JPWO2018159328A1 - 医療用アームシステム、制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】人体内部に内視鏡を挿入して行う手術に関し、利便性と安全性の確保とを両立させることが可能な仕組みを提案する。【解決手段】複数のリンクが関節部により連結され、先端に内視鏡を連結可能な多関節アームと、患者の体腔内に仮想面を設定し、前記内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように前記多関節アームを制御する制御部と、を備える医療用アームシステム。【選択図】図1
Description
本開示は、医療用アームシステム、制御装置及び制御方法に関する。
近年、医療用機器に関する技術開発が盛んに行われている。例えば、下記特許文献1では、遠隔操作型手術システムにおける医療用マニピュレータおよびその制御方法に関し、特に腹腔鏡下手術、胸腹腔鏡下手術など、体内に内視鏡や鉗子などの医療器具を挿入して行う低侵襲手術を支援する技術が開示されている。
しかし、上記特許文献1等に開示されている技術は、開発されてから未だ日が浅く、様々な観点で十分な提案がなされているとは言い難い。例えば、手術中の安全性を確保することも、十分な提案がなされていない観点のひとつである。
そこで、本開示では、人体内部に内視鏡を挿入して行う手術に関し、利便性と安全性の確保とを両立させることが可能な仕組みを提案する。
本開示によれば、複数のリンクが関節部により連結され、先端に内視鏡を連結可能な多関節アームと、患者の体腔内に仮想面を設定し、前記内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように前記多関節アームを制御する制御部と、を備える医療用アームシステムが提供される。
また、本開示によれば、患者の体腔内に仮想面を設定し、内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように、複数のリンクが関節部により連結されて先端に内視鏡を連結可能な多関節アームを制御する制御部、を備える制御装置が提供される。
また、本開示によれば、患者の体腔内に仮想面を設定し、内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように、複数のリンクが関節部により連結されて先端に内視鏡を連結可能な多関節アームを制御すること、を含むプロセッサにより実行される制御方法が提供される。
以上説明したように本開示によれば、人体内部に内視鏡を挿入して行う手術に関し、利便性と安全性の確保とを両立させることが可能な仕組みが提供される。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.基本構成
1.1.内視鏡手術システムの構成例
1.2.医療用支持アーム装置の具体的構成例
1.3.制御装置の構成例
2.第1の実施形態
2.1.概要
2.2.詳細
3.第2の実施形態
3.1.概要
3.2.詳細
4.まとめ
1.基本構成
1.1.内視鏡手術システムの構成例
1.2.医療用支持アーム装置の具体的構成例
1.3.制御装置の構成例
2.第1の実施形態
2.1.概要
2.2.詳細
3.第2の実施形態
3.1.概要
3.2.詳細
4.まとめ
<<1.基本構成>>
まず、図1〜図4を参照して、本開示の一実施形態に係る内視鏡手術システムの基本構成を説明する。
まず、図1〜図4を参照して、本開示の一実施形態に係る内視鏡手術システムの基本構成を説明する。
<1.1.内視鏡手術システムの構成例>
図1は、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の概略的な構成の一例を示す図である。図1では、術者(医師)5067が、内視鏡手術システム5000を用いて、患者ベッド5069上の患者5071に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム5000は、内視鏡5001と、その他の術具5017と、内視鏡5001を支持する支持アーム装置5027と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート5037と、から構成される。
図1は、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の概略的な構成の一例を示す図である。図1では、術者(医師)5067が、内視鏡手術システム5000を用いて、患者ベッド5069上の患者5071に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム5000は、内視鏡5001と、その他の術具5017と、内視鏡5001を支持する支持アーム装置5027と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート5037と、から構成される。
内視鏡手術では、腹壁を切って開腹する代わりに、トロッカ5025a〜5025dと呼ばれる筒状の開孔器具が腹壁に複数穿刺される。そして、トロッカ5025a〜5025dから、内視鏡5001の鏡筒5003や、その他の術具5017が患者5071の体腔内に挿入される。図示する例では、その他の術具5017として、気腹チューブ5019、エネルギー処置具5021及び鉗子5023が、患者5071の体腔内に挿入されている。また、エネルギー処置具5021は、高周波電流や超音波振動により、組織の切開及び剥離、又は血管の封止等を行う処置具である。ただし、図示する術具5017はあくまで一例であり、術具5017としては、例えば攝子、レトラクタ等、一般的に内視鏡下手術において用いられる各種の術具が用いられてよい。
内視鏡5001によって撮影された患者5071の体腔内の術部の画像が、表示装置5041に表示される。術者5067は、表示装置5041に表示された術部の画像をリアルタイムで見ながら、エネルギー処置具5021や鉗子5023を用いて、例えば患部を切除する等の処置を行う。なお、図示は省略しているが、気腹チューブ5019、エネルギー処置具5021及び鉗子5023は、手術中に、術者5067又は助手等によって支持される。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5027は、ベース部5029から延伸するアーム部5031を備える。図示する例では、アーム部5031は、関節部5033a、5033b、5033c、及びリンク5035a、5035bから構成される多関節アームであり、アーム制御装置5045からの制御により駆動される。アーム部5031は、先端に内視鏡5001を連結可能である。アーム部5031によって内視鏡5001が支持され、その位置及び姿勢が制御される。これにより、内視鏡5001の安定的な位置の固定が実現され得る。
支持アーム装置5027は、ベース部5029から延伸するアーム部5031を備える。図示する例では、アーム部5031は、関節部5033a、5033b、5033c、及びリンク5035a、5035bから構成される多関節アームであり、アーム制御装置5045からの制御により駆動される。アーム部5031は、先端に内視鏡5001を連結可能である。アーム部5031によって内視鏡5001が支持され、その位置及び姿勢が制御される。これにより、内視鏡5001の安定的な位置の固定が実現され得る。
(内視鏡)
内視鏡5001は、先端から所定の長さの領域が患者5071の体腔内に挿入される鏡筒5003と、鏡筒5003の基端に接続されるカメラヘッド5005と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒5003を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡5001を図示しているが、内視鏡5001は、軟性の鏡筒5003を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
内視鏡5001は、先端から所定の長さの領域が患者5071の体腔内に挿入される鏡筒5003と、鏡筒5003の基端に接続されるカメラヘッド5005と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒5003を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡5001を図示しているが、内視鏡5001は、軟性の鏡筒5003を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒5003の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡5001には光源装置5043が接続されており、当該光源装置5043によって生成された光が、鏡筒5003の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者5071の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡5001は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド5005の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)5039に送信される。なお、カメラヘッド5005には、その光学系を適宜駆動させることにより、倍率及び焦点距離を調整する機能が搭載される。
なお、例えば立体視(3D表示)等に対応するために、カメラヘッド5005には撮像素子が複数設けられてもよい。この場合、鏡筒5003の内部には、当該複数の撮像素子のそれぞれに観察光を導光するために、リレー光学系が複数系統設けられる。
(カートに搭載される各種の装置)
CCU5039は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡5001及び表示装置5041の動作を統括的に制御する。具体的には、CCU5039は、カメラヘッド5005から受け取った画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。CCU5039は、当該画像処理を施した画像信号を表示装置5041に提供する。また、CCU5039は、カメラヘッド5005に対して制御信号を送信し、その駆動を制御する。当該制御信号には、倍率や焦点距離等、撮像条件に関する情報が含まれ得る。
CCU5039は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡5001及び表示装置5041の動作を統括的に制御する。具体的には、CCU5039は、カメラヘッド5005から受け取った画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。CCU5039は、当該画像処理を施した画像信号を表示装置5041に提供する。また、CCU5039は、カメラヘッド5005に対して制御信号を送信し、その駆動を制御する。当該制御信号には、倍率や焦点距離等、撮像条件に関する情報が含まれ得る。
表示装置5041は、CCU5039からの制御により、当該CCU5039によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。内視鏡5001が例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)又は8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)等の高解像度の撮影に対応したものである場合、及び/又は3D表示に対応したものである場合には、表示装置5041としては、それぞれに対応して、高解像度の表示が可能なもの、及び/又は3D表示可能なものが用いられ得る。4K又は8K等の高解像度の撮影に対応したものである場合、表示装置5041として55インチ以上のサイズのものを用いることで一層の没入感が得られる。また、用途に応じて、解像度、サイズが異なる複数の表示装置5041が設けられてもよい。
光源装置5043は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部を撮影する際の照射光を内視鏡5001に供給する。
アーム制御装置5045は、例えばCPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、所定の制御方式に従って支持アーム装置5027のアーム部5031の駆動を制御する。
入力装置5047は、内視鏡手術システム5000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置5047を介して、内視鏡手術システム5000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、入力装置5047を介して、患者の身体情報や、手術の術式についての情報等、手術に関する各種の情報を入力する。また、例えば、ユーザは、入力装置5047を介して、アーム部5031を駆動させる旨の指示や、内視鏡5001による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示、エネルギー処置具5021を駆動させる旨の指示等を入力する。
入力装置5047の種類は限定されず、入力装置5047は各種の公知の入力装置であってよい。入力装置5047としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ、フットスイッチ5057及び/又はレバー等が適用され得る。入力装置5047としてタッチパネルが用いられる場合には、当該タッチパネルは表示装置5041の表示面上に設けられてもよい。
あるいは、入力装置5047は、例えばメガネ型のウェアラブルデバイスやHMD(Head Mounted Display)等の、ユーザによって装着されるデバイスであり、これらのデバイスによって検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。また、入力装置5047は、ユーザの動きを検出可能なカメラを含み、当該カメラによって撮像された映像から検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。更に、入力装置5047は、ユーザの声を収音可能なマイクロフォンを含み、当該マイクロフォンを介して音声によって各種の入力が行われる。このように、入力装置5047が非接触で各種の情報を入力可能に構成されることにより、特に清潔域に属するユーザ(例えば術者5067)が、不潔域に属する機器を非接触で操作することが可能となる。また、ユーザは、所持している術具から手を離すことなく機器を操作することが可能となるため、ユーザの利便性が向上する。
処置具制御装置5049は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具5021の駆動を制御する。気腹装置5051は、内視鏡5001による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者5071の体腔を膨らめるために、気腹チューブ5019を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ5053は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ5055は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
以下、内視鏡手術システム5000において特に特徴的な構成について、更に詳細に説明する。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5027は、基台であるベース部5029と、ベース部5029から延伸するアーム部5031と、を備える。図示する例では、アーム部5031は、複数の関節部5033a、5033b、5033cと、関節部5033bによって連結される複数のリンク5035a、5035bと、から構成されているが、図1では、簡単のため、アーム部5031の構成を簡略化して図示している。実際には、アーム部5031が所望の自由度を有するように、関節部5033a〜5033c及びリンク5035a、5035bの形状、数及び配置、並びに関節部5033a〜5033cの回転軸の方向等が適宜設定され得る。例えば、アーム部5031は、好適に、6自由度以上の自由度を有するように構成され得る。これにより、アーム部5031の可動範囲内において内視鏡5001を自由に移動させることが可能になるため、所望の方向から内視鏡5001の鏡筒5003を患者5071の体腔内に挿入することが可能になる。
