JPWO2019106850A1 - Sar画像解析システム、画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム - Google Patents

Sar画像解析システム、画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

本発明は、変位が非線形である対象や、標高が高い対象、変位が大きな対象について、大きな位相変化に影響されずに安定反射点らしさの評価指標を生成する画像処理装置に関する。本画像処理装置は、複数の画像に渡る各画素の位相配列を蓄積する位相配列蓄積部と、位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリング部と、複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出部と、を備える。

Description

本発明は、SAR画像解析システム、画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
上記技術分野において、特許文献1には、SAR(Synthetic Aperture Rader)画像解析システムの一例が記載されている。特許文献1のSAR画像解析システムでは、各安定反射点候補において観測された位相に対して、モデルの当て嵌めを行い、当て嵌めるモデルとして変位が時間に対して線形に起こるというモデルを仮定する。次に、モデル当て嵌めが、どの程度ずれているかを特定し、モデルに当てはまらない位相の変化が全て標高や変位、大気の状態に起因しないノイズによるものとし、誤差の少なかった点を安定反射点として特定する。最後に、安定反射点を入力として、それらの点上で変位と標高を特定する。以上により、ノイズの影響が少ない安定反射点と、各安定反射点における精密な変位・標高が出力される。
特表2003−500658号公報(国際特許公開WO00/72045)
しかしながら、上記文献に記載の技術では、変位が非線形である対象や、標高が高い対象、変位が大きな対象について、変位計測が上手くできないという問題がある。
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、
複数の画像に渡る各画素の位相配列を蓄積する位相配列蓄積手段と、
前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリング手段と、
前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出手段と、
を備える。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理方法は、
複数の画像に渡る各画素の位相配列を位相配列蓄積手段に蓄積する位相配列蓄積ステップと、
前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリングステップと、
前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出ステップと、
を含む。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理プログラムは、
複数の画像に渡る各画素の位相配列を位相配列蓄積手段に蓄積する位相配列蓄積ステップと、
前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリングステップと、
前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出ステップと、
をコンピュータに実行させる。
上記目的を達成するため、本発明に係るSAR画像解析システムは、
複数のSAR画像に基づいて安定反射点を特定するための画像処理装置と、
前記安定反射点のデータを用いてSAR画像を解析するSAR画像解析装置と、
を備えるSAR画像解析システムであって、
前記画像処理装置は、少なくとも、
前記複数のSAR画像に渡る各画素の位相配列を蓄積する位相配列蓄積手段と、
前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリング手段と、
前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出手段と、
を備える。
上記目的を達成するため、本発明に係るSAR画像解析方法は、
複数のSAR画像に基づいて安定反射点を特定するための画像処理ステップと、
前記安定反射点のデータを用いてSAR画像を解析するSAR画像解析ステップと、
を含むSAR画像解析方法であって、
前記画像処理ステップは、少なくとも、
前記複数のSAR画像に渡る各画素の位相配列を位相配列蓄積手段に蓄積する位相配列蓄積ステップと、
前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリングステップと、
前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出ステップと、
を含む。
本発明によれば、変位が非線形である対象や、標高が高い対象、変位が大きな対象について、大きな位相変化に影響されずに安定反射点らしさの評価指標を生成することができる。
本発明の第1実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る画像処理装置を含むSAR画像解析システムの概要を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る画像処理装置を含むSAR画像解析システムの機能構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る位相相関算出部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るSAR画像記憶部の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る位相配列蓄積部の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る安定反射点候補テーブルの構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るクラスタテーブルの構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る位相統計量テーブルの構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る位相相関テーブルの構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る安定反射点テーブルの構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る位相相関算出部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係るノイズ除去テーブルの構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る位相相関算出部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係る位相相関テーブルの構成を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る位相統計量テーブルの構成を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施形態に係る安定反射点候補テーブルの構成を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 前提技術のSAR画像解析システムの機能構成を示す図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素は単なる例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての画像処理装置100について、図1を用いて説明する。画像処理装置100は、複数の画像に渡る各画素の位相配列から安定反射点らしさの評価指標を生成する装置である。
図1に示すように、画像処理装置100は、位相配列蓄積部101と、クラスタリング部102と、位相相関算出部103と、を含む。位相配列蓄積部101は、複数の画像に渡る各画素の位相配列を蓄積する。クラスタリング部102は、位相配列に基づいて、各画素を複数のクラスタにクラスタリングする。位相相関算出部103は、複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と各画素における位相配列との相関を算出する。
