JPWO2019082284A1 - 鉗子 - Google Patents

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Abstract

金属の部材を用いることなく、十分な把持力を有する樹脂製鉗子を提供する。または、オートクレーブによる複数回の滅菌が可能で、繰り返しの使用が可能な樹脂製鉗子を提供する。本発明の鉗子は、第1のアームと第2のアームと、前記第1のアームと前記第2のアームとの一端にそれぞれ配置された把持部と、前記把持部を開閉可能に係合する枢軸と、前記第1のアームと前記第2のアームとの他端にそれぞれ配置された指環部と、を備え、前記第1のアームと前記第2のアームと前記指環部とは、樹脂とフィラーとを含む第1の層と、前記第1の層の表面に配置され、樹脂で構成された第2の層とを備える。

Description

本発明は医療用の鉗子に関する。特に、樹脂を成型した鉗子に関する。
鉗子は、刃のない鋏のような形状を有し、血管や組織などを挟み、牽引したり、圧迫したりするための医療器具である。鉗子は一般的に金属で形成されるが、繰り返して使用するためには、使用後の鉗子を滅菌処理する必要がある。滅菌処理時の作業者の感染防止の観点から、近年では樹脂製の使い捨ての鉗子が普及しつつある。
しかし、樹脂製鉗子は、全長を長くした場合、枢軸と圧坐部や握り部との距離が長くなる。この場合、樹脂の可撓性に起因して、2つのアームの柄部が互いに離れる方向に変形して捩れてしまい、圧坐部での十分な把持力を得ることができない。このような樹脂製鉗子に必要な把持力を付与するために、例えば、特許文献1には、枢軸を介して互いに連結され、その枢軸回りに揺動自在な第1のアームと第2のアームとを有し、前記第1のアームおよび前記第2のアームには、前記枢軸から一方側に延びる圧坐部と、前記枢軸から他方側に延びる柄部の後端に前記圧坐部を開閉操作するための指環部とが設けられている鉗子において、前記柄部に前記第1のアームと前記第2のアームとが前記枢軸の軸方向に捩れることを防止する捩れ防止手段を備える樹脂製鉗子が記載されている。
また、樹脂製鉗子では、樹脂の可撓性に起因して、押付力を強くすると2つの握り部が上下方向に離れる方向に作用して、例えば、消毒用の綿球の保持ができなくなるという問題がある。このような樹脂製の鉗子に必要な押付力を付与するために、例えば、特許文献2には、中央部が枢軸を介して連結されその枢軸回りに揺動自在な一対のアームを有し、枢軸から一方側に延びる前側アーム先端につかみ部が設けられ、枢軸から他方側に延びる後側アーム後端につかみ部を開閉操作するための握り部が形成され、一対のアームが可撓性を有する樹脂からなり、後側アームに、枢軸部よりも高い位置に握り部が配置されるように曲げ部が形成され、この曲げ部は上向き勾配に形成されるとともに後側アームの中央部以降でその勾配が小さくなるように形成されている樹脂製鉗子が記載されている。
しかし、特許文献1の樹脂製鉗子は、第1のアームと第2のアームを略X字状に交差して互いに連結させる枢軸がカシメ金具によって固定されているため、特許文献2にも記載されているように、廃棄時に材質の異なる連結ピンを分別する必要性には対処できない。また、特許文献1の樹脂製鉗子を含め、従来の樹脂製鉗子には、樹脂製鉗子に必要な把持力を付与するために、樹脂にガラス繊維等の補強材を含有させて強度を向上させた樹脂を用いるが、特許文献2の樹脂製鉗子では、アーム組立て時に枢軸を貫通孔に圧入することによる枢軸の破損を防止するため、枢軸を撓ませることを目的として、ガラス繊維等の補強材を含有しない樹脂を用いることを特徴としている。
特許文献2の樹脂製鉗子では、押付力を付与するために、ガラス繊維等の補強材を含有しない樹脂を用いることにより、枢軸の破損を防止するとともに、カシメ金具等の材質の異なる材料を用いることによる廃棄時の問題を解決しているが、特許文献1の樹脂製鉗子のような十分な把持力を得ることができない。
特開2010−200838号公報 特開2006−230767号公報
上述の問題を解決するため、金属の部材を用いることなく、十分な把持力を有する樹脂製鉗子を提供する。または、オートクレーブによる複数回の滅菌が可能で、繰り返しの使用が可能な樹脂製鉗子を提供する。
