JPWO2019069067A5 - - Google Patents

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本発明は、染色体相互作用を検出することに関する。
バイオマーカーにより、疾患の特徴を同定することが可能となる。現在一般に使用されるバイオマーカーには、RNA発現パターンおよびタンパク質マーカーが含まれる。
座位の特定の染色体コンフォメーションシグネチャー(CCSs)が存在するか、または病理または治療に関連する調節エピジェネティック制御設定のために存在しない。CCSsは、穏やかなオフレートを有し、特別な表現型または病理を表す場合、CCSsは薬理学的シグナル伝達でのみ、新しい表現型に変化するか、または外部干渉の結果として変化する。さらに、これらの事象の測定はバイナリであり、そのためこの読み出しは、さまざまなレベルのDNAメチル化、ヒストン修飾、およびほとんどの非コーディングRNAの連続読み出しとはまったく対照的である。特定のバイオマーカーの変化の大きさは患者ごとに大きく異なり、患者のコホートを層別化するために使用すると分類統計に問題が生じるため、これまでほとんどの分子バイオマーカーに使用されている連続読み出しはデータ分析に課題をもたらす。これらの分類統計は、大きさというものがなく、表現型の違いの「はい、または、いいえ」のバイナリスコアのみを提供するバイオマーカーを使用するのに適している-染色体コンフォメーション(EpiSwitch(商標))バイオマーカーが、潜在的な診断、予後予測および予測のバイオマーカーのための優れたリソースであることを示す。
本発明者らは、染色体相互作用が筋萎縮性側索硬化症(ALS)またはハンチントン病に関連するゲノムの領域を、集団におけるサブグループの同定を可能にするアプローチを使用して同定した。したがって、本発明は、集団におけるサブグループを表す染色体状態を検出するためのプロセスであって、染色体相互作用がゲノムの定義されたALSまたはハンチントン病である疾患関連領域内に存在するかまたは存在しないかを決定することを含むプロセスを提供する。染色体相互作用は、どの染色体相互作用が集団のALSまたはハンチントン病サブグループに対応する染色体状態に関連するかどうかを決定する方法であって、染色体の異なる状態のサブグループ由来の核酸の第1のセットを、指標核酸の第2のセットと接触させ、相補的な配列をハイブリダイズさせることを含み、核酸の第1のセットおよび第2のセットにおける核酸が、染色体相互作用に集まる両染色体領域由来の配列を含むライゲーション産物を表し、そして、核酸の第1のセットおよび第2のセットとの間のハイブリダイゼーションのパターンにより、どの染色体相互作用がALSまたはハンチントン病のサブグループに特異的であるかが決定可能となる方法により、任意に同定されているか、または同定可能(または導出可能)であってもよい。ALSまたはハンチントン病のサブグループは、診断(ALSまたはハンチントン病の存在)または予後(例えば、ALSまたはハンチントン病の進行速度)に関連し得る。本明細書に記載されている特異的な関連染色体相互作用(マーカー)のいずれも、マーカーの組み合わせを含めて、本発明の基礎として使用することができる。
本発明は、集団における疾患サブグループを示す染色体の状態を検出するプロセスであり、その染色体の状態に関係する染色体相互作用がゲノムの規定された領域内に存在するかまたは存在しないかを検出することを含むプロセスであって、前記疾患サブグループが筋萎縮性側索硬化症(ALS)サブグループであり;そして
-前記染色体相互作用が、任意には、どの染色体相互作用が、集団のALSサブグループに対応する染色体の状態に関連付られるのかを決定する方法により同定されており、該方法は、染色体の種々の状態を有するサブグループ由来の核酸の第1のセットをインデックス核酸の第2のセットと接触させ、そして相補配列がハイブリダイズできるようにすることを含み、ここで、核酸の第1のセットおよび第2のセットにおける核酸は、染色体相互作用に集まっている両染色体領域由来の配列を含むライゲーション産物を表し、かつ核酸の第1のセットおよび第2のセットの間のハイブリダイゼーションのパターンによりどの染色体相互作用がALSサブグループに特異的であるかの決定が可能となり;そして
-染色体相互作用が、
(i)表1または表5に挙げられた領域または遺伝子のいずれかに存在する;および/または
(ii)表1または表5に示されるいずれかのプローブにより表される染色体相互作用のいずれかに相当する;および/または
(iii)表10または表11に示される染色祭相互作用のいずれかに相当する;および/または
(iv)(i)、(ii)または(iii)を含むか、または(i)、(ii)または(iii)に隣接する4,000塩基領域に存在する
プロセスを提供する。
本発明は、集団における疾患サブグループを示す染色体の状態を検出するプロセスであり、その染色体の状態に関係する染色体相互作用がゲノムの規定された領域内に存在するかまたは存在しないかを検出することを含むプロセスであって、前記疾患サブグループがハンチントン病サブグループであり;そして
-前記染色体相互作用が、任意には、どの染色体相互作用が、集団のハンチントン病サブグループに対応する染色体の状態に関連付られるのかを決定する方法により同定されており、該方法は、染色体の種々の状態を有するサブグループ由来の核酸の第1のセットをインデックス核酸の第2のセットと接触させ、そして相補配列がハイブリダイズできるようにすることを含み、ここで、核酸の第1のセットおよび第2のセットにおける核酸は、染色体相互作用に集まっている両染色体領域由来の配列を含むライゲーション産物を表し、かつ核酸の第1のセットおよび第2のセットの間のハイブリダイゼーションのパターンによりどの染色体相互作用がハンチントン病サブグループに特異的であるかの決定が可能となり;そして
-染色体相互作用が、
(i)表12に挙げられた領域または遺伝子のいずれかに存在する;および/または
(ii)表12に示されるいずれかのプローブにより表される染色体相互作用のいずれかに相当する;および/または
(iii)表12に示される染色祭相互作用のいずれかに相当する;および/または
(iv)(i)、(ii)または(iii)を含むか、または(i)、(ii)または(iii)に隣接する4,000塩基領域に存在する
プロセスを提供する。
染色体の相互関係がどのように検出できるかを示す図である。 ハンチントン病研究において調査された遺伝領域の視覚的概観を示す図である。HTT遺伝子座にわたる染色体4上の~225kb領域が調べられた。アンカーポイント(トラック4における「アンカー」)は、HTTのエクソン1におけるCAGリピートのわたる~42kb領域として定義された(図の頂部の紫矢印)。我々は、Episwitch部位(トラック3)、HDに関連したSNPs(トラック5)または他の疾患(トラック6)とのオーバーラップに基づいて5つのゾーン(トラック4におけるゾーン1~5)を規定し、HCおよびHD(トラック7~12)との間のメチル化およびアセチル化(H3K4me3、H3K36me3およびH3K27Ac)の違いを観察した。 7つの別個のHD-Symサンプル中の6つにおいて、3つの条件付き相互作用(I5、I6およびI7)のうちの少なくとも1つの存在が観察されたことを示す図である。I5、すなわちrs362331SNPを含む領域にわたる相互作用が非常に多くのサンプル(6/7)で観察された。 ハンチントン病の症状の進行を促進するエピジェネティック変化のためのモデルを提供する。HDの進行と関連付けられる染色体コンフォメーション変化の概観を示す。患者が発症前段階から症候性疾患に進行するにつれて、HTT遺伝子座でのゲノム構造において、離散的で、測定可能で、識別可能な変化が観察された。 同定されたすべてのハンチントン病の相互作用のまとめを示す図である。
本発明のプロセス
本発明のプロセスは、ALSまたはハンチントン病に関連する染色体相互作用を検出する分類システムを含む。この分類は、本明細書において記載されるEpiswitch(商標)システムであって、染色体相互作用に集まる染色体の架橋領域に基づくシステムを用い、染色体DNAを切断させ、その後、架橋エンティティーに存在する核酸をライゲーションし、染色体相互作用を形成した両領域由来の配列を有するライゲーションした拡散を誘導することにより行うことができる。このライゲーションした拡散の検出により、特定の染色体相互作用の存在または非存在の検出が可能となる。
染色体相互作用は、第1および第2の核酸の集団が使用される上述の方法を用いて同定することができる。これらの核酸は、Episwitch(商標)技術を用いて生み出すこともできる。
本発明に関連するエピジェネティックな相互作用
本明細書において使用する場合、「エピジェネティックな」および「染色体」相互作用という用語は、典型的には、染色体上の遺伝子座の遠位領域間での相互作用を意味し、該相互作用は、染色体の領域の状態に応じて動的であり、かつ変容し、形成され、または壊れる。
本発明の特定のプロセスにおいて、染色体相互作用は、その相互作用の一部である染色体の両領域由来の配列を含むライゲーションした核酸をまず生成することによって検出される。そのようなプロセスにおいて、両領域は、任意の適切な手段によって架橋され得る。好ましい態様において、相互作用は、ホルムアルデヒドを用いて架橋されるが、任意のアルデヒド、またはD-ビオチノイル-e-アミノカプロン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルもしくはジゴキシゲニン-3-O-メチルカルボニル-e-アミノカプロン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルによって架橋してもよい。パラホルムアルデヒドは、4オングストローム離れているDNA鎖を架橋し得る。好ましくは、染色体相互作用は、同じ染色体上であり、任意には2~10オングストローム離れている。
染色体相互作用は、染色体の領域の状態、例えばそれが生理学的条件の変化に応答して転写されているまたは抑制されているかどうかを反映し得る。本明細書において規定されるサブグループに特異的である染色体相互作用は、安定であることが見出されており、ゆえに2つのサブグループ間での差を測定する確実な手段を提供する。
加えて、ある特徴(疾患状況など)に特異的な染色体相互作用は、通常、例えばメチル化またはヒストンタンパク質の結合への変化などの他のエピジェネティックマーカーと比較して、生物学的過程の初期に起こると考えられる。ゆえに、本発明のプロセスは、生物学的過程の初期ステージを検出することができる。このことは、結果として、より効果的であり得る早期介入(例えば治療)を可能とする。さらに、同じサブグループ内の個体間では、関連する染色体相互作用にほとんど変動がない。染色体相互作用を検出することは、1遺伝子あたり最大50種の考え得る異なる相互作用を有して非常に有益であり、そのため本発明のプロセスは、500,000種の異なる相互作用を詮索し得る。
好ましいマーカーのセット
本明細書において、用語「マーカー」または「バイオマーカー」は、本発明において検出され得る(分類され得る)特異的な染色体相互作用を意味する。特異的マーカーが本明細書に開示される。それらのいずれかは、いずれのマーカーも本発明において使用することができる。さらなるマーカーのセットは、例えば、本明細書において開示される組み合わせまたは数で使用されてもよい。本明細書の表に開示されるマーカーが好ましい。これらは、任意の適切な方法、例えば、qPCR法などの本明細書に開示されるPCRまたはプローブに基づく方法などにより分類され得る。マーカーは、位置により、またはプローブおよび/またはプライマー配列により本明細書において定義される。
エピジェネティックな相互作用の位置および原因
エピジェネティックな染色体相互作用は、関連するまたは記載されていない遺伝子をコードすることが示される染色体の領域と重複し得かつ含み得るが、同様に遺伝子間領域にあってもよい。さらに留意すべきは、本発明者らは、すべての領域におけるエピジェネティックな相互作用が、染色体座の状態を判定することにおいて同様に重要であることを発見したことである。これらの相互作用は、必ずしも遺伝子座に位置する特定の遺伝子のコード領域にあるわけではなく、遺伝子間領域にあってもよい。
本発明において検出される染色体相互作用は、基礎となるDNA配列への変化によって、環境因子、DNAメチル化、非コーディングアンチセンスRNA転写産物、非変異原性発癌物質、ヒストン修飾、クロマチン再構成、および特異的な局所DNA相互作用によって引き起こされ得る。染色体相互作用につながる変化は、基礎となる核酸配列への変化であって、それ自体は遺伝子産物または遺伝子発現の様式に直接影響を及ぼさない変化によって引き起こされ得る。そのような変化は、例えば遺伝子の内部および/または外側のSNP、遺伝子融合、および/または遺伝子間DNA、マイクロRNA、および非コーディングRNAの欠失であり得る。例えば、おおよそ20%のSNPが非コーディング領域にあることが知られており、それゆえ説明されるプロセスは、非コーディングの場面においても有益である。一態様において、一体となって相互作用を形成する染色体の領域は、同じ染色体上で5kb、3kb、1kb、500塩基対、または200塩基対未満離れている。
検出される染色体相互作用は、好ましくは表1または5において言及される遺伝子のいずれかの内部にある。しかしながら、それは、遺伝子の上流または下流、例えば遺伝子からまたはコーディング配列から最大50,000、最大30,000、最大20,000、最大10,000、または最大5000塩基上流または下流にあってもよい。
サブグループ、診断および個別化治療
本発明の目的は、ALSまたはハンチントン病のサブグループに関連する染色体相互作用の検出を可能とすることである。したがって、そのプロセスは、ALSまたはハンチントン病の診断に使用されてもよく、または使用されなくてもよい。そのプロセスは、ALSまたはハンチントン病の予後のために使用されてもよく、または使用されなくてもよい。
プロセスがALSの診断に使用される場合、表1に関連するマーカーの分類が好ましい(すなわち、特定の開示されたマーカー、および表1に開示された遺伝子、領域および隣接領域におけるマーカー)。診断に関する一実施形態において、表1に関連するマーカーのみが分類され、他のマーカーは分類されない。診断に関する別の実施形態において、表5に関連する(例えば、挙げられたプローブ配列により表されるような)少なくとも1、2、3、4、5またはそれより多くのマーカーが分類されない。
プロセスが予後に使用される場合、表5に関連するマーカーの分類が好ましい(すなわち、特定の開示されたマーカー、および表5に開示された遺伝子、領域および隣接領域におけるマーカー)。予後に関する一実施形態において、表5に関連するマーカーのみが分類され、他のマーカーは分類されない。予後に関する別の実施形態において、表1に関連する(例えば、挙げられたプローブ配列により表されるような)少なくとも1、2、3、4、5またはそれより多くのマーカーが分類されない。
通常、「予後(prognosis)」は、ALSの進行に関し、個体を進行速度のサブグループに分類することができる。進行波、ALS-FRS-Rスコア(ALS機能評価尺度)を用いて測定することができ、個体は、特定の値よりも大きいまたは小さいとして、例えば、30日当たりのポイントの減少が0.5よりも大きいまたは小さいとして分類することができる。これにより、予測的な予後を行うことができる。
本明細書において使用するとき、「サブグループ」とは、好ましくは、集団サブグループ(集団内のサブグループ)、より好ましくは特定の真核細胞または哺乳類(例えば、ヒト、非ヒト、非ヒト霊長類、または齧歯類、例えばマウスもしくはラット)などの特定の動物の集団内のサブグループを意味する。最も好ましくは、「サブグループ」とは、ヒト集団内のサブグループを意味する。
本発明は、集団における特定のサブグループを検出することおよび治療することに関する。本発明者らは、染色体相互作用が、所与の集団における部分集合(例えば少なくとも2つの部分集合)の間で異なることを発見した。これらの違いを同定することにより、医師は、プロセスにおいて説明される集団の1つの部分集合の一部として彼らの患者を類別することが可能となる。それゆえ、本発明は、エピジェネティックな染色体相互作用に基づき、患者に対して薬物療法を個別化するプロセスを医師に提供する。