本実施形態によれば、複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と各画素における位相配列との相関を算出するので、変位が非線形である対象や、標高が高い対象、変位が大きな対象について、大きな位相変化に影響されずに安定反射点らしさの評価指標を生成することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る画像処理装置について説明するが、本実施形態の画像処理装置の特徴を明瞭とするため、まず、前提技術として、SAR画像解析システムの一例を説明する。
《前提技術の説明》
図17は、特許文献1に記載されている、前提技術のSAR画像解析システム1700の機能構成を示す図である。
図17に示すように、SAR画像解析システム1700は、SAR画像記憶部1701と、位相特定部1702と、安定反射点候補特定部1703と、モデル当て嵌め部1704と、モデル誤差特定部1705と、安定反射点特定部1706と、変位・標高特定部1707と、から構成される。
このような構成を有するSAR画像解析システム1700はつぎのように動作する。まず、位相特定部1702は、同じ場所を異なる時期に撮影した複数のSAR画像をSAR画像記憶部1701から入力し、各々の画素における位相の変化を特定する。安定反射点候補特定部1703は、同じ場所を異なる時期に撮影した複数のSAR画像を入力とし、反射が安定している可能性の高い画素である、安定反射点候補を特定する。安定反射点候補としては、例えば、特許文献1では、同じ場所を異なる時期に撮影した複数のSAR画像を入力とし、複数のSAR画像にわたって反射の強度の変化が大きくないような点を、安定反射点候補として特定している。次に、モデル当て嵌め部1704は、安定反射点候補特定部で特定された安定反射点候補を入力とし、各安定反射点候補において観測された位相に対して、モデルの当て嵌めを行う。ここで、SAR画像上の位相は、標高や変位、大気の状態等に応じて変化をする量である。すなわち、当て嵌めるモデルは、撮影対象の標高・変位、大気の状態等が、SAR画像を撮影する時間によって、どのように変化するかを表すものである。特許文献1では、変位が時間に対して線形に起こるというモデルを仮定している。次に、モデル誤差特定部1705では、モデル当て嵌め部で行った当て嵌めが、どの程度ずれているかを特定する。特許文献1では、モデルに当てはまらない位相の変化が全て標高や変位、大気の状態に起因しないノイズによるものだと仮定し、モデルからの誤差の大きさはノイズの大きさを表すとしている。次に、安定反射点特定部1706は、モデル誤差特定部で特定された誤差を入力とし、誤差の少なかった点を安定反射点として特定する。最後に、変位・標高特定部1707は、前記の安定反射点を入力として、それらの点上で変位と標高を特定する。以上により、ノイズの影響が少ない安定反射点と、各安定反射点における精密な変位・標高が出力される。
(前提技術の課題)
しかしながら、このようなSAR画像解析システム1700では、変位が非線形である対象や、標高が高い対象、変位が大きな対象について、変位計測が上手くできないという問題がある。その第1の原因は、線形な変位のモデルからの誤差の大きさを元にして安定かどうかを評価しているために、非線形な変位をしている物が安定反射点ではないと識別されてしまうことにある。もう1つの原因は、位相の当て嵌め自体が計算的に困難だということにある。位相は円周上の位置のような量であり、例えば一周分の位相変化を起こしても、あるいは2周分の位相変化を起こしても、変化後に観測すると原点に戻ってきているために、位相変化が全くない場合との区別がつかない。このため、大きな変位がある場合や標高が高い場合等、位相の変化が大きくなる場合に、正しい位相変化が分からなくなり、モデルが上手く当て嵌められなくなる。
《本実施形態の説明》
上記課題を解決するために、本実施形態に係る画像処理装置は、同じ場所を異なる時期に撮影した複数のSAR画像を入力として画素の各々における位相配列を作成する。その位相配列を入力として、画素を位相が同期しているクラスタに分割する。そして、クラスタリング結果とSAR画像上の画素の各々における位相配列を入力として、クラスタ各々の代表的な位相変化と、SAR画像上の画素の各々における位相変化との相関を算出する。ここで、位相配列とは入力となるSAR画像のうち基準となる1枚に対して、その各々の画素上で作る配列であり、同じ場所を異なる時期に撮影した複数のSAR画像に渡り、基準となる1枚のSAR画像の各々の画素と同一地点であるような画素の各位相を配列の各要素として持つ。位相変化が類似した点群に分割し、その平均的な位相変化と評価対象となる点の位相変化が相関しているのかどうかを評価することにより、評価対象となる安定反射点候補がどの程度ノイズの影響を受けていないのかを判断することができる。以上の過程にはモデルの当て嵌めを行う処理は含まれていないため、高層ビルなどの位相のモデルを当てはめにくい対象についても安定反射点を特定することができる。
《画像処理装置の機能構成》
図2は、本実施形態に係る画像処理装置200の機能構成を示すブロック図である。
図2を参照すると、本実施形態の画像処理装置200は、最小構成として、位相配列蓄積部201と、クラスタリング部202と、位相相関算出部203とを備える。また、画像処理装置200は、SAR画像記憶部204と、安定反射点候補特定部205、安定反射点特定部206を含んでもよい。
位相配列蓄積部201は、SAR画像記憶部204からの複数のSAR画像に基づいて、画像全体の画素の各々における位相を記録した配列である位相配列を蓄積する。クラスタリング部202は、クラスタリング手法をもちいて、画素を位相が類似しているクラスタに分割する。クラスタリング手法としては、例えば、非特許文献1に記載の方法を用いてよいが、これに限定されない。位相相関算出部203は、クラスタリング結果と画像全体の画素各々における位相配列に基づいて、各クラスタ内の代表的な位相変化と、画素の各々における位相変化との、相関を算出する。
安定反射点候補特定部205は、安定反射点になりうる画素を特定する。安定反射点候補特定部205を備える場合、クラスタリング部202は、安定反射点候補のみをクラスタリングする。安定反射点候補特定部205を備えてない場合、クラスタリング部202は、画像全体の画素をクラスタリングする。安定反射点特定部206を備える場合、安定反射点特定部206は、位相相関算出部203において算出された各画素と各クラスタとの相関を元に、所定の閾値を上回る相関を持つ画素を安定反射点とするなどを条件として、安定反射点を特定する。
続いて、本実施形態における画像処理装置の各機能構成について説明する。
(位相配列蓄積部)
位相配列蓄積部201は、画像全体の画素の各々における位相配列を蓄積する。位相配列の蓄積に当たって、位相配列蓄積部201は、画素ごとに、複数のSAR画像の各画素における位相を要素とする配列を生成する。この位相は、例えば、基準となるSAR画像と他のSAR画像との間での位相差として求めてもよい。この場合は、入力となる複数のSAR画像のうち、基準となるSAR画像があらかじめ定められる。そして、位相配列蓄積部201は、基準となるSAR画像と他のSAR画像の各々との位相差を求めて、それらを各画素における位相配列として蓄積する。また、別の例として、位相配列蓄積部201は、基準となるSAR画像を定めずに、複数のSAR画像の位相を時系列の順などに格納したものを位相配列としてもよい。各々の位相は、例えば絶対値が“1”となるように正規化された複素数の形式で格納される。また、位相配列蓄積部201は、DEM(Digital Elevation Model)等を用いて、対象の標高に依存して変化しえる位相の変化を除去してもよいし、大気の揺らぎに依存した位相変化を公知の手法を用いるなどして除去してもよい。
(クラスタリング部)
クラスタリング部202は、画像全体の画素各々を、類似した位相を持つクラスタに分割する。例えば、非特許文献1に記載の方法を用いれば、画像全体の画素の各々を類似した位相を持つクラスタに分割することができる。
(位相相関算出部)
位相相関算出部203は、各クラスタの代表的な位相変化と、画像全体の各画素における位相配列との相関を算出する。算出された相関は、強いほど安定反射点らしいと判断するための評価指標として用いることができる。
《SAR画像解析システム》
図3Aは、本実施形態に係る画像処理装置200を含むSAR画像解析システム300の概要を示す図である。
SAR画像解析システム300は、画像処理装置200を含むSAR画像解析装置310とSAR衛星350とを含む。SAR画像解析システム300は、SAR画像を処理することにより、地上の構造物、例えば、高層ビルや高層マンションなどの傾きや地盤沈下などによるビルの沈み込みなどを判定する。
SAR衛星350は、SAR画像を撮影する。SAR衛星350は、地表や、地上にある建造物、例えば、高層ビルや高層マンションなどのSAR画像を撮影する。SAR衛星350が撮影したSAR画像は、例えば、SAR画像記憶部204に保存される。また、SAR衛星350は、撮影したSAR画像をSAR画像解析装置310に送信してもよい。