本発明の一実施形態によると、第1のアームと第2のアームと、前記第1のアームと前記第2のアームとの一端にそれぞれ配置された把持部と、前記把持部を開閉可能に係合する枢軸と、前記第1のアームと前記第2のアームとの他端にそれぞれ配置された指環部と、を備え、前記第1のアームと前記第2のアームと前記指環部とは、樹脂とフィラーとを含む第1の層と、前記第1の層の表面に配置され、樹脂で構成された第2の層とを備える鉗子が提供される。
前記鉗子において、前記枢軸は、前記第1のアームに配置された凸部と、前記第2のアームに配置され、前記凸部と係合する凹部と、を備え、
前記凸部は、前記第2の層で構成された部分を含んでもよい。
前記凸部は、前記第2の層で構成されてもよい。
前記鉗子において、前記凸部は、前記凸部が配置された前記第1のアームから前記凸部の端部に向かって1°以上6°以下の角度で拡張する逆テーパ形状を有し、前記凹部は、前記第1のアームと接する前記第2のアームの面から、前記凹部の内部に向かって1°以上6°以下の角度で拡張する逆テーパ形状を有してもよい。
前記第1のアームに配置された把持部と前記第2のアームに配置された第2の把持部とは、互いに噛合する歯形の形状を備え、前記歯形の形状を構成する凸部は、前記第2の層で構成された部分を含んでもよい。
前記歯形の形状を構成する凸部は、前記第2の層で構成されてもよい。
本発明によると、金属の部材を用いることなく、十分な把持力を有する樹脂製鉗子を提供することができる。または、オートクレーブによる複数回の滅菌が可能で、繰り返しの使用が可能な樹脂製鉗子を提供することができる。
本発明に係る射出成形装置を説明する模式図である。 本発明の一実施形態に係る鉗子100の分解図である。 本発明の一実施形態に係る鉗子100を構成する第1のアーム10と第2のアーム20を図1に示した破線AA’で切断した断面構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る鉗子100を構成する第2のアーム20を図1に示した破線BB’で切断した断面構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る第1のアーム10に配置された凸部31及び第2のアーム20に配置された凹部33の形状を説明する模式図である。
以下に一実施形態に係る本発明の鉗子について、図を参照して説明する。なお、以下の実施形態は本発明の鉗子の一例であり、本発明の鉗子は以下の実施形態に限定されるわけではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る鉗子100の分解図である。図2は、鉗子100を示す模式図である。また、図3は、鉗子100を構成する第1のアーム10と第2のアーム20を図1に示した破線AA’で切断した断面構造を示す模式図である。鉗子100は、第1のアーム10と第2のアーム20とを備える。第1のアーム10の一端には第1の把持部11が配置され、第2のアーム20の一端には第2の把持部21が配置される。また、第1のアーム10と第2のアーム20とは、枢軸30により、第1の把持部11及び第2の把持部21を開閉可能に係合される。第1のアームの他端には第1の指環部13が配置され、第2のアームとの他端には第2の指環部23が配置される。第1の指環部13及び第2の指環部23は、使用者が指を通して、鉗子100を把持するための環状構造である。
本実施形態において、第1のアーム10、第2のアーム20及び指環部は、樹脂とフィラーとを含むコア層である第1の層91と、第1の層91の表面に配置され、樹脂で構成されたスキン層である第2の層93とを備える。第1のアーム10、第1の把持部11及び第1の指環部13は、一体で構成される。また、第2のアーム20、第2の把持部21及び第2の指環部23は、一体で構成される。なお、本発明に係る鉗子100は、図1及び図2に示したペアン鉗子に限定されない。例えば、コッヘル鉗子、ミクリッツ鉗子、マギール鉗子、ケリー鉗子、リンパ節鉗子、アリス鉗子、胃鉗子及び腸鉗子等、公知の鉗子であってもよい。この場合、鉗子の種類に応じて、第1のアーム10及び第2のアーム20の長さや形状が変更される。また、第1の把持部11及び第2の把持部21が先端部に向かって真っ直ぐな直型の鉗子であってもよく、先端部に向かって湾曲する曲型の鉗子であってもよい。また、第1の指環部13と第2の指環部23の近傍には、第1の係止部15と第2の係止部25がそれぞれ配置される。第1の係止部15と第2の係止部25には、対向する位置にラチェット歯1が配置される。第1の係止部15と第2の係止部25とは、ラチェット歯1が噛み合うことにより、第1の把持部11及び第2の把持部21の開閉をロックするラチェット3を構成する。
