しかしながら、上記ステーション管理装置自体は、システム管理装置に通信ネットワークを介して問い合わせないと、ステーションにバッテリを借りに来た電気自動車の所有者にバッテリを貸し出してよいかを判断できなかった。
本発明の一態様においては、管理装置を提供する。管理装置は、電気で駆動する車両に対して着脱可能なバッテリを管理してもよい。管理装置は、サーバと通信可能であってもよい。バッテリには、バッテリが装着された車両に関連する車両関連情報と車両を使用するユーザに関連するユーザ関連情報との少なくとも何れか1つを含む関連情報が書き込まれてもよい。管理装置は、バッテリを交換するためのステーションに配されてもよい。管理装置は、ステーションにストックされているバッテリを貸し出してよい車両およびユーザの少なくとも何れか1つの関連情報を、サーバとの通信時にサーバから受信して管理する管理部を備えてもよい。管理装置は、関連情報を、車両で使用されたバッテリから読み出す読出部を備えてもよい。管理装置は、管理部で管理されている関連情報と、読出部で読み出された、車両で使用されたバッテリの関連情報とに基づいて、ストックされているバッテリを貸し出してよいか否かを判断する貸出処理部を備えてもよい。
管理部は、予め定められたタイミングでサーバに関連情報の送信を要求してもよい。管理部は、サーバとの通信が遮断してから回復した場合に、サーバに関連情報の送信を要求してもよい。管理部がサーバから受信する関連情報は、サーバに格納されている複数の関連情報のうち、ステーションに関連付けられた関連情報であってもよい。ステーションに関連付けられた関連情報は、ステーションの住所とユーザの住所とが予め定めた判断基準において近いと判断されたユーザの関連情報であってもよい。ステーションに関連付けられた関連情報は、ステーションの住所と車両が使用される本拠の位置とが予め定めた判断基準において近いと判断された車両の関連情報であってもよい。
本発明の一態様においては、管理システムを提供する。管理システムは、管理装置を備えてもよい。管理装置は、電気で駆動する車両に対して着脱可能なバッテリを管理してもよい。管理システムは、管理装置と通信可能なサーバを備えてもよい。バッテリには、バッテリが装着された車両に関連する車両関連情報と車両を使用するユーザに関連するユーザ関連情報との少なくとも何れか1つを含む関連情報が書き込まれてもよい。サーバは、バッテリを貸し出してよい車両およびユーザの少なくとも何れか1つの関連情報を、管理装置との通信時に管理装置に送信してもよい。管理装置は、バッテリを交換するためのステーションに配されてもよい。管理装置は、サーバから関連情報を受信して管理する管理部を有してもよい。管理装置は、関連情報を、車両で使用されたバッテリから読み出す読出部を有してもよい。管理装置は、管理部で管理されている関連情報と、読出部で読み出された、車両で使用されたバッテリの関連情報とに基づいて、ステーションにストックされているバッテリを貸し出してよいか否かを判断する貸出処理部とを有してもよい。
サーバは、予め定められたタイミングで管理装置に関連情報を送信してもよい。サーバは、管理装置との通信が遮断してから回復した場合に、管理装置に関連情報を送信してもよい。サーバが管理装置に送信する関連情報は、サーバに格納されている複数の関連情報のうち、ステーションに関連付けられた関連情報であってもよい。ステーションに関連付けられた関連情報は、ステーションの住所とユーザの住所とが予め定めた判断基準において近いと判断されたユーザ関連情報であってもよい。ステーションに関連付けられた関連情報は、ステーションの住所と車両が使用される本拠の位置とが予め定めた判断基準において近いと判断された車両関連情報であってもよい。
本発明の一態様においては、管理装置を提供する。管理装置は、電気で駆動する車両に対して着脱可能なバッテリを管理してもよい。バッテリには、バッテリが装着された車両に関連する車両関連情報と車両を使用するユーザに関連するユーザ関連情報との少なくとも何れか1つを含む関連情報が書き込まれてもよい。管理装置は、バッテリを交換するためのステーションに配されてもよい。管理装置は、関連情報を車両で使用されたバッテリから読み出す読出部を備えてもよい。管理装置は、読出部で読み出された関連情報に基づいて、ステーションにストックされているバッテリを貸し出してよいか否かを判断する貸出処理部を備えてもよい。
車両関連情報は、車両の個体を識別するための車両IDを含んでもよい。車両で使用されたバッテリには、車両IDが書き込まれてもよい。読出部は、車両で使用されたバッテリから車両IDを読み出してもよい。管理装置は、ストックされているバッテリを貸し出してよい車両IDの車両IDリストを格納する格納部をさらに備えてもよい。貸出処理部は、読出部で読み出された車両IDが、車両IDリストに含まれる車両IDと一致した場合に貸し出してよいと判断してもよい。
車両IDリストには、使用される本拠の位置が予め定められた地域内に含まれる車両の車両IDがリストされており、使用される本拠の位置が予め定められた地域の外である車両の車両IDはリストされていなくてもよい。
ユーザ関連情報は、ユーザの個体を識別するためのユーザIDを含んでもよい。車両で使用されたバッテリには、ユーザIDが書き込まれてもよい。読出部は、車両で使用されたバッテリからユーザIDを読み出してもよい。管理装置は、ストックされているバッテリを貸し出してよいユーザIDのユーザIDリストを格納する格納部をさらに備えてもよい。貸出処理部は、読出部で読み出されたユーザIDが、ユーザIDリストに含まれるユーザIDと一致した場合に貸し出してよいと判断してもよい。
ユーザIDリストには、ユーザ住所が予め定められた地域内に含まれるユーザのユーザIDがリストされており、ユーザ住所が予め定められた地域の外であるユーザのユーザIDはリストされていなくてもよい。
車両で使用されたバッテリには、バッテリの個体を識別するためのバッテリIDが書き込まれてもよい。読出部は、車両で使用されたバッテリからバッテリIDを読み出してもよい。管理装置は、ストックされているバッテリを貸し出してよいバッテリIDのバッテリIDリストを格納する格納部をさらに備えてもよい。貸出処理部は、読出部で読み出されたバッテリIDが、バッテリIDリストに含まれるバッテリIDと一致した場合に貸し出してよいと判断してもよい。
車両関連情報は、車両が使用される本拠の位置を示す本拠位置情報を含んでもよい。車両で使用されたバッテリには、本拠位置情報が書き込まれてもよい。読出部は、車両で使用されたバッテリから本拠位置情報を読み出してもよい。管理装置は、予め定められた住所および距離を格納する格納部をさらに備えてもよい。貸出処理部は、読出部で読み出された本拠位置情報に示される本拠の位置から予め定められた住所までの距離が、予め定められた距離内である場合に貸し出してよいと判断してもよい。
車両関連情報は、車両が使用される本拠の位置を示す本拠位置情報、および、少なくとも直近の、車両で使用されたバッテリが車両に取り付けられてから取り外されるまでに車両が走行した経路の履歴を示す経路履歴情報の少なくとも何れかを含んでもよい。車両で使用されたバッテリには、本拠位置情報および少なくとも直近の経路履歴情報の少なくとも何れかが書き込まれてもよい。読出部は、車両で使用されたバッテリから本拠位置情報および少なくとも直近の経路履歴情報の少なくとも何れかを読み出してもよい。管理装置は、予め定められたエリアを示すエリア情報を格納する格納部をさらに備えてもよい。貸出処理部は、読出部で読み出された本拠位置情報および少なくとも直近の経路履歴情報の少なくとも何れかに示される、本拠の位置および経路の履歴の少なくとも何れかがエリア情報に示される予め定められたエリア内である場合に貸し出してよいと判断してもよい。
ユーザ関連情報は、ユーザのユーザ住所を示すユーザ住所情報を含んでもよい。車両で使用されたバッテリには、ユーザ住所情報が書き込まれてもよい。読出部は、車両で使用されたバッテリからユーザ住所情報を読み出してもよい。管理装置は、予め定められた住所および距離を格納する格納部をさらに備えてもよい。貸出処理部は、読出部で読み出されたユーザ住所情報に示されるユーザ住所から予め定められた住所までの距離が、予め定められた距離内である場合に貸し出してよいと判断してもよい。
ユーザ関連情報は、ユーザのユーザ住所を示すユーザ住所情報を含んでもよい。車両で使用されたバッテリには、ユーザ住所情報が書き込まれてもよい。読出部は、車両で使用されたバッテリからユーザ住所情報を読み出してもよい。管理装置は、予め定められたエリアを示すエリア情報を格納する格納部をさらに備えてもよい。貸出処理部は、読出部で読み出されたユーザ住所情報に示されるユーザ住所がエリア情報に示される予め定められたエリア内である場合に貸し出してよいと判断してもよい。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
図1は、第1実施形態による管理システム20の概略図である。管理システム20は、バッテリ200からの電気で駆動する車両100と、車両100に対して着脱可能なバッテリ200と、複数のバッテリ200を収容して充放電するステーション300とを備える。管理システム20は更に、バッテリ200を管理する管理装置400と、通信ネットワーク40を介して管理装置400と通信するサーバ500とを備える。通信ネットワーク40は、有線、無線を問わない。
なお、管理システム20は、サーバ500を備えずに、通信ネットワーク40を利用しないシステムであってもよい。この場合、ステーション300および管理装置400はスタンドアローンでバッテリ200の貸し出しを管理してもよい。
図1の例では、それぞれにステーション300および管理装置400が少なくとも1つずつ配されるエリアAおよびエリアBが存在する。エリアAおよびエリアBは、予め定められたエリアの一例であって、例えばステーション300を中心とする半径2km、5km、10kmなどの円内のエリアである。
ステーション300は、車両100で用いられるバッテリ200を収容して充電する。さらに、ステーション300は、バッテリ200を車両100のユーザ60に貸し出す。
管理装置400は例えばPCであって、ステーション300に配されるかまたは遠隔で、ステーション300を管理する。具体的には、管理装置400は、ステーション300に収容されたバッテリ200の充電、貸し出しを制御する。管理装置400は、バッテリ200およびステーション300を介して車両100の情報を取得する。さらに、管理装置400は、ステーション300を介してバッテリ200から取得した情報をサーバ500に送信する。
本実施形態において、車両100は自動二輪車である。これに代えてまたはこれに加えて、車両100は自動四輪車や電動自転車などであってもよい。
図2は、車両100のブロック図である。車両100は、バッテリ200を収容するバッテリ収容部101と、条件格納部121、ユーザ関連情報格納部122、車両関連情報格納部126および車両ID格納部123を含む格納部120とを備える。バッテリ収容部101は、バッテリ200を収容するとともに電気的に接続する。
条件格納部121は、車両100のユーザ60の運転性向を判断するための運転性向判断条件、バッテリ200の適正範囲内のSOC(States of Charge)条件、および、バッテリ200の適正範囲内の温度条件を格納する。適正範囲内のSOC条件とは、予め定められた適正下限SOCを下回らないことを含む。適正範囲内の温度条件とは、予め定められた適正上限温度を上回らず、且つ、予め定められた適正下限温度を下回らないことを含む。
車両ID格納部123は、車両100の個体を識別するための車両IDを格納する。車両IDは、例えばVIN(Vehicle Identification Number)を含む。
ユーザ関連情報格納部122は、車両100を使用するユーザ60に関連するユーザ関連情報を格納する。車両関連情報格納部126は、車両100に関連する車両関連情報を格納する。
車両関連情報は、車両ID、車両100の車格を示す車格情報、車両100が使用される本拠の位置を示す本拠位置情報、少なくとも直近の経路履歴情報などを含む。ユーザ関連情報は、ユーザID、ユーザ60のユーザ住所を示すユーザ住所情報などを含む。
車両100は更に、車両100の各構成から入力される複数の情報を、車両ID格納部123に格納された車両ID、ユーザ関連情報格納部122に格納されたユーザ関連情報、および、車両関連情報格納部126に格納された車両関連情報と共にバッテリ200に書き込む書込部125を備える。
車両100は更に、バッテリ収容部101に収容されたバッテリ200に対して、充放電量を計測して書込部125に出力する充放電量計測部103、および、SOCを算出して書込部125に出力するSOC算出部105を備える。車両100は更に、バッテリ収容部101に収容されたバッテリ200に対して、温度を計測して適正範囲内の温度であるかを判断して書込部125に出力するバッテリ温度計測部107、および、車両100で生成された回生電力をバッテリ200に充電する回生電力充電部109を備える。充放電量計測部103およびバッテリ温度計測部107は共に、計測データをSOC算出部105にも出力する。なお、バッテリ温度計測部107は、計測した温度そのものを書込部125に出力してもよい。
