JPWO2019069195A5 - - Google Patents

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本発明は、真空アシスト式測定及び充填デバイスを用いて医薬品有効成分粉末を医薬担体に充填することを伴う医薬品の調製方法に関する。本明細書中に開示される方法は、医薬品を製造するための高スループットプロセスなどの連続プロセスで使用され得る。
医薬品有効成分(API:active pharmaceutical ingredient)の発見から早期臨床段階を経た後期臨床段階及び最終市販製品までの製造は要求が厳しく、資源集約的である。APIを含有する市販製剤及び関連の製造プロセスは、一般に、賦形剤の混合又は造粒を含む。特に低用量製剤の製造では幾何学的希釈、湿式造粒、及び乾式混合が適用される。用量の均一性及び賦形剤とAPIとの間の均質性を確実にする適切な混合方法の実現に関して多くの労力が費やされる。更に、スケールアップ操作に多くの労力が払われ、早期(又は最初のアプローチの)製剤が予期せぬ生物薬剤学的プロファイルを示したとき又は後期加工に適さないと判明したときには再調合が行われる。開発を加速させるために、APIを早期にカプセル内に純粋な状態で供給することができる。ペッパーポット計測原理(pepper pot dosing principle)を古典的な秤量(Xcelodose(登録商標))と組み合わせたものが広く用いられている解決策である。しかしながら、後期においては、賦形剤との古典的な調合がなお開発されている。
カプセル内に純粋なAPIを用いることによって、賦形剤の適合性を調べ、剤形を完全に製造する代わりに、カプセルシェルとAPIとの間の適合性を単に評価することにより製剤開発時間を削減することができる。干渉する賦形剤が存在しないため特異性を評価する必要がないことから、分析方法の開発時間も削減することができる。したがって、原薬の分析方法で薬物製品の必要を満たすことができる。しかしながら、一貫した充填量、特に低充填重量でのカプセルへの純粋なAPIの充填の実現には課題がある。
本発明は、商業製造までの薬物製品の全開発経路にわたる、非常に幅広い用量範囲における純粋なAPI(即ち非常に低量の添加剤を含むAPI)の直接被包を目的とした工学的及び製造的概念に関する。本開示の方法は、医薬品を製造するための高スループットプロセスなどの連続プロセスで特に有用である。
本開示の方法は、任意の他の設備では充填することができない粉末を含む著しく広範囲の粉末特性に適応する固有の能力を有し、プラットフォームの使用者が純粋なAPI粉末の特性(例えば、過度の凝集性、付着性、流動性の悪さ等)に対処することを可能にする。開示される方法は、経口医薬品形態の開発及び製造を根本的に簡略化する技術及び組織的解決策の比較的簡単な組み合わせにおいて薬物開発の多くの複雑な側面に対処することができる。当該方法は、商業製造までの医薬品研究及び開発の開発経路に入る(固有溶解度特性が十分に良好な)任意の新たなAPIに対して再帰的に用いることができる。
上記の目的を実現するために、本開示の方法は、設備と技術の一般的でない組み合わせはもとより、粉末挙動の理解、予測、選択、修正及び制御の新規な手順を適用する。
したがって、本発明は、
(a)FT4パウダーレオメータの使用により決定された以下のパラメータ(i)~(viii)、
(i)特定基本流動エネルギー(sBFE)が最大で60mJ/g、
(ii)安定性指標(SI)が0.75~1.25、
(iii)比エネルギー(SE)が最大で10mJ/g、
(iv)15kPaでの最大原理応力(major principle stress)(MPS-15)が最大で40、
(v)15kPaでの流れ関数(FF-15)が少なくとも1.3、
(vi)15kPaでの圧縮後のかさ密度(CBD-15)が少なくとも0.26g/mL、
(vii)圧縮率が最大で47%、及び
(viii)壁摩擦角(WFA)が最大で40°、
のうちの少なくとも5つに適合する医薬品有効成分(API)を用意する工程と、
(b)工程(a)のAPIを真空アシスト式測定及び充填デバイスを使用して医薬担体の胴体部材に分配する工程と、
(c)前記医薬担体の胴体部材を前記医薬担体の相補的な蓋部材で覆い、それにより医薬品を生産する工程と、
を含む医薬品の調製方法を提供する。
関連する態様において、本発明は、医薬担体又は剤形に純粋な医薬品有効成分(API)粉末を充填する方法であって、
(a)API粉末を真空アシスト式測定及び充填デバイスを使用して医薬担体又は剤形の胴体部材に分配する工程と、
(b)前記医薬担体又は剤形の胴体部材を前記医薬担体又は剤形の相補的な蓋部材で覆い、それにより充填された医薬担体又は剤形を生産する工程と、
を含み、
純粋なAPIは、FT4パウダーレオメータの使用により決定された以下のパラメータ(i)~(viii)、
(i)特定基本流動エネルギー(sBFE)が最大で60mJ/g、
(ii)安定性指標(SI)が0.75~1.25、
(iii)比エネルギー(SE)が最大で10mJ/g、
(iv)15kPaでの最大原理応力(major principle stress)(MPS-15)が最大で40、
(v)15kPaでの流れ関数(FF-15)が少なくとも1.3、
(vi)15kPaでの圧縮後のかさ密度(CBD-15)が少なくとも0.26g/mL、
(vii)圧縮率が最大で47%、
(viii)壁摩擦角(WFA)が最大で40°、
のうちの少なくとも5つに適合する方法を提供する。
したがって、充填及び密閉された医薬担体/剤形は、典型的には、純粋なAPIのみを含む(純粋なAPIは、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%以下の添加剤を含んでもよいことに留意されたい)。
本発明はまた、本明細書中の実施形態のいずれかに記載されている本発明のプロセスによって得られた又は得られる純粋なAPI(純粋なAPIは、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%以下の添加剤を含んでもよいことに留意されたい)のみを含む経口剤形などの医薬担体/剤形を提供する。
本発明者は、APIが医薬品中に純粋なAPIとして直接配合されるのに適しているか、又は更なる改良(粒子エンジニアリング)が必要であるかどうかを予測する方法を開発した。したがって、工程(a)は、APIを医薬品中に純粋なAPIとして配合するために要求される特定の粉末パラメータの新たな最低基準を定義する品質検査を示す。
したがって、本発明はまた、APIが医薬品中に純粋なAPIとして直接配合されるのに適しているかどうかを予測する方法であって、FT4パウダーレオメータを使用し、APIが、FT4パウダーレオメータの使用により決定された以下のパラメータ(i)~(viii)、
(i)特定基本流動エネルギー(sBFE)が最大で60mJ/g、
(ii)安定性指標(SI)が0.75~1.25、
(iii)比エネルギー(SE)が最大で10mJ/g、
(iv)15kPaでの最大原理応力(major principle stress)(MPS-15)が最大で40、
(v)15kPaでの流れ関数(FF-15)が少なくとも1.3、
(vi)15kPaでの圧縮後のかさ密度(CBD-15)が少なくとも0.26g/mL、
(vii)圧縮率が最大で47%、及び
(viii)壁摩擦角(WFA)が最大で40°、
のうちの少なくとも5つに適合するかどうかを決定する工程を含む方法を提供する。
製薬業界では、ドラム充填機技術などの真空アシスト式測定及び充填デバイスの使用は、賦形剤を含む吸入製品(乳糖ブレンド又は人工粒子、例えば、PulmoSpheres(商標)など)に関連してこれまで説明されてきたが、経口剤形を含む、純粋なAPIを使用して製造される剤形へのその適用は他に類を見ないと考えられる。業界でより一般的なのは、配合されたブレンド又は造粒済み材料を、ドセイタ(dosator)又は突き固めピン充填原理を使用してカプセルに供給することである。
更に記載する実施形態では、真空ドラムディスペンサは、流動化デバイス、特に、音響変換器、より具体的には、超音波変換器を備えた粉末トラフを含む。加えて、APIは、工程(c)の前に振動、振とう、又はタッピングによって医薬担体の胴体部材に集められてもよい。
特定の実施形態では、医薬品は経口剤形である。経口剤形の一例は、明細書中の以下及び別の場所の実施形態に記載される射出成形された錠剤形の担体である。
一実施形態では、工程(c)における医薬担体は、新規な医薬品剤形としての錠剤形担体(本明細書では、Prescido(商標)とも称される)である。この担体は、錠剤の患者への訴求力を維持しつつも標準的な医薬品カプセルの機能性を有するように設計されている。本明細書中に記載される担体は、熱プロセスにおいて良好に機能するように設計された製剤を用いて、精密射出成形プロセスにより製造される。本配合物が射出成形法において高い性能を示すことにより、担体の柔軟な設計が可能になり、射出成形において従来難題であった、寸法が非常に小さい特徴を有する設計を高いロバスト性で製造することが可能になる。この設計及び製造の特徴をその利点と共に挙げると、特に、薄肉の壁部(水性媒体中における担体の崩壊時間が短い)、小型のスナップ式閉鎖機能(緊密に閉鎖することにより、輸送中の担体の開放を防止すると共に、担体内容物の改竄を制限する)、キャビティのナンバリング(使用前の追跡性及び部材の選別)、並びに重量及び寸法の高精密性(処理工程のロバスト性が高い(robust handling process))が挙げられる。
開発した本配合物は、容易な熱加工性を有することに加えて、従来のカプセルと比較して、例えば、低含水量(水の影響を受けやすい有効物質との適合性が向上する)、標準的な製造条件下における低い吸湿性及び湿気に対する低い感受性、並びにひじょうに比較的速い溶解性(水性媒体中における速やかな担体破壊)等の多くの利点を担体に付与する。したがって、PrescidoTM担体は、好ましい含水量及び吸水性を有することから、水分の影響を受けやすい化合物の処理及び安定性に関し有利であるため、従来のカプセルと比較して有利である。
カプセル充填機械内の静電容量式センサを使用する簡略化した測定手法を示す。 医薬品の調製方法に含まれる工程のフローチャートを示す。 カプセル充填機械内の複数の静電容量式センサを使用する簡略化した測定手法を示す。 医薬担体の様々な設計を示す。 図5は、図4に従う医薬担体の例示的な実施形態の蓋部材(左側)及び胴体部材(右側)の断面図を、蓋部材及び胴体部材に設けられた閉鎖機構の詳細図と共に示す。 図6Aは、図5の右側に示す担体胴体部材の三次元図である。図6Bは、図5に従う医薬担体の蓋部材及び胴体部材に設けられた閉鎖機構の更に詳細な図を示す。