SAR画像解析装置310は、SAR衛星350が撮影した複数のSAR画像を取得する。ここで、SAR画像解析装置310が取得する複数のSAR画像は、例えば、地表の同一地点や同一領域、同一範囲などを異なる撮影条件(日時、天候、撮影に用いたSAR衛星など)で撮影したSAR画像である。SAR画像解析装置310は、SAR画像記憶部204に保存されたSAR画像を取得してもよい。また、SAR画像解析装置310は、SAR衛星350から直接SAR画像を取得してもよい。そして、SAR画像解析装置310は、取得したSAR画像から安定反射点を特定する。SAR画像解析装置310は、さらに、特定した安定反射点の各々における位相を特定する。
図3Bは、本実施形態に係る画像処理装置200を含むSAR画像解析システム300の機能構成を示す図である。
図3Bに示したように、SAR画像解析システム300は、SAR画像記憶部204、SAR画像解析装置310、安定反射点記憶部330および変位・標高記憶部340を有する。ここで、SAR画像解析装置310は、本実施形態の画像処理装置200、安定反射点特定部206および変位・標高算出部311を有する。
そして、SAR画像解析装置310は、次のように動作する。本実施形態の画像処理装置200は、複数のSAR画像間にわたる同一地点(画素)で観測された位相の違いを解析するために、同じ場所を異なる時期に撮影した複数のSAR画像をSAR画像記憶部204から取得する。本実施形態の画像処理装置200は、クラスタリングされたクラスタの代表的な位相変化と各画素の位相配列との相関を、安定反射点らしさの評価指標として生成する。安定反射点特定部206は、取得した評価指標に基づいて安定反射点を特定する。特定された安定反射点は、例えば、安定反射点記憶部330に記憶される。
次に、変位・標高算出部311は、安定反射点特定部206で特定された安定反射点を入力とし、各安定反射点における変位および標高を算出する。算出した変位および標高は、例えば、変位・標高記憶部340に記憶される。
(位相相関算出部)
図4は、本実施形態に係る位相相関算出部203の機能構成を示すブロック図である。
図4を参照すると、位相相関算出部203は、位相統計量演算部431と、位相相関演算部432とを有する。
(位相統計量演算部)
位相統計量演算部431は、各クラスタに対して、各クラスタの代表的な位相変化を表す統計量を特定する。各クラスタの代表的な位相変化を表す統計量としては、例えば、各クラスタを構成する画素各々における位相配列の平均を用いる。または、距離に応じて変化する荷重関数を用いて位相配列の荷重平均を、各クラスタの代表的な位相変化として特定してもよい。すなわち、仮に相関を特定する対象の画素をi、クラスタをCとし、w(d)を例えば正の入力dに対して単調非増加な正の関数とし、画素各々の位置ベクトルをri、位相配列の各要素を格納した複素の列ベクトルをsiとすると、場所rにおけるクラスタCの代表的な位相変化を表すベクトルsC(r)は、下記の数式(1)のように特定される。
Figure 2019106850

また、各クラスタの代表的な位相変化を表す統計量として、クラスタを構成する画素各々における位相配列に対して、その位相配列の要素の全てのペアに対する位相差を要素として持つ行列を算出し、これら行列の平均値を算出して用いてもよい。例えば、位相配列の要素の全ペアに対する位相差を記録した行列は、仮に画素iに対して求めるならば、画素iにおける位相配列の要素を収めた列ベクトルsiを用いてsii *として求めることができる。ただし、*は複素共役転置を表す記号である。各クラスタの代表的な位相変化を表す統計量としては、仮にクラスタCに対して特定するのであれば、クラスタCを構成する各画素iに対して求められた行列sii *の平均値を用いればよい。
また、数式(1)において定義したのと同様に、行列sii *の加重平均を、各クラスタの代表的な位相変化を表す統計量であるとしてもよい。すなわち、sC(r)を定義する際に用いたのと同様の文字の定義を用いて、クラスタの代表的な位相変化を表す統計量は、行列の加重平均SC(r)の形式では、下記の数式(2)のように特定される。
Figure 2019106850

また、クラスタの代表的な位相変化の特定に際して、ベクトルや行列の平均値ではなく、最頻値や中央値等、他の統計量を取っても構わない。また、上では複素数のベクトルや行列に対して複素数の統計量を直接計算したが、一旦、偏角を取り出し、偏角に対する統計量を特定してから、複素数に戻してもよい。また、平均計算では一般的に、求まるベクトルや行列の各要素の絶対値は“1”にならないが、絶対値が“1”になるように正規化し直しても構わない。
(位相相関演算部)
位相相関演算部432は、クラスタの代表的な位相変化と、画像全体の画素各々における位相変化との相関を演算する。この相関が強い画素ほど、ノイズが少なく、より安定反射点らしいと評価できる。相関を演算するにあたっては、例えば、画像全体の画素各々に対して下記のような計算を行う。仮に、相関を特定する画素のインデックスをiとし、画素iにおける位相配列の要素を収めた列ベクトルをsiとし、画素iの位置ベクトルをriとする。クラスタCの代表的な位相変化を表す統計量として、数式(1)で定義したベクトルsC(r)を用いるとする。このとき、位相相関演算部432は、クラスタCの代表的な位相変化と画素iにおける位相変化の相関corr(i,C)を、下記の数式(3)によって、画像全体の全ての画素iの各々に対して特定する。
Figure 2019106850

または、クラスタCの代表的な位相変化を表す統計量として、数式(2)で定義した行列sC(r)を用いるとすれば、位相相関演算部432はクラスタCの代表的な位相変化と画素iにおける位相変化の相関corr(i,C)を、下記の数式(4)によって、全ての画素iの各々に対して特定する。ただし、v_oneは全ての要素が1であるような列ベクトルである。
Figure 2019106850

また、相関としては、数式(4)のようにして特定された値に、平方根や二乗等、正の入力に対して単調非減少な関数による変換を適宜適用したものを用いても構わない。
以上のようにして算出された、各クラスタの代表的な位相変化と、画像全体の画素の各々における位相変化との相関は、画素の各々におけるノイズの量が少ないほど強くなるため、ノイズの少ない画素である安定反射点を特定するのに役に立つ。すなわち、相関が高い画素ほど安定反射点らしいと判断することができる。ただし、上述した各クラスタの代表的な位相変化と、画像全体の画素の各々における位相変化との相関は、画像全体の画素の各々に対してクラスタの数だけ求まる。
そこで、これらの相関を画像全体の画素の各々が安定反射点かどうかを特定するのに用いるために、位相相関演算部432は、画素各々に対して、複数のクラスタとの間で特定した相関を1つにまとめ、その値を画素各々における相関として出力する。このまとめる処理については、例えば、画像全体の画素の各々に対してそれを含むクラスタを特定しておき、そのクラスタの代表的な位相変化との相関のみを用いるようにすることで実現される。または、画像全体内の画素の各々に対して、各クラスタとの間で特定された複数の相関の中から、最大の相関を取り出して用いてもよい。あるいは、画像全体の画素の各々に対して最近接するクラスタを特定しておき、そのクラスタの代表的な位相変化との相関のみを用いるようにしてもよい。
《各データの記憶構成》
以下、図5A〜図5Gを参照して、本実施形態で使用される各データの記憶構成を説明する。なお、以下では便宜上、図5Aから図5Gに分けて説明するが、複数の記憶構成が一体であっても、さらに分けられていてもよい。
(SAR画像記憶部)
図5Aは、本実施形態に係るSAR画像記憶部204の構成を示す図である。SAR画像記憶部204は、衛星などで撮像して送信されたSAR画像を蓄積する。なお、SAR画像記憶部204の構成は、図5Aに限定されない。
SAR画像記憶部204は、各SAR画像ID511のSAR画像に含まれる反射点ID(画像ID)512を記憶する。各反射点ID(画像ID)512に対応つけて、輝度513、位置514、位相515などを記憶する。
(位相配列蓄積部)
図5Bは、本実施形態に係る位相配列蓄積部201の構成を示す図である。位相配列蓄積部201は、SAR画像に含まれる各反射点(画素)の複数のSAR画像に渡る位相配列を蓄積する。なお、位相配列蓄積部201の構成は、図5Bに限定されない。また、位相配列蓄積部201は、SAR画像記憶部204から各反射点(画素)の複数のSAR画像に渡る位相配列を呼び出す位相配列生成部として実現してもよい。
位相配列蓄積部201は、各反射点ID(画素ID)521に対応して、各SAR画像のタイムスタンプと位相との組からなる位相配列522を記憶する。
(安定反射点候補テーブル)
図5Cは、本実施形態に係る安定反射点候補テーブル530の構成を示す図である。安定反射点候補テーブル530は、安定反射点候補特定部205が複数のSAR画像における各反射点(画素)の中で、安定した反射点の候補を特定するために使用する。なお、安定反射点候補テーブル530の構成は、図5Cに限定されない。
