JPWO2019073623A1 - 光ファイバ式計測装置及び光ファイバ式計測方法 - Google Patents

光ファイバ式計測装置及び光ファイバ式計測方法 Download PDF

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Abstract

より小さな領域の計測に利用できる光ファイバ式計測装置及び光ファイバ式計測方法を提供する。光源と、この光源に一方端を接続した入射用光ファイバ10と、この入射用光ファイバ10の他方端に接続した導光体40と、この導光体40に一端を接続して他方端を検出器に接続した出射用光ファイバ50とを備えた光ファイバ式計測装置において、導光体40は、入射用光ファイバ10のコア10a及び出射用光ファイバ50のコア50aよりも細径のコア20aを有する光ファイバとする。

Description

本発明は、光ファイバ式計測装置及び光ファイバ式計測方法に関するものである。
従来、光ファイバを用いて屈折率と温度を計測可能とした光ファイバ式計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この光ファイバ式計測装置は、図16に示すように、一方端を光源(図示せず)に接続した入射用光ファイバ100と、この入射用光ファイバ100の他方端に接続した第1導光体200と、この第1導光体200に一方端を接続した中間光ファイバ300と、この中間光ファイバ300の他方端に接続した第2導光体400と、この第2導光体400に一方端を接続し、他方端を検出器(図示せず)に接続した出射用光ファイバ500を備えた構造としている。
入射用光ファイバ100と、中間光ファイバ300と、出射用光ファイバ500は、それぞれ所定の太さのコアを有し、第1導光体200及び第2導光体400は、このコアと同一の素材であって、コアよりも太径としていることで、入射用光ファイバ100から第1導光体200に入射させた光、及び中間光ファイバ300から第2導光体400に入射させた光に回折を生じさせている。
第1導光体200で生じた回折光は、第1導光体200の周面で全反射し、この全反射の際にグースヘンシェンシフトが生じることで、第1導光体200の周囲の屈折率に応じた位相変化が生じることとなっている。この位相変化により検出器で検出する回折光に変化が生じるので、屈折率の変化を計測可能となっている。
同様に、第2導光体400で生じた回折光も、第2導光体400の周面で全反射し、この全反射の際にグースヘンシェンシフトが生じることで、第2導光体400の周囲の屈折率に応じた位相変化が生じるが、第2導光体400の周面に例えば温度によって屈折率が変化するシリコーン樹脂被膜410を設けていると、温度の変化を計測可能となっている。
特開2015−203692号公報
しかしながら、従来の光ファイバ式計測装置では、変化の検出をしやすいようにできるだけ大きな干渉強度を得ようとすると、第1導光体及び第2導光体において複数回の全反射を生じさせる必要があり、第1導光体及び第2導光体の長さが長くなる傾向があった。
したがって、通常では、第1導光体及び第2導光体は10mm以上として使用していることが多くなり、10mmより小さい領域、例えば液滴の計測には利用することができなかった。
本発明者らは、より小さな領域の計測に利用できるように第1導光体及び第2導光体を短くすべく研究開発を行う中で、本発明を成すに至ったものである。
本発明の光ファイバ式計測装置では、光源と、この光源に一方端を接続した入射用光ファイバと、この入射用光ファイバの他方端に接続した導光体と、この導光体に一端を接続して他方端を検出器に接続した出射用光ファイバとを備え、導光体をセンサ体としている光ファイバ式計測装置において、導光体は、入射用光ファイバのコア及び出射用光ファイバのコアよりも細径のコアを有する光ファイバとしているものである。
さらに、本発明の光ファイバ式計測装置では、入射用光ファイバから導光体に入射させた光を導光体のクラッド内に広がらせた導光体伝搬光としていることにも特徴を有し、さらには、導光体伝搬光は、導光体の外周縁を境界として定在条件を満たす位相状態の光であって、導光体の中心位置で光強度が最大(ピーク)となる波形の波長の光と、前記導光体の中心位置で光強度が最小(ディップ)となる波形の波長の光が存在していることにも特徴を有するものである。
