JPWO2019220574A1 - 合成開口レーダ信号解析装置、合成開口レーダ信号解析方法および合成開口レーダ信号解析プログラム - Google Patents

合成開口レーダ信号解析装置、合成開口レーダ信号解析方法および合成開口レーダ信号解析プログラム Download PDF

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Abstract

合成開口レーダ信号解析装置20は、合成開口レーダが所定の観測方向から観測領域を観測することによって得られた時系列データから安定反射点を抽出する抽出部21と、所定の観測方向に対応する抽出された安定反射点を基に安定反射点の集合であるクラスタを生成する生成部22と、所定の観測方向に対応する生成されたクラスタと観測領域に対応する地図データが示す構造物とを対応付ける対応付け部23と、構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応する複数のクラスタそれぞれに関する各変位速度をベクトル合成する合成部24とを備える。

Description

本発明は、合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)信号解析装置、合成開口レーダ信号解析方法および合成開口レーダ信号解析プログラムに関し、特に複数方向からの観測結果が組み合わせられる時系列データの変位解析において、解析対象の変位を自動で解析できる合成開口レーダ信号解析装置、合成開口レーダ信号解析方法および合成開口レーダ信号解析プログラムに関する。
合成開口レーダ技術は、人工衛星や飛行機等の飛翔体が移動しながら電波を送受信することによって、開口面が大きいアンテナが使用されて撮影される画像と等価な観測画像を得る技術である。合成開口レーダ技術は、例えば、地表からの反射波を解析することによって地表の起伏や構造物等を画像化する用途に利用される。
非特許文献1には、飛翔体により異なる方向から観測された時系列データである各時系列観測データを基に地表や構造物の2次元の変位速度(以下、2次元変位速度という。)を算出する方法が記載されている。
また、特許文献1には、PS-InSAR(Permanent/Persistent Scatters Interferometric Synthetic Aperture Radar)技術を利用して地表や物体の変動を検出する変動検出装置が記載されている。
変位速度は、観測期間における地表や構造物の変動量(変位量)である。地表の変位は、例えば地盤の隆起や沈降である。また、構造物の変位は、例えば道路や建造物の傾きや変形である。
異なる方向からそれぞれ観測された2つ以上の時系列観測データが用意されると、構造物の変位の2次元解析(以下、2次元変位解析という。)が実行可能になる。さらに、2次元変位解析では、異なる方向からそれぞれ観測された2つ以上の時系列観測データを基に得られる2次元変位速度が、東西方向の速度と南北方向の速度とに分離可能である。
一般的な2次元変位解析では、飛翔体が同一観測地を同時期に異なる方向から観測した際に得られる各時系列観測データを基に算出される複数の変位速度が、ベクトル合成される。図18は、一般的な合成開口レーダ信号解析装置の構成例を示すブロック図である。
図18に示す合成開口レーダ信号解析装置900は、変位解析部910と、補間処理部920と、変位速度合成部930とを備える。
変位解析部910は、時系列観測データを変位解析する機能を有する。変位解析部910は、入力される各々の方向から観測された時系列観測データをそれぞれ変位解析することによって、安定反射点と、安定反射点の変位速度を得る。
変位解析部910が得る変位速度は、各々の時系列観測データの観測方向に沿った1次元の変位速度(以下、1次元変位速度という。)である。また、変位解析部910が得る安定反射点は、少なくとも観測期間においてコヒーレンス(可干渉性)が高く、信号の反射強度が安定して大きい反射点(散乱体)である。
変位解析の手法として、変位解析部910は、例えば非特許文献1に記載されているPSI(Persistent Scatterer Interferometry)と呼ばれる手法を利用できる。PSI は、時系列観測データ内で安定した反射点を抽出し、抽出された反射点の変位速度を算出する手法である。
補間処理部920は、変位解析で得られる安定反射点の変位速度を基に、全画素の変位速度を観測方向ごとに算出する機能を有する。補間処理部920は、例えば安定反射点の変位速度を内挿補間することによって、全画素の変位速度を算出する。
変位速度合成部930は、同じ座標に対応する各観測画像における画素の変位速度をベクトル合成することによって、各画素の3次元の変位速度(以下、3次元変位速度という。)を算出する機能を有する。すなわち、2次元の変位解析手法は、異なる方向からそれぞれ観測された3つ以上の時系列観測データが利用されることによって、容易に3次元の変位解析手法に拡張される。
以下、合成開口レーダ信号解析装置900の3次元変位速度を算出する動作を図19を参照して説明する。図19は、合成開口レーダ信号解析装置900による変位速度算出処理の動作を示すフローチャートである。
変位解析部910は、各々の方向から観測された時系列観測データを入力データとする。次いで、変位解析部910は、観測方向ごとに入力データを変位解析する(ステップS910)。変位解析部910は、安定反射点の変位速度を示す変位解析の結果を補間処理部920に入力する。
次いで、補間処理部920は、入力された変位解析の結果を基に観測方向ごとに全画素の変位速度を算出する。例えば、補間処理部920は、算出された安定反射点の変位速度に対して内挿補間を行うことによって、各画素の変位速度を取得する(ステップS920)。補間処理部920は、算出された全画素の変位速度を変位速度合成部930に入力する。
次いで、変位速度合成部930は、同じ座標に対応する各観測画像における画素の変位速度をベクトル合成することによって、各画素の3次元変位速度をそれぞれ算出する(ステップS930)。なお、変位速度合成部930は、各画素の2次元変位速度をそれぞれ算出してもよい。
次いで、変位速度合成部930は、算出された変位速度を解析結果として出力する。出力した後、合成開口レーダ信号解析装置900は、変位速度算出処理を終了する。
また、特許文献2には、車両の周囲に存在する物体を検出する物標検出装置が、壁状の静止物体が移動物体として誤認識される頻度を低減することが記載されている。
また、特許文献3には、車載レーダの反射の検出パターンから車両、モータバイク、自転車、人(歩行者)等を区別して認識する認識精度の向上を図ることができる物体認識装置が記載されている。
また、非特許文献2には、観測方向ごとに抽出された各安定反射点を、安定反射点の座標および位相に基づいてクラスタリングする具体的な方法が記載されている。
特開2015−215210号公報 特開2013−036978号公報 特開2011−191227号公報
Veronica Tofani et al., "Persistent Scatterer Interferometry (PSI) Technique for Landslide Characterization and Monitoring," Remote Sens. 2013, 5, pp. 1045-1065. T. Tanaka, and O. Hoshuyama, "Persistent Scatterer Clustering for Structure Displacement Analysis Based on Phase Correlation Network," IEEE IGARSS 2017, pp. 4618-4621, 2017.
