JPWO2018199279A1 - リボソームrna前駆体を利用した微生物の生死判定方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、広範囲の微生物種の生死の判定を迅速かつ正確に行うことができる手段を提供することを課題とする。本発明によれば、リボソームRNA前駆体(pre-rRNA)のスペーサー領域を挟む2つのリボソームRNA遺伝子領域に設計されたオリゴヌクレオチドから構成される、微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット、該オリゴヌクレオチドセットを含む微生物の生死判定キット、及び該オリゴヌクレオチドセットを用いる微生物の生死判定方法が提供される。

Description

本発明は、微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット及び微生物の生死判定方法に関する。
無菌製剤の製造過程において微生物が混入すると、製造した製品が使用できないことに加えて製造ラインが汚染されるため、産業上甚大の被害をもたらす。従って、無菌製剤の製造には微生物の汚染検査が欠かせない。しかしながら、日本薬局方の一般試験法である「無菌試験法」は、14日以上の培養を行うことが定められており、検査に長時間を要するという欠点がある。よって、微生物の汚染状況を迅速に把握することのできる検査方法のニーズは非常に高い。一方、遺伝子増幅反応(PCR)を利用した微生物の検査方法は、迅速性はあるが、材料や試薬そのものが微生物の死菌やDNAに汚染されている例が多いため、生菌の検出が正確に行えるとはいえない。よって、生菌と死菌を区別できる検査系の確立が求められている。
リボソームRNA前駆体(pre-rRNA)は、リボソームRNA遺伝子から転写された産物であり、切断、化学修飾を受けて成熟したリボソームRNA(rRNA)分子となる。このrRNAの成熟前の一次転写産物であるpre-rRNAの配列をターゲットとした微生物の検出方法はこれまでにも報告されている。例えば、特許文献1では、マイコバクテリアのrDNA、前駆体rRNA、又はrRNAの標的配列をハイブリダイズするプローブを用いてマイコバクテリアを検出する方法が開示されている。しかしながら、当該方法では検出対象がマイコバクテリアのみであり、前駆体rRNAの標的配列については具体的な記載はない。特許文献2では、栄養的に刺激したアリコートと非刺激のコントロールアリコートとの標的rRNA前駆体の発現レベルの差異に基づき試料中に生存している微生物を検出する方法が開示されている。また、特許文献3では、微生物のpre-rRNAのリボソーム領域とスペーサー領域に特異的なプライマーを設計し、逆転写と定量PCRにより試料中の生菌の存在を検出する方法が開示されている。しかしながら、これらの従来の方法では、検出できる菌種が限定されていたり、測定前に特殊な処理が必要であるために迅速性と正確性に欠けていた。
特表2001-501825号公報 特許第5768282号公報 WO 2013/049437 号公報
従って、本発明は、広範囲の微生物種の生死の判定を迅速かつ正確に行うことができる手段を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、細菌や真菌などの微生物のリボソームRNA遺伝子から転写されたリボソームRNA前駆体(pre-rRNA)は、速やかに切断されて成熟したリボソームRNAになるとともに、微生物が死滅すると急速に分解されること、pre-rRNAは大量に合成されるために微生物のDNAを標的とした場合よりも微生物を迅速に検出できることに着目し、pre-rRNAをターゲットとすれば、微生物の有無の網羅的検出と、その生死の判定を同時にかつ迅速に行う検査系を確立できると考えた。そこで、大腸菌を含む数十種の代表的な細菌、アスペルギルス(Aspergillus)属を含む数十種の代表的な真菌のpre-rRNAの塩基配列をアラインメントして精査した結果、細菌についてはスペーサー領域を挟んで23S rRNA遺伝子と5S rRNA遺伝子内に、細菌に共通する塩基配列を有する領域、また、真菌についてはスペーサー領域を挟んで18S rRNA遺伝子と5.8S rRNA遺伝子内に、真菌に共通する塩基配列を有する領域をそれぞれ見出し、その領域内の塩基配列に基づいてプライマーペアとプローブから構成されるオリゴヌクレオチドセットを設計した。また、細菌については、設計したオリゴヌクレオチドセットを用いて殺菌処理した大腸菌含有サンプル中のpre-rRNAをリアルタイムPCRにて測定したところ、遅くとも3日を経過すればpre-rRNAは検出されないことが確認でき、pre-rRNAの検出の有無より、細菌の生死を迅速に判定できるという知見を得た。本発明はかかる知見に基づき、完成されたものである。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)リボソームRNA前駆体(pre-rRNA)のスペーサー領域を挟む2つのリボソームRNA遺伝子領域に設計されたオリゴヌクレオチドから構成される、微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット。
(2)前記微生物が、細菌または真菌である、(1)に記載の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット。
(3)前記オリゴヌクレオチドが、プライマー及びプローブとして使用されるものである、(1)または(2)に記載の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット。
(4)前記微生物が細菌であって、前記オリゴヌクレオチドセットが、以下の(a)のオリゴヌクレオチドと(b)のオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、及び以下の(c)のオリゴヌクレオチドからなるプローブから構成される、(1)に記載の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット。
(a)配列番号1に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(b)配列番号2に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号3に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとの混合物
(c)配列番号4に示す塩基配列又はその相補配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(5)前記微生物が真菌であって、前記オリゴヌクレオチドセットが、以下の(d)のオリゴヌクレオチドと(e)のオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、及び以下の(f)のオリゴヌクレオチドからなるプローブから構成される、(1)に記載の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット。
