JPWO2019078311A1 - 略1fLカプセル化体の製造方法及びそれに用いる装置 - Google Patents

略1fLカプセル化体の製造方法及びそれに用いる装置 Download PDF

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マニッシュ ビヤニ
マニッシュ ビヤニ
高村 禅
禅 高村
キルティ シャルマ
キルティ シャルマ
チェ チョン ファン
チェ チョン ファン
礼孝 南
礼孝 南
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J13/00Colloid chemistry, e.g. the production of colloidal materials or their solutions, not otherwise provided for; Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/02Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/04Making microcapsules or microballoons by physical processes, e.g. drying, spraying

Abstract

本発明は、マイクロホールアレイチップ10、マイクロホールアレイチップの各主表面に対向し、間隔を開けてそれぞれ設けた2つの電極20、21、2つの電極の間に電圧を印加するための電源30を含むエレクトロスプレー用デバイスに関する。本発明は、前記デバイスの空間1に被カプセル化液を満たし、かつ空間2に被カプセル化液難溶性液を満たし、2つの電極の間にパルス波電圧を印加して、前記被カプセル化液をマイクロホールアレイチップのマイクロホールを通過させ、空間2内の被カプセル化液難溶性液にカプセル化体を生成させることを含む、カプセル化体の製造方法に関する。本発明は、μLスケールセルフリー反応をfLスケールのIVCにカプセル化するための方法であって、従来法より簡易にかつ効率的にfLスケールのIVCをカプセル化できる手段を提供する。

Description

本発明は略1fLのカプセル化体の製造方法及びそれに用いる装置に関する。本発明は、例えば、被カプセル化液がフリー反応(体)であるIVCの製造方法及びそれに用いる装置に関する。
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月19日出願の日本特願2017−202950号の優先権を主張し、それらの全記載は、ここに特に開示として援用される。
合成生物学におけるIVC(in vitro compartmentalization(区画化))技術を用いた人工細胞のボトムアップ構造は、セルフリー系の効率の見直しを迫っている。セルフリー反応の生産率は、反応スケールサイズに逆比例すると考えられていた(非特許文献1)。これは主に、制限されていない空間でのバルクサイズの反応(ミリリットルからマイクロリットルの範囲)は、反応成分の非ポアソン分布によるノイズを生じるためである。第2に区画化は、外部環境からの内部活動的化学環境の分離によるセルライク界面現象を引き起し、区画のサイズ減少を増大させる。従って、制限された空間(フェムトリットルスケール)におけるセルフリー反応を行うことができるIVCの方法は、合成生物学における刺激的な可能性である。
IVCは3つの主要なアプローチを用いて生成する。
1)攪拌及びホモジネートを用いる油中水液滴のバルクエマルジョン化(非特許文献2)。単純であるが、相当量のポリ分散IVCを生じる(サイズpLからnLスケールの範囲)、従って収率は予測不能。
2)マイクロ流体に基づくシステム(非特許文献3)は、単分散IVCを生成できるが、サブpLまでの小さめのIVCの生成に限定され、生産効率も低い。
3)エレクトロスプレー(特許文献1)は単分散サブfLまでの極微小化IVCを生成できる。しかし、1kHzの周波数を用いるエレクトロスプレーのシングルノズルは、約5万液滴/秒を生成でき、そのためこの系では、μLスケールセルフリー反応のカプセル化のfLスケールのIVCにするには、数時間から数日必要になろう。例えば、10μLのセルフリー反応の1fLのIVCへのカプセル化には55時間を要するであろう。
特許文献1:特開2017−1018号公報
非特許文献1:Acs. Synth. Bio.2014:3,347
非特許文献2:Biomacromolecules 2005, 6, 1824-1828.
非特許文献3:Anal. Chem. 2008, 80, 3522-3529.