本発明は、特許請求の範囲で更に定義されるように、
(a)FT4パウダーレオメータの使用により決定された以下のパラメータ(i)~(viii)、
(i)特定基本流動エネルギー(sBFE)が最大で60mJ/g、
(ii)安定性指標(SI)が0.75~1.25、
(iii)比エネルギー(SE)が最大で10mJ/g、
(iv)15kPaでの最大原理応力(major principle stress)(MPS-15)が最大で40、
(v)15kPaでの流れ関数(FF-15)が少なくとも1.3、
(vi)15kPaでの圧縮後のかさ密度(CBD-15)が少なくとも0.26g/mL、
(vii)圧縮率が最大で47%、及び
(viii)壁摩擦角(WFA)が最大で40°、
のうちの少なくとも5つに適合する医薬品有効成分(API)を用意する工程と、
(b)工程(a)のAPIを真空アシスト式測定及び充填デバイスを使用して医薬担体の胴体部材に分配する工程と、
(c)前記医薬担体の胴体部材を前記医薬担体の相補的な蓋部材で覆い、それにより医薬品を生産する工程と、
を含む医薬品の調製方法を提供する。
あらゆるスケールで有効な本明細書中に開示される方法のフローチャートを図2に提供する。
純粋なAPIの選択及び修正
本発明者は、粉末の充填挙動を識別及び予測することができる「8パラメータモデル」を開発した。8つのパラメータは以下の通りである。
sBFE:特定基本流動エネルギー(mJ/g):BFE(標準FT4試験プラットフォームから得られる)をサンプルの分割質量で除して得られる
SI:安定性指標、標準変数、無次元
SE:比エネルギー(mJ/g)、標準変数
MPS@15kPa:最大主応力、標準変数
FF@15kPa:流れ関数(無次元)、せん断セルによる、標準変数
CBD@15kPa:圧縮後のかさ密度(g/mL)、標準変数(せん断セルによる)
CPS:圧縮率(%)、標準変数
WFA:壁摩擦角(度)、標準変数。
以下の表は、モデルの一部を形成する各パラメータの範囲及び好ましい範囲を示す。各パラメータの好ましい及び最も好ましい各範囲は、任意の他のパラメータの好ましい及び最も好ましい各範囲と個々に組み合わせることができる。
Figure 2019069195000001
好適な実施形態では、工程(a)における粉末パラメータは、以下の要件、好ましくは、以下の要件のうちの少なくとも5つを満たす。
(i)sBFEは最大で25mJ/g、特に、最大で6mJ/g、及び/又は
(ii)SIは0.83~1.18、特に、0.9~1.1、及び/又は
(iii)SEは最大で8mJ/g、特に、最大で6mJ/g、及び/又は
(iv)MPS-15は最大で33、特に、最大で25、及び/又は
(v)FF-15は少なくとも3、特に、少なくとも10、及び/又は
(vi)CBD-15は少なくとも0.45g/mL、特に、少なくとも0.6g/mL、及び/又は
(vii)圧縮率は最大で35%、特に、3~15%、及び/又は
(viii)WFAは最大で34°、特に、最大で28°。
標準FT4パウダーレオメータは、少なくとも6つの粉末キャラクタリゼーション方法(測定シリンダ直径当たりの)を提供する。分析のために選択したものは以下の通りである。
25mm_1C_Split_Rep+VFR_R01、
25mm_Shear_15kPa、
25mm_Compressibility_1-15kPa、
25mm_Wall Friction_30kPa。
パラメータは、選択したこれら4つのキャラクタリゼーション方法に基づき4つのグループに分けることができる。
グループ1-(i)sBFE、(ii)SI、(iii)SE
グループ2-(iv)MPS-15、(v)FF-15、(vi)CBD-15
グループ3-(vii)CPS
グループ4-(viii)WFA。
FT4パウダーレオメータは、Freeman Technologyにより市販されている。
パラメータの4つが指示範囲外である場合、粉末は、製造性の観点において境界線にあると予測される。パラメータの4つより多くが指示範囲外である場合、ここで純粋なAPIとして記載される粉末は任意の自動機械においておそらく及び事実上加工できない。更に、MPSが非常に高く、且つそれよりも低くはあるがWFAも高い場合、粉末は充填及び供給デバイス内に蓄積しやすくなることが見出された。これは音波/超音波充填技術の負の特性である。その一方で、SIが高すぎる場合、粉末が時間の経過とともにその特性を変化させ、粉末がせん断力に対してより敏感になる。このような粉末は、スターラを使用する標準的な真空ドラム充填技術における加工性が低下する。
好適な実施形態では、パラメータのうちの少なくとも1つはパラメータ(i)~(iii)から選択され、パラメータのうちの少なくとも1つはパラメータ(iv)~(vi)から選択される、即ち、少なくとも1つはグループ1から、少なくとも1つはグループ2からである。好ましくは、グループ1のパラメータのうちの少なくとも1つはパラメータ(i)又はパラメータ(iii)、及びグループ2のパラメータのうちの少なくとも1つはパラメータ(iv)又はパラメータ(v)である。
前述の実施形態と組み合わされ得る別の実施形態では、パラメータのうちの少なくとも1つはパラメータ(vii)又はパラメータ(viii)、即ち、グループ3又はグループ4である。
APIの測定及び分配を補助するために真空アシスト式測定及び充填デバイスが超音波デバイスを備える場合、sBFEは29以下、例えば25以下であると有利であり得る。この状況におけるCPSは最大65%であり得る。
一実施形態において、WFAは34以下である及び/又はCPSは35以下である。
APIの測定及び分配を補助するために真空アシスト式測定及び充填デバイスがスターラを備える場合、SIは0.83~1.18、例えば0.9~1.1であり、CPSは35%以下であると有利であり得る。
したがって、本発明はまた、上述の8パラメータモデルを使用し、APIが医薬品中に純粋なAPIとして直接配合されるのに適しているかどうかを予測する方法(その全実施形態)を提供する。
多くの場合、方法の工程(a)は、純粋なAPIが生産される湿潤段階(図2の一番左側の部分)を含む。一般に、このような湿潤段階は結晶化工程を含む。この結晶化工程は、純粋なAPIの望ましい粒径の結晶が得られるように元から制御することができる。結晶化プロセスにおいて粒径を制御するためのパラメータ及び手段は当該分野で周知であり、温度、湿度、pH、撹拌の設定、並びに適切な塩、緩衝剤、及び有機溶媒の選択を含む。これらパラメータの選択は対象のAPIによって異なり、それらの決定はAPIの生産プロセスの一部を成す。結晶化に続き、APIは、通常、濾過及び乾燥される。
しかしながら、更なる実施形態では、方法の工程(a)は、粒径を更に低減するAPIの湿式粉砕を更に含んでもよい。
粒径はまた、湿潤段階中における添加剤の添加によって制御されてもよい。適切な添加剤が典型的には懸濁液、溶液、又は固体として使用される。添加剤の特性及び前記添加剤が添加されるプロセス中の時点は、プロセス開発中のAPIに固有のものである。あるいは又は加えて、添加剤はまた、プロセス性能又はより良好なぬれ性などの表面特性の利点を向上させるために、湿潤段階中にAPIに添加してもよい。
添加剤は、製造プロセス中の1つ以上の時点で、例えば、結晶化工程中、濾過工程中、及び/又は乾燥工程中に添加されてもよい。例えば、API母粒子は、湿潤段階の結晶化中に、又は結晶化後若しくは粉砕後に懸濁液中でポリマーにより被覆され得る。
使用される添加剤の比率は、API含量均一性にも質量センサの測定精度にも影響を及ぼさないように常に十分に低い。これは、特に低用量においてAPIが常に相当量の賦形剤中に希釈される従来の製剤とは対照的な概念である。したがって、添加される添加剤の量は非常に少ない。例えば、結晶化工程、濾過工程、又は乾燥工程中若しくは後に、1種以上の添加剤が、最大で2%(w/w)、好ましくは最大で1.5%(w/w)、より好ましくは最大で1%(w/w)、更により好ましくは最大で0.5%(w/w)、及び最も好ましくは最大で0.1%(w/w)の量まで添加されてもよい。1種以上の添加剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アクリル系ポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン、モノステアリン酸スクロース及びモノパルミチン酸スクロースなどの糖エステル、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてもよい。
湿潤段階に続き、APIは、任意選択で、乾燥段階において更にコンディショニングされてもよい。例えば、方法の工程(a)は、APIの乾式粉砕及び/又は篩分を更に含んでもよい。篩分は、円錐形篩分機器による篩分、振動篩分、又は超音波振動によりアシストされたスクリーン篩分(screen sieving)から選択されてもよい。
また、乾燥段階において、プロセス性能の利点を得るために、物性向上との関連で、API粒子は微細な添加剤で処理され、更に被覆されてもよい(加工助剤及び表面特性助剤(surface property aid)、図2の中央左側を参照)。したがって、いくつかの実施形態では、方法の工程(a)は、1種以上の添加剤が、最大で5%(w/w)、好ましくは最大で4%(w/w)、より好ましくは最大で3%(w/w)、更により好ましくは最大で2%(w/w)、及び最も好ましくは最大で1%(w/w)の量まで添加される乾燥段階を更に含む。
添加剤は、湿潤段階におけるAPIの単離後に典型的には添加されてもよく、それにより、乾燥段階APIコンディショニングプロセスの直前に又はその一部として添加される。商業環境で利用可能な確立された技術が用いられてもよい。例えば、1種以上の添加剤は、(i)特にタンブラーミキサにおける低せん断混合、(ii)特にロータリーミキサにおける高せん断混合、又は(iii)特にメカノフュージョンにおける超高せん断混合、によって添加される。混合は、典型的には、少なくとも3分間及び最大3時間の継続時間にわたって行われる。