充放電量計測部103は、バッテリ200に出入りする電流とバッテリ200の電圧とを計測し、電流および電圧を積算して電力量を算出する。回生電力充電部109は、車両100のブレーキ操作によって回生電力が生成されると、生成される電力をバッテリ200に充電する。バッテリ温度計測部107は、バッテリ200の温度を計測し、条件格納部121を参照することにより、バッテリ200の温度が予め定められた適正上限温度以上となった回数、および、バッテリ200の温度が予め定められた適正下限温度以下となった回数を算出する。
SOC算出部105は、充放電量計測部103からバッテリ200の電圧を入力され、バッテリ温度計測部107からバッテリ200の温度を入力されると、バッテリ200のSOCを算出する。
より具体的には、SOC算出部105は、予め測定されたバッテリ200の無負荷時放電特性(OCV[Open Circuit Voltage])、温度特性、特定の条件下で予め測定されたバッテリ200のSOC−OCV曲線などの測定データがリファレンスとしてバッテリ200に書き込まれていることを前提として、バッテリ200に書き込まれた当該測定データを読み出す。SOC算出部105は、充放電量計測部103およびバッテリ温度計測部107から入力されるバッテリ200の電圧および温度と、バッテリ200から読み出した測定データとを用いて、インピーダンス・トラック方式によりバッテリ200のインピーダンスを常時補足し、バッテリ200から読み出したSOC−OCV曲線を更新すべくバッテリ200に書き込む。SOC算出部105は、更新したSOC−OCV曲線と充放電量計測部103から入力されるバッテリ200の現在の電圧とに基づいて、バッテリ200の現在のSOCを算出し、書込部125に出力する。SOC算出部105はまた、条件格納部121を参照することにより、バッテリ200が車両100に取り付けられてから取り外されるまでの期間である取り付け期間におけるバッテリ200のSOCが適正範囲内であるか否かを判断し、書込部125に出力する。
車両100は更に、現在の日時を計測して書込部125に出力する日時計測部112と、車両100の現在の位置情報を取得して書込部125に出力する位置情報取得部111と、車両100の加速度を計測して書込部125に出力する加速度計測部113とを備える。
位置情報取得部111は、例えばGPS(全地球測位システム)から車両100の位置の緯度及び経度を表すGPSデータを取得し、GPSデータに示される車両100の位置が含まれる上記のエリア、例えばエリアAやエリアBなどを車両100の現在の位置情報として出力する。また、位置情報取得部111は、取得したGPSデータそのものを、車両100の現在の位置情報として出力する。
日時計測部112は、例えば車両100のイグニッションスイッチがONになってからOFFになるまでの1ドライブサイクルの時間帯および曜日を計測して出力する。
車両100は更に、車両100の1ドライブサイクル当たりの連続走行時間を計測して書込部125に出力する走行時間計測部115と、車両100の1ドライブサイクル当たりの連続走行距離を計測して書込部125に出力する走行距離計測部117とを備える。
車両100は更に、書込部125から入力された情報、および、条件格納部121に格納されている運転性向判断条件に基づき、車両100のユーザ60の運転性向を判断して書込部125に出力する運転性向判断部119を備える。
運転性向判断条件は、例えば車両100の加速度が予め定められた閾値以上となる回数が、予め定められた回数以上である場合に加速重視型と判断し、予め定められた回数未満である場合に省エネ重視型と判断するという条件である。ここで、予め定められた回数とは、例えば、車両100の連続走行距離の累積である累積走行距離、または、連続走行時間の累積である累積走行時間に比例する値であり、車両100の累積走行距離または累積走行時間が増大するに連れて大きくなる。代替的に、運転性向判断条件は、車両100の累積走行距離または累積走行時間に対する、車両100の加速度が予め定められた閾値以上となる回数の比が、予め定められた閾値以上である場合に加速重視型と判断し、予め定められた閾値未満である場合に省エネ重視型と判断するという条件であってもよい。
運転性向判断条件はまた、例えば車両100の連続走行距離または連続走行時間が予め定められた閾値以上である場合に長距離運転指向または長時間運転指向と判断し、予め定められた閾値未満である場合に短距離運転指向または短時間運転指向と判断するという条件であってもよい。
なお、車両100は、通信ネットワーク40を介して管理装置400およびサーバ500の何れか又は両方と通信してもよい。
図3は、バッテリ200のブロック図である。バッテリ200は車両100から取り外された状態でユーザ60により持ち運び可能な、いわゆるモバイルバッテリである。バッテリ200は車両100に装着されると車両100に電力を供給する。
バッテリ200は、例えば車両100から入力される複数の情報を格納する格納部210と、バッテリ200の現在の劣化状態を表示する劣化表示部240とを備える。
格納部210は、車両100で使用されたバッテリ200の使用履歴情報を格納する使用履歴情報格納部211と、バッテリ200に関するバッテリ情報を格納するバッテリ情報格納部217と、車両100で使用されたバッテリ200の関連情報を格納する関連情報格納部219とを含む。
使用履歴情報は、バッテリ200の取り付け期間に、車両100においてバッテリ200がどのように使用されたかを示す。使用履歴情報には、車両100の運転履歴を示す運転履歴情報と、バッテリ200の使用状況の履歴を示す使用状況履歴情報とが含まれる。
使用履歴情報格納部211は、車両100の運転履歴情報を格納する運転履歴格納部213と、バッテリ200の使用状況履歴情報を格納する使用状況履歴格納部215とを含む。
運転履歴情報は、例えば、バッテリ200の取り付け期間に車両100が走行した経路の履歴を示す経路履歴情報を含む。また、運転履歴情報は、例えば、バッテリ200の取り付け期間における、車両100の1ドライブサイクル当たりの連続走行距離、連続走行時間、急加減速回数、走行時間帯、走行曜日、走行エリアなどの履歴情報の他、バッテリ200の取り付け期間の全ドライブサイクルの累積走行距離、累積走行時間などを含む。また、運転履歴情報は、例えば、バッテリ200の取り付け期間における車両100の乗り方を示す運転性向を含む。運転性向は、例えば上述した加速重視型、省エネ重視型、長距離運転指向、長時間運転指向、短距離運転指向、短時間運転指向などを含む。
使用状況履歴情報は、例えば、バッテリ200の取り付け期間における、バッテリ200のSOC、充電量および放電量、バッテリ200の温度が予め定められた適正上限温度以上となった回数、バッテリ200の温度が予め定められた適正下限温度以下となった回数などの履歴情報を含む。使用状況履歴情報は、バッテリ200の取り付け期間におけるバッテリ200のSOCが適正範囲内であるか否かの情報を含んでもよく、上述の通り、当該情報は車両100によって判断されて書き込まれる。
使用状況履歴情報は、バッテリ200の取り付け期間におけるバッテリ200の温度履歴そのものを含んでもよい。また、使用状況履歴情報は、バッテリ200の取り付け期間における車両100の走行時の情報だけでなく、当該期間における車両100の走行時以外の情報、例えばバッテリ200の自然放電や経年劣化などに起因する情報を含んでもよい。また、使用状況履歴情報は、バッテリ200の取り付け期間の、バッテリ200の劣化の度合いを示す劣化度(SOH[States of Health])、劣化度を段階的に示す劣化等級、劣化等級の変化などの情報を含んでもよく、当該情報は管理装置400によって判断されて書き込まれる。代替的に、当該劣化度の情報は、車両100の走行中に車両100によって算出されてもよい。ここで、バッテリ200の劣化度(SOH)は、バッテリ200が未使用の状態におけるバッテリ200の容量に対する、バッテリ200の現状態におけるバッテリ200の容量の比の百分率である容量維持率で表される。劣化度(SOH)は、バッテリ200の公称容量に対する現在の容量の割合を百分率で示した値とも定義できる。
また、使用状況履歴情報は、バッテリ200の取り付け期間におけるバッテリ200の劣化度が適正範囲内であるか否かの情報を含んでもよく、当該情報は管理装置400によって判断されて書き込まれる。
バッテリ情報格納部217に格納されるバッテリ情報は、バッテリ200の個体を識別するためのバッテリIDを含む。また、使用状況履歴格納部215に格納されているバッテリ200のSOCの情報、および、バッテリ200の現在の劣化度の情報は、バッテリ情報としても用いられる。
バッテリ情報は更に、予め測定されたバッテリ200の無負荷時放電特性(OCV)、温度特性、特定の条件下で予め測定されたバッテリ200のSOC−OCV曲線などの測定データを含む。バッテリ情報はまた、特定の条件下で計測されたバッテリ200の公称容量を含んでもよい。また、バッテリ情報は更に、バッテリ200の種別の情報や、バッテリ200の現在の最大許容電流、最大許容電圧および最大許容温度の情報などを含んでもよい。バッテリ200の現在の最大許容電流、最大許容電圧および最大許容温度の情報などは、車両100の走行中に車両100によって計測されることが好ましい。
関連情報格納部219は、バッテリ200が装着された車両100を使用するユーザ60に関連するユーザ関連情報を格納するユーザ関連情報格納部221と、バッテリ200が装着された車両100に関連する車両関連情報を格納する車両関連情報格納部223を含む。ユーザ関連情報および車両関連情報は、車両100によって書き込まれる。上記の経路履歴情報は、車両関連情報格納部223および使用履歴情報格納部211の両方に格納されてもよく、何れか一方に格納されてもよい。
劣化表示部240は、バッテリ200の電力残量である現在の充電量に拘わらず、バッテリ200の現在の劣化度または劣化等級を外部から視認可能に表示する。劣化表示部240は、例えば1つ又は複数のLEDを有し、LEDの表示色や点灯数などを変えることによって、バッテリ200の現在の劣化度または劣化等級を表示してもよい。また、劣化表示部240は、例えば劣化度または劣化等級に応じて色の異なるラベルを貼り付けられることによって、バッテリ200の現在の劣化度または劣化等級を表示してもよい。
劣化表示部240は、電力残量にかかわらず劣化度等を外部から視認可能に表示するので、満充電でない状態でも劣化の程度を容易に判断することができる。
なお、バッテリ200は、通信ネットワーク40を介して管理装置400およびサーバ500の何れか又は両方と通信してもよい。
図4は、運転履歴格納部213に格納される運転情報履歴情報のテーブルの一例である。当該テーブルにおいて、「参照番号」、「連続走行距離[km]」、「連続走行時間[h]」、「急加減速回数[回]」、「累積走行距離[km]」、「累積走行時間[h]」、「時間帯[時]」、「曜日」および「走行エリア」が対応付けて記録される。当該テーブルはユーザIDごと(または車両IDごと)に記録されており、テーブルごとに「運転性向」が記録されている。
例えば、参照番号1の行には、連続走行距離が3km、連続走行時間が0.4h、急加減速回数が2回、累積走行距離が3km、累積走行時間が0.4h、時間帯が8〜9時、曜日が金曜、および、走行エリアがAと記録されている。さらに、参照番号1から3までの3ドライブサイクル分の運転履歴データに基づき、当該バッテリ200を借りて車両100で使用しているユーザ60の運転性向は短距離運転指向で加速重視型と判断された結果が記憶されている。
図5は、使用状況履歴格納部215に格納される使用状況履歴情報のテーブルの一例を示す。当該テーブルにおいて、「参照番号」、「SOC」、「充電量[kWh]」、「放電量[kWh]」、「バッテリ温度≧適正上限温度[回]」および「バッテリ温度≦適正下限温度[回]」が対応付けて記録される。
例えば、参照番号1の行には、SOCが98、充電量が0.03kWh、放電量が0.3kWh、バッテリ温度≧適正上限温度となった回数が1回、および、バッテリ温度≦適正下限温度となった回数が0回と記録されている。なお、図4および図5の各テーブルの左端に記載された参照番号は相互に対応している。すなわち、同じ参照番号に示されているデータは、同じ1ドライブサイクルにおけるデータである。
図6は、ステーション300のブロック図である。ステーション300は、複数のバッテリ200を収容するバッテリ収容部301と、バッテリ収容部301に収容された複数のバッテリ200に対して、読み出しおよび書き込みを行う読み書き部303、および、管理装置400からの指示に従い充放電を制御する充放電部305とを備える。