特許文献1および非特許文献1〜3の全記載は、ここに特に開示として援用される。
本発明は、μLスケールセルフリー反応をfLスケールのIVCにカプセル化するための方法であって、従来法より簡易にかつ効率的にfLスケールのIVCをカプセル化できる手段を提供することを目的とする。
本発明は、マイクロホールアレイチップに浸漬エレクトロスプレー技術を一体化したデバイスを用いることで、アトリットルスケールの容量で高度単分散IVCのウルトラハイ−スループット生成を実現することができることを見出して完成した。
本発明は以下の通りである。
[1]
マイクロホールアレイチップ、
前記マイクロホールアレイチップの各主表面に対向し、間隔を開けてそれぞれ設けた2つの電極、
前記2つの電極の間に電圧を印加するための電源
を含む
エレクトロスプレー用デバイス。
[2]
前記マイクロホールアレイチップのマイクロホールはチップ基板を貫通する貫通孔であり、貫通孔の両方の開口の平面形状は略円形であり、一方の開口の直径は他方の開口の直径と同一又は異なる、[1]に記載のデバイス。
[3]
前記2つの電極は、前記マイクロホールアレイチップの少なくともマイクロホールが存在する表面前面に設けられている、[1]又は[2]に記載のデバイス。
[4]
前記マイクロホールアレイチップの少なくとも一方の主表面に導電性薄膜層をさらに有し、導電性薄膜層はマイクロホールの各開口に対応する位置にマイクロホールの開口と略同一形状および寸法の開口を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のデバイス。
[5]
前記マイクロホールアレイチップの一方の主表面と一方の電極(以下、電極A)との間隔に形成された空間1、及び前記マイクロホールアレイチップの他方の主表面と他方の電極(以下、電極B)との間隔に形成された空間2は、それぞれ液体保持機能を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載のデバイス。
[6]
前記空間1及び2は、密閉系であるか、あるいはそれぞれ液体の流入出口を有する流通系である、[5]に記載のデバイス。
[7]
マイクロホールの電極A側の開口の直径が10〜100μmの範囲であり、マイクロホールの電極B側の開口の直径が1〜10μmの範囲である、[1]〜[6]のいずれかに記載のデバイス。
[8]
前記電源は、10〜10000ボルトの範囲の電圧のパルス波を供給できる電源である、[1]〜[7]のいずれかに記載のデバイス。
[9]
[5]〜[8]のいずれかに記載のデバイスの空間1に被カプセル化液を満たし、かつ空間2に被カプセル化液難溶性液を満たし、
2つの電極の間にパルス波電圧を印加して、前記被カプセル化液をマイクロホールアレイチップのマイクロホールを通過させ、空間2内の被カプセル化液難溶性液にカプセル化体を生成させることを含む、カプセル化体の製造方法。
[10]
印加するパルス波電圧は、電圧が100〜10000Vの範囲であり、周波数が、10〜100kHzの範囲であり、デューティー比が10〜90%の範囲である、[9]に記載の製造方法。
[11]
カプセル化体の平均体積が0.1fL〜10fLである、[9]または[10]に記載の製造方法。
[12]
被カプセル化液がセルフリー反応(体)である[9]〜[11]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、従来法より簡易にかつ効率的にfLスケールのIVCをカプセル化できる方法及び装置を提供することができる。
本発明のエレクトロスプレー用デバイスの概略説明図。 被カプセル化液(μL規模の液滴)がマイクロホールアレイチップを透過することで、aL規模の液滴(油相中)に転換されることの説明図。 パルス波電圧を印加したマイクロホールアレイチップのマイクロホールを介して微粒子化したカプセル化体の生成の説明図。 マイクロホールアレイチップ作製説明図。 実施例において得られたカプセル化液中の液滴の分布のImageJによる測定結果を示す。
<エレクトロスプレー用デバイス>
本発明は、エレクトロスプレー用デバイスに関する。本発明のエレクトロスプレー用デバイスは、
(1)マイクロホールアレイチップ、
(2)前記マイクロホールアレイチップの各主表面に対向し、間隔を開けてそれぞれ設けた2つの電極、及び
(3)前記2つの電極の間に電圧を印加するための電源
を含む。
(1)マイクロホールアレイチップ
