JPWO2019187215A1 - 油性化粧料 - Google Patents
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Abstract
Description
成分(A):不飽和脂肪酸及び/又は分岐鎖脂肪酸と、ポリグリセリンとのエステルであるポリグリセリン脂肪酸エステルであり、HLB値が8.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステル
成分(B):HLB値が7.0〜13.0のポリオキシエチレン鎖を有するノニオン界面活性剤
成分(C):炭素数12〜24の不飽和の脂肪族アルコール、炭素数12〜24の分岐鎖状の脂肪族アルコール、及びテトラオクタン酸ペンタエリスリチルからなる群から選択される少なくとも1種
成分(D):グリセリン
成分(E):炭化水素油、エステル油、シリコーン油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、かつ引火点が170℃以上である油性成分
成分(A)は、ポリグリセリン脂肪酸エステルである。成分(A)のポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、不飽和脂肪酸及び/又は分岐鎖脂肪酸である。上記脂肪酸は、不飽和かつ分岐鎖の脂肪酸であってもよい。成分(A)は、親水基としてポリグリセリン鎖を有するノニオン界面活性剤である。本発明の油性化粧料は、成分(A)を含有することにより、肌へ塗布時の厚み感が向上する。また、洗い流し後の肌に保湿感を与え、乾燥によるかさつきを防ぐ効果が得られる。成分(A)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
成分(B)は、HLB値が7.0〜13.0のポリオキシエチレン鎖を有するノニオン界面活性剤である。本発明の油性化粧料は、成分(A)による化粧料の肌に対するなじみの速さを緩和してマッサージ性を一層高める観点、及び洗い上がりの肌のべたつきを一層抑える観点から、成分(B)を配合することが好ましい。なお、成分(B)には、成分(A)に相当するものは含まれないものとする。成分(B)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
成分(C)は、炭素数12〜24の不飽和の脂肪族アルコール、炭素数12〜24の分岐鎖状の脂肪族アルコール及びテトラオクタン酸ペンタエリスリチルからなる群から選択される少なくとも1種である。本発明の油性化粧料は、成分(A)による化粧料の肌に対するなじみの速さを緩和し、マッサージ性を一層高める観点から、成分(C)を配合することが好ましい。成分(C)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
成分(D)はグリセリンである。本発明の油性化粧料は、成分(D)を配合することにより、洗い流し後に、さっぱりとした使用感が得られるため好ましい。
本発明の油性化粧料は、油性化粧料の基材(ベース)となる成分として、成分(E)を配合することが好ましい。本発明の油性化粧料がクレンジング化粧料の場合、成分(E)はクレンジング効果を付与する成分として機能する。成分(E)は、引火点の制御にも関係する。なお、成分(E)のエステル油には、成分(C)のテトラオクタン酸ペンタエリスリチルは含まれないものとする。成分(E)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の油性化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記した成分の他に、通常化粧料に用いられる成分を配合することができる。他の成分としては、特に限定されず、例えば、成分(A)及び成分(B)以外のノニオン界面活性剤;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジグリセリン、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなどの多価アルコール;エタノールなどの低級アルコール;トリメチルグリシン、グルコース、ソルビトール、マルチトールなどの保湿剤;メントール、メンチルグリセリルエーテルなどの清涼剤;パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノールなどの防腐・殺菌剤;香料;粉体;色材などが挙げられる。上記その他成分は、適宜、その用途、目的に応じて配合することができる。