乾燥段階中、添加剤は典型的には固体として使用される。ある実施形態では、1種以上の添加剤は、疎水性コロイド二酸化ケイ素、親水性コロイド二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ポロキサマー188、水素化植物油、又はそれらの任意の組み合わせの群から選択される。
本プロセスの発明の工程(a)における添加剤添加及びそれらの異なる処理方法の目的は、第1に、十分なレベルの粉末レオロジー特性を達成することである。
いずれの場合においても、工程(a)においてもたらされる最終純粋なAPIは、最大で5%(w/w)、好ましくは最大で4%(w/w)、より好ましくは最大で3%(w/w)、更により好ましくは最大で2%(w/w)、及び最も好ましくは最大で1%(w/w)の添加剤を含む。
上述したように、当業者であれば、粉末パラメータを工程(a)に記載された要件に準拠するようどのように適応させるかについて知っている。同様な例では、添加剤はまた、用語又は(in term or)APIの生物薬剤学的プロファイルに関する改良を達成するために指示範囲内で添加されてもよい。加えて、走査電子顕微鏡法(SEM)により粒径及び形状の質的印象(qualitative impression)を提供する。小さなサンプルサイズはバッチを表すものではない可能性があるため、これは視覚的ガイダンスとしてのみ使用され得る。
カプセルへの純粋なAPIの充填
方法の工程(b)では、工程(a)のAPIが真空アシスト式測定及び充填デバイスを使用して医薬担体の胴体部材に分配される。このようなデバイスは、0.25mg未満から0.5グラムまでの供給を可能にし、この範囲にわたって非常に精密な供給を行う。したがって、本開示の方法は、0.25mgと少なくなり得る総充填質量を、任意の古典的な調合工程を伴うことなく高精度で供給することを可能にする。真空アシスト式測定及び充填デバイスは、流動性が乏しく且つ凝集性の粉末の充填を可能にする。用量形成中、低い機械的ストレスが粉末に加えられ、他の充填原理の点から、機器表面への付着のリスクが低下する。これらの利点により、固形経口製品の大規模被包において従来使用されている従来の技術に比べて処理可能な粉末特性が広範囲になり、且つ純粋な原薬の被包のプロセス堅牢性が高くなる。
工程(b)は、工程(a)の要件が満たされた場合にのみ機能する。このため、工程(a)と工程(b)は相互に関係する。したがって、本開示は、真空アシスト式測定及び充填デバイスを使用して粉末を分配及び供給することができるかどうかを決定することを可能にする。同時に、本開示は、あるAPIを、真空アシスト式測定及び充填デバイスにより分配するのに適したものにするためにいかにして(再)構成しなければならないかの貴重なガイダンスを当業者に提供する。
吸入製品を対象としたドラム充填機技術などの真空アシスト式測定及び充填デバイスの使用は製薬業界において周知であるが、純粋なAPIを用いた経口剤形製造へのその適用は他に類を見ないと考えられる。したがって、好適な実施形態では、医薬品は経口剤形である。業界でより一般的なのは、配合されたブレンド又は造粒済み材料を、ドセイタ又は突き固めピン充填原理を使用してカプセルに供給することである。
真空アシスト式測定及び充填デバイスを使用すると、本開示の方法を連続プロセスに適用することが可能になるため、特に有利である。結果として、本発明の方法は、医薬品を製造するための高スループットプロセスで使用することができ、70,000ユニット/時間又は更にそれ以上の生産を可能にする。その結果、本方法は、その最終商業生産を含む医薬品の全開発段階を通して純粋なAPI、即ち最大で5%(w/w)の添加剤を含むAPIを用いた医薬品の調製を可能にする。本方法の工程(a)及び工程(b)を含まない先行技術の方法は、低スループットのみを示す。高スループット生産を実施するためには、様々な開発段階中にAPIを薬剤組成物中に(再)配合しなければならなかった。
好適な実施形態では、真空アシスト式測定及び充填デバイスは回転可能なドラムである。例えば、真空は、-100~-800mBar、例えば-200~-800mBar、好ましくは-300~-800mBar、より好ましくは-400~-800mBar、例えば-500~-800mBar、又は更には-600~-800mBarでドラムキャビティ内に適用される。ある実施形態では、真空はまた、-800mBarよりも高くてもよい。適用される真空とは無関係に、APIは、100~1500mBar、好ましくは200~1500mBar、より好ましくは300~1500mBar、例えば400~1500mBar、特に、500~1500mBar、より好ましくは600~1500mBar、例えば700~1500mBar、更により好ましくは800~1500mBar、特に、900~1500mBar、又は更には1000~1500mBarの排出圧力で分配されてもよい。ある実施形態では、APIを1500mBar超の排出圧力で分配することも有利であり得る。
真空アシスト式測定及び充填デバイスが回転可能なドラムである場合、前記回転可能なドラムは、充填することができる粉末特性の範囲を広げるいくつかの特定の追加的な特徴によって補助されてもよい。これらは、ドラムキャビティ近傍のトラフ内における、超音波変換器(ソニケータ)を使用した粉末の流動化を含み、超音波変換器は、いくつかの粉末の乏しい流動特性を克服するために、プローブに隣接する粉末を流動化し、APIがドラムキャビティへとより自由に流れることを可能にする。例えば、真空アシスト式測定及び充填デバイスはスターラを備えてもよく、スターラは、1サイクル当たり1~4回転、例えば、1サイクル当たり約2~約4回転、又は1サイクル当たり約1~約3回転、又は1サイクル当たり約2~約3回転に設定される。代替的に、真空アシスト式測定及び充填デバイスは、音波/超音波デバイス、特に、回転可能なドラムのキャビティに入る粉末のマイクロブリッジングを押して破壊するポゴ又はポールを備えてもよい。例えば、ポゴ又はポールは、10,000Hz~180,000Hz、好ましくは11,000Hz~170,000Hz、より好ましくは12,000Hz~160,000Hz、より好ましくは13,000Hz~150,000Hz、より好ましくは14,000Hz~140,000Hz、より好ましくは15,000Hz~130,000Hz、より好ましくは16,000Hz~120,000Hz、より好ましくは17,000Hz~110,000Hz、より好ましくは18,000Hz~100,000Hz、より好ましくは19,000Hz~90,000Hz、より好ましくは20,000Hz~80,000Hz、より好ましくは21,000Hz~70,000Hz、より好ましくは21,500Hz~60,000Hz、より好ましくは22,000Hz~50,000Hz、より好ましくは22,000Hz~40,000Hz、より好ましくは22,000Hz~30,000Hzの振動数、及び最も好ましくは約22,000Hzの振動数を適用する。
当業者は、APIの粉末レオロジーに応じてスターラ又は音波/超音波デバイス間で選択してもよい。特に、MPS-15が28以下、及び/又はWFAが31°以下である場合、APIは、APIの測定及び分配の補助のために音波/超音波デバイスを備える真空アシスト式測定及び充填デバイスと併せて使用するのに適している。その一方で、SIが1.1を超える場合、APIは、APIの測定及び分配の補助のためにスターラを備える真空アシスト式測定及び充填デバイスと併せて使用するのには適していない。本明細書中の以下の例も参照されたい。
他の実施形態は、トラフ内のAPIをならし、均一な粉末床を確実とする音響デバイス及び筐体の使用を伴う。類似の音響システムもまた、ホッパー内の粉末を整え、ホッパーからトラフへの流れを確実とするために使用される。したがって、更なる実施形態では、真空アシスト式測定及び充填デバイスは、流動化デバイスを備えた粉末トラフを含んでもよい。このようなデバイスの例は音響スピーカであり、音響スピーカは超音波変換器によって支持されてもされなくてもよい。特に、供給は振動ホッパーから粉末トラフへと行われ、ホッパーは、好ましくはセンサにより作動される実施形態が企図される。好適な実施形態では、センサは静電容量センサである。ある実施形態では、供給は、それぞれ音波デバイスを備えるホッパーから粉末トラフへと、100~1000Hzの振動数を使用して行われ、ホッパーは、粉末トラフに向かって、好ましくはセンサ、特に静電容量センサにより作動される。また、200~900Hz、300~800Hz、400~700Hz、又は500~600Hzの振動数を使用してもよい。
工程(b)におけるAPIの用量は、0.1mg~550mg、好ましくは0.2mg~500mg、及び最も好ましくは0.25mg~450mgの範囲内で選択されることが好適であり得る。好ましくは、工程(b)におけるAPIの用量は、5%未満、好ましくは4%未満、より好ましくは3%未満の相対標準偏差(RSD)を有する。通常、工程(b)におけるAPIの用量は、充填質量測定技術を使用して重量検査される。例えば、APIの用量は、ブルット-タラ秤量(brutto-tara weighing)を使用してオフラインで重量検査され得る。しかしながら、好適な実施形態では、APIの用量は、静電容量センサ及び/又はマイクロ波センサを使用して、特に、静電容量センサを使用することによってリアルタイムで重量検査され、100%の充填秤量制御の達成を可能にする。この種のインライン充填質量検証は、低スループットから高スループット設備まで利用可能である。センサは、キャビティ内の2つのコンデンサプレート間を落下する粉末のマイクロ波及び/又は容量性非接触測定の原理に基づき機能する。測定中、電界の変化を取得し、粉末の充填重量に相関させる。
近頃の静電容量式センサはカプセル充填機械に組み込まれ、一般に、数ミリグラムの用量の粉末に対して使用されている。センサへのコンデンサの距離を低減する必要があり、より高い電界がもたらされる、センサを1ミリグラム未満の範囲に理論的に設定する手法も周知である。しかしながら、これにより、粉末パックが落下し且つ測定されるセンサチャネルの直径が小さくなる。最適化されていない粉末において、このことは、多くの場合、粉末パックがチャネルの壁に衝突する、又は更にはセンサの上縁部若しくはカプセル本体の外側に落下することにつながる。更に、一般的な粉末の分配は、多くの場合、転動するパックの形成につながり、その結果は、このような落下実体の動的測定中における不十分なセンサ読取りである。このような静電容量式センサを1ミリグラム未満の領域で使用するためには、製剤により、本発明の方法により追求及び達成されるように、断片化される又は転動することなくセンサチャネルの細い直径を通過することができる安定な粉末パック又は固有の空気伝送質量を生成する必要がある。