また、本発明の光ファイバ式計測装置では、入射用光ファイバに接続した導光体の端面に反射面を設け、入射用光ファイバから導光体に入射した光を反射面で反射させ、入射用光ファイバの一部を出射用光ファイバとして反射面で反射した光を入射用光ファイバの中途部に設けた光方向性結合器に導き、この光方向性結合器と検出器とを光ファイバで接続しているものである。
また、本発明の光ファイバ式計測装置では、光源と、この光源に一方端を接続した入射用光ファイバと、この入射用光ファイバの他方端に接続した第1導光体と、この第1導光体に一方端を接続した中間光ファイバと、この中間光ファイバの他方端に接続した第2導光体と、この第2導光体に一端を接続して他方端を検出器に接続した出射用光ファイバとを備え、第1導光体と第2導光体をそれぞれセンサ体としている光ファイバ式計測装置において、第2導光体は、中間光ファイバのコア及び出射用光ファイバのコアよりも細径のコアを有する光ファイバであり、第1導光体は、入射用光ファイバのコアと同材質としているものである。
さらには、第1導光体は、入射用光ファイバから第1導光体に入射した光の回折光が、第1導光体の周面で1回だけ全反射して中間光ファイバに入射する長さとしていることにも特徴を有する。
また、本発明の光ファイバ式計測方法では、入射用光ファイバを介して光源から導いた光を導光体に入射させ、この導光体から出射された光を用いて導光体の周囲の物理量の変動を計測する光ファイバ式計測方法において、導光体は、入射用光ファイバのコアよりも細径のコアを有する光ファイバとして、導光体に入射させた光を導光体のクラッド内に広がらせているものである。
本発明によれば、導光体をより短くすることができ、小さな領域の計測に利用することができる光ファイバ式計測装置とすることができる。
第1実施形態の光ファイバ式計測装置の説明図である。 第1実施形態の光ファイバ式計測装置のスペクトルのグラフである。 第1実施形態の光ファイバ式計測装置のスペクトルのグラフである。 第2実施形態の光ファイバ式計測装置の説明図である。 第2実施形態の光ファイバ式計測装置の説明図である。 第2実施形態の光ファイバ式計測装置のスペクトルのグラフである。 図6のスペクトルディップの波長と温度の関係から得られる温度−波長相関を示すグラフである。 図6のスペクトルディップの波長と温度の関係から得られる温度−光強度変化相関を示すグラフである。 第3実施形態の光ファイバ式計測装置の説明図である。 第1導光体の変容例の説明図である。 第3実施形態の光ファイバ式計測装置における第1導光体のスペクトルのグラフである。 第3実施形態の光ファイバ式計測装置における第1導光体のスペクトルのグラフである。 第3実施形態の光ファイバ式計測装置のスペクトルのグラフである。 図13の要部拡大図である。 第3実施形態の光ファイバ式計測装置のスペクトルのグラフである。 従来の光ファイバ式計測装置の説明図である。
<第1実施形態>
本実施形態の光ファイバ式計測装置は、図1に示すように、光源(図示せず)と、この光源に一方端を接続した入射用光ファイバ10と、この入射用光ファイバ10の他方端に接続した導光体40と、この導光体40に一端を接続して他方端を検出器(図示せず)に接続した出射用光ファイバ50とを備えた光ファイバ式計測装置としている。導光体40がセンサ体となっており、導光体40の周囲の屈折率の変化を検出することができる。また、導光体の表面に温度により屈折率が変化する被膜を設けた場合には温度センサとすることができる。導光体の表面に湿度により屈折率が変化する被膜を設けた場合には湿度センサとすることができる。導光体の表面にガス濃度により屈折率が変化する被膜を設けた場合にはガスセンサとすることができる。
検出器は、出射用光ファイバ50を介して入射された光の強度を計測している。特に、光源から波長を適宜変化させながらレーザ光を照射して光の強度を計測し、これらのデータから屈折率の変化等を検出可能としている。
入射用光ファイバ10及び出射用光ファイバ50は、シングルモードファイバである。本実施形態では、コア径が約8.2μmで、クラッド径が125μmの光ファイバを用いている。
導光体40は、入射用光ファイバ10のコア10a及び出射用光ファイバ50のコア50aよりも細径のコア40aを有する光ファイバとしている。本実施形態では、コア径が約2μmで、クラッド径が125μmの光ファイバを用いている。
