JPWO2018179138A1 - 抗体含有液体製剤 - Google Patents
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Abstract
10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、pHが5.5〜7.0である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤であり、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤を提供する。
Description
本発明は、抗体含有液体製剤に関する。
トシリズマブ等の組換えモノクローナル抗体は、現在、医薬品の有効成分等として利用されている。一般に抗体医薬品製剤では、その他のバイオ医薬品製剤と比較してタンパク質が高濃度になることが多く、凝集体形成への配慮が必要である。また、十分な治療効果を得るために、1回あたりの組換えモノクローナル抗体の投与量が大量となることがあるが、例えば自己注射が可能な皮下注射用製剤を使用するときには、1回の注射液量に制限がある。そのため、製剤中に含まれる組換えモノクローナル抗体濃度を高濃度化しなければならないことがある。
また、一般に注射剤は、皮下投与や静脈内投与など様々な投与経路が知られており、いずれの製剤においても即時使用の利便性から液剤とすることが求められるところ、一般的に使用されることの多い凍結乾燥製剤の処方を単純に溶解しただけでは、医薬品として長期間に渡る実用可能な安定性が満たされてこなかった。
これまで、高濃度組換えモノクローナル抗体含有液体製剤として、特定量のアルギニン、メチオニン、ポリソルベートを含有する製剤処方(特許文献1)や、特定量のアルギニン塩酸塩、ヒスチジン、ポリソルベートを含有する製剤処方(特許文献2)等が知られている。
なお、これらの製剤処方において、組換えモノクローナル抗体含有量が150mg/mL以上である場合には、アルギニン等のアミノ酸成分の含有量がいずれも100mM以上となっている。
なお、これらの製剤処方において、組換えモノクローナル抗体含有量が150mg/mL以上である場合には、アルギニン等のアミノ酸成分の含有量がいずれも100mM以上となっている。
組換えモノクローナル抗体を含有する液体製剤を提供するにあたり、医薬品として実用可能な安定性が求められている。また、モノクローナル抗体を含有する液体製剤を低コストで製造することが求められる。例えば、皮下注用製剤、静注用製剤など、異なる濃度の組換えモノクローナル抗体を含有する液体製剤の製造にあたり、同じ成分の水溶液を用いることが求められる。
また、従来、高濃度の組換えモノクローナル抗体を含有する液体製剤を調製するためには、100mM以上という高濃度のアミノ酸成分を添加する必要があると考えられてきた。そのため、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した組換えモノクローナル抗体含有液体製剤を提供するためには、更なる技術開発が必要である。
本発明は、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤を提供する。あるいは、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤であり、且つ、製剤を低コストで提供する。あるいは、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した安定な高濃度組換えモノクローナル抗体液体製剤であり、且つ、皮下注射を可能にする動粘度を示す高濃度組換えモノクローナル抗体含有液体製剤を低コストで提供する。あるいは、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤であり、且つ、実用可能な静注用製剤、皮下注用製剤を低コストで提供する。あるいは、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤の製造方法を提供する。あるいは、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した組換えモノクローナル抗体液体製剤の安定化方法を提供する。あるいは、組換えモノクローナル抗体含有製剤を調製するための水溶液を提供する。
そして、これらの少なくとも1つを改善する組換えモノクローナル抗体含有製剤、その製造方法、安定化方法、組換えモノクローナル抗体含有製剤を製造するための水溶液を提供することが本発明の課題である。
そして、これらの少なくとも1つを改善する組換えモノクローナル抗体含有製剤、その製造方法、安定化方法、組換えモノクローナル抗体含有製剤を製造するための水溶液を提供することが本発明の課題である。
本発明は以下のとおりである。
すなわち、本発明の第一の態様は以下の組換えモノクローナル抗体含有液体製剤である。
<1−1> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、pHが5.5〜7.0である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
<1−2> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、pHが5.5〜6.7である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
<1−3> ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<1−1>又は<1−2>に記載の液体製剤。
<1−4> ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である<1−1>ないし<1−3>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−5> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<1−1>ないし<1−4>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−6> 90mMのアミノ酸成分を含有する<1−1>ないし<1−5>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−7> pHが5.8〜6.4である<1−1>ないし<1−6>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−8> pHが6.0〜6.2である<1−1>ないし<1−7>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−9> 150mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<1−1>ないし<1−8>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−10> 170mg/mL〜190mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<1−1>ないし<1−9>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−11> 180mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<1−1>ないし<1−10>のいずれか1つに記載の組換えモノクローナル抗体液体製剤。
<1−12> さらにポリオールを含有する<1−1>ないし<1−11>のいずれか1つに記載の液体製剤。
すなわち、本発明の第一の態様は以下の組換えモノクローナル抗体含有液体製剤である。
<1−1> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、pHが5.5〜7.0である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
<1−2> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、pHが5.5〜6.7である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
<1−3> ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<1−1>又は<1−2>に記載の液体製剤。
<1−4> ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である<1−1>ないし<1−3>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−5> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<1−1>ないし<1−4>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−6> 90mMのアミノ酸成分を含有する<1−1>ないし<1−5>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−7> pHが5.8〜6.4である<1−1>ないし<1−6>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−8> pHが6.0〜6.2である<1−1>ないし<1−7>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−9> 150mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<1−1>ないし<1−8>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−10> 170mg/mL〜190mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<1−1>ないし<1−9>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−11> 180mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<1−1>ないし<1−10>のいずれか1つに記載の組換えモノクローナル抗体液体製剤。
<1−12> さらにポリオールを含有する<1−1>ないし<1−11>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−13> さらに界面活性剤を含有する<1−1>ないし<1−12>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−14> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<1−13>に記載の液体製剤。
<1−15> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<1−14>に記載の液体製剤。
<1−16> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<1−15>に記載の液体製剤。
<1−17> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<1−15>に記載の液体製剤。
<1−18> 組換えモノクローナル抗体が、動物(ヒト、マウス、ラット等)由来の組換えモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、抗体断片、及び低分子化抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種である<1−1>ないし<1−17>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−19> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、IgG(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgA、IgD、IgE、及びIgMからなる群から選択される少なくとも1つである<1−1>ないし<1−18>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−20> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1(ヒト化IgG1又は完全ヒトIgG1)である<1−1>ないし<1−19>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−21> 組換えモノクローナル抗体が、抗腫瘍壊死因子(TNF)抗体(例えば、抗TNFα抗体)、抗インターロイキン(IL)受容体抗体(例えば、抗IL−6受容体抗体、抗IL−17受容体抗体)、抗IL抗体(例えば、抗IL−5抗体、抗IL−17抗体、抗IL−17A抗体、抗IL−1β抗体、抗IL12/IL23−p40抗体)、抗表面抗原抗体(例えば、抗CD3抗体、抗CD20抗体、抗CD25抗体、抗CD30抗体、抗CD33抗体、抗CD52抗体、抗RANKL抗体、抗SLAMF7抗体、抗CTLA−4抗体、抗VEGFR−2抗体、抗CCR4抗体、抗PD−1抗体)、抗ウイルス抗体(例えば、抗RSウイルス抗体)、抗インテグリン抗体(例えば抗α4インテグリン抗体)、抗血管内皮細胞増殖因子抗体(例えば、抗VEGF抗体)、抗受容体型チロシンキナーゼ抗体(例えば、抗EGFR抗体、抗HER2抗体)、抗PCSK9抗体、抗ダビガトラン抗体、抗IgE抗体、及び抗補体C5抗体からなる群から選択される少なくとも1つである<1−1>ないし<1−20>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−22> 組換えモノクローナル抗体の適応疾患が、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、キャッスルマン病、強直性脊椎炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、膵臓炎、脈管炎、川崎病、全身性エリテマトーデス、乾癬、乾癬性関節炎、シェーグレン病、スティル病、多発性硬化症、骨粗鬆症、骨病変、血栓症、癌(例えば、乳癌、白血病、卵巣癌、黒色腫、前立腺癌、膵臓癌、リンパ腫、肺癌、胃癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、中皮腫、軟部肉腫、多発性骨髄腫など)、悪液質、移植臓器及び細胞の慢性拒絶、心不全、虚血誘発性重症不整脈、高コレステロール血症、ウイルス感染(例えば、RSウイルス感染、HIV感染、EBV感染など)、形質細胞増加症、高免疫グロブリン血症、貧血、メサンギュウム増殖性腎炎、及び喘息からなる群から選択される少なくとも1つである<1−1>ないし<1−21>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−23> 組換えモノクローナル抗体が、トシリズマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、パリビズマブ、インフリキシマブ、バシリキシマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ベバシズマブ、イブリツモマブ チウキセタン、アダリムマブ、セツキシマブ、ラニビズマブ、オマリズマブ、エクリズマブ、パニツムマブ、ウステキヌマブ、ゴリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、モガムリズマブ、オファツムマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、ブレンツキシマブ ベドチン、ナタリズマブ、ニボルマブ、アレムツズマブ、セクキヌマブ、ラムシルマブ及びイピリムマブからなる群から選択される少なくとも一つである<1−1>ないし<1−22>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−24> 前記液体製剤が皮下注用製剤又は静注用製剤である<1−1>ないし<1−23>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−25> 上記<1−1>ないし<1−24>のいずれか1つに記載の液体製剤を、<1−22>に記載の適用疾患の少なくとも一つの治療が必要な患者に治療に必要な量投与する<1−22>に記載のいずれか一つの疾患の治療方法。
<1−14> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<1−13>に記載の液体製剤。
<1−15> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<1−14>に記載の液体製剤。
<1−16> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<1−15>に記載の液体製剤。
<1−17> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<1−15>に記載の液体製剤。