バッテリ収容部301は、バッテリ200を収容すると、バッテリ200と電気的に接続した状態でバッテリ200を保持する。例示的に図1に示される通り、ステーション300のバッテリ収容部301は、4行×4列でマトリックス状に配された複数の蓋付の返却スロットであってもよい。この場合、各返却スロットは、1つのバッテリを収容し、蓋を閉じてロックをかけることによって、収容したバッテリ200を外部から取出し不能にしてもよい。なお、以降では、バッテリ収容部301の返却スロットを収容場所と言う場合がある。
バッテリ収容部301は、バッテリ200の劣化等級に応じて、バッテリ200の収容場所が異なっている。バッテリ収容部301は、バッテリ200の劣化度、型番、種類、性能などに応じて、バッテリ200の収容場所が異なっていてもよい。ここで言うバッテリ200の型番は、例えばバッテリ200の製造会社名や、自動二輪車用、自動四輪車用などの種別を含む。また、バッテリ200の種類は、例えば全固体電池、リチウムイオン電池などを含む。また、バッテリ200の性能は、例えば高出力短寿命型、低出力長寿命型などを含む。
図1のステーション300において、バッテリ収容部301は、劣化等級に応じてバッテリ200の収容場所の行が異なり、具体的には例えば、紙面に向かって上から1行目が劣化等級1または2のバッテリ200専用、2行目が劣化等級3のバッテリ200専用、3行目が劣化等級4のバッテリ200専用、4行目が劣化等級5のバッテリ200専用である。
バッテリ収容部301は、管理装置400からの指示に基づいて、収容している特定のバッテリ200を貸し出すべく、外部から取り出し可能にする。バッテリ収容部301は、バッテリ200を外部から取り出し可能にすることに加えて、当該バッテリ200の収容場所が外部から容易に識別できるよう、例えば当該収容場所に設けられているLEDを点滅表示させたりしてもよい。
バッテリ収容部301は、特定の収容場所にバッテリ200が返却されたことを検知すると、当該特定の収容場所の情報を管理装置400に出力する。
読み書き部303は、バッテリ収容部301にバッテリ200が収容されたことを検出すると、バッテリ200の情報を読み出して管理装置400に出力する。また、読み書き部303は、管理装置400からの指示に基づいて、管理装置400から入力される情報をバッテリ200に書き込む。
ステーション300は更に、管理装置400から入力される情報を表示する表示部307と、ユーザ60による入力を受け付ける入力部309とを備える。表示部307および入力部309は、一体的なタッチパネルであってもよい。また、入力部309は、表示部307から独立して配されている押しボタンであってもよい。
表示部307は、管理装置400から入力される報奨情報を表示する。表示部307は、例えばバーコードを表示してユーザ60の通信端末に読み取らせることによって通信端末に報奨情報を表示させてもよい。表示部307に代えて又は追加して、ステーション300は、管理装置400からの指示に基づいて報奨情報を記載した紙面を印刷して排出する印刷部を備えてもよい。
表示部307は、バッテリ200を返却したユーザ60に対して、例えば複数のバッテリ200の劣化等級および価格の一覧を表示してもよい。表示部307は、例えばバッテリ収容部301の画像を表示して当該画像内の特定の収容場所を点滅させることによって、管理装置400がリコメンドする又は選択したバッテリ200の収容場所をユーザ60に視覚的に知らせてもよい。
入力部309は、バッテリ200を返却したユーザ60から入力される情報を管理装置400に出力する。入力部309は、バッテリ200を返却したユーザ60からの入力に基づき、バッテリ収容部301に収容している特定のバッテリ200を貸し出し可能な状態にしてもよい。
図7は、管理装置400のブロック図である。管理装置400は、ステーション300にストックされているバッテリ200から、バッテリ200の情報を読み出す読出部401と、複数の情報を格納する格納部420とを備える。読出部401は、ステーション300に対して、ユーザ60から返却されたバッテリ200の情報を読み出す指示を出力する。
格納部420は、ステーション300にストックされているバッテリ200を特定するための特定情報を格納する特定情報格納部421と、バッテリ情報に対応する充放電パターンを格納する充放電パターン格納部423と、複数の判断条件を格納する条件格納部425とを含む。
特定情報格納部421は、上述した特定情報に、車両関連情報、使用履歴情報などの、車両100やバッテリ200に固有の情報である固有情報を対応付けて格納する。特定情報は、バッテリ200のグループを識別するグループID、バッテリ200の個体を識別するバッテリIDなどを含む。バッテリ200のグループは、バッテリ200の劣化度、劣化等級、型番、種類、および、性能の少なくとも何れかに基づいてグループ分けされる。グループIDは、劣化度などの情報そのものであってもよく、他の記号や文字であってもよい。特定情報格納部421がバッテリIDに代えてグループIDを格納する場合、格納する情報量が低減される。
特定情報格納部421に格納される固有情報は、(A)車両の個体を識別するための車両ID、(B)車両に装着されている間における1ドライブサイクルの連続走行距離および連続走行時間の何れか、(C)連続走行距離が予め定められた距離よりも長いかどうかを示す距離情報、(D)車両に装着されている間における総走行距離および総走行時間の何れかと、(E)車両で使用されたバッテリの、車両に装着されている間における、(a)劣化の度合いを示す劣化度、(b)劣化度を段階的に示す劣化等級の変化、(c)電気使用量、(d)電気使用量が予め定められた許容範囲内であるかどうかを示す許容情報、(e)温度履歴などを含む。
充放電パターン格納部423に格納される充放電パターンは、例えば、バッテリ200の劣化度が高いほど、バッテリ200に流入する電流値およびバッテリ200から放出する電流値を小さくする。また、充放電パターンは、例えば、バッテリ200の劣化度が高いほど、バッテリ200の定格電圧に到達するまでの充電時間および予め定められた電圧に到達するまでの放電時間を長くする。バッテリ200を充放電するときの電流値は、バッテリ200の劣化度に拘わらず、例えばCCCV(Constant Current Constant Voltage)充電のように、一定であることが好ましい。
なお、バッテリ情報に、バッテリ200の種別の情報や、バッテリ200の現在の最大許容電流、最大許容電圧および最大許容温度の情報などが含まれる場合、充放電パターンは、バッテリ200の劣化度、および、これらの情報の両方に対応し、更に細分化されてもよい。
条件格納部425は、バッテリ200の劣化度から、バッテリ200の劣化度を段階的に示す劣化等級を判断するための劣化等級条件を格納する。また、条件格納部425は、バッテリ200の劣化等級から、バッテリ200の価格を判断するための価格条件を格納する。また、条件格納部425は、バッテリ200の劣化等級から、バッテリ200の劣化等級を外部から視認可能にバッテリ200に表示させる表示態様を判断するための表示態様条件を格納する。また、条件格納部425は、バッテリ200の劣化等級から、バッテリ200の劣化等級毎にバッテリ200を収容すべき収容場所を判断するための収容場所条件を格納する。また、条件格納部425は、バッテリ200の劣化度に対する優良使用条件を格納する。条件格納部425はさらに、バッテリ200の適正範囲内の劣化度条件を格納する。適正範囲内の劣化度条件とは、予め定められた適正下限劣化度を下回らないことを含む。
劣化等級条件は、劣化度の数値が大きいほど劣化等級の数値が小さいという条件である。例えば、劣化度(SOH)と劣化等級との関係が、SOH=91〜100のときに劣化等級1、SOH=81〜90のときに劣化等級2、SOH=71〜80のときに劣化等級3、SOH=61〜70のときに劣化等級4、SOH=51〜60のときに劣化等級5、SOH≦50のときに使用不可能に設定される。なお、管理装置400は、使用不可能なバッテリ200を回収対象と判断してもよい。
価格条件は、バッテリ200を満充電で貸し出すことを前提として、例えば劣化等級が高いバッテリ200ほど貸出料金を安くするという条件を含む。例えば、劣化等級1のときに5000円、劣化等級2のときに4500円、劣化等級3のときに4000円、劣化等級4のときに3500円、劣化等級5のときに3000円のように、設定される。
表示態様条件は、例えば、劣化等級と表示態様との関係が、劣化等級1〜3のときにバッテリ200の劣化表示部240に青色のラベルを貼り付け、劣化等級4〜5のときにバッテリ200の劣化表示部240に赤色のラベルを貼り付けるという条件を含む。
収容場所条件は、劣化等級と、バッテリ200を収容すべき収容場所との関係を含む。例えば、収容場所は、図1の4行×4列のバッテリ収容部301を有するステーション300の場合には、紙面に向かって上から1行目が劣化等級1または2のバッテリ200専用、2行目が劣化等級3のバッテリ200専用、3行目が劣化等級4のバッテリ200専用、4行目が劣化等級5のバッテリ200専用である。
優良使用条件は、例えば、劣化度と適正範囲との関係がSOH≧61の場合に使用態様が優良と判断し、SOH<61の場合に優良ではないと判断するという条件である。これに代えてまたはこれに加えて、優良使用条件は、例えば、バッテリ200の取り付け期間中における劣化度の変化量(SOH変化量)と適正範囲との関係がSOH変化量<10の場合に使用態様が優良と判断し、SOH変化量≧10の場合に優良ではないと判断するという条件である。
格納部420は更に、ステーション300に返却されたバッテリ200から読出部401が読み出した使用履歴情報を累積した情報である累積使用履歴情報を、当該バッテリ200のバッテリIDに対応付けて格納する履歴格納部427を含む。履歴格納部427は、バッテリ200が装着された車両100の車両IDと、当該車両100で使用されていた期間における使用履歴情報とを、バッテリIDに対応付けて格納してもよい。なお、ここで言う累積使用履歴情報は、バッテリ200が新品の状態から使用され始めて現在に至るまでの期間における全ドライブサイクルの使用履歴情報であることが好ましいが、当該期間における一部のドライブサイクルの使用履歴情報が不足していてもよい。
格納部420は更に、複数のIDのリストを格納するIDリスト格納部429と、ステーション300にストックされているバッテリ200を貸し出してよい車両100およびユーザ60の関連情報を格納する関連情報格納部431とを含む。
IDリスト格納部429は、ストックされているバッテリ200を貸し出してよい、車両IDの車両IDリストおよびユーザIDのユーザIDリストを格納する。IDリスト格納部429は更に、ストックされているバッテリ200を貸し出してよいバッテリIDのバッテリIDリストを格納してもよい。
IDリスト格納部429に格納されている車両IDリストには、使用される本拠の位置が予め定められた地域内に含まれる車両100の車両IDがリストされており、使用される本拠の位置が予め定められた地域の外である車両100の車両IDはリストされていない。
また、IDリスト格納部429に格納されているユーザIDリストには、ユーザ住所が予め定められた地域内に含まれるユーザ60のユーザIDがリストされており、ユーザ住所が予め定められた地域の外であるユーザ60のユーザIDはリストされていない。ここで言う予め定められた地域は、例えば新宿区や渋谷区などの行政区を含んでもよく、図1に示されるエリアAやエリアBを含んでもよい。
関連情報格納部431に格納されている関連情報は、例えば、サーバ500に格納されている複数の関連情報のうち、ステーション300に関連付けられた関連情報を含む。
ステーション300に関連付けられた関連情報は、例えば、ステーション300の住所とユーザ60の住所とが予め定めた判断基準において近いと判断されたユーザ60の関連情報を含む。
また、ステーション300に関連付けられた関連情報は、例えば、ステーション300の住所と車両100が使用される本拠の位置とが予め定めた判断基準において近いと判断された車両100の関連情報を含む。
格納部420は更に、予め定められた住所および距離を格納する住所距離格納部433と、予め定められたエリアを示すエリア情報を格納するエリア情報格納部435と、ユーザ60に対して報奨を与えるための報奨情報を格納する報奨情報格納部437とを含む。
住所距離格納部433に格納されている予め定められた住所は、例えばステーション300の所在地を含み、予め定められた距離は、例えば2km、5km、10kmなどである。エリア情報格納部435に格納されている予め定められたエリアは、例えばステーション300を中心とする半径2km、5km、10kmなどの円内のエリアである。