このように導光体40のコア40aを、入射用光ファイバ10のコア10aよりも小さくすると、入射側光ファイバ10から導光体40に入射させた光は、導光体40の十分小さな径のコア40aを中心としてクラッド40b内に広がって導光体40を伝搬し、出射側光ファイバ50から出力される。
導光体40でクラッド40bにまで広がった光は、光軸と垂直な面内でファイバ外周部分が境界領域となり、この面内で定在条件を満足する位相状態の光のうち、中心部で光強度が最大(ピーク)となる波形の波長の光と、中心部で光強度が最小(ディップ)となる波形波長の光が存在する。そして、出射側光ファイバ50からは、このピーク/ディップを有する光が出力されることを新たに見出した。このように、導光体40のクラッド40bにまで広がった光であって、ピーク/ディップを有する光を「導光体伝搬光」と呼ぶこととする。
導光体40の外周部分の境界領域では、光電界が導光体40の外部に浸み出していることから、導光体40の外部の屈折率の影響を受けて導光体40内を伝搬している光の位相が変化する。この位相変化を出力光から検出することで、導光体40の外部の屈折率が計測できる。
導光体伝搬光における位相の変化は、導光体40の光軸と垂直な成分で決まるため、導光体40の長さ依存性がほとんど出ないという特徴を有している。従来の出射用光ファイバ端での干渉によって光強度の強弱が生じるものでは、伝搬光の位相変化がセンサ部の長さによって変化するため、スペクトルが小さくなるスペクトルディップの波長がセンサ部の長さ依存することになる。しかし、本構造では、出射用光ファイバ端での干渉によらないピーク/ディップを有する光である導光体伝搬光の発生機構により、センサ部のファイバの長さ依存性がほとんど出ないという特徴が生じることになる。ただし、この導光体伝搬光の利用は、導光体40が長くなればなるほど導光体40を構成しているファイバの光軸および径方向の不均一などの影響が生じることを見出しており、導光体40は2mm以下と短くすることが望ましい。図2に、導光体40の長さを0.91mmから1.07mmまで変化させた場合のスペクトルの測定値を示す。
図2に示すように、導光体40の長さによって、スペクトルが小さくなるスペクトルディップの最も深くなる波長位置は変化する。しかし、スペクトルディップが生じる位置の変化は小さいことがわかる。導光体40の長さによってスペクトルディップの最も深くなる波長位置が変化する理由は、現時点において不明である。しかしながら、導光体40の長さを調整することで波長選択が可能であることを示している。
導光体40の長さを1.07mmとして、導光体40の周囲を空気とした場合と、純水とした場合と、エタノールとした場合のスペクトル変化を図3に示す。図3に示すように、空気→純水→エタノールと屈折率が増大するのにしたがって長波長側にスペクトルディップがシフトしており、屈折率センサとして利用可能であることが確認できた。
さらに、導光体40の外周面に、温度、湿度、圧力、あるいはガス濃度等によって屈折率が変化する被膜を形成した場合には、この被膜の屈折率の変化を検出できることから、各種のセンサを構成することができる。すなわち、被膜が温度によって屈折率が変化するのであれば温度センサとすることができる。被膜が湿度によって屈折率が変化するのであれば湿度センサとすることができる。被膜が圧力によって屈折率が変化するのであれば圧力センサとすることができる。被膜がガス濃度によって屈折率が変化するのであればガスセンサとすることができる。
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、入射用光ファイバ10から導光体40に入射した光を出射用光ファイバ50へ透過させていたが、図4に示すように、導光体40'の端面に反射面41'を設けて、入射用光ファイバ10'から導光体40'に入射した光を反射させることもできる。
すなわち、図5に示すように、入射用光ファイバ10'の中途部には光方向性結合器63を設けておき、光源61に一方端を接続し、中途部に光方向性結合器63が介設されている入射用光ファイバ10'の他方端に導光体40'を接続し、入射用光ファイバ10'の一部を出射用光ファイバとして導光体40'の反射面41'で反射した光を入射用光ファイバ10'の中途部の光方向性結合器63までに導いて、光方向性結合器63に一方端を接続した連結用光ファイバ50'の他方端を検出器62に接続して光ファイバ式計測装置としている。