安定反射点候補テーブル530は、各反射点ID(画素ID)531に対応付けて、安定反射点候補を特定するための安定反射点候補条件532と、安定反射点候補条件532による判定結果の安定反射点候補フラグ533とを記憶する。ここで、安定反射点候補フラグ533は、“1”の場合が安定反射点候補であり、“0”の場合が安定反射点候補でないとする。また、安定反射点候補条件532としては、輝度の安定、位置の安定、位相の安定などがあるが、これらに限定されない少なくとも1つの条件により判定する。
(クラスタテーブル)
図5Dは、本実施形態に係るクラスタテーブル540の構成を示す図である。クラスタテーブル540は、クラスタリング部202が位相配列に基づいて反射点(画素)をクラスタリングするために使用する。なお、クラスタテーブル540の構成は、図5Dに限定されない。
クラスタテーブル540は、クラスタID541に対応して、そのクラスタに分類された反射点ID(画素ID)542と、その位相配列543と、安定反射点候補フラグ544と、を記憶する。ここで、安定反射点候補のみをクラスタリングする場合には、安定反射点候補フラグ544は全て“1”の反射点(画素)がクラスタリングされる。
(位相統計量テーブル)
図5Eは、本実施形態に係る位相統計量テーブル550の構成を示す図である。位相統計量テーブル550は、位相統計量演算部431が各クラスタの代表的な位相変化を演算するために使用される。なお、位相統計量テーブル550の構成は、図5Eに限定されない。
位相統計量テーブル550は、クラスタID551に対応して、各クラスタに分類された反射点ID(画素ID)552と、その位相配列553とを記憶する。そして、各クラスタに分類された複数の反射点(画素)に基づいて算出された、各クラスタの位相統計量554を記憶する。位相統計量554には、例えば、位相配列の平均や位相配列の加重平均などが位相変化として記憶される。
(位相相関テーブル)
図5Fは、本実施形態に係る位相相関テーブル560の構成を示す図である。位相相関テーブル560は、位相相関演算部432が各反射点(画素)の位相配列と各クラスタの位相統計量(位相変化)との相関を演算するために使用される。なお、位相相関テーブル560の構成は、図5Fに限定されない。
位相相関テーブル560は、各反射点(画素)の位相配列群561と、各クラスタの位相統計量(位相変化)群562との間の、全組合せの位相相関値が算出され記憶される。
(安定反射点テーブル)
図5Gは、本実施形態に係る安定反射点テーブル570の構成を示す図である。安定反射点テーブル570は、安定反射点特定部206が位相相関算出部203からの位相相関値に基づいて安定反射点を特定するために使用される。なお、安定反射点テーブル570の構成は、図5Gに限定されない。
安定反射点テーブル570は、各反射点ID(画素ID)571に対応付けて、安定反射点候補フラグ572と、位相相関算出結果573と、安定反射点フラグ574と、を記憶する。ここで、安定反射点フラグ574は、“1”の場合が安定反射点であり、“0”の場合が安定反射点でないとする。
《画像処理装置のハードウェア構成》
図6は、本実施形態に係る画像処理装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、図6においては、安定反射点候補特定部205を有し、安定反射点特定部206を有しない構成を示すが、これに限定されない。
図6で、CPU(Central Processing Unit)610は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで図2および図4の機能構成部を実現する。なお、CPU610は、それぞれの機能に対応して複数あってもよい。ROM(Read Only Memory)620は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびプログラムを記憶する。ネットワークインタフェース630は、ネットワークを介して、SAR画像記憶部204などの他の装置との通信を制御する。
RAM(Random Access Memory)640は、CPU610が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM640には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。SAR画像データ641は、SAR画像記憶部204から取得したSAR画像のデータである。位相配列データ642は、位相配列蓄積部201から取得した各反射点(画素)の位相配列のデータである。安定反射点候補データ643は、安定反射点候補テーブル530から取得した各反射点(画素)の安定反射点候補のデータである。クラスタデータ644は、クラスタテーブル540から取得した各反射点(画素)が分類されたクラスタのデータである。位相統計量算出データ645は、位相統計量テーブル550から取得した各クラスタの位相統計量のデータである。位相相関算出データ646は、位相相関テーブル560から取得した各反射点(画素)の位相配列と各クラスタの位相統計量(位相変化)との相関のデータである。入出力データ647は、入出力インタフェース660を介して、入出力機器と入出力するデータである。送受信データ648は、ネットワークインタフェース630を介して、他の装置と送受信を行うデータである。
ストレージ650は、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。位相配列蓄積部201は、図5Bに示したように、各反射点(画素)の位相配列を蓄積する。安定反射点候補テーブル530は、図5Cに示したように、各反射点(画素)が安定反射点候補か否かを記憶する。クラスタテーブル540は、図5Dに示したように、各クラスタに分類された反射点(画素)を記憶する。位相統計量テーブル550は、図5Eに示したように、各クラスタの位相統計量(位相変化)を記憶する。位相相関テーブル560は、図5Fに示したように、各反射点(画素)の位相配列と各クラスタの位相統計量(位相変化)との相関を記憶する。
ストレージ650には、以下のプログラムが格納される。画像処理装置制御プログラム651は、本実施形態の画像処理装置200の全体の処理を制御するプログラムである。位相配列蓄積モジュール652は、複数のSAR画像に渡る各反射点(画素)の位相配列を蓄積するモジュールである。安定反射点候補特定モジュール653は、各反射点(画素)のデータの安定らしさにより安定反射点候補を特定するモジュールである。クラスタリングモジュール654は、各反射点(画素)の位相配列に基づいて、各反射点(画素)を複数のクラスタにクラスタリングするモジュールである。位相統計量演算モジュール655は、各クラスタの代表的な位相特徴量(位相変化)を演算するモジュールである。位相相関演算モジュール656は、各反射点(画素)の位相配列と各クラスタの位相統計量(位相変化)との相関を演算するモジュールである。
入出力インタフェース660は、入出力デバイスとのデータ入出力を制御するためのインタフェースを行なう。本実施形態においては、入出力インタフェース660には、画像処理装置200の状態を表示する表示部661や画像処理装置200への操作入力をする操作部662が接続される。さらに、SAR画像を格納した記憶媒体663が接続されてもよい。
なお、図6のRAM640やストレージ650には、画像処理装置200が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関連するプログラムやデータは図示されていない。
《画像処理装置の処理手順》
図7は、本実施形態に係る画像処理装置200の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図6のCPU610がRAM640を用いて実行し、図2および図4の機能構成部を実現する。
画像処理装置200は、ステップS701において、複数のSAR画像から各反射点(画素)の位相配列を生成して蓄積する。画像処理装置200は、ステップS703において、SAR画像の各反射点(画素)を、位相配列に基づいて複数のクラスタにクラスタリングする。画像処理装置200は、ステップS705において、各クラスタ内の反射点(画素)の位相配列から各クラスタの代表的な位相変化を表す統計量を算出する。画像処理装置200は、ステップS707において、各クラスタの代表的な位相変化を表す統計量と、画像全体の各反射点(画素)の位相配列との間での相関を算出する。画像処理装置200は、ステップS709において、算出された相関をそのまま、あるいは、まとめて出力する。相関が強い反射点(画素)ほど、ノイズの影響が少なく、変位解析に適した安定反射点らしいであると判断することができ、安定した評価指標となる。
本実施形態によれば、複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と各画素における位相配列との相関を安定反射点の評価に使用するので、変位が非線形である対象や、標高が高い対象、変位が大きな対象について、大きな位相変化に影響されずに安定反射点らしさを評価できる。