支持アーム装置5027は、基台であるベース部5029と、ベース部5029から延伸するアーム部5031と、を備える。図示する例では、アーム部5031は、複数の関節部5033a、5033b、5033cと、関節部5033bによって連結される複数のリンク5035a、5035bと、から構成されているが、図1では、簡単のため、アーム部5031の構成を簡略化して図示している。実際には、アーム部5031が所望の自由度を有するように、関節部5033a〜5033c及びリンク5035a、5035bの形状、数及び配置、並びに関節部5033a〜5033cの回転軸の方向等が適宜設定され得る。例えば、アーム部5031は、好適に、6自由度以上の自由度を有するように構成され得る。これにより、アーム部5031の可動範囲内において内視鏡5001を自由に移動させることが可能になるため、所望の方向から内視鏡5001の鏡筒5003を患者5071の体腔内に挿入することが可能になる。
関節部5033a〜5033cにはアクチュエータが設けられており、関節部5033a〜5033cは当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸まわりに回転可能に構成されている。当該アクチュエータの駆動がアーム制御装置5045によって制御されることにより、各関節部5033a〜5033cの回転角度が制御され、アーム部5031の駆動が制御される。これにより、内視鏡5001の位置及び姿勢の制御が実現され得る。この際、アーム制御装置5045は、力制御又は位置制御等、各種の公知の制御方式によってアーム部5031の駆動を制御することができる。
例えば、術者5067が、入力装置5047(フットスイッチ5057を含む)を介して適宜操作入力を行うことにより、当該操作入力に応じてアーム制御装置5045によってアーム部5031の駆動が適宜制御され、内視鏡5001の位置及び姿勢が制御されてよい。当該制御により、アーム部5031の先端の内視鏡5001を任意の位置から任意の位置まで移動させた後、その移動後の位置で固定的に支持することができる。なお、アーム部5031は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよい。この場合、アーム部5031は、手術室から離れた場所に設置される入力装置5047を介してユーザによって遠隔操作され得る。
また、力制御が適用される場合には、アーム制御装置5045は、ユーザからの外力を受け、その外力にならってスムーズにアーム部5031が移動するように、各関節部5033a〜5033cのアクチュエータを駆動させる、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。これにより、ユーザが直接アーム部5031に触れながらアーム部5031を移動させる際に、比較的軽い力で当該アーム部5031を移動させることができる。従って、より直感的に、より簡易な操作で内視鏡5001を移動させることが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
ここで、一般的に、内視鏡下手術では、スコピストと呼ばれる医師によって内視鏡5001が支持されていた。これに対して、支持アーム装置5027を用いることにより、人手によらずに内視鏡5001の位置をより確実に固定することが可能になるため、術部の画像を安定的に得ることができ、手術を円滑に行うことが可能になる。
なお、アーム制御装置5045は必ずしもカート5037に設けられなくてもよい。また、アーム制御装置5045は必ずしも1つの装置でなくてもよい。例えば、アーム制御装置5045は、支持アーム装置5027のアーム部5031の各関節部5033a〜5033cにそれぞれ設けられてもよく、複数のアーム制御装置5045が互いに協働することにより、アーム部5031の駆動制御が実現されてもよい。
(光源装置)
光源装置5043は、内視鏡5001に術部を撮影する際の照射光を供給する。光源装置5043は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成される。このとき、RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置5043において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
光源装置5043は、内視鏡5001に術部を撮影する際の照射光を供給する。光源装置5043は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成される。このとき、RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置5043において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置5043は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置5043は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察するもの(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得るもの等が行われ得る。光源装置5043は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
(カメラヘッド及びCCU)
図2を参照して、内視鏡5001のカメラヘッド5005及びCCU5039の機能についてより詳細に説明する。図2は、図1に示すカメラヘッド5005及びCCU5039の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2を参照して、内視鏡5001のカメラヘッド5005及びCCU5039の機能についてより詳細に説明する。図2は、図1に示すカメラヘッド5005及びCCU5039の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2を参照すると、カメラヘッド5005は、その機能として、レンズユニット5007と、撮像部5009と、駆動部5011と、通信部5013と、カメラヘッド制御部5015と、を有する。また、CCU5039は、その機能として、通信部5059と、画像処理部5061と、制御部5063と、を有する。カメラヘッド5005とCCU5039とは、伝送ケーブル5065によって双方向に通信可能に接続されている。
まず、カメラヘッド5005の機能構成について説明する。レンズユニット5007は、鏡筒5003との接続部に設けられる光学系である。鏡筒5003の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド5005まで導光され、当該レンズユニット5007に入射する。レンズユニット5007は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。レンズユニット5007は、撮像部5009の撮像素子の受光面上に観察光を集光するように、その光学特性が調整されている。また、ズームレンズ及びフォーカスレンズは、撮像画像の倍率及び焦点の調整のため、その光軸上の位置が移動可能に構成される。
撮像部5009は撮像素子によって構成され、レンズユニット5007の後段に配置される。レンズユニット5007を通過した観察光は、当該撮像素子の受光面に集光され、光電変換によって、観察像に対応した画像信号が生成される。撮像部5009によって生成された画像信号は、通信部5013に提供される。
撮像部5009を構成する撮像素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプのイメージセンサであり、Bayer配列を有するカラー撮影可能なものが用いられる。なお、当該撮像素子としては、例えば4K以上の高解像度の画像の撮影に対応可能なものが用いられてもよい。術部の画像が高解像度で得られることにより、術者5067は、当該術部の様子をより詳細に把握することができ、手術をより円滑に進行することが可能となる。
また、撮像部5009を構成する撮像素子は、3D表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成される。3D表示が行われることにより、術者5067は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部5009が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット5007も複数系統設けられる。
また、撮像部5009は、必ずしもカメラヘッド5005に設けられなくてもよい。例えば、撮像部5009は、鏡筒5003の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部5011は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部5015からの制御により、レンズユニット5007のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部5009による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部5013は、CCU5039との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5013は、撮像部5009から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル5065を介してCCU5039に送信する。この際、術部の撮像画像を低レイテンシで表示するために、当該画像信号は光通信によって送信されることが好ましい。手術の際には、術者5067が撮像画像によって患部の状態を観察しながら手術を行うため、より安全で確実な手術のためには、術部の動画像が可能な限りリアルタイムに表示されることが求められるからである。光通信が行われる場合には、通信部5013には、電気信号を光信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。画像信号は当該光電変換モジュールによって光信号に変換された後、伝送ケーブル5065を介してCCU5039に送信される。
また、通信部5013は、CCU5039から、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を受信する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。通信部5013は、受信した制御信号をカメラヘッド制御部5015に提供する。なお、CCU5039からの制御信号も、光通信によって伝送されてもよい。この場合、通信部5013には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられ、制御信号は当該光電変換モジュールによって電気信号に変換された後、カメラヘッド制御部5015に提供される。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、取得された画像信号に基づいてCCU5039の制御部5063によって自動的に設定される。つまり、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡5001に搭載される。
カメラヘッド制御部5015は、通信部5013を介して受信したCCU5039からの制御信号に基づいて、カメラヘッド5005の駆動を制御する。例えば、カメラヘッド制御部5015は、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報及び/又は撮像時の露光を指定する旨の情報に基づいて、撮像部5009の撮像素子の駆動を制御する。また、例えば、カメラヘッド制御部5015は、撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報に基づいて、駆動部5011を介してレンズユニット5007のズームレンズ及びフォーカスレンズを適宜移動させる。カメラヘッド制御部5015は、更に、鏡筒5003やカメラヘッド5005を識別するための情報を記憶する機能を備えてもよい。
なお、レンズユニット5007や撮像部5009等の構成を、気密性及び防水性が高い密閉構造内に配置することで、カメラヘッド5005について、オートクレーブ滅菌処理に対する耐性を持たせることができる。
次に、CCU5039の機能構成について説明する。通信部5059は、カメラヘッド5005との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5059は、カメラヘッド5005から、伝送ケーブル5065を介して送信される画像信号を受信する。この際、上記のように、当該画像信号は好適に光通信によって送信され得る。この場合、光通信に対応して、通信部5059には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。通信部5059は、電気信号に変換した画像信号を画像処理部5061に提供する。
また、通信部5059は、カメラヘッド5005に対して、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を送信する。当該制御信号も光通信によって送信されてよい。
画像処理部5061は、カメラヘッド5005から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。当該画像処理としては、例えば現像処理、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の公知の信号処理が含まれる。また、画像処理部5061は、AE、AF及びAWBを行うための、画像信号に対する検波処理を行う。
画像処理部5061は、CPUやGPU等のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上述した画像処理や検波処理が行われ得る。なお、画像処理部5061が複数のGPUによって構成される場合には、画像処理部5061は、画像信号に係る情報を適宜分割し、これら複数のGPUによって並列的に画像処理を行う。
制御部5063は、内視鏡5001による術部の撮像、及びその撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部5063は、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を生成する。この際、撮像条件がユーザによって入力されている場合には、制御部5063は、当該ユーザによる入力に基づいて制御信号を生成する。あるいは、内視鏡5001にAE機能、AF機能及びAWB機能が搭載されている場合には、制御部5063は、画像処理部5061による検波処理の結果に応じて、最適な露出値、焦点距離及びホワイトバランスを適宜算出し、制御信号を生成する。