一実施形態において、サブグループ(例えば、予後に関するサブグループ)は、ALS機能評価尺度(例えば、Cedarbaum, J.M., Stambler, N., Malta, E., Fuller, C., Hilt, D., Thurmond, B. and Nakanishi, A. (1999) The ALSFRS-R: a revised ALS functional rating scale that incorporates assessments of respiratory function. BDNF ALS Study Group (Phase III), Journal of the Neurological Sciences. 169(1-2), 13-21.に記載されている)により定義される。
一実施形態において、サブグループ(例えば、予後に関するサブグループ)は、努力肺活量(FVC)(例えば、Talakad, N.S., Pradhan, C., Nalini, A., Thennarasu, K. and Raju T.R. (2009) Assessment of Pulmonary Function in Amyotrophic Lateral Sclerosis, Indian J Chest Dis Allied Sci. 51(2):87-91.に記載されている)により定義される。
ライゲーションした核酸を生成する
本発明のある特定の形態は、ライゲーションした核酸、とくにライゲーションしたDNAを利用する。これらは、染色体相互作用に集まる両領域由来の配列を含み、それゆえ、相互作用についての情報を提供する。本明細書において記載されるEpiSwitch(商標)法は、そのようなライゲーションした核酸の生成を用いて、染色体相互作用を検出する。
したがって、本発明のプロセスは、次の工程(これらの工程を含む方法など):
(i)染色体座に存在するエピジェネティックな染色体相互作用を、好ましくはインビトロで架橋する工程;
(ii)任意に、架橋したDNAを染色体座から単離する工程;
(iii)架橋したDNAを、例えば少なくとも1回それを切る酵素(とくに、該染色体座内で少なくとも1回切る酵素)で制限消化により切断させる工程;
(iv)架橋した切断されたDNA端を(特に、DNAループを形成するために、)ライゲーションする工程;ならびに
(v)任意に、ライゲーションしたDNAおよび/またはDNAループの存在を、特にPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)などの技法を用いて、同定し、特異的な染色体相互作用の存在を同定する工程
によりライゲーションした核酸(例えば、DNA)を生成する工程を含む。
これらの工程は、個体が、ALSまたはハンチントン病のサブグループの一員であるかどうかを決定するためなど、本明細書に記載されるいずれかの実施形態のために染色体相互作用を検出するために行われてもよい。工程はまた、本明細書に記載される核酸の第1のセットおよび/または第2のセットを生成するために行われてもよい。
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、ライゲーションした核酸を検出するまたは同定するために用いることができ、例えば産生されたPCR産物のサイズは、特異的染色体相互作用が存在することを示すことができ、それゆえ遺伝子座の状態を同定するために用いられ得る。好ましい実施形態においては、表2または7に示される少なくとも1、2、3、4、5、6、7または8このプライマーまたはプライマーペアがPCR反応において使用される。別の好ましい実施形態においては、別の表に示される少なくとも1、2、3、4、5、6、7または8このプライマーまたはプライマーペアがPCR反応において使用される。当業者であれば、目的の染色体座内でDNAを切るために用いられ得る無数の制限酵素を承知しているであろう。用いられる特定の酵素が、調査される遺伝子座およびそこに位置するDNAの配列に依存することは明らかであろう。本発明において説明されるようにDNAを切るために用いられ得る制限酵素の非限定的な例は、TaqIである。
EpiSwitch(商標)技術などの実施形態
EpiSwitch(商標)技術は、表現型に特異的なエピジェネティックな染色体コンフォメーションシグネチャーの検出における、マイクロアレイEpiSwitch(商標)マーカーデータの使用に関する。本明細書において記載される様式で、ライゲーションした核酸を利用するEpiSwitch(商標)などの実施形態は、いくつかの利点を有する。例えば本発明の核酸の第1のセット由来の核酸配列は、核酸の第2のセットとハイブリダイズするまたはハイブリダイズしないため、それらの確率的ノイズは低レベルである。これは、エピジェネティックなレベルにおける複雑なメカニズムを測定する比較的簡潔なやり方を可能にする二元的結果を提供する。EpiSwitch(商標)技術は、迅速な処理時間および低コストも有する。一実施形態において、処理時間は3~6時間である。
サンプルおよびサンプル処置
本発明のプロセスは、普通、サンプル上で行われるであろう。サンプルは、普通、個体由来のDNAを含有すると考えられる。それは、通常細胞を含有すると考えられる。一実施形態において、サンプルは、最小限に侵襲的な手段によって獲得され、例えば血液サンプルであり得る。DNAが抽出されてもよく、標準的な制限酵素で細かく切断されてもよい。これは、どの染色体コンフォメーションが保持されかつEpiSwitch(商標)プラットフォームで検出されるかをあらかじめ判定し得る。水平移動を含めた、組織と血液との間での染色体相互作用の同期により、血液サンプルを用いて、疾患に関連した組織などの組織における染色体相互作用を検出することができる。がんなどのある特定の病状に関しては、変異による遺伝子ノイズが、関連組織における染色体相互作用「シグナル」に影響を及ぼし得、それゆえ血液を用いることが有利である。
本発明の核酸の特性
本発明は、本明細書において、本発明のプロセスにおいて使用される、または生成されるものとして説明されるライゲーションした核酸などの特定の核酸に関する。これらは、本明細書に記載された第1および第2の核酸と同じであってもよく、第1および第2の核酸の特性のいずれかを有していてもよい。本発明の核酸は、典型的に、染色体相互作用に集まる染色体の2つの領域の一方由来の配列をそれぞれが含む2つの部分を含む。典型的には、それぞれの部分は、少なくとも8、10、15、20、30、または40ヌクレオチド長、例えば10~40ヌクレオチド長である。好ましい核酸は、とくに核酸がいずれかの表に記載される遺伝子のいずれか由来の配列を含む。典型的には、好ましい核酸は、表1または5に記載される特定のプローブ配列、またはそのような配列のフラグメントおよび/またはホモログを含む。別の好ましい核酸は、表10、11または12に記載される特定のプローブ配列、またはそのような配列のフラグメントおよび/またはホモログを含む。好ましくは、核酸はDNAである。特異的配列が提供される場合、本発明は、特定の実施形態において必要とされる相補的配列を使用してもよいと理解される。
表2または7に示されるプライマーも、本明細書に記載されているように本発明において使用されてもよい。一実施形態において、表2または7に示される配列;または表2または7に示されるいずれかの配列のフラグメントおよび/またはホモログ、のいずれかを含むプライマーが使用される。
核酸の第二のセット-「インデックス」配列
核酸の第二のセットは、インデックス配列のセットであるという機能を有し、かつ本質的に、サブグループ特異的配列を同定するのに適している核酸配列のセットである。それらは、「バックグラウンド」染色体相互作用を表すことができ、かつ何らかのやり方で選択されてもよく、または選択されなくてもよい。それらは、一般に、すべての考え得る染色体相互作用の部分集合である。
核酸の第二のセットは、任意の適切な方法によって導き出され得る。それらは、コンピューターにより導き出されてもよく、またはそれらは、個体における染色体相互作用に基づいてもよい。それらは、典型的に、核酸の第一のセットよりも大きな集団グループを表す。一つの特定の実施形態において、核酸の第二のセットは、特定の遺伝子セットにおけるすべての考え得るエピジェネティックな染色体相互作用を表す。別の特定の実施形態において、核酸の第二のセットは、本明細書において記載される集団に存在するすべての考え得るエピジェネティックな染色体相互作用の大部分を表す。一つの特定の実施形態において、核酸の第二のセットは、少なくとも20、50、100または500の遺伝子、例えば20~100、または50~500の遺伝子におけるエピジェネティックな染色体相互作用の少なくとも50%または少なくとも80%を表す。
核酸の第二のセットは、典型的に、集団における疾患状態/表現型を改変する、調節する、または何らかのやり方で仲介する少なくとも100の考え得るエピジェネティックな染色体相互作用を表す。核酸の第二のセットは、種における疾患状態(典型的には診断または予後に関する)に影響を及ぼす染色体相互作用を表してもよい。核酸の第二のセットは、典型的には、ALSサブグループに関連するおよび関連しない両方のエピジェネティックな相互作用に表す配列を含む。一つの特定の実施形態において、核酸の第二のセットは、集団における天然に生じる配列に少なくとも部分的に由来し、かつ典型的には、in silico法によって得られる。該核酸は、天然に生じる核酸に存在する核酸の対応する部分と比較して、単一のまたは複数の変異をさらに含んでもよい。変異には、1つまたは複数のヌクレオチド塩基対の欠失、置換、および/または付加が含まれる。一つの特定の実施形態において、核酸の第二のセットは、天然に生じる種に存在する核酸の対応する部分と少なくとも70%の配列同一性を有するホモログおよび/またはオルソログを表す配列を含んでもよい。別の特定の実施形態において、天然に生じる種に存在する核酸の対応する部分と少なくとも80%の配列同一性または少なくとも90%の配列同一性が提供される。
核酸の第二のセットの特性
一つの特定の実施形態において、核酸の第二のセットには、少なくとも100の異なる核酸配列、好ましくは少なくとも1000、2000、または5000の異なる核酸配列、最大で100,000、1,000,000、または10,000,000の異なる核酸配列が存在する。典型的な数は、1,000~100,000の異なる核酸配列など、100~1,000,000であろう。これらのすべてまたは少なくとも90%または少なくとも50%は、異なる染色体相互作用に相当するであろう。
一つの特定の実施形態において、核酸の第二のセットは、100~10,000の異なる遺伝子座または遺伝子など、少なくとも20の異なる遺伝子座もしくは遺伝子、好ましくは少なくとも40の異なる遺伝子座もしくは遺伝子、およびより好ましくは少なくとも100、少なくとも500、少なくとも1000、または少なくとも5000の異なる遺伝子座もしくは遺伝子における染色体相互作用を表す。核酸の第二のセットの長さは、それらが、ワトソン・クリック塩基ペアリングに従って核酸の第一のセットに特異的にハイブリダイズし、サブグループに特異的な染色体相互作用の同定を可能にするのに適したものである。典型的には、核酸の第二のセットは、染色体相互作用に集まる2つの染色体領域に配列が対応する2つの部分を含むであろう。核酸の第二のセットは、典型的に、長さが少なくとも10、好ましくは20、およびさらに好ましくは30塩基(ヌクレオチド)である核酸配列を含む。別の実施形態において、核酸配列は、長さが多くても500、好ましくは多くても100、およびさらに好ましくは多くても50塩基対であり得る。好ましい実施形態において、核酸の第二のセットは、17~25の間の塩基対の核酸配列を含む。一実施形態において、核酸配列の第二のセットの少なくとも100、80%、または50%は、上述の長さを有する。好ましくは、異なる核酸は、いかなる重複する配列も有さず、例えば該核酸の少なくとも100%、90%、80%、または50%は、少なくとも5連続ヌクレオチドにわたって同じ配列を有しない。
核酸の第二のセットが「インデックス」として作用することを考慮すると、第二核酸の同じセットは、サブグループの種々の特徴を表す第一核酸の種々のセットとともに用いてもよく、すなわち核酸の第二のセットは、種々の特徴に関連する染色体相互作用を同定するために用いることができる核酸の「普遍的な(universal)」コレクションを表してもよい。
核酸の第一のセット
核酸の第一のセットは、通常、ALSまたはハンチントン病の診断および予後に関連するサブグループ由来である。第一核酸は、本明細書において言及される核酸の第二のセットの特徴および特性のいずれかを有してもよい。核酸の第一のセットは、通常、本明細書に説明される処置および処理、とくにEpiSwitch(商標)の架橋および切断工程を受けている個体由来のサンプルに由来する。典型的には、核酸の第一のセットは、個体から採取されたサンプルに存在する染色体相互作用のすべてまたは少なくとも80%または50%を表す。
典型的には、核酸の第一のセットは、核酸の第二のセットによって表される染色体相互作用と比較して、核酸の第二のセットによって表される遺伝子座または遺伝子にわたる染色体相互作用のより小さな集団を表す、すなわち核酸の第二のセットは、遺伝子座または遺伝子の規定のセットにおける相互作用のバックグラウンドまたはインデックスセットを表している。
核酸のライブラリ
本明細書において言及される核酸集団の種類のいずれかは、「第一」または「第二」核酸などの、その種類の少なくとも200、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも5000、または少なくとも10,000の異なる核酸を含むライブラリの形態で存在してもよい。そのようなライブラリは、アレイに結合している形態であってもよい。
ハイブリダイゼーション
本発明は、核酸の第一のセットおよび核酸の第二のセット由来の全体的にまたは部分的に相補的な核酸配列がハイブリダイズするのを可能にするための手段を要する。一実施形態において、核酸の第一のセットのすべてと核酸の第二のセットのすべてとを単一アッセイで、すなわち単一ハイブリダイゼーション工程で接触させる。しかしながら、任意の適切なアッセイを用いることができる。
標識された核酸およびハイブリダイゼーションのパターン
本明細書において言及される核酸は、好ましくは達成できたハイブリダイゼーションの検出を支援する蛍光団(蛍光分子)または放射性標識などの独立した標識を用いて標識され得る。ある特定の標識は、UV光の下で検出することができる。例えば、本明細書に説明されるアレイ上でのハイブリダイゼーションのパターンは、2つのサブグループ間のエピジェネティックな染色体相互作用の相違点を表し、したがって、エピジェネティックな染色体比較するプロセス、およびどのエピジェネティックな染色体相互作用が本発明の集団のサブグループに特異的であるかの決定を提供する。
用語「ハイブリダイゼーションのパターン」は、核酸の第一のセットと第二のセットとの間のハイブリダイゼーションの存在および非存在、すなわち、どの特定の第一セット由来の核酸がどの特定の第二セット由来の核酸とハイブリダイズするかを広くカバーし、それは、任意の特別なアッセイまたは技術に限定されるものではないが、「パターン」を検出できる表面またはアレイを必要とする。
特別な特徴を有するサブグループを選択
本発明は、染色体相互作用、典型的には5~20または5~500のそのような相互作用、好ましくは20~300または50~100の相互作用の有無を検出して、個体におけるALSまたはハンチントン病に関連する特徴の有無を決定することを含むプロセスを提供する。好ましくは、染色体相互作用は、本明細書において言及される遺伝子のいずれかにおけるものである。一実施形態において、分類される染色体相互作用は、表1または表5の核酸により表されるものである。好ましくは、分類される染色体相互作用は、表10、表11または表12の核酸により表されるものである。表中、「検出されたループ」と名付けられた欄は、どのサブグループが各プローブにより検出されるか(ALSまたは対照)を示す。見てわかるように、本発明のプロセスは、テストの一環として、ALSサブグループおよび/または対照グループ(非ALS)のいずれかを検出することができる。
試験される個体
