JPWO2019188559A1 - エネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔 - Google Patents

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Abstract

集電体と、該集電体の少なくとも一方の面に形成された、導電性炭素材料及び分散剤を含むアンダーコート層とを備えるエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔であって、前記集電体は、アンダーコート層に含まれる元素を含まないものであり、前記アンダーコート箔のアンダーコート層形成面をX線光電子分光(XPS)により測定して得られる前記集電体を構成する元素の比率が、2原子%以下であるエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔を提供する。

Description

本発明は、エネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔に関する。
近年、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタをはじめとしたエネルギー貯蔵デバイスの用途拡大に伴い、内部抵抗の低抵抗化が求められている。この要求に応えるための一つの方法として、電極合材層と集電体との間に導電性炭素材料を含むアンダーコート層を配置して、それらの接触界面の抵抗を下げること、及び電極合材層と集電体との間の密着力を高め、界面剥離による劣化を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
導電材としては、一般的に黒鉛やカーボンブラックといった粒子状の炭素材料が用いられるが、これらの炭素材料は、一般的に粒子径が数百nm以上と大きいため、炭素材料を表面に密に存在させるためには、アンダーコート層の厚みを1μm以上にする必要があった。しかしながら、電池体積に占めるアンダーコート層の割合が大きくなる結果、電池の容量を下げることになってしまう。
また、電池寿命の向上が求められている。そのため、充放電サイクルに伴う抵抗上昇や容量劣化の抑制が必要とされている。
特開2010−170965号公報 国際公開第2014/042080号
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、充放電サイクルに伴う抵抗上昇が抑制されたエネルギー貯蔵デバイスを実現できる、エネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、X線光電子分光(XPS)により測定して得られる前記集電体を構成する元素の比率が2原子%以下であるアンダーコート箔を備える電極を用いることで、電池の容量劣化や抵抗上昇を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記エネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔を提供する。
1.金属材料からなる集電体と、該集電体の少なくとも一方の面に形成された、導電性炭素材料及び分散剤を含むアンダーコート層とを備えるエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔であって、
前記アンダーコート層は、集電体に含まれる金属元素を含まないものであり、
前記アンダーコート箔のアンダーコート層形成面をXPSにより測定して得られる前記集電体を構成する金属元素の比率が、2原子%以下であるエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔。
2.前記集電体を構成する金属元素の比率が、1原子%以下である1のエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔。
3.前記アンダーコート箔のアンダーコート層形成面をXPSにより測定して得られる炭素の比率が、77原子%以上である1又は2のエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔。
4.前記導電性炭素材料が、カーボンナノチューブを含む1〜3のいずれかのエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔。
5.前記分散剤が、側鎖にオキサゾリン基を含むビニル系ポリマー又はトリアリールアミン系高分岐ポリマーを含む1〜4のいずれかのエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔。
6.前記集電体が、アルミニウム箔又は銅箔である1〜5のいずれかのエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔。
7.1〜6のいずれかのエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔、及びそのアンダーコート層上に形成された電極合材層を備えるエネルギー貯蔵デバイス電極。
8.7のエネルギー貯蔵デバイス電極を備えるエネルギー貯蔵デバイス。
本発明のエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔を用いることで、容量劣化や抵抗上昇が抑制され、電池寿命が向上したエネルギー貯蔵デバイスが得られる。これは、アンダーコート層の導電性炭素材料が電極合材層と集電体との界面に存在することにより低抵抗化するメカニズムとは別に、集電体の表面をコートして電解液の酸化還元分解反応を抑制するメカニズムを有するためと考えられる。
本発明で好適に用いられるくびれ部を有するカーボンナノチューブの模式断面図である。
[エネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔]
本発明のエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔は、集電体と、該集電体の少なくとも一方の面に形成された、導電性炭素材料及び分散剤を含むアンダーコート層とを備えるものである。
[集電体]
前記集電体は、金属材料からなるものである。前記金属材料としては、従来、エネルギー貯蔵デバイス電極の集電体に用いられているものから適宜選択すればよく、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ステンレススチール、ニッケル、金、銀等の金属、これらの合金、金属酸化物等を用いることができる。超音波溶接等の溶接を適用して電極構造体を作製する場合、銅、アルミニウム、チタン、ステンレススチール、ニッケル、金、銀又はこれらの合金からなる金属箔を用いることが好ましい。集電体の厚みは特に限定されないが、本発明においては、1〜100μmが好ましい。
[アンダーコート層]
前記アンダーコート層は、導電材として導電性炭素材料を含む。前記導電性炭素材料としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、カーボンナノチューブ(CNT)、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛等の公知の炭素材料から適宜選択して用いることができるが、本発明では、特に、CNT及び/又はカーボンブラックを含む導電性炭素材料を用いることが好ましく、CNT単独の導電性炭素材料を用いることがより好ましい。なお、前記アンダーコート層は、前記集電体に含まれる金属元素を含まないものである。
CNTは、一般的に、アーク放電法、化学気相成長法(CVD法)、レーザー・アブレーション法等によって作製されるが、本発明に使用されるCNTはいずれの方法で得られたものでもよい。また、CNTには1枚の炭素膜(グラフェン・シート)が円筒状に巻かれた単層CNT(SWCNT)と、2枚のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた2層CNT(DWCNT)と、複数のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた多層CNT(MWCNT)とがあるが、本発明においては、SWCNT、DWCNT、MWCNTをそれぞれ単体で、又は複数を組み合わせて使用できる。コストの観点からは、特に直径が2nm以上ある多層CNTが好ましく、薄膜化できるという観点からは、特に直径500nm以下の多層CNTが好ましく、直径100nm以下の多層CNTがより好ましく、直径50nm以下の多層CNTがより一層好ましく、直径30nm以下の多層CNTが最も好ましい。なお、CNTの直径は、例えば、CNTを溶媒中に分散させたものを乾燥させて得た薄膜を、透過型電子顕微鏡で観察することで測定することができる。
なお、前記方法でSWCNT、DWCNT又はMWCNTを作製する際には、ニッケル、鉄、コバルト、イットリウム等の触媒金属が残存することがあるため、この不純物を除去するための精製を必要とする場合がある。不純物の除去には、硝酸、硫酸等による酸処理とともに超音波処理が有効である。しかし、硝酸、硫酸等による酸処理ではCNTを構成するπ共役系が破壊され、CNT本来の特性が損なわれてしまう可能性があるため、適切な条件で精製して使用することが望ましい。
