JPWO2019082637A1 - 表面プラズモン共鳴分析装置、及び、表面プラズモン共鳴分析方法 - Google Patents

表面プラズモン共鳴分析装置、及び、表面プラズモン共鳴分析方法 Download PDF

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Abstract

表面プラズモンを利用してさらに幅広い種類の材料をリガンド、又は、アナライトとして選択して、様々な分子間相互作用について分析可能な表面プラズモン共鳴分析装置を提供するために、表面プラズモン共鳴が励起される所定厚みの金属薄膜を具備する基体と、前記金属薄膜に対して直接又は間接的に担持されたリガンドと、前記基体に対して光を照射する照射機構と、前記金属薄膜で反射された反射光を検出する検出器と、前記検出器からの出力に基づいて、前記リガンドに対して結合するアナライト、又は、当該リガンドの特性を分析する分析器と、を備え、前記リガンド、又は、前記アナライトを無機粒子とした。

Description

本発明は、表面プラズモン共鳴を利用して物質の特性について分析する表面プラズモン共鳴分析装置、及び、表面プラズモン共鳴分析方法に関するものである。
従来、生体分子等の有機材料について、結合又は解離といった分子間相互作用を標識なしで分析する場合、表面プラズモン共鳴法(SPR法)に基づいて分析されている。
表面プラズモン共鳴法では、バイオチップの金薄膜の表面上に担持された有機材料であるリガンドと、バイオチップが取り付けられるフローセル内を流れる液体中に含まれる有機材料であるアナライトとの間で相互作用させて、その結果生じる表面プラズモンの変化を利用して分析が行われる。
具体的には、金薄膜における有機材料同士の分子間相互作用による分子量の増減に応じて、反射光の強度が最も小さくなる反射角である共鳴角が変化する。表面プラズモン共鳴法では、この共鳴角の変化を求め、有機材料同士の結合速度や解離速度といった特性が分析される。なお、表面プラズモンイメージング(SPRi)では、所定の入射光角度に固定し、反射光の強度変化が計測される。
また、表面プラズモン共鳴法において用いられるバイオチップの具体例としては、特許文献1に示されるものが挙げられる。このバイオチップ1Aは、図6に示すように、金薄膜11Aと、金薄膜11Aの回折格子上を覆うように設けられた親水性高分子膜13Aと、を備えている。そして、この親水性高分子膜13Aの表面に有機材料であるリガンドLが担持される。このようにして金薄膜11Aに対して直接的に担持させにくい有機材料をリガンドLとして、他の有機材料からなるアナライトAとの分子間相互作用が分析される。
ところで、上述してきたように従来の表面プラズモン共鳴法では、リガンド、及び、アナライトの双方が有機材料の場合の分析が行われるのに対して、リガンド、又は、アナライトのいずれか一方を無機材料とした分析は行われていない。
特開2013―29370号公報
本発明は、表面プラズモンを利用してさらに幅広い種類の材料をリガンド、又は、アナライトとして選択して、様々な分子間相互作用について分析可能な表面プラズモン共鳴分析装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、本願発明者の鋭意検討の結果初めて見出されたものであって、表面プラズモン共鳴が励起される所定厚みの金属薄膜を具備する基体と、前記金属薄膜に対して直接又は間接的に担持されたリガンドと、前記基体に対して光を照射する照射機構と、前記金属薄膜で反射された反射光を検出する検出器と、前記検出器からの出力に基づいて、前記リガンドに対して結合するアナライト、又は、当該リガンドの特性を分析する分析器と、を備え、前記リガンド、又は、前記アナライトが無機粒子であることを特徴とする表面プラズモン共鳴分析装置である。
また、本発明に係る表面プラズモン共鳴分析方法は、表面プラズモン共鳴が励起される所定厚みの金属薄膜を具備する基体と、前記金属薄膜に対して直接又は間接的に担持されたリガンドと、前記基体に対して光を照射する照射機構と、前記金属薄膜で反射された反射光を検出する検出器と、前記検出器からの出力に基づいて、前記リガンドに対して結合するアナライト、又は、当該リガンドの特性を分析する分析器と、を備えた表面プラズモン共鳴分析装置を用いた表面プラズモン共鳴分析方法であって、前記リガンド、又は、前記アナライトとして無機粒子を用いることを特徴とする。
