JPWO2018211873A1 - 鋼管用ねじ継手 - Google Patents

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Abstract

ねじ継手は、ピン(10)とボックス(20)とからなる。ピン(10)は、ピン(10)の先端側から管本体側に向けて順に、内シール面(11)と、内雄ねじ部(12)と、ショルダ部(13)と、外雄ねじ部(14)と、外シール面(15)と、を備える。ボックス(20)は、ボックス(20)の管本体側から先端側に向けて順に、内シール面(21)と、内雌ねじ部(22)と、ショルダ部(23)と、外雌ねじ部(24)と、外シール面(25)と、を備える。ボックス(20)の内シール面21)と内雌ねじ部(22)との間に、周方向に沿う内溝部(16)が設けられ、ピン(10)の内雄ねじ部(12)の一部の歯が内溝部(16)に収容される。これにより、内圧、外圧、引張荷重及び圧縮荷重に対する密封性能を安定して確保できる。

Description

本発明は、鋼管の連結に用いられるねじ継手に関する。
油井、天然ガス井等(以下、総称して「油井」ともいう)において、地下資源を採掘するために油井管(OCTG:Oil Country Tubular Goods)と呼ばれる鋼管が使用される。鋼管は順次連結される。その連結にねじ継手が用いられる。
鋼管用ねじ継手の形式は、カップリング型とインテグラル型に大別される。カップリング型のねじ継手の場合、連結対象の一対の管材のうち、一方の管材が鋼管であり、他方の管材がカップリングである。この場合、鋼管の両端部の外周に雄ねじ部が形成され、カップリングの両端部の内周に雌ねじ部が形成される。そして、鋼管とカップリングとが連結される。インテグラル型のねじ継手の場合、連結対象の一対の管材がともに鋼管であり、別個のカップリングを用いない。この場合、鋼管の一端部の外周に雄ねじ部が形成され、他端部の内周に雌ねじ部が形成される。そして、一方の鋼管と他方の鋼管とが連結される。
雄ねじ部が形成された管端部の継手部分は、雌ねじ部に挿入される要素を含むことから、ピンと称される。一方、雌ねじ部が形成された管端部の継手部分は、雄ねじ部を受け入れる要素を含むことから、ボックスと称される。これらのピンとボックスは、管材の端部であるため、いずれも管状である。
また、鋼管用ねじ継手の形式は、ボックスの外径によって、フラッシュ型、セミフラッシュ型、スリム型等に分類されることもある。スリム型のねじ継手は、ボックスの危険断面の断面積がピンの管本体とほぼ同等のカップリング(以下、「標準カップリング」ともいう)を指標にして定められる。具体的には、スリム型のねじ継手では、ボックスの最大外径が標準カップリングの外径よりも小さい。フラッシュ型及びセミフラッシュ型のねじ継手は、ピンの管本体を指標にして定められる。具体的には、フラッシュ型のねじ継手では、ボックスの最大外径がピンの管本体の外径とほぼ同等である。セミフラッシュ型のねじ継手では、ボックスの最大外径がフラッシュ型のねじ継手とスリム型のねじ継手の中間にある。要するに、ピンの管本体の外径に対するボックスの最大外径が小さいものから順に、フラッシュ型のねじ継手、セミフラッシュ型のねじ継手、及びスリム型のねじ継手となる。フラッシュ型、セミフラッシュ型、及びスリム型を明確に区分する定義はない。しかし、現在流通している鋼管用ねじ継手では、概ね、ボックスの最大外径がピンの管本体の外径の110%程度までをフラッシュ型又はセミフラッシュ型と称する。
一般に、危険断面とは、ねじ部の噛み合い領域の端部の位置での断面を指す。通常、危険断面の位置では、引張荷重を負担する断面積が最小となる。危険断面の位置及びその断面積は、ねじ継手の引張強度を決定するための要素である。
近年、油井の高深度化及び超深海化が進展している。このような油井環境では、ねじ継手は、外部と内部に存在する流体(例:ガス、液体)から高い圧力を受ける。更に、ねじ継手は、引張と圧縮の荷重を繰返し受ける。また、上記の油井環境では、油井管が多重に配置される。通常、多重構造の油井管の接続には、ボックスの外径がピンの外径と同程度であるセミフラッシュ型のねじ継手が多用される。ピンの内径がAPI(American Petroleum Institute(アメリカ石油協会))の規格によって規定され、これに伴ってボックスの外径も制限されるからである。このような制限下で、ねじ継手には、内部からの圧力(以下、「内圧」ともいう)及び外部からの圧力(以下、「外圧」ともいう)に対し、優れた密封性能が要求される。更に、引張荷重及び圧縮荷重に対しても、優れた密封性能が要求される。
例えば特開平9−126366号公報(特許文献1)は、内圧、外圧、引張荷重及び圧縮荷重に対する密封性能の向上を図った鋼管用ねじ継手を開示する。特許文献1に記載のねじ継手では、ピンの雄ねじ部とボックスの雌ねじ部とから構成されるねじ部として、バットレス型のテーパねじが採用される。このねじ部は、ショルダ部によって、内ねじ部と外ねじ部に区分される。つまり、ピンの先端側に内ねじ部が設けられる。ボックスの先端側に外ねじ部が設けられる。内ねじ部と外ねじ部との間にショルダ部が設けられる。更に、内ねじ部の内側(ピンの先端側)には内シール部が設けられる。外ねじ部の外側(ボックスの先端側)には外シール部が設けられる。