ここで、入射用光ファイバ10'及び連結用光ファイバ50'は、シングルモードファイバである。本実施形態では、コア径が約8.2μmで、クラッド径が125μmの光ファイバを用いている。
導光体40'は、入射用光ファイバ10'と対向する端面に金属膜を蒸着することで反射面41'を形成している。本実施形態では反射面41'は金膜で形成している。
本実施形態においても、導光体40'のコア40a'は、入射用光ファイバ10'のコア10a'よりも小さくしている。すなわち、第1実施形態の場合と同様に、入射用光ファイバ10'から導光体40'に入射された光は、導光体40'のコア40a'を中心として導光体40'のクラッド40b'内に大きく広がって導光体40'内を伝搬し、反射面41'で反射することとしている。本実施形態では、導光体40'のコア径が約2μmで、導光体40'のクラッド径が125μmであり、導光体40'の長さを0.96mmとしている。
さらに、本実施形態では、図4に示すように、導光体40'の周囲に温度によって屈折率が変化するシリコーン樹脂製の被膜42'を設けている。このシリコーン樹脂製の被膜42'は、反射面41'部分にも設けてよい。
このように、導光体40'をシリコーン樹脂製の被膜42'で被覆して温度計測を可能とし、空気の温度を室温から-50℃付近まで変化させた際のスペクトルディップの変化を図6に示す。
図6より、スペクトルディップの波長と温度の関係から図7の温度−波長相関が得られ、スペクトルディップの波長から温度を見積もることができる。
あるいは、図6において波長1588.88nmに着目し、この波長での光強度の変化から図8の温度−光強度変化相関が得られ、スペクトルの強度変化から温度を見積もることができる。
なお、本実施形態では、被膜42'に温度によって屈折率が変化するシリコーン樹脂製を用いているが、所定の物理量によって屈折率が変化する被膜を用いることで、所定の物理量を計測できるセンサとすることができる。例えば、被膜がシリカゲル膜のように湿度によって屈折率が変化する場合には、湿度センサとすることができる。被膜がいわゆる感応膜のようにガス濃度によって屈折率が変化する場合には、ガスセンサとすることができる。
<第3実施形態>
本実施形態の光ファイバ式計測装置は、図9に示すように、光源(図示せず)と、この光源に一方端を接続した入射用光ファイバ10"と、この入射用光ファイバ10"の他方端に接続した第1導光体20"と、この第1導光体20"に一方端を接続した中間光ファイバ30"と、この中間光ファイバ30"の他方端に接続した第2導光体40"と、この第2導光体40"に一端を接続して他方端を検出器(図示せず)に接続した出射用光ファイバ50"とを備えた光ファイバ式計測装置としている。本実施形態では、第1導光体20"及び第2導光体40"がセンサ体となっている。
入射用光ファイバ10"、中間光ファイバ30"及び出射用光ファイバ50"は、シングルモードファイバである。本実施形態では、コア径が約8.2μmで、クラッド径が125μmの光ファイバを用いている。
第2導光体40"は、上述した第1実施形態の導光体40と同じく、入射側の中間光ファイバ30"のコア30a"及び出射用光ファイバ50"のコア50a"よりも細径のコア40a"を有する光ファイバである。、本実施形態では、コア径が約2μmで、クラッド径が125μmの光ファイバを用いている。
本実施形態の第2導光体40"は、上述した第1実施形態の導光体40と同じであるため、重複する説明は省略する。
第1導光体20"は、入射用光ファイバ10"のコア10a"と同材質としており、入射用光ファイバ10"のコア10a"よりも太径とすることで、入射用光ファイバ10"から第1導光体20"に入射させた光に回折を生じさせることとしている。