このようなものであれば、生体材料や、有機高分子で構成された材料だけでなく、様々な無機材料について表面プラズモンの変化を利用して、その分子間相互作用等の特性を分析することが可能となる。
また、無機粒子を用いているので、無機材料であっても例えば金属薄膜に対してリガンドとして担持させやすく、あるいは、アナライトとして分散媒中等において容易に分散させることができる。
金属薄膜において励起される表面プラズモン波の発生範囲内に前記リガンド、又は、前記アナライトが含まれるようにして、前記リガンドと前記アナライトの分子間相互作用による分子量の変化が共鳴角の変化として表れるようにするには、前記無機粒子の短径が、400nmよりも小さければよい。また、このようなものであれば、分散媒中において無機粒子はアナライトとして、分析に適したものになる。
無機粒子をいわゆるナノ粒子として形成しやすくするとともに、表面プラズモンが励起される金属薄膜に対してリガンドとして容易に担持されるようにするには、前記無機粒子が、リン酸カルシウム、窒化ホウ素、酸化インジウムスズ、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、金、銀、銅、酸化イッテルビウム、酸化イットリウム、酸化ホルミウム、酸化ジスブロシウム、及び、酸化エルビウムからなる群から少なくとも1つ選択されるものであればよい。なお、リン酸カルシウムは、例えばヒドロキシアパタイト、TCP等を含むものである。
表面プラズモンが励起される金属薄膜の具体的な構成としては、前記金属薄膜が、金、銀、銅、アルミニウムからなる群から少なくとも1つ選択された単層膜又は多層膜であるものが挙げられる。
ロングレンジモードでの表面プラズモンが形成されるようにし、検出範囲が広げられるようにするには、前記金属薄膜が、中間層に誘電体膜を含む多層膜であればよい。
前記無機粒子が前記リガンドとして、前記金属薄膜上に強固に担持されるようにするには、前記金属薄膜上に形成された自己組織化膜をさらに備え、前記無機粒子が前記自己組織化膜上にリガンドとして結合されているものであればよい。
前記無機粒子が前記リガンドとして、前記金属薄膜上に強固に担持されるようにするための別の態様としては、前記金属薄膜上に形成された炭素材料膜をさらに備え、前記無機粒子が前記炭素材料膜上にリガンドとして結合されているものが挙げられる。
リガンド及びアナライトが有機物質であることを想定した既存の表面プラズモン測定装置でも、リガンド又はアナライトが無機粒子で構成されていても表面プラズモンの変化を精度良くに検出できるようにするには、有機溶媒に分散された前記アナライトを前記リガンドに対して供給するフローセルをさらに備え、前記フローセルを流れる有機溶媒の屈折率が1.3以上1.5以下であればよい。
表面プラズモン共鳴分析において、対象となるアナライトが変更されるごとに無機粒子からなるリガンドを交換できるようには、光を照射する照射機構と、光を検出する検出器と、前記検出器の出力に基づいて分析する分析器と、を備えた表面プラズモン共鳴分析装置に用いられるチップであって、導光体と、前記導光体の表面に表面プラズモン共鳴が励起される所定厚みで形成された金属薄膜と、を具備する基体と、前記金属薄膜において前記導光体とは反対側の面に担持される無機粒子と、を備えたチップであればよい。
表面プラズモン共鳴分析に適した導光体の具体的な態様としては、前記導光体が、プリズムであるものが挙げられる。
チップのさらに別の具体的な態様としては、前記導光体が、プリズムと、前記プリズムの一面上に配置された薄板と、前記プリズムと前記薄板との間に充填される充填液と、を備え、前記薄板において前記接着剤とは反対側の面に前記無機粒子が担持されているものが挙げられる。なお、充填液は前記プリズムと前記薄板との間に空気が入ることを防ぐことができ、前記薄板と前記プリズムの屈折率に近い屈折率を有するものであればよい。