試験される個体の由来となる種の例は、本明細書において言及される。加えて、本発明のプロセスにおいて試験される個体は、いくつかの方法で選択されていてもよい。個体は、例えばALSまたはハンチントン病に罹りやすくてもよい。
好ましい遺伝子領域、遺伝子座、遺伝子、および染色体相互作用
本発明のすべての実施態様に関して、好ましい遺伝子領域、遺伝子座、遺伝子、および染色体相互作用が、表、例えば表1および表5に言及される。典型的には、本発明のプロセスにおいて、染色体相互作用は、表1または表5に挙げられる少なくとも1、2、3、4、5、6、7または8の関連遺伝子から検出される。好ましくは、表1または表5のプローブ配列によって表される少なくとも1、2、3、4、5、6、7または8の関連する特異的染色体相互作用の有無が検出される。染色体相互作用は、本明細書において言及される遺伝子のいずれかの上流または下流、例えばコーディング配列から、例えば50kb上流または20kb下流にあり得る。
好ましくは、表1の少なくとも5、8、10、15またはすべての染色体相互作用が分類される。
典型的な実施形態では、表5の少なくとも5、7、8またはすべての染色体相互作用が分類される。
好ましくは、表10の少なくとも4、6またはすべての染色体相互作用が分類される。
典型的には、表11の少なくとも1、2またはすべての染色体相互作用が分類される。
好ましくは、表12の少なくとも4、6またはすべての染色体相互作用が分類される。
染色体相互作用は、疾患の存在を決定するために分類されてもよい。染色体相互は、その個体が速くまたはゆっくり進行するかどうかを決定するために分類されてもよい。
表に開示された特異的プローブおよびプライマー配列(またはフラグメントやホモログなどの誘導体)は、本明細書に開示されるいずれかの分類法のために使用することができる。診断または予後の方法におけるそれらの使用が提供される。
一実施形態において、遺伝子座(染色体相互作用が検出される遺伝子および/または場所を含む)は、CTCF結合部位を含んでもよい。これは、転写抑制因子CTCFに結合することができる任意の配列である。その配列は、遺伝子座において1、2または3コピーで存在し得るCCCTC配列からなってもよく、またはCCCTC配列を含んでもよい。CTCF結合部位配列は、CCGCGNGGNGGCAG配列(IUPAC表記法で)を含み得る。CTCF結合部位は、染色体相互作用の少なくとも100、500、1000または4000塩基以内、または表1または表5に示される染色体領域のいずれかの内部にあり得る。
一実施形態において、検出される染色体相互作用は、表1または5に示される遺伝領域のいずれかに存在する。ライゲーションした核酸がプロセスにおいて検出される場合には、その後、表1または5のプローブ配列のいずれかに示される配列が検出され得る。
ゆえに、典型的に、プローブの両方の領域由来(すなわち、染色体相互作用の両方の部位由来)の配列が検出され得る。好ましい実施形態において、任意の表に示されるプローブと同じまたは相補的な配列を含むまたはそれからなるプローブが、プロセスにおいて用いられる。いくつかの実施形態において、表に示されるプローブ配列のいずれかと相同である配列を含むプローブが用いられる。
本明細書に提供される表
表1および5は、ALSに関連する染色体相互作用を表すプローブ(Episwitch(商標)マーカー)データおよび遺伝子データを示す。プローブ配列は、染色体相互作用に集まる遺伝子領域の両部位から産生されるライゲーション産物を検出するために使用することのできる配列を示す。すなわち、プローブは、ライゲーション産物の配列に相補的な配列を含む。第1のStart-End位置の2セットは、プローブ位置を示し、第2のStart-End位置の2セットは、関連する4kb領域を示す。次の情報は、プローブデータの表に提供される。
-HyperG_States:超幾何学的富化のパラメータに基づいて遺伝子座における有意なEpiswitch(商標)マーカーのその数を見出す確率に対するp値
-Probe_Count_Total:その遺伝子座で試験されたEpiswitch(商標)コンフォメーションの総数
-Probe_Count_Sig:その遺伝子座で統計的に有意であることが見出されたEpiswitch(商標)コンフォメーションの数
-FDR HyperG:多重試験(偽発見率)補正された超幾何的p値
-Percent_Sig:その遺伝子座で試験されたマーカーの数に対する有意なEpiswitch(商標)マーカーの割合
-logFC:エピジェネティック比率(FC)の対数の底2
-AveExpr:すべてのアレイおよびチャネルのプローブに対する平均log2-発現
-T:モデレートt-統計
-p-値:未調整p-値
-adj.p-値:調整p-値またはq-値
-B:B-統計量(lodまたはB)は、その遺伝子が別個に発現される対数オッズである。
-FC:非ログ倍率変化(Fold Change)
-FC_1:ゼロを中心とする非ログ倍率変化
-LS:バイナリ値はFC_1値に関する。1.1未満のFC_1値は、-1に設定され、FC_1値が1.1より大きい場合、1に設定される。これらの値の間は、その値は0である。
表1および5は、関連する染色体相互作用が生じることが見出されている遺伝子を示す遺伝子座の表におけるp-値は、HyperG_Stats(超幾何学的富化のパラメータに基づいて遺伝子座における有意なEpiswitch(商標)マーカーのその数を見出す確率に対するp-値)と同じである。
プローブは、Taq1部位から30bp離れた位置に設計される。PCRの場合、PCRプライマーもライゲーション産物を検出するように設計されているが、Taq1からの位置は異なる。
プローブ位置:
Start1-フラグメント1上のTaqIの30塩基上流
End1-フラグメント1上のTaqI制限部位
Sart2-フラグメント2上のTaqI制限部位
End2-フラグメント2上のTaqIの30塩基下流
4kb配列位置:
Start1-フラグメント1上のTaqIの4000塩基上流
End1-フラグメント1上のTaqI制限部位
Sart2-フラグメント2上のTaqI制限部位
End2-フラグメント2上のTaqIの4000塩基下流
lasso全体またはelastic-net正則化をフィッティングするための手順に関連したGLMNET値(0.5に設定されたλ(elastic-net))。
表1~4はALSの診断に関し、表5~9はALSの予後に関し、そして一実施形態では、診断に関連する検出は表1および4に基づいて行われ、予後に関連する検出は表5~9に基づいて行われる。
表1-LS列は、1または-1を示す。1はALS症例に存在することを意味し、-1ALS症例に存在しないことを意味する。
表5-LS列は、1または-1を示す。1はマーカーが速い進行者(progressor)に存在し、かつ遅い進行者には存在しないことを意味し、-1マーカーが遅い進行者には存在するが、速い進行者には存在しないことを意味する。
表10および表11はALSの予後に関する。表10には、先立つ表に示されたマーカーが含まれる。表11の「検出されたループ」列は、マーカーが速い進行者には存在し、遅い進行者には存在しないことを意味する。
マーカーは、EpiSwitch3C方法の産物に対する関連プローブを参照して、表において独自に同定される。加水分解プローブの場合、これらはTaq部位(TCGA)の上にあり、EpiSwitch相互作用における両方のゲノム部位を覆う。60塩基アレイプローブ(配列タグの両端に30塩基)と同じジャンクションを評価するが、両端の配列の調整された長さにわたる。表19に、この例を提供する。
サンプル調製および染色体相互作用検出のための好ましい実施形態
サンプルを調製する方法および染色体コンフォメーションを検出する方法が、本明細書において説明される。例えばこの節で記載されるように、これらの方法の最適化された(非従来的な)バージョンが用いられ得る。
典型的に、サンプルは、少なくとも2×105個の細胞を含有するであろう。サンプルは、最大5×105個の細胞を含有し得る。一実施形態において、サンプルは、2×105~5.5×105個の細胞を含有するであろう。
染色体座に存在するエピジェネティックな染色体相互作用の架橋が、本明細書において説明される。これは、細胞溶解が起きる前に実施され得る。細胞溶解は、4~6または約5分間など、3~7分間実施され得る。いくつかの実施形態において、細胞溶解は、少なくとも5分間かつ10分間未満実施される。
制限酵素でDNAを消化することが、本明細書において説明される。典型的には、DNA制限は、約65℃などの約55℃~約70℃で、約20分間などの約10~30分間の期間実施される。
好ましくは、最大4000塩基対の平均フラグメントサイズを有する、ライゲーションしたDNAのフラグメントをもたらす高頻度カッター制限酵素が用いられる。任意で、制限酵素は、約256塩基対などの約200~300塩基対の平均フラグメントサイズを有する、ライゲーションしたDNAのフラグメントをもたらす。一実施形態において、典型的なフラグメントサイズは、400~2,000または500~1,000塩基対など、200塩基対~4,000塩基対である。
EpiSwitch法の一実施形態において、DNA沈殿工程は、DNA制限消化工程とDNAライゲーション工程との間では実施されない。
DNAライゲーションが本明細書において説明される。典型的には、DNAライゲーションは、約10分間など、5~30分間実施される。
サンプル中のタンパク質は、例えばプロテイナーゼ、任意でプロテイナーゼKを用いて酵素的に消化され得る。タンパク質は、約30分間~1時間の期間、例えば約45分間酵素的に消化され得る。一実施形態において、タンパク質の消化、例えばプロテイナーゼK消化の後に、架橋反転またはフェノールDNA抽出の工程はない。
一実施形態において、PCR検出は、好ましくはライゲーションした核酸の存在/非存在に対するバイナリ読み出しを備え、ライゲーションした核酸の単一コピーを検出することができる。
本発明のプロセスおよび使用
本発明のプロセスは、種々のやり方で説明することができる。それは、(i)染色体相互作用に集まる染色体領域をインビトロ架橋する工程;(ii)該架橋したDNAを切り取りまたは制限消化切断に供する工程;および(iii)該架橋し切断されたDNA末端をライゲーションして、ライゲーションした核酸を形成する工程、を含むライゲーションした核酸を作製する方法であって、該ライゲーションした核酸の検出を用いて、遺伝子座における染色体状態を判定し得、そして好ましくは、
-遺伝子座は、表1または表5に言及される遺伝子座、領域または遺伝子のいずれかであり得、
-および/または、染色体相互作用は、本明細書において言及される、または表1または表5に開示されるいずれかのプローブに対応する、いずれかの染色体相互作用であり得、および/または
-ライゲーションした産物は、(i)表1または表5に開示されるいずれかのプローブ配列と同じであるかまたは相同である配列;または(ii)(ii)と相補的である配列を有し得るまたは含み得る
方法として説明され得る。
本発明のプロセスは、染色体相互作用が、ゲノムの規定のエピジェネティックに活性な(疾患関連の)領域内に存在するまたは存在しないかどうかを判定する工程を含む、集団内の種々のサブグループを表す染色体状態を検出するための方法であって、好ましくは、
-サブグループは、ALS、またはALSに関連する特徴(予後または進行など)の有無によって規定され、および/または
-染色体状態は、表1または表5に言及されるいずれかの遺伝子座、領域または遺伝子にあり得;および/または
-染色体相互作用は、表1または表5に言及されるいずれかのもの、もしくはその表に開示されるいずれかのプローブに対応するいずれかのものであり得る
方法として説明され得る。
本発明は、表1または5に言及されるいずれかの遺伝子座、遺伝子または領域での染色体相互作用の検出を含む。本発明は、染色体相互作用を検出するための本明細書に記載の核酸およびプローブの使用、例えば、少なくとも1、2、4、6または8の異なる遺伝子座または遺伝子における染色体相互作用を検出するための少なくとも1、2、4、6または8のそのような核酸またはプローブの使用を含む。本発明は、表2または7に挙げられるいずれかのプライマーまたはプライマーペアを使用する、または本明細書に記載のこれらのプライマーの変異体を使用する染色体相互作用の検出を含む(プライマー配列を含むまたはプライマー配列のフラグメントおよび/またはホモログを含む配列)。
染色体相互作用が定義された遺伝子、領域、または場所の「内(within)」で生じるかどうかを分析する場合、相互作用に集まる染色体の両方の部分が定義された遺伝子、領域または場所内にあるか、またはいくつかの実施形態においては染色体の一部のみが定義された遺伝子、領域または場所内にある。
新たな治療を同定するための本発明の方法の使用
染色体相互作用に関する知識は、疾患状態に対する新しい治療を同定するために使用することができる。本発明は、ALSに関する新規治療剤(予後に関する治療を含む)を同定または設計するために本明細書において定義される染色体の方法および使用を提供する。
ホモログ
ポリヌクレオチド/核酸(例えば、DNA)配列のホモログが、本明細書において言及される。そのようなホモログは、典型的に、例えば少なくとも10、15、20、30、100またはそれよりも多くの連続ヌクレオチドの領域にわたって、または染色体相互作用に関与する染色体の領域由来である核酸の部分にわたり、少なくとも70%の相同性、好ましくは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の相同性を有する。相同性は、ヌクレオチド同一性に基づいて算出され得る(時には、「厳密な相同性(hard homology)」と称される)。
それゆえ、特定の態様において、ポリヌクレオチド/核酸(例えば、DNA)配列のホモログは、本明細書において配列同一性%を参照して触れられる。典型的に、そのようなホモログは、例えば少なくとも10、15、20、30、100個以上の連続ヌクレオチドの領域にわたって、または染色体相互作用に関与する染色体の領域由来である核酸の部分にわたり、少なくとも70%の配列同一性、好ましくは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。
例えばUWGCGパッケージは、相同性および/または配列同一性%を算出するために用いられ得るBESTFITプログラム(例えば、そのデフォルト設定で用いられる)を提供する(Devereux et al (1984) Nucleic Acids Research 12, p387-395)。例えばAltschul S. F. (1993) J Mol Evol 36:290-300;Altschul, S, F et al (1990) J Mol Biol 215:403-10に記載されているように、PILEUPおよびBLASTアルゴリズムを用いて、相同性および/または配列同一性%を算出し得、および/または配列を整列させ得る((典型的にそれらのデフォルト設定で)同等のまたは対応する配列を同定するなど)。
BLAST解析を実施するためのソフトウェアは、国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)を通じて公的に利用可能である。このアルゴリズムは、データベース配列において同じ長さのワードでアライメントした場合に合致する、またはある正の値を有する閾値スコアTを満たす、クエリー配列における長さWの短いワードを同定することによって、高スコア配列ペア(HSP)をまず同定する工程を伴う。Tは、近隣ワードスコア閾値と称される(Altschul et al、上記)。これらの初回の近隣ワードヒットは、それらを含有するHSPを見出す検索を始めるための種として作用する。ワードヒットは、累積アライメントスコアが増加し得る限り、各配列に沿って両方向に拡張される。それぞれの方向におけるワードヒットの拡張は、累積アライメントスコアがその最大限に達した値から分量Xだけ下落する;負のスコアを取る1つもしくは複数の残基アライメントの累積により、累積スコアがゼロもしくはそれより下に行く;または、いずれかの配列の末端に到達する場合に停止する。BLASTアルゴリズムパラメーターのW5 TおよびXは、アライメントの感度および速度を決定する。BLASTプログラムは、11のワード長(W)、50のBLOSUM62スコア行列(Henikoff and Henikoff (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915-10919を参照されたい)アライメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=4、および両鎖の比較をデフォルトとして用いる。