前記CNTとしては、その分散液を塗膜にしてアンダーコート層とした際に電池抵抗を下げる効果を発揮するために、分散液中で分散しやすいものを用いることが好ましい。そのようなCNTとしては、小さいエネルギーで容易に切断可能な結晶不連続部を多く有していることが好ましい。このような観点から、本発明に用いられるCNTは、くびれ部を有するものが好ましい。くびれ部を有するCNTとは、CNTのウォールに、平行部と平行部のチューブ外径に対して90%以下のチューブ外径であるくびれ部とを有するものである。このくびれ部は、CNTの成長方向が変更されることで作り出される部位であるため、結晶不連続部を有しており、小さな機械的エネルギーで容易に切断できる易破断箇所となる。
図1に平行部1とくびれ部3とを有するCNTの模式断面図を示す。平行部1は、図1に示されるように、ウォールが2本の平行な直線又は2本の平行な曲線と認識できる部分である。この平行部1において、平行線の法線方向のウォールの外壁間の距離が平行部1のチューブ外径2である。一方、くびれ部3は、その両端が平行部1と連接し、平行部1に比べてウォール間の距離が近づいている部分であり、より具体的には、平行部1のチューブ外径2に対して90%以下のチューブ外径4を持つ部分である。なお、くびれ部3のチューブ外径4は、くびれ部3において、外壁を構成するウォールが最も近い箇所の外壁間距離である。図1に示されるように、くびれ部3の多くには結晶が不連続である箇所が存在する。
前記CNTのウォールの形状とチューブ外径は、透過型電子顕微鏡等で観察することができる。具体的には、CNTの0.5%分散液を作製し、その分散液を試料台にのせて乾燥させ、透過型電子顕微鏡で5万倍にて撮影した画像によりくびれ部を確認することができる。
前記CNTは、CNTの0.1%分散液を作製し、その分散液を試料台にのせて乾燥させ、透過型電子顕微鏡で2万倍にて撮影した画像を100nm四方の区画に区切り、100nm四方の区画にCNTの占める割合が10〜80%である区画を300区画選択した際に、1区画中にくびれ部分が少なくとも1箇所存在する区画が300区画中に占める割合によって易破断箇所の全体に占める割合(易破断箇所の存在割合)を判断する。区画中のCNTの占める面積が10%未満の場合には、CNTの存在量が少なすぎるため測定が困難である。また、区画のCNTの占める面積が80%を超える場合には、区画に占めるCNTが多くなるためCNTが重なり合ってしまい、平行部分とくびれ部分を区別するのが困難であり正確な測定が困難となる。
本発明で用いるCNTにおいては、易破断箇所の存在割合が60%以上である。易破断箇所の存在割合が60%よりも少ない場合は、CNTが分散しにくく、分散させるために過度の機械的エネルギーを加えた時には、グラファイト綱面の結晶構造破壊につながり、CNTの特徴である電気導電性等の特性が低下する。より高い分散性を得るためには、易破断箇所の存在割合は、70%以上であることが好ましい。
本発明で使用可能なCNTの具体例としては、国際公開第2016/076393号や特開2017−206413号公報に開示されたくびれ構造を有するCNTである、TC−2010、TC−2020、TC−3210L、TC−1210LN等のTCシリーズ(戸田工業(株)製)、スパーグロース法CNT(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構製)、eDIPS−CNT(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構製)、SWNTシリーズ((株)名城ナノカーボン製:商品名)、VGCFシリーズ(昭和電工(株)製:商品名)、FloTubeシリーズ(CNano Technology社製:商品名)、AMC(宇部興産(株)製:商品名)、NANOCYL NC7000シリーズ(Nanocyl S.A.社製:商品名)、Baytubes(Bayer社製:商品名)、GRAPHISTRENGTH(アルケマ社製:商品名)、MWNT7(保土谷化学工業(株)製:商品名)、ハイペリオンCNT(Hypeprion Catalysis International社製:商品名)等が挙げられる。
前記アンダーコート層は、前述した導電性炭素材料と、分散剤と、溶媒とを含むアンダーコート組成物(導電性炭素材料分散液)を用いて作製することが好ましい。
前記分散剤としては、特に限定されないが、公知のものから適宜選択することができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、アクリル樹脂エマルジョン、水溶性アクリル系ポリマー、スチレンエマルジョン、シリコーンエマルジョン、アクリルシリコーンエマルジョン、フッ素樹脂エマルジョン、EVAエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、国際公開第2014/04280号記載のトリアリールアミン系高分岐ポリマー、国際公開第2015/029949号記載の側鎖にオキサゾリン基を有するビニル系ポリマー等が挙げられる。本発明においては、国際公開第2015/029949号記載の側鎖にオキサゾリン基を有するポリマーを含む分散剤や、国際公開第2014/04280号記載のトリアリールアミン系高分岐ポリマーを含む分散剤を用いることが好ましい。
側鎖にオキサゾリン基を有するポリマー(以下、オキサゾリンポリマーともいう。)としては、式(1)で表されるような2位に重合性炭素−炭素二重結合含有基を有するオキサゾリンモノマーをラジカル重合して得られる、オキサゾリン環の2位でポリマー主鎖又はスペーサー基に結合した繰り返し単位を有する、側鎖にオキサゾリン基を有するビニル系ポリマーが好ましい。
Figure 2019188559
式(1)中、Xは、重合性炭素−炭素二重結合含有基であり、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基である。
オキサゾリンモノマーが有する重合性炭素−炭素二重結合含有基としては、重合性炭素−炭素二重結合を含んでいれば特に限定されないが、重合性炭素−炭素二重結合を含む鎖状炭化水素基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等の炭素数2〜8のアルケニル基等が好ましい。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜5のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、フェニル基、キシリル基、トリル基、ビフェニリル基、ナフチル基等が挙げられる。
炭素数7〜20のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルシクロヘキシル基等が挙げられる。
式(1)で表される2位に重合性炭素−炭素二重結合含有基を有するオキサゾリンモノマーの具体例としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−エチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−プロピル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−ブチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−プロピル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−ブチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−プロピル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−ブチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−プロピル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−ブチル−2−オキサゾリン等が挙げられるが、入手容易性等の点から、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが好ましい。
また、水系溶媒を用いて組成物を調製することを考慮すると、オキサゾリンポリマーも水溶性であることが好ましい。このような水溶性のオキサゾリンポリマーは、式(1)で表されるオキサゾリンモノマーのホモポリマーでもよいが、水への溶解性をより高めるため、前記オキサゾリンモノマーと親水性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとの少なくとも2種のモノマーをラジカル重合させて得られたものであることが好ましい。
親水性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、アクリル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物、アクリル酸2−アミノエチル及びその塩、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール、メタクリル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物、メタクリル酸2−アミノエチル及びその塩、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム、(メタ)アクリルニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物が好適である。