図18に示す合成開口レーダ信号解析装置900は、各観測方向に対応する入力データをそれぞれ変位解析することによって得られる安定反射点の変位速度を内挿補間し、3次元変位速度を画素ごとに算出する。
上記の算出方法では、例えば地面と建設物の境界部分等の変位速度に、各構造の変位速度が混在しやすい。すなわち、合成開口レーダ信号解析装置900が正確な3次元変位速度を得ることは困難である。
また、観測方向ごとに得られる安定反射点に位置ずれ(座標誤り)が発生した場合、座標空間が同一であっても、異なる構造物にそれぞれ対応する反射点の変位速度がベクトル合成される。すなわち、位置ずれが発生すると、正確な3次元変位速度を得ることは困難である。
また、安定反射点の位置ずれによる誤差の発生を回避するためには、地図が示す構造物と大量の安定反射点とを手動で対応付けることが求められる。すなわち、位置ずれによる誤差の発生を回避する場合、作業者は、時間等のコストを多く費やす。
上記の課題を解決する手段として、合成開口レーダが所定の観測方向から観測した時系列データから所定の観測方向に対応する安定反射点を抽出し、抽出された安定反射点をクラスタリングした上で各クラスタと地図データが示す構造物とを対応付ける手段が考えられる。
上記の解決手段は、安定反射点の変位速度を算出し、解析対象の構造物に対応付けられたクラスタを抽出し、抽出された各クラスタの観測方向に沿った変位速度をベクトル合成することによって3次元変位速度を算出する。しかし、特許文献1〜特許文献3、および非特許文献1〜非特許文献2に記載されている各技術が組み合わせられても、上記の解決手段は想到されない。
[発明の目的]
そこで、本発明は、上述した課題を解決する、合成開口レーダが異なる方向から観測した各観測データを基に構造物の3次元変位解析をより高精度に実行できる合成開口レーダ信号解析装置、合成開口レーダ信号解析方法および合成開口レーダ信号解析プログラムを提供することを目的とする。
本発明による合成開口レーダ信号解析装置は、合成開口レーダが所定の観測方向から観測領域を観測することによって得られた時系列データから安定反射点を抽出する抽出部と、所定の観測方向に対応する抽出された安定反射点を基に安定反射点の集合であるクラスタを生成する生成部と、所定の観測方向に対応する生成されたクラスタと観測領域に対応する地図データが示す構造物とを対応付ける対応付け部と、構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応する複数のクラスタそれぞれに関する各変位速度をベクトル合成する合成部とを備えることを特徴とする。
本発明による合成開口レーダ信号解析方法は、合成開口レーダが所定の観測方向から観測領域を観測することによって得られた時系列データから安定反射点を抽出し、所定の観測方向に対応する抽出された安定反射点を基に安定反射点の集合であるクラスタを生成し、所定の観測方向に対応する生成されたクラスタと観測領域に対応する地図データが示す構造物とを対応付け、構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応する複数のクラスタそれぞれに関する各変位速度をベクトル合成することを特徴とする。
本発明による合成開口レーダ信号解析プログラムは、コンピュータに、合成開口レーダが所定の観測方向から観測領域を観測することによって得られた時系列データから安定反射点を抽出する抽出処理、所定の観測方向に対応する抽出された安定反射点を基に安定反射点の集合であるクラスタを生成する生成処理、所定の観測方向に対応する生成されたクラスタと観測領域に対応する地図データが示す構造物とを対応付ける対応付け処理、および構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応する複数のクラスタそれぞれに関する各変位速度をベクトル合成する合成処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、合成開口レーダが異なる方向から観測した各観測データを基に構造物の3次元変位解析をより高精度に実行できる。
本発明による合成開口レーダ信号解析装置の第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。 マッチング部140の構成例を示すブロック図である。 第1観測方向から観測された際に安定反射点が検出される位置を示す説明図である。 第2観測方向から観測された際に安定反射点が検出される位置を示す説明図である。 第1観測方向から観測された際に検出された安定反射点のクラスタリング結果を示す説明図である。 第2観測方向から観測された際に検出された安定反射点のクラスタリング結果を示す説明図である。 第1観測方向から観測された際に検出された安定反射点で構成されるクラスタエッジを示す説明図である。 第2観測方向から観測された際に検出された安定反射点で構成されるクラスタエッジを示す説明図である。 第1の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100による変位速度算出処理の動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置101の構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置101による変位速度算出処理の動作を示すフローチャートである。 第3の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置102の構成例を示すブロック図である。 第3の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置102による変位速度算出処理の動作を示すフローチャートである。 第4の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置103の構成例を示すブロック図である。 第4の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置103による変位速度算出処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の各実施形態を適用可能な合成開口レーダ信号解析装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本発明による合成開口レーダ信号解析装置の概要を示すブロック図である。 一般的な合成開口レーダ信号解析装置の構成例を示すブロック図である。 合成開口レーダ信号解析装置900による変位速度算出処理の動作を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
[構成の説明]
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明による合成開口レーダ信号解析装置の第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。
本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100は、合成開口レーダが異なる方向から観測した各観測データを基に、解析対象の構造物の3次元変位解析を自動で実行できる。解析対象の構造物は、例えば、観測領域内に存在する建設物や道路である。
また、本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100は、合成開口レーダが異なる方向から観測した各観測データを基に、高精度な3次元変位解析を実行できる。
図1に示すように、本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100は、変位解析部110と、クラスタリング部120と、地図データ取得部130と、マッチング部140と、変位速度合成部150とを備える。