図1に、カプセル充填機械内のそのようなセンサを使用する簡略化した測定手法を示す。カプセル充填機械は、軸Rを中心に回転可能であり、キャビティ12を備える真空ドラム10を含む。キャビティ12の少なくとも下部は、キャビティ12内における所望の圧力の蓄積を可能にする、例えば、フィルタ材などの圧力透過性材料で作製される。キャビティ12に粉末を充填するために、キャビティ12を粉末貯蔵部(図示せず)の下に配置するように真空ドラム10を回転させる。更に、キャビティ12内に大気圧を下回る圧力が確立される。その結果、粉末が粉末貯蔵部からキャビティ12に供給され、粉末の用量が高精度で制御され得る。その後、真空ドラム10は図1に示される位置に回転し、キャビティ12内に大気圧を超える圧力が確立される。その結果、キャビティ12内で形成された粉末パック14はキャビティ12から排出される。キャビティ12内で形成された粉末パック14は、静電容量式センサ16を通ってカプセル本体18内に落下し、粉末充填重量のインライン測定を可能にする。
その場測定(measurement on-the-fly)はほぼ即時であり、機械の動作振動の影響を受けず、特に、正味充填重量をリアルタイムで直接決定する。加えて、これらの測定原理はカプセルシェルの重量のばらつきとは無関係である。これらセンサは、典型的には、好ましくは、カプセル等の従来の担体又は錠剤の態様を有する特殊な担体の100%選別、最も好ましくは、リアルタイム放出試験を監視するために使用される。これらセンサは、典型的には、担体の充填重量を決定するために使用される。これらセンサを分析的に検証するための手順が開発されている。これら検証手順は、錠剤に使用される近赤外線分光法から適応させたものであり、予測の二乗平均平方根誤差を使用するNIR対HPLC(high-performance liquid chromatography:高速液体クロマトグラフィ)の並列1対1試験が一般的手法である。結果として、静電容量センサ及び/又はマイクロ波センサを用いたリアルタイム重量制御を使用する場合、センサは、HPLC又は天秤などの分析対照ツールに対して、5%未満、好ましくは4.5%未満、より好ましくは4%未満、及び最も好ましくは3.5%未満の予測の二乗平均平方根誤差(RSMP)を有する。
その後、純粋な又は修正APIは、蓋及び胴体部材などの少なくとも2つの部材を有する従来の医薬担体内に入れられる。実施形態では、APIは、工程(c)の前に振動、振とう、又はタッピングによって医薬担体の胴体部材内で集められる。
担体構成要素である本体及び蓋は機械に別々に装填され、機械は、これら部品を2つの独立チャネルを通して粉末充填ステーションまでハンドリングする、方向付ける、及び搬送することができる。充填後、胴体部材と上部材は係合され、押し合わされて最終担体ユニットを形成する。
技術のスケールアップは、開発プロセスにおける充填試験の全段階を通して代表的且つ移行可能な結果を可能にする供給ラインの並列化によって容易に実施することができる。機器間で使用されるセンサシステムは常に同じである。この全体的な組み合わせは、様々な臨床需要及び市場需要に素早く応えることを可能にし、異なるAPIに基づく広範囲の薬物製品に適応し、製造区域における小さな占有面積を使用し、薬物開発及び処理のコストを潜在的に低減する非常に柔軟な充填システムをもたらす。したがって、本開示は、医薬品を製造するための連続プロセス及び/又は高スループットプロセスにおける上記の方法の使用を想定する。この状況において、高スループットとは、少なくとも25,000ユニット/時間、好ましくは30,000ユニット超/時間、より好ましくは40,000ユニット超/時間、より好ましくは50,000ユニット超/時間、より好ましくは60,000ユニット超/時間、及び最も好ましくは少なくとも70,000ユニット/時間を意味する。
図3に、カプセル充填機械内の複数のセンサ16を使用する簡略化した測定手法を示す(例えば、3つのトラック)。図1を参照して上で詳述したようにいくつかのキャビティ12によってドラム10内で生成された粉末パック14は、センサ16を通ってカプセル18内に落下し、多数の供給ステーションにおける粉末質量のインライン測定を可能にし、個々の充填重量値を生じる。
医薬担体
医薬担体は、経口剤形はもとより、ドライパウダー吸入器の単回用量形態(mono-dose form)を含む。医薬担体は、ゼラチン又はヒプロメロースなどの材料で作られた2部品カプセルなどの従来のカプセルを含む。純粋な又は修正APIを従来のカプセルに充填する代わりとして、APIはまた、本明細書中に記載されるPrescido(商標)容器などの射出成形容器に充填され得る。Prescido(商標)容器はカプセルと同じように充填されるカプセルであるが、フィルムコーティングされた錠剤の外観を有する。これにより、従来のカプセル以外の剤形提示が望まれる場合に選択する販売のための追加的な提示オプションを作成する。図4(上列)は、Prescido(商標)プラットフォームの様々な設計を示す。
図4から明らかなように、Prescido(商標)容器は、異なる設計及び異なる充填容量を有してもよい。特に、容器は、例えば、容器に充填される粉末の量に基づいて適切な容器を選択できるように、様々な直径及び高さを有してもよい。容器は、典型的には、カプセル形に対して、円盤形などの錠剤形を有するように選択される。医薬担体の蓋及び下部を考えると、カプセル形は、胴体部材の中心から蓋部材の中心へと延びる中心軸に沿って細長くなっている。したがって、従来のカプセルにおいては、横方向の伸張範囲、特に蓋及び胴体部材の直径の、中心軸に沿った組立て後の蓋と胴体部材の高さに対する比は、1:1未満、例えば、0.5:1以下である。例えば、タイプ000カプセルは、直径5.32mm及び高さ14.3mm(0.37:1の比)を有し、タイプ4カプセルは、直径9.55mm及び高さ26.1mm(同じく、0.37:1の比)を有する。対照的に、錠剤形の担体はより平らな形状を有し、1を超える比を有する(1:1は本質的に球体)。したがって、医薬担体は、横方向の伸張範囲、特に蓋及び胴体部材の直径の、組立て後の蓋と胴体部材の高さに対する比が、>1、好ましくは、≧1.4、より好ましくは≧1.5、更により好ましくは、≧2、最も好ましくは、≧2.4、及び特に、≧2.5であるように好ましくは設計されている。
好ましくは、前記医薬担体の蓋部材と胴体部材は、相補的な閉鎖機構を有する。相補的な閉鎖機構はインターロック式スナップ機構であることが更に好ましい。この取り扱い原理は他に類を見ないものであり、医薬品粉末充填機械に対して世界で初めて実現される。
市販のカプセルは浸漬コーティング法により製造される。これは、ポリマー/水混合物の貯留槽を準備することと、ピンを混合物でコーティングされるように浸漬することとを含む。次いでピンを混合物から引き揚げて、ピン上のポリマー混合物を乾燥させることにより硬カプセルを形成させた後、取り外す。他方、PrescidoTM担体は、射出成形により製造される。射出成形は、材料をスクリュー内で溶融させることを含み、次いでこれを使用することにより溶融物が高圧で金型内に注入され、溶融物は金型で急速に冷却された後、突き出される。この方法は浸漬コーティングと比較して多くの利点を有する。この方法は、電気的駆動装置が機械の動きを正確に制御するため極めて精密に行うことができる。そのことに加えて、温度、圧力及び金型の精密性等の工程パラメータを非常に厳しく制御することにより、均一性の高い部材が得られる。
加えて、射出成形を用いることにより、複雑な部材形状に対応できる自由度が広がる。浸漬成形では、カプセルの外側及び内側の形状はどちらもピンの形状により制限されるが、射出成形部材の形状は金型形状により画定され、それにより、担体のそれぞれの面に多種多様な特徴を備えることが可能になる。
従来のカプセルの組成は、水中に分散させた際に適正なレオロジー特性及び皮膜形成性を示すポリマーに限定される。一方、射出成形はホットメルト法であり、全く異なる特性の材料が必要となる。そのことにより、ゼラチン(動物由来、環境条件に依存して機械的性質が変化する)及びHPMC(溶解のラグタイムがある)等の従来のカプセル材料から移行する機会と、難題(射出成形法は、所要の材料特性に関する要求が非常に厳しい)とが同時に提示される。材料は、この方法を実施する間、熱的に安定であり、溶融流動性が特に高剪断条件下において良好であり、冷却後も、装置から突き出すのに十分な可撓性を有し、本開示の用途に用いる場合は、製剤加工が可能になるような十分な機械的強度を有し、且つ水中で速やかに溶解しなくてはならない。更にこの材料は、ヒトが摂取するのに適しており、医薬用として認可されなければならない。
本発明者らは、ポリエチレンオキシド(PEO)をベースとする配合物が射出成形に好適となり得ることを見出した。適正な物理化学的性質を有する配合物が得られるように、異なる分子量のPEOの比について試験を行った。
こうした状況において、本開示は、医薬担体の射出成形のための配合を更に提供し、配合は、重量平均分子量M94,000~188,000を有する1種以上のポリエチレンオキシドポリマー43.5~97%(w/w)と、粘着防止剤3~7%(w/w)と、任意選択で、1種以上の賦形剤と、を含む。
医薬担体の射出成形に好適な配合物の重量平均分子量はM94,000~188,000である。好ましい実施形態において、前記ポリエチレンオキシドポリマーの重量平均分子量は、M95,000~185,500、より好ましくは、M97,500~183,000、より好ましくは、M100,000~175,000、より好ましくは、M102,000~165,000、より好ましくは、M105,000~150,000、一層好ましくは、107,500~130,000、最も好ましくは、M110,000~115,000である。
前記ポリエチレンオキシドポリマーは、重量平均分子量が約M100,000のポリエチレンオキシド、重量平均分子量が約M200,000のポリエチレンオキシド、重量平均分子量が約M300,000のポリエチレンオキシド、重量平均分子量が約M600,000のポリエチレンオキシド、及び重量平均分子量がM8,000のポリエチレンオキシドの1種又は複数種を含むことができ、好ましくはこれらから構成されることができる。この種のポリエチレンオキシドは市販されている。
