JPWO2018174182A1 - 呼気測定装置 - Google Patents

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Abstract

呼気測定装置は、呼気を保持するチャンバと、基準ガスを生成する基準ガス生成器17と、チャンバ内に保持された呼気および基準ガス中の特定ガスの濃度を測定する測定器12と、ポンプ11を含み、チャンバに保持された呼気および基準ガス生成器が生成した基準ガスを選択的に測定器へ移送するガス移送器18と、ガス移送器の動作を制御する制御回路50とを備える。基準ガス生成器17は、給気口および排気口と、給気口および排気口を接続する通気経路とを有するケース19と、ケース19内の通気経路において、給気口側および排気口側にそれぞれ第1開口および第2開口を有し、通気経路に配置され、特定ガスを吸着する第1フィルタ23と、第3開口および第4開口を有し、第4開口がケースの給気口に接続された供給管29とを含み、供給管の第3開口から第1フィルタの第1開口までの距離は、第1フィルタの第1開口と第2開口との間の距離よりも長い。

Description

本開示は、例えば、喘息検出、肺機能検出などを行う際に使用する呼気測定装置に関する。
被検者の呼気に含まれる特定ガスを検出し、疾病の診断に利用したり、肺機能の評価に利用したりするための呼気測定装置が実用化されている。例えば、特許文献1は呼気中の一酸化窒素(NO)を検出する診断用ガス分析装置を開示している。特許文献1は、呼気中の一酸化窒素量は、肺炎診断の指標、あるいは、喘息患者用の臨床使用に用いられ得ると記載している。
特表2005−538819号公報
呼気に含まれる一酸化窒素等の特定ガスの含有量は微量であるため、呼気測定装置には、高い精度を維持し、安定して特定ガスの量を検出することが求められる。本開示は、高い精度を維持し、安定して特定のガスの量を検出することが可能な呼気測定装置を提供する。
本開示の一態様による呼気測定装置は、呼気を保持するチャンバと、基準ガスを生成する基準ガス生成器と、前記チャンバ内に保持された呼気および前記基準ガス中の特定ガスのそれぞれの濃度を測定する測定器とを備え、前記基準ガス生成器は、給気口および排気口と、前記給気口および前記排気口を接続する通気経路とを有するケースと、前記ケース内の前記通気経路において、前記給気口側および前記排気口側にそれぞれ第1開口および第2開口を有し、前記通気経路に配置され、前記特定ガスを吸着する第1フィルタと、第3開口および第4開口を有し、前記第4開口が前記ケースの前記給気口に接続された供給管とを含み、前記供給管の第3開口から前記第1フィルタの第1開口までの距離は、前記第1フィルタの前記第1開口と前記第2開口との間の距離よりも長い。
本開示の呼気測定装置によれば、高い精度を維持し、安定して特定のガスの量を検出することが可能である。
図1は、本開示の呼気測定装置の実施形態の一例を示す斜視図である。 図2は、呼気測定装置の制御ブロック図の一例を示す。 図3は、呼気測定装置の本体の内部の一例を示す斜視図である。 図4は、ハンドル部の一例を示す断面図である。 図5Aは、調節器の一例を示す模式図である。 図5Bは、ゲージ圧センサを圧力センサとして用いる場合の一例を示す模式図である。 図5Cは、差圧センサを圧力センサとして用いる場合の一例を示す模式図である。 図5Dは、大気圧センサを圧力センサとして用いる場合の一例を示す模式図である。 図6は、基準ガス生成器の一例を示す断面図である。 図7は、切替器の一例を示す模式図である。 図8Aは、流量検出器の一例を示す模式図である。 図8Bは、流量検出器の一例を示す模式図である。 図9は、呼気測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図10Aは、基準ガス生成器の特性を調べた結果を示すグラフである。 図10Bは、基準ガス生成器の特性を調べた結果を示すグラフである。
本願発明者らは、呼気に含まれる特定ガスの含有量を高い精度を維持し、安定して測定し得る方法を検討した。測定の精度を高めるには、被検者の吸気中に含まれる特定ガスの量をあらかじめできるだけ低減させることが好ましい。また、吸気と同様の条件で生成した基準ガスを用意し、基準ガスを参照として、呼気中の特定のガスの含有量を測定することが考えられる。このような基準ガスを生成するためには、基準ガス中の特定ガスもできるだけ低減させることが好ましい。
空気中の特定ガスの量を低減するには、特定ガスを吸着する吸着剤が充填されたフィルタを含む基準ガス生成器を用いることが考えられる。本願発明者らがこのような、基準ガス生成器を備えた呼気測定装置を作製し、種々の条件で呼気中の特定ガスの量を測定したところ、基準ガス生成器が早期に劣化してしまう場合があることが分かった。詳細にその原因を調べた結果、呼気測定装置が使用される医療機関などでは、周囲の環境に、特定ガスを吸着する吸着剤を早期に劣化させる他のガスが存在し得ることが分かった。例えば、医療機関等では、医療機器の消毒のため、あるいは、患者の皮膚等の消毒のため、エチルアルコールが用いられる場合がある。以下、本願明細書では、エチルアルコールを単にアルコールと呼ぶ。このアルコールが呼気測定装置の保管環境や使用環境に存在すると、吸着剤がアルコールを吸着してしまい、特定ガスを吸着する能力が低下してしまうことが分かった。特に、呼気測定装置のアルコール消毒後に専用ケース等に保管した場合、専用ケース内でアルコールが気化し、一時的に高い濃度のアルコールが存在してしまうことがある。このような場合、高濃度のアルコールが吸着剤に吸着してしまい、吸着剤の特定ガスを吸着する能力が顕著に低下する恐れがある。
