JPWO2019082898A1 - 5−ヒドロキシ−1h−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
化合物Aは、例えば、2−アミノマロンアミドから製造される(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び非特許文献1参照)。
非特許文献1には、2−アミノマロンアミドをエチルホルムイミダートと反応させることによって化合物Aが得られることが記載されている。しかしながら、この製造方法は、収率が低く、満足できるものではない。
しかし、この製造方法は、遺伝毒性を有するベンゼンスルホン酸エステルが生成すること、大過剰のオルトギ酸トリメチルが必要であること、等の欠点を有する。従ってこの製造方法は、工業的に優れた製造方法とは言い難い。また、得られた化合物Aは、着色し、保存時の着色安定性に劣るものである。特許文献1の試験例1及び試験例2には、化合物Aのスルホン酸塩及び化合物Aの塩酸塩は、安定であったが、化合物Aは、藍色又は青色に変色したことが記載されている。さらに、特許文献1には、保存時の着色安定性に優れる化合物Aを得るためには、化合物Aに微量の酸を含有させることが必要であると記載されている。そして、実施例6には、約2.5%の安息香酸を含有する化合物Aが記載されている。
また、特許文献3は、これらの課題を改善し、添加物を併用しなくとも保存時の着色安定性に優れる化合物A・3/4水和物の製造方法が記載されている。
特許文献2:特開昭58−24569号公報
特許文献3:国際公開第2013/047758号
特許文献4:特開昭60−185727号公報
また、特許文献3の製造方法は、化合物A・3/4水和物に最終工程の結晶化に使用した溶媒が残留した場合、溶媒を完全に除去した場合に比べ、保存時の着色安定性が低下することを見出した。
化合物A・3/4水和物に最終工程の結晶化に使用した溶媒が残留した場合でも着色しにくい、洗浄負荷を低減できる製造方法が望まれている。
[2] 塩基が、リン酸塩である[1]に記載の製造方法。
[3] 塩基が、リン酸のアルカリ金属塩である[1]に記載の製造方法。
[4] 塩基が、リン酸水素二カリウムである[1]に記載の製造方法。
[5] 塩基が、アミノ酸である[1]に記載の製造方法。
[6] 塩基が、酸性アミノ酸及び中性アミノ酸よりなる群から選ばれるアミノ酸である[1]に記載の製造方法。
[7] 塩基が、中性アミノ酸である[1]に記載の製造方法。
[8] 塩基が、セリン、アラニン、β−アラニン、スレオニン、グリシン又はシステインである[1]に記載の製造方法。
[9] 塩基が、アラニン、β−アラニン、スレオニン又はシステインである[1]に記載の製造方法。
[10] 酸性塩が塩酸塩の水和物である[1]〜[9]のいずれか1つに記載の製造方法。
[11] 酸性溶媒が塩酸である[1]〜[10]のいずれか1つに記載の製造方法。
[12] [1]〜[11]のいずれか1つに記載の製造方法で得られる5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物。
また、本発明によれば、化合物A・3/4水和物に最終工程の結晶化に使用した溶媒が残留した場合でも着色しにくい、洗浄負荷を低減できる化合物A・3/4水和物の製造方法を提供することができる。
さらに、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
C1−3アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基を意味する。
ハロゲン化炭化水素類とは、塩化メチレン、クロロホルム又はジクロロエタンを意味する。
アルコール類とは、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール又は2−メチル−2−プロパノールなどのC1−6のアルコール類を意味する。
エーテル類とは、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル又はジエチレングリコールジエチルエーテルを意味する。
ケトン類とは、アセトン、2−ブタノン又は4−メチル−2−ペンタノンなどのC1−6のケトン類を意味する。
エステル類とは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル又は酢酸ブチルなどのC1−6のカルボン酸のC1−3アルキルを意味する。
アミド類とは、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又は1−メチル−2−ピロリドンなどを意味する。
アルカリ金属塩とは、リチウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩などを意味する。
アミノ酸とは、α−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸及びδ−アミノ酸などのアミノ酸が挙げられ、中性アミノ酸、酸性アミノ酸及び塩基性アミノ酸を意味する。また、D体、L体及びD/L体のアミノ酸を意味する。
中性アミノ酸とは、グリシン、アラニン、β−アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシンなどの側鎖にアルキル基を有するアミノ酸、セリン、スレオニンなどの側鎖にヒドロキシ基を有するアミノ酸、システイン及びメチオニンなどの側鎖に硫黄を含むアミノ酸、アスパラギン及びグルタミンなどの側鎖にアミド基を有するアミノ酸、プロリン及びヒドロキシプロリンなどの側鎖にイミノ基を有するアミノ酸並びにフェニルアラニン、チロシン及びトリプトファンなどの側鎖にフェニル基を有するアミノ酸などが挙げられる。