(d)配列番号5に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(e)配列番号6に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号7に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号8に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、及び配列番号9に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドの混合物
(f)配列番号10に示す塩基配列又はその相補配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセットを少なくとも1セット含む、微生物の生死判定用キット。
(7)検体より抽出したRNAを鋳型とし、(1)〜(5)のいずれかに記載の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセットを用いてRT-PCR増幅を行い、得られた増幅産物を検出及び定量することを特徴とする、微生物の生死判定方法。
(8)RT-PCRが、リアルタイムRT-PCRである、(7)に記載の微生物の生死判定方法。
(9)前記検体が、飲食品、医薬品、医療材料若しくは医療器具、生体試料、又は環境試料である、(7)または(8)に記載の微生物の生死判定方法。
本願は、2017年4月27日に出願された日本国特許出願2017−087847号の優先権を主張するものであり、該特許出願の明細書に記載される内容を包含する。
本発明によれば、検体中の微生物の生死を迅速かつ正確に判定することができるオリゴヌクレオチドセット、及び当該オリゴヌクレオチドセットを用いる微生物の生菌の判定方法が提供される。よって、本発明は、食品工場及び医療現場等での微生物の汚染検査に有用である。
図1Aは、細菌のリボソームRNA前駆体(pre-rRNA)の23S rRNA遺伝子における細菌の生死判定用オリゴヌクレオチド(フォワードプライマー、プローブ)の設計領域を示す。 図1Bは、細菌のリボソームRNA前駆体(pre-rRNA)の5S rRNA遺伝子における細菌の生死判定用オリゴヌクレオチド(リバースプライマー)の設計領域を示す。 図2−1は、大腸菌を65℃30分の加熱殺菌した後、37℃で一定時間[1時間(1hr)、3時間(3hr)、6時間(6hr)、1日(d1)、2日(d2)、3日(d3)、4日(d4)、5日(d5)、6日(d6)]インキュベートした試料について、細菌用のオリゴヌクレオチドセット1(本発明品)によって得られた増幅曲線を示す(DW:陰性コントロール)。 図2−2は、大腸菌を65℃30分の加熱殺菌した後、37℃で一定時間[1時間(1hr)、3時間(3hr)、6時間(6hr)、1日(d1)、2日(d2)、3日(d3)、4日(d4)]インキュベートした試料について、オリゴヌクレオチドセット2(比較品)を用いてリアルタイムPCRを行うことによって得られた増幅曲線を示す(NC:陰性コントロール)。 図3Aは、大腸菌のカナマイシン(kanamycin)、高温加熱殺菌(95℃10分)、低温加熱殺菌(65℃30分)の各殺菌処理後、37℃で一定時間[1時間(1h)、3時間(3h)、6時間(6h)、1日(day1)、2日(day2)、3日(day3)、4日(day4)]インキュベートして測定したリボソームRNA前駆体(pre-rRNA)のコピー数を示す。図3Bは、大腸菌のカナマイシン(kanamycin)、高温加熱殺菌(95℃10分)、低温加熱殺菌(65℃30分)の各殺菌処理後、37℃で一定時間[1時間(1h)、3時間(3h)、6時間(6h)、1日(day1)、2日(day2)、3日(day3)、4日(day4)]インキュベートして計測した生菌数を示す。 図4−1は、真菌のリボソームRNA前駆体(pre-rRNA)の18S rRNA遺伝子における真菌の生死判定用オリゴヌクレオチド(フォワードプライマー、プローブ)の設計領域、及び真菌のリボソームRNA前駆体(pre-rRNA)の5.8S rRNA遺伝子における真菌の生死判定用オリゴヌクレオチド(リバースプライマー)の設計領域を示す。 図4−2は、真菌のリボソームRNA前駆体(pre-rRNA)の18S rRNA遺伝子における真菌の生死判定用オリゴヌクレオチド(フォワードプライマー、プローブ)の設計領域、及び真菌のリボソームRNA前駆体(pre-rRNA)の5.8S rRNA遺伝子における真菌の生死判定用オリゴヌクレオチド(リバースプライマー)の設計領域を示す。 図4−3は、真菌のリボソームRNA前駆体(pre-rRNA)の18S rRNA遺伝子における真菌の生死判定用オリゴヌクレオチド(フォワードプライマー、プローブ)の設計領域、及び真菌のリボソームRNA前駆体(pre-rRNA)の5.8S rRNA遺伝子における真菌の生死判定用オリゴヌクレオチド(リバースプライマー)の設計領域を示す。
1.微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット
本発明の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセットは、リボソームRNA前駆体(pre-rRNA)のスペーサー領域を挟む2つのリボソームRNA遺伝子領域に設計されたオリゴヌクレオチドから構成される。オリゴヌクレオチドの塩基長は、限定はされないが、通常プライマーの場合は、15〜30塩基長、好ましくは18〜25塩基長であり、プローブの場合は、10〜30塩基長である。
本発明の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセットは、生死判定対象が細菌である場合、細菌のリボソームRNA前駆体(pre-rRNA)のスペーサー領域を挟んで23S rRNA遺伝子と5S rRNA遺伝子の塩基配列に見出された共通性の高い塩基配列に基づいて設計された2種以上のオリゴヌクレオチドから構成される。
また、本発明の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセットは、生死判定対象が真菌である場合、真菌のリボソームRNA前駆体(pre-rRNA)のスペーサー領域を挟んで18S rRNA遺伝子と5.8S rRNA遺伝子の塩基配列に見出された共通性の高い塩基配列に基づいて設計された2種以上のオリゴヌクレオチドから構成される。
本発明のオリゴヌクレオチドを設計するためには、先ず、代表的な細菌について、スペーサー領域を挟んで23S rRNA遺伝子と5S rRNA遺伝子の塩基配列情報、および、代表的な真菌について、スペーサー領域を挟んで18S rRNA遺伝子と5.8S rRNA遺伝子の塩基配列情報を入手する。塩基配列情報は、データベース(DDBJ、NCBI等)より入手してもよく、また、直接的に塩基配列を解析して入手してもよい。上記の共通性の高い塩基配列は、入手した複数の塩基配列を整列(アラインメント)し、比較することにより特定することができる。塩基配列のアラインメントには、インターネットで公開されているアラインメントソフト(例えば、CLUSTALW、URL: http://www.ddbj.nig.ac.jp/)を利用することができる。