このような課題に鑑み、本願発明者らは新規な呼気測定装置を想到した。本開示の呼気測定装置の概要は以下の通りである。
[項目1]
呼気を保持するチャンバと、
基準ガスを生成する基準ガス生成器と、
前記チャンバ内に保持された呼気および前記基準ガス中の特定ガスのそれぞれの濃度を測定する測定器と、
を備え、
前記基準ガス生成器は、
給気口および排気口と、前記給気口および前記排気口を接続する通気経路とを有するケースと、
前記ケース内の前記通気経路において、前記給気口側および前記排気口側にそれぞれ第1開口および第2開口を有し、前記通気経路に配置され、前記特定ガスを吸着する第1フィルタと、
第3開口および第4開口を有し、前記第4開口が前記ケースの前記給気口に接続された供給管と、
を含み、前記供給管の第3開口から前記第1フィルタの第1開口までの距離は、前記第1フィルタの前記第1開口と前記第2開口との間の距離よりも長い、呼気測定装置。
[項目2]
前記供給管の前記第3開口と前記第4開口との間の距離は、前記第1フィルタの前記第1開口と前記第2開口との間の距離よりも長い、項目1に記載の呼気測定装置。
[項目3]
前記供給管の前記第3開口と前記第4開口との間の距離は50mm以上である、項目1に記載の呼気測定装置。
[項目4]
前記供給管の前記第3開口と前記第4開口との間の距離は100mm以上である、項目1に記載の呼気測定装置。
[項目5]
前記供給管の流路の断面は、前記第1フィルタの第1開口と前記第2開口とを結ぶ直線に垂直な断面よりも小さい、項目1に記載の呼気測定装置。
[項目6]
前記供給管の内径は5mm以下である、項目1に記載の呼気測定装置。
[項目7]
前記供給管は、樹脂によって構成されている、項目1に記載の呼気測定装置。
[項目8]
前記樹脂はフッ素樹脂である、項目7に記載の呼気測定装置。
[項目9]
前記基準ガス生成器は前記ケース内の前記給気口と前記第1開口との間に配置された逆止弁を有する、項目1に記載の呼気測定装置。
[項目10]
ポンプを含み、前記チャンバに保持された前記呼気および前記基準ガス生成器が生成した前記基準ガスを選択的に前記測定器へ移送するガス移送器と、
前記ガス移送器の動作を制御する制御回路と、
を備えた、項目1に記載の呼気測定装置。
[項目11]
呼気および吸気が通過する開口と、
吸入孔を有し、前記開口と前記吸入孔とを接続する吸気経路と、
前記吸気経路中に位置し、特定ガスを吸着する第2フィルタと、
排出孔を有し、前記開口と前記排出孔とを接続する呼気経路と、
を含む呼気生成ユニットをさらに備え、
前記排出孔から送出される呼気が前記チャンバに導入される、項目10に記載の呼気測定装置。
[項目12]
前記チャンバと、前記基準ガス生成器と、前記測定器と、前記ガス移送器と、前記制御回路とを収納する主筐体をさらに備え、
前記呼気生成ユニットは、前記主筐体に取り付けられている、項目11に記載の呼気測定装置。
[項目13]
被検者が把持可能な副筐体を含むハンドル部をさらに備え、
前記呼気生成ユニットは前記副筐体に収納されている、項目11に記載の呼気測定装置。
[項目14]
前記呼気が導入される導入口を有し、前記チャンバと接続される導入経路と、
前記導入経路を流れる呼気の流量を調節する流量調節器と、
前記導入経路の圧力を測定する圧力センサと、
をさらに備え、
前記制御回路は、前記圧力センサの出力に基づき、前記流量調節器を制御する、項目10に記載の呼気測定装置。
[項目15]
前記ガス移送器は、前記チャンバと接続された第1経路および前記ポンプと接続された第2経路を切り替えて、前記ポンプと接続された第3経路に接続する切替器と、
前記第3経路を流れる前記呼気または前記基準ガスの流量を測定する流量検出器と
をさらに含み、
前記制御回路は、前記切替器を制御し、前記流量検出器の出力に基づき前記ポンプを制御する項目10に記載の呼気測定装置。
以下、図面を参照しながら、本開示の呼気測定装置の一実施形態を説明する。本開示の呼気測定装置は、例えば、呼気中の一酸化窒素の濃度を測定する。本実施形態において、吸気とは、被検者が息を吸うことによって吸い込まれる空気または被検者の吸い込み動作によって移動する空気をいう。また、呼気とは、被検者が息を吐くことによって、被検者から排出された気体をいう。
図1は、呼気測定装置1の外観を示す斜視図である。呼気測定装置1は、例えば、ハンドル部2と、本体4とハンドル部2と本体4とを接続するハンドルチューブ3とを備える。
被検者はハンドル部2を手に持ち、息を吐いた後に、ハンドル部2の開口5を口に当て、この状態で、息を吸い込む。その後、息を吐くことによって、開口5から呼気がハンドル部2に流入し、ハンドルチューブ3を介して本体4に呼気が導入される。本体4は、呼気中の一酸化窒素濃度を測定し、測定結果を本体4の表示装置14に表示する。
[呼気測定装置1の構造]
図2は、本体4の制御ブロック図である。図2において、太い矢印は、ガスが移動する流路および移動方向を模式的に示している。図3は、本体4の内部を示す斜視図である。本体4の各構成要素は、主筐体41に収納されている。本体4は、圧力センサ6と、流量調節器7と、チャンバ8と、測定器12と、入力装置13と、表示装置14と、電源スイッチ15と、メモリ16と、基準ガス生成器17と、切替器9、流量検出器10およびポンプ11を含むガス移送器18と、制御回路(制御装置)50とを備える。
