能にするグラフェン前駆体の判別方法、判別装置および判別プログラムを提供する。六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層が混在する黒鉛原料に対するグラフェン前駆体の判別方法であって、黒鉛原料の粉末X線回折データに対し、回折角のゼロ点を特定するステップと、前記黒鉛原料を形成するグラフェンシートの面間隔および前記グラフェンシート内の結晶構造は、前記黒鉛原料に混在するいずれの黒鉛層でも同じであるという仮定で、前記特定されたゼロ点から六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層に特有のピーク位置を算出するステップと、前記算出されたピーク位置における積分強度を算出するステップと、前記算出された積分強度に基づいて前記黒鉛原料がグラフェン前駆体か否かを判別するステップと、を含む。

Description

本発明は、六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層が混在する黒鉛原料に対するグラフェン前駆体の判別方法、判別装置および判別プログラムに関する。
グラフェンは、英国マンチェスター大学のガイムおよびノボセロフ両博士が2004年に発見した新炭素素材である。彼ら2人により、グラフェンは、鋼鉄の100倍以上の強度を持ち、金属の10〜100倍の熱伝導特性や電気特性を保有し、さらに、平面の結晶構造が極めて小さいためガスや液体などあらゆる物質を通さないという完全なバリア特性を持つなど、従来の物質とは桁違いに優れた物性を有する物質であることが解明された。
この偉大な発見により、彼ら2人には、ノーベル賞の慣例を破り発見からわずか6年後の2010年にノーベル物理学賞が授与された。その後、グラフェンをベースにした半導体、通信素子、電子デバイス、電池などの次世代に向けた研究が盛んに進んでおり、20世紀後半からシリコン半導体の高性能化に伴って発展した米国カリフォルニア州のシリコンバレーをもじって、欧米では21世紀は「グラフェンバレーの時代」になったとまで言われるようになっている。
グラフェンは、原子1個分の薄さしかない極薄のナノ炭素材料である。炭素原子がハチの巣状に結合して二次元平面を形成するという特異な結晶構造を持つことから、グラフェンの電子移動度は極めて高く、光学特性、熱特性、力学特性などでもグラフェンは優れた物性を示す。このため、グラフェンは、次世代材料として活発に研究開発が進められている。グラフェンの合成法はいくつかあるが、その中で、鉛筆の材料でもある黒鉛(グラファイ卜)からグラフェンを得る方法がある。黒鉛は二次元のグラフェンが多層に貼り合わさった三次元構造の物質であるので、これを剥離することでグラフェンを得ることができる(特許文献1参照)。
黒鉛からのグラフェンを剥離する剥離法のメリットは、生産コストを大きく下げられる点にある。剥離法以外の主要なグラフェン生成法であるCVD(化学的気相成長法)と比べると、剥離法の生産効率の高さは歴然としている。CVDは、真空容器の中に銅などの基板を置き、そこにグラフェンの材料である炭素を含んだガスを流す方法である。基板上に大面積かつ高品質のグラフェンを成膜することができるが、真空環境を使用することなどからコストは高く、1m2のグラフェンを作製するには、品質にもよるが数十〜数百ドルかかる。一方、剥離法では、同じ数十〜数百ドルのコストで、重さ1kg程度のグラフェンを得ることができる。グラフェンは極薄かつ超軽量であり、その単位重量あたりの表面積は2500m2/g程度という巨大な値となるから、重さ1kgといえば、基板上に成膜した面積250万m2のCVDグラフェンに相当する。つまり重量を基準に比較すれば、コストについてCVDと剥離法との間には約250万倍もの開きがあることになる。
一方、黒鉛の結晶構造は、試料にX線を照射したときのX線の散乱または干渉によって生じる回折現象を調べる手法(X線回折)で知ることができる。粉末X線回折法により、得られたプロファイルをピーク分離すれば、それぞれのピークの積分強度比から各結晶構造の存在比率を判別することができる(非特許文献1参照)。
再表2016−038692号公報
R. A. Young, "The Rietveld Method", International Union of Crystallography Oxford University Press 1995, p. 255 - 275