マイクロホールアレイチップは、チップ基板を貫通する貫通孔であるマイクロホールを複数有する。チップ基板の材質、形状及び寸法には特に制限はないが、加工性が優れることから、シリコン基板であることができる。尚、シリコン基板は表面に酸化ケイ素からなる自然酸化膜また熱酸化などで意図的に形成した酸化膜を有することもできる。チップ基板の形状は、平面形状は方形、略円形、矩形等特に制限はない。厚さ方向の断面形状は、均一の厚みであることもできるが、周辺部は厚く、マイクロホールを有する中央部は、マイクロホールの長さに応じて周辺部より薄くすることができる。マイクロホールの長さは、エレクトロスプレーの性能(例えば、形成できる粒子の大きさや、エレクトロスプレー能力など)に影響することがある。チップ基板の寸法に関しては、平面の寸法は、デバイスの形状や複数設けるマイクロホールの数、配列などに応じて適宜決定できる。基板の厚みは、マイクロホールの長さを決定することになるので、エレクトロスプレーの性能と基板の強度を考慮して、適宜決定することができるが、例えば、50〜1000μmの範囲であり、好ましくは100〜700μmの範囲である。但し、この範囲に限定される意図ではない。
マイクロホールは、チップ基板を貫通する貫通孔であり、貫通孔の両方の開口の平面形状は、特に制限はないが、例えば、略円形であることができる。さらに、一方の開口の直径は他方の開口の直径と同一又は異なることができる。一方の開口の直径が他方の開口の直径と異なる場合、入口側の開口の直径が、出口側の直径より大きいことが、例えば、マイクロホールの流れをスムーズするという観点、あるいはデバイスを用いたカプセル化体の調製が容易であるという観点から適当である場合がある。マイクロホールの入口側(後述する電極A側)の開口の直径は、形成するカプセル化体のサイズにもよるが、例えば、10〜100μmの範囲であり、マイクロホールの出口側(後述する電極B側)の開口の直径が1〜10μmの範囲であることができる。但し、この範囲に制限される意図ではなく、あくまでも例示である。
1つのチップ基板におけるマイクロホールの数は、特に制限はない。例えば、実施例では、一辺が2.5cmである正方形の基板(厚み300μm)に7mm×7mmの範囲に24×16個(合計384個)のマイクロホールを設けた。マイクロホールの開口径により、マイクロホール間の間隔などは適宜決定できる。
(2)2つの電極
マイクロホールアレイチップの各主表面に対向し、間隔を開けて2つの電極をそれぞれ設ける。2つの電極は、マイクロホールアレイチップの少なくともマイクロホールが存在する表面前面に設けられることが、各マイクロホールに適正に電圧が印加されることから好ましい。電極の材質や形状には、特に制限はないが、液体に対して不活性な材質からなることが、形成するカプセル化体へのコンタミの問題を回避できることから好ましい。
(3)電源
電源は、2つの電極の間に電圧を印加するための電源である。電源は、エレクトロスプレーを生成するために、例えば、10〜10000ボルトの範囲の電圧のパルス波を供給できる電源であることができる。
(4)液体保持機能を有するチャンバー
本発明のエレクトロスプレー用デバイスは、マイクロホールアレイチップの一方の主表面と一方の電極(電極A)との間隔に形成された空間1、及び前記マイクロホールアレイチップの他方の主表面と他方の電極(電極B)との間隔に形成された空間2は、それぞれ液体保持機能を有することが適当である。具体的には、マイクロホールアレイチップの一方の主表面を一方の面とし、電極Aを含み、空間1を形成する、液体保持機能を有するチャンバー1、及びマイクロホールアレイチップの他方の主表面を一方の面とし、電極Bを含み、空間2を形成する、液体保持機能を有するチャンバー2を有する。空間1及び2は、密閉系であるか、あるいはそれぞれ液体の流入出口を有する流通系であることができる。即ち、チャンバー1及び2は、密閉系であることもできるが、それぞれ液体の流入出口を有する流通系であることもできる。
(5)導電性薄膜層
本発明のエレクトロスプレー用デバイスは、マイクロホールアレイチップの少なくとも一方の主表面に導電性薄膜層を有することができ、好ましくはマイクロホールアレイチップの一方の主表面に導電性薄膜層を有する。導電性薄膜層を有する場合、空間1は、マイクロホールアレイチップの一方の主表面上の導電性薄膜層と一方の電極(電極A)との間隔に形成される。導電性薄膜層は、チップ基板を貫通する貫通孔であるマイクロホールの各開口に対応する位置にマイクロホールの開口と略同一形状および寸法の開口を有する。