締結時、ボックスに対するピンのねじ込みにより、ピンのショルダ部に含まれるショルダ面が、ボックスのショルダ部に含まれるショルダ面と接触する。更に、内ねじ部及び外ねじ部のそれぞれの雄ねじ部と雌ねじ部とが嵌り合う。これにより、内ねじ部及び外ねじ部のそれぞれでねじシール部が形成される。また、ピンの内シール部に含まれる内シール面が、ボックスの内シール部に含まれる内シール面と干渉し、高い面圧で接触する。ピンの外シール部に含まれる外シール面が、ボックスの外シール部に含まれる外シール面と干渉し、高い面圧で接触する。これにより、内シール部及び外シール部のそれぞれで面接触によるシール部が形成される。
内シール部は、主として、ねじ継手の内部の流体がねじシール部の領域に不用意に浸入するのを防止する役割を担う。つまり、内シール部は、内圧に対する密封性能の向上に寄与する。外シール部は、主として、ねじ継手の外部の流体がねじシール部の領域に不用意に浸入するのを防止する役割を担う。つまり、外シール部は、外圧に対する密封性能の向上に寄与する。
特許文献1に記載のねじ継手では、内ねじ部を構成するピンの内雄ねじ部とボックスの内雌ねじ部とが全域にわたって噛み合う。ただし、ボックスの内雌ねじ部の領域のうち内シール部に近い一部の領域では、歯の先端が管軸と平行にカットされ、ねじ高さの低い不完全ねじとなっている。その領域が完全ねじであれば、締結時にピンの内シール面を傷付けるおそれがある。もっとも、その不完全ねじの領域でも内雄ねじ部と内雌ねじ部とが噛み合う。
同様に、外ねじ部を構成するピンの外雄ねじ部とボックスの外雌ねじ部とが全域にわたって噛み合う。ただし、ピンの外雄ねじ部の領域のうち外シール部に近い一部の領域では、歯の先端が管軸と平行にカットされ、ねじ高さの低い不完全ねじとなっている。その領域が完全ねじであれば、締結時にボックスの外シール面を傷付けるおそれがある。もっとも、その不完全ねじの領域でも外雄ねじ部と外雌ねじ部とが噛み合う。
特開平9−126366号公報
特許文献1に記載のねじ継手の場合、内圧、外圧、引張荷重及び圧縮荷重が単純に1回ずつ負荷されるのであれば、密封性能が良好である。しかし、本発明者らが行った試験によれば、そのねじ継手に例えばある程度の回数で繰り返し引張荷重と内圧が負荷される場合、内シール部で内圧のリークが発生することがあった。つまり、特許文献1に記載のねじ継手の密封性能は不安定である。
本発明の目的は、下記の特性を有する鋼管用ねじ継手を提供することである:
内圧、外圧、引張荷重及び圧縮荷重が繰り返し負荷される環境でも密封性能を安定して確保できること。
本発明の実施形態による鋼管用ねじ継手は、管状のピンと管状のボックスとからなる。ピンは、ピンの先端側から管本体側に向けて順に、内シール面と、内雄ねじ部と、ショルダ部と、外雄ねじ部と、外シール面と、を備える。ボックスは、ボックスの管本体側から先端側に向けて順に、内シール面と、内雌ねじ部と、ショルダ部と、外雌ねじ部と、外シール面と、を備える。ねじ継手は、下記(1)及び(2)の構成のうちの少なくとも一方の構成を備える。
(1)ボックスの内シール面と内雌ねじ部との間に、周方向に沿う内溝部が設けられ、ピンの内雄ねじ部の一部の歯が内溝部に収容されること、
(2)ピンの外シール面と外雄ねじ部との間に、周方向に沿う外溝部が設けられ、ボックスの外雌ねじ部の一部の歯が外溝部に収容されること。
本発明の実施形態による鋼管用ねじ継手は、下記の顕著な効果を有する:
内圧、外圧、引張荷重及び圧縮荷重が繰り返し負荷される環境でも密封性能を安定して確保できること。
図1Aは、内圧リークが発生したねじ継手について内シール部近傍の内雄ねじ部の縦断面を観察したときの模式図である。 図1Bは、内圧リークが発生したねじ継手について内シール部近傍の内雌ねじ部の縦断面を観察したときの模式図である。 図2Aは、内圧リークが発生したねじ継手における内シール部及びその付近を示す縦断面図である。 図2Bは、図2Aの内シール部付近の内ねじ部を拡大した縦断面図である。 図3Aは、外圧リークが発生したねじ継手における外シール部及びその付近を示す縦断面図である。 図3Bは、図3Aの外シール部付近の外ねじ部を拡大した縦断面図である。 図4は、本実施形態による鋼管用ねじ継手を示す縦断面図である。 図5は、図4に示すねじ継手における内シール部及びその付近を示す縦断面図である。 図6は、図4に示すねじ継手における外シール部及びその付近を示す縦断面図である。 図7Aは内シール部の試験結果を示す図である。 図7Bは外シール部の試験結果を示す図である。
本発明者らは、上記目的を達成するため、特許文献1に記載のねじ継手について、種々のサイズのサンプルを準備し、内圧、外圧、引張荷重及び圧縮荷重を繰り返し負荷する試験を実施した。