また、制御部5063は、画像処理部5061によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部の画像を表示装置5041に表示させる。この際、制御部5063は、各種の画像認識技術を用いて術部画像内における各種の物体を認識する。例えば、制御部5063は、術部画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具5021使用時のミスト等を認識することができる。制御部5063は、表示装置5041に術部の画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させる。手術支援情報が重畳表示され、術者5067に提示されることにより、より安全かつ確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド5005及びCCU5039を接続する伝送ケーブル5065は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル5065を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド5005とCCU5039との間の通信は無線で行われてもよい。両者の間の通信が無線で行われる場合には、伝送ケーブル5065を手術室内に敷設する必要がなくなるため、手術室内における医療スタッフの移動が当該伝送ケーブル5065によって妨げられる事態が解消され得る。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の一例について説明した。なお、ここでは、一例として内視鏡手術システム5000について説明したが、本開示に係る技術が適用され得るシステムはかかる例に限定されない。例えば、本開示に係る技術は、検査用軟性内視鏡システムや顕微鏡手術システムに適用されてもよい。
<1.2.医療用支持アーム装置の具体的構成例>
次に、本開示の実施の形態に係る医療用支持アーム装置の具体的構成例について詳細に説明する。以下に説明する支持アーム装置は、アーム部の先端に内視鏡を支持する支持アーム装置として構成された例であるが、本実施形態は係る例に限定されない。
次に、本開示の実施の形態に係る医療用支持アーム装置の具体的構成例について詳細に説明する。以下に説明する支持アーム装置は、アーム部の先端に内視鏡を支持する支持アーム装置として構成された例であるが、本実施形態は係る例に限定されない。
まず、図3を参照して、本実施形態に係る支持アーム装置400の概略構成について説明する。図3は、本実施形態に係る支持アーム装置400の外観を示す概略図である。
本実施形態に係る支持アーム装置400は、ベース部410及びアーム部420を備える。ベース部410は支持アーム装置400の基台であり、ベース部410からアーム部420が延伸される。また、図3には図示しないが、ベース部410内には、支持アーム装置400を統合的に制御する制御部が設けられてもよく、アーム部420の駆動が当該制御部によって制御されてもよい。当該制御部は、例えばCPUやDSP等の各種の信号処理回路によって構成される。
アーム部420は、複数の能動関節部421a〜421fと、複数のリンク422a〜422fと、アーム部420の先端に設けられた先端ユニットとしての内視鏡装置423とを有する。
リンク422a〜422fは略棒状の部材である。リンク422aの一端が能動関節部421aを介してベース部410と連結され、リンク422aの他端が能動関節部421bを介してリンク422bの一端と連結され、さらに、リンク422bの他端が能動関節部421cを介してリンク422cの一端と連結される。リンク422cの他端は受動スライド機構100を介してリンク422dに連結され、さらに、リンク422dの他端は受動関節部200を介してリンク422eの一端と連結される。リンク422eの他端は能動関節部421d,421eを介してリンク422fの一端と連結される。内視鏡装置423は、アーム部420の先端、すなわち、リンク422fの他端に、能動関節部421fを介して連結される。このように、ベース部410を支点として、複数のリンク422a〜422fの端同士が、能動関節部421a〜421f、受動スライド機構100及び受動関節部200によって互いに連結されることにより、ベース部410から延伸されるアーム形状が構成される。
かかるアーム部420のそれぞれの能動関節部421a〜421fに設けられたアクチュエータが駆動制御されることにより、内視鏡装置423の位置及び姿勢が制御される。本実施形態において、内視鏡装置423は、その先端が施術部位である患者の体腔内に進入して施術部位の一部領域を撮影する。ただし、アーム部420の先端に設けられる先端ユニットは内視鏡装置423に限定されず、アーム部420の先端には先端ユニットとして各種の医療用器具が接続されてよい。このように、本実施形態に係る支持アーム装置400は、医療用器具を備えた医療用支持アーム装置として構成される。
ここで、以下では、図3に示すように座標軸を定義して支持アーム装置400の説明を行う。また、座標軸に合わせて、上下方向、前後方向、左右方向を定義する。すなわち、床面に設置されているベース部410に対する上下方向をz軸方向及び上下方向と定義する。また、z軸と互いに直交する方向であって、ベース部410からアーム部420が延伸されている方向(すなわち、ベース部410に対して内視鏡装置423が位置している方向)をy軸方向及び前後方向と定義する。さらに、y軸及びz軸と互いに直交する方向をx軸方向及び左右方向と定義する。
能動関節部421a〜421fはリンク同士を互いに回動可能に連結する。能動関節部421a〜421fはアクチュエータを有し、当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸に対して回転駆動される回転機構を有する。各能動関節部421a〜421fにおける回転駆動をそれぞれ制御することにより、例えばアーム部420を伸ばしたり、縮めたり(折り畳んだり)といった、アーム部420の駆動を制御することができる。ここで、能動関節部421a〜421fは、例えば公知の全身協調制御及び理想関節制御によってその駆動が制御され得る。上述したように、能動関節部421a〜421fは回転機構を有するため、以下の説明において、能動関節部421a〜421fの駆動制御とは、具体的には、能動関節部421a〜421fの回転角度及び/又は発生トルク(能動関節部421a〜421fが発生させるトルク)が制御されることを意味する。
受動スライド機構100は、受動形態変更機構の一態様であり、リンク422cとリンク422dとを所定方向に沿って互いに進退動可能に連結する。例えば受動スライド機構100は、リンク422cとリンク422dとを互いに直動可能に連結してもよい。ただし、リンク422cとリンク422dとの進退運動は直線運動に限られず、円弧状を成す方向への進退運動であってもよい。受動スライド機構100は、例えばユーザによって進退動の操作が行われ、リンク422cの一端側の能動関節部421cと受動関節部200との間の距離を可変とする。これにより、アーム部420の全体の形態が変化し得る。受動スライド機構100の構成の詳細は後述する。
受動関節部200は、受動形態変更機構の一態様であり、リンク422dとリンク422eとを互いに回動可能に連結する。受動関節部200は、例えばユーザによって回動の操作が行われ、リンク422dとリンク422eとの成す角度を可変とする。これにより、アーム部420の全体の形態が変化し得る。受動関節部200の構成の詳細は後述する。
なお、本明細書において、「アーム部の姿勢」とは、一つ又は複数のリンクを挟んで隣り合う能動関節部同士の間の距離が一定の状態で、制御部による能動関節部421a〜421fに設けられたアクチュエータの駆動制御によって変化し得るアーム部の状態をいう。また、「アーム部の形態」とは、受動形態変更機構が操作されることに伴って、リンクを挟んで隣り合う能動関節部同士の間の距離や、隣り合う能動関節部の間をつなぐリンク同士の成す角度が変わることで変化し得るアーム部の状態をいう。
本実施形態に係る支持アーム装置400は、6つの能動関節部421a〜421fを有し、アーム部420の駆動に関して6自由度が実現されている。つまり、支持アーム装置400の駆動制御は制御部による6つの能動関節部421a〜421fの駆動制御により実現される一方、受動スライド機構100及び受動関節部200は、制御部による駆動制御の対象とはなっていない。
具体的には、図3に示すように、能動関節部421a,421d,421fは、接続されている各リンク422a,422eの長軸方向及び接続されている内視鏡装置423の撮影方向を回転軸方向とするように設けられている。能動関節部421b,421c,421eは、接続されている各リンク422a〜422c,422e,422f及び内視鏡装置423の連結角度をy−z平面(y軸とz軸とで規定される平面)内において変更する方向であるx軸方向を回転軸方向とするように設けられている。このように、本実施形態においては、能動関節部421a,421d,421fは、いわゆるヨーイングを行う機能を有し、能動関節部421b,421c,421eは、いわゆるピッチングを行う機能を有する。
このようなアーム部420の構成を有することにより、本実施形態に係る支持アーム装置400ではアーム部420の駆動に対して6自由度が実現されるため、アーム部420の可動範囲内において内視鏡装置423を自由に移動させることができる。図3では、内視鏡装置423の移動可能範囲の一例として半球を図示している。半球の中心点RCM(遠隔運動中心)が内視鏡装置423によって撮影される施術部位の撮影中心であるとすれば、内視鏡装置423の撮影中心を半球の中心点に固定した状態で、内視鏡装置423を半球の球面上で移動させることにより、施術部位を様々な角度から撮影することができる。
<1.3.制御装置の構成例>>
ここまで、本実施形態に係る支持アーム装置400の構成について説明した。以下、本実施形態に係る支持アーム装置400におけるアーム部420の駆動制御、すなわち、能動関節部421a〜421fに設けられたアクチュエータ430の回転駆動を制御するための制御装置の構成例について説明する。
ここまで、本実施形態に係る支持アーム装置400の構成について説明した。以下、本実施形態に係る支持アーム装置400におけるアーム部420の駆動制御、すなわち、能動関節部421a〜421fに設けられたアクチュエータ430の回転駆動を制御するための制御装置の構成例について説明する。
図4は、制御装置350を含む支持アーム装置400の全体構成例を示すブロック図である。制御装置350は、制御部351と記憶部357と入力部359とを備える。
制御部351は、例えばCPUやDSP等の各種の信号処理回路によって構成される。制御部351は、制御装置350を統合的に制御するとともに、支持アーム装置400におけるアーム部420の駆動を制御するための各種の演算を行う。具体的に、制御部351は、全身協調制御部353と理想関節制御部355とを有する。全身協調制御部353は、支持アーム装置400のアーム部420の能動関節部421a〜421fに設けられたアクチュエータ430を駆動制御するために、全身協調制御における各種の演算を行う。理想関節制御部355は、外乱の影響を補正することにより全身協調制御に対する理想的な応答を実現する理想関節制御における各種の演算を行う。記憶部357は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶素子であってもよく、あるいは、半導体メモリ、ハードディスク、外付けの記憶装置であってよい。
入力部359は、ユーザが制御部351に対して支持アーム装置400の駆動制御に関する情報や命令等を入力するための入力インタフェースである。入力部359は、例えばレバー、ペダル等のユーザが操作する操作手段を有し、当該レバー、ペダル等の操作に応じて、アーム部420の各構成部材の位置や速度等が、瞬時的な運動目的として設定されてもよい。かかる入力部359は、例えばレバーやペダルの他、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン及びスイッチ等のユーザが操作する操作手段を有してもよい。
また、制御装置350により制御されるアーム部420は、能動関節部421を備える。能動関節部421(421a〜421f)は、リンク422a〜422f及び内視鏡装置423を接続又は支持するための支持部材等、アーム部420の駆動に必要な各種の構成を有する。ここまでの説明及び以下の説明において、アーム部420の関節部の駆動とは、能動関節部421a〜421fにおけるアクチュエータ430の駆動を意味していてもよい。
能動関節部421は、トルクセンサ428、エンコーダ427及びアクチュエータ430を備える。なお、図4では、アクチュエータ430とエンコーダ427及びトルクセンサ428とが分離して図示されているが、エンコーダ427及びトルクセンサ428はアクチュエータ430に含まれて構成されてもよい。
アクチュエータ430は、モータと、モータドライバと、減速機と、から構成される。アクチュエータ430は、例えば力制御に対応するアクチュエータである。アクチュエータ430では、モータの回転が減速機によって所定の減速比で減速され、出力軸を介して後段の他の部材に伝達されることにより、当該他の部材が駆動されることとなる。
モータは、回転駆動力を生み出す駆動機構である。モータは、モータドライバからの制御により、制御部からのトルク指令値に対応するトルクを発生するように駆動される。モータとしては、例えばブラシレスモータが用いられる。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、モータとしては各種の公知の種類のモータが用いられてよい。
モータドライバは、モータに電流を供給することによりモータを回転駆動させるドライバ回路(ドライバIC(Integrated Circuit))であり、モータに供給する電流量を調整することにより、モータの回転数を制御することができる。モータドライバは、制御部からのトルク指令値τに対応する電流をモータに供給することにより、当該モータを駆動させる。
また、モータドライバは、モータに供給する電流量を調整することにより、アクチュエータ430の回転運動における粘性抵抗係数を調整することができる。これにより、アクチュエータ430における回転運動、すなわち、能動関節部421a〜421fにおける回転運動に対して、所定の抵抗を負荷することが可能となる。例えば、能動関節部421a〜421fを、外部から加えられる力に対して回転しやすい状態(すなわち、アーム部420を手動で移動しやすい状態)にすることもできるし、逆に、外部から加えられる力に対して回転し難い状態(すなわち、アーム部420を手動で移動し難い状態)にすることもできる。
モータの回転軸(駆動軸)には、減速機が連結される。減速機は、連結されたモータの回転軸の回転速度(すなわち、入力軸の回転速度)を、所定の減速比で減速させて出力軸に伝達する。本実施形態では、減速機の構成は特定のものに限定されず、減速機としては各種の公知の種類の減速機が用いられてよい。ただし、減速機としては、例えばハーモニックドライブ(登録商標)等の、高精度に減速比が設定可能なものが用いられることが好ましい。また、減速機の減速比は、アクチュエータ430の用途に応じて適宜設定され得る。例えば、本実施形態のように、アクチュエータ430が支持アーム装置400の能動関節部421a〜421fに適用される場合であれば、1:100程度の減速比を有する減速機が好適に用いられ得る。
エンコーダ427は、入力軸の回転角度(すなわち、モータの回転軸の回転角度)を検出する。エンコーダ427によって検出された入力軸の回転数と、減速機の減速比と、に基づいて、能動関節部421a〜421fの回転角度、回転角速度及び回転角加速度等の情報を得ることができる。エンコーダ427としては、例えば磁気式エンコーダ、光学式エンコーダ等の各種の公知のロータリエンコーダが用いられてよい。なお、エンコーダ427は、アクチュエータ430の入力軸にのみ設けられてもよいし、減速機よりも後段に、アクチュエータ430の出力軸の回転角度等を検出するためのエンコーダが更に設けられてもよい。
トルクセンサ428は、アクチュエータ430の出力軸に接続され、アクチュエータ430に作用するトルクを検出する。トルクセンサ428は、アクチュエータ430によって出力されるトルク(発生トルク)を検出する。また、トルクセンサ428は、アクチュエータ430に外部から加えられる外トルクも検出することができる。
以上、能動関節部421の構成について説明した。ここで、本実施形態では、アーム部420の動作が力制御によって制御される。当該力制御においては、支持アーム装置400では、各アクチュエータ430に設けられたエンコーダ427及びトルクセンサ428によって、各能動関節部421a〜421fの回転角度、及び各能動関節部421a〜421fに作用するトルクがそれぞれ検出される。このとき、トルクセンサ428によって検出される各能動関節部421a〜421fに作用するトルクには、アーム部420及び/又は内視鏡装置423に作用する力も含まれ得る。