報奨情報格納部437に格納される報奨情報は、ユーザ60がバッテリ200をステーション300に返却し、管理装置400が、ユーザ60によるバッテリ200の使用方法が優良であると判断したときに、または、ユーザ60によってステーション300に返却されたバッテリ200が収容された場所が適切であると判断したときに、ステーション300に出力される。なお、報奨情報に示される報奨内容は、例えばバッテリ貸出料金の割引、バッテリ貸出料金の支払いに利用できるポイントの付与、提携店舗で商品引換券の付与など、任意のコンテンツであってもよい。なお、報奨情報は、優良返却報奨情報および優良使用報奨情報の一例である。
管理装置400は更に、サーバ500と通信する通信部403と、ステーション300にストックされているバッテリ200を貸し出してよい車両100およびユーザ60の関連情報を、サーバ500との通信時にサーバ500から受信して管理する管理部419とを備える。管理装置400は更に、ステーション300にストックされている特定のバッテリ200に対して、充放電を行うようステーション300に指示する充放電指示部409、および、管理装置400の各構成から入力される情報を書き込むようステーション300に指示する書込部417を備える。
通信部403は、ステーション300にストックされているバッテリ200を貸し出してよい車両100およびユーザ60の関連情報をサーバ500から受信すると、管理部419に出力する。
管理部419は、上記の関連情報を通信部403から入力されると、関連情報格納部219に格納して管理する。管理部419は、予め定められたタイミングで、例えば毎日の特定の時間に、通信部403を介してサーバ500に関連情報の送信を要求する。管理部419はまた、サーバ500との通信が遮断してから回復した場合に、通信部403を介してサーバ500に関連情報の送信を要求する。
充放電指示部409は、ユーザ60によってステーション300に返却されたバッテリ200から読出部401が読み出したバッテリ情報を読出部401から入力されると、充放電パターン格納部423を参照し、当該バッテリ情報に対応する充放電パターンを判断して、ステーション300の充放電部305に対する指示を出力する。充放電指示部409は、例えば、ステーション300にストックされている充電済のバッテリ200が余剰状態で、外部の電力会社へ電力融通する余裕がある場合にバッテリ200の放電処理を指示してもよい。
書込部417は、ユーザ60によってステーション300に返却されたバッテリ200から読出部401が読み出した車両関連情報およびユーザ関連情報を含む関連情報を、ステーション300にストックされているバッテリ200のうちユーザ60に貸し出すバッテリ200に書き込む指示を出力する。
また、書込部417は、ユーザ60によってステーション300に返却されたバッテリ200から読出部401が読み出して履歴格納部427に格納されている使用履歴情報を、ユーザ60に貸し出すバッテリ200に書き込む指示を出力してもよい。この場合、書込部417は、履歴格納部427に格納されている累積使用履歴情報も、ユーザ60に貸し出すバッテリ200に書き込む指示を出力してもよい。
管理装置400は更に、ステーション300にストックされている特定のバッテリ200をユーザ60に提示するための指示をステーション300に出力する提示部405を備える。提示部405は、読出部401で読み出された、車両100で使用されたバッテリ200の固有情報に基づいて、ステーション300にストックされているバッテリ200を特定する特定情報を特定情報格納部421から抽出し、提示する。なお、読出部401で読み出される固有情報は、必ずしも車両100やバッテリ200における直近の情報を含んでいなくてもよい。なお、提示部405は、例えば人工知能(AI)を有し、固有情報と特定情報との関連性を学習した結果に基づいて、新たに読出部401で読み出された固有情報から特定情報を抽出してもよい。
上述した、特定情報を抽出して提示することは、抽出した特定情報に基づいて、ステーション300にストックされているバッテリ200を一個又は複数個レコメンドすることを含む。換言すると、ステーション300にストックされているバッテリ200を一個又は複数個特定し、車両100で使用されたバッテリ200との交換候補としてレコメンドすることを含む。提示部405は、例えば、レコメンドする一個又は複数個のバッテリ200の情報を表示する指示をステーション300の表示部307に出力してもよい。
なお、提示部405がレコメンドするバッテリ200には、充電済のバッテリ200、および、充電が不十分または全く充電されていないバッテリ200が含まれてもよい。充電が不十分または全く充電されていないバッテリ200をレコメンドする場合とは、例えば、ユーザ60が、ステーション300から外部の電力会社への電力融通に協力するために、十分に充電されたバッテリ200をステーション300に返却し、充電が不十分または全く充電されていないバッテリ200を借りていく場合を含む。この場合、当該ユーザ60は、例えば、車両100の電力源として別のバッテリ200を車両100に装着しており、充電が不十分または全く充電されていないバッテリ200を帰宅後に車両100に装着し、自家発電のストレージ用のバッテリ200として利用してもよい。
管理装置400は更に、ステーション300に返却されたバッテリ200の劣化度を算出する劣化度算出部411と、劣化度算出部411から入力される劣化等級に基づいて、バッテリ200における劣化等級の表示態様を判断する表示判断部413、および、バッテリ200の価格を判断する価格判断部415とを備える。
劣化度算出部411は、読出部401で読み出されたバッテリIDを入力されると、当該バッテリIDにより履歴格納部427に格納された累積使用履歴情報を抽出し、抽出した累積使用履歴情報に基づいてバッテリ200の劣化の度合いを示す劣化度を算出し、出力する。なお、累積使用履歴情報に基づいてバッテリ200の劣化度を算出することには、累積した運転履歴情報に基づいて劣化度を算出することも、バッテリ200の累積した使用状況履歴情報に基づいて劣化度を算出することも含まれる。
劣化度算出部411は、条件格納部425に格納された劣化等級条件を参照することにより、算出したバッテリ200の劣化度からバッテリ200の劣化等級を判断し、表示判断部413、価格判断部415および書込部417に出力する。劣化度算出部411はさらに、バッテリ200の劣化等級の変化を判断し、書込部417に出力する。劣化度算出部411はさらに、条件格納部425を参照することにより、バッテリ200の取り付け期間におけるバッテリ200の劣化度が適正範囲内であるか否かを判断し、書込部417に出力する。
表示判断部413は、劣化度算出部411からバッテリ200の劣化等級を入力されると、条件格納部425に格納された表示態様条件を参照することにより、当該劣化等級に基づいてバッテリ200の表示態様を判断し、書込部417に出力する。
価格判断部415は、劣化度算出部411からバッテリ200の劣化等級を入力されると、条件格納部425に格納された価格条件を参照することにより、当該劣化等級に基づいてバッテリ200の価格を判断し、書込部417に出力する。
管理装置400は更に、劣化度算出部411から入力される劣化等級に基づいて、バッテリ200の適切な返却場所を判断し、当該適切な返却場所を示す収容場所情報を出力する場所出力部412を備える。ここで言う適切な返却場所とは、ステーション300のバッテリ収容部301における複数の収容場所のうち、ステーション300に返却されるバッテリ200が収容されるべき収容場所を意味する。管理装置400は更に、場所出力部412から入力される収容場所情報と、ステーション300に返却されたバッテリ200が収容された場所の情報とに基づいて、バッテリ200が適切な返却場所に返却されたかどうかを判断する優良返却報奨部414と、劣化度算出部411から入力される劣化度が優良使用条件を満たすかどうかを判断する優良使用報奨部416とを備える。
場所出力部412は、劣化度算出部411からバッテリ200の劣化等級を入力されると、条件格納部425に格納された収容場所条件を参照することにより、当該劣化等級に基づいてバッテリ200の収容場所を判断し、優良返却報奨部414に出力する。
優良返却報奨部414は、場所出力部412から収容場所情報を入力され、ステーション300から、返却されたバッテリ200が収容された場所の情報を入力されると、バッテリ200が収容された場所が、収容場所情報に示される適切な返却場所であるかどうかを判断する。優良返却報奨部414は、バッテリ200が適切な返却場所に返却されたと判断した場合には、報奨情報格納部437を参照し、報奨情報をステーション300に出力する。適切な返却場所に返却されていないと判断した場合には、報奨情報を出力しない。
優良使用報奨部416は、劣化度算出部411から劣化度を入力されると、条件格納部425に格納された優良使用条件を参照することにより、当該劣化度が優良使用条件を満たすかどうかを判断する。優良使用報奨部416は、当該劣化度が優良使用条件を満たすと判断した場合には、報奨情報格納部437を参照し、報奨情報をステーション300に出力する。優良使用条件を満たさないと判断した場合には、報奨情報を出力しない。
管理装置400は更に、ステーション300にストックされている特定のバッテリ200に対して貸出処理を行う貸出処理部407を備える。貸出処理部407は、管理部419で管理されており、関連情報格納部219に格納されている関連情報と、読出部401で読み出された、車両100で使用されたバッテリ200の関連情報とに基づいて、ステーション300にストックされているバッテリ200を貸し出してよいか否かを判断する。貸出処理部407は、バッテリ200を貸し出してよいと判断した場合に、当該バッテリ200を貸し出す指示をステーション300に出力する。
なお、貸出処理部407は、ステーション300にストックされているバッテリ200を貸し出してよいと判断した場合に、その旨を書込部417に出力し、書込部417が貸出処理部407に代わって、当該バッテリ200を貸し出す指示をステーション300に出力してもよい。なお、管理装置400がサーバ500と通信せず、通信部403および管理部419を備えない場合、貸出処理部407は、読出部401で読み出された、車両100で使用されたバッテリ200の関連情報に基づいて、ステーション300にストックされているバッテリ200を貸し出してよいか否かを判断してもよい。この場合、貸出処理部407は、格納部420に格納されている各情報にも基づいて、バッテリ200の貸し出し可否を判断してもよい。
貸出処理部407は、読出部401で読み出された車両IDが、IDリスト格納部429に格納されている車両IDリストに含まれる車両IDと一致した場合に、ステーション300にストックされているバッテリ200を貸し出してよいと判断してもよい。同様に、貸出処理部407は、読出部401で読み出されたユーザIDが、IDリスト格納部429に格納されているユーザIDリストに含まれるユーザIDと一致した場合に、バッテリ200を貸し出してよいと判断してもよい。同様に、貸出処理部407は、読出部401で読み出されたバッテリIDが、IDリスト格納部429に格納されているバッテリIDリストに含まれるバッテリIDと一致した場合に、バッテリ200を貸し出してよいと判断してもよい。
また、貸出処理部407は、読出部401で読み出された本拠位置情報に示される本拠の位置から、住所距離格納部433に格納されている予め定められた住所までの距離が、住所距離格納部433に格納されている予め定められた距離内である場合に、ストックされているバッテリ200を貸し出してよいと判断してもよい。
また、貸出処理部407は、読出部401で読み出されたユーザ住所情報に示されるユーザ住所から、住所距離格納部433に格納されている予め定められた住所までの距離が、住所距離格納部433に格納されている予め定められた距離内である場合に、ストックされているバッテリ200を貸し出してよいと判断してもよい。
また、貸出処理部407は、読出部401で読み出された本拠位置情報および経路履歴情報の何れかに示される本拠の位置および経路の履歴の何れかが、エリア情報格納部435に格納されている予め定められたエリア内である場合に、ストックされているバッテリ200を貸し出してよいと判断してもよい。
また、貸出処理部407は、読出部401で読み出されたユーザ住所情報に示されるユーザ住所が、エリア情報格納部435に格納されている予め定められたエリア内である場合に、ストックされているバッテリ200を貸し出してよいと判断してもよい。