いずれのサンプルでも、引張荷重と内圧が負荷されたとき、内シール部で内圧のリークが発生した。また、いずれのサンプルでも、引張荷重と外圧が負荷されたとき、外シール部で外圧のリークが発生した。また、場合によっては、圧縮荷重が負荷されたときに内圧リーク及び外圧リークが発生した。したがって、ねじ形状のデザインに起因して、内圧リーク及び外圧リークが発生する、と推察された。
そこで、内圧リークが発生したねじ継手を分解し、ピン及びボックスのそれぞれを詳細に調べた。同様に、外圧リークが発生したねじ継手を分解し、ピン及びボックスのそれぞれを詳細に調べた。
図1A及び図1Bは、内圧リークが発生したねじ継手について内シール部近傍の内ねじ部の縦断面を観察したときの、観察状況の一例を示した模式図である。これらの図のうち、図1Aはピンの内雄ねじ部の一部を示し、図1Bはボックスの内雌ねじ部の一部を示す。なお、ピン及びボックスのそれぞれの内ねじ部の断面観察は、管軸周りの90°ごと(それぞれ便宜的に0°、90°、180°及び270°と表す)の各位置で行った。図1Aは180°の位置での状況を示す。図1Bは270°の位置での状況を示す。
図1Aに点線丸印で示すように、内シール部近傍の内雄ねじ部において、荷重フランク面の先端部が変形していた。つまり、内シール部近傍の内雄ねじ部において、荷重フランク面の先端部に過剰な荷重が加わった痕跡が認められた。図1Bに点線丸印で示すように、内シール部近傍の内雌ねじ部においても同様の現象が起こっていた。
また、図示していないが、外圧リークが発生したねじ継手の場合、外シール部近傍の外雄ねじ部において、荷重フランク面の先端部に過剰な荷重が加わった痕跡が認められた。一方、外シール部近傍の外雌ねじ部において、荷重フランク面の先端部に過剰な荷重が加わった痕跡が認められた。
要するに、内圧リークが発生したねじ継手の場合、内シール部の近傍において、ピンの内雄ねじ部の一部の歯(特に、荷重フランク面)がボックスの内雌ねじ部に不適切に干渉することがわかった。外圧リークが発生したねじ継手の場合、外シール部の近傍において、ボックスの外雌ねじ部の一部の歯(特に、荷重フランク面)がピンの外雄ねじ部に不適切に干渉することがわかった。
そこで、本発明者らは、内シール部近傍における内ねじ部の不適切な干渉に着目し、その干渉による内圧リークの発生メカニズムについて検討した。また、本発明者らは、外シール部近傍における外ねじ部の不適切な干渉に着目し、その干渉による外圧リークの発生メカニズムについて検討した。
図2A及び図2Bは、内圧リークの発生メカニズムを説明するための模式図である。これらの図のうち、図2Aは、ねじ継手における内シール部及びその付近を示す縦断面図である。図2Bは、図2Aの内シール部付近の内ねじ部を拡大した縦断面図である。
図2A及び図2Bを参照し、特許文献1に記載のねじ継手では、内圧が負荷されたとき(図2A中の白抜き矢印参照)、ピン10の先端部10aは拡径するように弾性変形する。特に、内シール部1近傍の内雌ねじ部22の一部が、ねじ高さの低い不完全ねじである。そのため、その不完全ねじと内雄ねじ部12とが噛み合っていても、相互のねじ山頂面とねじ谷底面とが接触するまで、ピン10の先端部10aは拡径するように変形できる。これにより、内シール部1の接触面圧が高まり(図2A中の白抜き矢印参照)、内圧に対する密封性能が向上する。
ただし、内圧が除荷されると(図2A中の白抜き矢印がない状態)、ピン10の先端部10aは縮径するように復元する。これにより、図2Bに示すように、不完全ねじ(内雌ねじ部22の一部)の荷重フランク面22dの先端部と、内雄ねじ部12の荷重フランク面12dの先端部とが互いに接触する。この接触領域は狭い。このときに引張荷重が負荷されると(図2A中の網掛け矢印参照)、それぞれの荷重フランク面12d及び22dの先端部に過剰な荷重が加わる。これにより、それぞれの荷重フランク面12d及び22dの先端部が変形し、更に、変形した内雄ねじ部12の一部の歯がボックス20の内雌ねじ部22の一部(不完全ねじ)の歯に乗り上げる。この状態になった場合、次に内圧が負荷されても、ピン10の先端部10aの拡径変形が拘束される。したがって、内シール部1の接触面圧が高まらない。その結果、内圧に対する密封性能が低下する。
図3A及び図3Bは、外圧リークの発生メカニズムを説明するための模式図である。これらの図のうち、図3Aは、ねじ継手における外シール部及びその付近を示す縦断面図である。図3Bは、図3Aの外シール部付近の外ねじ部を拡大した縦断面図である。
図3A及び図3Bを参照し、特許文献1に記載のねじ継手では、外圧が負荷されたとき(図3A中の白抜き矢印参照)、ボックス20の先端部20aは縮径するように弾性変形する。特に、外シール部5近傍の外雄ねじ部14の一部が、ねじ高さの低い不完全ねじである。そのため、その不完全ねじと外雌ねじ部24とが噛み合っていても、相互のねじ山頂面とねじ谷底面とが接触するまで、ボックス20の先端部20aは縮径するように変形できる。これにより、外シール部5の接触面圧が高まり(図3A中の白抜き矢印参照)、外圧に対する密封性能が向上する。