本発明の油性化粧料の製造方法は、油性の化粧料を調製することができる製造方法であれば特に限定されないが、例えば、上記各構成成分を混合し、公知の方法、例えば、ディスパーミキサー、ホモミキサー、ディスパーミルなどを用いて攪拌する方法が挙げられる。また、本発明の油性化粧料は、ディスペンサー容器、ローションボトルなどの容易に取り出すことが可能な容器に充填されることが好ましい。
本発明においては、上記成分(A)に加え、引火点を190℃〜215℃の範囲に制御することにより、塗布時の厚み感を優れたものとすることに成功した。引火点を指標することにより、油性化粧料中の構成成分の分子量がある程度高くなり、これが厚み感の付与に寄与するものと推定される。
(各試料の調製)
表1〜表2に記した組成に従い、実施例1〜24及び比較例1〜6の油性化粧料を常法により調製し、下記評価試験に供した。結果をそれぞれ表1〜表2に併記する。
<成分(A)>
ジオレイン酸ポリグリセリル−10:商品名「サンソフトQ−172Y−C」、太陽化学株式会社製、ジオレイン酸デカグリセリル、HLB:11.9
ジステアリン酸ポリグリセリル−10:商品名「サンソフトQ−182S」、太陽化学株式会社製、ジステアリン酸デカグリセリル、HLB:11
ジイソステアリン酸ポリグリセリル−10:商品名「NIKKOL DECAGLYN 2−ISV」、日光ケミカルズ株式会社製、ジイソステアリン酸デカグリセリル、HLB:10
ジミリスチン酸ポリグリセリル−10:商品名「サンソフトQ−142Y−C」、太陽化学株式会社製、ジミリスチン酸デカグリセリル、HLB:12.3
<成分(B)>
イソステアリン酸PEG−8グリセリル:商品名「ブラウノン RGL−8MISE(酸化エチレン付加モル数:8)」、青木油脂工業株式会社製、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、HLB:12
トリイソステアリン酸PEG−20グリセリル:商品名「NIKKOL TGI−20(酸化エチレン付加モル数:20)」、日光ケミカルズ株式会社製、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、HLB:8
ジイソステアリン酸PEG−20グリセリル:商品名「GWIS−220(酸化エチレン付加モル数:20)」、日本エマルジョン株式会社製、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、HLB:10
<成分(C)>
オクチルドデカノール:商品名「カルコール200GD」、花王株式会社製
デシルテトラデカノール:商品名「リソノールSP24」、高級アルコール工業株式会社製
オレイルアルコール:商品名「カルコール90BHR」、花王株式会社製
テトラオクタン酸ペンタエリスリチル:商品名「サラコス5408」、日清オイリオグループ株式会社製
<成分(D)>
グリセリン:商品名「化粧用濃グリセリン」、阪本薬品工業株式会社製
<成分(E)>
コメ胚芽油:商品名「PRO−15」、築野食品工業株式会社製、引火点:306℃
ヒマワリ油:商品名「ハイオレイックひまわり油」、OLEOMONTERREAL S.L.製、引火点:330℃
流動パラフィン(A):商品名「NO380−SP」、三光工業株式会社製、引火点:250℃
流動パラフィン(B):商品名「KAYDOL」、Sonneborn LLC製、引火点:221℃
流動パラフィン(C):商品名「CARNATION」、Sonneborn LLC製、引火点185℃
パルミチン酸エチルヘキシル:商品名「コーヨー POC」、交洋ファインケミカル株式会社製、引火点:223℃
<その他成分>
ミリスチン酸ポリグリセリル−10:商品名「サンソフトQ−14S」、太陽化学株式会社製、ミリスチン酸デカグリセリル、HLB:14.5
ラウリン酸ポリグリセリル−10:商品名「サンソフトQ−12S」、太陽化学株式会社製、ラウリン酸デカグリセリル、HLB:15.5
ミリスチン酸イソプロピル:商品名「エキセパールIPM」、花王株式会社製、引火点:164℃
イソノナン酸イソノニル:商品名「サラコス99」、日清オイリオグループ株式会社製、引火点:136℃
