JPWO2019175984A1 - 故障度算出装置及び故障度算出システム - Google Patents

故障度算出装置及び故障度算出システム Download PDF

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Abstract

故障度算出装置(2)は、複数の集合体の各々が複数の部品を含む場合において、複数の集合体のうちの少なくともひとつの集合体についての物理量をもとに、複数の集合体の各々について、故障する確率を示す集合体故障度を算出する集合体故障度算出部(21)を有する。故障度算出装置(2)は、複数の集合体のうち特定の集合体に含まれる複数の部品の各々について、他の部品との接続状態を示す接続データと集合体故障度とをもとに、故障する確率を示す部品故障度を算出する部品故障度算出部(22)を更に有する。

Description

本発明は、集合体に含まれる複数の部品の各々について、故障する確率を示す部品故障度を算出する故障度算出装置及び故障度算出システムに関する。
従来、摩耗又は経年劣化により機械装置に比較的重度の損傷が生じる前に故障の予兆を検出し、機械装置を構成する物の交換又は修理を行う必要があることを機械装置の管理者に知らせる予防保全技術が注目されている。例えば、機械装置を構成する物の物理量をセンサで検出して検出結果をもとに当該物に異常が生じているか否かを判定し、異常が生じている場合に異常が生じていることを報知する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。シミュレーションを行って故障が生じているか否かを判定する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−258974号公報 特開平9−330120号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、センサが取り付けられている部品についてしか異常が生じているか否かを判定することはできない。機械装置の構成は比較的複雑であって、機械装置を構成するすべての部品にセンサを取り付けることは困難である。
特許文献2の技術では、シミュレーションでモデル化された集合体についてしか異常が生じているか否かを判定することはできない。集合体は複数の部品を含み、機械装置は複数の集合体によって構成されている。特許文献2の技術では、異常が生じている集合体を特定することはできるが、当該集合体に含まれる複数の部品のうちのいずれの部品に異常が生じているのかを判定することはできない。集合体に含まれる複数の部品について、故障する確率を示す部品故障度を算出する装置が提供されることが要求されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、集合体に含まれる複数の部品について、故障する確率を示す部品故障度を算出する故障度算出装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の集合体の各々が複数の部品を含む場合において、前記複数の集合体のうちの少なくともひとつの集合体についての物理量をもとに、前記複数の集合体の各々について、故障する確率を示す集合体故障度を算出する集合体故障度算出部を有する。本発明は、前記複数の集合体のうち特定の集合体に含まれる複数の部品の各々について、他の部品との接続状態を示す接続データと前記集合体故障度とをもとに、故障する確率を示す部品故障度を算出する部品故障度算出部を更に有する。
本発明にかかる故障度算出装置は、集合体に含まれる複数の部品について、故障する確率を示す部品故障度を算出することができるという効果を奏する。
実施の形態にかかる故障度算出システムの構成を示す図 実施の形態における複数の集合体及び複数の部品の構成を示す図 実施の形態における記憶装置が記憶する接続データを示す図 実施の形態にかかる故障度算出装置が有する集合体故障度算出部の機能の例を説明するための第1図 実施の形態にかかる故障度算出装置が有する集合体故障度算出部の機能の例を説明するための第2図 実施の形態における複数の集合体の各々の集合体故障度を示す図 実施の形態にかかる故障度算出装置が有する部品故障度算出部によって算出された複数の部品の各々の部品故障度を示す図 実施の形態にかかる故障度算出システムが有する表示装置によって表示される複数の部品の各々の部品故障度のリストを示す図 実施の形態にかかる故障度算出システムが有する表示装置によって複数の集合体が立体的に表示され、かつ、複数の集合体のいずれかに含まれる複数の部品の各々が部品故障度に対応した色を用いて動画で表示される状況を示す図 実施の形態にかかる故障度算出装置が有する集合体故障度算出部、部品故障度算出部及び制御部の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合のプロセッサを示す図 実施の形態にかかる故障度算出装置が有する集合体故障度算出部、部品故障度算出部及び制御部を構成する少なくとも一部の構成要素が処理回路によって実現される場合の処理回路を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる故障度算出装置及び故障度算出システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、実施の形態にかかる故障度算出システム1の構成を示す図である。