図1に示すように、変位解析部110、クラスタリング部120、地図データ取得部130、マッチング部140、および変位速度合成部150は、データの入出力が可能なようにそれぞれ通信可能に接続されている。
本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100は、異なる観測方向から観測された時系列データを基に、構造物の2次元変位解析または3次元変位解析を自動で実行する装置である。合成開口レーダ信号解析装置100は、地図データが示す構造物とクラスタとを対応付け、対応付けの結果に基づいて自動でベクトル合成を行う。
変位解析部110は、合成開口レーダが異なる観測方向からそれぞれ観測した時系列観測データを入力とする。変位解析部110は、入力された時系列観測データから安定反射点を抽出し、抽出された安定反射点の変位速度を算出する機能を有する。
図1に示す例では、変位解析部110に第1観測方向、第2観測方向、第3観測方向からそれぞれ観測された3種類の時系列観測データが入力されている。なお、変位解析部110に入力される時系列観測データの種類は、3種類に限られない。
本実施形態の時系列観測データは、観測日時ごとに得られる2次元の位相情報を含むデータである。また、位相は、レーダ信号の遅延量を表す情報である。例えば、複素数の形式で表されているデータが、位相情報を含むデータとして利用される。
変位解析部110は、入力されたそれぞれの時系列観測データから、変位解析に利用可能な安定反射点が得られる画素を抽出する。次いで、変位解析部110は、抽出された画素の変位速度、すなわち安定反射点の変位速度を算出する。
安定反射点は、位相、座標、高さ等の情報を有する。一般的に、安定反射点は、道路の端や建設物の壁面等、構造物の外形(エッジ)を表す個所から多く抽出される。また、算出される各安定反射点の変位速度は、観測方向に沿った1次元変位速度である。
安定反射点の抽出、および変位速度の算出において、変位解析部110は、例えば上述したPSI を利用する。変位解析部110は、抽出された安定反射点等をクラスタリング部120に入力する。
クラスタリング部120は、観測方向ごとに抽出された安定反射点を、安定反射点の座標および位相に基づいてクラスタリングする機能を有する。
クラスタリング部120がクラスタリング処理を実行することによって、安定反射点は、観測領域内に存在する道路、建設物、または公園等が建設されている小面積の地面等、対応する構造物(反射源)ごとにまとめられる。
すなわち、クラスタリング部120がクラスタリング処理を実行することによって取得されるクラスタは、対応する構造物ごとにまとめられた安定反射点の集合である。また、クラスタリング処理を介して安定反射点に、属するクラスタのクラスタ番号またはクラスタを識別する情報が付与される。
クラスタリングを実行するための具体的な方法として、クラスタリング部120は、例えば非特許文献2に記載されている方法を利用できる。クラスタリング部120は、取得されたクラスタをマッチング部140に入力する。
地図データ取得部130には、図1に示すように道路や建設物等の構造物の外形を示す情報を含む地図データと、時系列観測データとが入力される。地図データ取得部130は、入力された地図データの中から、入力された時系列観測データが表す観測領域と同じ領域を示す地図画像を取得する機能を有する。
本実施形態の地図データでは、道路や建設物等の構造物の外形を示す情報と共に、識別番号等の構造物を識別する情報が構造物ごとに付与されている。地図データ取得部130は、取得された地図画像をマッチング部140に入力する。
マッチング部140は、クラスタリング部120で得られた各観測方向に対応するクラスタと、入力された地図画像が示す構造物とを対応付ける機能を有する。
マッチング部140は、例えば、地図画像が示す構造物に対応付けられたクラスタのクラスタ番号を記録することによって、対応付けの結果を記録してもよい。記録した後、マッチング部140は、地図画像が示す解析対象の構造物と対応付けられたクラスタを抽出する。なお、地図画像が示す構造物には、複数のクラスタが対応付けられてもよい。
各クラスタと地図画像が示す構造物との対応付けの方法として、例えば、各クラスタを構成する安定反射点で形成されるエッジの形状と、地図データが示す構造物のエッジの形状とを画像パターンマッチングで対応付ける方法がある。以下、クラスタを構成する安定反射点で形成されるエッジをクラスタエッジ、地図データが示す構造物のエッジを構造物エッジとそれぞれ呼ぶ。
図2は、マッチング部140の構成例を示すブロック図である。図2に示すマッチング部140は、上記の対応付けの方法で各クラスタと地図画像が示す構造物とを対応付ける。
図2に示すように、マッチング部140は、エッジ形成部141と、エッジ検出部142と、エッジ形状マッチング部143とを含む。
エッジ形成部141は、クラスタを構成する安定反射点を示す画素を繋ぐことによって、クラスタエッジを形成する機能を有する。形成されるクラスタエッジは、所定の観測方向に対応する。エッジ形成部141は、形成されたクラスタエッジをエッジ形状マッチング部143に入力する。
エッジ検出部142は、地図データが示す構造物のエッジを検出した上で、構造物エッジを形成する機能を有する。エッジ検出部142は、形成された構造物エッジをエッジ形状マッチング部143に入力する。
エッジ形状マッチング部143は、クラスタエッジの構成元のクラスタと構造物エッジの構成元の地図画像が示す構造物とを対応付ける機能を有する。
エッジ形状マッチング部143は、例えば、形成されたクラスタエッジの形状と形成された構造物エッジの形状に対して2次元の相互相関に基づいたパターンマッチングを行うことによって、相互相関係数を取得する。
次いで、エッジ形状マッチング部143は、取得された相互相関係数のうち最大の相互相関係数が取得された時のクラスタエッジの構成元のクラスタと構造物エッジの構成元の地図画像が示す構造物とを対応付ける。
なお、エッジ形状マッチング部143は、上記のエッジの形状に基づいた対応付け方法以外の方法で、各クラスタと地図画像が示す構造物とを対応付けてもよい。
変位速度合成部150は、解析対象に対応付けられた各クラスタを基に解析対象の各観測方向に沿った1次元変位速度をそれぞれ算出する。次いで、変位速度合成部150は、算出された各1次元変位速度をベクトル合成することによって、解析対象の3次元変位速度を算出する。
クラスタを基に1次元変位速度を算出する際、変位速度合成部150は、例えばクラスタを構成する安定反射点の変位速度の平均値等を算出する。なお、観測方向が2方向のみである場合、変位速度合成部150は、2つの変位速度ベクトルで構成される3次元空間内の平面上の変位速度を算出する。
また、観測方向が4方向以上である場合、変位速度合成部150は、最小二乗法等を利用して観測方向ごとに得られる解析対象の1次元変位速度を基に最も整合性の高い3次元変位速度を算出する。
例えば、異なる3方向からの各観測結果を基に解析対象の3次元変位速度を得る場合を考える。第1観測方向、第2観測方向、第3観測方向にそれぞれ沿った解析対象の構造物の各変位速度を(v1,v2,v3)とすると、3次元変位速度v=(vx,vy,vz)T は、以下のように表される。
Figure 2019220574
なお、式(1)におけるN は、合成開口レーダの第1観測方向、第2観測方向、第3観測方向の各入射角(θ,θ,θ)と、第1観測方向、第2観測方向、第3観測方向の各方位角(φ,φ,φ)とを用いて、以下のように定義される。
Figure 2019220574
構造物の各変位速度(v1,v2,v3)として、例えば、解析対象の構造物に対応付けられた各観測方向に対応するクラスタの変位速度の平均値が利用されてもよい。また、各クラスタの変位速度の平均値として、各クラスタを構成する安定反射点の変位速度の平均値、または中央値等が利用されてもよい。変位速度合成部150は、算出された解析対象の変位速度を解析結果として出力する。