BLASTアルゴリズムは、2つの配列間での類似性についての統計解析を実施する;例えば、Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5787を参照されたい。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性についての1つの測定は、最小和確率(P(N))であり、それは、2つのポリヌクレオチド配列間の合致が偶然に生じるであろう確率の表示を提供する。例えば、第一の配列を第二の配列と比較した最小和確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、および最も好ましくは約0.001未満である場合、配列はもう一方の配列と類似していると見なされる。
相同な配列は、典型的に、10、15、または20塩基未満など、1、2、3、4個、またはそれを上回る数の塩基だけ異なる(それはヌクレオチドの置換、欠失、または挿入であり得る)。これらの変化は、相同性および/または配列同一性%を算出する工程に関して上記で言及された領域のいずれかにわたり測定され得る。
「プライマーペア」の相同性は、例えば、2つの配列を単一の配列と見なすことで(2つの配列が連結されているかのように)計算することができ、その後に単一配列として再度考慮される別のプライマーペアと比較することができる。
アレイ
核酸の第二のセットがアレイに結合され得、そして一実施形態において、好ましくは少なくとも300、900、2000、または5000個の遺伝子座に相当する、アレイに結合している少なくとも15,000、45,000、100,000、または250,000種の異なる第二の核酸が存在する。一実施形態において、第二の核酸の種々の集団のうちの1つ、または複数、またはすべては、アレイの1つを上回る数の個別の領域に結合され、事実上アレイで反復され、エラー検出を可能にする。アレイは、Agilent SurePrint G3 Custom CGHマイクロアレイプラットフォームに基づく。アレイへの第一の核酸の結合の検出は、二色システムによって実施され得る。
治療剤
治療剤が本明細書において言及される。本発明は、ある個体、例えば本発明のプロセスにより同定される個体においてALSを予防または治療することにおける使用のためのそのような薬剤を提供する。これは、必要としている個体に治療上効果的な量の薬剤を投与することを含み得る。本発明は、ある個体においてALSを予防または治療するための医薬の製造におけるその薬剤の使用を提供する。
ALSのための好ましい治療剤は次のとおりである。
リルゾール(Rilutek):この薬物は、通常ピルとして服用され、脳内のメッセンジャー(グルタミン酸)のレベルを低下させることにより、病気の進行を抑える。グルタミン酸は、ALS患者に高レベルで存在する。
エダラボン(Radicava):この薬物は、ALSに関する毎日のパフォーマンスの低下を軽減する。薬剤は、通常、月1回、連続して10~14日間、静脈内注入によって患者に投与される。
アリモクロモール:この薬物は、運動ニューロンの熱ショック応答誘導剤として機能し、神経障害や細胞死を防ぐ。
タラムパネル:この薬物は、筋力低下と症状進行の速度を低下させる。
ベータ-ラクタム系抗生物質:ペニシリンやセファロスポリンなどのこれらの抗体は、GLT1、グリアグルタミン酸トランスポーター1のレベルを上方制御することにより、筋肉の安定性を維持し、寿命を延ばす。
ブロモクリプチン:この薬物は、ストレスによって引き起こされる酸化的細胞死を阻害するフリーラジカルスカベンジャーである。
プラミペキソールおよびデクスプラミペキソール:これらの薬物はドーパミンアゴニストとして作用し、フリーラジカル消去機能を有する。これらの薬物はミトコンドリアの機能不全に関与している。デクプラミペキソールはプラミペキソールの光学鏡像異性体である。
幹細胞療法:幹細胞の成長は、ニューロン疾患の進行を減少させるか、運動ニューロンを置き換える。幹細胞は、脊髄運動ニューロンを作り、軸索を拡張し、筋肉とのシナプスを受け取り、生成する可能性がある。成体幹細胞に由来する間葉系幹細胞(MSCs)は、栄養因子、抗炎症性サイトカイン、免疫調節性ケモカインを放出し、疾患の進行を遅らせる。
免疫療法:ICVルートによるD3H5抗体注入などの抗体療法は、体重を長期間維持し、ALSの形質転換マウスモデルの寿命を延ばす。
以下はハンチントン病のための治療剤のリストである。これらは、運動や精神疾患のいくつかの症状を減少させることを助けることができる。
運動障害のための医薬
・テトラベナジン(Xenazine)
・ハロペリドール(Haldol)、クロロプロマジン、リスペリドン(Risperdal)およびケチアピン(Seroquel)などの抗精神薬
・他の医薬は、アマンタジン、レベチラセタム(Keppra他)およびクロナゼパム(Klonopin)を含む。
神経障害のための医薬
・抗うつ薬は、シタロプラム(Celexa)、エスシタロプラム(Lexapro)、フルオキセチン(Prozac, Sarafem)およびセルトラリン(Zoloft)を含む。
・抗精神病薬は、ケチアピン(Seroquel)、リスペリドン(Risperdal)およびオランザピン(Zyprexa)を含む。
・精神安定薬は、バルプロエート(Depacon)、カルバマゼピン(Carbatrol、Epitol、Tegretol)およびラモトリジン(Lamictal)を含む。
ハンチントン病の早期診断は、病気の経過に伴う症状の治療を管理するための助けとなる。
(ALSまたはハンチントン病のための)薬剤の製剤化は、該薬剤の性質に依存すると考えられる。薬剤は、該薬剤および薬学的に許容されるキャリアまたは希釈剤を含有する薬学的組成物の形態で提供される。適切なキャリアおよび希釈剤には、等張生理食塩溶液、例えばリン酸緩衝生理食塩水が含まれる。典型的な経口投薬組成物には、錠剤、カプセル、液体溶液、および液体懸濁液が含まれる。薬剤は、非経口、静脈内、筋肉内、皮下、経皮、または経口の投与のために製剤化され得る。
薬剤の用量は、様々なパラメータに従って、とりわけ用いられる物質;治療される対象となる個体の年齢、重量、および病状;投与の経路;ならびに要求されるレジメンに従って決定され得る。医師は、任意の特定の薬剤に対する投与の要求経路、および投薬量を決定することができる。しかしながら、適切な用量は、例えば1日に1~3回摂取されるべき、1~40mg/kg体重などの0.1~100mg/kg体重であり得る。
本明細書において言及される物質の形態
本明細書において言及される核酸または治療剤などの物質のいずれも、精製したまたは単離した形態にあり得る。それらは(The)、天然に見出されるものとは異なる形態にあり得、例えばそれらは、それらが天然ではともに生じない他の物質と組み合わせて存在し得る。核酸(本明細書において規定される配列の一部分を含む)は、天然に見出されるものと異なる配列を有し得、例えば、相同性に関する節で記載される配列において、少なくとも1、2、3、4個、またはそれを上回る数のヌクレオチド変化を有する。核酸は、5’または3’末端に異種配列を有し得る。核酸は、天然に見出されるものとは化学的に異なり得、例えばそれらは何らかのやり方で修飾され得るが、好ましくはなおもワトソン・クリック塩基対合が可能である。適当な場合には、核酸は、二重鎖または一本鎖の形態で提供される。本発明は、本明細書において言及される特異的核酸配列のすべてを一本鎖または二本鎖の形態で提供し、ゆえに開示される任意の配列に対する相補鎖を含む。
本発明は、特定のサブグループと関連がある染色体相互作用の検出を含む、本発明の任意の方法を行うためのキットも提供する。そのようなキットは、本発明の方法によって生成されるライゲーションした核酸を検出し得る薬剤など、関連する染色体相互作用を検出し得る特異的な結合薬剤を含み得る。キットに存在する好ましい薬剤には、ライゲーションした核酸、または例えば本明細書において記載されるように、ライゲーションした核酸をPCR反応において増幅し得るプライマーペアにハイブリダイズし得るプローブが含まれる。
本発明は、関連する染色体相互作用を検出し得るデバイスも提供する。デバイスは、好ましくは、本明細書において記載される任意のそのような薬剤、プローブ、またはプライマーペアなど、染色体相互作用を検出し得る任意の特異的な結合薬剤、プローブ、またはプライマーペアを含む。
検出方法
一実施形態において、染色体相互作用に関連するライゲーションされた配列の定量的検出は、PCR反応中の活性化時に検出可能なプローブを使用して実施され、該ライゲーションされた配列は、エピジェネティックな染色体相互作用に集まる2つの染色体領域由来の配列を含み、該方法は、ライゲーションされた配列をPCR反応中にプローブと接触させること、およびプローブの活性化の程度を検出することを含み、該プローブは、ライゲーション部位に結合する。この方法は、典型的には、二重標識蛍光加水分解プローブを使用して、特定の相互作用をMIQEに準拠した方法で検出可能とする。
プローブは一般に、活性化された場合にのみ検出されるように、不活性状態および活性状態を有する検出可能な標識で標識される。活性化の程度は、PCR反応に存在するテンプレート(ライゲーション産物)の程度に関連するであろう。検出は、PCRの全期間または一部、例えば、PCRのサイクルの少なくとも50%または80%の間に実行されてもよい。
プローブは、オリゴヌクレオチドの一端に共有結合された蛍光団、およびヌクレオチドの他端に結合された消光団を含むことができ、蛍光団の蛍光は、消光団によって消光される。一実施形態において、蛍光団はオリゴヌクレオチドの5’末端に結合され、消光団はオリゴヌクレオチドの3’末端に共有結合される。本発明の方法で使用できる蛍光団には、FAM、TET、JOE、ヤキマイエロー、HEX、シアニン3、ATTO 550、TAMRA、ROX、テキサスレッド、シアニン3.5、LC610、LC 640、ATTO 647N、シアニン5、シアニンが5.5およびATTP 680が含まれる。適切な蛍光団と一緒に使用できる消光団には、TAM、BHQ1、DAB、Eclip、BHQ2およびBBQ650が含まれ、任意には、蛍光団がHEX、テキサスレッドおよびFAMから選択される。蛍光団と消光団との好ましい組み合わせには、FAMとBHQ1およびテキサスレッドとBHQ2が含まれる。
qPCRアッセイにおけるプローブの使用
本発明の加水分解プローブは、典型的には、濃度を適合させた陰性対照で最適化された温度勾配である。好ましくは、単一工程PCR反応が最適化される。より好ましくは、標準曲線が計算される。ライゲーションされた配列の連結におよび結合する特定のプローブを使用する利点は、ネスト化されたPCRアプローチを使用せずに、ライゲーションされた配列の特異性を実現できることである。本明細書に記載される方法は、低コピー数の標的の正確かつ精細な定量を可能にする。標的のライゲーションされた配列は、温度勾配最適化の前に、精製、例えばゲル精製することができる。ターゲットのライゲーションされた配列は配列決定され得る。好ましくは、PCR反応は、約10ng、または5~15ng、または10~20ng、または10~50ng、または10~200ngのテンプレートDNAを使用して行われる。フォワードプライマーとリバースプライマーは、例えば、配列に相補的であることにより、一方のプライマーがライゲーションされたDNA配列で表される染色体領域の1つの配列に結合し、他方のプライマーがライゲーションされたDNA配列で表される他の染色体領域に結合するように設計される。
ライゲーションしたDNA標的の選択
本発明は、ライゲーションされた配列に結合および増幅する能力に基づいてプライマーを選択し、そして特にそれが標的配列の曲率で結合する標的配列のプローブ配列に基づく特性を選択することを含む、本明細書で定義されるPCR法で使用するプライマーおよびプローブの選択を含む。
プローブは、典型的には、制限部位にまたがる制限断片が並置されるライゲーションされた配列に結合するように設計/選択される。本発明の一実施形態では、特定の染色体相互作用に関連する可能性のあるライゲーションされた配列の予測曲率は、例えば、本明細書で参照される特定のアルゴリズムを使用して計算される。曲率は、ヘリカルターンあたりの度数で表すことができ、例えばヘリカルターンあたり10.5°である。ライゲーションされた配列は、ヘリカルターンあたり少なくとも5°、通常はヘリカルターンあたり少なくとも10°、15°または20°、例えばヘリカルターンあたり5°~20°の曲率傾向ピークスコアを有するターゲットに対して選択される。好ましくは、ヘリカルターンあたりの曲率傾向スコアは、ライゲーション部位の上流および/または下流の少なくとも20、50、100、200または400塩基、例えば、20~400塩基について計算される。したがって、一実施形態では、ライゲーション産物の標的配列は、これらのレベルの湾曲のいずれかを有する。ターゲット配列は、最低の熱力学的構造自由エネルギーに基づいて選択することもできる。
好ましいALS態様
1項.集団における疾患サブグループを示す染色体の状態を検出するプロセスであり、その染色体の状態に関係する染色体相互作用がゲノムの規定された領域内に存在するかまたは存在しないかを検出することを含むプロセスであって、前記疾患サブグループが筋萎縮性側索硬化症(ALS)サブグループであり;そして
-前記染色体相互作用が、任意には、どの染色体相互作用が、集団のALSサブグループに対応する染色体の状態に関連付られるのかを決定する方法により同定されており、該方法は、染色体の種々の状態を有するサブグループ由来の核酸の第1のセットをインデックス核酸の第2のセットと接触させ、そして相補配列がハイブリダイズできるようにすることを含み、ここで、核酸の第1のセットおよび第2のセットにおける核酸は、染色体相互作用に集まっている両染色体領域由来の配列を含むライゲーション産物を表し、かつ核酸の第1のセットおよび第2のセットの間のハイブリダイゼーションのパターンによりどの染色体相互作用がALSサブグループに特異的であるかの決定が可能となり;そして
-染色体相互作用が、
(i)表1または表5に挙げられた領域または遺伝子のいずれかに存在する;および/または
(ii)表1または表5に示されるいずれかのプローブにより表される染色体相互作用のいずれかに相当する;および/または
(iii)表10または表11に示される染色祭相互作用のいずれかに相当する;および/または
(iv)(i)、(ii)または(iii)を含むか、または(i)、(ii)または(iii)に隣接する4,000塩基領域に存在する
プロセス。
2項.ALSと診断する、またはALSの予後を決定するために実行される1項記載のプロセス。
3項.染色体相互作用の特異的な組み合わせが、
(i)表1または表5のプローブにより表されるすべての染色体相互作用を含む;または
(ii)表1または表5のプローブにより表される少なくとも4、5、6または7個の染色体相互作用を含む
(iii)表1または表5に挙げられる少なくとも4、5、6または7個の領域または遺伝子に一緒に存在する;または
(iv)表1または表5のプローブにより表される染色体相互作用を含むか、または表1または表5のプローブにより表される染色体相互作用に隣接する4,000塩基領域に存在する少なくとも4、5、6または7個の染色体相互作用を含む、または
(v)表10または表11に示されるすべての染色体相互作用を含む;または
(vi)表10に示される少なくとも4、5、6または7個の染色体相互作用を含む
に分類される1項または2項記載のプロセス。
4項.染色体相互作用が、
-個体由来のサンプルにおいて、および/または
-染色体相互作用の部位でのDNAループの存在または非存在を検出することにより、および/または
-染色体コンフォメーションに集められる染色体の遠位領域の存在または非存在を検出することにより、および/または
-前記分類のあいだに生成され、その配列が、染色体相互作用に集められる染色体の領域に各々対応する2つの領域を含むライゲーションされた核酸の存在を検出することにより、ここで、ライゲーションされた核酸の検出が、好ましくは、(i)表1または表5に記載される特異的プローブ配列のいずれかに少なくとも70%の同一性を有するプローブを用いる、および/または(ii)表2または表7のいずれかのプライマーペアと少なくとも70%の同一性を有するプライマーペアを用いるものである