導電性薄膜層は、被カプセル化液および/または被カプセル化液難溶性液に対して不活性である導電性材料からなるものであれば良く、例えば、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、チタン(Ti)等の金属や合金であることができる。但し、これらに限定される意図ではなく、金属および合金以外の導電性材料、例えば、導電性酸化物などであっても良い。導電性薄膜層の厚みは、導電性を発揮でき、かつ薄膜層への開口の形成が容易であるという観点からは、例えば、10nm〜1000nmの範囲であることができるが、この範囲に限定される意図ではない。導電性薄膜層の形成および開口の形成は、薄膜層形成の常法および薄膜への開口形成の常法により適宜実施できる。
本発明のエレクトロスプレー用デバイスは、マイクロホールアレイチップの被カプセル化液を保持するチャンバー1(空間1)側の主表面に導電性薄膜層を有することが好ましい。そうすることで、後述するカプセル化体の製造方法における、被カプセル化液をマイクロホールアレイチップのマイクロホールを通過させて、チャンバー2(空間2)内の被カプセル化液難溶性液へのカプセル化体生成をより容易に安定的に実施することができるという利点がある。
本発明のデバイスを、図1を参照してさらに説明する。
マイクロホールアレイチップ10は複数のマイクロホール11を有する。2つの電極20及び21は、マイクロホールアレイチップ11の各主表面に対向し、間隔を開けてそれぞれ設けられている。電極20は、マイクロホールアレイチップ11の一方の面(図中の上面)と、51a、52a及び53aからなる壁部からなるチャンバー1(50a)に格納される。電極21は、マイクロホールアレイチップ11の他方の面(図中の下面)と、51b、52b及び53bからなる壁部からなるチャンバー2(50b)に格納される。電極20とマイクロホールアレイチップ11とは、53aの一部により所定の間隔を開けて配置される。チャンバー1は電極20とマイクロホールアレイチップ11の一方の面との間に、40で示される空間1を有する。同様に、電源21とマイクロホールアレイチップ11とは、53bの一部により所定の間隔を開けて配置される。チャンバー2は電極21とマイクロホールアレイチップ11の他方の面との間に、41で示される空間2を有する。電極20及び21は、導線60及び61を介して電源30と接続される。
図4には、本発明のマイクロホールアレイチップの作製方法の一例の模式図を示す。詳細は実施例の(1)を参照。図4の(3)に示すマイクロホールアレイチップは、基板であるSiの一方の主表面にSiO層を介して導電性薄膜層であるCr薄膜層を有する。
<カプセル化体の製造方法>
本発明は、上記本発明のエレクトロスプレー用デバイスを用いるカプセル化体の製造方法を包含する。この方法では、まず本発明のデバイスの空間1に被カプセル化液を満たし、かつ空間2に被カプセル化液難溶性液を満たす。次いで、2つの電極の間にパルス波電圧を印加して、前記被カプセル化液をマイクロホールアレイチップのマイクロホールを通過させ、空間2内の被カプセル化液難溶性液にカプセル化体を生成させる。
被カプセル化液は、カプセル化したい対象であれば特に制限はない。被カプセル化液は、例えば、セルフリー反応(体)であることができる。但し、これに限定される意図ではない。被カプセル化液難溶性液は、被カプセル化液に対して難溶性または不溶性であれば、特に制限はない。例えば、被カプセル化液が水性の液である場合には、被カプセル化液難溶性液は、油性の液であることができる。逆に、被カプセル化液が油性の液である場合には、被カプセル化液難溶性液は、水性の液であることができる。
2つの電極の間に電圧のパルス波を印加する。印加するパルス波は、例えば、電圧が100〜10000Vの範囲であり、周波数が10〜100kHzの範囲であり、デューティー比が10〜90%の範囲であることができる。但し、パルス波の電圧は0Vであることもでき、その場合、直流成分のみを印加することになる。直流成分のみの印加でもカプセル化体の製造は可能であり、直流成分のみを印加する場合の直流成分のための2つの電極間の電圧は、例えば、100〜10000Vの範囲であることができる。パルス波は、例えば、直流成分と交流矩形波成分とからなることができる。例えば、500Vの直流成分と、ピーク to ピークで1000Vの交流矩形波成分を足すと、0V〜1000Vのパルス波を生成することができる。パルス波の最低電圧は0V超であることもでき、例えば、直流成分と交流矩形波成分の値を調整することで、100V〜1000Vのパルス波を生成することもできる。