ここで、第1導光体20"は、入射用光ファイバ10"や中間光ファイバ30"と同径の円柱状としているが、必ずしも同径の円柱状とする必要はない。例えば図10(a)に示すように、第1導光体は、入射用光ファイバ10"から中間光ファイバ30"に向けて拡径状としてもよい。ここで、中間光ファイバ30"は、入射用光ファイバ10"よりも太径としている。あるいは、図10(b)に示すように、第1導光体は、入射用光ファイバ10"や中間光ファイバ30"よりも太径としてもよく、逆に図10(c)に示すように、入射用光ファイバ10"や中間光ファイバ30"よりも細径としてもよい。あるいは、図10(d)に示すように、第1導光体は、入射用光ファイバ10"から中間光ファイバ30"に向けて縮径状としてもよい。また、第1導光体は、断面が円形となっている必要はなく、楕円形状や多角形状となっていてもよい。
第2導光体40"も同様に、円柱形状ではなく、計測容易なスペクトルディップが得られやすいように、適宜の径状としてよい。
本実施形態の光ファイバ式計測装置では、第2導光体40"の長さを短くすることができることから、小さい領域の計測を可能とすることができる。
さらに、第1導光体20"も、入射用光ファイバ10"から第1導光体20"に入射した光の回折光が、第1導光体20"の周面で1回だけ全反射して中間光ファイバ30"に入射する長さとすることで短くすることができる。すなわち、本実施形態の光ファイバ式計測装置では、小さい領域の計測を可能とすることができる。
特に、入射用光ファイバ10"と中間光ファイバ30"のコア径を約8.2μmで、クラッド径と125μmとし、第1導光体20"の径寸法を125μmとすると、第1導光体20"の長さが2mm以内で第1導光体20"の周面で1回だけ全反射して中間光ファイバ30"に入射する条件となる。第1導光体20"の長さを2mm付近とした場合の、スペクトルディップの最も深くなる波長位置を計測した。結果を図11に示す。
図11に示すように、第1導光体20"の長さが1.83mmで急峻なスペクトルディップが現れ、その前後では変化の緩やかなスペクトルディップが現れることが確認できた。なお、第1導光体20"の長さを1mm以下とした場合にはスペクトルディップが出現しなかったことから、第1導光体20"としては、長さが1mm以上である必要がある。一方、第2導光体40"は、第1実施形態で述べたように、1mm以下においても計測に利用できるスペクトルディップが出現可能である(図2参照)ことから、より小型化したい場合には、第1導光体20"よりも第2導光体40"の方がセンサ体として効果的である。
第1導光体20"の長さを1.83mmとして、第1導光体20"の周囲を空気とした場合と、純水とした場合と、エタノールとした場合のスペクトル変化を図12に示す。図12に示すように、空気→純水→エタノールの順で屈折率の増大にともなって長波長側にスペクトルディップがシフトしており、屈折率センサとして利用可能であることが確認できた。
本実施形態のように第1導光体20"と第2導光体40"を備えた光ファイバ式計測装置とする場合には、第1導光体20"に起因したスペクトルディップと、第2導光体40"に起因したスペクトルディップとが十分離れていることが望ましい。これは、第1導光体20"または第2導光体40"の形状を調整することで、容易に調整ができる。
図9に示すように、本実施形態の光ファイバ式計測装置では、第2導光体40"の周囲に温度によって屈折率が変化する被膜42"を設けている。被膜42"は、具体的には、シリコーン樹脂を用いて作製できる。なお、温度によって屈折率が変化する被膜42"とするのではなく、例えば湿度によって屈折率が変化するシリカゲル膜や、ガスを吸着することで屈折率が変化する感応膜を用いてもよい。
図13に、第2導光体40"にシリコーン樹脂製の皮膜42"を設けた光ファイバ式計測装置を用いて、空中で30〜80℃まで温度を変化させた際のスペクトルの変化を示す。ここで、入射用光ファイバ10"、中間光ファイバ30"及び出射用光ファイバ50"には、コア径が約8.2μmで、クラッド径が125μmのシングルモードファイバを用いている。第1導光体20"には、入射用光ファイバ10"のコアと同材質で、外径125μmで、長さ1.83mmの円柱状の光ファイバを用いている。第2導光体40"は、コア径が約2μmで、クラッド径が125μmで、長さ1,07mmの光ファイバを用いている。
図13において、波長1490nm付近のスペクトルディップは、第1導光体20"に起因した干渉から得られるスペクトルディップである。また、波長1280nm付近のスペクトルディップは、第2導光体40"に起因したスペクトルディップである。
図14は、図13の波長1280nm付近の拡大図である。図14に示すように、温度によってスペクトルディップの波長がシフトしており、これを利用して温度計測が可能となっている。
