以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。
また、本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
また、本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。したがって、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域又はソース電極)の間にチャネル領域を有しており、チャネル領域を介して、ソースとドレインとの間に電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。
トランジスタのオフ電流は、Vgsに依存する場合がある。したがって、トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、トランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、所定のVgsにおけるオフ状態、所定の範囲内のVgsにおけるオフ状態、又は、十分に低減されたオフ電流が得られるVgsにおけるオフ状態、等におけるオフ電流を指す場合がある。
一例として、しきい値電圧Vthが0.5Vであり、Vgsが0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−9Aであり、Vgsが0.1Vにおけるドレイン電流が1×10−13Aであり、Vgsが−0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−19Aであり、Vgsが−0.8Vにおけるドレイン電流が1×10−22Aであるようなnチャネル型トランジスタを想定する。当該トランジスタのドレイン電流は、Vgsが−0.5Vにおいて、又は、Vgsが−0.5V乃至−0.8Vの範囲において、1×10−19A以下であるから、当該トランジスタのオフ電流は1×10−19A以下である、と言う場合がある。当該トランジスタのドレイン電流が1×10−22A以下となるVgsが存在するため、当該トランジスタのオフ電流は1×10−22A以下である、と言う場合がある。
また、本明細書等では、チャネル幅Wを有するトランジスタのオフ電流を、チャネル幅Wあたりを流れる電流値で表す場合がある。また、所定のチャネル幅(例えば1μm)あたりを流れる電流値で表す場合がある。後者の場合、オフ電流の単位は、電流/長さの次元を持つ単位(例えば、A/μm)で表される場合がある。
トランジスタのオフ電流は、温度に依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、室温、60℃、85℃、95℃、又は125℃におけるオフ電流を表す場合がある。又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)におけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、室温、60℃、85℃、95℃、125℃、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
トランジスタのオフ電流は、ドレインとソースの間の電圧Vdsに依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、又は20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証されるVds、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVdsにおけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、20V、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証されるVds、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVds、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。要するに、オフ電流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソースを流れる電流を言う場合もある。
また、本明細書等では、オフ電流と同じ意味で、リーク電流と記載する場合がある。また、本明細書等において、オフ電流とは、例えば、トランジスタがオフ状態にあるときに、ソースとドレインとの間に流れる電流を指す場合がある。
なお、電圧とは2点間における電位差のことをいい、電位とはある一点における静電場の中にある単位電荷が持つ静電エネルギー(電気的な位置エネルギー)のことをいう。ただし、一般的に、ある一点における電位と基準となる電位(例えば接地電位)との電位差のことを、単に電位もしくは電圧と呼び、電位と電圧が同義語として用いられることが多い。このため、本明細書では特に指定する場合を除き、電位を電圧と読み替えてもよいし、電圧を電位と読み替えてもよいこととする。
(実施の形態1)
本実施の形態では、電子機器の新規な表示コード生成方法と、表示コードの検出方法、さらに生成された表示コードを用いた認証システム及び通信システムについて、図1乃至図10を用いて説明する。
図1は、新規な表示コード生成方法について説明する。表示コードは、認証コードとしてバーコード、又は2次元コードが知られている。ただし、バーコード、又は2次元コードは、符号化できるデジタルデータ量に制限が設けられている。本実施の形態では、符号化できるデジタルデータ量に制限を設けない新規な表示コードの生成方法について図1を用いて説明する。説明のために、新規な表示コードをフラッシングコード(Flashing Code、以下、FCODEと示す)とする。FCODEは、電子機器が有する表示パネルに表示されることが好ましい。表示パネルは、表示データがフレーム単位で更新される。したがって表示コードを、1フレーム単位で示すときは、表示コードFC(以下、FCと示す)として説明する。よって、FCODEは1つのFC又は複数のFCで構成されている。
FCODEは、1フレーム又は複数フレームで構成される。FCODEを構成するFC数は、符号化するデジタルデータの大きさによって変更することができる。またFCの有するセル数は、符号化するデジタルデータの大きさによって変更することができる。1フレームの表示データは、FCが表示される2次元のセルで構成された表示領域を有している。表示パネルが有する表示領域と識別するために、FCが表示される領域を表示領域FCDとして説明する。2次元のセルは、1以上m以下の画素数で構成されることが好ましい。mは、2以上の自然数である。
図1(A−1)は、一例として、FCが4行4列の16セルで構成された2次元のセルを示している。一つのセルは、符号化するデータの最小構成であるビットを意味している。したがって、図1(A−1)では、FCが16ビットを有している。FCを構成する、最小構成をフラッシングビット(Flashing Bit、以下、FBと示す)と呼ぶことができる。図1(A−1)は、FB0乃至FB15が順番に配置された例を示している。ただし、FB0乃至FB15が配置される順番は限定されないことが好ましい。
セルの集合は、データとしてFB[15:0]と表現することができる。FBは、表示領域FCDに表示されるため、表示領域FCDで表示可能な階調値を、重みとして使用することができる。よって表示領域FCDが256段階の階調値を表示可能であれば、FBは、最大で256値の重みを得ることができる。ただし、FCODEは、撮像素子で取得された画像によって判断されるため、撮像素子の分解能に応じて設定することが好ましい。撮像素子としては、フォトダイオード、光センサ、イメージセンサなどを利用することができる。
図1(A−2)は、FCODEが連続する表示フレームにFC1乃至FC8を連続して表示することで構成される例を示している。FCを連続して表示することで、撮像素子は、撮像する画像から、連続的にFCを復号し、FCODEを認識できる。したがって、短時間に大量のデータを送信することができる。
図1(A−3)は、デジタルデータがFCODEを符号化及び復号化するときの関係を示している。デジタルデータはFC1乃至FC8に分割されて符号化され、復号化するときは、撮像素子によって撮像された画像からFC1乃至FC8を検出し、FC1乃至FC8を連結することでデジタルデータに復号化する。
図2(A−1)は、FCODEに[F10DF20CF30BF40AF509F608F707F806]のデジタルデータが設定された例について説明をする。
図2(A−2)は、説明の簡略化のためにFBが“1”、“0”の2進数で表現された例である。FCODEは、8フレームで表示されるFC1乃至FC8で構成されている。例えば、FBが2の重みを有し、2進数で表現するとき、0階調から255階調まで表示可能な表示パネルを利用してFBを表示することができる。
例えばFBが“1”を表現するためには、128階調から255階調のいずれかの階調を用いて表示することができる。また、FBが“0”を表現するためには、0階調から127階調のいずれかの階調を用いて表示することができる。またセルを構成する複数の画素は、上記の範囲のいずれかの階調値であればよい。
またFBが“0”を表現するための階調範囲の上限値と、FBが“1”を表現するための階調範囲の下限値とが近いときは、撮像素子の検出精度により誤検出することが予想される。よって階調値の誤検出を防止するためには、FBが“0”を表現するための階調値の幅(以下、階調幅と示す)と、FBが“1”を表現するための階調幅との間に、FBとして認識しない非選択の階調幅を設けることが好ましい。
上記のように、FBが“1”を表現するための階調幅もしくはFBが“0”を表現するための階調幅を任意に設定することができる。よって2進数のFBであっても、階調幅を設定することで復号するときの機密性を向上させることができる。
図2(A−2)のFCODEは、FC1乃至FC8で構成され、それぞれのFCを16進数表示FC_Hで表示する場合は、FC1を[F10D]、FC2を[F20C]、FC3を[F30B]、FC4を[F40A]、FC5を[F509]、FC6を[F608]、FC7を[F707]、及びFC8を[F806]と表すことができる。つまりFCODEは、FC1乃至FC8が連結されて構成されるため、FCODEは[F10DF20CF30BF40AF509F608F707F806]のデジタルデータを示すことができる。
図2(A−3)は、図1(A−2)と異なり、周期性を有する表示フレームによってFCODEが表示された例を示している。図2(A−3)では、4フレームごとにFC1と、FC2とが表示された例を示している。FCが周期性を有して表示されることで、視認性を下げずに、表示コードを表示することができる。周期性は、4フレームごとに限定はされない。4フレームより長い周期性を有してもよい。もしくは、4フレームより短い周期性を有してもよい。
図2(A−4)は、異なる例として、それぞれのFCを2回連続して表示している。FCを連続して表示するとき、連続する回数は2回に限定されない。連続して表示することで、撮像素子は、正確にFCを撮像する時間を確保することができる。
図2(A−5)は、FBが、8の重みを有し8進数で表現された例を示している。例えばFBが“0”を表現するには、0階調から31階調のいずれかの階調を用いて表示することができる。また、FBが“1”を表現するには、32階調から63階調のいずれかの階調を用いて表示することができる。また、FBが“2”を表現するには、64階調から95階調のいずれかの階調を用いて表示することができる。また、FBが“3”を表現するには、96階調から127階調のいずれかの階調を用いて表示することができる。また、FBが“4”を表現するには、128階調から159階調のいずれかの階調を用いて表示することができる。また、FBが“5”を表現するには、160階調から191階調のいずれかの階調を用いて表示することができる。また、FBが“6”を表現するには、192階調から223階調のいずれかの階調を用いて表示することができる。また、FBが“7”を表現するには、224階調から255階調のいずれかの階調を用いて表示することができる。
ただし、一つのセルが、複数の重みを有するとき、それぞれの重みを示す階調幅が小さくなる。撮像素子による誤検出を防止するためには、FBが異なる重みを示す階調幅の上限値と階調幅の下限値との間に、FBとして認識しない非選択の階調幅を有することが好ましい。
例えばFBが“0”を表現するためには、0階調から20階調のいずれかの階調で表示し、FBが“1”を表現するためには、32階調から52階調のいずれかの階調で表示すことができる。FBが“0”を表現するための階調幅と、FBが“1”を表現するための階調幅との間には、21階調から31階調まで非選択の階調幅を設けることができる。非選択の階調幅を設けることで、撮像素子の検出精度による誤検出を抑えることができる。階調幅は、電子機器の利用者が設定できることが好ましい。
上記のように、図2(A−5)では、各セルに表示する階調値を変えることで、FBの重みを変えることができる。よって、FCに含まれるデータ量を増大させることができる。
FCODEを表示することのできる表示パネルは、サブ画素に赤R、緑G、青B、シアンC、マゼンタM、イエローYのいずれか3色の色域、もしくは白Wを加えた中から4色の色域を用いてカラー表示されることが知られている。FCは、サブ画素が有するそれぞれの色域に、FBを割り当ててもよい。よって、FCODEに含まれるデータ量をさらに飛躍的に増大させることができる。したがって、FCODEは、認証コードだけではなく、データ通信に使用することができる。
表示パネルは、どのタイミングで、FCODEを表示するかを電子機器に対して通知してもよい。もしくは、電子機器は、認証コードを送信後、撮像素子で撮像された画像データに対してAI(Artificial Intelligence)の画像認識機能を利用してFCODEを取得してもよい。特に、ニューラルネットワークは、FCが表示された画像を学習させることで、FCの有するセルの特徴を検出することに優れている。FCは、表示領域FCDに表示されるので、複数のFCからFCODEを容易に抽出することができる。もしFCが、表示領域FCDにランダムに表示される場合でもAIの画像認識機能を用いて復号することができる。セルの縦横比を保持すると、AIによる検出はさらに容易になる。
上記とは異なるFCODEの表示方法では、複数のFCが同じ表示面に表示されることでFCODEが構成されてもよい。一例として、紙、プラスチック樹脂、建材などは、表面にFCを印刷することができる。もしくは、プロジェクタを用いて投影してもよい。
図3は、一例として電子機器が有する表示パネルを示している。表示パネルが有する表示領域150は、表示領域FCDを有している。表示領域FCDには、FCを表示することができる。したがって、表示領域FCDの表示データが更新されると、FCも更新される。FCODEは、複数のFCが連結することで構成される。ここでは、FC1の表示領域FCD1又はFC2の表示領域FCD2を用いて説明する。
図3(A−1)は、表示領域FCD1及び表示領域FCD2が、同じ座標、且つ同じ大きさで表示された例を示している。表示領域FCD1及び表示領域FCD2が、同じ座標、且つ同じ大きさに表示されることで、画像データからFCを容易に検出することができる。
図3(A−2)は、FC1の表示領域FCD1と、FC2の表示領域FCD2とが、異なる大きさで表示された例である。ただし、表示領域FCD1の中心座標と、表示領域FCD2の中心座標は同じである。表示領域FCD1及び表示領域FCD2の中心座標を同じにすることで、画像データからFCを容易に検出することができる。
図3(A−3)は、FC1の表示領域FCD1の中心座標と、FC2の表示領域FCD2の中心座標とが、異なる例である。ただし、表示領域FCD1と、表示領域FCD2とは同じ大きさで表示されている。FCODEの機密性は、表示領域FCD1又は表示領域FCD2の中心座標を異なる座標に移動させることで向上する。さらに、表示領域FCD1及び表示領域FCD2が同じ中心座標に表示されないため、表示内容が変化する。したがって、焼き付きなどの表示領域150の表示劣化を抑えることができる。
図3(A−4)は、FC1の表示領域FCD1の中心座標と、FC2の表示領域FCD2の中心座標とが、異なる例である。さらに、表示領域FCD1と、表示領域FCD2とは異なる大きさで表示されている。表示領域FCD1と、表示領域FCD2の中心座標を移動させることで、機密性を向上させることができる。さらに、FCODEの機密性は、異なる大きさの表示領域FCDを用いることで向上する。表示領域FCDが同じ中心座標に表示されず、大きさも異なるため、表示領域FCDのランダム性が向上し、さらに、焼き付きなどの表示領域150の表示劣化を抑えることができる。
ただし、表示領域FCD1及び表示領域FCD2の縦横比は同じであることが好ましい。また、セルは、3以上n以下の辺を有することが好ましい。nは4以上の整数である。