分類される1~3項のいずれかに記載のプロセス。
5項.-核酸の第2のセットが核酸の第1のセットより大きな個体のグループ由来である;および/または
-核酸の第1のセットが、少なくとも8個体由来である;および/または
-核酸の第1のセットは、第1のサブグループ由来の少なくとも4個体、および好ましくは第1のサブグループとは重複しない第2のサブグループからの少なくとも4個体由来である;および/または
-プロセスが医学的治療のために個体を選択するために実施される
1~4項のいずれかに記載のプロセス。
6項.-核酸の第2のセットが非選択グループを表し;および/または
-核酸の第2のセットが、規定された位置でアレイするために結合され;および/または
-核酸の第2のセットが、少なくとも100の異なる遺伝子における染色体相互作用を表し;および/または
-核酸の第2のセットが、少なくとも1,000の異なる染色体相互作用を表す少なくとも1,000の異なる核酸を含み;および/または
-核酸の第1のセットおよび核酸の第2のセットが、10~100ヌクレオチド塩基長を有する少なくとも100核酸を含む
1~5項のいずれかに記載のプロセス。
7項.核酸の第1のセットが、
(i)染色体相互作用に集まっている染色体領域の架橋工程;
(ii)前記架橋された領域を、任意には酵素による制限消化切断により、切断させる工程;および
(iii)前記架橋され切断されたDNA端をライゲーションして核酸の第1のセット(特にライゲーションされたDNAを含む)を生成する工程
を含むプロセスにおいて得られる1~6項のいずれかに記載のプロセス。
8項.少なくとも5~9の異なる染色体相互作用が、好ましくは5~9の異なる領域または遺伝子において分類される1~7項のいずれかに記載のプロセス。
9項.前記ゲノムの規定された領域が、
(i)一塩基多型(SNP)を含む;および/または
(ii)マイクロRNA(miRNA)を発現する;および/または
(iii)非コーディングRNA(ncRNA)を発現する;および/または
(iv)少なくとも10個の連続するアミノ酸残基をコードする核酸配列を発現する;および/または
(v)制御エレメントを発現する;および/または
(vii)CTCF結合部位を含む
1~8項のいずれかに記載のプロセス。
10項.染色体相互作用の変化を起こし、それにより治療効果を生じさせることのできる薬剤を選択することにより、ALSを治療するための治療剤を同定または設計する方法であって、
-染色体相互作用が表1または表5のいずれかのプローブにより表され;および/または
-染色体相互作用が表1または表5に挙げられるいずれかの領域または遺伝子に存在し;および/または
-染色体相互作用が表10または表11に示される相互作用のいずれか1つであり、任意には:
-染色体相互作用が、いずれの染色体相互作用が請求項1に規定された染色体の状態に関連するかを決定する方法により同定されており、および/または
-染色体相互作用の変化が、(i)表1または表5に記載されているプローブ配列のいずれかに少なくとも70%同一性を有するプローブ、および/または(ii)表1または表5のプライマーペアのいずれかに少なくとも70%同一性を有するプライマーペアを用いてモニターされる;および/または
-候補薬剤が細胞と接触され、その細胞における染色体相互作用が、候補薬剤がALSを治療することができるかどうかを決定するためにモニターされる
方法。
11項.(iv)染色体相互作用の検出であって、
-染色体相互作用が、表1または表5のプローブにより表される、および/または
-表1または表5に記載されるいずれかの領域または遺伝子に存在する;および/または
-染色体相互作用が表10または表11に示される相互作用のいずれか1つである
染色体相互作用の検出、または
(v)表1または表5に記載されるプローブ配列のいずれかと少なくとも70%同一性を有するプローブ、または
(vi)表2または表7に同定されたプライマーのいずれかと少なくとも70%同一性を有するプライマーペア
の、ALSのための治療剤を同定または設計するための使用。
12項.候補薬剤を投与すること、および前記染色体相互作用の検出、前記プローブまたは前記プライマーペアを、染色体の状態に変化があるかどうかを検出し、それにより候補薬剤が治療剤であるかどうかを決定するために使用することを含む治療剤を同定するための11項記載の使用であって、使用が任意にはインビトロで、好ましくは細胞内で行われる使用。
13項.1~9項のいずれかに記載のプロセスによって治療剤が必要であると同定されている個体におけるALSを予防または治療する方法において使用するためのALSの治療剤。
14項.分類または検出が、ライゲーション産物を増幅可能なプライマーおよびPCR反応中にライゲーション部位に結合するプローブを用いる定量PCR(qPCR)によるライゲーション産物の特異的な検出を含み、前記プローブが染色体相互作用に集まっている各染色体領域由来の配列に相補的な配列を含み、好ましくは、前記プローブは、
前記ライゲーション産物に特異的に結合するオリゴヌクレオチド、および/または
オリゴヌクレオチドの5’末端に共有結合される蛍光団、および/または
オリゴヌクレオチドの3’末端に共有結合される消光団、および
任意に、
前記蛍光団がHEX、テキサスレッドおよびFAMから選択され;および/または
前記プローブが10~40ヌクレオチド塩基長、好ましくは20~30ヌクレオチド塩基長の核酸配列
を含む1~13項のいずれかに記載のプロセス、方法または使用。
特別な実施態様
一実施形態においては、染色体内相互作用のみが分類/検出され、染色体外相互作用(異なる染色体間)は分類/検出されない。
刊行物
本明細書において言及されるすべての刊行物の内容は、参照により本明細書に組み入れられ、そして本発明に関連する特質をさらに規定するために用いられ得る。
具体的な態様
EpiSwitch(商標)プラットフォーム技術は、遺伝子座における正常および異常な病状の間での調節的変化についてのエピジェネティックな調節的シグネチャーを検出する。EpiSwitch(商標)プラットフォームは、染色体コンフォメーションシグネチャーとしても知られるヒト染色体の調節的高次構造と関連がある遺伝子調節の基本的なエピジェネティックレベルを同定しかつモニターする。染色体シグネチャーは、遺伝子脱調節のカスケードにおける個別の一次工程である。それらは、DNAメチル化およびRNAプロファイリングなど、後期エピジェネティックおよび遺伝子発現のバイオマーカーを利用するバイオマーカープラットフォームに対して、固有の一連の利点を有する高次バイオマーカーである。
EpiSwitch(商標)アレイアッセイ
カスタムEpiSwitch(商標)アレイスクリーニングプラットフォームは、15K、45K、100K、および250Kの固有の染色体コンフォメーションという4つの密度があり、それぞれのキメラフラグメントはアレイで4回反復され、それぞれ60K、180K、400K、および10万という効果的な密度を作製する。
カスタム設計されたEpiSwitch(商標)アレイ
15KのEpiSwitch(商標)アレイは、EpiSwitch(商標)バイオマーカー発見技術で詮索された300個前後の遺伝子座を含むゲノム全体をスクリーニングし得る。EpiSwitch(商標)アレイは、Agilent SurePrint G3 Custom CGHマイクロアレイプラットフォームに構築され;この技術は、60K、180K、400K、および10万個という4つの密度のプローブを付与する。各EpiSwitch(商標)プローブは四つ組として提示されるため、アレイあたりの密度は15K、45K、100K、および250Kに減り、ゆえに再現性についての統計的評価を可能にする。遺伝子座あたりの詮索される潜在的EpiSwitch(商標)マーカーの平均数は50であり;そのため、検討され得る遺伝子座の数は300、900、2000、および5000である。
EpiSwitch(商標)カスタムアレイパイプライン
EpiSwitch(商標)アレイは、1組のサンプルを有する二色システムであり、EpiSwitch(商標)ライブラリ生成の後、Cy5で標識され、かつ比較/解析される対象となるサンプル(対照)の他方はCy3で標識される。アレイは、Agilent SureScanスキャナーを用いてスキャンされ、かつ結果として生じた特質は、Agilent Feature Extractionソフトウェアを用いて抽出される。次いで、データは、RにおけるEpiSwitch(商標)アレイ処理スクリプトを用いて処理される。アレイは、RにおけるBioconductorにおける標準的な二色パッケージ:Limma*を用いて処理される。アレイの正規化は、Limma*におけるアレイ内正規化機能を用いてなされ、かつこれは、オンチップのAgilent陽性対照およびEpiSwitch(商標)陽性対照に対してなされる。データはAgilent Flagコールに基づいてフィルターにかけられ、Agilent対照プローブは除去され、かつ技術的複製プローブは平均化されて、それらはLimma*を用いて解析される。プローブは、比較されておりかつ次いで偽発見率(False Discover rate)を用いることによって補正されている2つのシナリオ間でのそれらの差に基づいてモデル化される。<1または>1でありかつp=0.01のFDR p値を通過する、<30%の変動係数(CV)を有するプローブが、さらなるスクリーニングに用いられる。プローブセットを縮小するために、さらなる多因子分析が、RにおけるFactorMineRパッケージを用いて実施される。
*注記:LIMMAは、マイクロアレイ実験における差異的発現を評価するための線形モデルおよび経験ベイズ法である。Limmaは、マイクロアレイまたはRNA-Seqにより生じる遺伝子発現データの解析のためのRパッケージである。
プローブのプールは、最終選抜のために、調整されたp値、FC、および<30%のCV(任意のカットオフポイント)のパラメータに基づいて初めに選択される。さらなる解析および最終リストは、最初の2つのパラメータ(調整されたp値;FC)のみに基づいて導出される。
本発明は、以下の非限定的な実施例によって例証される。
実施例1
統計的パイプライン
EpiSwitch(商標)PCRプラットフォームへの転換のための高値EpiSwitch(商標)マーカーを選択するために、EpiSwitch(商標)スクリーニングアレイを、RにおけるEpiSwitch(商標)解析パッケージを用いて処理する。
工程1
プローブを、改変した線形回帰モデルの産物であるそれらの補正p値(偽発見率、FDR)に基づいて選択する。p値≦0.1より下のプローブが選択され、次いでそれらのエピジェネティック比(ER)によってさらに減らされ、さらなる解析に選択されるためにプローブERは≦-1.1または≧1.1でなければならない。最後のフィルターは変動係数(CV)であり、プローブは≦0.3より下でなければならない。
工程2
統計リストの上位40種のマーカーが、PCR転換に対するマーカーとしての選択のためにそれらのERに基づいて選択される。最も大きい負のER負荷を有する上位20種のマーカー、および最も大きい正のER負荷を有する上位20種のマーカーがリストを形成する。
工程3
工程1からの結果として生じたマーカーである統計的に有意なプローブが、超幾何学的濃縮(HE)を用いたエンリッチメント解析の基盤を形成する。この解析は、有意なプローブリストからのマーカー縮小を可能にし、かつ工程2からのマーカーとともに、EpiSwitch(商標)PCRプラットフォームに転換されるプローブのリストを形成する。
統計的プローブをHEによって処理して、どの遺伝的位置が統計的に有意なプローブの濃縮を奏するかを判定し、どの遺伝的位置がエピジェネティックな差の中心地であるかが示される。
補正されたp値に基づく最も有意な濃縮された遺伝子座が、プローブリスト作成のために選択される。0.3または0.2のp値より下の遺伝的位置が選択される。工程2からのマーカーとともに、これらの遺伝的位置にマッピングする統計的プローブが、EpiSwitch(商標)PCR転換のための高値マーカーを形成する。
アレイの設計および処理
アレイの設計
1.遺伝子座をSIIソフトウェア(現在、v3.2)を用いて処理して、
a.これらの特異的遺伝子座におけるゲノムの配列(50kb上流および20kb下流を有する遺伝子配列)を取り出す。
b.この領域内の配列がCCsに関与している確率を規定する。
c.特異的REを用いて配列を切る。
d.制限フラグメントが、ある特定の配向で相互作用する可能性があるかを判定する。
e.一緒に相互作用する種々のCCsの可能性をランク付けする。
2.アレイサイズ、それゆえ利用可能なプローブ箇所の数(x)を判定する。
3.x/4個の相互作用を取り出す。
4.各相互作用に対して、パート1から制限部位まで30bpおよびパート2の制限部位まで30bpの配列を規定する。それらの領域がリピートでないことをチェックし、そうであれば除外し、かつリストの下にある次の相互作用を選ぶ。両方の30bpをつなぎ合わせてプローブを規定する。
5.x/4個のプローブ、それに加えて規定の対照プローブのリストを創出し、かつ4回複製して、アレイ上に創出されるべきリストを創出する。
6.カスタムCGHアレイに対するAgilent Sure designウェブサイトにプローブのリストをアップロードする。
7.プローブ群を用いて、AgilentカスタムCGHアレイを設計する。
アレイの処理
1.鋳型産生のために、EpiSwitch(商標)Standard Operating Procedure(SOP)を用いてサンプルを処理する。
2.アレイ処理ラボラトリーによって、エタノール沈殿で浄化する。
3.Agilent SureTag complete DNA標識キット-Agilent Oligonucleotide Array-based CGH for Genomic DNA Analysis Enzymatic labelling for Blood, Ceils or Tissuesのとおりサンプルを処理する。
4.Agilent feature extractionソフトウェアを用いるAgilent C Scannerを用いてスキャンする。
EpiSwitch(商標)技術の概要
EpiSwitch(商標)プラットフォームは、異常で応答性の高い遺伝子発現に関連する主要な疾患のスクリーニング、早期検出、コンパニオン診断、モニタリングおよび予後分析の非常に効果的な手段を提供する。このアプローチの主な利点は、非侵襲的で迅速なことであり、不安定なタンパク質/RNA分子ではなく、染色体シグネチャーの一部としての非常に安定したDNAベースのターゲットによるものである。
EpiSwitch(商標)バイオマーカーシグネチャーは、複雑な疾患表現型の層別化において高い構造安定性、感度、および特異性を示す。この技術は、エピジェネティクスの化学、染色体コンフォメーションシグネチャーのモニタリングおよび評価における最新のブレークスルーを、エピジェネティックバイオマーカーの非常に有益なクラスとして活用する。学術環境において展開されている現在の研究方法論は、CCSsを検出するために細胞材料の生化学的処理に3~7日を必要とする。これらの手順により、感度および再現性が制限され、さらに、設計段階ではEpiSwitch(商標)分析パッケージによって提供されるターゲットを絞った洞察の利点をもたない。
コンピューターによるEpiSwitch(商標)アレイマーカー同定
ゲノム中のCCS部位は、関連するすべての層別化されたリードバイオマーカーを特定するために、試験コホートの臨床サンプルについてEpiSwitch(商標)アレイによって直接評価される。EpiSwitch(商標)アレイプラットフォームは、その高スループット容量と、多数の遺伝子座を迅速にスクリーニングする機能により、マーカーの同定に使用される。使用したアレイは、問い合わせされるin silicoソフトウェアによりマーカーを同定することが可能となるAgilentカスタムCGHアレイであった。
EpiSwitch(商標)PCR