CVDにより生産されるグラフェンは、今後も高付加価値な用途向けに少量が生産されると見込まれる。しかし、このような用途を除けば、グラフェンは剥離法によって様々な用途に産業用に大量生産されることは確実といえる。
その場合、黒鉛原料から得られた粉末X線回折法によるプロファイルにおいて回折角2θが42〜46°付近の2つのピークの積分強度から各結晶構造の存在比率を判別し、グラフェン前駆体としての適性を評価することが重要になる。
図7(a)、(b)は、それぞれピークを判別可能および判別不可能な外観の粉末X線回折パターンのプロファイルを示す図である。図7(a)に示すようにプロファイルの外観からピークが明確に判別できる場合にはピークプロファイルフィッティングで十分にピーク分離ができる。
しかしながら、例えば天然黒鉛に由来する黒鉛原料に対する粉末X線回折パターンでは、図7(b)に示すように、プロファイルの外観が角度範囲全体を含むなだらかな山を示し、外観からは各ピークを判別できない場合がある。このような場合に、単にピークプロファイルフィッティングを適用してもピーク分離ができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、黒鉛原料に対する粉末X線回折パターンで確実にピークプロファイルフィッティングによりピーク分離を可能にするグラフェン前駆体の判別方法、判別装置および判別プログラムを提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明のグラフェン前駆体の判別方法は、六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層が混在する黒鉛原料に対するグラフェン前駆体の判別方法であって、黒鉛原料の粉末X線回折データに対し、回折角のゼロ点を特定するステップと、前記黒鉛原料を形成するグラフェンシートの面間隔および前記グラフェンシート内の結晶構造は、前記黒鉛原料に混在するいずれの黒鉛層でも同じであるという仮定で、前記特定されたゼロ点から六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層に特有のピーク位置を算出するステップと、前記算出されたピーク位置における積分強度を算出するステップと、前記算出された積分強度に基づいて前記黒鉛原料がグラフェン前駆体か否かを判別するステップと、を含むことを特徴としている。
これにより、黒鉛原料に対する粉末X線回折パターンで確実にピーク分離できる。その結果、黒鉛原料中の六方晶系黒鉛層と菱面体晶系黒鉛層の割合を正確に測定することができ、正確かつ精密に黒鉛原料がグラフェン前駆体か否かを判別できる。そして、剥離法を適用し低コストでのグラフェンの生成が可能になる。
(2)また、本発明のグラフェン前駆体の判別方法は、前記回折角のゼロ点を特定するステップでは、前記黒鉛原料を形成するグラフェンシートの面間隔が前記黒鉛原料に混在するいずれの構造でも同じであるという仮定で、前記グラフェンシートを格子面とする回折線のピーク位置を用いることを特徴としている。これにより、ピーク位置から回折角のゼロ点を特定できる。
(3)また、本発明のグラフェン前駆体の判別方法は、前記回折角のゼロ点を特定するステップでは、複数の前記グラフェンシートを格子面とする回折線のピーク位置を用いることを特徴としている。これにより、誤差を排除して正確に回折角のゼロ点を特定できる。
(4)また、本発明のグラフェン前駆体の判別方法は、前記判別のステップでは、前記算出されたピーク位置における、六方晶系黒鉛層の101回折線の積分強度値の菱面体晶系黒鉛層の101回折線の積分強度値に対する割合が所定値以上であるか否かを判定することを特徴としている。これにより、比較しやすい積分強度値を用いてグラフェン剥離法の適用可能な黒鉛原料を判別できる。
(5)また、本発明のグラフェン前駆体の判別方法は、前記算出された菱面体晶系黒鉛層の101回折線の積分強度値をP3、六方晶系黒鉛層の101回折線の積分強度値をP4とするとき、P3/(P3+P4)が0.31以上であるか否かを判定することを特徴としている。これにより、具体的な数値を用いて明確にグラフェン剥離法の適用可能な黒鉛原料を判別できる。