呼気測定装置1は制御回路50により制御される。制御回路50は、たとえば呼気測定装置1に設けられたCPUなど、情報処理を行う演算処理回路を備えた電子部品を含む。マイクロコンピュータとも呼ばれる。制御回路50は、メモリ16に読み込まれたコンピュータプログラムを実行することにより、コンピュータプログラムの手順にしたがって他の構成要素に命令を送る。その命令を受けた各構成要素は、本明細書において説明されるように動作する。コンピュータプログラムの手順は後述する。
入力装置13は被検者等、呼気測定装置1を操作する者が制御回路50に情報を入力するデバイスであり、例えば、表示装置14に一体的に設けられたタッチスクリーンなどである。電源スイッチ15は、例えば、主筐体41に設けられている。
なお、コンピュータプログラムが読み込まれたメモリは、揮発性であってもよいし、不揮発性であってもよい。揮発性メモリ(RAM)は、電力を供給しなければ記憶している情報を保持できないRAMである。たとえば、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)は、典型的な揮発性RAMである。不揮発性RAMは、電力を供給しなくても情報を保持できるRAMである。たとえば、磁気抵抗RAM(MRAM)、抵抗変化型メモリ(ReRAM)、強誘電体メモリ (FeRAM)は、不揮発性RAMの例である。本実施の形態においては、不揮発性RAMが採用されることが好ましい。揮発性RAMおよび不揮発性RAMはいずれも、一時的でない(non-transitory)、コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例である。また、ハードディスクのような磁気記録媒体や、光ディスクのような光学的記録媒体も一時的でない、コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例である。すなわち本開示にかかるコンピュータプログラムは、コンピュータプログラムを電波信号として伝搬させる、大気などの媒体(一時的な媒体)以外の、一時的でない種々のコンピュータ読み取り可能な媒体に記録され得る。以下各構成要素を詳細に説明する。
(ハンドル部2)
ハンドル部2は、被検者の呼気を生成する呼気生成ユニットである。本実施形態では、呼気生成ユニットは、ハンドル部2として本体4とは別の筐体に収納されている。図4は、ハンドル部2の一例の模式的な断面を示す。ハンドル部2は、副筐体31と、吸気経路32と、呼気経路33と第2フィルタ34とを含む。副筐体31は、例えば、被検者が把持可能な外形を有している。具体的には、副筐体31は、例えば、片方の手のひらで握ることができる略円筒状の外形を有し、円筒状の副筐体31の一端に、吸入孔36および排出孔37が設けられている。また、円筒状の副筐体31の他端には、被検者の吸気および呼気が通過する開口5が設けられている。吸気経路32は、開口5と吸入孔36とを接続しており、吸気経路32中に第2フィルタ34が配置されている。呼気経路33は、開口5と排出孔37とを接続している。吸気経路32および呼気経路33は、例えば、副筐体31を構成する部材等によって区画されている。
被検者が副筐体31の開口5の設けられた面を口に当てて息を吸い込むことにより、吸気(空気)が、吸気経路32に導入される。
吸気経路32中に挿入された第2フィルタ34は、開口34a、34cおよびワンウエイバルブ35A、35Bを有する。被検者がハンドル部2を使用していない状態では、ワンウエイバルブ35A、35Bは、開口34a、34cをそれぞれ閉塞している。
被検者が息を吸い込むことによって、ワンウエイバルブ35A、35Bがそれぞれ開口34a、35cを開放放し、吸気経路32内の吸気は、開口34aから第2フィルタ34内に導入される。第2フィルタ34は、特定ガスを吸着する吸着剤34bを含み、吸気が吸着剤34bを通過する際に吸気中の特定ガスを吸着する。本実施形態では特定ガスは一酸化窒素であり、吸気中の一酸化窒素が吸着剤34bに吸着する。一酸化窒素が所定の濃度以下で除去された吸気は、ワンウエイバルブ35が設けられた開口34cから第2フィルタ34の外へ排出され、開口5から被検者の体内に吸い込まれる。
被検者が息を吸い込んだ後、息を吐くことによって、呼気が開口5から呼気経路33に導入される。本実施形態では、開口5は、吸気および呼気が通過する。これは、吸気経路32および呼気経路33の少なくとも一部が共通していることを意味する。本実施形態では、吸気経路32のワンウエイバルブ35と接する領域から開口5までの領域が呼気経路33と共通経路である。つまり、呼気経路33に導入された呼気はワンウエイバルブ35と接する。しかし、呼気経路33と第2フィルタ34の内部との圧力差によって、ワンウエイバルブ35は開口34cを閉塞し、呼気は第2フィルタ34へは流入しない。呼気経路33を通過する呼気は、排出孔37からハンドル部2の外部へ放出される。排出孔37には、ハンドルチューブ3が接続されており、ハンドルチューブ3によって呼気が本体4へ導入される。