すなわち、本実施形態によれば、非線形な変位を起こす対象や、標高が高い対象、変位が大きな対象に対して、変位解析を行うのに必要な安定反射点の特定を行うことができる。というのは、画像全体の各々の画素に対して時間に線形に起こる変位等の仮定を行う必要が無く、モデルの当て嵌めも行う必要がないためである。本実施形態では、一旦、画素を類似した位相変化を持つクラスタに分割し、そのクラスタ各々における代表的な位相変化についての統計量を算出する。これにより、ノイズによる影響を取り除いた位相変化がクラスタの各々に対して求まる。画像全体の画素の各々に対して、クラスタ各々の代表的な位相変化との相関を算出することにより、画像全体の画素の各々におけるノイズが含まれた位相変化と、クラスタの各々におけるノイズが含まれていない位相変化がどの程度相関するかが分かる。そのため、相関が強い画素はノイズの少ない安定反射点であると特定することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る画像処理装置について説明する。本実施形態に係る画像処理装置は、上記第2実施形態と比べると、算出された位相統計量からノイズを除去するノイズ除去部を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
(位相相関算出部)
図8は、本実施形態に係る画像処理装置800の位相相関算出部803の機能構成を示すブロック図である。なお、画像処理装置800の構成は、図2の位相相関算出部203が位相相関算出部803に置き換えられたものである。
本実施形態における位相相関算出部803は、位相統計量演算部431と、ノイズ除去部833と、位相相関演算部432とを有する。すなわち、本実施形態における位相相関算出部803は、位相統計量演算部431と位相相関演算部432との間に、ノイズ除去部833を有する点のみが、第2実施形態の位相相関算出部203と異なる。
位相統計量演算部431は、クラスタの代表的な位相変化を表す統計量を算出する。ノイズ除去部833は、位相統計量演算部431で算出された統計量から、ノイズの影響を除去する。位相相関演算部432は、ノイズ除去部833によりノイズの影響が除去された統計量を用いて、各反射点(画素)との相関を算出する。
(ノイズ除去部)
続いて、ノイズ除去部833について詳細に説明する。ノイズ除去部833は、位相統計量演算部431で算出された、クラスタの代表的な位相変化に関する統計量からノイズの影響を除去する。位相統計量演算部431において、クラスタ各々の代表的な位相変化に関する統計量を算出した際に、ある程度のノイズの影響は除去されている。本実施形態においては、さらに、各クラスタ内の画素の各々において特定されうる位相配列についての事前知識を用い、事前知識に合致しないものをノイズとして除去することにより、ノイズに対する頑健さを増すことができる。
ノイズの影響を除去するにあたっての事前知識としては、例えば、各クラスタ内の画素各々における位相変化が、各クラスタを代表する位相変化のただ1種に対して、ノイズが加わったものであるという知識を用いる。この事前知識によれば、数式(2)によって算出された統計量であるところの行列SC(r)は、固有値分解によってクラスタの代表的な位相変化に対応した固有ベクトル1本と、ノイズに対応する残りの固有ベクトルとに分かれる性質を持つことが分かる。したがって、例えば、数式(2)によって算出された特徴量であるところの行列SC(r)を固有値分解し、最大固有ベクトルをクラスタの代表的な位相変化に対応する固有ベクトルであるとし、それ以外の固有ベクトルをノイズに起因するものであるとする。このように、行列SC(r)から、最大固有ベクトルに対応した行列と、それ以外の行列とに分離することによって、ノイズの影響が除去された統計量を得ることができる。
また、クラスタの代表的な位相変化と、各クラスタの画素各々における位相変化の間に、ノイズに起因するものではない変化が少量含まれているという事前知識を用いてもよい。この事前知識によれば、この事前知識によれば、数式(2)によって特定された統計量であるところの行列SC(r)は、固有値分解によってクラスタの代表的な位相変化に対応した固有ベクトル数本と、ノイズに対応する残りの固有ベクトルとに分かれる性質を持つことが分かる。したがって、例えば、数式(2)によって算出された特徴量であるところの行列SC(r)を固有値分解し、固有値の大きい固有ベクトル数本をクラスタの代表的な位相変化に対応する固有ベクトルであるとし、それ以外の固有ベクトルをノイズに起因するものであるとする。このように、行列SC(r)から、固有値の大きい固有ベクトル数本に対応した行列と、それ以外の行列とに分離することによって、ノイズの影響が除去された統計量を得ることができる。
また、変位について時間に対して緩やかであるといったモデルを仮定して、ノイズの影響を除去してもよい。この場合には、数式(2)によって算出された統計量であるところの行列SC(r)上では、画像取得時期としての撮影時期の近い画像に対応する位相配列の要素同士で位相比較を行っている成分については絶対値が大きくなる。一方、撮影時期の離れた画像に対応する位相配列の要素同士で位相比較を行っている成分については絶対値が小さくなる。ただし、ノイズに関しては、行列SC(r)の対角成分を除く成分については、時期が離れているかどうか関係なく絶対値を大きくするような性質がある。以上のことから、撮影時期の近いもの同士での位相比較に対応する行列SC(r)中の成分はそのまま、撮影時期の離れたもの同士での位相比較に対応した行列SC(r)中の成分は強制的に“0(ゼロ)”に近づけることで、ノイズの影響を除去することができる。
(ノイズ除去テーブル)
図9は、本実施形態に係るノイズ除去テーブル910の構成を示す図である。ノイズ除去テーブル910は、ノイズ除去部833が位相統計量演算部431により算出された位相統計量(位相変化)のノイズを除去するために使用される。なお、ノイズ除去テーブル910の構成は、図9に限定されない。
ノイズ除去テーブル910は、クラスID911とその位相統計量912に対応して、複数のノイズ除去方法913と、各ノイズ除去方法913によりノイズ除去された位相統計量914と、を記憶する。ここで、ノイズ除去方法913としては、固有値分解による最大固有ベクトルを選択、固有値分解による大きい数本の固有ベクトルを選択、撮影時期の離れたもの同士の位相比較を排除、などが含まれる。
《画像処理装置の処理手順》
図10は、本実施形態に係る画像処理装置800の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、ノイズ除去テーブル910が追加された図6のCPU610がRAM640を用いて実行し、図2および図8の機能構成部を実現する。なお、図10において、図7と同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。
ステップS207からステップS705までは、図7と同様に動作する。その後、画像処理装置800は、ステップS1006において、ステップS705で算出されたクラスタ内の統計量からノイズの影響を除去する。画像処理装置800は、ステップS707では、ノイズの影響を除去された統計量を用いて、図7と同様の方法で、各クラスタの代表的な位相変化と、評価対象の位相変化がどの程度合致するかという相関を算出する。したがって、相関が強い画素ほど、ノイズの影響が少なく、変位解析に適した安定反射点らしい判断することができる。
本実施形態によれば、非線形な変位を起こす対象や、標高が高い対象、変位が大きな対象に対して、変位解析を行うのに必要な安定反射点の特定を行うことができる。特に、本実施形態には、構成としてノイズの影響を除去する部分が含まれており、より頑健に安定反射点を特定することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る画像処理装置について説明する。本実施形態に係る画像処理装置は、上記第2実施形態と比べると、位相相関算出部の相関演算部と位相統計量演算部とが逆に配置される点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
(位相相関算出部)
図11は、本実施形態に係る画像処理装置1100の位相相関算出部1103の機能構成を示すブロック図である。なお、画像処理装置1100の構成は、図2の位相相関算出部203が位相相関算出部1103に置き換えられたものである。
本実施形態における位相相関算出部1103は、位相相関演算部1131と、位相統計量演算部1132とを有する。位相相関演算部1131は、画像全体の画素の各々において位相配列蓄積部201に蓄積された位相配列と、クラスタリング部202でクラスタリングされた各クラスタを構成する各反射点(画素)における位相配列との相関を演算する。位相統計量演算部1132は、画像全体の各反射点(画素)に対して算出された、各クラスタを構成する各反射点(画素)における位相変化との相関に対して、例えば、クラスタ内における相関の平均値等といった統計量を演算する。