組立状態で第2の把持部21と対向する第1の把持部11の面及び第1の把持部11と対向する第2の把持部21の面は、鉗子の種類に応じた形状を有する。図1及び図2には、一例として、ペアン鉗子を示している。図4は、本発明の一実施形態に係る鉗子100を構成する第2のアーム20を図1に示した破線BB’で切断した断面構造を示す模式図である。ペアン鉗子は、対向する第1の把持部11の面及び第2の把持部21の面に互いに噛合する歯形の形状を有する。なお、本発明に係る鉗子100は、図1及び図2に示したペアン鉗子に限定されない。鉗子の種類に応じて、第1の把持部11及び第2の把持部21の形状が変更される。例えば、コッヘル鉗子である場合には、ペアン鉗子と同様に、第1の把持部11の面及び第2の把持部21の面に互いに噛合する歯形の形状22を有するとともに、第1の把持部11及び第2の把持部21の先端部には、第1の把持部11と第2の把持部21とを血管や組織を把持・圧挫した状態(把持部を閉じた状態)にロックするための鈎を有する。
なお、一実施形態において、歯形の形状22は第2の層93で構成されてもよい。第2の層93はフィラーを含まない樹脂で構成されるため、フィラーを含む第1の層91より剛性が低い。このため、歯形の形状22を第2の層93で構成することにより、フィラーを含む第1の層91で歯形の形状22を構成する場合よりも弾性が大きくなり、血管や組織又は縫合針等を把持する際の密着性を高めることができる。また、一実施形態において、第1の層91aで歯形の形状22aを構成し、さらに第2の層93aで歯形の形状22aに追従する被膜を構成してもよい。歯形の形状22aがこのような構造を有することにより、歯形の形状22a自体の強度を高めるとともに、歯形の形状22aの表面に弾性を付与して、血管や組織又は縫合針等を把持する際の密着性を高めることができる。
また、枢軸30は、第1のアーム10に配置された凸部31と、第2のアーム20に配置され、凸部31と係合する凹部33と、を備える。凸部31は第2の層93で構成される部分を含み、図3を参照すると、一実施形態において、凸部31は第2の層93で構成される。また、凸部31と係合する凹部33の表面は第2の層93で構成される。凸部31を第2の層93で構成することにより、フィラーを含む第1の層91で凸部31を構成する場合よりも弾性が大きくなり、組立時に凹部33との係合がしやすくなるとともに、係合後に凸部31が凹部33から脱離しにくくなる。また、凹部33の表面を第2の層93で構成することにより、組立時に凸部31との係合がしやすくなるとともに、係合後に凸部31が脱離しにくくなる。
図5は、本発明の一実施形態に係る第1のアーム10に配置された凸部31及び第2のアーム20に配置された凹部33の形状を説明する模式図である。一実施形態において、凸部31は概略円筒状の形状を有し、凸部31が配置された第1のアーム10から凸部31の端部に向かって径が拡張するように、凸部31の断面が逆テーパ形状を有する。ここで、凸部31は、第1のアーム10から凸部31の端部に向かって、即ち、凸部31が配置された第1のアーム10の面と直行する線に対して、1°以上6°以下の角度αで傾斜する。凹部33は凸部31を収容するように、凸部31に対応する形状を有し、第1のアーム10と接する第2のアーム20の面から、凹部33の内部に向かって径が拡張するように、凹部33の断面が逆テーパ形状を有する。ここで、凹部33は、第2のアーム20から凹部33の内部に向かって、即ち、凹部33が配置された第2のアーム20の面と直行する線に対して、1°以上6°以下の角度αで傾斜する。凸部31と凹部33とがこのような逆テーパ形状を有することにより、組立時に凸部31との係合がしやすくなるとともに、係合後に凸部31が脱離しにくくなる。
