JPWO2019044735A1 - 宇宙機制御装置、宇宙機制御方法、およびプログラム - Google Patents

宇宙機制御装置、宇宙機制御方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

角運動量算出部(12)は、宇宙機の角運動量を算出する。指令値算出部(13)は、宇宙機の軌道を定める軌道要素の変化量と軌道要素の制御量とが一致し、かつ、角運動量の変化量と角運動量の制御量とが一致する第1の制約条件の下で、複数の噴射区間におけるスラスタ(21,22,23,24)の噴射量の合計が目的関数である非線形計画問題の解を求めることで、スラスタ指令値および角指令値を算出する。スラスタ制御部(14)は、スラスタ指令値に基づき、スラスタ(21,22,23,24)の噴射を実行する。ジンバル制御部(15)は、角指令値に基づき、ジンバル機構(31,32,33,34)の角度を調節する。

Description

本発明は、天体の回りの軌道を周回する宇宙機の軌道保持制御および角運動量のアンローディングを行う宇宙機制御装置、宇宙機制御方法、およびプログラムに関する。
宇宙機には、宇宙機の姿勢を制御する姿勢制御アクチュエータ、および宇宙機の経度および緯度を所望の範囲に維持するスラスタが搭載される。宇宙機は、例えば、静止衛星、地球観測衛星、宇宙船等である。姿勢制御アクチュエータの一例として、リアクションホイール、CMG(Control Moment Gyro)等が宇宙機に搭載される。宇宙機には、太陽輻射トルク、磁気トルク等の種々の外乱トルクが働く。そこで、リアクションホイールを回転させて、外乱トルクを吸収して、宇宙機の姿勢を所望の向きに維持する必要がある。リアクションホイールの回転数には限度があるため、リアクションホイールの回転数の増加を抑え、リアクションホイールの回転数を正常範囲内に維持することが行われる。これを姿勢制御アクチュエータに蓄積された角運動量のアンローディングという。詳細には、スラスタを用いてアンローディングトルクを発生させることで、アンローディングが行われる。
宇宙機の経度および緯度を所望の範囲に維持する軌道保持制御と、角運動量のアンローディングとを行う技術が特許文献1,2に開示されている。特許文献1に開示される衛星に搭載されたスラスタは、軌道の下降ノードの近傍、および上昇ノードの近傍で噴射される。特許文献2に開示される制御システムは、超過運動量をアンロードするように、宇宙船の姿勢およびスラスタへの入力に対する制約を条件とした後退ホライズンにわたるコスト関数の最適化を用いて、宇宙船のスラスタおよび宇宙船の運動量交換デバイスを同時に制御する制御入力コマンドを生成する。
特開平9−277997号公報 特開2016−124538号公報
上述の軌道保持制御と角運動量のアンローディングとを行うためには、推薬が必要である。推薬が枯渇すると、宇宙機は軌道保持制御および角運動量のアンローディングを行うことができない。そのため、軌道保持制御と角運動量のアンローディングとにおける推薬の使用量の低減が求められている。
一方で、宇宙機の通信能力を増大させるために宇宙機の発生電力の大電力化が求められ、宇宙機の太陽電池パドルが大型化する傾向にある。太陽電池パドルが大型化すると、宇宙機に働く太陽輻射圧の影響が増大する。その結果、太陽輻射圧の影響によって増大する衛星の軌道の離心率を補償するために、衛星の経度を所望の範囲内に維持する東西制御の制御量が増大する。また宇宙機に働く太陽輻射圧トルクも増大するため、宇宙機に搭載された姿勢制御アクチュエータの角運動量が飽和しやすくなる。この場合、例えば、昇交点近傍および降交点近傍の二箇所、または、特許文献1に開示されるように、軌道の下降ノードの近傍および上昇ノードの近傍において、軌道保持制御と角運動量のアンローディングとを行うことは、推薬の使用量の削減の観点から、最適ではないことがある。
特許文献2に開示される制御システムは、後退ホライズンにわたるモデル予測制御(Model Predictive Control:MPC)を用いて、宇宙船の動作の最適化を行う。この制御システムは、宇宙船の現在の状態、宇宙船の現在のモデル、および宇宙船への現在の制御入力に基づいて、宇宙船の次の状態を求める。そのため、MPCの最適化変数の次元が数十から数百と膨大な数となって、処理が複雑化するため、宇宙機に搭載される計算機での処理に適さないという課題がある。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、推薬の使用量が少なく、軌道保持制御と角運動量のアンローディングとを行うための処理が、宇宙機に搭載される計算機で処理が可能となるように簡易化された宇宙機制御装置、宇宙機制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る宇宙機制御装置は、角運動量算出部、指令値算出部、スラスタ制御部、およびジンバル制御部を備える。角運動量算出部は、天体の周りの軌道を周回する宇宙機が有する角運動量を算出する。指令値算出部は、それぞれが宇宙機の構体に、ジンバル機構を介して取り付けられた複数のスラスタの内、少なくともいずれかのスラスタの噴射を指示するスラスタ指令値、およびスラスタの噴射時におけるジンバル機構の角度を指示する角指令値を算出する。スラスタ制御部は、スラスタ指令値に基づき、スラスタを制御する。ジンバル制御部は、角指令値に基づき、ジンバル機構を制御する。指令値算出部は、第1の制約条件の下で、複数の噴射区間におけるスラスタの噴射量の合計が目的関数である非線形計画問題の解を求めることで、複数の噴射区間のそれぞれのスラスタ指令値および角指令値を算出する。非線形計画問題の第1の制約条件は、第1の関数および第2の関数に基づく。第1の関数は、軌道における複数の噴射区間でのスラスタ指令値および角指令値を引数として、該スラスタ指令値に基づいてスラスタが制御され、該角指令値に基づいてジンバル機構が制御された場合に、宇宙機が軌道を一周する間の、宇宙機の軌道を表す軌道要素の変化量と角運動量の変化量とを出力する。第2の関数は、軌道要素、軌道要素の時間変化率、および角運動量を引数として、宇宙機が軌道を一周する間の、軌道要素の制御量と角運動量の制御量とを出力する。第1の制約条件は、軌道要素の変化量と軌道要素の制御量とが一致し、かつ、角運動量の変化量と角運動量の制御量とが一致することである。
本発明によれば、軌道要素の変化量と軌道要素の制御量とが一致し、かつ、角運動量の変化量と角運動量の制御量とが一致する第1の制約条件の下で、複数の噴射区間におけるスラスタの噴射量の合計が目的関数である非線形計画問題の解が求められる。非線形計画問題の解を求めて、スラスタ指令値および角指令値を算出するため、推薬の使用量が少なく、軌道保持制御および角運動量のアンローディングを行うための処理が簡易化される。