(6)また、本発明の判別装置は、六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層が混在する黒鉛原料に対するグラフェン前駆体の判別装置であって、黒鉛原料の粉末X線回折データに対し、回折角のゼロ点を特定するゼロ点特定部と、前記黒鉛原料を形成するグラフェンシートの面間隔および前記グラフェンシート内の結晶構造は、前記黒鉛原料に混在するいずれの黒鉛層でも同じであるという仮定で、前記特定されたゼロ点から六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層に特有のピーク位置を算出するピーク位置算出部と、前記算出されたピーク位置における積分強度を算出する積分強度算出部と、前記算出された積分強度に基づいて前記黒鉛原料がグラフェン前駆体か否かを判別可能に出力する出力部と、を備えることを特徴としている。これにより、黒鉛原料に対する粉末X線回折パターンで確実にピーク分離し、グラフェン前駆体か否かの判別ができる。
(7)また、本発明の判別プログラムは、六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層が混在する黒鉛原料に対するグラフェン前駆体の判別プログラムであって、黒鉛原料の粉末X線回折データに対し、回折角のゼロ点を特定する処理と、前記黒鉛原料を形成するグラフェンシートの面間隔および前記グラフェンシート内の結晶構造は、前記黒鉛原料に混在するいずれの黒鉛層でも同じという仮定で、前記特定されたゼロ点から六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層に特有のピーク位置を算出する処理と、前記算出されたピーク位置における積分強度を算出する処理と、前記算出された積分強度に基づいて前記黒鉛原料がグラフェン前駆体か否かを判別可能に出力する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴としている。これにより、黒鉛原料に対する粉末X線回折パターンで確実にピーク分離し、グラフェン前駆体か否かの判別ができる。
本発明によれば、黒鉛原料に対する粉末X線回折パターンで確実にピークプロファイルフィッティングによりピーク分離を可能にする。
(a)、(b)それぞれ黒鉛の六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層の結晶構造を示す図である。 本発明のグラフェン前駆体の判別システムの構成を示す概略図である。 本発明のグラフェン前駆体の判別装置の機能的構成を示すブロック図である。 本発明のグラフェン前駆体の判別方法を示すフローチャートである。 (a)、(b)それぞれ0〜90°および40〜45°の2θについて黒鉛原料の粉末X線回折パターンのプロファイルを模式的に示すグラフである。 各試料の実験結果を示す表を示す図である。 (a)、(b)それぞれピークを判別可能および判別不可能な外観の粉末X線回折パターンのプロファイルを示す図である。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
[グラフェン前駆体]
天然黒鉛に多く含まれる六方晶系黒鉛層は非常に安定的で、そのグラフェン同士の層間のファンデルワールス力を超えるエネルギーを与えることでグラフェンが剥離する。そして、剥離に必要なエネルギーは厚さの3乗に反比例する。したがって、層が無数に重なった厚い状態では非常に微弱で超音波などの弱い物理的な力でグラフェンは剥離するが、ある程度薄い黒鉛から剥離する場合には非常に大きなエネルギーが必要となる。
黒鉛からグラフェンを剥離して生成する剥離法は、これに適した「グラフェン前駆体」を用いることでさらに高効率化できる。グラフェン前駆体は、ある特定の結晶構造を持った黒鉛であり、これに対して通常の剥離プ口セス(超音波、超臨界、高圧噴射、衝突、磨砕、酸化・還元、マイクロ波(イオン液体中)、混練など)を行うと、CVD法でグラフェンを生成するのに比べ、理論値で250万倍と試算できるほど生産効率が向上する。