ただし、外圧が除荷されると(図3A中の白抜き矢印がない状態)、ボックス20の先端部20aは拡径するように復元する。これにより、図3Bに示すように、不完全ねじ(外雄ねじ部14の一部)の荷重フランク面14dの先端部と、外雌ねじ部24の荷重フランク面24dの先端部とが互いに接触する。この接触領域は狭い。このときに引張荷重が負荷されると(図3A中の網掛け矢印参照)、それぞれの荷重フランク面14d及び24dの先端部に過剰な荷重が加わる。これにより、それぞれの荷重フランク面14d及び24dの先端部が変形し、更に、変形した外雌ねじ部24の一部の歯がピン10の外雄ねじ部14の一部(不完全ねじ)の歯に乗り上げる。この状態になった場合、次に外圧が負荷されても、ボックス20の先端部20aの縮径変形が拘束される。したがって、外シール部5の接触面圧が高まらない。その結果、外圧に対する密封性能が低下する。
以上のことから、内シール部の近傍において、ピンの内雄ねじ部の一部の歯がボックスの内雌ねじ部の歯に乗り上げることを防止できれば、内圧に対する密封性能を安定して確保することが可能になる、と言える。また、外シール部の近傍において、ボックスの外雌ねじ部の一部の歯がピンの外雄ねじ部の歯に乗り上げることを防止できれば、外圧に対する密封性能を安定して確保することが可能になる、と言える。
本発明の鋼管用ねじ継手は、上記の知見に基づいて完成されたものである。
本発明の実施形態による鋼管用ねじ継手は、管状のピンと管状のボックスとからなる。ピンは、ピンの先端側から管本体側に向けて順に、内シール面と、内雄ねじ部と、ショルダ部と、外雄ねじ部と、外シール面と、を備える。ボックスは、ボックスの管本体側から先端側に向けて順に、内シール面と、内雌ねじ部と、ショルダ部と、外雌ねじ部と、外シール面と、を備える。ねじ継手は、下記(1)及び(2)の構成のうちの少なくとも一方の構成を備える。
(1)ボックスの内シール面と内雌ねじ部との間に、周方向に沿う内溝部が設けられ、ピンの内雄ねじ部の一部の歯が内溝部に収容されること、
(2)ピンの外シール面と外雄ねじ部との間に、周方向に沿う外溝部が設けられ、ボックスの外雌ねじ部の一部の歯が外溝部に収容されること。
このようなねじ継手によれば、上記(1)の構成が採用された場合、ピンの内シール面とボックスの内シール面との接触による内シール部の近傍において、ピンの内雄ねじ部の一部の歯(特に、荷重フランク面)がボックスの内雌ねじ部に不適切に干渉することを防止できる。内シール部近傍では、内雄ねじ部の歯が存在するものの、この内雄ねじ部の歯に噛み合う内雌ねじ部が存在しないからである。これにより、ねじ継手に引張荷重と内圧が負荷される場合であっても、ピンの内雄ねじ部の一部の歯がボックスの内雌ねじ部の歯に乗り上げることを防止できる。その結果、内シール部での接触面圧の低下が抑制され、内圧に対する密封性能を安定して確保することが可能になる。
一方、上記(2)の構成が採用された場合、ピンの外シール面とボックスの外シール面との接触による外シール部の近傍において、ボックスの外雌ねじ部の一部の歯(特に、荷重フランク面)がピンの外雄ねじ部に不適切に干渉することを防止できる。外シール部近傍では、外雌ねじ部の歯が存在するものの、この外雌ねじ部の歯に噛み合う外雄ねじ部が存在しないからである。これにより、ねじ継手に引張荷重と外圧が負荷される場合であっても、ボックスの外雌ねじ部の一部の歯がピンの外雄ねじ部の歯に乗り上げることを防止できる。その結果、外シール部での接触面圧の低下が抑制され、外圧に対する密封性能を安定して確保することが可能になる。内圧及び外圧の両方に対する密封性能を安定して確保するためには、上記(1)及び(2)の構成の両方を採用すればよい。
典型的な例として、本実施形態のねじ継手はインテグラル型のねじ継手である。ただし、ねじ継手の形式は特に限定されず、カップリング型であってもよい。
典型的な例として、本実施形態のねじ継手はセミフラッシュ型又はフラッシュ型と称されるねじ継手である。つまり、ボックスの外径がピンの管本体の外径の100%を超え、110%以下である。ただし、ねじ継手の形式は特に限定されず、スリム型であってもよい。
典型的な例として、内雄ねじ部と内雌ねじ部からなるねじ部、及び外雄ねじ部と外雌ねじ部からなるねじ部は、それぞれバットレス型のテーパねじである。この場合、テーパねじのそれぞれは、ねじ山頂面、ねじ谷底面、挿入フランク面及び荷重フランク面を含む。そして、内雄ねじ部のねじ山頂面と内雌ねじ部のねじ谷底面とが接触するとともに、内雄ねじ部の荷重フランク面と内雌ねじ部の荷重フランク面とが接触する。外雄ねじ部のねじ谷底面と外雌ねじ部のねじ山頂面とが接触するとともに、外雄ねじ部の荷重フランク面と外雌ねじ部の荷重フランク面とが接触する。荷重フランク面のフランク角は負角である。