本発明の実施の形態1における静止衛星の構成の例を示す図 実施の形態1におけるスラスタの宇宙機への取付例を示す図 実施の形態1におけるスラスタおよびジンバル機構の例を示す図 実施の形態1に係る宇宙機制御装置の構成例を示すブロック図 実施の形態1に係る指令値算出部の構成例を示すブロック図 実施の形態1に係る指令値算出部が行う指令値算出の動作の一例を示すフローチャート 実施の形態1に係る第2関数算出部が行う第2の関数の算出の動作の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態2に係る指令値算出部の構成例を示す図 実施の形態2に係る指令値算出部が行う指令値算出の動作の一例を示すフローチャート 実施の形態に係る宇宙機制御装置のハードウェア構成の一例を示す構成図 実施の形態に係る宇宙機制御装置のハードウェア構成の他の一例を示す構成図
以下、本発明の実施の形態に係る宇宙機制御装置について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る宇宙機制御装置を、宇宙機の一例である地球の周りを周回する静止衛星に搭載される宇宙機制御装置を例に説明する。この宇宙機制御装置は、静止衛星を目標とする軌道上に維持する軌道保持制御と、静止衛星の姿勢を制御する姿勢制御アクチュエータに蓄積された角運動量のアンローディングとを行う。
上述したように実施の形態1に係る宇宙機制御装置の制御対象である静止衛星を図1に示す。図1に示す静止衛星10は、構体5と、構体5に取り付けられるジンバル機構31,32,33,34と、ジンバル機構31,32,33,34のそれぞれに取り付けられるスラスタ21,22,23,24と、を備える。ジンバル機構31,32,33,34は、いずれも同じ構造であり、構体5の外面の内、地球に向いている面50の反対側に位置する面51に取り付けられる。スラスタ21,22,23,24は、噴射方向が互いに異なる向きで面51に取り付けられる。スラスタ21,22,23,24をそれぞれ、NWスラスタ21、NEスラスタ22、SWスラスタ23、およびSEスラスタ24とも呼ぶこととする。スラスタ21,22,23,24およびジンバル機構31,32,33,34は、後述する宇宙機制御装置によって制御される。詳細には、宇宙機制御装置は、図1に示すジンバル機構31,32,33,34の角度を制御し、ジンバル機構31,32,33,34を介して構体5に取り付けられるスラスタ21,22,23,24を噴射させることで、静止衛星10の軌道保持制御と角運動量のアンローディングとを行う。
図2に示すように、理解を容易にするため、x軸、y軸、z軸を基底とし、静止衛星10の質量中心C.M.(Center of Mass)を原点とする軌道座標系を設定し、適宜参照する。x軸は、軌道の中心に位置する天体である地球4の中心と静止衛星10の質量中心C.M.とを通る。z軸は、静止衛星10の軌道面の法線方向である。y軸は、x軸およびz軸と右手系の座標を構成する。ジンバル機構31,32,33,34のそれぞれから質量中心C.M.までの距離を示す取付距離rは互いに同じである。x平面に投影された質量中心C.M.からスラスタ21,22,23,24のそれぞれを指すベクトルと、x軸とがなす鋭角である角度ψは互いに同じである。x平面に投影された質量中心C.M.からスラスタ21,22,23,24のそれぞれを指すベクトルと、z軸とがなす鋭角である角度γは互いに同じである。
ジンバル機構31,32,33,34の構造はいずれも同じであるから、ジンバル機構31について図3を用いて説明する。ジンバル機構31の回転軸を、互いに直交するx軸およびy軸とする。xT軸およびyT軸に直交する軸をz軸とする。z軸は、ジンバル機構31に取り付けられるスラスタ21の推力軸に平行に位置する。x軸周りのジンバル角をαとし、y軸周りのジンバル角をβとする。ジンバル角α,βが0である場合、z軸は静止衛星10の質量中心C.M.を貫き、スラスタ21を噴射しても静止衛星10にトルクが働かない。ジンバル角α,βの少なくとも1つが0でない場合は、スラスタ21の噴射時に静止衛星10にトルクが働く。
上述のスラスタ21,22,23,24およびジンバル機構31,32,33,34は、図4に示す宇宙機制御装置1によって制御される。宇宙機制御装置1は、ジンバル機構31,32,33,34の角度を制御し、スラスタ21,22,23,24の内、少なくとも1つを噴射させることで、静止衛星10の軌道保持制御と角運動量のアンローディングとを行う。
宇宙機制御装置1は、静止衛星10の軌道要素を算出する軌道決定部11と、静止衛星10の角運動量を算出する角運動量算出部12と、スラスタ21,22,23,24に対するスラスタ指令値およびジンバル機構31,32,33,34に対する角指令値を算出する指令値算出部13と、スラスタ指令値に基づきスラスタ21,22,23,24を制御するスラスタ制御部14と、角指令値に基づきジンバル機構31,32,33,34を制御するジンバル制御部15とを備える。
軌道決定部11は、例えば、静止衛星10に搭載されたGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)受信機から取得したGPS情報、地上局から受信したレンジ、レンジレート、静止衛星10の方位角および仰角の情報等から、静止衛星10の軌道要素を算出する。なおレンジは、地上局から静止衛星10までの距離を示す。レンジレートは、地上局から静止衛星10までの距離の変化の割合を示す。地上局は、地上の光学カメラを用いた観測から静止衛星10の方位角および仰角を得ることができる。軌道決定部11は、静止衛星10の軌道要素の瞬時値から周期的な変動成分を取り除いて平均軌道要素を算出する。軌道要素は、例えば、離心率、傾斜角等を含む。以下の説明において、静止衛星10の軌道要素として平均軌道要素を用いる。周期的な変動成分とは、地球重力の摂動、例えば太陽、月等の摂動天体の潮汐力等によって発生し、周期が閾値以下の周期的な変動成分である。軌道決定部11は、算出した平均軌道要素を指令値算出部13に送る。軌道決定部11はさらに、平均軌道要素の時間変化率を算出し、平均軌道要素の時間変化率を指令値算出部13に送る。平均軌道要素の時間変化率は、十分に短い時間における平均軌道要素の変化量を示す。
角運動量算出部12は、静止衛星10に搭載された恒星センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、地球センサ、太陽センサ等のセンサから得られる静止衛星10の姿勢情報を用いて、静止衛星10の姿勢および姿勢角速度を求め、静止衛星10の角運動量を算出する。角運動量算出部12は、算出した角運動量を指令値算出部13に送る。
指令値算出部13は、詳細については後述するが、非線形計画問題の解を求めることで、静止衛星10を目標とする軌道から定められた範囲内に保持するための、スラスタ指令値および角指令値を算出する。なおスラスタ指令値は、スラスタ21,22,23,24の内、少なくともいずれかのスラスタに対する指令値である。詳細にはスラスタ指令値は、例えば、噴射タイミング、噴射位相、スラスタ21,22,23,24の噴射量の合計、噴射量の合計に対する噴射量の割合等を含む。角指令値は、スラスタ21,22,23,24のそれぞれの噴射時におけるジンバル機構31,32,33,34の少なくともいずれかのジンバル角α,βを示す。
スラスタ制御部14は、指令値算出部13が算出したスラスタ指令値に基づき、スラスタ21,22,23,24を制御する。ジンバル制御部15は、指令値算出部13が算出した角指令値に基づきジンバル機構31,32,33,34を制御する。