なお、上述の提示部405による、特定情報を抽出して提示することは、抽出した特定情報に基づき、ステーション300にストックされているバッテリ200をユーザ60に提供可能な状態にするための指示をステーション300に出力することを含んでもよい。換言すると、外部から取出し不能な状態でステーション300のバッテリ収容部301に収容している複数のバッテリ200のうち、抽出した特定情報に基づいて特定した1個又は複数個のバッテリ200を外部から取り出し可能な状態にする指示を、バッテリ収容部301に出力することを含んでもよい。この場合には、提示部405と貸出処理部407とは、全体として1つの構成であってもよい。
図8は、サーバ500のブロック図である。サーバ500は、通信ネットワーク40を介して、管理装置400と通信する通信部501と、関連情報を格納する関連情報格納部517を含む格納部510と、バッテリ200を貸し出してよい車両100およびユーザ60の関連情報を管理する管理部509とを備える。
管理部509は、バッテリ200を貸し出してよい車両100およびユーザ60の関連情報を、管理装置400との通信時に管理装置400に送信する。より具体的には、管理部509は、複数の管理装置400から収集した関連情報を一元管理し、各管理装置400からの要求に応じて、一元管理している関連情報の一部または全てを各管理装置400に提供する。更に具体的には、管理部509は、新たに関連情報を通信部501から入力されると、関連情報格納部517に格納して管理しておき、通信部501を介して管理装置400から関連情報を送信するよう要求されたことに応答して、関連情報格納部517を参照し、関連情報を当該管理装置400に送信する。なお、管理部509は、管理装置400からの要求に依らず、管理装置400との通信時に、定期的に又は不定期的に、関連情報を管理装置400に送信してもよい。
図9は第1実施形態の動作のフロー図である。図9の動作では、管理装置400がバッテリ200の劣化度を算出する。
ユーザ60の車両100にバッテリ200が装着されている間に、車両100からバッテリ200へ使用履歴情報を書き込む(S101)。バッテリ200がステーション300に返却されると、管理装置400は、ステーション300を介して、バッテリ200に書き込まれている使用履歴情報およびバッテリIDを読み出し、ステーション300から、バッテリ200が収容された場所の情報を取得する(S103)。
管理装置400は、読み出した使用履歴情報およびバッテリIDを格納する(ステップS105)。管理装置400は、読み出したバッテリIDに対応付けられている累積使用履歴情報を抽出し、抽出した累積使用履歴情報に基づいてバッテリ200の劣化度を算出し、劣化等級を決定する(S107)。
管理装置400は、算出した劣化度が優良使用条件を満たすかどうかを判断する(S109)。条件を満たす場合には(S109:YES)、報奨情報をステーション300に出力し(S111)、ステーション300は報奨情報を表示する(S113)。算出した劣化度が優良使用条件を満たさない場合には(S109:NO)、管理装置400は、報奨情報をステーション300に出力しない。
管理装置400は、決定した劣化等級に基づいて、バッテリ200の適切な収容場所、劣化等級の表示態様およびバッテリ価格を決定する(S115)。管理装置400は、返却されたバッテリ200の実際の収容場所が、劣化等級から決定したバッテリ200の適切な収容場所であるかどうかを判断する(S117)。バッテリ200が適切な収容場所に返却されている場合には(S117:YES)、報奨情報をステーション300に出力し(S119)、ステーション300は報奨情報を表示する(S121)。算出した劣化度が優良使用条件を満たさない場合には(S117:NO)、管理装置400は、報奨情報をステーション300に出力しない。
管理装置400は、劣化等級から決定した、バッテリ200における劣化等級の表示態様とバッテリ価格とを示す情報をバッテリIDと共にステーション300に出力して当該情報をバッテリ200に書き込ませ(S123)、当該フローは終了する。なお、ステーション300は、管理装置400からの指示に従って、当該情報に示されるバッテリ価格を表示してもよい。
上記動作によれば、管理装置400が使用履歴情報を累積して格納するので、バッテリ200が使用中であってもバッテリ200のそれまでの使用履歴情報を活用することができる。例えば、バッテリ200の過不足を予測したり、新しいバッテリ200の投入や古いバッテリ200の回収などの計画に情報を利用することができる。また、管理装置400が当該使用履歴情報をユーザIDにも対応付けて累積させておけば、複数のバッテリ200を使用したユーザ60に対してもユーザ単位で使用履歴情報を累積することができる。
さらに、返却されたバッテリ200の劣化度が優良使用条件を満たした場合にはユーザ60に報奨が与えられるので、ユーザ60にバッテリ200の優良な使用を促すことができる。さらに、ステーション300で指定の返却場所にバッテリ200が返却された場合にもユーザ60に報奨が与えられるので、ユーザ60に指定の返却場所への返却を促すことができ、バッテリ200を良好に管理することができる。
図10は第1実施形態の他の動作のフロー図である。図10の動作では、管理装置400がバッテリ200の貸し出し処理および情報引継ぎ処理を行う。
管理装置400は、サーバ500と通信が可能な状態において定期的にサーバ500が管理している関連情報を取得し、管理装置400で管理している関連情報を更新する(S200)。一方、車両100は、ユーザ60の車両100に装着されている間に、バッテリ200に関連情報を書き込む(S201)。バッテリ200がステーション300に返却されると、管理装置400は、ステーション300を介して、バッテリ200に書き込まれている関連情報を読み出す(S203)。
管理装置400は、読み出した関連情報に基づき、ステーション300にストックされているバッテリ200を貸し出して良いかどうかを判断し(S205)、貸し出して良い場合には(S205:YES)、関連情報を貸出指示と共にステーション300に出力する(S207)。
ステーション300は、ストックしているバッテリ200に関連情報を書き込み(S209)、当該バッテリ200を貸出処理して(S211)、当該フローは終了する。
一方で、管理装置400が読み出した関連情報によると、ステーション300にバッテリ200を返却してきたユーザ60または当該ユーザ60の車両100が、バッテリ200を貸し出して良い対象ではなかった場合には(S205:NO)、管理装置400は、ステーション300にストックされているバッテリ200を貸し出すことが不可能である旨を表示する指示をステーション300に出力する(S213)。
ステーション300は、管理装置400からの当該指示に従って、ストックしているバッテリ200は貸出不可能である旨を表示部307に表示し、当該フローは終了する。
上記動作によれば、管理装置400がバッテリ200から読み出した関連情報に基づいて、次のバッテリ200を貸し出してよいかどうかを判断するので、会員カードの提示等の手間を省くことができ、ユーザ60の使い勝手が向上する。さらに、管理装置400はサーバ500と通信が可能な状態で関連情報を更新しているので、仮にサーバ500との通信ができない状況や、サーバ500が不調な状況いわゆるサーバダウンの状況であっても、バッテリ200の貸し出しの可否をより適切に判断することができる。
図11は第1実施形態のさらに他の動作のフロー図である。図11の動作では、管理装置400がバッテリ200の充電パターンを決定する。
図11に示されるフローが開始すると、ユーザ60の車両100に装着されているバッテリ200に対して、車両100からバッテリ情報を書き込む(S301)。当該バッテリ200がステーション300に返却されると、管理装置400は、ステーション300を介して、バッテリ200に書き込まれているバッテリ情報をバッテリIDと共に読み出す(S303)。
管理装置400は、格納している複数の充電パターンの中から、読み出したバッテリ情報に対応する充電パターンを決定し(S305)、決定した充電パターンに従って返却されたバッテリ200を充電する指示を、バッテリIDと共にステーション300に出力する。ステーション300は、管理装置400からの充電指示に従い、入力されたバッテリIDに対応するバッテリ200を充電して(S309)、当該フローは終了する。
上記動作によれば、充電パターンは管理装置400に格納されており、管理装置400がバッテリ200から読み出した関連情報に基づいて充電パターンが決定されるので、車両100との通信状態や車両100の位置に関わらず、当該バッテリ200に適した充電をすることができる。
図9から図11の各動作のステップは他の動作のステップと並行して実行されてもよいし、いずれが前後して実行されてもよい。また、図9から図11の各動作は、管理装置400等の各装置が動作可能な状態である間、繰り返し実行される。
上記実施形態において、SOC算出部105は、バッテリ200から読み出したSOC−OCV曲線を更新し、更新したSOC−OCV曲線と充放電量計測部103から入力されるバッテリ200の現在の電圧とに基づいて、バッテリ200の現在のSOCを算出するが、これに代えて、SOC算出部105は、特定の条件下で計測されたバッテリ200の公称容量をバッテリ200から読み出し、同じ特定の条件下でバッテリ200の現在の放電容量を計測し、公称容量に対する現在の放電容量の比としてSOCを算出してもよい。また代替的に、SOC算出部105は、特定の条件下で予め測定されたバッテリ200のSOC−OCV曲線をバッテリ200から読み出し、同じ特定の条件下でバッテリ200の現在の電圧を測定し、SOC−OCV曲線と照らし合わせることでSOCを概算的に計測してもよい。
図12は、第2実施形態によるフロー図である。図12の動作は、図10の動作の他の例である。第2実施形態における管理システム20は、第1実施形態における管理システム20と同じ構成を備えるため、重複する説明を省略する。
ユーザ60の車両100に装着されている間に、バッテリ200に対して、車両100から固有情報を書き込む(S401)。当該バッテリ200がステーション300に返却されると、管理装置400は、ステーション300を介して、バッテリ200に書き込まれている固有情報を読み出す(S403)。
管理装置400は、読み出した固有情報に基づいて、ステーション300にストックされているバッテリ200を特定するための特定情報を抽出し(S405)、ユーザ60に適したバッテリ200をお勧めするためのレコメンド情報をステーション300に出力する(S407)。
ステーション300は、管理装置400から入力されたレコメンド情報を表示部307に表示し(S109)、入力部309を介してユーザ60からのバッテリ選択入力を受け付け(S411)、入力に従ってバッテリ貸出処理を行い(S413)、当該フローは終了する。当該フローは、管理装置400等の各装置が動作可能な状態である間、繰り返し実行される。
図13は、第3実施形態による管理装置600のブロック図であり、図14は、第3実施形態によるサーバ700のブロック図であり、図15および図16は、第3実施形態によるフロー図である。
第3実施形態による管理装置600およびサーバ700の各構成および機能は、第1実施形態による管理装置400およびサーバ500の構成および機能と一部が異なる。具体的には、第3実施形態によるサーバ700が第1実施形態による管理装置400の構成および機能の一部を有し、その代わりに、第3実施形態による管理装置600は当該一部の構成および機能を有さない。なお、第3実施形態における管理システム20は、第1実施形態における管理システム20と同じ構成を備えるため、重複する説明を省略する。また、図13から図16において、図1から11と同じ構成には同じ又は類似する参照番号を付して、重複する説明を省略し、異なる点のみを説明する。
図13に示される管理装置600は、読出部601、通信部603、貸出処理部607、充放電指示部609、書込部617、管理部619および格納部620を備える。格納部620は、充放電パターン格納部623、IDリスト格納部629、関連情報格納部631、住所距離格納部633およびエリア情報格納部635を含む。
読出部601は、ステーション300に返却されたバッテリ200から、バッテリID、使用履歴情報、固有情報などを読み出し、通信部603を介してサーバ700に送信する。また、読出部601は、ステーション300に返却されたバッテリ200が収容された場所の情報を、ステーション300から入力されると、通信部603を介してサーバ700に送信する。
通信部603は、サーバ700から報奨情報およびバッテリIDを受信すると、これらの情報をステーション300に出力し、また、当該バッテリIDに対応するバッテリ200を返却したユーザ60に対して報奨情報を表示する指示をステーション300に出力する。また、通信部603は、ステーション300に返却されたバッテリ200に関する、劣化度、劣化等級、表示態様、バッテリ価格などの情報をサーバ700から受信すると、書込部617に出力する。
書込部617は、通信部603を介してサーバ700から上記の情報を取得すると、ステーション300に返却されたバッテリ200に上記の情報を書き込む。