位相相関算出部1103においては、評価対象の各々と、各クラスタを構成する画素の各々との、位相変化の相関の統計量を算出する。
(位相相関演算部)
位相相関演算部1131は、画像全体の画素の各々と、クラスタを構成する画素の各々との位相変化の相関を算出する。画素の位相変化同士間の相関は、例えば次のように演算する。仮に、相関を特定する対象の画素のインデックスをiとし、クラスタをCとし、クラスタC内の画素のインデックスをj∈Cとする。画素iにおける位相配列の要素を列ベクトルsiに、画素jにおいて観測された位相配列の要素を列ベクトルsjに格納するとすれば、画素iと画素jの位相変化同士の相関corr(i,j)は、下記の数式(5)で算出される。
Figure 2019106850

また、上記の画素iとjの位相変化同士の相関に対して、正の数に対して単調非減少な関数を適用しても構わない。例えば二乗しても構わない。または、ある閾値以下の入力に対しては“0(ゼロ)”となるような関数を適用してもよい。このような関数の適用により、極端に相関が弱い画素の影響を除去して評価を行うことが可能になる。
(位相統計量演算部)
位相統計量演算部1132は、位相相関演算部1131において算出された、画像全体の各画素の位相配列と、各クラスタを構成する各画素における位相配列との相関を入力とする。そして、画像全体の各画素における位相配列と各クラスタを構成する画素における全体としての位相変化との相関を表す統計量を算出する。仮に、相関を演算する対象の画素のi、相関を演算する対象のクラスタをCとすると、位相統計量演算部1132は、クラスタ全体との相関を表す統計量corr(i,C)を、数式(5)で求まったcorr(i,j)に対して、クラスタCに含まれる全ての画素j∈Cに関する統計量として算出する。例えば、下記の数式(6)のように、corr(i,j)のj∈Cに対する平均値を演算する。
Figure 2019106850

あるいは、最大値、最頻値、中央値等の他の統計量を用いてもよい。また、例えば、距離に応じて単調非増加な荷重関数を用いて重み付けした評価を行ってもよい。例えば、荷重平均を用いるならば、w(d)をdに対して単調非増加な関数とし、ri,rjをそれぞれ画素i,jの位置として、下記の数式(7)のように特定してもよい。
Figure 2019106850

以上のようにして算出された、画像全体の画素の各々における位相変化と、各クラスタについて構成する画素における位相変化全体としての相関を表す統計量は、第2実施形態における位相相関算出部203で特定した画素の各々における位相変化とクラスタ各々の代表的な位相変化との相関と、ほとんど同様の扱いをすることができる。すなわち、画像全体の画素の各々における位相変化と、各クラスタについて構成する画素における位相変化全体としての相関を表す統計量が、強くなるほどより安定反射点らしいと判断することができる。本実施形態における、画素各々に対するクラスタ内全体での相関の統計量は、クラスタごとに求まるため、各画素に対して複数求まるが、第2実施形態と同様にして、画素ごとに1つの値にまとめられる。
(位相相関テーブル)
図12Aは、本実施形態に係る位相相関テーブル1210の構成を示す図である。位相相関テーブル1210は、位相相関演算部1131が画像全体の各画素の位相配列とクラスタを構成する各画素の位相配列との相関を算出するために使用される。なお、位相相関テーブル1210の構成は、図12Aに限定されない。
位相相関テーブル1210は、各反射点(画素)の位相配列群561と、各クラスタに分類された各反射点(画素)の位相配列群1262との間の、全組合せの位相相関値が算出され記憶される。
(位相統計量テーブル)
図12Bは、本実施形態に係る位相統計量テーブル1220の構成を示す図である。位相統計量テーブル1220は、位相統計量演算部1132が位相相関演算部1131において算出された各画素の位相配列と各クラスタを構成する各画素の位相配列との相関から、各画素における位相配列と各クラスタの位相変化との相関を表す統計量を算出するために使用される。なお、位相統計量テーブル1220の構成は、図12Bに限定されない。
位相統計量テーブル1220は、反射点ID(画素ID)1221に対応して、各クラスタの相関統計量1222、1223、…を記憶する。各クラスタの相関統計量1222、1223、…は、各反射点ID(画素ID)1221と各クラスタ内の各反射点(画素)との相関群と、その相関群から算出された相関統計量として相関平均や相関加重平均を記憶する。
《画像処理装置の処理手順》
図13は、本実施形態に係る画像処理装置1100の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、位相相関テーブル1210や位相統計量テーブル1220を有する図6のCPU610がRAM640を用いて実行し、図2および図11の機能構成部を実現する。なお、図13において、図7と同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。ステップS701とS703は、図7と同様に動作する。
画像処理装置1100は、ステップS1305において、画像全体の各画素における位相配列と、各クラスタを構成する各画素における位相配列との相関を算出する。次に、画像処理装置1100は、ステップS1307においては、ステップS1305で算出された、各画素における位相配列と各クラスタを構成する各画素における位相配列との相関に対して、クラスタごとに相関統計量を算出する。画像処理装置1100は、ステップS1309において、算出された相関統計量をそのまま、あるいは、まとめて出力する。最終的に算出された、クラスタ内の相関についての統計量が強いほど、ノイズの影響が少なく、変位解析に適した安定反射点であると判断することができる。
本実施形態によれば、非線形な変位を起こす対象や、標高が高い対象、変位が大きな対象に対して、変位解析を行うのに必要な安定反射点の特定を行うことができる。特に、本実施形態では、画像全体の画素の各々における位相変化と、各クラスタを構成する画素の各々における位相変化との相関を算出するため、画像全体の画素の各々に対して、各クラスタを構成する画素の中から、極端に異なる位相変化を持つ画素の影響を除去して評価を行うことができる。このような評価方法は、例えば、クラスタリングのアルゴリズムによって、クラスタが十分に分かれず、複数のクラスタが混ざったような状態で特定されるような場合に有用である。
なお、本実施形態において、統計量演算部1132で、平均以外の、例えば、最頻値を統計量として算出するなどによって、さらにノイズの影響を除去する効果を得ることができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る画像処理装置について説明する。本実施形態に係る画像処理装置は、上記第2実施形態乃至第4実施形態と比べると、位相相関算出部の算出結果を安定反射点候補特定部にフィードバックする点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《画像処理装置の機能構成》
図14は、本実施形態に係る画像処理装置1400の機能構成を示すブロック図である。なお、図14において、図2と同様の機能構成部には同じ参照番号を付して、重複する説明は省略する。図14においては、図2の位相相関算出部203および安定反射点候補特定部205を、位相相関算出部1403および安定反射点候補特定部1405に置き換え、その間をフィードバック線で結んだものである。
安定反射点候補特定部1405は、安定反射点になりうる画素を特定する。特に、本実施形態における安定反射点候補特定部1405は、第2実施形態における安定反射点候補特定部205と異なり、位相相関算出部1403で算出された相関を元に、安定反射点候補を再度、特定しなおす機能を有する。クラスタリング部202は、安定反射点候補特定部1405で再度、特定された安定反射候補を入力として、再度、クラスタリングを行う。位相相関算出部1403は、画像全体の各画素における位相配列に対して、クラスタリング部202で再度、クラスタリングされたクラスタ各々を代表する位相変化との相関を算出する。このように、位相相関算出部1403で算出された相関は安定反射点候補特定部1405にフィードバックされ、再度、安定反射点候補の特定が行われる。
なお、位相相関算出部1403としては、前述した第2実施形態における位相相関算出部203、あるいは、第3実施形態における位相相関算出部803、あるいは、第4実施形態における位相相関算出部1103、のいずれを用いてもよい。
(安定反射点候補テーブル)
図15は、本実施形態に係る安定反射点候補テーブル1530の構成を示す図である。安定反射点候補テーブル1530は、安定反射点候補特定部1405が複数のSAR画像における各反射点(画素)の中で、安定した反射点の候補の特定を、相関を基に繰り返すために使用する。なお、図15において、図5Cと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明は省略する。また、安定反射点候補テーブル1530の構成は、図15に限定されない。