このように本発明に係る表面プラズモン共鳴分析装置によれば、無機粒子をリガンド、又は、アナライトとして用いるので、従来のように測定対象が生体材料や有機高分子材料のような有機材料のみに限られず、様々な材料についてその分子間相互作用について分析することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る表面プラズモン分析装置を示す模式図。 同実施形態における基体、及び、その周辺を拡大した模式図。 同実施形態における分析器の具体的な構成を示す模式的機能ブロック図。 同実施形態において酸化ジルコニウム粒子をリガンドとして用いた場合の分子間相互作用の測定結果。 本発明の別の実施形態に係るチップを示す模式図。 従来の表面プラズモン共鳴分析装置において用いられたバイオチップの構成例を示す模式図。
100・・・表面プラズモン共鳴分析装置
C ・・・チップ
1 ・・・基体
11 ・・・金属薄膜
12 ・・・プリズム(導光体)
F ・・・フローセル
L ・・・リガンド
A ・・・アナライト
2 ・・・照射機構
21 ・・・光源
22 ・・・ミラー
3 ・・・検出器
4 ・・・分析器
41 ・・・入射角制御部
42 ・・・強度データ記憶部
43 ・・・イメージ出力部
44 ・・・キネティックカーブ出力部
45 ・・・プラズモンカーブ出力部
本発明の一実施形態に係る表面プラズモン共鳴分析装置100について各図を参照しながら説明する。本実施形態の表面プラズモン共鳴分析装置100は、リガンドLが無機粒子、アナライトAが有機材料であり、表面プラズモンの変化に基づいて無機粒子、又は、有機材料の特性について分析するものである。
表面プラズモン共鳴分析装置100は、図1に示すように、表面プラズモン共鳴が励起される所定厚みの金属薄膜11を備える基体1と、基体1に対して光を照射する照射機構2と、金属薄膜11で反射された反射光を検出する検出器3と、前記検出器3の出力に基づいてリガンドL、又は、アナライトAの特性を分析する分析器4と、を備えている。本実施形態では、照射機構2により金属薄膜11の所定面積に対して光が照射されて、その所定面積からの反射光を検出器3によって検出するように構成してある。すなわち、表面プラズモン共鳴分析装置100は、表面プラズモン共鳴イメージング(SPRi)を行えるように構成してある。
各部について詳述する。
図1及び図2に示すように、チップCは、導光体であるプリズム12と、プリズム12に形成された金属薄膜11と、金属薄膜11の表面に担持された複数の無機粒子と、を備えている。より具体的には、基体1は、端面が当脚台形状のプリズム12と、プリズム12において最も面積の大きい側面に対して蒸着された金属薄膜11と、を備えたものである。より具体的には、プリズム12の一方の脚をなす面に対して光が入射し、プリズム12内を進行し、金属薄膜11が蒸着されている上面で反射が生じ、プリズム12の他方の脚をなす面から反射光が射出される。ここで、プリズム12の上面においては、金属薄膜11側へと染み出すエバネッセント波が形成され、入射角度を変えることで、光の波数が調整できる。本実施形態では、光の波数を調整して金属薄膜11においてSPR現象が誘起されるように入射光の角度が適宜調整されることになる。
金属薄膜11においてプリズム12に蒸着されていない方の面には、リガンドLである無機粒子が直接担持される。ここで、直接担持されるとは、金属薄膜11と無機粒子との間に別の種類の分子が介在しないことを意味する。また、本実施形態では、基体1はプリズム12と、プリズムに対して蒸着された金属薄膜11とで構成されているが、例えば基体1は、プリズム12の代わりに平板状のスライドガラスを用いて、当該スライドガラスの表面に金属薄膜11を蒸着したものであっても構わない。
本実施形態では、金属薄膜11は金薄膜であり、その所定厚みは光が照射されることにより表面プラズモン共鳴が発生するように、例えば50nm程度に設定してある。
この金属薄膜11においてリガンドLである無機粒子が担持されている面は、フローセルF内に露出するように取り付けられ、液体に分散されているアナライトAが逐次供給されるようにしてある。すなわち、基体1の表面においてリガンドLとアナライトAの反応場が形成され、分子間相互作用が生じるようにしている。
本実施形態では、金属薄膜11である金薄膜の表面に無機粒子である酸化ジルコニウムが担持されている。酸化ジルコニウムは例えば1nm〜100nmオーダの粒径を有するナノ粒子である。本実施形態の酸化ジルコニウムの粒径は、少なくとも短径が400nm以下となるように設定している。また、金薄膜の所定面積内において酸化ジルコニウムのナノ粒子は例えばアレイ状をなすように配置されている。より具体的には、金属薄膜11の表面には、化学結合により無機粒子である酸化ジルコニウムのナノ粒子が、一層、均一に形成されている。このようにリガンドLとして酸化ジルコニウムが1層分だけ形成されることにより、最も理想的で強い信号変化を得ることができる。さらに別の構成例について説明すると、一層目の無機粒子上に分子間力によりさらに別の無機粒子が結合した複数の層からなる積層構造を形成してもよい。積層構造は、金属薄膜11上に供給される無機粒子の濃度や、無機粒子の表面電荷を制御することによって適宜変更可能である。