図14に示されるサーバ700は、通信部701、管理部709、格納部710の他に、提示部705、劣化度算出部711、表示判断部713、価格判断部715、場所出力部712、優良返却報奨部714および優良使用報奨部716を備える。また、格納部710は、関連情報格納部717の他に、特定情報格納部721、条件格納部725、履歴格納部727および報奨情報格納部737を含む。通信部701は、受信部の一例である。
通信部701は、管理装置600から使用履歴情報およびバッテリIDを受信すると、バッテリIDを劣化度算出部711に出力すると共に、使用履歴情報をバッテリIDに対応付けて履歴格納部727に格納する。通信部701はまた、管理装置600から固有情報およびバッテリIDを受信すると、提示部705に出力する。通信部701はまた、管理装置600から、ステーション300に返却されたバッテリ200が収容された場所の情報を受信すると、優良返却報奨部714に出力する。
提示部705は、通信部701から固有情報およびバッテリIDを入力されると、特定情報格納部721を参照することにより、固有情報に基づいて特定情報を抽出する。提示部705は、抽出した特定情報をバッテリIDと共に、通信部701を介して管理装置400に送信する。
劣化度算出部711は、通信部701からバッテリIDを入力されると、バッテリIDを用いて履歴格納部727に格納されている累積使用履歴情報を抽出し、抽出した累積使用履歴情報に基づいて劣化度を算出する。
劣化度算出部711、表示判断部713、価格判断部715、優良返却報奨部714および優良使用報奨部716は、それぞれ出力した情報を、通信部701を介して管理装置400に送信する。
図15は第3実施形態の動作のフロー図である。図15の動作では、サーバ700がバッテリ200の劣化度等を算出する。
ユーザ60の車両100にバッテリ200が装着されている間に、車両100がバッテリ200に使用履歴情報を書き込む(S101)。バッテリ200がステーション300に返却されると、管理装置600は、ステーション300を介して、バッテリ200に書き込まれている使用履歴情報およびバッテリIDを読み出し、ステーション300から、バッテリ200が収容された場所の情報を取得し、これらの情報をサーバ700に送信する(S103)。
サーバ700は、読み出した使用履歴情報およびバッテリIDを格納する(S105)。サーバ700は、読み出したバッテリIDに対応付けられている累積使用履歴情報を抽出し、抽出した累積使用履歴情報に基づいてバッテリ200の劣化度を算出し、劣化等級を決定する(S107)。
サーバ700は、算出した劣化度が優良使用条件を満たすかどうかを判断し(S109)。優良使用条件を満たす場合には(S109:YES)、報奨情報およびバッテリIDを管理装置600に送信し、管理装置600は報奨情報をステーション300に出力し(S111)、ステーション300は報奨情報を表示する(S113)。算出した劣化度が優良使用条件を満たさない場合には(S109:NO)、サーバ700は、報奨情報を管理装置600に送信しない。
サーバ700は、決定した劣化等級に基づいて、バッテリ200の適切な収容場所、劣化等級の表示態様およびバッテリ価格を決定する(S115)。サーバ700は、返却されたバッテリ200の実際の収容場所が、劣化等級から決定したバッテリ200の適切な収容場所であるかどうかを判断し(S117)、バッテリ200が適切な収容場所に返却されている場合には(S117:YES)、およびバッテリIDを管理装置600に送信し、管理装置600は報奨情報をステーション300に出力し(S119)、ステーション300は報奨情報を表示する(S121)。算出した劣化度が優良使用条件を満たさない場合には(S117:NO)、サーバ700は、報奨情報を管理装置600に送信しない。
サーバ700は、劣化等級から決定した、バッテリ200における劣化等級の表示態様とバッテリ価格とを示す情報をバッテリIDと共に管理装置600に送信し、管理装置600はこれらの情報をステーション300に出力して当該情報をバッテリ200に書き込ませ(S123)、当該フローは終了する。なお、ステーション300は、サーバ700からの指示に従って、当該情報に示されるバッテリ価格を表示してもよい。
図16は、第3実施形態の他の動作のフロー図である。図16の動作では、サーバ700がバッテリ200の貸し出し処理および情報引継ぎ処理を行う。
ユーザ60の車両100にバッテリ200が装着されている間に、車両100からバッテリ200に固有情報を書き込む(S201)。当該バッテリ200がステーション300に返却されると、管理装置600は、ステーション300を介して、バッテリ200に書き込まれている固有情報を読み出し、サーバ700に送信する(S203)。
サーバ700は、固有情報に基づいて、ステーション300にストックされているバッテリ200を特定するための特定情報を抽出し(S205)、ユーザ60に適したバッテリ200をお勧めするためのレコメンド情報を管理装置600に送信し、管理装置600はレコメンド情報をステーション300に出力する(S207)。
ステーション300は、サーバ700から入力されたレコメンド情報を表示部307に表示し(S109)、入力部309を介してユーザ60からのバッテリ選択入力を受け付け(S211)、入力に従ってバッテリ貸出処理を行い(S213)、当該フローは終了する。
上記動作によれば、サーバ700がバッテリ200の情報引き継ぎ処理を行うので、異なるステーション300に返却された複数のバッテリ200の情報についても、同一のユーザ60または同一の車両100でまとめて、次のバッテリ200へ情報を引き継ぐことができる。
図15および図16の各動作のステップは他の動作のステップと並行して実行されてもよいし、いずれが前後して実行されてもよい。また、図15および図16の各動作は、管理装置600等の各装置が動作可能な状態である間、繰り返し実行される。
図17は、第4実施形態によるバッテリ800のブロック図であり、図18は、第4実施形態による管理装置900のブロック図である。
第4実施形態によるバッテリ800および管理装置900の各構成および機能は、第1実施形態によるバッテリ200および管理装置400の構成および機能と一部が異なる。図17から図19において、図1から11と同じ構成には同じ又は対応する参照番号を付して、重複する説明を省略する。
図17に示されるバッテリ800は、格納部810、劣化表示部840、計測部850、劣化度算出部861および価格判断部865を備える。格納部810は、累積使用履歴情報格納部812、バッテリ情報格納部817、関連情報格納部819および条件格納部825を含む。
計測部850は、バッテリ800の充放電量を計測し、累積使用履歴情報格納部812に格納する。より具体的には、計測部850はバッテリ800に出入りする電流とバッテリ800の電圧とを計測し、電流および電圧を積算して電力量を算出する。
累積使用履歴情報格納部812は、使用履歴情報を累積した情報である累積使用履歴情報を格納する。当該使用履歴情報には、計測部850で計測されたバッテリ800の充放電量の履歴情報が含まれる。当該使用履歴情報は、バッテリ800が装着された車両100の車両IDと対応付けられて格納されてもよい。なお、累積使用履歴情報には、バッテリ800が新品の状態から使用され始めて現在に至るまでの期間における全ドライブサイクルの使用履歴情報が含まれることが好ましいが、一部のドライブサイクルの使用履歴情報が欠落していてもよい。累積使用履歴情報格納部812は、運転履歴格納部813および使用状況履歴格納部815を含む。
条件格納部825は、バッテリ800の劣化度から劣化等級を判断するための劣化等級条件と、バッテリ800の劣化等級からバッテリ800の価格を判断するための価格条件とを格納する。関連情報格納部819は、ユーザ関連情報格納部821および車両関連情報格納部823を含む。
劣化度算出部861は定期的に又は不定期的に、累積使用履歴情報格納部812に格納されている累積使用履歴情報に基づいて劣化度を算出し、条件格納部825を参照して、算出した劣化度から劣化等級を決定する。劣化度算出部861は、劣化等級の情報を価格判断部865に出力すると共に劣化表示部840に出力し、劣化等級を外部から視認可能に表示させる。さらに、劣化度算出部861は劣化度および劣化等級の情報をバッテリ情報格納部817に格納する。
価格判断部865は、劣化度算出部861から劣化等級の情報を入力されると、条件格納部825を参照して、劣化等級からバッテリ価格を決定し、劣化表示部840に出力して、バッテリ価格を外部から視認可能に表示させる。なお、条件格納部825が劣化度からバッテリ価格を判断するための価格条件を格納し、価格判断部865は、劣化度算出部861から劣化度の情報を入力されると、条件格納部825を参照して、劣化度からバッテリ価格を決定してもよい。なお、劣化度算出部861および価格判断部865は、算出部の一例である。
図18に示される管理装置900は、読出部901、通信部903、提示部905、貸出処理部907、充放電指示部909、場所出力部912、優良返却報奨部914、優良使用報奨部916、書込部917、管理部919および格納部920を備える。格納部920は、特定情報格納部921、充放電パターン格納部923、条件格納部925、履歴格納部927、IDリスト格納部929、関連情報格納部931、住所距離格納部933、エリア情報格納部935および報奨情報格納部937を含む。
読出部901は、ステーション300に返却されたバッテリ800から、バッテリID、使用履歴情報、劣化度情報、劣化等級情報などを読み出し、履歴格納部927に格納し、書込部917に出力する。また、読出部901は、読み出した劣化等級情報を場所出力部912に出力し、劣化度情報を優良使用報奨部916に出力する。
図19は第4実施形態の動作のフロー図である。図19の動作では、バッテリ800が自身の劣化度を算出する。
ユーザ60の車両100にバッテリ800が装着されている間に、車両100から使用履歴情報を書き込まれると(S101)、使用履歴情報を格納する(S103)。バッテリ800は、格納している累積使用履歴情報に基づいて劣化度を算出し、劣化度から劣化等級を決定する(S105)。
バッテリ800は、決定した劣化等級に基づいてバッテリ価格を決定し(S107)、決定した劣化等級およびバッテリ価格を外部から視認可能に表示する(S109)。
当該バッテリ800がステーション300に返却されると、管理装置900は、ステーション300を介して、バッテリ800に書き込まれている使用履歴情報、劣化度情報、劣化等級情報などをバッテリIDと共に読み出し、ステーション300から、バッテリ800が収容された場所の情報を取得する(S111)。
管理装置900は、読み出した使用履歴情報およびバッテリIDを格納する(S113)。管理装置900は、読み出した劣化度情報に示される劣化度が優良使用条件を満たすかどうかを判断する(S115)。
条件を満たす場合には(S115:YES)、報奨情報をステーション300に出力し(S117)、ステーション300は報奨情報を表示する(S119)。算出した劣化度が優良使用条件を満たさない場合には(S115:NO)、管理装置900は、報奨情報をステーション300に出力しない。
管理装置900は、バッテリ800から読み出した劣化等級に基づいてバッテリ800の適切な収容場所を決定する(S121)。管理装置900は、返却されたバッテリ800の実際の収容場所が、劣化等級から決定したバッテリ800の適切な収容場所であるかどうかを判断する(S123)。
バッテリ800が適切な収容場所に返却されている場合には(S123:YES)、報奨情報をステーション300に出力し(S125)、ステーション300は報奨情報を表示して(S127)、当該フローは終了する。算出した劣化度が優良使用条件を満たさない場合には(S123:NO)、管理装置900は、報奨情報をステーション300に出力しないで、当該フローは終了する。当該フローは、管理装置900等の各装置が動作可能な状態である間、繰り返し実行される。なお、ステーション300は、バッテリ800から読み出した劣化等級およびバッテリ価格を表示してもよい。
上記動作によれば、劣化度、劣化等級および価格がバッテリ200自身により決定されるので、バッテリ200の使用中に劣化度等をユーザ60が逐次把握することができる。さらに、ステーション300への返却時にバッテリ200の劣化度等が最新の状態に更新されているので、ステーション300の側で改めて劣化度等を決定しなくてもよく、返却時の処理を早くすることができる。
図20は、第5実施形態による管理システム19の概略図である。また、図21から図23は第5実施形態による各構成のブロック図であり、図24は第5実施形態によるフロー図である。