ただし、内雄ねじ部と内雌ねじ部との噛み合い状態、及び外雄ねじ部と外雌ねじ部との噛み合い状態は、荷重フランク面同士が接触する限り、特に限定されない。例えば、内雄ねじ部のねじ山頂面と内雌ねじ部のねじ谷底面との接触に代えて、内雄ねじ部のねじ谷底面と内雌ねじ部のねじ山頂面とが接触してもよい。外雄ねじ部のねじ谷底面と外雌ねじ部のねじ山頂面との接触に代えて、外雄ねじ部のねじ山頂面と外雌ねじ部のねじ谷底面とが接触してもよい。
上記のねじ継手において、ボックスの内溝部の管軸に沿う長さは内雌ねじ部のねじピッチよりも大きいことが好ましい。本明細書で言う内溝部の長さは、内シール面の端部からの長さを意味する。ピンの外溝部の管軸に沿う長さは外雄ねじ部のねじピッチよりも大きいことが好ましい。本明細書で言う外溝部の長さは、外シール面の端部からの長さを意味する。
この場合のねじ継手において、ボックスの内溝部の管軸に沿う長さは内雌ねじ部のねじピッチの4倍以下であることが好ましい。より好ましい長さはねじピッチの2.5倍以下である。これにより、内雄ねじ部と内雌ねじ部との噛み合いの長さを確保できる。また、ピンの外溝部の管軸に沿う長さは外雄ねじ部のねじピッチの4倍以下であることが好ましい。より好ましい長さはねじピッチの2.5倍以下である。これにより、外雄ねじ部と外雌ねじ部との噛み合いの長さを確保できる。その結果、ねじ継手で許容される引張荷重が低下しない。
上記のねじ継手において、ボックスの内溝部の深さは、内雌ねじ部のねじ高さ以上、そのねじ高さの2倍以下であることが好ましい。本明細書で言う内溝部の深さは、内雌ねじ部が内溝部の領域まで延長されたと仮定したときのねじ山頂面からの深さを意味する。これにより、ボックスの危険断面の面積を確保できる。また、ピンの外溝部の深さは、外雄ねじ部のねじ高さ以上、そのねじ高さの2倍以下であることが好ましい。本明細書で言う外溝部の深さは、外雄ねじ部が外溝部の領域まで延長されたと仮定したときのねじ山頂面からの深さを意味する。これにより、ピンの危険断面の面積を確保できる。
ボックスの内溝部の形状は特に限定されない。例えば、内溝部は、管軸と平行な円筒面を含んでもよい。また、内溝部は、内シール面に近づくほど直径が小さくなるテーパ面を含んでもよい。このテーパ面は内シール面に隣接する。このテーパ面のテーパ角は0°よりも大きくて90°よりも小さい。ただし、このテーパ角が小さすぎれば、ボックスの危険断面の面積を確保することが困難になるかもしれない。一方、このテーパ角が大きすぎれば、応力集中が起こるかもしれない。そのため、このテーパ面のテーパ角は1°以上、50°以下であることが好ましい。より好ましいテーパ角は1°以上、30°以下であり、更に好ましいテーパ角は3°以上、15°以下である。このテーパ面のテーパ角は、内雌ねじ部のテーパ角と同じであってもよい。
また、内溝部は、内雌ねじ部に近づくほど直径が小さくなるテーパ面を含んでもよい。このテーパ面は内雌ねじ部に隣接する。このテーパ面のテーパ角は0°よりも大きくて90°よりも小さい。ただし、このテーパ角が小さすぎれば、内雄ねじ部と内雌ねじ部との噛み合いの長さを確保することが困難になるかもしれない。一方、このテーパ角が大きすぎれば、応力集中が起こるかもしれない。そのため、このテーパ面のテーパ角は5°以上、45°以下であることが好ましい。より好ましいテーパ角は10°以上、30°以下である。
同様に、ピンの外溝部の形状は特に限定されない。例えば、外溝部は、管軸と平行な円筒面を含んでもよい。また、外溝部は、外シール面に近づくほど直径が大きくなるテーパ面を含んでもよい。このテーパ面は外シール面に隣接する。このテーパ面のテーパ角は0°よりも大きくて90°よりも小さい。ただし、このテーパ角が小さすぎれば、ピンの危険断面の面積を確保することが困難になるかもしれない。一方、このテーパ角が大きすぎれば、応力集中が起こるかもしれない。そのため、このテーパ面のテーパ角は1°以上、50°以下であることが好ましい。より好ましいテーパ角は1°以上、30°以下であり、更に好ましいテーパ角は3°以上、15°以下である。このテーパ面のテーパ角は、外雄ねじ部のテーパ角と同じであってもよい。
また、外溝部は、外雄ねじ部に近づくほど直径が大きくなるテーパ面を含んでもよい。このテーパ面は外雄ねじ部に隣接する。このテーパ面のテーパ角は0°よりも大きくて90°よりも小さい。ただし、このテーパ角が小さすぎれば、外雄ねじ部と外雌ねじ部との噛み合いの長さを確保することが困難になるかもしれない。一方、このテーパ角が大きすぎれば、応力集中が起こるかもしれない。そのため、このテーパ面のテーパ角は5°以上、45°以下であることが好ましい。より好ましいテーパ角は10°以上、30°以下である。
以下に、図面を参照しながら、本実施形態の鋼管用ねじ継手の具体例を説明する。
図4は、本実施形態による鋼管用ねじ継手を示す縦断面図である。図5は、図4に示すねじ継手における内シール部及びその付近を示す縦断面図である。図6は、図4に示すねじ継手における外シール部及びその付近を示す縦断面図である。図4〜図6に示すように、本実施形態のねじ継手は、インテグラル型のねじ継手であり、ピン10とボックス20とから構成される。