図4(A)は、電子機器110と、電子機器120との構成を側面から図示している。電子機器110は、通信モジュール111と、撮像素子112と、表示モジュール113とを有している。表示モジュール113は、図6で詳細な説明をする。ここでは、表示モジュール113を表示パネル113dとして説明をする。
電子機器120は、通信モジュール121と、表示モジュール122とを有している。表示モジュール122は、図6で詳細な説明をする。ここでは、表示モジュール122を表示パネル122dとして説明をする。
図4(B)は、電子機器120の構成を上面から図示している。電子機器120はスイッチ123a乃至スイッチ123dを有している。スイッチ123a乃至スイッチ123dは、電子機器120を制御するための機能が割り当てられていることが好ましい。表示パネル122dは、表示領域150を有している。表示領域150は、認証コードを表示するための表示領域150aを有している。表示領域150aは、図3で説明した表示領域FCDを示している。したがって表示領域150aには、認証コードが符号化されてFCODEとして表示される。
表示領域150aの大きさは、表示領域150の大きさ以下であることが好ましい。撮像素子112は、表示領域150aからの光を受光して階調を判断する機能を有している。以下、撮像素子112が、表示領域150aからの光を受光して階調を判断することを撮像すると言い換えて説明する。
図4(B)では、スイッチ123a乃至スイッチ123dを備えた例を示したが、電子機器120は、スイッチ123a乃至スイッチ123dを備えなくてもよい。表示モジュール122が備えるタッチパネルを利用してスイッチ123a乃至スイッチ123dと同じ操作をすることができる。
図4(A)に示すように、通信モジュール111と、通信モジュール121とが、データを送受信できることが好ましい。通信モジュール111と、通信モジュール121との通信方式は、無線を用いた通信方式でもよいし、赤外線を用いた通信方式でもよい。もしくは、有線接続を用いた通信方式でもよい。
電子機器110は、登録情報を有している。登録情報は、第1の認証コードと、第2の認証コードから構成されていることが好ましい。さらに、電子機器110は、GPS(Global Positioning System)機能を有していることが好ましい。電子機器110は、GPS座標を登録情報の一つとして使用することができる。
電子機器110は、電子機器120にアクセス許可を要求することができる。電子機器110は、電子機器120に通信モジュール111を介して第1の認証コードを送信するステップを有している。
電子機器120は、通信モジュール121を介して、第1の認証コードを受信し、判断するステップを有している。
電子機器120は、第1の認証コードを受信することで、電子機器110が、電子機器120の近傍に存在していることを判断するための第2の認証コードを生成するステップを有している。
電子機器120は、第2の認証コードをFCODEに符号化して表示パネル122dに表示するステップを有している。
電子機器110は、撮像素子112を用いてFCODEを撮像するステップを有している。
電子機器110は、FCODEを第2の認証コードに復号し、復号化された第2の認証コードと、第1の認証コードと比較し、さらに電子機器110の登録情報を更新することで、電子機器110が、電子機器120を認証するステップを有している。
電子機器110は、電子機器120を認証していることを電子機器120に通知するステップを有している。
したがって、本実施の形態は、電子機器110の有する撮像素子112が、電子機器120が有する表示パネル122dを撮像できる距離内に認証対象がある認証システムである。
上記では、第2の認証コードをFCODEに符号化して認証する認証システムについて説明したが、FCODEに符号化されるのは、通信データでもよい。FCODEは、符号化されるデジタルデータ量に制約がないので、大きなデータを送信するのに適している。
本実施の形態の認証システムは、電子機器110と電子機器120とが、近傍に存在することを保証することができる。したがって、機密性の高い精密機器や、車両、電車、航空機など安全性が求められる機器、さらに、高い精度の管理が要求される生産装置の保守、整備などに利用することができる。また、FCODEを表示することのできる電子機器は、上記に限定されず、携帯端末、TV、モニタ、時計、プロジェクタ、自動販売機、チケット販売機、又はデジタルサイネージなどがある。上記で示した電子機器が撮像素子を有するときは、FCODEを用いた認証システム、又はFCODEを用いた通信システムを提供することができる。
図5は、FCODEを利用した認証システムがコピー機120aに適用された例を示している。コピー機120aは、スキャナ装置131と、表示モジュール132、通信モジュール133と、入力装置134と、電子機器120とを有している。電子機器120は、コピー機120aの構成部品の一つである。
コピー機120aは、電子機器120を介して電子機器110と通信することができる。よってコピー機120aは、電子機器120と、電子機器110とを用いて本実施の形態の認証システムを利用することができる。したがって、以降では、電子機器110と、電子機器120との間で行われる認証システムについて説明をする。また、電子機器110と、電子機器120は、ネットワーク(Network)を介してデータサーバ137に接続されていることが好ましい。
電子機器120は、コピー機120aの管理パラメータを管理することができる。表示モジュール132は、データサーバ137に保存されている情報を印刷するための指示を入力することができる。通信モジュール133は電話機能を有している。入力装置134は、外部記憶装置から情報を読み出すことができる。
電子機器110は、通信モジュール111を介して第1の認証コードを送信する。電子機器120は、第1の認証コードを受信すると、電子機器120の表示領域150aに第2の認証コードをFCODEに符号化して表示する。電子機器110は、撮像素子112を用いて、FCODEを撮像し第2の認証コードに復号する。FCODEの解析には電子機器110が有するニューラルネットワークを用いることが好ましい。第1の認証コードと、第2の認証コードを用いて、電子機器110は、電子機器120が認証されたことを電子機器120に通知する。電子機器120は、電子機器110から通知を受けることで、電子機器110からのアクセスを許可する。
電子機器110は、GPS機能を有している。電子機器110は、電子機器120から第2の認証コードを取得するときに、電子機器110が有するGPS機能が取得するGPS座標を合わせて識別することができる。電子機器110の登録情報として管理されるGPS座標は、コピー機120aが設置されたときに登録された識別情報として利用することができる。よって、コピー機120aは電子機器110によって管理することができる。したがって、電子機器110を用いない場合は、電子機器120を介してコピー機120aの管理パラメータにアクセスすることが許可されない。よって、FCODEを撮像素子112用いて撮像し、第2の認証コードを復号することでしかアクセスが許可されない認証システムを提供することができる。
電子機器110は、登録情報の第1の認証コードを第2の認証コードに更新してもよい。常に新しい認証コードを用いることで、電子機器110と、コピー機120aとを関連付けて管理することができる。よってコピー機120aは、電子機器120が生成する最新の第2の認証コードを保存しておくことが好ましい。また、電子機器110は、登録情報を記憶しておくことが好ましい。又は、ネットワークを介してデータサーバ137が、登録情報を管理してもよい。
電子機器110は、電子機器120へのアクセスが許可されると、電子機器120を介してコピー機120aの機器情報と管理パラメータとにアクセスできるようになる。機器情報には、コピー機120aの製品コード、製造番号、使用期間、メンテナンス履歴情報、トラブル履歴情報などが含まれている。管理パラメータには、コピー機120aの装置コンディション情報、装置コンディション履歴情報、消耗箇所情報、又は正常に動作する規格値から近日中に外れると予測される個所の情報、既に規格値から外れている個所の情報などが含まれている。
さらに、電子機器110は、ネットワークを介してデータサーバ137から機器情報であるコピー機120aの構造図面、メンテナンスマニュアル、メンテナンス手順、不良個所へのアクセス手順などの情報をダウンロードし、該情報を表示することができる。電子機器110が有する表示パネル113dには、表示の一例が示されている。
例えば、表示パネル113dには、表示領域114aに装置パラメータ、表示領域114bに図面ビューワ(Viewer)、表示領域114cにメンテナンス手順、表示領域114dに装置マニュアル、表示領域114eに履歴情報などのカテゴリーが表示されている。表示領域114a乃至表示領域114eに重なる位置に配置されたタッチパネルをタッチすることで、表示領域114fに表示させる内容を選択することができる。
図5では、表示領域114fに、撮像素子112が撮像するコピー機120aの画像が表示された例を示している。電子機器110は、コピー機120aの画像に管理パラメータを付加して透視図を作成することができる。よって、表示領域114fには、コピー機120aの透視図が表示される。透視図には、不具合個所114gと、不具合の理由114hとが表示される。図5では、コピー機の紙詰まりの位置が表示された例を示している。ただし、紙詰まりは、紙詰まりが発生しているローラー部の問題ではなく、ローラーに紙を送る紙位置を検出するセンサが劣化していることを明示している。このように、不具合の現象と原因が異なることを管理パラメータから得ることができる。以降では、撮像された画像に管理パラメータを付加して作成する透視図をAR(Augmented Reality)画像と呼ぶ。
例えば電子機器のメンテナンスを行うとき、発生している不具合だけでなく、コピー機120aの管理パラメータから、コピー機120aに使用される電子部品などが、劣化の傾向を示していることをAIにより推測し、注意を喚起することができる。劣化の傾向把握は、管理パラメータが有する履歴情報だけでなく、データサーバ137に保存されている情報も利用することができる。したがって、劣化の傾向把握は、他の場所に設置されている製品の管理パラメータを合わせて推測することができる。
上記では、FCODEを利用した認証システムがオフィスなどで使用されるコピー機120aの保守、整備に適用された例について説明をした。異なる電子機器又は施設の例として、車両、電車、航空機など安全性が求められる機器、又は精度管理が要求される生産装置、発電施設などでは、高い水準での保守、整備などが求められる。また重要な管理項目である品質の安定性及び機密性の観点から、電子機器へのアクセスが、限定された環境下及び条件下で許可されることが好ましい。したがって、電子機器の認証システムは、第2の認証コードをFCODEに符号化し、撮像素子112用いて撮像し、復号することでしかアクセスが許可されない認証システムであることが好ましい。
また、管理パラメータのデータ量が大きい場合でも、FCODEを用いることで短時間に大量のデータを送受信することができる。さらに、FBに階調値による重みを与えることで、さらに大量のデータを扱うことができ、さらにデータの機密性を向上させることができる。
図6は、電子機器110、及びコピー機120aの構成について示す。電子機器110は、通信モジュール111と、撮像素子112と、表示モジュール113と、プロセッサ115と、記憶装置116と、入力装置117とを有している。表示モジュール113は、表示装置113aと、タッチパネル113eとを有している。表示装置113aは、ディスプレイコントローラ113bと、フレームメモリ113cと、表示パネル113dとを有している。
コピー機120aは、電子機器120と、スキャナ装置131と、表示モジュール132と、通信モジュール133と、入力装置134と、プロセッサ135と、記憶装置136とを有している。電子機器120は、通信モジュール121と、表示モジュール122と、入力装置123と、プロセッサ125と、記憶装置126とを有している。表示モジュール122は、表示装置122aと、タッチパネル122eと、を有している。表示装置122aは、ディスプレイコントローラ122bと、フレームメモリ122cと、表示パネル122dとを有している。表示モジュール132は、表示モジュール122と同じ構成であることが好ましい。入力装置123は、図4(B)で示すような操作スイッチなどであることが好ましい。また入力装置134は、USB接続が可能な不揮発性メモリ、又は、外部より挿入された不揮発性メモリであることが好ましい。
データサーバ137は、ネットワーク(Network)を介して通信モジュール111と、通信モジュール133と、通信モジュール121と接続されている。コピー機120aが有するプロセッサ135は、電子機器120が有するプロセッサ125と、データバス、アドレスバスを共有することでデータの送受信をすることができる。また、通信モジュール111と通信モジュール121とは、ネットワークを介さずに直接データの送受信ができることが好ましい。
記憶装置116には、電子機器110を制御するプログラムと、登録情報が保存されていることが好ましい。表示パネル122dが表示するFCODEは、撮像素子112によって撮像される。撮像されたFCODEは電子機器110のプログラムによって第2の認証コードに復号される。第2の認証コードは、プログラムによって記憶装置116に保存されている登録情報と比較、又は更新される。
図7乃至図9を用いて、FCODEに符号化された第2の認証コードを用いた認証システムの処理フローを説明する。コピー機120aは、電子機器120を構成部品の一つとしている。ただし、第2の認証コードは、電子機器120が有する表示パネル122dに表示される。よって、コピー機120aを電子機器120と言い換えて説明する。したがって、図7乃至図9で示す処理フローでは、電子機器110と、電子機器120と、データサーバ137とのインターフェースについて説明をする。
図7は、コピー機120aが、新たに設置もしくは登録されたときの処理フローを示している。ST1011は、電子機器110が初期化要求を電子機器120に対して送信するステップである。初期化要求は、電子機器110が有する第1の認証コードを用いて行われる。
ST1021は、電子機器120が第1の認証コードを受信することで電子機器110からのアクセスを仮認証するステップである。
ST1022は、電子機器120が第2の認証コードを生成するステップである。電子機器120は、コピー機120aの機器情報又は管理パラメータなどから第2の認証コードを生成することができる。機器情報には、コピー機120aの製品コード、製造番号などのID情報が含まれていることが好ましい。
ST1023は、生成された第2の認証コードをFCODEに符号化し、電子機器120の有する表示パネル122dに表示するステップである。
ST1012は、電子機器120に第1の認証コードを送信後、電子機器110が有するGPS機能によってGPS座標を検出するステップである。電子機器110と電子機器120とは、画像認証が可能な距離内に存在しているため、GPS座標を検出することで、電子機器120の設置されている場所を認識することができる。ただし、GPS座標の検出は、第1の認証コードの送信と同時に行われてもよいし、第1の認証コードの送信前に行われてもよい。
ST1013は、電子機器120によってFCODEに符号化された第2の認証コードを、電子機器110によって画像認証するステップである。まず、電子機器110が有する撮像素子112は、表示パネル122dに表示されたFCODEを撮像する。次に、撮像されたFCODEは、電子機器110の有するプログラムによって第2の認証コードに復号される。したがって、第2の認証コードは、FCODEを用いて画像認証されたことになる。
ST1014は、電子機器110が復号する第2の認証コードに含まれるID情報を、データサーバ137に送信するステップである。
ST1015は、電子機器110が復号する第2の認証コードに含まれるその他の機器情報及び管理パラメータを、データサーバ137に送信するステップである。
ST1016は、ST1012で検出したGPS座標を、データサーバ137に送信するステップである。
ST1041は、ST1014乃至ST1016においてデータサーバ137に送信された情報を、登録情報として登録するステップである。データサーバ137は、情報を登録すると電子機器110に対し登録完了の通知をする。
ST1017は、データサーバ137からの登録完了の通知を受け取ると、機器情報及び管理パラメータを登録情報として登録するステップである。さらに、電子機器110は、電子機器120に対して登録完了の通知をする。第1の認証コードは、第2の認証コードで更新されることが好ましい。
ST1024は、電子機器120が有する第1の認証コードをST1022で生成する第2の認証コードで更新するステップである。電子機器120は、登録情報の第1の認証コードを第2の認証コードで更新することで、電子機器120の管理パラメータの機密性が向上する。