パルス波の電圧、周波数及びデューティー比は、マイクロホールアレイチップの形状や構造及び寸法、被カプセル化液の組成、性状等、並びに生成させたいカプセル化体の粒子径等を考慮して適宜決定できる。
被カプセル化液は、パルス波を印加したマイクロホールアレイチップのマイクロホールを通過することで微粒子化して、空間2内の被カプセル化液難溶性液にカプセル化体として到達し、カプセル化体を生成する。図2及び3にカプセル化体の状態を模式的に示す。図2に示すように、被カプセル化液(例えば、μL規模の液滴)は、マイクロホールアレイチップを透過することで、aL規模の液滴(油相中)に転換される。図3には、中央に示されたパルス波電圧を印加したマイクロホールアレイチップのマイクロホールを介して微粒子化したカプセル化体の生成が示されている。
カプセル化体製造の温度は特に制限はなく、例えば、低温(例えば、−20℃)から高温(例えば、70℃)の範囲で実施することができる。但し、これらの温度に制限はない。カプセル化体製造の時間は、チャンバー1及び2の容量や、カプセル化体製造速度を考慮して適宜決定でき、チャンバー1及び2が閉鎖系の場合は、例えば、10秒〜10分の範囲である。
本発明の製造方法によれば、製造条件を制御することで、例えば、平均体積が0.1fL〜10fLであるカプセル化体を製造することができる。
本発明の装置及び方法は、極低容量かつ単分散のビーズの生成を可能にする。Ni−NTAアガロースビーズのようなサブマイクロメーター域の直径を有する機能性ポリマービーズの大量生産に用いることができる。そのようなビーズは、現状では数十マイクロメーター域の製造に限られている。
本発明の装置及び方法は、例えば、より改善され、かつより制御された分析法のためのトップダウン人工細胞系に使用できる。例えば、25×25マイクロホールのアレイを用いて、10μLセルフリー反応(体)を1フェムトリッターのIVCにカプセル化するのに、たった5分である。
サブマイクロメーターの直径を有するIVC(アトリッター容量)は、より高い表面積−対−体積比を有するセルフリー反応体の実施するための新たなより機能的なプラットフォームを提供することができる。そのため、合成生物学において顕著な確率論的な効果を生じることができる。それは、μLスケールのセルフリー反応体においては一般に無視できるモノである(ノイズフリー合成生物学)。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。但し、実施例は本発明の例示であって、本発明は実施例に限定される意図ではない。
(1)マイクロホールアレイチップの作製
図4に方法の概略を示す。尚、図中にはSi基板の裏側のSiO2膜は記載していない(下記工程17)で除去される)。以下の工程で、マイクロホールアレイチップを作製した。一辺が2.5cmである正方形の基板(厚み300μm)に7mm×7mmの範囲に24×16個(合計384個)のマイクロホールを設けた。
1)シリコン基板(厚さ300μm、両面に約1μmのSiO2膜を有する)を準備した。
2)アセトンに5分間浸漬した後に、水洗、O2 灰化 15W, 180sec, 30sccm.
3)Cr膜(700-800nm)をスパッタリング形成した。
4)密着改善剤 OAP(東京応化工業株式会社製、主成分はヘキサ・メチル・ジ・シラザン)をコーティングした。
5)OFPR-800(東京応化工業株式会社製フォトレジスト) をコーティングした。
6)ホットプレート上で加熱(90℃/90sec)。
7)暴露 5.3 sec(MEP-800, Union).
8)現像(NMD-W東京応化工業株式会社製、(90 sec))及び洗浄DI水
9)O2 灰化 15W, 180sec, 30sccm.
10)ホットプレート上で加熱(120℃/5min)
11)室温に冷却
12)ウェットエッチングCr 10 min (KANTO CHEMICAL CO., INC. 混酸クロムエッチング液).
13)水洗
14)ウェットエッチングSiO2 30min (BHF)[正面側].
15)水洗
16)ドライエッチングSi、(RIE-200-iPB, サムコ株式会社社製使用).
17)ウェットエッチングSiO2 30min (BHF)[裏側].