以下、本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100による対応付けの処理の例を図3〜図8を参照して説明する。なお、説明の簡略化のために、本例では異なる2方向からそれぞれ観測された各データに基づいた対応付けの処理を説明する。
図3は、第1観測方向から観測された際に安定反射点が検出される位置を示す説明図である。また、図4は、第2観測方向から観測された際に安定反射点が検出される位置を示す説明図である。
図3〜図4は、地図データが示す道路と建設物が存在する個所を示す。図3〜図4に示す横線が記された領域は、道路を表す。また、図3〜図4に示す格子が記された領域は、建設物を表す。また、図3〜図4に示す黒色の丸は、安定反射点を表す。なお、図3〜図4に示す各表記の意味は、図5〜図8においても同様である。
図3〜図4に示すように、安定反射点は、道路の形状や構造物の形状に沿って検出される。なお、図3に示す安定反射点は、位置がずれて検出された安定反射点の例である。
図5は、第1観測方向から観測された際に検出された安定反射点のクラスタリング結果を示す説明図である。図5に示すクラスタp11 およびクラスタp12 が、道路の端に対応する。また、図5に示すクラスタp13 およびクラスタp14 が、建設物の端に対応する。
また、図6は、第2観測方向から観測された際に検出された安定反射点のクラスタリング結果を示す説明図である。図6に示すクラスタp15 およびクラスタp16 が、道路の端に対応する。また、図6に示すクラスタp17 およびクラスタp18 が、建設物の端に対応する。
図5〜図6に示すように、例えば道路の変位解析が実行される場合、クラスタp12 、クラスタp13 、クラスタp15 、およびクラスタp16 が、道路に重畳しているクラスタとして抽出される。しかし、建設物を反射源とするクラスタp13 も、同様に道路に重畳しているクラスタとして抽出される。
クラスタp13 も含めて道路の変位速度が算出されると、算出される道路の変位速度には、誤差が含まれる。変位速度に誤差が含まれないように対応するクラスタを手動で選択する場合、選択作業は、多くの時間を要する作業になる。
よって、本実施形態のマッチング部140のエッジ形成部141は、例えば図5〜図6に示すようなクラスタを基にクラスタエッジを形成する。次いで、エッジ形状マッチング部143が、形成されたクラスタエッジと地図画像が示す構造物エッジとのパターンマッチングを実行することによって、解析対象の構造物に対応付けられるクラスタを自動で抽出する。
図7は、第1観測方向から観測された際に検出された安定反射点で構成されるクラスタエッジを示す説明図である。図7に示すクラスタエッジp21 、クラスタエッジp22 、クラスタエッジp23 、およびクラスタエッジp24 は、クラスタp11 、クラスタp12 、クラスタp13 、およびクラスタp14 を基にそれぞれ形成されたクラスタエッジである。
図8は、第2観測方向から観測された際に検出された安定反射点で構成されるクラスタエッジを示す説明図である。図8に示すクラスタエッジp25 、クラスタエッジp26 、クラスタエッジp27 、およびクラスタエッジp28 は、クラスタp15 、クラスタp16 、クラスタp17 、およびクラスタp18 を基にそれぞれ形成されたクラスタエッジである。
図7に示す左側の破線は、道路の構造物エッジを表す。また、図7〜図8に示す破線の矩形は、建設物の構造物エッジを表す。クラスタエッジp23 が建設物の構造物エッジの一部と一致することが、パターンマッチング等の処理が実行されることによって判明する。
よって、エッジ形状マッチング部143は、クラスタp13 と建設物とを対応付ける。以上のエッジ形状マッチング処理を実行することによって、本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100は、解析対象の構造物の変位速度をより正確に算出できる。
[動作の説明]
以下、本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100の解析対象の変位速度を算出する動作を図9を参照して説明する。図9は、第1の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100による変位速度算出処理の動作を示すフローチャートである。
最初に、変位解析部110は、合成開口レーダが異なる観測方向からそれぞれ観測した時系列観測データを入力として受け取る。次いで、変位解析部110は、入力された時系列観測データに対して変位解析を行う(ステップS110)。
具体的には、変位解析部110は、時系列観測データごとに安定反射点を抽出する。次いで、変位解析部110は、抽出された安定反射点の変位速度を算出する。次いで、変位解析部110は、抽出された安定反射点と算出された変位速度とを変位解析の結果としてクラスタリング部120に入力する。
なお、上述したように、所定の観測方向に対応する時系列観測データは、画素ごとの振幅、位相を含むデータである。また、入力される安定反射点は、算出された変位速度に加えて、位相、座標、高さ等を示す情報を有する。また、変位解析部110は、安定反射点の抽出、および変位速度の算出に、例えば、非特許文献1に記載されているPSI を利用する。
次いで、クラスタリング部120は、観測方向ごとに抽出された各安定反射点を、安定反射点の座標および位相に基づいてクラスタリングする(ステップS120)。クラスタリング処理において、クラスタリング部120は、各安定反射点にクラスタ番号等の属するクラスタを判別可能な情報を付与する。次いで、クラスタリング部120は、安定反射点の集合であるクラスタをマッチング部140に入力する。
なお、上述したように、クラスタリング部120は、クラスタリングの具体的な方法として、例えば非特許文献2に記載されている方法を利用できる。なお、構造物ごとに安定反射点がまとめられる方法であれば、クラスタリング部120は、非特許文献2に記載されている方法以外の方法を用いてもよい。
ステップS110〜ステップS120の各処理と独立に、地図データ取得部130は、道路や建設物等の構造物の外形を示す情報である外形情報を含む地図データと、合成開口レーダが観測した時系列観測データとを入力として受け取る。なお、上述したように、道路や建設物等の地図データが示す各構造物には、外形情報と共に識別番号が付与されている。
次いで、地図データ取得部130は、入力された時系列観測データが表す観測領域と同じ観測領域を示す地図画像を地図データから取得する(ステップS130)。次いで、地図データ取得部130は、取得された地図画像をマッチング部140に入力する。
次いで、マッチング部140は、ステップS120で入力された所定の観測方向に対応するクラスタと、ステップS130で入力された地図画像が示す構造物とを対応付ける(ステップS140)。次いで、マッチング部140は、地図画像が示す解析対象の構造物と対応付けられた各クラスタのクラスタ番号を変位速度合成部150に入力する。
なお、各観測方向に対応する複数のクラスタが、地図画像が示す同一の構造物に対応付けられてもよい。また、解析対象の構造物を指定する際、マッチング部140は、例えば、地図データに含まれている構造物の識別番号を指定する。
また、各クラスタと地図画像が示す構造物とを対応付ける方法の一例として、マッチング部140のエッジ形状マッチング部143は、パターンマッチングを行う。例えば、エッジ形状マッチング部143は、エッジ形成部141で得られたクラスタエッジを示す画像と、エッジ検出部142で得られた構造物エッジを示す画像とに対して、2次元の相互相関に基づいたパターンマッチングを行う。
上記のパターンマッチングを行うことによって、マッチング部140は、クラスタと地図画像が示す構造物とを対応付けることができる。なお、マッチング部140は、エッジ形状に基づいた対応付けの方法以外の方法で、各クラスタと地図画像が示す構造物とを対応付けてもよい。
次いで、変位速度合成部150は、入力されたクラスタ番号が示すクラスタを構成する安定反射点を基に、解析対象である構造物の1次元変位速度を観測方向ごとにそれぞれ算出する。次いで、変位速度合成部150は、各観測方向に沿った1次元変位速度をベクトル合成することによって、解析対象である構造物の3次元変位速度を算出する(ステップS150)。