実施の形態では、複数の集合体の各々が複数の部品を含むことを想定する。複数の集合体の例は、機械装置を構成する複数の構成要素である。複数の集合体の各々は、立体物である。図1には、集合体30と、集合体30の物理量を測定する測定装置40とが示されている。集合体30は、複数の集合体のうちのひとつの集合体の例である。
例えばモータ制御システムのシミュレーションを行う場合の集合体の例としては、一般的にモータ部品として挙げられるステータ、ロータ、ブラケット、ファン、端子台、等を少なくとも一つの部品を含む集合体であり、集合体を形成するその他の部品としては、上記主要なモータ部品の他に、ネジやOリングといった接続部品等が挙げられる。物理量の例は、加速度、温度、熱量、変位、圧力、音波又は電磁気が挙げられる。例えば、物理量は、測定装置40によって測定可能な現象あるいは特性であれば良い。
故障度算出システム1は、複数の集合体のいずれかに含まれる複数の部品の各々について、故障する確率を示す部品故障度を算出する故障度算出装置2と、故障度算出装置2によって算出された複数の部品の各々の部品故障度を表示する表示装置3とを有する。表示装置3の例は、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。
図1には、複数の集合体のいずれかに含まれる複数の部品の各々について、他の部品との接続状態を示す接続データを記憶する記憶装置50も示されている。具体的には、記憶装置50は、複数の集合体のいずれかに含まれる複数の部品の各々について、部品が含まれている集合体と、当該部品に接続されている部品とを示す接続データを記憶している。すなわち、接続データとは、例えばある部品が機械的にどの部品に接続されているかといった情報である。記憶装置50の例は、半導体メモリを有する装置である。接続データについては、後に図3を用いて更に説明する。
図2は、実施の形態における複数の集合体及び複数の部品の構成を示す図である。実施の形態では、第1の集合体30Xと、第2の集合体30Yと、第3の集合体30Zとが存在する。第1の集合体30X、第2の集合体30Y及び第3の集合体30Zは、複数の集合体の例である。
第1の集合体30Xは、部品A及び部品Dを有する。部品A及び部品Dは、ひとつの集合体に含まれる複数の部品の例である。第2の集合体30Yは、部品B及び部品Fを有する。部品B及び部品Fも、ひとつの集合体に含まれる複数の部品の例である。第3の集合体30Zは、部品C、部品E及び部品Gを有する。部品C、部品E及び部品Gも、ひとつの集合体に含まれる複数の部品の例である。
図2では、同じ集合体に含まれている2個の部品の接続は、ひとつの線で示されている。互いに異なる2個の集合体の一方の集合体に含まれている部品と他方の集合体に含まれている部品との接続は、二重線で示されている。
図2の例では、第1の集合体30Xに含まれている部品Aは、第1の集合体30Xに含まれている部品Dと、第2の集合体30Yに含まれている部品Bとに接続されている。第1の集合体30Xに含まれている部品Dは、第1の集合体30Xに含まれている部品Aに接続されている。
第2の集合体30Yに含まれている部品Bは、第1の集合体30Xに含まれている部品Aと、第2の集合体30Yに含まれている部品Fとに接続されている。第2の集合体30Yに含まれている部品Fは、第2の集合体30Yに含まれている部品Bと、第3の集合体30Zに含まれている部品Cとに接続されている。
第3の集合体30Zに含まれている部品Cは、第2の集合体30Yに含まれている部品Fと、第3の集合体30Zに含まれている部品Eとに接続されている。第3の集合体30Zに含まれている部品Eは、第3の集合体30Zに含まれている部品C及び部品Gに接続されている。第3の集合体30Zに含まれている部品Gは、第3の集合体30Zに含まれている部品Eに接続されている。
図3は、実施の形態における記憶装置50が記憶する接続データを示す図である。実施の形態では、複数の集合体及び複数の部品と、複数の部品の各々の接続についての状態とは、図2に示される通りである。そのため、記憶装置50は、図3に示される表を構成する接続データを記憶する。つまり、記憶装置50は、部品Aについて、部品Aが第1の集合体30Xに含まれていることと、部品Aが部品D及び部品Bに接続されていることとを示す情報を含む接続データを記憶する。接続データは、部品B、部品C、部品D、部品E、部品F及び部品Gの各々についても、図2を用いて説明した状況を示す情報を含む。