特定の好ましい実施形態において、前記ポリエチレンオキシドポリマーは、重量平均分子量がM100,000である第1ポリエチレンオキシドを35~80%(w/w)と;重量平均分子量がM200,000である第2ポリエチレンオキシドを4~28.5%(w/w)と、を含む。他の好ましい実施形態において、配合物は、前記第1ポリエチレンオキシドを41~77.5%(w/w)、好ましくは42~76%(w/w)、より好ましくは43~75%(w/w)、より好ましくは45~74%(w/w)、より好ましくは50~74%(w/w)、最も好ましくは約73.5%(w/w)を含むことができる。特定の好ましい実施形態において、配合物は、前記第2ポリエチレンオキシドを4~27.5%(w/w)、好ましくは5~25%(w/w)、より好ましくは6~22%(w/w)、より好ましくは10~21%(w/w)、より好ましくは11~20.5%(w/w)、最も好ましくは約20%(w/w)を含む。
更なる実施形態において、医薬担体の射出成形用配合物は、粘着防止剤を3.5~6.5%、好ましくは4~6%(w/w)、一層好ましくは4.5~5.5%(ww)、最も好ましくは約5%含む。特に好ましい粘着防止剤はタルクである。
一実施形態において、配合物は、1種又は複数種の着色剤及び/又は乳白剤を0~6%(w/w)、好ましくは、1種又は複数種の着色剤及び/又は乳白剤を0.01~5%(w/w)、より好ましくは、1種又は複数種の着色剤及び/又は乳白剤を0.25~4%(w/w)、より好ましくは、1種又は複数種の着色剤及び/又は乳白剤を0.5~3%(w/w)、より好ましくは、1種又は複数種の着色剤及び/又は乳白剤を0.75~2.5%(w/w)、より好ましくは、1種又は複数種の着色剤及び/又は乳白剤を1~2%(w/w)、より好ましくは、1種又は複数種の着色剤及び/又は乳白剤を1~1.5%(w/w)、最も好ましくは、1種又は複数種の着色剤及び/又は乳白剤を約1%(w/w)含む。
更に好ましくは、配合物は、酸化防止剤を0.01~1%(w/w)、好ましくは、酸化防止剤を0.05~0.8%(w/w)、より好ましくは、酸化防止剤を0.1~0.75%(w/w)、より好ましくは、酸化防止剤を0.2~0.7%(w/w)、より好ましくは、酸化防止剤を0.3~0.6%(w/w)、より好ましくは、酸化防止剤を0.4~0.5%(w/w)、最も好ましくは、酸化防止剤を約0.5%(w/w)含む。
特定の実施形態において、配合物は、フィラーを30~38%(w/w)、好ましくは、32~38%(w/w)、より好ましくは、34~36%(w/w)含み;特に、フィラーはタルクである。
蓋部材及び胴体部材の少なくとも一方は、厚さが180~250μm、好ましくは185~225μm、一層好ましくは190~220μmである第1壁部と、厚さが350~450μm、好ましくは375~425μm、より好ましくは390~410μm、最も好ましくは約400μmである第2壁部と、を有する。
第1壁部の厚みは、190~220μmに最適化される。これは、射出成形による医薬担体の製造中に、材料が、薄肉の第1壁部内を流動して、より厚肉の壁部を有する領域である第2壁部に依然として確実に充填することができるように、十分に厚肉である一方で、充填された化合物の即時放出溶出プロファイルを達成するために必要とされる速やかな担体の崩壊を達成するのに十分に薄肉である。第2壁部は厚みを400μmに最適化することができる。こうすることにより、充填に利用することができるより大きい内部容積と、充填及び取扱い(充填後の開放に対する耐性を含む)に求められる機械的強度とが釣り合う。
蓋部材の第1壁部は蓋部材の頂部の少なくとも一部を画定することができる。好ましくは、薄肉の第1壁部が崩壊することで、医薬担体に充填された化合物が蓋部材の頂部の崩壊を介して速やか且つ確実に放出されるように、蓋部材の第1壁部は蓋部材の頂部全体を画定する。
蓋部材の第2壁部は蓋部材の側壁部分の少なくとも一部を画定することができる。例えば、蓋部材の第2壁部は、蓋部材の頂部に隣接するように配置された蓋部材の肩又は角を画定することができる。具体的には、蓋部材の第2壁部は、第1壁部から、即ち、特に蓋部材の頂部から、その外周に沿って、胴体部材方向に延在することができる。この設計により、蓋部材の取扱いに必要な、及び所望に応じて医薬担体を形成するようにそれを胴体部材と連結させるために必要な、機械的安定性を有する蓋部材が得られる。
医薬担体の好ましい実施形態において、胴体部材の第1壁部は胴体部材の底部の少なくとも一部分を画定する。好ましくは、胴体部材の第1壁部は、薄肉の第1壁部が崩壊すると、医薬担体に充填されていた化合物が胴体部材の底部の崩壊を介して速やか且つ確実に放出されるように、胴体部材の底部全体を画定する。
胴体部材の第2壁部は、胴体部材の側壁部分の少なくとも一部分を画定することができる。具体的には、胴体部材の第2壁部は、第1壁部から、即ち、特に胴体部材の底部から、その外周に沿って、蓋部材の方向に延在することができる。好ましくは、胴体部材の第2壁部の高さは、蓋部材の第2壁部の高さよりも高い。換言すれば、医薬担体の好ましい実施形態において、胴体部材は中空の略円筒形状を有しており、したがって、医薬化合物を充填することができる「器(vessel)」を画定する。一方、蓋部材は、略「平坦」形状を有することができる蓋部材の頂部を囲む単なる肩又は角を画定する第2壁部を備えることができる。第2壁部の壁の厚みが第1壁部よりも厚いため、胴体部材に機械的強度及び安定性が付与され、それにより、胴体部材に医薬化合物を制約なしに充填することが可能になる。
好ましい実施形態において、蓋部材及び胴体部材は相補的な閉鎖機構により互いに連結している。相補的な閉鎖機構は、蓋部材及び胴体部材の間の連結を確実且つ容易に確立する。
より具体的には、閉鎖機構は、蓋部材の第2壁部から突出している第2スナップ部と対面して相互作用するように、胴体部材の第2壁部から突出している、第1スナップ部を含むことができる。医薬担体を閉鎖する際は、即ち、蓋部材を胴体部材に連結する際は、第1及び第2スナップ部の少なくとも一方が弾性変形することができる。蓋部材及び胴体部材がそれらの最終的な相対的位置に到達したら、即ち、蓋部材が胴体部材の内部を所望により封止するように胴体部材の上部に配置されたら、蓋部材及び胴体部材が確実に連結されるように、スナップ部が互いに完全な状態となる(intact with each other)ような形で、第1及び第2スナップ部の少なくとも一方の弾性変形は解放されることができる。
例えば、第1スナップ部は突出部を含むことができ、この突出部は、第1スナップ部及び第2スナップ部の分離、したがって、蓋部材及び胴体部材の分離に抵抗するように、第2スナップ部に設けられた対応する突出部と係合するように構成されている。特に、第1スナップ部の突出部は、胴体部材と対面する第1突き合わせ面を含むことができ、第1突き合わせ面は、第2スナップ部上に形成された第2突き合わせ面と当接し、胴体部材及び蓋部材が互いに連結された際に蓋部材と対面するように構成されている。第1スナップ部上に形成された第1突き合わせ面は、胴体部材の側壁部分に対し90~150°の角度で延在することができる。第2スナップ部上に形成された第2突き合わせ面は、蓋部材の側壁部分に対し90~150°の角度で延在することができる。
第1スナップ部に設けられた突出部は、第1傾斜係合面を形成するように、第1スナップ部の自由端方向に先細りさせることができる。第1傾斜係合面は、第2スナップ部に設けられた突出部上に形成された、自由端方向に先細りしている第2スナップ部の第2傾斜係合面と係合するように構成することができる。医薬担体の蓋部材を胴体部材に連結すると、第2傾斜係合面は第1傾斜係合面に沿って摺動することができ、したがって、第1スナップ部に設けられた突出部を第2スナップ部に設けられた対応する突出部と係合させるように案内する。それにより、蓋部材の胴体部材への連結が簡素化される。
第1及び第2スナップ部の一方は、蓋部材又は胴体部材の第2壁部から第2壁部の内周領域に突出することができ、その場合、第1及び第2スナップ部の他方は、蓋部材又は胴体部材の第2壁部から胴体部材の第2壁部の外周領域に突出することができる。好ましくは、医薬担体の胴体部材に設けられた第1スナップ部は、胴体部材の第2壁部から第2壁部の内周領域に延在している。このように設計された第1スナップ部は、蓋部材の特に肩又は角形状の第2壁部から蓋部材の第2壁部の外周領域に突出している第2スナップ部と相互作用させるのに特に適している。
閉鎖機構は、蓋部材又は胴体部材の第2壁部から第2壁部の内周領域に突出している内リブを更に含むことができ、内リブは、蓋部材又は胴体部材の第2壁部から第2壁部の外周領域に突出している第1又は第2スナップ部から離れている。特に閉鎖機構は、蓋部材の第2壁部からその内周領域に突出している内リブを含むことができ、したがって、内リブは、蓋部材の特に肩又は角形状の第2壁部からその外周領域に突出している第2スナップ部とは離れている。その結果として、内リブ及び第2スナップ部は、それらの間に、医薬担体の蓋部材及び胴体部材が互いに連結された際に第1スナップ部を収容するように構成された間隙を画定する。蓋部材及び胴体部材が連結された状態において、第1スナップ部は、第2スナップ部と相互作用することにより、即ち、特に第1スナップ部上に形成された第1突き合わせ面と第2スナップ部上に形成された第2突き合わせ面とが相互作用することにより、内リブ及び第2スナップ部の間の隙間の所定位置に配置され、それと同時に、内リブは、閉鎖機構に更なる機械的安定性及び剛直性を付与する。
但し、特に、胴体部材に設けられた第1スナップ部が、胴体部材の第2壁部からその外周領域に突出しており、蓋部材の第2壁部からその内周領域に突出している第2スナップ部と相互作用するように構成されている場合は、医薬担体の胴体部材に内リブを設けることも想定される。その場合、内リブ及び第1スナップ部は、それらの間に、医薬担体の蓋部材及び胴体部材が互いに連結された際に第2スナップ部を収容するように構成された間隙を画定することができる。