グラフェン前駆体は一般的な黒鉛と比べて結晶性が低く、剥離しやすいため、従来の剥離法で必要だった濃縮工程を経なくても、高濃度のグラフェンを大量生成できる。この技術により、グラフェンの大量生産(年産100トン〜1万トン超規模)が可能となり、比較的安価なナノ素材(1kg当り20〜100ドル)が必要とされる二次電池、キャパシ夕、樹脂・ゴムコンポジット、建材用複合物質などの分野にも十分な材料供給が可能になる。グラフェンを活用した材料開発は今後さらに盛んになると考えられ、上記の手法がスタンダードになれば、その原料であるグラフェン前駆体を供給する企業や組織にとって、さらにグラフェン前駆体の判別が重要になる。
[判別方法の原理]
このようなグラフェン前駆体は、六方晶系黒鉛層2Hに対して一定比率以上の菱面体晶系黒鉛層3RHを含んで構成されている。なお、六方晶系とは、ほぼ六方晶の結晶構造を有するものであればよく、完全な六方晶であってもよいし、結晶構造の一部が崩れた六方晶であってもよいし、全体又は一部が歪んだ六方晶であってもよい。菱面体晶系についても同様である。
図1(a)、(b)は、それぞれ黒鉛の六方晶系黒鉛層2Hおよび菱面体晶系黒鉛層3RHの結晶構造を示す図である。天然黒鉛は層の重なり方によって六方晶系黒鉛層、菱面体晶系黒鉛層および無秩序の3種類の結晶構造に区別されることが知られている。図1(a)に示されるように、六方晶系黒鉛層2Hは、層がABABAB・・の順に積層された結晶構造であり、図1(b)に示されるように、菱面体晶系黒鉛層3RHは層がABCABCABC・・の順に積層された結晶構造である。ただし、菱面体晶系黒鉛層3RHは、実際には菱面体晶に分類されるが、図1(b)に示すように疑似的に六方晶を形成しているものとみなし、六方晶系の軸を用いて表わす(すなわち、以下いずれの結晶系でも六方晶系のa軸、b軸およびc軸を用いて表わす)。
天然黒鉛は、発掘された段階では菱面体晶系黒鉛層が殆ど存在しないが、精製段階で破砕などが行われることで比率が上昇し、天然黒鉛系の炭素素材中には、菱面体晶系黒鉛層が14%程度存在する。天然黒鉛を物理的力や熱によって処理することで、菱面体晶系黒鉛層の比率を増加させることができ、さらに電波的な力を併用することで比率を高められる。
黒鉛の結晶構造は、試料にX線を照射したときのX線の散乱・干渉によって生じる回折現象を調べる手法(X線回折)で知ることができる。したがって、X線回折で測定した各結晶構造に特有なピークの積分強度を比べ、菱面体晶系黒鉛層の比率が所定値以上であるか否かで、試料がグラフェン前駆体か否かの判別が可能である。例えば、以下の数式(1)で判別できる。
31%≦Rate(3RH)=P3/(P3+P4)・・・(1)
P3:菱面体晶系黒鉛層(101)の積分強度値(2θ=43deg台)
P4:六方晶系黒鉛層(101)の積分強度値(2θ=44deg台)
粉末X線回折パターンのピークの積分強度は、ピークの初期値(位置、幅、高さなど)を与え、精密化の際にパラメータが発散しないよう束縛条件を設定して、プロファイルフィッティングを行うことで算出できる。このとき、初期値の設定に応じてパラメータの収束位置は変化するため、正確な積分強度の算出には適切な初期値の採用が必要である。
そこで、本発明では、「黒鉛原料には、六方晶系黒鉛層2Hと菱面体晶系黒鉛層3RHの2種類の多形が含まれているが、いずれも閉じた合成環境(生成環境)で得られたものであるため、グラフェンシート間の面間隔、および、グラフェンシートの構造は、いずれの構造でも同じである。」という仮定を用いる。
これにより、2つの結晶構造における格子定数には以下の関係(1)、(2)が成り立つ。
(1)2Hのa,b軸の長さは、3RHのa,b軸の長さに等しい。
(2)2Hのc軸の長さは、3RHのc軸の長さの2/3倍である。
この2つの関係を満たすように、ピーク位置の初期値を決定する。最終的にピーク位置は精密化するため、正確な値から若干ずれた値を初期値として使用しても問題ない。なお、c軸の長さは、約26°に現れる002面のピーク位置に基づいて計算で求めてもよい。
[グラフェン前駆体の判別システムの構成]
次に、上記のような仮定に基づいてグラフェン前駆体を判別できるシステムを説明する。図2は、グラフェン前駆体の判別システム10の構成を示す概略図である。図2に示すように、グラフェン前駆体の判別システム10は、X線回折装置100および判別装置200を備えている。X線回折装置100と判別装置200とは情報の送受信ができるように接続されている。接続は、有線、無線を問わず、記憶媒体による情報伝達も含む。
(X線回折装置)