また、エンコーダ427によって検出された回転角度、及びトルクセンサ428によって検出されたトルク値に基づいて、現在のアーム部420の状態(位置、速度等)が取得され得る。支持アーム装置400では、取得されたアーム部420の状態(アーム状態)に基づいて、アーム部420が所望の運動目的を実行するために必要な、各能動関節部421a〜421fに設けられたアクチュエータ430が発生すべきトルクが算出され、当該トルクを制御値として各能動関節部421a〜421fのアクチュエータ430が駆動されることになる。
なお、アクチュエータ430としては、一般的に力制御によってその動作が制御される各種の装置において用いられている、各種の公知のアクチュエータを用いることができる。例えば、アクチュエータ430としては、本願出願人による先行特許出願である特開2009−269102号公報や特開2011−209099号公報等に記載のものを好適に用いることができる。
本実施形態に係る支持アーム装置400において、アクチュエータ430、及びアクチュエータを構成する各部品の構成は上記の構成に限定されず、他の構成であってもよい。
以上、内視鏡手術システムの基本構成を説明した。以下では、上記説明した内視鏡手術システムの具体的な実施形態を説明する。
<<2.第1の実施形態>>
本実施形態は、バーチャルウォールの設定に関する。
本実施形態は、バーチャルウォールの設定に関する。
<2.1.概要>
本実施形態によれば、多関節アームに連結されて患者の人体内部へ挿入される手術器具の先端と患者との相対的位置関係を計算して、相対的位置関係の計算結果に基づいて手術器具が患者の人体内部で移動可能な範囲を手術器具の先端座標系で設定する制御部、を備える医療用アームシステムが提供される。医療用アームシステムは、患者の体腔内の臓器から所定距離離れた領域を、手術器具の移動可能な範囲として設定する。これにより、手術器具と臓器との接触を避けつつ、手術器具が臓器から離れすぎてしまうことも避けることが可能となる。医療用アームシステムの制御部は、内視鏡手術システム5000のアーム制御装置5045、又はアーム制御装置5045に搭載されるCPU等のプロセッサとして実現され得る。また、上記制御部は、医療用アームシステムとは別体の情報処理装置として実現されてもよい。
本実施形態によれば、多関節アームに連結されて患者の人体内部へ挿入される手術器具の先端と患者との相対的位置関係を計算して、相対的位置関係の計算結果に基づいて手術器具が患者の人体内部で移動可能な範囲を手術器具の先端座標系で設定する制御部、を備える医療用アームシステムが提供される。医療用アームシステムは、患者の体腔内の臓器から所定距離離れた領域を、手術器具の移動可能な範囲として設定する。これにより、手術器具と臓器との接触を避けつつ、手術器具が臓器から離れすぎてしまうことも避けることが可能となる。医療用アームシステムの制御部は、内視鏡手術システム5000のアーム制御装置5045、又はアーム制御装置5045に搭載されるCPU等のプロセッサとして実現され得る。また、上記制御部は、医療用アームシステムとは別体の情報処理装置として実現されてもよい。
より簡易には、本実施形態に係る内視鏡手術システム5000は、患者とアームの相対位置により、移動可能領域を設定し、対象物(例えば、内視鏡又は術具等の手術器具)が移動可能領域から出ないように制御を行う。移動可能領域から出ないような制御が行われることで、臓器損傷のリスクを軽減することが可能である。さらに、移動可能領域から出ない範囲では自在に手術器具を移動させることが可能であるので、術者の利便性が向上する。
移動可能領域を定義する境界は、バーチャルウォール(仮想平面/仮想曲面)として設定されてもよい。バーチャルウォールの設定方法は多様に考えられる。
例えば、第1の設定方法として、内視鏡手術システム5000は、患者の体腔内の形状データに基づいて、術具、内視鏡がアクセスしたくない領域に対して、バーチャルウォールを定義し、動作制限を行う。これにより、複雑な形状のバーチャルウォールを簡単に設定することが可能となる。なお、患者の体腔内の形状データは、術前又は術中等の任意のタイミングで取得され得る。形状データは、例えば、CT(Computed Tomography)画像又はMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像である。これらは、術前に撮影されることが多いので、バーチャルウォール設定のための追加の負担をなくすことができる。
例えば、第2の設定方法として、内視鏡手術システム5000は、患者の腹囲の大きさなどの測定結果に基づいて、術具、内視鏡がアクセスしたくない領域に対して、バーチャルウォールを定義し、動作制限を行う。腹囲の測定は簡易かつ短時間で実行可能であるので、緊急手術の場合、又はCT画像及びMRI画像を撮影していない場合にも、バーチャルウォールを設定することが可能となる。
例えば、第3の設定方法として、内視鏡手術システム5000は、内視鏡(術具)先端からの距離に応じたバーチャルウォールを定義し、動作制限を行う。これにより、例えば手術中に患者の体内の状況が変化した場合にも、内視鏡手術システム5000は、その場で新しいバーチャルウォールを設定することが可能となる。
また、内視鏡手術システム5000は、移動可能領域の設定を変更できる。
また、内視鏡手術システム5000は、移動可能領域の設定を解除できる。
<2.2.詳細>
以下、本実施形態に係る内視鏡手術システム5000の技術的特徴を詳細に説明する。
以下、本実施形態に係る内視鏡手術システム5000の技術的特徴を詳細に説明する。
まず、内視鏡手術システム5000は、ナビゲーション手術の技術を用いて、患者とCT画像又はMRI画像とを位置合わせを行う。位置合わせの方法は、大きく分けて、Surface matching registration、及びPaired point registrationの2種類がある。
Surface matching registrationでは、手術器具で患者の皮膚表面をなぞることで表面形状を測定し、測定結果とCT画像又はMRI画像から計算される表面形状とを合わせる処理が行われる。皮膚表面をなぞらなくても、3次元センサで皮膚表面形状を取得して、取得結果とCT画像又はMRI画像から計算される表面形状とを合わせる処理が行われてもよい。
Paired point registrationでは、CT又はMRI撮影時に患者にマーカーを貼り、患者上の点と画像上の点とで一致するペアを複数準備し、それぞれの座標を合わせることでレジストレーションが行われる。
内視鏡手術システム5000は、患者とCT画像又はMRI画像との位置合わせを完了後、患者と手術器具との位置合わせを行う。そして、内視鏡手術システム5000は、バーチャルウォールを設定する。そして、内視鏡手術システム5000は、バーチャルウォールにより定義された移動可能領域の範囲内に内視鏡(術具)先端が含まれるよう、術具又は内視鏡を動作させることができる。
詳しくは、内視鏡手術システム5000は、患者にも手術器具にもマーカーをつけ、患者位置に対する手術器具の位置姿勢を相対座標で求めてもよい。また、内視鏡手術システム5000は、患者(詳しくは、患者表面)位置を患者(詳しくは、患者表面)座標系とし、手術器具位置を手術器具座標系とし、患者内臓の部分に患者内臓空間を定義してもよい。また、内視鏡手術システム5000は、CT画像又はMRI画像を用いて、患者内臓空間に、手術器具が移動してよい領域と、手術器具が移動してはいけない領域を定義し、それぞれ、患者座標系を用いて、器具移動可能領域、器具移動不可領域を記述してもよい。
−バーチャルウォールの設定方法の一例
バーチャルウォールの設定方法は、多様に考えらえる。以下、第1〜第3の設定方法を説明する。
バーチャルウォールの設定方法は、多様に考えらえる。以下、第1〜第3の設定方法を説明する。
(1)第1の設定方法
第1の設定方法では、CT画像(又はMRI画像)を活用してバーチャルウォールが設定される。以下、第1の設定方法における処理の流れを簡単に説明する。
第1の設定方法では、CT画像(又はMRI画像)を活用してバーチャルウォールが設定される。以下、第1の設定方法における処理の流れを簡単に説明する。
まず、内視鏡手術システム5000は、CT画像を測定する。次いで、内視鏡手術システム5000は、CT画像から3D内臓を作成する。次に、内視鏡手術システム5000は、手術中の患者とCT画像とを位置合わせする。次いで、内視鏡手術システム5000は、患者の座標系をベースとしてバーチャルウォールを定義する。次に、内視鏡手術システム5000は、患者とアームの位置合わせをする。次いで、内視鏡手術システム5000は、アームの座標系から患者の座標系への変換行列を求める。次に、内視鏡手術システム5000は、バーチャルウォールの空間を、変換行列を用いてアーム座標系で記述し、アームの制御に利用する。そして、内視鏡手術システム5000は、術具・内視鏡の先端をアーム座標系で記述し、バーチャルウォールを超えないように制御を行う。
以下、第1の設定方法における処理について詳細に説明する。
・位置合わせ
図5は、本実施形態に係る第1の設定方法における位置合わせ方法を説明するための図である。図5に示すように、アーム先端(例えば、カメラヘッド5005)にアーム位置を測定するためのマーカー6001が取り付けられる。位置計測装置6000は、マーカー6001に基づいてアーム先端位置(及び姿勢)を測定する。また、図5に示すように、患者に患者位置(及び姿勢)を計測するためのマーカー6002が取り付けられる。位置計測装置6000は、マーカー6002に基づいて患者位置を測定する。
図5は、本実施形態に係る第1の設定方法における位置合わせ方法を説明するための図である。図5に示すように、アーム先端(例えば、カメラヘッド5005)にアーム位置を測定するためのマーカー6001が取り付けられる。位置計測装置6000は、マーカー6001に基づいてアーム先端位置(及び姿勢)を測定する。また、図5に示すように、患者に患者位置(及び姿勢)を計測するためのマーカー6002が取り付けられる。位置計測装置6000は、マーカー6002に基づいて患者位置を測定する。
次いで、内視鏡手術システム5000は、測定したアーム先端位置・姿勢に対して、符号6003に示す内視鏡(術具)先端座標系を設定する。また、内視鏡手術システム5000は、測定した患者位置・姿勢に対して符号6004に示す患者座標系を設定する。
そして、内視鏡手術システム5000は、患者座標系から内視鏡(術具)先端座標系への変換行列を求める。
・バーチャルウォールの設定
図6は、本実施形態に係る第1の設定方法におけるバーチャルウォールの設定を説明するための図である。図6に示すように、内視鏡手術システム5000は、符号6005に示す移動可能領域を設定する。具体的には、内視鏡手術システム5000は、患者座標系を用いて、移動可能領域を記述し、移動可能領域(即ち、バーチャルウォール)の設定を行う。その際、内視鏡手術システム5000は、精密な患者の位置が測定できているため、CT画像との3次元位置合わせを行い、CTからの3Dデータを利用して、移動可能領域を定義することもできる。また、内視鏡手術システム5000は、簡易的に手術台からの高さなどによって、移動可能領域を定義することもできる。
図6は、本実施形態に係る第1の設定方法におけるバーチャルウォールの設定を説明するための図である。図6に示すように、内視鏡手術システム5000は、符号6005に示す移動可能領域を設定する。具体的には、内視鏡手術システム5000は、患者座標系を用いて、移動可能領域を記述し、移動可能領域(即ち、バーチャルウォール)の設定を行う。その際、内視鏡手術システム5000は、精密な患者の位置が測定できているため、CT画像との3次元位置合わせを行い、CTからの3Dデータを利用して、移動可能領域を定義することもできる。また、内視鏡手術システム5000は、簡易的に手術台からの高さなどによって、移動可能領域を定義することもできる。
内視鏡手術システム5000は、符号6004に示す患者座標系で記述された移動可能領域に対して、患者座標系から符号6003に示す内視鏡(術具)先端座標系への変換行列を用いて座標変換を行い、内視鏡(術具)先端座標系で移動可能領域を扱えるようにする。そして、内視鏡手術システム5000は、内視鏡(術具)先端座標系で記述された移動可能領域を超えないように、アーム先端位置の制御を行う。
・処理の流れ
図7は、本実施形態に係る第1の設定方法におけるバーチャルウォールの設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、内視鏡手術システム5000は、アーム位置を計測するマーカーを位置計測装置6000で測定する(ステップS102)。次いで、内視鏡手術システム5000は、アームのマーカーからの座標変換を行い、内視鏡(術具)先端座標系を設定する(ステップS104)。次に、内視鏡手術システム5000は、患者位置計測するマーカーを位置計測装置6000で測定する(ステップS106)。次いで、内視鏡手術システム5000は、患者のマーカーからの座標変換を行い、患者座標系を設定する(ステップS108)。次に、内視鏡手術システム5000は、患者座標系から内視鏡(術具)先端座標系の変換行列を求める(ステップS110)。
図7は、本実施形態に係る第1の設定方法におけるバーチャルウォールの設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、内視鏡手術システム5000は、アーム位置を計測するマーカーを位置計測装置6000で測定する(ステップS102)。次いで、内視鏡手術システム5000は、アームのマーカーからの座標変換を行い、内視鏡(術具)先端座標系を設定する(ステップS104)。次に、内視鏡手術システム5000は、患者位置計測するマーカーを位置計測装置6000で測定する(ステップS106)。次いで、内視鏡手術システム5000は、患者のマーカーからの座標変換を行い、患者座標系を設定する(ステップS108)。次に、内視鏡手術システム5000は、患者座標系から内視鏡(術具)先端座標系の変換行列を求める(ステップS110)。
次いで、内視鏡手術システム5000は、CTデータが有るか否かを判定する(ステップS112)。CTデータが有ると判定された場合(ステップS112/YES)、内視鏡手術システム5000は、CT画像の3Dデータとの3次元位置合わせを行う(ステップS114)。次いで、内視鏡手術システム5000は、術前にCT画像の3Dデータから決定した移動可能領域を設定する(ステップS116)。一方で、CTデータが無いと判定された場合(ステップS112/NO)、内視鏡手術システム5000は、手術台からの高さに応じた移動可能領域を設定する(ステップS118)。
移動可能領域を設定後、内視鏡手術システム5000は、患者座標系で記述された移動可能領域に対して、患者座標系から内視鏡(術具)先端座標系への変換行列を用いて、座標変換を行う(ステップS120)。そして、内視鏡手術システム5000は、内視鏡(術具)先端座標系で記述された移動可能領域を超えないように、アーム先端位置の制御を行う(ステップS122)。
(2)第2の設定方法
第2の設定方法では、簡易的なバーチャルウォールが設定される。以下、第2の設定方法における処理の流れを簡単に説明する。
第2の設定方法では、簡易的なバーチャルウォールが設定される。以下、第2の設定方法における処理の流れを簡単に説明する。
まず、患者の腹囲が測定される。次いで、内視鏡手術システム5000は、バーチャルウォールの高さを決め、バーチャルウォールの高さを手術台に対して定義する。次に、内視鏡手術システム5000は、アームと手術台とを位置合わせする。次いで、内視鏡手術システム5000は、バーチャルウォールをアームの座標系で記述し、アームの制御に利用する。そして、内視鏡手術システム5000は、術具・内視鏡の先端をアーム座標系で記述し、バーチャルウォールを超えないように制御を行う。なお、腹囲の測定方法としては、(1)術前に医師または医療スタッフが患者の腹囲を測定し内視鏡手術システムに入力する方法や、(2)内視鏡手術システムに別途カメラ(ステレオカメラ含む)やデプスセンサ等を設け患者の腹囲を計測する方法、(3)アーム先端で患者の腹部に触れて(なぞって)腹囲を測定する方法などが考えられる。また、患者が寝た状態での手術台からの腹部の高さを、(1)カメラ(ステレオカメラ含む)やデプスセンサで計測したり、(2)アーム先端を腹部に合わせて高さを計測したりし、その測定結果に基づいて、内視鏡手術システム5000はバーチャルウォールの高さを定義することも可能である。
以下、第2の設定方法における処理について詳細に説明する。