また、本実施形態においてフローセルF中に分散しているアナライトAは、有機高分子材料であるポリビニルアルコール(PVA)である。
ここで、ジルコニウムはPVA等の有機高分子材料を架橋するために用いられるものである。したがって、金薄膜の表面において酸化ジルコニウム粒子とPVAの分子が接触することによりPVAの分子量が増加することによって、金薄膜における表面プラズモンに変化が生じることになる。
このような変化が表面プラズモンの変化として検出されるように、リガンドLとアナライトAが凝集した状態において金薄膜の表面プラズモン波が発生している検出可能範囲内に収まるようにしてある。
照射機構2は、面光源21と、面光源21から射出された光へ基体1側へと反射するミラー22を備えている。ミラー22は、モータの回転角によってその設置角度を制御可能に構成してあり、基体1において金薄膜の蒸着面側への光の入射角度を適宜変更できる。図1に示すように、ミラー22で反射された光はプリズム12の一方の脚部分である入射面から入射し、金薄膜の蒸着面で反射された後、もう一方の脚部分である射出面から射出され検出器3へと至る。
検出器3は、例えばCCDカメラであって、金薄膜にアレイ状に担持されている無機粒子と同じ点数で検出可能に構成されている。
分析器4は、例えばCPU、メモリ、A/D・D/Aコンバータ、ディスプレイやキーボード等の入出力手段等を備えたコンピュータによってその機能が実現されるものである。この分析器4は、メモリに格納されている表面プラズモン共鳴分析装置100用プログラムが実行されて、各種機器が協業することによって、少なくとも入射角制御部41、強度データ記憶部42、イメージ出力部43、キネティックカーブ出力部44、プラズモンカーブ出力部45としての機能を発揮する。
入射角制御部41は、ユーザによって設定される指令入射角に応じて、ミラー22に設けられているモータの回転角を制御することで、金薄膜の蒸着面への光の入射角を制御するものである。
強度データ記憶部42は、検出器3からの出力に基づいて各測定点における反射光の強度を強度データとして記憶するものである。この強度データは、時系列データ形式であって、測定が行われているときに入射各制御部に入力されている指令入射角も紐づけられている。
イメージ出力部43は、強度データ記憶部42に記憶されている強度データに基づいて金薄膜の蒸着面を反射光に基づいて撮像したイメージデータを出力し、例えばディスプレイに表示するものである。例えば表面プラズモン共鳴が生じている状態を基準として明度が調整されており、リガンドLとアナライトAが相互作用し、その部分が表面プラズモン共鳴の状態が変化すると明るく表示されるようにイメージデータが形成されている。
キネティックカーブ出力部44は、強度データ記憶部42に記憶されている強度データに基づいて各測定点における反射率の時間変化データを算出するものである。すなわち、各測定点においてリガンドLとアナライトAの結合・解離の状態の変化は、反射率の時間変化に反映されるので、反射率の時間変化データから結合速度や解離速度を算出することができる。キネティックカーブ出力部44は、算出された反射率の時間変化データに基づき、ディスプレイに反射率の時間変化グラフを表示させる。
プラズモンカーブ出力部45は、強度データ記憶部42に記憶されている強度データに基づいて、ミラー22の設置角度を逐次変化させていった場合の各測定点における反射率の変化を示すプラズモンカーブを算出するものである。算出されたプラズモンカーブは、グラフとしてディスプレイに対して出力される。
このように構成された表面プラズモン共鳴分析装置100により、リガンドLを無機粒子である酸化ジルコニウムのナノ粒子、アナライトAをPVAとした場合の測定結果の一例を示す。なお、酸化ジルコニウムのナノ粒子は、金薄膜の表面に物理吸着により固定化されており、金属膜の表面に占める割合が0.06%に設定してあり、PVAが0.01%の濃度でフローセルF内を流すとともに、入射角については所定の角度に固定した状態にしてある。