ST1018は、電子機器110への第1の認証コード及び第2の認証コードの登録が完了するステップである。ST1042は、データサーバ137への第1の認証コード及び第2の認証コードの登録が完了するステップである。ST1025は、コピー機120aの設置が完了するステップである。
図8に、電子機器110が電子機器120からアクセス許可を得るためのFCODEを用いた認証システムの処理フローを示す。ST1111は、電子機器110が有するGPS機能を用いて、電子機器110のGPS座標を検出するステップである。
ST1112は、電子機器110が検出したGPS座標をデータサーバ137に送信するステップである。
ST1141は、電子機器110が検出したGPS座標に一致する電子機器120を検索するステップである。データサーバ137は、GPS座標に一致する登録情報があるとき(Yes)、ST1142に移行する。データサーバ137は、GPS座標に一致する登録情報を見つけられないとき(No)、検索対象がなかったことを、電子機器110に通知し、処理フローを終了する。
ST1142は、データサーバ137がGPS座標に一致する電子機器120を検出すると電子機器110に登録情報である第1の認証コードを送信するステップである。
ST1113は、電子機器110が電子機器120に対してログイン認証を要求するステップである。
ST1114は、データサーバ137から受信する第1の認証コードを、電子機器120に対して送信するステップである。
ST1121は、電子機器110より受信する第1の認証コードを電子機器120に保存されている第2の認証コードと比較するステップである。比較した結果、一致しているとき(Yes)はST1122に移行する。比較した結果、一致しないとき(No)は電子機器110に対し、一致しないことを通知し、処理フローを終了する。
ST1122は、電子機器120が第2の認証コードを生成するステップである。電子機器120は、機器情報又は管理パラメータなどから第2の認証コードを生成することができる。機器情報には、コピー機120aの製品コード、製造番号などの少なくともいずれか一のID情報が含まれている。コピー機120aの管理パラメータには、装置のコンディション履歴などのいずれか一の情報が含まれているため、保存されている第2の認証コードとは異なる特徴を有している。
ST1123は、生成された第2の認証コードをFCODEに符号化し、電子機器120の有する表示パネル122dに表示するステップである。
ST1115は、電子機器120によってFCODEに符号化された第2の認証コードを、電子機器110の撮像素子112によって画像認証するステップである。
ST1116は、電子機器110が復号する第2の認証コードに含まれるID情報を、ネットワークを介して、データサーバ137に送信するステップである。
ST1117は、電子機器110が復号する第2の認証コードに含まれるその他の機器情報及び管理パラメータを、ネットワークを介して、データサーバ137に送信するステップである。ST1143は、復号する第2の認証コードに含まれるその他の機器情報及び管理パラメータをデータサーバ137に登録し、電子機器110には登録したことを通知するステップである。
ST1118は、電子機器110が電子機器120に対してログインすることを通知するステップである。
ST1124は、電子機器120が有する登録情報の第1の認証コードをST1122で生成した第2の認証コードで更新するステップである。電子機器120は、登録情報の第1の認証コードを新しい第2の認証コードとして更新することで、電子機器120の管理パラメータの機密性が向上する。
ST1125は、電子機器120が、電子機器110からログインされたことを認証するステップである。
ST1119は、電子機器110が電子機器120にログインした状態に移行するステップである。
ST1126は、電子機器120が電子機器110からのアクセスを許可し、電子機器110の要求に応じて、管理パラメータ、機器情報を提供するステップである。
図9は、電子機器110を利用して電子機器120の保守、及び整備を行う例を処理フローで示す。図9では、既に図8の処理により電子機器120は、電子機器110にログインされた状態である。
ST1211は、電子機器110が電子機器120の詳細な機器情報を、ネットワークを介して、データサーバ137にリクエストするステップである。電子機器110が、電子機器120の詳細な機器情報を有しているときは、ST1211、及びST1241乃至ST1243のステップは実行しなくてもよい。
ST1241は、データサーバ137から電子機器110へ機器情報に対応する操作マニュアルをダウンロードするステップである。
ST1242は、データサーバ137から電子機器110へ機器情報に対応する構造図面情報をダウンロードするステップである。
ST1243は、データサーバ137から電子機器110へトラブルシューティング方法(TSM:Trouble Shooting Method)をダウンロードするステップである。
ST1212は、電子機器110が電子機器120に対して最新の管理パラメータに関する情報を要求するステップである。装置コンディション、消耗箇所、又は正常に動作する規格値から近日中に外れると予測される個所、既に規格値から外れている個所などの電子機器のステータスを示す情報を要求する。
ST1221は、電子機器120が、電子機器110のステータス要求に応じて電子機器120のステータス情報を送信するステップである。このときの送信データは、通信モジュール121を介して送信してもよいし、FCODEに符号化して送信してもよい。
ST1213は、電子機器110が電子機器120から受信するステータス情報をデータサーバ137に送信するステップである。
ST1244は、データサーバ137が保存している管理パラメータの中のステータス情報を更新するステップである。データサーバ137は、ステータス情報と共に、電子機器120の管理パラメータと作業履歴を関係付けて保存することができる。
ST1214は、電子機器110が有する撮像素子112によって、コピー機120aを撮像するステップである。撮像素子112は静止画もしくは動画でコピー機120aを撮像することができる。
ST1215は、撮像されたコピー機120aの画像データに、ST1221で取得するステータス情報を合成し、表示パネル113dに表示するステップである。表示パネル113dには、ST1242で取得する構造図面と、ST1214で取得する画像を組み合わせたAR画像を生成することができる。さらに、AR画像には、ST1221で受信するステータス情報により消耗箇所、正常に動作する規格値から近日中に外れると予測される個所、又は既に規格値から外れている個所などの情報を追加して表示することができる。
図5の電子機器110が有する表示パネル113dには、その一例として不具合個所114gと、不具合の理由114hが示されている。調整箇所の部品は小さく、かつ高性能になってきているため、高解像度を有する表示パネル113dでAR画像が表示されることが好ましい。例えば、4K(3840×2160)、8K(7680×4320)、16K(15360×8640)、もしくはそれ以上の画素数を有する表示パネルは、表示する情報量を増やすことができるため好ましい。
ST1222は、表示パネル113dに表示されたAR画像を確認することで、コピー機120aのどこに不具合があるかの確認、又は、どこが調整を必要としているかの確認、又は、調整方法の指示の取得などの、少なくともいずれか一を行うステップである。
ST1223は、調整の終了を判断するステップである。調整を再度必要とするとき(No)は、ST1221に移行する。調整が終了している場合(Yes)は、ST1224に移行する。
ST1224は、電子機器120が電子機器110に対して調整されたステータス情報を送信するステップである。このときの送信データは、通信モジュール121を介して送信してもよいし、FCODEに符号化して送信してもよい。
ST1216は、電子機器110が電子機器120から受信するステータス情報をデータサーバ137に送信するステップである。
ST1245は、データサーバ137が保存している管理パラメータの中のステータス情報を更新するステップである。データサーバ137は、ステータス情報と共に、電子機器120の管理パラメータと作業履歴とを関係付けて保存することができる。
ST1217は、電子機器120の調整作業が終了するため、電子機器110が電子機器120からログアウトするための要求を送信するステップである。
ST1218は、電子機器110が電子機器120からログアウトするステップである。
ST1225は、電子機器120が電子機器110からログアウトされた状態になるステップである。
ST1226は、電子機器120を介してコピー機120aを利用者が利用できる状態(User Mode)になるステップである。
上記のように、第2の認証コード又は通信データを新規なコード生成方法を用いてFCODEに符号化することができる。よって、第2の認証コードがFCODEに符号化されることで機密性が向上する認証システムを提供することができる。また通信データがFCODEに符号化されることで、機密性の向上と大量データの送信を容易にする通信システムを提供することができる。
図10(A−1)、及び図10(B)に、図4とは異なる構成を有するFCODEを用いた通信システムを示す。図10(A−1)は、基板160a、電子部品161a、基板160b、及び電子部品161bを示している。電子部品161aは、発光素子162を有し、電子部品161bは撮像素子163を有している。基板160a又は基板160bとしては、プリント回路基板又はフレキシブルプリント回路基板のいずれかを用いることができる。
発光素子162と、撮像素子163とは向かい合う位置に配置され、発光素子162から射出された光は、撮像素子163に入射するための光路を有している。図示はしていないが、発光素子162から射出された光の光路を、他の外光からの影響を遮断するために遮光壁で囲ってもよい。
図10(A−2)は、発光素子162が4行4列の16個配置されている例を示している。ただし、発光素子162の数は、限定されない。発光素子162の数は、1以上n以下の任意の数とすることができる。nは2以上の整数である。
図10(A−3)は、撮像素子163が4行4列の16個配置されている例を示している。ただし、撮像素子163の数は、限定されない。撮像素子163の数は、1以上n以下の任意の数とすることができる。
発光素子162としては、OLED(Organic Light Emitting Diode)やLED(Light Emitting Diode)等を利用することができる。例えば表示ディスプレイに実装された電子部品161bに形成された撮像素子163としては、フォトダイオード、光センサ、イメージセンサなどを利用することができる。
図10(A−1)で示すように、電子部品間のデータ通信に、光の階調値を用いることで電子部品間の配線を削減することができる。したがって、異なる基板に配置された電子部品間のデータ通信のための配線を設けなくてもよい。よって、配線面積、配線抵抗、配線の寄生容量、信号を送受信するためのバッファなどの電子部品、基板間を電気的に接続するためのコネクタ等を削減することができる。また、配線インピーダンスの調整なども必要としない。電子機器においては、小型化、高密度実装が進み、部品の実装面積と配置スペースとを確保することが難しくなってきている。電子機器が、電子部品間のデータ通信に光の輝度を階調値として用いることで、部品点数の削減、配線面積の削減などを実現することができる。
図10(B)では、図10(A−1)と異なり撮像素子163が基板160c上に形成されている。基板160cは、ガラス基板、石英基板などの透光性を有する材料で形成された基板であってもよい。異なる例として、表示装置113aは、ディスプレイコントローラ113bと、基板160cに形成された表示パネル113dとを有している。よって、基板160aに実装された電子部品161aが、ディスプレイコントローラ113bとしての機能を有していてもよい。
ディスプレイコントローラ113bと表示パネル113dとを接続する配線数は、表示の精細度に比例して増大する。基板160c上に形成された撮像素子163を用いることで、ディスプレイコントローラ113bと、表示パネル113dとを接続する配線数を削減することができる。よって、ディスプレイコントローラ113bは、表示パネル113dにフレキシブルプリント回路基板を介して電気的に接続しなくてよくなるため、フレキシブルプリント回路基板を削減することができる。さらに、基板160cに設ける配線等を短くすることができるため、基板サイズを小さくすることができる。したがって、配線面積、配線抵抗、配線の寄生容量といった電気的側面の改善だけでなく、部品コスト、製造コストなどを削減することができる。
以上、本実施の形態で示す構成、方法は、他の実施の形態で示す構成、方法と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について説明する。AR画像を表示するのに適した高精細な表示パネルについて詳細な説明をする。
本発明の一態様は、複数の画素がマトリクス状に配列した表示領域(画素部ともいう)を備える表示装置である。画素部には、選択信号が供給される配線(ゲート線、または走査線ともいう)と、画素に書き込む信号(ビデオ信号等ともいう)が供給される配線(ソース線、信号線、データ線等ともいう)が、それぞれ複数設けられる。ここで、ゲート線同士、及びソース線同士は、それぞれ互いに平行に設けられ、ゲート線とソース線とは互いに交差する。
1つの画素は、少なくとも1つのトランジスタと、1つの表示素子と、を備える。表示素子は画素電極として機能する導電層を有し、当該導電層は、トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続する。また、トランジスタは、ゲートがゲート線と電気的に接続し、ソース又はドレインの他方がソース線と電気的に接続する。
ここで、ゲート線の延伸方向を行方向又は第1の方向とし、ソース線の延伸方向を列方向又は第2の方向と呼ぶこととする。
ここで、隣接する2本以上のゲート線には、同じ選択信号が供給されることが好ましい。すなわち、これらゲート線の選択期間が同一となることが好ましい。ここでは3本のゲート線を一組にした例を用いて説明をする。ただし、ゲート線の選択期間が同一となるゲート線の数は、ゲート線3本一組に限定されず、ゲート線4本一組にしてもよい。また、それ以上の本数のゲート線を一組にしてもよい。
3本のゲート線に同じ選択信号が供給される場合、列方向に隣接する3つの画素が同時に選択される。そのため、これら3つの画素には、それぞれ異なるソース線を接続する構成とする。すなわち、列ごとに3本のソース線が配列した構成とする。
ここで3本のソース線のうち、内側に位置するソース線を、画素電極として機能する導電層と重ねて配置することが好ましい。これにより、画素電極間の距離を小さくすることができる。
さらに、3本のソース線のうち、外側に位置するソース線と、内側に位置するソース線との間に、トランジスタの半導体層の一部が設けられる構成とすることが好ましい。例えば第1乃至第3のソース線がこの順で配列する場合、第1のソース線と接続するトランジスタ及び第2のソース線と接続するトランジスタの半導体層の一部が、第1のソース線と第2のソース線の間に位置する構成とする。さらに、第3のソース線と接続するトランジスタの半導体層の一部が、第2のソース線と第3のソース線の間に位置する構成とする。これにより、各ソース線と各半導体層との間のノードが、他のソース線と交差しない構成とすることができる。そのため、ソース線間の寄生容量を低減することができる。
このような構成とすることで、一水平期間を従来よりも長くすることができる。例えば3本のゲート線に同じ選択信号が供給される場合では、一水平期間の長さを3倍にすることができる。さらに、ソース線間の寄生容量を低減できるため、ソース線の負荷を低減することができる。これにより、解像度が4Kや8Kなどといった極めて高解像度の表示装置であっても、電界効果移動度の低いトランジスタを用いて動作させることが可能となる。また、画面サイズが対角50インチ以上、対角60インチ以上、又は対角70インチ以上の大型の表示装置にも適用することが可能となる。
以下では、表示装置のより具体的な例について、図面を参照して説明する。
[表示装置の構成例]
図11に、本発明の一態様の表示装置1100のブロック図を示している。表示装置1100は、画素領域(Pixel Area、表示領域)と、ソースドライバ(Source Driver IC)と、ゲートドライバ(Gate Driver)と、を備える。
図11では、画素領域を挟んで2つのゲートドライバを有する例を示している。これら2つのゲートドライバには、複数のゲート線GL0が接続される。図11には、i番目のゲート線GL0(i)を示している。ゲート線GL0(i)は、3本のゲート線(ゲート線GL(i)、ゲート線GL(i+1)、ゲート線GL(i+2))と電気的に接続されている例を示している。したがって、これら3本のゲート線には同じ選択信号が与えられる。