図5において、凸部31が配置された第1のアーム10の面と凸部31との接続部R1は、第1のアーム10の面から凸部31に向かって径が縮小するR形状を有することが好ましい。凸部31と第1のアーム10の面との接続部R1はR0.3以上であることが好ましい。このような形状を有することにより、凸部31と第1のアーム10の面との接続部の強度を得ることができる。また、概略円柱形状の凸部31の側面と凸部31の円形の端部の面のとの接続部R2は、側面から端部の面に向かって径が縮小するR形状を有することが好ましい。凸部31の側面と端部の面との接続部R2はR0.3以上であることが好ましいが、組立時や使用時での欠けを防止できれば、これに限定されるものではない。このような形状を有することにより、凸部31を凹部33に挿入しやすくすることができる。また、接続部R1と凸部31の側面との変曲点の径φ1と凸部31の側面と接続部R2との変曲点の径φ2とは、上記の角度αの範囲で設定される。なお、径φ1は、凸部31が配置される第1のアーム10の面の幅、即ち枢軸30の回転軸CC’と直交する第1のアーム10の面の幅をWとしたとき、φ1<W/2とすることが好ましい。
図5において、凹部33が配置された第2のアーム20の面と凹部33との接続部C1は、第2のアーム20の面から凹部33に向かって径が縮小するC面取りを有することが好ましい。凹部33と第2のアーム20の面との接続部C1は接続部R1に追従する形状であればよい。このような形状を有することにより、凸部31を凹部33に挿入しやすくすることができる。また、凹部33の側面と凹部33の円形の端部の面のとの接続部R3は、側面からの面に向かって径が縮小するR形状を有することが好ましい。凹部33の側面と端部の面との接続部R3はR0.3以上であることが好ましい。このような形状を有することにより、凸部31を凹部33に挿入した際に接続部R3に生じる応力を緩和することができる。また、接続部C1と凹部33の側面との変曲点の径φ3と凹部33の側面と接続部R3との変曲点の径φ4とは、上記の角度αの範囲で設定される。
また、一実施形態において、第1の層91aで凸部31aを構成し、さらに第2の層93aで凸部31aに追従する被膜を構成してもよい。凸部31aがこのような構造を有することにより、第1のアーム10aにおいて、凸部31a自体の強度を高めることができる。さらに、凸部31aの表面に弾性を付与して、組立時に凹部33との係合がしやすくなるとともに、係合後に凸部31が凹部33から脱離しにくくなる。なお、凸部31a及び凹部33aは、凸部31及び凹部33と同様の形状を採ることができるため、詳細な説明は省略する。
ここで、コア層である第1の層91を構成する材料は、樹脂とフィラーとを含む。第1の層91に利用可能な樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選択される。また、第1の層91に利用可能なフィラーとしては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維及びセルロースナノファイバからなる群から選択される。
スキン層である第2の層93を構成する樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選択される。また、第2の層93には、鉗子100の意匠性も考慮して、例えば、アルミフィラー又はその他の高輝度フィラーを含むメタリック調の樹脂材料を用いることができる。さらに、医療従事者が鉗子の種類を明確に区別できるように、鉗子の種類等に応じて第2の層93を着色してもよい。または、術野での視認性の向上や、レーザーメスのレーザー光の反射を低減する目的から、第2の層93を光透過性又は透明なポリエステル系樹脂で構成してもよい。
本発明に係る鉗子100は、第1のアーム10及び第2のアーム20をコア層である第1の層91と、第1の層91の表面に配置されるスキン層である第2の層93とで構成している。上述したように、アーム組立て時に枢軸を貫通孔に圧入することによる枢軸の破損を防止するためには、ガラス繊維等の補強材を含有しない樹脂を用いる事が考えられるが、ガラス繊維等の補強材を含有しない樹脂を用いる特許文献2の樹脂製鉗子では、十分な把持力を得ることができなかった。コア層である第1の層91と、第1の層91の表面に配置されるスキン層である第2の層93とで第1のアーム10及び第2のアーム20を構成することにより、本発明に係る鉗子100においては、組立時に凸部31と凹部33との係合がしやすくなるとともに、係合後に凸部31が凹部33から脱離しにくくなる。また、フィラーを含む第1の層91のみで把持部を構成する場合よりも、樹脂で構成される第2の層93を用いることにより、弾性が大きくなり、血管や組織又は縫合針等を把持する際の密着性を高めることができる。