図4の時間経過に対する反射率変化のグラフを示す。グラフに示されるようにリガンドLである酸化ジルコニウム粒子上において、アナライトAであるPVAが結合していることが確認できる。また、図4のグラフから速度定数を算出することも可能である。
以上のように本実施形態の表面プラズモン共鳴分析装置100によれば、生体材料や、有機高分子で構成された材料だけでなく、様々な無機材料について表面プラズモンの変化を利用して、その分子間相互作用等の特性を分析することが可能となる。
また、無機粒子として無機材料のナノ粒子を用いているので、金薄膜の表面に対して特殊な加工を施したり、有機材料等のコーティング膜を形成したりしなくても直接物理吸着によりリガンドLとして固定することができる。
その他の実施形態について説明する。
前記実施形態では、リガンドとして酸化ジルコニウムを用いていたが、アナライトとして酸化ジルコニウムを用いても構わない。また、リガンド、又は、アナライトとして用いられる無機粒子は酸化ジルコニウムに限られるものではない。すなわち、無機粒子は、リン酸カルシウム、窒化ホウ素、酸化インジウムスズ、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化鉄、酸化チタン、酸化セリウム、金、銀、銅、酸化イッテルビウム、酸化イットリウム、酸化ホルミウム、酸化ジスブロシウム、及び、酸化エルビウムからなる群から少なくとも1つ選択されるものであればよい。なお、リン酸カルシウムの具体例としては、ヒドロキシアパタイト、TCP等を挙げることができる。これらの無機材料により例えばナノ粒子を形成することでリガンドとして金属薄膜の表面に直接担持させることができる。
加えて、リガンドとして酸化ジルコニウムを用いた場合のアナライトとしてはPVAに限られるものではなく、その他の有機材料、又は、無機材料であっても構わない。
また、リガンドは金属薄膜に直接担持されるものではなく、例えば有機材料膜を金属薄膜上に形成しておき、その有機材料膜上において金属薄膜に対して間接的に担持されるものであってもよい。
さらに、前記金属薄膜上に形成された自己組織化膜をさらに備え、前記無機粒子が前記自己組織化膜上にリガンドとして結合されていてもよい。このようなものであれば、物理吸着のみで金属薄膜上に無機粒子を担持させる場合と比較してより強固に固定化することが可能となる。
金属薄膜は、金薄膜に限られるものではなく、表面プラズモン共鳴が励起されるものであればよく、前記実施形態のように単層膜に限られるものではない。すなわち、金属薄膜は、金属薄膜が、金、銀、銅、アルミニウムからなる群から少なくとも1つ選択された単層膜又は多層膜であればよい。
また、金属薄膜が多層膜である場合には、表面に露出しない中間層については誘電体膜を形成し、ロングレンジモードでの表面プラズモン共鳴が生じるようにして測定レンジが大きくなるようにしてもよい。
基体についてはクレッチマン配置のものを前記実施形態では示したが、オット配置として構成しても構わない。また、プリズムの形状については等脚台形柱状のものに限られず、三角柱状等の様々な形状ものを用いることができる。また、導光体、金属薄膜、無機粒子からなるチップについては、前述した実施形態において説明したものに限られない。例えば、また、図5に示すように、導光体12が、プリズム121と、プリズム121の一面に対して面板部が対向するように配置された薄板123と、プリズム121と薄板123との間に充填される充填液122と、を備えたものであってもよい。すなわち、プリズム121において反射面となる上面に充填液122が塗布され、その充填液122の上に薄板123が載置される。充填液122はプリズム121と薄板123との間に空気が入り込まないようにするものであり、例えば高屈折率液、マッチングオイル、屈折液等が用いられる。ここで、プリズム121、及び、薄板123は同じ屈折率を有していることが好ましい。さらに、好ましくは充填液122についてもプリズム121、薄板123と同じ屈折率を有し、充填液122において光の反射が生じにくくしたほうがよい。