次に、特定した共通性の高い塩基配列に基づき、プライマーを設計する。プライマーの設計は、オリゴヌクレオチドの長さ、GC含量、Tm値、オリゴヌクレオチド間の相補性、オリゴヌクレオチド内の二次構造などを考慮して行う。プライマーの設計は、プライマー設計用の市販のソフトウェア、例えばOligoTM[National Bioscience Inc.(米国)製]、GENETYX[ソフトウェア開発(株)(日本)製]等を用いることもできる。
具体的に採用したプライマーの設計基準は以下のとおりである。
(a)鋳型cDNAとの間の特異的なアニーリングを可能とするために、プライマー長が15塩基〜30塩基の範囲であること。
(b)ダイマーや立体構造を形成しないように、両プライマー間の相補的配列を避けること。
(c) プライマー内のヘアピン構造の形成を防止するため自己相補配列を避けること。
(d) 鋳型cDNAとの安定な結合を確保するため、GC含量を約50%にし、プライマー内においてGC-richあるいはAT-richが偏在しないようにすること。
(e)プライマーの3’末端の塩基配列と鋳型cDNA配列との相同性が高いこと。
(f) アニーリング温度はTm(melting temperature)に依存するので、特異性の高いPCR産物を得るため、Tm値が50〜70℃、好ましくは55〜65℃で互いに近似したプライマーを選定すること。
また、プローブの設計は、ABI Prism 7900HT Real-time PCR System (ライフテクノロジーズジャパン株式会社)等の市販のリアルタイムPCR装置に付属しているソフトウェアやTaqMan Universal PCR Master Mix (ライフテクノロジーズジャパン株式会社)等の市販のリアルタイムPCR試薬に添付のプロトコルに基づいて行なえばよい。プローブの設計基準としては、一般的には、GC含量が20〜80%の範囲内であること、配列内に4塩基以上のG又はCの連続を避けること、対応するプライマーペアのTm値よりも8〜10℃程度高く設定すること等が挙げられる。
上記基準に基づき、本発明の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセットとして以下のものを確立した。
(細菌の生死判定用オリゴヌクレオチドセット)
フォワードプライマー:5'-acgygagytg ggttya-3'(配列番号1)(y=t/c)
リバースプライマー:5'-gcttracttc yskgttcg-3'(配列番号2)(r=g/a, y=t/c, s=g/c, k=g/t)と5'-gtttcacttc tgagttcg-3'(配列番号3)の混合プライマー
プローブ: 5'-cgtcgygaga cagktyggtc yctat-3'(配列番号4)(y=t/c、k=g/t)
(真菌の生死判定用オリゴヌクレオチドセット)
フォワードプライマー:5'-gattacgtcc ctgccctttg ta-3'(配列番号5)
リバースプライマー:5'-cgagagccra gagatccrtt-3'(配列番号6)(r=g/a)、5'-cgagaaccaa gagatccgtt-3'(配列番号7)、5'-cgaaagccga gagatccatt-3'(配列番号8)、及び5'-ccggaaccaa gagatccrtt-3'(配列番号9)(r=g/a)の混合プライマー
プローブ:5'-acaccgcccg tcgctactac cg-3'(配列番号10)
上記のプライマー又はプローブとなるオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの合成法として当技術分野で公知の方法、例えば、ホスホロアミダイト法、H−ホスホネート法等により、通常用いられるDNA自動合成装置を利用して合成することが可能である。
本発明のオリゴヌクレオチドセットを構成するオリゴヌクレオチドは、上記の配列番号1、2、又は3に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号4に示す塩基配列又はその相補配列からなるオリゴヌクレオチド、あるいは、上記の配列番号5、6、7、8、又は9に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号10に示す塩基配列又はその相補配列からなるオリゴヌクレオチドのみならず、pre-rRNA検出に基づく微生物の生死判定用プライマー又はプローブとして機能しうる限り、それらの相同オリゴヌクレオチドであってもよい。よって、本発明のオリゴヌクレオチドセット(細菌用)を構成するオリゴヌクレオチドは、配列番号1に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号2に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号3に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号4に示す塩基配列又はその相補配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。また、本発明のオリゴヌクレオチドセット(真菌用)を構成するオリゴヌクレオチドは、配列番号5に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号6に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号7に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号8に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号9に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号10に示す塩基配列又はその相補配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。相同オリゴヌクレオチドの塩基配列は、配列番号1〜10に示す塩基配列又はその相補配列における連続する少なくとも15塩基を含めばよいが、全長は30塩基以下が好ましい。連続する少なくとも15塩基のオリゴヌクレオチド中の存在部位(3’末端側、5’末端側)についても特に限定はされない。