ソースドライバには、複数のソース線が接続される。ソース線は1つの画素列に対して3本設けられている。図11では、j番目の画素列に対応する3本のソース線(ソース線SL1(j)、ソース線SL2(j)、ソース線SL3(j))と、j+1番目の画素列に対応する3本のソース線(ソース線SL1(j+1)、ソース線SL2(j+1)、ソース線SL3(j+1))を示している。
1つの画素は、少なくとも1つのトランジスタと、表示素子の画素電極として機能する1つの導電層21を有する。画素は1つの色に対応する画素である。したがって、複数の画素が呈する光の混色を利用してカラー表示を行う場合には、画素を副画素とも呼ぶことができる。
また、列方向に配列する複数の画素は、それぞれ同じ色を呈する画素であることが好ましい。表示素子として液晶素子を用いる場合には、列方向に配列する画素には、液晶素子と重ねて同じ色の光を透過する着色層を設ける構成とする。
ここで、1つの画素列に対応する3本のソース線のうち、内側に位置するソース線(ソース線SL2(j))の一部が、導電層21と重畳することが好ましい。さらに、ソース線SL2(j)を、他のソース線と離間して導電層21の中央部に配置することが好ましい。例えば、ソース線SL1(j)とソース線SL2(j)の間隔と、ソース線SL2(j)とソース線SL3(j)の間隔とが、概略等間隔になるように配置することが好ましい。これにより、より効果的にソース線間に生じる寄生容量を低減し、ソース線1本当たりの負荷を低減することができる。
ここで、電界効果移動度を高めることが困難なアモルファスシリコンなどを用いたトランジスタを適用する際、高解像度化を実現する方法として、表示装置の表示領域を複数の画素領域に分割して駆動する方法が挙げられる。しかし上記方法の場合、駆動回路の特性ばらつきなどにより、分割された画素領域の境界部が視認されてしまい、視認性が低下してしまう場合がある。また、入力される画像データを、あらかじめ分割するための画像処理などが必要となり、高速且つ大規模な画像処理装置が必要になる。
一方、本発明の一態様の表示装置は、電界効果移動度が比較的低いトランジスタを用いた場合であっても、表示領域を分割することなく駆動することが可能となる。
図11では、画素領域の一方の辺に沿ってソースドライバを配置した例を示したが、図12のように、画素領域(Pixel Area)の対向する2辺に沿って、画素領域を挟むようにソースドライバを配置してもよい。また、図12のように画素領域を挟むようにゲートドライバ(Gate Driver)を配置してもよい。
図12では、画素領域に設けられる複数のソース線のうち、奇数番目と接続するソースドライバIC(Source Driver IC)と、偶数番目と接続するソースドライバIC(Source Driver IC)とを、それぞれ対向して配置した例を示している。すなわち、列方向に配列する複数のソース線は、交互に異なるソースドライバICと接続する構成とする。図12では、ソース線SL1(j)及びソース線SL3(j)が上側に位置するソースドライバICと接続し、ソース線SL2(j)が下側に位置するソースドライバICと接続する例を示している。このような構成とすることで、大型の表示装置であっても配線抵抗に起因した電位降下に伴う表示ムラを軽減することができる。また、図12の構成とすることにより、図11の構成に比べてソースドライバICを配置する面積が大きくできるため、隣接する2つのソースドライバICの間の距離を大きくでき、生産歩留りを向上させることができる。
[画素の構成例]
以下では、表示装置1100の画素領域に配置される画素の構成例について説明する。
図13(A)には、列方向に配列する3つの画素を含む回路図を示している。
1つの画素は、トランジスタ30と、液晶素子20と、容量素子60と、を有する。
配線S1乃至S3は、それぞれソース線に対応し、配線G1乃至G3は、それぞれゲート線に対応する。また配線CSは容量素子60の一方の電極と電気的に接続され、所定の電位が与えられる。
画素は、配線S1乃至S3のいずれか1本、及び配線G1乃至G3のいずれか一本と電気的に接続される。一例として、配線S1及び配線G1と接続される画素について説明する。トランジスタ30は、ゲートが配線G1と電気的に接続し、ソース又はドレインの一方が配線S1と電気的に接続し、他方が容量素子60の他方の電極、及び液晶素子20の一方の電極(画素電極)と電気的に接続する。容量素子60の一方の電極には、共通電位が供給される。
図13(B)に、配線S1及び配線G1と接続される画素のレイアウトの例を示している。
図13(B)に示すように、行方向(横方向)に配線G1及び配線CSが延在し、列方向(縦方向)に配線S1乃至S3が延在している。
またトランジスタ30において、配線G1上に半導体層32が設けられ、配線G1の一部がゲート電極として機能する。また配線S1の一部がソース電極又はドレイン電極の一方として機能する。半導体層32は、配線S1と配線S2の間に位置する領域を有する。
トランジスタ30のソース電極又はドレイン電極の他方と、画素電極として機能する導電層21とは、接続部38を介して電気的に接続されている。また、導電層21と重なる位置に、着色層41が設けられている。
また、導電層21は、配線S2と重なる部分を有する。また、導電層21は、両端に位置する配線S1及び配線S3と重畳しないことが好ましい。これにより、配線S1及び配線S3の寄生容量を低減できる。
ここで、配線S1と配線S2の距離を距離D1、配線S2と配線S3の距離を距離D2としたとき、距離D1と距離D2とを概略等しくすることが好ましい。例えば、距離D1に対する距離D2の比(すなわちD2/D1の値)を、0.8以上1.2以下、好ましくは0.9以上1.1以下とすることが好ましい。これにより、配線S1と配線S2との間の寄生容量、及び配線S2と配線S3との間の寄生容量を低減できる。
また、配線間距離を大きくすることで、作製工程中において配線間にゴミなどが付着した場合に、洗浄により除去しやすくなるため、歩留りを向上させることができる。洗浄方法として、ライン洗浄装置を用いる場合には、配線S1等の延伸方向に沿って基板を移動させながら洗浄すると、よりゴミを除去しやすくなるため好ましい。
また、図13(B)において、配線S1乃至S3の一部、及び配線CSの一部に、他の部分よりも太い部分を有する。これにより、配線抵抗を小さくできる。
図13(C)、(D)にはそれぞれ、配線G2及び配線G3と接続する画素のレイアウトの例を示している。
図13(C)において、配線G2上に設けられる半導体層32は、配線S2と電気的に接続され、且つ、配線S1と配線S2の間に位置する領域を有する。
また、図13(D)において、配線G3上に設けられる半導体層32は、配線S3と電気的に接続され、且つ、配線S2と配線S3の間に位置する領域を有する。
また、図13(B)、(C)、(D)に示すそれぞれの画素は、同じ色を呈する画素であることが好ましい。導電層21と重なる領域に、同じ色の光を透過する着色層41を重ねて配置することができる。また、列方向に隣接する画素は、図13(B)、(C)、(D)と同じ構成とすることができるが、着色層41のみ異なる色を透過する着色層とする。
[断面構成例]
以下では、表示装置の断面構成の一例について説明する。
〔断面構成例1〕
図14に、図13(B)中の切断線A1−A2に対応する断面の一例を示す。ここでは、表示素子として透過型の液晶素子20を適用した場合の例を示している。図14において、基板12側が表示面側となる。
表示装置1100は、基板11と基板12との間に液晶22が挟持された構成を有している。液晶素子20は、基板11側に設けられた導電層21と、基板12側に設けられた導電層23と、これらに挟持された液晶22と、を有する。また、液晶22と導電層21との間に配向膜24aが設けられ、液晶22と導電層23との間に配向膜24bが設けられている。
導電層21は、画素電極として機能する。また導電層23は、共通電極などとして機能する。また導電層21と導電層23は、いずれも可視光を透過する機能を有する。したがって、液晶素子20は、透過型の液晶素子である。
基板12の基板11側の面には、着色層41と、遮光層42が設けられている。着色層41と遮光層42を覆って絶縁層26が設けられ、絶縁層26を覆って導電層23が設けられている。また着色層41は、導電層21と重なる領域に設けられている。遮光層42は、トランジスタ30や接続部38を覆って設けられている。
基板11よりも外側には偏光板39aが配置され、基板12よりも外側には偏光板39bが配置されている。さらに、偏光板39aよりも外側に、バックライトユニット90が設けられている。
基板11上にトランジスタ30、容量素子60等が設けられている。トランジスタ30は、画素の選択トランジスタとして機能する。トランジスタ30は、接続部38を介して液晶素子20と電気的に接続されている。
図14に示すトランジスタ30は、いわゆるボトムゲート・チャネルエッチ構造のトランジスタである。トランジスタ30は、ゲート電極として機能する導電層31と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層34と、半導体層32と、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対の不純物半導体層35と、ソース電極及びドレイン電極として機能する一対の導電層33a及び導電層33bと、を有する。半導体層32の、導電層31と重畳する部分は、チャネル領域として機能する。半導体層32と不純物半導体層35とは接して設けられ、不純物半導体層35と導電層33a又は導電層33bとは接して設けられる。
なお、導電層31は、図13(B)における配線G1の一部に対応し、導電層33aは、配線S1の一部に対応する。また、後述する導電層31a、導電層33c、導電層33dはそれぞれ、配線CS、配線S2、配線S3に対応する。
半導体層32には、シリコンを含む半導体を用いることが好ましい。例えば、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、又は多結晶シリコン等を用いることができる。特に、アモルファスシリコンを用いると、大型の基板上に歩留り良く形成できるため好ましい。本発明の一態様の表示装置は、電界効果移動度が比較的低いアモルファスシリコンが適用されたトランジスタであっても、良好な表示が可能である。アモルファスシリコンを用いる場合には、水素によりダングリングボンドの終端を図った水素化アモルファスシリコン(a−Si:Hと表記する場合がある)を用いることが好ましい。
不純物半導体層35を構成する不純物半導体膜は、一導電型を付与する不純物元素を添加した半導体により形成する。トランジスタがn型である場合には、一導電型を付与する不純物元素を添加した半導体として、例えば、P又はAsを添加したシリコンが挙げられる。又は、トランジスタがp型である場合には、一導電型を付与する不純物元素として、例えばBを添加することも可能であるが、トランジスタはn型とすることが好ましい。なお、不純物半導体層35は、非晶質半導体により形成してもよいし、微結晶半導体などの結晶性半導体により形成してもよい。
容量素子60は、導電層31aと、絶縁層34と、導電層33bにより構成されている。また、導電層31a上には、絶縁層34を介して導電層33c及び導電層33dがそれぞれ設けられている。
トランジスタ30等を覆って、絶縁層82と絶縁層81が積層して設けられている。画素電極として機能する導電層21は絶縁層81上に設けられている。また接続部38において、絶縁層81及び絶縁層82に設けられた開口を介して、導電層21と導電層33bとが電気的に接続されている。絶縁層81は、平坦化層として機能することが好ましい。また絶縁層82は、トランジスタ30等へ不純物等が拡散することを抑制する保護膜としての機能を有することが好ましい。例えば、絶縁層82に無機絶縁材料を用い、絶縁層81に有機絶縁材料を用いることができる。
〔断面構成例2〕
上記では、液晶素子として、液晶を挟む一対の電極が上下に配置された、縦電界方式の液晶素子の例を示しているが、液晶素子の構成はこれに限られず、様々な方式の液晶素子を適用することができる。
図15には、FFS(Fringe Field Switching)モードが適用された液晶素子を有する表示装置の断面概略図を示す。
液晶素子20は、画素電極として機能する導電層21と、導電層21と絶縁層83を介して重なる導電層23と、を有する。導電層23は、スリット状又は櫛歯状の上面形状を有している。
また、この構成では、導電層21と導電層23とが重なる部分に容量が形成され、これを容量素子60として用いることができる。そのため、画素の占有面積を縮小できるため、高精細な表示装置を実現できる。また、開口率を向上させることができる。
ここで、表示装置を作製する際、作製工程におけるフォトリソグラフィ工程が少ないほど、すなわちフォトマスクのマスク枚数が少ないほど、作製コストを低くすることができる。
例えば図14に示す構成では、基板11側の工程のうち、導電層31等の形成工程、半導体層32及び不純物半導体層35の形成工程、導電層33a等の形成工程、接続部38となる開口部の形成工程、及び導電層21の形成工程の、計5つのフォトリソグラフィ工程を経ることで作製できる。すなわち、5枚のフォトマスクにより、バックプレーン基板を作製することができる。一方、基板12(対向基板)側においては、着色層41や遮光層42の形成方法として、インクジェット法又はスクリーン印刷法等を用いると、フォトマスクが不要となるため好ましい。例えば、3色の着色層41と、遮光層42を設けた場合には、これらをフォトリソグラフィ法で形成した場合に比べて、計4つのフォトマスクを削減することができる。
以上が断面構成例についての説明である。
〔トランジスタの構成について〕
以下では、上記とは異なるトランジスタの構成の例について説明する。
図16(A)に示すトランジスタは、半導体層32と不純物半導体層35の間に、半導体層37を有する。
半導体層37は、半導体層32と同様の半導体膜により形成されていてもよい。半導体層37は、不純物半導体層35のエッチングの際に、半導体層32がエッチングにより消失することを防ぐためのエッチングストッパーとして機能させることができる。なお、図16(A)において、半導体層37が左右に分離している例を示しているが、半導体層37の一部が半導体層32のチャネル領域を覆っていてもよい。
また、半導体層37は、不純物半導体層35よりも低濃度の不純物が含まれていてもよい。これにより、半導体層37をLDD(Lightly Doped Drain)領域として機能させることができ、トランジスタを駆動させたときのホットキャリア劣化を抑制することができる。
図16(B)に示すトランジスタは、半導体層32のチャネル領域上に、絶縁層84が設けられている。絶縁層84は、不純物半導体層35のエッチングの際のエッチングストッパーとして機能する。
図16(C)に示すトランジスタは、半導体層32に代えて、半導体層32pを有する。半導体層32pは、結晶性の高い半導体膜を含む。例えば半導体層32pは、多結晶半導体又は単結晶半導体を含む。これにより、電界効果移動度の高いトランジスタとすることができる。
図16(D)に示すトランジスタは、半導体層32のチャネル領域に半導体層32pを有する。例えば図16(D)に示すトランジスタは、半導体層32となる半導体膜に対してレーザ光などを照射することにより、局所的に結晶化することにより形成することができる。これにより、電界効果移動度の高いトランジスタを実現できる。
図16(E)に示すトランジスタは、図16(A)で示したトランジスタの半導体層32のチャネル領域に、結晶性の半導体層32pを有する。
図16(F)に示すトランジスタは、図16(B)で示したトランジスタの半導体層32のチャネル領域に、結晶性の半導体層32pを有する。
以上がトランジスタの構成例についての説明である。
[各構成要素について]
以下では、上記に示す各構成要素について説明する。
〔基板〕
表示パネルが有する基板には、平坦面を有する材料を用いることができる。表示素子からの光を取り出す基板には、該光を透過する材料を用いる。例えば、ガラス、石英、セラミック、サファイヤ、有機樹脂などの材料を用いることができる。
厚さの薄い基板を用いることで、表示パネルの軽量化、薄型化を図ることができる。さらに、可撓性を有する程度の厚さの基板を用いることで、可撓性を有する表示パネルを実現できる。又は、可撓性を有する程度に薄いガラスなどを基板に用いることもできる。又は、ガラスと樹脂材料とが接着層により貼り合わされた複合材料を用いてもよい。
〔トランジスタ〕
トランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、半導体層と、ソース電極として機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層と、を有する。
なお、本発明の一態様の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。又は、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
トランジスタのチャネルが形成される半導体には、例えばシリコンを用いることができる。シリコンとして、特にアモルファスシリコンを用いることが好ましい。アモルファスシリコンを用いることで、大型の基板上に歩留り良くトランジスタを形成でき、量産性に優れる。