酸性アミノ酸とは、アスパラギン酸及びグルタミン酸などの酸性の側鎖を有するアミノ酸を意味する。
塩基性アミノ酸とは、リシン、アルギニン及びヒスチジンなどの塩基性の側鎖を有するアミノ酸を意味する。
本発明の製造方法は、化合物Aの酸性塩又はその水和物を、酸性溶媒の存在下、リン酸塩及びアミノ酸よりなる群から選ばれる塩基と反応させ、化合物A・3/4水和物を得る工程を含み、必要に応じ、ろ取、洗浄及び乾燥などの後処理工程及び/又はその他の工程を含んで構成される。
さらに、本発明の製造方法によって得られる化合物A・3/4水和物は、最終工程の結晶化に使用した溶媒が残留した場合でも着色しにくいという特徴を有している。
すなわち、本発明の製造方法は、医薬品として用いられる化合物A・3/4水和物の工業的な製造方法として有用である。
本発明の製造方法によって得られる化合物A・3/4水和物は、無色又は微黄色であることが好ましく、無色であることがより好ましい。
本発明の化合物A・3/4水和物の色差は、分光色差計を用いて反射法で測定される。
本発明の化合物A・3/4水和物の純度は、99.9%以上が好ましく、試験例2の条件でHPLC分析を行った際、保持時間27.0分の成分が検出されないことが好ましい。
なお、本願で使用した化合物Aの酸性塩又はその水和物は、例えば、特許文献3に記載の方法で製造した。
化合物Aの酸性塩又はその水和物を、酸性溶媒の存在下、リン酸塩と反応させることによって、化合物A・3/4水和物を製造することができる。
酸性溶媒の使用量は、特に限定されないが、化合物Aの酸性塩又はその水和物に対し、5倍量(v/w)〜50倍量(v/w)であればよい。
酸性溶媒の濃度は、特に限定されないが、例えば、塩酸を用いる場合、塩酸の濃度は、0.3mol/L〜0.8mol/Lが好ましく、0.4mol/L〜0.5mol/Lがより好ましい。
具体的には、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム及びリン酸三ナトリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、第一酸解離定数(pKa1)が2〜3であるリン酸のアルカリ金属塩である、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム及びリン酸二水素ナトリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、リン酸水素二カリウムがさらに好ましい。
具体的には、0.4mol/L〜0.5mol/L塩酸に化合物Aの塩酸塩を溶解させた後、リン酸のアルカリ金属塩としてリン酸水素二カリウムと反応させる場合、リン酸水素二カリウムの使用量は、化合物Aの塩酸塩1モル当量に対し、0.5倍モル当量〜2.5倍モル当量が好ましく、0.5倍モル当量〜1.5倍モル当量がより好ましい。
具体的には、化合物Aの酸性塩又はその水和物を酸性溶媒に加え、必要に応じ、加熱し、化合物Aの酸性塩溶液を調製し、得られた溶液にリン酸塩を添加することで行うことができる。
例えば、リン酸のアルカリ金属塩としてリン酸水素二カリウムを用いる代わりに、化合物Aの酸性塩又はその水和物の懸濁液又は溶液にリン酸を添加した後に水酸化カリウム等を添加してもよい。
本製造方法における反応時間は、例えば、1分間〜24時間が好ましく、30分間〜6時間がより好ましい。
また、反応雰囲気は、特に制限されないが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガス雰囲気としては、たとえば、アルゴン雰囲気及び窒素雰囲気等が挙げられる。
本製造方法においては、必要に応じ、種晶を添加してもよい。
なお、種晶は、たとえば、特許文献3の実施例12(2)に記載の方法と同様にして製造した結晶の一部でもよく、本発明の製造方法で製造した結晶の一部でもよい。
化合物Aの酸性塩又はその水和物を、酸性溶媒の存在下、アミノ酸と反応させることによって、化合物A・3/4水和物を製造することができる。
酸性溶媒の使用量は、特に限定されないが、化合物Aの酸性塩又はその水和物に対し、5倍量(v/w)〜50倍量(v/w)であればよい。
酸性溶媒の濃度は、特に限定されない。例えば、塩酸を用いる場合、塩酸の濃度は、0.3mol/L〜0.8mol/Lが好ましく、0.4mol/L〜0.5mol/Lがより好ましい。
具体的には、セリン、アラニン、β−アラニン、スレオニン、グリシン又はシステインが好ましく、アラニン、β−アラニン、スレオニン又はシステインがより好ましい。
具体的には、0.4mol/L〜0.5mol/L塩酸に化合物Aの塩酸塩を溶解させた後、アミノ酸と反応させる場合、アミノ酸の使用量は、化合物Aの塩酸塩1モル当量に対し、0.5倍モル当量〜5倍モル当量が好ましく、1.5倍モル当量〜2.5倍モル当量がより好ましい。
具体的には、化合物Aの酸性塩又はその水和物を酸性溶媒に加え、必要に応じ、加熱して化合物Aの酸性塩溶液を調製し、得られた溶液にアミノ酸を添加することで行うことができる。
本製造方法における反応時間は、例えば、1分間〜24時間が好ましく、30分間〜6時間がより好ましい。
また、反応雰囲気は、特に制限されないが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガス雰囲気としては、たとえば、アルゴン雰囲気及び窒素雰囲気等が挙げられる。