ハンドル部2が本体4と別体で構成されているため、被検者が呼気の測定を行う場合には、ハンドル部2だけを保持して呼気を生成すればよい。このため、被検者は本体4を持たなくてよく、検査時の被検者の負担が軽減される。また、本体4の表示装置14に表示される情報が見やすいように本体4の位置を比較的自由に決定し得るため、操作性に優れる。また、本実施形態では、呼気を生成するために被検者が吸い込む空気、つまり、吸気から一酸化窒素を除去している。測定すべき一酸化窒素を吸気からできるだけ取り除くことによって測定環境による測定への影響を抑制することが可能となる。
第2フィルタ34の吸着性能が低下した場合には、ハンドル部2全体を交換するように、ハンドル部2を構成してもよいし、第2フィルタ34のみを交換するようにハンドル部2を構成することも可能である。
本実施形態では、呼気生成ユニットは、本体4と分離した副筐体31を含むハンドル部2として構成しているが、例えば、呼気生成ユニットは、本体4と一体的に構成されていたり、本体4に着脱可能に取り付けられ、支持されるマウスピースとして構成されていてもよい。この場合には、被検者は本体4を手で支持し、本体4に取り付けられたマウスピースを口に当てることによって測定を行うことができる。
(チャンバ8)
チャンバ8はハンドル部2によって生成した呼気を一時的に保持する空間を有する。ハンドルチューブ3から本体4へ導入された呼気は、被検者が吐き出す呼気の圧力によって、導入経路51を介してチャンバ8へ移送される。チャンバ8の空間は特定ガスの濃度を測定するのに十分な容積を有している。チャンバ8、ハンドル部2、ハンドルチューブ3、導入経路51は測定前には、外部の環境と同じ空気で満たされている。このため、チャンバ8は排出口を有し、被検者が一定時間息を吐き続けることによって、まずこれらの部分を満たしていた空気がチャンバ8の排出口から排出され、その後、呼気でチャンバ8が満たされる。
(流量調節器7)
呼気を生成する際、被検者が息を吐きだす強さ(圧力)及び流量によって、呼気中の特定ガスの濃度が変わり得る。できるだけ一定の条件で測定を行うためには、ある一定範囲の圧力と流量で呼気を生成するように、呼気の流量を調整する構造がチャンバ8につながる導入経路51に設けられていることが好ましい。このために、本実施形態では、本体4は、流量調節器7と圧力センサ6とを含み、導入経路51の圧力を圧力センサ6で検出し、検出結果に基づき流量調節器7が導入経路51を流れる呼気の流量を調節する。
図5Aは流量調節器7の構造の一例を示す模式図である。流量調節器7は、テーパー部52aを有する調整弁52および駆動装置53を含む。導入経路51の途中には調整孔51aが設けられており、調整孔51aの開口に、調整弁52のテーパー部52aが挿入されており、駆動装置53が調整弁52を移動させることによって、テーパー部52aが開口の大きさを調節し、導入経路51を流れる呼気の流量を調節する。駆動装置53は、モータ、圧電素子等である。流量調節器7は電磁弁であってもよい。
(圧力センサ6)
圧力センサ6は導入経路51の圧力を検出する。圧力センサには種々のタイプの圧力センサを用いることができる。また、圧力センサ6が検出する導入経路51の圧力は、本体4に呼気が導入される導入口と流量調節器7との間に位置するポート51bと流量調節器7とチャンバ8との間に位置するポート51cの2か所であってもよいし、本体4に呼気が導入される導入口と流量調節器7との間に位置するポート51bの1か所だけであってもよい。
具体的には、圧力センサ6は、ゲージ圧センサ、差圧センサ、大気圧センサなどであってよい。図5Bは、ゲージ圧センサで圧力を測定する場合の構成を模式的に示す。ゲージ圧センサは、圧力センサに接続された空間と大気圧との差分を測定する。この場合、圧力センサ6は、ポート51bを用いて導入経路51の圧力を測定してもよいし、ポート51bとポート51cを用いて圧力を測定してもよい。
図5Cは、差圧センサで圧力を測定する場合の構成を模式的に示す。差圧センサは、圧力センサに接続された2つの空間の圧力差を測定する。この場合、圧力センサ6は、ポート51bおよびポート51cを測定する。
図5Dは、大気圧センサで圧力を測定する場合の構成を模式的に示す。大気圧センサは、圧力センサに接続された空間の大気圧を測定する。この場合、圧力センサ6は、ポート51bを用いて導入経路51の圧力を測定してもよいし、ポート51bとポート51cを用いて圧力を測定してもよい。
(基準ガス生成器17)
基準ガス生成器17は、基準ガスを生成する。基準ガスは、被検者が吸い込む吸気と同様の環境の空気であることが好ましい。これにより、測定すべき特定ガス以外の条件をできるだけ揃えることが可能となり、特定ガス以外の条件による測定への影響をできるだけ低減することができる。より具体的には、基準ガス生成器17は、測定時の呼気測定装置1の周囲の環境から取得され、特定ガスが除去された空気を基準ガスとして生成し得ることが好ましい。
図3に示すように、基準ガス生成器17は、本体4の内部に配置されている。基準ガス生成器17の近傍の本体4の側面には、外気孔41aが複数個設けられている。この外気孔41aを介して外気を測定装置本体4内部に取り込み、測定装置本体4内部の測定環境(例えば、温度および湿度)と外部の環境を一致させている。
図6は、基準ガス生成器17の断面図である。基準ガス生成器17は、細長い円筒状のケース19と、第1フィルタ23と、供給管29とを含む。ケース19は、長手方向の両端に、給気口20および排気口21を有している。給気口20および排気口21は、ケース19の内径よりも小径に形成されている。ケース19は、給気口20および排気口21を接続する通気経路22を有している。給気口20の外面側の周囲には、外方に突出した円筒状の取付部28が設けられている。