故障度算出装置2は、複数の集合体のうちの少なくともひとつの集合体についての物理量をもとに、複数の集合体の各々について、故障する確率を示す集合体故障度を算出する集合体故障度算出部21を有する。図4は、実施の形態にかかる故障度算出装置2が有する集合体故障度算出部21の機能の例を説明するための第1図である。具体的には、図4は、加速度センサによって測定された第1の集合体30Xの加速度が時間の経過と共に変化するデータの例を示す図である。加速度センサは、測定装置40の例である。
集合体故障度算出部21は、図4に示されるデータについて高速フーリエ変換を行う。図5は、実施の形態にかかる故障度算出装置2が有する集合体故障度算出部21の機能の例を説明するための第2図である。具体的には、図5は、集合体故障度算出部21が図4に示されるデータについて高速フーリエ変換を行った結果の例を実線で示している。すなわち、図5は、集合体故障度算出部21が図4に示されるデータについて高速フーリエ変換を行った場合の各周波数における振幅の例を示している。図5は、第1の集合体30Xがあらかじめ決められた正常である場合に加速度センサによって測定された第1の集合体30Xの加速度のデータについて高速フーリエ変換を行った結果を破線で示している。
図5は、あらかじめ決められた特定の周波数pにおいて、実線で示される加速度が「s1」であって、破線で示される加速度が「s0」であることを示している。集合体故障度算出部21は、下記の式(1)にしたがって、第1の集合体30Xの集合体故障度Rを算出する。
Figure 2019175984
集合体故障度算出部21は、以下の通りに第1の集合体30Xの集合体故障度を算出してもよい。温度計が第1の集合体30Xの温度を測定し、測定された温度が「t1」であって、あらかじめ決められた正常である場合の第1の集合体30Xの温度が「t0」であることを想定する。この場合、集合体故障度算出部21は、下記の式(2)にしたがって、第1の集合体30Xの集合体故障度Rを算出してもよい。温度計は、測定装置40の例である。
Figure 2019175984
熱センサが第1の集合体30Xの熱量を測定し、測定された熱量が「v1」であって、あらかじめ決められた正常である場合の第1の集合体30Xの熱量が「v0」であることを想定する。この場合、集合体故障度算出部21は、下記の式(3)にしたがって、第1の集合体30Xの集合体故障度Rを算出してもよい。熱センサは、測定装置40の例である。
Figure 2019175984
上述の例のように、集合体故障度算出部21は、第1の集合体30Xについての物理量をもとに、第1の集合体30Xの集合体故障度を算出する。同様に、集合体故障度算出部21は、第2の集合体30Y及び第3の集合体30Zの各々の集合体故障度を算出する。又は、集合体故障度算出部21は、第1の集合体30X、第2の集合体30Y及び第3の集合体30Zのいずれかひとつの集合体についての物理量と、複数の集合体の各々の他の集合体との関連をもとにあらかじめ決められた規則とをもとに、第1の集合体30X、第2の集合体30Y及び第3の集合体30Zの各々の集合体故障度を算出する。
以下の説明の便宜上、第1の集合体30Xの集合体故障度が「20」であり、第2の集合体30Yの集合体故障度が「70」であって、第3の集合体30Zの集合体故障度が「40」であることを想定する。図6は、実施の形態における複数の集合体の各々の集合体故障度を示す図である。
故障度算出装置2は、複数の集合体のいずれかに含まれる複数の部品の各々について、他の部品との接続状態を示す接続データと、集合体故障度算出部21によって算出された複数の集合体の各々の集合体故障度とをもとに、故障する確率を示す部品故障度を算出する部品故障度算出部22を更に有する。接続データは、図3を用いて説明した通り、記憶装置50に記憶されている。
ここで、部品故障度は、故障する確率を示す値であれば良く、例えば、相対的にいずれの部品が故障する可能性が高いかを示す指標であれば良い。あるいは、劣化度合いを示す値を用いても良い。集合体故障度も同様である。
具体的には、部品故障度算出部22は、各部品の部品故障度を下記の式(4)にしたがって算出する。
Figure 2019175984
式(4)において、「Ex」は、部品故障度算出部22が算出しようとする部品の部品故障度である。部品故障度算出部22が部品故障度を算出しようとする部品は、特定の部品の例である。「Ex1」は、部品故障度算出部22が部品故障度を算出しようとする部品が含まれている集合体の集合体故障度である。「Ey1」は、部品故障度算出部22が部品故障度を算出しようとする部品に接続されている部品が含まれている集合体の集合体故障度である。集合体故障度は、集合体故障度算出部21によって算出された値である。「Nall」は、部品故障度算出部22が部品故障度を算出しようとする部品に接続されている部品の個数である。つまり、部品故障度算出部22は、特定の部品に接続されている部品の個数をもとに、特定の部品の部品故障度を算出する。