18)水洗
(2)マイクロホールアレイチップを用いたエレクトロスプレーデバイスの組立
(1)で作製したマイクロホールアレイチップを用いて、図1に示すエレクトロスプレーデバイスを見立てた。チャンバー1(50a)は、1.5cm×1.5cm×2mmのシリコーンラバーを用い1cm×1cmの正方形の空間1を形成した。チャンバー2(50b)は、3cm×3cm×3mmのシリコーンラバーを用い1.5cm×1.5cmの正方形の空間2を形成した。電極はいずれもタングステン線である。
マイクロホールアレイチップのCr薄膜層がチャンバー1(50a)側になるようにして、チャンバー1(50a)には、被カプセル化液として、約160μLの1% B−4−F(Biotin−4−fluorescein) 1% アガロース水溶液を充填した。
チャンバー2(50b)には、油相として、約700μLの50%ABIL EM 90、36%Tegosoft DEC及び14%鉱油を充填した。
エレクトロスプレー電圧印加条件
電圧:1000V
周波数:100Hz
デューティー比:50%
印加時間:約5分間
電圧は、チャンバー1(50a)の電極(タングステン線)から、チャンバー2(50b)の電極(タングステン線)に向けて印加した。
上記条件でのエレクトロスプレーのよりチャンバー1(50a)中のアガロース水溶液がチャンバー2(50b)中の油相中に、マイクロホールアレイを介して、押し出し及びスプレーされた。得られたカプセル化液中の液滴の分布を、ImageJを用いて測定した。結果を図5に示す。液滴の大きさは1〜11μLの範囲であり、平均粒径は1〜3μLの範囲であった。
本発明は、極微細な液滴製造に関連する分野において有用である。

Claims (12)

  1. マイクロホールアレイチップ、
    前記マイクロホールアレイチップの各主表面に対向し、間隔を開けてそれぞれ設けた2つの電極、
    前記2つの電極の間に電圧を印加するための電源
    を含む
    エレクトロスプレー用デバイス。
  2. 前記マイクロホールアレイチップのマイクロホールはチップ基板を貫通する貫通孔であり、貫通孔の両方の開口の平面形状は略円形であり、一方の開口の直径は他方の開口の直径と同一又は異なる、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記2つの電極は、前記マイクロホールアレイチップの少なくともマイクロホールが存在する表面前面に設けられている、請求項1又は2に記載のデバイス。
  4. 前記マイクロホールアレイチップの少なくとも一方の主表面に導電性薄膜層をさらに有し、導電性薄膜層はマイクロホールの各開口に対応する位置にマイクロホールの開口と略同一形状および寸法の開口を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のデバイス。
  5. 前記マイクロホールアレイチップの一方の主表面と一方の電極(以下、電極A)との間隔に形成された空間1、及び前記マイクロホールアレイチップの他方の主表面と他方の電極(以下、電極B)との間隔に形成された空間2は、それぞれ液体保持機能を有する、請求項1〜4のいずれかに記載のデバイス。
  6. 前記空間1及び2は、密閉系であるか、あるいはそれぞれ液体の流入出口を有する流通系である、請求項5に記載のデバイス。
  7. マイクロホールの電極A側の開口の直径が10〜100μmの範囲であり、マイクロホールの電極B側の開口の直径が1〜10μmの範囲である、請求項1〜6のいずれかに記載のデバイス。
  8. 前記電源は、10〜10000ボルトの範囲の電圧のパルス波を供給できる電源である、請求項1〜7のいずれかに記載のデバイス。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載のデバイスの空間1に被カプセル化液を満たし、かつ空間2に被カプセル化液難溶性液を満たし、
    2つの電極の間にパルス波電圧を印加して、前記被カプセル化液をマイクロホールアレイチップのマイクロホールを通過させ、空間2内の被カプセル化液難溶性液にカプセル化体を生成させることを含む、カプセル化体の製造方法。
  10. 印加するパルス波電圧は、電圧が100〜10000Vの範囲であり、周波数が、10〜100kHzの範囲であり、デューティー比が10〜90%の範囲である、請求項9に記載の製造方法。
  11. カプセル化体の平均体積が0.1fL〜10fLである、請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 被カプセル化液がセルフリー反応(体)である請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法。
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