ピン10は、ピン10の先端側から管本体側に向けて順に、内シール面11と、内雄ねじ部12と、ショルダ部13と、外雄ねじ部14と、外シール面15と、を備える。ボックス20は、ボックス20の管本体側から先端側に向けて順に、内シール面21と、内雌ねじ部22と、ショルダ部23と、外雌ねじ部24と、外シール面25と、を備える。ボックス20の内シール面21、内雌ねじ部22、ショルダ部23、外雌ねじ部24、及び外シール面25は、それぞれ、ピン10の内シール面11、内雄ねじ部12、ショルダ部13、外雄ねじ部14、及び外シール面15に対応するように設けられる。
ピン10の内雄ねじ部12とボックス20の内雌ねじ部22は、互いに噛み合うバットレス型のテーパねじであり、内部寄り(ピン10の先端側寄り)の内ねじ部2を形成する。ピン10の外雄ねじ部14とボックス20の外雌ねじ部24は、互いに噛み合うバットレス型のテーパねじであり、外部寄り(ボックス20の先端側寄り)の外ねじ部4を形成する。
ピン10のショルダ部13はショルダ面13aを含む。ボックス20のショルダ部23はショルダ面23aを含む。ショルダ面13a及び23aは管軸にほぼ垂直な環状面である。ただし、ショルダ面13a及び23aは、管軸に対し垂直な面からピン10のねじ込み進行方向に傾いた環状面としてもよい。つまり、ショルダ面13a及び23aは、その外周側ほどピン10の先端側に向けて傾いてもよい。
内ねじ部2と外ねじ部4との間にショルダ部13及び23が配置される。ショルダ部13及び23によって、内ねじ部2のテーパ面と外ねじ部4のテーパ面はオフセットされている。
内ねじ部2に関し、ピン10の内雄ねじ部12は、ねじ山頂面12a、ねじ谷底面12b、ねじ込みで先行する挿入フランク面12c、及びその挿入フランク面12cとは反対側の荷重フランク面12dを備える。一方、ボックス20の内雌ねじ部22は、ねじ山頂面22a、ねじ谷底面22b、挿入フランク面22c、及び荷重フランク面22dを備える。内雄ねじ部12のねじ山頂面12aは内雌ねじ部22のねじ谷底面22bと対向する。内雄ねじ部12のねじ谷底面12bは内雌ねじ部22のねじ山頂面22aと対向する。内雄ねじ部12の挿入フランク面12cは内雌ねじ部22の挿入フランク面22cと対向する。内雄ねじ部12の荷重フランク面12dは内雌ねじ部22の荷重フランク面22dと対向する。荷重フランク面12d及び22dのフランク角は負角であり、締結状態で荷重フランク面12d及び22d同士が強く押し付けられる。挿入フランク面12c及び22cのフランク角は正角及び負角のどちらでもよい。
同様に、外ねじ部4に関し、ピン10の外雄ねじ部14は、ねじ山頂面14a、ねじ谷底面14b、ねじ込みで先行する挿入フランク面14c、及びその挿入フランク面14cとは反対側の荷重フランク面14dを備える。一方、ボックス20の外雌ねじ部24は、ねじ山頂面24a、ねじ谷底面24b、挿入フランク面24c、及び荷重フランク面24dを備える。外雄ねじ部14のねじ山頂面14aは外雌ねじ部24のねじ谷底面24bと対向する。外雄ねじ部14のねじ谷底面14bは外雌ねじ部24のねじ山頂面24aと対向する。外雄ねじ部14の挿入フランク面14cは外雌ねじ部24の挿入フランク面24cと対向する。外雄ねじ部14の荷重フランク面14dは外雌ねじ部24の荷重フランク面24dと対向する。荷重フランク面14d及び24dのフランク角は負角であり、締結状態で荷重フランク面14d及び24d同士が強く押し付けられる。挿入フランク面14c及び24cのフランク角は正角及び負角のどちらでもよい。
内シール面11及び21、並びに外シール面15及び25はいずれもテーパ状である。厳密には、内シール面11及び21、並びに外シール面15及び25は、それぞれ、ピン10の先端側ほど直径が縮小した円錐台の周面に相当する面からなる形状、又はその円錐台の周面と、円弧等の曲線を管軸周りに回転して得られる回転体の周面に相当する面とを組み合わせた形状である。
締結状態では、内雄ねじ部12と内雌ねじ部22とが嵌り合う。つまり、内雄ねじ部12のねじ谷底面12bと内雌ねじ部22のねじ山頂面22aとが接触する。内雄ねじ部12の荷重フランク面12dと内雌ねじ部22の荷重フランク面22dとが接触する。内雄ねじ部12のねじ山頂面12aと内雌ねじ部22のねじ谷底面22bとの間には、隙間が形成される。内雄ねじ部12の挿入フランク面12cと内雌ねじ部22の挿入フランク面22cとの間には、隙間が形成される。これらの隙間に潤滑剤が充満している。これにより、内ねじ部2でねじシール部が形成される。
また、外雄ねじ部14と外雌ねじ部24とが嵌り合う。つまり、外雄ねじ部14のねじ山頂面14aと外雌ねじ部24のねじ谷底面24bとが接触する。外雄ねじ部14の荷重フランク面14dと外雌ねじ部24の荷重フランク面24dとが接触する。外雄ねじ部14のねじ谷底面14bと外雌ねじ部24のねじ山頂面24aとの間には、隙間が形成される。外雄ねじ部14の挿入フランク面14cと外雌ねじ部24の挿入フランク面24cとの間には、隙間が形成される。これらの隙間に潤滑剤が充満している。これにより、外ねじ部4でねじシール部が形成される。