化粧を施していない女性官能評価パネル4名が評価を行った。実施例及び比較例で得られた各試料1mgを頬に塗布して塗りこみ、塗布時の「厚み感」及び「なじみの速さ」について、下記の評価基準に従って官能評価した。
◎(良好):手と肌の間に、ある程度の厚みの化粧料の層が明らかに感じられる。
○(使用可能):手に抵抗感(引っ掛かり)が感じられず、手と肌の間に化粧料の層が感じられる。
×(不良):手に抵抗感(引っ掛かり)が感じられる。
◎(良好):なじみがある程度おそく、十分に長くマッサージを行うことができる。
○(使用可能):マッサージを行うのに許容範囲のなじみの速さである。
×(不良):マッサージは可能であるものの、なじみが速く、十分にマッサージするには物足りない。
上記試験1の後、約30℃の温水で試料を十分に洗い流し、タオルドライした直後に、頬を指で触り、「べたつきのなさ」、「きしみ感のなさ」、「しっとり感(保湿感)」、について下記の評価基準に従って、官能評価した。
◎(良好):頬に指が張り付く感触がなく、べたつきを感じない。
○(使用可能):頬に指が張り付く感触があり、わずかにべたつきを感じるものの、実用上許容できる。
×(不良):頬に指が張り付く感触が強く、明らかにべたつきを感じ、実用上不快である。
◎(良好):肌に沿って指を移動させる際に抵抗(ひっかかり)を感じない。
○(使用可能):肌に沿って指を移動させる際にわずかに抵抗(ひっかかり)を感じるものの、実用上許容できる。
×(不良):肌に沿って指を移動させる際に明らかに抵抗(ひっかかり)を感じ、実用上不快である。
◎(良好):肌が水分を含んでいる感触を明らかに感じる。
○(使用可能):肌が水分を含んでいる感触がわずかにあり、乾燥した感触(かさつき)を感じない。
×(不良):肌が乾燥した感触(かさつき)を感じる。
各実施例及び比較例で得られた油性化粧料を、容積60mLの透明ガラス容器に充填し、5℃に保った恒温槽内で保管し、保管後の上記透明ガラス容器内の油性化粧料の外観・性状を目視観察した。その結果、比較例2及び3は、4日後に分離が認められ、保存安定性が不良であった。一方、それ以外の油性化粧料は、1ヶ月保管後にも外観・性状の大きな変化は認められず、優れた保存安定性を示した。
(処方例)
ジオレイン酸ポリグリセリル−10(HLB:11.9) 3.5
イソステアリン酸PEG−8グリセリル(HLB:12) 4.4
トリイソステアリン酸PEG−20グリセリル(HLB:8)5.6
オクチルドデカノール 1.0
グリセリン 3.0
1,2−オクタンジオール 0.2
フェノキシエタノール 0.3
メチルパラベン 0.2
L−メントール 0.2
コメヌカ油(引火点:314℃) 30.0
オリーブ油(引火点:310℃) 20.0
パルミチン酸イソプロピル(引火点:223℃) 11.6
ミリスチン酸イソプロピル(引火点:164℃) 5.0
精製水 1.0
流動パラフィン(引火点:221℃) 残 部
合計 100.0
Claims (5)
- 下記成分(A)を含有し、引火点が190〜215℃である油性化粧料。
成分(A):不飽和脂肪酸及び/又は分岐鎖脂肪酸と、ポリグリセリンとのエステルであるポリグリセリン脂肪酸エステルであり、HLB値が8.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステル - さらに下記成分(B)を含有する請求項1に記載の油性化粧料。
成分(B):HLB値が7.0〜13.0のポリオキシエチレン鎖を有するノニオン界面活性剤 - さらに下記成分(C)を含有する請求項1又は2に記載の油性化粧料。
成分(C):炭素数12〜24の不飽和の脂肪族アルコール、炭素数12〜24の分岐鎖状の脂肪族アルコール、及びテトラオクタン酸ペンタエリスリチルからなる群から選択される少なくとも1種 - さらに下記成分(D)を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の油性化粧料。
成分(D):グリセリン - さらに下記成分(E)を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の油性化粧料。
成分(E):炭化水素油、エステル油、シリコーン油、及び植物油からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、かつ引火点が170℃以上である油性成分
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