次いで、変位速度合成部150は、算出された3次元変位速度を出力する。出力した後、合成開口レーダ信号解析装置100は、変位速度算出処理を終了する。
[効果の説明]
本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100は、合成開口レーダが所定の観測方向から観測した時系列観測データから所定の観測方向に対応する安定反射点を抽出し、抽出された安定反射点の変位速度を算出する変位解析部110を備える。
また、合成開口レーダ信号解析装置100は、観測領域内の反射源(構造物)ごとに各観測方向に対応する安定反射点をまとめるクラスタリング部120と、観測領域を示す地図データを取得する地図データ取得部130とを備える。
また、合成開口レーダ信号解析装置100は、クラスタリングされた各観測方向に対応する安定反射点と地図データが示す構造物とを対応付けることによって、解析対象の構造物に対応するクラスタを抽出するマッチング部140を備える。
また、合成開口レーダ信号解析装置100は、抽出された各観測方向に対応するクラスタを基に、解析対象の構造物の3次元変位速度を算出する変位速度合成部150を備える。上記のクラスタは、クラスタリング部120で構造物ごとにまとめられた安定反射点群を意味する。各クラスタは、構造物全体、または壁面等の構造物の一部に対応する。
本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100において、クラスタリング部120が観測方向ごとに得られる安定反射点をクラスタリングし、マッチング部140が観測方向ごとのクラスタと地図が示す構造物とを対応付けている。
よって、合成開口レーダ信号解析装置100は、変位速度合成に使用される、解析対象の構造物と対応するクラスタや安定反射点を自動で選択できる。合成開口レーダ信号解析装置100の変位速度合成部150は、手動で選択されたクラスタではなく自動で選択されたクラスタを基に、3次元変位速度を算出できる。
また、本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100は、変位解析時に安定反射点の座標が誤っている場合であっても、地図が示す解析対象の形状を基に解析対象に対応するクラスタを抽出し、抽出されたクラスタを基に3次元変位速度を算出できる。よって、観測方向ごとに安定反射点の位置ずれ(座標誤り)が存在していても、合成開口レーダ信号解析装置100は、構造物の3次元変位速度をより高精度に計測できる。
[第2の実施形態]
[構成の説明]
次に、本発明の第2の実施形態を、図面を参照して説明する。図10は、第2の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置101の構成例を示すブロック図である。
図10に示す合成開口レーダ信号解析装置101は、図1に示す合成開口レーダ信号解析装置100と異なり、重なり判定部160を有する。重なり判定部160以外の合成開口レーダ信号解析装置101の構成は、合成開口レーダ信号解析装置100の構成と同様である。
本実施形態の重なり判定部160は、マッチング部140で地図画像が示す解析対象と対応付けられた各観測方向に対応するクラスタが、2次元画像において重なるか否かを判定する機能を有する。
重なり判定部160は、例えば少なくとも異なる2方向から観測された各観測画像から抽出された各クラスタが重なる場合、それぞれのクラスタ番号を変位速度合成部150に入力する。
クラスタの重なりの有無を判定する方法として、重なり判定部160は、例えば、地図データが示す解析対象に対応付けられた各観測方向に対応するクラスタのエッジ、またはクラスタの領域が一部でも重なっていれば、クラスタが重なっていると判定する方法を使用してもよい。
また、クラスタの重なりが確認された際、例えば、重畳する画素数が両クラスタ領域における画素の総数の所定の割合以上であれば、重なり判定部160は、クラスタが重なっていると判定してもよい。所定の割合は、例えば10% である。
なお、重なり判定部160は、解析対象に対応付けられた各クラスタのクラスタエッジ、または各クラスタのクラスタ領域が1画素でも重なっていれば、各クラスタが重なっていると判定してもよい。
重なり判定部160は、重なっていると判定された各クラスタのクラスタ番号を変位速度合成部150に入力する。変位速度合成部150は、入力されたクラスタ番号が示すクラスタのみを用いて変位速度を合成する。すなわち、本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置101は、2方向以上で共通して観測される箇所のみを基にベクトル合成を行う。
[動作の説明]
以下、本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置101の解析対象の変位速度を算出する動作を図11を参照して説明する。図11は、第2の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置101による変位速度算出処理の動作を示すフローチャートである。
ステップS210〜ステップS240の各処理は、図9に示すステップS110〜ステップS140の各処理とそれぞれ同様である。
ステップS240において、マッチング部140は、地図画像が示す解析対象の構造物と対応付けられた各クラスタのクラスタ番号を重なり判定部160に入力する。重なり判定部160は、地図画像が示す解析対象に対応付けられた、各観測方向に対応するクラスタが重なるか否かを判定する(ステップS250)。
具体的には、マッチング部140は、ステップS240で地図画像が示す解析対象の構造物に対応付けられた、各観測方向に対応するクラスタが2次元画像において重なるか否かを判定する。
判定の結果、複数の方向から観測された観測画像を基に生成されたクラスタ同士が重なる場合、マッチング部140は、それぞれのクラスタのクラスタ番号を変位速度合成部150に入力する。
ステップS260の処理は、図9に示すステップS150の処理と同様である。
[効果の説明]
本実施形態の重なり判定部160は、地図画像が示す解析対象の構造物に対応付けられた各観測方向に対応するクラスタの中から、重なりが確認される複数の観測方向に対応する各クラスタを抽出する。変位速度合成部150は、解析対象の構造物に対して、常に2方向以上から観測されている箇所のみを基に変位速度を算出する。
すなわち、本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置101は、同一箇所の変位速度を合成できるため、第1の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置100に比べてより信頼性の高い変位解析結果を得ることができる。
[第3の実施形態]
[構成の説明]
次に、本発明の第3の実施形態を、図面を参照して説明する。図12は、第3の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置102の構成例を示すブロック図である。
図12に示す合成開口レーダ信号解析装置102は、図1に示す合成開口レーダ信号解析装置100と異なり、マッチング部140の代わりに第2マッチング部170を、変位速度合成部150の代わりに第2変位速度合成部180をそれぞれ有する。第2マッチング部170および第2変位速度合成部180以外の合成開口レーダ信号解析装置102の構成は、合成開口レーダ信号解析装置100の構成と同様である。
本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置102は、クラスタと構造物との対応付けの際に重みを算出し、算出された重みをベクトル合成に利用することを特徴とする。