フローセルについては有機溶媒中にアナライトを分散させて測定に用いることができるように、フローセルについては耐薬品性を有する材質を用いることが望ましい。また、フローセルを流れる有機溶媒の屈折率として、1.3以上1.5以下の値を有するものであれば、リガンド及びアナライトが両方とも有機物質を対象とした既存の表面プラズモン共鳴測定装置であっても、リガンド又はアナライトが無機粒子であっても精度よく表面プラズモンの測定を行うことができる。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、様々な実施形態の一部又は全部を組み合わせたり、変形したりしても構わない。
このように本発明であれば、従来のように測定対象が生体材料や有機高分子材料のような有機材料のみに限られず、様々な材料についてその分子間相互作用について分析することが可能な表面プラズモン共鳴分析装置を提供できる。

Claims (12)

  1. 表面プラズモン共鳴が励起される所定厚みの金属薄膜を具備する基体と、
    前記金属薄膜に対して直接又は間接的に担持されたリガンドと、
    前記基体に対して光を照射する照射機構と、
    前記金属薄膜で反射された反射光を検出する検出器と、
    前記検出器からの出力に基づいて、前記リガンドに対して結合するアナライト、又は、当該リガンドの特性を分析する分析器と、を備え、
    前記リガンド、又は、前記アナライトが無機粒子であることを特徴とする表面プラズモン共鳴分析装置。
  2. 前記無機粒子が、短径が400nmよりも小さい粒子である請求項1記載の表面プラズモン共鳴分析装置。
  3. 前記無機粒子が、リン酸カルシウム、窒化ホウ素、酸化インジウムスズ、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、金、銀、銅、酸化イッテルビウム、酸化イットリウム、酸化ホルミウム、酸化ジスブロシウム、及び、酸化エルビウムからなる群から少なくとも1つ選択される請求項1記載の表面プラズモン共鳴分析装置。
  4. 前記金属薄膜が、金、銀、銅、アルミニウムからなる群から少なくとも1つ選択された単層膜又は多層膜である請求項1記載の表面プラズモン共鳴分析装置。
  5. 前記金属薄膜が、中間層に誘電体膜を含む多層膜である請求項1記載の表面プラズモン共鳴分析装置。
  6. 前記金属薄膜上に形成された自己組織化膜をさらに備え、
    前記無機粒子が前記自己組織化膜上にリガンドとして結合されている請求項1記載の表面プラズモン共鳴分析装置。
  7. 前記金属薄膜上に形成された炭素材料膜をさらに備え、
    前記無機粒子が前記炭素材料膜上にリガンドとして結合されている請求項1記載の表面プラズモン共鳴分析装置。
  8. 有機溶媒に分散された前記アナライトを前記リガンドに対して供給するフローセルをさらに備え、
    前記フローセルを流れる有機溶媒の屈折率が1.3以上1.5以下である請求項1記載の表面プラズモン共鳴分析装置。
  9. 光を照射する照射機構と、光を検出する検出器と、前記検出器の出力に基づいて分析する分析器と、を備えた表面プラズモン共鳴分析装置に用いられるチップであって、
    導光体と、前記導光体の表面に表面プラズモン共鳴が励起される所定厚みで形成された金属薄膜と、を具備する基体と、
    前記金属薄膜において前記導光体とは反対側の面に担持される無機粒子と、を備えたチップ。
  10. 前記導光体が、プリズムである請求項9記載のチップ。
  11. 前記導光体が、
    プリズムと、
    前記プリズムの一面上に配置された薄板と、
    前記プリズムと前記薄板との間に充填される充填液と、を備え、
    前記薄板において前記接着剤とは反対側の面に前記無機粒子が担持されている請求項9記載のチップ。
  12. 表面プラズモン共鳴が励起される所定厚みの金属薄膜を具備する基体と、前記金属薄膜に対して直接又は間接的に担持されたリガンドと、前記基体に対して光を照射する照射機構と、前記金属薄膜で反射された反射光を検出する検出器と、前記検出器からの出力に基づいて、前記リガンドに対して結合するアナライト、又は、当該リガンドの特性を分析する分析器と、を備えた表面プラズモン共鳴分析装置を用いた表面プラズモン共鳴分析方法であって、
    前記リガンド、又は、前記アナライトとして無機粒子を用いることを特徴とする表面プラズモン共鳴分析方法。
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