安定反射点候補テーブル1530は、各反射点ID(画素ID)531に対応付けて、位相相関算出部1403からフィードバックされた位相相関算出結果1532と、位相相関算出結果1532に基づいて変更される安定反射点候補フラグ1533と、を記憶する。ここで、安定反射点候補フラグ1533は、“1”の場合が安定反射点候補であり、“0”の場合が安定反射点候補でないとする。例えば、反射点ID(画素ID)531が“A0001-0002”の反射点(画素)は、最初は安定反射点候補であったが位相相関算出結果1532に基づいて安定反射点候補から外されている。
《画像処理装置の処理手順》
図16は、本実施形態に係る画像処理装置1400の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、安定反射点候補テーブル1530を有する図6のCPU610がRAM640を用いて実行し、図14の機能構成部を実現する。なお、図14において、図7と同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。ステップS701は、図7と同様に動作する。
画像処理装置1400は、ステップS1603において、安定反射点となりうる画素を安定反射点候補として特定する。画像処理装置1400は、ステップS1605において、安定反射点候補を位相配列に基づいてクラスタリングする。画像処理装置1400は、ステップS1607において、各クラスタにおける代表的な位相変化と画像全体の各画素における位相配列との相関を算出する。なお、ステップS1607は、図7の(S705、S707)、図10の(S705、S1006、S707)、あるいは、図13の(S1305、S1307)のいずれかを実行する。
画像処理装置1400は、ステップS1609において、特定されたクラスタ、あるいは、特定されたクラスタとの位相の相関が終了条件を満たしているかを判定する。終了条件としては、例えば、所定回数の繰り返しを行ったかどうかを用いることができる。あるいは、評価対象の画素のうち、安定反射点候補となった画素における相関が一定以上に強かった場合に、全ての安定反射点候補が安定反射点としての条件を満たす、つまり安定反射点候補特定部1405が安定反射点を正確に特定したとして、終了条件を満たすと判断してもよい。
終了条件を満たさない場合、画像処理装置1400は、ステップS1611において、現在の位相相関算出結果を安定反射点候補特定部1405にフィードバックして、ステップS1603から再度、再度安定反射点候補の特定を更新あるいはやり直して処理を繰り返す。終了条件を満たした場合、画像処理装置1400は、ステップS1613において、絞られた安定反射点候補の位相相関算出結果を出力して処理を終了する。
最終的に算出されたクラスタ内の相関についての統計量が強いほど、ノイズの影響が少なく、変位解析に適した安定反射点であると判断することができる。
本実施形態によれば、非線形な変位を起こす対象や、標高が高い対象、変位が大きな対象に対して、変位解析を行うのに必要な安定反射点の特定を行うことができる。特に、本実施形態は、安定反射点候補の特定を、画像全体の画素の各々に対して特定された相関の強さに応じてやり直すことにより、安定反射点らしさをより正確に評価できるような相関を算出できる。というのは、ノイズが少ないと判断された安定反射点候補に対してクラスタを抽出し、その安定反射点候補の特定結果をより正確にしていくように構成したことによって、安定反射点候補のクラスタを代表する位相変化と、画像全体の画素の各々における位相変化との相関をする際のノイズの影響を低減することができるためである。
[他の実施形態]
本発明は、高層ビルや橋等非線形な変位や大きな変位を持ちうる対象の変位を、SAR画像を用いて解析するようなプログラムに適用できる。また、音波を利用すれば、合成開口ソナーにも適用可能である。本発明によってクラスタ内で安定した位相を持つ画素を抽出すれば、反射強度だけではノイズに埋もれてしまっていた対象も見つけることが可能である。また、Time Of Flightカメラ等で撮影された位相画像にも適用できる。本発明を適用すれば、対象の位置が多少動くものに対しても、観測値の揺れがノイズに起因するものであるかを識別できるようになり、頑健に対象物の立体形状を抽出することができるようになる。また、コヒーレントな光の干渉を利用した位相画像にも適用することができる。
さらに、撮像素子等のパターンと、撮影対象に付加されたパターンとの間での干渉による位相を利用した精密な歪み計測手法として、サンプリングモアレ法などがあるが、干渉結果を測定する際にノイズで信号が揺らいでいるのか、対象が動いているのかを識別しにくい。本手法により、位相が同期して変化しているかどうかを調べることにより、対象が動いているのかノイズが多いのかを分離することができるようになる。
なお、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する画像処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。
[実施形態の他の表現]
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数の画像に渡る各画素の位相配列を蓄積する位相配列蓄積手段と、
前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリング手段と、
前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出手段と、
を備える画像処理装置。
(付記2)
前記位相相関算出手段は、
各クラスタ内での代表的な位相変化の統計量を演算する第1位相統計量演算手段と、
前記代表的な位相変化と前記各画素における位相配列との相関を演算する第1位相相関演算手段と、
を有する付記1に記載の画像処理装置。
(付記3)
前記第1位相統計量演算手段は、各クラスタ内の複数の画素の位相配列の平均を前記代表的な位相変化の統計量とする付記2に記載の画像処理装置。
(付記4)
前記第1位相統計量演算手段は、前記各画素の位置に対応して重み付けを行う付記3に記載の画像処理装置。
(付記5)
前記位相相関算出手段は、さらに、クラスタ内での前記代表的な位相変化へのノイズの影響を除去するノイズ除去手段を備える付記2乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(付記6)
前記ノイズ除去手段は、前記第1位相統計量演算手段が演算した代表的な位相変化の統計量を固有値分解して、その最大固有ベクトルをノイズの影響が除去された前記代表的な位相変化とする付記5に記載の画像処理装置。
(付記7)
前記ノイズ除去手段は、前記第1位相統計量演算手段が演算した代表的な位相変化の統計量を固有値分解して、その最大固有ベクトルからの数本の固有ベクトルをノイズの影響が除去された前記代表的な位相変化とする付記5に記載の画像処理装置。
(付記8)
前記ノイズ除去手段は、画像取得時期の離れた位相比較に対応する成分を排除することにより、ノイズの影響が除去された前記代表的な位相変化とする付記5に記載の画像処理装置。
(付記9)
前記位相相関算出手段は、
各クラスタ内の画素の位相配列と前記各画素における位相配列との相関を演算する第2位相相関演算手段と、
各クラスタ内での代表的な相関の統計量を演算する第2位相統計量演算手段と、
を有する付記1に記載の画像処理装置。
(付記10)
前記第2位相統計量演算手段は、各クラスタ内の複数の画素における相関の平均を前記代表的な相関の統計量とする付記9に記載の画像処理装置。
(付記11)
前記第2位相統計量演算手段は、前記各画素の位置に対応して重み付けを行う付記10に記載の画像処理装置。
(付記12)
前記位相相関算出手段は、前記算出された相関をまとめる処理を含む付記1乃至11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(付記13)
前記複数の画像に渡る各画素から、反射が安定した安定反射点となる候補の画素を特定する安定反射点候補特定手段をさらに備える付記1乃至12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(付記14)
前記安定反射点候補特定手段は、前記位相相関算出手段により算出された相関に基づいて、再度、安定反射点となる候補の画素の特定を更新する付記13に記載の画像処理装置。
(付記15)
前記安定反射点候補特定手段による安定反射点となる候補の画素の特定と、前記位相相関算出手段による相関の算出とを、所定回数の繰り返し、または、安定反射点候補の相関が一定以上となるまで繰り返す付記14に記載の画像処理装置。
(付記16)
前記位相相関算出手段が算出した位相相関を参照して、安定反射点を特定する安定反射点特定手段をさらに備える付記1乃至15にいずれか1項に記載の画像処理装置。
(付記17)
複数の画像に渡る各画素の位相配列を位相配列蓄積手段に蓄積する位相配列蓄積ステップと、