好ましくは、内リブは、内リブの反対側に配置されているスナップ部よりも長さが短い。換言すれば、好ましくは、スナップ部は、内リブと一緒になって、蓋部材又は胴体部材の第2壁部から内リブよりも遠方まで突出している他方のスナップ部を収容するための間隙を画定する。更に内リブは、第3傾斜係合面を形成するように、内リブの自由端方向に先細りしていてもよく、第3傾斜係合面は、蓋部材又は胴体部材の第2壁部から第2壁部の外周領域に突出しており、したがって内リブと対向するように配置された第1又は第2スナップ部と対面する。好ましくは、内リブ上に設けられた第3傾斜係合面は、内リブの反対側に配置されたスナップ部の突出部上に設けられた突き合わせ面と実質的に平行に延在している。こうすることにより、医薬担体の蓋部材及び胴体部材が連結される際に、内リブ及び内リブの反対側に配置されたスナップ部の間に画定された間隙に収容されるように構成されたスナップ部が、内リブの反対側に配置されたスナップ部と係合するように案内される。加えて、内側リブは、スナップ式閉鎖部を安定させ、開かないようにする。
医薬担体の好ましい一実施形態において、蓋部材の第1壁部は、特に、蓋部材製造時に金型に材料を注入する点で定められる領域に、凹部が設けられている。この凹部の壁の厚みは、第1壁部の残りの部分の壁の厚みよりも厚くてもよいが、蓋部材の第2壁部の壁の厚みよりも薄い。例えば、凹部は蓋部材の頂部の中央領域に配置することができる。多数個取り成形用金型で射出成形法を行う際に、蓋部材が成形されたキャビティを示す記号を、表面、特に凹部の内面に刻印してもよい。こうすることにより、厳格な重量均一性が求められる用途には、蓋部材をキャビティ別に自動的に選別することが可能になる。
これに替えて、又はこれに加えて、胴体部材の第1壁部、特に、胴体部材製造時に金型に材料を注入する点で定められる領域に、凹部が設けられる。この凹部の壁の厚みは、第1壁部の残りの部分の壁の厚みよりも厚くてもよいが、蓋部材の第2壁部の厚みよりも薄い。例えば、凹部は胴体部材の底部の中央領域に配置することができる。多数個取り成形用金型で射出成形法を行う際に、胴体部材が成形されたキャビティを示す記号を、表面、特に凹部の内面に刻印してもよい。こうすることにより、厳格な重量均一性が求められる用途には、胴体部材をキャビティ別に自動的に選別することが可能になる。
蓋部材及び胴体部材の少なくとも一方は、その内面領域に、第2壁部の内面から及び/又は内リブの内面から、内側に向けて半径方向に突出する、複数の内部突出部を設けることができる。内部突出部が設けられた蓋部材又は胴体部材に内リブも設けられている場合、内部突出部は、蓋部材の頂部から又は胴体部材の底部から、蓋部材又は胴体部材の中心軸方向に、胴体部材の蓋部材の第2壁部に沿って、そして最終的に、第2壁部からその内周領域に突出している内リブに沿って、延在することができる。内部突出部が設けられた胴体部材の蓋部材が内リブを含まない場合、内部突出部は、蓋部材の頂部から又は胴体部材の底部から、蓋部材又は胴体部材の中心軸方向に、蓋部材又は胴体部材の第2壁部に沿って延在することができる。内部突出部の少なくとも1つ、特にそれぞれは、第2壁部及び/又は内リブを超えて(beyond)突出している突出ノーズを含むことができる。
内部突出部は、特に突出ノーズが設けられている場合、「入れ子(nesting)」と称される現象、即ち、積み重ねた部材及び/又は胴体部材がくっつく現象が低減される。こうすることにより、積み重ねた部材の、分離が困難な「入れ子」により引き起こされ得る、手作業又は自動化作業による取扱い時の問題を解消することができる。
医薬担体の好ましい実施形態において、胴体部材には角度の付いた張り出し部が設けられている。角度の付いた張り出し部は、胴体部材の第2壁部の外面領域、特に、第1スナップ部に隣接する領域に形成することができる。角度の付いた張り出し部は、第1スナップ部の外周から第2壁部の外面に向けて外側に半径方向に傾斜させることができる。医薬担体の充填時又は閉鎖時に、胴体部材の張り出し部上に意図せず落下してしまった医薬担体に充填すべき紛体状化合物を容易に取り除くことができる。
例示的な医薬担体20を図5、図6A、及び図6Bに示す。担体20は、蓋部材22及び胴体部材24を含む。図5の左側及び図6Aに示す蓋部材22は、蓋部材22の頂部を画定する第1壁部26と、蓋部材22の側壁部分を画定する第2壁部28とを含む。特に、蓋部材22の第2壁部28は、蓋部材22の頂部に隣接して配置されている蓋部材22の肩又は角を画定する。具体的には、蓋部材22の第2壁部28は、蓋部材22の頂部から、その外周に沿って、胴体部材24の方向に向かって延在している。第1壁部26の壁の厚みは第2壁部28の壁の厚みよりも薄い。図5に示す担体20の好ましい実施形態において、第1壁部26の壁の厚みは190~220μmであり、一方、第2壁部28の壁の厚みは約400μmである。
同様に、図5の右側に示す胴体部材24は、胴体部材24の底部を画定する第1壁部30と、胴体部材24の側壁部分を画定する第2壁部32とを含む。胴体部材24の第2壁部32は、胴体部材24の底部から、その外周に沿って、蓋部材22の方向に向かって延在している。第1壁部30の壁の厚みは第2壁部32の壁の厚みよりも薄い。図5に示す担体20の好ましい実施形態において、第1壁部30の壁の厚みは190~220μmであり、一方、第2壁部32の壁の厚みは約400μmである。
蓋部材22及び胴体部材24は、図5及び図6Bの詳細図に詳細に例示されている相補的な閉鎖機構34により互いに連結している。閉鎖機構34は、胴体部材24の第2壁部32から第2壁部32の内周領域に突出している第1鉤形状スナップ部36を含む。第1鉤形状スナップ部36は、蓋部材22の第2壁部28から第2壁部28の外周領域に突出している、対応する形状を有する第2鉤形状スナップ部38と対面して相互作用する。しかしながら、閉鎖機構34に、胴体部材24の第2壁部32から第2壁部32の外周領域に突出している第1スナップ部36と、蓋部材22の第2壁部28から第2壁部28の内周領域に突出している第2スナップ部38とを設けることも想定できるであろう。
図5及び図6Bに示す詳細図から分かるように、第1スナップ部36は突出部37を含み、突出部37は、蓋部材22及び胴体部材24が連結する際に、第2スナップ部38に設けられた対応する突出部39と係合するように構成されている。第1スナップ部36の突出部37は、胴体部材24と対面する第1突き合わせ面41を含む。同様に、蓋部材22の突出部39は、蓋部材22と対面する第2突き合わせ面43を含む。第1スナップ部36の突出部37上に形成された第1突き合わせ面41は、胴体部材24の側壁部分に対し約135°の角度で延在している。第2スナップ部38の突出部39上に形成されている第2突き合わせ面43は、蓋部材22の側壁部分に対し約135°の角度で延在している。更に、第1スナップ部36に設けられた突出部37は、第1傾斜係合面45を形成するように、第1スナップ部36の自由端の方向に向かって先細りしている。同様に、第2スナップ部38に設けられた突出部39も、第2傾斜係合面47を形成するように第1スナップ部36の自由端の方向に向かって先細りしている。
閉鎖機構34は、蓋部材22の肩又は角形状の第2壁部28から第2壁部28の内周領域に突出している内リブ40を更に含む。したがって内リブ40は、蓋部材22の第2壁部28から突出しており、蓋部材22の第2壁部28から第2壁部28の外周領域に突出している第2スナップ部38と離れている。こうすることにより、内リブ40及び第2スナップ部38は、それらの間に、医薬担体20の蓋部材22及び胴体部材24が互いに連結されると、第1スナップ部36を収容するように構成された間隙を画定する。但し、蓋部材22に、第2壁部28の内周領域に配置された第2スナップ部38が設けられており、第2スナップ部38が、胴体部材24の第2壁部32の外周領域に配置されている第1スナップ部36と相互作用するようになっている場合は、閉鎖機構34が、胴体部材24の第2壁部32から第2壁部32の内周領域に突出している内リブ40を含むことも想定される。その場合、第1スナップ部36は、内リブ40と一緒になって、医薬担体20の蓋部材22及び胴体部材24が互いに連結されると、第2スナップ部38を収容するように構成された間隙を画定する。
内リブ40は、内リブ40の反対側に配置されている第2スナップ部38よりも長さが短い、即ち、第2スナップ部38は、蓋部材22の第2壁部28から、内リブ40よりも遠方まで突出している。更に内リブ40は、第3傾斜係合面49を形成するように、内リブ40の自由端の方向に向かって先細りしており、第3傾斜係合面49は、蓋部材22の第2壁部28から第2壁部28の外周領域に、内リブ40の反対側に突出している第2スナップ部38と対面している。第3傾斜係合面49は、内リブ40の反対側に配置された第2スナップ部38の突出部39上に設けられた第2突き合わせ面43と実質的に平行に延在している。蓋部材22に、第2壁部28の内周領域に配置されている第2スナップ部38が設けられており、第2スナップ部38が、胴体部材24の第2壁部32の外周領域に配置されている第1スナップ部36と相互作用するようになっている場合は、内リブ40上に形成されている第3傾斜係合面49は、胴体部材24の第2壁部32から第2壁部32の外周領域に、内リブ40と対向するように突出している、第1スナップ部36と対面することができる。
医薬担体20を閉鎖すると、即ち、蓋部材22を胴体部材24に連結すると、第1スナップ部36の突出部37上に設けられた第1傾斜係合面45は、第2スナップ部38の突出部39上に設けられた第2傾斜係合面47と接触する。蓋部材22が胴体部材24に接近すると、第2傾斜係合面47は第1傾斜係合面45に沿って摺動し、その結果として、第1及び第2スナップ部36、38が僅かに弾性変形する。具体的には、第1スナップ部36は内側に向けて半径方向に僅かに屈曲し、一方、第2スナップ部38は、外側に向けて半径方向に僅かに屈曲する。但し、第1スナップ部36の内側への屈曲は、内リブ40により制限される。更に、内リブ40上に設けられた第3傾斜係合面49は、第2スナップ部38を、その最終位置である、第2スナップ部38及び内リブ40の間に画定された間隙に案内する。図6Bを参照されたい。
蓋部材22及び胴体部材24がそれらの最終的な相対的位置に達したら、即ち、蓋部材22が胴体部材24の内部を封止するように胴体部材24の上部に配置されたら、第1及び第2スナップ部36、38の弾性変形は解放され、第1スナップ部36の突出部37上に設けられた第1突き合わせ面41は、第2スナップ部38の突出部39上に設けられた第2突き合わせ面43に当接する。第1及び第2突き合わせ面41、43が相互作用することにより、胴体部材24及び蓋部材22の分離に接触する。内リブ40により、閉鎖機構34の機械的安定性及び剛直性が増大する。