<1−18> 組換えモノクローナル抗体が、動物(ヒト、マウス、ラット等)由来の組換えモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、抗体断片、及び低分子化抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種である<1−1>ないし<1−17>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−19> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、IgG(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgA、IgD、IgE、及びIgMからなる群から選択される少なくとも1つである<1−1>ないし<1−18>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−20> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1(ヒト化IgG1又は完全ヒトIgG1)である<1−1>ないし<1−19>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−21> 組換えモノクローナル抗体が、抗腫瘍壊死因子(TNF)抗体(例えば、抗TNFα抗体)、抗インターロイキン(IL)受容体抗体(例えば、抗IL−6受容体抗体、抗IL−17受容体抗体)、抗IL抗体(例えば、抗IL−5抗体、抗IL−17抗体、抗IL−17A抗体、抗IL−1β抗体、抗IL12/IL23−p40抗体)、抗表面抗原抗体(例えば、抗CD3抗体、抗CD20抗体、抗CD25抗体、抗CD30抗体、抗CD33抗体、抗CD52抗体、抗RANKL抗体、抗SLAMF7抗体、抗CTLA−4抗体、抗VEGFR−2抗体、抗CCR4抗体、抗PD−1抗体)、抗ウイルス抗体(例えば、抗RSウイルス抗体)、抗インテグリン抗体(例えば抗α4インテグリン抗体)、抗血管内皮細胞増殖因子抗体(例えば、抗VEGF抗体)、抗受容体型チロシンキナーゼ抗体(例えば、抗EGFR抗体、抗HER2抗体)、抗PCSK9抗体、抗ダビガトラン抗体、抗IgE抗体、及び抗補体C5抗体からなる群から選択される少なくとも1つである<1−1>ないし<1−20>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−22> 組換えモノクローナル抗体の適応疾患が、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、キャッスルマン病、強直性脊椎炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、膵臓炎、脈管炎、川崎病、全身性エリテマトーデス、乾癬、乾癬性関節炎、シェーグレン病、スティル病、多発性硬化症、骨粗鬆症、骨病変、血栓症、癌(例えば、乳癌、白血病、卵巣癌、黒色腫、前立腺癌、膵臓癌、リンパ腫、肺癌、胃癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、中皮腫、軟部肉腫、多発性骨髄腫など)、悪液質、移植臓器及び細胞の慢性拒絶、心不全、虚血誘発性重症不整脈、高コレステロール血症、ウイルス感染(例えば、RSウイルス感染、HIV感染、EBV感染など)、形質細胞増加症、高免疫グロブリン血症、貧血、メサンギュウム増殖性腎炎、及び喘息からなる群から選択される少なくとも1つである<1−1>ないし<1−21>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−23> 組換えモノクローナル抗体が、トシリズマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、パリビズマブ、インフリキシマブ、バシリキシマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ベバシズマブ、イブリツモマブ チウキセタン、アダリムマブ、セツキシマブ、ラニビズマブ、オマリズマブ、エクリズマブ、パニツムマブ、ウステキヌマブ、ゴリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、モガムリズマブ、オファツムマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、ブレンツキシマブ ベドチン、ナタリズマブ、ニボルマブ、アレムツズマブ、セクキヌマブ、ラムシルマブ及びイピリムマブからなる群から選択される少なくとも一つである<1−1>ないし<1−22>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−24> 前記液体製剤が皮下注用製剤又は静注用製剤である<1−1>ないし<1−23>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<1−25> 上記<1−1>ないし<1−24>のいずれか1つに記載の液体製剤を、<1−22>に記載の適用疾患の少なくとも一つの治療が必要な患者に治療に必要な量投与する<1−22>に記載のいずれか一つの疾患の治療方法。
本発明の第二の態様は以下の組換えモノクローナル抗体含有液体製剤である。
<2−1> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、pHが5.5〜7.0である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
<2−2> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、pHが5.5〜6.7である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
<2−3> ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<2−1>又は<2−2>に記載の液体製剤。
<2−4> ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である<2−1>ないし<2−3>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−5> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<2−1>ないし<2−4>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−6> 90mMのアミノ酸成分を含有する<2−1>ないし<2−5>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−7> pHが5.8〜6.7である<2−1>ないし<2−6>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−8> pHが6.0〜6.5である<2−1>ないし<2−7>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−9> 10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<2−1>ないし<2−8>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−10> 20mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<2−1>ないし<2−9>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−11> 30mg/mL超〜150mg/mL未満の組換えモノクローナル抗体を含有する<2−1>ないし<2−8>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−12> さらにポリオールを含有する<2−1>ないし<2−11>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−1> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、pHが5.5〜7.0である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
<2−2> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、pHが5.5〜6.7である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
<2−3> ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<2−1>又は<2−2>に記載の液体製剤。
<2−4> ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である<2−1>ないし<2−3>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−5> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<2−1>ないし<2−4>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−6> 90mMのアミノ酸成分を含有する<2−1>ないし<2−5>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−7> pHが5.8〜6.7である<2−1>ないし<2−6>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−8> pHが6.0〜6.5である<2−1>ないし<2−7>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−9> 10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<2−1>ないし<2−8>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−10> 20mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<2−1>ないし<2−9>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−11> 30mg/mL超〜150mg/mL未満の組換えモノクローナル抗体を含有する<2−1>ないし<2−8>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−12> さらにポリオールを含有する<2−1>ないし<2−11>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−13> さらに界面活性剤を含有する<2−1>ないし<2−12>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−14> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<2−13>に記載の液体製剤。
<2−15> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<2−14>に記載の液体製剤。
<2−16> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<2−15>に記載の液体製剤。
<2−17> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<2−15>に記載の液体製剤。
<2−18> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1 である<2−1>ないし<2−17>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−19> 前記ヒト由来のIgG1が、トシリズマブである<2−18>に記載の液体製剤。
<2−20> 前記液体製剤が皮下注用製剤又は静注用製剤である<2−1>ないし<2−19>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−21> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、ヒスチジン成分以外の前記アミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、0.05〜20mg/mLの界面活性剤を含み、pHが5.5〜7.0である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
<2−22> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<2−21>に記載の液体製剤。
<2−23> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<2−22>に記載の液体製剤。
<2−24> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<2−23>に記載の液体製剤。
<2−25> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<2−23>に記載の液体製剤。
<2−26> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1 である<2−21>ないし<2−25>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−27> 前記ヒト由来のIgG1が、トシリズマブである<2−26>に記載の液体製剤。
<2−28> 20mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<2−21>ないし<2−27>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−29> 10mg/mL〜30mg/mLのトシリズマブと、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、ヒスチジン成分以外の前記アミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、0.05〜20mg/mLのポリソルベート80を含み、pHが5.5〜7.0である、静注用の組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
<2−30> 0.1〜0.5mg/mLのポリソルベート80を含有する<2−21>ないし<2−29>に記載の液体製剤。
<2−31> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<2−21>ないし<2−30>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−32> 10mg/mL〜30mg/mLのトシリズマブと、ヒスチジン成分が5mM未満である85mM〜92mMのアミノ酸成分とを含有し、ヒスチジン成分以外の前記アミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、0.15〜0.25mg/mLのポリソルベート80を含み、pHが5.5〜7.0である、静注用の<2−21>ないし<2−31>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−33> 20mg/mLのトシリズマブを含有する<2−21>ないし<2−32>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−14> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<2−13>に記載の液体製剤。
<2−15> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<2−14>に記載の液体製剤。
<2−16> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<2−15>に記載の液体製剤。
<2−17> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<2−15>に記載の液体製剤。
<2−18> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1 である<2−1>ないし<2−17>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−19> 前記ヒト由来のIgG1が、トシリズマブである<2−18>に記載の液体製剤。
<2−20> 前記液体製剤が皮下注用製剤又は静注用製剤である<2−1>ないし<2−19>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−21> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、ヒスチジン成分以外の前記アミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、0.05〜20mg/mLの界面活性剤を含み、pHが5.5〜7.0である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
<2−22> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<2−21>に記載の液体製剤。
<2−23> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<2−22>に記載の液体製剤。
<2−24> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<2−23>に記載の液体製剤。
<2−25> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<2−23>に記載の液体製剤。
<2−26> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1 である<2−21>ないし<2−25>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−27> 前記ヒト由来のIgG1が、トシリズマブである<2−26>に記載の液体製剤。
<2−28> 20mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<2−21>ないし<2−27>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−29> 10mg/mL〜30mg/mLのトシリズマブと、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、ヒスチジン成分以外の前記アミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、0.05〜20mg/mLのポリソルベート80を含み、pHが5.5〜7.0である、静注用の組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
<2−30> 0.1〜0.5mg/mLのポリソルベート80を含有する<2−21>ないし<2−29>に記載の液体製剤。
<2−31> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<2−21>ないし<2−30>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−32> 10mg/mL〜30mg/mLのトシリズマブと、ヒスチジン成分が5mM未満である85mM〜92mMのアミノ酸成分とを含有し、ヒスチジン成分以外の前記アミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、0.15〜0.25mg/mLのポリソルベート80を含み、pHが5.5〜7.0である、静注用の<2−21>ないし<2−31>のいずれか1つに記載の液体製剤。
<2−33> 20mg/mLのトシリズマブを含有する<2−21>ないし<2−32>のいずれか1つに記載の液体製剤。
本発明の第三の態様は以下の組換えモノクローナル抗体の医薬的に安定な製剤である。
<3−1> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体で、45mM〜94mMのアミノ酸成分で、ヒスチジン成分が5mM未満で、pHが5.5〜7.0の水溶液からなる組換えモノクローナル抗体の医薬的に安定な製剤。
<3−2> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体で、45mM〜94mMのアミノ酸成分で、ヒスチジン成分が5mM未満で、pHが5.5〜6.7の水溶液からなる組換えモノクローナル抗体の医薬的に安定な製剤。
<3−3> ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<3−1>又は<3−2>に記載の製剤。
<3−4> ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である<3−1>ないし<3−3>のいずれか1つに記載の製剤。