また、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどの結晶性を有するシリコンを用いることもできる。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。
もしくは、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いてもよい。金属酸化物を半導体層に有するトランジスタは、トランジスタのオフ電流が小さいことが知られている。画素の選択トランジスタとしてオフ電流の小さいトランジスタを用いることで表示の更新間隔を長くしても表示品質の劣化を抑えることができる。よって、静止画を表示するときは、表示の更新回数を削減することができるため、消費電力を小さくすることができる。実施の形態1のディスプレイコントローラ113b又は122bは、金属酸化物を半導体層に有する選択トランジスタを制御するのに適している。金属酸化物を半導体層に用いたトランジスタについては、実施の形態6で詳細な説明をする。
本実施の形態で例示したボトムゲート構造のトランジスタは、作製工程を削減できるため好ましい。またこのときアモルファスシリコンを用いることで、多結晶シリコンよりも低温で形成できるため、半導体層よりも下層の配線や電極の材料、基板の材料として、耐熱性の低い材料を用いることが可能なため、材料の選択の幅を広げることができる。例えば、極めて大面積のガラス基板などを好適に用いることができる。一方、トップゲート型のトランジスタは、自己整合的に不純物領域を形成しやすいため、特性のばらつきなどを低減することができるため好ましい。このとき特に、多結晶シリコンや単結晶シリコンなどを用いる場合に適している場合がある。
〔導電層〕
トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、又はタングステンなどの金属、又はこれを主成分とする合金などが挙げられる。またこれらの材料を含む膜を単層で、又は積層構造として用いることができる。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜又は窒化チタン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫又は酸化亜鉛等の酸化物を用いてもよい。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好ましい。
また、トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層に用いることのできる、透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物又はグラフェンを用いることができる。又は、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、又はチタンなどの金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。又は、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすればよい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層や、表示素子が有する導電層(画素電極や共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
〔絶縁層〕
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、シロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることもできる。
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
〔液晶素子〕
液晶素子としては、例えば垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードが適用された液晶素子を用いることができる。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
また、液晶素子には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えばVAモードのほかに、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、ゲストホストモード等が適用された液晶素子を用いることができる。
なお、液晶素子は、液晶の光学的変調作用によって光の透過又は非透過を制御する素子である。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶に係る電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって制御される。なお、液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、高分子ネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶、又はネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
また、液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。なお、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
また、液晶素子として、透過型の液晶素子、反射型の液晶素子、又は半透過型の液晶素子などがある。
本発明の一態様では、特に透過型の液晶素子を好適に用いることができる。
透過型又は半透過型の液晶素子を用いる場合、一対の基板を挟むように、2つの偏光板を設ける。また偏光板よりも外側に、バックライトを設ける。バックライトとしては、直下型のバックライトであってもよいし、エッジライト型のバックライトであってもよい。LEDを備える直下型のバックライトを用いると、ローカルディミングが容易となり、コントラストを高めることができるため好ましい。また、エッジライト型のバックライトを用いると、バックライトを含めたモジュールの厚さを低減できるため好ましい。
なお、エッジライト型のバックライトをオフ状態とすることで、シースルー表示を行うことができる。
〔着色層〕
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料又は染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
〔遮光層〕
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
以上が各構成要素についての説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、トランジスタの半導体層に用いることのできる多結晶シリコンの結晶化方法及びレーザ結晶化装置の一例について説明する。
結晶性の良好な多結晶シリコン層を形成するには、基板上に非晶質シリコン層を設け、当該非晶質シリコン層にレーザ光を照射して結晶化することが好ましい。例えば、レーザ光を線状ビームとし、当該線状ビームを非晶質シリコン層に照射しながら基板を移動させることで、基板上の所望の領域に多結晶シリコン層を形成することができる。
線状ビームを用いた方法は、スループットが比較的良好である。一方で、ある領域に対してレーザ光が相対的に移動しながら複数回照射される方法であるため、レーザ光の出力変動及びそれに起因するビームプロファイルの変化による結晶性のばらつきが生じやすい。例えば、当該方法で結晶化させた半導体層を表示装置の画素が有するトランジスタに用いると、結晶性のばらつきに起因したランダムな縞模様が表示に見えることがある。
また、線状ビームの長さは基板の一辺の長さ以上であることが理想的であるが、線状ビームの長さは、レーザ発振器の出力と光学系の構成によって制限される。したがって、大型基板の処理では基板面内を折り返してレーザ照射することが現実的である。そのため、レーザ光をオーバーラップして照射する領域が生じる。当該領域の結晶性は、他の領域の結晶性と異なりやすいため、当該領域では表示ムラが生じることがある。
上記のような問題を抑えるために、基板上に形成した非晶質シリコン層に局所的にレーザ照射を行って結晶化させてもよい。局所的なレーザ照射では、結晶性のばらつきの少ない多結晶シリコン層を形成しやすい。
図17(A)は、基板上に形成した非晶質シリコン層に局所的にレーザ照射を行う方法を説明する図である。
光学系ユニット821から射出されるレーザ光826は、ミラー822で反射されてマイクロレンズアレイ823に入射する。マイクロレンズアレイ823は、レーザ光826を集光して複数のレーザビーム827を形成する。
ステージ815には、非晶質シリコン層840を形成した基板830が固定される。非晶質シリコン層840に複数のレーザビーム827を照射することで、複数の多結晶シリコン層841を同時に形成することができる。
マイクロレンズアレイ823が有する個々のマイクロレンズは、表示装置の画素ピッチに合わせて設けることが好ましい。又は、画素ピッチの整数倍の間隔で設けてもよい。いずれの場合においても、レーザ照射とステージ815のX方向又はY方向の移動を繰り返すことで、全ての画素に対応した領域に多結晶シリコン層を形成することができる。
例えば、マイクロレンズアレイ823が画素ピッチでM行N列(M、Nは自然数)のマイクロレンズを有するとき、まず所定の開始位置でレーザ光を照射し、M行N列の多結晶シリコン層841を形成することができる。そして、行方向にN列分の距離だけ移動させてレーザ光を照射し、さらにM行N列の多結晶シリコン層841を形成することで、M行2N列の多結晶シリコン層841を形成することができる。当該工程を繰り返し行うことで所望の領域に複数の多結晶シリコン層841を形成することができる。また、折り返してレーザ照射工程を行う場合は、行方向にN列分の距離だけ移動させてレーザ照射を行い、さらに列方向にM行分の距離の移動とレーザ光の照射を繰り返せばよい。
なお、レーザ光の発振周波数とステージ815の移動速度を適切に調整すれば、ステージ815を一方向に移動させながらレーザ照射を行う方法でも、画素ピッチで多結晶シリコン層を形成することができる。
レーザビーム827のサイズは、例えば、一つのトランジスタの半導体層全体が含まれる程度の面積とすることができる。又は、一つのトランジスタのチャネル領域全体が含まれる程度の面積とすることができる。又は、一つのトランジスタのチャネル領域の一部が含まれる程度の面積とすることができる。これらは、必要とするトランジスタの電気特性に応じて使い分ければよい。
なお、一つの画素に複数のトランジスタを有する表示装置を対象とした場合、レーザビーム827は、一つの画素内の各トランジスタの半導体層全体が含まれる程度の面積とすることができる。また、レーザビーム827は、複数の画素が有するトランジスタの半導体層全体が含まれる程度の面積としてもよい。
また、図18(A)に示すように、ミラー822とマイクロレンズアレイ823との間にマスク824を設けてもよい。マスク824には、各マイクロレンズに対応した複数の開口部が設けられる。当該開口部の形状はレーザビーム827の形状に反映させることができ、図18(A)のようにマスク824が円形の開口部を有する場合は、円形のレーザビーム827を得ることができる。また、マスク824が矩形の開口部を有する場合は、矩形のレーザビーム827を得ることができる。マスク824は、例えば、トランジスタのチャネル領域のみを結晶化させたい場合などに有効である。なお、マスク824は、図18(B)に示すように光学系ユニット821とミラー822との間に設けてもよい。
図17(B)は、上記に示した局所的なレーザ照射の工程に用いることのできるレーザ結晶化装置の主要な構成を説明する斜視図である。レーザ結晶化装置は、X−Yステージの構成要素である移動機構812、移動機構813及びステージ815を有する。また、レーザビーム827を成形するためのレーザ発振器820、光学系ユニット821、ミラー822、マイクロレンズアレイ823を有する。
移動機構812及び移動機構813は、水平方向に往復直線運動をする機能を備える。移動機構812及び移動機構813に動力を与える機構としては、例えば、モータで駆動するボールネジ機構816などを用いることができる。移動機構812及び移動機構813のそれぞれの移動方向は垂直に交わるため、移動機構813に固定されるステージ815はX方向及びY方向に自在に移動させることができる。
ステージ815は真空吸着機構などの固定機構を有し、基板830などを固定することができる。また、ステージ815は、必要に応じて加熱機構を有していてもよい。なお、図示はしていないが、ステージ815はプッシャーピン及びその上下機構を有し、基板830などを搬出入する際は、基板830などを上下に移動させることができる。
レーザ発振器820は、処理の目的に適した波長及び強度の光が出力できればよく、パルスレーザが好ましいがCWレーザであってもよい。代表的には、波長351−353nm(XeF)、308nm(XeCl)などの紫外光を照射できるエキシマレーザを用いることができる。又は、固体レーザ(YAGレーザ、ファイバーレーザなど)の二倍波(515nm、532nmなど)又は三倍波(343nm、355nmなど)を用いてもよい。また、レーザ発振器820は複数であってもよい。
光学系ユニット821は、例えば、ミラー、ビームエクスパンダ、ビームホモジナイザ等を有し、レーザ発振器820から出力されるレーザ光825のエネルギーの面内分布を均一化させつつ伸張させることができる。
ミラー822には、例えば、誘電体多層膜ミラーを用いることができ、レーザ光の入射角が略45°となるように設置する。マイクロレンズアレイ823には、例えば、石英板の上面又は上下面に複数の凸レンズが設けられたような形状とすることができる。
以上のレーザ結晶化装置を用いることにより、結晶性のばらつきの少ない多結晶シリコン層を形成することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様のハイブリッドディスプレイについて説明する。フラッシングコードを表示するのに適した表示装置について詳細な説明をする。
また、ハイブリッド表示方法とは、同一画素又は同一副画素において複数の光を表示し、文字又は/及び画像を表示する方法である。また、ハイブリッドディスプレイとは、表示部に含まれる同一画素又は同一副画素において複数の光を表示し、文字又は/及び画像を表示する集合体である。
ハイブリッド表示方法の一例としては、同一画素又は同一副画素において、第1の光と、第2の光の表示タイミングを異ならせて表示する方法がある。このとき、同一画素又は同一副画素において、同一色調(赤、緑、又は青、もしくはシアン、マゼンタ、又はイエローのいずれかの一)の第1の光及び第2の光を同時に表示し、表示部において文字又は/及び画像を表示させることができる。
また、ハイブリッド表示方法の一例としては、反射光と自発光とを同一画素又は同一副画素で表示する方法がある。同一色調の反射光及び自発光(例えば、OLED光、LED光等)を、同一画素又は同一副画素で、同時に表示させることができる。
なお、ハイブリッド表示方法において、同一画素又は同一副画素ではなく、隣接する画素又は隣接する副画素において、複数の光を表示してもよい。また、第1の光及び第2の光を同時に表示するとは、人の目の感覚でちらつきを感知しない程度に第1の光及び第2の光を同じ期間表示することをいい、人の目の感覚でちらつきを感知しなければ、第1の光の表示期間と第2の光の表示期間がずれていてもよい。
また、ハイブリッドディスプレイは、同一の画素又は同一の副画素において、複数の表示素子を有し、同じ期間に複数の表示素子それぞれが表示する集合体である。また、ハイブリッドディスプレイは、同一の画素又は同一の副画素において、複数の表示素子と、表示素子を駆動する能動素子とを有する。能動素子として、スイッチ、トランジスタ、薄膜トランジスタ等がある。複数の表示素子それぞれに能動素子が接続されているため、複数の表示素子それぞれの表示を個別に制御することができる。
なお、本明細書等において、上記構成のいずれか1つ又は複数の表現を満たすものを、ハイブリッド表示という。実施の形態1のディスプレイコントローラ113b又は122bは、ハイブリッドディスプレイを制御することができる。
また、ハイブリッドディスプレイは、同一画素又は同一副画素に複数の表示素子を有する。なお、複数の表示素子としては、例えば、光を反射する反射型素子と、光を射出する自発光素子とが挙げられる。なお、反射型素子と、自発光素子とは、それぞれ独立に制御することができる。ハイブリッドディスプレイは、表示部において、反射光、及び自発光のいずれか一方又は双方を用いて、文字及び/又は画像を表示する機能を有する。