通気経路22には、第1フィルタ23が配置されている。第1フィルタ23は、本実施形態では、円筒形状を有し、給気口20側に配置された通気性を有するパッキン24と、排気口21側に配置された通気性を有するパッキン25と、パッキン24とパッキン25の間に充填された、特定ガスを吸着する吸着剤26とを含む。パッキン24の給気口20側の面を第1開口24aと呼び、パッキン25の排気口21側の面を第2開口25aと呼ぶ。
また、ケース19内の給気口20とパッキン24の第1開口24aとの間には、逆止弁27が設けられている。逆止弁27は、一対の薄いゴム板で構成され、パッキン24側の端部が開閉する。具体的には、給気口20から第1フィルタ23へ空気が移動する際、逆止弁27の一対の薄いゴム板は、間隔が広がるように変形する。これにより、逆止弁27は開いた状態となる。一方、第1フィルタ23から給気口20へ空気が流れようとした場合、一対の薄いゴム板は接するように変形する。これにより、逆止弁27は閉じた状態となる。
逆止弁27は図6に示すように、第1開口24a側の圧力と給気口20側の圧力とが等しい場合、つまり上述した2方向の空気の移動がない場合、一対の薄いゴム板の先端は間隙を隔てて離間している。つまり、空気の移動がない場合、一対の薄いゴム板は接していない。この構造を逆止弁27が有することによって、高湿の空気を基準ガス生成器17が吸い込んだ場合にでも、一対の薄いゴム板が湿度で張り付くことが抑制される。
供給管29は、第3開口29aおよび第4開口29bを有し、第4開口29bがケースの取付部28に挿入されることによって、第4開口29bが給気口20に接続されている。以下において詳述するように、供給管29の第3開口29aから第1フィルタ23の第1開口24aまでの距離は、第1フィルタの第1開口24aと第2開口25aとの間の距離よりも長い。また、供給管29の第3開口29aと第4開口29bとの間の距離も第1フィルタの第1開口24aと第2開口25aとの間の距離よりも長い。
好ましくは、供給管29の第3開口29aと第4開口29bとの間の距離は50mm以上であり、より好ましくは、100mm以上である。
供給管29の流路の断面は、第1フィルタの第1開口24aと第2開口25aとを結ぶ直線、つまり、長手方向に垂直な断面よりも小さい。好ましくは、供給管29の内径は5mm以下である。
供給管29は樹脂によって構成されている。好ましくは、ガス透過性の低い樹脂によって構成されている。例えば、供給管29は、ソフトウレタン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂等によって構成されていることが好ましい。
基準ガス生成器17が供給管29を備えることによって、呼気測定装置1がアルコールなどを含む環境下で保管された場合でも第1フィルタ23の劣化が抑制される。このため、高い精度で測定が可能な期間をより長くすることができ、高い精度を維持し、安定して特定のガスの量を検出することが可能な呼気測定装置を実現し得る。
(ガス移送器18)
ガス移送器18は、チャンバ8に保持された呼気および基準ガス生成器が生成した基準ガスを選択的に測定器12へ移送する。本実施形態では、ガス移送器18は、切替器9と、流量検出器10と、ポンプ11とを含む。
図7は切替器9の構造の一例を示す模式図である。切替器9は、チャンバ8に接続された第1経路54と基準ガス生成器17に接続された第2経路55とを切り替えて第3経路59と接続する。具体的には、切替器9は、第1経路54と第3経路の間に位置する弁56と、第2経路55と第3経路59との間に位置する弁57と、駆動装置58とを含む。制御回路50の制御に基づき、駆動装置58が弁56および弁57の開閉を行う。これにより、切替器9は、第1経路54および第2経路55のいずれかを選択的に第3経路と接続する。ポンプ11は、選択された経路のガスを吸い込むことによって、呼気または基準ガスが選択的に測定器12へ移送する。
切替器9は、3ウエイバルブなど、流体の制御に用いられる種々のバルブを用いることができる。また電磁弁を複数用いてもよい。さらに、ガス移送器18は、チャンバ8および基準ガスと測定器とをそれぞれ接続する2つの並列する経路を備えており、それぞれの経路にバルブ、ポンプおよび流量検出器を設けてもよい。この場合、2つの経路のバルブおよびポンプを選択的に動作させることによって、呼気または基準ガスを選択的に測定器12へ移送させることができる。ポンプ11には種々の流体に使用される市販のポンプを使用することができる。
流量検出器10は、第3経路59を流れるガスの流量を検出する。流量検出器10には、流体の流量を検出する種々のセンサを用いることができる。たとえば、熱式、差圧式等のセンサを用いることができる。図8Aおよび図8Bは、流量検出器10に用いられる熱式流量検出器60を示す模式図である。熱式流量検出器は、例えば、シリコンからなる基板65に凹部65rを設け、凹部65rの底部から離間させて配置した上流側温度センサ62と、ヒータ63と下流側温度センサ64とを備える。また、基板65には周囲温度センサ61が設けられている。ヒータ63に電流を流すとヒータの発熱によって、凹部65rの上方には、発熱による温度分布が生じる。図8Aにおいて実線で示すように、凹部65rを覆う気体が移動していない場合、この温度分布は対称性を有するため、上流側温度センサ62と、下流側温度センサ64とが検出する温度は等しい。しかし、周囲の気体が移動している環境では、図8Bにおいて、破線で示すように、温度分布は下流側へ偏るため、上流側温度センサ62と、下流側温度センサ64とが検出する温度には差が生じる。この温度差は流体の移動速度、つまり流量によって変化する。検出した流量は、周囲温度センサ61で得た周囲の温度で補正することにより環境温度に依存しない流量を検出することができる。