X線回折装置100は、粉末の試料Sに対してCuKα1線のような特定波長のX線を照射し、粉末X線回折パターンを測定する装置である。X線回折装置100は、ゴニオメータ110を有しており、このゴニオメータ110は、X線源アーム120、検出器アーム130および試料支持台150を有している。X線源アーム120は、X線源121を支持し、検出器アーム130は、X線検出器131を支持している。
ゴニオメータ110の中心部に設けられた試料支持台150は、試料ホルダ155を着脱可能に支持している。試料ホルダ155に形成された凹部の中には、粉末の試料Sが詰め込まれている。
X線源アーム120および検出器アーム130は、それぞれ同一の回転軸を中心として独自に回転可能である。その回転軸は、ゴニオメータ110によって支持された試料Sの表面上を通るように設定されている。
X線源アーム120上には、X線発生装置122および発散スリット125が固定されている。必要に応じて、その他の光学要素、例えばX線を平行化するソーラスリットや、種々の波長のX線を含むX線から特性X線を取り出すモノクロメータ等をX線源アーム120上に設けることもできる。
X線発生装置122の内部には、通電によって熱電子を発生するフィラメントと、それに対向して配置されたターゲットとが設けられている。ターゲットに熱電子が衝突する領域がX線源121となっている。
検出器アーム130上には、散乱スリット135、受光スリット137およびX線検出器131が設けられている。散乱スリット135は、散乱X線がX線検出器131に入るのを防止する。受光スリット137は、集中したX線以外のX線がX線検出器131に入るのを防止する。X線検出器131は、例えば0次元X線検出器によって構成され、受光したX線の量に対応して信号を出力し、その出力信号に基づいて強度検出回路がX線強度を演算する。X線検出器としては、1次元X線検出器、2次元X線検出器を用いることもできる。なお、X線回折装置100は、集中法光学系を備え、粉末X線回折パターンを測定できるX線回折装置であればよく、X線検出器131をローランド円上に設置するなど上記とは異なる構成を採ってもよい。
(グラフェン前駆体の判別装置)
グラフェン前駆体の判別装置200は、ハードウェア構成上プロセッサ200pおよびメモリ200mを備えており、例えばPCで構成できる。判別装置200は、メモリ200mに記憶したプログラムをプロセッサ200pが実行することで、得られた粉末X線回折パターンに基づいて六方晶系黒鉛層2Hおよび菱面体晶系黒鉛層3RHが混在する黒鉛原料について各結晶構造のピークの積分強度を算出できる。その結果、ユーザは、グラフェン前駆体であるか否かの判別が可能になる。
判別装置200は、ユーザからの入力を受け付け、ユーザへ処理結果を出力する。ユーザからの入力は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作機器を介して可能であり、ディスプレイ等の出力装置を介して表示が可能である。
図3は、グラフェン前駆体の判別装置200の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、判別装置200は、データ管理部210、入力部220、ゼロ点特定部230、積分強度算出部260、フィッティング実行部240、判定部270および出力部280を備えている。
データ管理部210は、X線回折装置100から受け取った粉末X線回折データを試料ごとに保存し管理する。入力部220は、ユーザが操作するキーボード、マウス、タッチパネルなどの操作機器からの入力を受け付ける。例えば、ユーザが操作機器を介して試料を指定した場合には、入力部220が指定を受け付け、データ管理部210は、指定された試料の粉末X線回折データを処理対象とする。なお、粉末X線回折データは、粉末X線回折法により得られたデータを指し、粉末X線回折パターンまたはプロファイルは、得られたデータを回折パターンまたはプロファイルとして捉えたものを指し、捉え方は異なるが実質的な対象データは同じである。