<3−5> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<3−1>ないし<3−4>のいずれか1つに記載の製剤。
<3−6> pHが5.8〜6.7である<3−1>ないし<3−5>のいずれか1つに記載の製剤。
<3−7> さらにポリオールを含有する<3−1>ないし<3−6>のいずれか1つに記載の製剤。
<3−8> さらに界面活性剤を含有する<3−1>ないし<3−7>のいずれか1つに記載の製剤。
<3−9> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<3−8>に記載の製剤。
<3−10> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<3−9>に記載の製剤。
<3−11> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<3−10>に記載の製剤。
<3−12> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<3−10>に記載の製剤。
<3−13> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1 である<3−1>ないし<3−12>のいずれか1つに記載の製剤。
<3−14> 前記ヒト由来のIgG1が、トシリズマブである<3−13>に記載の製剤。
<3−15> 前記製剤が皮下注用製剤又は静注用製剤である<3−1>ないし<3−14>に記載の製剤。
<3−1> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体で、45mM〜94mMのアミノ酸成分で、ヒスチジン成分が5mM未満で、pHが5.5〜7.0の水溶液からなる組換えモノクローナル抗体の医薬的に安定な製剤。
<3−2> 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体で、45mM〜94mMのアミノ酸成分で、ヒスチジン成分が5mM未満で、pHが5.5〜6.7の水溶液からなる組換えモノクローナル抗体の医薬的に安定な製剤。
<3−3> ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<3−1>又は<3−2>に記載の製剤。
<3−4> ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である<3−1>ないし<3−3>のいずれか1つに記載の製剤。
<3−5> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<3−1>ないし<3−4>のいずれか1つに記載の製剤。
<3−6> pHが5.8〜6.7である<3−1>ないし<3−5>のいずれか1つに記載の製剤。
<3−7> さらにポリオールを含有する<3−1>ないし<3−6>のいずれか1つに記載の製剤。
<3−8> さらに界面活性剤を含有する<3−1>ないし<3−7>のいずれか1つに記載の製剤。
<3−9> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<3−8>に記載の製剤。
<3−10> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<3−9>に記載の製剤。
<3−11> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<3−10>に記載の製剤。
<3−12> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<3−10>に記載の製剤。
<3−13> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1 である<3−1>ないし<3−12>のいずれか1つに記載の製剤。
<3−14> 前記ヒト由来のIgG1が、トシリズマブである<3−13>に記載の製剤。
<3−15> 前記製剤が皮下注用製剤又は静注用製剤である<3−1>ないし<3−14>に記載の製剤。
本発明の第四の態様は以下の組換えモノクローナル抗体含有液体製剤の製造方法である。
<4−1> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を添加する工程を含む、pHが5.5〜7.0である10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体含有液体製剤の製造方法。
<4−2> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を添加する工程を含む、pHが5.5〜6.7である10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体含有液体製剤の製造方法。
<4−3> ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<4−1>又は<4−2>に記載の製造方法。
<4−4> ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である<4−1>ないし<4−3>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−5> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<4−1>ないし<4−4>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−6> pHが5.8〜6.7である<4−1>ないし<4−5>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−7> 150mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<4−1>ないし<4−6>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−8> 10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<4−1>ないし<4−6>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−9> さらにポリオールを含有する<4−1>ないし<4−8>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−10> さらに界面活性剤を含有する<4−1>ないし<4−9>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−11> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<4−10>に記載の製造方法。
<4−12> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<4−11>に記載の製造方法。
<4−1> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を添加する工程を含む、pHが5.5〜7.0である10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体含有液体製剤の製造方法。
<4−2> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を添加する工程を含む、pHが5.5〜6.7である10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体含有液体製剤の製造方法。
<4−3> ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<4−1>又は<4−2>に記載の製造方法。
<4−4> ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である<4−1>ないし<4−3>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−5> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<4−1>ないし<4−4>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−6> pHが5.8〜6.7である<4−1>ないし<4−5>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−7> 150mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<4−1>ないし<4−6>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−8> 10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<4−1>ないし<4−6>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−9> さらにポリオールを含有する<4−1>ないし<4−8>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−10> さらに界面活性剤を含有する<4−1>ないし<4−9>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−11> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<4−10>に記載の製造方法。
<4−12> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<4−11>に記載の製造方法。
<4−13> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<4−12>に記載の製造方法。
<4−14> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<4−12>に記載の製造方法。
<4−15> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1 である<4−1>ないし<4−14>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−16> 前記ヒト由来のIgG1が、トシリズマブである<4−15>に記載の製造方法。
<4−17> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を添加する工程を含む、pHが5.5〜7.0である10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体含有液体製剤の製造方法であって、
以下の工程Aないし工程Cを含有する<4−1>ないし<4−16>のいずれか1つに記載の製造方法:
工程A:以下の工程A−1ないし工程A−3のいずれか1つを含む、抗体原薬を準備するステップ
工程A−1:凍結した抗体原薬を、液体の状態に融解するステップ
工程A−2:任意の溶媒を含む液体抗体原薬を準備するステップ
工程A−3:粉体の抗体原薬を準備するステップ
工程B:溶媒にアミノ酸を添加し、添加剤溶液を調製するステップ
工程C:工程Aにて準備した原薬と、工程Bにて調製した添加剤溶液を混合するステップ。
<4−18> 更に以下の工程Dを含有する<4−17>に記載の製造方法:
工程D:工程Cにて調製した溶液のpHを5.5〜7.0とするステップ。
<4−19> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を添加する工程を含む、pHが5.5〜6.7である10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体含有液体製剤の製造方法であって、
以下の工程Aないし工程Cを含有する<4−1>ないし<4−16>のいずれか1つに記載の製造方法:
工程A:以下の工程A−1ないし工程A−3のいずれか1つを含む、抗体原薬を準備するステップ
工程A−1:凍結した抗体原薬を、液体の状態に融解するステップ
工程A−2:任意の溶媒を含む液体抗体原薬を準備するステップ
工程A−3:粉体の抗体原薬を準備するステップ
工程B:溶媒にアミノ酸を添加し、添加剤溶液を調製するステップ
工程C:工程Aにて融解した原薬と、工程Bにて調製した添加剤溶液を混合するステップ。
<4−20> 更に以下の工程Dを含有する<4−19>に記載の製造方法:
工程D:工程Cにて調整した溶液のpHを5.5〜6.7とするステップ。
<4−21> 更に以下の工程Eを含有する<4−1>ないし<4−20>のいずれか1つに記載の製造方法:
工程E:調製した溶液を濾過滅菌するステップ。
<4−22> 更に以下の工程Fを含有する<4−21>に記載の製造方法:
工程F:工程Eにて調製した溶液を充填し、打栓するステップ。
<4−14> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<4−12>に記載の製造方法。
<4−15> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1 である<4−1>ないし<4−14>のいずれか1つに記載の製造方法。
<4−16> 前記ヒト由来のIgG1が、トシリズマブである<4−15>に記載の製造方法。
<4−17> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を添加する工程を含む、pHが5.5〜7.0である10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体含有液体製剤の製造方法であって、
以下の工程Aないし工程Cを含有する<4−1>ないし<4−16>のいずれか1つに記載の製造方法:
工程A:以下の工程A−1ないし工程A−3のいずれか1つを含む、抗体原薬を準備するステップ
工程A−1:凍結した抗体原薬を、液体の状態に融解するステップ
工程A−2:任意の溶媒を含む液体抗体原薬を準備するステップ
工程A−3:粉体の抗体原薬を準備するステップ
工程B:溶媒にアミノ酸を添加し、添加剤溶液を調製するステップ
工程C:工程Aにて準備した原薬と、工程Bにて調製した添加剤溶液を混合するステップ。
<4−18> 更に以下の工程Dを含有する<4−17>に記載の製造方法:
工程D:工程Cにて調製した溶液のpHを5.5〜7.0とするステップ。
<4−19> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を添加する工程を含む、pHが5.5〜6.7である10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体含有液体製剤の製造方法であって、
以下の工程Aないし工程Cを含有する<4−1>ないし<4−16>のいずれか1つに記載の製造方法:
工程A:以下の工程A−1ないし工程A−3のいずれか1つを含む、抗体原薬を準備するステップ
工程A−1:凍結した抗体原薬を、液体の状態に融解するステップ
工程A−2:任意の溶媒を含む液体抗体原薬を準備するステップ
工程A−3:粉体の抗体原薬を準備するステップ
工程B:溶媒にアミノ酸を添加し、添加剤溶液を調製するステップ
工程C:工程Aにて融解した原薬と、工程Bにて調製した添加剤溶液を混合するステップ。
<4−20> 更に以下の工程Dを含有する<4−19>に記載の製造方法:
工程D:工程Cにて調整した溶液のpHを5.5〜6.7とするステップ。
<4−21> 更に以下の工程Eを含有する<4−1>ないし<4−20>のいずれか1つに記載の製造方法:
工程E:調製した溶液を濾過滅菌するステップ。
<4−22> 更に以下の工程Fを含有する<4−21>に記載の製造方法:
工程F:工程Eにて調製した溶液を充填し、打栓するステップ。
本発明の第五の態様は以下の組換えモノクローナル抗体含有溶液の安定化方法である。
<5−1> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を添加する工程を含む、pHが5.5〜7.0である10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体含有溶液の安定化方法。
<5−2> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を添加する工程を含む、pHが5.5〜6.7である10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体含有溶液の安定化方法。
<5−3> ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<5−1>又は<5−2>に記載の安定化方法。
<5−4> ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である<5−1>ないし<5−3>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−5> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<5−1>ないし<5−4>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−6> pHが5.8〜6.4である<5−1>ないし<5−5>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−7> 150mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<5−1>ないし<5−6>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−8> 10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<5−1>ないし<5−6>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−9> 30mg/mL超〜150mg/mL未満の組換えモノクローナル抗体を含有する<5−1>ないし<5−6>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−10> さらにポリオールを含有する<5−1>ないし<5−9>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−11> さらに界面活性剤を含有する<5−1>ないし<5−10>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−12> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<5−11>に記載の安定化方法。
<5−13> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<5−12>に記載の安定化方法。
<5−14> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<5−13>に記載の安定化方法。
<5−15> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<5−13>に記載の安定化方法。