本実施形態の第2マッチング部170は、各観測方向に対応するクラスタが対応付けられる地図画像が示す構造物を判定すると共に、対応付けの信頼度を示すマッチング尤度を算出する機能を有する。
例えば、第2マッチング部170は、2次元の画像パターンマッチングにおける相互相関係数をマッチング尤度として利用する。また、第2マッチング部170は、別の構造物との相互相関係数と比較した上でマッチング尤度を算出してもよい。また、第2マッチング部170は、上記の方法以外の方法でマッチング尤度を求めてもよい。
本実施形態の第2変位速度合成部180は、地図画像が示す解析対象の構造物の識別番号を有する全てのクラスタを構成する安定反射点を基に、クラスタの変位速度を算出する。
次いで、第2変位速度合成部180は、算出されたそれぞれの変位速度にマッチング尤度、またはマッチング尤度から算出される係数を重みとして掛けた上でベクトル合成を実行することによって、解析対象の3次元変位速度を算出する。また、第2変位速度合成部180は、閾値以上のマッチング尤度のみを利用してもよい。
以下、マッチング尤度が用いられた重み付けの例を説明する。解析対象に対応付けられた任意の観測方向i に対応するクラスタc(c=1,2,・・・,C) の変位速度をvc、クラスタc のマッチング尤度をlcとすると、任意の観測方向i に沿った構造物の変位速度viは、以下のように表される。
Figure 2019220574
マッチング尤度に基づいた重みが用いられて変位速度が合成されると、解析対象の構造物との一致の度合いが大きいクラスタの変位速度ほど、合成された変位速度に対する寄与率が大きくなる。よって、合成開口レーダ信号解析装置102は、各安定反射点の計測精度のばらつき、または各クラスタの計測精度のばらつきを考慮でき、より高精度に3次元変位速度を計測できる。
例えば、観測方向ごとに得られる安定反射点のうち、構造物の外形に沿って現れる安定反射点ほど一般的に観測される時のノイズが少ない。よって、構造物の外形に沿って現れる安定反射点に対する変位解析の精度は、比較的高くなる。
同様に、地図画像が示す解析対象の構造物とのマッチング尤度が高いクラスタに属する安定反射点の変位速度の精度は、比較的高くなる。すなわち、精度が高い変位速度の寄与率が大きくなるように変位速度が合成されるため、算出される3次元変位速度の精度が向上する。
[動作の説明]
以下、本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置102の解析対象の変位速度を算出する動作を図13を参照して説明する。図13は、第3の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置102による変位速度算出処理の動作を示すフローチャートである。
ステップS310〜ステップS330の各処理は、図9に示すステップS110〜ステップS130の各処理とそれぞれ同様である。
第2マッチング部170は、各観測方向に対応するクラスタと、地図データが示す構造物とを対応付ける(ステップS340)。ステップS340の処理において、第2マッチング部170は、各観測方向に対応するクラスタが対応付けられる地図画像が示す構造物を判定すると共に、対応付けの信頼度を示すマッチング尤度を算出する。
第2マッチング部170は、マッチング尤度として、例えば2次元の画像パターンマッチングにおける相互相関係数を利用する。次いで、第2マッチング部170は、解析対象に対応付けられた各観測方向に対応するクラスタのクラスタ番号と、算出されたマッチング尤度とを第2変位速度合成部180に入力する。
次いで、第2変位速度合成部180は、ステップS340で入力されたクラスタ番号が示す所定の観測方向に対応するクラスタの変位速度をクラスタごとに算出する。次いで、第2変位速度合成部180は、ステップS340で入力されたマッチング尤度に基づいた重みをクラスタの変位速度に掛けた上で構造物の変位速度を観測方向ごとに算出する。
次いで、第2変位速度合成部180は、各観測方向に沿った構造物の変位速度をベクトル合成することによって、解析対象の3次元変位速度を算出する(ステップS350)。次いで、第2変位速度合成部180は、算出された3次元変位速度を出力する。出力した後、合成開口レーダ信号解析装置102は、変位速度算出処理を終了する。
[効果の説明]
本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置102の第2変位速度合成部180は、マッチング尤度に基づいた重みを用いて各クラスタの変位速度を合成する。すなわち、精度が高い変位速度の寄与率が大きくなるように変位速度が合成されるため、合成開口レーダ信号解析装置102は、算出される3次元変位速度の精度をより向上できる。
[第4の実施形態]
[構成の説明]
次に、本発明の第4の実施形態を、図面を参照して説明する。図14は、第4の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置103の構成例を示すブロック図である。
図14に示す合成開口レーダ信号解析装置103は、図1に示す合成開口レーダ信号解析装置100と異なり、変位速度合成部150の代わりに第3変位速度合成部190を有する。第3変位速度合成部190以外の合成開口レーダ信号解析装置103の構成は、合成開口レーダ信号解析装置100の構成と同様である。
第3変位速度合成部190は、地図データが示す解析対象の構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応するクラスタの変位速度を、高さごとにベクトル合成する機能を有する。
変位解析部110で得られる安定反射点は、位相、座標、および変位速度を示す情報と共に、高さを示す情報を有する。高さが異なる各安定反射点における位相は異なる。よって、クラスタリング部120は、高さごとに安定反射点をクラスタリングできる。
次いで、第3変位速度合成部190は、構造物の高さごとにクラスタの変位速度をベクトル合成する。第3変位速度合成部190は、ベクトル合成で得られた解析対象の構造物の高さごとの3次元変位速度を出力する。
なお、クラスタリング部120で生成される各クラスタは、処理の性質上、同程度の高さを示す情報を有する安定反射点で構成される。よって、第3変位速度合成部190は、クラスタを構成する安定反射点が有する情報が示す高さの平均値を、クラスタの高さとして利用する。
[動作の説明]
以下、本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置103の解析対象の変位速度を算出する動作を図15を参照して説明する。図15は、第4の実施形態の合成開口レーダ信号解析装置103による変位速度算出処理の動作を示すフローチャートである。
ステップS410〜ステップS440の各処理は、図9に示すステップS110〜ステップS140の各処理とそれぞれ同様である。
第3変位速度合成部190は、ステップS440で入力された所定の観測方向に対応するクラスタの変位速度をクラスタごとに算出する。次いで、第3変位速度合成部190は、各観測方向に沿った構造物の変位速度をベクトル合成することによって、解析対象の3次元変位速度を高さごとに算出する(ステップS450)。
解析対象の3次元変位速度を高さごとに算出する際、第3変位速度合成部190は、所定の観測方向に対応するクラスタを高さごとに選択する。クラスタを高さごとに選択するために、第3変位速度合成部190は、安定反射点が抽出された時に得られたクラスタの高さを示す情報を利用する。
次いで、第3変位速度合成部190は、算出された高さごとの3次元変位速度を出力する。出力した後、合成開口レーダ信号解析装置103は、変位速度算出処理を終了する。
[効果の説明]
本実施形態の合成開口レーダ信号解析装置103の第3変位速度合成部190は、各観測方向に対応するクラスタの高さをそれぞれ求め、解析対象の構造物の3次元変位速度を高さごとに算出する。算出された3次元変位速度を用いて、合成開口レーダ信号解析装置103は、構造物全体の垂直方向、東西方向、南北方向にそれぞれ沿った平行移動だけでなく、傾き、倒れ込み等の構造物の高さに応じた変位を検出、または計測できる。