・位置合わせ
図8は、本実施形態に係る第2の設定方法における位置合わせ方法を説明するための図である。図8に示すように、本方法では、符号6011に示すアーム基準位置、符号6012に示す手術台基準位置、及び符号6013に示す患者基準位置が定義される。内視鏡手術システム5000は、アーム基準位置と手術台基準位置までの位置関係(x,y,z)を測定する。また、内視鏡手術システム5000は、手術台基準位置から患者基準位置までの位置関係(x,y,z)を測定する。なお、図8に示した例では、患者基準位置は、x,yが患者のへそのx,y位置、zが手術台の高さである。
図8は、本実施形態に係る第2の設定方法における位置合わせ方法を説明するための図である。図8に示すように、本方法では、符号6011に示すアーム基準位置、符号6012に示す手術台基準位置、及び符号6013に示す患者基準位置が定義される。内視鏡手術システム5000は、アーム基準位置と手術台基準位置までの位置関係(x,y,z)を測定する。また、内視鏡手術システム5000は、手術台基準位置から患者基準位置までの位置関係(x,y,z)を測定する。なお、図8に示した例では、患者基準位置は、x,yが患者のへそのx,y位置、zが手術台の高さである。
次いで、内視鏡手術システム5000は、アーム基準位置座標系から符号6014に示す内視鏡(術具)先端座標系への変換行列を求める。また、内視鏡手術システム5000は、アーム基準位置座標系から患者基準位置への変換行列を求め、患者座標系を設定する。
そして、内視鏡手術システム5000は、患者座標系から内視鏡(術具)先端座標系への変換行列を求める。
・バーチャルウォールの設定
図9は、本実施形態に係る第2の設定方法におけるバーチャルウォールの設定を説明するための図である。図9に示すように、内視鏡手術システム5000は、符号6015に示す移動可能領域を設定する。体的には、内視鏡手術システム5000は、患者座標系を用いて、移動可能領域を記述し、移動可能領域(即ち、バーチャルウォール)の設定を行う。その際、内視鏡手術システム5000は、簡易的に手術台からの高さなどによって、移動可能領域を定義することもできる。また、術前に測定された患者の胴囲を用いて、内視鏡手術システム5000は、胴囲に応じた高さで移動可能領域を定義することもできる。
図9は、本実施形態に係る第2の設定方法におけるバーチャルウォールの設定を説明するための図である。図9に示すように、内視鏡手術システム5000は、符号6015に示す移動可能領域を設定する。体的には、内視鏡手術システム5000は、患者座標系を用いて、移動可能領域を記述し、移動可能領域(即ち、バーチャルウォール)の設定を行う。その際、内視鏡手術システム5000は、簡易的に手術台からの高さなどによって、移動可能領域を定義することもできる。また、術前に測定された患者の胴囲を用いて、内視鏡手術システム5000は、胴囲に応じた高さで移動可能領域を定義することもできる。
内視鏡手術システム5000は、患者座標系で記述された移動可能領域に対して、患者座標系から内視鏡(術具)先端座標系への変換行列を用いて座標変換を行い、内視鏡(術具)先端座標系で移動可能領域を扱えるようにする。そして、内視鏡手術システム5000は、内視鏡(術具)先端座標系で記述された移動可能領域を超えないように、アーム先端位置の制御を行う。
・処理の流れ
図10は、本実施形態に係る第2の設定方法におけるバーチャルウォールの設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10に示すように、まず、内視鏡手術システム5000は、アーム基準位置と手術台基準位置までの位置関係(x,y,z)を測定し、手術台基準位置からアーム基準位置への変換行列を求める(ステップS202)。次いで、内視鏡手術システム5000は、アーム基準位置からの座標変換を行い、内視鏡(術具)先端座標系を設定する(ステップS204)。次に、内視鏡手術システム5000は、手術台基準位置から患者基準位置までの位置関係(x,y,z)を測定する(ステップS206)。次いで、内視鏡手術システム5000は、手術台基準位置から患者位置までの変換行列を求め、患者座標系を設定する(ステップS208)。次に、内視鏡手術システム5000は、患者座標系から内視鏡(術具)先端座標系の変換行列を求める(ステップS210)。
図10は、本実施形態に係る第2の設定方法におけるバーチャルウォールの設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10に示すように、まず、内視鏡手術システム5000は、アーム基準位置と手術台基準位置までの位置関係(x,y,z)を測定し、手術台基準位置からアーム基準位置への変換行列を求める(ステップS202)。次いで、内視鏡手術システム5000は、アーム基準位置からの座標変換を行い、内視鏡(術具)先端座標系を設定する(ステップS204)。次に、内視鏡手術システム5000は、手術台基準位置から患者基準位置までの位置関係(x,y,z)を測定する(ステップS206)。次いで、内視鏡手術システム5000は、手術台基準位置から患者位置までの変換行列を求め、患者座標系を設定する(ステップS208)。次に、内視鏡手術システム5000は、患者座標系から内視鏡(術具)先端座標系の変換行列を求める(ステップS210)。
次いで、内視鏡手術システム5000は、患者胴囲の測定結果が有るか否かを判定する(ステップS212)。患者胴囲の測定結果が有ると判定された場合(ステップS212/YES)、内視鏡手術システム5000は、患者の胴囲に応じた移動可能領域を設定する(ステップS214)。一方で、患者胴囲の測定結果が無いと判定された場合(ステップS212/NO)、内視鏡手術システム5000は、手術台からの高さに応じた移動可能領域を設定する(ステップS216)。
移動可能領域を設定後、内視鏡手術システム5000は、患者座標系で記述された移動可能領域に対して、患者座標系から内視鏡(術具)先端座標系への変換行列を用いて、座標変換を行う(ステップS218)。そして、内視鏡手術システム5000は、内視鏡(術具)先端座標系で記述された移動可能領域を超えないように、アーム先端位置の制御を行う(ステップS220)。
(3)第3の設定方法
第3の設定方法では、距離に応じたバーチャルウォールが設定される。以下、第3の設定方法における処理の流れを簡単に説明する。
第3の設定方法では、距離に応じたバーチャルウォールが設定される。以下、第3の設定方法における処理の流れを簡単に説明する。
まず、内視鏡手術システム5000は、内視鏡先端座標系を設定する。次いで、内視鏡手術システム5000は、距離センサで臓器までの距離を測定する。次に、内視鏡手術システム5000は、距離に応じたバーチャルウォールを定義する。次いで、内視鏡手術システム5000は、バーチャルウォールの空間を、変換行列を用いてアーム座標系で記述し、アームの制御に利用する。そして、内視鏡手術システム5000は、術具・内視鏡の先端をアーム座標系で記述し、バーチャルウォールを超えないように制御を行う。
以下、第3の設定方法における処理について詳細に説明する。
・バーチャルウォールの設定
図11は、本実施形態に係る第3の設定方法におけるバーチャルウォールの設定を説明するための図である。図11に示すように、内視鏡手術システム5000は、符号6021に示す移動可能領域を設定する。具体的には、まず、内視鏡手術システム5000は、距離センサにより内視鏡先端から患者体内の臓器までの距離を測定する。これにより、内視鏡手術システム5000は、患者体内の開空間の大きさを知得する。なお、距離計測には、デプスセンサ、3D内視鏡(ステレオ)、オートフォーカス距離、単眼ステレオ、又はSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などの技術が活用され得る。そして、内視鏡手術システム5000は、距離に応じた移動可能領域を、符号6022に示す内視鏡先端座標系で記述する。
図11は、本実施形態に係る第3の設定方法におけるバーチャルウォールの設定を説明するための図である。図11に示すように、内視鏡手術システム5000は、符号6021に示す移動可能領域を設定する。具体的には、まず、内視鏡手術システム5000は、距離センサにより内視鏡先端から患者体内の臓器までの距離を測定する。これにより、内視鏡手術システム5000は、患者体内の開空間の大きさを知得する。なお、距離計測には、デプスセンサ、3D内視鏡(ステレオ)、オートフォーカス距離、単眼ステレオ、又はSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などの技術が活用され得る。そして、内視鏡手術システム5000は、距離に応じた移動可能領域を、符号6022に示す内視鏡先端座標系で記述する。
そして、内視鏡手術システム5000は、内視鏡先端座標系で記述された移動可能領域を超えないように、アーム先端位置の制御を行う。
第3の設定方法におけるバーチャルウォールの設定について、図12を参照してさらに詳しく説明する。
図12は、本実施形態に係る第3の設定方法におけるバーチャルウォールの設定を説明するための図である。図12では、患者5071の腹壁に穿刺されたトロッカ5025aから患者5071の体腔内に内視鏡5001の鏡筒5003が挿入された様子が示されている。内視鏡手術システム5000は、内視鏡先端から臓器までの距離WD(Working Distance)を測定する。次いで、内視鏡手術システム5000は、測定した距離WDから内視鏡最短距離(最短でピントが合う距離)であるWDminを引いた距離を、バーチャルウォール設定距離WDVWとして設定する。そして、内視鏡手術システム5000は、バーチャルウォール設定距離WDVW及び内視鏡の画角6031に基づいて、バーチャルウォール6032を設定する。このバーチャルウォール6032に含まれる領域が、内視鏡の移動可能領域である。このような設定により、ピントが合わない距離にまで内視鏡5001が臓器に近づくことを防止することができる。
なお、内視鏡5001は、測距センサを備え、距離WDは、かかる測距センサにより測定される。測距センサは、カメラヘッド5005に設けられてもよいし、鏡筒5003に設けられてもよい。また、内視鏡5001に設けられる撮像装置(例えば、上述した撮像部5009)が測距センサとして機能してもよい。測距方法としては、TOF(Time of Flight)方式、オートフォーカスの距離に基づく測距、ステレオ画像に基づく測距、及びSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術の利用等、多様な技術が採用され得る。内視鏡5001に測距センサが備えられることで、内視鏡手術システム5000は、患者体内の開空間の大きさを知得し、バーチャルウォールを設定するための情報として使用することが可能となる。
・処理の流れ
図13は、本実施形態に係る第3の設定方法におけるバーチャルウォールの設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図13に示すように、まず、内視鏡手術システム5000は、アーム基準位置からの座標変換を行い、内視鏡先端座標系を設定する(ステップS302)。次いで、内視鏡手術システム5000は、距離センサにより内視鏡先端から患者体内の臓器までの距離WDを測定する(ステップS304)。
図13は、本実施形態に係る第3の設定方法におけるバーチャルウォールの設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図13に示すように、まず、内視鏡手術システム5000は、アーム基準位置からの座標変換を行い、内視鏡先端座標系を設定する(ステップS302)。次いで、内視鏡手術システム5000は、距離センサにより内視鏡先端から患者体内の臓器までの距離WDを測定する(ステップS304)。
次に、内視鏡手術システム5000は、内視鏡最短距離WDmin情報が有るか否かを判定する(ステップS306)。内視鏡最短距離WDmin情報が有ると判定された場合(ステップS306/YES)、内視鏡手術システム5000は、内視鏡最短距離WDminを、測定した距離WDから引いたバーチャルウォール設定距離WDvwを設定する(ステップS308)。一方で、内視鏡最短距離WDminが無いと判定された場合(ステップS306/NO)、内視鏡手術システム5000は、測定した距離WDをバーチャルウォール設定距離WDvwとして設定する(ステップS310)。
次いで、内視鏡手術システム5000は、バーチャルウォール設定距離WDvw及び内視鏡の画角に応じた移動可能領域を内視鏡先端座標系で設定する(ステップS312)。そして、内視鏡手術システム5000は、内視鏡先端座標系で記述された移動可能領域を超えないように、アーム先端位置の制御を行う(ステップS314)。
−バーチャルウォールの設定に関するイメージ
以下、図14〜図20を参照して、バーチャルウォールの設定に関するイメージを説明する。図14〜図20は、本実施形態に係るバーチャルウォールの設定を説明するための図である。
以下、図14〜図20を参照して、バーチャルウォールの設定に関するイメージを説明する。図14〜図20は、本実施形態に係るバーチャルウォールの設定を説明するための図である。
図14に示すように、レジストレーションの際には、例えば患者5071に4つのマーカー6002(6002A〜6002D)が取り付けられる。図15は、大腸付近を撮影対象としたCT画像の一例である。図16は、CT画像から3次元化した大腸のイメージである。内視鏡手術システム5000は、患者の体に取り付けられたマーカーを利用して、術前に測定した大腸の位置を手術中の患者の体の位置に位置合わせする。図17は、設定されるバーチャルウォールの第1の例である。第1の例では、大腸にも触れないバーチャルウォール6041が設定されている。図18は、設定されるバーチャルウォールの第2の例である。第2の例では、大腸には触れられるが、その奥の臓器には触れられないバーチャルウォール6042が設定されている。図19は、設定されるバーチャルウォールの第3の例である。第3の例では、簡易的なバーチャルウォール6043が設定されている。この簡易的なバーチャルウォール6043は、測定された腹囲に応じて高さが調整され得る。図20は、設定されるバーチャルウォールの第4の例である。第4の例では、簡易的なバーチャルウォール6044が設定されている。この簡易的なバーチャルウォール6044は、身体の中心位置から弧を描くように設定されており、測定された腹囲に応じて弧が調整され得る。
−バーチャルウォールの設定に関する補足
内視鏡手術システム5000は、手術中に内視鏡、術具の動作範囲が狭くなる方向に対してバーチャルウォールを設定することを容易に行えるようにしておくことが望ましい。例えば、内視鏡手術システム5000は、手術中に、移動可能領域が狭まるよう移動可能領域の境界を定義するバーチャルウォールを再設定する。これにより、術者は、安全に手術を行うための設定を簡単に行うことができる。
内視鏡手術システム5000は、手術中に内視鏡、術具の動作範囲が狭くなる方向に対してバーチャルウォールを設定することを容易に行えるようにしておくことが望ましい。例えば、内視鏡手術システム5000は、手術中に、移動可能領域が狭まるよう移動可能領域の境界を定義するバーチャルウォールを再設定する。これにより、術者は、安全に手術を行うための設定を簡単に行うことができる。
また、内視鏡手術システム5000は、手術中に内視鏡、術具の動作範囲が広くなる方向に対してバーチャルウォールを設定することは慎重に行うようにしておくことが望ましい。例えば、UIでOK又はNGを選択させ、OKが選択された場合にのみ設定する等、簡単には設定できないようにしておくことが望ましい。動作範囲が広くなる方向にバーチャルウォールが設定されると、手術器具の臓器接触リスクが相対的に高くなるところ、操作の確認が行われることで、そのような設定を誤って行うことを防止することができる。
また、内視鏡手術システム5000は、バーチャルウォールを解除できるようにしておくことが望ましい。
−アーム先端位置の制御
内視鏡手術システム5000は、内視鏡(術具)先端座標系で記述されたバーチャルウォール(即ち、移動可能領域)を超えないように、アーム先端位置の制御を行う。具体的には、内視鏡手術システム5000は、操作空間内の運動目的を下記の数式(1)のように設定する。