すなわち、部品故障度算出部22は、特定の部品の部品故障度を算出する場合、まず、特定の部品が含まれている集合体の集合体故障度に、特定の部品に接続されている部品が含まれている集合体の集合体故障度の和を加えて特定の部品に関連する第1の集合体故障度総和を算出する。部品故障度算出部22は、第1の集合体故障度総和を、1に特定の部品に接続されている部品の個数を加えた値で割ることによって、特定の部品の部品故障度を算出する。
例えば、部品Aの部品故障度は、下記の通りに算出される。部品Aは第1の集合体30Xに含まれており、第1の集合体30Xの集合体故障度は「20」である。部品Aは部品Bに接続されており、部品Bは第2の集合体30Yに含まれていて、第2の集合体30Yの集合体故障度は「70」である。部品Aは部品Dにも接続されており、部品Dは第1の集合体30Xに含まれていて、第1の集合体30Xの集合体故障度は「20」である。部品Aに接続されている部品の個数は、2個である。したがって、部品故障度算出部22は、部品Aの部品故障度を、下記の式(5)の通りに算出する。すなわち、部品故障度算出部22は、部品Aの部品故障度Exが「36.7」であると算出する。
Figure 2019175984
例えば、部品Bの部品故障度は、下記の通りに算出される。部品Bは第2の集合体30Yに含まれており、第2の集合体30Yの集合体故障度は「70」である。部品Bは部品Aに接続されており、部品Aは第1の集合体30Xに含まれていて、第1の集合体30Xの集合体故障度は「20」である。部品Bは部品Fにも接続されており、部品Fは第2の集合体30Yに含まれていて、第2の集合体30Yの集合体故障度は「70」である。部品Bに接続されている部品の個数は、2個である。したがって、部品故障度算出部22は、部品Bの部品故障度を、下記の式(6)の通りに算出する。すなわち、部品故障度算出部22は、部品Bの部品故障度Exが「53.3」であると算出する。
Figure 2019175984
上述の通り、部品故障度算出部22は、各部品に接続される部品の個数を接続データとして用い、各部品の部品故障度を上記の式(4)にしたがって算出する。図7は、実施の形態にかかる故障度算出装置2が有する部品故障度算出部22によって算出された複数の部品の各々の部品故障度を示す図である。
故障度算出装置2は、部品故障度算出部22によって算出された複数の部品の各々の部品故障度を示す情報を表示装置3に出力して当該部品故障度を表示装置3に表示させる制御部23を更に有する。すなわち、表示装置3は、故障度算出装置2の部品故障度算出部22によって算出された複数の部品の各々の部品故障度を表示する。
図8は、実施の形態にかかる故障度算出システム1が有する表示装置3によって表示される複数の部品の各々の部品故障度のリストを示す図である。例えば、表示装置3は、図8に示す通り、複数の部品の各々の部品故障度をリストにして表示する。
図9は、実施の形態にかかる故障度算出システム1が有する表示装置3によって複数の集合体が立体的に表示され、かつ、複数の集合体のいずれかに含まれる複数の部品の各々が部品故障度に対応した色を用いて動画で表示される状況を示す図である。図9は、部品Aが緑色で表示され、部品Bが橙色で表示され、部品Cが黄色で表示され、部品Dが青色で表示され、部品Eが黄緑色で表示され、部品Fが赤色で表示され、部品Gが黄緑色で表示されることを示している。例えば、表示装置3は、図9に示す通り、相対的に部品故障度が高い部品については赤色に近い色で表示し、相対的に部品故障度が低い部品については青色に近い色で表示する。実際には、図9の括弧と当該括弧のなかの文字とは表示されない。
例えば、表示装置3は、図9に示す通り、部品故障度が30未満である部品については青色で表示し、部品故障度が30以上40未満である部品については緑色で表示し、部品故障度が40以上50未満である部品については黄緑色で表示し、部品故障度が50以上53未満である部品については黄色で表示し、部品故障度が53以上60未満である部品については橙色で表示し、部品故障度が60以上である部品については赤色で表示する。
上述の通り、故障度算出装置2は、複数の集合体のいずれかに含まれる複数の部品の各々について、接続データと、複数の集合体の各々の集合体故障度とをもとに、故障する確率を示す部品故障度を算出する。すなわち、故障度算出装置2は、集合体に含まれる複数の部品について、故障する確率を示す部品故障度を算出することができる。更に言うと、故障度算出装置2は、ひとつの集合体に含まれる複数の部品のうちの相対的に部品故障度が高い部品と、相対的に部品故障度が低い部品とを特定することができる。
具体的には、従来の技術では、第1の集合体30Xと、第2の集合体30Yと、第3の集合体30Zとのうちでは、図6に示す通り、集合体故障度がもっと高い第2の集合体30Yが故障する確率が最も高いことが特定される。しかしながら、従来の技術では、第2の集合体30Yに含まれる部品Bと部品Fとのうちのいずれの方が故障する確率が高いのかということを特定することはできない。