ピン10の内シール面11はボックス20の内シール面21と干渉し、高い面圧で接触する。これにより、内シール部1で面接触によるシール部が形成される。また、ピン10の外シール面15はボックス20の外シール面25と干渉し、高い面圧で接触する。これにより、外シール部5で面接触によるシール部が形成される。
ショルダ面13a及び23a同士は、ボックス20に対するピン10のねじ込みに伴って互いに接触し、押し付けられる。締結状態では、ピン10の内雄ねじ部12及び外雄ねじ部14のそれぞれの荷重フランク面12d及び14dに締め付け軸力を付与する。
ここで本実施形態では、ボックス20の内周に、周方向に沿う内溝部16が設けられる。具体的には、内溝部16は、ボックス20の内シール面21と内雌ねじ部22との間に設けられる。内シール面21(内シール部1)の近傍では、内雄ねじ部12の歯が存在するものの、この内雄ねじ部12の歯は内溝部16に収容される。つまり、その内雄ねじ部12の歯に噛み合う内雌ねじ部22が存在しない。そのため、内シール部1の近傍において、ピン10の内雄ねじ部12の一部の歯がボックス20の内雌ねじ部22に不適切に干渉することを防止できる。これにより、ねじ継手に引張荷重と内圧が負荷される場合であっても、ピン10の内雄ねじ部12の一部の歯がボックス20の内雌ねじ部22の歯に乗り上げることを防止できる。その結果、内シール部1での接触面圧の低下が抑制され、内圧に対する密封性能を安定して確保することが可能になる。
また本実施形態では、ピン10の外周に、周方向に沿う外溝部26が設けられる。具体的には、外溝部26は、ピン10の外シール面15と外雄ねじ部14との間に設けられる。外シール面15(外シール部5)の近傍では、外雌ねじ部24の歯が存在するものの、この外雌ねじ部24の歯は外溝部26に収容される。つまり、その外雌ねじ部24の歯に噛み合う外雄ねじ部14が存在しない。そのため、外シール部5の近傍において、ボックス20の外雌ねじ部24の一部の歯がピン10の外雄ねじ部14に不適切に干渉することを防止できる。これにより、ねじ継手に引張荷重と外圧が負荷される場合であっても、ボックス20の外雌ねじ部24の一部の歯がピン10の外雄ねじ部14の歯に乗り上げることを防止できる。その結果、外シール部5での接触面圧の低下が抑制され、外圧に対する密封性能を安定して確保することが可能になる。
本実施形態の内溝部16は、内シール面21側から内雌ねじ部22に向けて順に、第1テーパ面16aと、円筒面16bと、第2テーパ面16cと、を含む。第1テーパ面16aのテーパ角は6°である。このテーパ角は内雌ねじ部22のテーパ角と同じである。第2テーパ面16cのテーパ角は15°である。
本実施形態の外溝部26は、外シール面15側から外雄ねじ部14に向けて順に、第1テーパ面26aと、円筒面26bと、第2テーパ面26cと、を含む。第1テーパ面26aのテーパ角は6°である。このテーパ角は外雄ねじ部14のテーパ角と同じである。第2テーパ面26cのテーパ角は15°である。
その他、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明による効果を確認するため、弾塑性有限要素法による数値シミュレーション解析(FEM解析)を実施した。
[試験条件]
FEM解析では、前記図4に示す鋼管用ねじ継手のモデルを作製した。比較例として、内溝部の領域に内雌ねじ部を延長し、外溝部の領域に外雄ねじ部を延長したモデル、すなわち特許文献1に記載の鋼管用ねじ継手のモデルを作製した。
鋼管の材質及び寸法に関する主な諸特性は下記のとおりである。
・鋼管の寸法:13−5/8[inch]、88.2[lb/ft](外径346.1mm、肉厚15.9mm)
・鋼管のグレード:API規格のQ125(API 5CTで規定される油井管用炭素鋼で、引張降伏強度が125ksi(862N/mm))
FEM解析では、材料を等方硬化の弾塑性体とし、弾性係数が210[GPa]、0.2%耐力としての公称降伏強度が125[ksi](=862[MPa])になるようにモデル化したものを使用した。締め付けは、ピンとボックスのショルダ面同士が接触してから更に1.5/100回転した状態まで行った。
[評価方法]
FEM解析では、締結状態のモデルにISO13679 2011年版のSeries A試験を模擬した荷重ステップ(内圧、外圧、引張荷重及び圧縮荷重)を順次負荷した。その荷重ステップ履歴の内圧サイクル(第一、第二象限)及び外圧サイクル(第三、第四象限)における内シール部及び外シール部のそれぞれの接触力[N/mm]を比較した。シール部の接触力とは、「シール面同士の平均接触面圧」×「接触幅」の最小値であり、この値が高いほどシール部の密封性能が良いことを意味する。内シール部の接触力から内圧に対する密封性能を評価した。外シール部の接触力から外圧に対する密封性能を評価した。