内視鏡手術システム5000は、内視鏡(術具)先端座標系で記述されたバーチャルウォール(即ち、移動可能領域)を超えないように、アーム先端位置の制御を行う。具体的には、内視鏡手術システム5000は、操作空間内の運動目的を下記の数式(1)のように設定する。
ここで、数式(1)の左辺は、操作空間内の運動目的である。また、Δx=xw−xであり、バーチャルウォールの設定位置xwと現在の内視鏡(術具)先端位置xとの差を表す。また、Kp及びKvの設定値により、バーチャルウォールに達した時の特性(例えば、硬さ)を変更することが可能である。
上記数式(1)に示した運動目的から、全軸協調制御を介し各関節に作用するトルクταが算出されるので、アーム全体としては、上記数式(1)に示した運動目的に相当する反力を受けた動作となる。
−効果
本実施形態によれば、内視鏡手術システム5000は、臓器損傷のリスクを軽減することが可能である。また、内視鏡手術システム5000は、手術中に内視鏡、術具を操作する医師のストレスを低減することが可能である。また、内視鏡手術システム5000は、ジョイスティック、マスタースレイブなどの触覚がない操作についても、術者が安心して内視鏡、術具の操作を行うことを可能にする。
本実施形態によれば、内視鏡手術システム5000は、臓器損傷のリスクを軽減することが可能である。また、内視鏡手術システム5000は、手術中に内視鏡、術具を操作する医師のストレスを低減することが可能である。また、内視鏡手術システム5000は、ジョイスティック、マスタースレイブなどの触覚がない操作についても、術者が安心して内視鏡、術具の操作を行うことを可能にする。
本実施形態に係る技術は、制御対象が臓器に触れることが防止されるので、特に内視鏡に有効である。また、本実施形態に係る技術は、鉗子、術具については、例えば膵臓など損傷しやすい部分を保護したり、神経損傷などを起こしやすい部分に対して、保護したりするような使い方を実現可能である。
<<3.第2の実施形態>>
<3.1.概要>
本実施形態は、バーチャルウォールの使用に関する。
<3.1.概要>
本実施形態は、バーチャルウォールの使用に関する。
本実施形態によれば、患者の体腔内に仮想面を設定し、多関節アームに取り付けられて患者の体腔内へ挿入される内視鏡のうち体腔内の所定の点を仮想面上に拘束するように多関節アームを制御する制御部、を備える医療用アームシステムが提供される。適切な仮想面(例えば、第1の実施形態において説明したバーチャルウォール)が設定される場合、内視鏡のうち体腔内の所定の点が仮想面に拘束されることで、臓器損傷リスクを軽減させることが可能である。さらに、本実施形態に係る医療用アームシステムは、内視鏡により得られる画像の中心領域(中心又はその付近)に体腔内の対象物(即ち、観察対象物)が存在するように多関節アームを制御する。これにより、内視鏡により得られる画像の中心領域に手術器具又は腫瘍等の対象物を捉えることが可能となり、術者の利便性が向上する。医療用アームシステムの制御部は、内視鏡手術システム5000のアーム制御装置5045、又はアーム制御装置5045に搭載されるCPU等のプロセッサとして実現され得る。また、上記制御部は、医療用アームシステムとは別体の情報処理装置として実現されてもよい。仮想面上に拘束される所定の点を、以下で拘束対象点とも称する。
以下、図21及び図22を参照して、本実施形態の概要を説明する。なお、以下では、拘束対象点は内視鏡の先端であるものとする。
図21及び図22は、本実施形態の概要を説明するための図である。図21では、患者5071の腹壁に穿刺されたトロッカ5025aから患者5071の体腔内に内視鏡5001の鏡筒5003が挿入された様子が示されている。実線で示された内視鏡5001は、現在の位置姿勢を示しており、破線で示された内視鏡5001は、本実施形態に係る内視鏡制御処理による移動先の(即ち、未来の)位置姿勢を示している。また、患者5071の腹壁に穿刺されたトロッカ5025dから鉗子5023が挿入されている。図22では、図21に示した内視鏡5001により得られる画像(以下、内視鏡映像とも称する)が示されており、左図が現在の位置姿勢で得られる画像であり、右図が本実施形態に係る内視鏡制御処理による移動後に得られる画像である。
図21を参照すると、内視鏡5001の現在の位置姿勢では、鉗子5023の先端が内視鏡5001の視野6052内に捉えられているものの、中心軸(即ち、光軸)6051上にはない。そのため、図22の左図に示すように、中心に鉗子5023の先端が映っていない内視鏡映像が得られることになる。本実施形態に係る内視鏡手術システム5000は、このような状況において、画面中心に鉗子5023等の術具が映るように、内視鏡5001を移動させる処理を行う。詳しくは、内視鏡手術システム5000は、鉗子5023の先端が中心軸6051上に位置するように、図示しない支持アーム装置5027により内視鏡5001を移動させる。これにより、図22の右図に示すように、中心に鉗子5023の先端が映った内視鏡映像が得られることになる。
このように、内視鏡手術システム5000は、術具を自動で追従して、術具が画面中心に映った内視鏡映像を提供することが可能となる。よって、術者は、手術を中断して内視鏡5001を操作せずとも、快適に手術を継続することが可能となる。また、追従の対象物が上記説明したように鉗子である場合、鉗子は手術における使用頻度が高いので、術者の利便性を特に向上させることが可能である。
さらに、図21を参照すると、仮想面6050が設定されている。仮想面6050は、例えば、上述した第1の実施形態において説明した処理により設定されたバーチャルウォールであってもよい。本実施形態に係る内視鏡手術システム5000は、内視鏡先端を仮想面6050上に拘束して移動させる。これにより、内視鏡手術システム5000は、内視鏡を臓器に接触させることなく、術具を自動で追従することが可能である。また、内視鏡を単純に傾けるだけでは撮影対象(臓器及び術具)から遠ざかってしまうところ、内視鏡先端が仮想面上に拘束されるので、撮影対象から遠ざかることを防止することが可能である。
なお、図21では、仮想面6050が直線(即ち、平面)として図示されているが、仮想面6050は曲面であってもよく、例えば、臓器から所定の距離を保つ曲面であってよい。
続いて、図23を参照して、拘束対象点の一例を説明する。図23は、本実施形態に係る拘束対象点の一例を説明するための図である。図23では、患者5071の腹壁に穿刺されたトロッカ5025aから患者5071の体腔内に、内視鏡5001A〜5001Cの各々の鏡筒5003が挿入された様子が示されている。図23の左側に示す内視鏡5001Aは、内視鏡の長手方向(即ち、進行方向)の対象物6060Aを撮像対象とする直視鏡である。図23の中央に示す内視鏡5001Bは、内視鏡の長手方向から斜めにずれた方向の対象物6060Bを撮像対象とする斜視鏡である。図23の右側に示す内視鏡5001Cは、内視鏡の長手方向と直交する方向(即ち、内視鏡の側面)の対象物6060Cを撮像対象とする側視鏡である。内視鏡手術システム5000は、内視鏡5001A〜5001Cの長手方向の先端の点6070A〜6070Cを、拘束対象点としてもよい。この場合、臓器に接触する可能性が最も高い、内視鏡5001のうち患者の体腔内に挿入される部分において最もトロッカ5025aから遠い点が、仮想面に拘束されることとなるので、臓器損傷リスクを最小化することができる。内視鏡手術システム5000は、内視鏡5001A〜5001Cの対物レンズ上の点6071A〜6071Cを、拘束対象点としてもよい。対物レンズは、典型的には図23に示すように内視鏡先端の付近に存在するので、内視鏡先端を拘束対象点とする場合と同様に、臓器損傷リスクを軽減することができる。もちろん、拘束対象点は、これらの例に限定されず、内視鏡先端付近に存在する任意の点とすることができる。なお、以下では、拘束対象点は内視鏡先端であるものとして説明する。
続いて、図24を参照して、上述した内視鏡制御を実現する処理の概要を説明する。
図24は、本実施形態に係る内視鏡制御処理の概要を説明するための図である。図24に示した各々のブロックは処理を示しており、内視鏡制御処理は複数の処理から成る。図24に示すように、内視鏡手術システム5000は、画像処理を行って、術具等のターゲットを検出する。次いで、内視鏡手術システム5000は、検出結果に基づいてターゲットの位置を算出する。次に、内視鏡手術システム5000は、算出されたターゲットの位置及びトロッカ位置に基づいて、現在の内視鏡の姿勢を算出する。次いで、内視鏡手術システム5000は、算出した現在の内視鏡の姿勢及び仮想面(平面又は曲面)の設定情報に基づいて、目標となる内視鏡先端位置を算出する。次に、内視鏡手術システム5000は、現在の内視鏡の姿勢と目標となる内視鏡先端位置とに基づいて内視鏡の姿勢の変化量を演算し、演算した変化量に応じた姿勢変化を実現させるためのアームの制御情報(即ち指令)を生成する。そして、内視鏡手術システム5000は、生成した指令に従って動作するようロボットアーム(例えば、アーム部5031)を制御する。内視鏡手術システム5000は、以上説明した一連の処理を繰り返し行う。
<3.2.詳細>
以下、本実施形態に係る内視鏡制御処理の詳細を説明する。
以下、本実施形態に係る内視鏡制御処理の詳細を説明する。
(1)はじめに
本実施形態によれば、内視鏡手術システム5000は、内視鏡映像から術具を認識して自動で追従する機能を実現可能である。以下では、画像処理部分(マーカ検出)および検出結果からアームが内視鏡を操作して、トロッカ点を考慮しつつ画面中心に術具がくるように移動させるための計算方法を説明する。
本実施形態によれば、内視鏡手術システム5000は、内視鏡映像から術具を認識して自動で追従する機能を実現可能である。以下では、画像処理部分(マーカ検出)および検出結果からアームが内視鏡を操作して、トロッカ点を考慮しつつ画面中心に術具がくるように移動させるための計算方法を説明する。
以下、機能要件を説明した後、画像処理による術具(マーカー)の検出方法を記載し、そのあとに検出結果から目標となる移動情報と姿勢情報に変換して動作するまでの計算方法を説明する。
(2.1)機能要件
内視鏡下外科手術を想定すると、以下の制約が設定される。アームの操作は、これらの制約を守った上で、画面中心に術具をとらえ続けるような連続的な操作を実現することが望ましい。
・トロッカ点から内視鏡が離れないこと
・開始時点の内視鏡先端部に設定される面(例えば、第1の実施形態におけるバーチャルウォール)上を移動すること
・内視鏡映像には2Dが使用されること
・カメラおよび内視鏡のキャリブレーションは行わずに実現できること
内視鏡下外科手術を想定すると、以下の制約が設定される。アームの操作は、これらの制約を守った上で、画面中心に術具をとらえ続けるような連続的な操作を実現することが望ましい。
・トロッカ点から内視鏡が離れないこと
・開始時点の内視鏡先端部に設定される面(例えば、第1の実施形態におけるバーチャルウォール)上を移動すること
・内視鏡映像には2Dが使用されること
・カメラおよび内視鏡のキャリブレーションは行わずに実現できること
なお、以下では、直視鏡のみを説明対象とし斜視鏡を説明対象外とするが、もちろん、斜視鏡にも本技術は適用可能である。
(2.2)画像処理
内視鏡手術システム5000は、画像処理により術具(例えば、術具の先端位置及び/又は姿勢)を検出する。
内視鏡手術システム5000は、画像処理により術具(例えば、術具の先端位置及び/又は姿勢)を検出する。
例えば、目印となるマーカーを術具先端部に取り付けることで、内視鏡映像に基づく画像処理により術具の位置が検出されてもよい。マーカーは、検出容易であることが望ましい。例えば、マーカーは青又は緑といった、体腔内では目立つ色であってもよい。また、マーカーは、2次元コード又はバーコード等の特定のパターンであってもよい。これにより、内視鏡手術システム5000は、追従の対象物を容易に認識することが可能となる。
例えば、目印となるマーカーを術具の体外に出ている部分に取り付けることで、外部のセンサによるマーカーの検出結果、術具の長さ及び姿勢等の情報に基づいて術具の位置が検出されてもよい。
なお、術具の検出は、画像処理以外の手法により行われてもよい。
例えば、特別なトロッカを作成することで、術具の挿入量とトロッカの角度とに基づいて術具の位置が算出されてもよい。
例えば、術具を内視鏡とは別のロボットアームに取り付けることで、ロボットアームの位置姿勢情報から術具の位置が算出されてもよい。
(2.3)目標計算
(2.3.1)処理の概要
内視鏡手術システム5000は、目標計算を行う。目標計算は、位置及び姿勢の二つを計算して、移動を指示するための計算である。
(2.3.1)処理の概要
内視鏡手術システム5000は、目標計算を行う。目標計算は、位置及び姿勢の二つを計算して、移動を指示するための計算である。
詳しくは、内視鏡手術システム5000は、最初に目標位置を画像処理結果から求めたあと、トロッカ点を起点とした現在の姿勢及び目標位置到達時の姿勢に基づいて、姿勢の変化量を決定する。また、内視鏡手術システム5000は、画像処理の結果から移動量を求める間はエンコーダから取得される現在の位置・姿勢を基に目標計算を行うが、実際の指令を行う場合は、最後に行った指令値に、算出した値を足し合わせて行う。この理由は、現在値と指令値との間に制御誤差に起因するズレが発生していて、指令値を出す場合に現在値を起点にゴールを設定してしまうと動作がスムーズでなくなり、また誤差が大きくなっていく問題が発生するためである。
以下、図25を参照して、目標計算処理の流れの一例を説明する。
図25は、本実施形態に係る内視鏡手術システム5000による目標計算処理の流れの一例を示すフローチャートである。図25に示すように、内視鏡手術システム5000は、まず、座標計算を行う。
座標計算において、内視鏡手術システム5000は、まず、現在値基準で座標を計算する。詳しくは、内視鏡手術システム5000は、画像処理結果を取得する(ステップS402)。次いで、内視鏡手術システム5000は、検出位置をカメラ座標系に変換する(即ち、2Dから3Dへの変換)(ステップS404)。次に、内視鏡手術システム5000は、カメラ座標系からWorld座標系へ変換する(ステップS406)。次いで、内視鏡手術システム5000は、トロッカ点から単位ベクトルへ変換する(ステップS408)。次に、内視鏡手術システム5000は、既定平面(即ち、仮想面)との交点までの長さを求める(ステップS410)。次いで、内視鏡手術システム5000は、トロッカ点から既定平面までのベクトルをWorld座標系へ変換する(ステップS412)。
内視鏡手術システム5000は、現在値基準で座標を計算した後、指令値基準で座標を計算する。詳しくは、内視鏡手術システム5000は、内視鏡の長さを基に挿入深さへ変換する(ステップS414)。
座標計算後、内視鏡手術システム5000は、姿勢計算を行う。
姿勢計算において、内視鏡手術システム5000は、まず、現在値基準で姿勢を計算する。詳しくは、内視鏡手術システム5000は、現在の姿勢ベクトルを取得する(ステップS416)。次いで、内視鏡手術システム5000は、計算した新しい目標ベクトルの姿勢を求める(ステップS418)。次に、内視鏡手術システム5000は、計算した新しい目標ベクトルとの間の相対的な姿勢変化量を求める(ステップS420)。
内視鏡手術システム5000は、現在値基準で姿勢を計算した後、指令値基準で姿勢を計算する。詳しくは、内視鏡手術システム5000は、最終指令値の姿勢からの姿勢変化量に変換する(ステップS422)。
以上説明した処理により、内視鏡手術システム5000は、目標位置及び目標姿勢を得る。
(2.3.2)目標位置計算
図26は、本実施形態に係る目標位置計算を説明するための図である。図26に示すように、画像処理結果は、カメラ先端の画面中心を(0.5,0.5)としたカメラ座標系から見た位置が、[0.0−1.0]に正規化された値で通知される。そのままでは無次元の値のため、内視鏡手術システム5000は、最初にメートル単位系に変換する。ただし、内視鏡手術システム5000は、画像処理結果は2Dで奥行き方向の情報がないため、変換の際に奥行きを例えば50[mm]と仮定して、画角と組み合わせて仮想的な位置とする。
図26は、本実施形態に係る目標位置計算を説明するための図である。図26に示すように、画像処理結果は、カメラ先端の画面中心を(0.5,0.5)としたカメラ座標系から見た位置が、[0.0−1.0]に正規化された値で通知される。そのままでは無次元の値のため、内視鏡手術システム5000は、最初にメートル単位系に変換する。ただし、内視鏡手術システム5000は、画像処理結果は2Dで奥行き方向の情報がないため、変換の際に奥行きを例えば50[mm]と仮定して、画角と組み合わせて仮想的な位置とする。