<5−16> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1 である<5−1>ないし<5−15>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−17> 前記ヒト由来のIgG1が、トシリズマブである<5−16>に記載の安定化方法。
<5−1> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を添加する工程を含む、pHが5.5〜7.0である10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体含有溶液の安定化方法。
<5−2> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を添加する工程を含む、pHが5.5〜6.7である10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体含有溶液の安定化方法。
<5−3> ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<5−1>又は<5−2>に記載の安定化方法。
<5−4> ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である<5−1>ないし<5−3>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−5> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<5−1>ないし<5−4>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−6> pHが5.8〜6.4である<5−1>ないし<5−5>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−7> 150mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<5−1>ないし<5−6>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−8> 10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する<5−1>ないし<5−6>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−9> 30mg/mL超〜150mg/mL未満の組換えモノクローナル抗体を含有する<5−1>ないし<5−6>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−10> さらにポリオールを含有する<5−1>ないし<5−9>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−11> さらに界面活性剤を含有する<5−1>ないし<5−10>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−12> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<5−11>に記載の安定化方法。
<5−13> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<5−12>に記載の安定化方法。
<5−14> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<5−13>に記載の安定化方法。
<5−15> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<5−13>に記載の安定化方法。
<5−16> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1 である<5−1>ないし<5−15>のいずれか1つに記載の安定化方法。
<5−17> 前記ヒト由来のIgG1が、トシリズマブである<5−16>に記載の安定化方法。
本発明の第六の態様は以下の組換えモノクローナル抗体含有液体製剤製造用の水溶液である。
<6−1> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を含有し、pHが5.5〜7.0である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤製造用の水溶液。
<6−2> ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<6−1>に記載の水溶液。
<6−3> ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である<6−1>又は<6−2>に記載の水溶液。
<6−4> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<6−1>ないし<6−3>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−5> 90mMのアミノ酸成分を含有する<6−1>ないし<6−4>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−6> pHが5.5〜6.7である<6−1>ないし<6−5>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−7> 組換えモノクローナル抗体の濃度を10mg/mL〜200mg/mLに希釈するための<6−1>ないし<6−6>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−8> さらにポリオールを含有する<6−1>ないし<6−7>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−9> さらに界面活性剤を含有する<6−1>ないし<6−8>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−10> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<6−9>に記載の水溶液。
<6−11> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<6−10>に記載の水溶液。
<6−12> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<6−11>に記載の水溶液。
<6−13> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<6−11>に記載の水溶液。
<6−14> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1 である<6−1>ないし<6−13>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−15> 前記ヒト由来のIgG1が、トシリズマブである<6−14>に記載の水溶液。
<6−1> ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を含有し、pHが5.5〜7.0である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤製造用の水溶液。
<6−2> ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<6−1>に記載の水溶液。
<6−3> ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である<6−1>又は<6−2>に記載の水溶液。
<6−4> 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する<6−1>ないし<6−3>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−5> 90mMのアミノ酸成分を含有する<6−1>ないし<6−4>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−6> pHが5.5〜6.7である<6−1>ないし<6−5>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−7> 組換えモノクローナル抗体の濃度を10mg/mL〜200mg/mLに希釈するための<6−1>ないし<6−6>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−8> さらにポリオールを含有する<6−1>ないし<6−7>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−9> さらに界面活性剤を含有する<6−1>ないし<6−8>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−10> 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である<6−9>に記載の水溶液。
<6−11> 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである<6−10>に記載の水溶液。
<6−12> 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である<6−11>に記載の水溶液。
<6−13> 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである<6−11>に記載の水溶液。
<6−14> 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1 である<6−1>ないし<6−13>のいずれか1つに記載の水溶液。
<6−15> 前記ヒト由来のIgG1が、トシリズマブである<6−14>に記載の水溶液。
本発明によれば、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤を提供することができる。あるいは、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤であり、且つ、製剤を低コストで提供することができる。あるいは、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤であり、且つ、皮下注射を可能にする動粘度を示す組換えモノクローナル抗体含有液体製剤を低コストで提供することができる。あるいは、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤であり、且つ、実用可能な静注用製剤又は皮下注用製剤を提供することができる。あるいは、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤の製造方法を提供することができる。あるいは、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制のいずれか1つを実現した組換えモノクローナル抗体液体製剤の安定化方法を提供することができる。あるいは、組換えモノクローナル抗体含有製剤調製のための水溶液を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における組換えモノクローナル抗体含有液体製剤(以下、「液体製剤」とも称する。)は、10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分(合計)とを含有し、pHが5.5〜7.0もしくは5.5〜6.7である。また、液体製剤は、他の成分を含んでいてもよい。また、液体製剤は低コストで提供することもできる。また、液体製剤はいずれの投与経路の製剤であってもよい。
本発明における液体製剤は、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を含有し、pHを5.5〜6.7とすることにより、150mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有しても、液体製剤中での、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現し、且つ、皮下注射を可能にする動粘度を示すという効果を奏し得るので皮下注用製剤として有用である。さらに、本発明における液体製剤は、45mM〜94mMのアミノ酸成分という低用量のアミノ酸成分を含有するため、従来の組換えモノクローナル抗体含有液体製剤に比べて低コストで提供することができる。
また、本発明における液体製剤のうち、10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する液体製剤は、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した例えば静注用製剤として用いることができる。30mg/mL超〜150mg/mL未満の組換えモノクローナル抗体を含有する液体製剤は、保存時、保管時には長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した。例えば使用時には希釈して調製し静注用製剤として用いることができる。
本発明における組換えモノクローナル抗体含有液体製剤製造用の水溶液(以下、「抗体製剤製造用水溶液」とも称する。)は、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分(合計)を含有し、pHが5.5〜7.0もしくは5.5〜6.7である。また、抗体製剤製造用水溶液は、他の成分を含んでいてもよい。
本発明における抗体製剤製造用水溶液は、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を含有し、pHを5.5〜7.0あるいは5.5〜6.7とすることにより、長期保存時の二量体生成抑制分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現し、かかる抗体製剤製造用水溶液で組換えモノクローナル抗体含有製剤を製造した場合、組換えモノクローナル抗体を安定化させるという効果を奏し得る。また、抗体を含む任意の溶液を、透析等によりかかる抗体製剤製造用水溶液に置き換えて組換えモノクローナル抗体含有製剤を調製することもできる。また、抗体濃度の高い製剤(例えば、皮下注用製剤)とかかる抗体製剤製造用水溶液から、相対的に濃度の低い製剤(例えば、静注用製剤)を調製することもできる。このように、濃度のみが異なり、添加剤等の共通する抗体製剤(例えば、皮下注用製剤や静注用製剤)を同じ組成の溶液で調製できることは、原料の共通化や、製造の効率化、コストの低減など、工業的な利便性が大きい。
本発明における組換えモノクローナル抗体含有液体製剤(以下、「液体製剤」とも称する。)は、10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分(合計)とを含有し、pHが5.5〜7.0もしくは5.5〜6.7である。また、液体製剤は、他の成分を含んでいてもよい。また、液体製剤は低コストで提供することもできる。また、液体製剤はいずれの投与経路の製剤であってもよい。
本発明における液体製剤は、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を含有し、pHを5.5〜6.7とすることにより、150mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有しても、液体製剤中での、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現し、且つ、皮下注射を可能にする動粘度を示すという効果を奏し得るので皮下注用製剤として有用である。さらに、本発明における液体製剤は、45mM〜94mMのアミノ酸成分という低用量のアミノ酸成分を含有するため、従来の組換えモノクローナル抗体含有液体製剤に比べて低コストで提供することができる。
また、本発明における液体製剤のうち、10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する液体製剤は、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した例えば静注用製剤として用いることができる。30mg/mL超〜150mg/mL未満の組換えモノクローナル抗体を含有する液体製剤は、保存時、保管時には長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現した。例えば使用時には希釈して調製し静注用製剤として用いることができる。
本発明における組換えモノクローナル抗体含有液体製剤製造用の水溶液(以下、「抗体製剤製造用水溶液」とも称する。)は、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分(合計)を含有し、pHが5.5〜7.0もしくは5.5〜6.7である。また、抗体製剤製造用水溶液は、他の成分を含んでいてもよい。
本発明における抗体製剤製造用水溶液は、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を含有し、pHを5.5〜7.0あるいは5.5〜6.7とすることにより、長期保存時の二量体生成抑制分解物生成抑制、生物活性低下抑制及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現し、かかる抗体製剤製造用水溶液で組換えモノクローナル抗体含有製剤を製造した場合、組換えモノクローナル抗体を安定化させるという効果を奏し得る。また、抗体を含む任意の溶液を、透析等によりかかる抗体製剤製造用水溶液に置き換えて組換えモノクローナル抗体含有製剤を調製することもできる。また、抗体濃度の高い製剤(例えば、皮下注用製剤)とかかる抗体製剤製造用水溶液から、相対的に濃度の低い製剤(例えば、静注用製剤)を調製することもできる。このように、濃度のみが異なり、添加剤等の共通する抗体製剤(例えば、皮下注用製剤や静注用製剤)を同じ組成の溶液で調製できることは、原料の共通化や、製造の効率化、コストの低減など、工業的な利便性が大きい。
なお、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
また、モル濃度の単位は、M(モーラー)で、mMは10−3mol/Lである。
本明細書において、長期保存とは、例えば2℃〜8℃で1年以上保存することが挙げられ、好ましくは2℃〜8℃で2年以上保存することが挙げられ、より好ましくは、2℃〜8℃で2年〜5年保存することが挙げられ、とりわけ好ましくは、2℃〜8℃で2年〜3年保存することが挙げられる。あるいは、例えば25℃で6か月以上保存することが挙げられ、より好ましくは25℃で1年以上保存することが挙げられる。あるいは、例えば40℃で4週間以上保存することが挙げられ、好ましくは40℃で8週間以上保存することが挙げられ、より好ましくは、40℃で3か月〜6か月保存することが挙げられる。あるいは、例えば50℃で2週間保存することが挙げられる。あるいは、例えば、60℃で1〜2週間保存することが挙げられる。
また、モル濃度の単位は、M(モーラー)で、mMは10−3mol/Lである。