また、オキサゾリンポリマーの導電性炭素材料分散能に悪影響を及ぼさない範囲で、前記オキサゾリンモノマー及び親水性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー以外のその他のモノマーを併用することができる。その他のモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のα−オレフィン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロオレフィン系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル系モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いるオキサゾリンポリマーの製造に用いられるモノマー成分において、オキサゾリンモノマーの含有率は、得られるオキサゾリンポリマーの導電性炭素材料分散能をより高めるという点から、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がより一層好ましい。なお、モノマー成分におけるオキサゾリンモノマーの含有率の上限値は100質量%であり、この場合は、オキサゾリンモノマーのホモポリマーが得られる。一方、得られるオキサゾリンポリマーの水溶性をより高めるという点から、モノマー成分における親水性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーの含有率は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がより一層好ましい。また、モノマー成分におけるその他の単量体の含有率は、前述のとおり、得られるオキサゾリンポリマーの導電性炭素材料分散能に影響を与えない範囲であり、また、その種類によって異なるため一概には決定できないが、5〜95質量%、好ましくは10〜90質量%の範囲で適宜設定すればよい。
オキサゾリンポリマーの平均分子量は特に限定されないが、重量平均分子量が1,000〜2,000,000が好ましく、2,000〜1,000,000がより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値である。
本発明で使用可能なオキサゾリンポリマーは、前記モノマーを従来公知のラジカル重合にて合成することができるが、市販品として入手することもでき、そのような市販品としては、例えば、エポクロス(登録商標)WS-300((株)日本触媒製、固形分濃度10質量%、水溶液)、エポクロスWS-700((株)日本触媒製、固形分濃度25質量%、水溶液)、エポクロスWS-500((株)日本触媒製、固形分濃度39質量%、水/1−メトキシ−2−プロパノール溶液)、Poly(2-ethyl-2-oxazoline)(Aldrich社製)、Poly(2-ethyl-2-oxazoline)(AlfaAesar社製)、Poly(2-ethyl-2-oxazoline)(VWR International社製)等が挙げられる。なお、溶液として市販されている場合、そのまま使用しても、目的とする溶媒に置換してから使用してもよい。
また、下記式(2)及び(3)で表される、トリアリールアミン類とアルデヒド類及び/又はケトン類とを酸性条件下で縮合重合することで得られる高分岐ポリマーも好適に用いられる。
Figure 2019188559
式(2)及び(3)中、Ar1〜Ar3は、それぞれ独立に、式(4)〜(8)で表されるいずれかの2価の有機基であるが、特に、式(4)で表される置換又は非置換のフェニレン基が好ましい。
Figure 2019188559
また、式(2)及び(3)において、Z1及びZ2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキル基、又は式(9)〜(12)で表されるいずれかの1価の有機基である(ただし、Z1及びZ2が同時に前記アルキル基となることはない。)が、Z1及びZ2としては、それぞれ独立に、水素原子、2−又は3−チエニル基、式(9)で表される基が好ましく、特に、Z1及びZ2のいずれか一方が水素原子で、他方が、水素原子、2−又は3−チエニル基、式(9)で表される基、特にR141がフェニル基のもの、又はR141がメトキシ基のものがより好ましい。なお、R141がフェニル基の場合、後述する酸性基導入法において、ポリマー製造後に酸性基を導入する方法を用いた場合、このフェニル基上に酸性基が導入される場合もある。前記炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキル基としては、前記で例示したものと同様のものが挙げられる。
Figure 2019188559
式(3)〜(8)中、R101〜R138は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキル基、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルコキシ基、又はカルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基若しくはそれらの塩である。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。
炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基等が挙げられる。
カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホン酸基の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム、カルシウム等の2族金属塩;アンモニウム塩;プロピルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン等の脂肪族アミン塩;イミダゾリン、ピペラジン、モルホリン等の脂環式アミン塩;アニリン、ジフェニルアミン等の芳香族アミン塩;ピリジニウム塩等が挙げられる。
式(9)〜(12)において、R139〜R162は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキル基、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいハロアルキル基、フェニル基、−OR163、−COR163、−NR163164、−COOR165(これらの式中、R163及びR164は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキル基、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいハロアルキル基、又はフェニル基であり、R165は、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキル基、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいハロアルキル基、又はフェニル基である。)、又はカルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基若しくはそれらの塩である。
ここで、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいハロアルキル基としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3−ブロモプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル基、3−ブロモ−2−メチルプロピル基、4−ブロモブチル基、パーフルオロペンチル基等が挙げられる。
なお、ハロゲン原子、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキル基としては、式(3)〜(8)で例示した基と同様のものが挙げられる。
特に、集電体との密着性をより向上させることを考慮すると、前記高分岐ポリマーは、式(2)又は(3)で表される繰り返し単位の少なくとも1つの芳香環中に、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基、及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の酸性基を有するものが好ましく、スルホ基又はその塩を有するものがより好ましい。