本製造方法においては、必要に応じ、種晶を添加してもよい。
なお、種晶は、たとえば、特許文献3の実施例12(2)に記載の方法と同様にして製造した結晶の一部でもよく、本発明の製造方法で製造した結晶の一部でもよい。
製剤の形態は、錠剤であることが好ましい。例えば、国際公開第2014/112530号(米国特許出願公開第2015/0057324号明細書)に記載の錠剤の形態、製造方法、添加剤及び説明などを援用及び参酌でき、これらの内容は、本願明細書に組み込まれる。
好ましい錠剤は、化合物A・3/4水和物、二酸化ケイ素及び結晶セルロースを含有する。結晶セルロースを添加することにより錠剤がキャップ状に剥離するキャッピングを防止できる。
結晶セルロースを添加する場合、結晶セルロースの含有量は、錠剤質量の0.1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましく、2質量%〜12質量%がさらに好ましく、3質量%〜10質量%が最も好ましい。
結晶セルロースを添加する場合、化合物A・3/4水和物の含有量は、錠剤質量の60質量%〜80質量%が好ましく、65質量%〜75質量%がより好ましい。
上記の錠剤には、国際公開第2014/112530号に記載の他の添加剤をさらに含有させてもよく、添加剤として好適な種類及び量は、国際公開第2014/112530号の記載を援用及び参酌できる。
本発明の有用性を以下の実施例で説明する。
赤外吸収スペクトル(以下、IRという。)は、ATR法(Attenuated Total Reflection法)により測定した。
含水率は、カールフィッシャー法により測定した。
実施例及び比較例で用いた種晶は、特許文献3に記載の方法と同様にして製造した。
特許文献3の実施例9(1)に記載の方法と同様にして、2−アミノマロンアミド10.0gを用い、淡黄色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物16.4gを得た。
特許文献3の実施例12(1)に記載の方法と同様にして、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物15.0gを用い、淡黄色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物13.9gを得た。
窒素雰囲気下、0.45mol/L塩酸120mLに参考例2に記載の方法に従い製造した5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物10.0gを加え、47℃に加熱して溶解させた。得られた溶液に46〜47℃で1.5mol/Lのリン酸二水素一カリウム水溶液10mLを滴下した。得られた溶液に5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物50mgを種晶として添加し、46〜48℃で30分間撹拌した。反応混合物の結晶の析出を確認した後、この溶液に47〜48℃で1.5mol/Lのリン酸二水素一カリウム水溶液60mLを滴下した。反応混合物を0℃に冷却後、1時間撹拌し、析出した結晶を濾取した。
得られた結晶を2分割し、一方の結晶を風乾することで、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.23gを得た。
また、他方の結晶をアセトン5.0mL及び水10.0mLの混合液並びにアセトン15.0mLで順次洗浄した後、風乾することで白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の洗浄品2.94gを得た。それぞれのIRは、一致した。
含水率:未洗浄品:9.8%,洗浄品:8.8%
IR(cm−1):3437, 1618, 1587, 1436
実施例1と同様にして、塩基として1.5mol/Lのリン酸水素二カリウム水溶液40mLを使用し、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.33g及び洗浄品3.06gを得た。それぞれのIRは、実施例1のIRと一致した。
実施例1と同様にして、塩基として0.5mol/Lのリン酸カリウム水溶液60mLを使用し、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.22g及び洗浄品3.11gを得た。それぞれのIRは、実施例1のIRと一致した。
実施例1と同様にして、塩基として1.5mol/Lのリン酸二水素ナトリウム水溶液205mLを使用し、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.54g及び洗浄品2.37gを得た。それぞれのIRは、実施例1のIRと一致した。
実施例1と同様にして、塩基として0.75mol/Lのリン酸水素二ナトリウム水溶液80mLを使用し、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.00g及び洗浄品3.56gを得た。それぞれのIRは、実施例1のIRと一致した。
実施例1と同様にして、塩基として0.5mol/Lのリン酸ナトリウム水溶液60mLを使用し、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.21g及び洗浄品3.16gを得た。それぞれのIRは、実施例1のIRと一致した。