本明細書において、長期保存とは、例えば2℃〜8℃で1年以上保存することが挙げられ、好ましくは2℃〜8℃で2年以上保存することが挙げられ、より好ましくは、2℃〜8℃で2年〜5年保存することが挙げられ、とりわけ好ましくは、2℃〜8℃で2年〜3年保存することが挙げられる。あるいは、例えば25℃で6か月以上保存することが挙げられ、より好ましくは25℃で1年以上保存することが挙げられる。あるいは、例えば40℃で4週間以上保存することが挙げられ、好ましくは40℃で8週間以上保存することが挙げられ、より好ましくは、40℃で3か月〜6か月保存することが挙げられる。あるいは、例えば50℃で2週間保存することが挙げられる。あるいは、例えば、60℃で1〜2週間保存することが挙げられる。
(組換えモノクローナル抗体)
組換えモノクローナル抗体とは、組換えDNA技術を応用して形質転換された細胞により生産される抗体である。組換えモノクローナル抗体は、動物細胞で発現又は分泌されるものであれば好ましいが、組換えモノクローナル抗体の種類が特に制限されるものではない。例えば医薬品として使用可能な組換えモノクローナル抗体であることが好ましい。
組換えモノクローナル抗体とは、組換えDNA技術を応用して形質転換された細胞により生産される抗体である。組換えモノクローナル抗体は、動物細胞で発現又は分泌されるものであれば好ましいが、組換えモノクローナル抗体の種類が特に制限されるものではない。例えば医薬品として使用可能な組換えモノクローナル抗体であることが好ましい。
なお、本発明における液体製剤に含有し得る組換えモノクローナル抗体は、ヒト、マウス、ラット等の動物由来の組換えモノクローナル抗体だけではなく、キメラ抗体、ヒト化抗体等の組換えモノクローナル抗体も含まれる。また、抗体の免疫グロブリンクラスは特に限定されるものではなく、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4などのIgG、IgA、IgD、IgE、IgMなどいずれのクラスでもよい。その中でも、とりわけ、ヒト由来のIgG1(例えば、ヒト化IgG1、完全ヒトIgG1)が好ましい。ヒト由来のIgG1としては、トシリズマブがとりわけ好ましい。
また、組換えモノクローナル抗体には、Fv、Fab、F(ab)2などの抗体断片や、抗体の可変領域をペプチドリンカー等のリンカーで結合させた1価又は2価以上の一本鎖Fv(scFv、sc(Fv)2やscFvダイマーなどのDiabody等)などの低分子化抗体なども含まれる。
これらの組換えモノクローナル抗体は、国際公開第92/019759号及び国際公開第2005/090405号に記載の方法に準じ調製することができる。
これらの組換えモノクローナル抗体は、国際公開第92/019759号及び国際公開第2005/090405号に記載の方法に準じ調製することができる。
組換えモノクローナル抗体は、その種類が限定されるものではないが、例えば、抗腫瘍壊死因子(TNF)抗体や抗インターロイキン(IL)受容体抗体が挙げられる。あるいは、例えば、抗TNFα抗体、抗IL−6受容体抗体、抗IL−17受容体抗体、抗IL−5抗体、抗IL−17抗体、抗IL−17A抗体、抗IL−1β抗体、抗IL12/IL23−p40抗体、抗CD3抗体、抗CD20抗体、抗CD25抗体、抗CD30抗体、抗CD33抗体、抗CD52抗体、抗RANKL抗体、抗SLAMF7抗体、抗CTLA−4抗体、抗VEGFR−2抗体、抗CCR4抗体、抗PD−1抗体、抗RSウイルス抗体、抗α4インテグリン抗体、抗VEGF抗体、抗EGFR抗体、抗HER2抗体、抗PCSK9抗体、抗ダビガトラン抗体、抗IgE抗体、及び抗補体C5抗体が挙げられる。
組換えモノクローナル抗体の適応疾患は、その種類が限定されるものではないが、例えば関節リウマチ、若年性特発性関節炎、キャッスルマン病、強直性脊椎炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、膵臓炎、脈管炎、川崎病、全身性エリテマトーデス、乾癬、乾癬性関節炎、シェーグレン病、スティル病、多発性硬化症、骨粗鬆症、骨病変、血栓症、癌(例えば、乳癌、白血病、卵巣癌、黒色腫、前立腺癌、膵臓癌、リンパ腫、肺癌、胃癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、中皮腫、軟部肉腫、多発性骨髄腫など)、悪液質、移植臓器及び細胞の慢性拒絶、心不全、虚血誘発性重症不整脈、高コレステロール血症、ウイルス感染(例えば、RSウイルス感染、HIV感染、EBV感染など)、形質細胞増加症、高免疫グロブリン血症、貧血、メサンギュウム増殖性腎炎、及び喘息等が挙げられる。
組換えモノクローナル抗体としては、例えば、その種類が限定されるものではないが、例えば、トラスツズマブ、リツキシマブ、パリビズマブ、インフリキシマブ、バシリキシマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ベバシズマブ、イブリツモマブ チウキセタン、トシリズマブ、アダリムマブ、セツキシマブ、ラニビズマブ、オマリズマブ、エクリズマブ、パニツムマブ、ウステキヌマブ、ゴリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、モガムリズマブ、オファツムマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ エムタンシン、ブレンツキシマブ ベドチン、ナタリズマブ、ニボルマブ、アレムツズマブ、セクキヌマブ、ラムシルマブ及びイピリムマブが挙げられる。
また、組換えモノクローナル抗体としては、トシリズマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、パリビズマブ、インフリキシマブ、バシリキシマブ、ベバシズマブ、アダリムマブ、セツキシマブ、ラニビズマブ、オマリズマブ、エクリズマブ、パニツムマブ、ウステキヌマブ、ゴリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、モガムリズマブ、オファツムマブ、ペルツズマブ、ナタリズマブ、ニボルマブ、アレムツズマブ、セクキヌマブ、ラムシルマブ又はイピリムマブが好ましく、トラスツズマブ、トシリズマブ、インフリキシマブ、ベバシズマブ、アダリムマブ、ウステキヌマブ、ゴリムマブ又はデノスマブが好ましく、トシリズマブ、インフリキシマブ、ベバシズマブ、アダリムマブ又はデノスマブがより好ましい。
さらに、組換えモノクローナル抗体としてはトシリズマブが最も好ましい。
トシリズマブは、一般に市販されているアクテムラ(登録商標)のH鎖のアミノ酸配列(Gln1−Gly448)及びL鎖のアミノ酸配列(Asp1−Cys214)と、同一のアミノ酸配列を有するものであればよい。なお、アクテムラのH鎖のアミノ酸配列(Glu1−Gly448)及びL鎖のアミノ酸配列(Asp1−Cys214)は、国際公開第2005/090405号に添付の配列表に記載されている。
また、H鎖のN末端残基は、グルタミン酸である代わりに、ピログルタミン酸(Pyroglutamic acid;pGlu)であってもよい。H鎖のC末端残基は448アミノ酸残基の代わりに、447のプロリン(Pro)まででもよいし、448番目のグリシン(Gly)にリシン(Lys)が付加された449アミノ酸残基であってもよい。
トシリズマブは、一般に市販されているアクテムラ(登録商標)のH鎖のアミノ酸配列(Gln1−Gly448)及びL鎖のアミノ酸配列(Asp1−Cys214)と、同一のアミノ酸配列を有するものであればよい。なお、アクテムラのH鎖のアミノ酸配列(Glu1−Gly448)及びL鎖のアミノ酸配列(Asp1−Cys214)は、国際公開第2005/090405号に添付の配列表に記載されている。
また、H鎖のN末端残基は、グルタミン酸である代わりに、ピログルタミン酸(Pyroglutamic acid;pGlu)であってもよい。H鎖のC末端残基は448アミノ酸残基の代わりに、447のプロリン(Pro)まででもよいし、448番目のグリシン(Gly)にリシン(Lys)が付加された449アミノ酸残基であってもよい。
抗体医薬品は、一般的に、その他のバイオ医薬品と比較して高濃度である。
本発明における液体製剤は、10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する。また、本発明の効果を十分に奏し得るという観点から、170mg/mL〜190mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することが好ましく、180mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することがより好ましい。あるいは、90mg/mL〜110mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することが好ましく、100mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することがより好ましい。あるいは、10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することが好ましく、15mg/mL〜25mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することがより好ましく、20mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することがさらに好ましい。本発明に用いる組換えモノクローナル抗体は、その製造方法において凍結乾燥、再構成は行わないのが好ましい。
本発明における液体製剤は、10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する。また、本発明の効果を十分に奏し得るという観点から、170mg/mL〜190mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することが好ましく、180mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することがより好ましい。あるいは、90mg/mL〜110mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することが好ましく、100mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することがより好ましい。あるいは、10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することが好ましく、15mg/mL〜25mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することがより好ましく、20mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有することがさらに好ましい。本発明に用いる組換えモノクローナル抗体は、その製造方法において凍結乾燥、再構成は行わないのが好ましい。
(アミノ酸成分)
本発明における液体製剤は、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を含有する。
ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分としては、種類が限定されるものではないが、例えば、アルギニン、アルギニン塩酸塩、メチオニン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アスパラギン、トリプトファン、システイン及びシステイン塩酸塩が挙げられる。また、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制、及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現する観点より、ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分としては、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。さらに、ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分としては、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンを含有することが好ましく、アルギニン塩酸塩及びメチオニンを含有することがより好ましい。
本発明における液体製剤は、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を含有する。
ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分としては、種類が限定されるものではないが、例えば、アルギニン、アルギニン塩酸塩、メチオニン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アスパラギン、トリプトファン、システイン及びシステイン塩酸塩が挙げられる。また、長期保存時の二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下抑制、及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現する観点より、ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分としては、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。さらに、ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分としては、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンを含有することが好ましく、アルギニン塩酸塩及びメチオニンを含有することがより好ましい。
ヒスチジン成分としては、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩であることがより好ましい。
本発明における液体製剤は、液体製剤中に5mM未満のヒスチジンを含有するものであればよいが、pHを好ましい範囲に調整し得るという観点より、1mM以上4mM以下のヒスチジン成分を含有することが好ましく、2mM以上4mM以下のヒスチジン成分を含有することがより好ましい。
本発明における液体製剤は、液体製剤中に5mM未満のヒスチジンを含有するものであればよいが、pHを好ましい範囲に調整し得るという観点より、1mM以上4mM以下のヒスチジン成分を含有することが好ましく、2mM以上4mM以下のヒスチジン成分を含有することがより好ましい。
アミノ酸成分としては、液体製剤全体に対してヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を液体製剤中に含有することが好ましい。また、75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有することが好ましく、85mM〜92mMのアミノ酸成分を含有することがより好ましく、88mM〜91mMのアミノ酸成分を含有することがとりわけ好ましく、90mMのアミノ酸成分を含有することがもっとも好ましい。
(ポリオール)
液体製剤は、さらに、ポリオールを含有していてもよい。
ポリオールとしては、例えば、プロピレングリコール、グリセリン(グリセロール)、トレオース、トレイトール、エリトロース、エリトリトール、リボース、アラビノース、アラビトール、リキソース、マルチトール、ソルビトール、ソルボース、グルコース、マンノース、マンニトール、レブロース、デキストロース、マルトース、トレハロース、フルクトース、キシリトール、イノシトール、ガラクトース、キシロース、フルクトース、スクロース、1,2,6−ヘキサントリオールが挙げられる。中でも、ポリオールとしては、スクロース、トレハロース等が好ましく、スクロースが最も好ましい。
液体製剤は、これらのポリオールの1種又は2種以上を組合せて含有していてもよい。
また、アミノ酸成分の含有量を70mM未満にする場合には、二量体生成抑制の観点より、ポリオールを組合せて用いることが好ましい。
液体製剤は、さらに、ポリオールを含有していてもよい。
ポリオールとしては、例えば、プロピレングリコール、グリセリン(グリセロール)、トレオース、トレイトール、エリトロース、エリトリトール、リボース、アラビノース、アラビトール、リキソース、マルチトール、ソルビトール、ソルボース、グルコース、マンノース、マンニトール、レブロース、デキストロース、マルトース、トレハロース、フルクトース、キシリトール、イノシトール、ガラクトース、キシロース、フルクトース、スクロース、1,2,6−ヘキサントリオールが挙げられる。中でも、ポリオールとしては、スクロース、トレハロース等が好ましく、スクロースが最も好ましい。
液体製剤は、これらのポリオールの1種又は2種以上を組合せて含有していてもよい。
また、アミノ酸成分の含有量を70mM未満にする場合には、二量体生成抑制の観点より、ポリオールを組合せて用いることが好ましい。
ポリオールの含有量は特に限定されるものではなく、液体製剤等張化の観点より、適宜決定すればよい。例えば、30mg/mL〜80mg/mL、40mg/mL〜70mg/mL、50mg/mL〜60mg/mLであればよい。
(界面活性剤)
液体製剤は、さらに、界面活性剤を含有していてもよい。
界面活性剤は陽イオン性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を選択できるが、非イオン性界面活性剤が好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、等)、ポリオキシエチレンヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸エチルエステル、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート、Tween等ともいう。例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TL−10、ポリソルベート20、Tween20)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TP−10V、ポリソルベート40、Tween40)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TS−10MV、ポリソルベート60、Tween60)、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TS−30V、ポリソルベート65)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TI−10V)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TO−10MV、ポリソルベート80、Tween80)、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TO−30V、ポリソルベート85))、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(プルロニック、ポロクサマー等ともいう。例えば、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(プルロニックF−68))が挙げられる。中でも、界面活性剤としては、ポリソルベート及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが好ましく、ポリソルベート80、ポリソルベート40、ポリソルベート20及びポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールがとりわけ好ましく、ポリソルベート80が最も好ましい。