このほか差圧式の流量検出器としては、例えば、図5Bで説明した差圧式の圧力センサを用いても流量を計測することができる。
(測定器12)
測定器12は、呼気に含まれる特定ガスを検出する。本実施形態では上述したように特定ガスは一酸化窒素である。なお、ここで「特定」とは、呼気に含まれる種々の元素、分子のうち、一部を選択的に検出し得ることを意味し、特定の1種のみを検出しなくてもよい。例えば、測定器12は、一酸化窒素を検出し、呼気に大量に含まれる窒素、酸素、水、二酸化炭素に対して実質的に感度がゼロといえる程度に低い感度を有していればよい。例えば、測定器12は、呼気にはほとんど含まれない一酸化窒素以外の分子を検出可能であったとしても、呼気にその分子が実質的に含まれていなければよい。
測定器12には、例えば、電気化学式、光学式、半導体式など検出原理を用いたセンサを用いることができる。具体的には、センサ内に拡散した一酸化窒素分子が触媒と酸化還元反応することによって生じる電子をセンサ内の電極で検出し、検出した電流量により一酸化窒素の濃度を測定することができる。
[呼気測定装置1の動作]
次に図2および図9を参照しながら呼気測定装置の動作を説明する。図9は呼気測定装置の動作を説明するフローチャートである。測定は、呼気を生成し、チャンバ8へ呼気を一時的に貯留する工程(S1〜S8)とチャンバ8に保持された呼気中の特定ガスの濃度を測定する工程(S9〜S14)とに大別できる。
(呼気の貯留工程)
まず被検者または操作者が、呼気測定装置1の電源スイッチ15をONにし、入力装置13から測定を開始するボタンを押下し、測定を開始する。入力装置13による入力によって測定を開始する代わりに、検出し、被検者が呼気を生成することによる圧力の変化を圧力センサ6が検出し、測定を開始してもよい。以下、制御回路50が図9に示すフローチャートの手順に従い、呼気測定装置1の各構成要素を制御する。測定開始時にはチャンバ8から呼気がポンプ11側へ移動しないように、ガス移送器18の第1経路54に設けられた弁56は閉じている。
被検者は、ハンドル部2を手に持ち、開口5を口にあてて、息を吸い込む。これにより、第2フィルタ34を通過し、一酸化窒素が除去された呼気測定装置1の周囲の空気で、被検者の肺がみたされる(S1)。次に、被検者は息を吐き、呼気を開口からハンドル部2に吹き込む。呼気は、ハンドルチューブ3を介して本体4の導入経路51へ導入される(S2)。
圧力センサ6が導入経路51の圧力の変化を検出し、制御回路50は、流量調節器7の調整弁52を移動させる。これにより呼気は、導入経路51を介してチャンバ8へ移送される(S3)。また、ガス移送器18の第1経路54に設けられた弁56が開く。
呼気を吹き込んでいる間、圧力センサ6による呼気の圧力が測定され(S4)、測定結果に基づき、制御回路50は導入経路51の流量調節器7の調整弁52を移動させ、導入経路51を移動する呼気の流量が調整される(S5)。
制御回路は圧力センサ6が圧力の変化を検出した時からの経過時間を計測し、所定の時間が経過するまで圧力の測定(S4)および呼気の流量の調整(S5)が行われる(S6)。
所定の時間経過後、圧力が所定の範囲内であるか、また、流量が所定の範囲内であるかを制御回路50は判定する(S7)。圧力および流量が所定の範囲内である場合(S7)、制御回路50は流量調節器7の調整弁52を閉じ、チャンバ8への呼気の貯め込みを終了する(S8)。制御回路50は、呼気が正しく取得できたことを示す情報を表示装置14に表示させる。これにより被検者は息の吹込みを終了し、ハンドル部2を口元から外す。
圧力および流量が所定の範囲外である場合(S7)、制御回路50は測定が失敗したことを示す情報を表示装置14に表示させる(S15)。また、再測定を促す情報を表示させる。これにより、被検者または操作者は、再測定を行う(S1〜S8))。
これらの過程において、チャンバ8には、まず導入経路51に測定開始前から存在していた空気が流入する。その後、呼気がチャンバ8に導入されるこれに伴い、チャンバ8に先に流入した空気は、チャンバ8の排出口から排出される。このような動作によって、例えば、呼気の吹込み時間が30秒程度に設定されている場合、呼気の吹込み時間の最後の数秒の間に得られた呼気がチャンバ8に保持される。
(測定工程)
制御回路50は、ガス移送器18のポンプ11を駆動し、チャンバ8の呼気を測定器12へ移送する(S9)。このとき、流量検出器10を用いて流量を検出し、検出結果に基づき、所定の流量となるように、ポンプ11を制御することによって、測定器12に導入する呼気の流量を調整する。制御回路50は、一定時間、ポンプ11を駆動する。これにより測定器12は、ポンプによって移送されて来る呼気中の一酸化窒素の流量を検出する(S10)。