窒素雰囲気下、0.45mol/L塩酸120mLに参考例2に記載の方法に従い製造した5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物10.0gを加え、47℃に加熱し、溶解させた。得られた溶液に46〜47℃で1.5mol/Lのβ−アラニン水溶液10mLを滴下した。得られた溶液に5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物50mgを種晶として添加し、46〜47℃で40分間撹拌した。反応混合物の結晶の析出を確認した後、46〜48℃で1.5mol/Lのβ−アラニン水溶液50mLを滴下した。反応混合物を0℃に冷却後、1時間40分撹拌し、析出した結晶を濾取した。
得られた結晶を2分割し、一方の結晶を風乾することで、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.52gを得た。
他方の結晶をアセトン5.0mL及び水10.0mLの混合液並びにアセトン15.0mLで順次洗浄した後に風乾し、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の洗浄品2.65gを得た。それぞれのIRは、一致した。
含水率:未洗浄品9.1%,洗浄品8.5%
IR(cm−1):3438, 1616, 1587, 1436
実施例7と同様にして、塩基として1.5mol/LのL−アラニン水溶液68mLを使用し、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.28g及び洗浄品3.15gを得た。それぞれのIRは、実施例7のIRのIRと一致した。
実施例7と同様にして、塩基として1.5mol/LのL−セリン水溶液65mLを使用し、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.29g及び洗浄品3.18gを得た。それぞれのIRは、実施例7のIRと一致した。
実施例7と同様にして、塩基として1.25mol/LのL−スレオニン水溶液105mLを使用し、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.18gと洗浄品2.94gを得た。それぞれのIRは、実施例7のIRと一致した。
実施例7と同様にして、塩基として1.5mol/Lのグリシン水溶液70mLを使用し、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.18g及び洗浄品3.10gを得た。IRは、実施例7のIRと一致した。
実施例7と同様にして、塩基として1.5mol/LのL−システイン水溶液130mLを使用し、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.20g及び洗浄品3.14gを得た。それぞれのIRは、実施例7のIRと一致した。
特許文献3の実施例12(2)に記載の方法と同様にして、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物10.0gを用い、反応混合物より析出した結晶を濾取した。
得られた結晶を2分割し、一方の結晶を風乾することで、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.29gを得た。
他方の結晶をアセトン5.0mL及び水10.0mLの混合液並びにアセトン15.0mLで順次洗浄した後に風乾することで、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の洗浄品3.31gを得た。IRは、実施例1のIRと一致した。
窒素雰囲気下、0.45mol/L塩酸120mLに参考例2に記載の方法に従い、製造した5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物10.0gを加え、47℃に加熱し、溶解させた。得られた溶液に46〜47℃で3.0mol/Lギ酸カリウム溶液を5.0mL滴下した。得られた溶液に5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物50mgを種晶として添加し、47〜48℃で2時間15分撹拌した。反応混合物の結晶の析出を確認した後、47〜48℃で3.0mol/Lギ酸カリウム溶液を滴下した。反応混合物を0℃に冷却後、結晶を濾取した。
得られた結晶を2分割し、一方を風乾することで、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.35gを得た。
他方の結晶をアセトン5.0mL及び水10.0mLの混合液並びにアセトン15.0mLで洗浄した後に風乾することで、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の洗浄品3.29gを得た。IRは、実施例1のIRと一致した。