蓋部材22の第1壁部26には、蓋部材22の製造時に金型に材料を注入する点で定められる中央領域に、凹部42が設けられており、凹部42の壁の厚みは、第1壁部26の残りの部分の壁の厚みよりも厚いが、蓋部材22の第2壁部28の壁の厚みよりは依然として薄い。凹部42の内面には数字(図面では、番号「1」)が刻印されており、これは、蓋部材22を多数個取り成形用金型で成形した際のキャビティを示すものである。同様に、胴体部材24の第1壁部30にも、胴体部材24の製造時に金型に材料を注入する点で定められる中央領域に、凹部44が設けられており、凹部44の壁の厚みは、第1壁部30の残りの部分の壁の厚みよりも厚いが、胴体部材24の第2壁部32の壁の厚みよりも依然として薄い。凹部44の内面には、胴体部材24を多数個取り成形用金型で成形した際のキャビティを示す数字(図示しない)が刻印されている。
図6Aから分かるように、蓋部材22には、第2壁部28の内面から、及び内リブ40の内面から、それぞれ、内側に向けて半径方向に突出している複数の内部突出部46が更に設けられている。図に示す蓋部材22の特定の実施形態においては、3個の内部突出部46が設けられている。しかしながら、蓋部材22に3個未満又は3個を超える内部突出部46を設けることも想定される。内部突出部46は、取扱い時に積み重なった部材22が嵌り込む(jamming)のを防ぐ役割を果たす。内部突出部46は、それぞれ、内リブ40から突出しているノーズ48を含み、ノーズ48は、積み重なった部材22が嵌り込むリスクを更に低減させる。図面に例示した担体20の実施形態においては、蓋部材22のみに内部突出部46が設けられている。しかしながら、これに替えて、又はこれに加えて、担体20の胴体部材24に本明細書に記載した内部突出部を設けることも想定される。
最後に、図6Bから分かるように、胴体部材24には、第2壁部32の外面領域に、第1鉤形状スナップ部36に隣接して形成されている、角度のついた張り出し部50が設けられており、張り出し部50は、鉤形状スナップ部38の外周から第2壁部32の外面に向けて外側の半径方向に傾斜している。担体20を閉鎖する際に張り出し部50上に意図せず落下した紛体を容易に除去することができる。
有利には、医薬担体の各部材の質量の標準偏差は、1mg未満、好ましくは0.8mg未満、より好ましくは0.6mg未満、更に好ましくは0.4mg未満、一層好ましくは0.3mg未満、より一層好ましくは0.2mg未満、最も好ましくは0.1mg未満である。
更に本発明を、次に示す実施形態により説明する。
1.(a)FT4パウダーレオメータの使用により決定された以下のパラメータ(i)~(viii)、
(i)特定基本流動エネルギー(sBFE)が最大で60mJ/g、
(ii)安定性指標(SI)が0.75~1.25、
(iii)比エネルギー(SE)が最大で10mJ/g、
(iv)15kPaでの最大原理応力(major principle stress)(MPS-15)が最大で40、
(v)15kPaでの流れ関数(FF-15)が少なくとも1.3、
(vi)15kPaでの圧縮後のかさ密度(CBD-15)が少なくとも0.26g/mL、
(vii)圧縮率が最大で47%、及び
(viii)壁摩擦角(WFA)が最大で40°、
のうちの少なくとも5つに適合する医薬品有効成分(API)を用意する工程と、
(b)工程(a)のAPIを真空アシスト式測定及び充填デバイスを使用して医薬担体の胴体部材に分配する工程と、
(c)前記医薬担体の胴体部材を前記医薬担体の相補的な蓋部材で覆い、それにより医薬品を生産する工程と、
を含む医薬品の調製方法。
2.(i)sBFEは最大で25mJ/g、特に、最大で6mJ/g、及び/又は
(ii)SIは0.83~1.18、特に、0.9~1.1、及び/又は
(iii)SEは最大で8mJ/g、特に、最大で6mJ/g、及び/又は
(iv)MPS-15は最大で33、特に、最大で25、及び/又は
(v)FF-15は少なくとも3、特に、少なくとも10、及び/又は
(vi)CBD-15は少なくとも0.45g/mL、特に、少なくとも0.6g/mL、及び/又は
(vii)圧縮率は最大で35%、特に、3~15%、及び/又は
(viii)WFAは最大で34°、特に、最大で28°
である、実施形態1に記載の方法。
3.パラメータ(i)~(viii)は、FT4パウダーレオメータ、及び測定シリンダ直径当たりの粉末キャラクタリゼーション方法、
(i)25mm_1C_Split_Rep+VFR_R01、
(ii)25mm_Shear_15kPa、
(iii)25mm_Compressibility_1-15kPa、及び
(iv)25mm_Wall Friction_30kPa
を使用することにより決定される、実施形態1又は2に記載の方法。
4.真空アシスト式測定及び充填デバイスは回転可能なドラム(10)である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
5.真空は、-100~-800mBarでドラムキャビティ内に適用される、及び/又はAPIは、100~1500mBarの排出圧力で分配される、実施形態4に記載の方法。
6.真空アシスト式測定及び充填デバイスは回転可能なドラム(10)であり、APIの測定及び分配を補助するためにスターラ又は音波/超音波デバイスのいずれかを備える、実施形態4又は5に記載の方法。
7.真空アシスト式測定及び充填デバイスはスターラを備え、スターラは、1サイクル当たり1~4回転に設定される、実施形態6に記載の方法。
8.真空アシスト式測定及び充填デバイスは、音波/超音波デバイス、特に、回転可能なドラムのキャビティに入る粉末のマイクロブリッジングを押して破壊するポゴ又はポールを備え、特に、ポゴ又はポールは、10000Hz~180,000Hz、好ましくは約22,000Hzの振動数を適用する、実施形態6に記載の方法。
9.(i)MPS-15が28以下、及び/又はWFAが31以下である場合、APIは、APIの測定及び分配を補助するために音波/超音波デバイスを備える真空アシスト式測定及び充填デバイスと併せて使用するのに適しており、
(ii)SIが1.1を超える場合、APIは、APIの測定及び分配を補助するためにスターラを備える真空アシスト式測定及び充填デバイスと併せて使用するのには適していない、実施形態6~8のいずれか1つに記載の方法。
10.真空アシスト式測定及び充填デバイスは流動化デバイス、特に音響スピーカ、更には超音波変換器を備えた粉末トラフを含む、実施形態4~8のいずれか1つに記載の方法。
11.供給は、振動ホッパーから粉末トラフへと行われ、ホッパーは、粉末トラフに向かって、好ましくはセンサ、特に静電容量センサにより作動される、実施形態10に記載の方法。
12.供給は、それぞれ音波デバイスを備えるホッパーから粉末トラフへと、100~1000Hzの振動数を使用して行われ、ホッパーは、粉末トラフに向かって、好ましくはセンサ、特に静電容量センサにより作動される、実施形態11に記載の方法。
13.APIの用量は、充填質量測定技術を使用して重量検査される、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
14.APIの用量は、静電容量センサ及び/又はマイクロ波センサ(16)を使用して、特に、静電容量センサを使用することによってリアルタイムで重量検査される、実施形態13に記載の方法。
15.センサ(16)は、HPLC又は天秤などの分析対照ツールに対して、5%未満、好ましくは4.5%未満、より好ましくは4%未満、及び最も好ましくは3.5%未満の予測の二乗平均平方根誤差(RMSP)を有する、実施形態14に記載の方法。
16.APIの用量は、ブルット-タラ秤量を使用してオフラインで重量検査される、実施形態13に記載の方法。
17.APIは、最大で5%(w/w)、好ましくは最大で4%(w/w)、より好ましくは最大で3%(w/w)、更により好ましくは最大で2%(w/w)、及び最も好ましくは最大で1%(w/w)の添加剤を含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
18.1種以上の添加剤は、疎水性コロイド二酸化ケイ素、親水性コロイド二酸化ケイ素,ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポロキサマー188、水素化植物油、又はそれらの任意の組み合わせの群から選択される、実施形態17に記載の方法。
19.工程(a)は、APIの篩分を更に含み、篩分は、円錐形篩分機器による篩分、振動篩分、又は超音波振動によりアシストされたスクリーン篩分から選択される、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
20.工程(b)におけるAPIの用量は、0.1mg~550mg、好ましくは0.2mg~500mg、及び最も好ましくは0.25mg~450mgの範囲内である、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
21.工程(b)におけるAPIの用量は、5%未満、好ましくは4%未満、より好ましくは3%未満の相対標準偏差(RSD)を有する、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
22.APIは、工程(c)の前に振動、振とう、又はタッピングによって医薬担体の胴体部材内で集められる、実施形態1~21のいずれか1つに記載の方法。
23.医薬担体(20)の蓋部材(22)及び胴体部材(24)のうちの少なくとも1つは、180~250μm、好ましくは185~225μm、及び更により好ましくは190~220μmの厚さを有する第1壁部(26,30)と、350~450μm、好ましくは375~425μm、より好ましくは390~410μm、及び最も好ましくは約400μmの厚さを有する第2壁部(28,32)と、を有する、実施形態1~22のいずれか1つに記載の方法。
24.蓋部材(22)と胴体部材(24)は、相補的な閉鎖機構(34)によって互いに接続され、
特に、閉鎖機構(34)は、蓋部材(22)の第2壁部(28)から突出する第2スナップ部(38)に面し、これと相互作用するように、胴体部材(24)の第2壁部(32)から突出する第1スナップ部(36)を含み、
特に、第1スナップ部(36)は、第1スナップ部(36)と第2スナップ部(38)の分離、ゆえに、蓋部材(22)と胴体部材(24)の分離を防止するように、第2スナップ部(38)上に設けられた対応する突出部(39)と係合するように適合された突出部(37)を含み、