ゼロ点特定部230は、黒鉛原料の粉末X線回折データに対し、回折角のゼロ点を特定する。黒鉛原料の六方晶系黒鉛層2Hのc軸長さが菱面体晶系黒鉛層3RHのc軸長さの2/3であるという仮定で、六方晶系黒鉛層2Hおよび菱面体晶系黒鉛層3RHで共通するc軸方向の格子面による回折線のピーク位置から回折角のゼロ点を特定することが好ましい。これにより、ピーク位置から回折角のゼロ点を特定できる。複数のc軸方向の格子面による回折線のピーク位置を用いて回折角のゼロ点を特定することが好ましい。例えば、2つのピーク位置を用いる場合には、連立方程式を解けばよい。また、3つ以上のピーク位置を用いる場合には、最小二乗法等の回帰分析を用いることができる。これにより、誤差を排除して正確に回折角のゼロ点を特定できる。なお、単一のピーク位置を用いてゼロ点を特定することも可能であるが、その場合は高次のピークを用いることで誤差の影響を小さく抑えることができる。
積分強度算出部260は、黒鉛原料の六方晶系黒鉛層2Hのa軸およびb軸の長さが菱面体晶系黒鉛層3RHのa軸およびb軸の長さと一致し、六方晶系黒鉛層2Hのc軸長さが菱面体晶系黒鉛層3RHのc軸長さの2/3であるという仮定で、特定されたゼロ点から六方晶系黒鉛層2Hおよび菱面体晶系黒鉛層3RHに特有のピーク位置を算出する。これにより、黒鉛原料に対する粉末X線回折パターンで確実にピーク分離できる。その結果、黒鉛原料中の菱面体晶系黒鉛層3RHと六方晶系黒鉛層2Hの割合を正確に測定することができ、正確かつ精密に黒鉛原料がグラフェン前駆体か否かを判別できる。このようにしてグラフェン剥離法を適用し低コストでのグラフェンの生成が可能になる。
そして、積分強度算出部260は、算出されたピーク位置においてフィッティング実行部240による結果をもとに積分強度を算出する。フィッティング実行部240は、与えられた初期値に基づいてX線回折ピークに対してピークを表す関数をフィッティングする。例えば、主要なピークのピーク位置を特定する場面では、結晶系や格子定数の情報をもとに、比較的広い角度範囲について全パターン分解によるフィッティングを行うことができる。また、積分強度を算出する場面では、ローレンツ関数を用いたフィッティングが可能である。
判定部270は、算出された積分強度に基づいて黒鉛原料がグラフェン前駆体か否かを判別する。判別のステップでは、算出されたピーク位置における、菱面体晶系黒鉛層3RHの101回折線の積分強度値の六方晶系黒鉛層2Hの101回折線の積分強度値に対する割合が所定値以上であるか否かを判定することが好ましい。これにより、比較しやすい積分強度値を用いてグラフェン剥離法の適用可能な黒鉛原料を判別できる。
具体的には、算出された菱面体晶系黒鉛層3RHの101回折線の積分強度値をP3、六方晶系黒鉛層2Hの101回折線の積分強度値P4とするとき、P3/(P3+P4)が0.31以上であるか否かを判定することが好ましい。これにより、具体的な数値を用いて明確にグラフェン剥離法の適用可能な黒鉛原料を判別できる。
出力部280は、算出された積分強度に基づいて黒鉛原料がグラフェン前駆体か否かを判別可能に出力する。例えば、出力部280は、菱面体晶系黒鉛層3RHの101回折線の積分強度値をP3、六方晶系黒鉛層2Hの101回折線の積分強度値P4をそれぞれ対比可能にディスプレイに表示できる。また、出力部280は、上記の積分強度値の比率P3/(P3+P4)を表示してもよい。この場合には、表示を判別材料としてユーザ自身で試料がグラフェン前駆体か否かを判別する。一方、出力部280は、判定部270により試料がグラフェン前駆体か否かが判別された結果を表示してもよく、その場合、ユーザには判別の負担が無くなる。
[グラフェン前駆体の判別方法]
上記のように構成された判別システム10を用いることで黒鉛原料がグラフェン前駆体か否かを判別できる。図4は、グラフェン前駆体の判別方法を示すフローチャートである。分かり易いように、粉末X線回折データを準備する段階から説明する。
まず、黒鉛原料を準備する。グラフェン前駆体として用いられる黒鉛原料は、電波的力による処理と物理的力による処理とを真空または気中において施すことで生成できる。すなわち、真空または気中において天然黒鉛材料にマイクロ波、ミリ波、プラズマ、電磁誘導加熱(IH)、磁場などの電波的力による処理とボールミル、ジェットミル、遠心力、超臨界などの物理的力による処理とを併用することで、菱面体晶系黒鉛層3RHがより多く含まれる黒鉛系炭素素材が得られる。電波的力と物理的力とによる作用を同時に作用させることが好ましいが、電波的力と物理的力とを交互に所定間隔毎に作用させるようにしてもよい。