しかしながら、故障度算出装置2は、複数の集合体のいずれかに含まれる複数の部品の各々の部品故障度を算出する。つまり、故障度算出装置2は、第2の集合体30Yに含まれる部品Bと部品Fとの各々の部品故障度を算出するので、部品Bと部品Fとのうちのいずれの方が故障する確率が高いのかということを特定することができる。
表示装置3は、故障度算出装置2の部品故障度算出部22によって算出された複数の部品の各々の部品故障度を表示する。更に言うと、表示装置3は、ひとつの集合体に含まれる複数の部品のうちの相対的に部品故障度が高い部品と、相対的に部品故障度が低い部品とを故障度算出システム1の管理者に知らせることができる。管理者は、表示装置3によって表示された部品故障度をもとに、交換又は修理を行うことが必要な部品を知ることができ、当該部品を交換又は修理することによって機械装置が突然故障することを未然に防止することができる。
上述の通り、表示装置3は、図8に示す通り、複数の部品の各々の部品故障度のリストを表示することができる。表示装置3が複数の部品の各々の部品故障度のリストを表示する場合、故障度算出システム1の管理者は、交換又は修理を行うことが必要な部品を、数値をもとに把握することができる。
表示装置3は、図9に示す通り、複数の集合体を立体的に表示し、かつ、複数の部品の各々を部品故障度に対応した色を用いて動画で表示することができる。表示装置3が複数の集合体を立体的に表示し、かつ、複数の部品の各々を部品故障度に対応した色を用いて動画で表示する場合、故障度算出システム1の管理者は、色に着目することにより、時間の経過によって変化する交換又は修理を行うことが必要な部品を視覚を通じて知ることができる。
なお、部品故障度算出部22は、式(4)ではなく下記の式(7)にしたがって各部品の部品故障度を算出してもよい。
Figure 2019175984
式(7)において、「w1」は、部品故障度算出部22が部品故障度を算出しようとする部品についての特定の量を示している。「w2」は、部品故障度算出部22が部品故障度を算出しようとする部品に接続されている部品についての特定の量を示している。「w3」は、部品故障度算出部22が部品故障度を算出しようとする部品についての特定の量と、部品故障度算出部22が部品故障度を算出しようとする部品に接続されている部品についての特定の量との平均を示している。特定の量は、物理量又は物理的特性である。物理量又は物理的特性の例は、質量、剛性、慣性モーメント又は体積である。
つまり、部品故障度算出部22は、上記の式(7)にしたがって特定の部品の部品故障度を算出する場合、まず、特定の部品が含まれている集合体の集合体故障度に特定の部品についての特定の量を掛けて得られた値に、下記の集合体故障度部分和を加えて特定の部品に関連する第2の集合体故障度総和を算出する。集合体故障度部分和は、特定の部品に接続されている部品が含まれている集合体の集合体故障度に当該部品についての特定の量を掛けて特定値を得て、特定の部品に接続されているすべての部品の特定値を加算することによって得られる値である。
次に、部品故障度算出部22は、特定の部品についての特定の量に、特定の部品に接続されているすべての部品の各々についての特定の量を加えることによって得られた特定の量の総和を、1に特定の部品に接続されている部品の個数を加えた値で割って、特定の部品と特定の部品に接続されている部品とについての特定の量の平均を算出する。部品故障度算出部22は、第2の集合体故障度総和を、1に特定の部品に接続されている部品の個数を加えた値に当該平均を掛けることによって得られる値で割ることによって、特定の部品の部品故障度を算出する。
すなわち、部品故障度算出部22は、特定の部品と特定の部品に接続されている部品との各々についての特定の量をもとに、特定の部品の部品故障度を算出してもよい。部品故障度算出部22が上記の式(7)にしたがって各部品の部品故障度を算出することにより、故障度算出装置2は、各部品についての特定の量を考慮した部品故障度を算出することができる。
上述した実施の形態では、部品故障度算出部22は、複数の集合体のいずれかに含まれる複数の部品の各々の部品故障度を算出する。しかしながら、部品故障度算出部22は、複数の集合体のうちの特定の集合体に含まれる複数の部品の部品故障度のみを算出してもよい。特定の集合体に含まれる複数の部品の各々は、特定の部品の例である。例えば、特定の集合体が第2の集合体30Yである場合、部品故障度算出部22は、部品B及び部品Fの部品故障度のみを算出してもよい。部品B及び部品Fは、特定の部品の例である。
図3に示す通り、接続データは、特定の集合体に含まれる複数の部品の各々について、特定の集合体に含まれる他の部品との接続状態と、複数の集合体のうちの特定の集合体以外の集合体に含まれる部品との接続状態とを示している。部品故障度算出部22は、特定の集合体に含まれる特定の部品の部品故障度を算出する場合、接続データが示す特定の部品に接続されている部品との接続状態をもとに特定の部品の部品故障度を算出する。