更に特に、第1スナップ部(36)上に設けられた突出部(37)は、第2スナップ部(36)の自由端部の方向にテーパする第2スナップ部(38)上に設けられた突出部(39)上に形成された第2の傾斜係合面(47)と係合するように適合された第1の傾斜係合面(45)を形成するように、第1スナップ部(36)の自由端部の方向にテーパし、
最も好ましくは、第1スナップ部及び第2スナップ部(36,38)のうちの1つは、第2壁部(28,32)の内周の領域内において蓋部材(22)又は胴体部材(24)の第2壁部(28,32)から突出し、第1スナップ部及び第2スナップ部(36,38)のうちのもう一方は、第2壁部(28,32)の外周の領域内において蓋部材(22)又は胴体部材(24)の第2壁部(28,32)から突出する、
実施形態1~23のいずれか1つに記載の方法。
25.閉鎖機構(34)は、蓋部材(22)又は胴体部材(24)の第2壁部(28)から第2壁部(28、32)の内周領域に突出している内リブ(40)を更に含み、内リブ(40)は、蓋部材(22)又は胴体部材(24)の第2壁部(28、32)から第2壁部(28、32)の外周領域に突出している第1又は第2スナップ部(36、38)から離れており;
特に、内リブ(40)は、第3傾斜係合面(49)を形成するように内リブ(40)の自由端の方向に向かって先細りしており、第3傾斜係合面(49)は、蓋部材(22)又は胴体部材(24)の第2壁部(28、32)から第2壁部(28、32)の外周領域に突出している第1又は第2スナップ部(36、38)と対面している、実施形態24に記載の方法。
26.胴体部材(24)には、胴体部材(24)の第2壁部(32)の外面領域に、特に第1スナップ部(36)に隣接して形成されている、角度のついた張り出し部(50)が設けられており、張り出し部(50)は、特に第1スナップ部(36)の外周から第2壁部(32)の外面に向かって、外側の半径方向に傾斜している、実施形態1~25のいずれか一つに記載の方法。
27.連続プロセスにおける、実施形態1~26のいずれか1つに記載の方法の使用。
28.医薬品を製造するための高スループットプロセスにおける、実施形態1~26のいずれか1つに記載の方法の使用。
以下、実施形態において定義した本発明を以下に示す実施例により更に例示するが、これらは本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に引用する全ての引用文献を、本明細書の一部を構成するものとしてここに援用することを明記する。
標準FT4パウダーレオメータは、少なくとも6つの粉末キャラクタリゼーション方法(測定シリンダ直径当たりの)を提供する。分析のために選択したものは以下の通りである。
25mm_1C_Split_Rep+VFR_R01、
25mm_Shear_15kPa、
25mm_Compressibility_1-15kPa、
25mm_Wall Friction_30kPa。
各キャラクタリゼーション方法は数種類の応答パラメータ(デフォルト又は手動で選択可能)を生成する。350を超える異なる粉末及び60を超える異なる化合物について、標準FT4パウダーレオメータを使用し、一連の完全な粉末キャラクタリゼーション(1列につき少なくとも22個の応答パラメータ)を測定し、データベースにコンパイルした。粉末の充填挙動を識別及び予測することができる一連のパラメータ及びパラメータ範囲を決定するために、様々なパラメータを各充填挙動に相関させた。以下の8パラメータモデルが得られた。
Figure 2019069195000002
パラメータは以下の通り。
sBFE:特定基本流動エネルギー(mJ/g):BFE(標準FT4試験プラットフォームから得られる)をサンプルの分割質量で除して得られる。
SI:安定性指標、標準変数、無次元。
SE:比エネルギー(mJ/g)、標準変数
MPS@15kPa:最大主応力、標準変数
FF@15kPa:流れ関数(無次元)、せん断セルによる、標準変数
CBD@15kPa:圧縮後のかさ密度(g/mL)、標準変数(せん断セルによる)
CPS:圧縮率(%)、標準変数
WFA:壁摩擦角(度)、標準変数。
パラメータの4つが指示範囲外である場合、粉末は、製造性の観点において境界線にあると予測される。パラメータの4つより多くが指示範囲外である場合、ここで純粋なAPIとして記載される粉末は任意の自動機械においておそらく及び事実上加工できない。更に、MPSが非常に高く、且つそれよりも低くはあるがWFAも高い場合、粉末は充填及び供給デバイス内に蓄積しやすくなることが見出された。これは音波/超音波充填技術の負の特性である。その一方で、SIが高すぎる場合、粉末が時間の経過とともにその特性を変化させ、粉末がせん断力に対してより敏感になる。このような粉末は、スターラを使用する標準的な真空ドラム充填技術における加工性が低下する。
見出された「8パラメータモデル」は、データベースの中から粉末の充填挙動を識別及び予測することができ、また、少なくとも40%の粉末についてカプセル充填設備における実験応答/スコアが報告される。以下のケースでは、純粋なAPIとして供給するのに適した粉末を予測し、その開発を推進するための8パラメータモデルの性能を実証する。太字の数字は望ましい範囲の外にある。
Figure 2019069195000003
これら粉末の大半については、以下の実施例で説明する。
実施例1
LEE011を含む医薬製品の大量生産が、そうした化合物の開発ライフサイクルの初期段階から求められた。APIのいくつかのバッチを結晶化し、篩分し、ここで説明する両タイプの真空ドラム設備、即ち標準的な充填機及び音波充填機を使用する設備プラットフォームプラットフォームによってカプセルに充填した。使用した粉末種類の大半の充填性能は特に用量均一性(用量範囲10~250mg)の点において十分に良好であったが、機械ホッパー内の粉末挙動/流動性、及び動作中の部品間の摩擦発生は、平均的に、非常に長期間の運転中にいくらかの課題及びプロセス停止時間を引き起こす困難な側面であった。標準的な充填技術は特にいくらかの最適化後に、LEE011粉末に関連するそうした固有の困難に対処することができた(数百万個のカプセルユニットが無事に充填された)が、音波充填技術は、特に、MPSパラメータが特に高いと測定されたときには、粉末トラフ内における粉末の蓄積のせいで、重要な、プロセス停止時間及び部品の破損の発現を示した。「8パラメータモデル」は、MPS及びWFが同時に高い粉末の音波充填を選択しないように忠告することができた。とはいえ、1つの例(6.)ではこれらの値にもかかわらず充填することができた。
実施例2
大きなバッチの製造に適した特定スループットでの純粋な原薬の充填は、業界では一般に確立されていない。API LXS196では、粒子特性と充填プロセスが一体的に開発されている。記載する方法は、臨床供給用のLXS196カプセルを6時間以内に40,000カプセルを超えるスループットで製造することを可能とした。生産したカプセルの総数のうち良好なカプセルの割合は98.8%であった。簡略化された製造プロセスが、純粋な原薬の篩分及び被包(静電容量センサによる100%重量制御、除塵及び金属検査を含む)を実施するだけで実現された。同様に、最大400mgの用量がカプセルサイズ0に充填された。更に、インハウスで開発した高用量技術(タッピング機構)を適用することで、自動式ドラム充填設備で450mgを超える用量が被包された。
実施例3
1ミリグラム未満の量のAPIを含む粉末の供給は、カプセル充填の最先端である。困難を克服するために、生薬開発において、低用量製剤の標準的なプロセスは、APIがサーバル(serval)混合工程以内で賦形剤と混合され、希釈され、これにより、数ミリグラムの希釈されたブレンドの、カプセルへの最終供給を可能にすると説明している。最低数ミリグラム以上から始まるカプセル充填で典型的に用いられる質量検査用の静電容量センサを備える機械にも同じことが当てはまる。
本明細書中に記載される方法は、1ミリグラム未満の範囲で初めて導入される、100%含量均一性検査に対応する100%充填質量確認のプロセス分析技術を使用して、0.5及び0.25mgなどの非常に低用量の精密カプセル充填に適した最適な物性を有する1%未満の添加剤(>99%のAPI)を含むFTY720の純粋なAPIを加工することを可能にする。更に、本開示の方法は、いくつかの工程段階(即ち、ブレンドを段階的に希釈するためのいくつかの篩分-混合通路)が用いられる現在市販されている製剤と比較して非常に簡単なプロセスを提示する。
最終医薬品はまた、2つの成分(二酸化ケイ素及びゼラチン)のみが原薬と直接接触するため、対応する市販の製剤よりも長期の保管寿命を示した。
実施例4
NBU928は、結晶化プロセスが困難なフマル酸塩である。得られる粒子は、細長いアスペクト比を典型的には有し、結晶は長さ最大400μmの短冊状であり、強い凝集傾向を有する。このような種類の結晶形状は、得られる粉末を任意のカプセル充填設備で直接加工できないバルクにする。したがって、このAPI粉末には粒子エンジニアリング処理を施し、結晶のショット辺(shot side)を選択的に成長させ、次いで、ピンミル設備により粉砕して、非常に規則的な破片を得、より安定なアスペクト比を持ち、凝集がなく、平均直径(X50)が約25μmのより小さな粒子をもたらした。新たに粉砕されたAPI粉末(ロット番号NBU928-metzgch4-001-03)のレオロジー的特性は、標準的なPDP充填技術での困難な加工性を示唆する(バルク通気レベルの特定の不安定性による、スターラのせん断力の作用下でのホッパー内における粉末のブリッジングが予想される)が、音波充填機真空ドラム設備における完璧な加工性を示唆する。実際、非常に良好なカプセル充填性能が5~50mgの要求用量範囲において得られた。
実施例5
CDZ173はモノリン酸塩化合物である。CDZ173は、アスペクト比10超、凝集/融合した棒状の結晶、非常に低いかさ密度(常に0.2g/mL未満、頻繁に0.12g/mL未満)を有する針状の結晶を特徴とする。CDZ173は、ここでは、2つの異なる種類(粉砕及び非粉砕)で報告される。ライン6は、その特性は本発明者のモデルのパラメータ外ではあった(判定基準の4/8が満たされていた)ものの(非常に低い速度/スループットで)充填することができる境界線であり、その一方、ライン7の材料は、結晶化における重要な変化が追求されない限り(ここでは記載されない)、本開示の加工方法では充填することができなかった。
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