指令値算出部13は、図5に示すように、後述する第1の関数を求める第1関数算出部131と、後述する第2の関数を求める第2関数算出部132と、第1の関数の出力と第2の関数の出力とが一致する第1の制約条件を決める第1制約条件設定部133と、ジンバル機構31,32,33,34の角度が定められた範囲内にある第2の制約条件を決める第2制約条件設定部134と、第1の制約条件と第2の制約条件の下で、複数の噴射区間におけるスラスタ21,22,23,24の噴射量の合計が目的関数である非線形計画問題の解を求めることで、スラスタ指令値および角指令値を算出する求解部135と、を備える。なお指令値算出部13は、静止衛星10の緯度および経度の許容範囲、角運動量の許容範囲、ならびにジンバル角α,βの許容範囲を予め保持している。
第1関数算出部131は、複数の噴射区間でのスラスタ指令値および角指令値を引数として、後述する下記(13)−(16)式を含む第1の関数を求める。第1の関数は、引数であるスラスタ指令値に基づいてスラスタ21,22,23,24が制御され、引数である角指令値に基づいてジンバル機構31,32,33,34が制御された場合に、静止衛星10が軌道を一周する間の、軌道要素の変化量および角運動量の変化量を出力する。
第2関数算出部132は、軌道決定部11から平均軌道要素および平均軌道要素の時間変化率を取得し、角運動量算出部12から角運動量を取得する。そして、第2関数算出部132は、平均軌道要素、平均軌道要素の時間変化率、および静止衛星10が有する角運動量を引数として、後述する下記(17),(20),(22),(24)式を含む第2の関数を求める。第2の関数は、静止衛星10の平均軌道要素の制御量および静止衛星10が有する角運動量の制御量を出力する。
第1制約条件設定部133は、第1の関数を第1関数算出部131から取得し、第2の関数を第2関数算出部132から取得する。そして、第1制約条件設定部133は、軌道要素の変化量と平均軌道要素の制御量とが一致し、かつ、角運動量の変化量と角運動量の制御量とが一致することを示す条件式である第1の制約条件を求める。
第2制約条件設定部134は、ジンバル機構31,32,33,34の角度が定められた範囲内にあることを示す条件式である第2の制約条件を求める。
求解部135は、第1の制約条件と第2の制約条件の下で、複数の噴射区間におけるスラスタ21,22,23,24の噴射量の合計が目的関数である非線形計画問題について、目的関数を最小化する解を求める。その結果、複数の噴射区間のそれぞれのスラスタ指令値および角指令値が算出される。
指令値算出部13が予め保持している許容範囲の詳細について説明する。指令値算出部13は、静止衛星10の目標位置からのずれの許容範囲を予め保持している。詳細には、静止衛星10の緯度の目標値φrefおよび保持精度Δφmax、ならびに、静止衛星10の経度の目標値λrefおよび保持精度Δλmaxを予め保持している。緯度の目標値φrefおよび経度の目標値λrefは、上述の目標とする軌道を示す。緯度の保持精度Δφmaxおよび経度の保持精度Δλmaxは、静止衛星10が保持される、目標とする軌道を含む定められた範囲を示す。
静止衛星10の緯度φの範囲は下記(1)式で表される。静止衛星10の経度λの範囲は、下記(2)式で表される。
φref−Δφmax≦φ≦φref+Δφmax (1)
λref−Δλmax≦λ≦λref+Δλmax (2)
静止衛星10の場合、φrefは0であり、静止衛星10の観測対象が日本であれば、λrefは例えば140°である。緯度の保持精度Δφmaxおよび経度の保持精度Δλmaxを、例えば0.1°とする。この場合、静止衛星10の緯度の範囲は−0.1°以上、かつ、0.1°以下であり、静止衛星10の経度の範囲は、139.9°以上、かつ、140.1°以下である。
さらに、指令値算出部13は、静止衛星10の角運動量の目標値からのずれの許容範囲を予め保持している。詳細には、指令値算出部13は、慣性系における静止衛星10の角運動量の目標値hxref,hyref,hzref、および角運動量の保持精度Δhxmax,Δhymax,Δhzmaxを予め保持している。
静止衛星10の角運動量の範囲は、下記(3)−(5)式で表される。
xref−Δhxmax≦h≦hxref+Δhxmax (3)
yref−Δhymax≦h≦hyref+Δhymax (4)
zref−Δhzmax≦h≦hzref+Δhzmax (5)
例えば、ゼロモーメンタム衛星の場合は、hxref、hyref、および、hzrefはいずれも0である。バイアスモーメンタム衛星の場合は、hxref、hyref、hzrefはいずれも0でない。Δhxmax、Δhymax、および、Δhzmaxは、リアクションホイール、CMG(Control Moment Gyro)等の静止衛星10に搭載された姿勢制御アクチュエータで補償可能な角運動量の大きさに応じて定められる。Δhxmax、Δhymax、および、Δhzmaxを、例えば30Nmsとする。
さらに、指令値算出部13は、ジンバル機構の駆動角度の許容範囲を予め保持している。詳細には、指令値算出部13は、ジンバル機構31,32,33,34の駆動角度の上限αmax,βmaxおよび下限−αmax,−βmaxを予め保持している。
ジンバル機構31,32,33,34の駆動角度の上限αmax、βmaxおよび下限−αmax,−βmaxは、静止衛星10の姿勢情報を取得するための上述のセンサ、姿勢制御アクチュエータ、姿勢制御アクチュエータを制御する制御装置等を含む姿勢制御系が補償可能な外乱トルクの大きさに応じて定められる。ジンバル機構31,32,33,34を回転させて、スラスタ21,22,23,24を噴射することで、静止衛星10にトルクが働く。トルクの大きさTは、下記(6)式で表されるように、ジンバル角の二乗ノルム、スラスタ21,22,23,24の推力の大きさF、および取付距離rに比例する。
Figure 2019044735
静止衛星10の打ち上げ後は、取付距離rを変更することはできない。スラスタ21,22,23,24の推力の大きさFは、軌道上で一定とみなされる。そのため、トルクの大きさTの調節は、ジンバル角α,βによって行われる。ジンバル角α,βを大きくすることで、より大きなトルクを静止衛星10に与えることが可能である。ジンバル角α,βを大きくすることで、静止衛星10に蓄積された角運動量をアンローディングする能力は向上する。しかしながら、スラスタ21,22,23,24の噴射によって静止衛星10に作用するトルクは、静止衛星10の姿勢制御系にとっては、外乱トルクである。そのため、トルクの大きさTが大きすぎると、姿勢制御系が不安定になり、静止衛星10の姿勢を保持できなくなる。そのため、ジンバル角α,βは、姿勢制御系で補償可能な外乱トルクの上限値Tmaxに応じて定められる。ジンバル角αの最大値αmaxは、下記(7)式で表される。ジンバル角βの最大値βmaxは、下記(8)式で表される。下記(7),(8)式におけるκは、1未満の正数である。
Figure 2019044735
Figure 2019044735
ジンバル角α,βの範囲は、下記(9),(10)式で表される。
−αmax≦α≦αmax (9)
−βmax≦β≦βmax (10)