また、本発明のプローブは、検出対象となる細菌の標的増幅産物に由来する蛍光シグナルを検出及び定量するための標識物質で標識されていてもよい。標識プローブとしては、TaqManプローブ、モレキュラービーコン(Molecular Beacon)プローブ、サイクリングプローブが挙げられるが、TaqManプローブが好ましい。TaqManプローブは、5'末端を蛍光物質(レポーター蛍光色素)で修飾し、3'末端を消光物質(クエンチャー蛍光色素)で修飾したプローブである。モレキュラービーコン(Molecular Beacon)プローブは、5'末端を蛍光物質(レポーター蛍光色素)で修飾し、3'末端を消光物質(クエンチャー蛍光色素)で修飾したステムループ構造をとりうるプローブである。サイクリングプローブは、オリゴヌクレオチドの5'末端を蛍光物質(レポーター蛍光色素)で修飾し、3'末端を消光物質(クエンチャー蛍光色素)で修飾したRNAとDNAからなるプローブである。上記TaqManプローブのレポーター蛍光色素の例としては6-FAM(6-カルボキシフルオレセイン)、TET(6-カルボキシ-4, 7, 2',7'-テトラクロロフルオレセイン)、HEX(6-カルボキシ-2',4',7',4,7-ヘキサクロロフルオレセイン)等のフルオレセイン系蛍光色素が挙げられ、クエンチャー蛍光色素の例としては、6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)等のローダミン系蛍光色素、[(4−(2−ニトロ−4−メチル−フェニル)−アゾ)−イル−((2−メトキシ−5−メチル−フェニル)−アゾ)]−アニリン(BHQ)等が挙げられる。これらの蛍光色素は公知であり、市販のリアルタイムPCR用キットに含まれているのでそれを用いることができる。
2.微生物の生死判定用キット
上記オリゴヌクレオチドセットはキット化することもできる。本発明のキットは、上記オリゴヌクレオチドセットを少なくとも1セットを含んでいればよく、生死を判定する微生物の種類や数によって、これらのオリゴヌクレオチドセットの中から適当なセットを適宜選択して用いればよい。また、本発明のキットには、必要に応じて遺伝子増幅及び増幅産物の確認に利用可能な分子量マーカー、RNA抽出用試薬、PCR用緩衝液やDNAポリメラーゼ等のPCR用試薬、標識物質、標品(標準菌株など)、滅菌水、説明書などを含んでいてもよい。なお、キット中の試薬は溶液でも凍結乾燥物でもよい。
3.微生物の生死を判定する方法
本発明によればまた、上記のpre-rRNA検出に基づく微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセットを用いる検体中の微生物の生死判定方法が提供される。
具体的には、細菌の生死を判定する方法は、検体より抽出したRNAを鋳型とし、配列番号1に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(フォワードプライマー)と、配列番号2に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号3に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとの混合物(リバースプライマー)からなるプライマーペアを用いてRT-PCR増幅を行う工程と、得られた増幅産物を配列番号4に示す塩基配列又はその相補配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドからなるプローブを用いて検出及び定量する工程を含む。
また、真菌の生死を判定する方法は、検体より抽出したRNAを鋳型とし、配列番号5に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(フォワードプライマー)と、配列番号6に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号7に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号8に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、及び配列番号9に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドの混合物(リバースプライマー)からなるプライマーペアを用いてRT-PCR増幅を行う工程と、得られた増幅産物を配列番号10に示す塩基配列又はその相補配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドからなるプローブを用いて検出及び定量する工程を含む。
「検体」の種類としては、微生物が混入又は感染している可能性があり、PCRによる特定領域の増幅によって存在を検出することが可能なものであれば特に制限されないが、例えば、飲食品、医薬品、医療材料又は医療器具、生体試料、環境試料などが挙げられる。医療材料又は医療器具としては、カテーテル、ステント、人工血管、人工臓器、血液バッグ、骨補綴材、手術用具、塞栓デバイス、ガイドワイヤー等が挙げられ、生体試料としては、血液(全血、血漿、血清)、唾液、髄液、尿、乳などの体液、組織、細胞培養物などが挙げられ、環境試料としては、大気、土壌、水などが挙げられる。検体は、前記のような試料や製品そのものであってもよく、これを希釈又は濃縮したもの、前処理をしたものであってもよい。前処理としては、加熱処理、濾過、遠心分離等が挙げられる。
本発明の方法によって生死判定が可能な細菌としては、グラム陽性菌及びグラム陰性菌のいずれもが含まれる。具体的には、エシェリキア(Escherichia)属、バシルス(Bacillus)属、サルモネラ(Salmonella)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、クロストリジウム(Clostridium)属、ナイセリア(Neisseria)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、ポルフィロモナス(Porphyromonas)属、エルシニア(Yersinia)属、ヘモフィルス(Haemophilus)属、ヘリコバクター(Helicobacter)属、シトロバクター(Citrobacter)属、カンピロバクター(Campylobacter)属、ボレリア(Borrelia)属、セラチア(Serratia)属、デイノコックス(Deinococcus)属、シゲラ(Shigella)属、エロモナス(Aeromonas)属、エイケネラ(Eikenella)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、アクチノバチルス(Actinobacillus)属、アクチノマイセス(Actinomyces)属、バクテロイデス(Bacteroides)属、モラクセラ(Moraxella)属、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)属、バルトネラ(Bartonella)属、リケッチャ(Rickettsia)属、コキセラ(Coxiella)属、カプノサイトファガ(Capnocytophaga)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、ハロバチルス(Halobacillus)属、フゾバクテリウム(Fusobacterium)属、エルウィニア(Erwinia)属、エルベネラ(Elbenella)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、リステリア(Listeria)属、マンヘイミア(Mannheimia)属、ペプトコッカス(Peptococcus)属、プレボテラ(Prevotella)属、プロテウス(Proteus)属、ベイロネラ(Veillonella)属、アコレプラズマ(Acholeplasma)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、ボルデテラ(Bordetella)属、バクテロイデス(Bacteroides)属、コキセラ(Coxiella)属、クラミジア(Chlamidia)属、レジオネラ(Legionella)属、レプトスピラ(Leptospira)属、マイコプラズマ(Mycoplasma)属、ノカルディア(Nocardia)属、プレボテラ(Prevotella)属、プロビデンシア(Providencia)属、リケッチャ(Rickettsia)属、ウレアプラズマ(Ureaplasma)属、及びビブリオ(Vibrio)属などに属する細菌が挙げられるが、これらに限定はされない。
本発明の方法によって生死判定が可能な真菌としては、アスペルギルス(Aspergillus属)菌、アルテナリア(Alternaria)属、アブシディア(Absidia)属、バシジオボラス(Basidobolus)属、カンジダ(Candida)属、クラムドブシダ(Chlamydoabsidia)属、コニディオボラス(Conidobolus)属、コケロマイセス(Cokeromyces)属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、カニングハメラ(Cunninghamella)属、エメリセラ(Emericella)属、エキノススポランジウム(Echinosporangium)属、フサリウム(Fusarium)属、ロメントスポーラ(Lomentospora)属、リクテイミア(Lichtheimia)属、ミクロスポルム(Microsporum)属、ムコール(Mucor)属、マラセチア(Malassezia)属、モルティエレラ(Moltierella)属、シュードアレシェリア(Pseudallescheria)属、ペシロマイセス(Paecilomyces)属、ニューモシスティス(pneumocystis)属、リゾプス(Rhizopus)属、リゾムコール(Rhizomucor)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、サクセナエア(Saksenaea)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、ヒストプラスマ(histoplasmosis)属、コクシジオイデス(Coccidioidomycos)属、ブラストミセス(Blastomyces)属、パラコクシジオイデス(Paracoccidioides)属、ペニシリウム(Penicillium)属、スポロトリクス(Sporothrix)属、トリコフィトン(Trichophyton)属、エピデルモフィトン(Epidermophyton)属、マラセチア(Malassezia)属、ヒアロホーラ(Hyalophora)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属などに属する真菌が挙げられるが、これらに限定はされない。
検体からRNAを抽出する方法は当該技術分野で公知の方法、例えば、グアニジンイソチオシアネート、フェノール及びクロロホルムを用いたRNA抽出法を用いることができる。あるいは市販のRNA抽出試薬を用いてもよい。
RNAからcDNAを合成する方法も当該技術分野においてよく知られている。プライマーとしては市販のランダムプライマーを用い、dNTPsの存在下で、逆転写酵素を用いてcDNAを合成する。逆転写酵素としては、例えば、SuperScriptII(Invitrogen社製)、Thermoscript RT、AMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素、等を用いることができる。逆転写反応のための市販の試薬又はキット等も適宜利用することができる。
逆転写反応の反応条件は使用する逆転写酵素に応じて適宜設定することができる。例えば42℃で40〜60分間保持する反応条件で行うことができる。また、逆転写反応後、逆転写酵素を失活させても良い。逆転写酵素の失活は熱処理又は化学的処理により行うことができる。
次に、合成したcDNAを鋳型として、上記の本発明のオリゴヌクレオチドセットに含まれるプライマーペアを用いてPCR増幅を行う。PCR増幅は上記のプライマーペアを用いる以外は特に制限はなく、常法に従って行えばよい。具体的には、鋳型DNAの変性、プライマーの鋳型へのアニーリング、及び耐熱性酵素(TaqポリメラーゼやThermus thermophilus由来のTth DNAポリメラーゼなどのDNAポリメラーゼ)を用いたプライマーの伸長反応を含むサイクルを繰り返すことにより、細菌又は真菌のpre-rRNAの特定の遺伝子配列を含む断片を増幅させる。PCR反応液の組成、PCR反応条件(温度サイクル、サイクルの回数等)は、上記のプライマーペアを用いたPCRにおいて高感度でPCR増幅産物が得られるような条件を予備実験等により当業者であれば適切に選択及び設定することができる。プライマーのTmに基づいて適当なPCR反応条件を選択する方法は、当該技術分野においてよく知られており、例えば、最初に94℃で5分間の変性反応、次に94℃で50秒間(変性)、55℃で50秒間(アニーリング)、72℃で1分間(伸長)を1サイクルとして30サイクル、最後に72℃で1分間の伸長反応により実施することができる。但し、ここに示した条件は一例に過ぎず、用いる酵素、反応温度、反応時間、サイクル数などは適宜変更することも可能である。このようなPCRの一連の操作は、市販のPCRキットやPCR装置を利用して、その操作説明書に従って行うことができる。PCR装置は、例えば、GeneAmp PCR System 9700(Applied Biosystems社製)、GeneAmp PCR System 9600(Applied Biosystems社製)などが使用できるが、本発明の方法においては、RNAをcDNA に変換しPCRを行う(RT-PCR)反応を、1本のチューブ内で連続的に実施することのできる、LightCycler DX480(Roche社製)、Takara One Step RT-PCR Kit AMV(TAKARA社製)が好適に使用できる。