前記高分岐ポリマーの製造に用いられるアルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、カプロンアルデヒド、2−メチルブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、7−メトキシ−3,7−ジメチルオクチルアルデヒド、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、3−メチル−2−ブチルアルデヒド、グリオキザール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒド等の飽和脂肪族アルデヒド類;アクロレイン、メタクロレイン等の不飽和脂肪族アルデヒド類;フルフラール、ピリジンアルデヒド、チオフェンアルデヒド等のヘテロ環式アルデヒド類;ベンズアルデヒド、トリルアルデヒド、トリフルオロメチルベンズアルデヒド、フェニルベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒド、アセトキシベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド、アセチルベンズアルデヒド、ホルミル安息香酸、ホルミル安息香酸メチル、アミノベンズアルデヒド、N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、N,N−ジフェニルアミノベンズアルデヒド、ナフチルアルデヒド、アントリルアルデヒド、フェナントリルアルデヒド等の芳香族アルデヒド類;フェニルアセトアルデヒド、3−フェニルプロピオンアルデヒド等のアラルキルアルデヒド類等が挙げられるが、中でも、芳香族アルデヒド類を用いることが好ましい。
また、前記高分岐ポリマーの製造に用いられるケトン化合物としては、アルキルアリールケトン、ジアリールケトン類であり、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ジフェニルケトン、フェニルナフチルケトン、ジナフチルケトン、フェニルトリルケトン、ジトリルケトン等が挙げられる。
本発明に用いられる高分岐ポリマーは、下記スキーム1に示されるように、例えば、下記式(A)で表されるような、前述したトリアリールアミン骨格を与え得るトリアリールアミン化合物と、例えば下記式(B)で表されるようなアルデヒド化合物及び/又はケトン化合物とを、酸触媒の存在下で縮合重合して得られる。なお、アルデヒド化合物として、例えば、テレフタルアルデヒド等のフタルアルデヒド類のような、二官能化合物(C)を用いる場合、スキーム1で示される反応が生じるだけではなく、下記スキーム2で示される反応が生じ、2つの官能基が共に縮合反応に寄与した、架橋構造を有する高分岐ポリマーが得られる場合もある。
Figure 2019188559
(式中、Ar1〜Ar3、及びZ1〜Z2は、前記と同じ。)
Figure 2019188559
(式中、Ar1〜Ar3、及びR101〜R104は、前記と同じ。)
前記縮合重合反応では、トリアリールアミン化合物のアリール基1当量に対して、アルデヒド化合物及び/又はケトン化合物を0.1〜10当量の割合で用いることができる。
前記酸触媒としては、例えば、硫酸、リン酸、過塩素酸等の鉱酸類;p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸一水和物等の有機スルホン酸類;ギ酸、シュウ酸等のカルボン酸類等を用いることができる。酸触媒の使用量は、その種類によって種々選択されるが、通常、トリアリールアミン類100質量部に対して、0.001〜10,000質量部、好ましくは0.01〜1,000質量部、より好ましくは0.1〜100質量部である。
前記縮合反応は無溶媒でも行えるが、通常溶媒を用いて行われる。溶媒としては反応を阻害しないものであれば全て使用することができ、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のアミド類;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ、特に、環状エーテル類が好ましい。これらの溶媒は、それぞれ1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。また、使用する酸触媒が、例えば、ギ酸のような液状のものであるならば、酸触媒に溶媒としての役割を兼ねさせることもできる。
縮合時の反応温度は、通常40〜200℃である。反応時間は反応温度によって種々選択されるが、通常30分間から50時間程度である。
高分岐ポリマーに酸性基を導入する場合、ポリマー原料である、前記トリアリールアミン化合物、アルデヒド化合物、ケトン化合物の芳香環上に予め導入し、これを用いて高分岐ポリマーを製造する方法で導入しても、得られた高分岐ポリマーを、その芳香環上に酸性基を導入可能な試薬で処理する方法で導入してもよいが、製造の簡便さを考慮すると、後者の方法を用いることが好ましい。後者の方法において、酸性基を芳香環上に導入する方法としては、特に制限はなく、酸性基の種類に応じて従来公知の各種方法から適宜選択すればよい。例えば、スルホ基を導入する場合、過剰量の硫酸を用いてスルホン化する方法等を用いることができる。
前記高分岐ポリマーの平均分子量は特に限定されないが、重量平均分子量が1,000〜2,000,000が好ましく、2,000〜1,000,000がより好ましい。
具体的な高分岐ポリマーとしては、下記式で表されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2019188559
前記アンダーコート組成物における、導電性炭素材料と分散剤との混合比率は、質量比で1,000:1〜1:100程度とすることができる。
分散剤の濃度は、導電性炭素材料を溶媒に分散させ得る濃度であれば特に限定されないが、組成物中、0.001〜30質量%程度とすることが好ましく、0.002〜20質量%程度とすることがより好ましい。
導電性炭素材料の濃度は、目的とするアンダーコート層の目付量や、要求される機械的、電気的、熱的特性等において変化するものであり、また、少なくとも導電性炭素材料の一部が孤立分散し、実用的な目付量でアンダーコート層を作製できる限り任意であるが、組成物中、0.0001〜30質量%程度とすることが好ましく、0.001〜20質量%程度とすることがより好ましく、0.001〜10質量%程度とすることがより一層好ましい。
溶媒としては、従来、導電性組成物の調製に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、水;テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類;n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類等の有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。特に、CNTの孤立分散の割合を向上させ得るという点から、水、NMP、DMF、THF、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノールが好ましい。また塗工性を向上させ得るという点から、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノールを含むことが好ましい。またコストを下げ得るという点からは、水を含むことが好ましい。これらの溶媒は、孤立分散の割合を増やすこと、塗工性を上げること、コストを下げることを目的として、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。水とアルコール類との混合溶媒を用いる場合、その混合割合は特に限定されないが、質量比で、水:アルコール類=1:1〜10:1程度が好ましい。
また、前記アンダーコート組成物は、必要に応じてマトリックス高分子を含んでもよい。マトリックス高分子としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(P(VDF−HFP))、フッ化ビニリデン−塩化3フッ化エチレン共重合体(P(VDF−CTFE))等のフッ素系樹脂;ポリビニルピロリドン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、EEA(エチレン−アクリル酸エチル共重合体)等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS)、スチレン−ブタジエンゴム等のポリスチレン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の(メタ)アクリル樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ乳酸(PLA)、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート/アジペート等のポリエステル樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;変性ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;ポリグルコール酸;変性でんぷん;酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、三酢酸セルロース;キチン、キトサン;リグニン等の熱可塑性樹脂や、ポリアニリン及びその半酸化体であるエメラルジンベース;ポリチオフェン;ポリピロール;ポリフェニレンビニレン;ポリフェニレン;ポリアセチレン等の導電性高分子、更にはエポキシ樹脂;ウレタンアクリレート;フェノール樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等が挙げられる。前記アンダーコート組成物においては、溶媒として水を用いることが好適であることから、マトリックス高分子としても水溶性のもの、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、水溶性セルロースエーテル、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレングリコール等が好ましいが、特に、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が好適である。