5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物276.59gに乳糖水和物(Pharmatose200M、DMV−Fonterra Excipients社製)39.46g、カルメロースカルシウム(ECG−505、ニチリン化学工業(株)製)32.01g及び結晶セルロース(KG−1000、旭化成(株)製)20.01gを加え、混合物を得た。ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達(株)製)12.00gを水456.00gに溶解させ、さらに軽質無水ケイ酸(アエロジル−200、日本アエロジル(株)製)12.00gを分散させた水溶液を調製した。調製した水溶液を得られた混合物に噴霧し、流動層造粒機(FD−MP−01、(株)パウレック製)で造粒した後、乾燥し、造粒末を得た。得られた造粒末360.38gに目開き180μmの篩で篩過したステアリン酸マグネシウム(メルク社製)7.35gを加え、V型混合機(混合器S−5形、筒井理化学器械(株)製)で30rpm、60分間、混合し、混合末を得た。得られた混合末を錠剤径8.5mmのダブルアール(12R×3Rmm)面の杵を用いたロータリー型打錠機(PICCOLA B−10、RIVA社製)により打錠圧10kNで打錠し、1錠あたり320mgの円形の素錠を得た。素錠の錠剤硬度は、錠剤硬度計8M(シュロイニゲル社製)を使用し、測定した結果、76Nであった。
得られた素錠に1錠あたり12mgの割合でコーティング剤(オパドライ03A470001 TAN(ヒプロメロース2910:60.00%、タルク:20.00%、酸化チタン:18.86%、黄色三二酸化鉄:1.00%、黒酸化鉄:0.14%)、日本カラコン合同会社製)をコーティング機(DRC−200、(株)パウレック製)にてコーティングし、円形のフィルムコーティング錠を得た。
なお、各試験例においては、各参考例、実施例又は比較例で得られた化合物A・3/4水和物の洗浄品及び未洗浄品をそれぞれ使用した。
試験物質として、実施例1〜12で得られた化合物A・3/4水和物(洗浄品)をそれぞれ使用した。
試験物質約1gを厚さ0.04mmのポリエチレン製袋を二枚に重ねた保存袋に入れ、それぞれのポリエチレン製袋に封をし、空気雰囲気下、遮光、60℃、相対湿度75%の条件で5日間保存した。
試験後の色調を肉眼で観察した。また、試験前後の結晶の色の変化を分光色差計で測定し、色差を求めた。
結果を表1に示す。
測定法:反射法
試験物質として、実施例1〜12並びに比較例1及び2の化合物A・3/4水和物(洗浄品)をそれぞれ使用した。
HPLC測定により、化合物A・3/4水和物の品質を評価した。なお、定量は、HPLCの面積%により求めた。
結果を表2及び図1〜5に示す。
HPLC測定条件
カラム:6.0×250mm Hydrosphere C18,粒子径5μm(ワイエムシィ社製)
測定波長:220nm
カラム温度:30℃
移動相A:0.1%リン酸/水
移動相B:0.1%リン酸/アセトニトリル
グラジエント条件:
0〜10分:移動相B 0%
10〜30分:移動相B 0%→50%(直線グラジエント)
30〜35分:移動相B 50%
流速:0.75mL/分
注入量:10μL
試験物質として、実施例1〜12並びに比較例1及び2で得られた化合物A・3/4水和物(未洗浄品)をそれぞれ使用した。
試験方法は、試験例1と同様に実施した。
結果を表3に示す。
すなわち、本発明の製造方法によって得られる化合物A・3/4水和物は、最終工程の結晶化に使用した溶媒が残留した場合でも着色しにくいという特徴を有している。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び、技術規格は、個々の文献、特許出願、及び、技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
さらに、本発明の製造方法によって得られる化合物A・3/4水和物は、最終工程の結晶化に使用した溶媒が残留した場合でも着色しにくいという特徴を有している。
本発明の製造方法は、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の工業的な製造方法として有用である。
Claims (12)
- 5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドの酸性塩又はその水和物を、酸性溶媒の存在下、リン酸塩及びアミノ酸よりなる群から選ばれる塩基と反応させて、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物を得る5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の製造方法。
- 塩基が、リン酸塩である請求項1に記載の製造方法。
- 塩基が、リン酸のアルカリ金属塩である請求項1に記載の製造方法。
- 塩基が、リン酸水素二カリウムである請求項1に記載の製造方法。
- 塩基が、アミノ酸である請求項1に記載の製造方法。
- 塩基が、酸性アミノ酸及び中性アミノ酸よりなる群から選ばれるアミノ酸である請求項1に記載の製造方法。
- 塩基が、中性アミノ酸である請求項1に記載の製造方法。
- 塩基が、セリン、アラニン、β−アラニン、スレオニン、グリシン又はシステインである請求項1に記載の製造方法。
- 塩基が、アラニン、β−アラニン、スレオニン又はシステインである請求項1に記載の製造方法。
- 酸性塩が塩酸塩の水和物である請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
- 酸性溶媒が塩酸である請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法で得られる5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物。
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