部品故障度算出部22が特定の集合体に含まれる複数の部品の部品故障度のみを算出する場合、制御部23は、特定の集合体に含まれる複数の部品の各々の部品故障度を示す情報を表示装置3に出力して当該部品故障度を表示装置3に表示させる。表示装置3は、特定の集合体に含まれる複数の部品の各々の部品故障度を表示する。例えば、表示装置3は、特定の集合体に含まれる複数の部品の各々の部品故障度をリストにして表示する。例えば、表示装置3は、特定の集合体を立体的に表示すると共に、特定の集合体に含まれる複数の部品の各々を部品故障度に対応した色を用いて例えば動画で表示する。
図10は、実施の形態にかかる故障度算出装置2が有する集合体故障度算出部21、部品故障度算出部22及び制御部23の少なくとも一部の機能がプロセッサ61によって実現される場合のプロセッサ61を示す図である。つまり、集合体故障度算出部21、部品故障度算出部22及び制御部23の少なくとも一部の機能は、メモリ62に格納されるプログラムを実行するプロセッサ61によって実現されてもよい。
プロセッサ61は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。図10には、メモリ62も示されている。
集合体故障度算出部21、部品故障度算出部22及び制御部23の少なくとも一部の機能がプロセッサ61によって実現される場合、当該一部の機能は、プロセッサ61と、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェア及びファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ62に格納される。
プロセッサ61は、メモリ62に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、集合体故障度算出部21、部品故障度算出部22及び制御部23の少なくとも一部の機能を実現する。
すなわち、集合体故障度算出部21、部品故障度算出部22及び制御部23の少なくとも一部の機能がプロセッサ61によって実現される場合、故障度算出装置2は、集合体故障度算出部21、部品故障度算出部22及び制御部23の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ62を有する。
メモリ62に格納されるプログラムは、集合体故障度算出部21、部品故障度算出部22及び制御部23の少なくとも一部が実行する手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
メモリ62は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)等である。
図11は、実施の形態にかかる故障度算出装置2が有する集合体故障度算出部21、部品故障度算出部22及び制御部23を構成する少なくとも一部の構成要素が処理回路63によって実現される場合の処理回路63を示す図である。つまり、集合体故障度算出部21、部品故障度算出部22及び制御部23の機能の少なくとも一部は、処理回路63によって実現されてもよい。
処理回路63は、専用のハードウェアである。処理回路63は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。集合体故障度算出部21、部品故障度算出部22及び制御部23の一部は、残部とは別個の専用のハードウェアであってもよい。
集合体故障度算出部21、部品故障度算出部22及び制御部23の複数の機能について、当該複数の機能の一部がソフトウェア又はファームウェアで実現され、当該複数の機能の残部が専用のハードウェアで実現されてもよい。このように、集合体故障度算出部21、部品故障度算出部22及び制御部23の複数の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
特許文献2に開示される技術では、シミュレーションでモデル化された集合体についてしか異常判定することができない。すなわち、集合体を構成する部品レベルまでは異常を判定できない。特許文献2において、集合体を部品レベルまで詳細化したシミュレーションを行うと、シミュレーションのモデルが複雑化するため、大規模な計算を実施する必要があり、シミュレーション装置のスペックや計算時間が大幅に増大する。そのため、装置コストやシミュレーションコストも増大してしまう。さらに、装置が大型化するため、例えばモータ制御機器等には実装できない場合も生じる。
本実施の形態を用いれば、集合体をモデルとしたシミュレーションの結果を用いて、部品レベルの異常判定を実施することができるため、シミュレーション装置のスペックを上げる必要なく、高精度な異常判定を行うことが可能となるため、上述した問題を解決できる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。