マトリックス高分子は、市販品として入手することもでき、例えば、アロンA-10H(ポリアクリル酸、東亞合成(株)製、固形分濃度26質量%、水溶液)、アロンA-30(ポリアクリル酸アンモニウム、東亞合成(株)製、固形分濃度32質量%、水溶液)、ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、重合度2,700〜7,500)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(和光純薬工業(株)製)、アルギン酸ナトリウム(関東化学(株)製、鹿1級)、メトローズ(登録商標)SHシリーズ(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)、メトローズSEシリーズ(ヒドロキシエチルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)、JC-25(完全ケン化型ポリビニルアルコール、日本酢ビ・ポバール(株)製)、JM-17(中間ケン化型ポリビニルアルコール、日本酢ビ・ポバール(株)製)、JP-03(部分ケン化型ポリビニルアルコール、日本酢ビ・ポバール(株)製)、ポリスチレンスルホン酸(Aldrich社製、固形分濃度18質量%、水溶液)等が挙げられる。
マトリックス高分子の含有量は、特に限定されないが、組成物中に0.0001〜99質量%程度とすることが好ましく、0.001〜90質量%程度とすることがより好ましい。
なお、前記アンダーコート組成物は、用いる分散剤と架橋反応を起こす架橋剤や、自己架橋する架橋剤を含んでいてもよい。これらの架橋剤は、使用する溶媒に溶解することが好ましい。
オキサゾリンポリマーの架橋剤としては、例えば、カルボキシ基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、スルフィン酸基、エポキシ基等のオキサゾリン基との反応性を有する官能基を2個以上有する化合物であれば特に限定されないが、カルボキシ基を2個以上有する化合物が好ましい。なお、薄膜形成時の加熱や、酸触媒の存在下で前記官能基が生じて架橋反応を起こす官能基、例えば、カルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩等を有する化合物も架橋剤として用いることができる。
オキサゾリン基と架橋反応を起こす化合物の具体例としては、酸触媒の存在下で架橋反応性を発揮する、ポリアクリル酸やそのコポリマー等の合成高分子及びカルボキシメチルセルロースやアルギン酸といった天然高分子の金属塩、加熱により架橋反応性を発揮する、前記合成高分子及び天然高分子のアンモニウム塩等が挙げられる。特に、酸触媒の存在下や加熱条件下で架橋反応性を発揮するポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸リチウム、ポリアクリル酸アンモニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースリチウム、カルボキシメチルセルロースアンモニウム等が好ましい。
このようなオキサゾリン基と架橋反応を起こす化合物は、市販品として入手することもでき、そのような市販品としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、重合度2,700〜7,500)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(和光純薬工業(株)製)、アルギン酸ナトリウム(関東化学(株)製、鹿1級)、アロンA-30(ポリアクリル酸アンモニウム、東亞合成(株)製、固形分濃度32質量%、水溶液)、DN-800H(カルボキシメチルセルロースアンモニウム、ダイセルファインケム(株)製)アルギン酸アンモニウム((株)キミカ製)等が挙げられる。
トリアリールアミン系高分岐ポリマーの架橋剤としては、例えば、メラミン系、置換尿素系、これらのポリマー系架橋剤等が挙げられる。これら架橋剤は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。なお、好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であり、具体的には、CYMEL(登録商標)、メトキシメチル化グリコールウリル、ブトキシメチル化グリコールウリル、メチロール化グリコールウリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メチロール化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグアナミン、ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、メチロール化ベンゾグアナミン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、メチロール化尿素、メトキシメチル化チオ尿素、メトキシメチル化チオ尿素、メチロール化チオ尿素等の化合物、及びこれらの化合物の縮合体が挙げられる。
自己架橋する架橋剤としては、例えば、ヒドロキシ基に対するアルデヒド基、エポキシ基、ビニル基、イソシアネート基やアルコキシ基、カルボキシ基に対するアルデヒド基、アミノ基、イソシアネート基やエポキシ基、アミノ基に対するイソシアネート基やアルデヒド基等の、互いに反応する架橋性官能基を同一分子内に有している化合物や、同じ架橋性官能基同士で反応するヒドロキシ基(脱水縮合)、メルカプト基(ジスルフィド結合)、エステル基(クライゼン縮合)、シラノール基(脱水縮合)、ビニル基、アクリル基等を有している化合物等が挙げられる。自己架橋する架橋剤の具体例としては、酸触媒の存在下で架橋反応性を発揮する多官能アクリレート、テトラアルコキシシラン、ブロックイソシアネート基を有するモノマー及びヒドロキシ基、カルボン酸、アミノ基の少なくとも1つを有するモノマーのブロックコポリマー等が挙げられる。
このような自己架橋する架橋剤は、市販品として入手することもでき、そのような市販品としては、例えば、多官能アクリレートでは、A-9300(エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、新中村化学工業(株)製)、A-GLY-9E(Ethoxylated glycerine triacrylate(EO 9mol)、新中村化学工業(株)製)、A-TMMT(ペンタエリスリトールテトラアクリレート、新中村化学工業(株)製)等が挙げられ、テトラアルコキシシランでは、テトラメトキシシラン(東京化成工業(株)製)、テトラエトキシシラン(東横化学(株)製)等が挙げられ、ブロックイソシアネート基を有するポリマーでは、エラストロン(登録商標)シリーズE-37、H-3、H38、BAP、NEW BAP-15、C-52、F-29、W-11P、MF-9、MF-25K(第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。
これら架橋剤の添加量は、使用する溶媒、使用する基材、要求される粘度、要求される膜形状等により変動するが、分散剤に対し、0.001〜80質量%、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.05〜40質量%である。これら架橋剤は、自己縮合による架橋反応を起こすこともあるが、分散剤と架橋反応を起こすものであり、分散剤中に架橋性置換基が存在する場合はこれらの架橋性置換基により架橋反応が促進される。
本発明では、架橋反応を促進するための触媒として、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸等の酸性化合物、及び/又は2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、有機スルホン酸アルキルエステル等の熱酸発生剤を添加することができる。
触媒の添加量は、アンダーコート組成物に対し、0.0001〜20質量%、好ましくは0.0005〜10質量%、より好ましくは0.001〜3質量%である。
前記アンダーコート組成物の調製法は、特に限定されないが、例えば、導電性炭素材料及び溶媒、並びに必要に応じて用いられる分散剤、マトリックスポリマー及び架橋剤を任意の順序で混合して調製することができる。