奥行を50[mm]と仮定した理由を説明する。第1の理由は、仮定した値が実際の値より大きいと、(x,y)の移動量が実際の(x,y)より大きくなり、オーバーランする(振動的になる)ためである。第2の理由は、想定術式での撮影距離を50[mm]〜100[mm]と設定して、最短の距離としたためである。第3の理由は、実距離のほうが大きい場合、次の画像処理結果で新たに残差から移動が決定されるため、最終的にゴールに到達可能なためである。
また、無次元の値(x,y)をメートル単位(X,Y,Z)に変換するためには、以下の数式(2)〜(4)が使用される。
ただし、zconstは、仮定した奥行距離(今回は0.05)である。
カメラ座標系とアームの最終軸(Camera Yaw軸)とは、z軸回りに0度、±90度、180度のいずれか回転した状態で取り付けられている。例えば、180度回転した状態で取り付けられている場合、z軸回りの回転行列をかけて内視鏡の長さLをz軸方向に足すことで、Camera Yaw軸の座標系から見た位置PCamera Yawへ変換される。
内視鏡手術システム5000は、求めた対象の位置から、内視鏡映像の中心部に対象物が映るようにするために、カメラの光軸上に対象物が一致するようにカメラを移動させる。その際、内視鏡の場合、トロッカ点から内視鏡が外れないこと、および動作開始時に設定した平面上を先端が動作すること、という二つの拘束条件を考慮した動作が行われることが望ましい。そのため、内視鏡手術システム5000は、先端の目標位置として、トロッカ点と対象の位置を結んだ線上かつ、指定平面との交点を求める。内視鏡手術システム5000は、この計算を、例えば以下のように行う。
カメラ座標系Ocからみた、対象からトロッカ点方向の単位ベクトルをwc、対象の位置をqc、既定平面の原点をOPとする。このとき、OcからみたOp平面上と交わる点q’は、q’=qc+αwcとおける(αは、ベクトルの長さを決めるスカラー値である)。ここで、αを求めるためにq’をOpから見た場合、q’のzは0となることを利用する。そこで、この値をq’pとおいたとき、q’pは次式のように表される。
この関係式からq’pのzが0になるような方程式は、次式のように表される。
ただし、z(・)は、ベクトルのzの値をとる関数である。上記数式(7)をαについて解くと、次式が導かれる。
上記数式(8)をq’cと組み合わせると、次式が導かれる。
上記数式(9)に示したq’cが、目標位置となる。
目標位置は、現在値を基準に決定されるが、指令値は最終指令値を基準にした相対的な変位量として指令される。そのため、現在値としての先端位置pcと求めたq’cおよび最終指令値pを用いると、新しい指令値p’は次式で表される。
(2.3.3)目標姿勢計算
内視鏡手術システム5000は、目標位置が決まったあとに目標姿勢を求める。すでに目標姿勢についての情報としてwpがあるため、このwpと現在の姿勢の単位ベクトルvpからクォータニオンを使って次式のように姿勢を求めることができる。以下では、wpとvpをクォータニオンへ変換したものをそれぞれqw、qvとおく。なお、本節におけるqw及びqvは、(3.3.2)におけるqw及びqvと記号が同じであるが別の意味であることに注意されたい。
内視鏡手術システム5000は、目標位置が決まったあとに目標姿勢を求める。すでに目標姿勢についての情報としてwpがあるため、このwpと現在の姿勢の単位ベクトルvpからクォータニオンを使って次式のように姿勢を求めることができる。以下では、wpとvpをクォータニオンへ変換したものをそれぞれqw、qvとおく。なお、本節におけるqw及びqvは、(3.3.2)におけるqw及びqvと記号が同じであるが別の意味であることに注意されたい。
qw内でwpの符号がマイナスとなっている理由は、もともとのベクトルが対象位置からトロッカ方向へのベクトルであるためであり、方向を反転させる目的でマイナスが適用されている。ベクトルをクォータニオンに変換したもの同士の積は、実部は虚部のベクトルの内積が符号を反転したものとなり、虚部は二つのベクトルのクロス積となる。またクロス積は、二つのベクトルと直交した回転軸となることがわかっている。
そのため、二つのベクトルのなす角をθ、クロス積の結果をuとおいたとき、次式の関係から、uを回転軸としてθ回転させればよいことになる。
そこで、これら2つを用いて回転を表すクォータニオンqrは次式で表される。
qrも、目標位置と同様に計算結果は現在の姿勢を基にしているが、指令値は最終指令値からの変化として計算される。この指令値は、pを用いて次式で表される。
(3)実施環境
これまでに説明した方法で実際に動作実験を行ったところ、良好な動作結果が得られた。そこで、以下では、実験に用いた構成及び環境について説明する。
これまでに説明した方法で実際に動作実験を行ったところ、良好な動作結果が得られた。そこで、以下では、実験に用いた構成及び環境について説明する。
(3.1)調整パラメータ
実機で動作するにあたって、動作に関係するいくつかのパラメータを調整した。ここではそのパラメータ及び最終的な値を説明する。
実機で動作するにあたって、動作に関係するいくつかのパラメータを調整した。ここではそのパラメータ及び最終的な値を説明する。
(3.1.1)画像処理周期
映像自体は60[Hz]の周期で更新されるが、実際にこの周期で目標を更新したところ発散的な振動が発生して安定した動作を行えなかった。原因として以下のようなものが考えられる。
・次回更新周期までに移動を完了しようとして高速移動になる
・移動が速く画像がぶれて処理結果が不安定になる
・ノイズに対しても敏感に反応してしまう
映像自体は60[Hz]の周期で更新されるが、実際にこの周期で目標を更新したところ発散的な振動が発生して安定した動作を行えなかった。原因として以下のようなものが考えられる。
・次回更新周期までに移動を完了しようとして高速移動になる
・移動が速く画像がぶれて処理結果が不安定になる
・ノイズに対しても敏感に反応してしまう
対策方法としては最大速度の制限を加えるなどが考えられた。今回は、画像の更新周期を5[Hz]に落とすことで、最終的に安定した動作が実現された。
(3.1.2)更新ごとの追従量
追従動作は、次の画処理結果の更新値がくるまでに画処理結果に基づいて決定した位置への移動を行う動作である。理想的には、次の更新時点で完全に前回の結果の位置にいることが望ましい。ただし、今回、画像処理による位置は奥行き方向を仮想的な距離としているため、誤差が大きいことが予想された。そこで、1回の画処理結果に対して次回の更新タイミングまでに進む量(即ち、追従量)は、理想的な目標位置の半分とした。つまり、画像処理の周期を半分とした場合と同様の動作が行われる。また、このような追従量の設定は、P制御におけるゲインを0.5としたときと同等の効果を期待して行われた。
追従動作は、次の画処理結果の更新値がくるまでに画処理結果に基づいて決定した位置への移動を行う動作である。理想的には、次の更新時点で完全に前回の結果の位置にいることが望ましい。ただし、今回、画像処理による位置は奥行き方向を仮想的な距離としているため、誤差が大きいことが予想された。そこで、1回の画処理結果に対して次回の更新タイミングまでに進む量(即ち、追従量)は、理想的な目標位置の半分とした。つまり、画像処理の周期を半分とした場合と同様の動作が行われる。また、このような追従量の設定は、P制御におけるゲインを0.5としたときと同等の効果を期待して行われた。
(3.1.3)速度制限
上記説明したように、一回の画像処理結果に対する移動量は、次回画処理結果の更新までに全体の半分の距離まで近づいているように調整されている。しかし、マーカーが一度画面外に出た後、再び画面に映るような場合、移動距離が大きいためどうしても移動速度が大きくなってしまう。例えば、患者の体腔内の臓器近くで動作する内視鏡があまり高速で動作をすると、接触の危険や不安が生じ得る。そこで、内視鏡手術システム5000は、内視鏡先端の移動速度を所定の速度以下に制限する。これにより、内視鏡が患者の体腔内の臓器に接触する危険や不安を低減することができる。
上記説明したように、一回の画像処理結果に対する移動量は、次回画処理結果の更新までに全体の半分の距離まで近づいているように調整されている。しかし、マーカーが一度画面外に出た後、再び画面に映るような場合、移動距離が大きいためどうしても移動速度が大きくなってしまう。例えば、患者の体腔内の臓器近くで動作する内視鏡があまり高速で動作をすると、接触の危険や不安が生じ得る。そこで、内視鏡手術システム5000は、内視鏡先端の移動速度を所定の速度以下に制限する。これにより、内視鏡が患者の体腔内の臓器に接触する危険や不安を低減することができる。
今回の手法では、トロッカ点を拘束点としているため、先端の位置は大きく変化しない一方で、姿勢が大きく変化する。そのため、姿勢の変化速度が、最大で10[deg/s]以下になるように速度制限を行った。これによって、画面外からマーカーが入ってきた場合も、急激な動きを緩和して安定した動作を行わせることが可能となった。
以上説明した調整パラメータの設定を、下記の表1にまとめた。
(3.1.4)CCUの設定
画像処理は、カメラの画づくりの影響を受けるため、使用したCCUの設定をAuto Exposureとして、White Balanceは実験直前にWhite Balance調整機能を使用して調整した3200[K]を使用した。2種類の実験環境で実験を行ったが、いずれの場合も接続した光源装置の影響が支配的だったため、いずれも同じパラメータで良好な動作を示した。
画像処理は、カメラの画づくりの影響を受けるため、使用したCCUの設定をAuto Exposureとして、White Balanceは実験直前にWhite Balance調整機能を使用して調整した3200[K]を使用した。2種類の実験環境で実験を行ったが、いずれの場合も接続した光源装置の影響が支配的だったため、いずれも同じパラメータで良好な動作を示した。
(4)拘束の解除
内視鏡手術システム5000は、仮想面への拘束対象点の拘束を解除してもよい。例えば、アーム部5031がユーザからの外力を受けて、アーム制御装置5045がパワーアシスト制御を行ったことをトリガとして、内視鏡手術システム5000は、仮想面への拘束対象点の拘束を解除してもよい。また、内視鏡手術システム5000は、術者による音声入力又は図示しないボタン等への入力により拘束の解除が指示されたことをトリガとして、仮想面への拘束対象点の拘束を解除してもよい。内視鏡手術システム5000は、ロボットアームを手術で使用しなくなった場合、内視鏡の交換、洗浄などで内視鏡5001を患者の体腔外に取り出す場合など、体腔内での処置のための操作とは異なる操作が行われる場合に、仮想面への拘束対象点の解除を行う。これにより、仮想面に拘束対象点を拘束する理由が消失した場合に、手術を妨げ続けないようにすることが可能となる。
内視鏡手術システム5000は、仮想面への拘束対象点の拘束を解除してもよい。例えば、アーム部5031がユーザからの外力を受けて、アーム制御装置5045がパワーアシスト制御を行ったことをトリガとして、内視鏡手術システム5000は、仮想面への拘束対象点の拘束を解除してもよい。また、内視鏡手術システム5000は、術者による音声入力又は図示しないボタン等への入力により拘束の解除が指示されたことをトリガとして、仮想面への拘束対象点の拘束を解除してもよい。内視鏡手術システム5000は、ロボットアームを手術で使用しなくなった場合、内視鏡の交換、洗浄などで内視鏡5001を患者の体腔外に取り出す場合など、体腔内での処置のための操作とは異なる操作が行われる場合に、仮想面への拘束対象点の解除を行う。これにより、仮想面に拘束対象点を拘束する理由が消失した場合に、手術を妨げ続けないようにすることが可能となる。
(5)術者による操作
内視鏡手術システム5000は、術者による操作入力に基づいて、アーム部5031を制御する。例えば、内視鏡手術システム5000は、術者5067による入力装置5047(フットスイッチ5057を含む)又は図示しないボタン等への操作入力に基づいて、アーム部5031を駆動して内視鏡5001の位置及び姿勢を制御してもよい。アーム部5031は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよく、その場合、アーム部5031は、手術室から離れた場所に設置される入力装置5047を介してユーザによって遠隔操作され得る。また、内視鏡手術システム5000は、ユーザからの外力に基づきアーム部5031を制御する、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。
内視鏡手術システム5000は、術者による操作入力に基づいて、アーム部5031を制御する。例えば、内視鏡手術システム5000は、術者5067による入力装置5047(フットスイッチ5057を含む)又は図示しないボタン等への操作入力に基づいて、アーム部5031を駆動して内視鏡5001の位置及び姿勢を制御してもよい。アーム部5031は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよく、その場合、アーム部5031は、手術室から離れた場所に設置される入力装置5047を介してユーザによって遠隔操作され得る。また、内視鏡手術システム5000は、ユーザからの外力に基づきアーム部5031を制御する、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。
内視鏡手術システム5000は、術者による操作入力に基づいてアーム部5031を制御する際にも、内視鏡5001の拘束対象点を仮想面に拘束する。これにより、術者は、内視鏡5001の拘束対象点を仮想面に拘束させつつ、内視鏡5001を自在に動かすことが可能となるので、術者の利便性が向上する。さらに、内視鏡5001の拘束対象点が仮想面に拘束されるので、内視鏡5001から対象物までの距離が近づきすぎたり離れすぎたりすること、及びそれに伴うピントのずれを防止することが可能となる。また、内視鏡5001の拘束対象点が仮想面に拘束されるので、臓器損傷リスクを軽減させることが可能である。
術者による操作入力は、音声入力であってもよい。例えば、術者が内視鏡映像の画面を見ながら上下左右の指示を音声で行うと、内視鏡手術システム5000は、内視鏡5001の拘束対象点を仮想面に拘束しつつ、指示された方向の内視鏡映像が得られるように内視鏡5001の位置及び姿勢を制御する。これにより、術者は音声入力のみで内視鏡5001を自在に動かすことが可能となるので、例えば内視鏡5001への手での操作入力のために術具を一旦置く等の動作が不要となり、術者の利便性がさらに向上する。さらに、内視鏡5001の拘束対象点が仮想面に拘束されるので、内視鏡5001から対象物までの距離が近づきすぎたり離れすぎたりすること、及びそれに伴うピントのずれを防止することが可能となる。また、内視鏡5001の拘束対象点が仮想面に拘束されるので、臓器損傷リスクを軽減させることが可能である。
(6)補足
上記では、内視鏡手術システム5000が、内視鏡5001の光軸上に対象物が存在するようにアーム部5031を制御することで、内視鏡により得られる画像の中心に対象物を存在させる技術について詳しく説明したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、内視鏡手術システム5000は、内視鏡5001の光軸付近に対象物が存在するようアーム部5031を制御してもよい。これにより、内視鏡により得られる画像の中心付近に対象物を存在させることが可能となる。なお、許容される光軸から対象物までのずれ(トロッカ点を原点とする角度差)の具体的な値は任意であるが、内視鏡5001の倍率及び対象物までの距離等に応じて変動し得る。
上記では、内視鏡手術システム5000が、内視鏡5001の光軸上に対象物が存在するようにアーム部5031を制御することで、内視鏡により得られる画像の中心に対象物を存在させる技術について詳しく説明したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、内視鏡手術システム5000は、内視鏡5001の光軸付近に対象物が存在するようアーム部5031を制御してもよい。これにより、内視鏡により得られる画像の中心付近に対象物を存在させることが可能となる。なお、許容される光軸から対象物までのずれ(トロッカ点を原点とする角度差)の具体的な値は任意であるが、内視鏡5001の倍率及び対象物までの距離等に応じて変動し得る。