争乱や近年の大規模な自然災害での医療活動では、輸送性の観点から、軽量な樹脂製鉗子が望まれるが、患者に対して十分な量の樹脂製鉗子を準備できるとは限らない。このような場合、オートクレーブによる滅菌が行える樹脂製鉗子が望まれるが、カシメ金具を必須とする特許文献1の樹脂製鉗子では材質による熱膨張率の違いから、高圧蒸気滅菌時に枢軸が破損する恐れがある。本発明に係る鉗子100においては、凸部31は第2の層93で構成される部分を含み、金属を用いない。このため、高圧蒸気滅菌時での枢軸の破損を防止することができる。
また、本発明に係る鉗子100は、樹脂で構成され、金属の部材を含まないため、金属探知機で検出されないため、緊急輸送時での手荷物検査を簡便にすることができる。
フィラーを含む第1の層91のみで第1のアーム10及び第2のアーム20をした場合、繰り返しの使用における摩耗や繰り返しの加熱滅菌により、フィラーが表面から突出して患者や医療従事者が思わぬ怪我をする懸念がある。しかし、本発明に係る鉗子100は、フィラーを含む第1の層91の表面に樹脂で構成される第2の層93を配置することにより、フィラーが表面から突出するのを防ぐことができ、より高い安全性を付与することもできる。
また、第2の層93にメタリック調の樹脂材料を用いることにより、鉗子100に意匠性を付与することもできる。樹脂製鉗子はディスポーザブルでの利用が一般的であるため、患者や医療従事者による信頼性が低いという心理的側面がある。しかし、第2の層93にメタリック調の樹脂材料を用いることにより、金属製鉗子のような意匠性を付与して、樹脂製鉗子への心理的な信頼性を高めることができる。さらに、医療従事者が鉗子の種類を明確に区別できるように、鉗子の種類等に応じて第2の層93を着色することもできる。金属性鉗子を着色する方法としては、塗料の使用やめっきが考えられる。しかし、金属性鉗子はディスポーザブルでの利用を前提としないため、繰り返しの使用により塗料やめっきが剥がれるリスクがあり、一般には金属性鉗子の着色は行われてこなかった。本発明に係る鉗子100は樹脂製鉗子であり、数回の使用では第2の層93が欠落するリスクはほとんどない。このため、第2の層93を着色することにより、医療従事者が鉗子の種類を明確に区別できるため、鉗子の取り違えによる医療事故を防止することができる。
また、一実施形態において、第2の層93を光透過性又は透明な樹脂で構成してもよい。従来は金属で形成されていたため、術野での視認性が悪く、レーザーメスのレーザー光を反射する懸念がある。一方、本発明に係る鉗子100は、第2の層93を光透過性又は透明な樹脂で構成することにより、術野での視認性を向上させることができる。また、第2の層93を光透過性又は透明な樹脂で構成することにより、レーザーメスのレーザー光の反射を低減するができ、レーザー光を透過させることもできる。
本発明に係る鉗子100は、15N以上の把持力を有する。本明細書において、鉗子の把持力は、以下の評価方法を用いて評価することとする。ショアD硬度が18〜25のゴムの試験片(40×40mm,t=0.5)を用い、鉗子で試験片を把持し、鉗子を精密万能試験機に固定する。精密万能試験機により、試験片を引っ張り、把持力を測定する。
本発明に係る鉗子100の製造方法は、上述した構造を形成できる限り、特に限定されない。例えば、2材成形による射出成形法を用いることができる。一実施形態において、本発明に係る鉗子100は、スキン層である第2の層93を金型に射出し、第2の層93の内部にフィラーを含む第1の層91を射出して成型することができるが、これに限定されるものではない。
(実施例)