各実施形態の合成開口レーダ信号解析装置は、合成開口レーダが所定の観測方向から観測した時系列観測データから所定の観測方向に対応する安定反射点を抽出し、抽出された安定反射点の変位速度を算出する。次いで、合成開口レーダ信号解析装置は、抽出された安定反射点を反射源が同じ構造物ごとにクラスタリングする。
次いで、合成開口レーダ信号解析装置は、観測領域を示す地図データを取得し、各観測方向に対応するクラスタと地図データが示す構造物とを対応付ける。次いで、合成開口レーダ信号解析装置は、解析対象の構造物に対応付けられたクラスタの観測方向ごとの変位速度をベクトル合成することによって、3次元変位速度を算出する。よって、合成開口レーダ信号解析装置は、高精度に3次元変位速度を計測できる。
各実施形態の合成開口レーダ信号解析装置は、合成開口レーダが異なる方向から観測した時系列解析データを基に解析対象の構造物の変位速度を合成して3次元変位速度を算出する処理を実行する。3次元変位速度を算出する処理を実行する際、合成開口レーダ信号解析装置は、観測方向ごとに解析対象の構造物の反射点を自動で抽出し、2次元変位速度、または3次元変位速度を算出する。
具体的には、各実施形態の合成開口レーダ信号解析装置は、反射点を構造物ごとにクラスタリングし、地図データが示す構造物のエッジと各クラスタのエッジとを対応付けることによって、解析対象の構造物の反射点のみを高精度に抽出する。以上の処理により、各実施形態の合成開口レーダ信号解析装置は、解析対象の構造物の反射点を高精度に抽出し、2次元変位速度、または3次元変位速度を算出できる。
各実施形態の合成開口レーダ信号解析装置は、異なる方向から観測されたデータに基づいた変位解析の結果を組み合わせて構造物の3次元変位解析を行う際、地図が示す解析対象の構造物に対応するクラスタを観測方向ごとに選択して3次元変位速度を計測できる。
また、各実施形態の合成開口レーダ信号解析装置は、地図が示す解析対象の構造物に対応付けられるクラスタを選択することによって、観測方向ごとに位置ずれが生じた場合であっても、解析対象の3次元変位速度を高精度に算出できる。
なお、上記の各実施形態における各構成要素は、1つのハードウェア、または1つのソフトウェアで構成可能である。また、各構成要素は、複数のハードウェア、または複数のソフトウェアでも構成可能である。また、各構成要素の一部がハードウェアで構成され、他部がソフトウェアで構成されてもよい。
上記の各実施形態における各機能(各処理)は、CPU(Central Processing Unit )等のプロセッサやメモリ等を有するコンピュータで実現可能である。例えば、記憶装置(記憶媒体)に上記の各実施形態における各方法(各処理)を実行するためのプログラムが格納される場合、各機能は、記憶装置に格納されたプログラムをCPUが実行することによって実現される。また、時系列観測データおよび地図データが、記憶装置に格納されてもよい。
図16は、本発明の各実施形態を適用可能な合成開口レーダ信号解析装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図16は、CPUを有するコンピュータにより実現された各実施形態の合成開口レーダ信号解析装置の一例を示す。
CPU10は、記憶装置11に格納されたプログラムに従って、記憶装置12に格納された時系列観測データおよび地図データを解析することによって、上記の各実施形態における各機能を実現する。なお、記憶装置11と記憶装置12は、1つの記憶装置にまとめられていてもよい。
すなわち、CPU10は、変位解析部110、クラスタリング部120、地図データ取得部130、マッチング部140、変位速度合成部150、重なり判定部160、第2マッチング部170、第2変位速度合成部180、および第3変位速度合成部190の各機能を実現する。
記憶装置11および記憶装置12は、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium )である。非一時的なコンピュータ可読媒体には、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium )が含まれる。
非一時的なコンピュータ可読媒体の具体例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)である。また、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、CD−R(Compact Disc-Recordable )、CD−R/W(Compact Disc-ReWritable )も、非一時的なコンピュータ可読媒体の具体例である。また、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM )、フラッシュROM等の半導体メモリも、非一時的なコンピュータ可読媒体の具体例である。
また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium )に格納されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体には、例えば、有線通信路または無線通信路を介して、すなわち電気信号、光信号または電磁波を介して、プログラムが供給される。
メモリ13は、CPU10が処理を実行する時に一時的にデータを格納する記憶手段である。メモリ13は、例えばRAM(Random Access Memory)で実現される。
また、メモリ13に、記憶装置11、記憶装置12、または一時的なコンピュータ可読媒体が保持するプログラムが転送され、CPU10がメモリ13内のプログラムに基づいて処理を実行するような形態が実現されてもよい。
なお、図16に示す合成開口レーダ信号解析装置は、CPU10の代わりにDSP(Digital Signal Processor)を備えてもよい。または、図16に示す合成開口レーダ信号解析装置は、CPU10とDSPとを併せて備えてもよい。
なお、各合成開口レーダ信号解析装置は、ハードウェアにより実現されてもよい。例えば、合成開口レーダ信号解析装置100は、内部に図1に示すような機能を実現するプログラムが組み込まれたLSI(Large Scale Integration )等のハードウェア部品が含まれる回路が実装されてもよい。
また、各構成要素の一部または全部は、汎用の回路(circuitry )または専用の回路、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各構成要素の一部または全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
各構成要素の一部または全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
次に、本発明の概要を説明する。図17は、本発明による合成開口レーダ信号解析装置の概要を示すブロック図である。本発明による合成開口レーダ信号解析装置20は、合成開口レーダが所定の観測方向から観測領域を観測することによって得られた時系列データから安定反射点を抽出する抽出部21(例えば、変位解析部110)と、所定の観測方向に対応する抽出された安定反射点を基に安定反射点の集合であるクラスタを生成する生成部22(例えば、クラスタリング部120)と、所定の観測方向に対応する生成されたクラスタと観測領域に対応する地図データが示す構造物とを対応付ける対応付け部23(例えば、マッチング部140)と、構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応する複数のクラスタそれぞれに関する各変位速度をベクトル合成する合成部24(例えば、変位速度合成部150)とを備える。
また、合成部24は、ベクトル合成することによって構造物の3次元変位速度を算出してもよい。また、生成部22は、安定反射点が示す位相、および座標に基づいてクラスタを生成してもよい。