指令値算出部13は、上述の静止衛星10の緯度および経度の範囲、角運動量の範囲、ならびにジンバル角α,βの範囲を予め保持している。指令値算出部13は、これらの許容範囲に基づいて、非線形計画問題の解を求めることで、スラスタ指令値および角指令値を算出する。詳細には、指令値算出部13は、後述する第1の制約条件の下で、目的関数を最小化する解を求める。図6を用いて、指令値算出部13の全体の流れを説明した後、個々のステップについて順に詳細に説明する。第1関数算出部131は、複数の噴射区間でのスラスタ指令値および角指令値を引数として、第1の関数を求める(ステップS11)。第2関数算出部132は、軌道決定部11から平均軌道要素を取得し、角運動量算出部12から角運動量を取得する(ステップS12)。第2関数算出部132は、平均軌道要素、平均軌道要素の時間変化率、および静止衛星10が有する角運動量を引数として、第2の関数を求める(ステップS13)。第1制約条件設定部133は、軌道要素の変化量と平均軌道要素の制御量とが一致し、かつ、角運動量の変化量と角運動量の制御量とが一致することを示す条件式である第1の制約条件を求める(ステップS14)。第2制約条件設定部134は、ジンバル機構31,32,33,34の角度が定められた範囲内にあることを示す条件式である第2の制約条件を求める(ステップS15)。求解部135は、目的関数を求める(ステップS16)。求解部135は、第1の制約条件、第2の制約条件、および複数の噴射区間におけるスラスタ21,22,23,24の噴射量の合計である目的関数に基づく非線形計画問題について、目的関数を最小化する解を求めることで、スラスタ指令値および角指令値を算出する(ステップS17)。指令値算出部13は、スラスタ指令値および角指令値をそれぞれ、スラスタ制御部14およびジンバル制御部15に出力する(ステップS18)。
図6の各ステップの詳細について順に説明する。上記ステップS11の処理の詳細について説明する。第1関数算出部131は、複数の噴射区間でのスラスタ指令値および角指令値を引数として、第1の関数を求める。軌道の一周あたりN個の噴射区間が設けられる場合を例にして説明する。スラスタ指令値が、N個の噴射区間のそれぞれにおいて、スラスタ21,22,23,24の内、2本に対する噴射の指示である場合を例にして説明する。2本の組み合わせは、NWスラスタ21とNEスラスタ22の組、SWスラスタ23とSEスラスタ24の組、SWスラスタ23とNWスラスタ21の組、および、NEスラスタ22とSEスラスタ24の組のいずれかである。1つの噴射区間でスラスタ21,22,23,24の内、2本のみ噴射することで、推薬の使用量を少なくすることが可能である。
j(1≦j≦N)番目の噴射区間において噴射するスラスタ21,22,23,24の内の2本を、a,bとする。aとbは、NWスラスタ21とNEスラスタ22の組、SWスラスタ23とSEスラスタ24の組、SWスラスタ23とNWスラスタ21の組、および、NEスラスタ22とSEスラスタ24の組のいずれかである。j番目の噴射区間において噴射するスラスタa,bの噴射量の合計をFとすると、a,bのそれぞれの噴射量を決定する配分係数ξを用いて、スラスタa,bのそれぞれの噴射量faj,fbjは、下記(11),(12)式で表される。配分係数ξは、−1≦ξ≦1の条件を満たす係数である。ξ=1の場合には、スラスタaのみが噴射し、ξ=−1の場合は、スラスタbのみが噴射し、ξ=0の場合は、スラスタa,bが等しく噴射する。
Figure 2019044735
Figure 2019044735
第1の関数のパラメータは、j番目の噴射区間における噴射量の合計F,j番目の噴射区間における配分係数ξ,j番目の噴射区間における平均経度λavgj、およびj番目の噴射区間における角度αaj,βaj,αbj,βbjである。角度αaj,βajは、スラスタaを構体5に取り付けるジンバル機構31,32,33,34のj番目の噴射区間における角度である。角度αbj,βbjは、スラスタbを構体5に取り付けるジンバル機構31,32,33,34のj番目の噴射区間における角度である。
第1の関数の出力である軌道要素の変化量は、線形化されたガウスの惑星方程式に基づいて、噴射量の合計F、配分係数ξ、平均経度λavgj、および角度αaj,βaj,αbj,βbjで表される。軌道要素の変化量は、平均離心率ベクトル、平均傾斜角ベクトル、および平均直下点経度のそれぞれの変化量を含む。さらに第1の関数の出力である角運動量の変化量は、線形化されたオイラーの方程式に基づいて、噴射量の合計F、配分係数ξ、平均経度λavgj、および角度αaj,βaj,αbj,βbjで表される。
N個の噴射区間におけるスラスタ21,22,23,24の噴射によって生じる軌道要素の変化量の合計および角運動量の変化量の合計は、下記(13)−(16)式で表される。下記(13)式において、G(F,ξ,λavgj,αaj,βaj,αbj,βbj)は、離心率ベクトルについてのガウスの惑星方程式である。下記(14)式において、G(F,ξ,λavgj,αaj,βaj,αbj,βbj)は、傾斜角ベクトルについてのガウスの惑星方程式である。下記(15)式において、Gλ(F,ξ,λavgj,αaj,βaj,αbj,βbj)は、平均直下点経度についてのガウスの惑星方程式である。下記(16)式において、E(F,ξ,λavgj,αaj,βaj,αbj,βbj)は、静止衛星10が有する角運動量に関するオイラーの方程式である。第1関数算出部131は、上記パラメータを確定して、下記(13)−(16)式を含む第1の関数を求め、第1制約条件設定部133に送る。
Figure 2019044735
Figure 2019044735
Figure 2019044735
Figure 2019044735
図6のステップS11の処理の説明は以上であるから、図6のステップS11と並行して行われるステップS12,S13の処理について以下に説明する。ステップS12において、第2関数算出部132は、軌道決定部11から平均軌道要素および平均軌道要素の時間変化率を取得し、角運動量算出部12から角運動量を取得する。そして、ステップS13において、第2関数算出部132は、平均軌道要素、平均軌道要素の時間変化率、および静止衛星10が有する角運動量を引数として、パラメータを確定し、静止衛星10の平均軌道要素の制御量および静止衛星10が有する角運動量の制御量を出力する第2の関数を求める。平均軌道要素の制御量とは、スラスタ21,22,23,24を噴射することで達成すべき平均軌道要素の制御量である。制御対象となる平均軌道要素は、平均離心率ベクトル、平均傾斜角ベクトル、および平均直下点経度を含む。
第2関数算出部132が第2の関数を算出するステップS13の処理の概要について図7を用いて説明した後に、各ステップの詳細について説明する。第2関数算出部132は、平均離心率ベクトルの目標値etargetを定める軌道座標系の原点を中心とする円の半径eを決定する(ステップS21)。第2関数算出部132は、軌道座標系の原点を中心とする半径eの円と、地球4と太陽とを結ぶ線分の交点に設定される平均離心率ベクトルの目標値etargetに平均離心率ベクトルを近づけるための制御量Δeを算出する(ステップS22)。第2関数算出部132は、緯度の保持精度Δφmaxの大きさに応じて、年平均傾斜角ベクトル、月平均傾斜角ベクトル、および日平均傾斜角ベクトルのいずれかを、制御対象である平均傾斜角ベクトルとして決定する(ステップS23)。第2関数算出部132は、ステップS23で決定した平均傾斜角ベクトルに対する制御量Δiを算出する(ステップS24)。第2関数算出部132は、平均直下点経度の制御量Δλを算出する(ステップS25)。第2関数算出部132は、角運動量の制御量Δhを算出する(ステップS26)。図7に示すように、第2関数算出部132は、ステップS21,S23,S25,S26の処理を並行に行うことができる。