内シール部及び外シール部のそれぞれの接触力の抽出は、管軸回りの0°、90°、180°及び270°の各位置で行った。
[結果]
図7A及び図7Bは試験結果をまとめた図である。これらの図のうち、図7Aは内シール部の結果を示し、図7Bは外シール部の結果を示す。図7Aに示すように、実施例による内シール部の接触力のバラツキは、比較例の場合よりも小さかった。図7Bに示すように、実施例による外シール部の接触力のバラツキは、比較例の場合よりも小さかった。これらのことから、本実施形態のねじ継手により、内圧及び外圧に対する密封性能を安定して確保できることが実証された。
本発明のねじ継手は、油井管として用いる鋼管の連結に有効に利用できる。
10 ピン
11 内シール面
12 内雄ねじ部
12a ねじ山頂面
12b ねじ谷底面
12c 挿入フランク面
12d 荷重フランク面
13 ショルダ部
13a ショルダ面
14 外雄ねじ部
14a ねじ山頂面
14b ねじ谷底面
14c 挿入フランク面
14d 荷重フランク面
15 外シール面
16 内溝部
20 ボックス
21 内シール面
22 内雌ねじ部
22a ねじ山頂面
22b ねじ谷底面
22c 挿入フランク面
22d 荷重フランク面
23 ショルダ部
23a ショルダ面
24 外雌ねじ部
24a ねじ山頂面
24b ねじ谷底面
24c 挿入フランク面
24d 荷重フランク面
25 外シール面
26 外溝部

Claims (7)

  1. 管状のピンと管状のボックスとからなる鋼管用ねじ継手であって、
    前記ピンは、前記ピンの先端側から管本体側に向けて順に、内シール面と、内雄ねじ部と、ショルダ部と、外雄ねじ部と、外シール面と、を備え、
    前記ボックスは、前記ボックスの管本体側から先端側に向けて順に、内シール面と、内雌ねじ部と、ショルダ部と、外雌ねじ部と、外シール面と、を備え、
    下記(1)及び(2)の構成のうちの少なくとも一方の構成を備える、鋼管用ねじ継手。
    (1)前記ボックスの前記内シール面と前記内雌ねじ部との間に、周方向に沿う内溝部が設けられ、前記ピンの前記内雄ねじ部の一部の歯が前記内溝部に収容されること、
    (2)前記ピンの前記外シール面と前記外雄ねじ部との間に、周方向に沿う外溝部が設けられ、前記ボックスの前記外雌ねじ部の一部の歯が前記外溝部に収容されること。
  2. 請求項1に記載の鋼管用ねじ継手であって、
    前記(1)の構成を備える場合には、前記ボックスの前記内溝部の管軸に沿う長さは前記内雌ねじ部のねじピッチよりも大きく、
    前記(2)の構成を備える場合には、前記ピンの前記外溝部の管軸に沿う長さは前記外雄ねじ部のねじピッチよりも大きい、鋼管用ねじ継手。
  3. 請求項2に記載の鋼管用ねじ継手であって、
    前記(1)の構成を備える場合には、前記ボックスの前記内溝部の管軸に沿う長さは前記内雌ねじ部のねじピッチの4倍以下であり、
    前記(2)の構成を備える場合には、前記ピンの前記外溝部の管軸に沿う長さは前記外雄ねじ部のねじピッチの4倍以下である、鋼管用ねじ継手。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼管用ねじ継手であって、
    前記(1)の構成を備える場合には、前記ボックスの前記内溝部の深さは、前記内雌ねじ部のねじ高さ以上、そのねじ高さの2倍以下であり、
    前記(2)の構成を備える場合には、前記ピンの前記外溝部の深さは、前記外雄ねじ部のねじ高さ以上、そのねじ高さの2倍以下である、鋼管用ねじ継手。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼管用ねじ継手であって、
    前記ボックスの外径が前記ピンの管本体の外径の110%以下である、鋼管用ねじ継手。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋼管用ねじ継手であって、
    前記内雄ねじ部と前記内雌ねじ部からなるねじ部、及び前記外雄ねじ部と前記外雌ねじ部からなるねじ部は、それぞれバットレス型のテーパねじである、鋼管用ねじ継手。
  7. 請求項6に記載の鋼管用ねじ継手であって、
    前記テーパねじのそれぞれは、ねじ山頂面、ねじ谷底面、挿入フランク面及び荷重フランク面を含み、
    前記内雄ねじ部の前記ねじ山頂面と前記内雌ねじ部の前記ねじ谷底面とが接触するとともに、前記内雄ねじ部の前記荷重フランク面と前記内雌ねじ部の前記荷重フランク面とが接触し、
    前記外雄ねじ部の前記ねじ谷底面と前記外雌ねじ部の前記ねじ山頂面とが接触するとともに、前記外雄ねじ部の前記荷重フランク面と前記外雌ねじ部の前記荷重フランク面とが接触する、鋼管用ねじ継手。
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