所定量の呼気の測定が終了すると、制御回路50は、ガス移送器18の切替器9を制御して、基準ガス生成器17に接続された第2経路55と、ポンプ11に接続された第3経路59とを接続し(S11)、呼気と同様に基準ガスが測定器12に導入されるようにポンプ11を制御する。ポンプ11は基準ガス生成器17を通過することにより生成する基準ガスを吸引し、測定器12へ移送する(S12)。測定器12は、ポンプによって移送されて来る基準ガス中の一酸化窒素の濃度を検出する(S13)。
測定の終了後、制御回路50は、呼気中の一酸化窒素の濃度の測定結果を、基準ガス中の一酸化窒素の濃度の測定結果を用いて補正し、測定結果として表示装置14に表示する(S14)。これにより呼気測定装置1による呼気の測定が終了する。呼気中における一酸化窒素の濃度は、一般的には、例えば、数ppbから50ppb程度の濃度である。
本実施形態の呼気測定装置1によれば、基準ガス生成器17には供給管29が接続されていることによって、呼気測定装置1が医療機関における様々な環境下で保管されても、基準ガス生成器17の第1フィルタの吸着能力の低下が抑制される。これを実験結果を参照して説明する。
図10Aは、長さが25mm、50mm、100mm、193mmのポリテトラフルオロエチレン製の内径が2.5mmの管を用意し、基準ガス生成器17の供給管29として用いた場合における第1フィルタの性能の低下を調べた結果を示す。
第1フィルタの直径は12であり、長さは32mmである。基準ガス生成器17を4%のアルコールを含む環境下で保管し、定期的に吸着能力を測定した。横軸は、保管日数を示し、縦軸は、保管前の基準ガス生成器17の一酸化窒素の吸着能力を100した吸着能力を示す。比較のため、供給管を接続しなかった基準ガス生成器の結果を合わせて示す。図10Bは、供給管29の内径が4mmおよび2.5mmである場合に同様の手順で行った実験結果を示す。供給管29の長さはいずれも193mmである。
図10Aに示されるように、供給管29がない場合、実験開始直後に吸着能力は98%以下に低下してしまう。これに対して、供給管の長さが25mmである場合6日経過するまで99%以上の吸着能力を維持している。50mm、100mmおよび193mmの長さの供給管29では、それぞれ、10日、14日および22日まで99%以上の吸着能力を維持している。このように、供給管が長くなるほど高い吸着能力を維持し得る期間は長くなることが分かる。
また、図10Bに示されるように、供給管29の内径は小さいほど、高い吸着能力を維持し得る期間は長くなることが分かる。内径が4mmおよび2.5mmの場合、それぞれ、7日および22日まで99%以上の吸着能力を維持している。
供給管を設けることによって第1フィルタの一酸化窒素の吸着能力が長期に維持し得る理由は、現段階では明らかではない。本願発明者の検討によれば、第1フィルタ23に到達したアルコール分子は、第1フィルタ23に吸着されるため、供給管29をアルコールを含む環境下で保管した場合、第1フィルタ23の第1開口23a近傍におけるアルコール濃度は常にゼロに近い値であると考えられる。一方、供給管29の第3開口29aは環境雰囲気に接している。このため、供給管29の第3開口29aと第1フィルタ23の第1開口23aとにおけるアルコールの濃度差は常に一定であり、アルコールの第1フィルタ23への到達は、濃度勾配による拡散に支配されており、単位面積あたりのアルコールの拡散量は時間の経過に関わらず一定であると考えられる。このため、第1フィルタ23に到達するアルコール分子の数は、供給管29の長さが長くなるほど、また、断面積(内径)が小さくなるほど少なくなると考えられる。
これらの結果から、本実施形態の呼気測定装置によれば、アルコールなどが含まれる環境下であっても、基準ガス生成器17の性能が劣化しにくく、基準ガス生成器17は、長期にわたって、特定ガスが十分に除去された基準ガスを生成することが可能である。よって、呼気中の特定ガスの測定に基準ガスを用い、精度の高い測定を行うことが可能であり、かつ、精度の高い測定を安定して、長期間にわたり行うことが可能である。また、上記実験例ではアルコールを用いているが、アルコール以外の化合物であって、第1フィルタ23の吸着能力を低下させ得る他の化合物に対しても本開示の呼気測定装置は同様の効果を奏すると考えられる。
[他の形態]
本開示の呼気測定装置には種々の改変が可能である。例えば、基準ガス生成器の供給管29には折り曲げが可能であり本体4の空間に配置しやすいという観点では樹脂製の供給管が適している。しかし、予め本体4における供給管29の配置を設計できるのであれば、硬い樹脂チューブ、金属チューブ、または、樹脂成形品を重ね合わせた管などを用いて、供給管を形成してもよい。なお、供給管を鉄や銅などの金属で構成すると、金属製の管体部分から供給管内に透過しようとする気体を遮断できる。また、これら硬い材質を用いた供給管を採用する場合には、基準ガス生成器17のケース19と、供給管29とを一体として形成した構成であってもよい。
また、上記実施形態では、呼気中の一酸化窒素を検出する例を挙げて呼気測定装置を説明したが、呼気測定装置は、一酸化窒素以外のガスの濃度を測定してもよい。例えば、一酸化炭素、アルデヒドなどを測定してもよい。この場合、呼気測定装置は、一酸化炭素、アルデヒドなどの測定に適した測定器12および、一酸化炭素、アルデヒドなど吸着する吸着剤を備えた第1フィルタおよび第2フィルタを備えている。