上記のPCRは、リアルタイムPCRで行うことが好ましい。リアルタイムPCRは、リアルタイムPCR装置を用いてPCRを行い、PCRによる増幅を継時的に測定することで、増幅率に基づいて鋳型となるDNAの定量を行う手法である。この方法には、通常、サーマルサイクラーと分光蛍光光度計を一体化したリアルタイムPCR専用の装置を用いる。まず、段階希釈した既知量のDNAを標準(スタンダード)としてPCRを行い、これをもとに、増幅が指数関数的に起こる領域で一定の増幅産物量になるサイクル数(threshold cycle;Ct値)を縦軸に、初発のDNA量を横軸にプロットし、検量線を作成する。未知濃度の試料についても、同じ条件下で反応を行い、Ct値を求め、この値と検量線から、試料中の目的のDNA量を測定することができる。リアルタイムPCR法には、遺伝子増幅産物の検出法の違いにより、蛍光標識プローブを用いる方法と、蛍光試薬を用いる方法が含まれる。蛍光標識プローブを用いる方法としては、TaqManプローブ、モレキュラービーコンプローブ、サイクリングプローブをそれぞれ用いるTaqMan法、モレキュラービーコン法、サイクリングプローブ法が挙げられ、蛍光試薬を用いる方法としては、プライマーペアとともに二本鎖DNAに結合することによって蛍光を発する化合物であるSYBR Green IなどのインターカレーターをPCR反応系に加えるインターカレーター法が挙げられる。上記の方法のなかでも、TaqMan法が好ましい。
TaqMan法は、5'末端を蛍光物質(FAMなど)で、3'末端をクエンチャー物質(TAMRAなど)で修飾したオリゴヌクレオチドプローブをPCR反応系に添加してPCRを行う。TaqMan法では、TaqManプローブがPCRによる増幅反応においてポリメラーゼの伸長反応に使用される条件下で鋳型DNAに特異的にハイブリダイズし、DNA鎖の伸長、すなわち鋳型DNAの増幅に伴って分解され、蛍光物質を遊離することによりPCR溶液中の蛍光量が増加する。この蛍光量の増加が鋳型DNAの増幅の指標となり、PCRにおける増幅の様子をリアルタイムで簡便に検出及び定量することができる。リアルタイムPCR法は、上記のオリゴヌクレオチドセットを用いる以外は、当業者に知られている通常の方法に基づいて、市販のリアルタイムPCRキットやリアルタイムPCR装置を用い、それらに添付の操作説明書に従って行なえばよい。リアルタイムPCR装置としては、例えば、QuantiTect SYBR Green Master Mix(キアゲン社製)、ABI Prism 7500 Fast Real-Time PCR System(Applied Biosystems社製)、Takara-bio社製 Thermal Cycler Dice Real Time System II等を用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)細菌の生死判定用オリゴヌクレオチドセットの調製
rRNA前駆体検出に基づく細菌の生死判定用オリゴヌクレオチドセット(プライマー及びプローブ)の設計のために、判定対象となりうる以下の細菌のリボソームRNA前駆体の配列情報をGenBankからダウンロードし、Allele ID v7.80 (premier biosoft社)を用いてアライメントを行い、細菌種間で共通性の高い塩基配列を有する領域を検索した。
(オリゴヌクレオチドの設計に用いた細菌種:計39種)
Acholeplasma laidlawii
Bacillus subtilis
Bacillus cereus
Bifidobacterium bifidum
Bartonella henselae
Bordetella pertussis
Bacteroides fragilis
Coxiella burnetii
Clostridium perfringens
Clostridium tetani
Chlamydia trachomatis
Campylobacter jejuni
Escherichia coli
Enterobacter cloacae
Enterococcus faecalis
Fusobacterium nucleatum
Haemophilus influenzae
Klebsiella pneumoniae
Legionella pneumophila
Leptospira interrogans
Moraxella catarrhalis
Mycoplasma pneumoniae
Mycobacterium tuberculosis
Mycobacterium kansasii
Nocardia asteroides
Neisseria meningitidis
Pseudomonas aeruginosa
Propionibacterium acnes
Prevotella melaninogenica
Providencia stuartii
Rickettsia japonica
Streptococcus pneumoniae
Staphylococcus aureus
Staphylococcus epidermidis
Salmonella typhi
Serratia Bizio
Treponema pallidum
Ureaplasma urealyticum
Vibrio mimicus
検索の結果、共通性の高い塩基配列を有する領域であることが特定された、23S rRNA遺伝子の塩基配列の6804〜6870番目まで領域(図1A)、及び、5S rRNA遺伝子の塩基配列の7644〜7685番目までの領域の塩基配列(図1B)に基づいてAllele ID v7.80 (premier biosoft社)を用いて特異的プライマー及びプローブを設計した。
その結果、細菌全般rRNA前駆体用23S rRNA 共通フォワードプライマーとして配列番号1に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、細菌全般rRNA前駆体用5S rRNA 共通リバースプライマーとして配列番号2及び配列番号3に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、細菌全般rRNA前駆体用23S rRNA 共通プローブとして配列番号4に示す塩基配列からなる下記のオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチドセット1)を設計した。また、フォワードプライマーとプローブは、上記と同じで、リバースプライマーを、配列番号11、配列番号12、配列番号13、及び配列番号14に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとした下記のオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチドセット2)を設計した。
(細菌用オリゴヌクレオチドセット1)
フォワードプライマー1:5'-acgygagytg ggttya-3'(配列番号1)(y=t/c)
リバースプライマーBR1:5'-gcttracttc yskgttcg-3'(配列番号2)(r=g/a, y=t/c, s=g/c, k=g/t)
リバースプライマーBR2:5'-gtttcacttc tgagttcg -3'(配列番号3)
プローブ: 5'- cgtcgyg aga cagktyggtc yctat-3'(配列番号4)(y=t/c、k=g/t)
(細菌用オリゴヌクレオチドセット2)
フォワードプライマー1:5'-acgygagytg ggttya-3'(配列番号1)(y=t/c)