実施例として、コア層である第1の層91にガラス短繊維を30wt%含有するナイロン6(ユニチカ製、ユニチカナイロン6、A1030GFL)を用い、スキン層である第2の層93にはナイロン6(ユニチカ製、ユニチカナイロン6、M1030DH)を用いた。ペアン鉗子用の金型に樹脂を射出し、樹脂の内部にガラス短繊維を30wt%含有する樹脂を射出して、第1の層91と、第1の層91の表面に配置された第2の層93とを有する第1のアーム10及び第2のアーム20を成形した。凸部31は、第2の層93で構成された。第1のアーム10の凸部31と第2のアーム20の凹部33に係合して、実施例のペアン鉗子を作製した。枢軸30の中心から把持部の先端までの長さは、47.5mmであった。
(比較例)
比較例として、ナイロン6(ユニチカ製、ユニチカナイロン6、M1030DH)のみを用いて第1のアーム10及び第2のアーム20を射出成形し、実施例と同様の形状を有する比較例の第1のアーム及び第2のアームを作製した。比較例の第1のアームの凸部と第2のアームの凹部に係合して、比較例のペアン鉗子を作製した。
(把持力の評価)
実施例及び比較例の鉗子について、把持力を評価した。把持力の評価方法は以下のとおりである。
試験機:島津製作所 精密万能試験機
試験環境:23±2℃
試験モード:シングル
試験種類:引張り

試験片:一般ゴム
試験片の硬度:18〜25(ショアD)
試験片の寸法:40×40mm t=0.5

試験方法:鉗子で試験片を把持し、鉗子を精密万能試験機に固定し、試験片を引っ張り、把持力を測定した。
実施例及び比較例の鉗子それぞれについて、20本の把持力を測定し、その平均値を得た。測定に用いた試料の長手方向の把持力と短手方向の把持力の平均値を表1に示す。
表1の結果より、実施例の鉗子は、比較例の鉗子に対して、試料の長手方向で把持力が2.03倍となり、試料の短手方向で把持力が2.42倍であった。この結果より、本実施例に係る鉗子が十分な把持力を有することが明らかとなった。
1 ラチェット歯、3 ラチェット、10 第1のアーム、10a 第1のアーム、11 第1の把持部、13 第1の指環部、15 第1の係止部、20 第2のアーム、21 第2の把持部、22 形状、22a 形状、23 第2の指環部、25 第2の係止部、30 枢軸、31 凸部、31a 凸部、33 凹部、33a 凹部、91 第1の層、91a 第1の層、93 第2の層、93a 第2の層、100 鉗子

Claims (6)

  1. 第1のアームと第2のアームと、前記第1のアームと前記第2のアームとの一端にそれぞれ配置された把持部と、前記把持部を開閉可能に係合する枢軸と、前記第1のアームと前記第2のアームとの他端にそれぞれ配置された指環部と、を備え、
    前記第1のアームと前記第2のアームと前記指環部とは、樹脂とフィラーとを含む第1の層と、前記第1の層の表面に配置され、樹脂で構成された第2の層とを備えることを特徴とする鉗子。
  2. 前記枢軸は、前記第1のアームに配置された凸部と、前記第2のアームに配置され、前記凸部と係合する凹部と、を備え、
    前記凸部は、前記第2の層で構成された部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の鉗子。
  3. 前記凸部は、前記第2の層で構成されることを特徴とする請求項2に記載の鉗子。
  4. 前記凸部は、前記凸部が配置された前記第1のアームから前記凸部の端部に向かって1°以上6°以下の角度で拡張する逆テーパ形状を有し、
    前記凹部は、前記第1のアームと接する前記第2のアームの面から、前記凹部の内部に向かって1°以上6°以下の角度で拡張する逆テーパ形状を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の鉗子。
  5. 前記第1のアームに配置された把持部と前記第2のアームに配置された第2の把持部とは、互いに噛合する歯形の形状を備え、
    前記歯形の形状を構成する凸部は、前記第2の層で構成された部分を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の鉗子。
  6. 前記歯形の形状を構成する凸部は、前記第2の層で構成されることを特徴とする請求項5に記載の鉗子。
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