液体製剤は、これらの界面活性剤の1種又は2種以上を組合せて含有していてもよい。
また、アミノ酸成分の含有量を70mM未満にする場合には、二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下、及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現するという観点より、界面活性剤を組合せて用いることが好ましい。あるいは、安定化剤としての観点から界面活性剤を添加することが好ましい。
液体製剤は、さらに、界面活性剤を含有していてもよい。
界面活性剤は陽イオン性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を選択できるが、非イオン性界面活性剤が好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、等)、ポリオキシエチレンヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸エチルエステル、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート、Tween等ともいう。例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TL−10、ポリソルベート20、Tween20)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TP−10V、ポリソルベート40、Tween40)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TS−10MV、ポリソルベート60、Tween60)、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TS−30V、ポリソルベート65)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TI−10V)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TO−10MV、ポリソルベート80、Tween80)、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TO−30V、ポリソルベート85))、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(プルロニック、ポロクサマー等ともいう。例えば、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(プルロニックF−68))が挙げられる。中でも、界面活性剤としては、ポリソルベート及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが好ましく、ポリソルベート80、ポリソルベート40、ポリソルベート20及びポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールがとりわけ好ましく、ポリソルベート80が最も好ましい。
液体製剤は、これらの界面活性剤の1種又は2種以上を組合せて含有していてもよい。
また、アミノ酸成分の含有量を70mM未満にする場合には、二量体生成抑制、分解物生成抑制、生物活性低下、及び脱アミド化抑制の少なくとも1つを実現するという観点より、界面活性剤を組合せて用いることが好ましい。あるいは、安定化剤としての観点から界面活性剤を添加することが好ましい。
界面活性剤の含有量は特に限定されるものではなく、適宜決定すればよい。例えば、0.05mg/mL〜20mg/mL、0.1mg/mL〜10mg/mL、0.1mg/mL〜5mg/mL、0.1mg/mL〜0.5mg/mL、0.15mg/mL〜0.25mg/mLであればよい。
液体製剤は、任意のアミノ酸と界面活性剤の組み合わせを選択できる。例えば、アルギニン及び/又はアルギニン塩酸塩、メチオニン、ポリソルベート80の組み合わせ、アルギニン及び/又はアルギニン塩酸塩、メチオニン、ポリソルベート60の組み合わせ、アルギニン及び/又はアルギニン塩酸塩、メチオニン、ポリソルベート40の組み合わせ、アルギニン及び/又はアルギニン塩酸塩、メチオニン、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールの組み合わせ、アルギニン及び/又はアルギニン塩酸塩、メチオニン、ヒスチジン及び/又はヒスチジン塩酸塩、ポリソルベート80の組み合わせ、アルギニン及び/又はアルギニン塩酸塩、メチオニン、ヒスチジン及び/又はヒスチジン塩酸塩、ポリソルベート60の組み合わせ、アルギニン及び/又はアルギニン塩酸塩、メチオニン、ヒスチジン及び/又はヒスチジン塩酸塩、ポリソルベート40の組み合わせ、アルギニン及び/又はアルギニン塩酸塩、メチオニン、ヒスチジン及び/又はヒスチジン塩酸塩、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールの組み合わせ、が選択できる。
(その他成分)
液体製剤は、組換えモノクローナル抗体及びアミノ酸成分の他に、液体製剤の製剤化に必要な他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、溶解補助剤、等張化剤、保存剤、吸着防止剤、含硫還元剤、酸化防止剤、好ましくは溶解補助剤を含有していてもよい。
液体製剤は、組換えモノクローナル抗体及びアミノ酸成分の他に、液体製剤の製剤化に必要な他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、溶解補助剤、等張化剤、保存剤、吸着防止剤、含硫還元剤、酸化防止剤、好ましくは溶解補助剤を含有していてもよい。
溶解補助剤としては、例えば、界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤、具体的には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等)、ポリソルベート(ポリソルベート80、ポリソルベート40、ポリソルベート20等)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸エチルエステル、及びニコチン酸アミド等が挙げられる。同一化合物を、界面活性剤及び溶解補助剤として用いることができる場合は、別に溶解補助剤を用いる必要は無く、有効成分である組換えモノクローナル抗体以外の添加成分を最小限とすることができるので好ましい。
等張化剤としては、例えば、ポリオールの他、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の塩類が挙げられる。
保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、メタクレゾール、クロロクレゾールが挙げられる。
吸着防止剤としては、例えば、ヒト血清アルブミン、レシチン、デキストラン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、マクロゴールが挙げられる。
含硫還元剤としては、例えば、N−アセチルシステイン、N−アセチルホモシステイン、チオクト酸、チオジグリコール、チオエタノールアミン、チオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸及びその塩、チオ硫酸ナトリウム、グルタチオンが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、L−アスコルビン酸及びその塩、L−アスコルビン酸パルミテート、L−アスコルビン酸ステアレート、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、没食子酸トリアミル、没食子酸プロピル、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA・2Na)、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムが挙げられる。
なお、30mg/mL以下、例えば20mg/mL、10mg/mL、5mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する組換えモノクローナル抗体含有液体製剤を調製する際に、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分を含有し、pHが5.5〜7.0である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤を調製することもできる。
(pH)
液体製剤のpHは、長期安定化効果の観点から5.5〜7.0であることが好ましく、5.5〜6.7であることがより好ましく、5.8〜6.7であることがより好ましく、6.0〜6.5であることがさらに好ましく、6.0〜6.2であることがとりわけ好ましい。また、皮下注射が可能な範囲に液体製剤の動粘度を調整するという観点、あるいは、製剤の安定性を担保するという観点より、pHは5.5〜6.7であることが好ましく、5.8〜6.7であることがより好ましく、6.0〜6.5であることがさらに好ましく、6.0〜6.2であることがとりわけ好ましい。静注用製剤の場合、すなわち、10〜50mg/mLの濃度の場合、好ましくは10〜30mg/mLの濃度の場合は、製剤の安定性を担保するという観点より、液体製剤のpHは5.5〜7.0が好ましく、5.5〜6.7であることがより好ましく、6.0〜6.5であることがさらに好ましく、6.0〜6.2であることがとりわけ好ましい。
pHの測定は、例えば、pHメータ(型番:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)により行うことができる。また、pHの測定は第16改正日本薬局方に記載の方法に従い測定し、例えば常温(15℃〜25℃)で行うこともできる。
液体製剤のpHは、液体製剤に含有される例えばヒスチジン成分により調整され得るものであるが、必要に応じて、他の緩衝剤を使用して液体製剤のpHを調整することもできる。他の緩衝剤としては、例えば、リン酸塩(ナトリウム又はカリウム)、炭酸水素ナトリウム、クエン酸塩(ナトリウム又はカリウム)、酢酸ナトリウム、琥珀酸ナトリウム、リン酸、炭酸、クエン酸、琥珀酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリシンが挙げられる。
液体製剤のpHは、長期安定化効果の観点から5.5〜7.0であることが好ましく、5.5〜6.7であることがより好ましく、5.8〜6.7であることがより好ましく、6.0〜6.5であることがさらに好ましく、6.0〜6.2であることがとりわけ好ましい。また、皮下注射が可能な範囲に液体製剤の動粘度を調整するという観点、あるいは、製剤の安定性を担保するという観点より、pHは5.5〜6.7であることが好ましく、5.8〜6.7であることがより好ましく、6.0〜6.5であることがさらに好ましく、6.0〜6.2であることがとりわけ好ましい。静注用製剤の場合、すなわち、10〜50mg/mLの濃度の場合、好ましくは10〜30mg/mLの濃度の場合は、製剤の安定性を担保するという観点より、液体製剤のpHは5.5〜7.0が好ましく、5.5〜6.7であることがより好ましく、6.0〜6.5であることがさらに好ましく、6.0〜6.2であることがとりわけ好ましい。
pHの測定は、例えば、pHメータ(型番:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)により行うことができる。また、pHの測定は第16改正日本薬局方に記載の方法に従い測定し、例えば常温(15℃〜25℃)で行うこともできる。
液体製剤のpHは、液体製剤に含有される例えばヒスチジン成分により調整され得るものであるが、必要に応じて、他の緩衝剤を使用して液体製剤のpHを調整することもできる。他の緩衝剤としては、例えば、リン酸塩(ナトリウム又はカリウム)、炭酸水素ナトリウム、クエン酸塩(ナトリウム又はカリウム)、酢酸ナトリウム、琥珀酸ナトリウム、リン酸、炭酸、クエン酸、琥珀酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリシンが挙げられる。
本発明における液体製剤の製造方法は、以下の工程Aないし工程Cを含み、任意に工程Dないし工程Fの少なくとも1つを含有する方法である。
工程A:以下の工程A−1ないし工程A−3のいずれか1つを含む、抗体原薬を準備するステップ
工程A−1:凍結した抗体原薬を、液体の状態に融解するステップ
工程A−2:任意の溶媒を含む液体抗体原薬を準備するステップ
工程A−3:粉体の抗体原薬を準備するステップ
工程B:溶媒にアミノ酸を添加し、添加剤溶液を調製するステップ
工程C:工程Aにて準備した原薬と、工程Bにて調製した添加剤溶液を混合するステップ
工程D:工程Cにて調整した溶液のpHを5.5〜7.0もしくは5.5〜6.7とするステップ
工程E:調製した溶液を濾過滅菌するステップ
工程F:工程Eにて調製した溶液を充填し、打栓するステップ
工程A:以下の工程A−1ないし工程A−3のいずれか1つを含む、抗体原薬を準備するステップ
工程A−1:凍結した抗体原薬を、液体の状態に融解するステップ
工程A−2:任意の溶媒を含む液体抗体原薬を準備するステップ
工程A−3:粉体の抗体原薬を準備するステップ
工程B:溶媒にアミノ酸を添加し、添加剤溶液を調製するステップ
工程C:工程Aにて準備した原薬と、工程Bにて調製した添加剤溶液を混合するステップ
工程D:工程Cにて調整した溶液のpHを5.5〜7.0もしくは5.5〜6.7とするステップ
工程E:調製した溶液を濾過滅菌するステップ
工程F:工程Eにて調製した溶液を充填し、打栓するステップ
抗体原薬は例えば、組換えDNA技術を応用して形質転換された細胞に組換えモノクローナル抗体を産生させ、精製した抗体原薬である。抗体の活性を損なっていなければ保存(例えば冷蔵保存)された抗体原薬を用いることができる。あるいは、組換えDNA技術を応用して形質転換された細胞に組換えモノクローナル抗体を産生させ、精製し、これを凍結した抗体原薬である。あるいは、市販の凍結された抗体原薬である。
工程Aは、工程A−1ないし工程A−3のいずれか1つを含む、抗体を準備するステップである。工程A−1は、凍結保存していた抗体原薬を、液体の状態に融解するステップである。凍結した抗体原薬は、抗体の活性を損なわない任意の方法により液体の状態に融解できる。例えば、室温で融解する、冷蔵で融解する、等が挙げられる。抗体原薬は任意の溶媒と凍結されていれば良い。本発明の組換えモノクローナル抗体含有液体製剤製造用の水溶液が好ましいが、例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖液、任意の緩衝液、エタノール溶液、その他製薬上使用できる溶媒でもよい。融解した抗体原薬は、任意の溶媒を用いて透析し溶媒交換をすることもできる。工程A−2は、任意の溶媒を含む液体抗体原薬を準備するステップである。液体抗体原薬は、任意の溶媒を用いて透析し溶媒交換をすることもできる。工程A−3は、粉体の抗体原薬を準備するステップである。
工程Bはアミノ酸を含む添加剤溶液を調製するステップである。例えば、溶媒(例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖液、任意の緩衝液、エタノール溶液、その他製薬上使用できる溶媒)にアミノ酸を添加し、添加剤溶液とできる。
工程Cは前記工程Aにて融解した原薬と、前記工程Bにて調製した添加剤溶液とを混合するステップである。液体全体におけるアミノ酸成分の終濃度が、例えばヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMになるように調整される。
工程Aは、工程A−1ないし工程A−3のいずれか1つを含む、抗体を準備するステップである。工程A−1は、凍結保存していた抗体原薬を、液体の状態に融解するステップである。凍結した抗体原薬は、抗体の活性を損なわない任意の方法により液体の状態に融解できる。例えば、室温で融解する、冷蔵で融解する、等が挙げられる。抗体原薬は任意の溶媒と凍結されていれば良い。本発明の組換えモノクローナル抗体含有液体製剤製造用の水溶液が好ましいが、例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖液、任意の緩衝液、エタノール溶液、その他製薬上使用できる溶媒でもよい。融解した抗体原薬は、任意の溶媒を用いて透析し溶媒交換をすることもできる。工程A−2は、任意の溶媒を含む液体抗体原薬を準備するステップである。液体抗体原薬は、任意の溶媒を用いて透析し溶媒交換をすることもできる。工程A−3は、粉体の抗体原薬を準備するステップである。
工程Bはアミノ酸を含む添加剤溶液を調製するステップである。例えば、溶媒(例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖液、任意の緩衝液、エタノール溶液、その他製薬上使用できる溶媒)にアミノ酸を添加し、添加剤溶液とできる。
工程Cは前記工程Aにて融解した原薬と、前記工程Bにて調製した添加剤溶液とを混合するステップである。液体全体におけるアミノ酸成分の終濃度が、例えばヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMになるように調整される。
本発明における液体製剤の製造方法は、更に、以下の工程D、工程E、工程Fを含有することもできる。
工程Dは前記工程Cにて調製した溶液のpHを5.5〜7.0に調整するステップである。あるいは、工程Dは前記工程Cにて調製した溶液のpHを5.5〜6.7に調整するステップである。液体製剤のpHは工程CによりpH5.5〜7.0又は5.5〜6.7とすることもでき、例えば、液体製剤に含有されるヒスチジン成分により調整することができるが、他の添加剤を使用して液体製剤のpHを調整することもできる。
工程Eは工程C又は工程Dにて調製した溶液を濾過滅菌するステップである。濾過滅菌は例えば、ポリフッ化ビニリデン製カートリッジフィルターを使用することができる。あるいは、一般に使用されている他の滅菌方法を使用しても良い。
工程Fは工程C、工程D又は工程Eにて調製した溶液を充填し、打栓するステップである。あるいは、アンプルやプレフィルドシリンジに充填しても良く、プレミクスドバッグとしてもよい。
工程Dは前記工程Cにて調製した溶液のpHを5.5〜7.0に調整するステップである。あるいは、工程Dは前記工程Cにて調製した溶液のpHを5.5〜6.7に調整するステップである。液体製剤のpHは工程CによりpH5.5〜7.0又は5.5〜6.7とすることもでき、例えば、液体製剤に含有されるヒスチジン成分により調整することができるが、他の添加剤を使用して液体製剤のpHを調整することもできる。
工程Eは工程C又は工程Dにて調製した溶液を濾過滅菌するステップである。濾過滅菌は例えば、ポリフッ化ビニリデン製カートリッジフィルターを使用することができる。あるいは、一般に使用されている他の滅菌方法を使用しても良い。
工程Fは工程C、工程D又は工程Eにて調製した溶液を充填し、打栓するステップである。あるいは、アンプルやプレフィルドシリンジに充填しても良く、プレミクスドバッグとしてもよい。