このようにして準備された黒鉛原料の粉末X線回折パターンを測定する(ステップS1)。その際には、2θが90°以上まで測定を行うことが好ましい。図5(a)、(b)は、それぞれ0〜90°および40〜45°の2θについて黒鉛原料の粉末X線回折パターンのプロファイルを模式的に示すグラフである。図5(b)は、図5(a)の破線内を拡大したグラフである。実際の測定では、図5(a)、(b)に示すようにピークを判別できないが、分かりやすいよう模式的なグラフを用いている。
得られた粉末X線回折パターンをもとに黒鉛の002、004、006回折線のピーク位置を全パターン分解によって算出する(ステップS2)。全パターン分解とは、結晶系や格子定数の情報をもとに広い角度範囲についてプロファイルフィッティングを行う方法である。
このようにして黒鉛の六方晶系黒鉛層2Hと菱面体晶系黒鉛層3RHのc軸の長さを決定し(ステップS3)、2θのゼロ点を特定する。そして、黒鉛の六方晶系黒鉛層2Hと菱面体晶系黒鉛層3RHのa軸の長さの初期値を同じ値に設定する(ステップS4)。黒鉛の六方晶系黒鉛層2Hと菱面体晶系黒鉛層3RHの初期値に基づいて、2θが42〜46°の4本のピーク位置の初期値を算出する(ステップS5)。この際には、処理の効率化の観点から2θが40〜50°のデータを切り出すことが好ましい。また、4本のピークの形状パラメータの初期値を設定する(ステップS6)。
各パラメータが発散しないよう最適な順序でプロファイルフィッティングを行い、各パラメータを精密化する(ステップS7)。このようにして得られた黒鉛の菱面体晶系黒鉛層3RHおよび六方晶系黒鉛層2Hの101ピークの積分強度比Rate(3RH)=P3/(P3+P4)を算出する(ステップS8)。そして、得られた2つのピークの比Rate(3RH)の値を表示する(ステップS9)。その他、菱面体晶系黒鉛層3RHを表すピークと六方晶系黒鉛層2Hを表すピークを選ぶことができるが、P3およびP4を用いることが好ましい。黒鉛原料の粉末X線回折データが特定されると、自動的にRate(3RH)=P3/(P3+P4)の値が表示されることが好ましい。
なお、ステップS7では、4つのピークのプロファイルフィッティングを、以下のステップで行う。すなわち、スケール因子を精密化し、P2およびP3の半値幅を精密化する。その際には、P4およびP5の半値幅はP3と同じ値にすることが好ましい。そして、P2〜P5のピーク位置を精密化する。また、上記のステップS2〜S9の一連の動作は、プログラムの実行により行うことができる。
[実施例]
上記のグラフェン前駆体の判別方法を用いて、試料のデータを測定し、Rate(3RH)の値を求めた。図6は、各試料の実験結果を示す表を示す図である。各試料は、グラフェンプラットフォーム社から提供を受けたものを用いており、参照値として提供元のデータを示した。
Rate(3RH)を求める際のプロファイルフィッティングにおいては、いくつかの文献値(結合距離の理論値)や100以上の実測データから、2Hのa=b=2.46Å、c=6.71Åとしてピーク位置の初期値を決定した。そして、他のピークに比べP2の半値幅のみ狭い値を初期値に採用した。これは、実測データでP2のみが見えているケースが多々あり、他の3つのピークに比べて狭い半値幅を持つことが多いと判断したためである。最終的には、P2の半値幅は独立して精密化されるため、P3〜P5より狭ければ十分であり、必要以上に細かく初期値を設定する必要はない。
グラフェン前駆体の判別の場面では、黒鉛試料の性質から、様々な結晶子サイズのものが混ざっていると考えられる。このような場合には、ローレンツ関数が正確なフィッティング結果を与えると考えられる。そこで、プロファイル関数としてはローレンツ関数を用いた。
このようにして、分離しようとする4つのピークが全く識別できない粉末X線回折パターンからも、精度よくRate(3RH)の値を、測定から解析まで自動で算出できた。図6に示すように、ほぼ参照値に近いRate(3RH)の測定値が得られた。なお、上記の実施例では、ローレンツ関数を用いているがFP(Fundamental Parameter)法を用いてもプロファイルフィッティングは可能である。
10 判別システム
100 X線回折装置
110 ゴニオメータ
120 X線源アーム
121 X線源
122 X線発生装置
125 発散スリット
130 検出器アーム
131 X線検出器
135 散乱スリット
137 受光スリット
150 試料支持台
155 試料ホルダ
200 判別装置
200m メモリ