本発明の一態様の表示装置は、可視光を反射する第1の表示素子が設けられた画素を有することができる。又は、可視光を発する第2の表示素子が設けられた画素を有することができる。又は、第1の表示素子及び第2の表示素子が設けられた画素を有することができる。したがって、第1の表示素子は通常の表示を行い、第2の表示素子はフラッシングコードを表示するのに適している。
本実施の形態では、可視光を反射する第1の表示素子と、可視光を発する第2の表示素子とを有する表示装置について説明する。
表示装置は、第1の表示素子が反射する第1の光と、第2の表示素子が発する第2の光のうち、いずれか一方、又は両方により、画像を表示する機能を有する。又は、表示装置は、第1の表示素子が反射する第1の光の光量と、第2の表示素子が発する第2の光の光量と、をそれぞれ制御することにより、階調を表現する機能を有する。
また、表示装置は、第1の表示素子の反射光の光量を制御することにより階調を表現する第1の画素と、第2の表示素子からの発光の光量を制御することにより階調を表現する第2の画素を有する構成とすることが好ましい。第1の画素及び第2の画素は、例えばそれぞれマトリクス状に複数配置され、表示部を構成する。
また、第1の画素と第2の画素は、同数且つ同ピッチで、表示領域内に配置されていることが好ましい。このとき、隣接する第1の画素と第2の画素を合わせて、画素ユニットと呼ぶことができる。これにより、後述するように複数の第1の画素のみで表示された画像と、複数の第2の画素のみで表示された画像、ならびに複数の第1の画素及び複数の第2の画素の両方で表示された画像のそれぞれは、同じ表示領域に表示することができる。
第1の画素が有する第1の表示素子には、外光を反射して表示する素子を用いることができる。このような素子は、光源を持たないため、表示の際の消費電力を極めて小さくすることが可能となる。
第1の表示素子には、代表的には反射型の液晶素子を用いることができる。又は、第1の表示素子として、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子の他、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用した素子などを用いることができる。
第2の画素が有する第2の表示素子は光源を有し、その光源からの光を利用して表示する素子を用いることができる。特に、電界を印加することにより発光性の物質から発光を取り出すことのできる、電界発光素子を用いることが好ましい。このような画素が射出する光は、その輝度や色度が外光に左右されることがないため、色再現性が高く(色域が広く)、且つコントラストの高い、要するに鮮やかな表示を行うことができる。
第2の表示素子には、例えばOLED、LED、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)、半導体レーザなどの自発光性の発光素子を用いることができる。又は、第2の画素が有する表示素子として、光源であるバックライトと、バックライトからの光の透過光の光量を制御する透過型の液晶素子とを組み合わせたものを用いてもよい。
第1の画素は、例えば白色(W)を呈する副画素、又は例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の光をそれぞれ呈する副画素を有する構成とすることができる。また、第2の画素も同様に、例えば白色(W)を呈する副画素、又は例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の光をそれぞれ呈する副画素を有する構成とすることができる。なお、第1の画素及び第2の画素がそれぞれ有する副画素は、4色以上であってもよい。副画素の種類が多いほど、消費電力を低減することが可能で、また色再現性を高めることができる。
本発明の一態様は、第1の画素で画像を表示する第1のモード、第2の画素で画像を表示する第2のモード、及び第1の画素及び第2の画素で画像を表示する第3のモードを切り替えることができる。また、第1の画素及び第2の画素のそれぞれに異なる画像信号を入力し、合成画像を表示することもできる。
第1のモードは、第1の表示素子による反射光を用いて画像を表示するモードである。第1のモードは光源が不要であるため、極めて低消費電力な駆動モードである。例えば、外光の照度が十分高く、且つ外光が白色光又はその近傍の光である場合に有効である。第1のモードは、例えば本や書類などの文字情報を表示することに適した表示モードである。また、反射光を用いるため、目に優しい表示を行うことができ、目が疲れにくいという効果を奏する。
第2のモードでは、第2の表示素子による発光を利用して画像を表示するモードである。そのため、外光の照度や色度によらず、極めて鮮やかな(コントラストが高く、且つ色再現性の高い)表示を行うことができる。例えば、夜間や暗い室内など、外光の照度が極めて小さい場合などに有効である。また外光が暗い場合、明るい表示を行うと使用者が眩しく感じてしまう場合がある。これを防ぐために、第2のモードでは輝度を抑えた表示を行うことが好ましい。またこれにより、眩しさを抑えることに加え、消費電力も低減することができる。第2のモードは、鮮やかな画像や滑らかな動画などを表示することに適したモードである。
第3のモードでは、第1の表示素子による反射光と、第2の表示素子による発光の両方を利用して表示を行うモードである。具体的には、第1の画素が呈する光と、第1の画素と隣接する第2の画素が呈する光を混色させることにより、1つの色を表現するように駆動する。第1のモードよりも鮮やかな表示をしつつ、第2のモードよりも消費電力を抑えることができる。例えば、室内照明下や、朝方や夕方の時間帯など、外光の照度が比較的低い場合や、外光の色度が白色ではない場合などに有効である。
以下では、本発明の一態様のより具体的な例について、図面を参照して説明する。
[表示装置の構成例]
図19は、本発明の一態様の表示装置が有する表示領域70を説明する図である。表示領域70は、マトリクス状に配置された複数の画素ユニット75を有する。画素ユニット75は、画素76と、画素77を有する。
図19では、画素76及び画素77が、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色に対応する表示素子を有する場合の例を示している。
画素76は、赤色(R)に対応する表示素子76R、緑色(G)に対応する表示素子76G、青色(B)に対応する表示素子76Bを有する。表示素子76R、76G、76Bはそれぞれ、光源の光を利用した第2の表示素子である。
画素77は、赤色(R)に対応する表示素子77R、緑色(G)に対応する表示素子77G、青色(B)に対応する表示素子77Bを有する。表示素子77R、77G、77Bはそれぞれ、外光の反射を利用した第1の表示素子である。
以上が表示装置の構成例についての説明である。
[画素ユニットの構成例]
続いて、図20(A)、(B)、(C)を用いて画素ユニット75について説明する。図20(A)、(B)、(C)は、画素ユニット75の構成例を示す模式図である。
画素76は、表示素子76R、表示素子76G、表示素子76Bを有する。表示素子76Rは、光源を有し、画素76に入力される第2の階調値に含まれる赤色に対応する階調値に応じた輝度の赤色の光RL2を、表示面側に射出する。表示素子76G、表示素子76Bも同様に、それぞれ緑色の光GL2又は青色の光BL2を、表示面側に射出する。
画素77は、表示素子77R、表示素子77G、表示素子77Bを有する。表示素子77Rは、外光を反射し、画素77に入力される第1の階調値に含まれる赤色に対応する階調値に応じた輝度の赤色の光RL1を、表示面側に射出する。表示素子77G、表示素子77Bも同様に、それぞれ緑色の光GL1又は青色の光BL1を、表示面側に射出する。
〔第1のモード〕
図20(A)は、外光を反射する表示素子77R、表示素子77G、表示素子77Bを駆動して画像を表示する動作モードの例を示している。図20(A)に示すように、画素ユニット75は、例えば外光の照度が十分に高い場合などでは、画素76を駆動させずに、画素77からの光(光RL1、光GL1、および光BL1)のみを混色させることにより、所定の色の光79を表示面側に射出することもできる。これにより、極めて低消費電力な駆動を行うことができる。
〔第2のモード〕
図20(B)は、表示素子76R、表示素子76G、表示素子76Bを駆動して画像を表示する動作モードの例を示している。図20(B)に示すように、画素ユニット75は、例えば外光の照度が極めて小さい場合などでは、画素77を駆動させずに、画素76からの光(光RL2、光GL2、および光BL2)のみを混色させることにより、所定の色の光79を表示面側に射出することもできる。これにより鮮やかな表示を行うことができる。また外光の照度が小さい場合に輝度を低くすることで、使用者が感じる眩しさを抑えると共に消費電力を低減できる。
〔第3のモード〕
図20(C)は、外光を反射する表示素子77R、表示素子77G、表示素子77Bと、光を発する表示素子76R、表示素子76G、表示素子76Bの両方を駆動して画像を表示する動作モードの例を示している。図20(C)に示すように、画素ユニット75は、光RL1、光GL1、光BL1、光RL2、光GL2、及び光BL2の6つの光を混色させることにより、所定の色の光79を表示面側に射出することができる。
したがって、図19で示した表示領域70は、画素ユニットに発光型の表示素子と、反射型の表示素子とを有しているため、選択領域を表示するのに好適である。例えば、反射型の表示素子で表示領域70の表示を行っているときに、発光型の表示素子で、選択領域を表示することができる。また、発光型の表示素子で表示領域70の表示を行っているときに、反射型の表示素子で、選択領域を表示してもよい。もしくは、反射型の表示素子の階調データを変更することで選択領域を表示してもよいし、発光型の表示素子の階調データを変更することで選択領域を表示してもよい。
以上が画素ユニット75の構成例についての説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態5)
以下では、実施の形態4で説明したハイブリッドディスプレイの構成の具体例について説明する。以下で例示する表示パネルは、反射型の液晶素子と、発光素子の両方を有し、透過モードと反射モードの両方の表示を行うことのできる、表示パネルである。
[構成例]
図21(A)は、表示装置400の構成の一例を示すブロック図である。表示装置400は、表示部362にマトリクス状に配列した複数の画素410を有する。また表示装置400は、回路GDと、回路SDを有する。また、方向Rに配列した複数の画素410、回路GDと電気的に接続する複数の配線GD1、複数の配線GD2、複数の配線ANO、及び複数の配線CSCOMを有する。また、方向Cに配列した複数の画素410、回路SDと電気的に接続する複数の配線S1、及び複数の配線S2を有する。
なお、ここでは簡単のために回路GDと回路SDを1つずつ有する構成を示したが、液晶素子を駆動する回路GD及び回路SDと、発光素子を駆動する回路GD及び回路SDとを、別々に設けてもよい。
画素410は、反射型の液晶素子と、発光素子を有する。画素410において、液晶素子と発光素子とは、互いに重なる部分を有する。
図21(B1)は、画素410が有する導電層311bの構成例を示す。導電層311bは、画素410における液晶素子の反射電極として機能する。また導電層311bには、開口451が設けられている。
図21(B1)には、導電層311bと重なる領域に位置する発光素子360を破線で示している。発光素子360は、導電層311bが有する開口451と重ねて配置されている。これにより、発光素子360が発する光は、開口451を介して表示面側に射出される。
図21(B1)では、方向Rに隣接する画素410が異なる色に対応する画素である。このとき、図21(B1)に示すように、方向Rに隣接する2つの画素において、開口451が一列に配列されないように、導電層311bの異なる位置に設けられていることが好ましい。これにより、2つの発光素子360を離すことが可能で、発光素子360が発する光が隣接する画素410が有する着色層に入射してしまう現象(クロストークともいう)を抑制することができる。また、隣接する2つの発光素子360を離して配置することができるため、発光素子360のEL層をシャドウマスク等により作り分ける場合であっても、高い精細度の表示装置を実現できる。
また、図21(B2)に示すような配列としてもよい。
非開口部の総面積に対する開口451の総面積の比の値が大きすぎると、液晶素子を用いた表示が暗くなってしまう。また、非開口部の総面積に対する開口451の総面積の比の値が小さすぎると、発光素子360を用いた表示が暗くなってしまう。
また、反射電極として機能する導電層311bに設ける開口451の面積が小さすぎると、発光素子360が射出する光から取り出せる光の効率が低下してしまう。
開口451の形状は、例えば多角形、四角形、楕円形、円形又は十字等の形状とすることができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状としてもよい。また、開口451を隣接する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、開口451を同じ色を表示する他の画素に寄せて配置する。これにより、クロストークを抑制できる。
[回路構成例]
図22は、画素410の構成例を示す回路図である。図22では、隣接する2つの画素410を示している。
画素410は、スイッチSW1、容量素子C1、液晶素子340、スイッチSW2、トランジスタM、容量素子C2、及び発光素子360等を有する。また、画素410には、配線GD1、配線GD3、配線ANO、配線CSCOM、配線S1、及び配線S2が電気的に接続されている。また、図22では、液晶素子340と電気的に接続する配線VCOM1、及び発光素子360と電気的に接続する配線VCOM2を示している。
図22では、スイッチSW1及びスイッチSW2に、トランジスタを用いた場合の例を示している。
スイッチSW1は、ゲートが配線GD3と接続され、ソース又はドレインの一方が配線S1と接続され、ソース又はドレインの他方が容量素子C1の一方の電極、及び液晶素子340の一方の電極と接続されている。容量素子C1は、他方の電極が配線CSCOMと接続されている。液晶素子340は、他方の電極が配線VCOM1と接続されている。
また、スイッチSW2は、ゲートが配線GD1と接続され、ソース又はドレインの一方が配線S2と接続され、ソース又はドレインの他方が、容量素子C2の一方の電極、トランジスタMのゲートと接続されている。容量素子C2は、他方の電極が配線CSCOMと接続されている。トランジスタMは、ソース又はドレインの一方が発光素子360の一方の電極と接続されている。発光素子360は、他方の電極が配線VCOM2と接続されている。
図22では、トランジスタMが半導体を挟む2つのゲートを有し、これらが接続されている例を示している。これにより、トランジスタMが流すことのできる電流を増大させることができる。
配線GD3には、スイッチSW1を導通状態又は非導通状態に制御する信号を与えることができる。配線VCOM1には、所定の電位を与えることができる。配線S1には、液晶素子340が有する液晶の配向状態を制御する信号を与えることができる。配線CSCOMには、所定の電位を与えることができる。
配線GD1には、スイッチSW2を導通状態又は非導通状態に制御する信号を与えることができる。配線VCOM2及び配線ANOには、発光素子360が発光する電位差が生じる電位をそれぞれ与えることができる。配線S2には、トランジスタMの導通状態を制御する信号を与えることができる。
図22に示す画素410は、例えば、反射モードの表示を行う場合には、配線GD3及び配線S1に与える信号により駆動し、液晶素子340による光学変調を利用して表示することができる。また、透過モードで表示を行う場合には、配線GD1及び配線S2に与える信号により駆動し、発光素子360を発光させて表示することができる。また、両方のモードで駆動する場合には、配線GD1、配線GD3、配線S1及び配線S2のそれぞれに与える信号により駆動することができる。
なお、図22では一つの画素410に、一つの液晶素子340と一つの発光素子360とを有する例を示したが、これに限られない。図23(A)は、一つの画素410に一つの液晶素子340と4つの発光素子360(発光素子360r、360g、360b、360w)を有する例を示している。
図23(A)では図22の例に加えて、画素410に配線GD4及び配線S3が接続されている。
図23(A)に示す例では、例えば4つの発光素子360として、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、及び白色(W)を呈する発光素子を用いることができる。また液晶素子340として、白色を呈する反射型の液晶素子を用いることができる。これにより、反射モードの表示を行う場合には、反射率の高い白色の表示を行うことができる。また透過モードで表示を行う場合には、演色性の高い表示を低い電力で行うことができる。