図20に示される通り、第5実施形態による管理システム19は、第1実施形態による管理システム20と異なり、サーバ500を備えず、各構成が通信ネットワーク40を介した通信を行わない。第5実施形態による車両150、バッテリ250および管理装置450の各構成および機能は、第1実施形態による車両100、バッテリ200および管理装置400の構成および機能と一部が異なる。図20から図24において、図1から11と同じ構成には同じ又は対応する参照番号を付して、重複する説明を省略する。
管理システム19は、ステーション300に返却されたバッテリ250から読み出した認証キーで認証が成功した場合に、車両150に次に貸し出すバッテリ250に新たな認証キーを生成して書き込む。認証キーを更新することにより、品質が保証されていない模倣品が用いられてユーザ60に不満が生じるのを抑制する。
図21は、車両150のブロック図である。車両150の格納部120は、認証キー格納部124を含む。車両150は更に、バッテリ収容部101に収容されたバッテリ250と通信する通信部102と、認証キーを照合する照合部127と、通信部102を介して古い認証キーを消去するための消去信号をバッテリ250に送信する消去部129と、任意のメッセージ、例えば認証エラーのメッセージを表示する表示部131とを備える。
認証キー格納部124は、認証キーを格納する。認証キー格納部124は、バッテリ250に書き込まれているバッテリ250用の第1の認証キーおよび管理装置450用の第2の認証キーと相互に認証可能な、車両150用の第3の認証キーを格納する。
通信部102は、バッテリ収容部101にバッテリ250が収容されると、バッテリ250に書き込まれている第1の認証キーを有線通信または無線通信により読み出して、照合部127に出力する。
照合部127は、通信部102から第1の認証キーを入力されると、認証キー格納部124に格納されている第3の認証キーを取得して、第1の認証キーと第3の認証キーとを照合する。照合部127は、第1の認証キーと第3の認証キーとが相互に認証できた場合、その旨を示す認証情報を消去部129に出力する。照合部127は、第1の認証キーと第3の認証キーとが相互に認証できなかった場合、認証エラーのメッセージを表示する指示を表示部131に出力し、当該メッセージを表示させる。
消去部129は、照合部127から認証情報を入力されると、通信部102に、バッテリ収容部101に収容されているバッテリ250に書き込まれている新たな第3の認証キーを読み出させて認証キー格納部124に格納させる。消去部129は更に、認証キー格納部124に格納されている古い第3の認証キーを消去する。消去部129は更に、通信部102を介して、バッテリ250に書き込まれている古い第1の認証キーを消去する。なお、当該バッテリ250には、新たな第1の認証キーも書き込まれているが、消去部129は、選択的に当該新たな第1の認証キーを消去しないようにする。
図22は、バッテリ250のブロック図である。バッテリ250の格納部210は、認証キーを格納する認証キー格納部218を含む。認証キー格納部218は、第1の認証キーおよび第3の認証キーを格納する。バッテリ250は、ステーション300および車両150と通信する通信部230を備える。
通信部230は、ステーション300を介して管理装置450から、格納部210に格納されている情報の読出し及び書き込みをする指示を受信すると、当該指示に従って当該情報の読出し及び書き込みを行い、読み出した情報はステーション300に送信する。通信部230はまた、車両150から消去信号を受信すると、消去信号に従って、例えば認証キー格納部218に格納されている古い第1の認証キーを消去する。通信部230はまた、ステーション300からバッテリ250の現在の劣化状態を表示する指示を受信すると劣化表示部240に出力する。
図23は、管理装置450のブロック図である。管理装置450の格納部420は、認証キーを格納する認証キー格納部430を含む。認証キー格納部430は、例えば第2の認証キーを格納する。
管理装置450は、認証キーを照合する照合部441と、新たな認証キーを生成する生成部443と、認証キー格納部430に格納されている古い認証キーを消去する消去部445とを備える。
照合部441は、読出部401から第1の認証キーおよび第3の認証キーを入力されると、認証キー格納部430に格納されている第2の認証キーを取得して、第1の認証キーおよび第3の認証キーと第2の認証キーとをそれぞれ照合する。照合部441は、第1の認証キーおよび第3の認証キーと第2の認証キーとがそれぞれ相互に認証できた場合、その旨を示す認証情報を生成部443に出力する。照合部441は、第1の認証キーおよび第3の認証キーと第2の認証キーとの少なくとも何れかが相互に認証できなかった場合、認証エラーのメッセージを表示する指示をステーション300の表示部307に出力し、当該メッセージを表示させる。当該メッセージは、いずれの認証キーの組間において相互認証ができなかったのかを示してもよい。
生成部443は、照合部441から認証情報を入力されると、相互に認証可能な3つの新たな認証キーを生成する。具体的には、生成部443は、新たな第2の認証キーと、新たな第1の認証キーと、新たな第3の認証キーとを生成する。生成部443は、新たな第2の認証キーを消去部445に出力し、新たな第1の認証キーと、新たな第3の認証キーとを、古い第1の認証キーと共に書込部417に出力する。
消去部445は、生成部443から新たな第2の認証キーを入力されると、当該新たな第2の認証キーを認証キー格納部430に格納すると共に、認証キー格納部430に予め格納されている第2の認証キー、すなわち古い第2の認証キーを消去する。当該新たな第2の認証キーを認証キー格納部430に格納することと、認証キー格納部430に格納されている古い第2の認証キーを消去することとは、予め定められた順に行われてもよく、順不同であってもよい。
上記のように、生成部443によって認証キーが生成される前に存在していた認証キーを古い認証キーと呼ぶ場合があり、生成部443によって生成された認証キーを新たな認証キーと呼ぶ場合がある。
書込部417は、生成部443で生成された新たな第1の認証キーと、新たな第3の認証キーとを、古い第1の認証キーと共に入力されると、バッテリ250を返却してきたユーザ60に対してステーション300から貸し出すバッテリ250に書き込む指示をステーション300に出力する。
本実施形態における管理装置450は、単に説明を明確にする目的で、図7に示された第1実施形態による管理装置400の提示部405、管理部419、貸出処理部407、場所出力部412、優良返却報奨部414および優良使用報奨部416を備えておらず、当該管理装置400の格納部420に含まれるIDリスト格納部429、関連情報格納部431、住所距離格納部433、エリア情報格納部435および報奨情報格納部437も備えていない。しかしながら、本実施形態における管理装置450は、第1実施形態による管理装置400が備えるこれらの構成の一部または全てを備えていてもよい。
図24は、第5実施形態によるフロー図である。図24のフローの説明は、特定のユーザ60が、自身の車両150で使用したバッテリ250をステーション300に返却することで開始する。
車両150にバッテリ250が装着されているときに、車両150が第3の認証キーを予めバッテリ250に書き込む(S101)。車両150からバッテリ250が取り外され(S103)、ステーション300に返却されると、管理装置450は、ステーション300を介して、バッテリ250に書き込まれている第1の認証キーと第3の認証キーとを読み出す(S105)。
管理装置450は、読み出した第1の認証キーおよび第3の認証キーのそれぞれを、管理装置450が保有している第2の認証キーと照合する(S107)。
第1の認証キーおよび第3の認証キーの何れかが第2の認証キーと相互認証できなかった場合には(S109:NO)、認証エラーの表示指示をステーション300に出力し(S111)、当該フローは終了する。第1の認証キーおよび第3の認証キーの何れも第2の認証キーと相互認証できた場合には(S109:YES)、ステーション300に返却されているバッテリ250の情報を読み出す(S112)。なお相互認証できなかった場合にはステーション300はバッテリ250の情報を読み出せない。
管理装置450は、新たな第1の認証キー、新たな第2の認証キーおよび新たな第3の認証キーを生成し(S113)、管理装置450に格納されている古い第2の認証キーを消去して、新たな第2の認証キーを格納する(S115)。
管理装置450は、新たな第1の認証キーと、新たな第3の認証キーとを、古い第1の認証キーと共に、ユーザ60に貸し出すバッテリ250に書き込んで貸出処理をする指示をステーション300に出力する(S117)。この場合に貸し出すバッテリ250に他の第1の認証キーおよび第3の認証キーが予め格納されている場合であっても、上記第1の認証キーおよび第3の認証キーへ更新される。なお、管理装置450は、充電が完了したバッテリ250を貸し出すことが好ましい。
ユーザ60がステーション300から貸し出されたバッテリ250を車両150に取り付けると(S119)、車両150は当該バッテリ250から古い第1の認証キーを読み出し(S121)、古い第1の認証キーを、自身が保有している古い第3の認証キーと照合する(S123)。
古い第1の認証キーと古い第3の認証キーとが相互認証できなかった場合には(S125:NO)、車両150は、認証エラーのメッセージを表示し(S127)、当該フローは終了する。第1の認証キーと第3の認証キーとが相互認証できた場合には(S125:YES)、車両150は、当該バッテリ250から新たな第3の認証キーを読み出して格納すると共に(S129)、自身が保有している古い第3の認証キーを消去する(S131)。車両150はこれと共に、消去信号を当該バッテリ250に送信し(S133)、バッテリ250に書き込まれている古い第1の認証キーおよび新たな第3の認証キーを消去させ(S135)、当該フローは終了する。以上、図24のフローは管理装置450などの各装置が動作している間は繰り返し実行される。
上記実施形態において、車両150は、S125において、貸し出されたバッテリ250との間で認証キーの相互認証ができたことを条件として、任意に、当該バッテリ250に対する情報の書込み処理及び読出し処理を行ってもよい。
以上、本実施形態の管理システム19によれば、悪意の第3者がバッテリ250から不正に第1の認証キーを取得し、品質が保証されていない低価格の模倣品に書き込んでも、当該第1の認証キーが格納されている真正のバッテリ250が既にステーション300に返却されている場合には新たな認証キーに更新されているので、模倣品は認証に成功しない。よって、当該模倣品は管理装置450及び車両150の何れにも適用させることができない。これにより、ユーザ60が、意図せずステーション300から模倣品を借りてしまうことも防止でき、純正品のバッテリ250だと思い込んで模倣品を借りてしまって例えば馬力が低い走行や激しい電池消耗などに不満を感じるようなことも防止できる。
また、上記の構成によれば、管理装置450及び車両150の何れも、収容したバッテリ250との間で認証キーの相互認証ができなければ、バッテリ250に対する情報の書込み処理及び読出し処理の何れも行わないので、模倣品を介して情報が不正に流出するようなことも防止できる。
図25は第6実施形態による管理システム21の概略図である。管理システム21において、第5実施形態の管理システム19と同じ構成には同じ番号を付して説明を省略する。図25に示される通り、管理システム21において、車両160、バッテリ250および管理装置460は通信ネットワーク40を介して相互に通信する。
図26は車両160のブロック図である。車両160は消去部129を有しない点、および、通信部162が管理装置460と通信する点が異なる。その他、第5実施形態の車両150と同じ構成については説明を省略する。
図27は管理装置460のブロック図である。管理装置460は通信部463が車両160とも通信し、消去部465が車両160に認証キーの消去の指示をする点が異なる。その他、第5実施形態の管理装置450と同じ構成については説明を省略する。
図28は第6実施形態の管理システム21の動作のフロー図である。図28は、図24の動作におけるステップS123以降の動作のフローを示す。図24のステップS123の照合で相互認証できなかった場合に(S225:No)、車両160は認証エラーを表示部131に表示して(S227)、フローを終了する。
相互認証できた場合には(S225:YES)、車両160は当該バッテリ250から新たな第3の認証キーを読み出して格納する(S129)。さらに車両160は相互認証が成功したことを示す認証通知を管理装置460に送信する(S231)。
管理装置460は、認証通知を受信した場合にバッテリ250へ古い第1の認証キーを消去する消去信号を送る(S233)。バッテリ250はステーション300を介して消去信号を受信すると、古い第1の認証キーを消去する(S235)。