200p プロセッサ
210 データ管理部
220 入力部
230 ゼロ点特定部
240 フィッティング実行部
260 積分強度算出部
270 判定部
280 出力部
S 試料

Claims (7)

  1. 六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層が混在する黒鉛原料に対するグラフェン前駆体の判別方法であって、
    黒鉛原料の粉末X線回折データに対し、回折角のゼロ点を特定するステップと、
    前記黒鉛原料を形成するグラフェンシートの面間隔および前記グラフェンシート内の結晶構造は、前記黒鉛原料に混在するいずれの黒鉛層でも同じであるという仮定で、前記特定されたゼロ点から六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層に特有のピーク位置を算出するステップと、
    前記算出されたピーク位置における積分強度を算出するステップと、
    前記算出された積分強度に基づいて前記黒鉛原料がグラフェン前駆体か否かを判別するステップと、を含むことを特徴とするグラフェン前駆体の判別方法。
  2. 前記回折角のゼロ点を特定するステップでは、前記黒鉛原料を形成するグラフェンシートの面間隔が前記黒鉛原料に混在するいずれの構造でも同じであるという仮定で、前記グラフェンシートを格子面とする回折線のピーク位置を用いることを特徴とする請求項1記載のグラフェン前駆体の判別方法。
  3. 前記回折角のゼロ点を特定するステップでは、複数の前記グラフェンシートを格子面とする回折線のピーク位置を用いることを特徴とする請求項2記載のグラフェン前駆体の判別方法。
  4. 前記判別のステップでは、前記算出されたピーク位置における、六方晶系黒鉛層の101回折線の積分強度値の菱面体晶系黒鉛層の101回折線の積分強度値に対する割合が所定値以上であるか否かを判定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のグラフェン前駆体の判別方法。
  5. 前記算出された菱面体晶系黒鉛層の101回折線の積分強度値をP3、六方晶系黒鉛層の101回折線の積分強度値をP4とするとき、P3/(P3+P4)が0.31以上であるか否かを判定することを特徴とする請求項4記載のグラフェン前駆体の判別方法。
  6. 六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層が混在する黒鉛原料に対するグラフェン前駆体の判別装置であって、
    黒鉛原料の粉末X線回折データに対し、回折角のゼロ点を特定するゼロ点特定部と、
    前記黒鉛原料を形成するグラフェンシートの面間隔および前記グラフェンシート内の結晶構造は、前記黒鉛原料に混在するいずれの黒鉛層でも同じであるという仮定で、前記特定されたゼロ点から六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層に特有のピーク位置を算出するピーク位置算出部と、
    前記算出されたピーク位置における積分強度を算出する積分強度算出部と、
    前記算出された積分強度に基づいて前記黒鉛原料がグラフェン前駆体か否かを判別可能に出力する出力部と、を備えることを特徴とする判別装置。
  7. 六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層が混在する黒鉛原料に対するグラフェン前駆体の判別プログラムであって、
    黒鉛原料の粉末X線回折データに対し、回折角のゼロ点を特定する処理と、
    前記黒鉛原料を形成するグラフェンシートの面間隔および前記グラフェンシート内の結晶構造は、前記黒鉛原料に混在するいずれの黒鉛層でも同じという仮定で、前記特定されたゼロ点から六方晶系黒鉛層および菱面体晶系黒鉛層に特有のピーク位置を算出する処理と、
    前記算出されたピーク位置における積分強度を算出する処理と、
    前記算出された積分強度に基づいて前記黒鉛原料がグラフェン前駆体か否かを判別可能に出力する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする判別プログラム。
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