また、図23(B)には、画素410の構成例を示している。画素410は、電極311が有する開口部と重なる発光素子360wと、電極311の周囲に配置された発光素子360r、発光素子360g、及び発光素子360bとを有する。発光素子360r、発光素子360g、及び発光素子360bは、発光面積がほぼ同等であることが好ましい。
[表示パネルの構成例]
図24は、本発明の一態様の表示パネル300の斜視概略図である。表示パネル300は、基板351と基板361とが貼り合わされた構成を有する。図24では、基板361を破線で明示している。
表示パネル300は、表示部362、回路364、配線365等を有する。基板351には、例えば回路364、配線365、及び画素電極として機能する導電層311b等が設けられる。また図24では基板351上にIC373とFPC372が実装されている例を示している。そのため、図24に示す構成は、表示パネル300とFPC372及びIC373を有する表示モジュールということもできる。
回路364は、例えば走査線駆動回路として機能する回路を用いることができる。
配線365は、表示部362や回路364に信号や電力を供給する機能を有する。当該信号や電力は、FPC372を介して外部、又はIC373から配線365に入力される。
また、図24では、COG(Chip On Glass)方式等により、基板351にIC373が設けられている例を示している。IC373は、例えば走査線駆動回路、又は信号線駆動回路などとしての機能を有するICを適用できる。なお表示パネル300が走査線駆動回路及び信号線駆動回路として機能する回路を備える場合や、走査線駆動回路や信号線駆動回路として機能する回路を外部に設け、FPC372を介して表示パネル300を駆動するための信号を入力する場合などでは、IC373を設けない構成としてもよい。また、IC373を、COF(Chip On Film)方式等により、FPC372に実装してもよい。
図24には、表示部362の一部の拡大図を示している。表示部362には、複数の表示素子が有する導電層311bがマトリクス状に配置されている。導電層311bは、可視光を反射する機能を有し、後述する液晶素子340の反射電極として機能する。
また、図24に示すように、導電層311bは開口を有する。さらに導電層311bよりも基板351側に、発光素子360を有する。発光素子360からの光は、導電層311bの開口を介して基板361側に射出される。
また、基板361上には入力装置366を設けることができる。例えば、シート状の静電容量方式のタッチセンサを表示部362に重ねて設ける構成とすればよい。又は、基板361と基板351との間にタッチセンサを設けてもよい。基板361と基板351との間にタッチセンサを設ける場合は、静電容量方式のタッチセンサのほか、光電変換素子を用いた光学式のタッチセンサを適用してもよい。
[断面構成例1]
図25に、図24で例示した表示パネルの、FPC372を含む領域の一部、回路364を含む領域の一部及び表示部362を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
表示パネルは、基板351と基板361の間に、絶縁層220を有する。また基板351と絶縁層220の間に、発光素子360、トランジスタ201、トランジスタ205、トランジスタ206、着色層262等を有する。また絶縁層220と基板361の間に、液晶素子340、着色層263等を有する。また基板361と絶縁層220は接着層143を介して接着され、基板351と絶縁層220は接着層142を介して接着されている。
トランジスタ206は、液晶素子340と電気的に接続し、トランジスタ205は、発光素子360と電気的に接続する。トランジスタ205とトランジスタ206は、いずれも絶縁層220の基板351側の面上に形成されているため、これらを同一の工程を用いて作製することができる。
基板361には、着色層263、遮光層264、絶縁層261、及び液晶素子340の共通電極として機能する導電層313、配向膜133b、絶縁層260等が設けられている。絶縁層260は、液晶素子340のセルギャップを保持するためのスペーサとして機能する。
絶縁層220の基板351側には、絶縁層211、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214、絶縁層215等の絶縁層が設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層212、絶縁層213、及び絶縁層214は、各トランジスタを覆って設けられている。また絶縁層214を覆って絶縁層215が設けられている。絶縁層214及び絶縁層215は、平坦化層としての機能を有する。なお、ここではトランジスタ等を覆う絶縁層として、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214の3層を有する場合について示しているが、これに限られず4層以上であってもよいし、単層、又は2層であってもよい。また平坦化層として機能する絶縁層214は、不要であれば設けなくてもよい。
また、トランジスタ201、トランジスタ205、及びトランジスタ206は、一部がゲートとして機能する導電層221、一部がソース又はドレインとして機能する導電層222、半導体層231を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。
液晶素子340は反射型の液晶素子である。液晶素子340は、導電層311a、液晶312、導電層313が積層された積層構造を有する。また、導電層311aの基板351側に接して、可視光を反射する導電層311bが設けられている。導電層311bは開口251を有する。また、導電層311a及び導電層313は可視光を透過する材料を含む。また、液晶312と導電層311aの間に配向膜133aが設けられ、液晶312と導電層313の間に配向膜133bが設けられている。
基板361の外側の面には、光拡散板129及び偏光板140を配置する。偏光板140としては直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、外光反射を抑制するために光拡散板129が設けられる。また、偏光板の種類に応じて、液晶素子340に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
液晶素子340において、導電層311bは可視光を反射する機能を有し、導電層313は可視光を透過する機能を有する。基板361側から入射した光は、偏光板140により偏光され、導電層313、液晶312を透過し、導電層311bで反射する。そして、液晶312及び導電層313を再度透過して、偏光板140に達する。このとき、導電層311bと導電層313の間に与える電圧によって液晶の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板140を介して射出される光の強度を制御することができる。また光は着色層263によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は、例えば赤色を呈する光となる。
発光素子360は、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子360は、絶縁層220側から導電層191、EL層192、及び導電層193bの順に積層された積層構造を有する。また導電層193bを覆って導電層193aが設けられている。導電層193bは可視光を反射する材料を含み、導電層191及び導電層193aは可視光を透過する材料を含む。発光素子360が発する光は、着色層262、絶縁層220、開口251、導電層313等を介して、基板361側に射出される。
ここで、図25に示すように、開口251には可視光を透過する導電層311aが設けられていることが好ましい。これにより、開口251と重なる領域においてもそれ以外の領域と同様に液晶312が配向するため、これらの領域の境界部で液晶の配向不良が生じ、意図しない光が漏れてしまうことを抑制できる。
導電層191の端部を覆う絶縁層216上には、絶縁層217が設けられている。絶縁層217は、絶縁層220と基板351が必要以上に接近することを抑制するスペーサとしての機能を有する。またEL層192や導電層193aを遮蔽マスク(メタルマスク)を用いて形成する場合には、当該遮蔽マスクが被形成面に接触することを抑制するための機能を有していてもよい。なお、絶縁層217は不要であれば設けなくてもよい。
トランジスタ205のソース又はドレインの一方は、導電層224を介して発光素子360の導電層191と電気的に接続されている。
トランジスタ206のソース又はドレインの一方は、接続部207を介して導電層311bと電気的に接続されている。導電層311bと導電層311aは接して設けられ、これらは電気的に接続されている。ここで、接続部207は、絶縁層220に設けられた開口を介して、絶縁層220の両面に設けられる導電層同士を接続する部分である。
基板351と基板361が重ならない領域には、接続部204が設けられている。接続部204は、接続層242を介してFPC372と電気的に接続されている。接続部204は接続部207と同様の構成を有している。接続部204の上面は、導電層311aと同一の導電膜を加工して得られた導電層が露出している。これにより、接続部204とFPC372とを接続層242を介して電気的に接続することができる。
接着層143が設けられる一部の領域には、接続部252が設けられている。接続部252において、導電層311aと同一の導電膜を加工して得られた導電層と、導電層313の一部が、接続体243により電気的に接続されている。したがって、基板361側に形成された導電層313に、基板351側に接続されたFPC372から入力される信号又は電位を、接続部252を介して供給することができる。
接続体243としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂又はシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。またニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また接続体243として、弾性変形、又は塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき導電性の粒子である接続体243は、図25に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体243と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制することができる。
接続体243は、接着層143に覆われるように配置することが好ましい。例えば、硬化前の接着層143に接続体243を分散させておけばよい。
図25では、回路364の例としてトランジスタ201が設けられている例を示している。
図25では、トランジスタ201及びトランジスタ205の例として、チャネルが形成される半導体層231を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。一方のゲートは導電層221により、他方のゲートは絶縁層212を介して半導体層231と重なる導電層223により構成されている。このような構成とすることで、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。このとき、2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示パネルを大型化、又は高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。
なお、回路364が有するトランジスタと、表示部362が有するトランジスタは、同じ構造であってもよい。また回路364が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。また、表示部362が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。
各トランジスタを覆う絶縁層212、絶縁層213のうち少なくとも一方は、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。すなわち、絶縁層212又は絶縁層213はバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高い表示パネルを実現できる。
基板361側において、着色層263、遮光層264を覆って絶縁層261が設けられている。絶縁層261は、平坦化層としての機能を有していてもよい。絶縁層261により、導電層313の表面を概略平坦にできるため、液晶312の配向状態を均一にできる。
〔断面構成例2〕
図26に示す表示パネルは、図25に示す構成において各トランジスタにトップゲート型のトランジスタを適用した場合の例である。このように、トップゲート型のトランジスタを適用することにより、寄生容量が低減できるため、表示のフレーム周波数を高めることができる。
本発明の一態様の表示装置が有するトランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、半導体層と、ソース電極として機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層と、を有する。なお、トランジスタの構造は特に限定されない。
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む酸化物半導体などを用いることができる。
シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい酸化物半導体を用いたトランジスタは、その低いオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量素子に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。
半導体層は、例えばインジウム、亜鉛及びM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジム又はハフニウム等の金属)を含むIn−M−Zn系酸化物、In−M系酸化物、M−Zn系酸化物、又はIn−Zn酸化物で表記される膜とすることができる。
半導体層を構成する酸化物半導体がIn−M−Zn系酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
また、上記材料等で形成した金属酸化物は、不純物や酸素欠損などを制御することで透光性を有する導電体として作用させることができる。したがって、上述した半導体層に加え、トランジスタの他の構成要素であるソース電極、ドレイン電極及びゲート電極などを透光性を有する導電体で形成することで、透光性を有するトランジスタを構成することができる。当該透光性を有するトランジスタを表示装置の画素に用いることで、表示素子を透過する光、又は表示素子が発する光が当該トランジスタを透過することができるため、開口率を向上させることができる。
例えば、図27に示す断面構成例1の変形例のように、トランジスタ205、206及び接続部207を構成する要素を、透光性を有する導電体で形成することができる。断面構成例1から、さらに導電層311bを省くことで発光素子360から発する光は、トランジスタ205、206及び接続部207の一部又は全体を透過することができる。また、基板361側から入射し、液晶312を透過した光は、導電層193bで反射させることができる。なお、トランジスタ205、206の信頼性を向上させるため、ゲート電極として作用する導電層及びバックゲート電極として作用する導電層の一方又は両方は、金属などの透光性を有さない層で形成してもよい。
トランジスタのチャネルが形成される半導体にシリコンを用いてもよい。シリコンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリコンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態6)
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。要するに、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、CAAC(c−axis aligned crystal)、及びCAC(Cloud−Aligned Composite)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、又は材料の構成の一例を表す。