EpiSwitch(商標)アレイによって同定された潜在的なマーカーは、その後、EpiSwitch(商標)PCRまたはDNAシーケンサー(すなわち、Roche 454、Nanopore MinIONなど)によって検証される。統計的に有意であり、最高の再現性を示す上位のPCRマーカーは、最終的なEpiSwitch(商標)シグネチャセットにさらに削減するために選択され、サンプルの独立したコホートで検証される。EpiSwitch(商標)PCRは、確立された標準化された操作手順プロトコルに従って、訓練を受けた技術者により実行される。すべてのプロトコルおよび試薬の製造は、ISO 13485および9001認定の下で行われ、作業の品質とプロトコルの移転能力を保証する。EpiSwitch(商標)PCRおよびEpiSwitch(商標)アレイバイオマーカープラットフォームは、全血および細胞株両方の分析に適合する。試験は、少量の血液を使用して非常に低いコピー数の異常を検出するのに十分な感度である。
ALSコホートの分析
本発明者らは、ALSのコンパニオン診断法として使用されるバイオマーカーを同定するための基礎として、エピジェネティックな染色体相互作用を使用した。EpiSwitch(商標)バイオマーカー探索プラットフォームは、ALSに関連する表現型の変化を促進するようなエピジェネティックな制御シグネチャー変化を検出するために発明者らによって開発された。EpiSwitch(商標)バイオマーカー探索プラットフォームは、環境の手がかりをエピジェネティックな転写機構に統合する際の初期の規制プロセスを規定するCCSsを同定する。CCSs自身、遺伝子調節のカスケードにおける主要なステップである。EpiSwitch(商標)バイオマーカー探索プラットフォームによって単離されたCCSsは、極端な生化学的および生理学的安定性;それらのバイナリの性質および読み出し;ならびに遺伝子調節の真核生物カスケードにおけるそれらの主要な位置付けという、十分に実証されたいくつかの利点を有する。
遺伝子発現の全身性エピジェネティック制御における摂動を検出する能力により、ALSの早期診断と患者の予後の確立の両方が可能となる。健常者および罹患した患者の血液サンプルからの細胞制御ゲノム構造の比較調査により、2つのALS関連のエピジェネティックなシグネチャー(1つは診断の可能性を有し、2つ目は予後予測のためのもの)が明らかとなった。このプロスペクティブ研究では、オックスフォード大学ナフィールド臨床神経科学部門(NDCN)のオックスフォード運動ニューロン障害クリニックの臨床研究グループが収集したサンプルを、染色体コンフォメーションシグネチャーをモニターするためにオックスフォードバイオダイナミクスが開発したハイスループットプラットフォームであるEpiSwitch(商標)を使用して分析した。この研究では、ALS-FRS-R、強制肺活量(FVC)、およびその他の臨床所見の臨床注釈を比較し、エピジェネティックなシグネチャーの分析により、ALS進行サブタイプを割り当てる。
オックスフォード運動ニューロン障害クリニックを受診した合計100人の患者が研究に参加し、3ヵ月および6ヵ月での復帰を求められた。対照(n=100)が集められた。各訪問中に、参加者はALS-FRS-RおよびFVCテストを受け、血液サンプルを提供した。サンプルを分析して、ALS疾患関連の診断シグネチャーまたは予後疾患関連シグネチャーを同定した(3ヵ月および6ヵ月で)。臨床評価の結果を、0、3、6ヵ月のEpiSwitch(商標)分析と比較した。ALS-FRS-Rスコアの1ヵ月当たり0.5ポイントの低下のカットオフを用い、ALS患者を進行サブタイプに分けた。
ALS-FRS-Rスコアの低下率に基づいて、3ヵ月のサンプルと6ヵ月のサンプルからの予備結果は、80%の感度と特異性でエピジェネティクなシグネチャーが、ALS患者の進行が速い(>0.5)および遅い(<0.5)を選択したことを証明した。これまでの結果は、予後シグネチャーが、時を超えてALSのサブタイプを選択することに対して安定している(robust)ことを示している。表に示される結果は、独立したサンプルコホート(n=50)を使用して、75人のALSサンプルおよび75人の対照サンプル(n=150)の診断および予後分析に関する。
さらなる結果(表11を含む)は、ベースライン、3ヵ月および6ヵ月の生存時にALSFRS-RスコアおよびFVC(強制肺活量)の標準的プラクティスによって観察および評価された100人のALS患者に基く。ベースラインおよび3ヵ月での測定に基づいて、これらの患者は遅いまたは速いALSとして分類された(標準分類)。ベースラインのみで3つのマーカーを読み出し、すべての患者を遅いまたは速いとして分類した(EpiSwitch分類)。次に、これらの患者を6ヵ月での生存率に基づき評価し、遅いグループと速いグループの生存率を比較した。標準分類では、遅いグループにかなりの数の致死的な転帰があり、統計的に遅いおよび速い間のp値による生存率の差は有意ではなかった(p=0.052)。EpiSwitch分類では、6ヵ月での遅いと速いの境界は非常に有意であり(p=0.0097)、ほとんどの死亡は速いグループで起こった。
実施例2
HTT遺伝子座におけるゲノム構造の違いは、ハンチントン病の症候性症例および発症前症例の基礎となる。
ハンチントン病(HD)は進行性の神経変性症状であり、成人の脳のニューロンの広範な変性を引き起こし、最終的には死に至る遺伝的障害である。HDの根本的な原因は、「ハンチンチン遺伝子」(HTT)の長く伸びたトリヌクレオチドシトシン-アデニン-グアニン(CAG)リピートであり、これにより、細胞内凝集体を形成し、神経細胞死を引き起こす傾向の高い変異ハンチンチンタンパク質が生じる。重要なことに、CAGリピートの数は疾患の発症および重症度と相関し、CAGリピートが39を超える患者は人生のある時点でHDを発症する。疾患の発症は個々内で数十年変化し得、この発症前段階についてはほとんどわかっていない。エピジェネティックなアプローチの進歩と、DNAメチル化、ヒストン修飾、非コーディングRNA、およびゲノム構造の理解の一環としての染色体コンフォメーションシグネチャーのためのエピジェネティックな調節マーカーの検出のための新技術の出現とにより、我々は、HTT遺伝子付近のゲノム構造における全身性調節変化とその疾患兆候との関係を分析することに興味を持った。ここで、病気にかかっていない対照と比較して、発症前および症候性のHD患者の間のHTT遺伝子座における検出可能な全身性の非侵襲的なエピジェネティックな相違を調べた。
方法:HD患者および健常対照の血液サンプルを使用して、染色体コンフォメーションの検出のための検証済み高解像度産業プラットフォームであるEpiSwitch(商標)を使用して、HTT遺伝子のすぐ近くのクロマチン構造を評価した。HTT遺伝子座の225kbにわたって20の相互作用部位での条件付きで安定したクロマチン構造の有無を評価し、得られた染色体コンフォメーションを、健常対照のグループ、検証された症候性HD患者(CAG、n>39)、およびHDの臨床症状を示さなかった遺伝的に検証されたCAG拡張を有する患者の間で比較した。
結果:末梢血サンプルで試験したところ、一貫して安定な染色体コンフォメーションが患者グループ全体で観察された。2つの構造的相互作用(すべての患者グループおよび対照で発生)と、HDには存在するが健常対照には存在しない7つの条件付き相互作用が見出された。最も重要なことは、臨床症状を示すHD患者(症候性症例)にのみ存在し、発症前症例には存在しない3つの条件付き相互作用が観察されたことである。症候性HDコホートの患者の85%(7人中6人)は、症候性HDに関連する特定の染色体コンフォメーションの少なくとも1つを示した。
結論:我々の結果は、HTT遺伝子座での調節性クロマチン構造がHD患者において全身的に変更されているという最初の証拠である。さらに、HTT遺伝子座のクロマチン構造はまた、症候性HD患者の臨床病期と発症前HD患者の臨床病期との間の条件付き相違も示す。HDにおける疾患の進行を評価するための分子ツールを有するという高い臨床的有用性を考慮すれば、これらの結果は、全身性染色体コンフォメーションシグネチャー(CCS)の非侵襲的評価がHD患者の予後評価への貴重な補強となり得ることを強く示唆する。
序章
ハンチントン病(HD)は、細胞的には大脳基底核におけるニューロンの喪失により、臨床的には制御不能な動き、感情的な問題、および認知力の喪失により特徴付けられる神経変性症状です。HDは常染色体優性遺伝性疾患であり、罹患率は地理的および民族性によって大きく異なるが、米国およびヨーロッパだけで5万人を超える人々に影響を与えると考えられている。根本的な遺伝的原因は、1983年にマサチューセッツ総合病院のJames Gusellaによって遺伝マーカーとして発見されたハンチンチン遺伝子(HTT)のトリヌクレオチドCAG伸長であり、これが、毒性のあるグルタミン(polyQ)路(tract)を有する変異ハンチンチンタンパク質(mHTT)を生じる。したがって、何十年にも及ぶ研究と臨床試験にもかかわらず、成功した治療法はまだ開発されていない。HDの「典型的な」発症は40~50歳の間であるが、症例の15%までは発症が非常に遅く、60歳を過ぎるまで臨床症状を示さない。最近の後期発症HD(LoHD)の症例を調べている研究のメタ分析では、患者の90%超が44以下のCAGリピート長を有する。HDにおけるより興味深い観察の1つは、polyQリピート路の長さと疾患の発症および重症度との間によく知られている相関関係がある一方で、個々の患者にはかなりのばらつきがあるということである。例えば、中程度のリピート長(ここでは40~50と定義)を有する患者では、個々の患者で疾患の発症が60年異なり得る。これは、病気の発症の素因となるpolyQ路の保因者である多くの患者が、「発症前」の状態で何十年も生きることができるということを意味する。臨床症状の発症を制御するものは現在のところ不明であり、HD患者の予後評価を複雑にする。
歴史的には単一遺伝子疾患と考えられていたが、HDの根本的な病理に関する広範な研究は、疾患の発症と進行につながる機序が当初考えられていたよりも複雑であることを示唆している。多くの異なる技術が、遺伝子発現、プロテオミクス、メタボロミクス、ネットワーク解析、ゲノミクス、一塩基多型(SNP)プロファイリングなどを含むHDの疾患進行の根底にある分子変化を調べるために使用される。HDはエピジェネティックな調節不全を特徴とする疾患のパラダイムと見なされているため、最近では、病理学関連の変化を評価するための有望な新しいツールとして、エピジェネティックなアプローチが登場している。HDでのほとんどのエピジェネティックな研究は、ゲノムワイドなヒストン修飾(アセチル化、メチル化)またはHDに関連する特定の遺伝子座でのヒストン修飾を調べることに焦点を当てている。これらのアプローチは疾患への興味深い洞察を提供しているが、それらはしばしば相反する結果を生み出し、マウスモデルと人間の疾患との間の不一致を示した。このように、ヒストン修飾読み出しを用いるHDにおけるエピジェネティックな規制緩和の合意図はまだ具体化されていない。しかしながら、エピジェネティック制御に関連するすべての分子機序がHDの脈絡で評価されているわけではない。エピジェネティック制御の重要な側面は、3次元(3D)ゲノム構造のレベルである。
ゲノムの3D構成は、外部環境の手がかりおよび入力の不均一な影響を反映しており、染色体コンフォメーションの評価によって、または複数のコンフォメーションが同時に測定される場合、染色体コンフォメーションシグネチャ(CCS)の評価によって測定され得る。CCSsは、所定の細胞集団のエピジェネティックな景観を読み取る分子バーコードと考えることができる。我々は、HDの開発におけるmHTTの中心的な役割を考えると、HTT遺伝子座におけるゲノム構造の制御的相違は、罹患した個体と健常者、つまり罹患していない対照との間に存在する可能性があると仮定した。我々は、CCSsをモニターするための確立された独自の産業用プラットフォームであるEpiSwitchを使用し、発症前および症候性のHD患者と健常者、つまり罹患していない個人との間のクロマチン構造の違いを評価した。EpiSwitch読み出しは、CCSsの高解像度、信頼性、高スループットの検出を提供すると同時に、品質管理に関する業界標準の高い基準を満たす。
方法
サンプルコレクション
すべてのサンプルは、National BioService、LLCから入手した。この研究では、10の健常対照(HC)サンプル(CAGリピート、n<35)および10のHDサンプル(CAGリピート、n>39)の合計で20個のサンプルが使用された。HDサンプルについては、7つは症候性患者(HD-Sym)由来であり、3つはHDと診断されたがまだ臨床症状を示さない発症前患者(HD-Pre)由来であった。1人のHD患者がテトラベナジンを服用しており、1人の患者がセルトラリンを服用していた。すべてのサンプルで、ヒト免疫不全ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、梅毒が陰性であった(表14)。
研究デザイン
我々は、健常対照(低CAG)、発症前HD患者(高CAG、疾患の兆候なし)および症候性HD患者(高CAG、疾患の兆候)間で異なる染色体メーションを同定したいと考えた。我々は、我々の分析に関し、HTT遺伝子座(chr4:3,033,588から3,258,170 hg38での注釈として)を囲む約225kbの領域に焦点を当てた。HTTのエクソン1のCAGリピート拡張路(chr4:3,054,162から3,095,930)をアンカーポイント(「アンカー」)として使用し、アンカーを囲む5つのゲノムゾーンを定義し、サンプルグループ間で異なる染色体コンフォメーションを調べた(図2および表15)。これらのゾーンは、潜在的なEpiSwitchアンカー部位の存在;既知の疾患関連SNP(HDおよびその他の疾患)の存在;およびGWASdvV2データベース(http://jjwanglab.org/gwasdb)に見られるようなHDにおける既知のヒストン修飾部位(H3K4me3、H3K36me3、およびH3K27ac)の濃縮に基づいて選択された。(図2)。
染色体コンフォメーション同一性
NCBIの検索:すでに報告されたHDエピジェネティックデータに関するGEOデータベースが2018年2月に実行された。12(6HDおよび6対照サンプル)の死後の前頭前野皮質脳サンプル(ベッド形式)からのH3K4me3のChIP-seqデータと呼ばれるピークが得られた(GSE68952)。さらに、HD iPSC由来の神経細胞株および対照細胞株からのH3K27acおよびH3K36me3のChIP-seqデータのBigwigトラックもダウンロードされた(GSE95342)。データトラックは、EpiSwitchおよび参照配列アノテーションと一緒にIntegrative Genome Viewer(IGV)[41]に読み込まれた。視覚的比較とプログラム的比較(BEDtools)の両方を、目的の5つのゾーンを同定するために、HTT遺伝子座で行われた。
適切なソフトウェアを使用して、CAGリピートの近位のアンカーゾーンで生じる「エンド」と、目的の5つのゾーンのいずれかで生じるもう一方の「エンド」とのクロマチン折りたたみ相互作用を高い確率で同定した。合計61の相互作用がこれらの基準に一致し、実際的な理由により、アンカー部位と目的のすべてのゾーン間の相互作用をカバーするために20の相互作用が選択された。自動化されたプライマー設計アプリケーションを使用して、染色体コンフォメーション捕捉アッセイに付した際の相互作用によって引き起こされる予想されるDNA配列を増幅するオリゴヌクレオチド対を設計した。
3CおよびPCR
PCRによる染色体コンフォメーションの捕捉および検出を行った。各患者サンプルからの50μlの血液サンプルからインタクトな染色体構造を有するクロマチンを、製造元の指示(オックスフォードバイオダイナミクスPlc)にしたがいEpiSwitchアッセイを用いて抽出した。すべてのサンプルの品質管理は、3C分析に対する歴史的インターナルコントロールであるMMP1遺伝子座でのクロマチンループの検出を用いて行なった。各サンプルタイプのプールされた3Cライブラリは、各サンプルサブグループの一般化された母集団サンプルを提供するために生成された。CFX-96(バイオ-ラッド)マシンでSYBRグリーンを使用してリアルタイムPCRを実行し、サンプルタイプ間の異なるPCR産物検出パターンで相互作用を同定した。オリゴヌクレオチドをコントロールテンプレートでテストして、各プライマーセットが正しく機能していることを確認した。PCR検出のためのRoyal Forensic Protocolに沿って、個々のHD患者のフォローアップデータについて、各サンプルで3回ずつ、最終ネスト化PCRを実行した。この手順により、制限されたコピー数のテンプレートをより正確に検出することができた。すべてのPCR増幅産物は、LabChip(登録商標)DNA 1Kバージョン2キット(パーキンエルマー)を用いて、パーキンエルマーのLabChip(登録商標)GXでモニターされ、内部DNAマーカーを、蛍光色素を使用する製造元のプロトコルに従ってDNAチップにロードした。蛍光はレーザーで検出され、電気泳動図の読み取り値を、機器のソフトウェアを用いてゲル画像上のシミュレートされたバンドに変換した。機器の検出閾値は、30蛍光単位以上から製造業者によって設定された。