上記ステップS21,S22の処理について説明する。第2関数算出部132は、軌道座標系の原点を中心とする半径eの円と、地球4と太陽とを結ぶ線分の交点に平均離心率ベクトルの目標値etargetを設定し、下記(17)式で表される平均離心率ベクトルの制御量Δeを算出する。下記(17)式において、eODは、軌道決定部11が算出した平均離心率ベクトルである。Kは正の係数である。下記(17)式の第2項−K(eOD−etarget)は、フィードバック制御量に相当する。下記(17)式における第1項−δeFFは、フィードフォワード制御量に相当する。フィードフォワード制御量は、静止衛星10に働く摂動力、例えば、太陽輻射圧、月の潮汐力、太陽の潮汐力等による、平均離心率ベクトルの変動を補償する。下記(17)式におえるδeFFは、下記(18)式で表される。下記(18)式におけるe’ODは、eODの時間変化率であり、Tは、静止衛星10が軌道を周回する周期である。
Δe=−δeFF−K(eOD−etarget) (17)
δeFF=e’OD (18)
上記(17)式における平均離心率ベクトルの目標値etargetは、軌道座標系の原点を中心とする半径eの円と、地球4と太陽とを結ぶ線分の交点に設定される。eは、下記(19)式で表される。Δλは、軌道決定部11が算出する平均軌道要素の誤差、スラスタ21,22,23,24の噴射誤差等によって生じる経度の誤差である。Δλは、0<Δλ<Δλmaxを満たす値であり、例えば、0.02°である。
Figure 2019044735
図7のステップS21,S22の処理については以上であるから、図7においてステップS21,S22と並行して行われるステップS23,S24の処理について説明する。第2関数算出部132は、平均傾斜角ベクトル、例えば、年平均傾斜角ベクトル、月平均傾斜角ベクトル、および日平均傾斜角ベクトル等を制御する。第2関数算出部132は、緯度の保持精度Δφmaxの大きさに適した平均傾斜角ベクトルを制御する。例えば、0.040°×(1+κφ)≦Δφmaxの場合、第2関数算出部132は、年平均傾斜角ベクトルを制御対象として決定する。0.0040°×(1+κφ)<Δφmax<0.040°×(1+κφ)の場合、第2関数算出部132は、月平均傾斜角ベクトルを制御対象として決定する。Δφmax<0.004°×(1+κφ)の場合、第2関数算出部132は、日平均傾斜角ベクトルを制御対象として決定する。κφは、正の係数であり、例えば、1.1に設定される。
平均傾斜角ベクトルの制御量Δiは、下記(20)式で表される。下記(20)式において、iODは、軌道決定部11が算出した平均傾斜角ベクトルである。itargetは、定められた平均傾斜角ベクトルの目標値である。Kは、正の定数である。下記(20)式における第2項−K(iOD−itarget)は、フィードバック制御量に相当する。下記(20)式における第1項−δiFFは、フィードフォワード制御量に相当する。フィードフォワード制御量は、静止衛星10に働く摂動力による、平均傾斜角ベクトルの変動を補償する。δiFFは、下記(21)式で表される。下記(21)式において、diFF/dtは、平均傾斜角ベクトルの時間変化率である。
Δi=−δiFF−K(iOD−itarget) (20)
Figure 2019044735
図7のステップS23,S24の説明は以上であるから、図7においてステップS23,S24と並行して行われるステップS25の処理について説明する。第2関数算出部132は、下記(22)式で表される平均直下点経度の制御量Δλを算出する。下記(22)式において、λODは、軌道決定部11で算出された平均直下点経度である。下記(22)式において、λtargetは、平均直下点経度の目標値である。Kλは正の係数である。下記(22)式における第2項−Kλ(λOD−λtarget)は、フィードバック制御量に相当する。下記(22)式における第1項−δλEFは、フィードフォワード制御量に相当する。フィードフォワード制御量は、静止衛星10に働く摂動力による、平均直下点経度の変動を補償する。δλEFは、下記(23)式で表される。下記(23)式において、λ’ODは、平均直下点経度の角速度である。下記(23)式においてλ”ODは、平均直下点経度の角加速度である。
Δλ=−δλFF−Kλ(λOD−λtarget) (22)
Figure 2019044735
図7のステップS25の説明は以上であるから、図7においてステップS25と並行して行われるステップS26の処理について説明する。第2関数算出部132は、下記(24)式で表される角運動量の制御量Δhを算出する。下記(24)式において、hADは、角運動量算出部12で算出された慣性系における静止衛星10の角運動量である。下記(24)式の第2項−K(hAD−href)は、フィードバック制御量に相当する。Kは、正の係数である。下記(24)式の第1項−δhFFは、フィードフォワード制御量に相当する。フィードフォワード制御量は、摂動トルクによって生じる慣性系での角運動量の変動量を補償する。摂動トルクの内、最も支配的なトルクは、太陽輻射圧によるトルクである。静止衛星10に働く太陽輻射圧トルクをτSRPとし、δhFFを下記(25)式で近似する。hrefは、慣性系における角運動量の目標値であり、下記(26)式で表される。角運動量の目標値hrefの各成分は、予め指令値算出部13が保持している。
Δh=−δhFF−K(hAD−href) (24)
δhFF=TτSRP (25)
ref=[hxref,hyref,hzref (26)
第2関数算出部132は、上記(17),(20),(22),(24)式を含む第2の関数を第1制約条件設定部133に送る。
図6のステップS12,13の処理の説明は以上であるから、後続のステップS14の処理について説明する。第1制約条件設定部133は、軌道要素の変化量と平均軌道要素の制御量とが一致し、かつ、角運動量の変化量と角運動量の制御量とが一致することを示す条件式である第1の制約条件を求める。第1制約条件設定部133は、下記(27)−(30)式を含む第1の制約条件を求解部135に送る。
Δe=δ (27)
Δi=δ (28)
Δλ=δλ (29)
Δh=δ (30)
図6のステップS14の処理の説明は以上であるから、後続のステップS15の処理について説明する。第2制約条件設定部134は、ジンバル機構31,32,33,34の角度が定められた範囲内にあることを示す条件式である第2の制約条件を求める。第2制約条件設定部134は、下記(31)−(34)式を含む第2の制約条件を求解部135に送る。
−αmax≦αaj≦αmax (31)
−βmax≦βaj≦βmax (32)
−αmax≦αbj≦αmax (33)
−βmax≦βbj≦βmax (34)