この際、混合物を分散処理することが好ましく、この処理により、導電性炭素材料の分散割合をより向上させることができる。分散処理としては、機械的処理である、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル等を用いる湿式処理や、バス型やプローブ型のソニケータを用いる超音波処理が挙げられる。これらのうち、ジェットミルを用いた湿式処理や超音波処理が好ましい。
分散処理の時間は任意であるが、1分間から10時間程度が好ましく、5分間から5時間程度がより好ましい。この際、必要に応じて加熱処理を施しても構わない。なお、架橋剤及び/又はマトリックス高分子を用いる場合、これらは、分散剤、導電性炭素材料及び溶媒からなる混合物を調製した後から加えてもよい。
前記アンダーコート組成物を前記集電体の少なくとも一方の面に塗布し、これを自然又は加熱乾燥し、アンダーコート層を形成してアンダーコート箔(複合集電体)を作製することができる。
また、アンダーコート層の厚みは、得られるデバイスの内部抵抗を低減することを考慮すると、1nm〜10μmが好ましく、1nm〜1μmがより好ましく、1〜500nmがより一層好ましい。アンダーコート層の膜厚は、例えば、アンダーコート箔から適当な大きさの試験片を切り出し、それを手で裂く等の方法により断面を露出させ、走査電子顕微鏡(SEM)等の顕微鏡観察により、断面部分でアンダーコート層が露出した部分から求めることができる。
集電体の一面あたりのアンダーコート層の目付量は、前記膜厚を満たす限り特に限定されないが、1,000mg/m2以下が好ましく、500mg/m2以下がより好ましく、300mg/m2以下がより一層好ましく、200mg/m2以下が更に好ましい。一方、アンダーコート層の機能を担保して優れた特性の電池を再現性よく得るため、集電体の一面あたりのアンダーコート層の目付量を好ましくは1mg/m2以上、より好ましくは5mg/m2以上、より一層好ましくは10mg/m2以上、更に好ましくは15mg/m2以上とする。
本発明におけるアンダーコート層の目付量は、アンダーコート層の面積(m2)に対するアンダーコート層の質量(mg)の割合であり、アンダーコート層がパターン状に形成されている場合、当該面積はアンダーコート層のみの面積であり、パターン状に形成されたアンダーコート層の間に露出する集電体の面積を含まない。
アンダーコート層の質量は、例えば、アンダーコート箔から適当な大きさの試験片を切り出し、その質量W0を測定し、その後、アンダーコート箔からアンダーコート層を剥離し、アンダーコート層を剥離した後の質量W1を測定し、その差(W0−W1)から算出する、又は予め集電体の質量W2を測定しておき、その後、アンダーコート層を形成したアンダーコート箔の質量W3を測定し、その差(W3−W2)から算出することができる。
アンダーコート層を剥離する方法としては、例えばアンダーコート層が溶解、又は膨潤する溶媒に、アンダーコート層を浸漬させ、布等でアンダーコート層をふき取る等の方法が挙げられる。
目付量は、公知の方法で調整することができる。例えば、塗布によりアンダーコート層を形成する場合、アンダーコート層を形成するための塗工液(アンダーコート組成物)の固形分濃度、塗布回数、塗工機の塗工液投入口のクリアランス等を変えることで調整できる。目付量を多くしたい場合は、固形分濃度を高くしたり、塗布回数を増やしたり、クリアランスを大きくしたりする。目付量を少なくしたい場合は、固形分濃度を低くしたり、塗布回数を減らしたり、クリアランスを小さくしたりする。
アンダーコート組成物の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、フローコート法、インクジェット法、キャスティング法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、スリットコート法、ロールコート法、フレキソ印刷法、転写印刷法、刷毛塗り、ブレードコート法、エアーナイフコート法等が挙げられる。これらのうち、作業効率等の点から、インクジェット法、キャスティング法、ディップコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法が好適である。
加熱乾燥する場合の温度も任意であるが、50〜200℃程度が好ましく、80〜150℃程度がより好ましい。
[XPS]
本発明のアンダーコート箔は、そのアンダーコート層形成面をXPSにより測定して得られる前記集電体を構成する元素の比率が、2原子%以下であるという特徴を有する。このとき、XPS測定により得られる前記集電体を構成する元素の比率は、1原子%以下が好ましく、0.5原子%以下がより好ましく、0.2原子%以下がより一層好ましく。0原子%が更に好ましい。
また、本発明のアンダーコート箔は、そのアンダーコート層形成面をXPSにより測定して得られる炭素の比率が、77原子%以上であることが好ましく、80原子%以上であることがより好ましく、81原子%以上であることがより一層好ましく、82原子%以上であることが更に好ましい。なお、その上限は、特に限定されないが、通常99.9原子%程度である。
更に、前記集電体としてアルミニウム箔を用い、分散剤として側鎖にオキサゾリン基を含むビニル系ポリマーを用いる場合、本発明のアンダーコート箔は、そのアンダーコート層形成面をXPSにより測定して得られる酸素の比率が、20原子%以下であることが好ましく、19原子%以上であることがより好ましく、18原子%以上であることがより一層好ましい。なお、その下限は、特に限定されないが、通常0.1原子%程度である。
[エネルギー貯蔵デバイス電極]
本発明のエネルギー貯蔵デバイス電極は、前記アンダーコート箔のアンダーコート層上に、電極合材層を備えるものである。
前記電極合材層は、活物質、バインダーポリマー及び必要に応じて溶媒を含む電極スラリーを、アンダーコート層上に塗布し、自然又は加熱乾燥して形成することができる。
前記活物質としては、従来、エネルギー貯蔵デバイス電極に用いられている各種活物質を用いることができる。例えば、リチウム二次電池やリチウムイオン二次電池の場合、正極活物質としてリチウムイオンを吸着・離脱可能なカルコゲン化合物又はリチウムイオン含有カルコゲン化合物、ポリアニオン系化合物、硫黄単体及びその化合物等を用いることができる。
このようなリチウムイオンを吸着離脱可能なカルコゲン化合物としては、例えばFeS2、TiS2、MoS2、V26、V613、MnO2等が挙げられる。
リチウムイオン含有カルコゲン化合物としては、例えばLiCoO2、LiMnO2、LiMn24、LiMo24、LiV38、LiNiO2、LixNiy1-y2(ただし、Mは、Co、Mn、Ti、Cr、V、Al、Sn、Pb、及びZnから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であり、0.05≦x≦1.10、0.5≦y≦1.0)等が挙げられる。
ポリアニオン系化合物としては、例えばリン酸鉄リチウム(LiFePO4)等が挙げられる。硫黄化合物としては、例えばLi2S、ルベアン酸等が挙げられる。
一方、前記負極を構成する負極活物質としては、アルカリ金属、アルカリ合金、リチウムイオンを吸蔵・放出する周期表4〜15族の元素から選ばれる少なくとも1種の単体、酸化物、硫化物、窒化物、又はリチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な炭素材料を使用することができる。
アルカリ金属としては、Li、Na、K等が挙げられ、アルカリ金属合金としては、例えば、Li−Al、Li−Mg、Li−Al−Ni、Na−Hg、Na−Zn等が挙げられる。
リチウムイオンを吸蔵放出する周期表4〜15族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の単体としては、例えば、ケイ素やスズ、アルミニウム、亜鉛、砒素等が挙げられる。同じく酸化物としては、例えば、スズケイ素酸化物(SnSiO3)、リチウム酸化ビスマス(Li3BiO4)、リチウム酸化亜鉛(Li2ZnO2)、リチウム酸化チタン(Li4Ti512)、酸化チタン等が挙げられる。同じく硫化物としては、リチウム硫化鉄(LixFeS2(0≦x≦3))、リチウム硫化銅(LixCuS(0≦x≦3))等が挙げられる。同じく窒化物としては、リチウム含有遷移金属窒化物が挙げられ、具体的には、LixyN(M=Co、Ni、Cu、0≦x≦3、0≦y≦0.5)、リチウム鉄窒化物(Li3FeN4)等が挙げられる。
リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な炭素材料としては、グラファイト、カーボンブラック、コークス、ガラス状炭素、炭素繊維、カーボンナノチューブ、又はこれらの焼結体等が挙げられる。
また、電気二重層キャパシタの場合、活物質として炭素質材料を用いることができる。この炭素質材料としては、活性炭等が挙げられ、例えば、フェノール樹脂を炭化後、賦活処理して得られた活性炭が挙げられる。
バインダーポリマーとしては、公知の材料から適宜選択して用いることができ、例えば、PVDF、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、P(VDF−HFP)、P(VDF−CTFE)、ポリビニルアルコール、ポリイミド、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、CMC、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアニリン等の導電性高分子等が挙げられる。