同様に、管理装置460は、認証通知を受信した場合に車両160へ古い第3の認証キーを消去する消去信号を送る(S237)。車両160は消去信号を受信すると、古い第3の認証キーを消去する(S239)。以上で当該フローは終了する。以上、図28のフローは管理装置460などの各装置が動作している間は繰り返し実行される。
本実施形態でも第5実施形態と同様の効果を奏する。さらに、車両160に消去部を設けなくても、車両160およびバッテリ250の古い認証キーを消去することができる。
図29は、第7実施形態の管理装置470のブロック図である。管理装置470は消去部445を有しない点、および、通信部473が車両170と通信する点が第5実施形態の管理装置450と異なる。その他、第5実施形態の管理装置450を同じ構成については説明を省略する。
車両170は管理装置450と通信する点、および、消去部129に認証キーを消去する消去信号を送信する点が第5実施形態の車両150と異なる。その他は第5実施形態の車両150と同じなのでブロック図および説明を省略する。
図30は第7実施形態の動作のフロー図である。図30は、図24の動作におけるステップS113以降の動作のフローを示す。まず、ステップS315において管理装置470は新たな第2の認証キーを格納する。ただし、管理装置470は消去部を有さないので、古い認証キーも残っている。以降、ステップS317からS335までは、図24のステップS117からS135と同じなので説明を省略する。
車両170はステップS325で相互認証できたことを条件に、管理装置470に消去信号を送って(S337)、管理装置470に記録されている古い第2の認証キーを消去する(S339)。以上で当該フローは終了する。以上、図30のフローは管理装置470などの各装置が動作している間は繰り返し実行される。
本実施形態でも第5実施形態と同様の効果を奏する。さらに車両170でバッテリ250との認証が成功してから管理装置470の古い認証キーが消去される。よって、正規のバッテリ250であるにも関わらず何らかの事情で車両170とバッテリ250との認証が成功しなかった場合に、改めて古い認証キーでステップS107から動作をやり直すことができる。
以上、第5実施形態では管理装置及び車両が消去部を有し、第6実施形態では管理装置のみが消去部を有し、第7実施形態では車両のみが消失部を有する。これに代えて、バッテリのみが消去部を有してもよい。
この場合に、バッテリに照合部を設けて、車両から第3の認証キーを読み出して自身の第1の認証キーと照合してもよい。照合部が認証に成功した場合に車両に新たな第3の認証を送信するとともに、バッテリの消失部が車両の古い第2の認証キーを消失させる。
さらに、バッテリに照合部が管理装置から第2の認証キーを読み出して自身の第1の認証キーと照合してもよい。照合部が認証に成功した場合に、バッテリの消失部が管理装置の古い第2の認証キーを消失させる。
なお、認証が成功しない場合にバッテリの情報の読み書きの処理を不可能にすることは、他の実施形態と同様である。
なお、管理装置、バッテリ及び車両のそれぞれが消去部を有してもよい。また、何れも消去部を有さず、新しい認証キーが、何らかのトリガにより古い認証キーを消去するようプログラムされていてもよい。
以上の第5から第7実施形態では、認証キーは互いに照合して認証ができるものであれば、特に限られない。例えば、認証キーは互いに少なくとも一部が同一の文字列、数列またはその組み合わせであって、同一部分が一致することをもって認証が成功したと判断する。認証キーが互いに異なる数列であって、各位の数値を足し合わせるなど、特定の演算を行った場合に既知の解が導かれることをもって認証が成功したと判断してもよい。
以上の第5から第7実施形態において、管理装置は、バッテリが返却される度に生成した管理装置用の認証キーを、貸し出したバッテリの数だけ、バッテリが返却されるまで格納しておく。これに代えて、管理装置は、バッテリが返却される度にバッテリ及び車両用の認証キーのみを生成し、生成した全ての認証キーに対して共通のハッシュ値を保有しておき、バッテリが返却されたときは、認証キーの相互認証を行わずに、バッテリから取得したバッテリ及び車両用の認証キーと当該ハッシュ値を用いて、純正なバッテリ及び車両であることを判断してもよい。
以上の第5から第7実施形態では、ステーションにバッテリが返却されると、管理装置が、管理装置、バッテリ及び車両のそれぞれに固有の、相互に認証可能な認証キーを毎回新たに生成するので、ユーザは、バッテリを借りたステーションと同じステーションに返却することを前提としている。しかしながら、一の管理装置が生成した新たな認証キーを他の複数の管理装置に配信して、異なるステーションに配された複数の管理装置間で当該新たな認証キーを共有することによって、ユーザが、バッテリを借りたステーションと異なるステーションに返却しても、当該バッテリと当該異なるステーションの管理装置との間での認証キーの相互認証を可能にしてもよい。また、管理システムが追加的に、複数の管理装置から新たに生成された認証キーを受信して一元管理するサーバを備え、ユーザが、バッテリを借りたステーションと異なるステーションに返却すると、当該異なるステーションの管理装置がサーバに問い合わせて新たな認証キーを取得することで、ユーザが返却した当該バッテリと当該異なるステーションの管理装置との間での認証キーの相互認証を可能にしてもよい。
以上の第5から第7実施形態では、ステーションにバッテリが返却されると、管理装置が、管理装置、バッテリ及び車両のそれぞれに固有の、相互に認証可能な認証キーを毎回新たに生成するが、これに代えて、予め定められた日時、例えば1月1日の0時を経過した後から翌年の1月1日の0時を経過する前までの間に、ステーションにバッテリが返却される度、管理装置は、管理装置、バッテリ及び車両に共通の1つの認証キーを繰り返し生成し、翌年の1月1日の0時を経過したら、管理装置、バッテリ及び車両に共通の、新たな1つの認証キーに変更して、昨年同様、ステーションにバッテリが返却される度、当該新たな1つの認証キーを繰り返し生成してもよい。
また、以上の第5から第7実施形態では、バッテリが返却された場合に当該バッテリの認証キーを更新するようにしてもよい。また、以上の第5から第7実施形態では、バッテリの貸し出し時に認証キーを毎回更新することに代えて、予め定められたタイミングで認証キーを更新してもよい。予め定められたタイミングの一例は、一定期間ごと、当該認証キーで認証された回数等が挙げられる。
以上の第5から第7実施形態では、新たな車両が導入される場合にはバッテリが返却される段階は無く、バッテリを貸し出すことになる。よって、車両にバッテリが装着される初回時には、管理会社が車両を制御して、車両では照合処理を行わずに車両にバッテリから新たな第3の認証キーを読み出して格納させることが好ましい。また、図24のステップS109等で認証が成功しなかった場合であって、新たなバッテリを貸し出すときには、同様の制御を行ってもよい。
図31は、変形例としてのステーション1000の模式図である。図31に示されるステーション1000は、図1に示されるステーション300と異なる点として、2つの収容棚が横並びで設けられ、各収容棚は、収容しているバッテリ200をステーション1000の内部で移動可能な状態で保持し、収容棚間には搬送路が設けられ、各収容棚に収容しているバッテリ200を、搬送路を介して移動することができる。
また、各収容棚には、INと示されるバッテリ200の返却口が1か所配され、OUTと示される貸し出しバッテリ200の排出口が1か所配され、ユーザ60は、収容棚内に収容されているバッテリ200を外部から視認できない。
更に、当該変形例では、各収容棚の上部にディスプレイが配され、紙面に向かって左側の収容棚のディスプレイには「ラベルが赤のバッテリはこちらに返却して下さい」と表示され、右側の収容棚のディスプレイには「ラベルが青のバッテリはこちらに返却して下さい」と表示され、紙面に向かって左側の収容棚は、例えば劣化等級1〜3のバッテリ200専用で、右側の収容棚は、例えば劣化等級4〜5のバッテリ200専用である。このように、ステーション1000においては、劣化等級および劣化表示に応じてバッテリ200の収容棚が異なっている。
以上の第1実施形態から第7実施形態において、ステーションは、電力会社の変電所から供給される電力を、ストックしているバッテリに供給するが、追加的に、ステーションには、太陽光などの自然エネルギーから発電する発電装置が設けられ、発電装置で生成された電力をストックしているバッテリに充電してもよい。また、ステーションには、バッファとしての緊急用バッテリが設けられていてもよい。緊急用バッテリは、例えば、劣化度が高くて貸し出し用バッテリとして用いることができない古いバッテリであってもよい。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図32は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されうるコンピュータ1200の例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該装置の1又は複数の「部」として機能させ、又は当該オペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。このようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、グラフィックコントローラ1216、及びディスプレイデバイス1218を含み、これらはホストコントローラ1210によって相互に接続される。コンピュータ1200はまた、通信インターフェース1222、ハードディスクドライブ1224、DVD−ROMドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、これらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続される。コンピュータはまた、ROM1230及びキーボード1242のようなレガシの入出力ユニットを含み、これらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続される。
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、これにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又は当該グラフィックコントローラ1216自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示させる。
通信インターフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD−ROMドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD−ROM1201から読み取り、ハードディスクドライブ1224にRAM1214を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
ROM1230は、内部に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM1201又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるハードディスクドライブ1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、ハードディスクドライブ1224、DVD−ROM1201、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
また、CPU1212は、ハードディスクドライブ1224、DVD−ROMドライブ1226(DVD−ROM1201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような、様々なタイプの情報が、情報処理されるべく、記録媒体に格納されてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、これにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
以上の説明によるプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、これにより、プログラムをコンピュータ1200にネットワークを介して提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。また、各構成要素は、名称が同一で、参照符号が異なる他の構成要素と同様の特徴を有してもよい。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。