(7)まとめ
本実施形態では、内視鏡映像上のマーカーを検出して、その位置が画面中心になるように追従し続ける機能及び当該機能の実験について説明した。一方で、目標位置及び目標姿勢の計算には、トロッカ点と既定平面を考慮した計算方法を用いた。そして、実験の結果、マーカーに対する追従が可能なことが示された。
本実施形態では、内視鏡映像上のマーカーを検出して、その位置が画面中心になるように追従し続ける機能及び当該機能の実験について説明した。一方で、目標位置及び目標姿勢の計算には、トロッカ点と既定平面を考慮した計算方法を用いた。そして、実験の結果、マーカーに対する追従が可能なことが示された。
<<4.まとめ>>
以上、図1〜図26を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明した。
以上、図1〜図26を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明した。
第1の実施形態に係る内視鏡手術システム5000は、医療用ロボットアームに取り付けられて患者の人体内部へ挿入される手術器具の先端と患者との相対的位置関係を計算して、相対的位置関係の計算結果に基づいて手術器具が患者の人体内部で移動可能な範囲を手術器具の先端座標系で設定する。かかる設定に基づいて、対象物(例えば、内視鏡又は術具等の手術器具)が移動可能領域から出ないように制御が行われることで、臓器損傷のリスクを軽減することが可能である。さらに、移動可能領域から出ない範囲では自在に手術器具を移動させることが可能であるので、術者の利便性が向上する。
第2の実施形態に係る内視鏡手術システム5000は、患者の人体内部に仮想面を設定し、医療用ロボットアームに取り付けられて患者の人体内部へ挿入される内視鏡の光軸上に患者の人体内部に存在する対象物が一致するように、医療用ロボットアームを制御して内視鏡の先端を仮想面上に拘束しながら内視鏡を移動させる。これにより、内視鏡により得られる画像の中心部に手術器具又は腫瘍等の対象物を捉えることが可能となり、術者の利便性が向上する。さらに、適切な仮想面(例えば、第1の実施形態において説明したバーチャルウォール)が設定されることで、臓器損傷リスクを軽減させることが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記憶媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。
また、本明細書においてフローチャート等を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
複数のリンクが関節部により連結され、先端に内視鏡を連結可能な多関節アームと、
患者の体腔内に仮想面を設定し、前記内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように前記多関節アームを制御する制御部と、
を備える、
医療用アームシステム。
(2)
前記制御部は、前記内視鏡により得られる画像の中心領域に前記体腔内の観察対象物が存在するように前記多関節アームを制御する、前記(1)に記載の医療用アームシステム。
(3)
前記観察対象物は、術具である、前記(2)に記載の医療用アームシステム。
(4)
前記観察対象物は、鉗子である、前記(3)に記載の医療用アームシステム。
(5)
前記観察対象物は、前記術具に取り付けられたマーカーである、前記(3)又は(4)に記載の医療用アームシステム。
(6)
前記制御部は、前記所定の点の移動速度を所定の速度以下に制限する、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(7)
前記制御部は、前記仮想面への前記所定の点の拘束を解除する、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(8)
前記制御部は、術者による操作入力に基づいて、前記多関節アームを制御する、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(9)
前記操作入力は、音声入力である、前記(8)に記載の医療用アームシステム。
(10)
前記所定の点は、前記内視鏡の長手方向の先端の点である、前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(11)
前記制御部は、前記体腔内の臓器から所定距離離れた領域を、前記多関節アームに連結される手術器具の移動可能領域として設定する、前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(12)
前記移動可能領域を定義する境界は、前記仮想面である、前記(11)に記載の医療用アームシステム。
(13)
前記制御部は、前記体腔内の形状データに基づいて前記仮想面を設定する、前記(12)に記載の医療用アームシステム。
(14)
前記形状データは、CT(Computed Tomography)画像又はMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像である、前記(13)に記載の医療用アームシステム。
(15)
前記制御部は、前記患者の腹囲に基づいて前記仮想面を設定する、前記(12)〜(14)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(16)
前記制御部は、手術中に前記手術器具の動作範囲が狭くなる方向に前記仮想面を設定する、前記(12)〜(15)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(17)
前記制御部は、前記内視鏡の先端からの距離に応じた前記仮想面を設定する、前記(16)に記載の医療用アームシステム。
(18)
前記内視鏡は、測距センサを備える、前記(17)に記載の医療用アームシステム。
(19)
前記制御部は、前記内視鏡の内視鏡最短距離を、前記測距センサにより測定された前記内視鏡の先端から臓器までの距離から引いた距離を、前記仮想面の設定距離として設定する、前記(18)に記載の医療用アームシステム。
(20)
患者の体腔内に仮想面を設定し、内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように、複数のリンクが関節部により連結されて先端に内視鏡を連結可能な多関節アームを制御する制御部、
を備える、制御装置。
(21)
患者の体腔内に仮想面を設定し、内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように、複数のリンクが関節部により連結されて先端に内視鏡を連結可能な多関節アームを制御すること、
を含むプロセッサにより実行される制御方法。
(1)
複数のリンクが関節部により連結され、先端に内視鏡を連結可能な多関節アームと、
患者の体腔内に仮想面を設定し、前記内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように前記多関節アームを制御する制御部と、
を備える、
医療用アームシステム。
(2)
前記制御部は、前記内視鏡により得られる画像の中心領域に前記体腔内の観察対象物が存在するように前記多関節アームを制御する、前記(1)に記載の医療用アームシステム。
(3)
前記観察対象物は、術具である、前記(2)に記載の医療用アームシステム。
(4)
前記観察対象物は、鉗子である、前記(3)に記載の医療用アームシステム。
(5)
前記観察対象物は、前記術具に取り付けられたマーカーである、前記(3)又は(4)に記載の医療用アームシステム。
(6)
前記制御部は、前記所定の点の移動速度を所定の速度以下に制限する、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(7)
前記制御部は、前記仮想面への前記所定の点の拘束を解除する、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(8)
前記制御部は、術者による操作入力に基づいて、前記多関節アームを制御する、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(9)
前記操作入力は、音声入力である、前記(8)に記載の医療用アームシステム。
(10)
前記所定の点は、前記内視鏡の長手方向の先端の点である、前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(11)
前記制御部は、前記体腔内の臓器から所定距離離れた領域を、前記多関節アームに連結される手術器具の移動可能領域として設定する、前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(12)
前記移動可能領域を定義する境界は、前記仮想面である、前記(11)に記載の医療用アームシステム。
(13)
前記制御部は、前記体腔内の形状データに基づいて前記仮想面を設定する、前記(12)に記載の医療用アームシステム。
(14)
前記形状データは、CT(Computed Tomography)画像又はMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像である、前記(13)に記載の医療用アームシステム。
(15)
前記制御部は、前記患者の腹囲に基づいて前記仮想面を設定する、前記(12)〜(14)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(16)
前記制御部は、手術中に前記手術器具の動作範囲が狭くなる方向に前記仮想面を設定する、前記(12)〜(15)のいずれか一項に記載の医療用アームシステム。
(17)
前記制御部は、前記内視鏡の先端からの距離に応じた前記仮想面を設定する、前記(16)に記載の医療用アームシステム。
(18)
前記内視鏡は、測距センサを備える、前記(17)に記載の医療用アームシステム。
(19)
前記制御部は、前記内視鏡の内視鏡最短距離を、前記測距センサにより測定された前記内視鏡の先端から臓器までの距離から引いた距離を、前記仮想面の設定距離として設定する、前記(18)に記載の医療用アームシステム。
(20)
患者の体腔内に仮想面を設定し、内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように、複数のリンクが関節部により連結されて先端に内視鏡を連結可能な多関節アームを制御する制御部、
を備える、制御装置。
(21)
患者の体腔内に仮想面を設定し、内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように、複数のリンクが関節部により連結されて先端に内視鏡を連結可能な多関節アームを制御すること、
を含むプロセッサにより実行される制御方法。
5000 内視鏡手術システム
5001 内視鏡
5003 鏡筒
5005 カメラヘッド
5007 レンズユニット
5009 撮像部
5011 駆動部
5013 通信部
5015 カメラヘッド制御部
5017 術具
5019 気腹チューブ
5021 エネルギー処置具
5023 鉗子
5025 トロッカ
5027 支持アーム装置
5029 ベース部
5031 直接アーム部
5031 アーム部
5033 関節部
5035 リンク
5037 カート
5039 カメラコントロールユニット
5041 表示装置
5043 光源装置
5045 アーム制御装置
5047 入力装置
5049 処置具制御装置
5051 気腹装置
5053 レコーダ
5055 プリンタ
5057 フットスイッチ
5059 通信部
5061 画像処理部
5063 制御部
5065 伝送ケーブル
5067 術者
5069 患者ベッド
5071 患者
6000 位置計測装置
6001 マーカー
6002 マーカー
5001 内視鏡
5003 鏡筒
5005 カメラヘッド
5007 レンズユニット
5009 撮像部
5011 駆動部
5013 通信部
5015 カメラヘッド制御部
5017 術具
5019 気腹チューブ
5021 エネルギー処置具
5023 鉗子
5025 トロッカ
5027 支持アーム装置
5029 ベース部
5031 直接アーム部
5031 アーム部
5033 関節部
5035 リンク
5037 カート
5039 カメラコントロールユニット
5041 表示装置
5043 光源装置
5045 アーム制御装置
5047 入力装置
5049 処置具制御装置
5051 気腹装置
5053 レコーダ
5055 プリンタ
5057 フットスイッチ
5059 通信部
5061 画像処理部
5063 制御部
5065 伝送ケーブル
5067 術者
5069 患者ベッド
5071 患者
6000 位置計測装置
6001 マーカー
6002 マーカー
Claims (21)
- 複数のリンクが関節部により連結され、先端に内視鏡を連結可能な多関節アームと、
患者の体腔内に仮想面を設定し、前記内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように前記多関節アームを制御する制御部と、
を備える医療用アームシステム。 - 前記制御部は、前記内視鏡により得られる画像の中心領域に前記体腔内の観察対象物が存在するように前記多関節アームを制御する、請求項1に記載の医療用アームシステム。
- 前記観察対象物は、術具である、請求項2に記載の医療用アームシステム。
- 前記観察対象物は、鉗子である、請求項3に記載の医療用アームシステム。
- 前記観察対象物は、前記術具に取り付けられたマーカーである、請求項3に記載の医療用アームシステム。
- 前記制御部は、前記所定の点の移動速度を所定の速度以下に制限する、請求項1に記載の医療用アームシステム。
- 前記制御部は、前記仮想面への前記所定の点の拘束を解除する、請求項1に記載の医療用アームシステム。
- 前記制御部は、術者による操作入力に基づいて、前記多関節アームを制御する、請求項1に記載の医療用アームシステム。
- 前記操作入力は、音声入力である、請求項8に記載の医療用アームシステム。
- 前記所定の点は、前記内視鏡の長手方向の先端の点である、請求項1に記載の医療用アームシステム。
- 前記制御部は、前記体腔内の臓器から所定距離離れた領域を、前記多関節アームに連結される手術器具の移動可能領域として設定する、請求項1に記載の医療用アームシステム。
- 前記移動可能領域を定義する境界は、前記仮想面である、請求項11に記載の医療用アームシステム。
- 前記制御部は、前記体腔内の形状データに基づいて前記仮想面を設定する、請求項12に記載の医療用アームシステム。
- 前記形状データは、CT(Computed Tomography)画像又はMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像である、請求項13に記載の医療用アームシステム。
- 前記制御部は、前記患者の腹囲に基づいて前記仮想面を設定する、請求項12に記載の医療用アームシステム。
- 前記制御部は、手術中に前記手術器具の動作範囲が狭くなる方向に前記仮想面を設定する、請求項12に記載の医療用アームシステム。
- 前記制御部は、前記内視鏡の先端からの距離に応じた前記仮想面を設定する、請求項16に記載の医療用アームシステム。
- 前記内視鏡は、測距センサを備える、請求項17に記載の医療用アームシステム。
- 前記制御部は、前記内視鏡の内視鏡最短距離を、前記測距センサにより測定された前記内視鏡の先端から臓器までの距離から引いた距離を、前記仮想面の設定距離として設定する、請求項18に記載の医療用アームシステム。
- 患者の体腔内に仮想面を設定し、内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように、複数のリンクが関節部により連結されて先端に内視鏡を連結可能な多関節アームを制御する制御部、
を備える制御装置。 - 患者の体腔内に仮想面を設定し、内視鏡のうち前記体腔内の所定の点を前記仮想面上に拘束するように、複数のリンクが関節部により連結されて先端に内視鏡を連結可能な多関節アームを制御すること、
を含むプロセッサにより実行される制御方法。
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