統計分析
データ分析はR(統計計算のための言語と環境)で実行された。これには、t検定およびR二乗分析用の統計およびdplyrパッケージと、箱ひげ図および回帰プロット用のggplot2パッケージとが含まれていた。
結果
患者の臨床的特徴
HCおよびHDのサンプルは、年齢(HCの平均36.9およびHDの平均35.3)および性別一致(1/2男性および1/2女性)であり、HD症例の大部分(70%)は症候性である(表16)。すべてのサンプルは非ヒスパニック系またはラテン系の白人由来であった。CAGリピートの長さの平均は、HCでは25.7、HDでは44.2であった(表16)。HCとHDのサンプルでは、年齢に統計的な差はなかった。HC患者は、HD-Symと年齢に統計的な違いは示さなかった。HD-Pre患者は、HD-Sym患者(平均年齢=39.6)よりも若かった(平均年齢=25.3)(p=0.02)。どちらも統計的に有意ではなかったが、疾患期間とCAGリピートサイズの間には緩やかな負の関係があり、診断時の年齢とCAGリピートサイズの間には緩やかな正の関係があった。
HCと比較してHD患者のCAGリピート長には統計的に有意な増加があった(p=1.08E-7)。HCとHD-Pre(p=3.43E-6)およびHD-Sym(p=9.50E-8)の間でCAGリピート長に統計的に有意な増加はなかった。HD-PreとHD-Symの間でCAGリピート長に統計的な差はなかった(p=0.09)。
HDサンプルの診断時の平均年齢は35.3歳で、平均罹患期間は3.8年であり、10人中7人の患者が非刺激性、舞踏運動、またはその両方の症状を報告した(表16)。
HC、HD-PreおよびHD-Symの染色体コンフォメーション
評価された20の相互作用(表17)のうち、我々は9つの有益な相互作用を同定した。我々は、HDには存在し、健常対照には存在しない2つの構成的相互作用と7つの条件付き相互作用を同定した。7つの条件付き相互作用のうち3つはHD-Symにのみ存在し、HD-Preには存在しなかった。
構成的コンフォメーション
すべてのサンプルは、MMP1相互作用に関する内部QC分析を通過した。2つの構成的(すべてのサンプルで同定された)クロマチンループが同定された。両方のループはアンカーとゾーン2の間にあり、最初のループは28kbに、2番目のループは34kbにわたっていた。すべての患者(HD-Sym、HD-PreおよびHC)に生じる2つの構成的相互作用がこの研究において観察された。両方の相互作用(CC1&CC2)は、アンカーとゾーン2の間にあり、CC1は28kbに、CC2は34kbにわたっていた。
条件付きコンフォメーション
我々は、この研究において評価された異なる患者サブグループを区別できる7つの条件付き染色体コンフォメーションを同定した。具体的には、HCには存在するがすべてのHDサンプルには存在しない2つの染色体相互作用を同定した。最初の相互作用(I1)はアンカーとゾーン4にわたり77kbをカバーし、2番目の相互作用(I2)はアンカーとゾーン3にわたり140kbをカバーした。我々はまた、HCおよびHD-Preには存在するが、HD-Symサンプルには存在しない2つの染色体相互作用を同定した。両方の相互作用(I3とI4)はアンカーとゾーン4にわたり、それぞれ92kbおよび104kbをカバーした。最後に、我々は、HD-Symサンプルには存在するが、HD-PreおよびHCサンプルには存在しない3つの染色体相互作用を同定した。最初の相互作用(I5)はアンカーとゾーン3にわたり、122kbをカバーした。興味深いことに、この相互作用は、HDを発症する素因の要因であると知られているSNP(rs362331)を含んでいた。2番目および3番目の相互作用(I6およびI7)はアンカーとゾーン1にわたり、それぞれ185kbおよび174kbをカバーした。最後に、我々は、個々のHDサンプルにおいてすべての条件付き相互作用の有無をテストした。HD-Symサンプルでは、7つのサンプルのうち6つに条件付きマーカー(I5、I6およびI7)の少なくとも1つが存在することが見出された(図3)。この研究において評価されたすべての相互作用の概要を図4および図5に示す。表18にオッズ比を示す。表13は、サブグループ間に何らの相違も示さなかった染色体相互作用を示す。
ディスカッション
問題の説明と結果のまとめ
CAGリピートが39を超える個人がHDになることはよく知られているが、疾患の臨床的発症は個々の患者によって大きく異なり、疾患が臨床的に顕在化する場合に影響を与える要因はあまり特徴付けられていない。ここでは、クロマチン構造を評価するための産業用プラットフォームであるEpiSwitchを使用して、HD患者および健常者(罹患していない対照)におけるHTT遺伝子座のエピジェノミックな状況(landscape)を評価した。CCSとしてまとめると、罹患していない対照からHDを区別でき、さらに重要なことに、発症前および症候性のHD患者を区別できる7つの相互作用のセットを同定した。症候性HDに特異的なこれらの相互作用の1つには、素因となる疾患のハプログループに関連することが示されているSNP(rs362331)が含まれる。まとめると、これらの結果は、CCSを評価する単純で非侵襲的な血液に基づくテストが、HDの疾患の進行を評価するための代理バイオマーカーとして役立つことを示す。
生物学的関連性
ポリQリピート路の拡大とmHTTの生成がHDの根本的な原因であることが知られているが、臨床症状の発症につながる分子イベントはあまり特徴付けられていない。いくつかの研究では、HTT遺伝子座内のSNPが疾患の発症の潜在的な原因として検討されている。最近のHD患者によるSNP遺伝子分類研究では、HTT遺伝子のエクソン50のrs362331C/T SNPを含む、少なくとも30%の患者にヘテロ接合性の41のSNPが同定された。おそらくより生物学的に関連性があるのは、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはmiRNAを使用してrs362331 SNPを対立遺伝子選択的にノックダウンすると、mHTTタンパク質のレベルの劇的な低下が、インビトロとインビボの両方で達成され、このSNPとその周囲のゲノム状況が、mHTTレベルの調節に重要な役割を果すことが示唆される。この研究では、HD-Sym患者にのみ存在し、HD-Asy患者には存在しない染色体紺帆メーション(I5)およびrs362331 SNPと重複するHCsを観察した。これは、ポリQ路が増加した患者における神経毒性mHTTの生成と、rs362331 SNPの存在によるHDの早期発生に対する遺伝的素因が、高次クロマチン構造のレベルで調節されることを示唆している。HDにおけるもう1つの未解決の問題は、どちらの親も診断を受けていない場合で病気がどのように遺伝するかである。2つの主な一般的な仮説は、1)キャリアの親が疾患の発症前に別の要因から死亡している、2)「不安定な」CAGリピート路が世代ごとに拡大している、ということを指し示す。3番目の可能性も存在し、中程度(35~50)のリピートでは、個体は疾患の兆候のないキャリアであり得るが、その子孫は規定されていない機序を通じて遺伝的欠陥を補償できず、疾患を発症し得るというものである。この研究で評価されるHD患者はすべて、この中程度の範囲のCAGリピートを有し、疾患発生の潜在的な代償機序がゲノム構造の違いによって仲介され得る可能性を高めている。
臨床関連性
HDは、疾患を確定的に診断するための簡単な検査、HTT遺伝子配列決定、およびCAGリピート数の測定が存在するという点で独特である。臨床ケアと臨床試験については、統合ハンチントン病評価スケール(UHDRS)、Shoulson-Fahnスケール、ミニメンタルステートテスト(MMSE)など、疾患の重症度を測定するいくつかのテストもある。これらの評価は、HD患者の身体的および精神的な健康の様々な要素を疾患の重症度の代用として測定するが、これらはすべて主観的であり、ほとんどがHDに特異的なものではない。欠けているものは、疾患の進行をモニターするための具体的な分子ツールである。
現在、前臨床および臨床開発のさまざまな段階でHDを治療するための22種の治療薬があり、その半分はフェーズ2またはフェーズ3にある。さらに検証されると、ここに報告されるCCSは、問題の薬物の治療効果を評価する代理転帰バイオマーカーとして臨床試験において使用できる。臨床試験で特定の治療に対する症候性患者の反応をモニターすることに加えて、本明細書において説明するアプローチのもう1つの利点は、発症前患者について入手できる情報にある。ほとんどのHD患者については、発症前の期間は数十年続くことがある。本明細書において同定された7つ(i3-i7)の相互作用のうちの5つは、発症前のHD患者と症候性の患者とを明確に区別し、さらに検証すると、発症前キャリアにおけるHD症状の発症の「早期警告」インジケーターテストとして役立てることができる。
この研究は、HDの症状発現に特異的で、既知の疾患ハプロタイプと相関するクロマチン構造の検出可能な状態の相違の最初の証拠を与える。この研究の主な強みは、ゲノム構造の規制的な役割を理解する上での最新の開発に基づく独自のアプローチにある。臨床、画像、分子測定に基づく疾患進行バイオマーカーの開発を目的としたHDの歴史的研究はいくつかあるが、我々の知る限り、これは臨床的にアクセス可能な生体液の高次クロマチン構造の評価を初めてHDで適用されたものである。
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Claims (12)

  1. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の疾患サブグループをす染色体の状態を検出するプロセスであり、その染色体の状態に関係する染色体相互作用がゲノムの規定された領域内に存在するかまたは存在しないかを検出することを含以下の
    (a)配列:
    TCTTGTACACGGTTGGTGGTおよびTGTCACCTATGTGCTGAGTACTGG、
    TGACGAAGAAGCAATCCCTGGTおよびGGACCTACCTCCACTGGGTTG、
    CCGTGCCATATCCTCTGATTTATGCおよびGGCTGACCTTCAACAGATTCGC、
    ACTTCTTCCCAAGTCACTTTTTGCおよびTGGCCATCTTGCTTTGCCTC、
    GGATATGCAGTTTTCCTGGCACTACおよびCATGCTAGGGCCGAGTAATCATCT、
    GCAGCACACAGGGAACTCTCTTおよびTTGTTGAGCCCAGCAATTCCTTT、
    CAGCCACTGTAGAGAGCAGTおよびTAACCCACCAGCAGCAAGGT、ならびに
    AGTAGCTTCCCTGTTAGAGGTCTTGおよびAGCCAGTGACTCCACAACTTCTT
    を有するプライマーペアによりそれぞれ表される染色体相互作用からなる群
    より選択される少なくとも4個の染色体相互作用が分類されるプロセス。
  2. (b)プローブ配列:
    TCACCACACATCACCCCCTTGCTCCTCCTCGAGTCTTGGTGACCACAACAGGGTGCCACC、
    GAGGTGGGTGAATCATGAGGTCAAGGGTTCGACAATAGTTGAGAATCTCCAACCACCTGG、
    GGCCTTATAGTCAGCTGATCAGGTGAAATCGATTGGTCCTTAGGATCAGCTACCATTTGC、
    GAGGCAGGCGGATCACAAAGTCAAAAGATCGATAACTTCAATAATAGTTACAGATGCAAA、
    AGCACCATATCTGGGATGTAGCTATTGCTCGAGATTGCAGTGAGCTGTGATCACACCTCT、
    TCTTCCCTCTTTTTAAAACCACCATTCATCGACCCCACACATCCTGTGCCACTCTACTGC、
    TAACCATTATGCATCACTAACATAGCATTCGATATGATATGCTCAGTTTAGTTAGGGAAA、
    GGCTCAGGAAGAGAACTATTTGTCTCTTTCGACACGCACATGCAGGACACTCACACGTAG、
    GTTGGGTGGATCCCTTGAGCTCAGGAATTCGAAGAATGATTTTTCAGCCCGTGTGGAAGG、
    ATCAAAAGAAAATAGATACTTGTCTTACTCGAGTTGAATAAAATCCTCAGCTTTCTGTCC、
    AAAAGAAACTGTGAAAAGTTGTCACATTTCGATTAAATCCAAAAAGGTCTTCTATGAGGC、
    TTAAAAGTATAGTAGTTGGCATTAACATTCGACCTTTTTCTGTTTCAGTAACCAACCCAG、
    CATCAACTAATAGTTAAACATTATAATATCGACTGAAGACCTTTCATACTGTAAGATTCA、
    CATCAACTAATAGTTAAACATTATAATATCGAGTCTGCAGTGAGCTGAGATCACACTGCC、
    TTATTCCTTTCCAAATAGTTAAAATTATTCGAAACTTTTAAGAATCAATATAAAATTTCC、
    CATAATTATAAATTAAAAAATGACACTATCGATTATGTCCAGTGTTTCTTGGTTGGTGTC、および
    CAGAGCACTAAGATAGACTTCTAAGGTTTCGAGGCATATAGCTCCAGCTGTATTGAGGTA
    によりそれぞれ表される染色体相互作用からなる群より選択される少なくとも4個の染色体相互作用、および/または
    (c)プローブ配列:
    TATATTTAAAAATACATACTGGTATACATCGATCTCATGACTTTGCTATTATGCATAGTG、
    CCCCAGCCCAGCAACCTGGCTCACCTGATCGAGTACATCTTCAAGCCATCCTGTGTGCCC、
    TATAAATAATACAGCTCTATTTGCCTACTCGATTAAAGAATCATATTATATCCTTAATTC、
    CACTATGCATAATAGCAAAGTCATGAGATCGAAAATGTTTGTCAAGCAGTAGGTTTTGGG、
    GATTTTAGAATCTCTAACAAGGCTGCAATCGAGGTTAGCTGCTGCAGAAAGAAGAGAAAA、
    GGTGACTAAAATGAGATTGCATTTTCTTTCGACCATTTGGCCAGCATGCCAAACACTGGT、
    TAACCTCTCCTTTCTTAGGTTCTCCATATCGATAGAAAATTGTCTGCAGCCCTTAATGCC、
    AGCTCACGGTCAGTGCCGTTCCGTTTGCTCGAATAAAGAACAAGGACCTTAAAAAATAGA、および
    AAAGTCATACAACTACTATGTAAGATATTCGAATACCTGTTAGAATAGGTGAAGGTTTAT
    によりそれぞれ表される染色体相互作用からなる群より選択される少なくとも4個の染色体相互作用、および/または
    (d)配列:
    TCTTGTACACGGTTGGTGGTおよびTGTCACCTATGTGCTGAGTACTGG、
    GGATATGCAGTTTTCCTGGCACTACおよびCATGCTAGGGCCGAGTAATCATCT、ならびに
    AGTAGCTTCCCTGTTAGAGGTCTTGおよびAGCCAGTGACTCCACAACTTCTT