スラスタ21,22,23,24の噴射量は0より大きいことは明らかであるから、下記(35)式が成り立つ。また上述のように、噴射区間jにおける配分係数については、下記(36)式が成り立つ。
0≦F (35)
−1≦ξ≦1 (36)
図6のステップS15の説明は以上であるから、後続のステップS16,S17の処理について説明する。求解部135は、第1の制約条件、第2の制約条件、および複数の噴射区間におけるスラスタ21,22,23,24の噴射量の合計である目的関数に基づく非線形計画問題について、目的関数を最小化する解を求めることで、複数の噴射区間のそれぞれのスラスタ指令値および角指令値を算出する。目的関数は、下記(37)式で表される。
Figure 2019044735
求解部135は、噴射区間のそれぞれにおける、噴射量の合計F、配分係数ξ、平均経度λavgj、および角度αaj,βaj,αbj,βbjの解を求める。非線形計画問題を解くにあたっては、逐次二次計画法、内点法等の手法が用いられる。求解部135は、非線形計画問題を解くことで得られるλavgjの解から、スラスタ21,22,23,24の噴射区間の開始位置および終了位置を含む噴射タイミングを得る。また求解部135は、非線形計画問題を解くことで得られるF,ξの解から、噴射区間におけるスラスタ21,22,23,24の噴射量を得る。さらに求解部135は、非線形計画問題を解くことで得られるαaj,βaj,αbj,βbjの解から、スラスタ21,22,23,24を噴射する際のジンバル角を得る。
図6のステップS16,S17の説明は以上であるから、後続のステップS18の処理について説明する。求解部135は、スラスタ21,22,23,24の噴射タイミングおよび噴射量を示すスラスタ指令値を、スラスタ制御部14に送り、ジンバル角を示す角指令値を、ジンバル制御部15に送る。
スラスタ制御部14は、スラスタ指令値に基づいてスラスタ21,22,23,24を制御して噴射させる。ジンバル制御部15は、角指令値に基づいてジンバル機構31,32,33,34のジンバル角を制御する。上述のように非線形計画問題を解いて、スラスタ指令値および角指令値を算出することで、推薬の使用量を少なくしながら、軌道保持制御および角運動量のアンローディングを行うための処理を簡易化することが可能である。
以上説明したとおり、本実施の形態1に係る宇宙機制御装置1によれば、非線形計画問題について、スラスタの噴射量の合計である目的関数を最小化する解を求め、スラスタ指令値および角指令値を算出することで、推薬の使用量を抑制しながら、軌道保持制御および角運動量のアンローディングを行うための処理を簡易化することが可能である。
実施の形態1に係る宇宙機制御装置1によれば、昇交点および降交点から離隔した位置でスラスタ21,22,23,24を噴射する必要がある場合、また軌道を一周する間にスラスタ21,22,23,24を複数回噴射する必要がある場合でも、推薬の使用量を抑制しながら、軌道保持制御および角運動量のアンローディングを行うための処理を行うことができる。
(実施の形態2)
実施の形態1における非線形計画問題の制約条件は、第1の制約条件と第2の制約条件であったが、非線形計画問題は、さらに他の制約条件を含んでもよい。実施の形態2に係る宇宙機制御装置1の構成は、図4に示す実施の形態1に係る宇宙機制御装置1の構成と同様である。図8は、本発明の実施の形態2に係る指令値算出部の構成例を示す図である。実施の形態2に係る指令値算出部16は、図5に示す実施の形態1に係る指令値算出部13の構成に加えて、第3制約条件設定部136をさらに備える。第3制約条件設定部136は、複数の噴射区間のそれぞれの噴射直前および噴射直後の少なくともいずれかにおいて、角運動量が定められた範囲内にあることを示す条件式である第3の制約条件を求め、求解部135に送る。
指令値算出部16がスラスタ指令値および角指令値を算出する処理の概略について図9を用いて説明する。ステップS11−S16,S18の処理は、図6に示す処理と同様である。実施の形態2に係る指令値算出部16においては、第3制約条件設定部136が、複数の噴射区間のそれぞれの噴射直前および噴射直後の少なくともいずれかにおいて、角運動量が定められた範囲内にあることを示す条件式である第3の制約条件を求める(ステップS19)。求解部135は、目的関数を求める(ステップS16)。求解部135は、第1の制約条件、第2の制約条件、第3の制約条件、および複数の噴射区間におけるスラスタ21,22,23,24の噴射量の合計である目的関数に基づく非線形計画問題について、目的関数を最小化する解を求めることで、スラスタ指令値および角指令値を算出する(ステップS20)。後続の処理は、図6に示す処理と同様である。
上記(31)−(34)式における、αmax,βmaxを小さくすると、スラスタ21,22,23,24の噴射中に静止衛星10に作用するトルクは小さくなる。すなわち、スラスタ21,22,23,24の噴射によって生じる角運動量の変動が抑制される。αmax,βmaxを小さくすることで、角運動量の変動が抑制されても、噴射区間の噴射直前または噴射直後において、角運動量が、上記(3)−(5)式で規定される範囲内にないことがある。そこで、第3制約条件設定部136は、複数の噴射区間のそれぞれの噴射直前および噴射直後の少なくともいずれかにおいて、角運動量が定められた範囲内にあることを示す条件式である第3の制約条件を求める。すなわち、第3制約条件設定部136は、下記(38),(39)式の少なくともいずれかが成立することを示す条件式である第3の制約条件を求める。下記(38)式におけるh (−)は、j番目の噴射区間の噴射直前における角運動量である。j番目の噴射区間の噴射直前における角運動量とは、j番目の噴射区間におけるスラスタ21,22,23,24の噴射開始直前の静止衛星10の角運動量である。下記(39)式におけるh (+)は、j番目の噴射区間の噴射直後における角運動量である。j番目の噴射区間の噴射直後における角運動量とは、j番目の噴射区間におけるスラスタ21,22,23,24の噴射終了直後の静止衛星10の角運動量である。h (−)およびh (+)は、変数F,ξ,λavgj,αaj,βaj,αbj,βbjの関数である。
ref−Δhmax≦h (−)≦href+hmax (38)
ref−Δhmax≦h (+)≦href+hmax (39)
(−)の各成分について、上記(3)−(5)式と同様に、下記(40)−(42)が成り立つ。またh (+)の各成分について、上記(3)−(5)式と同様に、下記(43)−(45)が成り立つ。
xref−Δhxmax≦hxj (−)≦hxref+Δhxmax (40)
yref−Δhymax≦hyj (−)≦hyref+Δhymax (41)
zref−Δhzmax≦hzj (−)≦hzref+Δhzmax (42)
xref−Δhxmax≦hxj (+)≦hxref+Δhxmax (43)
yref−Δhymax≦hyj (+)≦hyref+Δhymax (44)
zref−Δhzmax≦hzj (+)≦hzref+Δhzmax (45)
以上説明したとおり、本実施の形態2に係る宇宙機制御装置1によれば、複数の噴射区間のそれぞれの噴射直前および噴射直後の少なくともいずれかにおいて、角運動量が定められた範囲内にあることを、非線形計画問題の第3の制約条件とすることで、静止衛星10の角運動量を保持範囲内に維持することができる。そのため、姿勢制御アクチュエータの角運動量を飽和させることなく、軌道保持制御および角運動量のアンローディングを行うことが可能である。