なお、バインダーポリマーの添加量は、活物質100質量部に対し、0.1〜20質量部、特に1〜10質量部が好ましい。
溶媒としては、前記アンダーコート組成物で例示した溶媒が挙げられ、これらの中からバインダーの種類に応じて適宜選択すればよいが、PVDF等の非水溶性のバインダーの場合はNMPが好適であり、PAA等の水溶性のバインダーの場合は水が好適である。
なお、前記電極スラリーは、導電材を含んでいてもよい。導電材としては、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム、ニッケル等が挙げられる。
電極スラリーの塗布方法としては、前述したアンダーコート組成物と同様の方法が挙げられる。また、加熱乾燥する場合の温度も任意であるが、50〜400℃程度が好ましく、80〜150℃程度がより好ましい。
電極合材層の形成部位は、用いるデバイスのセル形態等に応じて適宜設定すればよく、アンダーコート層の表面全部でもその一部でもよいが、ラミネートセル等に使用する目的で、金属タブと電極とを超音波溶接等の溶接により接合した電極構造体として用いる場合には、溶接部を残すためアンダーコート層の表面の一部に電極スラリーを塗布して電極合材層を形成することが好ましい。特に、ラミネートセル用途では、アンダーコート層の周縁を残したそれ以外の部分に電極スラリーを塗布して電極合材層を形成することが好適である。
前記電極合材層の厚みは、電池の容量と抵抗のバランスを考慮すると、10〜500μmが好ましく、10〜300μmがより好ましく、20〜100μmがより一層好ましい。
電極は、必要に応じてプレスしてもよい。このとき、プレス圧力は1kN/cm以上が好ましい。プレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特に金型プレス法やロールプレス法が好ましい。また、プレス圧力は、特に限定されないが、2kN/cm以上が好ましく、3kN/cm以上がより好ましい。プレス圧力の上限は、40kN/cm程度が好ましく、30kN/cm程度がより好ましい。
[エネルギー貯蔵デバイス]
本発明のエネルギー貯蔵デバイスは、前述したエネルギー貯蔵デバイス電極を備えたものであり、より具体的には、少なくとも一対の正負極と、これら各極間に介在するセパレータと、電解質とを備えて構成され、正負極の少なくとも一方が、前述したエネルギー貯蔵デバイス電極から構成される。
本発明のエネルギー貯蔵デバイスとしては、例えば、リチウムイオン二次電池、ハイブリッドキャパシタ、リチウム二次電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池等の各種エネルギー貯蔵デバイスが挙げられる。
このエネルギー貯蔵デバイスは、電極として前述したエネルギー貯蔵デバイス電極を用いることにその特徴があるため、その他のデバイス構成部材であるセパレータや、電解質等は、公知の材料から適宜選択して用いることができる。
セパレータとしては、例えば、セルロース系セパレータ、ポリオレフィン系セパレータ等が挙げられる。電解質としては、液体、固体のいずれでもよく、また水系、非水系のいずれでもよいが、本発明のエネルギー貯蔵デバイス電極は、非水系電解質を用いたデバイスに適用した場合にも実用上十分な性能を発揮させ得る。
非水系電解質としては、電解質塩を非水系有機溶媒に溶かしてなる非水系電解液が挙げられる。電解質塩としては、4フッ化ホウ酸リチウム、6フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等のリチウム塩;テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラプロピルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、メチルトリエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムパークロレート等の4級アンモニウム塩、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド等のリチウムイミド等が挙げられる。
非水系有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられる。
エネルギー貯蔵デバイスの形態は特に限定されず、円筒型、扁平巻回角型、積層角型、コイン型、扁平巻回ラミネート型、積層ラミネート型等の従来公知の各種形態のセルを採用することができる。
コイン型に適用する場合、前述した本発明のエネルギー貯蔵デバイス電極を、所定の円盤状に打ち抜いて用いればよい。例えば、リチウムイオン二次電池は、コインセルのワッシャーとスペーサーが溶接されたフタに、所定形状に打ち抜いたリチウム箔を所定枚数設置し、その上に、電解液を含浸させた同形状のセパレータを重ね、更に上から、電極合材層を下にして本発明のエネルギー貯蔵デバイス電極を重ね、ケースとガスケットを載せて、コインセルかしめ機で密封して作製することができる。
積層ラミネート型に適用する場合、電極合材層がアンダーコート層表面の一部又は全面に形成された電極における、アンダーコート層が形成され、かつ、電極合材層が形成されていない部分(溶接部)で金属タブと溶接して得られた電極構造体を用いればよい。この場合、電極構造体を構成する電極は一枚でも複数枚でもよいが、一般的には、正負極とも複数枚が用いられる。正極を形成するための複数枚の電極は、負極を形成するための複数枚の電極と、一枚ずつ交互に重ねることが好ましく、その際、正極と負極の間には前述したセパレータを介在させることが好ましい。なお、アンダーコート層が形成され、かつ、電極合材層が形成されていない部分で溶接する場合、集電体の一面あたりのアンダーコート層の目付量を好ましくは100mg/m2以下、より好ましくは90mg/m2以下、より一層好ましくは50mg/m2未満とする。
金属タブは、複数枚の電極の最も外側の電極の溶接部で溶接しても、複数枚の電極のうち、任意の隣接する2枚の電極の溶接部間に金属タブを挟んで溶接してもよい。金属タブの材質は、一般的にエネルギー貯蔵デバイスに使用されるものであれば、特に限定されず、例えば、ニッケル、アルミニウム、チタン、銅等の金属;ステンレススチール、ニッケル合金、アルミニウム合金、チタン合金、銅合金等の合金等が挙げられる。これらのうち、溶接効率を考慮すると、アルミニウム、銅及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属を含んで構成されるものが好ましい。金属タブの形状は、箔状が好ましく、その厚さは0.05〜1mm程度が好ましい。
溶接方法は、金属同士の溶接に用いられる公知の方法を用いることができ、その具体例としては、TIG溶接、スポット溶接、レーザー溶接、超音波溶接等が挙げられるが、超音波溶接にて電極と金属タブとを接合することが好ましい。
超音波溶接の方法としては、例えば、複数枚の電極をアンビルとホーンとの間に配置し、溶接部に金属タブを配置して超音波をかけて一括して溶接する方法や、電極同士を先に溶接し、その後、金属タブを溶接する方法等が挙げられる。
本発明では、いずれの方法でも、金属タブと電極とが前記溶接部で溶接されるだけでなく、複数枚の電極同士も互いに超音波溶接されることになる。溶接時の圧力、周波数、出力、処理時間等は、特に限定されず、用いる材料やアンダーコート層の目付量等を考慮して適宜設定すればよい。
以上のようにして作製した電極構造体を、ラミネートパックに収納し、前述した電解液を注入した後、ヒートシールすることでラミネートセルが得られる。
以下、調製例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。なお、使用した装置は、以下のとおりである。
・プローブ型超音波照射装置:Hielscher Ultrasonics社製、UIP1000
・ワイヤーバーコーター:(株)エスエムテー製、PM-9050MC
・ホモディスパー:プライミクス(株)製、T.K.ロボミックス(ホモディスパー2.5型(φ32)付き)
・薄膜旋回型高速ミキサー:プライミクス(株)製、フィルミクス40型
・自転・公転ミキサー:(株)シンキー製、あわとり練太郎(ARE-310)
・ロールプレス装置:(有)タクミ技研、SA-602
・充放電測定装置:東洋システム(株)製、TOSCAT-3100
・XPS測定装置:アルバック・ファイ(株)製、PHI 5000 VersaProbe II
[1]アンダーコート組成物の調製
[調製例1]
オキサゾリンポリマーを含む水溶液であるエポクロスWS-300((株)日本触媒製、固形分濃度10質量%、重量平均分子量1.2×105、オキサゾリン基量7.7mmol/g)5.0gと、純水37.15gと、2−プロパノール(純正化学(株)製、試薬特級)7.35gとを混合し、更にそこへ導電性炭素材料であるCNT(戸田工業(株)製、TC-2010)0.5gを混合した。得られた混合物に対して、プローブ型超音波照射装置を用いて30分間超音波処理を行い、均一にCNTが分散した分散液を調製した。これに、ポリアクリル酸アンモニウムを含む水溶液であるアロンA-30(東亞合成(株)製、固形分濃度31.6質量%)1.2gと、純水41.35gと、2−プロパノール(純正化学(株)製、試薬特級)7.44gを混合して、アンダーコート組成物Aを調製した。