本開示は、喘息検出、肺機能検出などを行う際に使用する呼気測定装置に活用され得る。
1 呼気測定装置
2 ハンドル部
3 ハンドルチューブ
4 本体
5 開口
6 圧力センサ
7 流量調節器
8 チャンバ
9 切替器
10 流量検出器
11 ポンプ
12 測定器
13 入力装置
14 表示装置
15 電源スイッチ
16 メモリ
17 基準ガス生成器
18 ガス移送器
19 ケース
20 給気口
21 排気口
22 通気経路
23 第1フィルタ
23a 第1開口
24 パッキン
24a 第1開口
25 パッキン
25a 第2開口
26 吸着剤
27 逆止弁
28 取付部
29 供給管
29a 第3開口
29b 第4開口
31 副筐体
32 吸気経路
33 吸気経路
34 第2フィルタ
34a 開口
34b 吸着剤
34c 開口
35A、35B ワンウエイバルブ
36 吸入孔
37 排出孔
41 主筐体
41a 外気孔
50 制御回路
51 導入経路
51a 調整孔
51b ポート
51c ポート
52 調整弁
52a テーパー部
53 駆動装置
54 第1経路
55 第2経路
56 弁
57 弁
58 駆動装置
59 第3経路
60 熱式流量検出器
61 周囲温度センサ
62 上流側温度センサ
63 ヒータ
64 下流側温度センサ
65 基板
65r 凹部

Claims (15)

  1. 呼気を保持するチャンバと、
    基準ガスを生成する基準ガス生成器と、
    前記チャンバ内に保持された呼気および前記基準ガス中の特定ガスのそれぞれの濃度を測定する測定器と、
    を備え、
    前記基準ガス生成器は、
    給気口および排気口と、前記給気口および前記排気口を接続する通気経路とを有するケースと、
    前記ケース内の前記通気経路において、前記給気口側および前記排気口側にそれぞれ第1開口および第2開口を有し、前記通気経路に配置され、前記特定ガスを吸着する第1フィルタと、
    第3開口および第4開口を有し、前記第4開口が前記ケースの前記給気口に接続された供給管と、
    を含み、前記供給管の第3開口から前記第1フィルタの第1開口までの距離は、前記第1フィルタの前記第1開口と前記第2開口との間の距離よりも長い、呼気測定装置。
  2. 前記供給管の前記第3開口と前記第4開口との間の距離は、前記第1フィルタの前記第1開口と前記第2開口との間の距離よりも長い、請求項1に記載の呼気測定装置。
  3. 前記供給管の前記第3開口と前記第4開口との間の距離は50mm以上である、請求項1に記載の呼気測定装置。
  4. 前記供給管の前記第3開口と前記第4開口との間の距離は100mm以上である、請求項1に記載の呼気測定装置。
  5. 前記供給管の流路の断面は、前記第1フィルタの第1開口と前記第2開口とを結ぶ直線に垂直な断面よりも小さい、請求項1に記載の呼気測定装置。
  6. 前記供給管の内径は5mm以下である、請求項1に記載の呼気測定装置。
  7. 前記供給管は、樹脂によって構成されている、請求項1に記載の呼気測定装置。
  8. 前記樹脂はフッ素樹脂である、請求項7に記載の呼気測定装置。
  9. 前記基準ガス生成器は前記ケース内の前記給気口と前記第1開口との間に配置された逆止弁を有する、請求項1に記載の呼気測定装置。
  10. ポンプを含み、前記チャンバに保持された前記呼気および前記基準ガス生成器が生成した前記基準ガスを選択的に前記測定器へ移送するガス移送器と、
    前記ガス移送器の動作を制御する制御回路と、
    を備えた、請求項1に記載の呼気測定装置。
  11. 呼気および吸気が通過する開口と、
    吸入孔を有し、前記開口と前記吸入孔とを接続する吸気経路と、
    前記吸気経路中に位置し、特定ガスを吸着する第2フィルタと、
    排出孔を有し、前記開口と前記排出孔とを接続する呼気経路と、
    を含む呼気生成ユニットをさらに備え、
    前記排出孔から送出される呼気が前記チャンバに導入される、請求項10に記載の呼気測定装置。
  12. 前記チャンバと、前記基準ガス生成器と、前記測定器と、前記ガス移送器と、前記制御回路とを収納する主筐体をさらに備え、
    前記呼気生成ユニットは、前記主筐体に取り付けられている、請求項11に記載の呼気測定装置。
  13. 被検者が把持可能な副筐体を含むハンドル部をさらに備え、
    前記呼気生成ユニットは前記副筐体に収納されている、請求項11に記載の呼気測定装置。
  14. 前記呼気が導入される導入口を有し、前記チャンバと接続される導入経路と、
    前記導入経路を流れる呼気の流量を調節する流量調節器と、
    前記導入経路の圧力を測定する圧力センサと、
    をさらに備え、
    前記制御回路は、前記圧力センサの出力に基づき、前記流量調節器を制御する、請求項10に記載の呼気測定装置。
  15. 前記ガス移送器は、前記チャンバと接続された第1経路および前記ポンプと接続された第2経路を切り替えて、前記ポンプと接続された第3経路に接続する切替器と、
    前記第3経路を流れる前記呼気または前記基準ガスの流量を測定する流量検出器と
    をさらに含み、
    前記制御回路は、前記切替器を制御し、前記流量検出器の出力に基づき前記ポンプを制御する請求項10に記載の呼気測定装置。
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