    を有するプライマーペアによりそれぞれ表される染色体相互作用からなる群より選択される少なくとも2個の染色体相互作用
    がさらに分類される、請求項1記載のプロセス。
  3. 前記分類される染色体相互作用が前記(a)~(c)のいずれかの群から選択される少なくとも5個の染色体相互作用を含む請項2記載のプロセス。
  4. 染色体相互作用が、
    -染色体相互作用の部位でのDNAループの存在または非存在を検出することにより分類される、および/または
    -染色体コンフォメーションに集められる染色体の遠位領域の存在または非存在を検出することにより分類される、および/または
    -染色体相互作用に集められる染色体の領域に各々対応する2つの領域を含む配列を有するライゲーションされた核酸の存在を検出することにより分類され、ここで、ライゲーションされた核酸の検出が
    )特異的プローブ配列
    TCACCACACATCACCCCCTTGCTCCTCCTCGAGTCTTGGTGACCACAACAGGGTGCCACC、
    GAGGTGGGTGAATCATGAGGTCAAGGGTTCGACAATAGTTGAGAATCTCCAACCACCTGG、
    GGCCTTATAGTCAGCTGATCAGGTGAAATCGATTGGTCCTTAGGATCAGCTACCATTTGC、
    GAGGCAGGCGGATCACAAAGTCAAAAGATCGATAACTTCAATAATAGTTACAGATGCAAA、
    AGCACCATATCTGGGATGTAGCTATTGCTCGAGATTGCAGTGAGCTGTGATCACACCTCT、
    TCTTCCCTCTTTTTAAAACCACCATTCATCGACCCCACACATCCTGTGCCACTCTACTGC、
    TAACCATTATGCATCACTAACATAGCATTCGATATGATATGCTCAGTTTAGTTAGGGAAA、
    GGCTCAGGAAGAGAACTATTTGTCTCTTTCGACACGCACATGCAGGACACTCACACGTAG、
    GTTGGGTGGATCCCTTGAGCTCAGGAATTCGAAGAATGATTTTTCAGCCCGTGTGGAAGG、
    ATCAAAAGAAAATAGATACTTGTCTTACTCGAGTTGAATAAAATCCTCAGCTTTCTGTCC、
    AAAAGAAACTGTGAAAAGTTGTCACATTTCGATTAAATCCAAAAAGGTCTTCTATGAGGC、
    TTAAAAGTATAGTAGTTGGCATTAACATTCGACCTTTTTCTGTTTCAGTAACCAACCCAG、
    CATCAACTAATAGTTAAACATTATAATATCGACTGAAGACCTTTCATACTGTAAGATTCA、
    CATCAACTAATAGTTAAACATTATAATATCGAGTCTGCAGTGAGCTGAGATCACACTGCC、
    TTATTCCTTTCCAAATAGTTAAAATTATTCGAAACTTTTAAGAATCAATATAAAATTTCC、
    CATAATTATAAATTAAAAAATGACACTATCGATTATGTCCAGTGTTTCTTGGTTGGTGTC、および
    CAGAGCACTAAGATAGACTTCTAAGGTTTCGAGGCATATAGCTCCAGCTGTATTGAGGTA
    のいずれかに少なくとも70%の同一性を有するプローブを用いる、および/または
    (ii)特異的プローブ配列:
    TATATTTAAAAATACATACTGGTATACATCGATCTCATGACTTTGCTATTATGCATAGTG、
    CCCCAGCCCAGCAACCTGGCTCACCTGATCGAGTACATCTTCAAGCCATCCTGTGTGCCC、
    TATAAATAATACAGCTCTATTTGCCTACTCGATTAAAGAATCATATTATATCCTTAATTC、
    CACTATGCATAATAGCAAAGTCATGAGATCGAAAATGTTTGTCAAGCAGTAGGTTTTGGG、
    GATTTTAGAATCTCTAACAAGGCTGCAATCGAGGTTAGCTGCTGCAGAAAGAAGAGAAAA、
    GGTGACTAAAATGAGATTGCATTTTCTTTCGACCATTTGGCCAGCATGCCAAACACTGGT、
    TAACCTCTCCTTTCTTAGGTTCTCCATATCGATAGAAAATTGTCTGCAGCCCTTAATGCC、
    AGCTCACGGTCAGTGCCGTTCCGTTTGCTCGAATAAAGAACAAGGACCTTAAAAAATAGA、および
    AAAGTCATACAACTACTATGTAAGATATTCGAATACCTGTTAGAATAGGTGAAGGTTTAT
    のいずれかに少なくとも70%の同一性を有するプローブを用いる、および/または
    (iii)配列:
    AAGCACTTCATTCTCCCCTCACCおよびATACTCCCATCCCCTAGGCCC、
    ACTGAGCAATGATGGCAACAACおよびCCCTACGACTGGCAAACCCA、
    CTAGGCCTGCGTTTCTCCGTおよびCCCTGGCATTCACATCACCGA、
    AGTTCTCTCTCTAAGAACTCAAGGAおよびGTCAAGCAACTGTGTCTGGGG、
    CCCCAGGCACTCACACCTTAおよびGGATCCACGATCTCCCTCCAC、
    GGGCACTCAACACCCTTTTGTおよびAGGTCAGGATGGGTACCGTTG、
    GATGGGAATCAAGGGCAAGGGおよびCTGGGATGATTCCTCTGGACTTCT、
    GCATTAGCCAGCAAGCATACCTおよびGGTGGGCCTGGGTTAGATGC、
    CACCGCCTGATGCAGGTCTTおよびCAGCTGGCCGATCCATCACC、
    GGCACTGTTGGTCTGAAGCACおよびGAGAACGACGACCTGGCACT、
    GGTCTAGATGTCAGTCTTTCCおよびTCATCCTATCCTCTCCTAGC、
    GACTATAAATCTCTCCTTGTCAGCおよびACTGTAGGCCAACCAGAAG、
    CCTTACCCGACACCAGGTAGCおよびCTGGTCCAGTGTCAGCGTGT、
    CCCGACACCAGGTAGCATTCおよびGTGACTCTGCACGCACTGTT、
    GGGCACCCCACTAGACCACおよびAGGCTCAGCAGGTTTCTGCC、
    ATTCTCTCCCTGGTAAATCCTGGTおよびCTGGGCAGGTCATCCAGACAG、ならびに
    CGCCAGCTCAGCAGCAATAAおよびTGCTAGGGCCGAGTAATCATC
    を有するいずれかのプライマーペアと少なくとも70%の同一性を有するプライマーペアを用いる、および/または
    (iv)配列:
    GCAGCACACAGGGAACTCTCTTおよびTTGTTGAGCCCAGCAATTCCTTT、
    GCTAGGAAGGGCCTGGGATGおよびCTCAGTGGGCACACACTCCA、
    TCCAAAATGTTTAATACTGCCTAGAおよびAGCCATGTGGTCTGGAATCT、
    CAGCCACTGTAGAGAGCAGTおよびTAACCCACCAGCAGCAAGGT、
    ACTTCTTCCCAAGTCACTTTTTGCおよびTGGCCATCTTGCTTTGCCTC、
    TGACGAAGAAGCAATCCCTGGTおよびGGACCTACCTCCACTGGGTTG、
    AATCTCTGCCCTCCTCTCATCTTGおよびCATGTTCCCACAGCAAGGAAGTTA、
    AGGTATGCAGCCAGCCTGAGおよびTTTCCGTGCCAGTGTCCTGT、ならびに
    CCGTGCCATATCCTCTGATTTATGCおよびGGCTGACCTTCAACAGATTCGC
    を有するいずれかのプライマーペアと少なくとも70%の同一性を有するプライマーペアを用いるものである
    求項1~3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. ~9個の染色体相互作用が分類される請求項1または2記載のプロセス。
  6. ハンチントン病の疾患サブグループをす染色体の状態を検出するプロセスであり、その染色体の状態に関係する染色体相互作用がゲノムの規定された領域内に存在するかまたは存在しないかを検出することを含み、
    プローブ配列:
    AGATCTAGTTCACAGTAGCACCAATATATCGACAGATAGCTGACATCATCCTCCCAATGT、
    AGAGTACTTCCTAACTCCTACTGTACACTCGACAGATAGCTGACATCATCCTCCCAATGT、
    TATAACCAGTGCTCCTACGAAGGCCGCTTCGAAGTCTCAAACTTCACTTCTCCTGTGCGC、
    AGAGTACTTCCTAACTCCTACTGTACACTCGAGGATGATCGCTCCGACAGCTCCTCCAGC、
    GGGTTTCGCCATGTTGGCCAGGCTGGTCTCGAAGTTGATGCATCTGTGCTCACGTTTGCA、
    AGATCTAGTTCACAGTAGCACCAATATATCGACTGTCTCCTGTTGGCCATCTCTCACCCT、および
    AGATCTAGTTCACAGTAGCACCAATATATCGAACTCCTGACCTTGTGATCCACCCACCTC
    により表される染色体相互作用から選択される少なくとも4個の染色体相互作用が分類される
    プロセス。
  7. 前記分類される染色体相互作用が、
    ローブ配列:
    AGATCTAGTTCACAGTAGCACCAATATATCGACAGATAGCTGACATCATCCTCCCAATGT、
    AGAGTACTTCCTAACTCCTACTGTACACTCGACAGATAGCTGACATCATCCTCCCAATGT、
    TATAACCAGTGCTCCTACGAAGGCCGCTTCGAAGTCTCAAACTTCACTTCTCCTGTGCGC、
    AGAGTACTTCCTAACTCCTACTGTACACTCGAGGATGATCGCTCCGACAGCTCCTCCAGC、
    GGGTTTCGCCATGTTGGCCAGGCTGGTCTCGAAGTTGATGCATCTGTGCTCACGTTTGCA、
    AGATCTAGTTCACAGTAGCACCAATATATCGACTGTCTCCTGTTGGCCATCTCTCACCCT、および
    AGATCTAGTTCACAGTAGCACCAATATATCGAACTCCTGACCTTGTGATCCACCCACCTC
    により表される少なくとも5個の染色体相互作用を含む
    請求項6記載のプロセス。
  8. 前記分類される染色体相互作用が、プローブ配列:
    AGATCTAGTTCACAGTAGCACCAATATATCGACAGATAGCTGACATCATCCTCCCAATGT、
    AGAGTACTTCCTAACTCCTACTGTACACTCGACAGATAGCTGACATCATCCTCCCAATGT、
    TATAACCAGTGCTCCTACGAAGGCCGCTTCGAAGTCTCAAACTTCACTTCTCCTGTGCGC、
    AGAGTACTTCCTAACTCCTACTGTACACTCGAGGATGATCGCTCCGACAGCTCCTCCAGC、
    GGGTTTCGCCATGTTGGCCAGGCTGGTCTCGAAGTTGATGCATCTGTGCTCACGTTTGCA、
    AGATCTAGTTCACAGTAGCACCAATATATCGACTGTCTCCTGTTGGCCATCTCTCACCCT、および
    AGATCTAGTTCACAGTAGCACCAATATATCGAACTCCTGACCTTGTGATCCACCCACCTC
    により表されるすべての染色体相互作用を含む
    請求項7記載のプロセス。
  9. 染色体相互作用が、
    -染色体相互作用の部位でのDNAループの存在または非存在を検出することにより分類される、および/または
    -染色体コンフォメーションに集められる染色体の遠位領域の存在または非存在を検出することにより分類される、および/または
    -染色体相互作用に集められる染色体の領域に各々対応する2つの領域を含む配列を有するライゲーションされた核酸の存在を検出することにより分類され、ここで、ライゲーションされた核酸の検出が、
    (i)特異的プローブ配列
    AGATCTAGTTCACAGTAGCACCAATATATCGACAGATAGCTGACATCATCCTCCCAATGT、
    AGAGTACTTCCTAACTCCTACTGTACACTCGACAGATAGCTGACATCATCCTCCCAATGT、
    TATAACCAGTGCTCCTACGAAGGCCGCTTCGAAGTCTCAAACTTCACTTCTCCTGTGCGC、
    AGAGTACTTCCTAACTCCTACTGTACACTCGAGGATGATCGCTCCGACAGCTCCTCCAGC、
    GGGTTTCGCCATGTTGGCCAGGCTGGTCTCGAAGTTGATGCATCTGTGCTCACGTTTGCA、
    AGATCTAGTTCACAGTAGCACCAATATATCGACTGTCTCCTGTTGGCCATCTCTCACCCT、および
    AGATCTAGTTCACAGTAGCACCAATATATCGAACTCCTGACCTTGTGATCCACCCACCTC
    のいずれかに少なくとも70%の同一性を有するプローブを用いる、および/または
    (ii)プライマーペア:
    GAATACCCAGGAATGCTTACTTGAGCおよびGATTCCAGCCACCCACCTTTCACAAG、
    ACCAAATGCCATCTGGGACACATCCAおよびTGATTCCAGCCACCCACCTTTCACAA、
    CCCGCTAAGTCCACCCCTCTGTAおよびGAACCGCACTTACCCTCAGCAGT、
    ACCAAATGCCATCTGGGACACATCCAおよびGGACAAGCAGACACACTACCTGAACT、
    AGTCTGCCCACTGAGGTAACTAACAAおよびATCCCCTGAAACAGAAGGACCTCGTG、
    GAATACCCAGGAATGCTTACTTGAGCおよびGAGCCGTCTCATAATAACCTCAGGGT、ならびに
    GAATACCCAGGAATGCTTACTTGAGCおよびCAGTGGTTTAGGGCAAAGAGAGGGAG
    のいずれかのプライマーペアと少なくとも70%の同一性を有するプライマーペアを用いるものである
    求項6~8のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. ~9個の染色体相互作用が分類される請求項6または7記載のプロセス。
  11. 出が、ライゲーション産物を増幅可能なプライマーおよびPCR反応中にライゲーション部位に結合するプローブを用いる定量PCR(qPCR)によるライゲーション産物の特異的な検出を含み、前記プローブが染色体相互作用に集まっている各染色体領域由来の配列に相補的な配列を含む請求項1~10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 前記プローブは、
    前記ライゲーション産物に特異的に結合するオリゴヌクレオチド、および/または
    オリゴヌクレオチドの5’末端に共有結合される蛍光団、および/または
    オリゴヌクレオチドの3’末端に共有結合される消光団
    を含む請求項11記載のプロセス。
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