次に、本実施の形態のハードウェア構成について説明する。図10は、ハードウェア構成の例を示す図である。図10は、宇宙機制御装置1が処理回路101によって実現される例を示している。図10のように、静止衛星10は、衛星の位置、速度、姿勢角、角速度を観測するセンサ110、宇宙機制御装置1、スラスタ21,22,23,24、およびジンバル機構31,32,33,34を有する。
処理回路101が、専用のハードウェアである場合、処理回路101は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。軌道決定部11、角運動量算出部12、指令値算出部13、スラスタ制御部14、およびジンバル制御部15の各部の機能それぞれを処理回路101で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路101で実現してもよい。
図11は、本実施の形態のハードウェア構成の別の例を示す図である。図11は、宇宙機制御装置1がプロセッサ(CPU:Central Processing Unit)102とメモリ103によって実現される例を示している。図11のプロセッサ102とメモリ103は、図10の処理回路101に相当する。
宇宙機制御装置1がプロセッサ102とメモリ103によって実現される場合、軌道決定部11、角運動量算出部12、指令値算出部13、スラスタ制御部14、およびジンバル制御部15の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ103に格納される。プロセッサ102は、メモリ103に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、メモリ103には、軌道決定部11、角運動量算出部12、指令値算出部13、スラスタ制御部14、およびジンバル制御部15の処理を実行するためのプログラムが格納される。メモリ103は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等を含む。
メモリ103は、上述のプログラムの他、軌道決定部11で決定される軌道決定値、角運動量算出部12で設定される衛星角運動量値、指令値算出部13で算出されるスラスタ指令値およびジンバル角指令値を記憶する。上述のメモリ103に記憶された情報は適宜読みだされて、軌道決定部11、角運動量算出部12、指令値算出部13、スラスタ制御部14、およびジンバル制御部15の処理に用いられ、修正される。
なお、軌道決定部11、角運動量算出部12、指令値算出部13、スラスタ制御部14、およびジンバル制御部15の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、軌道決定部11については専用のハードウェアとしての処理回路101でその機能を実現し、指令値算出部13については、プロセッサ102がメモリ103に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
本発明の実施の形態は上述の実施の形態に限られない。宇宙機は、静止衛星10に限られず、天体の周りの軌道を周回する任意の飛行体である。飛行体の一例は、地球観測衛星、宇宙船等である。スラスタ21,22,23,24の本数は任意であり、それぞれの噴射区間において噴射するスラスタ21,22,23,24の本数および組み合わせも任意である。またジンバル機構31,32,33,34の自由度は1でもよい。ジンバル機構31,32,33,34の自由度が1である場合、上記数式のβ=0となるため、第1の関数は、変数F,ξ,λavgj,αaj,αbjの関数である。β=0の場合、第1の関数と同様に、h (−)およびh (+)は、変数F,ξ,λavgj,αaj,αbjの関数である。図1の例では、宇宙機の構体5に、スラスタ21,22,23,24が取り付けられているが、宇宙機の構体5に取り付けられるスラスタ21,22,23,24の数は任意である。スラスタ21,22,23,24のそれぞれの角度ψおよび角度γは互いに同じでもよいし、異なってもよい。
緯度および経度の範囲、ならびに、緯度および経度の保持精度は、上述の例に限られず、任意に定めることができる。上述のように、軌道決定部11が平均軌道要素の時間変化率を算出する代わりに、第2関数算出部132が平均軌道要素の時間変化率を算出してもよい。軌道決定部11は、軌道要素を算出する代わりに、外部装置から起動要素を取得してもよい。軌道決定部11は、軌道要素の瞬時値を指令値算出部13に送ってもよい。第2関数算出部132は、図7に示す、平均離心率ベクトルの制御量Δeの算出、平均傾斜角ベクトルΔiの算出、平均直下点経度の制御量Δλの算出、および、角運動量の制御量Δhの算出を順次行ってもよい。
求解部135は、第1の制約条件の下で、非線形計画問題の解を求めることで、スラスタ指令値およびジンバル指令値を算出してもよい。あるいは、求解部135は、第1の制約条件と第3の制約条件の下で、非線形計画問題の解を求めてもよい。また、求解部135は、第1の制約条件の下で、目的関数を小さくする準最適解を求めることで、スラスト指令値およびジンバル指令値を算出してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
本出願は、2017年9月1日に出願された、日本国特許出願特願2017−168649号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2017−168649号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
1 宇宙機制御装置、4 地球、5 構体、10 静止衛星、11 軌道決定部、12 角運動量算出部、13,16 指令値算出部、14 スラスタ制御部、15 ジンバル制御部、21,22,23,24 スラスタ、31,32,33,34 ジンバル機構、50,51 面、101 処理回路、102 プロセッサ、103 メモリ、110 センサ、131 第1関数算出部、132 第2関数算出部、133 第1制約条件設定部、134 第2制約条件設定部、135 求解部、136 第3制約条件設定部。

Claims (14)

  1. 天体の周りの軌道を周回する宇宙機が有する角運動量を算出する角運動量算出部と、
    それぞれが前記宇宙機の構体に、ジンバル機構を介して取り付けられた複数のスラスタの内、少なくともいずれかのスラスタの噴射を指示するスラスタ指令値、および前記スラスタの噴射時における前記ジンバル機構の角度を指示する角指令値を算出する指令値算出部と、
    前記スラスタ指令値に基づき、前記スラスタを制御するスラスタ制御部と、
    前記角指令値に基づき、前記ジンバル機構を制御するジンバル制御部と、
    を備え、