1 故障度算出システム、2 故障度算出装置、21 集合体故障度算出部、22 部品故障度算出部、23 制御部、3 表示装置、30 集合体、30X 第1の集合体、30Y 第2の集合体、30Z 第3の集合体、40 測定装置、50 記憶装置、61 プロセッサ、62 メモリ、63 処理回路、A,B,C,D,E,F,G 部品、p 周波数。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の集合体の各々が複数の部品を含む場合において、前記複数の集合体のうちの少なくともひとつの集合体についての物理量をもとに、前記複数の集合体の各々について、故障する確率を示す集合体故障度を算出する集合体故障度算出部を有する。本発明は、前記複数の集合体のうち特定の集合体に含まれる特定の部品の各々について、前記特定の部品に接続されている部品を示す接続データと、前記特定の部品を含む前記特定の集合体の前記集合体故障度と、前記特定の部品に接続されている部品を含む集合体の前記集合体故障度とをもとに、前記特定の部品が故障する確率を示す部品故障度を算出する部品故障度算出部を更に有する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の集合体の各々が複数の部品を含む場合において、前記複数の集合体のうちの少なくともひとつの集合体についての物理量をもとに、前記複数の集合体の各々について、故障する確率を示す集合体故障度を算出する集合体故障度算出部を有する。本発明は、前記複数の集合体のうち特定の集合体に含まれる特定の部品の各々について、前記特定の部品が含まれている集合体および前記特定の部品に機械的に接続されている部品を示す接続データと、前記特定の部品を含む前記特定の集合体の前記集合体故障度と、前記特定の部品に接続されている部品を含む集合体の前記集合体故障度とをもとに、前記特定の部品が故障する確率を示す部品故障度を算出する部品故障度算出部を更に有する。

Claims (8)

  1. 複数の集合体の各々が複数の部品を含む場合において、前記複数の集合体のうちの少なくともひとつの集合体についての物理量をもとに、前記複数の集合体の各々について、故障する確率を示す集合体故障度を算出する集合体故障度算出部と、
    前記複数の集合体のうち特定の集合体に含まれる複数の部品の各々について、他の部品との接続状態を示す接続データと前記集合体故障度とをもとに、故障する確率を示す部品故障度を算出する部品故障度算出部と
    を備えることを特徴とする故障度算出装置。
  2. 前記部品故障度算出部は、前記特定の集合体に含まれる特定の部品の部品故障度を算出する場合、前記複数の集合体のうち前記接続データが示す前記特定の部品に接続されている部品を含む集合体の前記集合体故障度をもとに、前記特定の部品の部品故障度を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障度算出装置。
  3. 前記部品故障度算出部は、前記特定の部品に接続されている部品の個数をもとに、前記特定の部品の部品故障度を算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の故障度算出装置。
  4. 前記部品故障度算出部は、前記特定の部品と前記特定の部品に接続されている部品との各々についての物理量又は物理的特性をもとに、前記特定の部品の部品故障度を算出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の故障度算出装置。
  5. 前記部品故障度算出部によって算出された前記特定の集合体に含まれる複数の部品の各々の部品故障度を示す情報を表示装置に出力して前記部品故障度を前記表示装置に表示させる制御部を更に備える
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の故障度算出装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の故障度算出装置と、
    前記部品故障度算出部によって算出された前記特定の集合体に含まれる複数の部品の各々の部品故障度を表示する表示装置と
    を備えることを特徴とする故障度算出システム。
  7. 前記表示装置は、前記複数の部品の各々の部品故障度をリストにして表示する
    ことを特徴とする請求項6に記載の故障度算出システム。
  8. 前記特定の集合体は、立体物であって、
    前記表示装置は、前記特定の集合体を立体的に表示すると共に、前記複数の部品の各々を部品故障度に対応した色を用いて表示する
    ことを特徴とする請求項6に記載の故障度算出システム。
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