また、本明細書等において、CAC−OS又はCAC−metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OS又はCAC−metal oxideを、トランジスタの半導体層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OS又はCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OS又はCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、CAC−OS又はCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OS又はCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OS又はCAC−metal oxideをトランジスタのチャネル領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、要するに大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OS又はCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、又は金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
<CAC−OSの構成>
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC−OSの構成について説明する。
CAC−OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれていてもよい。
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、又はインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、又はガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、又はInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
要するに、CAC−OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、又はIn(1+x0)Ga(1−x0)O3(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、又はCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC−OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とする、ナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。したがって、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC−OSは、例えば基板を加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC−OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つ又は複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
CAC−OSは、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定法の一つであるOut−of−plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa−b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことが分かる。
またCAC−OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。したがって、電子線回折パターンから、CAC−OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano−crystal)構造を有することがわかる。
また例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。要するに、CAC−OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。要するに、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。したがって、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。要するに、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
したがって、CAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、及び高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。したがって、CAC−OSは、ディスプレイをはじめとする様々な半導体装置に最適である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、図面を参照して説明する。
図28(A)は、一例として燃料を燃焼するエンジン、又は電気により制御するモータを有した車2001を示している。車2001は、電子機器110より、第1の認証コードを受信し、第2の認証コードを生成し、FCODEを表示する電子機器を有している。電子機器110は、FCODEを取得し第2の認証コードを復号化することができる。電子機器110は車2001へのアクセスが許可され、車2001の管理パラメータにアクセスできるようになる。したがって、実施の形態1で説明した認証システムを利用することができる。
電子機器110は、電子機器110が備える撮像素子が撮像した車2001の画像をAR画像に加工し表示パネルに表示することができる。車2001の利用者又は整備士は、電子機器110を利用することで、車の状態をモニタ又は管理することができる。
図28(B)は、一例として燃料を燃焼するエンジン、又は電気により制御するモータを有した大型の輸送車2002を示している。図28(B)に示す大型の輸送車2002は、図28(A)に示す車2001と同様な機能を備えているので説明は省略する。
図28(C)は、一例として電気により制御するモータ、又は燃料を燃焼するエンジンを有した大型の輸送車両2003を示している。図28(C)に示す大型の輸送車両2003は、図28(A)に示す車2001と同様な機能を備えているので説明は省略する。
図28(D)は、一例として燃料を燃焼するエンジンを有した航空機2004を示している。図28(D)に示す航空機2004は、図28(A)に示す車2001と同様な機能を備えているので説明は省略する。
図29(A)は、発電施設の一例として風力発電施設2005を示している。風力発電施設では、風力による回転を電気に変換するモータを有している。風力発電施設2005は、FCODEを表示する表示パネル2005aを備えていることが好ましい。したがって、実施の形態1で説明した認証システムを利用することができる。
もしくは、複数の風力発電施設が統合管理されているときFCODEを表示する表示パネル2005aは、複数の風力発電施設を一つのFCODEで管理してもよい。電子機器110は、電子機器110の備える撮像素子が撮像した風力発電施設2005の画像からAR画像を生成して表示することができる。風力発電施設のように高所に備えつけられた制御機器の管理を簡便にする。
発電施設は、風力発電施設に限定されない。FCODEを用いた認証システム、及び通信システムは、図示していないが原子力発電施設、火力発電施設、水力発電施設、波力発電施設、地熱発電施設など規模が大きく、機密性が高く、さらに、安全性が求められる施設に適用することができる。電子機器110と対象施設との間に大きな距離を有していても、撮像された画像からAR画像を生成して表示することができる。したがって、対象施設の管理パラメータを簡便に管理することができる認証システム、及び通信システムを提供することができる。
図29(B)は、生産施設の一例として化学プラント2006を示している。化学プラントでは、温度、圧力などの管理パラメータ、又は状態管理パラメータは重要な管理項目である。化学プラント2006の制御システムは、FCODEを表示する表示パネル2006aを備えていることが好ましい。したがって、実施の形態1で説明した認証システムを利用することができる。
電子機器110は、電子機器110の備える撮像素子によって撮像された化学プラント2006の画像をAR画像に加工して表示することができる。よって、複数ある対象施設の間に距離を有していても、撮像された画像により、対象施設の管理パラメータを管理することができる認証システムを有する通信システムを提供することができる。
生産施設は、化学プラントに限定されない。FCODEを用いた認証システム、及び通信システムは、図示していないが電子機器の生産施設、車等の生産施設、布を加工する縫製施設、植物の生産施設、食品の生産施設などに適用することができる。
図30で例示する電子機器は、表示部にFCODEを表示することができる本発明の一態様の表示装置を備えるものである。したがって、高い解像度が実現された電子機器である。また高い解像度と、大きな画面が両立された電子機器とすることができる。
本発明の一態様の電子機器の表示部には、例えばフルハイビジョン、4K2K、8K4K、16K8K、又はそれ以上の解像度を有する映像を表示させることができる。また、表示部の画面サイズとしては、対角20インチ以上、又は対角30インチ以上、又は対角50インチ以上、対角60インチ以上、又は対角70インチ以上とすることもできる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、自動販売機、チケット販売機などが挙げられる。
本発明の一態様の電子機器又は照明装置は、家屋もしくはビルの内壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことができる。
本発明の一態様の電子機器は、撮像素子(フォトダイオード、光センサ、イメージセンサ)を有していることが好ましい。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナ及び二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
本発明の一態様の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
本発明の一態様の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出す機能等を有することができる。
本発明の一態様の電子機器は、ニューラルネットワークを用いて撮像素子で撮像した画像データからFCODEを検出する機能を有していることが好ましい。
図30(A)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
図30(A)に示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。又は、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることで操作してもよい。リモコン操作機7111は、当該リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キー又はタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置7100は、受信機及びモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図30(B)に、ノート型パーソナルコンピュータ7200を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス7213、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7000が組み込まれている。
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
図30(C)、(D)に、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)の一例を示す。
図30(C)に示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7000、及びスピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
また、図30(D)は円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7000を有する。
図30(C)、(D)において、表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
表示部7000が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部7000が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。また表示部7000は、タッチパネルを備えていることが好ましい。利用者は、表示部7000の一部をタッチ操作することで、表示部7000の一部に表示領域7001を用いて利用者に詳細な情報を提供することができる。
表示部7000にタッチパネルを適用することで、表示部7000に画像又は動画を表示するだけでなく、使用者が直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報もしくは交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
また、図30(C)、(D)に示すように、デジタルサイネージ7300又はデジタルサイネージ7400は、ユーザが所持するスマートフォン等の情報端末機7311又は情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部7000に表示される広告の情報を、情報端末機7311又は情報端末機7411の画面に表示させることができる。また、情報端末機7311又は情報端末機7411を操作することで、表示部7000の表示を切り替えることができる。
また、デジタルサイネージ7300又はデジタルサイネージ7400に、情報端末機7311又は情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ、もしくはタッチパネル)としたゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数のユーザが同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
図30(E)は、携帯情報端末7500の斜視図である。携帯情報端末は、例えば、電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
携帯情報端末7500は、文字及び画像情報等をその複数の面に表示することができる。例えば、図30(E)に示すように、3つの操作キー7502を一の面に表示し、矩形で示す情報7503を他の面に表示することができる。操作キー7502は、表示部7000に表示され、タッチパネルを介して操作されてもよい。図30(E)は、携帯情報端末の側面に情報が表示される例を示す。また、携帯情報端末の3面以上に情報を表示してもよい。
なお、情報の例としては、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の通知、電子メール又は電話などの着信を知らせる表示、電子メールなどの題名もしくは送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。又は、情報が表示されている位置に、情報の代わりに、操作キー、アイコンなどを表示してもよい。
図30(F)はタブレット型のパーソナルコンピュータであり、筐体7601、筐体7602、本発明の一態様に係る表示部7000、光センサ7604、光センサ7605、スイッチ7606等を有する。表示部7000は、筐体7601及び筐体7602によって支持されている。そして、表示部7000は可撓性を有する基板を用いて形成されているため形状をフレキシブルに曲げることができる機能を有する。
筐体7601と筐体7602の間の角度をヒンジ7607及び7608において変更することで、筐体7601と筐体7602が重なるように、表示部7000を折りたたむことができる。図示してはいないが、開閉センサを内蔵させ、上記角度の変化をタブレット型のパーソナルコンピュータにおいて使用条件の情報として用いても良い。タブレット型のパーソナルコンピュータに本発明の一態様に係る表示部7000を用いることで、使用環境における外光の強度に左右されずに、表示部7000に表示品質の高い画像を表示することができ、消費電力も抑えることができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。