また、図15には、温度を30℃に固定して、第1導光体20"及び第2導光体40"の周囲を空気とした場合と、純水とした場合と、エタノールとした場合のスペクトル変化を示す。図15に示すように、空気→純水→エタノールの順で屈折率が増大するにつれて、波長1490nm付近の第1導光体20"に起因した干渉から得られるスペクトルディップはシフトする一方で、波長1280nm付近の第2導光体40"に起因したスペクトルディップには変化がない。このことから、屈折率と温度とを完全に独立させて計測できていることがわかる。
他の実施形態として、第3実施形態の第2導光体40"の代わりに、第2実施形態の導光体40'とすることもできる。
10,10',10" 入射用光ファイバ
10a,10a',10a" コア
20" 第1導光体
30" 中間光ファイバ
30a" コア
40,40' 導光体
40" 第2導光体
40a,40a',40a" コア
40b クラッド
41' 反射面
42',42" 皮膜
50, 50" 出射用光ファイバ
50a,50a" コア
50' 連結用光ファイバ
61 光源
62 検出器
63 光方向性結合器

Claims (7)

  1. 光源と、
    この光源に一方端を接続した入射用光ファイバと、
    この入射用光ファイバの他方端に接続した導光体と、
    この導光体に一端を接続して他方端を検出器に接続した出射用光ファイバと
    を備え、前記導光体をセンサ体としている光ファイバ式計測装置において、
    前記導光体は、前記入射用光ファイバのコア及び前記出射用光ファイバのコアよりも細径のコアを有する光ファイバである光ファイバ式計測装置。
  2. 前記入射用光ファイバから前記導光体に入射させた光を前記導光体のクラッド内に広がらせた導光体伝搬光としている請求項1に記載の光ファイバ式計測装置。
  3. 前記導光体伝搬光は、前記導光体の外周縁を境界として定在条件を満たす位相状態の光であって、前記導光体の中心位置で光強度が最大となる波形の波長の光と、前記導光体の中心位置で光強度が最小となる波形の波長の光が存在している請求項1または請求項2に記載の光ファイバ式計測装置。
  4. 前記入射用光ファイバに接続した前記導光体の端面には反射面を設け、前記入射用光ファイバから前記導光体に入射した光を前記反射面で反射させ、
    前記入射用光ファイバの一部を前記出射用光ファイバとして前記反射面で反射した光を前記入射用光ファイバの中途部に設けた光方向性結合器に導き、
    この光方向性結合器と前記検出器とを光ファイバで接続した請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバ式計測装置。
  5. 光源と、
    この光源に一方端を接続した入射用光ファイバと、
    この入射用光ファイバの他方端に接続した第1導光体と、
    この第1導光体に一方端を接続した中間光ファイバと、
    この中間光ファイバの他方端に接続した第2導光体と、
    この第2導光体に一端を接続して他方端を検出器に接続した出射用光ファイバと
    を備え、前記第1導光体と前記第2導光体をそれぞれセンサ体としている光ファイバ式計測装置において、
    前記第2導光体は、前記中間光ファイバのコア及び前記出射用光ファイバのコアよりも細径のコアを有する光ファイバであり、
    前記第1導光体は、前記入射用光ファイバのコアと同材質としている光ファイバ式計測装置。
  6. 前記第1導光体は、前記入射用光ファイバから前記第1導光体に入射した光の回折光が、前記第1導光体の周面で1回だけ全反射して前記中間光ファイバに入射する長さとしている請求項5に記載の光ファイバ式計測装置。
  7. 入射用光ファイバを介して光源から導いた光を導光体に入射させ、この導光体から出射された光を用いて前記導光体の周囲の物理量の変動を計測する光ファイバ式計測方法において、
    前記導光体は、前記入射用光ファイバのコアよりも細径のコアを有する光ファイバとして、前記導光体に入射させた光を前記導光体のクラッド内に広がらせている光ファイバ式計測方法。
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