本発明における液体製剤は、用意した抗体原薬(例えば凍結された抗体原薬を融解させたもの)と、ここに溶媒(例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖液、任意の緩衝液、エタノール溶液、その他製薬上使用できる溶媒)を加えた後、アミノ酸を添加して製造することもできる。
本発明の液体製剤に任意に含まれる成分は、添加剤溶液に予め加えても良く、抗体を溶媒に加えた後、アミノ酸と共に、又はアミノ酸の添加前後に加えることもできる。
本発明の液体製剤に任意に含まれる成分は、添加剤溶液に予め加えても良く、抗体を溶媒に加えた後、アミノ酸と共に、又はアミノ酸の添加前後に加えることもできる。
本発明における液体製剤は、例えば注射剤(皮下注射、静脈注射、筋肉注射等)、経皮、経粘膜、経鼻、経肺で投与することができる。
皮下注射を行うときには、1回あたりの組換えモノクローナル抗体投与量が150mg/mL〜200mg/mL等と大量となる一方で、注射液量の制限がある。本発明における液体製剤は、150mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有し、かつ皮下注射を可能にする動粘度を示すものである。そのため、本発明の効果を奏し得るという点より、本発明における、150mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する液体製剤は、皮下注射用として用いることが好ましい。皮下注射は医者をはじめとする医療従事者としての専門家が行う場合だけでなく、患者本人が行う自己注射である場合があり、民族、地域によっては、自己注射に不安を持つ患者も多く、動粘度が低く、その経時の安定性が優れていることは好ましい。また、本発明における、10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する液体製剤は、静注用製剤として用いることが好ましい。また、これら製剤の製造の際に、濃度の異なる皮下注用製剤と静注用製剤を同じ組成の溶液で調製できることは、工業的な利便性が大きい。
皮下注射を行うときには、1回あたりの組換えモノクローナル抗体投与量が150mg/mL〜200mg/mL等と大量となる一方で、注射液量の制限がある。本発明における液体製剤は、150mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有し、かつ皮下注射を可能にする動粘度を示すものである。そのため、本発明の効果を奏し得るという点より、本発明における、150mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する液体製剤は、皮下注射用として用いることが好ましい。皮下注射は医者をはじめとする医療従事者としての専門家が行う場合だけでなく、患者本人が行う自己注射である場合があり、民族、地域によっては、自己注射に不安を持つ患者も多く、動粘度が低く、その経時の安定性が優れていることは好ましい。また、本発明における、10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する液体製剤は、静注用製剤として用いることが好ましい。また、これら製剤の製造の際に、濃度の異なる皮下注用製剤と静注用製剤を同じ組成の溶液で調製できることは、工業的な利便性が大きい。
本発明における液体製剤(例えば150mg/mL〜200mg/mLの抗体濃度を有する製剤)の動粘度は、例えば、液体製剤調製直後において、6mm2/s〜15mm2/sが好ましく、7mm2/s〜14mm2/sがより好ましく、8mm2/s〜12mm2/sがより好ましい。
動粘度は、ウベローデ型粘度計(第16改正 日本薬局方 一般試験法 2.53 粘度測定法 第1法)で測定してもよい。あるいは、ガラスシリンジに注射針を装着した状態で評価試料溶液を吸引する際に押し子に発生する張力を測定し、得られた張力を、動粘度2mm2/s〜20mm2/sの粘度計校正用標準溶液(日本グリース)を同様に測定して得た張力と動粘度とから作成した検量線に当てはめ、動粘度を求めてもよい。
二量体生成物及び低分子量分解物は、例えば高速液体クロマトグラフシステム(Prominence、株式会社島津製作所製)を用いて、サイズ排除クロマトグラフィ法により測定することができる。
生物活性は、抗原への結合作用を測定し評価することができる。例えば、トシリズマブでは、トシリズマブによる可溶性IL−6レセプターへのIL−6結合阻害作用を、ELISA法を用いて測定することができる。あるいは、生物活性測定は、抗原の作用や抗原を介した生体内反応の抑制又は促進への影響を評価する。例えば、トシリズマブでは、膜結合性IL−6レセプターを介したIL−6の活性発現に及ぼすトシリズマブの影響を、IL−6依存的な細胞の増殖抑制作用から評価することができる。
脱アミド体は、例えば高速液体クロマトグラフシステム(Prominence、株式会社島津製作所製)を用いて、イオン交換クロマトグラフ法により測定することができる。
動粘度は、ウベローデ型粘度計(第16改正 日本薬局方 一般試験法 2.53 粘度測定法 第1法)で測定してもよい。あるいは、ガラスシリンジに注射針を装着した状態で評価試料溶液を吸引する際に押し子に発生する張力を測定し、得られた張力を、動粘度2mm2/s〜20mm2/sの粘度計校正用標準溶液(日本グリース)を同様に測定して得た張力と動粘度とから作成した検量線に当てはめ、動粘度を求めてもよい。
二量体生成物及び低分子量分解物は、例えば高速液体クロマトグラフシステム(Prominence、株式会社島津製作所製)を用いて、サイズ排除クロマトグラフィ法により測定することができる。
生物活性は、抗原への結合作用を測定し評価することができる。例えば、トシリズマブでは、トシリズマブによる可溶性IL−6レセプターへのIL−6結合阻害作用を、ELISA法を用いて測定することができる。あるいは、生物活性測定は、抗原の作用や抗原を介した生体内反応の抑制又は促進への影響を評価する。例えば、トシリズマブでは、膜結合性IL−6レセプターを介したIL−6の活性発現に及ぼすトシリズマブの影響を、IL−6依存的な細胞の増殖抑制作用から評価することができる。
脱アミド体は、例えば高速液体クロマトグラフシステム(Prominence、株式会社島津製作所製)を用いて、イオン交換クロマトグラフ法により測定することができる。
以下の実施例により本発明を更に詳述するが、本発明はこれら実施例に限定して理解されるべきものではない。本明細書で、%の表示は特に記載しない限り質量%である。
(実施例1)
液体製剤の安定化効果の確認
組換えモノクローナル抗体(トシリズマブとして180mg/mL)を含む液体製剤について、94mMのアミノ酸成分を含有した本発明の製剤の各pHにおける安定化に及ぼす影響を評価した。
本検討では、液体製剤の安定化効果を確認するために、No.1〜No.5の評価試料を調製した。各評価試料の処方は以下の通りである。なお、表1及び表5中の組成における「−」は未配合を示す。また、実施例で使用したトシリズマブは、国際公開第92/019759号、国際公開第2005/090405号、国際公開第99/063058号及び国際公開第2002/072615号に記載の方法に準じ調製することができる。
液体製剤の安定化効果の確認
組換えモノクローナル抗体(トシリズマブとして180mg/mL)を含む液体製剤について、94mMのアミノ酸成分を含有した本発明の製剤の各pHにおける安定化に及ぼす影響を評価した。
本検討では、液体製剤の安定化効果を確認するために、No.1〜No.5の評価試料を調製した。各評価試料の処方は以下の通りである。なお、表1及び表5中の組成における「−」は未配合を示す。また、実施例で使用したトシリズマブは、国際公開第92/019759号、国際公開第2005/090405号、国際公開第99/063058号及び国際公開第2002/072615号に記載の方法に準じ調製することができる。
液体製剤の安定性を評価するために、各評価試料を2mLガラスバイアルに0.5mL充填して、各評価試料の熱加速試験(60℃−2週間、50℃−2週間及び40℃−4週間保存)を行った。そして、熱加速前後における組換えモノクローナル抗体の純度を、サイズ排除クロマトグラフ法(SEC)及びイオン交換クロマトグラフ法(IEX)で確認した。また、液体製剤の使用性を動粘度により評価した。サイズ排除クロマトグラフ法(SEC)、イオン交換クロマトグラフ法(IEX)及び動粘度の分析条件は以下の通りである。
[サイズ排除クロマトグラフ法]
評価試料を移動相でタンパク質濃度が1mg/mLとなるように希釈し評価試料溶液とした。
評価試料溶液20μLにつき、以下の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、高分子画分、メイン画分、低分子画分のピーク面積を自動分析法により測定し、その量(%)を求めた。
評価試料を移動相でタンパク質濃度が1mg/mLとなるように希釈し評価試料溶液とした。
評価試料溶液20μLにつき、以下の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、高分子画分、メイン画分、低分子画分のピーク面積を自動分析法により測定し、その量(%)を求めた。
分析条件
カラム:TSKgel G3000SWxl 7.8mm I.D. × 30 cm (東ソー製)
ガードカラム:TSKgel guard column SWXL 6.0mm I.D. × 4cm(東ソー製)
移動相:pH6.8のリン酸緩衝液(300mmol/L塩化ナトリウムを含むpH6.8の20mmol/Lリン酸緩衝液)
評価試料注入量:組換えモノクローナル抗体にして約20μg
流量:0.5mL/min
検出波長:280nm
カラム:TSKgel G3000SWxl 7.8mm I.D. × 30 cm (東ソー製)
ガードカラム:TSKgel guard column SWXL 6.0mm I.D. × 4cm(東ソー製)
移動相:pH6.8のリン酸緩衝液(300mmol/L塩化ナトリウムを含むpH6.8の20mmol/Lリン酸緩衝液)
評価試料注入量:組換えモノクローナル抗体にして約20μg
流量:0.5mL/min
検出波長:280nm
計算式
各ピークの合計面積=メイン画分のピーク面積+高分子画分のピーク面積+低分子画分のピーク面積
高分子画分(%)=(高分子画分の各ピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
低分子画分(%)=(低分子画分の各ピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
各ピークの合計面積=メイン画分のピーク面積+高分子画分のピーク面積+低分子画分のピーク面積
高分子画分(%)=(高分子画分の各ピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
低分子画分(%)=(低分子画分の各ピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
[イオン交換クロマトグラフ法]
評価試料を移動相Aでタンパク質濃度が2mg/mLとなるように希釈し評価試料溶液とした。
評価試料溶液20μLにつき、以下の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、酸性画分、メイン画分、塩基性画分のピーク面積を自動分析法により測定し、その量(%)を求めた。
評価試料を移動相Aでタンパク質濃度が2mg/mLとなるように希釈し評価試料溶液とした。
評価試料溶液20μLにつき、以下の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、酸性画分、メイン画分、塩基性画分のピーク面積を自動分析法により測定し、その量(%)を求めた。
分析条件
カラム:WCX−10 4mm I.D. × 25cm (Thermo Fisher Scientific)
ガードカラム:WCX−10G 4mm I.D. × 5cm(Thermo Fisher Scientific)
移動相A:pH7.0のリン酸緩衝液(pH7.0の10mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液)
移動相B:pH7.0のリン酸緩衝液(500mmol/L塩化ナトリウムを含むpH7.0の10mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液)
評価試料注入量:組換えモノクローナル抗体にして約40μg
流量:1.0mL/min
検出波長:280nm
カラム:WCX−10 4mm I.D. × 25cm (Thermo Fisher Scientific)
ガードカラム:WCX−10G 4mm I.D. × 5cm(Thermo Fisher Scientific)
移動相A:pH7.0のリン酸緩衝液(pH7.0の10mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液)
移動相B:pH7.0のリン酸緩衝液(500mmol/L塩化ナトリウムを含むpH7.0の10mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液)
評価試料注入量:組換えモノクローナル抗体にして約40μg
流量:1.0mL/min
検出波長:280nm
計算式
各ピークの合計面積=メイン画分のピーク面積+酸性画分の各ピーク面積+各塩基性画分のピーク面積
酸性画分(%)=(各酸性画分のピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
塩基性画分(%)=(各塩基性画分のピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
各ピークの合計面積=メイン画分のピーク面積+酸性画分の各ピーク面積+各塩基性画分のピーク面積
酸性画分(%)=(各酸性画分のピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
塩基性画分(%)=(各塩基性画分のピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
評価試料をそのまま評価試料溶液とした。
ガラスシリンジ(0.25mL)に注射針(22G×1)を装着した状態で評価試料溶液を吸引する際に押し子に発生する張力を測定した。得られた張力を、動粘度2mm2/s〜20mm2/sの粘度計校正用標準溶液(日本グリース)を同様に測定して得た張力と動粘度とから作成した検量線に当てはめ、動粘度を求めた。動粘度の測定温度は、20℃とした。
ガラスシリンジ(0.25mL)に注射針(22G×1)を装着した状態で評価試料溶液を吸引する際に押し子に発生する張力を測定した。得られた張力を、動粘度2mm2/s〜20mm2/sの粘度計校正用標準溶液(日本グリース)を同様に測定して得た張力と動粘度とから作成した検量線に当てはめ、動粘度を求めた。動粘度の測定温度は、20℃とした。
本実施例で得られたサイズ排除クロマトグラフ法の評価結果を表2に、イオン交換クロマトグラフ法の評価結果を表3に、動粘度の評価結果を表4に示した。
94mMのアミノ酸成分を含有し、pHを6に調整した処方(評価試料No.5)は、アミノ酸量の合計量もヒスチジン成分の含有量も少ないにもかかわらず、60℃で2週間、50℃で2週間及び40℃で4週間保存した熱加速試験において、二量体等を含む高分子画分及び分解物等を含む低分子画分の量が、アミノ酸の合計量もヒスチジン成分の含有量も多く使っている評価試料No.1に比べて同程度であった。
タンパク質製剤の安定性に悪影響を与える脱アミド反応の生成物である脱アミド体は、イオン交換クロマトグラフ法における酸性分画に検出される。評価試料No.5は、イオン交換クロマトグラフ法における脱アミド体を含む酸性画分の増加が、評価試料No.1と同様に抑制されていることが確認された。また評価試料No.5は、イオン交換クロマトグラフ法における塩基性画分についても、評価試料No.1と同等程度に増加が抑制されていることが確認された。これは分解物生成が低減し、安定性が向上していると考えられる。 また、pHを5に調整した処方(評価試料No.2)及びpHを6.8に調製した処方(評価試料No,3及び4)では、二量体を含む高分子画分の評価試料No.5に比べると増加傾向を認め、脱アミド体等を含む酸性画分にも増加傾向を認めたため、pHの範囲は重要な管理項目であることが明らかになった。特に、例えば60℃などの苛酷条件では、例えばpH5.0などの酸性条件において、高分子画分の増加及び塩基性画分の増加が確認され、安定性悪化の傾向が認められた。
ヒスチジンの添加の有無を比較した処方(評価試料No.3及び4)の評価結果から、ヒスチジン成分は期待するpH範囲に液体製剤のpHを調整する点から、重要な成分であることが明らかになった。
また、評価試料No.5の動粘度は、評価試料No.1の動粘度に比べて低く、その変化も小さいので、皮下注射を行うときの使用性が向上していた。
このように、アミノ酸成分の含有量を94mM以下にしても、pHを5.5〜6.7の範囲内に調整することにより皮下注射可能な動粘度を示す液体製剤を調製し得ることが明らかになった。
タンパク質製剤の安定性に悪影響を与える脱アミド反応の生成物である脱アミド体は、イオン交換クロマトグラフ法における酸性分画に検出される。評価試料No.5は、イオン交換クロマトグラフ法における脱アミド体を含む酸性画分の増加が、評価試料No.1と同様に抑制されていることが確認された。また評価試料No.5は、イオン交換クロマトグラフ法における塩基性画分についても、評価試料No.1と同等程度に増加が抑制されていることが確認された。これは分解物生成が低減し、安定性が向上していると考えられる。 また、pHを5に調整した処方(評価試料No.2)及びpHを6.8に調製した処方(評価試料No,3及び4)では、二量体を含む高分子画分の評価試料No.5に比べると増加傾向を認め、脱アミド体等を含む酸性画分にも増加傾向を認めたため、pHの範囲は重要な管理項目であることが明らかになった。特に、例えば60℃などの苛酷条件では、例えばpH5.0などの酸性条件において、高分子画分の増加及び塩基性画分の増加が確認され、安定性悪化の傾向が認められた。
ヒスチジンの添加の有無を比較した処方(評価試料No.3及び4)の評価結果から、ヒスチジン成分は期待するpH範囲に液体製剤のpHを調整する点から、重要な成分であることが明らかになった。
また、評価試料No.5の動粘度は、評価試料No.1の動粘度に比べて低く、その変化も小さいので、皮下注射を行うときの使用性が向上していた。
このように、アミノ酸成分の含有量を94mM以下にしても、pHを5.5〜6.7の範囲内に調整することにより皮下注射可能な動粘度を示す液体製剤を調製し得ることが明らかになった。
(実施例2)
アミノ酸成分の含有量をより低減した場合の安定性効果の確認
アミノ酸成分の含有量を94mMよりさらに低減させた場合の組換えモノクローナル抗体(トシリズマブとして180mg/mL)を含む液体製剤について、安定化効果を評価した。
本検討では、アミノ酸成分濃度をより低減させる可能性を評価するため、評価試料No.6−1〜No.8を調製した。各評価試料の処方は以下の通りである。
アミノ酸成分の含有量をより低減した場合の安定性効果の確認
アミノ酸成分の含有量を94mMよりさらに低減させた場合の組換えモノクローナル抗体(トシリズマブとして180mg/mL)を含む液体製剤について、安定化効果を評価した。
本検討では、アミノ酸成分濃度をより低減させる可能性を評価するため、評価試料No.6−1〜No.8を調製した。各評価試料の処方は以下の通りである。