前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリングステップと、
前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出ステップと、
を含む画像処理方法。
(付記18)
複数の画像に渡る各画素の位相配列を位相配列蓄積手段に蓄積する位相配列蓄積ステップと、
前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリングステップと、
前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出ステップと、
をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。
(付記19)
複数のSAR画像に基づいて安定反射点を特定するための画像処理装置と、
前記安定反射点のデータを用いてSAR画像を解析するSAR画像解析装置と、
を備えるSAR画像解析システムであって、
前記画像処理装置は、少なくとも、
前記複数のSAR画像に渡る各画素の位相配列を蓄積する位相配列蓄積手段と、
前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリング手段と、
前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出手段と、
を備えるSAR画像解析システム。
(付記20)
複数のSAR画像に基づいて安定反射点を特定するための画像処理ステップと、
前記安定反射点のデータを用いてSAR画像を解析するSAR画像解析ステップと、
を含むSAR画像解析方法であって、
前記画像処理ステップは、少なくとも、
前記複数のSAR画像に渡る各画素の位相配列を位相配列蓄積手段に蓄積する位相配列蓄積ステップと、
前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリングステップと、
前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出ステップと、
を含むSAR画像解析方法。

Claims (20)

  1. 複数の画像に渡る各画素の位相配列を蓄積する位相配列蓄積手段と、
    前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリング手段と、
    前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出手段と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記位相相関算出手段は、
    各クラスタ内での代表的な位相変化の統計量を演算する第1位相統計量演算手段と、
    前記代表的な位相変化と前記各画素における位相配列との相関を演算する第1位相相関演算手段と、
    を有する請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第1位相統計量演算手段は、各クラスタ内の複数の画素の位相配列の平均を前記代表的な位相変化の統計量とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記第1位相統計量演算手段は、前記各画素の位置に対応して重み付けを行う請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記位相相関算出手段は、さらに、クラスタ内での前記代表的な位相変化へのノイズの影響を除去するノイズ除去手段を備える請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記ノイズ除去手段は、前記第1位相統計量演算手段が演算した代表的な位相変化の統計量を固有値分解して、その最大固有ベクトルをノイズの影響が除去された前記代表的な位相変化とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記ノイズ除去手段は、前記第1位相統計量演算手段が演算した代表的な位相変化の統計量を固有値分解して、その最大固有ベクトルからの数本の固有ベクトルをノイズの影響が除去された前記代表的な位相変化とする請求項5に記載の画像処理装置。
  8. 前記ノイズ除去手段は、画像取得時期の離れた位相比較に対応する成分を排除することにより、ノイズの影響が除去された前記代表的な位相変化とする請求項5に記載の画像処理装置。
  9. 前記位相相関算出手段は、
    各クラスタ内の画素の位相配列と前記各画素における位相配列との相関を演算する第2位相相関演算手段と、
    各クラスタ内での代表的な相関の統計量を演算する第2位相統計量演算手段と、
    を有する請求項1に記載の画像処理装置。
  10. 前記第2位相統計量演算手段は、各クラスタ内の複数の画素における相関の平均を前記代表的な相関の統計量とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記第2位相統計量演算手段は、前記各画素の位置に対応して重み付けを行う請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記位相相関算出手段は、前記算出された相関をまとめる処理を含む請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記複数の画像に渡る各画素から、反射が安定した安定反射点となる候補の画素を特定する安定反射点候補特定手段をさらに備える請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  14. 前記安定反射点候補特定手段は、前記位相相関算出手段により算出された相関に基づいて、再度、安定反射点となる候補の画素の特定を更新する請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記安定反射点候補特定手段による安定反射点となる候補の画素の特定と、前記位相相関算出手段による相関の算出とを、所定回数の繰り返し、または、安定反射点候補の相関が一定以上となるまで繰り返す請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 前記位相相関算出手段が算出した位相相関を参照して、安定反射点を特定する安定反射点特定手段をさらに備える請求項1乃至15にいずれか1項に記載の画像処理装置。
  17. 複数の画像に渡る各画素の位相配列を位相配列蓄積手段に蓄積する位相配列蓄積ステップと、
    前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリングステップと、
    前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出ステップと、
    を含む画像処理方法。
  18. 複数の画像に渡る各画素の位相配列を位相配列蓄積手段に蓄積する位相配列蓄積ステップと、
    前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリングステップと、
    前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出ステップと、
    をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。
  19. 複数のSAR画像に基づいて安定反射点を特定するための画像処理装置と、
    前記安定反射点のデータを用いてSAR画像を解析するSAR画像解析装置と、
    を備えるSAR画像解析システムであって、
    前記画像処理装置は、少なくとも、
    前記複数のSAR画像に渡る各画素の位相配列を蓄積する位相配列蓄積手段と、
    前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリング手段と、
    前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出手段と、
    を備えるSAR画像解析システム。
  20. 複数のSAR画像に基づいて安定反射点を特定するための画像処理ステップと、
    前記安定反射点のデータを用いてSAR画像を解析するSAR画像解析ステップと、
    を含むSAR画像解析方法であって、
    前記画像処理ステップは、少なくとも、
    前記複数のSAR画像に渡る各画素の位相配列を位相配列蓄積手段に蓄積する位相配列蓄積ステップと、
    前記位相配列に基づいて、前記各画素を複数のクラスタにクラスタリングするクラスタリングステップと、
    前記複数のクラスタの各クラスタ内での位相変化と前記各画素における位相配列との相関を算出する位相相関算出ステップと、
    を含むSAR画像解析方法。
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