リバースプライマーBR3:5'-cttctgwgtt cggsawgg-3'(配列番号11)(w=a/t, s=g/c)
リバースプライマーBR4:5'-cttctctgtt cggaatgg-3'(配列番号12)
リバースプライマーBR5:5'-cttccgggtt cggaatrg-3'(配列番号13) (r=g/a)
リバースプライマーBR6:5'-cttcttggtt cgggatgg-3'(配列番号14)
プローブ: 5'-cgtcgyg aga cagktyggtc yctat-3'(配列番号4)(y=t/c、k=g/t)
(実施例2)大腸菌の生死判定
1.方法
(1)試験サンプルの調製
生理食塩水を用いてE. coli JCM1649株の生菌懸濁液(1×106 CFU/ml)を調製した。この大腸菌生菌懸濁液を、500μLずつ1.5mlチューブに入れて、(i)95℃10分の高温加熱殺菌、(ii)65℃30分の低温加熱殺菌、(iii)カナマイシン(kanamycin)抗生剤(300μg/ml)殺菌の各条件で殺菌処理し、試験サンプルを調製した。
(2)RT-PCRによる試験サンプルの解析
上記各殺菌処理後、試験サンプルを37℃で保温し、1時間後、3時間後、6時間後、1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後に、それぞれ試験サンプル中のrRNA前駆体(pre-rRNA)を次のようにして測定した。
まず、試験サンプルを5krpmで5分間遠心操作し、上清を除去後、RNeasy mini kit(キアゲン社製)を使用して1%メルカプトエタノール入りRLT buffer 500μLを添加して懸濁した後にジルコニアビーズ(直径0.2mm 0.5g)1個を入れた2mlチューブに移した。破砕機μT-12(TAITEC社製)にて3500rpmで5分間処理した後、350μLを新しい1.5mlチューブに移してキットに添付されたマニュアルに従ってRNA抽出を行った(オプションDNase処理含む)。
溶出されたRNAサンプル50μLにDNaseI 5U(タカラバイオ)及び1x Bufferにて37℃30分処理した。処理後、再度RNA精製した。操作方法は、添付マニュアル内のRNA clean up に従った(オプションDNase処理含む)。得られたRNAサンプル中のrRNA前駆体(pre-rRNA)の定量を行うため、下記表1に示したマスターミックス(オリゴヌクレオチドセット1使用の場合)を調製し、リアルタイムPCR増幅を実施した。
Figure 2018199279
リアルタイムPCR増幅は、実施例1で設計したオリゴヌクレオチドセット1のフォワードプライマーと、リバースプライマーBR1とリバースプライマーBR2の混合プライマーのプライマーペア、または、オリゴヌクレオチドセット2のフォワードプライマーと、リバースプライマーBR3、リバースプライマーBR4、リバースプライマーBR5、及びリバースプライマーBR6の混合プライマーのプライマーペアをそれぞれ用い、リアルタイムPCR装置(LightCycler DX480;Roche)を用いて下記のPCRサーマルサイクル条件により、1回実施した。なお、陰性コントロールとして、滅菌水5μlを鋳型として使用した。
(RT-PCR条件)
42℃で10分の逆転写(RT)反応の後、最初に95℃10分を1サイクル、次いで95℃5秒、60℃1分を1サイクルとして45サイクル行った。
増幅産物の検出及び定量は、実施例1で設計したプローブ(オリゴヌクレオチドの5’末端に蛍光色素6-FAM、3’末端に消光色素BHQを付加)を用いて行った。なお、増幅産物の長さは約400bpであった。
また、DNase処理後のDNA残存確認のため、表1のTaKaRa primescript RT enzymeのみ±を比較した。TaKaRa primescript RT enzyme-(逆転写なし)で陽性シグナルが検出された場合、DNAが残存していることになり、rRNA前駆体が正確に定量できない場合がある。ただし、陰性コントロールで検出される場合、酵素のホスト由来DNAのため同程度サイクル数前後はカットオフした。
(3)生菌数測定(CFU/ml)
95℃10分の高温加熱殺菌及び65℃30分の低温加熱殺菌の条件で殺菌処理した試験サンプルについては、殺菌処理後の所定の時間(1時間、3時間、6時間、1日、2日、3日、4日)における試験サンプルをそのまま生菌数測定に用いた。また、カナマイシン(kanamycin)抗生剤(300μg/ml)で殺菌処理した試験サンプルについては、5krpmにて5分遠心して上清を除去した後、同抗生剤を含まないLB培地を500μL加えて大腸菌細胞を懸濁した後、LB培地で段階希釈して各段階の大腸菌細胞をLB寒天培地にまき37℃一晩インキュベーションしてコロニーカウントによりcfu/mlを測定した。
2.結果
オリゴヌクレオチドセット1、オリゴヌクレオチドセット2を用いてリアルタイムPCRを行うことによって得られた増幅曲線を、図2−1、図2−2にそれぞれ示す。本来、逆転写酵素にホスト由来のrRNA及びゲノムDNAが多量に混入しているにも関わらず、オリゴヌクレオチドセット2ではRT-PCR(逆転写あり)において検出されなかったことから(図2−2、点線の矢印)、オリゴヌクレオチドセット2は感度が低いと判断された。逆にオリゴヌクレオチドセット1では、RT-PCR(逆転写あり)、PCR(逆転写なし)共にホスト由来のrRNA及びゲノムDNAが検出されたことから(図2−1、点線の矢印)、感度が高いと判断された。よって、オリゴヌクレオチドセット1を本発明の微生物(細菌)の生死判定用オリゴヌクレオチドセットとして確立した。
rRNA前駆体のリアルタイムPCR(オリゴヌクレオチドセット1を使用)による定量結果を図3Aに、生菌数の測定結果を図3Bに示す。図3Aに示されるように、95℃10分の高温加熱殺菌においては72時間後に、65℃30分の低温加熱殺菌においては48時間後に、カナマイシン(kanamycin)処理においては72時間後にrRNA前駆体は検出限界以下となった。また図3Bに示されるように、いずれの殺菌処理後も1時間以上経過した菌は全て死滅していた。この結果から生菌の死後72時間以上経過した場合、rRNA前駆体は検出限界以下となり、仮に細菌DNAが検出されてもrRNA前駆体が検出されなければ生菌と死菌の識別が可能であることが実証された。
(実施例3)真菌の生死判定用オリゴヌクレオチドセットの調製
rRNA前駆体検出に基づく真菌の生死判定用オリゴヌクレオチドセット(プライマー及びプローブ)の設計のために、判定対象となりうる以下の真菌のリボソームRNA前駆体の配列情報をGenBankからダウンロードし、Allele ID v7.80 (premier biosoft社)を用いてアライメントを行い、真菌種間で共通性の高い塩基配列を有する領域を検索した。
(オリゴヌクレオチドの設計に用いた真菌種:計27属95種)
Aspergillus属
Alternaria属
Absidia属
Basidobolus属
Candida属
Chlamydoabsidia属
Conidobolus属
Cokeromyces属