そのような構成により、合成開口レーダ信号解析装置は、合成開口レーダが異なる方向から観測した各観測データを基に構造物の3次元変位解析をより高精度に実行できる。
また、合成開口レーダ信号解析装置20は、構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応する複数のクラスタの中から重なる部分を有する2つ以上のクラスタを判定する判定部(例えば、重なり判定部160)を備え、合成部24は、判定された2つ以上のクラスタそれぞれに関する各変位速度を用いてもよい。また、判定部は、2次元画像に表示された時に重なる部分を有する2つ以上のクラスタを判定してもよい。
そのような構成により、合成開口レーダ信号解析装置は、より信頼性の高い変位解析結果を得ることができる。
また、対応付け部23は、所定の観測方向に対応するクラスタと地図データが示す構造物との対応付けの信頼度を示す指標を算出し、合成部24は、算出された指標を用いて複数のクラスタそれぞれに関する各変位速度をベクトル合成してもよい。
また、算出される指標は、対応付けの信頼度を示すマッチング尤度でもよい。また、合成部24は、算出されたマッチング尤度を重みとして用いてもよい。
そのような構成により、合成開口レーダ信号解析装置は、算出される3次元変位速度の精度をより向上できる。
また、合成部24は、クラスタを構成する安定反射点が示す複数の高さごとに複数のクラスタそれぞれに関する各変位速度をベクトル合成してもよい。
そのような構成により、合成開口レーダ信号解析装置は、傾き、倒れ込み等の構造物の高さに応じた変位を検出できる。
また、合成開口レーダ信号解析装置20は、構造物(例えば、道路または建設物)の形状を示す情報と構造物の識別番号とを含む地図データから観測領域に対応する地図データを取得する取得部(例えば、地図データ取得部130)を備え、対応付け部23は、取得された地図データを用いてもよい。
そのような構成により、合成開口レーダ信号解析装置は、観測領域における変位解析結果を得ることができる。
また、抽出部21は、抽出された安定反射点の変位速度を算出し、合成部24は、クラスタを構成する安定反射点の算出された変位速度を用いてクラスタに関する変位速度を算出してもよい。
そのような構成により、合成開口レーダ信号解析装置は、クラスタの代表的な変位速度を用いて変位解析結果を得ることができる。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
産業上の利用の可能性
本発明は、衛星や航空機等が用いられた合成開口レーダによる変位解析のうち、多方向からの観測データが統合される変位解析に好適に適用される。
10 CPU
11、12 記憶装置
13 メモリ
20、100〜103、900 合成開口レーダ信号解析装置
21 抽出部
22 生成部
23 対応付け部
24 合成部
110、910 変位解析部
120 クラスタリング部
130 地図データ取得部
140 マッチング部
141 エッジ形成部
142 エッジ検出部
143 エッジ形状マッチング部
150、930 変位速度合成部
160 重なり判定部
170 第2マッチング部
180 第2変位速度合成部
190 第3変位速度合成部
920 補間処理部

Claims (10)

  1. 合成開口レーダが所定の観測方向から観測領域を観測することによって得られた時系列データから安定反射点を抽出する抽出部と、
    前記所定の観測方向に対応する抽出された安定反射点を基に安定反射点の集合であるクラスタを生成する生成部と、
    前記所定の観測方向に対応する生成されたクラスタと前記観測領域に対応する地図データが示す構造物とを対応付ける対応付け部と、
    前記構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応する複数のクラスタそれぞれに関する各変位速度をベクトル合成する合成部とを備える
    ことを特徴とする合成開口レーダ信号解析装置。
  2. 構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応する複数のクラスタの中から重なる部分を有する2つ以上のクラスタを判定する判定部を備え、
    合成部は、判定された2つ以上のクラスタそれぞれに関する各変位速度を用いる
    請求項1記載の合成開口レーダ信号解析装置。
  3. 対応付け部は、所定の観測方向に対応するクラスタと地図データが示す構造物との対応付けの信頼度を示す指標を算出し、
    合成部は、算出された指標を用いて複数のクラスタそれぞれに関する各変位速度をベクトル合成する
    請求項1または請求項2記載の合成開口レーダ信号解析装置。
  4. 合成部は、クラスタを構成する安定反射点が示す複数の高さごとに複数のクラスタそれぞれに関する各変位速度をベクトル合成する
    請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の合成開口レーダ信号解析装置。
  5. 構造物の形状を示す情報と前記構造物を識別する情報とを含む地図データから観測領域に対応する地図データを取得する取得部を備え、
    対応付け部は、取得された地図データを用いる
    請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の合成開口レーダ信号解析装置。
  6. 抽出部は、抽出された安定反射点の変位速度を算出し、
    合成部は、クラスタを構成する安定反射点の算出された変位速度を用いて前記クラスタに関する変位速度を算出する
    請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の合成開口レーダ信号解析装置。
  7. 合成開口レーダが所定の観測方向から観測領域を観測することによって得られた時系列データから安定反射点を抽出し、
    前記所定の観測方向に対応する抽出された安定反射点を基に安定反射点の集合であるクラスタを生成し、
    前記所定の観測方向に対応する生成されたクラスタと前記観測領域に対応する地図データが示す構造物とを対応付け、
    前記構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応する複数のクラスタそれぞれに関する各変位速度をベクトル合成する
    ことを特徴とする合成開口レーダ信号解析方法。
  8. 構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応する複数のクラスタの中から重なる部分を有する2つ以上のクラスタを判定し、
    判定された2つ以上のクラスタそれぞれに関する各変位速度を用いる
    請求項7記載の合成開口レーダ信号解析方法。
  9. コンピュータに、
    合成開口レーダが所定の観測方向から観測領域を観測することによって得られた時系列データから安定反射点を抽出する抽出処理、
    前記所定の観測方向に対応する抽出された安定反射点を基に安定反射点の集合であるクラスタを生成する生成処理、
    前記所定の観測方向に対応する生成されたクラスタと前記観測領域に対応する地図データが示す構造物とを対応付ける対応付け処理、および
    前記構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応する複数のクラスタそれぞれに関する各変位速度をベクトル合成する合成処理
    を実行させるための合成開口レーダ信号解析プログラム。
  10. コンピュータに、
    構造物に対応付けられた各観測方向にそれぞれ対応する複数のクラスタの中から重なる部分を有する2つ以上のクラスタを判定する判定処理を実行させ、
    合成処理で、判定された2つ以上のクラスタそれぞれに関する各変位速度を用いさせる
    請求項9記載の合成開口レーダ信号解析プログラム。
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