    前記指令値算出部は、前記軌道における複数の噴射区間での前記スラスタ指令値および前記角指令値を引数として、該スラスタ指令値に基づいて前記スラスタが制御され、該角指令値に基づいて前記ジンバル機構が制御された場合に、前記宇宙機が前記軌道を一周する間の、前記宇宙機の軌道を表す軌道要素の変化量と前記角運動量の変化量とを出力する第1の関数、ならびに、前記軌道要素、前記軌道要素の時間変化率、および前記角運動量を引数として、前記宇宙機が前記軌道を一周する間の、前記軌道要素の制御量および前記角運動量の制御量を出力する第2の関数に基づき、前記軌道要素の変化量と前記軌道要素の制御量とが一致し、かつ、前記角運動量の変化量と前記角運動量の制御量とが一致する第1の制約条件の下で、前記複数の噴射区間における前記スラスタの噴射量の合計が目的関数である非線形計画問題の解を求めることで、前記複数の噴射区間のそれぞれの前記スラスタ指令値および前記角指令値を算出する、
    宇宙機制御装置。
  2. 前記指令値算出部は、前記目的関数を最小化する前記非線形計画問題の解を求めることで、前記複数の噴射区間のそれぞれの前記スラスタ指令値および前記角指令値を算出する、
    請求項1に記載の宇宙機制御装置。
  3. 前記指令値算出部は、前記ジンバル機構の角度が定められた範囲内にある第2の制約条件の下で、前記非線形計画問題の解を求めることで、前記複数の噴射区間のそれぞれの前記スラスタ指令値および前記角指令値を算出する、
    請求項1または2に記載の宇宙機制御装置。
  4. 前記指令値算出部は、前記ジンバル機構の角度が定められた範囲内にある第2の制約条件と、前記複数の噴射区間のそれぞれの噴射直前および噴射直後の少なくともいずれかにおいて、前記角運動量が定められた範囲内にある第3の制約条件との下で、前記非線形計画問題の解を求めることで、前記複数の噴射区間のそれぞれの前記スラスタ指令値および前記角指令値を算出する、
    請求項1または2に記載の宇宙機制御装置。
  5. 前記第2の関数が算出する前記軌道要素の制御量は、前記宇宙機が前記軌道を一周する間に、前記宇宙機に作用する摂動力によって生じる前記軌道要素の変動を補正するフィードフォワード制御量、および、前記軌道要素と前記軌道要素の目標値とに基づくフィードバック制御量を含む、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の宇宙機制御装置。
  6. 前記第2の関数が算出する前記角運動量の制御量は、前記宇宙機が前記軌道を一周する間に、前記宇宙機に作用する摂動トルクによって生じる前記角運動量の変動を補正するフィードフォワード制御量、および、前記角運動量と前記角運動量の目標値とに基づくフィードバック制御量を含む、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の宇宙機制御装置。
  7. 前記軌道要素は、離心率ベクトル、傾斜角ベクトル、および直下点経度を含む、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の宇宙機制御装置。
  8. 前記第2の関数は、前記宇宙機の軌道保持制御において求められる緯度の保持精度に応じた、年平均傾斜角ベクトル、月平均傾斜角ベクトル、および日平均傾斜角ベクトルのいずれかに対する制御量を含む前記軌道要素の制御量を出力する、
    請求項7に記載の宇宙機制御装置。
  9. 前記構体の外面の内、いずれかの面は、常に前記天体に向いており、
    前記複数のスラスタは、噴射方向が互いに異なる向きで、前記構体の外面の内、常に前記天体に向いている面と反対側に位置する面に取り付けられる、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の宇宙機制御装置。
  10. 前記ジンバル機構の自由度は2であり、
    前記複数のスラスタの個数は4つであり、
    前記スラスタは、前記宇宙機の質量中心から離れる方向に伸び、
    前記噴射区間において4つの前記スラスタの内、2つの前記スラスタが噴射される、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の宇宙機制御装置。
  11. 前記ジンバル機構の角度は、前記スラスタの噴射によって前記宇宙機に作用するトルクを、前記宇宙機が有する姿勢制御系で補償可能な外乱トルクの上限値以下にする範囲内の値である、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の宇宙機制御装置。
  12. 前記スラスタ指令値は、前記スラスタの噴射位相、前記複数のスラスタの噴射量の合計、前記合計において前記スラスタ指令値によって噴射が指示される前記スラスタの噴射量の割合である、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の宇宙機制御装置。
  13. 軌道における複数の噴射区間でのスラスタ指令値および角指令値を引数として、該スラスタ指令値に基づいてスラスタが制御され、該角指令値に基づいてジンバル機構が制御された場合に、軌道要素の変化量および角運動量の変化量を出力する第1の関数、ならびに、軌道要素、前記軌道要素の時間変化率、および前記角運動量を引数として、前記軌道要素の制御量および前記角運動量の制御量を出力する第2の関数に基づき、予め定めた制約条件を満たしつつ、前記複数の噴射区間における前記スラスタの噴射量の合計が目的関数である非線形計画問題について、前記目的関数の解を求めることで、前記複数の噴射区間のそれぞれの前記スラスタ指令値および前記角指令値を算出する、
    宇宙機制御方法。
  14. コンピュータを、
    天体の周りの軌道を周回する宇宙機が有する角運動量を算出する角運動量算出部、
    それぞれが前記宇宙機の構体に、ジンバル機構を介して取り付けられた複数のスラスタの内、少なくともいずれかのスラスタの噴射を指示するスラスタ指令値、および前記スラスタの噴射時における前記ジンバル機構の角度を指示する角指令値を算出する指令値算出部、
    前記スラスタ指令値に基づき、前記スラスタを制御するスラスタ制御部、および、
    前記角指令値に基づき、前記ジンバル機構を制御するジンバル制御部、
    として機能させるためのプログラムであって、
    前記指令値算出部は、前記軌道における複数の噴射区間での前記スラスタ指令値および前記角指令値を引数として、該スラスタ指令値に基づいて前記スラスタが制御され、該角指令値に基づいて前記ジンバル機構が制御された場合に、前記宇宙機が前記軌道を一周する間の、前記宇宙機の軌道を表す軌道要素の変化量と前記角運動量の変化量とを出力する第1の関数、ならびに、前記軌道要素、前記軌道要素の時間変化率、および前記角運動量を引数として、前記宇宙機が前記軌道を一周する間の、前記軌道要素の制御量および前記角運動量の制御量を出力する第2の関数に基づき、前記軌道要素の変化量と前記軌道要素の制御量とが一致し、かつ、前記角運動量の変化量と前記角運動量の制御量とが一致する第1の制約条件の下で、前記複数の噴射区間における前記スラスタの噴射量の合計が目的関数である非線形計画問題の解を求めることで、前記複数の噴射区間のそれぞれの前記スラスタ指令値および前記角指令値を算出する、
    プログラム。
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