Cryptococcus属
Cunninghamella属
Emericella属
Echinosporangium属
Fusarium属
Lomentospora属
Lichtheimia属
Microsporum属
Mucor属
Malassezia属
Moltierella属
Pseudallescheria属
Paecilomyces属
Pneumocystis属
Rhizopus属
Rhizomucor属
Rhodotorula属
Saksenaea属
Trichosporon属
検索の結果、共通性の高い塩基配列を有する領域であることが特定された、18S rRNA遺伝子の塩基配列の1017-1071番目まで領域(図4−1〜3)、及び、5.8S rRNA遺伝子の塩基配列の2434-2463番目までの領域の塩基配列(図4−1〜3)に基づいてAllele ID v7.80 (premier biosoft社)を用いて特異的プライマー及びプローブを設計した。
その結果、真菌全般rRNA前駆体用18S rRNA 共通フォワードプライマーとして配列番号5に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、真菌全般rRNA前駆体用5.8S rRNA 共通リバースプライマーとして配列番号6、7、8、9に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、真菌全般rRNA前駆体用18S rRNA 共通プローブとして配列番号10に示す塩基配列からなる下記のオリゴヌクレオチドを設計し、本発明のオリゴヌクレオチドセットとした。
(真菌用オリゴヌクレオチドセット)
フォワードプライマー:5'-gattacgtcc ctgccctttg ta-3'(配列番号5)
リバースプライマーFR1:5'-cgagagccra gagatccrtt-3'(配列番号6)(r=g/a)
リバースプライマーFR2:5'-cgagaaccaa gagatccgtt-3'(配列番号7)
リバースプライマーFR3:5'-cgaaagccga gagatccatt-3'(配列番号8)
リバースプライマーFR4:5'-ccggaaccaa gagatccrtt-3'(配列番号9))(r=g/a)
プローブ: 5'-acaccgcccg tcgctactac cg-3'(配列番号10)
また、上記真菌用オリゴヌクレオチドセットを用いてリアルタイムPCR増幅を実施する場合のマスターミックス組成を下記表2に示す。
Figure 2018199279
本発明は、食品や医薬品製造分野、医療現場における微生物の汚染検査に利用できる。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書に組み入れるものとする。

Claims (9)

  1. リボソームRNA前駆体(pre-rRNA)のスペーサー領域を挟む2つのリボソームRNA遺伝子領域に設計されたオリゴヌクレオチドから構成される、微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット。
  2. 前記微生物が、細菌または真菌である、請求項1に記載の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット。
  3. 前記オリゴヌクレオチドが、プライマー及びプローブとして使用されるものである、請求項1または2に記載の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット。
  4. 前記微生物が細菌であって、前記オリゴヌクレオチドセットが、以下の(a)のオリゴヌクレオチドと(b)のオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、及び以下の(c)のオリゴヌクレオチドからなるプローブから構成される、請求項1に記載の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット。
    (a)配列番号1に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
    (b)配列番号2に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号3に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとの混合物
    (c)配列番号4に示す塩基配列又はその相補配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
  5. 前記微生物が真菌であって、前記オリゴヌクレオチドセットが、以下の(d)のオリゴヌクレオチドと(e)のオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、及び以下の(f)のオリゴヌクレオチドからなるプローブから構成される、請求項1に記載の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセット。
    (d)配列番号5に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
    (e)配列番号6に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号7に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号8に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、及び配列番号9に示す塩基配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドの混合物
    (f)配列番号10に示す塩基配列又はその相補配列における連続する少なくとも15塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセットを少なくとも1セット含む、微生物の生死判定用キット。
  7. 検体より抽出したRNAを鋳型とし、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微生物の生死判定用オリゴヌクレオチドセットを用いてRT-PCR増幅を行い、得られた増幅産物を検出及び定量することを特徴とする、微生物の生死判定方法。
  8. RT-PCRが、リアルタイムRT-PCRである、請求項7に記載の微生物の生死判定方法。
  9. 前記検体が、飲食品、医薬品、医療材料若しくは医療器具、生体試料、又は環境試料である、請求項7または8に記載の微生物の生死判定方法。
JP2019514648A 2017-04-27 2018-04-27 リボソームrna前駆体を利用した微生物の生死判定方法 Pending JPWO2018199279A1 (ja)

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