[2]アンダーコート箔の製造
[比較例1]
アンダーコート組成物Aを、集電体であるアルミニウム箔(厚み15μm)にワイヤーバーコーター(OSP-2、ウェット膜厚2μm)で均一に展開後、150℃で30分乾燥してアンダーコート層を形成し、アンダーコート箔Aを作製した。目付量を測定した結果、35mg/m2であった。
[実施例1−1]
アンダーコート組成物Aを、集電体であるアルミニウム箔(厚み15μm)にワイヤーバーコーター(OSP-4、ウェット膜厚4μm)で均一に展開後、150℃で30分乾燥してアンダーコート層を形成し、アンダーコート箔Bを作製した。目付量を測定した結果、58mg/m2であった。
[実施例1−2]
アンダーコート組成物Aを、集電体であるアルミニウム箔(厚み15μm)にワイヤーバーコーター(OSP-6、ウェット膜厚6μm)で均一に展開後、150℃で30分乾燥してアンダーコート層を形成し、アンダーコート箔Cを作製した。目付量を測定した結果、79mg/m2であった。
[実施例1−3]
アンダーコート組成物Aを、集電体であるアルミニウム箔(厚み15μm)にワイヤーバーコーター(OSP-10、ウェット膜厚10μm)で均一に展開後、150℃で30分乾燥してアンダーコート層を形成し、アンダーコート箔Dを作製した。目付量を測定した結果、112mg/m2であった。
[実施例1−4]
アンダーコート組成物Aを、集電体であるアルミニウム箔(厚み15μm)にワイヤーバーコーター(OSP-13、ウェット膜厚13μm)で均一に展開後、150℃で30分乾燥してアンダーコート層を形成し、アンダーコート箔Eを作製した。目付量を測定した結果、141mg/m2であった。
[実施例1−5]
アンダーコート組成物Aを、集電体であるアルミニウム箔(厚み15μm)にワイヤーバーコーター(OSP-20、ウェット膜厚20μm)で均一に展開後、150℃で30分乾燥してアンダーコート層を形成し、アンダーコート箔Fを作製した。目付量を測定した結果、222mg/m2であった。
[実施例1−6]
アンダーコート組成物Aを、集電体であるアルミニウム箔(厚み15μm)にワイヤーバーコーター(OSP-30、ウェット膜厚30μm)で均一に展開後、150℃で30分乾燥してアンダーコート層を形成し、アンダーコート箔Gを作製した。目付量を測定した結果、282mg/m2であった。
[3]XPS測定
下記測定条件に従って、アンダーコート箔A〜Gのアンダーコート層形成面のXPSを測定し、アルミニウム、炭素及び酸素の比率(原子%)を算出した。
・測定条件:ナロースペクトル
・X線源:単色化Al Kα
・X線ビーム径:100μmφ(25W、15kV)
・パスエネルギー:58.70eV
・帯電中和:あり
・測定エリア:1mm×1mm
・N=2測定
各元素の比率を表1に示す。
Figure 2019188559
[4]電極及びリチウムイオン二次電池の製造
[比較例2]
活物質としてリン酸鉄リチウム(LFP、Aleees社製)31.84g、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)のNMP溶液(12質量%、(株)クレハ製、KFポリマーL#1120)13.05g、導電材としてデンカブラック1.39g及びNMP13.72gを、ホモディスパーにて8,000rpmで1分間混合した。次いで、薄膜旋回型高速ミキサーを用いて周速20m/秒で60秒の混合処理をし、更に自転・公転ミキサーにて2,200rpmで30秒脱泡することで、電極スラリー(固形分濃度58質量%、LFP:PVDF:デンカブラック=91.5:4.5:4(質量比))を作製した。得られた電極スラリーを、アンダーコート箔Aに均一(ウェット膜厚100μm)に展開後、80℃で30分、次いで120℃で30分乾燥してアンダーコート層上に電極合材層を形成し、更にロールプレス機でプレスして圧着させ、電極を作製した。
得られた電極から、直径10mmの円盤状の電極を4枚打ち抜き、120℃で15時間真空乾燥し、アルゴンで満たされたグローブボックスに移した。2032型のコインセル(宝泉(株)製)のワッシャーとスペーサーが溶接されたフタに、直径14mmに打ち抜いたリチウム箔(本荘ケミカル(株)製、厚み0.17mm)を6枚重ねたものを設置し、その上に、電解液(キシダ化学(株)製、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=1:1(体積比)、電解質であるリチウムヘキサフルオロホスフェートを1mol/L含む。)を24時間以上染み込ませた、直径16mmに打ち抜いたセパレータ(セルガード(株)製、セルガード#2400)を一枚重ねた。更に上から、活物質を塗布した面を下にして電極を重ねた。電解液を1滴滴下したのち、ケースとガスケットを載せて、コインセルかしめ機で密封した。その後24時間静置し、試験用のリチウムイオン二次電池Aを4個作製した。
[実施例2−1]
アンダーコート箔Aのかわりにアンダーコート箔Bを用いたこと以外は、比較例2と同様の方法で試験用のリチウムイオン二次電池Bを4個作製した。
[実施例2−2]
アンダーコート箔Aのかわりにアンダーコート箔Cを用いたこと以外は、比較例2と同様の方法で試験用のリチウムイオン二次電池Cを4個作製した。
[実施例2−3]
アンダーコート箔Aのかわりにアンダーコート箔Dを用いたこと以外は、比較例2と同様の方法で試験用のリチウムイオン二次電池Dを4個作製した。
[実施例2−4]
アンダーコート箔Aのかわりにアンダーコート箔Eを用いたこと以外は、比較例2と同様の方法で試験用のリチウムイオン二次電池Eを4個作製した。
[実施例2−5]
アンダーコート箔Aのかわりにアンダーコート箔Fを用いたこと以外は、比較例2と同様の方法で試験用のリチウムイオン二次電池Fを4個作製した。
[実施例2−6]
アンダーコート箔Aのかわりにアンダーコート箔Gを用いたこと以外は、比較例2と同様の方法で試験用のリチウムイオン二次電池Gを4個作製した。
[5]電池のレート特性評価
アンダーコート箔が電池に及ぼす影響を評価することを目的として、充放電測定装置を用いて、以下の条件で充放電試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 2019188559
・カットオフ電圧:4.50V−2.00V ・試験電池数:4個
・温度:室温
・放電電圧:ステップ2及び4において、各放電条件時の実放電容量を100%とし、10%放電した時点での電圧を放電電圧とした。
・直流抵抗(DCR)測定:4個の試験用電池につき、ステップ2及び4において、各放電条件時の電流値と放電電圧とからDCRを算出し、その平均値を求めた。
Figure 2019188559
表3に示した結果より、本発明のエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔を用いることで、充放電サイクルに伴う抵抗上昇が抑制されたエネルギー貯蔵デバイスが得られることがわかった。
1 平行部
2 平行部のチューブ外径
3 くびれ部
4 くびれ部のチューブ外径

Claims (8)

  1. 金属材料からなる集電体と、該集電体の少なくとも一方の面に形成された、導電性炭素材料及び分散剤を含むアンダーコート層とを備えるエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔であって、
    前記アンダーコート層は、集電体に含まれる金属元素を含まないものであり、
    前記アンダーコート箔のアンダーコート層形成面をX線光電子分光(XPS)により測定して得られる前記集電体を構成する金属元素の比率が、2原子%以下であるエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔。
  2. 前記集電体を構成する金属元素の比率が、1原子%以下である請求項1記載のエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔。
  3. 前記アンダーコート箔のアンダーコート層形成面をXPSにより測定して得られる炭素の比率が、77原子%以上である請求項1又は2記載のエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔。
  4. 前記導電性炭素材料が、カーボンナノチューブを含む請求項1〜3のいずれか1項記載のエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔。
  5. 前記分散剤が、側鎖にオキサゾリン基を含むビニル系ポリマー又はトリアリールアミン系高分岐ポリマーを含む請求項1〜4のいずれか1項記載のエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔。
  6. 前記集電体が、アルミニウム箔又は銅箔である請求項1〜5のいずれか1項記載のエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のエネルギー貯蔵デバイス電極用アンダーコート箔、及びそのアンダーコート層上に形成された電極合材層を備えるエネルギー貯蔵デバイス電極。
  8. 請求項7記載のエネルギー貯蔵デバイス電極を備えるエネルギー貯蔵デバイス。
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