液体製剤の安定性を評価するために、各評価試料を2mLガラスバイアルに0.5mL充填して、各評価試料の熱加速試験(60℃−1週間、50℃−2週間、40℃−8週間及び25℃−4ヶ月保存)を行った。熱加速前後における組換えモノクローナル抗体の純度を、サイズ排除クロマトグラフ法及びイオン交換クロマトグラフ法により評価し、また、その使用性を動粘度により評価した。分析条件は、実施例1に示した通りである。
本実施例で得られたサイズ排除クロマトグラフ法の評価結果を表6に、イオン交換クロマトグラフ法の評価結果を表7に、動粘度の評価結果を表8に示した。
いずれの処方も、表6に示すように、実施例1に示したアミノ酸成分濃度が94mMよりアミノ酸含量が多い評価試料(評価試料No.1)と比較すると、サイズ排除クロマトグラフ法の評価において、熱安定性が同一条件の試験である50℃−2週間の評価から見て、二量体等を含む高分子画分の増加が抑制され得ることが確認された。また分解物等を含む低分子画分についても、高分子画分と同様に増加が抑制されることが確認された。
この結果より、アミノ酸成分の含有量を93mM以下にすることにより、液体製剤中の二量体生成及び分解物生成が十分に抑制され得ることが明らかになった。
また、表7に示すように、評価試料No.1と比較し、脱アミド体が含まれる酸性画分の生成抑制効果が熱安定性が同一条件の試験である50℃−2週間の評価から見てさらに改善されることが確認できた。同様に塩基性画分生成抑制効果も、改善されることが確認できた。なお、動粘度については、いずれの評価試料も著しい増加を認めておらず、皮下注射を行う上で問題ない使用性を示すことが確認された。
アミノ酸成分濃度を90mMから更に低減させた処方(評価試料No.7及び8)の評価結果から、アミノ酸成分濃度を90mMから更に下げることで、加速条件において、サイズ排除クロマトグラフ法の評価における二量体を含む高分子画分の増加傾向を認めたが、スクロース(精製白糖)を加えることで、増加効果を抑制できることが確認された。
さらに、55.66mg/mLのスクロースを加えても、動粘度に著しい増加を認めておらず、皮下注射を行う上で、問題のない使用性を示すことが確認された。アミノ酸成分とスクロースとを組み合わせることにより、二量体生成を抑制し得る効果を奏し得ることが明らかになった。
この結果より、アミノ酸成分の含有量を93mM以下にすることにより、液体製剤中の二量体生成及び分解物生成が十分に抑制され得ることが明らかになった。
また、表7に示すように、評価試料No.1と比較し、脱アミド体が含まれる酸性画分の生成抑制効果が熱安定性が同一条件の試験である50℃−2週間の評価から見てさらに改善されることが確認できた。同様に塩基性画分生成抑制効果も、改善されることが確認できた。なお、動粘度については、いずれの評価試料も著しい増加を認めておらず、皮下注射を行う上で問題ない使用性を示すことが確認された。
アミノ酸成分濃度を90mMから更に低減させた処方(評価試料No.7及び8)の評価結果から、アミノ酸成分濃度を90mMから更に下げることで、加速条件において、サイズ排除クロマトグラフ法の評価における二量体を含む高分子画分の増加傾向を認めたが、スクロース(精製白糖)を加えることで、増加効果を抑制できることが確認された。
さらに、55.66mg/mLのスクロースを加えても、動粘度に著しい増加を認めておらず、皮下注射を行う上で、問題のない使用性を示すことが確認された。アミノ酸成分とスクロースとを組み合わせることにより、二量体生成を抑制し得る効果を奏し得ることが明らかになった。
(実施例3)
液体製剤の安定化効果の確認
組換えモノクローナル抗体(トシリズマブとして20mg/mL)を含む液体製剤について、94mMのアミノ酸成分を含有した本発明の製剤の、各pHにおける安定化に及ぼす影響を評価する。
本検討では、液体製剤の安定化効果を確認するために、No.9〜No.15の評価試料を調製する。各評価試料の処方は以下の通りである。なお、表9及び表10中の組成における「−」は未配合を示す。また、実施例で使用したトシリズマブは、国際公開第92/019759号、国際公開第2005/090405号、国際公開第99/063058号及び国際公開第2002/072615号に記載の方法に準じ調製することができる。
液体製剤の安定化効果の確認
組換えモノクローナル抗体(トシリズマブとして20mg/mL)を含む液体製剤について、94mMのアミノ酸成分を含有した本発明の製剤の、各pHにおける安定化に及ぼす影響を評価する。
本検討では、液体製剤の安定化効果を確認するために、No.9〜No.15の評価試料を調製する。各評価試料の処方は以下の通りである。なお、表9及び表10中の組成における「−」は未配合を示す。また、実施例で使用したトシリズマブは、国際公開第92/019759号、国際公開第2005/090405号、国際公開第99/063058号及び国際公開第2002/072615号に記載の方法に準じ調製することができる。
液体製剤の安定性を評価するために、各評価試料を2mLガラスバイアルに0.5mL充填して、各評価試料の熱加速試験(60℃−2週間、50℃−2週間及び40℃−4週間保存)を行う。そして、熱加速前後における組換えモノクローナル抗体の純度を、サイズ排除クロマトグラフ法(SEC)及びイオン交換クロマトグラフ法(IEX)で確認する。また、液体製剤の使用性を動粘度により評価する。サイズ排除クロマトグラフ法(SEC)、イオン交換クロマトグラフ法(IEX)及び動粘度の分析条件は以下の通りである。実施例1と同様の評価結果が期待できる。
[サイズ排除クロマトグラフ法]
評価試料を移動相でタンパク質濃度が1mg/mLとなるように希釈し評価試料溶液とする。
評価試料溶液20μLにつき、以下の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、高分子画分、メイン画分、低分子画分のピーク面積を自動分析法により測定し、その量(%)を求める。
評価試料を移動相でタンパク質濃度が1mg/mLとなるように希釈し評価試料溶液とする。
評価試料溶液20μLにつき、以下の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、高分子画分、メイン画分、低分子画分のピーク面積を自動分析法により測定し、その量(%)を求める。
分析条件
カラム:TSKgel G3000SWxl 7.8mm I.D. × 30 cm (東ソー製)
ガードカラム:TSKgel guard column SWXL 6.0mm I.D. × 4cm(東ソー製)
移動相:pH6.8のリン酸緩衝液(300mmol/L塩化ナトリウムを含むpH6.8の20mmol/Lリン酸緩衝液)
評価試料注入量:組換えモノクローナル抗体にして約20μg
流量:0.5mL/min
検出波長:280nm
カラム:TSKgel G3000SWxl 7.8mm I.D. × 30 cm (東ソー製)
ガードカラム:TSKgel guard column SWXL 6.0mm I.D. × 4cm(東ソー製)
移動相:pH6.8のリン酸緩衝液(300mmol/L塩化ナトリウムを含むpH6.8の20mmol/Lリン酸緩衝液)
評価試料注入量:組換えモノクローナル抗体にして約20μg
流量:0.5mL/min
検出波長:280nm
計算式
各ピークの合計面積=メイン画分のピーク面積+高分子画分のピーク面積+低分子画分のピーク面積
高分子画分(%)=(高分子画分の各ピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
低分子画分(%)=(低分子画分の各ピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
各ピークの合計面積=メイン画分のピーク面積+高分子画分のピーク面積+低分子画分のピーク面積
高分子画分(%)=(高分子画分の各ピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
低分子画分(%)=(低分子画分の各ピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
[イオン交換クロマトグラフ法]
評価試料を移動相Aでタンパク質濃度が2mg/mLとなるように希釈し評価試料溶液とする。
評価試料溶液20μLにつき、以下の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、酸性画分、メイン画分、塩基性画分のピーク面積を自動分析法により測定し、その量(%)を求める。
評価試料を移動相Aでタンパク質濃度が2mg/mLとなるように希釈し評価試料溶液とする。
評価試料溶液20μLにつき、以下の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、酸性画分、メイン画分、塩基性画分のピーク面積を自動分析法により測定し、その量(%)を求める。
分析条件
カラム:WCX−10 4mm I.D. × 25cm (Thermo Fisher Scientific)
ガードカラム:WCX−10G 4mm I.D. × 5cm(Thermo Fisher Scientific)
移動相A:pH7.0のリン酸緩衝液(pH7.0の10mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液)
移動相B:pH7.0のリン酸緩衝液(500mmol/L塩化ナトリウムを含むpH7.0の10mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液)
評価試料注入量:組換えモノクローナル抗体にして約40μg
流量:1.0mL/min
検出波長:280nm
カラム:WCX−10 4mm I.D. × 25cm (Thermo Fisher Scientific)
ガードカラム:WCX−10G 4mm I.D. × 5cm(Thermo Fisher Scientific)
移動相A:pH7.0のリン酸緩衝液(pH7.0の10mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液)
移動相B:pH7.0のリン酸緩衝液(500mmol/L塩化ナトリウムを含むpH7.0の10mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液)
評価試料注入量:組換えモノクローナル抗体にして約40μg
流量:1.0mL/min
検出波長:280nm
計算式
各ピークの合計面積=メイン画分のピーク面積+酸性画分の各ピーク面積+各塩基性画分のピーク面積
酸性画分(%)=(各酸性画分のピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
塩基性画分(%)=(各塩基性画分のピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
各ピークの合計面積=メイン画分のピーク面積+酸性画分の各ピーク面積+各塩基性画分のピーク面積
酸性画分(%)=(各酸性画分のピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
塩基性画分(%)=(各塩基性画分のピーク面積の合計/各ピークの合計面積)×100
[動粘度測定法]
評価試料をそのまま評価試料溶液とする。
ガラスシリンジ(0.25mL)に注射針(22G×1)を装着した状態で評価試料溶液を吸引する際に押し子に発生する張力を測定する。得られた張力を、動粘度2mm2/s〜20mm2/sの粘度計校正用標準溶液(日本グリース)を同様に測定して得た張力と動粘度とから作成した検量線に当てはめ、動粘度を求める。動粘度の測定温度は、20℃とする。
評価試料をそのまま評価試料溶液とする。
ガラスシリンジ(0.25mL)に注射針(22G×1)を装着した状態で評価試料溶液を吸引する際に押し子に発生する張力を測定する。得られた張力を、動粘度2mm2/s〜20mm2/sの粘度計校正用標準溶液(日本グリース)を同様に測定して得た張力と動粘度とから作成した検量線に当てはめ、動粘度を求める。動粘度の測定温度は、20℃とする。
(実施例4)
アミノ酸成分の含有量をより低減した場合の安定性効果の確認
アミノ酸成分の含有量を94mMよりさらに低減させた場合の組換えモノクローナル抗体(トシリズマブとして20mg/mL)を含む液体製剤について、安定化効果を評価する。
本検討では、アミノ酸成分濃度をより低減させる可能性を評価するため、評価試料No.16−1〜No.18を調製する。各評価試料の処方は以下の通りである。実施例2と同様の評価結果が期待できる。
アミノ酸成分の含有量をより低減した場合の安定性効果の確認
アミノ酸成分の含有量を94mMよりさらに低減させた場合の組換えモノクローナル抗体(トシリズマブとして20mg/mL)を含む液体製剤について、安定化効果を評価する。
本検討では、アミノ酸成分濃度をより低減させる可能性を評価するため、評価試料No.16−1〜No.18を調製する。各評価試料の処方は以下の通りである。実施例2と同様の評価結果が期待できる。
液体製剤の安定性を評価するために、各評価試料を2mLガラスバイアルに0.5mL充填して、各評価試料の熱加速試験(60℃−1週間、50℃−2週間、40℃−8週間及び25℃−4ヶ月保存)を行う。熱加速前後における組換えモノクローナル抗体の純度を、サイズ排除クロマトグラフ法及びイオン交換クロマトグラフ法により評価し、また、その使用性を動粘度により評価する。分析条件は、実施例1に示した通りである。
実施例3、4から、例えばpH5.5〜7.0と比べ、pH5.0及びpH7.2では製剤の十分な長期安定化効果が認められないことが考えられ、特定のpHで一定の安定化効果が認められることが期待される。
実施例3、4から、例えばpH5.5〜7.0と比べ、pH5.0及びpH7.2では製剤の十分な長期安定化効果が認められないことが考えられ、特定のpHで一定の安定化効果が認められることが期待される。
本発明の製剤は、長期保存時の二量体生成抑制及び脱アミド化抑制を実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤であり、製剤を低コストで提供できるので、産業上の有用性が高い。
本発明の製剤は、長期保存時の二量体生成抑制及び脱アミド化抑制を実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤であり、且つ、皮下注射を可能にする動粘度を示す組換えモノクローナル抗体含有液体製剤を低コストで提供できるので、産業上の有用性が高い。
本発明の製剤は、長期保存時の二量体生成抑制及び脱アミド化抑制を実現した安定な組換えモノクローナル抗体液体製剤であり、且つ、皮下注射を可能にする動粘度を示す組換えモノクローナル抗体含有液体製剤を低コストで提供できるので、産業上の有用性が高い。
Claims (20)
- 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、pHが5.5〜7.0である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
- 10mg/mL〜200mg/mLの組換えモノクローナル抗体と、ヒスチジン成分が5mM未満である45mM〜94mMのアミノ酸成分とを含有し、pHが5.5〜6.7である組換えモノクローナル抗体含有液体製剤。
- ヒスチジン成分以外のアミノ酸成分が、アルギニン、アルギニン塩酸塩及びメチオニンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の液体製剤。
- ヒスチジン成分が、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の液体製剤。
- 75mM〜93mMのアミノ酸成分を含有する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液体製剤。
- 90mMのアミノ酸成分を含有する請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の液体製剤。
- pHが5.8〜6.7である請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の液体製剤。
- pHが6.0〜6.5である請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の液体製剤。
- 10mg/mL〜30mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の液体製剤。
- 20mg/mLの組換えモノクローナル抗体を含有する請求項9に記載の液体製剤。
- さらにポリオールを含有する請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の液体製剤。
- さらに界面活性剤を含有する請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の液体製剤。
- 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である請求項12に記載の液体製剤。
- 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである請求項13に記載の液体製剤。
- 前記ポリソルベートが、ポリソルベート80、ポリソルベート40及びポリソルベート20からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項14に記載の液体製剤。
- 前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである請求項14に記載の液体製剤。
- 組換えモノクローナル抗体が、動物(ヒト、マウス、ラット等)由来の組換えモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、抗体断片、及び低分子化抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1ないし請求項16のいずれか1つに記載の液体製剤。
- 組換えモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスが、IgG(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgA、IgD、IgE、及びIgMからなる群から選択される少なくとも1つである請求項1ないし請求項17のいずれか1つに記載の液体製剤。
- 組換えモノクローナルの免疫グロブリンクラスが、ヒト由来のIgG1(ヒト化抗体及び完全ヒト抗体)である請求項1ないし請求項18のいずれか1つに記載の液体製剤。
- 組換えモノクローナル抗体が、トシリズマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、パリビズマブ、インフリキシマブ、バシリキシマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ベバシズマブ、イブリツモマブ チウキセタン、アダリムマブ、セツキシマブ、ラニビズマブ、オマリズマブ、エクリズマブ、パニツムマブ、ウステキヌマブ、ゴリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、モガムリズマブ、オファツムマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ エムタンシン、ブレンツキシマブ ベドチン、ナタリズマブ、ニボルマブ、アレムツズマブ、セクキヌマブ、ラムシルマブ及びイピリムマブからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1ないし請求項19のいずれか1項に記載の液体製剤。
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